(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の最大温度は、CPOX反応器ユニットのアウトレットと熱及び流体連通状態にある燃料セルスタックのインレットによって許容される温度である請求項3に記載の統合システム。
複数の点火器を備え、各点火器は、少なくとも一つのCPOX反応器ユニットのCPOX触媒を含む前記ガス透過可能壁の少なくとも一つのセクションと熱連通状態に配置される請求項1乃至5のいずれか一項に記載の統合システム。
前記CPOX触媒は、前記CPOX反応器ユニットの前記ガス透過可能壁内に配置される、前記CPOX反応器ユニットの前記ガス透過可能壁の内側表面に配置される、前記CPOX反応器ユニットの前記ガス透過可能壁の構造体を部分的に又は完全に形成する、又は前記配置及び前記形成の組合せである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の統合システム。
前記燃料セルは、管状固体酸化物燃料セルユニットのアレイを備え且つCPOX反応器ユニットの前記アウトレットは、燃料セルユニットのインレットに直接接続され、そこでは、前記燃料セルユニットの前記インレットは、前記燃料セルユニットの前記アノードと流体連通状態にある請求項1乃至7のいずれか一項に記載の統合システム。
CPOX反応を開始することは、二つ以上の単一の点火器を始動してCPOX反応器ユニットの各々において前記ガス状CPOX反応混合物のCPOX反応を開始することを含み、
前記点火器の数は、CPOX反応器ユニットの数よりも少ない請求項10乃至13のいずれか一項に記載の方法。
更に、前記ガス状燃料CPOX改質器の動作中に、前記ガス状CPOX反応混合物の酸素対炭素の比率を変化させることを含む請求項10乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、且つ先に認識されるように(例えば、米国特許第6,790,431号明細書及び第7,578,861号明細書を参照)、CPOX反応中に生成される熱の典型的に高いレベルは、改質器及び/又はCOPX触媒、触媒支持部、及び他の構造的コンポーネントのようなコンポーネントに対する損傷を含む望ましくない結果を有し得る。これは、多くの現在のCPOX改質器設計の大きな欠点であり、有効な解決策の必要性がある。
【0011】
一つの既知のタイプのCPOX改質器は、一般的には、「触媒モノリス」、「触媒モノリス支持部」、「モノリス基板」又は単純に「モノリス」と呼ばれる触媒支持コンポーネントを含み、それは、その上に配置されるCPOX触媒や触媒系を有する。
【0012】
モノリスは、二つの一般的な構成に基づいて分類される:第1の構成は、中を貫通する本質的に線形のガス流路を呈するハニカム状のチャネルとされた金網又はらせん状に巻かれたコルゲート状シート構造の金属又はセラミックボディによって特徴付けられ、及び第2の構成は、中を貫通する曲がりくねったガス流路を呈する網状の、即ち、開口の細穴構造の金属又はセラミック発泡ボディによって特徴付けられる。一つ又は他の一般的なタイプの代表的なモノリスは、例えば、米国特許第5,527,631号明細書、第6,402,989号明細書、第6,458,334号明細書、第6,692,707号明細書、第6,770,106号明細書、第6,887,456号明細書、第6,984,371号明細書、第7,090,826号明細書、第7,118,717号明細書、第7,232,352号明細書、第7,909,826号明細書、第7,976,787号明細書、第8,323,365号明細書、及び米国特許出願公開第2013/0028815号明細書に開示されている。
【0013】
図1Aに示されるように、長手方向断面で見る、一般的な従来の技術のものであるモノリス100は、CPOX触媒が含浸された又はウォッシュコートされた、多数のチャネル102よりなるハニカム状セラミックボディ101と、ガス状CPOX反応混合物、即ち、ガス状酸化剤、典型的には、空気、と改質可能燃料、例えば、メタン、天然ガス、プロパン又はブタンのようなガス状の燃料又はガソリン、灯油、ジェット燃料又はディーゼルのような気化されたガス状燃料の混合物が入ることができるインレット端103、水素リッチ一酸化炭素含有改質油生成品(シンガス)を放出するためのアウトレット端104及びモノリス全体と本質的に同一の広がりを持つCPOX反応ゾーン105を含む。
【0014】
CPOX反応ゾーン105は、内側、即ち、中央領域106を有するものと考えられ、この中央領域106を通って、ガス状CPOX反応混合物ストリームの対応する内側、即ち中央部分が、外側,即ち周辺領域107によって囲まれる速度V
1の比較的高い範囲内で本質的に流れ、この周辺領域107を通って、ガス状CPOX反応混合物ストリームの対応する外側、即ち、周辺部分が速度V
2の比較的低い範囲内で本質的に流れる。
【0015】
モノリスは、典型的には、例えば、およそ600℃から1,100℃の極めて高いCPOX反応温度を受ける。ハニカム状モノリス100の場合、CPOX反応ゾーン105の内側領域106と外側領域107内を夫々流れるCPOX反応混合物ストリームの流速V
1とV
2の固有の差分に繋がるこれらの高温は、モノリス100及びCPOX改質が関連する他の本質的に線形の流路モノリスの観察された動作上の欠点の主因となる傾向がある。
【0016】
600℃から1,100℃のCPOX反応温度では、モノリス100は、そのインレット端103で大量の熱を放射する。CPOX反応状態を注意深く観察し且つ制御しても、「フラッシング」の現象、即ち、放射熱ゾーン108内のCPOXガス状反応混合物ストリームがインレット端103に近接する時のそのCPOXガス状反応混合物ストリームの早期燃焼を防止又は禁止することが困難であり得る。インレット端103に近接する初期のCPOX反応ゾーン109内で生じるCPOX反応の発熱の熱はそこから放射熱ゾーン108内に外方に向けて放射する。この放射熱は、前進するCPOX反応混合物ストリーム(矢印で指示)の温度をそのフラッシュポイントに上昇するのに十分な強度の熱であり得る。放射熱ゾーン108内のCPOX反応混合物のフラッシングによって望ましくない熱事象が引き起こされ、その温度を、触媒が気化される又は不活性化される点まで上昇する及び/又は改質器構造が損傷される又は動作不能にされるポイントまで上昇する。また、これらの熱事象は、このゾーン内での燃料の分解蒸留に至ることがあり、その結果、コークス(炭素粒子)形成が増加してCPOX触媒性能の悪化となる。水素リッチ改質油流出物が燃料セルスタックのための燃料として利用される場合、コークス及びその中に含まれる未改質高級炭化水素部分は、燃料セルのアノード表面に堆積し、生成物の改質油の電気への変換を減少することになる。
【0017】
更に
図1Aに示されるように、CPOX反応ゾーン105の内側領域106と外側領域107の夫々の内のCPOX反応混合物ストリームの流速V
1とV
2の前述の差分は、また、主に、これらの領域におけるCPOX反応温度範囲T
1とT
2における差分の要因である。このように、内側領域106内のCPOX反応混合物ストリームのより高い速度V
1は、その領域でのCPOX反応率がより高く且つ付随する反応温度T
1がより高くなり、逆に、外側領域107内のCPOX反応混合物ストリームのより低い速度V
2は、その領域でのCPOX反応率がより低く且つ付随する反応温度T
2がより低くなる。内側領域106及び外側領域107を横切る温度プロファイルは、温度曲線110によって表されることができる。十分に高い場合、CPOX反応温度T
1における急な上昇は、モノリス100に対する損傷及び全破壊とさえなり得る。
【0018】
図1Bに示されるように、長手方向断面から見て従来の技術のタイプの発泡モノリス150は、従来の又は他の既知の手順、例えば、含浸又はウオッシュコーティングによって上に堆積されるCPOX触媒又は触媒系を支持する相互接続細穴及び細穴チャネル152の網状の、即ち、開口の、ネットワークによって特徴付けられるセラミック発泡ボディ151を含む。
【0019】
全てのタイプの発泡モノリスの一つの欠点は、
図1Aのハニカム状モノリス100のような線形流モノリスに比較して流れに対するより高い抵抗に起因してそれらのより高い圧力低下である。より高い圧力低下は、目標となる流れを満足するためには、より高い動作圧力、従って、より高いエネルギー消費を必要とする。発泡モノリスの他の一つの固有の欠点は、ガス状反応物とその中の反応生成物の流路(矢印で指示されるように)の性質にある。これらの流路の特有のランダム性は、モノリス内の非常に不均一な温度プロファイルとなり(例えば、温度曲線153によって指示されるように)、ホットスポットに起因する熱ショック及び/又はコールドスポットに起因するCPOX変換率の減少のリスクを増加する。
【0020】
全てのタイプの発泡モノリスは、また、上述された線形流路モノリスの場合におけるのと同じ程度にフラッシングの影響を受けやすい。加えて、発泡モノリスは、それらの種類の特有の他の欠点を生じやすい。既知及び従来の発泡モノリスを製造する方法に依存して、それらの発泡モノリスは、特に、それらの中央領域内に比較的に脆弱な細穴ネットワークを有する可能性がある、又はそれらの発泡モノリスは、全体にわたってより強固な細穴構造を有する可能性がある。発泡モノリスの両方のタイプは、不利益を受ける。
【0021】
比較的に脆弱なコア領域を有する発泡モノリスの場合、CPOX改質器(水素リッチ改質油を燃料セルアセンブリに供給するCPOX改質器の典型である)の迅速な熱サイクリングから生じる熱ショックは、CPOX反応が進行するとしても、CPOX反応が非常に非効率的に進行する点まで時間経過に従ってそれらの構造を劣化し得る。
【0022】
頑丈な細穴構造を有する発泡モノリスの場合、そのような構造は、全体的に、ガス流路のランダム性を拡大する傾向がある。ホットスポットにより細穴構造への損傷は無視できる或いは存在しないが、CPOX反応の生産性に悪影響を及ぼす散乱する且つ束の間のコールドスポットの問題は、このタイプの発泡モノリスの一つの欠点のままである。
【0023】
また、良好に定義され且つ密に制御されたプロセスによって製造される時でも、発泡モノリスは、同じプロセスによって製造される他の発泡モノリスからは、それらの細穴構造において、従って、それらのガス流れ特性において異なっていることが留意される。それらの微細構造における不可避的差の結果として、製造の同じプロセスによって製造される個々の発泡モノリスは、経験的に決定されることができるに過ぎない特有の動作特性を表す傾向がある。実際上は、より広い範囲の性能と信頼性パラメータ又は仕様は、性能における予期できないバラツキを許容するために同じ製造の発泡モノリスを組み込む改質器に割り当てられる。
【0024】
加えて、CPOX改質器の燃料セルとの統合は、電気が必要とされる特定の用途に適切な統合改質器‐燃料セルシステムを提供するために効率的且つ効果的であるべきである。
【0025】
従って、本産業では、CPOX改質器と燃料セルの統合システムの新たな設計並びに従来の技術の不利益点の幾つかに対処できる、電気を生成するための燃料セルと統合されたCPOX改質システムの新たな方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0026】
発明の概要
前述に照らして、本教示は、ガス状燃料CPOX改質器と燃料セルの統合システム(本明細書では、「改質器‐燃料セルシステム」とも呼ばれる及び関連する変形)、及び水素リッチ改質油を生成するためにガス状改質可能燃料のCPOX改質を行い且つ前記水素リッチ改質油を電気に電気化学的に変換する方法を提供し、これらのシステム及び方法は、最先端技術の欠点及び/又は不利益点の一つ以上に対処できる。例えば、本教示の統合改質器‐燃料セルシステム及び方法は、全体として、フラッシング又は「逃げる」熱事象がガス状燃料CPOX改質器セクション又はCPOX改質動作において生じる機会や傾向が殆ど無い又はないこと、及びガス状燃料CPOX改質器又はCPOX改質において過剰に高いCPOX反応温度がないこと、及び/又はガスストリームの経路指定及びガス流コンポーネント及びガス状燃料CPOX改質器セクション及び/又は統合改質器‐燃料セルシステムの通路の全体を通して低い背圧を提供する。
【0027】
加えて、本教示のガス状燃料CPOX改質器及び燃料セルセクションの設計は、統合改質器‐燃料セルシステムへの効率的且つ効果的な連結を可能とすることができる。例えば、CPOX反応器ユニットのアウトレットの横方向断面は、燃料セルユニットのインレットの横方向断面と整合でき、それによって、ユニット同士の直接連結を可能とする。そのようなシステムのフレキシビリティは、コンパクトなフットプリント及び/又は設計を含む様々な用途及び状態に対して変更及び/又は適合されることができる。
【0028】
一態様では、本教示は、ガス状燃料CPOX改質器と燃料セルの統合システムに関し、そこでは、統合改質器‐燃料セルシステムは、ガス状燃料CPOX改質器セクションと燃料セルセクションを含む。
【0029】
ガス状燃料CPOX改質器セクションは、本明細書で述べられるような互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイを有するガス状燃料CPOX改質器;及び前記ガス状燃料CPOX改質器の少なくとも一つのCPOX反応器ユニットのCPOX触媒、例えば、少なくとも一つのCPOX反応器ユニットのCPOX触媒含有壁セクションと熱連通状態にある点火器を含むことができる。
【0030】
統合改質器‐燃料セルシステムのCPOX反応器ユニットは、典型的には、内表面と外表面を有する細長いチューブを含む。例えば、「ガス状燃料CPOX改質器」は、「ガス状燃料多管状CPOX改質器」と考えられることができ、それのそのような表現及び変更は、本明細書では、文脈からそうでないと理解される場合を除いて、相互交換可能に使用されることができる。CPOX反応器ユニットの壁は、開口ガス流通路を囲み且つ流体流を受容するために一端にインレットを画定し、流体流の放出のために反対側端にアウトレットを画定する。CPOX反応器ユニットは、アレイ中の少なくとも隣のCPOX反応器ユニット(単数又は複数)と熱連通状態であることができる。前記CPOX反応器ユニットは、前記内表面を含むその壁の少なくとも一セクションを有することができ、CPOX触媒を含むことができる。CPOX触媒含有壁セクションは、典型的には、ガス状CPOX反応混合物が中に拡散できるように及び生産物水素リッチ改質油がそこから拡散できるようにガス透過可能である。CPOX触媒含有壁セクションは、CPOX反応状態下で構造的に安定したままであり得る。
【0031】
統合改質器‐燃料セルシステムのガス状CPOX改質器は、少なくとも前記CPOX触媒含有壁セクションの外側表面に関連する、即ち、それに取付けられる又はそれに接着される水素バリアを含むことができる。水素バリアは、CPOX反応器ユニットの壁の大部分、又は実質的にその全て、又はその外側表面全体に関連し得る。例えば、加圧ガスのような加圧流体は、例えば、CPOX触媒含有壁セクションの少なくとも前記外側表面と関連する水素バリアであり得る。
【0032】
互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイ及びそれらの熱連通に関して、これらのCPOX反応器ユニットは、一般的に、一つのCPOX反応器ユニットにおけるCPOX反応からの熱が一つ以上の隣のCPOX反応器ユニットにおけるCPOX反応を始動するのに十分に近い距離だけ離間される。しかしながら、これらのCPOX反応器ユニットは、一般的には、特に、CPOX反応器ユニットのアウトレットでCPOX反応器ユニットの温度の制御ができるのに十分に離れた距離に離間される。即ち、CPOX反応器ユニットは、熱損失がCPOX反応器ユニットから生じてCPOX反応器ユニット、及びもしあるならば、CPOX反応器ユニット(単数又は複数)のアウトレット(単数又は複数)と流体及び熱連通状態であることができる燃料セルスタックに対する損傷を防止するように離間される。そのような配置では、互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイは、アレイ間で適切な熱バランスを提供し且つ全体的に又はアレイを横切って熱の均一性を促進できる。
【0033】
例えば、隣接するCPOX反応器ユニット間の最大距離は、CPOX反応が、一つのCPOX反応器ユニットにおけるCPOX反応からの熱によって隣のCPOX反応器ユニットにおいて開始されるのを失敗しないその距離である。換言すれば、一つのアレイの一つの(単一の)CPOX反応器ユニットにおけるCPOX反応を開始することによって、CPOX反応器ユニットのアレイのCPOX反応器ユニットの各々におけるCPOX反応を開始するために必要な熱を発生させることができる。最大距離は、動作の定常状態モード中に、CPOX反応器ユニットのアレイの温度が所定の最小アレイ温度、例えば、約600℃又は約650℃未満に低下しないその距離であることができる。
【0034】
隣接するCPOX反応器ユニット間の最小距離は、CPOX反応器ユニットのアウトレットでの温度が所定の最大温度より大きくないその距離であり得る。所定の最大温度は、CPOX反応器ユニットのアウトレットと熱及び流体連通状態にある燃料セルスタックのインレットで許容できる温度、例えば、875℃又は900℃であり得る。
【0035】
統合システムのガス状燃料CPOX改質器は、単一の点火器を含むことができる又は二つ以上の点火器、例えば、二つの点火器、三つの点火器、又はそれを越える数の点火器を含むことができ、そこでは、追加の点火器は、他のCPOX反応器ユニットのCPOX触媒含有壁セクションと熱連通状態に配置されることができる。
【0036】
また、統合改質器‐燃料セルシステムのガス状燃料CPOX改質器は、CPOX反応器ユニットのインレットと流体連通状態にあるガス状改質可能燃料源を含むことができる。
【0037】
CPOX反応器ユニットのCPOX触媒含有壁セクションは、セラミックを含むことができる又はセラミックであることができる。CPOX触媒含有壁セクションは、多孔基板、例えば、セラミック又は多孔セラミックを含む多孔基板であり得る。CPOX触媒を含む壁の少なくともセクションは、ペロブスカイト(チタン酸カルシウム)であることができる又はそれを含むことができる。例えば、ペロブスカイトは、そのような壁セクションの約20重量%を超える又は約50重量%を超えることができる。CPOX触媒は、その壁内に配置されることができる及び/又はその壁の内表面上に堆積されることができる。例えば、CPOX触媒又はCPOX触媒系は、例えば、浸漬、ウオッシュコーティング、又は同等の手順によって、壁及び/又は壁の内表面のような表面に堆積されることができる。また、CPOX触媒は、壁、即ち、その壁の構造体を部分的に又は完全に形成することができる。特定の実施形態では、CPOX反応器ユニットの触媒含有壁セクション内のCPOX触媒の量は、壁セクションの長さに沿って、例えば、CPOX反応器ユニットのインレット端からアウトレット端へ向かう方向に増加してもよい、及び/又はその量は、その壁の内表面から外表面へ向かって減少してもよい。このようなCPOX触媒の勾配は、CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーンに存在し得る。
【0038】
提示された技術の他の一つの特徴は、ガス状CPOX反応混合物をCPOX反応器ユニットに分配するためのマニフォルド、即ち、そのマニフォルド(又はマニフォルドチャンバ)は、CPOX反応器ユニットのインレットと流体連通状態にあることができる。マニフォルドは、マニフォルドハウジングを含み、そこでは、マニフォルドハウジングは、一つのマニフォルドチャンバを画定する。マニフォルドは、中に配置され且つマニフォルドチャンバの長手の少なくとも大部分にわたって延在するガス状CPOX反応混合物分配器を含むことができる。ガス状CPOX反応混合物分配器は、ガス状CPOX反応混合物を出力するコンジットと流体連通状態にあることができる。ガス状CPOX反応混合物分配器は、CPOX反応器ユニットのインレットの反対側に位置される一つ以上のアウトレットを含むことができる。マニフォルドは、マニフォルドチャンバと熱連通状態にあるヒーター及び/又は受動加熱要素を含むことができる。マニフォルドは、キャビティを含むことができ、そこでは、マニフォルドハウジングがそのキャビティを画定する。シールは、キャビティ内又はそれに隣接して配置されることができる。マニフォルドハウジングは、典型的には、複数のキャビティを含み、そこでは、キャビティの数と配置は、CPOX反応器ユニットのインレットの数と配置に一致する。シールは、CPOX反応器ユニットのインレットと係合でき、それによって、マニフォルドハウジングとインレットとの間の気密シールを提供する。
【0039】
統合改質器‐燃料セルシステムの燃料セルセクションは、アノード、カソード、及びそれらの間に配置される電解質を有する燃料セル(又は燃料セルユニット)を含むことができる。燃料セルユニットのアノードは、CPOX反応器ユニットのアウトレットと流体連通状態にあることができる。燃料セルユニットのカソードは、酸素含有ガス(源)と流体連通状態にあることができる。燃料セルセクションは、燃料セルユニットのアノードとカソードに電気的に連結された電流コレクタを含むことができる。
【0040】
統合改質器‐燃料セルシステムの燃料セルユニットは、固体酸化物燃料セル又は高分子電界膜(又はプロトン交換膜)燃料セルであることができる。統合改質器‐燃料セルシステムの燃料セルユニットは、管状固体酸化物燃料セル、例えば、多管状固体酸化物燃料セルを含むことができる。
【0041】
統合改質器‐燃料セルシステムの燃料セルユニットのアノードは、コンジット、例えば、水素リッチ改質油が通過するコンジットを介してCPOX反応器ユニットのアウトレットと流体連通状態であることができる。統合改質器‐燃料セルシステムの燃料セルユニットのカソードは、他の一つのコンジット、例えば、空気コンジットを介して酸素含有ガス(源)と流体連通状態であることができる。幾つかの実施形態では、CPOX反応器ユニットのアウトレットは、燃料セルユニットのインレットに直接に接続されることができ、そこでは、燃料セルユニットのインレットは、燃料セルユニットのアノードと流体連通状態である。
【0042】
統合システムの燃料セルセクションは、燃料セルユニットのアウトレットと流体連通状態にあるアフターバーナーを含むこともできる。
【0043】
他の一実施形態では、本教示は、ガス状燃料CPOX改質及び水素リッチ生産物改質油を電気に電気化学的に変換する方法を提供する。本願教示の方法は、一般的に、ガス状改質可能燃料と酸素含有ガスを含む、例えば、備える(よりなる)、実質的になる、又はなる、ガス状CPOX反応混合物を本教示のガス状燃料CPOX改質器のCPOX反応器ユニットのインレットに導入すること;水素リッチ改質油の生産を始めるためにガス状CPOX反応混合物の触媒部分酸化を開始すること;ガス状CPOX反応混合物の触媒部分酸化を維持すること;及び燃料セルユニット内で水素リッチ改質油を電気に変換することを含む。
【0044】
種々の実施形態において、ガス状CPOX反応混合物を導入することは、ガス状改質可能燃料を含むガス状CPOX反応混合物をCOPX反応器ユニットのインレットに導入することを含み、そこでは、前記CPOX反応器ユニットは、互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイを形成し、各COPX反応器ユニットは、内表面と外表面を有する壁を有する細長いチューブを備え、前記壁は、開口ガス流通路を囲み且つCPOX反応器ユニットのインレットとアウトレットを画定する。CPOX反応器ユニットは、前記アレイの少なくとも隣のCPOX反応器ユニット(単数又は複数)と熱連通状態にあることができる。前記壁の少なくとも一セクションは、CPOX触媒を含むことができる。CPOX触媒含有壁セクションは、ガス状CPOX反応混合物が中に拡散でき且つ生成物(水素リッチ)改質油がそこから拡散できるようにガス透過可能であることができる。CPOX触媒含有壁セクションは、CPOX反応状態下で構造的に安定したままであり得る。前記アレイ中の隣接するCPOX反応器ユニット間の距離は、ここの記述されるようにできる。
【0045】
触媒部分酸化を開始することは、単一の点火器がCPOX反応器ユニット内でCPOX反応を始めることを開始し、それは、一方、ガス状燃料CPOX改質油の他のCPOX反応器ユニットにおけるCPOX反応を開始することを含むことができる。例えば、触媒部分酸化を開始することは、一つのCPOX反応器ユニット内でCPOX反応を開始すること;CPOX反応からの熱を隣のCPOX反応器ユニットに伝達してその中でCPOX反応を開始すること;及び前記アレイのCPOX反応器の各々におけるCPOX反応を開始するために熱を伝達することを繰り返すことを含むことができる。
【0046】
触媒部分酸化を開始することは、二つ以上の点火器、例えば、二つ、三つ、四つ、五つ以上の点火器を始動してガス状燃料CPOX改質器のCPOX反応器ユニット内でCPOX反応(単数又は複数)を開始することも含むことができる。
【0047】
種々の実施形態では、ガス状CPOX反応混合物の触媒部分酸化を維持することは、アレイ内のCPOX反応器ユニット間での熱を伝達して、それによって、そうでなければ水素リッチ改質油の同じ出力のために必要とされるよりもより少ない外部加熱を使用することを含む。アレイのCPOX反応器ユニット間での熱伝達は、所定の最小アレイ温度、例えば、約600℃又は約650℃を維持できる。所定の最小アレイ温度は、CPOX反応器ユニットのアレイを横切って実質的に均一であることができる。
【0048】
幾つかの実施形態では、ガス状燃料CPOX改質を行い且つ燃料セルユニット内で水素リッチ改質油を電気に変換することの方法は、進行中のCPOX反応の発熱の熱及び/又は燃料セルのような何らかの他の熱源からの熱を使用して酸素含有ガス成分を加熱する及び/又はCPOX改質を受けようとしているガス状CPOX反応混合物のガス状改質可能燃料を加熱することを含むことができる。特定の実施形態では、そのような方法は、発熱の熱を使用すること、例えばそれを燃料セルユニットに伝達することを含むことができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、ガス状燃料CPOX改質の方法は、実質的に均一な組成の気化されたガス状改質可能燃料を含むガス状CPOX反応混合物を実質的に均一な割合で及び/又は実質的に均一な温度で幾つかのCPOX反応器ユニットの一つ以上のインレットに分配することを含む。
【0050】
様々な実施形態では、燃料セルユニット内で水素リッチ改質油を電気に変換する方法は、水素リッチ改質油を燃料セルユニットのアノードに接触させること;及び空気のような酸素含有ガスを燃料セルユニットのカソードに接触させることを含むことができる。
【0051】
更に、本教示によれば、スタートアップモード及び定常状態モードにおいてガス状改質可能燃料のCPOX改質を行って水素リッチ改質油を生成し且つ燃料セル内の水素リッチ改質油を電気に電気化学的に変換する方法が提供され、そこでは、本方法は、一般的に、
a)スタートアップモードにおいて:
(i)酸素含有ガス及びガス状改質可能燃料を含むガス状CPOX反応混合物を複数の互いに離間されたCPOX反応器ユニットの各々のインレットに導入すること、各反応器ユニットがガス状CPOX反応混合物のインレットと水素リッチ改質油のアウトレットを有する細長いチューブを備えること、内表面と外表面を有する壁であって、前記壁は、中に配置されたCPOX触媒及び/又はCPOX触媒の構造体有する前記壁の少なくとも一セクションで開口ガス状流通路を囲むこと、そのような触媒含有壁セクションとそれによって囲まれた開口ガス流通路がガス相CPOX反応ゾーンを画定すること、触媒含有壁セクションが、CPOX反応状態下で安定したままであると共にガス状CPOX反応混合物を中に拡散させ且つ生成物水素リッチ改質油をそこから拡散させるようにガス透過可能であること;
(ii)COPX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内でCPOX反応混合物のCPOXを開始してそれによって水素リッチ改質油の生成を開始すること;
(iii)ステップ(ii)で生成された水素リッチ改質油を、改質油が燃料セルユニットのアノードコンポーネントと接触するように少なくとも一つの燃料セルユニットを備える燃料セルに搬送すると同時に酸素含有ガスを、そのガスが燃料セルユニットのカソードコンポーネントと接触するように燃料セルに搬送することであって、改質油が燃料セルユニット内で変換を受けて電気を生成すること;及び
b)定常状態モードにおいて:
(iv)ガス状CPOX反応混合物をCPOX反応器ユニットのインレットに導入すること、
(v)ステップ(iv)に先立って、又はステップ(iv)中に、又はステップ(iv)に続いて、CPOX開始ステップ(ii)を中断すると共にCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内でCPOX反応を維持して、それによって、水素リッチ改質油の生産を継続すること、及び
(vi)ステップ(v)で生成された水素リッチ改質油を前記少なくとも一つの燃料セルユニットのアノードコンポーネントに搬送すると同時に酸素含有ガスを前記少なくとも一つの燃料セルユニのカソードコンポーネントに搬送することであって、改質油が燃料セルユニット内で変換を受け続けて電気を生成すること、を含む。
【0052】
幾つかの実施形態では、本教示の方法は、例えば、上記のステップ(i)において、ガス状CPOX反応混合物の酸素対炭素のモル比を燃料希薄CPOX反応混合物のそれに対応するように調整することを含むことができる。幾つかの実施形態では、本教示の方法は、例えば、上記のステップ(iv)において、ガス状CPOX反応混合物の酸素対炭素のモル比を燃料リッチCPOX反応混合物のそれに対応するように調整することを含むことができる。
【0053】
特定の実施形態では、これらの方法は、ブロワー又はブロワーシステム、例えば、一連のブロワーユニットを使用してガスのような流体を流すことを含むことができる。これら一連のブロワーユニットの内の各ブロワーは、軸方向インレットと半径方向アウトレットを有するケーシング、酸素含有ガスを第1の圧力でインレットに引き抜き且つ酸素含有ガスをより高い圧力でアウトレットを介して放出するためにケーシング内に配置されているインペラー、前記インペラーを駆動するためのモータ、及び前記一連のブロワーユニットの内の少なくとも一つのブロワーユニットのアウトレットを前記一連のブロワーユニットの内の少なくとも一つの他のブロワーユニットのインレットに含むダクトを含むことができる。特定の実施形態では、前記一連のブロワーユニットの内の少なくとも一つのブロワーユニットは、ブロワーシステムの目標のガス流の60%から90%を提供できる。そのような実施形態では、前記一連のブロワーユニットの内の少なくとも一つの他のブロワーユニットは、ブロワーシステムの目標のガス流のバランスを提供できる。
【0054】
幾つかの実施形態では、これらの方法は、例えば、上記のステップ(iii)及び(vi)において、少なくとも一つの管状SOFC燃料セルユニットのアノードコンポーネントの少なくとも一部を改質触媒、水ガスシフト反応のための触媒、及び改質すること及び水ガスシフト反応の両方のために触媒活性である触媒の内の少なくとも一つの触媒と接触させる又は関連させることを含むことができる。そのように、これらの方法は、未改質の蒸気化ガス状燃料、分解された燃料、及び/又は改質油中に存在する及び/又はそのような触媒(単数又は複数)の存在下で水ガスシフト反応を受ける一酸化炭素を改質することを含むことができ、それによって、電気への電気化学変換のための追加の水素を生成できる。
【0055】
本教示の方法の様々な実施形態では、ガス状改質可能燃料のCPOX改質を行い水素リッチ改質油を生成し且つ燃料セル内のこの水素リッチ改質油を電気に電気化学的に変換するための方法は、本明細書で記述されるように、ガス状燃料多管状CPOX改質器内でCPOX反応を実行すること及び本明細書で記述されるように及び/又は従来から既知であるように、燃料セル(セクション)における電気化学的変換を実行すること含む。換言すれば、本教示の方法は、本明細書で記述されるように、ガス状燃料(多管状)CPOX改質器と燃料セルの統合システムを使用することができるが、本教示は、他の適切に設計され且つ構成された改質器セクションと燃料セルセクションを考慮している。
【0056】
本開示の前述の特徴と利点と並びに他の特徴と利点は、以下の図、記載、詳細な例示的実施形態、及び請求項からより十分に理解されることができる。
【0057】
以下に記載の図面は、例証目的のために過ぎない。図面は、必ずしも縮尺で描かれてはおらず、本教示の原理を描く時に一般的には強調される。図面は、本教示の範囲を制限する意図は全くない。同様の参照番号は、一般的に、同様の部品を指す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
今、ガス状燃料CPOX反応器セクションは、統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステムを提供するために燃料セルセクションと効率的且つ効果的に統合されることができることが発見された。特に、改質器セクションの設計の特徴は、CPOX反応器ユニットの多管状アレイであり、そこでは、これらの管状CPOX反応器ユニットは、多管状燃料セルセクションのインレットの横方向断面と整合できる横方向断面を有する。その結果、改質器ユニットのアウトレットは、統合改質器−燃料セルシステムを提供するために効率的且つ効果的な統合のために多管状燃料セルのインレットに直接的流体連通状態に配置されることができる、例えば、直接的に連結されることができる。更に、そのような改質器と燃料セルの設計の適合性によって、改質器と燃料セルの相互互換性が統合改質器−燃料セルシステムに電力を供給するために、異なる用途、例えば、異なるガス状改質可能燃料のための異なる触媒装填に対処することができる。
【0060】
加えて、改質器セクションは、より効率的な改質プロセスを提供するために、発熱CPOX反応を利用することができる互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイを含むことができる。フラッシング、局所ホットスポットと局所コールドスポットの形成、急なコークの蓄積、過剰に高いスパイキングCPOX反応温度、及び/又は高い背圧に対して影響され易い触媒モノリスを使用する既知の且つ従来のCPOX改質器とは異なり、本教示の互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイは、これらの欠点の一つ以上を軽減する又は排除できる。
【0061】
例えば、CPOX反応器セクションに関して、アレイの互いに離間されたCPOX反応器ユニット間での全CPOX改質又はCPOX変換負荷の分配によって、効果的な熱バランスの維持と全体のCPOX改質の制御を単純化及び促進することができる。このような設計によって、所与のエネルギー入力に対して動作温度を低下することにより、所与のCPOX触媒負荷に対してより多くのガス状改質可能燃料が処理されることができる。
【0062】
本明細書で記述されるガス状燃料CPOX改質器の向上された熱管理は、CPOX反応器ユニットの各々内で起こるCPOX反応の温度の安定化に寄与できる。その結果、そのように向上された熱管理は、統合改質器−燃料セルシステムのガス状燃料CPOX改質器のCPOX反応器ユニット間で安定して均一なCPOX変換性能を維持できる。
【0063】
加えて、本教示のCPOX改質器の設計は、発熱CPOX反応の利点を得ることができ且つアレイの互いに離間されたCPOX反応器ユニットを最小数の点火器、例えば、単一の点火器で点火されることができ、それによって、CPOX反応器ユニットの内の一つにおけるCPOX反応の始動によって、隣のCPOX反応器ユニット(単数又は複数)が中でCPOX改質を開始し、結局は、ガス状燃料CPOX改質器のCPOX反応器ユニットの各々でCPOX改質を開始するのに十分な熱を提供できる。単一の点火器がガス状燃料CPOX改質器において有利ではあるが、本教示は、アレイとCPOX反応器ユニットの指定のサイズ、CPOX反応器ユニットと点火器の配置、及び他のファクタがCPOX改質のための全体の効率的始動又はスタートアッププロセスに寄与し得るので、ガス状燃料CPOX改質器において二つ以上の点火器の使用を考慮している。それにもかかわらず、匹敵する燃料変換容量の単一のCPOX反応器に対比して、複数のCPOX反応器ユニット間で全CPOX変換負荷を分配することの利点は、単一でより大きな改質器に典型的なものよりも短いスタートアップ時間である。統合改質器−燃料セルシステムの改質器セクションのためのより短いスタートアップ時間は、それに連結された燃料セルセクションのより短いスタートアップ時間へ転換する。
【0064】
更に、複数のCPOX反応器ユニットの互いに離間された配置によって、関連する一連の即ちライン状ガス状燃料CPOX改質器の設計と製造が単純化されることができ、そこでは、個別のガス状燃料CPOX改質器はそれらの燃料改質能力が異なっていてもよい。例えば、増加した燃料改質キャパシティが望ましい新規のガス状燃料CPOX改質器設計では、既存の設計に対する標準化仕様の追加のガス状燃料CPOX反応器ユニットを、もしあるなら、二乃至三の他の顕著な変更で追加することによって容易に構造化されることができる。同様に設計された多管状燃料セルユニットと統合されると、そのようなガス状燃料CPOX改質器と燃料セルユニットによって、構造におけるフレキシビリティ及び統合改質器−燃料セルシステムの変更が許容されることができる。
【0065】
更に、本教示に係るガス状燃料CPOX改質器及び/又は統合改質器−燃料セルシステムの様々な構成及び動作において、改質器セクション及び/又は統合改質器−燃料セルシステムの流体を経路付けるコンポーネント及び通路全体の背圧が、減少される又は最小化されることができる。例えば、水柱の約3インチ(0.0075バール)以下、例えば、水柱の約2インチ以下、又は水柱の約1インチ以下の背圧は、達成可能である。
【0066】
本明細書での本教示は、記述された特定の手順、材料、及び変更に制限されず、それらが変化され得ることが理解されるべきである。使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的のみのためであり、且つ本教示の範囲を制限する意図はなく、それは、添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることも理解されるべきである。
【0067】
指定のコンポーネントを有する又は含む又は備える構成物が記述される、又は指定のプロセスステップを有する又は含む又は備えるプロセスが記述される本願全体を通して、本教示の構成物は、また、引用されたコンポーネントを備える、又はそれらよりなること、及び本教示のプロセスは、また、引用されたプロセスステップを備える又はそれらよりなることが熟考されている。
【0068】
要素又はコンポーネントが引用された要素又はコンポーネントのリストに含まれる及び/又はそのリストから選択されると言われる本願において、その要素又はコンポーネントは、引用された要素又はコンポーネントのいずれか一つであることができる、又はその要素又はコンポーネントは、引用された要素又はコンポーネントの二つ以上よりなる群から選択されることができることが理解されるべきである。更に、本明細書に記述された構成物、装置、又は方法の要素及び/又は特徴は、本明細書で明示的であろうと暗示的であろうと、本教示の焦点と範囲から逸脱することなく様々な方法で組み合わされることができることが理解されるべきである。例えば、特定の構造が参照される場合、その構造は、本教示の装置の種々の実施形態において及び/又は本教示の方法において使用されることができる。
【0069】
用語「含む(iclude)」、「含む(icludes)」、「含む(icluding)」、「有する(have)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(contain)」、「含む(contains)」、又は「含む(containing)」は、文法的にそれに等価なものを含み、一般的にオープンエンド及び非制限的、例えば、特に具体的に明記しない限り、又は文脈から理解されない限り、追加の非引用要素又はステップを排除しないものとして理解されるべきである。
【0070】
本明細書における単数形、例えば、「一つ(a)」、「一つ(an)」、及び「その(the)」の使用は、特に具体的に明記しない限り、複数を含む(且つその逆も含む)。
【0071】
用語「約(about)」の使用が、量的値の前にある場合、本教示は、また、特に具体的に明記しない限り、指定の量的値それ自体を含む。本明細書で使用されているように、用語「約(about)」は、特に明記しない又は推測されない限り、名目値から±10%の変動を指す。
【0072】
ステップの順序や特定の動作を実行するための順序は、本教示が動作可能である限り、重要ではないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記述される方法は、本明細書でそうでないと指摘されない又は文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序で実行されることができる。更に、二つ以上のステップや動作は、同時に実行されてもよい。
【0073】
本明細書において様々な場所で、複数の値が群又は範囲で開示される。その記述は、そのような群及び範囲のメンバーの各々及び全ての個別の部分的組合せ及びそのような群又は範囲の様々なエンドポイントの任意の組合せを含むことが具体的に意図されている。例えば、0から40の範囲における整数は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26,27、28,29、30、31、32、33、34,35,36,37、38、39、及び40を個別的に開示することが具体的に意図され、1から20の範囲における整数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20を個別的に開示することが具体的に意図される。
【0074】
任意の及び全ての例、即ち本明細書で提供される例示的言語、例えば「のような(such as)」の使用は、本教示をより良く示すよう単に意図され、請求されない限り、本発明の範囲に対して制限を課さない。明細書における言語は、本教示の実施に必須である非請求要素を指すものとして解釈されるべきではない。
【0075】
「上部」、「下部」、「頂部」、「底部」、「水平な」、「垂直な」等の空間的配向や高さを指す用語及び表現は、それらの文脈上の使用がそうではないことを指さない限り、構造的、機能的又は動作上の重要性を有さないものとして、及び添付の図面の幾らかにおいて描かれた本教示のガス状燃料CPOX改質器の様々な図の任意に選択された配向を単に反映しているとして、本明細書では理解されるべきである。
【0076】
用語「セラミック」は、その技術が認識された意味に加えて、ガラス、ガラス−セラミックス、及びサーメット(即ち、セラミック‐金属複合物)を含むように本明細書では理解されるべきである。
【0077】
表現「ガス透過可能な」は、それが本明細書ではCPOX反応器ユニットの壁に当てはまるように、制限するわけではないが、ガス状CPOX反応混合物のガス状改質可能燃料成分及び生成物改質油の水素成分を含むガス状CPOX反応混合物及びガス状生成物改質油に対して透過可能である壁構造体を意味するように理解されるべきである。
【0078】
表現「液体改質可能燃料」は、標準の温度及び標準の圧力(STP)状態で液体である改質可能炭素及び水素含有燃料、例えば、改質を受けた時に、水素リッチ改質油への変換を受けるメタノール、エタノール、ナフサ、蒸留液、ガソリン、灯油、ジェット燃料、ディーゼル、バイオディーゼル等を含むように理解されるべきである。表現「液体改質可能燃料」は、更に、燃料が液体状態にあろうと又はガス状態、即ち蒸気であろうとそのような燃料を含むように理解されるべきである。
【0079】
表現「ガス状改質可能燃料」は、STP状態においてガスである改質可能炭素及び水素含有燃料、例えば、改質を受けた時に、水素リッチ改質油への変換を受けるメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ジメチルエーテル、主にメタンである天然ガス及び液化天然ガス(LNG)のようなそれらの混合物、及び主にプロパン又はブタンであるが主にプロパン及びブタン等からなる全ての混合物を含む石油ガス及び液化石油ガス(LPG)等を含むように理解されるべきである。ガス状改質可能燃料は、また、アンモニアを含み、それは、他のガス状改質可能燃料のように、液体として貯蔵されることができる。
【0080】
表現「CPOX反応」は、触媒部分酸化改質又は改質可能燃料の水素リッチ改質油への変換中に生じる反応(単数又は複数)を含むように理解されるべきである。
【0081】
表現「ガス状CPOX反応混合物」は、ガス状改質可能燃料及び酸素含有ガス、例えば、空気を含む混合物を指す。本明細書で使用されているように、ガス状CPOX反応混合物は、ガス状改質可能燃料及び酸素含有ガスを備える、又は、実質的になる、又はなることができる。本教示のCPOX反応混合物は、液体改質可能燃料、例えば、気化された液体改質可能燃料又はガス状液体改質可能燃料を含まない。
【0082】
表現「開口ガス流通路」は、ガスが通る通路のためのコンジットやチャネルを指し、そこでは、多孔固体や多孔性材料を含む固体は、コンジットやチャネルの全断面平面を横切っては存在せず、即ち、多孔性固体を含む固体の無いコンジットやチャネルを指す。例えば、CPOX反応器ユニットの場合、モノリスのような多孔性触媒を含むCPOX触媒は、管状CPOX反応器ユニットの長手方向軸に対して垂直な全内断面平面を横切って存在できない。そのような構造は、先に論じられたように、多孔性触媒、例えば、モノリスが詰め込まれる通路とは異なる。開口ガス流通路は、また、中空穴を画定するチューブ又は長手軸に沿って貫通する中空穴を画定する円管状基板として画定されることができるCPOX反応器ユニットに存在できる。これらの例示の記載において、中空穴は、開口ガス流通路と考えられることができる。開口ガス流通路は、通常、CPOX反応器ユニットの長手軸に沿って延在することができるが、曲がりくねったコンジットやチャネルが本教示によって熟考され且つ曲がりくねったコンジットやチャネルにCPOX反応器ユニットの断面平面を横切って固体が無い限り、開口ガス流通路を有することができる。また、開口ガス流通路の断面寸法(単数又は複数)は、その長手方向軸に沿って又は曲がりくねったコンジットやチャネルに沿って長く変化できることが理解されるべきである。
【0083】
本教示のガス状燃料CPOX改質器の重要な特徴は、互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイである。CPOX反応器ユニットのアレイは、規則通りの配列又は一つのCPOX反応器ユニットのその他のCPOX反応器ユニット(単数又は複数)に対する規則的な配置を指すことができる。換言すれば、CPOX反応器ユニットは、典型的にはランダムに位置されない又は配置されない。直線、正方形及び矩形構成が一般的には使用されるが、六角形及び八角形のような他の構成が本教示によって熟考される。
【0084】
CPOX反応器ユニットの配列や配置、例えば、隣接するCPOX反応器ユニットに関する距離及び位置は、とりわけ、複数のCPOX反応器ユニットの位置決め及び構成、CPOX反応器ユニットの壁のようなCPOX反応器ユニットの構造体の材料とCPOX触媒の材料、ガス状改質可能燃料、CPOX反応器ユニットの動作温度、及び生産物水素リッチ改質油の望ましい使用と出力、例えば、CPOX改質器が接続される又は連結されるような統合されるべき燃料セルユニット又はシステムの構造体の材料を含む様々なファクタによって決定されることができる。(隣り合う)CPOX反応器ユニット(二つ又は三つ以上)間の距離が大き過ぎると、その時は、CPOX反応器ユニットは、熱的に接続されない、即ち、例えば、隣のCPOX反応器ユニットにおけるCPOX反応を始動する及び/又は複数のCPOX反応器ユニットを大まかに取り囲む熱伝達ゾーンを維持するのに十分な熱連通を有さない。逆に、(隣り合う)CPOX反応器ユニット(二つ又は三つ以上)間の距離が小さ過ぎると、CPOX反応器ユニットは、過加熱及び劣化を受け、その結果、ガス状燃料CPOX改質器の機能不全となる。
【0085】
より具体的には、隣接するCPOX反応器ユニット間の最大距離は、CPOX反応が、最初に点火されたCPOX反応器ユニットにおける最初のCPOX反応(例えば、一つの点火器によって始動される最初のCPOX反応)から又は動作しているCPOX反応器ユニットにおけるCPOX反応から発生された熱によって隣のCPOX反応器ユニット内で始動されることに失敗しない距離であることができる。最大距離は、動作の定常状態モード中に、互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイの温度が所定の最小アレイ温度より低下しない距離である。本明細書で論じられるものを含む様々なファクタに依存して、動作の定常状態モード中に、互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイの所定の最小アレイ温度は、約550℃、約575℃、約600℃、約625℃、約650℃、約675℃、約700℃、約725℃、約750℃、約775℃、約800℃、約825℃、又は約850℃であることができる。
【0086】
隣接するCPOX反応器ユニット間の最小距離は、CPOX反応器ユニットのアウトレットでの温度が所定の最大温度よりも大きくない距離である。所定の最大温度は、CPOX反応器ユニットのアウトレットと熱及び流体連通状態にある燃料セルスタックのインレットによって許容できる温度、例えば、燃料セルスタックのインレットのシールが劣化されず且つ機能を維持する温度であることができる。本明細書で論じられるものを含む様々なファクタに依存して、CPOX反応器ユニットの所定の最大温度は、約775℃、約800℃、約825℃、約850℃、約875℃、約900℃、約925℃、約950℃、約975℃、又は約1000℃であることができる。
【0087】
幾つかの実施形態では、水素バリアは、管状CPOX反応器ユニットの少なくとも触媒含有壁セクションの外表面に取り付けられるようにそれに関連づけることができ、その触媒含有壁セクションは、典型的にCPOX反応ゾーンを典型的に画定する。水素バリアは、CPOX反応器ユニットの壁の大部分の外側表面、又は実質的にその外側全表面、又は全外側表面に取り付けられることができる。水素バリアは、CPOX反応器ユニットからの水素のロスを防止又は禁止できる。そのようなバリアが無い場合、水素は、CPOX反応器ユニットをそのアウトレットを介して出るよりもむしろ、CPOX反応器ユニットの触媒含有壁セクションを介して又はそれを越えて拡散し得る。
【0088】
本教示のCPOX改質器の他の一つの特徴は、CPOX反応器ユニット、例えば、CPOX反応器ユニットのアレイ内でCPOX反応を開始する為の一つの点火器である。様々な実施形態では、単一の点火器は、ガス状燃料CPOX改質器のCPOX反応器ユニットの各々内のCPOX反応を開始するために使用されることができる。他の実施形態では、単一の即ち一つの点火器よりも多くの点火器、例えば、二つの点火器、三つの点火器、又は四つ以上の点火器が、CPOX反応器ユニット内でCPOX反応を開始する即ちスタートするために使用されることができる。点火器の数と配置は、例えば、CPOX反応器ユニットの設計、構造及び配置、及びガス状燃料CPOX改質器の望ましい効率及びスタートアップの迅速さを含む様々なパラメータによって決定されることができる。
【0089】
点火器は、チャンバ内に配置されることもできるCPOX反応器ユニットの内表面に近接するがそれから物理的に隔離されて位置される放射熱生成要素を含むことができる。例えば、点火器は、それに近接する少なくとも一つのCPOX反応器ユニットの露出された内表面及び/又はCPOX触媒に対して放射熱を伝達して中でCPOX反応を開始する。引き続いて、少なくとも一つのCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内で生じるCPOX反応によって生成される放射熱は、少なくとも一つの他のCPOX反応器ユニット内、また、典型的には、チャンバ内で、そのようにCPOX反応がガス状燃料CPOX改質器のCPOX反応器ユニットの全てで始動されるまで、CPOX反応を順番に開始できる。
【0090】
特定の実施形態では、ガス状燃料CPOX改質器は、ガス状改質可能燃料源を含むことができる。このガス状改質可能燃料源は、貯蔵及び/又はガス状改質燃料のガス状燃料CPOX改質器、例えば、CPOX反応器ユニットのインレットに送給するためのタンク又は他の容器を含むことができる。
【0091】
従って、様々な実施形態では、統合改質器−燃料セルシステムのガス状燃料CPOX改質器は、本明細書に記述される、互いに離間されたCPOX反応器ユニットのアレイ;少なくとも一つのCPOX反応器ユニットのCPOX触媒と熱連通状態にある点火器;CPOX反応器ユニットのインレットと流体連通状態にあるガス状改質可能燃料源;本明細書に記述される、燃料セルユニットであって、その燃料セルユニットのアノードがCPOX反応器ユニットのアウトレットに流体連通状態であること;その燃料セルユニットのカソードが酸素含有ガスと流体連通であること、及び燃料セルユニットのアノードとカソードに電気的に連結される電流コレクタを含むことができる。
【0092】
CPOX反応器ユニットは、内表面と外表面を有するガス透過可能セラミック壁を有する細長いチューブ、例えば、中空穴を有するシリンダを含むことができ、そこでは、ガス透過可能セラミック壁の少なくともセクションは、CPOX触媒を備える。ガス透過可能セラミック壁は、開口ガス流通路を囲むことができ且つCPOX反応器ユニットのインレットとアウトレットを画定する。一つのアレイにおいて、CPOX反応器ユニットは、典型的には、そのアレイにおける少なくとも隣のCPOX反応器ユニット(単数又は複数)と熱連通状態にある。
【0093】
幾つかの実施形態では、ガス状燃料多管状CPOX改質器と燃料セルの統合システムは、複数の互いに離間されたCPOX反応器ユニットを含むガス状燃料CPOX改質器セクションであって、各反応器ユニットがガス状CPOX反応混合物のインレットと水素リッチ改質油のアウトレットを有する細長いチューブを備えること、内表面と外表面を有する壁であって、この壁は、中に配置されたCPOX触媒を有する、そのCPOX触媒の構造体よりなる又はそのCPOX触媒と前記構造体の組合せよりなる前記壁の少なくとも一セクションで開口ガス状流通路を囲むこと、そのような触媒含有壁セクションとそれによって囲まれた開口ガス流通路がガス相CPOX反応ゾーンを画定すること、触媒含有壁セクションが、CPOX反応状態下で安定したままであると共にガス状CPOX反応混合物が中に拡散することができ且つ生成物水素リッチ改質油がそこから拡散されることができるようにガス透過可能であることを有する。
【0094】
特定の実施形態では、ガス状燃料多管状CPOX改質器と燃料セルの統合システムは、少なくとも二つの領域を含む管状CPOX反応器ユニットの壁を有することができ、第1の、即ち上流の領域は、CPOX触媒が実質的に無く且つ比較的低い動作温度の実質的にCPOX反応が無いゾーンを囲み、及び第2の、即ち下流の領域は、CPOX触媒を含み且つ比較的に高い動作温度のCPOXゾーンを囲む。
【0095】
幾つかの実施形態では、ガス状燃料多管状CPOX改質器と燃料セルの統合システムは、管状の、平坦な又はモノリス状の固体酸化物燃料セルセクションに連結され得るガス状燃料CPOX反応器セクションを含むことができる。
【0096】
幾つかの実施形態では、ガス状燃料多管状CPOX改質器と燃料セルの統合システムは、高分子電解質膜燃料セルセクションに一酸化炭素削減デバイス即ちセクションを介して連結されることができるガス状燃料CPOX改質器セクションを含むことができ、この一酸化炭素削減デバイス即ちセクションでは、ガス状燃料CPOX改質器セクションで生成される水素リッチ改質油の一酸化炭素成分のレベルが、水素リッチ改質油の高分子電解質膜燃料セルセクションへの導入に先立って、減少されることができる。そのような一酸化炭素削減デバイス即ちセクションは、他のタイプの燃料セル、例えば、固体酸化物燃料セル(セクション)のために存在してもよい。
【0097】
特定の実施形態では、ガス状燃料多管状CPOX改質器と燃料セルの統合システムは、対応する管状固体酸化物燃料セルユニットのインレットに直接に接続されるガス状燃料CPOX改質器セクションの各管状CPOX反応器ユニットのアウトレットを有することができる。様々な実施形態では、ガス状燃料多管状CPOX改質器と管状固体酸化物燃料セルの統合システムは、対応する管状固体酸化物燃料セルユニットの軸方向燃料流通路内に配置される管状CPOX反応器ユニットの少なくとも一部を含むことができる。幾つかの実施形態では、CPOX反応器ユニットのアウトレットは、複数のCPOX反応器ユニットアウトレットからの流出物流を組み合わせることができ且つそのような組み合わされた流出物を燃料セルセクションに対する等しい数の、又はより多い数の、又はより少ない数のインレット、例えば、燃料セルユニットのアノードへ分配することができるマニフォルド又は類似のコンポーネントと流体連通である。
【0098】
幾つかの実施形態では、ガス状燃料多管状CPOX改質器と燃料セルの統合システムは、改質器触媒、水ガスシフト反応用の触媒、及び改質と水ガスシフト反応の両方のために触媒的に活性である触媒の内の少なくとも一つと接触状態にある又はそれに関連する固体酸化物燃料セルユニットのアノードコンポーネントの少なくとも一部を含むことができる。即ち、触媒は、アノードの上に又はアノードに含浸される、又はアノード内に配置されることができる。
【0099】
幾つかの実施形態では、ガス状燃料多管状CPOX改質器と燃料セルの統合システムは、ガスをCPOX改質器ユニットのインレットに経路付けるための一つ以上のコンジットを含むことができる。例えは、一つ以上のコンジットが存在でき且つ酸素含有ガス用のインレット、ガス状改質可能燃料用のインレット、酸素含有ガスとガス状改質可能燃料が組み合わさってガス状CPOX反応混合物を提供できる混合ゾーン、及びガス状CPOX反応混合物用のアウトレットを含むことができる。コンジットは、略U形状であることができる。
【0100】
幾つかの実施形態では、ガス状燃料CPOX改質器セクション内で生じるCPOX反応の発熱から回収される熱及び/又は燃料セルセクションから回収される熱は、ガス状CPOX反応混合物の形成に先立って、酸素含有ガス及び/又はガス状改質可能燃料を加熱する、及び/又は統合改質器‐燃料セルシステムの他の部分で熱環境を加熱する及び/又は維持するために利用される。
【0101】
様々な実施形態では、統合改質器‐燃料セルシステムのガス状燃料CPOX改質器セクションは、CPOX反応器ユニットのインレットと流体連通状態にあるマニフォルド又はプレナムを含むことができる。マニフォルドは、CPOX反応器ユニットのインレットに対して、例えば、実質的により均一な組成で、実質的に均一な温度で、及び/又は実質的に均一な流量で、ガス状CPOX反応混合物のより均一な分配を提供するように構成される。
【0102】
幾つかの実施形態では、マニフォルドは、マニフォルドチャンバを画定するハウジング即ち囲みを有することができる。マニフォルドやマニフォルドチャンバは、ガス分配器、例えば、マニフォルドチャンバ内にガス分配器を含むことができる。特定の実施形態では、ガス分配器は、ガス状燃料CPOX反応混合物分配器と考えられることができる。ハウジング即ち囲みは、比較的に低いコストの成形可能熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂から製造されることができる。特定の実施形態では、マニフォルドは、CPOX反応器ユニットのアウトレットとインレットとの間に「コールドシール」接続を含むことができる。
【0103】
より具体的には、マニフォルドは、少なくとも一つのCPOX反応器ユニットのインレットと流体連通状態にあることができ、そこでは、マニフォルドは、マニフォルドハウジングを含む。マニフォルドハウジングは、マニフォルドチャンバを画定できる。マニフォルドは、ガス状CPOX反応混合物分配器、ヒーター、及びシールを含むキャビティのような一つ以上の追加のコンポーネントを含むことができる。
【0104】
ガス状CPOX反応混合物分配器は、マニフォルドチャンバ内に配置されることができ、ガス状反応物コンジットと流体連通状態にあるそのマニフォルドチャンバの長手の少なくとも大部分にわたって延在しており、ガス状CPOX反応混合物分配器は、CPOX反応器ユニットのインレットの反対側に位置される一つ以上のアウトレットを含む。即ち、ガス状CPOX反応混合物分配器は、チャンバ、例えば、閉鎖端中空チューブ又は典型的には幅と深さよりも大きな長さを有する他の構造を画定するハウジングを含むことができる。ハウジングは、ハウジング、即ちチャンバの内部とハウジングの外部との間で流体連通を提供する一つ以上のアウトレットを画定することができる。一つ以上のアウトレットは、ガス状CPOX反応混合物分配器の一側に沿って存在できる又は、例えば、管状のガス状CPOX反応混合物分配器の場合では、長手軸に沿うライン状又は長手方向アレイを形成することができる。マニフォルドチャンバ内に配置されると、ガス状CPOX反応混合物分配器の一つ以上のアウトレットは、通常、CPOX反応器ユニットのインレットとは反対側に位置される。そのような設計では、CPOX反応混合物は、最初に、CPOX反応器ユニットのインレットから離れる方向に、例えば、マニフォルドチャンバの底部に向かって下方にマニフォルドチャンバ内に導入され、次に、CPOX反応器ユニットのインレットに向かって流れる、例えば、インレットに向かって上方に流れる。
【0105】
ヒーターは、マニフォルドチャンバと熱連通状態にあることができる。ヒーターは、電気抵抗ヒーターであることができる。ヒーターは、マニフォルドチャンバ内に配置されることができる。加えて、ヒーターは、マニフォルドとCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーンと熱連通状態にある少なくとも一つの熱伝導性要素のような受動加熱要素を含むことができ、それによって、CPOX反応ゾーン及び/又はCPOX反応器ユニットからの発熱の熱をマニフォルドに伝達できる。
【0106】
マニフォルドハウジングは、一つ以上のキャビティを画定できる。シールは、キャビティ内に又はそれに隣接して配置されることができ、そこでは、シールは、CPOX反応器ユニットのインレットに係合でき且つマニフォルドハウジングとインレットとの間で気密シールを提供できる。二つ以上のCPOX反応器ユニットが存在する場合、マニフォルドハウジングは、各CPOX反応器ユニットがマニフォルドチャンバと流体連通状態にあることができ且つ各キャビティが各CPOX反応器ユニットを固定するシールを含むことができるように、CPOX反応器ユニットとして同数のキャビティを含むことができる。マニフォルドハウジングのキャビティは、各キャビティのインレットへの整合を提供するために、CPOX反応器ユニットのインレットと同じ構成に形成され且つ配置されることができる。シールは、ガスケットであり得る。マニフォルドハウジングは、CPOX反応器ユニットの動作の温度で熱的に且つ機械的に安定している材料から製造される又はそれを含むことができる。
【0107】
様々な実施形態では、例えば、ガス状燃料CPOX改質器の動作のスタートアップ中に、管状CPOX改質器ユニットのアレイ内でCPOX反応を開始するための点火器は、例えば、CPOX反応ゾーンにおけるCPOX触媒と熱連通状態にある。点火器は、少なくとも一つのCPOX反応器ユニット内での発熱の熱で当該点火器に近接する前記少なくとも一つのCPOX反応器ユニット内でCPOX反応を開始し、当該少なくとも一つのCPOX反応器ユニットは、アレイ内で一つ以上の他のCPOX反応器ユニット内でCPOX反応を開始する。
【0108】
幾つかの実施形態では、本教示の統合改質器‐燃料セルシステムは、相互接続された連続する個別の遠心ブロワーユニットを含むことができるブロワーシステムを含むことができる。ガス状燃料CPOX改質器セクション用のブロワーシステムは、酸素含有ガスの流れをCPOX改質器に導入できる。燃料セルセクション用のブロワーシステムは、酸素含有ガスを燃料セルセクションに、例えば、燃料セルユニットのカソードに導入できる。統合改質器‐燃料セルシステムのブロワーシステムは、また、例えば、熱伝達のためにCPOX改質器及び/又は燃料セルセクション内のガス流を駆動でき、それは、構造体(単数又は複数)及び熱ゾーン(単数又は複数)の加熱及び/又は冷却を含むことができる。
【0109】
幾つかの実施形態では、統合改質器‐燃料セルシステムは、その統合改質器‐燃料セルシステムのスタートアップモード、定常状態モード及び/又はシャットダウンモードにおいて、統合改質器‐燃料セルシステム、即ち、ガス状燃料CPOX改質器セクション及び燃料セルセクションの動作を制御するように構成されることができる制御システムを含むことができる。
【0110】
本教示のガス状燃料CPOX改質器は、例えば、酸素含有ガスとガス状改質可能燃料を混合するためのミキサーを含むことができる。このミキサーは、静的ミキサー又は動的ミキサー、例えば、「Mixig Reformable Fuels and an Oxygen−Containing Gas and/or Steam」と題する同時係属中で本願の譲受人に譲渡された米国特許出願第14/335,463号に記述されているような流体混合デバイスであることができ、流体混合デバイス及び本教示に適用可能なCPOX反応混合物を提供するためにそのデバイスを操作する方法に関連する教示を含むあらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【0111】
本教示のガス状燃料CPOX改質器は、例えば、生産物改質油の一酸化炭素含有を減少するためのCPOX改質油処理ユニットやデバイスを含むことができる。CPOX改質油処理ユニットやデバイスは、水ガスシフト変換器、優先酸化反応器、及び/又は改質油を水素流と一酸化炭素含有ストリームに分離するための水素選択性膜を含むことができる。
【0112】
本教示のガス状燃料CPOX改質器は、管状CPOX反応器ユニット及び改質器の他の熱放射コンポーネントからの熱損失を減少するための断熱部を含むことができる。
【0113】
本教示のガス状燃料CPOX改質器は、ガス流を改質器内に及びそれを通過するように駆動するガス流ドライバを含むことができる。ガス流ドライバは、ブロワー又はブロワーシステムであることができる。本教示のガス状燃料CPOX改質器は、燃料ポンプを含むことができる。燃料ポンプのようなポンプの例は、メータリングポンプ、ロータリポンプ、インペラーポンプ、ダイアフラムポンプ、ぜん動ポンプ、能動変位ポンプ、ギアポンプ、圧電ポンプ、界面動電ポンプ、電気浸透流ポンプ、及び毛細管ポンプを含む。
【0114】
本教示のガス状燃料CPOX改質器は、一つ以上の改質器動作を監視し且つ制御するための一つ以上のセンサアセンブリを含むことができる。センサアセンブリの例は、フローメータ、熱電対、サーミスタ、及び抵抗温度検出器を含む。本教示のガス状燃料CPOX改質器は、また、改質器のスタートアップモード、定常状態モード、及び/又はシャットダウンモードにおいて改質器の動作を自動化するための制御システムを含むことができる。制御システムは、コントローラと通信状態にある複数のセンサアセンブリを含むことができる。
【0115】
本教示のガス状燃料CPOX改質器は、CPOX反応器ユニットと熱連通状態にある熱伝達手段を含むことができる。この熱伝達手段は、例えば、CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内の温度を事前設定範囲内に維持するために、ガス状燃料CPOX改質器の動作の定常状態モード中にCPOX反応器ユニットからの熱を伝達できる。熱伝達手段は、例えば、CPOX反応器ユニットの露出外表面に対して及び/又はCPOX反応器ユニットの露出表面と熱連通状態にある伝熱アセンブリの熱放射部材に対して冷却剤流を向けるために、ブロワーを含むことができる。本教示のガス状燃料CPOX改質器は、また、他の目的のためにブロワーを含むことができる。例えば、ブロワーは、酸素含有ガスをコンジットに導入できる及び/又はガス流をCPOX反応器ユニット内に駆動できる。
【0116】
ブロワーは、一連のブロワーユニットを含んでいてもよい。ブロワーや一連のブロワーユニットは、軸方向インレットと半径方向アウトレットを有するケーシング、ガス、例えば、空気のような酸素含有ガスを軸方向インレットに引込み且つ半径方向アウトレットを通してそのガスを排出するためにケーシング内に配置されたインペラー;及びインペラーを駆動するためのモータを含むことができる。幾つかの実施形態では、ブロワーは、第1の圧力でガスを引込み且つそのガスを第2の、例えば、より高い圧力で排出することができる。ブロワーは、また、少なくとも一つの一連のブロワーユニットのアウトレットと、少なくとも一つの一連の別のブロワーユニットのインレットとを含むダクトを含むことができる。例えば、一連のブロワーは、「Centrifugal Blower System and Fuel Cell Incorporating Same」と題する共同所有の米国特許出願公開第2012/0328969号に記述されているようなブロワーシステムを含むことができ、それは、本教示に適用可能であるので、ブロワーシステム及びそれを操作する方法に関連する教示を含むあらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【0117】
本教示のガス状燃料CPOX改質器は、例えば、統合システムの動作のスタートアップモード中に、ガス状燃料CPOX改質器セクション及び/又は燃料セルセクションの電気エネルギー消費コンポーネント、例えば、補助CPOX改質器コンポーネントに電力を供給するための電流源を含むことができる。電流源は、再充電可能バッテリ及びバッテリ充電器を含むことができる。
【0118】
本明細書に記述された改質器セクションのこれら及び他の実施形態は、有利には、管状SOFCスタックに連結されることができる。統合改質器‐燃料セルシステムの幾つかの実施形態では、改質触媒、水ガスシフト(WGS)反応触媒及び両方の目的のための活性の触媒の少なくとも一つは、水素リッチ改質油と接触する管状SOFSユニットのセクション内に及び/又はそれと関連して配置されることができる(例えば、そのセクションに含浸されることができる)。そのような触媒(単数又は複数)の存在は、改質油に存在する非消費改質可能燃料の改質に触媒作用を及ぼすことができる及び/又は水ガスシフト反応に触媒作用を及ぼし、それによって、改質油中に存在する一酸化炭素が電気への電気化学的変換のための追加の水素へ変換される。一つのそのような管状SOFCユニットが、
図4J及び
図4Kに示されている。
【0119】
少なくとも一つの燃料セルユニットと電流コレクタに加えて、本教示の統合改質器‐燃料セルシステムの燃料セルセクションは、以下の任意のコンポーネント:改質触媒、水ガスシフト反応用の触媒、及び改質と水ガスシフト反応の両方のための触媒的に活性の触媒の内の少なくとも一つであって、そのような触媒又はそれらの組合せが燃料セルユニットのアノード成分の少なくとも一部と接触状態にあることができること;燃料セルセクションからの熱損失を減少するための断熱部;酸素含有ガスが少なくとも一つの燃料セルユニットのカソードコンポーネントと接触するようにそのガスを燃料セルに導入するためのガス流ドライバ;テールガスの燃焼可能成分の燃焼のためのアフターバーナー;燃料セルセクション及び/又はそのアフターバーナーコンポーネントから熱を回収し且つその回収された熱のガス/燃料の改質器セクションへの導入に先立って又はそれに続いて酸素含有ガス及び/又はガス状改質可能燃料を加熱するために利用するための熱交換アセンブリ;一つ以上の燃料セル動作を監視し且つ制御するための一つ以上のセンサアセンブリ;及び燃料セルセクションの動作をそのスタートアップモード、定常状態モード及びシャットダウンモードにおいて自動化するための制御システムの幾つかを含むことができる。
【0120】
本発明の統合改質器‐燃料セルシステムの燃料セルセクションは、既知であり且つ従来の燃料セル、例えば、先に述べられたこれらの燃料セルタイプの任意のものから選択されることができる。好適なタイプの燃料セルセクションは、管状固体酸化物燃料セル(SOFC)であり、それの多くの変型は非特許文献及び特許文献に記載されている。このタイプの燃料セルの利点には、高い効率、長期間にわたる安定性、燃料柔軟性及び低エミッション、本教示に係る改質器セクションの前述の利点とぴったりと当てはまる利点を含むことができる。
【0121】
多管状SOFCスタックの構成は、本明細書で記述される統合改質器‐燃料セルシステムの適切に構成された多管状CPOX改質器セクションに容易に連結されることができる。このように、例えば、改質器セクションの管状CPOX反応器ユニットのアウトレットは、対応する管状SOFCユニットのインレットに位置合わせされ、且つ直接に接続されることができ、それによって、水素リッチ改質油が前者から後者に直接的に通過出来、それによって、統合改質器‐燃料セルシステム全体にわたって低い外圧を維持できる。更に、そのような実施形態では、管状CPOX反応器ユニットと対応する管状SOFCユニットを、例えば、全内容が実際上本明細書に組み込まれる、同時係属中で同一出願人のFinnerty氏等の米国特許出願公開第2013/0056911号及びFinnety氏等の米国特許出願公開第2013/0059223号に記述されたプロセスを使用して、単一のシームレスの一体化された連続表面として製造することは実務的であり且つ経済的であることができる。
【0122】
従って、様々な実施形態において、ガス状燃料CPOX改質油と燃料セルの統合システムが提供され、この統合システムは:
a)水素リッチ改質油を生成するためにガス状改質可能燃料を利用するガス状燃料CPOX改質器セクションを備え、その改質器セクションは:
複数の互いに離間されたCPOX反応器ユニットであって、各反応器ユニットは、ガス状CPOX反応混合物用のインレット、水素リッチ改質油用のアウトレット、内表面と外表面を有する壁を有する細長いチューブを備えること、この壁は中に配置されたCPOX触媒を有する及び/又はCPOX触媒の構造体を備える壁の少なくとも一セクションで開口ガス流通路を囲むこと、そのような触媒含有壁セクションとそれによって囲まれる開口ガス流通路がガス相CPOX反応ゾーンを画定すること、触媒含有壁セクションは、CPOX反応状態下で安定したままであると共にガス状CPOX反応混合物が中に拡散されることができ且つ生産物水素リッチ改質油がそこから拡散されることができるためにガス透過可能であること;及び
b)改質器セクション(a)で生成された水素リッチ改質油を電気に電気化学的に変換するための燃料セクションを備え、その燃料セルセクションは:
少なくとも一つの燃料セルユニットであって、その燃料セルユニットは、アノードコンポーネント、カソードコンポーネント及びアノードコンポーネントとカソードコンポーネントとの間に配置された電解質コンポーネント、改質器セクション(a)で生成された水素リッチ改質油のためのインレットと通路であって、そのインレットと通路は、燃料セルユニットのアノードコンポーネントに改質油を搬送するように構成されること、酸素含有ガス用のインレットと通路であって、そのインレットと通路は、そのようなガスが燃料セルユニットのカソードコンポーネントへ搬送するように構成されること、及びテールガス用のアウトレットを備えること、及び
少なくとも一つの燃料セルユニットのアノードコンポーネントとカソードコンポーネントに電気的に連結する少なくとも一つの電流コレクタ、を含むことができる。
【0123】
他の一態様では、電気を生成する方法が提供される。本教示は、ガス状燃料CPOX改質を行い且つ水素リッチ生産物改質油を電気に電気化学的に変換する方法を提供する。本教示の方法は、概して、ガス状改質可能燃料を含むガス状CPOX反応混合物を本教示のガス状燃料CPOX改質器のCPOX反応器ユニットのインレットに導入すること;水素リッチ改質油の生成を開始するためにガス状CPOX反応混合物の触媒部分酸化を開始すること;ガス状CPOX反応混合物の触媒部分酸化を維持すること;及び燃料セルユニット内で水素リッチ改質油を電気に変換することを含む。
【0124】
幾つかの実施形態では、ガス状改質可能燃料のCPOX改質を行って水素リッチ改質油を生成し且つ燃料セル内でその改質油を電気に電気化学的に変換する方法は、水素バリアを管状反応器ユニットの触媒含有壁セクションの外側表面に取付けることを含む。水素バリアは、そのバリアが無い場合に、触媒含有壁セクションを通過する及びそれを越える水素の拡散から生じる反応器ユニットからの水素の損失を防止又は禁止できる。
【0125】
幾つかの実施形態では、ガス状改質可能燃料のCPOX改質を行って水素リッチ改質油を生成し且つ燃料セル内でその改質油を電気に電気化学的に変換する方法は、CPOXの発熱から回収された熱及び/又は一つ以上の外部熱源、例えば、燃料セル(セクション)の動作中にそれから回収された熱を使用してガス状CPOX反応混合物の形成に先立って、酸素含有ガスを加熱する及び/又はガス状改質可能燃料を加熱する、及び/又は統合改質器‐燃料セルシステム内の他の場所で熱環境を加熱及び/又は維持することを含む。
【0126】
幾つかの実施形態では、ガス状改質可能燃料のCPOX改質を行って水素リッチ改質油を生成し且つ燃料セル内でその改質油を電気化学的に変換して電気を生産する方法は、実質的に均一な組成のガス状CPOX反応混合物を実質的に均一な流量で及び/又は実質的に均一な温度で幾つかの管状CPOX反応器ユニットの各々に分配することを含む。
【0127】
特定の実施形態では、ガス状改質可能燃料のCPOX改質を行って水素リッチ改質油を生成し且つ燃料セル内でその改質油を電気に電気化学的に変換する方法は、例えば、CPOX反応器ユニットの外部に配置された放射熱源を使用して、管状CPOX反応器ユニット内でCPOXを開始することを含み、この放射熱は、反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内でCPOXを開始するために反応器ユニットの壁を通して伝導される。
【0128】
幾つかの実施形態では、ガス状改質可能燃料のCPOX改質を行って水素リッチ改質油を提供し且つ管状SOFCユニット内でその改質油を電気に電気化学的に変換する方法は、改質油中に存在する未改質のガス状改質可能燃料、熱分解燃料及び/又は一酸化炭素にSOFCユニットの少なくとも一部内で改質及び/又は水ガスシフト反応を受けさせ、それによってSOFCユニット内での電気への電気化学変換用の追加の水素を生成することを含む。
【0129】
本教示の様々な実施形態では、水素リッチ改質油を生成し且つ燃料セル内でその改質油を電気に電気化学的に変換するためのガス状改質可能燃料のCPOX改質の方法は:
a)スタートアップモードで:
(i)ガスを複数のCPOX反応器ユニットの各々のインレットに向けて経路付けるためのコンジットに酸素含有ガスを導入すること、前記コンジットは、酸素含有ガスのためのインレット、ガス状改質可能燃料のためのインレット及び前記CPOX反応器ユニットのインレットとガス流連通状態にあるガス状CPOX反応混合物用のアウトレットを備え、各CPOX反応器ユニットは、ガス状CPOX反応混合物用のインレット、水素リッチ改質油用のアウトレット、内表面と外表面を有する壁を有する細長いチューブを備え、前記壁は、中に配置されるCPOX触媒を有する及び/又はCPOX触媒の構造体を備える前記壁の少なくとも一セクションで開口ガス流通路を囲むこと、そのような触媒含有壁セクションとそれによって囲まれる開口ガス流通路は、ガス相CPOX反応ゾーンを画定し、CPOX反応状態下で構造的に安定したままであると共にガス状CPOX反応混合物を中に拡散させ且つ生産物水素リッチ改質油をそこから拡散させるためにガス透過可能であること、
(ii)ガス状改質可能燃料をコンジットに導入することであって、酸素含有ガスとガス状改質可能燃料は組み合わさってガス状CPOX反応混合物を形成すること、
(iii)ステップ(ii)からのガス状CPOX反応混合物をCPOX反応器ユニットのインレットに導入すること、及び
(iv)CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内のガス状CPOX反応混合物のCPOXを開始して、それによって、水素リッチ改質油の生成を開始すること、及び
(v)ステップ(vi)で生成された水素リッチ改質油を少なくとも一つの燃料セルユニットを備える燃料セルに搬送しそれによってこの改質油が前記燃料セルユニットのアノードコンポーネントに接触すると同時に酸素含有ガスを燃料セルに搬送してそれによってそのガスが燃料セルユニットのカソードコンポーネントと接触すること、前記改質油は、燃料セルユニット内で変換を受けて電気を生産すること;及び
b)定常状態モードにおいて:
(vi)酸素含有ガスを前記コンジットに導入すること、
(vii)ガス状改質可能燃料を前記コンジットに導入することであって、酸素含有ガスとガス状改質可能燃料は組み合わさってガス状CPOX反応混合物を形成すること、
(viii)ステップ(vii)からのガス状CPOX反応混合物をCPOX反応器ユニットのインレットに導入すること、
(ix)ステップ(xi)に先立って、又はステップ(xi)中に、又はステップ(xi)に続いて開始ステップ(iv)を中断すると共にCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内でCPOX反応を維持し、それによって、水素リッチ改質油の生産を継続すること、及び
(x)ステップ(ix)で生産された水素リッチ改質油を前記少なくとも一つの燃料セルユニットのアノードコンポーネントに搬送すると同時に酸素含有ガスを前記少なくとも一つの燃料セルユニットのカソードコンポーネントに搬送することであって、前記改質油は、燃料セルユニット内で変換を受けつづけて電気を生成することを概して含むことができる。
【0130】
幾つかの実施形態では、これらの方法は、例えば、ステップ(viii)において、酸素含有ガスのコンジットへの導入に先立って、外部熱生成源をからの熱を使用して酸素含有ガスを周囲温度に加熱することを含むことができる。特定の実施形態では、これらの方法は、例えば、CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内で生じるCPOXから回収された発熱の熱を使用して、第1の上昇された温度から第2の上昇された温度に前記酸素含有ガスを更に加熱することを含むことができる。特定の実施形態では、これらの方法は、ガス状改質可能燃料のコンジットへの導入に先立って、そのガス状改質可能燃料を加熱することを含むことができる。
【0131】
様々な実施形態では、これらの方法は、例えば、夫々、ステップ(v)と(x)の一方又は両方において、例えば、ステップ(iv)と(ix)の一方又は両方からのガス状CPOX混合物のCPOX反応器ユニットのインレットへの導入に先立って、そのガス状CPOX混合物の組成をより均一にすることを含むことができる。幾つかの実施形態では、これらの方法は、より均一な組成のガス状CPOX反応混合物をCPOX反応器ユニットのインレットへ分配すること及び/又は例えば、夫々、ステップ(v)と(x)の一方又は両方において、そのガス状CPOX反応混合物をより均一な温度でCPOX反応器ユニットのインレットへ分配することを含むことができる。
【0132】
特定の実施形態では、これらの方法は、任意の二つのCPOX反応器ユニット内のCPOX反応混合物の流量における差が約20%以下である及び/又は任意の二つのCPOX反応器ユニットのインレットに入るCPOX反応混合物の温度の差が約10%未満であるようにガス状CPOX反応混合物をCPOX反応器ユニットのインレットに分配することを含むことができる。
【0133】
幾つかの実施形態では、これらの方法は、例えば、ステップ(vi)において、点火器の動作によってCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内のガス状CPOX反応混合物のCPOXを開始することを含むことができ、そこでは、点火器から出力された放射熱は、点火器に近接する少なくとも一つの燃料セルユニットの露出セクションに伝達されて中でCPOX反応を開始する。一方、前記少なくとも一つのCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内で生じるCPOX反応によって生成される放射熱は、CPOX反応がチャンバ内のCPOX反応器ユニットの全てで開始されているようにチャンバ内の少なくとも一つの他のCPOX反応器ユニット内でCPOX反応を開始することができる。
【0134】
様々な実施形態では、これらの方法は、例えば、ステップ(v)において、ガス状CPOX反応混合物の酸素対炭素のモル比を燃料希薄CPOX反応混合物のそれに対応するように調整することを含むことができる。特定の実施形態では、これらの方法は、例えば、ステップ(xi)において、ガス状CPOX反応混合物の酸素対炭素のモル比を燃料リッチCPOX反応混合物のそれに対応するように調整することを含むことができる。
【0135】
幾つかの実施形態では、これらの方法は、酸素含有ガスのガス状CPOX反応混合物への併合に先立って、ガス状CPOX反応混合物の組成をより均一にする又は調節することを含むことができる。特定の実施形態では、酸素含有ガスのガス状CPOX反応混合物への併合に続いて、これらの方法は、併合されたガスの組成をより均一にする又は調節することを含むことができる。
【0136】
幾つかの実施形態では、これらの方法は水素リッチ改質油を生成するためにコンジット内で、酸素含有ガスとガス状燃料を含むガス状CPOX反応混合物にCPOXを受けさせることを含むことができる。
【0137】
様々な実施形態では、これらの方法は、シャットダウンモードにおいて、例えばステップ(xi)で燃料流量を減少すると共に酸素対炭素の実質的に一定のモル比を維持することを含むことができる。幾つかの実施形態では、これらの方法は、CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内の温度がコーク形成を生じるレベルに近接又はそれ未満に低下すると酸素対炭素のモル比を増加することを含むことができる。そのようなモル比の増加は、CPOX触媒が不活性になるとコーク形成を防止又は禁止する。
【0138】
本教示に係るガス状燃料CPOX改質器、燃料セル、及び統合改質器‐燃料セルシステム、及びCPOX改質と電気の生成方法は、上記及び本明細書の他の部分に記載されている。図面を参照しての以下の記載は、本教示のガス状燃料CPOX改質器、燃料セル、及び統合改質器‐燃料セルシステム、及びCPOX改質と電気生成プロセスのこれらの特徴及び他の特徴の幾つかに関して詳細を述べており、且つ本発明の本質を制限することなく様々且つ特定の実施形態を論じており、上記で論じたことに適用可能であることが理解されるべきである。
【0139】
ここで図面を参照すると、
図2は、本教示に係る統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステムの一実施形態を示している。
図2に示されるように、統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム200は、燃料セルセクション228に連結されたガス状燃料CPOX改質器セクション201を含む。改質器セクション201は、本明細書で且つ本教示の他の実施形態で空気によって例示された酸素含有ガスをコンジット203に導入するため及び酸素含有ガスと他のガス流(ガス状燃料‐空気混合物(単数又は複数)及び水素リッチ改質油を含む)を改質器セクションと燃料セルセクションの、開口ガス流通路を含む様々な通路を介して駆動するための遠心ブロワー202を含む。コンジット203は、流量メータ204と熱電対205を含むことができる。これら及び同様のデバイスは、
図3Aに示される制御システムに関連してより十分に説明されるように、統合改質器‐燃料セルシステムの動作を測定し、監視し且つ制御するために、ガス状燃料CPOX改質器セクションと燃料セルセクション内の様々な位置に配置されることができる。
【0140】
例示の統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム200の動作のスタートアップモードにおいて、ブロワー202によってコンジット203に導入される、周囲温度の空気は、本明細書で且つ本教示の他の実施形態ではプロパンによって例示された、ガス状燃料貯蔵タンク213から任意の熱電対215、流量メータ216、及び流量制御バルブ217を備える燃料ライン214を介して比較的に低圧でコンジット203に導入されたガス状改質可能燃料と組み合う。空気とプロパンは、コンジット203の混合ゾーン218で組み合わさる。ミキサー、例えば、インラインミキサー219のような静的ミキサー、及び外部から電力を供給されるミキサー(図示せず)は、そうでない場合よりもより均一なプロパン‐空気ガス状CPOX反応混合物を提供するために、コンジット203の混合ゾーン218内に配置される。
【0141】
プロパン‐空気混合物(ガス状CPOX反応混合物)は、反応混合物をより均一に管状CPOX反応ユニット209に分配するように機能するマニフォルド、即ち、プレナム220に入り、その一実施形態の詳細な記述は、
図4Eに示されるマニフォルド部分450の管状CPOX反応器ユニット408に関連してここで提示される。CPOX改質器セクション201の動作のスタートアップモードにおいて、点火器223は、管状CPOX反応器ユニット209のCPOX反応ゾーン210内でガス状CPOX反応混合物のCPOX反応を開始し、それによって、水素リッチ改質油の生産を開始する。定常状態のCPOX反応温度が達成される(例えば、250℃から1,100℃)と、反応は、自立になり、点火器の動作は、中断されることができる。熱電対225は、CPOX反応器ユニット209内で生じるCPOX反応の温度を監視するために一つ以上のCPOX反応ゾーン210に近接して配置される。温度測定は、監視されたパラメータとして改質器制御システム226に中継されることができる。
【0142】
また、改質器セクション201は、例えば、ブロワー202、流量メータ204、流量制御バルブ217、点火器223のような統合改質器‐燃料セルシステム200の電気で駆動されるコンポーネントのために統合改質器‐燃料セルシステム200の動作のスタートアップモード中に電力を提供するため、及び必要ならば、例えば、後での使用のために、定常状態動作中に燃料セルセクション228によって生成された余剰の電気を蓄えるために、電流源、例えば、再充電可能リチウムイオンバッテリシステム227を含むことができる。
【0143】
必要ならば、液体CPOX改質器セクションからの生産物流出物即ち水素リッチ改質油は、水素リッチ改質油の一酸化炭素(CO)含有を減少するための一つ以上の従来の又は他の既知の一酸化炭素除去デバイスに導入されることができ、そこでは、生産物流出物は、COによる汚染に特に影響を及ぼされ易い触媒を利用する燃料セルセクション即ち燃料セルスタック、例えば、
図5Dに示される統合改質器‐燃料セルシステム560のPEM燃料セルセクション561、に燃料として導入されるべきである。このように、例えば、生産物流出物は、水ガスシフト(WGS)変換器に導入されることができ、そこでは、COが二酸化炭素(CO
2)に変換されると共に、同時に、追加の水素を生成し、又は生産物流出物は、反応器に導入されることができ、そこでは、COは、CO
2への優先酸化(PROX)を受けるようになされる。また、COの減少は、これらのプロセスの組合せ、例えば、PROXが続くWGS及びその逆を使用して実行されることができる。
【0144】
生産物改質油の水素ストリームとCO含有副生物ストリームへの分離を行う水素選択性膜を備える既知の又は従来のクリーンアップユニット即ちデバイスに生産物改質油を通過させることによって生産物改質油中のCOレベルを減少することも本教示の範囲内に入る。また、この種のユニット/デバイスは、前述のWGS変換器及び/又はPROX反応器のような一つ以上の他のCO−削減ユニットと組み合わされることができる。
【0145】
燃料セルセクション228は、燃料セルスタック229、アフターバーナー、即ちテールガスバーナー232、マニフォルド231によって均一に分配される空気を、中で燃料の電気への電気化学的変換を支援するために、燃料セルスタック229のカソードサイドに、及び中でテールガスの燃焼を支援するために、アフターバーナー232に導入するためのブロワー230、及び温度及び圧力測定入力を制御システム226に提供すための任意の熱電対233及び流量メータ234を含む。ガス状CPOX改質器セクション201で生成された水素リッチ改質油は、燃料セルスタック229に入り且つ中で電気への電気化学的変換を受けてガス状流出物として水(ストリーム)と二酸化炭素を副生する。燃料セルスタック229からのガス状流出物、即ち、テールガスは、可燃性ガス(単数又は複数)、例えば、炭化水素(単数又は複数)、未消費水素、及び/又は一酸化炭素のような他の電気化学的酸化可能ガス(単数又は複数)を含むことができ、これらのガスは、次に、アフターバーナー232に入り、そこで、ブロワー230によって提供される空気を利用してそれらの水(スチーム)及び二酸化炭素への燃焼が起こる。必要ならば、アフターバーナー232からのホットガス排気中に含まれる熱は、回収されて一つ以上の流体流、例えば、現在及び/又は後での水の要求を満たすために適切に隔離された貯蔵タンク内に貯蔵されることができる水を加熱するために利用されることができる。
【0146】
図3Aに示される制御システム300は、本教示に係る統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステムの動作を制御できる。
図3Aに示されるように、制御システム300は、動作のスタートアップモード、定常状態モード及びシャットダウンモードにおけるガス状燃料CPOX改質器302を管理するためのコントローラ301を含む。このコントローラは、プロセッサ上で動作するソフトウエアであってもよい。しかしながら、一つ以上のデジタル回路又はアナログ回路、又はそれらの組合せで実施されるコントローラを使用することは、本教示の範囲内にはいる。
【0147】
制御システム300は、更に、コントローラ301と通信状態にあり且つ改質器セクション302と燃料セルセクション315の選択された動作パラメータを監視するように構成された、複数のセンサアセンブリ、例えば、熱電対と関連するガス状燃料圧力メータ304、熱電対と関連するCPOX/アノード空気圧メータ309、CPOX改質器ゾーン熱電対314、熱電対と関連するカソード空気圧メータ318、燃料セルスタック熱電対319、及びアフターバーナー熱電対320を含む。
【0148】
センサアセンブリからの入力信号、ユーザ入力デバイス及び/又はプログラムされたサブルーチンからのユーザコマンド及びコマンドシーケンスに応答して、コントローラは、ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステムの動作を管理することができる。より具体的には、図示のように、コントローラ301は、統合改質器‐燃料セルシステム316の望ましいセクション即ちコンポーネントの制御信号受信部に特定の動作を指示するコマンド信号を送信することによってこの制御信号受信部と通信する。このように、例えば、熱電対と関連する圧力メータ304、309及び318からの温度と流量入力信号、及び熱電対314、319及び320からの温度入力信号に応答して、コントローラ301は、例えば、燃料ライン306を介するガス状燃料貯蔵タンク303からコンジット307へのガス状燃料の流量を制御するために燃料流量制御バルブ305に、コンジット307への空気の流れを制御し且つ改質器セクション302内及びそれを通る加熱されたガス状CPOX反応混合物及び燃料セルセクション315のアノード側内及びそれを通る水素リッチ改質油の流れをオン‐オフ状態へ駆動するために遠心ブロワー308に、及びバッテリ/バッテリ再充電システム312の機能を管理するためにバッテリ/バッテリ再充電システム312に制御信号を送信できる。同様に、様々なセンサアセンブリからの入力信号に応答して、コントローラ301は、燃料セルセクション315のカソード側内及びそれを通る空気の流れを制御するために遠心ブロワー322に及び空気が中のテールガスの可燃成分(単数又は複数)の燃焼を支援するアフターバーナーに制御信号を送信できる。
【0149】
ここでのセンサアセンブリ、制御信号受信デバイス及び通信路は、任意の適切な構造のもの及び従来の技術で既知のものであり得る。センサアセンブリは、動作パラメータが監視される任意の適切なセンサデバイスを含むことができる。例えば、燃料流量は、任意の適切なフローメータで監視されることができ、圧力は、任意の適切な圧力感知又は圧力調整デバイスで監視されることができる等である。センサアセンブリは、必須ではないが、コントローラと通信状態にあるトランスジューサを含んでいてもよい。通信路は、通常、有線電気信号であるが、任意の他の適切な形態の通信路が使用されてもよい。
【0150】
図3Aでは、通信路は、シングルヘッド矢印又はダブルヘッド矢印として概略的に示されている。コントローラ301で終端する矢印は、測定された流量又は測定された温度の値のような入力信号を概略的に示す。コントローラ301から延在する矢印は、矢印が終端するコンポーネントから対応動作を向けるために送られた制御信号を概略的に示す。デュアルヘッド通路は、コントローラ301が決定された応答動作を提供するために統合改質器‐燃料セルシステム316の対応するコンポーネントにコマンド信号を送信するのみならず、改質器セクション302、燃料セルセクション315、及び燃料制御バルブ305及びブロワー308と322のような機械的なユニットから動作入力、及び熱電対/圧力メータ304、309及び318、及び熱電対314、319及び320のようなセンサアセンブリから測定入力を受信する。
【0151】
図3Bは、ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム、例えば、統合改質器‐燃料セルシステム316の動作を自動化するために制御システムのコントローラによって実行されることができる例示的制御ルーチンのフローチャートを表す。このフローチャートは、固定間隔で、例えば、約10ミリ秒ごとに、コントローラによって実行されることができる。
図3Bに示される制御論理は、ガス流、動作のスタートアップモード及び定常状態モードにおけるCPOX反応温度の管理、及び統合改質器‐燃料セルシステムのシャットダウンモードのための手順の管理を含む幾つかの機能を実行する。
【0152】
本教示の更な実施形態を表す、
図4A乃至
図4Mに示される例示的統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム400及びそのコンポーネントの様々な図に示されているように、酸素含有ガスとして且つ周囲温度の空気は、
図4Lと
図4Mにより詳細に示される遠心ブロワーシステム402を介して、改質器セクション401のコンジット404のインレット403を通って予め設定された質量流量で導入される。プロパンは、燃料ライン441と燃料インレット442を介してコンジット404に導入される。プロパンと空気は、ガス状CPOX反応混合物を提供するためにコンジット404の混合ゾーン420内で組み合い始める。任意の適切な種類のミキサーデバイス、例えば、混合ゾーン420内に配置されるスタティックミキサー及び/又は混合ゾーン420を囲むコンジット404の内側壁内に形成されるらせん状の溝は、そうでない場合に混合ゾーン420に形成するものよりもより組成的均一性のあるガス状CPOX反応混合物を提供するために含まれることができる。
【0153】
任意のスタティックミキサー及び/又は第2の混合ゾーン420内に配置されるらせん状溝を有する接触部を通過することに続いて、ガス状CPOX反応混合物は、アウトレット425を介してコンジット404を出て、管状CPOX反応器ユニット408に、及びその中に反応混合物のより均一な分配を提供するように構成されるマニフォルド426のガス分配器427に入る。本教示内のそのような配置又は他の配置は、任意の二つのCPOX反応器ユニット内のガス状のCPOX反応混合物の流量における差が約20%以下、例えば、約10%以下、又は約5%以下である、ガス状CPOX反応混合物の分配を提供することができる。
【0154】
図4Aに戻ると、マニフォルド426(その一部の拡大長手方向断面図が関連する管状CPOX反応器ユニット408と共に
図4Eに示される)は、マニフォルドチャンバ429を画定するマニフォルドハウジング、即ち、囲い428を含み、このマニフォルドチャンバ429内で、ガス状CPOX反応混合物(ガス)分配器427がコンジット404のアウトレット425に接続される。アウトレット425を通ってコンジット404を出るガス状CPOX反応混合物は、ガス分配器427に入り、その後、ガス分配器の底又は下部に位置される孔430(例えば、穴又はスロット)を通して外側に通過し、次に、ガスは、分配器の外表面周りをその頂部又は上部に流れ、そこから管状CPOX反応器ユニット408のインレット431に入る。ガス状CPOX反応混合物が孔又はオリフィス430を通過してインレット431に入る時のガス状CPOX反応混合物の進路が
図4Bに示されている。
【0155】
CPOX反応器ユニットへのガス状CPOX反応混合物のより均一な分配を促進する機能を達成するためにマニフォルドの設計の最適化に影響を及ぼし得る幾つかの指定のファクタは、そのハウジングの構成、そのチャンバの容量、及びそのオリフィスの数、設計及び配置を含むガス分配器の寸法を含む。一方、そのようなファクタは、コンジット内のガス状CPOX反応混合物の目標の流量、CPOX反応器ユニットの数と配置、CPOX反応器ユニットのインレットの形状と寸法のような改質器設計及び動作ファクタ及び同様な考察に依存する。本教示に係る特定のガス状燃料CPOX改質器のための最適な燃料‐空気分配性能のマニフォルドは、方法を試験するルーチンを使用して当業者によって容易に構成されることができる。
【0156】
CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーンが実質的に反応器ユニットの長さと同じ広がりを持つ場合、マニフォルドハウジングは、CPOX改質器の典型である高温で熱的に且つ機械的に安定している材料から製造されることができる。これらの実施形態では、カーボンファイバ及び/又はガラスファイバ強化セラミックのような耐火複合材料を含む様々な種類の耐火材が、マニフォルドハウジングを製造するために適切である。構造体の適切な材料は、様々な既知のタイプのアルミナ、再結晶アルミナ、アルミノケイ酸塩、窒化ホウ素、ガラスセラミック、酸化マグネシウム、リン酸ジルコニウム等の緻密なセラミックス、ニッケル‐クロム系超合金、ハステロイ超合金等のような金属を含む。しかしながら、これら及び他の耐火材は、比較的にコストが高い傾向があり、特に、比較的に複雑な構成を有する物品を製造する場合に、使用して役立たせる際に課題となり得る。
【0157】
図4Fに示されるCPOX反応器ユニット408の拡大された、例示の長手方向断面図に示されるように、CPOX反応器ユニット408のガス透過可能壁451は、その長手に沿って、燃料‐空気混合物インレット431で始まる、実質的にCPOX触媒が無い第1の、即ち、上流の領域452と、第1の領域452の終わりに始まり且つ反応器ユニットの生成物改質油流出物アウトレット454で又はそれに近接して終わる、触媒的に効果的な量のCPOX触媒464を含む第2の、即ち、下流の領域453に分割されることができる。
図4Aの統合改質器‐燃料セルセクション400の定常状態動作中に、CPOX反応器ユニットのこの実施形態は、特に、CPOX反応器ユニット408の燃料‐空気混合物インレット431とマニフォルドハウジング428との接合部でかなり低い温度、例えば、周囲温度から約350℃までの領域に維持するために本質的にCPOX触媒の無い第1の領域452を出る第2の領域453に熱いCPOX反応ゾーン409を大きく制限する。
【0158】
温度が多くの熱可塑性樹脂の溶融温度よりも低い及び多くの熱硬化性樹脂の熱劣化温度未満である、CPOX触媒の無い壁セクションゾーンのより低い温度によって、マニフォルドハウジングの製造のために幾つかのファミリーの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の任意のものを利用することが実際的にされ且つ有利にされる。マニフォルドハウジングの製造のために使用されることができる特定のタイプの熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなポリアリルエーテルケトン(PAEK)、フェノールホルムアルデヒド樹脂等を含む。それらの比較的に低い材料コストに加えて、これら及び他の熱的に安定な樹脂は、押し出し成形、真空成形、射出成形、反応射出成形、回転成形等のような低コスト製造手順を使用して複雑な形状に容易に形成可能にできる追加の利点を有し、従って、比較的に複雑な幾何学形状を有するマニフォルドハウジングを作るのに良好に適する。
【0159】
図4Aに戻り、マニフォルド426から、ガス状CPOX反応混合物がCPOX反応器ユニット408のインレット431に入り、CPOX反応ゾーン409に入り、そこでは、反応混合物は、水素リッチ一酸化炭素含有改質油を生成するためにガス相CPOX反応を受ける。スタートアップモードで、一つ以上の点火器(単数又は複数)435がCPOXを開始する。CPOXが自立した後に、例えば、反応ゾーンの温度が約250℃から約1100℃に達すると、点火器(単数又は複数)は、そこでは自立CPOX反応を維持するために外部点火がもはや要求されないので、シャットダウンされることができる。例えば、微細孔の又はアルミニウムベースの耐火性タイプの断熱部410が、CPOX改質器セクション401と燃料セルセクション467からの熱損失を減少するためにこれらのセクションのそれらの部分を囲む。
【0160】
図4A乃至
図4Dは、本教示の一実施形態を示しており、そこでは、二つの点火器435(各アレイに対して一つ)は、改質器401の動作のスタートアップモード中にチャンバ内のCPOX反応器ユニット408のCPOX反応ゾーン409内でCPOX反応を開始するために使用される。
図4Cと
図4Dに示されるように、CPOX反応器ユニット408は、二つの別々の2×7アレイに配置され、各アレイは、チャンバ436内に配置される。アレイの周囲は、チャンバ436の開口スペース438と断熱部410との境界を示す。CPOX反応器ユニット408のCPOX反応ゾーン409の少なくとも一部に対応するCPOX反応器ユニット408の壁の外部表面437は、開口スペース438内に露出される。水素バリアが存在する場合、その水素バリアは、CPOX反応器ユニットの外部表面に露出されることができる。例えば、10ワットから80ワット以上に格付けされた電気抵抗タイプの点火器435は、チャンバ436の両端に配置され、そこでは、放射熱生成要素439がCPOX反応器ユニット408の外部表面437に近接するが、それから物理的に隔離状態に位置される。熱電対440は、CPOX反応ゾーン409の温度を監視し且つ
図3Aに示される制御システムに関連して記述されるように、改質器制御入力を提供するために点火器435の反対側のチャンバ436の端部に配置される。点火器の動作によって、放射熱が一つ以上の隣接するCPOX反応器ユニットの壁に又はそれを介して伝達され、それによって、CPOXがそのような反応器ユニット(単数又は複数)のCPOX反応ゾーン内で開始される。次に、これらの隣接するCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン(単数又は複数)から放射される放射熱は、
図4Cにおける波状矢印によって示されるようにアレイ内の残りのCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内でCPOXを開始できる。
【0161】
CPOX反応器ユニットとの直接の接触を回避する一つ、又は二つ、又は多くて二乃至三の点火器(単数又は複数)の供給は、CPOX点火器システムに幾つかの利点を提供し、そこでは、各CPOX反応器ユニットが、それ自体の物理的に取り付けられた又は一体化された点火器を有する。後者の点火システムの使用は、本教示によって熟考されるが、動作不能の点火器の識別が、問題である可能性があり、点火器が一部であるCPOX反応器ユニットに対する損傷及び/又はアレイ中の他の反応器ユニットへの障害無しにその動作不能の点火器の除去及び交換は、困難である可能性がある。従って、アレイ内又は複数のCPOX反応器ユニット内に適切に配置された単一(又は二乃至三の)点火器(単数又は複数)は、故障した又は欠陥のある点火器の容易で且つ単純な識別及びCPOX改質器セクションからの抽出、及び動作する点火器との交換を許容できる。
【0162】
二つの点火器が使用され、各点火器がCPOX反応器ユニットの2×7アレイを点火する、
図4C及び
図4Dに示されるように、特に、二つのチャンバ間に顕著な熱連通がある場合、チャンバ436の一方の側にある点火器435と熱電対440の位置をチャンバの他方の側にある点火器435と熱電対440の位置に対して反転することが有利である場合がある。そのような配置は、CPOX反応器ユニットの各別れたアレイのCPOX反応ゾーン内でのCPOXのより迅速な開始となることが観察された。しかしながら、チャンバ内で適切に寸法が決められ且つ配置されたCPOX反応器ユニットに関して、単一の点火器が、チャンバ内でCPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーン内でCPOXを始動するために使用されてもよい。
【0163】
図4A、
図4Cと
図4D(及び
図4Bではラベルが付されていないが存在する)に示されるチャンバ436は、本明細書で論じられるように、水素バリアとして働くことができる加圧ガスのような加圧流体を含むことができる。チャンバ436は、気密チャンバであることができる。図示のように、チャンバ436は、一般的に、CPOX反応器ユニット408の各々のCPOX反応ゾーン(例えば、CPOX触媒を含むガス透過可能壁のセクション)をチャンバ内に含み並びに点火器435及び熱電対440を含むように配置される。図示のように、チャンバは、CPOX反応ゾーンの大部分を含むが、そのチャンバの一つ以上の壁は、水素バリアとして働くことができ、この水素バリアでは、CPOX反応器ユニットが、例えば、図示のようにチャンバの内部の上方及び下方で壁を横切る即ち壁を貫通して延在する。加圧ガスコンジット(図示せず)のような加圧流体コンジットは、チャンバの内部と圧縮空気源のような加圧又は圧縮流体源との間に動作可能流体連通を提供できる。チャンバの加圧は、適切な水素バリアのための十分な流体圧を提供するために適切なバルブと圧力センサのアセンブリを使用して制御されることができる。
【0164】
図4Eに戻って、
図4Aと
図4Bに示される改質器セクション401のマニフォルド426の拡大されたマニフォルド部分450は、上部ハウジング構造体455、下部ハウジング構造体456、マニフォルドチャンバ429、ガス状CPOX反応混合物(ガス)分配器427及び管状CPOX反応器ユニット408のインレット431と流体連通、例えば、ガス流連通しているガス分配器アウトレット430を含む。管状CPOX反応器ユニット408のインレット端457は、上部ハウジング構造体455内に形成されたキャビティ458内に強固にシールされ、Oリングガスケット459によってそれと気密関係に係合される。ガス状CPOX反応混合物は、ガス分配器427のアウトレット430を通り、管状CPOX反応器ユニット408のインレット431を通ってCPOX反応ゾーン409に流れ、そこでは、ガス状CPOX反応混合物は、水素リッチ一酸化炭素含有流出物改質油へのガス状CPOX変換を受け、この流出物改質油は、反応器ユニットのアウトレット端部で関連するアウトレット454を通って反応器ユニットから出て、その後、例えば、本明細書でより十分に記述される燃料セルセクションの燃料セルスタックを構成する管状SOFCユニットに入る。図示のように、CPOX反応器ユニット408は、伝熱要素434の上方でシールされ、この伝熱要素434は、ガス分配器からCPOX反応器ユニットのインレットに導くオリフィスを含むオリフィスプレートであってもよい。オリフィスプレートは、マニフォルドハウジングと物理的に同じ構造であってもよい又は図示のマニフォルドハウジングに取り付けられる又はシールされる別個の構造体であってもよい。
【0165】
図4Fと
図4Gに更に示されるように、各管状CPOX反応器ユニット408のガス透過可能壁451は、内表面461、外表面462、一部がCPOX反応ゾーン409を構成するガス透過可能壁451よって囲まれた開口ガス流通路463、及び第2の領域453及びCPOX反応ゾーン409に対応するガス透過可能壁451の少なくともそのセクションの構造体内に支持される及び/又はその構造体を含む触媒として有効量のCPOX触媒464を含む。図示のように、生成物水素ガスのガス透過可能壁451を介する損失を防止又は禁止するために、水素バリア465がガス透過可能壁451の外表面462に取り付けられる。
【0166】
開口ガス流通路は、ガス状CPOX反応混合物とその中の水素含有改質油の実質的に滑らかな流れを可能とし、本教示のCPOX反応器ユニットの構造的特徴は、本教示のガス状燃料CPOX改質器の動作の特徴である低い背圧に寄与する。本教示に係るガス状燃料CPOX改質器及び/又は統合改質器‐燃料セルシステムの動作において、水柱の約3インチ(0.0075バール)以下の背圧、例えば、水柱の約2インチ以下の、又は水柱の約1インチ以下の背圧は、容易に達成されることができる。
【0167】
本明細書で先に述べられたように、CPOX反応器ユニットを形成するガス透過可能壁を通過する及び越える拡散による水素の損失を防止する又は禁止するために、CPOX反応器ユニットの幾つかの実施形態では、水素バリアが、CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーンに対応するCPOX反応器ユニットの長手の少なくともその部分に対してガス透過可能壁の外表面即ち外側表面に関連して、例えば、それに取り付けられる又は接着される。効果的な水素バリアとして機能できる材料は、CPOX反応の典型である高温で熱的に安定であるべきであり、改質油ガス、特に水素の材料を介する浸透や拡散を阻止するために十分に密であるべきである。
【0168】
これらの要求を満足する様々なセラミック材料(ガラス及びガラスセラミックスを含む)及び金属は、既知であり、従って、水素バリアを提供するために適する。水素バリアのための特定の材料は、例えば、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、錫、クロム、アルミナ、再結晶アルミナ、アルミナイド、アルミノケイ酸塩、チタニア、炭化チタン、窒化チタン、窒化ボロン、酸化マグネシウム、酸化クロム、リン酸ジルコニウム、セリア、ジルコニア、ムライト等、それらの混合物及びそれらの層状の組合せを含む。
【0169】
水素バリアを構成する材料の性質が許す場合、水素バリアは、事前形成された層、フォイル、フィルム又は膜として、CPOX反応ゾーンに対応するCPOX反応器ユニットの外表面の少なくともその部分に適用されることができる。水素バリアは、耐火接着剤でその壁に接着されることができる。或いは、水素バリアは、適切な堆積方法、例えば、スプレーコーティング、粉末コーティング、ブラシコーティング、浸漬、キャスティング、共押出、金属化等、及びそれらの多くの変型のいずれかのような従来の又は他の既知のセラミックコーティング及び金属コーティング技術のいずれかを使用して外表面に形成されてもよい。水素バリアの厚みの適切な範囲は、選択されたバリア材料の水素透過性特性及びCPOX反応ゾーンを囲む壁のガス透過性特性に主に依存し、そのような厚みは、当業者によって決定される。多くのバリア材料及び反応器壁構造体に対して、水素バリアの厚みは、約2マイクロメートルから約15マイクロメートルまで、例えば、約5マイクロメートルから12マイクロメートルの間で変化し得る。
【0170】
加えて、水素バリアは、CPOX反応器ユニットのガス透過可能壁、例えば、少なくともCPOX触媒含有壁セクションの外表面に関連する加圧ガスのような加圧流体であってもよい。十分な圧力で、CPOX反応器ユニットの外側にある加圧流体は、CPOX反応器ユニットを形成するガス透過可能壁を通る水素のロスを防止するためのバリアを生成する。加圧流体は、典型的には、不活性ガス(例えば、窒素)及び/又は空気のような加圧ガスである。水素バリアとしての加圧空気の使用は、酸素がCPOX反応器ユニットの外部から内部へ拡散し、その拡散された酸素が、特にそのような水素バリアが使用され且つCPOX反応ゾーンの回りに存在する場合に、再形成されようとしている及び/又は再形成されているガス状CPOX反応混合物のO:C比を調整できる追加の利点を有する。
【0171】
幾つかの実施形態では、CPOX反応器ユニットは、気密チャンバ内に配置されることができるが、それによって、CPOX反応器ユニットのインレットとアウトレットに対して、CPOX反応器ユニットの外部にある環境のガスのような流体の加圧を許容し、その加圧されたガスは、CPOX反応器ユニットの外部表面と関連する水素バリアを生成できる。特定の実施形態では、水素がCPOX反応ゾーンまでCPOX反応器ユニット内で生成されないので、CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーンのみが空気のような流体で加圧される気密チャンバに囲まれる。CPOX反応ゾーンがCPOX反応器ユニットのアウトレットまで延在しない実施形態では、CPOX反応ゾーンの始めからアウトレットまで加圧ガスが水素バリアとして使用されることを許容するために気密チャンバ内に囲まれることができる。幾つかの設計では、本明細書で記述されるチャンバは、CPOX反応ゾーンの一部を取り囲み、他方、CPOX反応ゾーンの残りの部分を取り囲む水素バリアの他の形態が存在してもよい。
【0172】
気密チャンバのようなチャンバが使用される実施形態では、そのチャンバの内部と流体連通状態にあるコンジットは、流体でそのチャンバを加圧するために使用されることができる。例えば、加圧流体やガスコンジットは、(気密)チャンバの内部と圧縮空気のような圧縮ガスの容器のような加圧又は圧縮流体源との間で動作可能な流体連通を提供できる。
【0173】
当業者が容易に認識し且つ理解するように、CPOX反応器ユニットの断面形状、その数及び寸法、及びそれらのCPOX反応器ユニットの幾何形状中心即ち図心から測定されたそれらお互いの分離の距離は、特定のガス状燃料CPOX反応器に対する動作上の及び機械的な性能使用に依存して決定される。実質的に均一な円形断面のCPOX反応器ユニット、例えば、
図4C、
図4F及び
図4Gに示されるCPOX反応器ユニットの場合、そのようなCPOX反応器ユニットの数、それらの長さ、それらの内径及び外径(それらのガス透過可能壁の厚みを画定する)、及びガス透過可能壁の外表面に取り付けられる水素バリアの位置、長さ及び厚みは、とりわけ、CPOX改質器の水素生成能力によって決定され、一方、その水素生成能力は、タイプ、量(ガス透過可能壁内絵のCPOX触媒の装填及び分配)、壁の多孔構造の特性、細孔容積、(細孔サイズの関数)、細孔の主なタイプ(大部分が開いている、即ち、網状の、又は大部分が閉じている、即ち、非網状の)、及び細孔の形状(球状の又は不揃いの)、CPOX反応混合物の容量的流量、CPOX温度、背圧等のような壁のガス透過性に影響を及ぼす(及び従ってCPOX反応に影響する)特性を含む幾つかのファクタの関数である。
【0174】
特定のガス状燃料CPOX改質器の望ましい機械的性能特性は、CPOX反応器ユニットの構成のために使用される材料の熱的且つ機械的特性、CPOX反応器ユニットの壁のガス透過可能構造体の細孔の容量と形態、反応器ユニットの寸法、特に、壁厚及び関連するファクタのようなファクタにかなりの程度まで依存する。
【0175】
ガス状燃料CPOX改質器が安定的に機能するために、ガス相CPOX反応ゾーンを囲む管状CPOX反応器ユニットの触媒的に活性な壁構造体のガス透過性特性は、ガス状改質可能燃料がそのような壁構造体に自由に入り且つそれを通して拡散し、それによって表面CPOX触媒のみならず、そのうえ、もしある場合内部のCPOX触媒と効果的に接触できるようになっているべきである。ガス状改質可能燃料に対して限られたガス透過性を有するCPOX反応器ユニットの壁構造体は、ガス状改質可能燃料の水素リッチ改質油へのCPOX変換を大きく遅らせるように制限された物質移行であり得ることに留意すべきである。対照的に、適切なガス透過性の触媒アクティブ反応器壁構造体は、ガス状改質可能燃料のCPOX変換且つ望ましい組成の水素リッチ改質油に対する選択性を促進する。
【0176】
本教示によって案内され且つ既知及び従来の試験手順を使用して、当業者は、処理されるべき特定のガス状改質可能燃料に対して最適なガス透過性特性を示す触媒アクティブ壁構造を有するCPOX反応器ユニットを容易に構成できる。
【0177】
管状CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーンの触媒アクティブ壁構造体が製造されることができる材料は、そのような壁構造体が高温且つCPOX反応の酸化力のある環境特性下で安定していることを可能とする材料である。従来及び他の既知の耐火性金属、耐火性セラミックス、及びそれらの組合せは、CPOX反応ゾーンの触媒アクティブ壁構造体の構成のために使用されることができる。これらの材料の幾つか、例えば、ペロブスカイトは、また、部分酸化に対する触媒活性を有し、従って、CPOX反応ゾーンの触媒アクティブ壁構造体の製造のために使用されることができるのみならずそのような構造体に対してCPOX触媒の一部又はそれの全てにも供給することができる。
【0178】
幾つかの実施形態では、CPOX反応器ユニットのCPOX触媒を含む、CPOX反応ゾーンの壁の少なくともセクションは、ペロブスカイトから作られる又はそれを含むことができる。例えば、ペロブスカイトは、そのような壁の約20重量%を超える、約30重量%を超える、約40重量%を超える、約50重量%を超える、約60重量%を超える、約70重量%を超える、約80重量%を超える、又は約90重量%を超えることができる。そのような壁セクションは、全体的にペロブスカイトで作られてもよいし又はCPOX反応器ユニットの壁全体がペロブスカイトで作られてもよいし又はその壁全体が本明細書で記述されたペロブスカイトの割合を含んでいてもよい。CPOX反応ゾーンに少なくとも対応する壁のセクションの材料のバランスは、ペロブスカイト以外に、金属、セラミックス、耐火性バインダから選択された少なくとも一つの成分とCPOX触媒を含むことができる。
【0179】
ペロブスカイトは、LaNiO
3、LaCoO
3、LaCrO
3、LaFeO
3及びLaMnO
3から選択された、少なくとも一つのメンバーであることができる。ペロブスカイトは、ランタンストロンチウムマンガナイト、マンガンストロンチウムフェライト、ランタンストロンチウムコバルトフェライト、ランタンカルシウムマンガナイト、ランタンストロンチウムクロマイト、ランタンストロンチウムガラートマグネサイト、及びそれらの組合せを含むことができる。触媒として存在する場合、ペロブスカイトは、La
1−xCe
xFe
2O
3、LaCr
1−yRu
yO
3、La
1−xSr
xAl
1−yRu
yO
3及びLa
1−xSr
xFe
2O
3であることができ、それらの組合せを含み、そこでは、xとyは、0.01から0.5までの範囲の数字である。加えて、他の適切な遷移金属ドープペロブスカイトが本教示の実施において使用されることができる。
【0180】
有用な耐火性金属として、チタン、バナジウム、クロム、ジルコン、モリブデン、ロジウム、タングステン、ニッケル、鉄等、それらの互いの組合せ、及び/又は他の金属及び/又は金属合金との組合せ等がある。耐火性セラミックスは、本目的のために有用でもある多くの耐火性金属及び耐火性金属合金に比較して、それらが比較的に低コストであることに起因して、触媒活性壁構造体の構成のための材料の一クラスである。そのようなセラミックスが既知及び従来の細孔形成手順を使用して極めて再生可能な細孔タイプの管状ガス透過可能構造体に形成できる比較的容易さとセラミックスの一般的に高度に満足のいく構造的/機械的特性(熱膨張係数及び熱ショック性能を含む)及び化学劣化に対する抵抗性は、それらの材料を魅力的な材料にする。CPOX反応ゾーン(先に述べたように、CPOX反応器ユニットの全体の壁構造体を含むことができる)の構成のための適切な耐火性セラミックスは、例えば、ペロブスカイト、スピネル、マグネシア、セリア、安定化セリア、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ安定化ジルコニアのような安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア、セリア安定化ジルコニア、マグネシア安定化ジルコニア、ランタナ安定化ジルコニア及びイットリア安定化ジルコニア、ジルコニア安定化アルミナ、ピロコア、ブラウンミラライト、リン酸ジルコニウム、炭化ケイ素、イットリウムアルミニウムガーネット、アルミナ、αアルミナ、γアルミナ、βアルミナ、アルミニウムシリケート、コージェライト、MgAl
2O
4等を含み、それらの内の様々なものが米国特許第6,402,989号明細書及び第7,070,752号明細書に開示されており、それの明細書の全ての内容は、参照によって本明細書に組み込まれ、且つ希土類アルミン酸塩及び希土類ガラートを含み、それらの内の様々なものが米国特許第7,001,867号明細書及び第7,888,278号明細書に開示されており、それの明細書の全ての内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0181】
一般的に、所与の設計のPOX改質器の全即ち全体の燃料変換能力は、その個別のCPOX反応器ユニットの総燃料変換能力である。互いに隣接するCPOX反応器ユニット間の最小距離は、改質器の動作の定常状態モードにおいて、反応器ユニットの温度が、予め決定された、即ち、事前設定された最大値を越えないようにされ、且つ互いに隣接するCPOX反応器ユニット間の最大距離は、ガス状燃料CPOX改質器の動作のスタートアップモード中にCPOX反応が一つ以上の反応器ユニット内で開始されることが失敗しない又は一つ以上のCPOX反応器ユニット内の温度が改質器の動作の定常状態モードに対して意図された所定の、即ち、予め設定された最低値以下に低下することがない距離である。互いに隣接するCPOX反応器ユニット間の最小距離と最大距離は、ルーチン試験方法を使用して所与の改質器セクション設計に対して容易に決定されることができる。
【0182】
本教示は、今まで既知で従来のCPOX触媒(触媒系を含む)、触媒を細孔基板又は支持体、特にCPOX反応器ユニットのガス透過可能壁に組み込む方法、制限するわけではないが、壁の特定のセクションに閉じ込められた触媒を含む触媒分配のパターン、反応器ユニットの長手に沿って増加される及び/又は壁の内表面から外表面へ減少される触媒の装填、反応器ユニットの長手に沿って組成が変化するCPOX触媒、及び同様の変型のいずれかの使用を熟考している。このように、例えば、CPOX反応ゾーンの始めからその終わりまで又はその終わりの近くまでCPOX反応器ユニットの壁内における触媒装填の増加は、このゾーンにおいて一定のPOX反応温度を維持するのに役立つことができる。
【0183】
本明細書で利用されることができる多くの既知で従来のCPOX触媒としては、金属、金属合金、金属酸化物、混合金属酸化物、ペロブスカイト、パイロクロール、例えば、米国特許第5,149,156号明細書、第5,447,705号明細書、第6,379,586号明細書、第6,402,989号明細書、第6,458,334号明細書、第6,488,907号明細書、第6,702,960号明細書、第6,726,853号明細書、第6,878,667号明細書、第7,070,752号明細書、第7,090,826号明細書、第7,328,691号明細書、第7,585,810号明細書、第7,888,278号明細書、第8,062,800号明細書、及び第8,241,600号明細書に開示される様々なものを含む、それらの混合物及びそれらの組合せがあり、これらの明細書の全体の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0184】
多数の高活性貴金属含有CPOX触媒が既知であり、且つそのようなものがここでは有用であるが、それは、一般的に、それらの高いコスト、高温で焼結した結果触媒活性の減少を受ける傾向、及び硫黄による汚染への傾向に起因して他の既知のタイプのCPOX触媒よりも使用されない。
【0185】
ペロブスカイト触媒は、それらが、また、CPOX反応器ユニットの触媒アクティブ壁構造体の構成に適するので、本教示において有用なCPOX触媒のクラスである。ペロブスカイト触媒は、「A」と「B」が非常に異なるサイズの陽イオンであり、「X」は、両陽イオンに接合する陰イオン、一般的には、酸素である、構造ABX
3によって特徴付けられる。適切なペロブスカイトCPOX触媒の例は、LaNiO
3、LaCoO
3、LaCrO
3、LaFeO
3及びLaMnO
3を含む。
【0186】
ペロブスカイトのA部位変更は、一般的に、それらの熱安定性に影響を及ぼし、他方、B部位変更は、一般的に、それらの触媒活性に影響を及ぼす。ペロブスカイトは、それらのA及び/又はB部位でドーピングを行うことで特定のCPOX反応状態に対して適合変更されることができる。ドーピングによって、ペロブスカイト格子内の活性ドーパントの原子レベルの分散が生じ、それによって、それらの触媒性能における劣化を禁止する。また、ペロブスカイトは、CPOX改質の高温特性での硫黄に対する良好な許容範囲を示すことができる。CPOX触媒として有用なドーピングされたペロブスカイトの例は、La
1−xCe
xFeO
3、LaCr
1−yRU
yO
3、La
1−xSr
xAl
1−yRu
yO
3及びLa
1−xSr
xFeO
3を含み、ここでは、xとyは、ドーパントの固溶限界とコストに依存して、0.05から0.5まで、例えば、0.05から0.2までの数である。
【0187】
図4Fに関連して先に論じられたように、CPOX反応器ユニットは、実質的にCPOX触媒が無く且つそのインレット端からCPOX触媒を含む第2の、即ち下流領域へ延在する第1の、即ち、上流領域を含むことができる。第2の、即ち下流領域は、典型的には、第1の領域端からその改質油流出物アウトレットに延在するが、アウトレット近くの触媒の量は減少する。CPOX反応器ユニットの全長に対するこれらの領域の長さは、大きく変化してもよい。このように、例えば、第1の領域は、CPOX反応器ユニットの長さの約20%から約60%まで、例えば、約30%から約40%まで又は約50%まで延在し、第2の領域は、CPOX反応器ユニットの長さの残りの長さに延在する。
図4AのCPOX改質器401の記述に関連して説明したように、CPOX改質器401の定常状態動作中に、第1の領域452は、
図4Aのマニフォルド426のマニフォルドハウジング428が様々な種類の低コストで、容易に成形可能である熱可塑性又は熱硬化性樹脂のいずれかから製造されることができる第2の領域453(CPOX反応ゾーン409に対応する)よりもかなり低い温度にある。
【0188】
CPOX反応器ユニット408は、
図4Gに示される円形断面に加えて、
図4H及び
図4Iに示されるもののような他の断面構成を取ることができる。
図4Hは、交互に凹凸となる、即ち、二裂片の断面を有するCPOX反応器ユニットを示している。そのような断面構成を有するCPOX反応器ユニットは、それらのアウトレットセクションが、明細書の全体の内容が、実際上、参照によって本明細書に組み込まれる、Finnerty氏等による同時係属中で本願の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2013/0230787号明細書に開示されたSOFC燃料セルアセンブリ及び燃料セルデバイスにおけるのと同様に構成された管状固体酸化物燃料セル(SOFC)ユニットに接合される、即ち整合されるべきである場合に特に有利である。
【0189】
代替として又はCPOX反応器ユニットの多管状燃料セルユニットへの直接の接続と組み合わせて、多管状CPOX改質器の二つ以上のCPOX反応器ユニットのアウトレットは、互いに(及びCPOX反応器ユニットの追加のアウトレット)と流体連通状態にあることができ、それらのアウトレットからの水素リッチ改質油は、燃料セルへの導入に先立って組み合わされることができる。例えば、二つ以上のCPOX反応器ユニットからの水素リッチ改質油流出物は、マニフォルド又は同様のデバイス及び/又は一つ以上のコンジット内で組み合わされることができ、次に、多管状燃料セル又は単一の燃料セルユニットであり得る燃料セルに導入される。従って、本教示のCPOX改質器は、そのエンド使用、例えば、水素リッチ改質油を単一の又は多管状燃料セルユニットに提供することに依存する様々な用途に適合されることができる。
【0190】
図4Aの統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム400は、個別の管状SOFCユニット469(それの二つの実施形態470と471が、夫々、
図4Jと
図4Kに拡大詳細で示される)から成るSOFCスタック468を特徴とする燃料セルセクション467を含む。必要ならば、管状SOFCユニットは、それらが直接的に接合されることができる改質器セクション401のCPOX改質器ユニット408に数及び/又は断面構成が対応するように作られることができる(示したとおり)。また、図示の統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステムは、SOFCスタック468を出る消費されたガス、即ちテールガスの燃焼のための触媒アフターバーナー472;マニフォルド474と通路475を介して空気の流れをSOFCユニット469のカソード側及びSOFCユニット469内での燃焼を支援するためのアフターバーナー472に駆動するための遠心ブロワーシステム473(改質器セクション401の遠心ブロワーシステム402に対するサイズ及び/又は容量において同一又は類似でない場合、構造において同一又は類似である);SOFCスタック468とアフターバーナー472夫々の温度を監視するための熱電対476と477;アフターバーナーガス点火器478;燃焼排気ポート481;及び管状SOFCユニット469のカソードコンポーネントとアノードコンポーネントと電気的に接触している電流コレクタ479を含む。
【0191】
図4Jに示されるように、管状SOFCユニット470は、一般的に細長い管状構成を有する。SOFCユニット470の切断部分は、電子を発生する内側アノード層482、電子を消費する外側カソード層483及びイオンを導通するが電子の通過を防止する中間電解質層484から構成されるSOFCユニット470の壁構造を明らかにしている。
【0192】
動作において、改質器セクションからSOFCスタックに入る改質油の水素と何らかの電気化学的に酸化可能な成分(単数又は複数)は、水及び/又は二酸化炭素と電子を生成するために管状SOFCユニットのアノード層内で酸素アニオンと組み合わさる。アノード層内で発生された電子は、外部負荷を通ってカソード層に戻るように移動し、そこでは、酸素は、それらの電子と組み合わさって電解質層及びアノード層を選択的に通過する酸素アニオンを提供する。SOFC燃料セルスタックの管状SOFCユニット内で生じる電気化学的プロセスは、燃料セルの他のタイプ/構成、具体的には、
図5A乃至
図5Dに示されている統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステムの実施形態の燃料セルセクション内で起こるプロセスと基本的に同じである。
【0193】
図4Jと
図4Kに示されるように、管状SOFCユニット470のアノード層482の少なくとも一部は、水ガスシフト反応のために、又は改質と水ガスシフト反応の両方に触媒作用を及ぼすために、改質(例えば、CPOX改質、スチーム改質、及び/又はオートサーマル改質)のために触媒的に活性である一つ以上の触媒485を含む又はそれと接触できる。触媒(単数又は複数)を設けることによって、改質器セクションからの改質油に存在し得る未消費ガス状燃料、熱分解燃料及び/又は一酸化炭素の利用が可能とされ、それによって管状SOFCユニット内での電気への変換のために追加の水素を提供する。適切な触媒は上記したCPOX触媒を含む。これらの触媒の多くは、スチーム改質、オートサーマル改質及び水ガスシフト反応に対して触媒的に活性でもある。CPOX中に遭遇する反応温度の全体の範囲(例えば、250℃から900℃)にわたって、従って、管状SOFCユニットのアノードコンポーネントと接触するガス状燃料CPOX改質油の代表的な高温でのそのような触媒の熱的安定性によってこれらの触媒を触媒として機能するのに良好に適合させる。水(スチーム)が管状SOFCユニットに入る改質油に存在し且つまたSOFCユニット内に生じる電気化学的反応の副生物としても生成されるので、改質反応と水ガスシフト反応の両方に対してアクティブである触媒を使用することは特に有利である。
【0194】
選択された触媒は、浸漬、コーティング、層状化等のような適切な従来の或いは既知の技術を使用して、管状SOFCユニットのアノードコンポーネントの表面内に組み込まれる(例えば、浸漬される)及び/又はその表面上にあることができる。アノードコンポーネントの長さの約80%までは、アノードコンポーネントの重量が略満足のいくものであることに基づいて、1乃至10重量パーセントの金属負荷を有する一つ以上の触媒を含有する即ち含むことができる。
【0195】
CPOX反応器ユニットと管状SOFCユニットを単一の連続する管状体として提供することは、本教示の範囲内にあり、この管状体の組成、構造及び寸法特性は区別できる改質器セクションと燃料セルセクションを提供するために要求される通りに配置されている。そのような管状改質器‐燃料セル体を製造するために特に有利なプロセスは、全内容が参照によって実際上本明細書に組み込まれる、同時係属中で同一出願人のFinnerty氏等の米国特許出願公開第2013/0056911号及びFinnety氏等の米国特許出願公開第2013/0059223号に開示されている。
【0196】
例えば、全内容が参照によって実際上本明細書に組み込まれる同時係属中で同一出願人のFinnerty氏等の米国特許出願公開第2013/0230787号の教示に従う、管状SOFCスタックのための電流コレクタコンポーネントを提供することも本教示の範囲内である。本明細書で記述されるように、電気的に接続される電流コレクタコンポーネントと管状SOFCスタックは、スタックの動作中に、電流コレクタコンポーネントがそれらの関連する電極からやがて外れる即ち分離する傾向に対して抗するように設計及び配置され、この分離の発生は、時間経過に従って、顕著な抵抗損失となる傾向がある。
【0197】
米国特許出願公開第2013/0230787号に記述された電流コレクタ/燃料セルスタックアセンブリに使用される管状SOFCユニットの一実施形態は、
図4KのSOFCユニット471に対して示されるように、それの少なくとも一部に対して、略二裂片断面を有する。本教示の燃料セルセクションを設計する時に、
図4Kに示される断面を有する管状SOFCユニットと、例えば、
図4Hに示される、対応して構成されるCPOX反応器ユニットを使用することが有利であり得る。これら二種類のユニットの連結は、単純化されることができ、且つ管状CPOX反応器ユニットからSOFCユニットへ及びそれを通るガス流のパターンの分裂が最小化される又は減少されることができる。
【0198】
図4L及び
図4Mにより詳細に示される、CPOXガス状燃料改質器401の遠心ブロワーシステム402と燃料セルセクション467の遠心ブロワーシステム473は、全内容が参照によって実際上本明細書に組み込まれる、同時係属中で同一出願人のDeWald氏等の米国特許出願公開第2012/0328969号に開示されている。利点の内とりわけ、これらの遠心ブロワーシステムは、コンジット内に導入されるガスの容量に対する及び/又は、本明細書で記述されるように、匹敵する空気流容量の単一の遠心ブロワーが、比較的に高い電力消費のブロワーに頼ることなしには提供できない生産物水素リッチ改質油の要求の変化に応答して、夫々の改質器セクション及び燃料セルセクション内で駆動されるガスの流量に対する迅速な調整をする能力を有することができる。
【0199】
既知で従来の改質器の動作のためにガス流を提供するために利用される片吸込み型遠心ブロワーのような片吸込み型遠心ブロワーは、変動するガス流要求を満足するためにモータの毎分回転数(rpm)の全範囲の適切な制御を必要とする。CPOX改質器又は統合改質器‐燃料セルシステムの動作の特定のモードに対する目標のガス流要求に依存して、これらの要求を満足するためブロワーの最適な性能は、例えば、約20,000rpm以上の比較的に高いrpmで駆動される比較的に小さなサイズのインペラーを有するブロワー、又は、例えば、約20,000rpm未満の、より一般的には、約10,000rpm未満の比較的に低いrpmで駆動さる比較的に大きなサイズのインペラーを有するブロワーを使用することを含むことができる。第1の配置(場合)、即ち、比較的に高いrpmで駆動される比較的に小さなインペラーを有するブロワーは、その動作のために必要な、対応するより大量の電力を引き込むよりパワフルで特別なモータを必要とする。第2の配置(場合)、即ち、比較的に低いrpmで駆動される比較的に大きなインペラーを有するブロワーは、大きなインペラーのより大きな慣性に起因してブロワー出力の制御と微細な調整がより困難にされ得る。
【0200】
改質器セクション及び燃料セルセクションに対する目標の圧力とガス流の要求のオーバーシューティングを防止するために、比較的に高い慣性のインペラーを有する単一のブロワーは、そのブロワーをガス圧と流量の期待された範囲に調整する時に、過減衰されなければならない。インペラーの比較的に高い慣性を補償するためのこの過減衰の影響は、ガス流要求を変化する、しばしば迅速に変化することに応答してブロワーを遅くさせることである。比較的高い慣性のインペラーを有する片吸込み型遠心ブロワーのこの特徴的に遅い応答は、ガスフロー要求における変動に対して満足するように応答するためにはより複雑な制御システムを必要とする可能性がある。
【0201】
統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム内でガス流を駆動するために遠心ブロワーシステムを使用することによって、そのシステムは、制御並びに低モータrpmと低消費電力が迅速に目標のガス流とガス圧要求を満足するために両低慣性インペラーから恩恵を受けられる。目標のガス圧をガス流の大部分、例えば、目標のガス圧をガス流の約60%から約90%を提供するために、本明細書で記述されるように、遠心ブロワーシステムのような相互接続された連続するブロワーにおける一つ以上のブロワーユニットを制御することによって、目標のガス圧とガス流の残りの部分が本システムの一つ以上の他のブロワーユニットによって提供されることができる。目標のガス圧とガス流を統合CPOX改質器‐燃料セルシステム内に提供するタスクをデュアル遠心ブロワーシステム402と473によって例示されるように、少なくとも二つの統合された、即ち、相互接続された遠心ブロワー間でスプリットすることによって、そのような流れと圧力が、単一の遠心ブロワーユニットで可能であるよりも少ない時間で且つ大きな精度で達成されることとなる。加えて、電力消費とノイズレベルは、ブロワーインペラーが、それらの動作に高いrpmを必要としないので、遠心ブロワーシステムにおいて低いことが可能である。
【0202】
図4L及び
図4Mに示されるように、遠心ブロワーシステム402(その記述は、遠心ブロワーシステム473に当てはまる)は、ダクト488を介して第2の遠心ブロワーユニット487に接続された第1の遠心ブロワーユニット486を含む。第1のブロワーユニット486は、軸方向インレット490と半径方向アウトレット491を有するケーシング489、周囲空気を第1の圧力で軸方向インレット490に引き込むため及び空気を第2のより高い圧力で半径方向アウトレット491を介して排出するための、ケーシング489内に配置されたインペラー492、及びインペラー492を駆動するための電気モータ493を含む。第2のブロワーユニット487は、ケーシング494、及び
図4Lにダクト488の切取断面によって示されるように、ケーシング494内に配置され且つ電気モータ496によって駆動されるインペラー495、及び第1のブロワーユニット486のアウトレット491から放出されるガスを受容するための軸方向インレット497を含む。第2のブロワーユニットは、更に、半径方向アウトレット498とアウトレットガスストリームハウジング499を含み、この放出端は、コンジット、例えば、点線によって指摘されているように、
図4Aのガス状燃料CPOX改質器セクション401のコンジット404の一端に接続されることができる。
【0203】
図4Lと
図4Mの矢印は、遠心ブロワーシステム402を構成する一連のブロワーにおける各ブロワーユニットの半径方向アウトレットを通る周囲空気の一般的な方向を指す。図示のように、例えば、
図4Lにおいて、第1のブロワーユニット486のアウトレット491を介して放出される周囲空気ストリームの軌跡と第2のブロワーユニット487のアウトレット498を介して放出される周囲空気ストリームの軌跡は、それらの夫々のアウトレットに対して平行ではなくそれらに対してある角度である。ストリームがダクト488の内壁に略平行のままであるように、アウトレット491を介して放出された周囲空気ストリームを受容するようにダクト488の配列を配置することによって、そうでない場合には生じるストリームがこれらの壁に衝突した乱流を防止又は減少することができる。乱流は、遠心ブロワーシステムにおける背圧源としてそれを減少又は排除するように有利に最小化又は回避されることができる。この同じ理由で、ガスストリームハウジング499の内壁が第2のブロワーユニット487のアウトレット498を介して放出された周囲空気の軌跡に略平行であるようにそのガスストリームハウジング499の角度を配置することが有利であり得る。ガスストリームの軌跡に対するダクトの内壁の最適配置及びガスストリームハウジングのオフセットの角度は、ルーチン実験法を使用して所与の遠心ブロワーシステムに対して容易に決定されることができる。遠心ブロワーシステム402において、ダクト488の内側、即ち、案内表面及びガスストリームハウジング499の内側、即ち、案内表面は、アウトレット491と498に対して約12°から約20°まで、例えば、約14°から約18°までの角度αで設定されることができる。
【0204】
本教示の追加の実施形態として、
図5Aの統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム500、
図5Bの統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム520、
図5Cの統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム540及び
図5Dの統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム560は、
図4A乃至
図4Dの統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム400の要素と特徴の大部分を含み本質的にそれと同様に動作し、従って、後者と前者の違いの幾つかに関してのみ記述する。
【0205】
図5Aに示される統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム500において、平坦な燃料セルセクション501は、中で消費されたガスの燃焼を支援するために燃料セルのカソード側及びアフターバーナー503の両方に空気を導入する遠心ブロワーシステム502を含む。遠心ブロワーシステム504は、空気をガス状燃料CPOX改質器セクション506のコンジット505に導入し、この空気は、下流でプロパンのようなガス状改質可能燃料と組み合わさってガス状CPOX反応混合物を提供する。次に、ガス状CPOX反応混合物は、CPOX反応器ユニット507内で水素リッチ改質油への変換を受け、この改質油は、引き続いて、燃料セルのアノード(燃料)側へ流れる。その構造の他の態様及びその動作モードにおいて、統合改質器‐燃料セルシステム500は、
図4Aの、統合改質器‐燃料セルシステム400のそれと同様である。
【0206】
図5Bに示される統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム520は、各管状CPOX反応器ユニット523の一部の対応する閉鎖端管状SOFCユニット524内への配置のおかげでシステム520の改質器セクション521及び燃料セルセクション522の本質的にコンパクトな構成を有し、そのような配置は、CPOX反応器ユニットの外表面とSOFCユニットの内、即ち、アノード表面との間にガス流通路525を提示する。CPOX反応器ユニットから流れる水素リッチ改質油は、通路525に入り、そこで、改質油は、管状SOFCユニットのアノード表面と接触する。他に関して、統合改質器‐燃料セルシステム520の構造と動作は、
図5Aのシステム500のそれに類似している。
【0207】
図5Cに示される統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステム540は、
図4Aのシステム400のそれと類似する改質器セクション542に連結されるモノリス状タイプの燃料セルセクション541を含む。統合改質器‐燃料セルシステム540の動作は、
図5Aのシステム500のそれに類似している。
【0208】
図5Dに示される統合ガス状燃料CPOX改質器セクション‐燃料セルシステム560は、PEMタイプの燃料セルセクション561と改質器セクション562を含み、そこでは、改質器セクションで生産される水素リッチ改質油の一酸化炭素含有量は、一酸化炭素削減又は類似のデバイス563によって燃料セルの信頼できる動作をもたらすレベル、例えば、PEM触媒のかなりの汚染を回避するのに十分に低いレベルに減少される。他に関して、統合改質器‐燃料セルシステム560の動作は、
図4Aのシステム400のそれと類似している。
【0209】
図6Aは、プロパン‐空気CPOX反応混合物の酸素(O)対炭素(C)のモル比とCPOX反応温度との間の関係を実証するグラフデータを提示する。そのデータが示すように、CPOX反応混合物のO対Cのモル比は徐々に減少する、即ち、反応混合物が、比較的に炭素希薄なものから比較的に炭素リッチなものへ調整されると、CPOX反応温度が低下する。これらのデータは、本教示に係るガス状燃料CPOX改質器の最適化動作のための幾つかの含蓄を保持している。
【0210】
CPOX触媒の迅速な加熱、従って、ガス相CPOX反応のオンセットを促進するために、より高いO対Cモル比を有するガス状CPOX反応混合物(即ち、燃料希薄反応混合物)は、改質器の動作のスタートアップモード中に利用されることができる。燃料希薄CPOX反応混合物に関連するより高い動作温度は、CPOX触媒温度におけるより迅速な上昇と定常状態動作への時間の減少を促進し得る。加えて、燃料希薄比は、CPOX触媒がその最適な温度を達せし且つ十分に活性化される前にコーク形成を禁止する傾向がある。CPOX触媒が、約650℃以上の温度に達すると、O対Cのモル比は、燃料流が増加されると、減少されることができる。O対Cのモル比の減少によって、触媒温度を低下し且つCPOX反応器ユニットの温度制御を失うことなくより多くの燃料が処理されることができる。反対の動作が、シャットダウン動作に対して取られることができる、即ち、燃料流は、維持されたO対Cのモル比で減少される。CPOX反応器ユニットのCPOX反応ゾーンの温度がコーク形成を生じる温度、例えば、約650℃未満に近接する又はそれ未満に低下すると、O対Cのモル比は、CPOX触媒が不活性になるようにコーク形成を防止又は最小にするように増加されることができる。典型的には、CPOX改質器は、CPOX反応混合物の温度が約500℃未満に低下する時にシャットダウンされる。酸素含有ガスの流れは、約15秒から約20秒まで継続されることができ、その後、燃料流は中断された。このようなシャットダウン手順によって、コンジット又は燃料制御バルブとコンジットへの燃料の導入の位置との間の燃料ラインのセクション内に含まれることができる、改質器からの燃料の除去を可能とすることができる。この制御特性は、特定の改質器設計において利用される特定のコントローラユニットコンポーネントを含む様々な改質器コンポーネントによって影響を及ぼされ得る。
【0211】
O対Cのモル比の変化が改質油の品質及び/又は組成に対する変化となり得るという理解の下で、燃料‐空気CPOX反応混合物のO対Cのモル比は、混合物の出力熱状態を調整する動作中に制御されることができる。CPOX温度が約650℃を越えるように上昇すると、燃料希薄から燃料リッチへシフトするO対Cのモル比の範囲がある。異なるCPOX触媒は、動作ウインドウ及びCPOX温度に影響を及ぼし得る。加えて、異なるガス状燃料は改質反応の効率に応じてCPOX温度を変えることができる。
【0212】
図6Bは、本教示に係る統合CPOX改質器‐燃料セルシステムの改質器セクションへのプロパン燃料流(mL/分)と統合システムの燃料セルセクションからの電流出力(amps)の関係を示すグラフデータを提示している。
【0213】
本明細書に記述された統合ガス状燃料CPOX改質器‐燃料セルシステムの様々な実施形態及びそれの動作の原理を考慮して、当業者は、ルーチン実験手順を使用することによって、本教示に従って、望ましいガス状改質可能燃料変換と電力出力容量の特定の統合CPOX改質器‐燃料セルシステム、構造的特性及び機械的特性の設計を容易に最適化することができる。
【0214】
本教示は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態の実施形態を包含する。従って、前述の実施形態は、本明細書で記述された本教示を制限するのではなくその例証となる全てに関して考察されるべきである。このように、本発明の範囲は、前述の記載によってではなくて添付の特許請求の範囲によって指摘され、特許請求の範囲の等価の意味と範囲内で生じる全ての変化は、特許請求の範囲内に包含されることが意図される。