(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術問題は、画像処理の方式によってスマート的で効率よく人の頭部を識別するための通行人の頭部識別方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
デプスカメラが垂直に地面を狙った時に目標領域から採集したデプス画像を取得し、前記デプス画像から前景画像を抽出するステップS1と、
前記前景画像から興味領域であるROI領域として全ての頭部の潜在領域を抽出するステップS2と、
ROI領域毎における画素点それぞれを円心として、同心円を構築することによって現在の画素点が頭部領域内に属する画素点である確率を算出し、ROI領域毎における画素点それぞれの確率値を得て、ROI領域毎における画素点それぞれの確率値とプリセットした第1の閾値とを比較し、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去し、残りの領域形式で存在する画素点が頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部であるステップS3とを含む通行人の頭部識別方法を提供している。
【0005】
さらに、前記ステップS1は、具体的に、デプスカメラを用いて垂直に地面を狙い、目標領域のデプス画像を採集して、デプス画像における座標が(x,y)である点の画素値f(x,y)を取得し、前記画素値f(x,y)と予めに背景モデリングすることによって得られた座標が(x,y)である点の画素値bg(x,y)とを比較するとともに、公式と合わせて前景画像における座標が(x,y)である点の画素値mask(x,y)を取得し、
前記公式は、
であり、
その中、Tbgは、背景モデルと前景画像との区分閾値であり、
上記した予めに背景モデリングすることによって座標が(x,y)である点の画素値bg(x,y)を得る過程は、具体的に、若干枚の前記目標領域の背景画像を採集し、前記若干枚の背景画像における座標が(x,y)である点の画素値を平均化することで得られ、
前記座標が(x,y)である点の画素値は、該点の目標領域における対応点から前記デプスカメラまでの相対的距離である。
【0006】
さらに、前記ステップS2は、具体的に、
前記前景画像における画素点Pそれぞれを中心点とし、公式に従ってその8隣領域における画素点の画素値の平均値mを算出するステップS21と、
前記公式は、
であり、
その中、p(k)は、該隣領域内の画素点の画素値であり、
該隣領域の平均値mとその中心点画素値
との差分の絶対値dがプリセットした第2の閾値Tmよりも小さいと、偏差(Variance)公式に従って該隣領域内の偏差vを算出するステップS22と、
前記偏差公式は、
であり、
偏差vがプリセットした第3の閾値Tvよりも小さいと、該隣領域がROI領域に属すると判定するステップS23とを含んでいる。
【0007】
さらに、前記ステップS3は、具体的に、
ROI領域毎における画素点それぞれを円心として、同心円を構築し、前記同心円の内円半径はrであり、外円半径はn×rであるステップS31と、
その中、
であり、Rは、統計して得られる人の頭部領域の中心点からエッジまでの平均画素点数であり、
であり、
内円内で取得した画素点の画素値を順位付けして、内円領域から取得した画素点の画素値から形成される配列ArrayInnerを記録し、前記配列ArrayInnerの長さはlengthInnerであり、その中、画素値の最も大きい点の画素値はNinnerMaxであり、また、内外円との間の領域内から取得した画素点の画素値を順位付けして、内外円との間の領域から取得した画素点の画素値から形成される配列ArrayOuterを記録し、前記配列ArrayOuterの長さはlengthOuterであり、その中、画素値の最も小さい点の画素値はNouterMinであるステップS32と、
上記取得した画素点は、各々領域内で均一分布を満たし、且つ、内円領域内から取得した画素点の数lengthInnerは内外円との間の領域から取得した画素点の数lengthOuterと同等であり、
配列ArrayOuterの中でNinnerMaxよりも小さい点の数をNum_1として算出し、配列ArrayInnerの中でNouterMinよりも大きい点の数をNum_2として算出し、公式に従って現在の画素点が頭部領域内に属する画素点である確率Lを算出するとともに、確率値を記録するステップS33と、
前記公式は、
L=(lengthInner+lengthOuter-Num_1- Num_2)/(lengthInner+lengthOuter)であり、
同心円の内円半径をr
newに増えるステップS34であって、r
new=r+r×αであり、その中αは、同心円の内円半径rの増える速度を表し、
であり、その時、外円半径はn×r
newであり、r
new≦2Rである時、r= r
newとし、上記ステップS32〜S34を繰り返してROI領域における画素点それぞれが頭部領域内に属する画素点である確率を算出するとともに、確率値を記録し、記録した画素点それぞれの最大確率を該画素点が頭部領域内に属する画素点である最終確率とし、r
new>2Rである時、ステップS35へ移行するステップS34と、
画素点それぞれの最終確率と前記第1の閾値とを比較して、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去し、残りの領域形式で存在する画素点が頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部であるステップS35とを含んでいる。
【0008】
本発明は、さらに、
デプスカメラが垂直に地面を狙った時に目標領域から採集したデプス画像を取得し、前記デプス画像から前景画像を抽出するための前景画像抽出モジュールと、
前記前景画像から興味領域であるROI領域として全ての頭部の潜在領域を抽出するためのROI領域抽出モジュールと、
同心円を構築することによって人の頭部領域を識別するための、具体的に、ROI領域毎における画素点それぞれを円心として、同心円を構築することによって現在の画素点が頭部領域内に属する画素点である確率を算出し、ROI領域毎における画素点それぞれの確率値を得て、ROI領域毎における画素点それぞれの確率値とプリセットした第1の閾値とを比較し、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去し、残りの領域形式で存在する画素点が頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部である頭部識別モジュールとを備える通行人の頭部識別システムを提供している。
【0009】
さらに、前記前景画像抽出モジュールは、具体的に、デプスカメラを用いて垂直に地面を狙い、目標領域のデプス画像を採集して、デプス画像における座標が(x,y)である点の画素値f(x,y)を取得し、画素値f(x,y)と予めに背景モデリングすることによって得られた座標が(x,y)である点の画素値bg(x,y)とを比較するとともに、公式と合わせて前景画像における座標が(x,y)である点の画素値mask(x,y)を取得するためのものであり、
前記公式は、
であり、
その中、Tbgは、背景モデルと前景画像との区分閾値であり、
上記した予めに背景モデリングすることによって座標が(x,y)である点の画素値bg(x,y)を得る過程は、具体的に、若干枚の前記目標領域の背景画像を採集し、前記若干枚の背景画像における座標が(x,y)である点の画素値を平均化することで得られ、
前記座標が(x,y)である点の画素値は、該点の目標領域における対応点から前記デプスカメラまでの相対的距離である。
【0010】
さらに、前記ROI領域抽出モジュールは、具体的に、
前記前景画像における画素点Pそれぞれを中心点とし、公式に従ってその8隣領域における画素点の画素値の平均値mを算出するための平均値算出サブモジュールと、
前記公式は、
であり、
その中、p(k)は、該隣領域内の画素点の画素値であり、
該隣領域の平均値mとその中心点画素値
との差分の絶対値dがプリセットした第2の閾値Tmよりも小さい時、偏差公式に従って該隣領域内の偏差vを算出するための偏差算出サブモジュールと、
前記偏差公式は、
であり、
偏差vがプリセットした第3の閾値Tvよりも小さい時、該隣領域がROI領域に属すると判定するためのROI領域判定サブモジュールとを備えている。
【0011】
さらに、前記頭部識別モジュールは、具体的に、
ROI領域毎における画素点それぞれを円心として、同心円を構築するための、前記同心円の内円半径はrであり、外円半径はn×rである同心円構築サブモジュールと、
その中、
であり、Rは、統計して得られる人の頭部領域の中心点からエッジまでの平均画素点数であり、
であり、
内円内で取得した画素点の画素値を順位付けするためのものであり、内円領域から取得した画素点の画素値から形成される配列ArrayInnerを記録し、前記配列ArrayInnerの長さはlengthInnerであり、その中、画素値の最も大きい点の画素値はNinnerMaxであり、また、内外円との間の領域内から取得した画素点の画素値を順位付けするためのものであり、内外円との間の領域から取得した画素点の画素値から形成される配列ArrayOuterを記録し、前記配列ArrayOuterの長さはlengthOuterであり、その中、画素値の最も小さい点の画素値はNouterMinである画素値順位付けサブモジュールと、
上記取得した画素点は、各々領域内で均一分布を満たし、且つ、内円領域内から取得した画素点の数lengthInnerは内外円との間の領域から取得した画素点の数lengthOuterと同等であり、
配列ArrayOuterの中でNinnerMaxよりも小さい点の数をNum_1として算出し、配列ArrayInnerの中でNouterMinよりも大きい点の数をNum_2として算出し、公式に従って現在の画素点が頭部領域内に属する画素点である確率Lを算出するとともに、確率値を記録するための第1の確率値確定サブモジュールと、
前記公式は、
L=(lengthInner+lengthOuter-Num_1- Num_2)/(lengthInner+lengthOuter)であり、
同心円の内円半径をr
newに増えるための第2の確率値確定サブモジュールであって、r
new=r+r×αであり、その中αは、同心円の内円半径rの増える速度を表し、
であり、その時、外円半径はn×r
newであり、r
new≦2Rである時、r= r
newとし、前記画素値順位付けサブモジュールに戻ってROI領域における画素点それぞれが頭部領域内に属する画素点である確率を算出するとともに、確率値を記録し、記録した画素点それぞれの最大確率を該画素点が頭部領域内に属する画素点である最終確率とし、r
new>2Rである時、頭部識別サブモジュールに入る第2の確率値確定サブモジュールと、
画素点それぞれの最終確率と前記第1の閾値とを比較して、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去するためのものであり、残りの領域形式で存在する画素点が頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部である頭部識別サブモジュールとを備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、従来技術と比べて、次のような有益な効果を有している。即ち、本発明の提供する通行人の頭部識別方法及びシステムは、一方、頭部の識別を行う前に、先に前景画像からROI領域を画定して頭部の潜在領域をロックし、効果的にアルゴリズムの計算量を低減させ、識別の速度を向上し、他方、人体で頭部領域しか同心円の属性を有しない特徴と合わせて、同心円を利用して頭部領域を計測し、頭部識別の正確率を向上するとともに、衣服の色や、頭部の色等が頭部識別に対する影響を効果的に避けて、アルゴリズムの耐干渉能力を向上させている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の目的、技術手段及び利点をもっと明瞭化するために、図面及び実施例を組合わせて、本発明についてさらに詳しく説明する。ここで記述した具体的な実施例は本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解できるであろう。
【0015】
本発明の主に実現する構想は、デプスカメラを用いて目標領域のデプス画像を採集し、背景モデリングすることによって、前記デプス画像から前景画像を抽出し、頭部領域が比較的に平坦である特徴を利用して、前記前景画像からROI領域として全ての頭部の潜在領域を抽出し、ROI領域毎にデプスカメラの距離(即ち、画素値)に対する頭部領域が肩及び体の他の領域よりも小さいという特徴を利用して、同心円を構築することによって人の頭部を識別し、具体的に、頭部領域内の画素点を円心として同心円を構築し、内円内の画素点の画素値が普遍的に内外円との間の画素点の画素値よりも小さいという特徴と合わせて、ROI領域における点それぞれを円心として同心円を構築し、該点が頭部領域に属する確率を算出するとともに、前記確率とプリセットした第1の閾値とを比較して、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去し、残りの領域形式で存在する画素点が頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部である。
【0016】
以下、具体的にこのような通行人の頭部識別方法を紹介する。
図1に示すように、
デプスカメラが垂直に地面を狙った時に目標領域から採集したデプス画像を取得し、前記デプス画像から前景画像を抽出するステップS1を含んでいる。
【0017】
具体的に、本発明で目標領域を採集するために用いたカメラはデプスカメラであり、その画像形成の原理は、目標へ光パルスを連続的に発信し、そしてセンサーを利用して目標から戻る光を受信することによって、光パルスの往復時間を検知することにより目標体の距離を得ることであるため、デプスカメラの形成した画像は、1枚の相対的距離の画像である。即ち、画像における画素点それぞれの値は、目標の前記デプスカメラからの相対的距離である。通行人同士の遮りを避けるために、デプスカメラの撮影角度は垂直に地面を狙うようにし、この角度は通行人同士の遮りを効果的に低減できる。
【0018】
前記ステップS1は、具体的に、デプスカメラを用いて垂直に地面を狙い、目標領域のデプス画像を採集して、デプス画像における座標が(x,y)である点の画素値f(x,y)を取得し、画素値f(x,y)と予めに背景モデリングすることによって得られた座標が(x,y)である点の画素値bg(x,y)とを比較するとともに、公式と合わせて前景画像における座標が(x,y)である点の画素値mask(x,y)を取得する。
【0019】
前記公式は、
であり、
その中、Tbgは、背景モデルと前景画像との区分閾値である。即ち、mask(x,y)において背景画像に属する画素点値を0とし、mask(x,y)において画素値が0ではない点が前景画像における点となる。
【0020】
具体的に、上記した予めに背景モデリングすることによって座標が(x,y)である点の画素値bg(x,y)を得る過程は、具体的に、若干枚の前記目標領域の背景画像を採集し、前記若干枚の背景画像における座標が(x,y)である点の画素値を平均化することで、前記目標領域に直面する背景モデルbg(x,y)が得られ、(x,y)は画像中の座標を表し、前記座標が(x,y)である点の画素値は、該点の目標領域における対応点から前記デプスカメラまでの相対的距離である。
【0021】
具体的に、上記目標領域は、デプスカメラの採集可能な範囲内の被検出領域であり、前記目標領域におけるある点から前記デプスカメラまでの相対的距離を画像における該点の画素値としている。
【0022】
また、前記前景画像から興味領域であるROI領域として全ての頭部の潜在領域を抽出するステップS2を含む。
具体的に、頭部領域が比較的に平坦であるため、デプス画像において頭部領域の画素点値が比較的に近接している。即ち、領域の偏差が小さい。つまり、画像上で画素値の平坦な領域を潜在する頭部領域を表すROI領域(Region Of Interest、興味領域)に画定することによって、後期の頭部識別はROI領域上で行うことができ、ROI領域の確定は後期頭部判別の負荷を低減している。
【0023】
前記ステップS2は、具体的に、
前記前景画像における画素点Pそれぞれを中心点とし、公式に従ってその8隣領域における画素点の画素値の平均値mを算出するステップS21を含んでいる。
【0024】
具体的に、前記8隣領域は、1個の画素点を中心点とし、その隣の8個の画素点から当該中心点の8隣領域を構成している。
前記公式は、
であり、
その中、p(k)は、該隣領域内の画素点の画素値である。
【0025】
さらに、該隣領域の平均値mとその中心点画素値
との差分の絶対値dがプリセットした第2の閾値Tmよりも小さいと、偏差公式に従って該隣領域内の偏差vを算出するステップS22を含んでいる。
【0026】
即ち、
であり、
前記偏差公式は、
である。
【0027】
さらに、偏差vがプリセットした第3の閾値Tvよりも小さいと、該隣領域がROI領域に属すると判定するステップS23を含んでいる。
具体的に、前景画像における画素点Pそれぞれについて上記判定を行うと、前景画像における全てのROI領域を抽出することができる。
【0028】
また、ROI領域毎における画素点それぞれを円心として、同心円を構築することによって現在の画素点が頭部領域内に属する画素点である確率を算出し、ROI領域毎における画素点それぞれの確率値を得て、ROI領域毎における画素点それぞれの確率値とプリセットした第1の閾値とを比較し、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去し、残りの領域形式で存在する画素点が頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部であるステップS3を含んでいる。
【0029】
事実上、通行人の姿勢が如何なっても頭部領域はいつも体の最高領域であり、デプスカメラの画像形成原理に基づいて、頭部領域の画素値が体の他の領域よりも小さいため、この特徴と合わせて、前景画像上に同心円を構築する方式で実現することができる。
【0030】
前記ステップS3は、具体的に、
ROI領域毎における画素点それぞれを円心として、同心円を構築し、前記同心円の内円半径はrであり、外円半径はn×rであるステップS31を含んでいる。
その中、
であり、Rは、統計して得られる人の頭部領域の中心点からエッジまでの平均画素点数であり、
である。
【0031】
具体的に、統計することで人の頭部領域の中心点からエッジまでの平均画素点数を得る方法は、デプスカメラを用いて垂直に大量の通行人が撮影領域を通る画像を撮影し、大量の通行人の画像から通行人の頭部領域の半径、即ち、頭部領域の中心からエッジまでの画素点数(この画素点数を頭部領域の半径という)を統計し、統計して得た頭部領域の半径を平均化して、平均頭部領域半径Rを取得し、上記平均頭部領域半径Rの半分を同心円内円の半径とし、即ち内円半径rは
であり、外円の半径は内円半径のn倍、即ち外円半径はn×rであり、一定の範囲で、nが大きいほど、判断基準を厳しくさせている。
【0032】
また、内円内で取得した画素点の画素値を順位付けして、内円領域から取得した画素点の画素値から形成される配列ArrayInnerを記録し、前記配列ArrayInnerの長さはlengthInnerであり、その中、画素値の最も大きい点の画素値はNinnerMaxであり、また、内外円との間の領域内から取得した画素点の画素値を順位付けして、内外円との間の領域から取得した画素点の画素値から形成される配列ArrayOuterを記録し、前記配列ArrayOuterの長さはlengthOuterであり、その中、画素値の最も小さい点の画素値はNouterMinであるステップS32を含んでいる。
【0033】
上記取得した画素点は、各々領域内で均一分布を満たし、且つ、内円領域内から取得した画素点の数lengthInnerは内外円との間の領域から取得した画素点の数lengthOuterと同等である。
【0034】
さらに、配列ArrayOuterの中でNinnerMaxよりも小さい点の数をNum_1として算出し、配列ArrayInnerの中でNouterMinよりも大きい点の数をNum_2として算出し、公式に従って現在の画素点が頭部領域内に属する画素点である確率Lを算出するとともに、確率値を記録するステップS33を含んでいる。
【0035】
前記公式は、
L=(lengthInner+lengthOuter-Num_1- Num_2)/(lengthInner+lengthOuter)であり、
NinnerMax<NouterMinであると、Num_1=0であるため、確率を直接に1と記し、
NinnerMax>NouterMinであると、公式(lengthInner+lengthOuter-Num_1- Num_2)/(lengthInner+lengthOuter)に従って確率を算出する。
以下に、上記した同心円を利用してある点が頭部領域に属する確率を算出する方式について、二通りの具体的な実施例を挙げて説明する。
【0036】
実施例一:仮に1、2、3、4、5が内円における画素点値であり、7、8、9、10、11が外円と内円との間の画素点値であると、内円における画素値の最も大きい点の値は5であり、外円と内円との間で画素値の最も小さい点の値は7であり、5<7であるため、確率は1となり、計算公式は(5+5-0-0)/(5+5)=1である。
実施例二:仮に34、56、78、100、234、500が内円における画素点値であり、98、123、466、700、877、100が外円と内円との間の画素点値であると、内円における画素値の最も大きい点の値は500であり、外円と内円との間で画素値の最も小さい点の値は98であり、500>98であるため、確率は(6+6-3-3)/(6+6)=0.5となる。
【0037】
さらに、同心円の内円半径をr
newに増えるステップS34であって、r
new=r+r×αであり、その中αは、同心円の内円半径rの増える速度を表し、
であり、その時、外円半径はn×r
newであり、r
new≦2Rである時、r= r
newとし、上記ステップS32〜S34を繰り返してROI領域における画素点それぞれが頭部領域内に属する画素点である確率を算出するとともに、確率値を記録し、記録した画素点それぞれの最大確率を該画素点が頭部領域内に属する画素点である最終確率とすることで、1枚の確率図が得られ、確率図において点毎の確率値がこの点が頭部領域に属する程度を表し、r
new>2Rであると時、ステップS35へ移行するステップS34と、
画素点それぞれの最終確率と前記第1の閾値とを比較して、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去し、残りの領域形式で存在する画素点が頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部であるステップS35とを含んでいる。
【0038】
以下に、通行人の頭部識別システムについて説明する。
図2に示すように、
デプスカメラが垂直に地面を狙った時に目標領域から採集したデプス画像を取得し、前記デプス画像から前景画像を抽出するための前景画像抽出モジュール10を備えている。
【0039】
前記前景画像抽出モジュール10は、具体的に、デプスカメラを用いて垂直に地面を狙い、目標領域のデプス画像を採集して、デプス画像における座標が(x,y)である点の画素値f(x,y)を取得し、画素値f(x,y)と予めに背景モデリングすることによって得られる座標が(x,y)である点の画素値bg(x,y)とを比較するとともに、公式と合わせて前景画像における座標が(x,y)である点の画素値mask(x,y)を得るために用いられる。
【0040】
前記公式は、
であり、
その中、Tbgは、背景モデルと前景画像との区分閾値である。
上記した予めに背景モデリングすることによって座標が(x,y)である点の画素値bg(x,y)を得る過程は、具体的に、若干枚の前記目標領域の背景画像を採集し、前記若干枚の背景画像における座標が(x,y)である点の画素値を平均化することで得られる。
【0041】
前記座標が(x,y)である点の画素値は、該点の目標領域における対応点から前記デプスカメラまでの相対的距離である。
【0042】
また、前記前景画像から興味領域であるROI領域として全ての頭部の潜在領域を抽出するためのROI領域抽出モジュール11を備えている。
【0043】
前記ROI領域抽出モジュール11は、具体的に、
前記前景画像における画素点Pそれぞれを中心点とし、公式に従ってその8隣領域における画素点の画素値の平均値mを算出するための平均値算出サブモジュールを備えている。
【0044】
前記公式は、
であり、
その中、p(k)は、該隣領域内の画素点の画素値である。
また、該隣領域の平均値mとその中心点画素値
との差分の絶対値dがプリセットした第2の閾値Tmよりも小さい時、偏差公式に従って該隣領域内の偏差vを算出するための偏差算出サブモジュールを備えている。
【0045】
即ち、
であり、
前記偏差公式は、
である。
【0046】
さらに、偏差vがプリセットした第3の閾値Tvよりも小さい時、該隣領域がROI領域に属すると判定するためのROI領域判定サブモジュールを備えている。
頭部識別モジュール12は、同心円を構築することによって人の頭部領域を識別するためのものであり、具体的に、ROI領域毎における画素点それぞれを円心として、同心円を構築することによって現在の画素点が頭部領域内に属する画素点である確率を算出し、ROI領域毎における画素点それぞれの確率値を得て、ROI領域毎における画素点それぞれの確率値とプリセットした第1の閾値とを比較し、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去し、残りの領域形式で存在する画素点が頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部となる。
【0047】
前記頭部識別モジュール12は、具体的に、
ROI領域毎における画素点それぞれを円心として、同心円を構築するための、前記同心円の内円半径はrであり、外円半径はn×rである同心円構築サブモジュールを備えている。
【0048】
その中、
であり、Rは、統計して得られる人の頭部領域の中心点からエッジまでの平均画素点数であり、
である。
【0049】
画素値順位付けサブモジュールは、内円内で取得した画素点の画素値を順位付けするためのものであり、内円領域から取得した画素点の画素値から形成される配列ArrayInnerを記録し、前記配列ArrayInnerの長さはlengthInnerであり、その中、画素値の最も大きい点の画素値はNinnerMaxであり、また、内外円との間の領域内から取得した画素点の画素値を順位付けするためのものであり、内外円との間の領域から取得した画素点の画素値から形成される配列ArrayOuterを記録し、前記配列ArrayOuterの長さはlengthOuterであり、その中、画素値の最も小さい点の画素値はNouterMinである。
【0050】
上記取得した画素点は、各々領域内で均一分布を満たし、且つ、内円領域内から取得した画素点の数lengthInnerは内外円との間の領域から取得した画素点の数lengthOuterと同等である。
【0051】
第1の確率値確定サブモジュールは、配列ArrayOuterの中でNinnerMaxよりも小さい点の数をNum_1として算出し、配列ArrayInnerの中でNouterMinよりも大きい点の数をNum_2として算出し、公式に従って現在の画素点が頭部領域内に属する画素点である確率Lを算出するとともに、確率値を記録するためのものである。
【0052】
前記公式は、
L=(lengthInner+lengthOuter-Num_1- Num_2)/(lengthInner+lengthOuter)であり、
第2の確率値確定サブモジュールは、同心円の内円半径をr
newに増えるためのものであり、r
new=r+r×αであり、その中αは同心円の内円半径rの増える速度を表し、
であり、その時、外円半径はn×r
newであり、r
new≦2Rである時、r= r
newとし、前記画素値順位付けサブモジュールに戻ってROI領域における画素点それぞれが頭部領域内に属する画素点である確率を算出するとともに、確率値を記録し、記録した画素点それぞれの最大確率を該画素点が頭部領域内に属する画素点である最終確率とし、r
new>2Rである時、頭部識別サブモジュールに入る。
【0053】
頭部識別サブモジュールは、画素点それぞれの最終確率と前記第1の閾値とを比較して、前記第1の閾値よりも低い画素点を濾過除去するためのものであり、残りの領域形式で存在する画素点は頭部領域の点であり、領域それぞれが識別された1つの頭部である。
【0054】
上記通行人の頭部識別方法によって通行人の頭部を識別した後、カウント方法に合わせて、マーケット、空港、バス停、地下鉄駅等の人流量の密集している公衆場所に人流量統計サービスを提供することができる。次に、人流量統計方法について具体的に説明する。前記人流量統計方法は上記通行人の頭部識別システムに基づくことであり、前記人流量統計方法は、前記通行人の頭部識別システムにて識別された通行人の頭部領域をトラッキングすることによってその動き軌跡を確定し、前記動き軌跡が所定領域を通り抜く時にカウントして、目標領域の人流量を統計する。
【0055】
図3に示すように、前記人流量の統計方法は、具体的に次のようなステップを含む。
【0056】
ステップA1:矩形枠で識別された頭部領域を取り囲み、前記頭部領域を前記矩形枠に内接させる。
【0057】
ステップA2:前景画像において直前フレームの画像における各頭部領域を次のフレームの画像における全ての頭部領域とそれぞれ連合近似性計算する。
【0058】
具体的に、連続する2フレーム同士の頭部領域の位置と面積に激しい変化がないことに鑑みて、頭部目標に対するトラッキングは、連続する2フレーム間の頭部の矩形枠の対角線の交点位置座標と頭部領域の面積の大きさの連合近似性を算出することによって確定する。
【0059】
計算公式は、
であり、
その中、d1及びd2は、連続する2フレームの画像におけるいずれか1つの頭部領域をそれぞれ代表し、
、
及び
は、連合近似性、位置近似性及び面積近似性をそれぞれ代表し、その中で
及び
の計算公式は、
であり、
その中、(x
1,y
1)及び(x
2,y
2)は、連続する2フレームの画像におけるいずれか1つの頭部領域d1及びd2の対角線の交点の座標をそれぞれ表し、s
1及びs
2は、連続する2フレームの画像におけるいずれか1つの頭部領域d1及びd2の面積をそれぞれ表し、a
x、a
yは、連続する2フレームの画像における全ての頭部領域の矩形枠の対角線の交点座標のX軸及びY軸での偏差を表し、a
sは、連続する2フレームの画像における全ての頭部領域の面積の偏差を表す。
【0060】
ステップA3:算出した直前フレームの画像における各頭部領域と次のフレームの画像における全ての頭部領域とのそれぞれ連合近似性の最大値を閾値と比較し、閾値より大きいと、直前フレームの画像における該頭部領域と次のフレームの画像で前記連合近似性の最大値に対応する頭部領域との整合に成功したことを代表し、閾値よりも小さいと、整合に失敗して、目標を失ったことを代表する。
【0061】
ステップA4:連続する2フレームの画像毎に整合に成功した2つの頭部領域の矩形枠の対角線の交点を結ぶことにより、前記頭部領域の動き軌跡を確定する。
【0062】
ステップA5:前記動き軌跡がプリセット領域を通り抜けたことを検出した時にカウントして、目標領域の人流量を統計する。
【0063】
具体的に、前記プリセット領域は、前記前景画像のフレーム画像に設けた2本の平行な仮想判定線L1とL2及び前記前景画像のエッジから形成される領域であり、前記動き軌跡が連続にL1とL2を通り抜けたことを検出した時、人数カウンターがカウントする。もっと具体的に、前記動き軌跡が連続に仮想判定線を通り抜く順番がL1とL2であることを検出した時、出カウンターがカウントし、前記動き軌跡が連続に仮想判定線を通り抜く順番がL2とL1であることを検出した時、入カウンターがカウントし、上記の方式を採用して全ての頭部領域の動き軌跡を検出しカウントするとともに、出カウンターと入カウンターそれぞれの結果をリアルタイムに出力する。
【0064】
その中、L1とL2の距離は、標準成年人の頭頂部領域の長さの2倍であり、且つ、L1とL2の中線はフレーム画像の中線である。
【0065】
次に、人流量の統計システムについて具体的に説明する。前記人流量の統計方法は上記通行人の頭部識別システムに基づき、前記人流量の統計システムは、前記通行人の頭部識別システムが識別した頭部領域をトラッキングすることによってその動き軌跡を確定し、前記動き軌跡がプリセット領域を通り抜けた時カウントして、目標領域の人流量を統計するためのものである。
【0066】
図4に示すように、前記人流量の統計システムは、具体的に次のような部分を備える。
【0067】
頭部領域枠空けモジュール20:矩形枠を用いて識別した頭部領域を取り囲み、前記頭部領域を前記矩形枠に内接させるためのものである。
【0068】
連合近似性計算モジュール21:前景画像において直前フレームの画像における各頭部領域を次のフレームの画像における全ての頭部領域とそれぞれ連合近似性計算するためのものである。
具体的に、前記連合近似性は、連続する2フレーム間の頭部の矩形枠の対角線の交点位置座標と頭部領域の面積の大きさの連合近似性である。
【0069】
計算公式は、
であり、
その中、d1及びd2は、連続する2フレームの画像におけるいずれか1つの頭部領域をそれぞれ代表し、
、
及び
は、連合近似性、位置近似性及び面積近似性をそれぞれ代表し、その中で
及び
の計算公式は、
であり、
その中、(x
1,y
1)及び(x
2,y
2)は、連続する2フレームの画像におけるいずれか1つの頭部領域d1及びd2の対角線の交点の座標をそれぞれ表し、s
1及びs
2は、連続する2フレームの画像におけるいずれか1つの頭部領域d1及びd2の面積をそれぞれ表し、a
x、a
yは、連続する2フレームの画像における全ての頭部領域の矩形枠の対角線の交点座標のX軸及びY軸での偏差を表し、a
sは、連続する2フレームの画像における全ての頭部領域の面積の偏差を表す。
【0070】
頭部領域整合モジュール22:算出した直前フレームの画像における各頭部領域と次のフレームの画像における全ての頭部領域とのそれぞれ連合近似性の最大値を閾値と比較するためのものであり、閾値より大きいと、直前フレームの画像における該頭部領域と次のフレームの画像で前記連合近似性の最大値に対応する頭部領域との整合に成功したことを代表し、閾値よりも小さいと、整合に失敗して、目標を失ったことを代表する。
【0071】
動き軌跡確定モジュール23:連続する2フレームの画像毎に整合に成功した2つの頭部領域の矩形枠の対角線の交点を結ぶことにより、前記頭部領域の動き軌跡を確定するためのものである。
【0072】
人流量統計モジュール24:前記動き軌跡がプリセット領域を通り抜けたことを検出した時にカウントして、目標領域の人流量を統計するためのものである。
【0073】
具体的に、前記プリセット領域は、前記前景画像のフレーム画像に設けた2本の平行な仮想判定線L1とL2及び前記前景画像のエッジから形成される領域であり、前記動き軌跡が連続にL1とL2を通り抜けたことを検出した時、人数カウンターがカウントする。また、前記動き軌跡が連続に仮想判定線を通り抜く順番がL1とL2であることを検出した時、出カウンターがカウントし、前記動き軌跡が連続に仮想判定線を通り抜く順番がL2とL1であることを検出した時、入カウンターがカウントし、出カウンター及び入カウンターそれぞれの結果をリアルタイムに出力する。
【0074】
その中、L1とL2の距離は、標準成年人の頭頂部領域の長さの2倍であり、且つ、L1とL2の中線はフレーム画像の中線である。
【0075】
上記に提供した人流量の統計方法及びシステムによれば、空港や、マーケット、駅等の人流量の密集した所に人流量統計サービスを提供することができる。
【0076】
本発明の提供する通行人の頭部識別方法は、一方、頭部の識別を行う前に、先に前景画像からROI領域を画定して頭部の潜在領域をロックし、効果的にアルゴリズムの計算量を低減させ、識別の速度を向上し、他方、人体で頭部領域しか同心円の属性を有しない特徴と合わせて、同心円を利用して頭部領域を計測し、頭部識別の正確率を向上するとともに、衣服の色や、頭部色等が頭部識別に対する影響を効果的に避けて、アルゴリズムの耐干渉能力を向上させている。
【0077】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明の精神及び原則内でのいかなる改正、同等取替え及び改善等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれることである。