(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記計算機サーバは、前記出入管理装置が前記オフライン状態である時に前記通行者が通行した履歴を示すオフライン通行履歴情報と、前記通行判定処理部から送られた前記通行者の前記通行履歴情報とを比較し、前記オフライン通行履歴情報が前記通行履歴情報に含まれていない通行者が存在した場合、当該通行者を示す通行履歴アンマッチ情報を前記出入管理装置へ送り、
前記出入管理装置は、前記計算機サーバから前記通行履歴アンマッチ情報を受け取ると、当該通行履歴アンマッチ情報に示された通行者の通行を許可しないように前記通行判定処理部に指示する通行制限判定部をさらに有する、請求項4に記載の出入管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る出入管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る出入管理システム11は、出入管理装置101と、計算機サーバ201と、を備える。
【0011】
図2は、出入管理装置101のレイアウトを示す図である。
図2に示すように、出入管理装置101は、場所A〜場所Eの間にそれぞれ設置されている。本実施形態では、場所A〜場所Eの間に出入管理装置101が1台ずつ設置されているが、複数台の出入管理装置101が設置されていてもよい。出入管理装置101は、IDカード301に基づいて通行者の出入りを管理する。
【0012】
ここで、
図1に戻って、IDカード301について説明する。IDカード301には、個人識別情報302と、前回通行モード情報303と、居場所情報304と、が記録されている。個人識別情報302は、通行者を識別する情報である。前回通行モード情報303は、通行者が前回通行した出入管理装置101が、計算機サーバ201と通信可能なオンライン状態であったか、または計算機サーバ201と通信不能なオフライン状態であったかを示す情報である。居場所情報304は、通行者の現在の居場所を示す第1の居場所情報である。
【0013】
以上がIDカード301の説明である。続いて、再び
図1を参照しながら出入管理装置101の構成を説明する。出入管理装置101は、個人識別情報記録部102と、通行履歴情報記録部103と、管理情報記録部104と、通行判定処理部105と、を有する。
【0014】
個人識別情報記録部102には、出入管理装置101の通行を許可された者の個人識別情報が記録されている。この個人識別情報は、出入管理装置101がオンライン状態である時に計算機サーバ201から定期的にダウンロードされる。
【0015】
通行履歴情報記録部103には、オフライン通行履歴情報が記録されている。このオフライン通行履歴情報は、出入管理装置101がオフライン状態である時に、通行者がこの出入管理装置101を通行した通行履歴を示す。
【0016】
管理情報記録部104には、通行人の出入りを管理するための管理情報が記録されている。この管理情報には、例えば、当該出入管理装置101の設置場所、換言すると出入管理装置101が通行者の出入りを管理する場所を示す情報や、当該出入管理装置101がオンライン状態またはオフライン状態のいずれの状態であるのかを示す情報などが含まれる。
【0017】
通行判定処理部105は、個人認証処理部106と、通行モード判定部107と、居場所判定部108と、通行履歴更新部109と、を有する。個人認証処理部106は、IDカード301から個人識別情報302を読み取り、読み取った個人識別情報302が出入管理装置101の通行を許可された者か否か判定する。通行モード判定部107は、IDカード301から前回通行モード情報303を読み取り、読み取った前回通行モード情報303を居場所判定部108へ送る。居場所判定部108は、前回通行モード情報303に基づいて、通行者の通行を許可するか否か判定する。通行履歴更新部109は、通行者の通行が許可された場合に、居場所情報304と前回通行モード情報303とをそれぞれ更新する。さらに、通行履歴更新部109は、出入管理装置101がオンライン状態のときに、通行者がこの出入管理装置101を通行した通行履歴を計算機サーバ201へ送る。
【0018】
以上が出入管理装置101の説明である。続いて、計算機サーバ201の構成を説明する。計算機サーバ201は、個人識別情報データベース202と、居場所情報データベース203と、通行履歴情報データベース204と、を有する。
【0019】
個人識別情報データベース202は、出入管理装置101の通行を許可された者の個人識別情報を有する。この個人識別情報が、出入管理装置101の個人識別情報記録部102に定期的にダウンロードされる。
【0020】
居場所情報データベース203は、出入管理装置101を通行した通行者全員の現在または過去の居場所をそれぞれ示す第2の居場所情報を有する。この第2の居場所情報は、通行者が出入管理装置101を通行した際に、当該出入管理装置101の設置場所に基づいて更新される。
【0021】
通行履歴情報データベース204は、通行者全員の出入管理装置101の通行履歴を示す通行履歴情報が記録されている。この通行履歴情報は、出入管理装置101の通行履歴情報記録部103から送られた通行履歴に基づいて更新される。
【0022】
以下、
図3および
図4を参照しながら本実施形態に係る出入管理システム11の動作の一例について説明する。ここでは、通行者が、
図3に示すオフライン状態の出入管理装置101を通行した後、
図4に示すオンライン状態の他の出入管理装置101を通行する場面を想定する。
【0023】
まず、
図3に基づいて、通行者が、オフライン状態の出入管理装置101を通行する際の出入管理システム11の動作を説明する。
【0024】
最初に、オフライン状態の出入管理装置101の個人認証処理部106が、IDカード301から個人識別情報302を読み取る(ステップS1)。続いて、個人認証処理部106は、個人識別情報記録部102に対し、読み取った個人識別情報302が記録されているか否か照会する。個人識別情報記録部102は、個人識別情報302を検索し、検索結果を個人認証処理部106へ通知する(ステップS2)。
【0025】
個人識別情報302が個人識別情報記録部102に記録されている場合、個人認証処理部106は、その旨を通行モード判定部107へ通知する(ステップS3)。個人識別情報302が個人識別情報記録部102に記録されていなかった場合、個人認証処理部106は、このIDカード301を所持する通行者が、この出入管理装置101の通行を許可された者でないと判定し、通行者の通行を許可しない。
【0026】
上記ステップS3に続いて、通行モード判定部107は、IDカード301から前回通行モード情報303を読み取り(ステップS4)、読み取った前回通行モード情報303を居場所判定部108へ送る(ステップS5)。
【0027】
上記ステップS5に続いて、居場所判定部108は、IDカード301から居場所情報304を読み取る(ステップS6)。その後、居場所判定部108は、管理情報記録部104から管理情報を読み取り(ステップS7)、この管理情報と居場所情報304とに基づいて、通行者の通行を許可するか否か判定する。ここで、居場所判定部108の判定動作について詳しく説明する。
【0028】
管理情報記録部104に記録された管理情報には、上述したように、出入管理装置101が通行者の出入りを管理する場所が示されている。例えば、この出入管理装置101が、
図2に示す場所Bから場所Cへ向かう通行者の通行を管理している場合、居場所判定部108は、居場所情報304が場所Bであるか否か判定する。つまり、居場所判定部108は、出入管理装置101の通行管理場所に基づいて居場所情報304の当否を判定する。
【0029】
居場所情報304が場所Bである場合、居場所判定部108は、居場所情報304が正しいと判定し、通行者の通行を許可する。一方、居場所情報304が場所Bでない場合、居場所判定部108は、居場所情報304が正しくないと判定し、通行者の通行を許可しない。
【0030】
居場所判定部108が通行者の通行を許可した場合、通行履歴更新部109は、IDカード301の前回通行モード情報303および居場所情報304を更新する(ステップS8、S9)。さらに、通行履歴更新部109は、この通行者がこの出入管理装置101を通行したことを示す情報を通行履歴情報記録部103へ送る(ステップS10)。通行履歴情報記録部103は、この情報をオフライン通行履歴情報として記録する。
【0031】
次に、
図4に基づいて、通行者がオンライン状態の他の出入管理装置101を通行する際の出入管理システム11の動作を説明する。
【0032】
最初に、個人認証処理部106が、IDカード301から個人識別情報302を読み取る(ステップS11)。続いて、個人認証処理部106は、計算機サーバ201の個人識別情報データベース202に対して、IDカード301から読み取った個人識別情報302が記録されているか否か照会する(ステップS12)。個人識別情報データベース202は、個人識別情報302を検索し、検索結果を個人認証処理部106へ通知する(ステップS13)。
【0033】
個人識別情報302が個人識別情報データベース202に記録されている場合、個人認証処理部106は、その旨を通行モード判定部107へ通知する(ステップS14)。一方、個人識別情報302が個人識別情報データベース202に記録されていなかった場合、個人認証処理部106は、通行者が、この出入管理装置101の通行を許可された者でないと判定し、この通行者の通行を許可しない。
【0034】
上記ステップS14に続いて、通行モード判定部107は、IDカード301から前回通行モード情報303を読み取り(ステップS15)、読み取った前回通行モード情報303を居場所判定部108へ送る(ステップS16)。本実施形態では、前回通行モード情報303は、オフライン状態を示す。
【0035】
上記ステップS16に続いて、居場所判定部108は、IDカード301から居場所情報304を読み取り(ステップS17)、読み取った居場所情報304と前回通行モード情報303とに基づいて通行者の通行を許可するか否か判定する。ここで、居場所判定部108の判定動作について詳しく説明する。
【0036】
前回通行モード情報303がオンライン状態を示す場合、計算機サーバ201の居場所情報データベース203に記録された第2の居場所情報は、通行者の現在の居場所に更新されている。そこで、居場所判定部108は、居場所情報データベース203に対して居場所情報304が記録されているか否か照会する(ステップS18)。居場所情報データベース203は、居場所情報304を検索し、検索結果を居場所判定部108へ通知する(ステップS19)。居場所情報304が居場所情報データベース203に記録されている場合、居場所判定部108は、居場所情報304が正しいと判定し、通行者の通行を許可する。一方、居場所情報304が居場所情報データベース203に記録されていなかった場合、居場所判定部108は、居場所情報304が正しくないと判定し、通行者の通行を許可しない。これが本実施形態における第1の判定動作である。
【0037】
反対に、前回通行モード情報303がオフライン状態を示す場合、居場所情報データベース203に記録された第2の居場所情報は、通行者の現在の居場所に更新されておらず、通行者の過去の居場所を示す。この場合、居場所判定部108は、管理情報記録部104から管理情報を読み取り(ステップS20)、読み取った管理情報と居場所情報304とに基づいて通行判定を行う。例えば、この出入管理装置101が
図2に示す場所Cから
図2に示す場所Eへ向かう通行者の通行を管理する場合、居場所判定部108は、居場所情報304が場所Cであるか否か判定する。つまり、居場所判定部108は、出入管理装置101の通行管理場所に基づいて居場所情報304の当否を判定する。居場所情報304が場所Cである場合、居場所判定部108は、居場所情報304が正しいと判定し、当該通行者の通行を許可する。一方、居場所情報304が場所Cでない場合、居場所判定部108は、居場所情報304が正しくないと判定し、通行者の通行を許可しない。これが、本実施形態における第2の判定動作である。
【0038】
上記第1の判定動作または上記第2の判定動作の後、通行履歴更新部109は、IDカード301の前回通行モード情報303および居場所情報304を更新する(ステップS21、S22)。さらに、通行履歴更新部109は、この通行者がこの出入管理装置101を通行した通行履歴を計算機サーバ201の通行履歴情報データベース204へ送る(ステップS23)。通行履歴情報データベース204は、この通行履歴をこの通行者の通行履歴情報として記録する。
【0039】
以上説明した本実施形態によれば、オフライン状態の出入管理装置101とオンライン状態の出入管理装置101とが混在する環境下においても、前回通行モード情報303がオンライン状態を示す場合には、居場所判定部108が、計算機サーバ201の情報を用いて通行判定動作を実行する。そのため、上記環境下においてオンライン状態の出入管理装置101までもが、オフライン状態の出入管理装置101と同様の通行判定動作を実行してしまう場合に比べて、不正な通行に対するセキュリティレベルを向上させることが可能となる。
【0040】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係る出入管理システムについて、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5は、第2の実施形態に係る出入管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図5に示すように、本実施形態に係る出入管理システム12は、出入管理装置121と、計算機サーバ221と、を備える。
【0041】
出入管理装置121は、居場所比較部110を有する点で第1の実施形態に係る出入管理装置101と異なる。居場所比較部110は、通行者の現在の居場所を特定し、特定した居場所と、IDカード301から読み取った居場所情報304とを比較し、比較結果に基づく判定動作を行うように通行判定処理部105へ指示する。
【0042】
計算機サーバ221は、オフライン通行履歴情報記録部205と、オフライン通行履歴情報抽出部206と、を有する点で第1の実施形態に係る計算機サーバ201と異なる。オフライン通行履歴情報記録部205には、出入管理装置121がオフライン状態であった時に通行した通行者全員の通行履歴を示すオフライン通行履歴情報が記録される。オフライン通行履歴情報抽出部206は、通行判定の対象となる通行者のオフライン通行履歴情報を、オフライン通行履歴情報記録部205から抽出する。
【0043】
以下、
図6および
図7を参照しながら本実施形態に係る出入管理システム12の動作の一例について説明する。ここでは、
図6に示すオフライン状態の出入管理装置121が、通行者の通行後にオンライン状態に切り替わった場面を想定する。なお、
図6では、通行履歴情報記録部103を除く出入管理装置121の構成要素は、以下に説明する動作と直接関係ないので記載を省略している。
【0044】
出入管理装置121がオフライン状態からオンライン状態に切り替わると、通行履歴情報記録部103が、オフライン通行履歴情報を計算機サーバ221の通行履歴情報データベース204へ送る(ステップS31)。通行履歴情報データベース204は、このオフライン通行履歴情報をオフライン通行履歴情報記録部205に記録し(ステップS32)、さらに、このオフライン通行履歴情報に基づいて自身の通行履歴情報を更新する。続いて、通行履歴情報データベース204は、更新された通行履歴情報を居場所情報データベース203に送る(ステップS33)。居場所情報データベース203は、この通行履歴情報に基づいて第2の居場所情報を更新する。
【0045】
次に、通行者が
図7に示すオンライン状態の出入管理装置121を通行する際の出入管理システム12の動作を説明する。
【0046】
図7に示すように、本実施形態の動作は、ステップS34〜ステップS38を有する点で
図4に示す第1の実施形態の動作と異なる。そのため、ここではステップS34〜ステップS38を中心に説明し、第1の実施形態と同様のステップは説明を省略する。
【0047】
第1の実施形態で説明したステップS13に続くステップS34において、個人識別情報データベース202は、個人識別情報302をオフライン通行履歴情報記録部205へ通知する。オフライン通行履歴情報記録部205は、この個人識別情報302で識別される通行者のオフライン通行履歴情報を検索する。
【0048】
該当するオフライン通行履歴情報が見つかった場合、そのオフライン通行履歴情報は、オフライン通行履歴情報抽出部206により抽出される(ステップS35)。その後、オフライン通行履歴情報抽出部206は、抽出したオフライン通行履歴情報を出入管理装置121の居場所比較部110へ送る(ステップS36)。
【0049】
居場所比較部110は、このオフライン通行履歴情報に基づいて通行者の現在の居場所を特定する。例えば、このオフライン通行履歴情報が、通行者が場所Bからオフライン状態の出入管理装置121を通行して場所Cへ入ったことを示す場合、居場所比較部110は、通行者の現在の居場所を場所Cと特定する。つまり、居場所比較部110は、オフライン通行履歴情報に示された通行者の行先をこの通行者の現在の居場所と特定する。
【0050】
続いて、居場所比較部110は、IDカード301から居場所情報304を読み取る(ステップS37)。そして、居場所比較部110は、読み取った居場所情報304と、特定した通行者の現在の居場所とを比較し、比較結果に基づく判定動作を行うように通行モード判定部107へ指示する(ステップS38)。以下にステップS38について詳しく説明する。
【0051】
居場所情報304と、特定した通行者の現在の居場所とが一致する場合、居場所比較部110は、計算機サーバ221に記録された第2の居場所情報に基づいて、通行者の通行を許可するか否か判定するように指示する。つまり、居場所比較部110は、第1の実施形態で説明した第1の判定動作を実行するように通行モード判定部107へ指示する。一方、居場所情報304と、特定した通行者の現在の居場所とが一致しない場合、居場所比較部110は、居場所情報304と管理情報とに基づいて通行者の通行を許可するか否か判定するように指示する。つまり、居場所比較部110は、第1の実施形態で説明した第2の判定動作を実行するように通行モード判定部107へ指示する。
【0052】
以上説明したステップS38に続いて、第1の実施形態で説明したステップS15〜S17が実行される。なお、ステップS16において、通行モード判定部107は、IDカード301から読み取った前回通行モード情報303と、居場所比較部110からの指示とを居場所判定部108へ送る。
【0053】
居場所判定部108は、前回通行モード情報303および居場所比較部110の指示に基づく判定動作を実行する。以下にこの判定動作について説明する。
【0054】
前回通行モード情報303がオンライン状態を示す場合、居場所判定部108は、第1の実施形態で説明した第1の判定動作を実行する(ステップS18、S19)。つまり、居場所判定部108は、計算機サーバ221の情報を用いて通行者の通行を許可するか否か判定する。
【0055】
また、前回通行モード情報303がオフライン状態を示し、かつ居場所比較部110の指示が第1の判定動作の実行である場合にも、居場所判定部108は、第1の判定動作を実行する。
【0056】
しかし、前回通行モード情報303がオフライン状態を示し、かつ居場所比較部110の指示が第2の判定動作の実行である場合には、居場所判定部108は、第2の判定動作を実行する(ステップS20)。
【0057】
上記第1の判定動作または上記第2の判定動作の後、通行履歴更新部109が第1の実施形態で説明したステップS21〜S23の動作を実行する。これにより、IDカード301では前回通行モード情報303と居場所情報304とが更新され、計算機サーバ221では通行履歴情報と居場所情報とが更新される。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、オフライン状態の出入管理装置121とオンライン状態の出入管理装置121とが混在する環境下においても、前回通行モード情報303がオンライン状態を示す場合には、居場所判定部108が、計算機サーバ221の情報を用いて通行判定動作を実行する。そのため、上記環境下においてオンライン状態の出入管理装置121までもが、オフライン状態の出入管理装置121と同様の通行判定動作を実行してしまう場合に比べて、不正な通行に対するセキュリティレベルを向上させることが可能となる。
【0059】
特に、本実施形態では、出入管理装置121がオフライン状態からオンライン状態に復帰したときに、オフライン通行履歴情報がこの出入管理装置121から計算機サーバ221へ送られる。これにより、計算機サーバ221の情報が更新されるので、前回通行モード情報303がオフライン状態であっても、居場所判定部108が計算機サーバ221の情報を用いて通行判定できる。そのため、不正な通行に対するセキュリティレベルをさらに向上させることが可能となる。
【0060】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態に係る出入管理システムについて、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図8は、第3の実施形態に係る出入管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図8に示すように、本実施形態に係る出入管理システム13は、出入管理装置131と、計算機サーバ201と、を備える。この計算機サーバ201の構成は、第1の実施形態と同様なので説明を省略し、出入管理装置131の構成のみ説明する。
【0061】
出入管理装置131は、判定結果書込み部111と、判定結果読取り部112と、を有する点で第1の実施形態に係る出入管理装置101と異なる。判定結果書込み部111は、居場所判定部108により通行者の通行が許可されなかった場合に、その旨を示す通行判定情報305をIDカード301に記録する。一方、判定結果読取り部112は、IDカード301から通行判定情報305を読み取り、読み取った通行判定情報305を居場所判定部108へ送る。
【0062】
以下、
図9および
図10を参照しながら本実施形態に係る出入管理システム13の動作の一例について説明する。ここでは、通行者が
図9に示すオフライン状態の出入管理装置131を通行が許可されなかった後、
図10に示すオンライン状態の他の出入管理装置131を通行する場面を想定する。
【0063】
まず、
図9に基づいて、通行者がオフライン状態の出入管理装置131を通行する際の出入管理システム13の動作を説明する。なお、
図9では、判定結果読取り部112は、以下に説明する動作と直接関係ないので記載を省略している。
【0064】
図9に示すように、本実施形態の動作は、ステップS7aおよびステップS7bを有する点で、
図3に示す第1の実施形態の動作と異なる。そのため、ここではステップS7aとステップS7bを中心に説明し、第1の実施形態と同様のステップは説明を省略する。
【0065】
第1の実施形態で説明したステップS6に続くステップS7aにおいて、居場所判定部108は、通行者の通行を許可しなかった旨を判定結果書込み部111へ通知する。このステップS7aに続くステップS7bにおいて、判定結果書込み部111は、当該通行者の通行が不許可であった旨を示す通行判定情報305をIDカード301に書き込む。なお、本実施形態では、通行履歴更新部109によって、IDカード301の居場所情報304が、この通行者が入ろうとした場所に更新されている。例えば、場所Bから場所Cへの通行が許可されなかった場合、居場所情報304は場所Cに更新される。
【0066】
次に、
図10に基づいて、通行者がオンライン状態の他の出入管理装置131を通行する際の出入管理システム13の動作を説明する。なお、
図10では、個人識別情報記録部102と、通行履歴情報記録部103と、判定結果書込み部111とは、以下に説明する動作と直接関係ないので記載を省略している。
【0067】
図10に示すように、本実施形態の動作は、ステップS17の代わりにステップS17a〜ステップS17cを有する点で
図4に示す第1の実施形態の動作と異なる。そのため、ここではステップS17a〜ステップS17cを中心に説明し、第1の実施形態と同様のステップは説明を省略する。
【0068】
第1の実施形態で説明したステップS16に続くステップS17a、17bにおいて、判定結果読込み部112は、IDカード301から居場所情報304と通行判定情報305とを読み取る。このステップS17a、17bに続くステップS17cにおいて、判定結果読込み部112は、居場所情報304と通行判定情報305とを居場所判定部108へ送る。
【0069】
上記ステップS17cの後、居場所判定部108は、前回通行モード情報303と、居場所情報304と、通行判定情報305とに基づいて通行者の通行を許可するか否か判定する。以下に、居場所判定部108の判定動作について詳しく説明する。
【0070】
前回通行モード情報303がオンライン状態を示す場合、居場所判定部108は、第1の実施形態で説明したステップS18とステップS19、つまり第1の判定動作を実行する。
【0071】
前回通行モード情報303がオフライン状態を示し、かつ通行判定情報305が通行者の通行が不許可であったことを示す場合、居場所判定部108は、居場所情報304の1つ前の居場所情報を特定する。例えば、居場所情報304が場所Cである場合、居場所判定部108は、場所Cの1つ前の場所Bを特定する。続いて、居場所判定部108は、管理情報記録部104から管理情報を読み取り(ステップS20)、読み取った管理情報と、特定した居場所情報とに基づいて通行判定を行う。これが、本実施形態における第3の判定動作である。
【0072】
なお、
図10には示されていないが、上記第1の判定動作または上記第3の判定動作の後、通行履歴更新部109が、第1の実施形態と同様に、IDカード301の前回通行モード情報303および居場所情報304を更新する。
【0073】
以上説明した本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、オフライン状態の出入管理装置131とオンライン状態の出入管理装置131とが混在する環境下においても、前回通行モード情報303がオンライン状態を示す場合には、居場所判定部108が、計算機サーバ201の情報を用いて通行判定動作を実行する。そのため、上記環境下においてオンライン状態の出入管理装置131までもが、オフライン状態の出入管理装置131と同様の通行判定動作を実行してしまう場合に比べて、不正な通行に対するセキュリティレベルを向上させることが可能となる。
【0074】
特に、本実施形態では、通行者の通行が不許可にも関わらずIDカード301の居場所情報304が更新されても、居場所判定部108が上記第3の判定動作を行うので、通行者の現在の居場所を正しく把握した上で通行判定することが可能となる。
【0075】
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態に係る出入管理システムについて、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図11は、第4の実施形態に係る出入管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図11に示すように、本実施形態に係る出入管理システム14は、出入管理装置141と、計算機サーバ231と、を備える。
【0076】
出入管理装置141は、通行判定処理部105内に通行履歴収集部113を有する点で第1の実施形態に係る出入管理装置101と異なる。通行履歴収集部113は、IDカード301から通行履歴情報306読み取り、読み取った通行履歴情報306を通行履歴更新部109へ送る。また、通行履歴収集部113は、IDカード301の通行履歴情報306を更新する。この通行履歴情報306には、IDカード301を所持する通行者が通行した出入管理装置の通行履歴が示されている。
【0077】
計算機サーバ231は、通行履歴比較部207と、通行履歴アンマッチ情報記録部208と、を有する点で第1の実施形態に係る計算機サーバ201と異なる。通行履歴比較部207は、オフライン状態からオンライン状態に切り替わった出入管理装置141から送られたオフライン通行履歴情報と、オンライン状態の他の出入管理装置141から送られた通行履歴情報とを比較する。その結果、オフライン通行履歴情報が通行履歴情報に含まれていない通行者が存在した場合、当該通行者を示す情報を通行履歴アンマッチ情報記録部208へ通知する。通行履歴アンマッチ情報記録部208は、通行履歴比較部207から送られた情報を通行履歴アンマッチ情報として記録する。
【0078】
以下、
図12を参照しながら本実施形態に係る出入管理システム14の動作の一例について説明する。ここでは、通行者が、オフライン状態の出入管理装置141を通行した後、オンライン状態の他の出入管理装置141を通行する場面を想定する。
【0079】
なお、通行者がオフライン状態の出入管理装置141を通過する際の出入管理システム14の動作は、第1の実施形態と同様なので説明を省略し、通行者がオンライン状態の出入管理装置141を通過する際の出入管理システム14の動作のみを説明する。
【0080】
図12では、オフライン状態からオンライン状態に切り替わった出入管理装置141において、通行履歴情報記録部103を除く構成要素は、以下に説明する動作と直接関係ないので記載を省略している。また、オンライン状態の出入管理装置141において、個人識別情報記録部102と通行履歴情報記録部103とは、以下に説明する動作と直接関係ないので記載を省略している。
【0081】
図12に示すように、本実施形態の動作は、ステップS21およびステップS22の代わりにステップS21aおよびステップS22aを有し、さらにステップS24と、ステップS32a〜ステップS34aとを有する点で、
図4に示す第1の実施形態の動作と異なる。そのため、ここではこれらのステップを中心に説明し、第1の実施形態と同様のステップは説明を省略する。
【0082】
第1の実施形態で説明したステップS20に続くステップS21aにおいて、通行履歴収集部113は、IDカード305から通行履歴情報306を読み取る。続いて、通行履歴収集部113は、読み取った通行履歴情報306を通行履歴更新部109へ送る(ステップS22a)。
【0083】
通行履歴更新部109は、この通行履歴情報306を計算機サーバ231の通行履歴情報データベース204へ送る(ステップS23)。このステップS23に続くステップS24において、通行履歴収集部113は、通行者がこのオンライン状態の出入管理装置141を通行した通行履歴をIDカード301の通行履歴情報306に加える。
【0084】
上記ステップS23の後に、オフライン状態からオンライン状態に切り替わった出入管理装置141が通行履歴情報記録部103に記録されているオフライン通行履歴情報を通行履歴情報データベース204へ送る(ステップS31)。通行履歴情報データベース204は、このオフライン通行履歴情報や通行履歴更新部109から送られた通行履歴情報306に基づいて通行履歴情報を更新する。このとき、通行履歴比較部207が、このオフライン通行履歴情報とこの通行履歴情報306とを比較する(ステップS32a)。その結果、このオフライン通行履歴情報がこの通行履歴情報306に含まれていない通行者が存在した場合、通行履歴比較部207は、当該通行者を示す情報を抽出し(ステップS33a)、通行履歴アンマッチ情報記録部208へ送る(ステップS34a)。これにより、通行履歴アンマッチ情報記録部208に通行履歴アンマッチ情報が記録される。
【0085】
以上説明した本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、オフライン状態の出入管理装置141とオンライン状態の出入管理装置141とが混在する環境下においても、前回通行モード情報303がオンライン状態を示す場合には、居場所判定部108が、計算機サーバ231の情報を用いて通行判定動作を実行する。そのため、上記環境下においてオンライン状態の出入管理装置141までもが、オフライン状態の出入管理装置141と同様の通行判定動作を実行する場合に比べて、不正な通行に対するセキュリティレベルを向上させることが可能となる。
【0086】
特に、本実施形態では、IDカード306に通行履歴情報306が記録され、この通行履歴情報306が、オンライン状態の出入管理装置141を介して計算機サーバ231へ送られる。そのため、通行者が、オフライン状態の出入管理装置141を通行した後にオンライン状態の他の出入管理装置141を通過する際、オフライン状態の出入管理装置141がオンライン状態に復帰していなくても、計算機サーバ231の情報が更新される。よって、計算機サーバ231の情報を用いて通行判定できるようになるので、不正な通行に対するセキュリティレベルをより向上させることが可能となる。
【0087】
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態に係る出入管理システムについて、第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図13は、第5の実施形態に係る出入管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
【0088】
図13に示すように、本実施形態に係る出入管理システム15は、出入管理装置151と、計算機サーバ231と、を備える。この計算機サーバ231の構成は、第4の実施形態と同様なので説明を省略し、出入管理装置151の構成のみ説明する。
【0089】
収入管理装置151は、通行制限判定部114を有する点で第4の実施形態に係る出入管理装置141と異なる。通行制限判定部114は、計算機サーバ231から通行履歴アンマッチ情報を受け取った場合に、通行者の通行を許可しないように通行判定処理部105に指示する。
【0090】
以下、
図14を参照しながら本実施形態に係る出入管理システム15の動作の一例について説明する。ここでは、通行者が、オフライン状態の出入管理装置151を通行した後、オンライン状態の他の出入管理装置151を通行する場面を想定する。通行者がオフライン状態の出入管理装置151を通過する際の出入管理システム15の動作は、第4の実施形態と同様なので説明を省略し、通行者がオンライン状態の出入管理装置151を通過する際の出入管理システム15の動作のみ説明する。
【0091】
なお、本実施形態では、通行者がオンライン状態の他の出入管理装置151を通行する前に、オフライン状態の出入管理装置151がオンライン状態に切り替わっている設定とする。つまり、通行者がオンライン状態の他の出入管理装置151を通行するときに、既にオフライン通行履歴情報は計算機サーバ231へ送られ、さらに、計算機サーバ231には、このオフライン通行履歴情報に基づく通行履歴アンマッチ情報が記録されている。
【0092】
図14に示すように、本実施形態の動作は、ステップ35a〜ステップS37aを有する点で
図12に示す第4の実施形態の動作と異なる。そのため、ここではステップ35a〜ステップS37aを中心に説明し、第4の実施形態と同様のステップは説明を省略する。
【0093】
第1の個人識別情報データベース202は、個人識別情報302の検索結果を個人認証処理部106へ通知した後(ステップS13)、この個人識別情報302を通行履歴アンマッチ情報記録部208へ送る(ステップS35a)。
【0094】
通行履歴アンマッチ情報記録部208は、この個人識別情報302に対応する通行履歴アンマッチ情報を検索する。その結果、該当する通行履歴アンマッチ情報が見つかった場合、通行履歴アンマッチ情報記録部208は、その通行履歴アンマッチ情報を通行制限判定部114へ送る(ステップS36a)。
【0095】
通行履歴アンマッチ情報は、オフライン通行履歴情報が通行履歴情報306に含まれていない通行者を示す。通行履歴情報306には、通常、オフライン状態の出入管理装置151の通行履歴も含まれているので、通行履歴情報306とオフライン通行履歴情報とは重複する。しかし、例えば、IDカード301が改ざんされている場合、通行履歴情報306には、オフライン通行履歴情報が含まれていない。このようなIDカード301を所持する通行者は、通行を許可されていない者である可能性が高い。
【0096】
そこで、通行制限判定部114は、計算機サーバ231から通行履歴アンマッチ情報を受け取った場合、通行者の通行を許可しないよう個人認証処理部105へ指示する(ステップS37a)。個人認証処理部105は、この指示を受け取ると通行者の通行を許可しない。なお、このとき、個人認証処理部105は、この通行者の退出を促すために退出方向の通行を許可してもよい。
【0097】
以上説明した本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、オフライン状態の出入管理装置151とオンライン状態の出入管理装置151とが混在する環境下においても、前回通行モード情報303がオンライン状態を示す場合には、居場所判定部108が、計算機サーバ231の情報を用いて通行判定動作を実行する。そのため、上記環境下においてオンライン状態の出入管理装置151までもが、オフライン状態の出入管理装置151と同様の通行判定動作を実行してしまう場合に比べて、不正な通行に対するセキュリティレベルを向上させることが可能となる。
【0098】
特に、本実施形態では、IDカード301の通行履歴情報306の正当性を確認した上で通行判定しているので、不正な通行に対するセキュリティレベルをさらに向上させることが可能となる。
【0099】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規なシステムは、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明したシステムの形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。