(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の方向に沿って延在する第1群の電極と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って延在する第2群の電極と、を含むタッチ検出部と、画像を表示する表示部と、を含むタッチ検出機能付き表示装置を制御する方法であって、
単位時間当たりにフレームが表示される回数であるフレーム周波数を測定し、前記フレーム周波数に応じた周波数を有するタッチ駆動信号を前記第1群の電極に順次出力し、前記第2群の電極からそれぞれ出力される複数の信号に基づいて、被検出物の接触又は接近を検出し、
前記タッチ駆動信号の周波数は、前記表示部の画素駆動に起因する高調波成分と前記タッチ駆動信号に起因する高調波成分とが重ならないように、予め設定されており、
前記フレーム周波数が変動したら、前記フレーム周波数の変動比率と同じ比率で、前記タッチ駆動信号の周波数を変更する、
制御方法。
前記フレーム周波数に応じた基準クロック信号に基づいて、前記タッチ駆動信号の周波数を、前記タッチ駆動信号を前記第1群の電極に順次出力するタッチ駆動信号出力部に設定する、請求項6に記載の制御方法。
前記基準クロック信号に基づいて、前記タッチ駆動信号の周波数を含む通過周波数帯域を、前記第2群の電極からそれぞれ出力される前記複数の信号のうち、前記通過周波数帯域の信号をそれぞれ通過させると共にその他の周波数帯域の信号をそれぞれ除去する複数のバンドパスフィルタに設定し、前記タッチ駆動信号の周波数が変動したら、変動後の前記タッチ駆動信号の周波数を含む前記通過周波数帯域を前記複数のバンドパスフィルタに設定する、
請求項7に記載の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出部SEと、表示部DPと、制御部CTRLと、を含む。
【0013】
タッチ検出部SEは、被検出物OBJの、カバー部材CGの入力面ISへの接触又は近接を検出する。具体的には、タッチ検出部SEは、被検出物OBJが入力面ISと垂直な方向で重なる複数の領域の各々の接触又は近接に応じた信号値を、制御部CTRLに出力する。
【0014】
タッチ検出部SEが検出できる被検出物の数は、1個に限定されない。タッチ検出部SEは、2個以上の被検出物を検出できることとしても良い。
【0015】
タッチ検出部SEは、静電容量方式センサが例示される。静電容量方式は、相互静電容量方式が例示される。
【0016】
表示部DPは、入力面IS側に向けて画像を表示する。表示部DPは、液晶表示装置又は有機EL(Electro-Luminescence)表示装置が例示されるが、これらに限定されない。
【0017】
タッチ検出部SE及び表示部DPは、表示部DPの上にタッチ検出部SEが装着された、いわゆるオンセルタイプとするが、これに限定されない。タッチ検出部SE及び表示部DPは、一体化された、いわゆるインセルタイプであっても良い。
【0018】
制御部CTRLは、被検出物OBJと入力面ISとが接触又は近接する領域の接触又は近接に応じた信号値に基づいて、被検出物OBJの座標を検出する。
【0019】
制御部CTRLは、表示制御部11と、タッチ検出制御部40と、ホストHOSTと、を含む。
【0020】
表示制御部11は、表示部DPのガラス基板上に実装されたICチップが例示される。タッチ検出制御部40は、タッチ検出部SEのガラス基板上に実装されたICチップが例示される。ホストHOSTは、CPU(Central Processing Unit)が例示される。表示制御部11、タッチ検出制御部40及びホストHOSTは、協働してタッチ検出部SE及び表示部DPを制御する。
【0021】
以下に、タッチ検出部SE及び表示部DPの具体的な構成例について説明するが、これらの構成例は例示であり、これらの構成例に限定されない。
【0022】
<タッチ検出部及び表示部の構成例>
図2は、タッチ検出機能付き表示装置のタッチ検出部及び表示部の構成例を示すブロック図である。
図2に示すタッチ検出機能付き表示装置1は、いわゆる相互静電容量方式により、被検出物OBJの座標の検出を行う装置である。
【0023】
タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示部10と、表示制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、ソースセレクタ13Sと、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出制御部40と、を含む。
【0024】
タッチ検出機能付き表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いた液晶表示デバイス20の上方に、静電容量型のタッチ検出デバイス30が装着された、いわゆるオンセルタイプの装置である。オンセルタイプの装置の場合、液晶表示デバイス20の直上にタッチ検出デバイス30が設けられていてもよいし、液晶表示デバイス20の直上ではなく他の層を介して上方にタッチ検出デバイス30が設けられていてもよい。
【0025】
液晶表示デバイス20が、
図1の表示部DPに対応する。タッチ検出デバイス30が、
図1のタッチ検出部SEに対応する。
【0026】
なお、タッチ検出機能付き表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いている液晶表示デバイス20に静電容量型のタッチ検出デバイス30を内蔵して一体化した、いわゆるインセルタイプの装置であっても良い。液晶表示デバイス20に静電容量型のタッチ検出デバイス30を内蔵して一体化するとは、例えば、液晶表示デバイス20として使用される基板や電極などの一部の部材と、タッチ検出デバイス30として使用される基板や電極などの一部の部材とを兼用することを含む。
【0027】
また、本構成例では、表示部DPとして液晶表示デバイス20が採用されているが、表示部DPは、有機EL素子を採用した構成であってもよい。この場合、有機EL素子を形成するアノード及びカソードのうち一方を、後述するタッチ検出に係る駆動電極COMLとしても良い。
【0028】
液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。
【0029】
表示制御部11は、ホストHOSTより供給される映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13及び駆動電極ドライバ14に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。また、表示制御部11は、1水平ライン分の映像信号Vdispから、液晶表示デバイス20の複数の副画素SPixの画素信号Vpixを時分割多重化した画像信号Vsigを生成し、ソースドライバ13に供給する。また、表示制御部11は、1つのフレームの表示開始タイミングを表す垂直同期信号Vsyncをタッチ検出制御部40に供給する。
【0030】
本開示における制御部CTRLは、表示制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14を含む。
【0031】
ゲートドライバ12は、表示制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
【0032】
ソースドライバ13は、表示制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の、各画素Pix(副画素SPix)に画素信号Vpixを供給する回路である。ソースドライバ13には、例えば6ビットのR(赤)、G(緑)及びB(青)の画像信号Vsigが与えられる。
【0033】
ソースドライバ13は、表示制御部11から画像信号Vsigを受け取り、ソースセレクタ13Sに供給する。また、ソースドライバ13は、画像信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vselを生成し、画像信号Vsigとともにソースセレクタ13Sに供給する。ソースセレクタ13Sは、ソースドライバ13と表示制御部11との間の配線数を少なくすることができる。ソースセレクタ13Sはなくても良い。また、ソースドライバ13の一部の制御は、表示制御部11が行ってもよく、ソースセレクタ部13Sのみが配置されていてもよい。
【0034】
駆動電極ドライバ14は、表示制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示部10の、後述する駆動電極COMLに表示用の電圧である表示駆動信号Vcomdを供給する回路である。
【0035】
タッチ検出デバイス30は、相互静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力する。
【0036】
図3から
図5までを参照して、本構成例のタッチ検出機能付き表示装置1の相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。
【0037】
図3は、タッチ検出デバイスに生じる容量の例を示す説明図である。
図4は、タッチ検出デバイスの等価回路の例を示す説明図である。
図5は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。なお、
図4は、検出回路を併せて示している。
【0038】
例えば、
図3に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極である、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えている。
図4に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器(タッチ検出部)DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば積分回路であり、タッチ検出制御部40に含まれる。
【0039】
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述するタッチ駆動信号Vcomtに相当するものである。
【0040】
指が接触(又は近接)していない状態(非接触状態)では、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I
0が流れる。
図5に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
0の変動を電圧の変動(実線の波形V
0)に変換する。
【0041】
一方、指が接触(又は近接)した状態(接触状態)では、
図3に示すように、指によって形成される静電容量C2がタッチ検出電極E2と接している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子C1の容量値よりも容量値の小さい容量素子C1’として作用する。そして、
図4に示す等価回路でみると、容量素子C1’に電流I
1が流れる。
図5に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I
1の変動を電圧の変動(点線の波形V
1)に変換する。この場合、波形V
1は、上述した波形V
0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部からの近接する物体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V
0と波形V
1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度良く検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resを設けた動作とすることがより好ましい。
【0042】
図2に示すタッチ検出デバイス30は、タッチ検出制御部40から供給される、後述するタッチ駆動信号Vcomtに従って、1ラインずつ順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0043】
タッチ検出制御部40は、表示制御部11から供給される垂直同期信号Vsyncと、タッチ検出機能付き表示部10のタッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetと、に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチ(上述した接触又は近接状態)の有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標及び接触面積などを求める回路である。
【0044】
図6は、液晶表示デバイスのモジュールの例を示す図である。液晶表示デバイス20は、第1基板(例えば、画素基板2)を備えている。
【0045】
画素基板2は、第1絶縁基板(例えば、TFT基板21)を有する。なお、TFT基板21は、例えば、ガラス基板、または、フィルム基板である。また、TFT基板21には、表示ドライバIC(例えば、COG(Chip On Glass))19が実装されている。また、画素基板2(TFT基板21)には、液晶表示デバイス20の表示領域Adと、額縁Gdとが形成されている。額縁Gdは、表示領域Adの周囲の領域であり、非表示領域あるいは周辺領域とも称される。
【0046】
表示ドライバIC19は、TFT基板21に実装されたドライバであるICチップであり、
図2に示した表示制御部11等、表示動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。
【0047】
本構成例では、ソースドライバ13及びソースセレクタ13Sは、TFT基板21上に形成されている。ソースドライバ13及びソースセレクタ13Sは、表示ドライバIC19に内蔵されていてもよい。
【0048】
駆動電極ドライバ14の一部である、駆動電極走査部14A及び14Bは、TFT基板21上に形成されている。
【0049】
ゲートドライバ12は、ゲートドライバ12A及び12Bとして、TFT基板21上に形成されている。
【0050】
表示ドライバIC19は、駆動電極走査部14A及び14B、ゲートドライバ12等の回路を内蔵してもよい。なお、表示ドライバIC19はあくまで実装の一形態であってこれに限られるものでない。例えば、表示ドライバIC19と同様の機能を有する構成をCOF(Chip On Film又はChip On Flexible)として、画素基板2に接続されたフレキシブルプリント基板上に実装しても良い。この場合、表示ドライバIC19は、モジュールの外部に備えられる。
【0051】
図6に示すように、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの駆動電極ブロックBと、画素信号線SGLとは、立体交差するように形成されている。
【0052】
また、駆動電極COMLは、一方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。
【0053】
駆動電極ブロックB(駆動電極COML)は、液晶表示デバイス20の短辺と平行な方向に延在するように形成されている。画素信号線SGLは、駆動電極ブロックBの延在方向と交差する方向に延在するように形成されており、例えば、液晶表示デバイス20の長辺と平行な方向に延在するように形成されている。
【0054】
ソースセレクタ13Sは、TFT基板21上の表示領域Adの近傍に、TFT素子を用いて形成されている。表示領域Adには、後述する画素Pixがマトリックス状(行列状)に多数配置されている。本実施形態では、画素Pixは、1920×1080のマトリックス状に配置されているものとするが、これに限定されない。
【0055】
額縁Gdは、TFT基板21の表面を垂直な方向からみて画素Pixが配置されていない領域である。ゲートドライバ12と、駆動電極ドライバ14のうち駆動電極走査部14A及び14Bとは、額縁Gdに配置されている。
【0056】
ゲートドライバ12は、例えば、ゲートドライバ12A及び12Bを備え、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。ゲートドライバ12A及び12Bは、後述する副画素SPix(画素)がマトリックス状に配置された表示領域Adを挟んで両側から駆動することができるようになっている。また、走査線は、ゲートドライバ12Aとゲートドライバ12Bとの間に配列する。このため、走査線は、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの延在方向と平行な方向に延在するように設けられている。
【0057】
本構成例では、ゲートドライバ12として、ゲートドライバ12A及び12Bの2つの回路が設けられているが、これはゲートドライバ12の具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。例えば、ゲートドライバ12は、走査線の一方端のみに設けられた1つの回路であってもよい。
【0058】
駆動電極ドライバ14は、例えば、駆動電極走査部14A及び14Bを備え、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。駆動電極走査部14A及び14Bは、表示ドライバIC19から、表示用配線LDCを介して表示用駆動信号Vcomdの供給を受ける。
【0059】
駆動電極走査部14A及び14Bは、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれを、両側から駆動することができるようになっている。表示用駆動信号Vcomdを供給する表示用配線LDCは、並列に額縁Gd,Gdに配置されている。
【0060】
本構成例では、駆動電極ドライバ14として、駆動電極走査部14A及び14Bの2つの回路が設けられているが、これは駆動電極ドライバ14の具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。例えば、駆動電極ドライバ14は、駆動電極ブロックBの一方端のみに設けられた1つの回路であっても良い。
【0061】
図7は、タッチ検出デバイスのモジュールの例を示す図である。タッチ検出デバイス30は、第3基板51を備えている。
【0062】
第3基板51は、絶縁性を有する、例えばガラス基板又はフィルム基板である。また、第3基板51には、タッチIC(例えば、COG)54が実装されている。また、第3基板51には、タッチ検出領域Atと、額縁Gtとが形成されている。タッチ検出領域Atは、第3基板51の表面に対する垂直方向において、液晶表示デバイス20の表示領域Adと重なるように形成されている。額縁Gtは、第3基板51の表面に対する垂直方向において、液晶表示デバイス20の額縁Gdと重なるように形成されている。
【0063】
タッチIC54は、第3基板51に実装されたドライバであるICチップであり、
図2に示したタッチ検出制御部40等、タッチ検出動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。なお、タッチIC54は、第3基板51上に配置される場合に限らず、第4基板52上に配置されていてもよい。
【0064】
なお、タッチIC54はあくまで実装の一形態であってこれに限定されない。例えば、タッチIC54と同様の機能を有する構成をCOFとして、第3基板51に接続されたフレキシブルプリント基板上に実装しても良い。この場合、タッチIC54は、モジュールの外部に備えられる。
【0065】
図7に示すように、第3基板51の表面に対する垂直方向において、タッチ駆動電極TLと、タッチ検出電極TDLとは、立体交差するように形成されている。
【0066】
タッチ駆動電極TLは、タッチ検出デバイス30の短辺と平行な方向に延在するように形成されている。タッチ検出電極TDLは、タッチ駆動電極TLの延在方向と交差する方向に延在するように形成されており、例えば、タッチ検出デバイス30の長辺と平行な方向に延在するように形成されている。
【0067】
並設された複数のタッチ駆動電極TLは、タッチ検出デバイス30の短辺側に実装されたタッチIC54に、接続されている。このように、タッチIC54は、第3基板51上に実装され、並設された複数のタッチ駆動電極TLのそれぞれと接続されている。
【0068】
タッチ検出電極TDLは、タッチ検出デバイス30の短辺側に実装されたタッチIC54に、接続されている。このように、タッチIC54は、第3基板51上に実装され、並設された複数のタッチ検出電極TDLのそれぞれと接続されている。
【0069】
タッチIC54は、並設された複数のタッチ駆動電極TLのそれぞれを両側から駆動することができるようになっている。
【0070】
本構成例では、タッチIC54は、並設された複数のタッチ駆動電極TLのそれぞれを両側から駆動するが、これに限定されない。例えば、タッチIC54は、複数のタッチ駆動電極TLの一端側のみから駆動しても良い。
【0071】
本構成例では、タッチIC54は、タッチ検出制御部40として機能する制御装置であるが、タッチ検出制御部40の一部の機能は、他のMPUの機能として設けられてもよい。
【0072】
具体的には、タッチドライバであるICチップの機能として設けられ得るA/D変換、ノイズ除去等の各種機能のうち一部の機能(例えば、ノイズ除去等)は、タッチドライバであるICチップと別個に設けられたMPU等の回路で実施されてもよい。また、ドライバであるICチップを1つ(1チップ構成)にする場合等、例えば、フレキシブルプリント基板等の配線を介して検出信号を第1絶縁基板上のドライバであるICチップに伝送するようにしてもよい。
【0073】
タッチ検出デバイス30は、上述したタッチ検出信号Vdetを、タッチ検出デバイス30の短辺側から出力する。これにより、タッチ検出デバイス30は、タッチIC54に接続する際の配線の引き回しが容易になる。
【0074】
図8は、タッチ検出機能付き表示部の概略断面構造を表す断面図である。
図9は、タッチ検出機能付き表示部の画素配置を表す回路図である。タッチ検出機能付き表示部10は、画素基板2と、この画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された第2基板(例えば、対向基板3)と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された表示機能層(例えば、液晶層6)と、を含む。
【0075】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上に行列状に配設された複数の画素電極22と、TFT基板21及び画素電極22の間に形成された複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。
【0076】
TFT基板21には、
図9に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)素子Tr、
図8に示す各画素電極22に画素信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する走査信号線GCL等の配線が形成されている。画素信号線SGLは、TFT基板21の表面と平行な平面に延在し、画像を表示するための画素信号Vpixを副画素SPixに供給する。なお、副画素SPixとは、画素信号Vpixで制御される構成単位を示す。また、副画素SPixは、画素信号線SGLと走査信号線GCLで囲われた領域であって、TFT素子Trによって制御される構成単位を示す。
【0077】
図9に示すように、液晶表示デバイス20は、行列状に配置した複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、TFT素子Tr及び液晶素子LCを含む。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。
【0078】
TFT素子Trのソース又はドレインの一方は画素信号線SGLに結合され、ゲートは走査信号線GCLに結合され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に結合されている。液晶素子LCは、例えば、一端がTFT素子Trのドレインに結合され、他端が駆動電極COMLに結合されている。なお、
図8において、TFT基板21に対して、画素電極22、絶縁層24、駆動電極COMLの順で積層されているが、これに限られない。TFT基板21に対して、駆動電極COML、絶縁層24、画素電極22の順で積層してもよいし、駆動電極COMLと画素電極22を、絶縁層24を介して同一層に形成してもよい。
【0079】
副画素SPixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と結合され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。
【0080】
また、副画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と結合され、ソースドライバ13(ソースセレクタ13S)より画素信号Vpixが供給される。
【0081】
さらに、副画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに結合されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と結合され、駆動電極ドライバ14より表示駆動信号Vcomdが供給される。つまり、この例では、同じ一行に属する複数の副画素SPixが一本の駆動電極COMLを共有するようになっている。
【0082】
本構成例の駆動電極COMLが延在する方向は、走査信号線GCLが延在する方向と平行である。駆動電極COMLが延在する方向は、これに限定されない。例えば、駆動電極COMLが延在する方向は、画素信号線SGLが延在する方向と平行な方向であってもよい。また、タッチ検出電極TDLが延在する方向は、画素信号線SGLが延在する方向に限らない。タッチ検出電極TDLが延在する方向は、走査信号線GCLが延在する方向と平行な方向であってもよい。
【0083】
図2に示すゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、
図9に示す走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、液晶表示デバイス20に行列状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。
【0084】
図2に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、
図9に示す画素信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する各副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。
【0085】
図2に示す駆動電極ドライバ14は、表示駆動信号Vcomdを印加し、所定の本数の駆動電極COMLからなるブロックごとに駆動電極COMLを駆動する。
【0086】
上述したように、液晶表示デバイス20は、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択される。また、液晶表示デバイス20は、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、その1水平ラインに対応する駆動電極COMLを含むブロックに対して表示駆動信号Vcomdを印加するようになっている。
【0087】
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。駆動電極COMLの駆動時、画素電極22に供給された画素信号Vpixに応じた電圧が液晶層6に印加され、電界が生じることで、液晶層6を構成する液晶が電界に応じた配向を示して液晶層6を通過する光を変調する。
【0088】
このように、画素電極22及び駆動電極COMLは、液晶層6に電界を生じさせる第1電極及び第2電極として機能する。すなわち、液晶表示デバイス20は、第1電極及び第2電極に与えられる電荷に応じて表示出力内容が変化する表示部DPとして機能する。なお、以下の説明では、画素電極22を第1電極とし、駆動電極COMLを第2電極としているが、逆でもよい。ここで、画素電極22は、少なくとも画素Pix若しくは副画素SPix毎に配置され、駆動電極COMLは、少なくとも複数の画素Pix若しくは副画素SPix毎に配置される。
【0089】
本構成例では、液晶表示デバイス20として、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスが用いられる。なお、
図8に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
【0090】
液晶表示デバイス20は、横電界モードに対応した構成を有しているが、他の表示モードに対応した構成を有していても良い。例えば、液晶表示デバイス20は、TN(Twisted Nematic)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、VA(Vertical Aligned)モード等の主として基板主面間に生じる縦電界を利用するモードに対応した構成を有していてもよい。縦電界を利用する表示モードでは、例えば画素基板2に画素電極22が備えられ、対向基板3に駆動電極COMLが備えられた構成が適用可能である。
【0091】
対向基板3は、第2絶縁基板31と、この第2絶縁基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。第2絶縁基板31の他方の面には、偏光板35が配設されている。
【0092】
なお、カラーフィルタ32の実装方式は、アレイ基板である画素基板2にカラーフィルタ32が形成された所謂カラーフィルタ・オン・アレイ(COA:Color-filter On Array)方式であってもよい。
【0093】
図8に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)及び青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域を周期的に配置して、各副画素SPixにR、G及びBの3色の色領域32R,32G及び32Bが対応付けられ、色領域32R,32G及び32Bを1組として画素Pixを構成している。
【0094】
画素Pixは、走査信号線GCLに平行な方向及び画素信号線SGLに平行な方向に沿って行列状に配置され、後述する表示領域Adを形成する。カラーフィルタ32は、TFT基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。このように、副画素SPixは、単色の色表示を行うことができる。
【0095】
なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、なくてもよい。このように、カラーフィルタ32が存在しない領域、すなわち着色しない副画素SPixがあってもよい。また、画素Pixが有する副画素SPixは4以上であってもよい。
【0096】
タッチ検出デバイス30は、第3基板51と、第4基板52と、を含む。第3基板51と第4基板52との間には、絶縁層53が設けられている。第3基板51の第4基板52側の面上には、タッチ駆動電極TLが形成され、第4基板52の第3基板51側の面上には、タッチ検出電極TDLが形成されている。本構成例では、タッチ駆動電極TLは、駆動電極COMLの延在方向と平行な方向に沿って延在するように形成されている。タッチ検出電極TDLは、タッチ駆動電極TLの延在方向と交差する方向に沿って延在するように形成されている。
【0097】
図10は、タッチ検出機能付き表示部のタッチ駆動電極及びタッチ検出電極の構成例を表す斜視図である。
【0098】
タッチ検出デバイス30は、第3基板51に設けられたタッチ駆動電極TLと、第4基板52に設けられたタッチ検出電極TDLと、により構成されている。
【0099】
タッチ検出電極TDLは、タッチ駆動電極TLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延在するストライプ状の電極パターンから構成されている。そして、タッチ検出電極TDLは、第3基板41の表面に対する垂直な方向において、タッチ駆動電極TLと対向している。タッチ駆動電極TL及びタッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出制御部40にそれぞれ接続されている。
【0100】
タッチ駆動電極TLとタッチ検出電極TDLとが互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせる。タッチ検出デバイス30では、タッチ検出制御部40がタッチ駆動電極TLに対して駆動信号VcomACを印加することにより、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出が行われるようになっている。
【0101】
つまり、タッチ駆動電極TLは、
図3から
図5までに示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応する。そして、タッチ検出デバイス30は、この基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。
【0102】
このように、タッチ検出デバイス30は、タッチ駆動電極TLと静電容量を形成するタッチ検出電極TDLとを有し、静電容量の変化に基づいてタッチ検出を行う。
【0103】
タッチ駆動電極TLとタッチ検出電極TDLとが互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出制御部40は、タッチ検出デバイス30の入力面IS全体にわたって走査することにより、被検出物OBJの接触又は近接が生じた位置及び接触面積の検出も可能となっている。
【0104】
つまり、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出動作を行う際、タッチ検出制御部40が、
図10に示すタッチ駆動電極TLを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanにタッチ駆動電極TLは、順次選択される。そして、タッチ検出デバイス30は、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。このように、タッチ検出デバイス30は、1ラインのタッチ検出が行われるようになっている。
【0105】
複数のタッチ駆動電極TLが本発明の第1群の電極に対応し、複数のタッチ検出電極が本発明の第2群の電極に対応する。
【0106】
タッチ検出電極TDL又はタッチ駆動電極TLは、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDL又はタッチ駆動電極TLは、櫛歯形状であってもよい。或いは、タッチ検出電極TDL又はタッチ駆動電極TLは、複数に分割されていればよく、タッチ検出電極TDL又はタッチ駆動電極TLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
【0107】
オンセルタイプのタッチ検出機能付き表示装置1の動作方法の一例として、タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出期間)と表示動作(表示動作期間)とを同じタイミングで行うことができる。
【0108】
図11は、タッチ検出制御部の構成を示す図である。タッチ検出制御部40は、CPU(Central Processing Unit)41と、出力増幅部42と、入力増幅部43と、ノイズ除去部44と、AD(Analog Digital)変換部45と、DSP(Digital Signal Processor)46と、発振回路47と、周波数サンプリング回路48と、PLL(Phase Locked Loop:位相同期回路)回路49と、を含む。
【0109】
CPU41は、基準クロック信号出力部41Aと、フレーム周波数記憶部41Bと、周波数初期値記憶部41Cと、周波数調整係数算出部41Dと、乗算部41Eと、設定部41Fと、タッチ駆動信号出力部41Gと、フィルタ制御部41Hと、座標抽出部41Iと、を含む。基準クロック信号出力部41A、フレーム周波数記憶部41B、周波数初期値記憶部41C、周波数調整係数算出部41D、乗算部41E、設定部41F、タッチ駆動信号出力部41G、フィルタ制御部41H及び座標抽出部41Iは、CPU41がプログラムを実行することで実現される。
【0110】
DSP46は、信号処理部46Aを含む。信号処理部46Aは、DSP46がプログラムを実行することで実現される。
【0111】
タッチ駆動信号出力部41Gは、タッチ駆動電極TLの本数m(mは、1以上の整数)に対応して、m個の駆動信号出力部41G−1から41G−mまでを含む。駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、設定部41Fによって設定される同じ周波数を有するタッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mまでを、スキャン方向Scan(
図10参照)に沿って、出力増幅部42に順次出力する。
【0112】
出力増幅部42は、タッチ駆動電極TLの本数mに対応して、m個のアンプAMP1−1からAMP1−mまでを含む。アンプAMP1−1からAMP1−mまでは、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでからスキャン方向Scan(
図10参照)に沿って順次供給されるタッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mまでを増幅して、m本のタッチ駆動電極TLに順次出力する。
【0113】
入力増幅部43は、タッチ検出電極TDLの本数n(nは、1以上の整数)に対応して、n個のアンプAMP2−1からAMP2−nまでを含む。アンプAMP2−1からAMP2−nまでは、n本のタッチ検出電極TDLから一斉に供給されるタッチ検出信号Vdet−1からVdet−nまでを増幅して、ノイズ除去部44に出力する。
【0114】
ノイズ除去部44は、タッチ検出電極TDLの本数nに対応して、n個のバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでを含む。バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、アンプAMP2−1からAMP2−nまでから供給される信号のうち、フィルタ制御部41Hによって設定される通過周波数帯域の信号を通過させると共にその他の周波数帯域の信号を除去して、AD変換部45に出力する。バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、スイッチトキャパシタが例示される。
【0115】
AD変換部45は、タッチ検出電極TDLの本数nに対応して、n個のADコンバータADC−1からADC−nまでを含む。ADコンバータADC−1からADC−nまでは、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでから供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換して、信号処理部46Aに出力する。
【0116】
信号処理部46Aは、ADコンバータADC−1からADC−nまでから供給されるディジタル信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、座標抽出部41Iに出力する。
【0117】
座標抽出部41Iは、信号処理部46Aにおいてタッチ検出がなされたときに、その座標を求め、座標を含む信号VoutをホストHOSTに出力する。
【0118】
発振回路47は、交流信号を出力する。交流信号は、タッチ検出制御部40の各部の動作の基準となる基準クロック信号の元となる。交流信号は、方形波であっても良いし、正弦波であっても良い。交流信号の周波数は、メガヘルツのオーダが例示される。
【0119】
周波数サンプリング回路48は、表示制御部11から供給される垂直同期信号Vsyncをサンプリングすることで、表示制御部11のフレーム周波数を測定する。
【0120】
基準クロック信号出力部41Aは、発振回路47から供給される交流信号に基づいて、調整前基準クロック信号CLK1を出力する。調整前基準クロック信号CLK1の周波数は、メガヘルツのオーダが例示される。
【0121】
フレーム周波数記憶部41Bは、周波数サンプリング回路48から供給されるフレーム周波数を記憶する。フレーム周波数は、単位時間(例えば、1秒間)当たりにフレームが表示される回数である。
【0122】
周波数初期値記憶部41Cは、調整前基準クロック信号CLK1の周波数の初期値(設計値)を記憶する。調整前基準クロック信号CLK1の周波数の初期値(設計値)は、200kHzが例示される。
【0123】
周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数記憶部41Bに記憶されているフレーム周波数に基づいて、調整前基準クロック信号CLK1を調整するための調整係数を算出する。周波数調整係数算出部41Dは、例えば、フレーム周波数が高くなったら、1より大きい調整係数を算出し、フレーム周波数が低くなったら、1より小さい調整係数を算出する。
【0124】
乗算部41Eは、周波数初期値記憶部41Cに記憶されている、調整前基準クロック信号CLK1の周波数の初期値(設計値)と、周波数調整係数算出部41Dで算出された調整係数と、を乗算する。
【0125】
PLL回路49は、乗算部41Eから供給される乗算値に基づいて、基準クロック信号出力部41Aから供給される調整前基準クロック信号CLK1を調整し、調整後基準クロック信号CLK2を出力する。調整後基準クロック信号CLK2の周波数は、メガヘルツのオーダが例示される。タッチ検出制御部40の各部は、調整後基準クロック信号CLK2に基づく動作周波数で、動作する。
【0126】
設定部41Fは、調整後基準クロック信号CLK2に基づいて、タッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mまでの周波数を、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでに設定する。駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、設定部41Fによって設定される同じ周波数を有するタッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mまでを、スキャン方向Scan(
図10参照)に沿って、出力増幅部42に順次出力する。
【0127】
設定部41Fは、調整後基準クロック信号CLK2に基づいて、信号を通過させる周波数帯域を、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでに設定する。信号を通過させる周波数帯域は、タッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mまでの周波数を含む。
【0128】
バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、アンプAMP2−1からAMP2−nまでから供給される信号のうち、フィルタ制御部41Hによって設定される通過周波数帯域の信号を通過させると共にその他の周波数帯域の信号を除去して、AD変換部45に出力する。バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでがスイッチトキャパシタである場合には、設定部41Fは、スイッチトキャパシタ内のスイッチを制御するスイッチング信号を制御することで、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を制御することができる。
【0129】
<タッチ検出機能付き表示装置の動作の概要>
表示制御部11は、表示用クロック信号を生成する表示用クロック信号生成部を含み、表示用クロック信号に基づく動作周波数で動作し、液晶表示デバイス20に画像を表示させる。本実施形態では、設計時には、表示制御部11のフレーム周波数は、60Hzに設定されているものとする。
【0130】
表示制御部11は、走査信号線GCLに走査信号Vscanを出力し、画素信号線SGLに画素信号Vpixを出力する。走査信号Vscan及び画素信号Vpixに起因するノイズが、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播する。
【0131】
図12は、液晶表示デバイスからタッチ検出デバイスに伝播するノイズを示す図である。
図12において、横軸は、ノイズの周波数を表し、縦軸は、ノイズの大きさ(絶対値)を表す。
【0132】
図12のグラフにおいて、線60は、表示制御部11のフレーム周波数が60Hzである場合の、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播するノイズを示す。線60は、極大値A1からA5まで及びB1からB5までを有する。極大値A1からA5までは、主に走査信号Vscanに起因する。極大値A1は、基本波であり、極大値A2からA5までは、高調波である。極大値B1からB5までは、主に画素信号Vpixに起因する。極大値B1は、基本波であり、極大値B2からB5までは、高調波である。
【0133】
なお、極大値B1からB5までの大きさ(振幅)が、極大値A1からA5までと比較して、相対的に大きいのは、極大値A1からA5までの主な起因である走査信号Vscanが0Vから+6Vまでの6V程度の電圧範囲で変化するのに対して、極大値B1からB5までの主な起因である画素信号Vpixが−5Vから+5Vまでの10V程度の電圧範囲で変化するからである。
【0134】
本実施形態では、画素Pixは、1920×1080のマトリックス状に配置されている。主に画素信号Vpixに起因する極大値B1からB5までの周波数は、フレーム周波数60Hzと、一方向の画素数1920と、の積に応じて定まる。主に走査信号Vscanに起因する極大値A1からA5までの周波数は、フレーム周波数60Hzと、一方向の画素数1920と、他の方向の画素数1080と、1画素Pix内の副画素SPixの数(例えば、3又は4)と、の積に応じて定まる。
【0135】
タッチ駆動信号Vcomtの周波数が極大値A1からA5まで及びB1からB5までの周波数と重なる又は近いと、タッチ検出信号Vdetに大きなノイズが重畳されることになる。タッチ検出制御部40は、タッチ検出信号Vdetに大きなノイズが重畳すると、好適にタッチ検出を行うことができない。
【0136】
タッチ検出制御部40は、タッチ検出信号Vdetがノイズの影響により小さくなる(負のノイズが重畳される)と、被検出物OBJが検出面ISに近接又は接触していなくても、被検出物OBJが検出面ISに近接又は接触したと誤検出する、いわゆるゴーストタッチを生ずる可能性がある。
【0137】
タッチ検出制御部40は、タッチ検出信号Vdetがノイズの影響により大きくなる(正のノイズが重畳される)と、被検出物OBJが検出面ISに近接又は接触していても、タッチを検出できない、いわゆる不感を生ずる可能性がある。
【0138】
そこで、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vcomtの周波数及びノイズ除去部44の通過周波数帯域を、極大値A1からA5まで及びB1からB5までの周波数から離して設定することで、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0139】
例えば、極大値B2の周波数は、およそ180kHzである。従って、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vcomtの周波数f
1を、例えば200kHzに設定し、ノイズ除去部44の通過周波数帯域を、周波数f
1を含む範囲(例えば、200kHz±5kHz)に設定することで、極大値B2のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0140】
従って、設計時には、発振回路47及び基準クロック信号出力部41Aは、タッチ駆動信号出力部41Gが200kHzのタッチ駆動信号Vcomtを出力でき且つノイズ除去部44が200kHz±5kHzの周波数帯域の信号を通過させるための調整前基準クロック信号CLK1を出力するように、初期設定される。また、周波数初期値記憶部41Cは、「200kHz」を記憶するように初期設定される。また、周波数調整係数算出部41Dは、周波数調整係数「1」を算出するように初期設定される。
【0141】
乗算部41Eは、周波数初期値「200kHz」と周波数調整係数「1」とを乗算し、「200kHz」を算出する。従って、PLL回路49は、タッチ駆動信号出力部41Gが200kHzのタッチ駆動信号Vcomtを出力でき且つノイズ除去部44が200kHz±5kHzの周波数帯域の信号を通過させるための調整後基準クロック信号CLK2を出力する。
【0142】
設定部41Fは、調整後基準クロック信号CLK2に基づいて、タッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mまでの周波数「200kHz」を、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでに設定する。駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、設定部41Fによって設定される「200kHz」の周波数を有するタッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mまでを、スキャン方向Scan(
図10参照)に沿って、出力増幅部42に順次出力する。
【0143】
設定部41Fは、調整後基準クロック信号CLK2に基づいて、周波数帯域「200kHz±5kHz」を、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでに設定する。周波数帯域「200kHz±5kHz」は、タッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mまでの周波数「200kHz」を含む。バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、アンプAMP2−1からAMP2−nまでから供給される信号のうち、周波数帯域「200kHz±5kHz」の信号を通過させ、その他の周波数帯域の信号を除去して、AD変換部45に出力する。
【0144】
設計時には、タッチ検出制御部40は、上記のように初期設定され、タッチ検出を好適に行うことができる。
【0145】
ところで、表示制御部11の個体差又は温度ドリフトにより、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が、設計値の60Hzからずれてしまう可能性がある。
【0146】
図12のグラフにおいて、線61は、表示制御部11のフレーム周波数が63Hzである場合の、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播するノイズを示す。また、線62は、表示制御部11のフレーム周波数が57Hzである場合の、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播するノイズを示す。
【0147】
本発明者は、フレーム周波数と、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播するノイズの周波数と、の間に相関関係があることを見いだした。つまり、本発明者は、フレーム周波数が高くなると、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播するノイズの周波数も高くなり、フレーム周波数が低くなると、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播するノイズの周波数も低くなることを見いだした。
【0148】
表示制御部11のフレーム周波数の実際値が63Hzである場合には、極大値B2の周波数は、およそ205kHzに移動する。表示制御部11のフレーム周波数の実際値63Hzは、設計値60Hzの1.05倍である。従って、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vcomtの周波数f
2を、周波数f
1(例えば、200kHz)の1.05倍(例えば、210kHz)に設定し、ノイズ除去部44の通過周波数帯域を、周波数f
2を含む範囲(例えば、210kHz±5kHz)に設定する。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0149】
表示制御部11のフレーム周波数の実際値が57Hzである場合には、極大値B2の周波数は、およそ165kHzに移動する。表示制御部11のフレーム周波数の実際値57Hzは、設計値60Hzの0.95倍である。従って、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vcomtの周波数f
3を、周波数f
1(例えば、200kHz)の0.95倍(例えば、190kHz)に設定し、ノイズ除去部44の通過周波数帯域を、周波数f
3を含む範囲(例えば、190kHz±5kHz)に設定する。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0150】
上記では、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が設計値60Hzからずれてしまい且つタッチ検出制御部40が設計値通りの動作周波数で動作する場合について説明した。しかし、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が設計値通りの60Hzであって、タッチ検出制御部40の動作周波数が、個体差又は温度ドリフトにより、設計値からずれてしまう場合も考えられる。この場合も、上記と同様に考えることができる。
【0151】
タッチ検出制御部40の各部は、タッチ検出制御部40自身の調整後基準クロック信号CLK2に基づく動作周波数で動作する。従って、タッチ検出制御部40の調整後基準クロック信号CLK2の周波数が設計値よりも5%低い場合には、タッチ検出制御部40の各部は、設計値よりも5%低い動作周波数で動作する。そのため、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数が実際値の60Hzよりも5%速くなったものと測定することになる。つまり、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が60Hzであっても、63Hzと測定する。
【0152】
そこで、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vcomtの周波数を、設計値(例えば、200kHz)の1.05倍(例えば、210kHz)に設定し、ノイズ除去部44の通過周波数帯域を、タッチ駆動信号Vcomtの周波数を含む範囲(例えば、210kHz±5kHz)に設定する。但し、タッチ検出制御部40の各部は設計値よりも5%低い動作周波数で動作するので、タッチ駆動信号Vcomtの実際値は、設定値210kHzよりも5%低い200kHzになり、ノイズ除去部44の通過周波数帯域の実際値は、設定値210kHz±5kHzよりも5%低い200kHz±5kHzになる。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0153】
また、タッチ検出制御部40の調整後基準クロック信号CLK2の周波数が設計値よりも5%高い場合には、タッチ検出制御部40の各部は、設計値よりも5%高い動作周波数で動作する。そのため、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数が実際値の60Hzよりも5%低くなったものと測定することになる。つまり、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が60Hzであっても、57Hzと測定する。
【0154】
そこで、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vcomtの周波数を、設計値(例えば、200kHz)の0.95倍(例えば、190kHz)に設定し、ノイズ除去部44の通過周波数帯域を、タッチ駆動信号Vcomtの周波数を含む範囲(例えば、190kHz±5kHz)に設定する。但し、タッチ検出制御部40の各部は設計値よりも5%程度高い動作周波数で動作するので、タッチ駆動信号Vcomtの実際値は、設定値190kHzよりも5%高い200kHzになり、ノイズ除去部44の通過周波数帯域の実際値は、設定値190kHz±5kHzよりも5%高い200kHz±5kHzになる。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0155】
表示制御部11のフレーム周波数が設計値の60Hzからずれており且つタッチ検出制御部40の動作周波数が設計値からずれている場合も、上記と同様に考えることができる。
【0156】
つまり、タッチ検出制御部40は、タッチ検出制御部40自身の調整後基準クロック信号CLK2に基づく動作周波数で動作し、表示制御部11のフレーム周波数を、タッチ検出制御部40自身の動作周波数を基準に相対的に測定する。そして、タッチ検出制御部40は、タッチ検出制御部40自身の動作周波数を基準にした相対的な、表示制御部11のフレーム周波数の測定値に基づいて、タッチ駆動信号Vcomtの周波数及びノイズ除去部44の通過周波数帯域を設定する。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0157】
<タッチ検出制御部の動作>
図13は、タッチ検出制御部の動作を示すフローチャートである。タッチ検出制御部40は、タッチ検出機能付き表示装置1を搭載した装置のパワーオン時又はスリープ解除時に、
図13に示す処理を実行しても良い。また、タッチ検出制御部40は、タッチ検出機能付き表示装置1を搭載した装置の温度ドリフトを考慮して、定期的に
図13に示す処理を実行しても良い。
【0158】
周波数サンプリング回路48は、ステップS100において、表示制御部11から供給される垂直同期信号Vsyncをサンプリングすることにより、表示制御部11のフレーム周波数を測定し、フレーム周波数記憶部41Bに出力する。フレーム周波数記憶部41Bは、フレーム周波数を記憶する。
【0159】
周波数調整係数算出部41Dは、ステップS102において、フレーム周波数記憶部41Bに記憶されているフレーム周波数に基づいて、フレーム周波数の設計値に対するフレーム周波数の測定値の比である周波数調整係数を算出する。例えば、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が63Hzである場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値63Hzの比である周波数調整係数を「1.05」と算出する。
【0160】
乗算部41Eは、ステップS104において、周波数初期値記憶部41Cに記憶されている周波数初期値と、周波数調整係数算出部41Dによって算出された周波数調整係数と、を乗算する。そして、乗算部41Eは、乗算結果に基づいて、調整前基準クロック信号CLK1を調整するように、PLL回路49を制御する。PLL回路49は、調整前基準クロック信号CLK1を調整した調整後基準クロック信号CLK2を、タッチ検出制御部40の各部に出力する。
【0161】
例えば、乗算部41Eは、周波数初期値記憶部41Cに記憶されている周波数初期値「200kHz」と、周波数調整係数算出部41Dによって算出された周波数調整係数「1.05」と、を乗算し、乗算結果「210kHz」を算出する。そして、乗算部41Eは、タッチ駆動信号出力部41Gが210kHzのタッチ駆動信号Vcomtを出力でき且つノイズ除去部44が210kHz±5kHzの周波数帯域の信号を通過させることができるようにするために、調整前基準クロック信号CLK1を調整後基準クロック信号CLK2に調整するようにPLL回路49を制御する。例えば、PLL回路49は、210kHzのタッチ駆動信号Vcomtを出力でき且つノイズ除去部44が210kHz±5kHzの周波数帯域の信号を通過させることができる調整後基準クロック信号CLK2を、タッチ検出制御部40の各部に出力する。
【0162】
設定部41Fは、ステップS106において、調整後基準クロック信号CLK2に基づいて、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域(例えば、210kHz±5kHz)を算出する。
【0163】
設定部41Fは、ステップS108において、調整後基準クロック信号CLK2に基づいて、タッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mの周波数(例えば、210kHz)を駆動信号出力部41G−1から41G−mまでに設定する。
【0164】
設定部41Fは、ステップS110において、ステップS106で算出した通過周波数帯域をバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでに設定する。
【0165】
タッチ検出制御部40は、ステップS112において、ステップS108で設定した周波数(例えば、210kHz)を有するタッチ駆動信号Vcomt−1からVcomt−mをタッチ検出デバイス30に出力し、ステップS110で設定した通過周波数帯域のタッチ検出信号Vdet−1からVdet−nまでを検出することで、タッチ検出を行う。
【0166】
<タッチ検出制御部の設定例>
図14は、タッチ検出制御部の設定例を示す図である。表70の第1行は、タッチ検出制御部40の設計値を示す。表70の第2行から第9行は、タッチ検出制御部40のタッチ検出信号Vdetの周波数及びバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値の例1から例8までを示す。
【0167】
表70の第1行の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数が設計値(例えば、60Hz)通りであれば、フレーム周波数の設計値に対する増減量が「0%」であることを、示している。
【0168】
表70の第1行の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値通りであれば、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対する増減量が「0%」であることを、示している。
【0169】
表70の第1行の第3列は、表示制御部11のフレーム周波数が設計値通りであり且つタッチ検出制御部40の動作周波数が設計値通りであれば、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「60Hz」であることを、示している。
【0170】
表70の第1行の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「1」であることを、示している。上述したしたように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が「60Hz」である場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値「60Hz」の比である周波数調整係数を「1」と算出する。
【0171】
表70の第1行の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「200kHz」であることを、示している。表70の第1行の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「200kHz±5kHz」であることを、示している。
【0172】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数が設計値通りであり且つタッチ検出制御部40の動作周波数が設計値通りである場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「200kHz」に設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「200kHz±5kHz」に設定する。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0173】
表70の例1(第2行)の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が63Hzであり、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の実際値63Hzの増減量が「5%」であることを、示している。
【0174】
表70の例1(第2行)の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値通りであり、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対するタッチ検出制御部40の動作周波数の実際値の増減量が「0%」であることを、示している。
【0175】
表70の例1(第2行)の第3列は、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「63Hz」であることを、示している。
【0176】
表70の例1(第2行)の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「1.05」であることを、示している。上述したように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が63Hzである場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値63Hzの比である周波数調整係数を「1.05」と算出する。
【0177】
表70の例1(第2行)の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「210kHz」であることを、示している。表70の例2(第2行)の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「210kHz±5kHz」であることを、示している。
【0178】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数の測定値(例1では、実際値と同じ)が63Hzであり、タッチ検出制御部40が設計値通りの動作周波数で動作する場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「210kHz」に設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「210kHz±5kHz」に設定する。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0179】
表70の例2(第3行)の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が57Hzであり、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の実際値57Hzの増減量が「−5%」であることを、示している。
【0180】
表70の例2(第3行)の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値通りであり、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対するタッチ検出制御部40の動作周波数の実際値の増減量が「0%」であることを、示している。
【0181】
表70の例2(第3行)の第3列は、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「57Hz」であることを、示している。
【0182】
表70の例2(第3行)の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「0.95」であることを、示している。上述したように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が「57Hz」である場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値「57Hz」の比である周波数調整係数を「0.95」と算出する。
【0183】
表70の例2(第3行)の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「190kHz」であることを、示している。表70の例2(第2行)の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「190kHz±5kHz」であることを、示している。
【0184】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数の測定値(例2では、実際値と同じ)が57Hzであり、タッチ検出制御部40が設計値通りの動作周波数で動作する場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「190kHz」に設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「190kHz±5kHz」に設定する。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0185】
表70の例3(第4行)の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が60Hzであり、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の実際値60Hzの増減量が「0%」であることを、示している。
【0186】
表70の例3(第4行)の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値より高く、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対するタッチ検出制御部40の動作周波数の実際値の増減量が「5%」であることを、示している。
【0187】
表70の例3(第4行)の第3列は、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「57Hz」であることを、示している。上述したように、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値よりも5%高い場合には、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数の測定値を、実際値の60Hzよりも5%低い「57Hz」と測定する。
【0188】
表70の例3(第4行)の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「0.95」であることを、示している。上述したように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が「57Hz」である場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値「57Hz」の比である周波数調整係数を「0.95」と算出する。
【0189】
表70の例3(第4行)の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「190kHz」であることを、示している。表70の例3(第4行)の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「190kHz±5kHz」であることを、示している。
【0190】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が60Hzである場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「200kHz」に設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「200kHz±5kHz」に設定することで、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0191】
但し、例3では、タッチ検出制御部40が設計値よりも5%高い動作周波数で動作している。従って、設定部41Fがタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「190kHz」に設定すると、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、「190kHz」より5%高い周波数の200kHzのタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでを出力する。同様に、設定部41FがバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「190kHz±5kHz」に設定すると、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、「190kHz±5kHz」より5%高い周波数の200kHz±5kHzの信号を通過させる。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0192】
表70の例4(第5行)の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が60Hzであり、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の実際値60Hzの増減量が「0%」であることを、示している。
【0193】
表70の例4(第5行)の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値より低く、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対するタッチ検出制御部40の動作周波数の実際値の増減量が「−5%」であることを、示している。
【0194】
表70の例4(第5行)の第3列は、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「63Hz」であることを、示している。上述したように、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値よりも5%低い場合には、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数の測定値を、実際値の60Hzよりも5%高い「63Hz」と測定する。
【0195】
表70の例4(第5行)の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「1.05」であることを、示している。上述したように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が「63Hz」である場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値「63Hz」の比である周波数調整係数を「1.05」と算出する。
【0196】
表70の例4(第5行)の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「210kHz」であることを、示している。表70の例4(第5行)の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「210kHz±5kHz」であることを、示している。
【0197】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が60Hzである場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「200kHz」に設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「200kHz±5kHz」に設定することで、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0198】
但し、例4では、タッチ検出制御部40が設計値よりも5%低い動作周波数で動作している。従って、設定部41Fがタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「210kHz」に設定すると、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、「210kHz」より5%低い周波数の200kHzのタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでを出力する。同様に、設定部41FがバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「210kHz±5kHz」に設定すると、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、「210kHz±5kHz」より5%低い周波数の200kHz±5kHzの信号を通過させる。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0199】
表70の例5(第6行)の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が63Hzであり、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の実際値63Hzの増減量が「5%」であることを、示している。
【0200】
表70の例5(第6行)の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値より高く、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対するタッチ検出制御部40の動作周波数の実際値の増減量が「5%」であることを、示している。
【0201】
表70の例5(第6行)の第3列は、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「60Hz」であることを、示している。上述したように、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値よりも5%高い場合には、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数の測定値を、実際値の63Hzよりも5%低い「60Hz」と測定する。
【0202】
表70の例5(第6行)の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「1」であることを、示している。上述したように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が「60Hz」である場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値「60Hz」の比である周波数調整係数を「1」と算出する。
【0203】
表70の例5(第6行)の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「200kHz」であることを、示している。表70の例5(第6行)の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「200kHz±5kHz」であることを、示している。
【0204】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が63Hzである場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を210kHzに設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を210kHz±5kHzに設定することで、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0205】
但し、例5では、タッチ検出制御部40が設計値よりも5%高い動作周波数で動作している。従って、設定部41Fがタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「200kHz」に設定すると、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、「200kHz」より5%高い周波数の210kHzのタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでを出力する。同様に、設定部41FがバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「200kHz±5kHz」に設定すると、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、「200kHz±5kHz」より5%高い周波数の210kHz±5kHzの信号を通過させる。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0206】
表70の例6(第7行)の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が57Hzであり、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の実際値57Hzの増減量が「−5%」であることを、示している。
【0207】
表70の例6(第7行)の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値より低く、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対するタッチ検出制御部40の動作周波数の実際値の増減量が「−5%」であることを、示している。
【0208】
表70の例6(第7行)の第3列は、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「60Hz」であることを、示している。上述したように、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値よりも5%低い場合には、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数の測定値を、実際値の57Hzよりも5%高い「60Hz」と測定する。
【0209】
表70の例6(第7行)の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「1」であることを、示している。上述したように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が「60Hz」である場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値「60Hz」の比である周波数調整係数を「1」と算出する。
【0210】
表70の例6(第7行)の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「200kHz」であることを、示している。表70の例6(第7行)の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「200kHz±5kHz」であることを、示している。
【0211】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が57Hzである場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を190kHzに設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を190kHz±5kHzに設定することで、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0212】
但し、例6では、タッチ検出制御部40が設計値よりも5%低い動作周波数で動作している。従って、設定部41Fがタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「200kHz」に設定すると、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、「200kHz」より5%低い周波数の190kHzのタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでを出力する。同様に、設定部41FがバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「200kHz±5kHz」に設定すると、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、「200kHz±5kHz」より5%低い周波数の190kHz±5kHzの信号を通過させる。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0213】
表70の例7(第8行)の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が63Hzであり、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の実際値63Hzの増減量が「5%」であることを、示している。
【0214】
表70の例7(第8行)の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値より遅く、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対するタッチ検出制御部40の動作周波数の実際値の増減量が「−5%」であることを、示している。
【0215】
表70の例7(第8行)の第3列は、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「66Hz」であることを、示している。上述したように、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値よりも5%低い場合には、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数の測定値を、実際値の63Hzよりも5%高い「66Hz」と測定する。
【0216】
表70の例7(第8行)の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「1.1」であることを、示している。上述したように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が「66Hz」である場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値「66Hz」の比である周波数調整係数を「1.1」と算出する。
【0217】
表70の例7(第8行)の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「220kHz」であることを、示している。表70の例7(第8行)の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「220kHz±5kHz」であることを、示している。
【0218】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が63Hzである場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を210kHzに設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を210kHz±5kHzに設定することで、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0219】
但し、例7では、タッチ検出制御部40が設計値よりも5%低い動作周波数で動作している。従って、設定部41Fがタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「220kHz」に設定すると、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、「220kHz」より5%低い周波数の210kHzのタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでを出力する。同様に、設定部41FがバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「220kHz±5kHz」に設定すると、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、「220kHz±5kHz」より5%低い周波数の210kHz±5kHzの信号を通過させる。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0220】
表70の例8(第9行)の第1列は、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が57Hzであり、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の実際値57Hzの増減量が「−5%」であることを、示している。
【0221】
表70の例8(第9行)の第2列は、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値より高く、タッチ検出制御部40の動作周波数の設計値に対するタッチ検出制御部40の動作周波数の実際値の増減量が「5%」であることを、示している。
【0222】
表70の例8(第9行)の第3列は、周波数サンプリング回路48によって測定される、表示制御部11のフレーム周波数の測定値が「54Hz」であることを、示している。上述したように、タッチ検出制御部40の動作周波数が設計値よりも5%高い場合には、周波数サンプリング回路48は、表示制御部11のフレーム周波数の測定値を、実際値の57Hzよりも5%程度低い「54Hz」と測定する。
【0223】
表70の例8(第9行)の第4列は、周波数調整係数算出部41Dによって算出される周波数調整係数が「0.9」であることを、示している。上述したように、周波数調整係数算出部41Dは、フレーム周波数の測定値が「54Hz」である場合には、フレーム周波数の設計値60Hzに対するフレーム周波数の測定値「54Hz」の比である周波数調整係数を「0.9」と算出する。
【0224】
表70の例8(第9行)の第5列は、設定部41Fによって設定される、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数の設定値が「180kHz」であることを、示している。表70の例8(第9行)の第6列は、設定部41Fによって設定される、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域の設定値が「180kHz±5kHz」であることを、示している。
【0225】
上述したように、表示制御部11のフレーム周波数の実際値が57Hzである場合には、タッチ検出制御部40は、タッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を190kHzに設定し、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を190kHz±5kHzに設定することで、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0226】
但し、例8では、タッチ検出制御部40が設計値よりも5%高い動作周波数で動作している。従って、設定部41Fがタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでの周波数を「180kHz」に設定すると、駆動信号出力部41G−1から41G−mまでは、「180kHz」より5%高い周波数の190kHzのタッチ駆動信号Vdet−1からVdet−mまでを出力する。同様に、設定部41FがバンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでの通過周波数帯域を「180kHz±5kHz」に設定すると、バンドパスフィルタBPF−1からBPF−nまでは、「180kHz±5kHz」より5%高い周波数の190kHz±5kHzの信号を通過させる。これにより、タッチ検出制御部40は、極大値B2及びA3のノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0227】
以上説明したように、タッチ検出機能付き表示装置1は、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播するノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0228】
なお、液晶表示デバイス20からタッチ検出デバイス30に伝播するノイズの影響を抑制するために、タッチ駆動信号Vcomtの周波数を一定時間毎に変更する周波数ホッピング方式を採用することも考えられる。しかしながら、周波数ホッピング方式では、タッチ駆動信号Vcomtの周波数がノイズの周波数に重なる又は近くなることを排除できない。
【0229】
一方、タッチ検出機能付き表示装置1は、ノイズの周波数とフレーム周波数とに相関関係があることに着目し、フレーム周波数に応じてタッチ駆動信号Vcomtの周波数を変更する。従って、タッチ検出機能付き表示装置1は、周波数ホッピング方式と比較して、ノイズの影響を抑制し、好適にタッチ検出を行うことができる。
【0230】
<変形例>
図15は本実施の形態に係るタッチ機能検出機能付き表示装置の変形例を示すブロック図である。
図11と同一構成部分については、説明を省略する。
本変形例は、自己静電容量形式のタッチ検出機能を示すブロック図であり、以下の点で
図11と異なる。
【0231】
自己静電容量形式のタッチ検出機能では、駆動電極と検出電極とは同一である。タッチ検出制御部40は、m個のタッチ検出電極にタッチ検出信号Vcomt−1からVcomt−mまでを出力し、各々の電極についてタッチ検出電極の自己静電容量の変動の程度を検出することにより、被検出物OBJの接触又は近接の有無を検出する。
【0232】
図15に示した例では、m個のアンプAMP1−1〜AMP1−mは、容量結合を介して、タッチ検出信号Vcomt−1からVcomt−mまでをm個のタッチ検出電極にそれぞれ出力する。m個のタッチ検出電極の各々は、所定のインピーダンスの抵抗を介して所定のバイアス電圧に設定されている。この場合、タッチ検出電極に被検出物OBJが接触又は近接していると、被検出物OBJとタッチ検出電極との間の容量が大きくなり、アンプにより駆動されたタッチ検出電極の電圧変動量が小さくなる。タッチ検出制御部40は、この電圧変動量の程度を入力増幅部43のアンプAMP2−1からAMP2−mまでによって検出することにより、被検出物OBJの有無を検出する。尚、自己静電容量形式のタッチ検出機能の構成は、上記回路に限定されるものではなく、種々の検出回路で構成可能である。
【0233】
また、自己静電容量検出方式のタッチ検出電極は、
図8のタッチ検出電極TDL又はタッチ駆動電極TLの少なくともいずれかを用いてもよい。また、タッチ検出電極の形状は、ストライプ形状に限定されず、X方向及びY方向にマトリックス状に個別に形成された形状の電極を用いてもよい。
【0234】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。