特許第6550082号(P6550082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6550082
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】半田付装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/08 20060101AFI20190711BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20190711BHJP
   B23K 3/00 20060101ALI20190711BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20190711BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   B23K3/08
   B23K1/00 A
   B23K3/00 310A
   H05K3/34 512A
   H05K3/34 512Z
   G01N21/956 B
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-6074(P2017-6074)
(22)【出願日】2017年1月17日
(65)【公開番号】特開2018-114524(P2018-114524A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2018年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000234339
【氏名又は名称】白光株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 巧知
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−187912(JP,A)
【文献】 特開2013−074231(JP,A)
【文献】 特開2007−271638(JP,A)
【文献】 特開平02−008705(JP,A)
【文献】 特開平05−119026(JP,A)
【文献】 特開平11−258178(JP,A)
【文献】 特開2002−312766(JP,A)
【文献】 特開平02−194353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 3/08
B23K 1/00
B23K 3/00
B23K 26/00
G01N 21/956
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田付処理を実行する加熱工具と、
前記半田付処理がなされる処理領域を撮像し、画像データを生成する撮像装置と、
前記撮像装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記処理領域に位置するように前記加熱工具を移動させ、前記撮像装置に撮像させる領域を前記加熱工具の移動に追従させ、
前記制御装置は、前記処理領域の位置を表す位置データと前記撮像装置から得られた前記画像データと、を関連付けて記憶する記憶部を含む
半田付装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記半田付処理がなされる前記基板の種類を表す基板情報を記憶し、且つ、前記基板上の第一処理領域の位置を表す前記位置データと、前記第一処理領域とは位置において異なる第二処理領域の位置を表す前記位置データと、を、前記基板情報に関連付けて記憶する
請求項1に記載の半田付装置。
【請求項3】
半田付処理を実行する加熱工具と、
前記半田付処理がなされる処理領域を撮像し、画像データを生成する撮像装置と、
前記撮像装置を制御する制御装置と、
前記加熱工具を保持する保持部と、
前記制御装置の制御下で、前記保持部を移動させる駆動部と、を備え、
前記制御装置は、前記処理領域の位置を表す位置データと前記撮像装置から得られた前記画像データと、を関連付けて記憶する記憶部と、前記加熱工具が前記処理領域に位置するように、前記駆動部を前記位置データに従って制御する移動制御部と、前記加熱工具が前記処理領域に位置した後、前記撮像装置に前記画像データを生成させる撮像制御部と、を含む
半田付装置。
【請求項4】
前記保持部は、前記撮像装置を更に保持する
請求項3に記載の半田付装置。
【請求項5】
前記駆動部は、前記移動制御部の制御下で、前記半田付処理がなされる第一位置と前記第一位置よりも前記処理領域から離れた第二位置との間で前記加熱工具を移動させ、
前記第一位置から前記第二位置へ前記加熱工具が移動した後、前記撮像装置は、前記撮像制御部の制御下で、前記画像データを生成する
請求項3又は4に記載の半田付装置。
【請求項6】
前記撮像装置は、前記制御装置の制御下で、前記半田付処理の実行中、前記処理領域を撮像し、前記画像データとして、動画データを生成する
請求項1乃至4の何れか一項に記載の半田付装置。
【請求項7】
前記撮像装置は、前記制御装置の制御下で、前記半田付処理の実行中、異なる複数の時点で前記処理領域を撮像し、前記画像データとして、複数の静止画を表す静止画データを生成する
請求項1乃至4の何れか一項に記載の半田付装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記複数の静止画を合成し、合成画像データを生成する合成部を含み、
前記記憶部は、前記合成画像データを、前記画像データとして、前記位置データと関連付けて記憶する
請求項7に記載の半田付装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記処理領域を、前記画像データが関連付けて記憶される第一区分及び前記画像データが記憶されない第二区分のうちの何れに区分するかの選択を受け付ける選択部を含み、
前記記憶部は、前記第一区分に区分された前記処理領域の位置を表す前記位置データと前記画像データとを関連付けて記憶し、前記第二区分に区分された前記処理領域を撮像して生成される前記画像データを記憶しない
請求項1乃至5の何れか一項に記載の半田付装置。
【請求項10】
前記制御装置は、前記画像データに基づき前記半田付処理が正常になされたか否かの判定結果を表す判定結果データを出力する判定装置に対し、前記撮像装置から得られた前記画像データを出力する出力部と、前記判定結果データが入力される入力部と、を含み、
前記記憶部は、前記出力部が前記判定装置に対して出力した前記画像データと、前記入力部から受け取った前記判定結果データと、を関連付けて記憶する
請求項1乃至9の何れか一項に記載の半田付装置。
【請求項11】
前記位置データは、前記半田付処理の制御前に入力され、前記半田付処理の制御における前記処理領域の位置の制御に用いられ、
前記撮像装置は、前記位置データを用いた前記半田付処理の制御中又は制御後に、前記処理領域を撮像して前記画像データを生成する
請求項1乃至10の何れか一項に記載の半田付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田付処理の対象の領域を撮像する半田付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半田付処理の対象の領域を撮像する半田付装置が知られている。例えば、特許文献1には、基板内の各半田付け領域の半田付け作業中、半田付け領域の画像を連続的に撮影してメモリに一時的に記憶する半田付装置が記載されている。この半田付装置は、メモリから取得した直近の二以上の撮影画像に基づき生成した合成画像と予め設定された判定基準領域とを比較することで、半田の面積の異常の有無を逐次判定する。これにより、異常を判定した時点で半田付け作業を停止する。基板内の全半田付け領域の半田付け作業に異常が見られなかった場合は当該基板を後工程へ移送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−29888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、出荷や搬送等の後工程において、基板に衝撃が与えられ、半田が外れる等、半田付けがなされた部位に異常が生じ得る。また、半田付けの異常の判定基準は購入者毎に異なる。このため、前記判定基準領域を用いて異常がないと判定された基板でも、購入者から半田付けに異常があると指摘される虞がある。このように、特許文献1の技術を適用したとしても、基板の出荷後に、半田付けの異常個所があると指摘される虞がある。
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、各半田付け領域を撮影した画像を一時的にしか記憶していない。このため、上記指摘を受けても、基板が返品されるまで半田付けの異常箇所の状態を確認できない。また、購入者の要望に従って異常の判定基準を改善しようとしても、半田付作業後の半田付け領域の画像を確認できないので、現状の異常の判定基準の問題点を把握できず、改善に時間を要する。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、指摘された異常個所の半田付処理後の状態を迅速に確認することができる半田付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による半田付装置は、半田付処理を実行する加熱工具と、前記半田付処理がなされる処理領域を撮像し、画像データを生成する撮像装置と、前記撮像装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記処理領域に位置するように前記加熱工具を移動させ、前記撮像装置に撮像させる領域を前記加熱工具の移動に追従させ、前記制御装置は、前記処理領域の位置を表す位置データと前記撮像装置から得られた前記画像データと、を関連付けて記憶する記憶部を含む。
【0008】
本構成によれば、半田付処理がなされた処理領域の位置を表す位置データと、前記処理領域を撮像した画像データとが関連付けて記憶される。このため、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、基板の返品を待たずに、迅速に、指摘された異常箇所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた画像データを取得することができる。これにより、取得した画像データを参照して、指摘された異常箇所の半田付処理後の状態を迅速に確認することができる。
【0009】
また、前記記憶部は、前記半田付処理がなされる基板の種類を表す基板情報を記憶し、且つ、前記基板上の第一処理領域の位置を表す前記位置データと、前記第一処理領域とは位置において異なる第二処理領域の位置を表す前記位置データと、を、前記基板情報に関連付けて記憶することが好ましい。
【0010】
本構成によれば、出荷した複数種類の基板それぞれにおいて、処理領域を表す位置データ毎に、画像データを関連付けて記憶することができる。これにより、半田付けの異常個所があると指摘された基板の種類を特定することで、当該指摘された異常個所に対応する処理領域だけでなく、当該指摘された基板の他の処理領域の半田付け処理後の状態もあわせて確認することができる。
【0011】
また、本発明による半田付装置は、半田付処理を実行する加熱工具と、前記半田付処理がなされる処理領域を撮像し、画像データを生成する撮像装置と、前記撮像装置を制御する制御装置と、前記加熱工具を保持する保持部と、前記制御装置の制御下で、前記保持部を移動させる駆動部と、をえ、前記制御装置は、前記処理領域の位置を表す位置データと前記撮像装置から得られた前記画像データと、を関連付けて記憶する記憶部と、前記加熱工具が前記処理領域に位置するように、前記駆動部を前記位置データに従って制御する移動制御部と、前記加熱工具が前記処理領域に位置した後、前記撮像装置に前記画像データを生成させる撮像制御部と、を含んでもよい。
【0012】
本構成によれば、加熱工具が処理領域に位置した後に、撮像装置が処理領域を撮像し、生成した画像データが記憶される。これにより、加熱工具が処理領域に位置する事前に、何ら半田付処理が行われていない処理領域を撮影し、生成した画像データを記憶することを回避できる。
【0013】
また、前記保持部は、前記撮像装置を更に保持してもよい。
【0014】
本構成によれば、加熱工具と撮像装置とを保持部によって一体的に移動させることができる。これにより、撮像装置の撮像方向を、加熱工具によって半田付処理がなされる処理領域に向ける時間を短縮できる。その結果、撮像装置に処理領域を迅速に撮像させることができる。
【0015】
また、前記駆動部は、前記移動制御部の制御下で、前記半田付処理がなされる第一位置と前記第一位置よりも前記処理領域から離れた第二位置との間で前記加熱工具を移動させ、前記第一位置から前記第二位置へ前記加熱工具が移動した後、前記撮像装置は、前記撮像制御部の制御下で、前記画像データを生成してもよい。
【0016】
本構成によれば、加熱工具が処理領域から離れた第二位置に移動した後に、撮像装置が、処理領域を撮像し、生成した画像データが記憶される。このため、半田付処理の実行中に処理領域に存在する加熱工具や加熱工具に生じた煙等を撮像した画像が、画像データが表す画像に含まれることを低減できる。これにより、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に取得した、指摘された異常箇所に対応する画像データから、指摘された異常個所の半田付処理後の状態を確認することが容易となる。
【0017】
また、前記撮像装置は、前記制御装置の制御下で、前記半田付処理の実行中、前記処理領域を撮像し、前記画像データとして、動画データを生成してもよい。
【0018】
本構成によれば、半田付処理の実行中、処理領域を撮像することで生成された動画データが位置データと関連付けて記憶される。このため、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、当該指摘された異常個所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた動画データを取得することができる。その結果、取得した動画データを参照して、指摘された異常箇所に半田付処理がなされている途中の状態を的確に把握することができる。
【0019】
または、前記撮像装置は、前記制御装置の制御下で、前記半田付処理の実行中、異なる複数の時点で前記処理領域を撮像し、前記画像データとして、複数の静止画を表す静止画データを生成してもよい。
【0020】
本構成によれば、半田付処理の実行中、異なる複数の時点で処理領域を撮像することで生成された複数の静止画を表す静止画データが、位置データと関連付けて記憶される。このため、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、当該指摘された異常個所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた静止画データを取得することができる。その結果、取得した静止画データを参照して、指摘された異常箇所に半田付処理がなされている途中の状態を的確に把握することができる。
【0021】
また、前記制御装置は、前記複数の静止画を合成し、合成画像データを生成する合成部を含み、前記記憶部は、前記合成画像データを、前記画像データとして、前記位置データと関連付けて記憶してもよい。
【0022】
本構成によれば、半田付処理の実行中、異なる複数の時点で処理領域を撮像することで生成された静止画データが表す複数の静止画を合成した合成画像データが生成される。そして、当該合成画像データが位置データと関連付けて記憶される。このため、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、当該指摘された異常個所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた合成画像データを取得することができる。その結果、取得した合成画像データを参照して、指摘された異常箇所に半田付処理がなされている途中の状態を的確に把握することができる。
【0023】
また、前記制御装置は、前記処理領域を、前記画像データが関連付けて記憶される第一区分及び前記画像データが記憶されない第二区分のうちの何れに区分するかの選択を受け付ける選択部を含み、前記記憶部は、前記第一区分に区分された前記処理領域の位置を表す前記位置データと前記画像データとを関連付けて記憶し、前記第二区分に区分された前記処理領域を撮像して生成される前記画像データを記憶しなくてもよい。
【0024】
本構成によれば、処理領域を第一区分に区分することを選択することで、当該処理領域の位置を表す位置データと画像データとを関連付けて記憶することができる。一方、処理領域を第二区分に区分することを選択することで、当該処理領域を撮像して生成される画像データを記憶部が記憶することを回避できる。これにより、画像データを不要に記憶することを回避できる。
【0025】
また、前記制御装置は、前記画像データに基づき前記半田付処理が正常になされたか否かの判定結果を表す判定結果データを出力する判定装置に対し、前記撮像装置から得られた前記画像データを出力する出力部と、前記判定結果データが入力される入力部と、を含み、前記記憶部は、前記出力部が前記判定装置に対して出力した前記画像データと、前記入力部から受け取った前記判定結果データと、を関連付けて記憶してもよい。
【0026】
本構成によれば、出力部が判定装置に対して出力した画像データと、判定装置が出力した判定結果データと、が関連付けて記憶される。このため、出荷した基板に半田付けの異常箇所があると指摘された場合に、当該指摘された異常個所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた画像データに関連付けられた判定結果データを取得することができる。
【0027】
これにより、当該取得した判定結果データが表す判定結果を参照することで、指摘された異常個所で半田付処理が正常に行われたか否かを容易に確認できる。その結果、指摘された異常個所での半田付処理が異常と判定されたのに誤って基板が出荷されたのか、正常と判定されたのに半田付処理後の工程で異常が発生したのかを容易に判別できる。また、記憶部によって判定結果データが記憶された時点で、当該判定結果データが半田付処理が異常であることを示すか否かを確認し、異常であることを示していた場合には、基板の出荷を事前に防ぐこともできる。
また、前記位置データは、前記半田付処理の制御前に入力され、前記半田付処理の制御における前記処理領域の位置の制御に用いられ、前記撮像装置は、前記位置データを用いた前記半田付処理の制御中又は制御後に、前記処理領域を撮像して前記画像データを生成してもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、指摘された異常個所の半田付処理後の状態を迅速に確認することができる半田付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】半田付装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2】半田鏝ユニットの斜視図である。
図3】基板表面と三次元座標との関係を示す図である。
図4】記憶部が記憶する情報及びデータの一例を示す図である。
図5】点半田処理がなされる処理領域の一例を示す図である。
図6】引き半田処理がなされる処理領域の一例を示す図である。
図7】基板上の各処理領域を対象に半田付処理を行うときの動作の一例を示すフローチャートである。
図8】基板上の各処理領域を対象に半田付処理を行うときの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面において、同じ構成要素については同じ符号が用いられている。
【0031】
(機能構成)
図1は、半田付装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図2は、半田鏝ユニット5の斜視図である。図3は、基板表面PLと三次元座標との関係を示す図である。
【0032】
図1に示すように、半田付装置100は、直交型四軸駆動ロボット2と、制御装置1と、を備える。直交型四軸駆動ロボット2は、保持部3と、駆動部4と、を備える。
【0033】
保持部3は、半田鏝ユニット5と撮像装置6とを保持する。具体的には、保持部3は、直交型四軸駆動ロボット2が備える図3に示されるアーム20により構成される。
【0034】
半田鏝ユニット5は、図2及び図3に示すように、直交型四軸駆動ロボットのアーム20に固定された鏝ユニットベース50と、鏝ユニットベース50に連結された半田鏝51(加熱工具の一例)及び半田供給機構52とを備える。
【0035】
半田鏝51は、本体512内部に挿入された不図示の鏝先ヒータ一体型組品に内蔵された、金属線材から形成された不図示のコイルヒータを備える。コイルヒータは、制御装置1の制御下で、半田鏝51の先端部511(以降、鏝先511と記載する)を、半田SLを溶融可能な所定温度に加熱する。
【0036】
半田供給機構52は、不図示のリールから導入される半田SLを繰り出すことが可能な公知の機構である。半田供給機構52は、制御装置1の制御下で、前記所定温度に加熱された鏝先511に、制御装置1に指示された量の半田SLを供給する半田供給処理を実行する。つまり、半田鏝51は、鏝先511で半田供給処理によって供給された半田SLを溶融し、鏝先511が存在する位置に溶融した半田SLを付着させる半田付処理を実行する。以降、半田付処理によって半田SLを付着させる対象の領域を処理領域と記載する。
【0037】
半田鏝51及び半田供給機構52は、アーム20(保持部3)に固定された鏝ユニットベース50の移動に合わせて一体的に移動する。半田鏝51や半田供給機構52の更なる具体的な構成は、公知であるのでその説明を省略する。
【0038】
撮像装置6は、制御装置1の制御下で、前記処理領域を撮像し、画像データを生成する。撮像装置6は、画像データとして、静止画を表す静止画データ及び動画を表す動画データを生成可能に構成されている。
【0039】
図3に示すように、撮像装置6は、処理領域を撮像するため、半田供給機構52に固定された支持部材61により、撮像方向が鏝先511を向くようにして支持されている。つまり、撮像装置6も、半田鏝ユニット5と同様、アーム20(保持部3)に固定された鏝ユニットベース50の移動に合わせて一体的に移動する。これにより、撮像装置6の撮像方向を、半田付処理がなされた処理領域に向ける時間を短縮できる。その結果、撮像装置6に処理領域を迅速に撮像させることができる。尚、撮像装置6は、制御装置1の制御下で、撮像方向を変更可能に構成してもよい。
【0040】
駆動部4は、制御装置1の制御下で、図3に示すように、アーム20(保持部3)を移動させることで、鏝ユニットベース50に連結された半田鏝51の鏝先511を三次元座標上の所定の点(例:P1(x1、y1、z1))に移動させる。
【0041】
三次元座標は、半田付処理の対象となる基板表面PLに沿って互いに直交するX軸及びY軸と、基板表面PLに対して直角の方向に延びるZ軸と、の三軸を座標軸とする。以降、X軸に沿う方向をX軸方向、Y軸に沿う方向をY軸方向、Z軸に沿う方向をZ軸方向と記載する。Z軸に沿って基板表面PLから離れる方向を上方、その反対方向を下方と記載する。また、Z座標は、上方の位置である程、大きく、下方の位置である程、小さいものとする。
【0042】
Z軸方向に延びるアーム20の回転軸21の延長線上に鏝先511が存在するように、半田鏝51は鏝ユニットベース50に連結され、鏝ユニットベース50はアーム20に固定されている。駆動部4は、回転軸21を中心にアーム20をθ方向(左回り)に回転させることで、半田鏝51の鏝先511を中心に半田鏝51をθ方向に回転させる。図3における符号5aは、半田鏝ユニット5を基板表面PLへ投影した図を示す。図3では、駆動部4が、鏝先511を中心にして半田鏝51をX軸方向から角度「θ1」だけθ方向に回転させたことを例示している。
【0043】
駆動部4は、第一駆動部41、第二駆動部42、第三駆動部43、及び第四駆動部44として機能する。
【0044】
第一駆動部41は、後述の移動制御部14により指定されたX座標(例:x1)の位置まで、鏝先511をX軸に沿って移動させる。第一駆動部41は、アーム20をX軸に沿って移動させる駆動モータで構成される。第二駆動部42は、後述の移動制御部14により指定されたY座標(例:y1)の位置まで、鏝先511をY軸に沿って移動させる。第二駆動部42は、アーム20をY軸に沿って移動させる駆動モータで構成される。第三駆動部43は、後述の移動制御部14により指定されたZ座標(例:z1)の位置まで、鏝先511をZ軸に沿って移動させる。第三駆動部43は、アーム20をZ軸に沿って移動させる駆動モータで構成される。
【0045】
第四駆動部44は、半田鏝51の中心軸がX軸方向に対してθ方向(左回り)になす角度が、後述の処理制御部15により指定された角度(例:θ1)となるように、鏝先511を中心にして半田鏝51をθ方向に回転させる。以降、半田鏝51の中心軸がX軸方向に対してθ方向になす角度が角度「θx」となるように、鏝先511を中心にして半田鏝51をθ方向に回転させることを、半田鏝51の方角を角度「θx」に調整すると略記する。第四駆動部44は、アーム20を、回転軸21を中心にθ方向に回転させる駆動モータで構成される。
【0046】
制御装置1は、表示部11と操作部12と記憶部13と移動制御部14と処理制御部15と撮像制御部16と選択部17と出力部18と入力部19とを備える。
【0047】
表示部11は、半田付装置100の操作画面を表示する。表示部11は、液晶ディスプレイ等で構成される。操作部12は、作業者に操作画面の操作を行わせる。操作部12は、タッチパネルや、作業者に、情報を入力させるためのキーボードや、操作画面に表示されたカーソルを移動させたり、ボタンをクリックさせるためのマウス等で構成される。
【0048】
記憶部13は、操作部12により入力された半田付処理の制御に関する情報及びデータ(以降、制御関連情報と記載する)を記憶する。また、記憶部13は、制御関連情報を用いた半田付処理の制御中に、撮像装置6から得られた画像データや、後述の判定装置7から得られた判定結果データ等のデータを記憶する。記憶部13は、CPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータと、メモリや、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置と、で構成される。
【0049】
具体的には、記憶部13は、図4に例示される情報及びデータを記憶する。図4は、記憶部13が記憶する情報及びデータの一例を示す図である。記憶部13は、操作部12により入力された制御関連情報として、図4に示すように、基板情報、順番情報、処理区分情報、位置区分情報、位置データ、方角データ、条件データ、及び撮像区分データ等を記憶する。
【0050】
基板情報は、半田付処理の対象となる基板の種類(例:PL1、PL2)を表す情報である。例えば、基板情報には、シリアルナンバー等が含まれる。
【0051】
順番情報は、基板情報が表す種類の基板上の各処理領域に半田付処理を行う順番(例:1、2・・・)を表す情報である。
【0052】
処理区分情報は、各処理領域で行われる半田付処理が、半田点を形成する点半田付処理であるか(例:点半田)、半田SLの線分を描く引き半田付処理であるか(例:引き半田)を表す情報である。
【0053】
位置区分情報は、各処理領域に半田点を形成する又は半田SLの線分を描くために、鏝先511を移動させるときの始点であるか終点であるかを表す情報である。
【0054】
各処理領域に半田点を形成する場合、鏝先511の移動を終了し、鏝先511を、半田点を形成する対象の位置に停止させる必要がある。このため、点半田付処理であること(例:点半田)を表す処理区分情報に関連付けられた位置区分情報には、終点であることを表す情報が含まれる。一方、各処理領域に半田SLの線分を描く場合、鏝先511を線分の始点から終点まで移動させる必要がある。このため、引き半田付処理であること(例:引き半田)を表す処理区分情報に関連付けられた位置区分情報には、始点及び終点であることを表す情報が含まれる。
【0055】
位置データは、各処理領域の位置を表すデータである。具体的には、点半田付処理であること(例:点半田)を表す処理区分情報に関連付けられた位置データには、三次元座標(図3)上における、半田点を形成する対象の位置である終点の位置を表す座標データ(例:x11、y11、z11)が含まれる。一方、引き半田付処理であること(例:引き半田)を表す処理区分情報に関連する位置データには、三次元座標(図3)上における半田SLの線分の始点及び終点の位置を表す座標データ(例:始点の位置を表す座標データ(x121、y121、z12)、終点を表す位置の座標データ(x122、y122、z12))が含まれる。
【0056】
方角データは、位置データが表す位置において、半田鏝51の中心軸がX軸方向に対してθ方向(図3)になす角度(例:θ11、θ12)を表すデータである。
【0057】
条件情報は、各処理領域を対象とする半田付処理の制御条件(例:条件情報11、条件情報12、・・・)を表す情報である。制御条件には、各処理領域において半田付処理を行う回数、各半田付処理を行うタイミング、点半田付処理における半田SLの供給量、引き半田処理における鏝先511の移動速度及び半田鏝51の回転速度、引き半田処理における一回当たりの半田SLの供給量等が含まれる。
【0058】
撮像区分データは、各処理領域が、撮像装置6から得られた画像データが関連付けて記憶される第一区分であること(例:1)、又は、各処理領域が、撮像装置6から得られた画像データが記憶されない第二区分であること(例:2)、を表すデータである。
【0059】
また、記憶部13は、制御関連情報を用いた半田付処理の制御中に、撮像装置6から得られた画像データを記憶する。
【0060】
具体的には、記憶部13は、各処理領域に半田付処理がなされた後、撮像装置6が各処理領域を撮像し、生成した画像データを、処理後画像データ(例:処理後画像データ11)として、各処理領域の位置を表す位置データ(例:x11、y11、z11)と関連付けて記憶する。また、記憶部13は、各処理領域に対する半田付処理の実行中に、撮像装置6が各処理領域を撮像して、生成した画像データを処理中画像データ(例:処理中画像データ12)として、各処理領域の位置を表す位置データ(例:(x121、y121、z12)、(x122、y122、z12))と関連付けて記憶する。
【0061】
また、記憶部13は、各処理領域を対象とする半田付処理の後、判定装置7から得られた判定結果データを記憶する。
【0062】
具体的には、判定装置7は、入力された画像データに基づき、半田付処理が正常になされたか否かの判定結果を表す判定結果データを出力する。例えば、判定装置7は、公知の画像認識処理を行うことにより、入力された画像データと所定の判定基準を表す画像データとを対比する等して、半田付処理が正常になされたか否かの判定結果を表す判定結果データを出力する。
【0063】
判定結果データには、例えば、半田付処理が正常になされたことを表すデータ(例:0)、半田付処理が正常になされなかった(異常であった)ことを表すデータ(例:1)等が含まれる。尚、判定装置7における画像データに基づく判定の方法及び判定結果データは、上記のものに限定されない。
【0064】
記憶部13は、各処理領域を対象とする半田付処理の後、後述の出力部18が判定装置7に対し、画像データ(例:処理後画像データ11)を出力することで、判定装置7が出力した判定結果データ(例:0(正常))を、後述の入力部19から受け取る。記憶部13は、出力部18が判定装置7に対して出力した画像データ(例:処理後画像データ11)と、受け取った判定結果データ(例:0(正常))と、を関連付けて記憶する。
【0065】
移動制御部14は、鏝先511が各処理領域に位置するように、駆動部4を各処理領域の位置を表す位置データ(図4)に従って制御する。移動制御部14は、CPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータで構成される。
【0066】
処理制御部15は、鏝先511が各処理領域に位置するとき、半田鏝ユニット5を制御し、記憶部13が記憶している各処理領域に対応する処理区分情報(図4)及び条件情報(図4)に従って、半田鏝51に半田付処理を行わせる。
【0067】
撮像制御部16は、撮像装置6に画像データを生成させるタイミング及び生成させる画像データの種類(動画データ又は静止画データ)を制御する。撮像制御部16は、CPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータで構成される。尚、撮像制御部16は、撮像装置6が撮像方向を制御可能に構成されている場合は、その撮像方向も制御する。
【0068】
選択部17は、各処理領域を、画像データが関連付けて記憶される第一区分及び画像データが記憶されない第二区分のうちの何れに区分するかの選択を受け付ける。選択部17は、CPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータで構成される。
【0069】
具体的には、表示部11は、半田付処理を行う対象の基板上の各処理領域を、第一区分又は第二区分に区分することの選択操作が可能な選択画面を表示する。選択部17は、作業者が当該選択画面で操作部12を用いて各処理領域を第一区分又は第二区分に区分することを選択すると、当該選択を受け付ける。
【0070】
尚、記憶部13は、処理領域を第一区分に区分することが受け付けられた場合、図4に示すように、処理領域を表す位置データ(例:x11、y11、z11)と関連付けて、第一区分を表す撮像区分データ「1」を記憶する。処理領域を第二区分に区分することが受け付けられた場合、記憶部13は、処理領域を表す位置データ(例:x21、y21、z21)と関連付けて、第二区分を表す撮像区分データ「2」を記憶する。
【0071】
出力部18は、判定装置7に対し、撮像装置6から得られた画像データを出力する。出力部18は、CPU、RAM、ROM、判定装置7と通信を行う通信インターフェイス回路等を備えたマイクロコンピュータで構成される。
【0072】
入力部19は、判定装置7が出力した判定結果データを受信する。つまり、入力部19には、判定装置7が出力した判定結果データが入力される。入力部19は、入力された判定結果データを記憶部13へ出力する。入力部19は、CPU、RAM、ROM、判定装置7と通信を行う通信インターフェイス回路等を備えたマイクロコンピュータで構成される。
【0073】
(動作フロー)
以下、基板上の各処理領域を対象に半田付処理を行うときの動作について、図5乃至図7を参照して説明する。図5は、点半田処理がなされる処理領域の一例を示す図である。図6は、引き半田処理がなされる処理領域の一例を示す図である。図7及び図8は、基板上の各処理領域を対象に半田付処理を行うときの動作の一例を示すフローチャートである。
【0074】
図5には、記憶部13において、図4に示す基板情報「PL1」に関連付けられた、基板情報「PL1」が表す種類の基板上における、順番「1」の処理領域(第一処理領域の一例)の位置を表す位置データ及び当該位置データに関連付けられた方角データの組み合わせ「x11、y11、z11、θ11」を例示している。
【0075】
図6には、記憶部13において、図4に示す基板情報「PL1」に関連付けられた、基板情報「PL1」が表す種類の基板上における、順番「1」の処理領域とは位置において異なる順番「2」の処理領域(第二処理領域の一例)の位置を表す位置データ及び当該位置データに関連付けられた方角データの組み合わせ「(x121、y121、z12、θ12)、(x122、y122、z12、θ12)」を例示している。
【0076】
以下の説明では、図5及び図6に例示した位置データ及び方角データの組み合わせを具体例として用い、各処理領域を対象に半田付処理を行う動作について説明する。
【0077】
尚、処理制御部15は、図7に示す動作の事前に、半田鏝51の本体512(図3)内部に挿入された鏝先ヒータ一体型組品に内蔵されたコイルヒータを制御し、鏝先511(図3)を、半田SLを溶融可能な所定温度に加熱する。その後、作業者が、表示部11によって表示された不図示の操作画面に、基板情報「PL1」(図4)が表す種類の基板を対象とする半田付処理の制御を開始する指示を、操作部12を用いて入力したとする。
【0078】
この場合、処理制御部15は、図7に示すように、先ず、半田付処理の対象の基板(以降、対象基板と記載する)上の一の処理領域を対象に行う半田付処理(以降、対象半田付処理と記載する)が点半田付処理であるか否かを判定する(S1)。以降、対象半田付処理を行う対象の一の処理領域を、対象処理領域と記載する。
【0079】
具体的には、S1において、処理制御部15は、記憶部13から、対象基板の種類を表す基板情報「PL1」に関連付けられた順番情報の中で、半田付処理が行われていない処理領域に関連付けられ、且つ、最も小さい順番を表す順番情報(以降、最小順番情報と記載する)を取得する。処理制御部15は、記憶部13において、取得した最小順番情報に関連付けられている処理区分情報が、半田付処理が点半田付処理であること(例:「点半田」)を表す場合、対象半田付処理が点半田付処理であると判定する(S1;YES)。一方、処理制御部15は、記憶部13において、取得した最小順番情報に関連付けられている処理区分情報が、半田付処理が引き半田付処理であること(例:「引き半田」)を表す場合、対象半田付処理が点半田付処理ではないと判定する(S1;NO)。
【0080】
S1において、対象半田付処理が点半田付処理であると判定された場合(S1;YES)、移動制御部14は、対象処理領域の位置を表す位置データ及び方角データに従って、鏝先511が対象処理領域に位置するように、駆動部4を制御する(S2)。
【0081】
具体的には、S1において取得された最小順番情報が、対象基板の種類を表す基板情報「PL1」に関連付けられた順番情報「1」であったとする。この場合、移動制御部14は、S2において、記憶部13から、順番情報「1」に関連付けられた位置データ及び方角データの組み合わせ「x11、y11、z11、θ11」を取得する。
【0082】
移動制御部14は、第一駆動部41、第二駆動部42及び第三駆動部43を制御して、鏝先511を、取得した位置データが表す終点のX、Y及びZ座標「x11、y11、z11」の位置まで移動させた後、鏝先511を停止させる。また、移動制御部14は、第四駆動部44を制御して、半田鏝51の方角を、取得した方角データが表す角度「θ11」に調整する。
【0083】
次に、処理制御部15は、半田鏝ユニット5を制御し、記憶部13において、S1で取得した最小順番情報に関連付けられている条件情報が表す制御条件に従って、半田鏝51に対象半田付処理である点半田付処理を実行させる(S3)。
【0084】
一方、S1において、対象半田付処理が引き半田付処理であると判定された場合(S1;NO)、図8に示すように、移動制御部14は、駆動部4を制御し、対象処理領域の位置を表す位置データ及び方角データのうち、始点の位置を表す位置データ及び方角データに従って、鏝先511を始点の位置まで移動させる(S21)。
【0085】
具体的には、S1(図7)において取得された最小順番情報が、対象基板の種類を表す基板情報「PL1」に関連付けられた順番情報「2」であったとする。この場合、移動制御部14は、S21において、記憶部13から、順番情報「2」に関連付けられた位置データのうち、位置区分情報「始点」に関連付けられている位置データ及び方角データの組み合わせ「x121、y121、z12、θ12」を取得する。
【0086】
移動制御部14は、第一駆動部41、第二駆動部42及び第三駆動部43を制御して、鏝先511を、取得した位置データが表す始点のX、Y及びZ座標「x121、y121、z12」の位置まで移動させた後、鏝先511を停止させる。また、移動制御部14は、第四駆動部44を制御して、半田鏝51の方角を、取得した方角データが表す角度「θ12」に調整する。
【0087】
次に、移動制御部14は、駆動部4を制御し、対象処理領域の位置を表す位置データ及び方角データのうち、終点の位置を表す位置データ及び方角データに従って、鏝先511を始点の位置から、終点の位置まで移動させることを開始する(S22)。
【0088】
具体的には、移動制御部14は、S22において、記憶部13から、S1(図7)で取得した最小順番情報「2」に関連付けられた位置データのうち、位置区分情報「終点」に関連付けられている位置データ及び方角データの組み合わせ「x122、y122、z12、θ12」を取得する。
【0089】
そして、移動制御部14は、第一駆動部41、第二駆動部42及び第三駆動部43を制御し、鏝先511を、図6に示すように、S21で移動させた始点のX、Y及びZ座標「x121、y121、z12」の位置から、上記取得した位置区分情報「終点」に関連付けられた位置データが表す終点のX、Y及びZ座標「x122、y122、z12」の位置まで移動させることを開始する。また、移動制御部14は、第四駆動部44を制御し、半田鏝51の方角を、取得した位置区分情報「終点」に関連付けられた方角データが表す角度「θ12」に調整することを開始する。
【0090】
尚、移動制御部14は、S22における鏝先511の移動中、記憶部13に記憶されている当該位置データに関連付けられた条件情報「条件情報12」(図4)に含まれる、引き半田処理における鏝先511の移動速度で、鏝先511が始点と終点とを両端とする直線上を移動するように、第一駆動部41、第二駆動部42及び第三駆動部43を制御する。また、移動制御部14は、当該半田鏝51の方角の調整中、半田鏝51の中心軸が、条件情報「条件情報12」(図4)に含まれる回転速度で回転するように第四駆動部44を制御する。
【0091】
本具体例では、始点におけるZ座標「z12」と終点におけるZ座標「z12」は同一である。また、始点の方角データが示す角度「θ12」と終点の方角データが示す角度「θ12」は同一である。このため、移動制御部14は、S22において、第三駆動部43及び第四駆動部44の制御は行わず、第一駆動部41及び第二駆動部42のみを制御し、鏝先511を、始点のX及びY座標「x121、y121」の位置と終点のX及びY座標「x122、y122」の位置とを両端とする直線上で移動させることを開始する。
【0092】
S22で鏝先511の移動が開始されると、撮像制御部16は、記憶部13において、S1で取得された最小順番情報に関連付けられている撮像区分データが、対象処理領域が第一区分であること(例:「1」)を表すか否かを判定する(S23)。
【0093】
撮像制御部16は、S23において、撮像区分データが、対象処理領域が第一区分であることを表すと判定した場合(S23;YES)、撮像装置6を制御し、対象処理領域を対象にした動画の撮像を開始させ、動画データの生成を開始させる(S24)。
【0094】
処理制御部15は、半田鏝ユニット5を制御し、記憶部13において、S1(図7)で取得した最小順番情報に関連付けられている条件情報が表す制御条件に従って、半田鏝51に、対象半田付処理である引き半田付処理の実行を開始させる(S25)。処理制御部15は、鏝先511が終点に到達していない間(S26;NO)、S25を繰り返し行う。
【0095】
一方、撮像制御部16は、S23において、撮像区分データが、対象処理領域が第二区分であること(例:「2」)を表すと判定した場合(S23;NO)、撮像装置6に対象処理領域を対象にした動画を撮像させない。この場合、S25以降の処理が行われる。
【0096】
鏝先511が終点に到達すると(S26;YES)、処理制御部15、移動制御部14、及び撮像制御部16は、それぞれ、所定の終了処理を実行する(S27)。
【0097】
具体的には、処理制御部15は、S27の終了処理において、半田鏝ユニット5を制御し、半田鏝51に、対象半田付処理である引き半田付処理の実行を終了させる。移動制御部14は、S27の終了処理において、駆動部4に鏝先511の移動を終了させる。撮像制御部16は、S27の終了処理において、撮像装置6を制御し、対象処理領域の撮像を終了させる。そして、撮像制御部16は、撮像装置6が対象半田付処理の実行中に生成した動画データを、記憶部13に記憶させる処理中画像データ(図4)として、制御装置1に出力させる。
【0098】
つまり、S24において、撮像装置6は、撮像制御部16の制御下で、引き半田付処理の実行中、対象処理領域を対象とする動画を撮像し、記憶部13に記憶させる処理中画像データ(図4)として、動画データを生成することを開始する。
【0099】
次に、記憶部13は、撮像装置6から得られた処理中画像データ(例:処理中画像データ12(図4))と、対象処理領域の位置を表す位置データ(例:「x121、y121、z12」、「x122、y122、z12」)と、を関連付けて記憶する(S28)。このため、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、当該指摘された異常個所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた処理中画像データである動画データを取得することができる。その結果、取得した動画データを参照して、指摘された異常箇所に半田付処理がなされている途中の状態を的確に把握することができる。
【0100】
S3(図7)において対象半田付処理である点半田処理の実行が終了した後、及び、S28が終了した後、移動制御部14は、図7に示すように、駆動部4を制御して、鏝先511を所定の退避位置(第二位置の一例)まで移動させる(S4)。退避位置は、対象半田付処理の実行中における鏝先511の位置(第一の位置の一例)よりも、対象処理領域から離れた位置に予め定められている。
【0101】
例えば、退避位置は、対象半田付処理の実行中における鏝先511の位置である終点の位置(例:x11、y11、z11)よりも、Z座標が所定値「z0(z0>0)」だけ大きく、且つ、終点の位置とX、Y座標がそれぞれ同じ又は所定値「x0(x0>0、又はx0<0)」、「y0(y0>0又はy0<0))」だけ異なる位置(例:(x11、y11、z11+z0)又は(x11+x0、y11+y0、z11+z0))等に予め定められている。
【0102】
S4の後、撮像制御部16は、S23と同様に、記憶部13において、S1で取得された最小順番情報に関連付けられている撮像区分データが、対象処理領域が第一区分であること(例:「1」)を表すか否かを判定する(S5)。
【0103】
撮像制御部16は、S5において、撮像区分データが、対象処理領域が第一区分であることを表すと判定した場合(S5;YES)、撮像装置6を制御し、対象処理領域を対象にした静止画を撮像させ、静止画データを生成させる。そして、撮像制御部16は、撮像装置6を制御し、生成させた静止画データを、記憶部13に記憶させる処理後画像データ(図4)として、制御装置1に出力させる(S6)。
【0104】
つまり、S6において、撮像装置6は、撮像制御部16の制御下で、対象半田付処理の後、対象処理領域を対象とする静止画を撮像し、記憶部13に記憶させる処理後画像データ(図4)として、静止画データを生成する。
【0105】
次に、記憶部13は、S6で撮像装置6から得られた処理後画像データ(例:処理後画像データ11(図4))と、対象処理領域の位置を表す位置データ(例:「x11、y11、z1」)と、を関連付けて記憶する(S7)。このため、半田付処理の実行中に、半田付処理を実行している鏝先511や鏝先511に生じた煙等を撮像した画像が、処理後画像データが表す静止画に含まれることを低減できる。これにより、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、記憶部13から取得した、指摘された異常箇所に対応する処理後画像データから、指摘された異常個所の半田付処理後の状態を確認することが容易となる。
【0106】
出力部18は、S6で撮像装置6から得られた処理後画像データ(例:処理後画像データ11(図4))を、判定装置7へ出力する(S8)。入力部19は、判定装置7によって出力された判定結果データが入力されるまで待機する(S9;NO)。入力部19に判定結果データが入力されると(S9;YES)、S10が行われる。
【0107】
S10において、入力部19は、判定装置7から入力された判定結果データを記憶部13へ出力する。記憶部13は、S8で出力部18が判定装置7へ出力した処理後画像データ(例:処理後画像データ11(図4))と、入力部19から受け取った判定結果データ(例:0(正常))と、を関連付けて記憶する。
【0108】
このため、出荷した基板に半田付けの異常箇所があると指摘された場合に、当該指摘された異常個所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた処理後画像データに関連付けられた判定結果データを取得することができる。
【0109】
これにより、当該取得した判定結果データが表す判定結果を参照することで、指摘された異常個所で半田付処理が正常に行われたか否かを容易に確認できる。その結果、指摘された異常個所での半田付処理が異常と判定されたのに誤って基板が出荷されたのか、正常と判定されたのに半田付処理後の工程で異常が発生したのかを容易に判別できる。また、記憶部13によって判定結果データが記憶された時点で、当該判定結果データが半田付処理が異常であることを示すか否かを確認し、異常であることを示していた場合には、基板の出荷を事前に防ぐこともできる。
【0110】
一方、撮像制御部16は、S5において、撮像区分データが、対象処理領域が第二区分であることを表すと判定した場合(S5;NO)、撮像装置6に対象処理領域を対象にした静止画を撮像させない。この場合、S11以降の処理が行われる。つまり、作業者は、対象処理領域を第二区分に区分することを選択することで、当該対象処理領域を撮像して生成される静止画データを記憶部13が記憶することを回避できる。これにより、画像データを不要に記憶することを回避できる。
【0111】
S5において、撮像区分データが、対象処理領域が第二区分であることを表すと判定された場合(S5;NO)、及びS10の後、処理制御部15は、対象基板上の各処理領域を対象にした全ての半田付処理が終了したか否かを判定する(S11)。
【0112】
具体的には、S11において、処理制御部15は、対象基板上に、半田付処理が行われていない一以上の処理領域が存在する場合、対象基板上の各処理領域を対象にした全ての半田付処理が終了していないと判定する(S11;NO)。この場合、S1以降の処理が繰り返される。
【0113】
一方、S11において、処理制御部15は、対象基板上に、半田付処理が行われていない処理領域が存在しない場合、対象基板上の各処理領域を対象にした全ての半田付処理が終了したと判定する(S11;YES)。これにより、図7及び図8に示す動作が終了する。
【0114】
本実施形態の構成によれば、半田付処理がなされた処理領域の位置を表す位置データと、前記処理領域を撮像した静止画データである処理後画像データと、が関連付けて記憶される。このため、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、基板の返品を待たずに、迅速に、指摘された異常箇所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた静止画データを取得することができる。これにより、取得した静止画像データを参照して、指摘された異常箇所の半田付処理後の状態を迅速に確認することができる。
【0115】
また、出荷した複数種類の基板それぞれにおいて、処理領域を表す位置データ毎に、画像データを関連付けて記憶することができる。これにより、半田付けの異常個所があると指摘された基板の種類を特定することで、当該指摘された異常個所に対応する処理領域だけでなく、当該指摘された基板の他の処理領域の半田付け処理後の状態もあわせて確認することができる。
【0116】
また、S2(図7)において鏝先511が対象処理領域に位置した後に、撮像装置6が対象処理領域を撮像し、生成した画像データが記憶される。これにより、鏝先511が対象処理領域に位置する事前に、何ら半田付処理が行われていない対象処理領域を撮影し、生成した画像データを記憶することを回避できる。
【0117】
(変形実施形態)
尚、上記実施形態は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。例えば、以下に示す変形実施形態であってもよい。
【0118】
(1)上記実施形態では、S24(図8)において、撮像装置6は、撮像制御部16の制御下で、引き半田付処理の実行中、対象処理領域を対象とする動画を撮像し、記憶部13に記憶させる処理中画像データ(図4)として動画データを生成していた。
【0119】
しかし、これに代えて、S24(図8)において、撮像装置6が、撮像制御部16の制御下で、引き半田付処理の実行中、対象処理領域を対象とする静止画を異なる複数の時点で(例えば、所定時間おきに)撮像するようにしてもよい。
【0120】
そして、S27(図8)における終了処理において、撮像装置6が、撮像制御部16の制御下で、引き半田付処理の実行中に撮像した複数の静止画を表す静止画データを、S28(図8)で記憶部13に記憶させる処理中画像データ(図4)として、生成するようにしてもよい。これにより、撮像装置6が、制御装置1の制御下で、記憶部13に記憶させる処理中画像データ(図4)として、複数の静止画を表す静止画データを生成するようにしてもよい。
【0121】
この場合、対象半田付処理である引き半田付処理の実行中、異なる複数の時点で対象処理領域を撮像することで生成された複数の静止画を表す静止画データが、当該対象処理領域を表す位置データと関連付けて記憶される。このため、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、当該指摘された異常個所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた静止画データを取得することができる。その結果、取得した静止画データを参照して、指摘された異常箇所に半田付処理がなされている途中の状態を的確に把握することができる。
【0122】
又は、公知の画像合成処理を行うことにより、撮像装置6が生成した上記静止画データが表す複数の静止画を合成し、パノラマ画像等の合成画像データを生成する合成部を、制御装置1に更に含めてもよい。合成部は、CPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータにより構成すればよい。
【0123】
これに合わせて、S27(図8)における終了処理において、撮像装置6が、撮像制御部16の制御下で、引き半田付処理の実行中に撮像した複数の静止画を表す静止画データを生成した後、合成部が、当該生成された静止画データを用いて、合成画像データを生成するようにしてもよい。そして、S28(図8)で、記憶部13が、合成部が生成した合成画像データを、処理中画像データ(図4)として、対象処理領域の位置を表す位置データと関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0124】
この場合、対象半田付処理である引き半田付処理の実行中、異なる複数の時点で処理領域を撮像することで生成された静止画データが表す複数の静止画を合成した合成画像データが、対象処理領域の位置を表す位置データと関連付けて記憶される。このため、出荷した基板に半田付けの異常個所があると指摘された場合に、当該指摘された異常個所に対応する処理領域の位置を表す位置データに関連付けられた合成画像データを取得することができる。その結果、取得した合成画像データを参照して、指摘された異常箇所に半田付処理がなされている途中の状態を的確に把握することができる。
【0125】
(2)上記実施形態及び変形実施形態において、S3(図7)の実行前に、S23及びS24(図8)と同様の処理を実行するようにしてもよい。これにより、撮像装置6が、撮像制御部16の制御下で、点半田付処理の実行中にも、撮影区分データが第一区分に区分された対象処理領域を対象とする動画又は複数の静止画を撮像し、記憶部13に記憶させる処理中画像データ(図4)として、動画データ又は静止画データを生成するようにしてもよい。
【0126】
そして、S3(図7)の実行後、且つ、S4(図7)の実行前に、S28(図8)と同様に、記憶部13が、撮像装置6から得られた動画データ又は静止画データを、処理中画像データ(図4)として、対象処理領域の位置を表す位置データと関連付けて記憶するようにしてもよい。または、記憶部13が、撮像装置6から得られた静止画データを用いて合成部によって合成された合成画像データを、処理中画像データ(図4)として、対象処理領域の位置を表す位置データと関連付けて記憶するようにしてもよい。
【0127】
(3)制御装置1が、出力部18及び入力部19を備えないようにしてもよい。これに合わせて、図7に示すS8乃至S10を省略してもよい。
【0128】
(4)制御装置1が、選択部17を備えないようにしてもよい。これに合わせて、記憶部13が、撮像区分データ(図4)を記憶しないようにしてもよい。そして、S5(図7)を省略して、S4の後、S6以降の処理が行われるようにしてもよい。同様に、S23(図8)を省略して、S22の後、S24以降の処理が行われるようにしてもよい。
【0129】
(5)S4(図7)を省略してもよい。又は、S11(図7)が行われた直後、S11における判定結果によらずに、S4を行うようにしてもよい。
【0130】
(6)保持部3(アーム20(図3))が撮像装置6を保持しないように構成してもよい。そして、撮像装置6を、制御装置1の制御下で撮像方向を変更可能なように構成し、対象基板よりも上方の位置で直交型四軸駆動ロボット2に取り付けてもよい。
【0131】
(7)半田付装置100に、直交型四軸駆動ロボット2を備えないようにしてもよい。これに合わせて、移動制御部14及び撮像制御部16を制御装置1に備えないようにしてもよい。そして、作業者が、半田付処理を手動で行える半田鏝を用いて、基板上の対象処理領域に半田付処理を行った後、操作部12を用いて、撮像装置6に対象処理領域を撮像させて静止画データを生成させる操作を行えるようにしてもよい。これに合わせて、作業者が、操作部12を用いて、当該生成された静止画データを対象処理領域の位置を表す位置データと関連付けて記憶部13に記憶させる操作を行えるようにしてもよい。
【0132】
(8)半田付処理を行う対象の基板が一種類しか存在しない場合には、記憶部13が基板情報(図4)を記憶しないようにしてもよい。又は、半田付処理を行う対象の基板が複数種類存在するが、各基板に半田付処理を行う対象の処理領域が一個しか存在しない場合がある。この場合、記憶部13が、各基板情報に関連付けて、一個の処理領域についての処理区分情報、位置区分情報、位置データ、方角データ、条件データ、撮影区分データ、画像データ、判定結果(図4)だけを記憶できるようにしてもよい。
【0133】
(9)半田鏝51(図2図3)に代えて、制御装置1の制御下で、先端部から半田SLを溶融可能な熱風を吹き出す熱風装置(加熱工具の一例)を、半田鏝ユニット5(図2図3)に備えるようにしてもよい。そして、S3(図7)及びS25(図8)において半田付処理を実行するときに、処理制御部15が、熱風装置を制御し、熱風装置の先端部から熱風を噴出させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1 制御装置
13 記憶部
14 移動制御部
16 撮像制御部
17 選択部
18 出力部
19 入力部
3 保持部
4 駆動部
41 第一駆動部(駆動部)
42 第二駆動部(駆動部)
43 第三駆動部(駆動部)
44 第四駆動部(駆動部)
5 半田鏝ユニット
51 半田鏝(加熱工具)
52 半田供給機構
6 撮像装置
61 支持部材
7 判定装置
100 半田付装置
SL 半田
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8