【実施例】
【0035】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0036】
本実施例は、袋詰め可燃ゴミAからメタン発酵好適物を製造するメタン発酵好適物の製造装置であって、袋詰め可燃ゴミAを破袋する破袋部1と、この破袋処理された破袋処理済みゴミBを乾式選別手段により粒度差選別する第一選別部2と、この第一選別部2で選別された粒度差選別処理済みゴミCを湿式選別手段により比重差選別する第二選別部3とを備えたものである。尚、袋詰め可燃ゴミAとは、ビニール袋に詰めて廃棄される可燃性を有するゴミ(都市ゴミ)である。
【0037】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0038】
破袋部1は、
図1,2に図示したように上部にホッパー13aを備えた破袋本体13内に、周面に刃部14a’,14b’を有する一対の回転軸体14a,14bを水平対向位置に間隔を介して架設状態に設けた構造(所謂二軸破袋構造)である。
【0039】
また、破袋本体13の下部は開口状態に設けられ、刃部14a’,14b’によって破袋された破袋処理済みゴミBのゴミ排出部13bとして構成されている。
【0040】
従って、ホッパー13aから投入された袋詰め可燃ゴミAは、回転軸体14a,14b同士の間を通過しつつ破袋され、この破袋された破袋処理済みゴミBは、ゴミ排出部13bから排出される。
【0041】
また、本実施例では、ゴミ排出部13bの下部にベルトコンベアが設けられ、第一選別部2へ破袋処理済みゴミBを搬送する第一搬送部15として構成されている。
【0042】
第一選別部2は、
図1,3に図示したように左右壁部16aと底壁部16bとから成る第一選別本体16の左右壁部16aに、複数本のローラー体4を所定の隙間Sを介して回転自在に並設して成るローラー搬送部5を有するものであり、各ローラー体4は同一方向(搬送方向)に回転するように構成されている。
【0043】
この各ローラー体4の周面には、該ローラー体4の長さ方向に所定の間隔Tを介して突起部17が並設されており、この各突起部17はローラー体4に略三角形状の板材を被嵌して設けられている。
【0044】
従って、ローラー体4の回転により上部に載置されたものは突起部17との摩擦によって搬送される。
【0045】
また、ローラー搬送部5には、
図4に図示したように隣接するローラー体4同士の隙間Sと、この各ローラー体4に設けられる突起部17同士の間隔Tとから成る升目状のふるい穴2aが多数設けられており、このふるい穴2aの目幅は、隙間S(縦長)及び間隔T(横長)ともに50〜150mmの間で設定される。
【0046】
また、第一選別本体16の底壁部16bは、テーパー状に設けられており、この底壁部16bの最下部は開口状態に設けられ、ローラー搬送部5のふるい穴2aを通過した通過落下ゴミC1のゴミ排出部16b’として構成されている。
【0047】
従って、ローラー搬送部5で搬送される破袋処理済みゴミBのうち、ふるい穴2aを通過した通過落下ゴミC1はゴミ排出部13bから排出される。
【0048】
また、第一選別本体16は、
図3に図示したように設置架台18上に設けられており、長さ方向(搬送方向)の一端部(ローラー搬送部5の搬送方向上流側)は、設置架台18上に上下擺動自在に枢着され、他端部(ローラー搬送部5の搬送方向下流側)は、設置架台18上に設けられた昇降部19に連結されている。
【0049】
この昇降部19は、設置架台18に擺動自在に立設されるネジ棒19aと、このネジ棒19aに被嵌されナット19b’の螺動により上下移動する移動筒19bとで構成され、この移動筒19bに第一選別本体16の他端部は枢着されている。
【0050】
従って、第一選別本体16は、昇降部19の作動により設置架台18に対して傾動自在となり、よって、ローラー搬送部5は、搬送方向下流側が上方位置となるように所定角度に上り傾斜状態となる。本実施例では、ローラー搬送部5の傾斜角度は5〜30度の間で設定される。
【0051】
以上から、第一選別部2において、ローラー搬送部5に破袋処理済みゴミBを導入すると、回転するローラー体4同士の隙間S(ふるい穴2a)を通過落下する通過落下ゴミC1と、ローラー体4同士の隙間S(ふるい穴2a)を通過落下せず、ローラー搬送部5の傾斜下端部から該ローラー搬送部5外に傾斜落下する傾斜落下ゴミC2と、前記ローラー体4同士の隙間S(ふるい穴2a)を通過落下せず、ローラー搬送部5の傾斜上端部から該ローラー搬送部5外に乗り越える傾斜乗り越えゴミDとに選別される。つまり、第一選別部2により破袋処理済みゴミBは乾式選別手段により粒度差選別される。
【0052】
また、本実施例では、ゴミ排出部16b’の下部にベルトコンベアが設けられ、第二選別部3へ粒度差選別処理済みゴミC(通過落下ゴミC1)を搬送する第二搬送部20として構成されている。尚、
図1では第二搬送部20を通過落下ゴミC1のみを粒度差選別処理済みゴミCとして第二選別部3へ搬送しているように図示しているが、通過落下ゴミC1及び傾斜落下ゴミC2の双方を粒度差選別処理済みゴミCとして第二選別部3へ搬送することも可能である。これは、傾斜落下ゴミC2もメタン発酵好適物となる物質を多く含む場合があるからである。
【0053】
第二選別部3は、上部一端側にホッパー21aを備えた破砕本体21に、スクリーン選別部9と、このスクリーン選別部9に導入された粒度差選別処理済みゴミCに加水する加水部10と、スクリーン選別部9の下方位置に設けられる第一排出部11と、スクリーン選別部9の上方位置に設けられる第二排出部12とを有する構造である。
【0054】
具体的には、スクリーン選別部9は、
図5,6,7に図示したように周面に複数の破砕凸部6が設けられた軸状回転体7の周面対向位置に、多数の選別孔8aが設けられた円弧板状のスクリーン体8が添設されたものである。
【0055】
この軸状回転体7は駆動源24の作動により回転し、その回転速度は、100〜600rpmに設定される。望ましくはこの回転速度は300〜500rpmである。
【0056】
また、各破砕凸部6は、基端部が軸状回転体7に枢着されており、軸状回転体7の回転に伴う遠心力で放射方向に突出状態となるスイングハンマー構造であり、スクリーン体8と共に先端部でゴミを破砕するように構成されている。
【0057】
また、各破砕凸部6は、軸状回転体7の長さ方向に並設され、この軸状回転体7の長さ方向に隣接する破砕凸部6同士が90度ずれた位置となるよう螺旋状に配置されており、ホッパー21aから導入されたゴミが破砕本体21内を一端側から他端側へ送られるように構成されている。
【0058】
また、軸状回転体7の他端部には、該軸状回転体7の長さ方向に巻き上げ破砕凸部6’が並設されている。
【0059】
この巻き上げ破砕凸部6’は、回転方向へ向けて突湾曲形状に設けられており、また、螺旋状に配されず軸状回転体7の長さ方向に直線状に配されており、破砕本体21の他端側へ送られてきたゴミを破砕するだけでなく、上方(後述する第二排出部12)へ巻き上げるように構成されている。
【0060】
スクリーン体8は、複数の円弧形状の板材を組み合わせて構成された円筒状体であり、軸状回転体7に被嵌状態に設けられている。
【0061】
また、スクリーン体8に設けられる多数の選別孔8aは円形状であり、本実施例ではこの選別孔8aの径は10〜25mmに設定されている。
【0062】
また、軸状回転体7の回転時におけるスクリーン体8表面と破砕凸部6先端との間隔は5〜20mmに設定される。望ましくはこの間隔は10mm〜15mmである。
【0063】
加水部10は、
図6に図示したようにホッパー21aの下方部位に図示省略の水供給部(水源及び供給ホース)が接続されるノズルを設けて構成されている。
【0064】
この加水部10からの水の噴射量は適宜制御され、この加水は投入するゴミに対して0〜5000Lの範囲であり、本実施例では、加水部10における加水率は、粒度差選別処理済みゴミCが5tに対して500〜2500L(ゴミに対して10〜50%)に設定されている。尚、この加水は、粒度差選別処理済みゴミCに水を含ませることで破砕し易くする他、軸状回転体7(駆動源24)にかかる負荷を低減することにも貢献する。
【0065】
第一排出部11は、
図5,6,7に図示したように破砕本体21の下部を開口状態に設けて構成されており、スクリーン選別部9によって破砕選別された選別孔通過ゴミEのゴミ排出部として構成されている。
【0066】
従って、ホッパー21aから投入された粒度差選別処理済みゴミCのうち、破砕凸部6で破砕され且つ加水部10で加水されて重量物となり、スクリーン体8の選別孔8aを通過した選別孔通過ゴミEは、第一排出部11から排出される。
【0067】
本実施例では、破砕本体21の下部に回収容体22が移動自在に設けられ、第一排出部11から排出される選別孔通過ゴミEを受けるように構成されている。
【0068】
第二排出部12は、
図5,7に図示したように破砕本体21の上部他端側にスクリーン選別部9の上部に連通する筒状体23を横設し、この筒状体23内に周面に搬送羽根23a’が螺旋状に設けられた搬送軸状体23aを設けて構成されている。
【0069】
従って、ホッパー21aから投入された粒度差選別処理済みゴミCのうち、破砕凸部6で破砕されずに且つ加水部10で加水されも重量物とならず、スクリーン体8の選別孔8aを通過しない選別孔不通過ゴミFは、巻き上げ破砕凸部6’で巻き上げられて筒状体23へ送られ、この搬送軸状体23aで搬送されて先端から排出される。
【0070】
以上から、第二選別部3において、スクリーン選別部9に粒度差選別処理済みゴミCを加水部10で加水しつつ導入すると、軸状回転体7の回転に伴い、破砕凸部6及び巻き上げ破砕凸部6’で破砕されスクリーン体8の選別孔8aを通過して第一排出部11から排出される選別孔通過ゴミEと、破砕凸部6及び巻き上げ破砕凸部6’で破砕されずスクリーン体8の選別孔8aを通過できず巻き上げられて第二排出部12から排出される選別孔不通過ゴミFとに選別される。つまり、第二選別部3により粒度差選別処理済みゴミCは湿式選別手段により比重差選別される。
【0071】
符号30は袋詰め可燃ゴミAを収集するゴミ収集車、31はメタン発酵処理装置、32はメタン発酵処理装置にメタン発酵好適物(選別孔通過ゴミE)を搬送する適宜な搬送手段(例えば搬送車両やパイプラインなど)である。
【0072】
以上の構成から成るメタン発酵好適物の製造装置を使用したメタン発酵好適物の製造工程について説明する。
【0073】
先ず、ゴミ収集車30により集められた袋詰め可燃ゴミAを破袋部1で破袋する。
【0074】
この本実施例による処理前の袋詰め可燃ゴミAの組成は、
図8の円グラフの通りである。尚、このゴミの組成は、新潟県環境分析センターにて実施したゴミ質分析法(厚生省通知 昭和52年11月4日付環整第95号別紙2のゴミ質分析方法)に基づくものである。
【0075】
続いて、この破袋処理された破袋処理済みゴミBを第一選別部2で乾式選別手段により粒度差選別する。
【0076】
具体的には、ローラー搬送部5に破袋処理済みゴミBを導入すると、回転するローラー体4同士の隙間Sを通過落下する通過落下ゴミC1と、ローラー体4同士の隙間Sを通過落下せず、ローラー搬送部5の傾斜下端部から該ローラー搬送部5外に傾斜落下する傾斜落下ゴミC2と、前記ローラー体4同士の隙間Sを通過落下せず、ローラー搬送部5の傾斜上端部から該ローラー搬送部5外に乗り越える傾斜乗り越えゴミDとに選別される。
【0077】
通過落下ゴミC1の組成は、
図9の円グラフの通りである。尚、このゴミの組成は、前述したゴミ質分析法に基づくものである。
【0078】
この通過落下ゴミC1は、例えば厨芥類や紙など(小型のゴミ)である。
【0079】
図9の円グラフを見るに、厨芥類と紙を優先的に回収できていることが分かる。不燃物も混入しているが割合は少なく、また大きなもの(金属片、ビン、缶類)の混入はほとんど見られない。
【0080】
傾斜落下ゴミC2の組成は、
図10の円グラフの通りである。尚、このゴミの組成は、前述したゴミ質分析法に基づくものである。
【0081】
この傾斜落下ゴミC2は、例えば紙やビニールなど(大型で傾斜を乗り越えない重量ゴミ)である。
【0082】
図10の円グラフを見るに、紙を多く回収できているが、通過落下ゴミC1に比して厨芥類の割合が低くビニールの割合が多い。大型で傾斜を乗り越えない重量ゴミの他、傾斜のついたローラー搬送部5を乗り越えることができずに転がり落ちる物、例えば、特にペッボトル等の円筒形物や容器系のプラスチック類、また容器系の紙なども含まれる。
【0083】
尚、缶などの不燃物も転がり落ちるが、回収物の性状として容易に磁選機等での除去が可能(吊り下げ式磁選機等で除去時に巻き込みが少ない)であり、さらに厨芥類などの高含水物が減少しているため、熱量が高く燃料化等への利用用途が考えられる。
【0084】
また、
図10の円グラフでは厨芥類が8%入っているが、ふるい穴2aの目幅調整により通過落下ゴミC1として回収可能と考える。
【0085】
傾斜乗り越えゴミDの組成は、
図11の円グラフの通りである。尚、このゴミの組成は、前述したゴミ質分析法に基づくものである。
【0086】
傾斜乗り越えゴミDは、例えばビニールや布(衣類)など(大型で傾斜を乗り越える軽量ゴミ)である。
【0087】
図11の円グラフを見るに、紙も多く回収されているが、ローラー搬送部5が傾斜しているため、大きな布や切れていないビニールなど、ふるい穴2aを通過しない平たいものが優先的に回収されている(また段ボール等の紙類も回収される)。
【0088】
また、傾斜落下ゴミC2と同様、通過落下ゴミC1として高含水物である厨芥類や紙が優先的に回収されているため、回収物の高含水物が減少し、熱量が高く燃料化等への利用ができる。
【0089】
また、6%の厨芥類は、布やビニールへの付着物や野菜の皮などである。
【0090】
以上のように第一選別部2で選別された通過落下ゴミC1及び傾斜落下ゴミC2の双方は、粒度差選別処理済みゴミCとして第二選別部3へ送られ、傾斜乗り越えゴミDは、発酵に適さないゴミとして処理(焼却処理等)される。尚、傾斜落下ゴミC2も粒度差選別処理済みゴミCとして採用したのは厨芥類の回収量増加を優先したためであり、より良好なメタン発酵好適物を得るのであれば通過落下ゴミC1だけを粒度差選別処理済みゴミCとして採用する。
【0091】
続いて、第一選別部2で選別された粒度差選別処理済みゴミC(通過落下ゴミC1及び傾斜落下ゴミC2)を第二選別部3で湿式選別手段により比重差選別する。
【0092】
具体的には、スクリーン選別部9に粒度差選別処理済みゴミCを加水部10で加水しつつ導入すると、軸状回転体7の回転に伴い、破砕凸部6で破砕されスクリーン体8の選別孔8aを通過して第一排出部11から排出される選別孔通過ゴミEと、破砕凸部6で破砕されずスクリーン体8の選別孔8aを通過できず巻き上げられて第二排出部12から排出される選別孔不通過ゴミFとに選別される。
【0093】
選別孔通過ゴミEの組成は、
図12の円グラフの通りである。尚、このゴミの組成は、前述したゴミ質分析法に基づくものである(選別孔通過ゴミEは液状で排出されるため、組成分析が不可能であり、粒度差選別処理済みゴミCと選別孔不通過ゴミFとの関係から分別割合が出されている。)。
【0094】
この選別孔通過ゴミEは、例えば紙や厨芥類など(水を含むことで破砕され易くなり細かく破砕される重量ゴミ)である。
【0095】
更に、この選別孔通過ゴミEについて確認したところ、選別孔通過ゴミEの固形分中の有機物の割合(有機物比率)が75〜85重量%、即ち、固形分量(TS)は17.2重量%で、有機物濃度(強熱減量)は14.6重量%であり、これから算出される有機物比率(VS/TS)は84.9重量%であった。また、水分率が85重量%以下、最大径が15mmであった。
【0096】
従って、有機物比率が高いことから、メタン発酵処理後において残渣量の少ないメタン発酵好適物と言える。
【0097】
図12の円グラフを見るに、回収物はほとんど紙と厨芥類である。粒径を均一化可能であり、流動・吸引移送にも対応可能である。尚、乾式メタン発酵に適応する場合、加水を行わず、TSが高い状態で回収も可能である。
【0098】
また、布が除去されているため、過負荷で機器が停止することを防止できる。
【0099】
選別孔不通過ゴミFの組成は、
図13の円グラフの通りである。尚、このゴミの組成は、前述したゴミ質分析法に基づくものである。
【0100】
この選別孔不通過ゴミFは、例えばビニールなど(水を含まず破砕されにくい軽量ゴミ)である。
【0101】
図13の円グラフを見るに、破砕凸部6で破砕されないビニールや布などの発酵に適さない物が多く回収されており、これら選別孔不通過ゴミFは水を多く含まないため、熱量が高く、燃料化等への利用用途が考えられる。
【0102】
また、紙が21%あるがこれはコート紙などであり、メタン発酵に適しない(難発酵分解物)ものである。よって燃焼適物として回収することができ、メタン発酵後の発酵残差量の低減が可能である。尚、コート紙はコーティングされているため、加水しても水分を含みずらく、そのため軽量物として破砕本体21内を舞いながら搬送される。逆にティッシュペーパー、新聞紙等は水分を含み重くなるため、破砕凸部6で細かく破砕されてメタン発酵好適物(選別孔通過ゴミE)となる。
【0103】
尚、前述した選別孔通過ゴミE以外の袋詰め可燃ゴミA,破砕処理済みゴミB,粒度差選別処理済ゴミC,傾斜乗り越えゴミD及び選別孔不通過ゴミFにおける低位発熱量を計算した結果は
図14の通りである。
【0104】
以上のように第二選別部3で選別された選別孔通過ゴミEはメタン発酵好適物として利用され、選別孔不通過ゴミFは発酵に適さないゴミとして処理(焼却処理等)される。
【0105】
実際に本実施例で得られた有機性廃棄物としてのメタン発酵好適物(選別孔通過ゴミE)の特性を確認する以下のメタン発酵実験(
図15,16参照)を行った。
【0106】
a. 第二選別部3の選別孔8aの径15mmで処理を行った有機性廃棄物を使用。
b. 720mLバイアル瓶に消化汚泥300mL、有機性廃棄物投入濃度を4g/L
(TS基準として)とする。※300mL消化汚泥を使用しているため、1.2g
分のTS分が必要であり、投入した有機性廃棄物はTS17.2重量%の場合、約
7gとなる。
c. 消化温度36℃・無撹拌で消化日数は20日間とした(実験は2連)。
d. 2、5、10、20日目にpH、ガス量、ガス組成の測定を行い、20日目実験
終了時にバイアル瓶を開封し、溶解性COD、アンモニア性窒素、TS、VSの測
定を行った。
e. 比較対象として、消化汚泥のみで発酵実験を行った。
f. この実験の際の有機性廃棄物への加水率は1.34とした。
【0107】
以上の実験から、発生したガスのメタンガス濃度(メタン含有率)は、約66重量%、メタンガス発生量(補正後メタン回収ガス発生率)は約174Nm
3/t−メタン発酵好適物、TS分解率や約53%、VS分解率は約63%であり(
図17参照)、非常に実用性の高い物であることが確認できた。
【0108】
よって、本実施例によれば、有機物濃度が高くメタン発酵処理後の残渣量の少ないメタン発酵好適物が簡易且つ確実に得られることになる。
【0109】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。