【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、様々な油に関連する製品を貯蔵することができ、かつ、バンカリングすることができ、建造、保守及び修理が容易であり、製造及び費用の理由から可能な限り標準化することができ、また、海上又は任意のタイプの海底土壌を伴う海岸付近の場所において容易に展開することができる、費用効果が高く、多用途で自由度の高い港湾プラントシステムが必要とされている。
【0020】
本発明は、LNG、油製品及びバンカリングのための浅瀬の海底ターミナルであって、安定した港湾基礎が形成されるように、海底上の杭に配置されて杭によって支持される少なくとも1つの取り外し可能な海底基礎構造を備える、浅瀬の海底ターミナルに関する。貯蔵モジュールが、基礎構造の上部に取り外し可能に配置され、海底ユニットを形成し、少なくとも1つの海底ユニットは海底ターミナルを構成する。
【0021】
本発明の別の目的は、安定した基礎を海底現場に固定するために、下方に突出する開口スカートの使用を必要としないように設計される海底ターミナルを提供し、海底基礎構造の底面が海底と部分的に又は完全に接触する必要もない。実際には、海底構造は、使用される杭によって完全に支持され、杭に載ることができる。
【0022】
本発明は、組み立てられた海底ターミナルを確立する方法、海底基礎構造の係留構造、及び、海底基礎構造に浮体式モジュールを導入する方法にも関する。
以下、LNG(液化天然ガス)という一般的な名称を、液体状態まで冷却される天然ガスに使用する。メタンを摂氏約−161度まで冷却することが一般的であるが、本発明は、エタン、メタン、プロパン及びブタンのような冷却されたガス等の他のタイプの石油製品にも適用可能である。加えて、本発明は、油及び油製品の貯蔵、積み込み及び積み下ろしに使用することができる。
【0023】
本発明の目的は、貯蔵ユニットを有する多用途の浅瀬の海底ターミナル、及び、そのような海底ターミナルを確立する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、ターミナルと支持構造との間のいかなる相対運動も、また、海底とターミナルとの間のいかなる相対運動も可能にすることなく、貯蔵モジュール内に貯蔵される液体の大きな重量によって生じる、非常に大きい垂直荷重を海底土壌に伝達するように設計されている海底ターミナルを提供することである。
【0024】
本発明の更なる目的は、自由度が高く、費用効果が高く、ほとんどのタイプの海底土壌条件において確立するのが容易である浅瀬の海底ターミナルを提供することである。
本発明のまた更なる目的は、様々な油関連製品を貯蔵し、かつ、バンカリングを行うために転換するのが容易な浅瀬の海底ターミナルを提供することである。
【0025】
本発明のまた別の目的は、必要な程度までサイズを容易に拡張又は低減することができるという点で拡大縮小可能である浅瀬の海底ターミナルを提供することである。
本発明の別の目的は、重力ベースの構造を設置することができないか又は法外に高価である未固結土壌の河川デルタ及び海底エリアにおいて見られるような、極めて柔らかく泥質の土壌に必要な場合に位置付けることもできる、海岸付近の貯蔵システムを提供することである。
【0026】
本発明の更なる目的は、その荷重支承構造のいかなる大きな体積変更も行うことなく、極度の高潮中に大きな浮力の揚圧力に抵抗するための構造的な能力が与えられ得ることである。
【0027】
また、本発明の目的は、幾つかのより小さいユニットとして建造することができる、海上のLNG、油製品及びバンカリングのための自由度が高く海底に位置付けられる海底ターミナルを提供することであり、この場合、各ユニットは、個々に、杭打ちによって支持されて海底まで下降されることができるため、全てのユニットが、所望の方向への、代替的には幾つかの異なる方向への係留地点を有する海底ターミナルを最終的に形成する。
【0028】
本発明のまた別の目的は、海底ターミナルのユニットのそれぞれの建造を、手頃な価格で効率的に、また従来の建設現場において、好ましくは乾ドックの使用を伴う造船所において可能な限り完全に可能にすることである。それによって、海上における費用のかかる仕上げ作業が最小限に抑えられる。建造現場における最終的な艤装の後で、ユニットのそれぞれは、設置場所まで運ばれるか又は曳航され、最終的に、既知の技法を使用して下降される。
【0029】
また、本発明の目的は、海水面上で大きな体積の液体を貯蔵することによって生じる、大きな垂直荷重の海底への安全な伝達を確実にすることである。
また、本発明の目的は、海底基礎構造及び貯蔵モジュールを備える海底ターミナルであって、それぞれが他方に適合され、時間及び費用効果が高い方法で貯蔵モジュールの結合を簡略化するように特別に設計されている、海底ターミナルを提供することである。
【0030】
また、本発明の目的は、上甲板機器を有する貯蔵モジュールの迅速かつ安全な設置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の目的は、独立項によって更に規定されるような、浅瀬の海底ターミナル、及び、そのような海底ターミナルを確立する方法によって達成される。本発明の実施形態、代替形態及び変形形態は、従属項によって規定される。
【0032】
本発明の主要な特徴は、ベース構造に、少なくとも、垂直壁構造から横方向に延び、多かれ少なかれベース構造の外周に沿っても延び、浮揚性の取り外し可能なモジュールを支持するように構成されている水中ビーム又はベーススラブが設けられ、ビーム又はスラブには、海底土壌内に押し下げられる杭を受け入れるように構成されている、水中ビーム又はスラブを通って延びるスリーブ又はダクトが設けられることである。海底基礎構造には、ベース構造の全体的な設置面積を覆う底部スラブも設けることができるか、又は、海底構造には、垂直壁構造から限られた距離のみを延び、浮揚性モジュールを支持する水中面を形成する横方向に延びるビームを設けることができる。
【0033】
1つの実施形態によると、杭のヘッドは、海水面の下で、好ましくはビーム又はスラブの上面と面一に終端することが意図される。さらに、スリーブ又はダクトは、垂直線と角度αを形成することができ、杭打ちされると杭を傾斜位置に固定する。
【0034】
壁構造は、ベース構造の一体部分を形成することができ、海底基礎構造ユニットを形成し、バラストで安定させる手段を設けることができる。壁構造の少なくとも部分が水面の上に延びる。
【0035】
1つの実施形態によると、海底基礎構造には、壁構造を通して杭打ちするためのダクト又はスリーブも設けることができ、そのようなダクト又はスリーブは、壁構造の上部から壁構造の底部を通って延びる。さらに、海底基礎構造には、閉止機構によって閉止することができる、浮揚性モジュールを結合するための壁構造の開口部を設けることができ、ベース構造の外周内で閉止された壁構造を形成する。1つの実施形態によると、ダクト又はスリーブには、下側端にシール装置を設けることができ、グラウトが下方に逃げることを防止する。
【0036】
さらに、ダクト又はスリーブの内側面には、杭が内側のダクト又はスリーブの壁に直接接触することを防止するように構成されているスペーサが好ましくは上側端及び下側端に設けられ、それによって、グラウトを充填するための環状部を確立する。
【0037】
ダクト又はスリーブの内側面には、多くのせん断提供装置を設けることができ、ダクト又はスリーブの内側壁面と杭の外側壁面との間の適切なせん断及び付着を確実にする。
1つの実施形態によると、ベース構造は、貯蔵モジュールと同じ数の隔壁に分割することができ、隔壁の垂直壁が構造ビームを形成するため、貯蔵モジュールの垂直力がベース構造の構造ビームに直接的に伝達され、浮体式モジュールを、機械的なロック装置によって、又は、例えばせん断力プレートを海底基礎構造に溶接することによって、ベース構造にロックすることができる。
【0038】
本発明によると、少なくとも1つの取り外し可能な海底基礎構造が、海底内に延びる杭に配置されるとともに杭によって支持されるため、安定した港湾基礎が形成される。海底基礎構造は、浮き装置が設けられるベース構造、及び、同様に浮き装置が設けられる上方に延びる壁構造を備える。壁構造は、ベース構造の外周の少なくとも一部に沿って配置され、浮揚性貯蔵モジュールを導入するために、壁構造の少なくとも1つの開口部を含む。浮揚性モジュールは、壁構造内でベース構造の上部に取り外し可能に配置され、少なくとも杭打ちによって海底により支持される海上ユニットを一緒に形成する。
【0039】
本発明の好ましい実施形態によると、壁構造は、海水基礎構造ユニットを形成するベース構造の一体部分である。海底基礎構造の壁構造は、海水面の上にある(しかし、壁構造は海水面の下にあってもよい)。水上に海底基礎構造の部分を有することの利点のうちの幾つかは、図面に示されているように、
a)水線面が、海底基礎構造の設置を容易にするとともに、それについての不確実性を低減する。
【0040】
b)海底構造の部分が、貯蔵モジュールの浮動及び設置を容易にするとともに簡略化する。
c)杭打ち機械を、水位の上の海底基礎構造に配置することができ、これは費用及び時間を低減する。
【0041】
d)水位の上の海底基礎構造は、船舶の衝突に対する付加的な保護を表す。
e)幾つかの機器、例えば貨物積み込みアームを、幾つかの場合に海底基礎構造に設置することができ、したがって、貯蔵モジュールから少し離れる。
【0042】
本発明の1つの実施形態によると、海底基礎構造は、壁構造の上部から壁構造の底部を通って延びる、ベース構造を通して、可能性としては壁構造を通して杭打ちする手段を有する。
【0043】
海底基礎構造の断面図は、円形、正方形、矩形、楕円形又は更には多角形を含む様々な形状を有する。海底基礎構造はコンクリート及び/又は鋼から作られる。
本発明の1つの実施形態によると、海底基礎構造はジャケットフレーム構造である。
【0044】
本発明の1つの好ましい実施形態によると、海底基礎構造は、矩形の形状を有するコンクリートから作られ、貯蔵モジュールにおける隔壁と同等のベース構造における隔壁を有して予め製造される。
【0045】
さらに、海底基礎構造は、水面に浮くプレハブモジュールであり、バラストで安定させる手段を有する。基礎構造は、海底に配置されるとともに杭打ちによって支持され、可能性としては、少なくとも底部ベース構造を通って延びる、壁構造に沿って杭打ちする手段も有する。
【0046】
代替的には、杭は、海底基礎構造の上方に延びる壁構造及びベース構造も通して押し込まれてもよい。
本発明の1つの実施形態によると、貯蔵モジュールは、円形、正方形、矩形、楕円形、又は更には多角形のような基礎構造と同様の断面形状を有する鋼から作られる。有利には、貯蔵モジュールは、海底基礎構造と同じ形状を有する。
【0047】
本発明によると、浮体式貯蔵モジュールが、壁構造内でベース構造の上部に配置され、バラストで安定させる手段を有する。貯蔵モジュールは、LNG、LPG、他のバンカリングの油製品を貯蔵する多用途のモジュールであり、少なくとも1つの隔壁を含む。さらに、ベース構造は、貯蔵モジュールと同じ数の隔壁に分割され、隔壁の垂直壁が構造ビームを形成するため、貯蔵モジュールの垂直力が、ベース構造の構造ビーム内に直接的に、及び、垂直な杭内に直接的に伝達され、これは、その後で大きい荷重を土壌内に伝達するはずである。
【0048】
本発明による杭を使用することの重要な利点は、杭が張力及び圧縮の双方を受け取ることができ、同時に、効率的かつ費用効果が高い方法で、寸法としての様々な長さの杭長さを可能にすることである。ダクト又はスリーブの数、位置及び寸法は、更なる杭打ちが後の段階で必要とされる場合に、余分な使用されないダクト又はスリーブが設けられるように構成することができる。
【0049】
大きい貯蔵モジュールによって誘発される垂直荷重は、幾つかの場合に膨大であり、安全な垂直荷重の伝達を確実にする荷重伝達システムは、安全で信頼性の高い作業を確実にするために必須である。例として、原油の160,000m
3貯蔵タンクは、公称で145,000トンの垂直荷重を生じる。そのようなモジュールのモジュール設置面積が例えば5,000m
2であると仮定すると、海底構造及び海底に対する垂直荷重は、約30トン/m
2プラス安全率である。そのような大きい垂直力の安全な垂直荷重伝達は、本発明に従って、貯蔵モジュールの下の基礎構造に多くの杭を位置付けることによって確実にすることができる。本発明によると、そのような大きい垂直荷重の伝達は、杭打ちシステムを、非常に柔らかい土壌から密な土壌まで、種々の土壌のタイプに適合することができるため、ほぼ任意のタイプの土壌において可能である。
【0050】
本発明の大きな利点は、基礎構造の杭を、上昇する浮力を吸収するために張力に関して設計することもできることである。この特徴は、土壌が限られた垂直の下方への保持能力しか有しない、河川デルタ等の極めて柔らかい土壌における設置を容易にする。
【0051】
さらに、多かれ少なかれベース構造の設置面積の全体を覆うのに使用される底部スラブの構造に起因して、都合良く使用される利用可能な杭の総数、及び、隣り合う杭間の距離、及び、そのような数の杭の位置に関して、大きな自由度が達成される。これは、土壌条件が乏しいか若しくは柔らかく、及び/又は、高波及び高潮等の極端な環境の荷重及び衝撃が生じる可能性があるエリアにおいて特に重要であり得る。
【0052】
加えて、杭打ちされた基礎のこの特徴は、本発明による貯蔵システムが、極端な100年の場合の水位が通常の海水面の上の8メートル〜9メートルにも上昇する可能性のある、浅瀬の温帯性低気圧及び高潮に晒されるエリアに設置される場合にも非常に有用である。そのような場合、基礎杭は、上昇する浮力の大きい部分を受け取るように設計することができ、一方で、これらの極端な一時的な揚圧力の他の部分は、貯蔵モジュールの能動的な水バラストによって抵抗を受けることができる。大きな垂直の構造力の効率的な伝達を有するために、ベース構造及び貯蔵モジュールの主な構造ビームが鏡像の構造接触面を有することも利点である。これは、隔壁貯蔵モジュールからの垂直力が、ベース構造の主な構造ビームに好ましくは直接的に伝達されることを意味する。
【0053】
貯蔵モジュールは、プレハブであり、ベース構造の外周の壁構造内で海底基礎構造に形状嵌めされる。貯蔵モジュールは、重力に起因してその構造的な重量及び水バラストによってベース構造に載る。加えて、貯蔵モジュールは、極端な潮汐の水、嵐による洪水又は津波に起因する貯蔵モジュールに対するいかなる極端な環境的に生じる揚圧力にも抵抗するために、(既存の技法によって)機械的に、又は、例えば海底基礎構造にせん断力プレートを溶接することによってロックすることができる。
【0054】
本発明の1つの実施形態によると、海底基礎構造は、海底ユニットを構成する貯蔵モジュールと嵌合し、少なくとも1つの海底ユニットは海底ターミナルを構成する。
別の実施形態によると、海底ユニットは、2つ以上の係留地点が形成されるように配置することができ、この場合、上記係留地点は、互いに対して90度等の角度を形成する。
【0055】
海底ユニットには、衝突によって生じる損傷からユニットを保護する手段を設けることができ、当該手段は、船に面する表面から突出する要素を含み、上記手段は、好ましくは、海底ターミナルに沿って係留されることが意図される船の係留地点としても働き、好ましくは砕波効果にも寄与する。衝突保護の手段は、設置位置にあるときに、水位線を通って下に延びるように構成することができる。
【0056】
係留プラットフォームの高さは、低いが安全な高さにおいて海水面の上に配置されるべきであり、広範な様々なサイズの船を係留するための自由度を提供する。
本発明の重要な分野は、上甲板機器を有する貯蔵モジュールの迅速で安全な設置を有することである。これは、全体的な設置の費用のかかる部分である(90%〜95%)。少なくとも杭によって安定化されて予め海底と同じ高さにされる、予め設置されるベース基礎を有することによって、貯蔵モジュールの設置を数時間以内に行うことができる。
【0057】
本発明によると、海底ターミナルを配置する方法も提供される。この方法は、以下のステップ、すなわち、
少なくとも1つの浮体式のプレハブの基礎構造を、現場まで曳航し、海底に対してバラストで安定させて海底基礎を形成するステップ、
海底基礎構造を、ベース、及び可能性としては壁構造を通した杭打ちに安定して載せるとともに杭打ちによって支持するステップ、
少なくとも1つのプレハブの浮体式の貯蔵モジュールも現場まで曳航し、ベース構造の外周の壁構造の開口部を通して基礎構造内にガイドし、ベース構造に対してバラストで安定させて嵌合させるステップ、
を含む。
【0058】
本発明の利点は、波が破断及び相殺効果によって効率的に減衰されるように、海底ユニットを配置することである。海底ターミナルを形成する本発明による海底ユニットは、必要な距離に離間して配置される。ユニット間の距離は、減衰されることが意図される波の周波数、及び、ユニット間を通ることが可能な周波数によって決まる。この距離は、既知の方法で計算することができるか、又は、基本的な実験によって分かる。
【0059】
加えて、海底ターミナルがより小さいユニットで製造されることがかなり有利で経済的な建設方法である。したがって、幾つかの作業場が、かなりの程度まで従来の造船所において製造することが可能である構造を完成させることができる。加えて、設置がはるかに危険でなくなる。
【0060】
本発明による更なる利点は、本発明によるLNGのための海底ユニットを構成する海底基礎構造を、大洋底まで下降させ、取り外し、移動させ、必要に応じて既知の技法を使用して新たな個々の構造を形成するように交換することができることである。
【0061】
本発明は、LNGのための海底ターミナルにおける様々なタイプの手段を非常に費用効果が高い方法で導入する可能性を提供する。局所的な波スペクトルを考慮することによって、海底ユニットのそれぞれの海底基礎構造が波エネルギーを減衰する手段を有して構成されると同時に、ユニット間の距離が最適であるときにかなりの減衰を達成することが可能であり得る。
【0062】
海底ターミナルの海底ユニットにかなりの高さが与えられ、係留された船の風除けも提供する。
海底ターミナルの海底ユニットは、大型のタンカー船の容量に対応する、通常は最高で150,000トンの自重の海底ターミナルのいかなる動きも伴うことなく、貯蔵モジュールの内部に貯蔵される高重量の液体から海底への非常に大きな垂直荷重を受けるように設計することができる。この能力の幾らかは、海底ターミナルの水平な設置面積を維持しながらも、貯蔵体積の高さを増大させることによって得ることができる。
【0063】
加えて、本発明は、様々な土壌条件において海底ターミナルを確立する可能性を提供する。海底土壌の密度、組成、圧密及び地質は、1つの海底場所から別の場所に大きく変わる可能性がある。これは、海底土壌の荷重支承能力に直接的な影響を有し、したがって、可能性としては、海底によって支持されるはずである海底構造の予測可能で信頼性の高い基礎の解決策を見出す。1つの実施形態によると、ベース基礎は、海底に杭打ちされる半分水中の浮体の形態であり得る。この場合、ベース構造は、半分水中の構造としてバラストで安定され、ベース構造を通して、必須ではないが可能性としては海底基礎構造の壁構造を通して海底に杭打ちすることができる。これらの場合に、垂直な構造力を効率的に伝達することが重要であり、ベース構造及び貯蔵モジュールの主な構造ビームが鏡像の構造接触面を有することが有利である。これは、隔壁貯蔵モジュールからの垂直力が、好ましくはベース構造の主な構造ビーム内に直接的に、並びに、杭打ち構造内及び海底に伝達されることを意味する。試験によって、杭打ちされた海底基礎構造が、100,000トン〜120,000トンの重量を許容して耐えるはずであることが示されている。
【0064】
本発明の利点は、杭が、海水面の下で、必須ではないが好ましくは海底のより近くで終端することができることである。さらに、解決策は、多かれ少なかれ重力基礎の使用に基づいて、ベース構造が海底に完全に載るとともに海底によって直接的に支持される構造に依存しない。そのように、浮体式モジュールに作用する重量及び荷重/力が、多かれ少なかれ杭のヘッド及びその近傍においてベース構造に伝達されることができるように浮体式モジュールを構成することが可能である。
【0065】
別の利点は、本発明による海底基礎構造が、必ずしも海底に載る必要がなく、重量、力及び荷重が杭によって担持されることである。さらに、海底基礎構造は、張力、すなわち例えば高潮によって生じる構造の上昇に抵抗するために、スカートの使用に依存しない。したがって、ベース構造の下面は、海底土壌といかなる荷重支承接触も行う必要がなく、海上ターミナルの可変の動作上の環境の荷重が、杭によって受け取られる。
【0066】
十分な支承及び支持能力は、杭表面と、グラウト詰めされたダクト又はスリーブの対応する壁表面との間のせん断力によって達成される荷重支承能力に依存して得ることができる。外側杭面とダクト又はスリーブの表面との間に形成される環状部内のグラウトのために、この接合部において作用する生成されるせん断力に抵抗するために必要なせん断抵抗が得られる。
【0067】
本発明による装置は、以下の記載において添付の図面を参照してより詳細に説明することができる。