(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る二重床部材を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から
図22は、本発明の第1の実施の形態に係るフロアパネル20(二重床部材)について説明するために参照する図である。
【0028】
なお、本発明の第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、
図18,19に示すように、フロアパネル20の上面に1つのサーバーラック200を設置する場合に、そのサーバーラック200に連結される4枚のフロアパネル20を示して説明する。
【0029】
本実施の形態に係るフロアパネル20は、
図1から
図4に示すように、主にパネル本体部21と、その上面に貼り付けられたタイル22と、パネル本体部21内の埋め込まれるように配置されたガイドレール24と、ガイドレール24内に配置されたスライド部材27(第1連結部材)と、スライド部材27に連結された連結部材34(第2連結部材)等を備えて構成されている。
【0030】
パネル本体部21は、その材質にアルミニウム合金を用いたダイカスト製品であって、その上面を形成する平板部21aと、この平板部21aの裏面側に一体的に形成された複数のリブ21bを備えて構成されている(
図5,
図6参照)。
【0031】
パネル本体部21の複数のリブ21bのそれぞれは、平板部21aの裏面側から床下方向(
図5,6中下側方向)に突出すると共に、平板部21aの水平面に沿って縦横両方向(
図2中上下方向及び左右方向)に長さが伸びるように格子状に形成されている。パネル本体部21は、このような複数のリブ21bが形成されていることにより、その強度が向上するようになっている。
【0032】
また、パネル本体部21の平板部21aには、
図6に示すように、平板部21aの板厚方向(図中上下方向)に貫通する貫通孔21cが、図中紙面に対して垂直方向に伸びるように形成されている。
【0033】
貫通孔21cは、
図6に示すように、ガイドレール24をパネル本体部21内の埋め込むことができるように、ガイドレール24の幅(図中左右方向の長さ寸法)よりも大きい開口幅を有するように形成されている。
【0034】
また、
図6,8に示すように、貫通孔21cの下側にリブ21bが形成されている位置においては、ガイドレール24をパネル本体部21内に埋め込むことができるように、そのリブ21bの上端部が削り取られている。
【0035】
リブ21bは平板部21aの水平面に沿って縦横両方向に長さが伸びるように格子状に形成されているため、ガイドレール24の底板部24aの下面が、その削り取られた複数のリブ21bの上面に支持(
図8参照)されることにより、ガイドレール24は
図6中下側に抜け落ちることないように配置されている。
【0036】
また、パネル本体部21の平板部21aの上面側には、塩化ビニル系のPタイルや、HPL(ハイプレッシャーラミネート)タイル等のタイル22が貼り付けられ、パネル本体部21の平板部21aにタイル22が貼り付けられた状態で、フロアパネル20の各辺を形成するそれぞれの外周部分が共に機械切削加工されている。このため、フロアパネル20の各辺の外周部分は、その寸法精度が高く(例えば、±0、1mm以下)形成されている。
【0037】
また、タイル22における、パネル本体部21の平板部21aに形成された貫通孔21cに対応する位置には、
図6に示すように、その貫通孔21cに連通するように、タイル22の板厚方向(図中上下方向)に貫通する貫通孔22aが形成されている。
【0038】
ガイドレール24は、その材質に鋼材等を用いて、その長さ方向に垂直な断面形状がC字型(
図6参照)になるように形成されており、C字型の開口部が上方(同図中上側)に向く状態(C字を反時計回り方向に90度回転させたような状態)で、タイル22の上面から突出しないようにパネル本体部21内に埋め込まれている。
【0039】
また、
図2に示すように、1枚のフロアパネル20に設けられた2本のガイドレール24は、互いに長さ方向が平行になるように、フロアパネル20同図中略右側端部から同図中略左側端部に渡って、同図中左右方向に伸びるように配置されている。
【0040】
また、
図2中左右方向に互いに隣り合う2枚のフロアパネル20にそれぞれ設けられたガイドレール24は、
図2中上下方向の位置を互いに合わせることにより、
図2中左右方向に連続するように配置されている。
【0041】
また、
図8に示すように、ガイドレール24における、その開口部と反対側の底板部24a(
図6参照)には、その板厚方向に貫通すると共に、その開口面積が
図6中下側に向かうに従って小さくなるように、その内周面が傾斜して形成された貫通孔24bが、ガイドレール24の長さ方向に所定の間隔を空けて複数形成されている。
【0042】
また、底板部24aの貫通孔24bは、
図8に示すように、後述する皿ボルト29のオネジ部29bがリブ21bに接触することがないように、底板部24aの下側にリブ21bが形成されていない位置に配置されている。
【0043】
そして、底板部24aの貫通孔24bには、
図8に示すように、皿ボルト29のオネジ部29bが挿通すると共に、皿ボルト29の頭部29aは、その上面が底板部24aの上面より上方に突出しないように、底板部24aの貫通孔24b内に収納されている。
【0044】
また、
図6,7に示すように、パネル本体部21の複数のリブ21bの内、平板部21aの裏面側から床下方向(
図6中下側方向)に突出する長さ寸法が最も大きいリブ21bの先端部に、その長さ方向に垂直な断面形状が逆U字状の板部材25が、その開口部と反対側の上側板部25aが接触するように配置されている(
図8参照)。
【0045】
板部材25は、その長さ方向に垂直な断面形状が逆U字状(
図6参照)に形成されているため、平板状に形成されている場合に比べて、上側板部25aが上方に引張られた場合の強度が向上されている。
【0046】
また、板部材25は、ガイドレール24と略同じ長さ寸法を有するように形成されると共に、ガイドレール24の鉛直方向下側(
図6参照)において、ガイドレール24の長さ方向(
図7中左右方向)に沿うように配置されている。
【0047】
また、板部材25の上側板部25aには、
図8に示すように、ガイドレール24の底板部24aの貫通孔24bに対応する位置に、その板厚方向(図中上下方向)に貫通するメネジ孔25bが形成されている。
【0048】
そして、
図8に示すように、ガイドレール24の底板部24aの貫通孔24bを挿通して、図中下方に突出している皿ボルト29のオネジ部29bの先端部が、板部材25のメネジ孔25bにネジ締結されている。
【0049】
したがって、パネル本体部21内に埋め込まれたガイドレール24が上方に浮き上がろうとした場合には、ガイドレール24の底板部24aの貫通孔24bの傾斜した内周面が、皿ボルト29の頭部29aの下面に係合すると共に、皿ボルト29のオネジ部29bの先端部にネジ締結された板部材25の上側板部25aの上面が、パネル本体部21のリブ21bの下面に係合するようになっている。このため、ガイドレール24は、上方に浮き上がることがないようにパネル本体部21に固定されている。
【0050】
また、
図7に示すように、ガイドレール24内には、4つのスライド部材27が、ガイドレール24の長さ方向(同図中左右方向)に沿って移動できるように配置されている。
【0051】
スライド部材27は、その材質に鋼材等を用いて、
図6に示すように、図中下側の下側板部27bと、その下側板部27bにおける同図中左右方向の中央部から上方に突出する突出部27cを有するように一体形成されている。そのため、スライド部材27は、そのガイドレール24の長さ方向に垂直な断面形状が凸の字状(
図6参照)になるように形成されている。
【0052】
そして、スライド部材27は、
図6に示すように、下側板部27bの下面がガイドレール24の底板部24aの上面に接触し、突出部27cがガイドレール24の開口部に挿入された状態でガイドレール24内に配置されている。
【0053】
また、
図6に示すように、スライド部材27の上面側には、その開口面積が図中下側に向かうに従って小さくなるように、その内周面が傾斜して形成された開口部27dが形成されている。また、スライド部材27には、開口部27dに連通するメネジ孔27aが形成されている。
【0054】
前述のように、皿ボルト29の頭部29a(
図8参照)は、その上面がガイドレール24の底板部24aの上面より上方に突出しないように、底板部24aの貫通孔24b内に収納されている。そのため、スライド部材27をガイドレール24の長さ方向に沿って移動させた場合に、スライド部材27が皿ボルト29の頭部29aに衝突することはなく、ガイドレール24の
図2中右側の端部から同図中左側の端部まで、スライド部材27を自由に移動させることができる。
【0055】
また、前述のように、
図2中左右方向に互いに隣り合う2枚のフロアパネル20にそれぞれ設けられたガイドレール24は、
図2中上下方向の位置を互いに合わせることにより、
図2中左右方向に連続するように配置されている。そのため、スライド部材27は、
図2中左右方向に互いに隣り合う2枚のフロアパネル20の間を跨いで移動することができる。
【0056】
また、スライド部材27の下側板部27bの幅の寸法(
図6中左右方向の長さ寸法)は、ガイドレール24の上方に開口する開口幅の寸法(
図6中左右方向の長さ寸法)よりも大きく形成されている。
【0057】
そのため、スライド部材27は、同図中上方に引っ張られた場合でも、下側板部27bの上面が、ガイドレール24の開口部側の内周面に係合することにより
図6中上方への移動が制限されている。
【0058】
このように、スライド部材27は、同図中上方に引っ張られた場合でも、ガイドレール24の開口部を通って、ガイドレール24から抜け出す(離脱する)ことがないように形成されている。
【0059】
また、
図3,4に示すように、フロアパネル20のタイル22の上面には、連結部材34が配置されている。連結部材34は、
図9に示すように、略長方形の上面34aを有する板状に形成された天板部34bと、この天板部34bの四辺より略垂直下方に折曲げられて形成された4つの側板部34c(
図12,13参照)と、側板部34cの下端部から連結部材34の中央側に向かって略垂直に折り曲げられた折曲部34g(
図12,13参照)を備えることにより略箱状(
図11参照)に形成されている。
【0060】
また、
図9に示すように、連結部材34には、天板部34bの板厚方向(
図12中上下方向)に貫通すると共に、同図中上下方向に伸びる長孔状の開口形状を有する貫通孔34dが2つ形成されている。
【0061】
また、連結部材34は、
図12に示すように、貫通孔34dの開口部を図中下側から覆うように、天板部34bの下面34iに接合されると共に、その長さ方向(
図13中左右方向)に垂直な断面形状が略U字型のレール部材35を備えている。
【0062】
レール部材35は、そのU字型の開口部側とは反対側の底板部35aと、底板部35aの幅方向(
図12中左右方向)の両端部からそれぞれ略垂直上方に折れ曲がって、図中上方に伸びる2つの側板部35bにより形成されている。
【0063】
そして、レール部材35の側板部35bの同図中上端部が、天板部34bの下面34iに溶接等により接合されることにより、貫通孔34dの開口部は、その長さ方向(
図9中上下方向)に渡って図中下側から覆われている。
【0064】
また、連結部材34には、
図9に示すように、天板部34bの板厚方向(
図13中上下方向)に貫通すると共に、同図中左右方向に伸びる長孔状の開口形状を有する貫通孔34eが、同図中上下方向に所定の間隔を空けて4つ形成されている。
【0065】
また、
図13に示すように、天板部34bにおける貫通孔34eの周辺部分は、貫通孔34eに近づくに従って高さが低くなるように、斜め下方に折り曲げられている。そのため、天板部34bには、貫通孔34eに近づくに従って高さが低くなるように、上面34aから同図中下側に向かって傾斜する傾斜面34hが、
図9中左右方向に伸びる貫通孔34eに沿うように形成されている。
【0066】
また、
図10に示すように、天板部34bの下面34iにおける、互いに隣り合う2つの貫通孔34eの間には、その長さ方向に垂直な断面形状が略長方形状(
図13参照)の板状のリブ34fが、貫通孔34eの長さ方向に対して略平行になるように接合されている。
【0067】
そして、連結部材34は、
図9中左右方向に長さを有する長孔状の4つの貫通孔34eが、ガイドレール24内に配置された4つのスライド部材27(
図7参照)のメネジ孔27a、及び開口部27d(
図6,8参照)にそれぞれ連通するように配置されている。
【0068】
そして、
図8に示すように、皿ボルト39(固定ボルト)のオネジ部39bの先端部が、連結部材34の貫通孔34e、及びガイドレール24の開口部(
図6参照)を挿通して、スライド部材27のメネジ孔27aにネジ締結されることにより、連結部材34は、ガイドレール24に沿って移動可能なスライド部材27に連結されている。
【0069】
したがって、連結部材34が上方に引張られた場合には、皿ボルト39の頭部39aに、天板部34bの傾斜面34hが接触して係合すると共に、皿ボルト39のオネジ部39bがネジ締結されたスライド部材27は上方に引っ張られた場合でも、ガイドレール24から抜け出すことがないように形成されているため、連結部材34はガイドレール24から浮き上がって離れることがないようになっている。
【0070】
また、前述のように、連結部材34の天板部34bにおける貫通孔34e(
図13参照)の周辺部分は、貫通孔34eに近づくに従って高さが低くなるように斜め下方に折り曲げられて、連結部材34の天板部34bには傾斜面34hが形成されているため、皿ボルト39の頭部39aは、その上端部が天板部34bの上面34aより上方に突出しないように配置されている(
図8参照)。
【0071】
また、
図9に示すように、連結部材34の貫通孔34eは、ガイドレール24の長さ方向に対して垂直方向(
図2参照)の長さを有するように長孔状に形成されているため、連結部材34の
図2中上下方向の位置を貫通孔34eの長さ方向に沿って移動させることができる。
【0072】
したがって、ガイドレール24の長さ方向に沿って移動可能なスライド部材27に連結された連結部材34は、ガイドレール24の長さ方向に沿って移動することができると共に、ガイドレール24の長さ方向に対して垂直の方向(連結部材34の貫通孔34eの長さ方向)に沿って移動することもできるようになっている。
【0073】
また、連結部材34のレール部材35(
図12参照)内には、
図14,15に示すように、レール部材35の長さ方向(
図16中左右方向)に沿って移動可能なナット部材41が配置されている。
【0074】
図15に示すように、ナット部材41の径寸法は、レール部材35の底板部35aの幅寸法(
図15中左右方向の長さ寸法)よりも小さく、連結部材34の貫通孔34dの開口幅の寸法(
図15中左右方向の長さ寸法)よりも大きく形成されている。
【0075】
そのため、ナット部材41は、その
図15中上方への移動が天板部34bの下面34iに係合することにより制限され、ナット部材41が
図15中上方に引っ張られた場合でも、貫通孔34dの開口部を通って、ナット部材41がレール部材35から抜け出すことがないように形成されている。
【0076】
そして、
図15に示すように、連結部材34の貫通孔34dを通って挿入される固定ボルト26のオネジ部26bの先端部を、ナット部材41のメネジ部41aにネジ締結できるようになっている。
【0077】
図18から
図21に示すように、フロアパネル20の連結部材34の上面34a(
図9参照)には、サーバーラック200(筐体)が載置されている。また、サーバーラック200の底面を形成する底板部200bには、その板厚方向(図中上下方向)に貫通する貫通孔200cが形成されている(
図22参照)。
【0078】
図22に示すように、固定ボルト26の頭部26aの下面が、サーバーラック200の底板部200bの上面に接触して係合すると共に、固定ボルト26のオネジ部26bの先端部が、サーバーラック200の貫通孔200c、及び連結部材34の貫通孔34d(
図12参照)を挿通して、ナット部材41のメネジ部41aにネジ締結している。
【0079】
このように、固定ボルト26の頭部26aの下面が、サーバーラック200の底板部200bの上面に係合すると共に、固定ボルト26のオネジ部26bが、レール部材35内から上方に抜け出さないように設けられたナット部材41にネジ締結されているため、サーバーラック200は、フロアパネル20の連結部材34の上面34a(
図9参照)から上方に浮き上がって転倒することがないように、固定ボルト26を介してフロアパネル20に連結されている。
【0080】
また、天板部34bは補強用のリブ34f(
図10参照)を備えているため、サーバーラック200が連結部材34の上面34a(
図9参照)から上方に浮き上がって、天板部34bが固定ボルト26により上方に引張られた場合に、天板部34bが破損しにくいようになっている。
【0081】
フロアパネル20の連結部材34に連結するサーバーラック200の貫通孔200cに対して、ナット部材41の
図16中左右方向の位置が一致していない場合には、連結部材34を、ガイドレール24の長さ方向(
図2中左右方向)に沿って移動させることにより、サーバーラック200の貫通孔200cの位置に、ナット部材41の位置を合わせることができる。
【0082】
また、フロアパネル20の連結部材34に連結するサーバーラック200の貫通孔200cに対して、ナット部材41の
図14中左右方向の位置が一致していない場合には、
図2中上下方向に伸びる長孔状の貫通孔34eの長さ方向に沿って連結部材34を移動させることにより、サーバーラック200の貫通孔200cの位置に、ナット部材41の位置を合わせることができる。
【0083】
また、
図2に示す4枚のフロアパネル20においては、同図中上下方向の1列目と4列目のガイドレール24は使用されておらず、同図中上下方向の2列目と3列目のガイドレール24内に配置されたスライド部材27(
図7参照)に連結部材34が連結されている。
【0084】
そのため、フロアパネル20に連結するサーバーラック200の貫通孔200cに対して、ナット部材41の
図14中左右方向の位置が一致していない場合には、
図2中上下方向の1列目と4列目のガイドレール24内に4つのスライド部材27を配置して、その4つのスライド部材27に連結部材34を連結することにより、ナット部材41の
図14中左右方向の位置を変更することができる。
【0085】
また、サーバーラック200の幅方向の2つの隅部にそれぞれ形成された貫通孔200c(
図20中、右側と左側に示す2つの貫通孔200c)の位置に対して、2つのレール部材35内(
図16参照)にそれぞれ配置されたナット部材41の
図16中左右方向の位置を合わせる場合には、ナット部材41をレール部材35の長さ方向(
図16中左右方向)に沿って移動させることにより、サーバーラック200の貫通孔200cの位置に、ナット部材41の位置を合わせることができる。
【0086】
したがって、例えば、サーバーラック200の貫通孔200cの
図20中左右方向の位置が、更に隅部寄り(
図20中左右方向外側)に形成されていた場合には、
図16に示す2つのナット部材41が図中左右方向に互いに離れる方向に、それぞれのナット部材41をレール部材35の長さ方向に沿って移動させることにより、サーバーラック200の貫通孔200cの位置に、ナット部材41の位置を合わせることができる。
【0087】
このように、サーバーラック200のサイズ(幅と奥行き)が製品ごとに異なることにより、サーバーラック200の貫通孔200cの位置が製品ごとに異なっている場合でも、連結部材34をガイドレール24の長さ方向に沿って移動させたり、連結部材34を貫通孔34eの長さ方向に沿って移動させたり、連結部材34を連結するガイドレール24を別のガイドレール24に変更したり、ナット部材41をレール部材35の長さ方向に沿って移動させることにより、固定ボルト26とネジ締結されるナット部材41の水平方向の位置を、サーバーラック200の貫通孔200cの水平方向の位置に合わせることができる。
【0088】
したがって、サーバーラック200の設置工事に、本実施の形態に係るフロアパネル20を用いれば、サーバーラック200の製品ごとに異なる貫通孔200cの水平方向の位置を想定して、サーバーラック200を固定するための貫通孔をフロアパネル20に予め多数形成する必要がなくなる。
【0089】
また、サーバーラック200の設置工事に、本実施の形態に係るフロアパネル20を用いれば、サーバーラック200の製品ごとに異なる貫通孔200cの水平方向の位置が、予め想定できない位置であった場合に、その都度、サーバーラック200を固定するための貫通孔をフロアパネル20に形成する必要がなくなる。
【0090】
したがって、サーバーラック200の設置工事に、本実施の形態に係るフロアパネル20を用いれば、サーバーラック200の設置工事にかかる費用が高額になることを防止すると共に、施工効率が低減することを防止することができる。
【0091】
図23から
図26は、本発明の第2の実施の形態に係るフロアパネル50(二重床部材)について説明するために参照する図である。
【0092】
本実施の形態に係るフロアパネル50は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20における連結部材34の代わりに、連結部材54(第2連結部材)を備える点において、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と異なるものである。
【0093】
前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の連結部材34には、その天板部34bに長孔状の開口形状を有する貫通孔34dが2つ形成されていたが、本実施の形態に係るフロアパネル50の連結部材54には、
図23に示すように、丸孔状の貫通孔54dが2つ形成されている。
【0094】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の連結部材34には、
図12に示すように、貫通孔34dの開口部を図中下側から覆うように、レール部材35が天板部34bの下面34iに接合されていたが、本実施の形態に係るフロアパネル50の連結部材54には、
図26に示すように、天板部54bの下面54iの貫通孔54dが形成された位置に、ナット部材59が溶接等により接合されている。
【0095】
そして、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20において、
図22に示すように、固定ボルト26のオネジ部26bの先端部が、ナット部材41のメネジ部41aにネジ締結されていたように、固定ボルト26のオネジ部26bの先端部が、連結部材54の貫通孔54dを挿通して、ナット部材59(
図26参照)にネジ締結されるようになっている。
【0096】
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様である。
【0097】
このような本実施の形態に係るフロアパネル50によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様の効果を得ることができる。
【0098】
図27から
図31は、本発明の第3の実施の形態に係るフロアパネル70(二重床部材)について説明するために参照する図である。
【0099】
本実施の形態に係るフロアパネル70は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20における連結部材34の代わりに、連結部材74(第2連結部材)を備える点において、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と異なるものである。
【0100】
本実施の形態に係るフロアパネル70の連結部材74は、
図27に示すように、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の連結部材34(
図9参照)を略半分にしたような形状を有している。
【0101】
すなわち、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の連結部材34には、
図9中左右方向に伸びる長孔状の開口形状を有する貫通孔34eが4つ形成されていたが、本実施の形態に係るフロアパネル70の連結部材74には、
図27中上下方向に伸びる長孔状の開口形状を有する貫通孔74eが2つ形成されている。
【0102】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の連結部材34には、
図9中上下方向に伸びる長孔状の開口形状を有する貫通孔34dが2つ形成されると共に、それらの貫通孔34dの開口部を
図12中下側から覆うように、レール部材35が天板部34bの下面34iに接合されていた。
【0103】
一方、本実施の形態に係るフロアパネル70の連結部材74には、
図27中左右方向に伸びる長孔状の開口形状を有する貫通孔74dが1つ形成されると共に、その貫通孔74dの開口部を
図30中下側から覆うように、レール部材75が天板部74bの下面74iに接合されている。
【0104】
そして、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様に、連結部材74のレール部材75内に、レール部材75の長さ方向(
図28中左右方向)に沿って移動可能なナット部材41(
図22参照)が配置され、固定ボルト26のオネジ部26b(
図22参照)の先端部が、連結部材74の貫通孔74d(
図30参照)を挿通して、ナット部材41のメネジ部41aにネジ締結されるようになっている。
【0105】
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様である。
【0106】
このような本実施の形態に係るフロアパネル70によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様の効果を得ることができる。
【0107】
図32から
図34は、本発明の第4の実施の形態に係るフロアパネル90(二重床部材)について説明するために参照する図である。
【0108】
本実施の形態に係るフロアパネル90は、前記第3の実施の形態に係るフロアパネル70における連結部材74の代わりに、連結部材94(第2連結部材)を備える点において、前記第3の実施の形態に係るフロアパネル70と異なるものである。
【0109】
前記第3の実施の形態に係るフロアパネル70の連結部材74には、その天板部74bに
図27中左右方向に伸びる長孔状の開口形状を有する貫通孔74dが1つ形成されていたが、本実施の形態に係るフロアパネル90の連結部材94には、
図32に示すように、丸孔状の貫通孔94dが1つ形成されている。
【0110】
また、前記第3の実施の形態に係るフロアパネル70の連結部材74には、
図30に示すように、貫通孔74dの開口部を図中下側から覆うように、レール部材75が天板部74bの下面74iに接合されていたが、本実施の形態に係るフロアパネル90の連結部材94には、
図34に示すように、天板部94bの下面94iの貫通孔94dが形成された位置に、ナット99が溶接等により接合されている。
【0111】
そして、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20において、
図22に示すように、固定ボルト26のオネジ部26bの先端部が、ナット部材41のメネジ部41aにネジ締結されていたように、固定ボルト26のオネジ部26bの先端部が、連結部材94の貫通孔94dを挿通して、ナット部材99(
図34参照)にネジ締結されるようになっている。
【0112】
その他の構成は、前記第3の実施の形態に係るフロアパネル70と同様である。
【0113】
このような本実施の形態に係るフロアパネル90によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様の効果を得ることができる。
【0114】
図35から
図38は、本発明の第5の実施の形態に係るフロアパネル110(二重床部材)について説明するために参照する図である。
【0115】
本実施の形態に係るフロアパネル110は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20における連結部材34の代わりに、連結部材114(第2連結部材)を備える点において、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と異なるものである。
【0116】
前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の連結部材34は、
図9〜
図13に示すように、板状に形成された天板部34bと、この天板部34bの四辺より略垂直下方に折曲げられて形成された4つの側板部34cと、側板部34cの下端部から連結部材34の中央側に向かって略垂直に折り曲げられた折曲部34gを備えることにより略箱状に形成されていた。
【0117】
したがって、連結部材34の天板部34bの上面34aは、略全域に渡って平坦に形成されており、貫通孔34eが形成された領域と、貫通孔38dが形成された領域の間に段差は形成されていなかった(
図11から
図13参照)。
【0118】
一方、本実施の形態に係るフロアパネル110の連結部材114は、
図35に示すように、貫通孔116eが形成された平板部116と、貫通孔118dが形成された立設部118から構成され、平板部116の上面116aと、立設部118の天板部118bの上面118aの間には段差(
図37参照)が形成されている。
【0119】
立設部118は、
図37に示すように、板状に形成された天板部118bと、天板部118bの図中左側の辺部より略垂直下方に折曲げられて形成された側板部118cと、天板部118bの図中右側の辺部より略垂直下方に折曲げられて形成された垂直板部118hと、側板部118cの下端部から連結部材114の中央側に向かって略垂直に折り曲げられた折曲部118gを備えて構成されている。
【0120】
そして、平板部116は、
図37に示すように、立設部118の垂直板部118hの下端部より略垂直右方に折曲げられて同図中右方向に伸びるように形成されているため、立設部118の天板部118bとの間に、垂直板部118hの図中上下方向の長さ寸法の段差が生じるように配置されている。
【0121】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の天板部34bには、
図13に示すように、貫通孔34eに近づくに従って高さが低くなるように、上面34aから図中下側に向かって傾斜する傾斜面34hが、
図10中左右方向に伸びる貫通孔34eに沿うように形成されていた。
【0122】
一方、本実施の形態に係るフロアパネル110においては、
図35に示すように、平板部116に、貫通孔116eに近づくに従って高さが低くなるように、上面116aから
図38中下側に向かって傾斜する傾斜面は形成されていない。
【0123】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、
図10に示すように、天板部34bの下面34iにおける、互いに隣り合う2つの貫通孔34eの間に、その長さ方向に垂直な断面形状が略長方形状(
図13参照)の板状のリブ34fが、貫通孔34eの長さ方向に対して略平行になるように接合されていた。
【0124】
一方、本実施の形態に係るフロアパネル110においては、
図35に示すように、平板部116の上面116aにおける、互いに隣り合う2つの貫通孔116eの間に、その長さ方向に垂直な断面形状が略長方形状(
図38参照)の板状のリブ117が、貫通孔116eの長さ方向に対して平行になるように接合されている。
【0125】
そして、
図37に示すように、立設部118の天板部118bに形成された貫通孔118dの開口部を図中下側から覆うように、レール部材115が天板部118bの下面118iに溶接等により接合されている。
【0126】
そして、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様に、連結部材114のレール部材115内に、レール部材115の長さ方向(
図36中上下方向)に沿って移動可能なナット部材41(
図22参照)が配置され、固定ボルト26のオネジ部26b(
図22参照)の先端部が、連結部材114の貫通孔118d(
図37参照)を挿通して、ナット部材41のメネジ部41aにネジ締結されるようになっている。
【0127】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20において、
図8に示すように、皿ボルト39のオネジ部39bの先端部が、連結部材34の貫通孔34eを挿通して、スライド部材27のメネジ孔27aにネジ締結されていたように、固定ボルトのオネジ部の先端部が、連結部材114の貫通孔116e(
図38参照)を挿通して、スライド部材27のメネジ孔27aにネジ締結されるようになっている。
【0128】
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様である。
【0129】
このような本実施の形態に係るフロアパネル110によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様の効果を得ることができる。
【0130】
図39から
図42は、本発明の第6の実施の形態に係るフロアパネル130(二重床部材)について説明するために参照する図である。
【0131】
本実施の形態に係るフロアパネル130は、前記第5の実施の形態に係るフロアパネル110における連結部材114の代わりに、連結部材134(第2連結部材)を備える点において、前記第5の実施の形態に係るフロアパネル110と異なるものである。
【0132】
前記第5の実施の形態に係るフロアパネル110の連結部材114には、
図35に示すように、立設部118の天板部118bに、図中上下方向に伸びる長孔状の開口形状を有する貫通孔118dが2つ形成されていたが、本実施の形態に係るフロアパネル130の連結部材134には、
図39に示すように、立設部138の天板部138bに丸孔状の貫通孔138dが2つ形成されている。
【0133】
また、前記第5の実施の形態に係るフロアパネル110の連結部材114には、
図37に示すように、天板部118bの貫通孔118dの開口部を図中下側から覆うように、レール部材115が天板部118bの下面118iに接合されていた。
【0134】
一方、本実施の形態に係るフロアパネル130の連結部材134には、
図40,41に示すように、天板部138bの下面138iの貫通孔138dが形成された位置に、ナット部材139が溶接等により接合されている。
【0135】
そして、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20において、
図22に示すように、固定ボルト26のオネジ部26bの先端部が、ナット部材41のメネジ部41aにネジ締結されていたように、固定ボルト26のオネジ部26bの先端部が、連結部材134の貫通孔138dを挿通して、ナット部材139(
図41参照)にネジ締結されるようになっている。
【0136】
その他の構成は、前記第5の実施の形態に係るフロアパネル110と同様である。
【0137】
このような本実施の形態に係るフロアパネル130によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様の効果を得ることができる。
【0138】
なお、本発明は、前記第1から第6の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、フロアパネルの種々の変更が可能である。
【0139】
例えば、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、
図2に示すように、2本のガイドレール24が、1枚のフロアパネル20のパネル本体部21に固定されていたが、2本に限定される必要はなく、1本のガイドレール24が固定されていてもよいし、3本以上のガイドレール24が固定されていてもよい。
【0140】
また、前記第1から第6の実施の形態に係るフロアパネル20においては、固定ボルト26とナット部材41をネジ締結することにより、サーバーラック200をフロアパネル20に固定していたが、このような固定(連結)方法に限定される必要はなく、固定ボルト26以外の固定部材を用いた他の固定方法を用いてもよい。
【0141】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、ガイドレール24は、その長さ方向が一方向に伸びる直線状に形成されていたが、このような形状に限定される必要はなく、ガイドレール24は、その長さ方向に曲線状の部分が形成されていてもよい。
【0142】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、ガイドレール24は、その長さ方向がタイル22の辺部に対して略平行(
図2参照)に配置されていたが、例えば、タイル22の辺部に対して斜めに配置されていてもよい。
【0143】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、サーバーラック200をフロアパネル20に固定していたが、サーバーラックに限定される必要はなく、他の筐体や部材であってもよい。
【0144】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、ガイドレール24が、その材質にアルミニウム合金を用いたダイカスト製品のパネル本体部21に固定されていたが、このようなパネル本体部21に限定する必要はなく、他の種類のパネル本体部を用いてもよい。
【0145】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、ガイドレール24、及び連結部材34はパネル本体部21に固定されていたが、前記従来技術に係るデータセンター1内に用いられていた架台2(二重床部材)に固定されていてもよい(
図44参照)。
【0146】
このように、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20の代わりに、架台2を用いることによっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20と同様の効果を得ることができる。
【0147】
また、パネル本体部21の平板部21aの上面側には、塩化ビニル系のPタイルや、HPL(ハイプレッシャーラミネート)タイル等のタイル22が貼り付けられていたが、これらの硬質系のタイルに限定される必要はなく、例えば、塩化ビニルシート等の軟質系のシートが貼り付けられていてもよいし、タイルカーペットが貼り付けられていてもよい。また、パネル本体部21の平板部21aの上面側に何も貼り付けられていなくてもよい。
【0148】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、
図2に示すように、ガイドレール24に連結された連結部材34の貫通孔34eは、ガイドレール24の長さ方向に対して垂直に伸びるように長孔状(
図9参照)に形成されていたが、このような構成に限定される必要はない。
【0149】
したがって、連結部材34の貫通孔34eは、ガイドレール24の長さ方向(
図2中左右方向)、及びガイドレール24の長さ方向に対して垂直の方向(
図2中上下方向)とは異なる方向に伸びるように長孔状に形成されていてもよい。
【0150】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、
図2に示すように、ガイドレール24に連結された連結部材34の貫通孔34eは、ガイドレール24の長さ方向に対して垂直に伸びるように長孔状に形成されていたが、ガイドレール24の長さ方向に対して垂直方向に所定の間隔を空けて並ぶ複数の丸孔状の貫通孔が形成されていてもよい。
【0151】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル20においては、
図2に示すように、ガイドレール24が、フロアパネル20における同図中略右側端部から略左側端部に渡って、同図中左右方向に伸びるように配置されていたが、このような長さ寸法に限定される必要はなく、例えば、
図2に示すガイドレール24の長さ寸法の略1/3の長さ寸法に形成されていてもよいし、更に短く形成されていてもよい。