【文献】
Rodney Van Meter, et al.,System Design for a Long-Line Quantum Repeater,arXiv:0705.4128v2, Quantum Physics,[online],2008年 5月 7日,[retrieved on 2013-02-19]. Retrieved from the Internet,URL,<http://arxiv.org/pdf/0705.4128v2.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マルチコア光ファイバリンクは、中心コア及び1つ又は複数の径方向オフセットコアを備える、スパンマルチコア光ファイバリンクを含む、請求項1に記載の量子鍵生成システム。
前記マルチコア光ファイバリンクの個々の前記コアが、前記光子エンタングルメント鎖のうちの1つに対する光子伝播経路を提供し、同一の前記マルチコア光ファイバリンクの他の個々の前記コアが、前記光子エンタングルメント鎖のうちの別の1つに対する光子伝播経路を提供するよう、構造的に構成される、請求項1に記載の量子鍵生成システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず
図1を参照すると、2つの光子検出器ユニット110、112、2つの光子エンタングルメント鎖120a、120b及び複数の光ファイバリンク160を備える量子鍵生成システム100が示されている。各光子エンタングルメント鎖120a、120bは、2つの光子検出器ユニット110、112の間に延在し、各光子エンタングルメント鎖120a、120bは、少なくとも1つの量子リピータ140a、140b、並びに第1及び第2の終端量子メモリ154a、154b、156a、156bを備える。
【0011】
各光子エンタングルメント鎖120a、120bの量子リピータ140a、140bは、1ペアの光子をエンタングルさせるよう、構造的に構成されてよい。例えば少なくとも1つの量子リピータ140a、140bは、2つの量子メモリ145及びエンタングルメント光学素子170を備えてよい。エンタングルメント光学素子170は、2つの量子メモリ145及び2つのエンタングルメント検出器172に光学的に連結されてこれらの間に延在する、2つ以上のエンタングリング経路171を備えてよい。エンタングルメント検出器172は、単一光子検出器、例えば超伝導性ナノワイヤ単一光子検出器を備えてよい。エンタングルメント検出器172はまた、低ノイズフォトダイオードを備えてよい。エンタングルメント光学素子170は更に、ビームスプリッタ173を備えてよく、これは、各エンタングリング経路171がビームスプリッタ173を横断するように位置決めされる。エンタングルメント光学素子170は、量子メモリ145が出力した粒子がビームスプリッタ173を同時に横断する際に、複数ペアの粒子をエンタングルさせるよう、構造的に構成されてよい。更に、エンタングルメント光学素子170は、光導波路内に格納してよく、またいくつかの実施形態では、少なくとも1つの量子リピータ140a、140b、エンタングルメント光学素子170、及びエンタングルメント検出器172は、光子集積回路を形成してよい。代替実施形態では、量子リピータ140a、140bは、量子メモリ145を有しないエンタングルメント光学素子170、例えば量子リピータ140a、140bが受信する光子等の粒子のペアをエンタングルさせるよう構造的に構成されたエンタングルメント光学素子170を備えてよい。
【0012】
ここでもまた
図1を参照すると、第1及び第2の終端量子メモリ154a、154b、156a、156bは、それぞれ光子エンタングルメント鎖120a、120bの第1及び第2の端部116、118に位置決めされる。2つの光子エンタングルメント鎖120a、120bそれぞれの、第1及び第2の終端量子メモリ154a、154b、156a、156bは、第1及び第2の光子検出器ユニット110、112に光学的に連結された終端エンタングルメント光学素子174を含む、第1及び第2の交差鎖量子リピータ150、152を形成してよい。第1及び第2の交差鎖量子リピータ150、152は、測定可能なエンタングルド粒子を生成するよう構造的に構成されてよく、また第1及び第2の光子検出器ユニット110、112は、上記測定可能なエンタングルド粒子を受信するよう構造的に構成されてよい。代替実施形態では、第1及び第2の交差鎖量子リピータ150、152は、終端量子メモリ154a、154b、156a、156bを有しない終端エンタングルメント光学素子174、例えば交差鎖量子リピータ150、152が受信する光子等の粒子のペアをエンタングルさせるよう構造的に構成された終端エンタングルメント光学素子174を備えてよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数の光ファイバリンク160は、各光子エンタングルメント鎖120a、120bの少なくとも1つの量子リピータ140a、140bを、各光子エンタングルメント鎖120a、120bの第1及び第2の終端量子メモリ154a、154b、156a、156bと光学的に連結するよう、構造的に構成されてよく、これにより、第1及び第2の終端量子メモリ154a、154b、156a、156bが受信した、又は代替実施形態では第1及び第2の交差鎖量子リピータ150、152の終端エンタングルメント光学素子174が受信した光子が、少なくとも1つの量子リピータ140a、140bが受信した光子とエンタングルされる。更に、光ファイバリンク160は、単一コア光ファイバリンク160、及び/又は不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成される少なくとも2つの不均一なコアを有するマルチコア光ファイバリンク160を備えてよい。例えば、上記少なくとも2つの不均一なコアは、異なるコア長さ、異なる直径、異なる屈折率又は他のいずれの不均一な特性を備えてよく、これにより以下で
図4を参照して更に詳細に説明するように、不均一な光子伝播遅延が促進される。
【0014】
いくつかの実施形態では、光子エンタングルメント鎖120a、120bは、マルチコア光ファイバ160、及び各光子エンタングルメント鎖120a、120bの第1及び第2の終端量子メモリ154a、154b、156a、156bの間に配置された少なくとも2つの量子リピータを含んでよい。上記少なくとも2つの量子リピータは、隣接して位置決めしてよく、またマルチコア光ファイバリンク160によって光学的に連結してよい。この実施形態では、光子エンタングルメント鎖120a、120bは、Duan et al., Nature、414、22 Nov. 2001、pgs 413‐418、及びSangouard et. al., “Quantum repeaters based on atomic ensembles and linear optics,” Review of Modern Physics、Vol. 83、2011、pgs 34‐73に記載されているような、量子リピータに関するDLCZプロトコルで構造的に構成されてよい。動作時、光ファイバリンク160のコア長さは、温度等の外部因子によって変化し得る。不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成される少なくとも2つの不均一なコアを備えるマルチコア光ファイバリンク160を提供することによって、外的要因がコア長さを変化させた場合であっても、一致するコア長さを有するコアを、上記少なくとも2つの量子リピータと整列させることができる。
【0015】
ここでもまた
図1を参照すると、量子鍵生成システム100は更に、少なくとも1つの量子リピータ140a、140bをマルチコア光ファイバリンク160の個々のコアと光学的に整列させるよう構造的に構成される、1つ又は複数の整列機構180を備えてよく、これにより少なくとも1つの量子リピータ140a、140bを、マルチコア光ファイバリンク160の個々のコアと光学的に整列した状態で選択的に位置決めできる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の整列機構180は、整列ステージ、光学スイッチ又はこれら両方を備えてよい。
【0016】
ここで
図2を参照すると、2つの光子検出器ユニット210、212及び2つの光子エンタングルメント鎖220a、220bを備える量子鍵生成システム200が示されている。各光子エンタングルメント鎖220a、220bは、2つの光子検出器ユニット210、212の間に延在し、始点エンタングルド光子生成器230a、230b、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234b、第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242b、並びに第1及び第2の終端量子メモリ254a、254b、256a、256bを備える。第1及び第2の終端量子メモリ254a、254b、256a、256bは、それぞれ、光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の端部216、218に位置決めされる。始点エンタングルド光子生成器230a、230bは、光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の端部216、218の間の各始点(origination)位置214に位置決めされる。
【0017】
始点エンタングルド光子生成器230a、230b、第1の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、及び第2の中間エンタングルド光子生成器234a、234bはそれぞれ、例えばパラメトリックダウンコンバージョンプロセスを用いて、エンタングルした光子のペアを生成するよう、構造的に構成される。いくつかの実施形態では、上記エンタングルド光子生成器はそれぞれ、非線形結晶に光学的に連結されたレーザ源を備えてよい。他の実施形態では、上記エンタングルド光子生成器は、四光波混合プロセス、又はエンタングルした光子のペアを生成するいずれの方法若しくはプロセスを用いて、エンタングルした光子のペアを生成するよう、構造的に構成されてよい。更に各上記エンタングルド光子生成器は、例えば約800〜約1800nm、例えば約1550nmのいずれの波長λを有するエンタングルした光子を提供するよう、構造的に構成されてよい。
【0018】
ここでもまた
図2を参照すると、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bは、コア長さLの光ファイバリンク260によって、光子エンタングルメント鎖220a、220bの始点エンタングルド光子生成器230a、230bに光学的に連結してよく、またコア長さLの光ファイバリンク260によって、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bに光学的に連結してよい。光ファイバリンク260は、単一コア光ファイバ、マルチコア光ファイバ等といったいずれの光ファイバを備えてよいことを理解されたい。
【0019】
各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bはそれぞれ、始点エンタングルド光子生成器230a、230bが出力したエンタングルした光子のペアの個々の光子、並びに第1又は第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bが出力したエンタングルした光子のペアの個々の光子を受信してよく、例えば同時に受信してよい。コア長さLの光ファイバリンク260を提供することにより、第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bは、受信した光子を、同時に到着してすぐに遅延なくエンタングルさせるよう、構造的に構成できる。動作時、光ファイバリンク260のコア長さは、温度等の外部因子によって変化し得る。不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成される少なくとも2つの不均一なコアを備えるマルチコア光ファイバリンク260を提供することによって、外的要因がコア長さを変化させた場合であっても、一致するコア長さを有するコアを、第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bと整列させることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、例えば
図6及び7を参照して以下で説明されるように、量子鍵生成システム200は、光ファイバリンク260のうちの1つ又は複数に、例えば光ファイバリンク260の、始点エンタングルド光子生成器230a、230b並びに第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bと同一の端部において、光学的に連結された、1つ又は複数の古典信号生成器を更に備えてよい。動作時、上記1つ又は複数の古典信号生成器は、例えばエンタングルド光子生成器230a、230b、232a、232b、234a、234bが生成したエンタングルした光子と同時に、光ファイバリンク260を横断できる、古典光子信号を生成してよい。更に量子鍵生成システム200は、上記古典信号生成器が生成した1つ又は複数の古典光子信号を受信するために、上記1つ又は複数の古典信号生成器とは反対側において光ファイバリンク260に光学的に連結された、1つ又は複数の古典信号受信器を備えてよい。
【0021】
これもまた
図6及び7を参照して以下で説明されるように、量子鍵生成システム200は、光ファイバリンク260に連結され、かつ光ファイバリンク260の対向する端部に位置決めされた、光多重化器及び逆多重化器を備えてよく、これらは、古典光子信号とエンタングルした光子とを多重化及び逆多重化するよう、構造的に構成される。更に量子鍵生成システム200は、光ファイバリンク260に連結され、かつ光ファイバリンク260の対向する端部に位置決めされた、光学エンコーダ及び光学デコーダを備えてよく、これらは、古典光子信号とエンタングルした光子とをエンコード及びデコードするよう、構造的に構成される。
【0022】
再び
図2を参照すると、量子鍵生成システム200は更に、光子エンタングルメント鎖220a、220bのコンポーネントをマルチコア光ファイバリンク260の個々のコアと光学的に整列させるよう構造的に構成された、1つ又は複数の整列機構280を備えてよく、これにより、上記コンポーネントのうちのいずれを、マルチコア光ファイバリンク260の個々のコアと光学的に整列した状態で選択的に位置決めできる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の整列機構280は、整列ステージ、光学スイッチ又はこれら両方を備えてよい。いくつかの実施形態では、光子エンタングルメント鎖220a、220bの上記1つ又は複数の量子リピータは、整列機構280に連結される。いくつかの実施形態では、光子エンタングルメント鎖220a、220bの上記1つ又は複数のエンタングルド光子生成器は、整列機構280に連結される。
【0023】
ここでもまた
図2を参照すると、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bは、始点エンタングルド光子生成器230a、230bが生成した、エンタングルした光子のペアを、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bがそれぞれ生成した、エンタングルした光子のペアとエンタングルさせることができるように、構造的に構成されてよい。例えばいくつかの実施形態では、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bはそれぞれ、2つの量子メモリ245及びエンタングルメント光学素子270を備えてよい。
【0024】
エンタングルメント光学素子270は、2つの量子メモリ245及びエンタングルメント検出器272に光学的に連結されてこれらの間に延在する、2つの経路を含んでよい。更にエンタングルメント検出器272は、超伝導性ナノワイヤ単一光子検出器といった単一光子検出器、低ノイズフォトダイオードを備えてよい。エンタングルメント光学素子270は更に、ビームスプリッタ273を備えてよく、これは、各エンタングリング経路271がビームスプリッタ273を横断するように位置決めされる。エンタングルメント光学素子270は、量子メモリ245が出力した粒子、例えば量子メモリ245が出力したストークス光子のペア又は反ストークス光子のペアが、ビームスプリッタ273を同時に横断する際に、複数ペアの粒子をエンタングルさせるよう、構造的に構成されてよい。更に、エンタングルメント光学素子270は、光導波路内に格納してよく、また個々の中間量子リピータ240a、240b、242a、242b、関連するエンタングルメント光学素子270、及び関連するエンタングルメント検出器272は、光子集積回路を形成してよい。代替実施形態では、第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bは、量子メモリ245を有しないエンタングルメント光学素子270、例えば第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bが受信する光子等の粒子のペアをエンタングルさせるよう構造的に構成されたエンタングルメント光学素子270を備えてよい。
【0025】
動作時、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bは、始点エンタングルド光子生成器230a、230bのうちの1つが生成した個々のエンタングルした光子を受信してよく、またそれぞれ、光子エンタングルメント鎖220a、220bのうちの1つの、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bが生成した個々のエンタングルした光子を受信してよく、受信したこれらの光子をエンタングルさせてよい。例えば、第1の中間量子リピータ240a、240bは、始点エンタングルド光子生成器230a、230bが生成した個々のエンタングルした光子を受信してよく、また第1の中間エンタングルド光子生成器232a、232bが生成した個々のエンタングルした光子を受信してよい。第2の中間量子リピータ242a、242bは、始点エンタングルド光子生成器230a、230bが生成した個々のエンタングルした光子を受信してよく、また第2の中間エンタングルド光子生成器234a、234b個々のエンタングルした光子を受信してよい。
【0026】
各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bはそれぞれ、コア長さL'の光ファイバリンク260によって、光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の終端量子メモリ254a、254b、256a、256bに光学的に連結してよく、ここでL'>Lである。コア長さL'により、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bが出力したエンタングルした光子の上記ペアの個々のエンタングルした光子が、コア長さL’の光ファイバリンク260を通って移動している間に、第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bにおいて光子エンタングルメントが発生できる。従って、上記第1及び第2の終端量子メモリ254a、254b、256a、256bに到達すると、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1の終端量子メモリ254a、254bに到達した光子は、同一の光子エンタングルメント鎖220a、220bの第2の終端量子メモリ256a、256bに到達した光子とエンタングルし得る。
【0027】
ここでもまた
図2を参照すると、2つの光子エンタングルメント鎖220a、220bそれぞれの第1及び第2の終端量子メモリ254a、254b、256a、256bはそれぞれ、第1及び第2の交差鎖量子リピータ250、252を形成し、これらはそれぞれ、測定可能なエンタングルド粒子を生成するよう構造的に構成される。動作時、交差鎖量子リピータ250、252は、各光子エンタングルメント鎖220a、220bからの光子をエンタングルさせる。例えば第1及び第2の交差鎖量子リピータ250、252は、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bそれぞれが生成した光子を受信してよく、受信したこれらの光子を、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234bが生成したエンタングルした光子のペアがエンタングルするように、エンタングルさせてよく、そして光子検出器ユニット210、212が測定可能な、測定可能なエンタングルド粒子を生成してよい。
【0028】
ここでもまた
図2を参照すると、各光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1及び第2の交差鎖量子リピータ250、252は更に、終端量子メモリ254a、254b、256a、256b及び光子検出器ユニット210、212に光学的に連結されてこれらの間に延在する1つ又は複数のエンタングリング経路271を含む、終端エンタングルメント光学素子274を備えてよい。終端エンタングルメント光学素子274はまた、ビームスプリッタ273を備えてよく、これは、各エンタングリング経路271が上記ビームスプリッタを横断するように位置決めされる。いくつかの実施形態では、終端エンタングルメント光学素子274は、エンタングルメント光学素子270と同一のコンポーネントを備えてよく、また光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1の端部216及び第2の端部218に位置決めしてよい。終端エンタングルメント光学素子274は、終端量子メモリ254a、254b、256a、256bが出力した粒子がビームスプリッタ273を同時に横断する際に、複数ペアの粒子をエンタングルさせるよう、構造的に構成されてよい。いくつかの実施形態では、終端エンタングルメント光学素子274は、光導波路内に格納してよい。更に、第1及び第2の交差鎖量子リピータ250、252、終端エンタングルメント光学素子274、並びに光子検出器ユニット210、212は、光子集積回路を形成してよい。代替実施形態では、第1及び第2の交差鎖量子リピータ250、252は、終端量子メモリ254a、254b、256a、256bを有しない終端エンタングルメント光学素子274、例えば交差鎖量子リピータ250、252が受信する光子等の粒子のペアをエンタングルさせるよう構造的に構成された終端エンタングルメント光学素子274を備えてよい。
【0029】
ここでもまた
図2を参照すると、上記第1及び第2の光子検出器ユニット210、212はそれぞれ、第1及び第2の交差鎖量子リピータ250、252が生成した測定可能なエンタングルド粒子を受信するよう、構造的に構成される。いくつかの実施形態では、各光子検出器ユニット210、212は、1ペアの光子検出器を備え、上記光子検出器は、個々の終端量子メモリ254a、254b、256a、256bが生成した粒子が個々の光子検出器によって受信されるように、終端量子メモリ254a、254b、256a、256b、及び/又は終端エンタングルメント光学素子274と光学的に整列した状態で位置決めされる。更に光子検出器ユニット210、212は、1つ又は複数の低ノイズフォトダイオード及び/又は例えば超伝導性ナノワイヤ単一光子検出器等の1つ若しくは複数の単一光子検出器を備えてよい。いくつかの実施形態では、光子検出器ユニット210、212は、エンタングルメント検出器272と同一の検出器を備えてよいが、量子鍵生成システム200内に配置される検出器のいずれの組み合わせが考えられる。
【0030】
動作時、第1及び第2の交差鎖量子リピータ250、252が生成した測定可能なエンタングルド粒子は、終端エンタングルメント光学素子274によってエンタングルされ、これにより各光子検出器ユニット210、212は、測定可能なエンタングルド粒子の相関エンタングルド粒子特性を測定する。各光子検出器ユニット210、212が受信した測定可能なエンタングルド粒子は、第1の端部216における相関エンタングルド粒子特性の測定が、第2の端部218における相関エンタングルド粒子特性の測定と相関するように、量子状態を共有する。上記相関エンタングルド粒子特性は、上記測定可能なエンタングルド粒子のいずれの測定可能な量子特性、例えば直線偏光、円偏光、スピン、並進運動量、軌道角運動量等を含んでよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、量子鍵生成システム200は、始点位置214と第1の端部216との間に位置決めされ、また始点位置214と第2の端部218との間に位置決めされた、追加の量子リピータ及び追加のエンタングルド光子生成器を備えてよい。上記追加の量子リピータ及び上記追加のエンタングルド光子生成器は、交互に配置されてよい。各上記追加の量子リピータは、隣接する上記エンタングルド光子生成器の間に配置してよく、また光ファイバリンク260を用いて、隣接する上記エンタングルド光子生成器に光学的に連結してよい。各上記エンタングルド光子生成器は、ある追加の量子リピータと、別の追加の量子リピータ又は個々の終端量子メモリ254a、254b、256a、256bとの間に配置してよく、また光ファイバリンク260を用いてこれらに光学的に連結してよい。
【0032】
始点位置214と第1及び第2の端部216、218との間の信号減衰を最小化しながら、光子エンタングルメント鎖220a、220bの長さを増大させるために、光ファイバリンク260を用いて光学的に連結されたいずれの個数の追加の量子リピータ及び追加のエンタングルド光子生成器が考えられる。更に、いずれの1つの個別の量子リピータに光学的に連結される光ファイバリンク260のペアは、略等しいコア長さを備えてよく、これにより、上記個別の量子リピータは、隣接するエンタングルド光子生成器が出力する個々の光子を同時に受信できる。いくつかの実施形態では、光ファイバリンク260の上記ペアは、それが光学的に連結される各量子リピータが、始点位置214から外側に位置決めされているほど、より長いコア長さ(例えばL、L’、L’’、L’’’等)を備えてよい。
【0033】
動作時、エンタングルした光子のペアを、各エンタングルド光子生成器が同時に出力すると、始点位置214により近接して位置決めされた量子リピータが光子を受信してエンタングルさせた後に、始点位置214からより外側に位置決めされた各量子リピータが、隣接するエンタングルド光子生成器が出力した光子を受信する。従って、始点位置214から離れるように移動する光子は、光ファイバリンク260を横断する間にエンタングルされた状態となる。これにより、エンタングルメントスワッピングの連鎖が生成され、これにより、個々の光子エンタングルメント鎖220a、220bの第1の端部216において終端量子メモリ254a、254bが受信した光子が、到達後すぐに、同一の光子エンタングルメント鎖220a、220bの第2の端部218において終端量子メモリ256a、256bが受信した光子とエンタングルされる。
【0034】
更に、終端量子メモリ254a、254b、256a、256bに光学的に連結された光ファイバリンク260は、複数の光ファイバリンク260の最長のコア長さを有してよく、第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242bに光学的に連結された光ファイバリンク260は、複数の光ファイバリンク260の最短のコア長さを有してよい。
【0035】
ここでもまた
図2を参照すると、各光子検出器ユニット210、212によって測定される上記相関エンタングルド粒子特性は、相関量子鍵ビットに変換できる。各相関量子鍵ビットは、二値ビット、例えば「1」ビット又は「0」ビットを含んでよい。いくつかの実施形態では、各光子検出器ユニット210、212によって測定される上記相関エンタングルド粒子特性は、等位(coordinate)エンタングルド粒子特性を備えてよく、従って、各光子検出器ユニットで生成された各相関量子鍵ビットは、一致する二値ビットを含む。例えば光子検出器ユニット210が、「0」ビットを含む等位エンタングルド粒子特性を測定した場合、光子検出器ユニット212もまた、「0」ビットを含む等位エンタングルド粒子特性を測定する。他の実施形態では、各光子検出器ユニットによって測定される相関エンタングルド粒子特性は、直交(orthogonal)エンタングルド粒子特性を備え、従って、各光子検出器ユニットで生成された各相関量子鍵ビットは、反対の二値ビットを備える。例えば光子検出器ユニット210が、「0」ビットを含む直交エンタングルド粒子特性を測定した場合、光子検出器ユニット212は、「1」ビットを含む直交エンタングルド粒子特性を測定する。
【0036】
いくつかの実施形態では、上記相関エンタングルド粒子特性は、例えば相関エンタングルド粒子特性を相関量子鍵ビットに変換することで、又は変換することなく、いずれの量子情報を含んでよい。例えば光子エンタングルメント鎖220a、220bは、別個の位置間、例えば始点位置214と、第1の端部216及び第2の端部218のうちの一方又は両方との間、並びに第1及び第2の端部216、218の間で、いずれの量子情報を通信するよう、構造的に構成される。更に、各光子エンタングルメント鎖110a、110b(
図1)、220a、220b(
図2)、320a、320b(
図3)は、エンタングルド量子状態を備える粒子を生成し、上記エンタングルド量子状態を別個の位置へ及び上記別個の位置間で伝送することにより、別個の位置間でいずれの量子情報を通信するよう、構造的に構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の光子エンタングルメント鎖110a、110b(
図1)、220a、220b(
図2)、320a、320b(
図3)の各ペアは、量子情報を通信するために動作するワンタイムキーパッドとして構造的に構成されてよい。非限定的な例では、上記量子情報は、上記測定可能なエンタングルド粒子のいずれの測定可能な量子特性、例えば直線偏光、円偏光、スピン、並進運動量、軌道角運動量等を含んでよい。
【0037】
動作時、光子エンタングルメント鎖220a、220bは、約1〜100MHz、例えば約50〜100MHzのビットレートΓで、相関量子鍵ビット又は他の量子情報を生成するよう、構造的に構成される。光子エンタングルメント鎖220a、220bは、各量子リピータの処理速度Πに近い又はこれと略同一の(例えば約1%以内の)ビットレートΓで相関量子鍵ビット又は他の量子情報を生成するよう、構造的に構成されてよく、これによりΓ
MAX≦Π
MAXとなる。例えば、ビットレートΓは、処理速度Πの約10%以内、処理速度Πの約5%以内、又は処理速度Πの約1%以内であってよい。例えば、ビットレートΓは、処理速度Πを上昇させて光子をエンタングルさせるよう構造的に構成された量子リピータを提供することによって、上昇させることができる。光子エンタングルメント鎖220a、220bのビットレートΓを上昇させることにより、相関量子鍵ビットを高速で生成でき、これにより、量子鍵を高いビット数で迅速に形成でき、量子鍵の複雑性を増大させることができる。
【0038】
更に動作時、複数の反復して変換された相関量子鍵ビットが、各光子検出器ユニット210、212において量子鍵を形成してよい。例えば、各光子検出器ユニット210、212は、反復して受信した相関量子鍵ビットを、相関二値ビットのセットに変換してよく、従って、各光子検出器ユニット210及び212は、他方の光子検出器ユニット210、212が受信した量子鍵と相関した量子鍵を受信し得る。これにより、上記量子鍵を暗号法の鍵として使用でき、従って、古典通信チャネルを介した第1の端部216と第2の端部218との間の通信を、この量子鍵を用いて暗号化できる。更に、いくつかの実施形態は、光子検出器ユニット210、212に通信可能に連結された電子ストレージデバイスを備えてよく、これは、上記相関量子鍵ビットを電子的に記憶するよう、構造的に構成される。他の実施形態では、光子検出器ユニット210、212は、上記量子鍵を電子的に記憶するよう、構造的に構成されてよい。
【0039】
ここで
図3を参照すると、2つの光子検出器ユニット310、312及び2つの光子エンタングルメント鎖320a、320bを備える、別の量子鍵生成システム300が示されている。各光子エンタングルメント鎖320a、320bは、2つの光子検出器ユニット310、312の間に延在する。この実施形態では、各光子エンタングルメント鎖320a、320bは、始点量子リピータ340a、340b、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器332a、332b、334a、334b、並びに第1及び第2の終端量子メモリ354a、354b、356a、356bを備える。第1及び第2の終端量子メモリ354a、354b、356a、356bはそれぞれ、上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の端部316、318に位置決めされる。
【0040】
始点量子リピータ340a、340bは、光子エンタングルメント鎖320a、320bの第1及び第2の端部316、318の間の各始点位置314に位置決めされる。始点量子リピータ340a、340bは、コア長さLの光ファイバリンク360によって、各光子エンタングルメント鎖320a、320bの第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器332a、332b、334a、334bに光学的に連結された、2つの量子メモリ345を備えてよい。更に、光ファイバリンク360は、いずれの光ファイバリンク、例えば単一コア光ファイバリンク、及び/又は不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成される少なくとも2つの不均一なコアを有するマルチコア光ファイバリンク360を備えてよい。例えば、上記少なくとも2つの不均一なコアは、異なるコア長さ、異なる直径、異なる屈折率又は他のいずれの不均一な特性を備えてよく、これにより、不均一な光子伝播遅延が促進される。
【0041】
各光子エンタングルメント鎖320a、320bの第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器332a、332b、334a、334bはそれぞれ、コア長さL’の光ファイバリンク360によって、光子エンタングルメント鎖320a、320bの上記第1及び第2の終端量子メモリ354a、354b、356a、356bに光学的に連結してよく、ここでL'>Lである。第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器332a、332b、334a、334bはそれぞれ、エンタングルした光子のペアを生成するよう、構造的に構成され、また量子鍵生成システム200に関連して上述したエンタングルド光子生成器のうちのいずれを備えてよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、例えば
図6及び7を参照して以下で説明されるように、量子鍵生成システム300は、光ファイバリンク360のうちの1つ又は複数に、例えば光ファイバリンク360の、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器332a、332b、334a、334bと同一の端部において、光学的に連結された、1つ又は複数の古典信号生成器を更に備えてよい。動作時、上記1つ又は複数の古典信号生成器は、例えば第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器332a、332b、334a、334bが生成したエンタングルした光子と同時に、光ファイバリンク360を横断できる、古典光子信号を生成してよい。更に量子鍵生成システム300は、上記古典信号生成器が生成した1つ又は複数の古典光子信号を受信するために、上記1つ又は複数の古典信号生成器とは反対側において光ファイバリンク360に光学的に連結された、1つ又は複数の古典信号受信器を備えてよい。
【0043】
これもまた
図6及び7を参照して以下で説明されるように、量子鍵生成システム300は、光ファイバリンク360に連結され、かつ光ファイバリンク360の対向する端部に位置決めされた、光多重化器及び逆多重化器を備えてよく、これらは、古典光子信号とエンタングルした光子とを多重化及び逆多重化するよう、構造的に構成される。更に量子鍵生成システム300は、光ファイバリンク360に連結され、かつ光ファイバリンク360の対向する端部に位置決めされた、光学エンコーダ及び光学デコーダを備えてよく、これらは、古典光子信号とエンタングルした光子とをエンコード及びデコードするよう、構造的に構成される。
【0044】
再び
図3を参照すると、量子鍵生成システム300は更に、光子エンタングルメント鎖320a、320bのコンポーネントをマルチコア光ファイバリンク360の個々のコアと光学的に整列させるよう構造的に構成された、1つ又は複数の整列機構380を備えてよく、これにより、上記コンポーネントのうちのいずれを、マルチコア光ファイバリンク360の個々のコアと光学的に整列した状態で選択的に位置決めできる。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の整列機構380は、整列ステージ、光学スイッチ又はこれら両方を備えてよい。いくつかの実施形態では、光子エンタングルメント鎖320a、320bの始点量子リピータ340a、340bは、整列機構380に連結される。いくつかの実施形態では、光子エンタングルメント鎖320a、320bの上記1つ又は複数のエンタングルド光子生成器は、整列機構380に連結される。
【0045】
各光子エンタングルメント鎖320a、320bの始点量子リピータ340a、340bは、第1の中間エンタングルド光子生成器332a、332bが生成したエンタングルした光子のペアがそれぞれ、第2の中間エンタングルド光子生成器334a、334bが生成したエンタングルした光子のペアとエンタングルされるよう、構造的に構成されてよい。例えば、各光子エンタングルメント鎖320a、320bの始点量子リピータ340a、340bは、2つの量子メモリ345と、2つのエンタングリング経路371を含むエンタングルメント光学素子370とを備えてよい。エンタングリング経路371はそれぞれ、2つの量子メモリ345のうちの1つ及び2つのエンタングルメント検出器372のうちの1つに光学的に連結されて、これらの間に延在する。エンタングルメント光学素子370はまた、ビームスプリッタ373を含んでよく、これは、各エンタングリング経路371がビームスプリッタ373を横断するように位置決めされる。更にエンタングルメント光学素子370は、量子鍵生成システム200に関連して上述したように、量子メモリ345が出力した粒子のペアが上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記粒子のペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される。代替実施形態では、始点量子リピータ340a、340bは、量子メモリ345を有しないエンタングルメント光学素子370、例えば始点量子リピータ340a、340bが受信する光子等の粒子のペアをエンタングルさせるよう構造的に構成されたエンタングルメント光学素子370を備えてよい。
【0046】
2つの光子エンタングルメント鎖320a、320bそれぞれの第1及び第2の終端量子メモリ354a、354b、356a、356bはそれぞれ、測定可能なエンタングルド粒子を生成するよう構造的に構成された、第1及び第2の交差鎖量子リピータ350、352を形成してよい。第1及び第2の交差鎖量子リピータ350、352は、終端エンタングルメント光学素子374を備えてよく、また量子鍵生成システム200に関連して上述したような第1及び第2の交差鎖量子リピータ250、252であってよい。
【0047】
ここでもまた
図3を参照すると、第1及び第2の光子検出器ユニット310、312はそれぞれ、第1及び第2の交差鎖量子リピータ350、352が生成した上記測定可能なエンタングルド粒子を受信するよう、構造的に構成されてよい。光子検出器ユニット310、312は、量子鍵生成システム100及び200に関連して上述した光子検出器のうちのいずれを備えてよい。更に各光子検出器ユニット310、312は、終端量子メモリ354a、354b、356a、356bと光学的に整列された状態で位置決めされた、1ペアの光子検出器を備えてよく、これにより、個々の終端量子メモリ354a、354b、356a、356bが生成した粒子は、個々の光子検出器310、312によって受信される。
【0048】
動作時、上記第1及び第2の交差鎖量子リピータ350、352が生成した上記測定可能なエンタングルド粒子は、終端エンタングルメント光学素子374によってエンタングルされ、これにより、各光子検出器ユニット310、312は、上記測定可能なエンタングルド粒子の相関エンタングルド粒子特性を測定でき、上記相関エンタングルド粒子特性を相関量子鍵ビットに変換して、量子鍵生成システム200に関連して上述したように量子鍵を生成する。
【0049】
更に、いくつかの実施形態では、量子鍵生成システム300は、量子鍵生成システム200に関連して上述したように、始点位置314と第1の端部316との間に位置決めされ、また始点位置314と第2の端部318との間に位置決めされた、追加の量子リピータ及び追加のエンタングルド光子生成器を備えてよい。
【0050】
動作時、光子エンタングルメント鎖320a、320bは、約1〜100MHz、例えば約50〜100MHzのビットレートΓで、相関量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される。光子エンタングルメント鎖320a、320bは、各量子リピータの処理速度Πに近い又はこれと略同一の(例えば約1%以内の)ビットレートΓで相関量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成されてよく、これによりΓ
max≦Π
maxとなる。例えば、ビットレートΓは、処理速度Πの約10%以内、処理速度Πの約5%以内、又は処理速度Πの約1%以内であってよい。例えば、ビットレートΓは、処理速度Πを上昇させて光子をエンタングルさせるよう構造的に構成された量子リピータを提供することによって、上昇させることができる。光子エンタングルメント鎖320a、320bのビットレートΓを上昇させることにより、相関量子鍵ビットを高速で生成でき、これにより、量子鍵を増大したビット数で迅速に形成でき、量子鍵の複雑性を増大させることができる。
【0051】
図1〜3を再び参照すると、光ファイバリンク160、260、360がマルチコア光ファイバリンクを備える場合、マルチコア光ファイバリンク160、260、360の個々のコアは、光子エンタングルメント鎖120a、220a、320aのうちの1つに対する光子伝播経路を提供でき、また同一のマルチコア光ファイバリンク160、260、360の他の個々のコアは、光子エンタングルメント鎖120b、220b、320bのうちの別のものに対する光子伝播経路を提供できる。
【0052】
ここでもまた
図1〜3を参照すると、光ファイバリンク160、260、360は、光ファイバリンク160、260、360のコア長さの測定のために、光学タイムドメイン反射率計等からの較正信号を受信するよう、構造的に構成されてよい。これにより、光ファイバリンク160、260、360の実際のコア長さを決定でき、これにより、外的要因(例えば温度等)によって個々のコアのコア長さが変化する場合であっても、所望のコア長さL、L’、L’’、L’’’等を有するコアを、光子エンタングルメント鎖のコンポーネントに光学的に連結できる。所望のコア長さL、L’、L’’、L’’’等を有する光ファイバリンク160、260、360を提供することにより、光子エンタングルメント鎖110a、110b、220a、220b、320a、320bのビットレートΓは、コアが整列していないことによって低下しないようにすることができる。既に議論したように、この整列により、ビットレートΓ
MAXを、Π
MAXと略等しく(例えば約1%以内に)することができる。
【0053】
ここで
図4を参照すると、コア162、164及びクラッド166を備える光ファイバリンク160の、非限定的なマルチコア実施形態が示されている。マルチコア光ファイバリンク160は、約2〜約20個のコアを備える、単一モードマルチコア光ファイバを備えてよい。更に、マルチコア光ファイバリンク160は、不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成された、少なくとも2つの不均一なコアを備えてよい。
図4に示されている、マルチコアファイバリンク160の上記マルチコア実施形態は、上述の量子鍵生成システム100、200、300のうちのいずれの中に配置できる。
【0054】
いくつかの実施形態では、個々のマルチコア光ファイバリンク160の少なくとも2つのコア162、164は、上記少なくとも2つのコア162、164の間の光子伝播遅延が異なるように、異なる屈折率プロファイルを備える。例えば、マルチコア光ファイバリンク160の少なくとも1つのコアは、段階的屈折率プロファイル、傾斜した屈折率プロファイル、放物線的な屈折率プロファイル、三角形の屈折率プロファイル等を備えてよい。例えば、上記マルチコア光ファイバリンクの少なくとも1つのコアは、屈折率プロファイルn(r)
2=n
12(1‐2Δ(r/a)
α)を備えてよく、ここで:rは上記コア内での径方向位置であり;n
1はr=0における屈折率であり;αは屈折率定数であり;aはクラッド166の半径であり;Δ=(n
1‐n
2)/n
1であり、ここでn
2はクラッド166の屈折率である。更に、ある屈折率定数を有する光学コアに関する伝播遅延は、Keck, Donald, Fundamentals of Optical Fiber Communications, Academic Press, 1981に記載されている。例えば、59ページの式1.131は、ある屈折率定数aを有する光学コアに関する伝播遅延の例を提供し、以下のように記載される:
【0058】
であり;aは個々のコアの半径であり;Δ=(n
1‐n
2)/n
1であり;n
1はr=0における屈折率であり;n
2はクラッド166の屈折率であり;k=2π/λであり;λは、量子鍵生成システム100、200、300のエンタングルド粒子生成器又は量子リピータが生成する光子の波長であり;上記屈折率が放物線的屈折率である場合はα=2であり、上記屈折率が三角形屈折率である場合はα=1であり、上記屈折率が段階的屈折率である場合はα=∞である。従って、マルチコア光ファイバ160は、異なる屈折率、例えば異なるαの値を有する複数のコアを備えてよく、これにより、少なくとも2つのコアが等しいコア長さを備える実施形態においてさえ、上記少なくとも2つのコアが不均一な光子伝播遅延を提供する。
【0059】
いくつかの実施形態では、マルチコア光ファイバリンク160は、中心コア162及び1つ又は複数の径方向オフセットコア164を備える、スパン(spun)マルチコア光ファイバリンク160を含んでよい。スパンマルチコア光ファイバリンクは、いずれのスピン構成、例えば単方向スピン構成、双方向スピン構成等を備えてよい。例えばスパンマルチコア光ファイバリンク160は、α(z)=α
0のスピンプロファイルを有する単方向スピン構成を備えてよく、ここでα(z)は、ファイバリンクの長さに沿った座標(z)における単方向スピンプロファイルであり、α
0は、ターン数/単位長で表されるスピン振幅である。この実施形態では、スピン振幅α
0は、約1〜10ターン/メートル、例えば約3〜5ターン/メートルであってよい。スパンマルチコア光ファイバリンクの非限定的な例は、米国公開特許第2013/0308913号明細書、及び米国公開特許第2011/0129190号明細書で確認できる。
【0060】
いくつかの実施形態では、スパンマルチコア光ファイバリンク160は、α=α
0sin(2πz/Λ)のスピンプロファイルを有する双方向スピン構成を備えてよく、ここでαは、双方向スピンプロファイルであり、α
0は、ターン数/単位長で表されるスピン振幅であり、Λはスピン区間長さであり、zはファイバリンクの長さである。この実施形態では、スピン振幅a
0は、約1〜10ターン/メートル、例えば約3〜5ターン/メートルであってよく、スピン区間長さΛは、約0.1〜50メートル、例えば約3〜25メートルであってよい。他の実施形態では、スパンマルチコア光ファイバリンク160は、正方形又は三角形双方向スピンプロファイルを備えてよい。
【0061】
ここでもまた
図4を参照すると、中心コア162は、1つ又は複数の径方向オフセットコア164とは異なるコア長さを有してよい。例えばいくつかの実施形態では、中心コア162と個々の径方向オフセットコア164との間のコア光学経路長の差異は
【0063】
であり、ここで:Λは光ファイバのスピン長さであり;aは、中心コア162と個々の径方向オフセットコア164との間の径方向距離であり;Nは、上記光ファイバリンクの長さLに亘るスピンの合計数である。従って、スパンマルチコア光ファイバリンク160は、異なるコア長さを有する複数のコアを備えてよく、これにより、少なくとも2つのコアがそれぞれ不均一な光子伝播遅延を提供する。不均一な光子伝播遅延を提供する少なくとも2つのコアを備えるマルチコア光ファイバリンクは、屈折率プロファイル、スピン構成及び/又はスピンプロファイルのいずれの組み合わせを備えてよいことを理解されたい。
【0064】
ここで
図5を参照すると、エンタングルド光子生成器430の非限定的な実施形態が示されている。エンタングルド光子生成器430は、4つ以上のエンタングルした光子、例えば2ペア以上のエンタングルした光子のペアを生成するよう、構造的に構成される。エンタングルド光子生成器430は、上述の量子鍵生成システム200、300の光子エンタングルメント鎖220a、220b、320a、320bのうちのいずれに位置決めしてよい。例えばエンタングルド光子生成器430は、始点エンタングルド光子生成器、例えば始点エンタングルド光子生成器230a、230b(
図2)のうちのいずれを備えてよい。いくつかの実施形態では、エンタングルド光子生成器430はまた、中間エンタングルド光子生成器、例えば、中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234b、332a、332b、334a、334b(
図2及び3)のうちのいずれを備えてよい。更に
図5に示すように、光ファイバリンク460は、エンタングルド光子生成器430に光学的に連結され、光ファイバリンク160、260、360(
図1〜3)のうちのいずれを備えてよい。光ファイバリンク460は、エンタングルド光子生成器430を、隣接する量子リピータ、例えば、始点量子リピータ340a、340b(
図3)、中間量子リピータ240a、240b、242a、242b(
図2)及び交差鎖量子リピータ150、152、250、252、350、352(
図1〜3)と、光学的に連結させることができる。
【0065】
動作時、光子エンタングルメント鎖220a、220b、320a、320bのうちのいずれに1つ又は複数のエンタングルド光子生成器430を位置決めすることにより、各エンタングルド光子生成器430は、各光ファイバリンク460に、2つ以上のエンタングルした光子を出力できる。各光ファイバリンク460に2つ以上のエンタングルした粒子が出力される際、上記2つ以上のエンタングルした光子のうちの1つのエンタングルした光子が、上記2つ以上のエンタングルした光子が光ファイバリンク460を横断するに従って減衰する場合、上記2つ以上のエンタングルした光子のうちの1つ又は複数の残りのエンタングルした光子は、隣接する量子リピータ(例えば始点、中間又は交差鎖量子リピータ)によって受信できる。エンタングルド光子生成器430を用いて追加のエンタングルした光子を生成することにより、各光ファイバリンク460のコア長さを、光子を減衰させて量子鍵生成システム100、200、300の成功率を低下させることなく、延長でき、これにより、各交差鎖量子リピータ150、152、250、252、350、352は、少なくとも1つのエンタングルした光子を受信し、各光子検出器ユニット110、112、210、212、310、312は、少なくとも1つの測定可能なエンタングルド粒子を受信する。例えば、エンタングルド光子生成器430が、4つのエンタングルした光子を出力するよう構造的に構成される場合、各光ファイバリンク460のコア長さは、2倍(例えば2L、2L’、2L’’等)となり得る。例えば各光ファイバリンク460は、約5km、10km、20km、40km又はそれ以上となり得る。
【0066】
図5に示すように、エンタングルド光子生成器430は、2つのパラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490b(これらはそれぞれ、1ペアのエンタングルした光子を出力するよう構成される)、エンタングルメント光学素子470、経路スプリッタ475、及びエンタングルメント検出器472を備えてよい。いくつかの実施形態では、エンタングルメント光学素子470は、第1のパラメトリックダウンコンバージョン生成器490a及びエンタングルメント検出器472に光学的に連結されてこれらの間に延在する、第1のエンタングリング経路471aと、第2のパラメトリックダウンコンバージョン生成器490b及び経路スプリッタ475に光学的に連結されてこれらの間に延在する、第2のエンタングリング経路471bとを備える。追加のパラメトリックダウンコンバージョン生成器490を備える実施形態では、追加のエンタングリング経路471が考えられる。いくつかの実施形態では、エンタングルメント光学素子470は更にビームスプリッタ473を備え、これは、各エンタングリング経路471a、471bがビームスプリッタ473を横断するように位置決めされる。動作時、エンタングルメント光学素子470は、複数の光子がビームスプリッタ473を同時に横断する際に、上記複数の光子をエンタングルさせるよう、構造的に構成される。例えば、パラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490bが出力したエンタングルした光子の各ペアが、ビームスプリッタ473を同時に横断する場合、4つの光子全てが互いとエンタングルする。
【0067】
更にエンタングルメント光学素子470は、パラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490bのそれぞれが出力したエンタングルした光子の一部又は全てが、エンタングルメント検出器472及び/又は経路スプリッタ475によって受信されるように、構成される。例えば、エンタングルした光子の第1のペアが第1のパラメトリックダウンコンバージョン生成器490aによって出力され、エンタングルした光子の第2のペアが第2のパラメトリックダウンコンバージョン生成器490bによって出力され、これら2ペアのエンタングルした光子が、ビームスプリッタ473において互いとエンタングルする場合、少なくとも3つの結果のうちの1つが発生する蓋然性があり、上記少なくとも3つの結果は、波動関数:
【0069】
によって数学的に記述される。第1の結果では、エンタングルメント検出器472及び経路スプリッタ475の両方が、4つのエンタングルした光子のうちの2つを受信し、上記の波動関数においてケット|2,2>によって数学的に記述される。第2の結果では、エンタングルメント検出器472が4つのエンタングルした光子を受信し、上記の波動関数においてケット|4,0>又は|4,0>のうちの一方によって数学的に記述される。第3の結果では、経路スプリッタ475が4つのエンタングルした光子を受信し、上記の波動関数においてケット|4,0>又は|4,0>のうちの一方によって数学的に記述される。いくつかの実施形態では、経路スプリッタ475が4つのエンタングルした光子を受信する蓋然性は、約3/8である。更に、追加のパラメトリックダウンコンバージョン生成器を備える実施形態が考えられ、これにより、エンタングルした光子の追加のペア(例えばN個のエンタングルした光子)を、エンタングルメント光学素子470がエンタングルさせることができる。N個のエンタングルした光子を含む実施形態では、上記N個のエンタングルした光子がエンタングルメント検出器472、経路スプリッタ475、又はこれらの組み合わせによって受信される蓋然性は、一般化されたケット:
【0072】
更にいくつかの実施形態では、第1及び第2のエンタングリング経路471a、471b両方の少なくとも一部分は、複数のマルチコア光ファイバを備えてよい。例えば、ビームスプリッタ473と経路スプリッタ475との間に延在する、第1のエンタングリング経路471aの一部分、及びビームスプリッタ473と経路スプリッタ475との間に延在する、第2のエンタングリング経路471bの一部分は、それぞれ、マルチコア光ファイバを備えてよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のエンタングリング経路471a、471b両方の少なくとも一部分は、1つ又は複数の光導波路を備えてよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、経路スプリッタ475は、エンタングルした光子のペアを、経路スプリッタ475に光学的に連結された光ファイバリンク460内へと配向するよう、構造的に構成される。例えば、経路スプリッタ475が4つのエンタングルした光子を受信する場合、経路スプリッタ475は、上記4つのエンタングルした光子のうちの2つを、ある光ファイバリンク460内へと配向してよく、また経路スプリッタ475は、上記4つのエンタングルした光子のうちの2つを、別の光ファイバリンク460内へと配向してよい。更に、エンタングルド光子生成器430が5つ以上のエンタングルした光子を生成するよう構成された実施形態では、経路スプリッタ475は、上記エンタングルした光子の第1のサブセット(例えば約半分)を、ある光ファイバリンク460内へと配向してよく、また経路スプリッタ475は、上記エンタングルした光子の第2のサブセット(例えば約半分)を、別の光ファイバリンク460内へと配向してよい。いくつかの実施形態では、経路スプリッタ475は、融着した二重円錐テーパスプリッタ、平面光波回路スプリッタ等であってよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、エンタングルメント検出器472は、エンタングルメント検出器472が受信した光子の数を測定するよう、構造的に構成され、この数は、経路スプリッタ475が受信した光子の数に関する情報も提供する。例えば、第1及び第2のパラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490bがそれぞれ、2つのエンタングルした光子を出力し、エンタングルメント検出器472がエンタングルした光子を1つも受信していない場合、4つのエンタングルした光子全てを経路スプリッタ475が受信する。いくつかの実施形態では、エンタングルメント検出器472は、マルチ光子検出器であってよい。代替実施形態では、エンタングルメント検出器472は、単一光子検出器、例えば超伝導性ナノワイヤ単一光子検出器、低ノイズフォトダイオード等であってよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、エンタングルド光子生成器430のパラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490bはそれぞれ、1つ又は複数の非線形結晶に光学的に連結されたレーザ源を備えてよい。いくつかの実施形態では、パラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490bがそれぞれ、単一の非線形結晶に光学的に連結された単一のレーザ源を備える場合、各パラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490bは、2つのエンタングルした光子を出力してよく、従ってエンタングルド光子生成器430は、4つのエンタングルした光子を出力する。例えば上記レーザ源は、約600nm〜約1000nm(例えば750nm、800nm、850nm等)の波長λを備える光子を、非線形結晶中へと出力するよう構成してよく、上記非線形結晶は、2つのエンタングルした光子を生成し、これらはそれぞれ、約1200nm〜約2000nm(例えば1400nm、1550nm、1700nm等)の波長λを備える。
【0076】
別の実施形態では、パラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490bが2つの非線形結晶に光学的に連結された単一のレーザ源を備える場合、各パラメトリックダウンコンバージョン生成器490a、490bは4つのエンタングルした光子を備えてよく、従ってエンタングルド光子生成器430は、8つのエンタングルした光子を出力する。例えば、上記レーザ源は、約300nm〜約500nm(例えば350nm、400nm、450nm等)の波長λを備える光子を第1の非線形結晶中へと出力するよう構成してよく、上記第1の非線形結晶は2つのエンタングルした光子を生成し、これらはそれぞれ、約600nm〜約1000nm(例えば750nm、800nm、850nm等)の波長λを備える。これら2つのエンタングルした光子は続いて、第2の非線形結晶に入り、上記第2の非線形結晶は、4つのエンタングルした光子を生成し、これらはそれぞれ、約1200nm〜約2000nm(例えば1400nm、1550nm、1700nm等)の波長λを備える。代替実施形態では、エンタングルド光子生成器430は、四光波混合プロセス、又はエンタングルした光子のペアを生成するいずれの他の方法若しくはプロセスを用いて、エンタングルした光子のペアを生成するよう、構造的に構成されてよい。
【0077】
ここで
図6を参照すると、信号リンクシステム501の非限定的な実施形態が示されている。以下で説明するように、信号リンクシステム501は、古典光子信号及び量子光子信号の両方のための光学経路を提供するよう、構造的に構成される。信号リンクシステム501は、上述の量子鍵生成システム100、200、300の光子エンタングルメント鎖120a、120b、220a、220b、320a、320bのうちのいずれに位置決めしてよい。更に信号リンクシステム501は、古典光子信号及び量子光子信号のための光学経路を有する、いずれの公知の、又は依然として開発中の量子システム内に位置決めしてよい。
【0078】
図6に示すように、信号リンクシステム501は、光ファイバリンク560、1つ又は複数の量子信号生成器530、1つ又は複数の古典信号生成器531、1つ又は複数の量子信号受信器540、及び1つ又は複数の古典信号受信器541を備える。更に信号リンクシステム501は、1つ又は複数の光多重化器502、1つ又は複数の光逆多重化器504、1つ又は複数の光学エンコーダ506、及び1つ又は複数の光学デコーダ508を備えてよい。光ファイバリンク560は、出力端部563に対向する入力端部561、及び入力端部561と入力端部561に対向し得る出力端部563との間に延在する1つ又は複数のコア562(
図7)を備える。光ファイバリンク560は、単一コア光ファイバリンク又はマルチコア光ファイバリンクであってよい。例えば光ファイバリンク560は、光ファイバリンク160、260、360又は460等の上述の光ファイバリンクのいずれであってよい。
【0079】
ここでもまた
図6を参照すると、1つ又は複数の量子信号生成器530は、エンタングルした又はエンタングルしていない光子を含んでよい量子光子信号を生成するよう、構造的に構成される。
図6には1つの量子信号生成器530が示されているが、いずれの個数の量子信号生成器530が考えられ、従って複数の量子光子信号が、例えば同時に、光ファイバリンク560を横断してよいことを理解されたい。更に、1つ又は複数の量子信号生成器530はそれぞれ、量子光子信号を生成するよう構成されてよく、従って、単一の量子信号生成器530によって複数の量子光子信号を生成できる。1つ又は複数の量子信号生成器530は、非線形結晶に光学的に連結されてよいレーザ源を含む。量子信号生成器530がエンタングルした光子を生成する実施形態では、量子信号生成器530は、パラメトリックダウンコンバージョンプロセス、四光波混合プロセス、又はエンタングルした光子のペアを生成するいずれの他の方法若しくはプロセスを用いて、エンタングルした光子を生成してよい。更に量子信号生成器530は、いずれの波長λ
q、例えば約800nm〜約1800nm(約1495nm、約1550nm等)の波長λ
qを有する量子光子信号を生成するよう、構造的に構成されてよい。
【0080】
更に、信号リンクシステム501が、量子鍵生成システム100、200、300の光子エンタングルメント鎖120a、120b、220a、220b、320a、320bのうちのいずれに位置決めされる実施形態では、1つ又は複数の量子信号生成器530は、
図1〜5に関連して上述したエンタングルド光子生成器又は量子リピータのいずれを備えてよい。例えば、1つ又は複数の量子信号生成器530は、量子リピータ、例えば光子エンタングルメント鎖120a、120bの量子リピータ140a、140b(
図1)、又は1つ若しくは複数の光子を出力するよう構造的に構成されたいずれの量子リピータを備えてよい。更に1つ又は複数の量子信号生成器530は、始点エンタングルド光子生成器、例えば、始点エンタングルド光子生成器230a、230b(
図2)のうちのいずれを備えてよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の量子信号生成器530はまた、中間エンタングルド光子生成器、例えば、中間エンタングルド光子生成器232a、232b、234a、234b、332a、332b、334a、334b(
図2及び3)のうちのいずれを備えてよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の量子信号生成器530は、エンタングルド光子生成器430(
図5)を備えてよい。
【0081】
1つ又は複数の量子信号受信器540は、1つ又は複数の量子信号生成器530が生成した量子光子信号を受信するよう構造的に構成された、いずれの光子受信器を備えてよい。
図6には1つの量子信号受信器540が示されているが、いずれの個数の量子信号受信器540が考えられることを理解されたい。1つの非限定的な例として、1つ又は複数の量子信号受信器540は、
図1〜5に関連して上述した量子リピータ、量子メモリ及び光子検出器のうちの1つ又は複数を備えてよい。1つの非限定的な例として、1つ又は複数の量子信号受信器540は、量子リピータ140a、140b、第1及び第2の終端量子メモリ154a、154b、156a、156b、及び光子検出器ユニット110、112(
図1)のうちのいずれを備えてよい。別の非限定的な例として、1つ又は複数の量子信号受信器540は、光子検出器ユニット210、212、第1及び第2の中間量子リピータ240a、240b、242a、242b、並びに第1及び第2の終端量子メモリ254a、254b、256a、256b(
図2)のうちのいずれを備えてよい。更に、別の非限定的な例として、1つ又は複数の量子信号受信器540は、光子検出器ユニット310、312、始点量子リピータ340a、340b、並びに第1及び第2の終端量子メモリ354a、354b、356a、356b(
図3)のうちのいずれを備えてよい。
【0082】
ここでもまた
図6を参照すると、1つ又は複数の古典信号生成器531は、量子光子信号より高い光強度を有する光子信号である、古典光子信号を生成するよう構造的に構成される。動作時、量子効果は小さすぎて上記古典光子信号の伝播及び検出は実施できないが、量子光子信号の伝播及び検出は実施できる。
図6には1つの古典信号生成器531が図示されているが、いずれの個数の古典信号生成器531が考えられ、従って複数の古典光子信号が光ファイバリンク560を、例えば同時に、横断できる。更に、1つ又は複数の古典信号生成器531はそれぞれ、複数の古典光子信号を生成するよう構成されてよく、これにより、単一の古典信号生成器531によって複数の古典光子信号を生成できる。
【0083】
1つ又は複数の古典信号生成器531は、いずれの公知の、又は依然として開発中の、レーザ源又は他の光子生成デバイスを備えてよい。1つ又は複数の古典信号生成器531は、いずれの波長λ
c、例えば約800nm〜約1800nm(約1495nm、約1550nm等)の波長λ
cを有する古典光子信号を生成するよう、構造的に構成されてよい。動作時、1つ又は複数の古典信号生成器531は、1つ又は複数の量子信号生成器530が生成する波長λ
qより高いλ
cを有する古典光子信号を生成してよい。更に1つ又は複数の古典信号受信器541は、1つ又は複数の古典信号生成器531が生成する上記古典光子信号を受信するよう、構造的に構成される。例えば1つ又は複数の古典信号受信器541は、光信号を受信するよう構造的に構成されたいずれの電子デバイス、例えばいずれの公知の、又は依然として開発中の光信号受信器を備えてよい。
【0084】
ここで
図6及び7を参照すると、光ファイバリンク560は、ガラス、ファイバガラス、プラスチック、ポリマー又はいずれの他の導波材料を含んでよい。例えば、光ファイバリンク560は、シリカガラス、ドープシリカガラス、例えばGeドープシリカガラス等を含んでよい。非限定的な例として、光ファイバリンク560は、Corning(登録商標)Vascade(登録商標)EX2000光ファイバ、Corning Vascade EX3000光ファイバ、Corning Vascade LEAF(登録商標)光ファイバ、Corning SMF‐28(登録商標)Ultra光ファイバ、Corning SMF‐28 ULL光ファイバを含んでよい。更に光ファイバリンク560は、光ファイバリンク560を横断する光信号が、約1dB/km以下、例えば、0.5dB/km、0.25dB/km、0.2dB/km、0.17dB/km、0.165dB/km、0.16dB/km、0.15dB/km、0.1dB/km、0.05dB/km、0.01dB/km又はそれ以下の光減衰率で減衰するよう、構造的に構成されてよい。光減衰を低下させることにより、光ファイバリンク560の長さを増大させることができる。
【0085】
図7に示すように、光ファイバリンク560は、1つ又は複数のコア562、例えば、第1のコア562a及び第2のコア562bを備える。光ファイバリンク560はまた、
図7に示すように、1つ又は複数のコア562を取り囲む、例えば第1のコア562a及び第2のコア562bの両方を取り囲む、クラッド565を含む。2つのコア562a、562bが図示されているが、いずれの数のコア562、例えば単一のコア562又は3つ以上のコア562、例えば4つのコア562、7つのコア562、8つのコア562、12個のコア562、19個のコア562等が考えられることを理解されたい。更にいくつかの実施形態では、光ファイバリンク560は、
図4に関連して上述したようなスパンマルチコア光ファイバを備えてよい。
【0086】
1つの非限定的な例として、光ファイバリンク560の第1のコア562aは、光ファイバリンク560の入力端部561において1つ又は複数の量子信号生成器530のうちの少なくとも1つに光学的に連結されてよく、また光ファイバリンク560の出力端部563において1つ又は複数の量子信号受信器540のうちの少なくとも1つに光学的に連結されてよい。更に、光ファイバリンク560の第2のコア562bは、光ファイバリンク560の入力端部561において1つ又は複数の古典信号生成器531のうちの少なくとも1つに光学的に連結されてよく、また光ファイバリンク560の出力端部563において1つ又は複数の古典信号受信器541のうちの少なくとも1つに光学的に連結されてよい。動作時、第1のコア562aは、入力端部561と出力端部563との間で光ファイバリンク560を横断する1つ又は複数の量子光子信号のための光学経路を提供してよく、また第2のコア562bは、入力端部561と出力端部563との間で光ファイバリンク560を横断する古典光子信号のための光学経路を提供してよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、光ファイバリンク560が2つ以上のコア562を備える場合、量子チャネルとして使用されるコア562(例えば1つ又は複数の量子信号生成器530に光学的に連結されたコア)の数と、古典チャネルとして使用されるコア562(例えば1つ又は複数の古典信号生成器531に光学的に連結されたコア)の数との比は、1:1、1:2、1:4、1:6、1:8等であってよい。いずれの数のコア562を量子チャネルとして使用してよく、またいずれの数のコア562を古典チャネルとして使用してよいことを理解されたい。あるいは、1つ又は複数の量子信号生成器530及び1つ又は複数の古典信号生成器531は、同一のコア、例えば第1のコア562a又は第2のコア562bに光学的に連結されてよく、従って量子光子信号及び古典光子信号は、同一のコア562を横断する。
【0088】
動作時、光ファイバリンク560を横断する古典光子信号と量子光子信号との間の自発ラマン散乱(SpRS)及びクロストーク(例えば線形空間クロストーク)を低減することにより、光ファイバリンク560を横断する量子光子信号の光減衰を低減できる。また、SpRS及びクロストークの低減により、SpRS及びクロストークノイズによって引き起こされる、1つ又は複数の量子信号受信器540における誤った量子光子信号の検出も低減できる。更に、量子光子信号より高い光強度を有する古典光子信号が生成するSpRSノイズは、量子光子信号によってキャプチャされる場合があり、これは量子光子信号中のノイズを増大させる。SpRS及びクロストークを低減することで光減衰及びノイズを低減することによって、光ファイバリンク560の長さを増大させることができる。例えば光ファイバリンク560の長さは、約10km〜約1000km、例えば50km、70km、80km、90km、100km、200km、300km、400km、500km、600km、700km、800km、900km等であってよい。更に、本明細書に記載の実施形態により、遠距離通信波長(例えば約1550nm)を備える1つ又は複数の量子光子信号及び1つ又は複数の古典光子信号に、約100Gb/s以上のビットレートで、70km超、例えば100kmのファイバ長さに亘って、光ファイバリンク560を同時に横断させることができる。
【0089】
上述の非限定的な例において言明したように、第1のコア562aは量子光子信号のための光学経路を提供でき、第2のコア562bは古典光子信号のための光学経路を提供できる。第1のコア562a及び第2のコア562bは、第1のコア562aを横断する量子光子信号と第2のコア562bを横断する古典光子信号との間のSpRS及びクロストークを低減するために、類似していないコア設計を備えてよい。例えば第1のコア562a及び第2のコア562bは、異なるコアデルタ及び/又は異なるコア半径を備えてよく、これらはそれぞれ、第1のコア562aと第2のコア562bとの間の位相マッチング条件を削減又は排除することによって、第1のコア562aと第2のコア562bとの間のモードカップリング作用を低減して、クロストークを低減できる。例えば、第1のコア562aと第2のコア562bとの間のコアデルタは、約0.0001〜約0.001の間、例えば約0.0003、0.0005、0.0007、0.0009等であってよい。更に、第1のコア562aは第1のコア半径を備えてよく、上記第2のコアは第2のコア半径を備えてよく、上記第1のコア半径は上記第2のコアと異なっていてよい。
【0090】
更に、第1のコア562a及び第2のコア562bの屈折率プロファイルの設計により、光ファイバリンク560を横断する量子光子信号と古典光子信号との間のSpRS及びクロストークを低減できる。例えば、第1のコア562a及び第2のコア562bのうちの一方又は両方は、(例えば以下で説明する1つ又は複数のトレンチリング567を用いて)トレンチ型屈折率プロファイル、段階的屈折率プロファイル、傾斜した屈折率プロファイル、放物線的な屈折率プロファイル、三角形の屈折率プロファイル等を備えてよい。更に、第1のコア562a及び第2のコア562bは、異なる有効屈折率を備えてよく、これもまた、これらの間のクロストークを低減できる。第1のコア562a及び第2のコア562bの有効屈折率は、約0.0001〜約0.001、例えば約0.0003、0.0005、0.0007、0.0009等だけ異なっていてよい。例えば、第1のコア562aは第1の有効屈折率を備えてよく、第2のコア562bは第2の有効屈折率を備えてよく、上記第1の有効屈折率は、上記第2の有効屈折率と異なっていてよい。更に、光ファイバリンク560の材料は、光ファイバリンク560を横断する古典及び量子光子信号のSpRS及びクロストークを変化させることができる。純シリカを含む例示的な光ファイバリンク560は、Geドープシリカを含む別の例示的な光ファイバリンク560よりも約10%小さい、光ファイバリンク560を横断する量子光子信号と古典光子信号との間のSpRSを発生させ得る。
【0091】
動作時、第1のコア562aと第2のコア562bとの間のクロストークは、各コア562a、562bの屈折率プロファイル設計、コア間隔(例えば各コア562a、562b間の距離)、相関長さ、及び伝播距離(例えば光ファイバリンク560の長さ)に左右され得る。例えば、第1のコア562aと第2のコア562bとの間のクロストークは、式:X=2κ
2LL
Cによって数学的に表現でき、ここでXはクロストークであり、κはカップリング計数であり、L
Cは相関長さであり、Lは光ファイバリンク560の長さである。いくつかの実施形態では、光ファイバリンク560は、約‐20dB未満、例えば約‐30dB未満のクロストークXを備えてよい。クロストークを低減することにより、量子光子信号を減衰させることなく、追加の古典光子信号が光ファイバリンク560を横断できる。光ファイバリンク560の1つの非限定的な例として、上記相関長さが10mmである場合、ファイバ長さは100kmであり、コア間隔は45μm超であり、有効面積は80μm
2であり
、光ファイバリンク560は段階的屈折率プロファイル設計を有し、上記クロストークは、100kmの信号伝播の後において約‐30dB未満となり得る。この例示的な光ファイバリンク560のコア間隔は、この例示的な光ファイバリンク560がトレンチ型プロファイル設計を備える場合、クロストークを増大させることなく、約37μmまで低減できる。更に上記コア間隔は、光ファイバリンク560の有効面積が増大した場合にも低減できる。
【0092】
更に、
図7に示すように、光ファイバリンク560はまた、1つ又は複数のトレンチリング567を含んでよく、これはクラッド565の屈折率とは異なる屈折率を備える。トレンチリング567は、クラッド565内に位置決めしてよく、また光ファイバリンク560の入力端部561と出力端部563との間に延在してよい。更に、個々のトレンチリング567はそれぞれ、個々のコア562を内包してよく、例えば、第1のトレンチリング567aは第1のコア562aを内包してよく、また第2のトレンチリング567bは第2のコア562bを内包してよい。動作時、1つ又は複数のトレンチリング567は、光ファイバリンク560を横断する量子光子信号と古典光子信号との間のクロストークを低減できる。更にトレンチリング567は、第1のコア562aを横断する量子光子信号が生成する電場と、第2のコア562bを横断する古典光子信号が生成する電場との間の重複を低減することによって、クラッド565内の電力を削減でき、これにより、クロストークを増大させることなく、第1のコア562a及び第2のコア562bをより近接して位置決めできる。例えば、1つ又は複数のトレンチリング567によって、第1のコア562a、第2のコア562b又はこれら両方を内包することにより、第1のコア562aと第2のコア562bとの間のコア間隔を、クロストークを増大させることなく低減できる。
【0093】
再び
図6を参照すると、1つ又は複数の光多重化器502及び1つ又は複数の光逆多重化器504は、信号リンクシステム501内に位置決めしてよく、これを用いて古典光子信号及び量子光子信号を多重化することにより、光ファイバリンク560を横断する古典光子信号と量子光子信号との間のSpRSを低減できる。更に、1つ又は複数の光学エンコーダ506及び1つ又は複数の光学デコーダ508はまた、信号リンクシステム501内に位置決めしてよく、これを用いて古典光子信号及び量子光子信号をエンコード及びデコードでき、これによっても、古典光子信号と量子光子信号との間のSpRSを低減できる。
【0094】
図6に示すように、1つ又は複数の光多重化器502は、光ファイバリンク560の入力端部561の、光ファイバリンク560の1つ又は複数のコア562と、1つ又は複数の量子信号生成器530及び1つ又は複数の古典信号生成器531のそれぞれとの間に位置決めされて、これらに光学的に連結されてよい。
図6には1つの光多重化器502が図示されているが、いずれの個数の光多重化器502が考えられることを理解されたい。1つ又は複数の光多重化器502はそれぞれ、光信号、例えば量子光子信号及び古典光子信号を多重化するよう構成された、いずれの公知の、又は依然として開発中の多重化器であってよい。例えば1つ又は複数の光多重化器502は、波長分割多重化器、極性分割多重化器、時分割多重化器、周波数分割多重化器等のうちの1つ又は複数であってよい。
【0095】
更に、1つ又は複数の光多重化器502はそれぞれ、複数の多重化操作、例えば波長分割多重化、極性分割多重化、時分割多重化、周波数分割多重化又はこれらの組み合わせを実施するよう構成してよい。動作時、量子光子信号及び古典光子信号の多重化は、量子光子信号及び古典光子信号が光ファイバリンク560を横断する際の量子光子信号と古典光子信号との間のクロストーク及びSpRSを低減でき、量子光子信号及び古典光子信号に、光ファイバリンク560の同一のコア562を同時に横断させることができる。
【0096】
1つの非限定的な例として、波長分割多重化を用いて、複数の量子及び/又は古典光子信号を単一のコア562上に、例えば同時に収容できる。各量子光子信号を波長分割多重化でき、これにより、上記光ファイバリンクを横断する量子及び/又は古典光子信号間の波長間隔は、約1nm〜約10nm、例えば、2nm、4nm、5nm、8nm等となる。量子及び/又は古典光子信号間の波長間隔は、量子光子信号と古典光子信号との間、個々の量子光子信号間、及び/又は個々の古典光子信号間のクロストークを低減できる。別の例では、周波数分割多重化を用いて、複数の量子及び/又は古典光子信号を単一のコア562上に、例えば同時に収容でき、これにより、各量子及び/又は古典光子信号は、異なる周波数帯域を備える。更に、時分割多重化を用いて、複数の量子及び/又は古典光子信号を単一のコア562上に収容でき、これにより、各量子及び/又は古典光子信号は、ある時間差パターンで、光ファイバリンク560を横断する。時分割多重化により、より多くの数の古典光子信号及び量子光子信号に、SpRS及びクロストークを増大させることなく、光ファイバリンク560を横断させることができる。
【0097】
更に、1つ又は複数の光多重化器502はまた、単一のコア562上の複数の量子及び/又は古典光子信号を、例えば同時に極性分割多重化してよく、これにより、各量子及び/又は古典光子信号は異なる極性状態を備える。例えば1つ又は複数の光多重化器502は、あるコヒーレント変調フォーマット、例えば変調プロセスにおいて光子信号(例えば、古典光子信号)の位相情報を使用する変調フォーマットを用いて、古典光子信号を極性多重化してよい。例示的なコヒーレント変調フォーマットとしては、16信号点ベース極性多重化直交振幅変調(PM‐16QAM)コヒーレント変調フォーマット、8信号点ベース極性多重化直交振幅変調(PM‐8QAM)コヒーレント変調フォーマット、4信号点ベース極性多重化位相変移キーイング(PM‐QPSK)コヒーレント変調フォーマット、2信号点ベース極性多重化位相変移キーイング(PM‐BPSK)コヒーレント変調フォーマット、極性切替位相変移キーイング(PS‐QPSK)コヒーレント変調フォーマット、又はいずれの公知の若しくは依然として開発中のコヒーレント変調フォーマット、又は極性多重化のための他の変調フォーマットが挙げられる。更にいくつかの実施形態では、古典光子信号を、1つ若しくは複数の多重化器502に光学的に連結された変調器を用いて変調してよく、又は上述のように、1つ又は複数の多重化器が古典光子信号を変調及び多重化してよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光多重化器502は、波長分割多重化、時分割多重化、周波数分割多重化又はこれらの組み合わせを用いて、量子光子信号及び古典光子信号を多重化してよく、また例えば上述のコヒーレント変調フォーマットを用いて、古典光子信号を極性分割多重化してよい。
【0098】
動作時、複数の古典光子信号よりも単一の古典光子信号によっての方が、生成されるSpRSは小さいが、PM‐16QAMによって引き起こされる光信号対ノイズ比(OSNR)に関する不利益(例えばノイズの増大)が、SpRSの低下という利益を上回る場合がある。従ってPM‐16QAMコヒーレント変調フォーマットは、単一の古典光子信号が1つ又は複数の光多重化器502を横断する場合に好ましいものとなり得、またPM‐QPSKコヒーレント変調フォーマットは、2つ以上の古典光子信号が1つ又は複数の光多重化器502を横断する場合に好ましいものとなり得る。更に、PM‐QPSKコヒーレント変調フォーマット及びPM‐BPSKコヒーレント変調フォーマットは、同一の信号容量並びに同一のノイズ生成(例えばOSNR及びSpRSの両方によって生成されるノイズ)を有し得、PM‐BPSKコヒーレント変調フォーマットは、PM‐QPSKコヒーレント変調フォーマットの2倍の数の光子信号を促進し得る。従ってPM‐QPSKコヒーレント変調フォーマットは、約1〜約2個の古典光子信号が光多重化器502を横断する場合に好ましいものとなり得、またPM‐BPSKコヒーレント変調フォーマットは、より多数の古典光子信号、例えば約2〜約4個以上の古典光子信号が光多重化器502を横断する場合に好ましいものとなり得る。
【0099】
図6に示すように、1つ又は複数の光逆多重化器504は、光ファイバリンク560の出力端部563の、光ファイバリンク560の少なくとも1つのコア562と、1つ又は複数の量子信号受信器540及び1つ又は複数の古典信号受信器541のそれぞれとの間に位置決めされて、これらに光学的に連結されてよい。1つ又は複数の光逆多重化器504は、光信号を逆多重化するよう構成された、いずれの公知の、又は依然として開発中の逆多重化器であってよい。光逆多重化器504は、波長分割逆多重化器、極性分割逆多重化器、時分割逆多重化器、周波数分割逆多重化器等であってよい。更に光逆多重化器504は、量子光子信号及び古典光子信号を極性逆多重化して復調する、例えばPM‐16QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐8QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐QPSKコヒーレント変調フォーマット、PM‐BPSKコヒーレント変調フォーマット、PS‐QPSKコヒーレント変調フォーマット、又は極性逆多重化のためのいずれの公知の若しくは依然として開発中のコヒーレント変調フォーマットを復調するよう、構造的に構成されてよい。更にいくつかの実施形態では、古典光子信号は、1つ又は複数の逆多重化器504に光学的に連結された復調器を用いて復調してよく、又は上述のように、1つ又は複数の逆多重化器504が古典光子信号を復調及び逆多重化してよい。
【0100】
動作時、多重化された量子光子信号及び古典光子信号を、光ファイバリンク560の1つ又は複数のコア562から受信するとすぐに、1つ又は複数の光逆多重化器504は、多重化された量子光子信号及び古典光子信号を逆多重化して、量子光子信号及び古典光子信号の両方を出力できる。量子光子信号及び古典光子信号の逆多重化後、1つ又は複数の光逆多重化器504は、1つ又は複数の光ファイバ、光導波路等に沿って、量子光子信号を量子信号受信器540に出力でき、また古典光子信号を古典信号受信器541に向けて出力できる。
【0101】
再び
図6を参照すると、1つ又は複数の光学エンコーダ506は、光ファイバリンク560の入力端部561の、光ファイバリンク560の1つ又は複数のコア562と、1つ又は複数の量子信号生成器530及び1つ又は複数の古典信号生成器531のそれぞれとの間に位置決めされて、これらに光学的に連結されてよい。更に、1つ又は複数の光学エンコーダ506は、例えば
図6に示すように、1つ又は複数の光多重化器502と、1つ又は複数の量子信号生成器530及び1つ又は複数の古典信号生成器531のそれぞれとの間に位置決めされた、あるいは1つ又は複数の光多重化器502と光ファイバリンク560の入力端部561との間に位置決めされた、1つ又は複数の光多重化器502に、光学的に連結してもよい。
【0102】
1つ又は複数の光学エンコーダ506は、硬判定前方エラー訂正(FEC)、軟判定FEC、極性エンコーディング、位相弁別、時間ビニング等を用いて量子光子信号及び古典光子信号をエンコードするよう構造的に構成された、集積回路、干渉計等の1つ又は複数の電子デバイスを備えてよい。特に、量子光子信号は、極性エンコーディング、位相弁別、時間ビニング、又はSangouard et. al.,“Quantum repeaters based on atomic ensembles and linear optics,” Review of Modern Physics、Vol. 83、2011、pgs 34‐73に記載されているようないずれの他の若しくは依然として開発中の量子エンコーディング方法を用いてエンコードしてよい。更に、古典光子信号は、硬判定FEC及び/又は軟判定FECを用いてエンコードしてよい。FECを用いて古典光子信号をエンコードすることにより、古典光子信号の信号強度を低減でき、これにより、古典光子信号と量子光子信号との間のSpRS及びクロストークが低減され、光ファイバリンク560の長さを増大させることができる。更に、光多重化器502が量子光子チャネル及び古典光子チャネルを極性多重化するよう構造的に構成される実施形態では、1つ又は複数の光学エンコーダ506は、量子光子チャネルに対して時間ビニングを実施することによって、量子光子信号をエンコードしてよい。量子光子信号に対する時間ビニングの実施は、量子光子信号の極性状態を変化させず、量子光子信号の極性多重化を可能とする。
【0103】
図6に示すように、1つ又は複数の光学デコーダ508は、光ファイバリンク560の出力端部563の、光ファイバリンク560の1つ又は複数のコア562と、量子信号受信器540及び古典信号受信器541のそれぞれとの間に位置決めされて、これらに光学的に連結されてよい。更に1つ又は複数の光学デコーダ508はまた、1つ又は複数の光逆多重化器504に光学的に連結されてよく、この1つ又は複数の光逆多重化器504は例えば、
図6に示すように1つ又は複数の光逆多重化器504と、1つ又は複数の量子信号受信器540及び1つ又は複数の古典信号受信器541それぞれとの間に位置決めされた、あるいは光ファイバリンク560の出力端部563の1つ又は複数の光逆多重化器504の間に位置決めされる。光学デコーダ508は、硬判定FEC、軟判定FEC、極性デコーディング、位相弁別、時間ビニング等を用いて光学エンコーダ506によってエンコードされた量子光子信号及び古典光子信号をデコードするよう構造的に構成された、いずれの電子デバイスを備えてよい。
【0104】
動作時、上述の1つ又は複数の光多重化器502及び1つ又は複数の光逆多重化器504の極性多重化及び逆多重化コヒーレント変調フォーマットを、単独で、又は1つ若しくは複数の光学エンコーダ506及び1つ若しくは複数の光学デコーダ508の光学エンコード及びデコードプロセスと組み合わせて使用して、光ファイバリンク560を横断する量子光子信号と古典光子信号との間のSpRSを低減してよい。例えば古典光子信号に関して、1つ又は複数の光多重化器502及び1つ又は複数の光逆多重化器504のPM‐16QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐8QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐QPSKコヒーレント変調フォーマット、PM‐BPSKコヒーレント変調フォーマット又はPS‐QPSKコヒーレント変調フォーマットを、硬又は軟判定FECと組み合わせて使用してよく、これは、約‐40dB超、例えば約‐40dB〜約‐80dB、例えば‐45dB、‐50dB、‐55dB、‐60dB、‐64dB、‐70dB、‐75dB等の、光ファイバリンク560を横断する量子光子信号と古典光子信号との間の分離を提供できる。この分離の上昇により、量子光子信号と古典光子信号との間のSpRS及びクロストークを低減でき、より長い光ファイバリンク560を信号リンクシステム501で使用できるようになる。
【0105】
更に、極性多重化をFECプロセスと組み合わせて説明したが、FECプロセスを上述の多重化方法のいずれと共に使用して、光ファイバリンク560を横断する古典光子信号と量子光子信号との間のSpRSを低減してよいことを理解されたい。例えば波長分割多重化、周波数分割多重化、及び時分割多重化を、光学エンコーダ506及び光学デコーダ508のFECプロセスと組み合わせて使用してよい。
【0106】
再び
図7を参照すると、1つ又は複数の光多重化器502及び1つ又は複数の光逆多重化器504を、単一のコア562に光学的に連結されるものとして上で説明したが、他の実施形態では、1つ又は複数の光多重化器502及び1つ又は複数の光逆多重化器504は、複数のコア、例えば第1のコア562a及び第2のコア562bの両方に光学的に連結される。例えば、1つ又は複数の光多重化器502のうちの少なくとも1つを、第1のコア562aに光学的に連結してよく、これにより、量子信号生成器530が生成し、1つ又は複数の光多重化器502を用いて古典光子信号と多重化された量子信号が、第1のコア562aを横断する。更に、光多重化器502のうちの少なくとも1つを、第2のコア562bに光学的に連結してよく、これにより、古典信号生成器531が生成し、例えば1つ又は複数の光多重化器502のうちの少なくとも1つを用いて量子光子信号と多重化された古典光子信号が、第2のコア562bを横断する。
【0107】
再び
図6及び7を参照すると、量子光子信号及び古典光子信号を多重化及び逆多重化する、ある方法が考察されている。以下ではある特定の順序で説明されるが、他の順序も考えられることを理解されたい。上記方法は:1つ又は複数の量子信号生成器530から量子光子信号を放出するステップ;並びに1つ又は複数の古典信号生成器531から、上記量子光子信号より高い光強度を有する古典光子信号を放出することによって、上記古典光子信号及び上記量子光子信号が光多重化器502を照射するステップを含んでよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光多重化器502を照射する前に、上記量子光子信号を、例えば極性エンコーディング、位相弁別、時間ビニング等を用いて、1つ又は複数の光学エンコーダ506によってエンコードしてよく、また上記古典光子信号を、例えば硬判定FEC、軟判定FEC等を用いて、1つ又は複数の光学エンコーダ506によってエンコードしてよい。1つ又は複数の光多重化器502が上記古典光子信号及び上記量子光子信号を受信するとすぐに、1つ又は複数の光多重化器502は、例えば波長分割多重化、時分割多重化、周波数分割多重化又はこれらの組み合わせを用いて、上記古典光子信号及び上記量子光子信号を多重化する。更に上記古典光子信号の受信後すぐに、1つ又は複数の光多重化器502は、例えばPM‐16QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐8QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐QPSKコヒーレント変調フォーマット、PM‐BPSKコヒーレント変調フォーマット又はPS‐QPSKコヒーレント変調フォーマットを用いて、上記古典光子信号を極性多重化する。
【0108】
次に、1つ又は複数の光多重化器502は、多重化された上記古典光子信号及び多重化された上記量子光子信号を出力し、これらはそれぞれ、光ファイバリンク560の入力端部561において、光ファイバリンク560の1つ又は複数のコア562に入り、これにより、上記多重化された古典光子信号及び量子光子信号は、入力端部561から出力端部563へと光ファイバリンク560のコア562を横断して、光逆多重化器504を照射する。上記多重化された古典光子信号及び量子光子信号を受信するとすぐに、1つ又は複数の光逆多重化器508は、上記多重化された量子光子信号及び上記多重化された古典光子信号を逆多重化し、上記量子光子信号を量子信号受信器540へと出力し、上記古典光子信号を古典信号受信器541へと出力する。いくつかの実施形態では、量子信号受信器540及び古典信号受信器541に到達する前に、上記古典光子信号及び上記量子光子信号を、1つ又は複数の光学デコーダ508でデコードしてよい。
【0109】
本発明の技術を説明及び定義する目的のために、本明細書における、ある変数があるパラメータ又は別の変数の「関数(function)」である、という言及は、該変数が、挙げられたパラメータ又は変数のみの関数であることを表すことを意図したものではないことに留意されたい。寧ろ、挙げられているパラメータの「関数」である変数に関する本明細書における言及は、非制限的なものであることを意図したものであり、従って該変数は、単一のパラメータ又は複数のパラメータの関数であってよい。
【0110】
また、本明細書における「少なくとも1つの(at least one)」構成要素、要素等という記述は、代わりに冠詞「a」又は「an」が使用されるのは、該構成要素、要素等が単一である場合に限定されている、という推定を生み出すために使用されているのではないことにも留意されたい。
【0111】
本開示のある構成要素が、ある特定の特性を具現化するために、又はある特定の様式で機能するために、ある特定の方法で「構成(configure)」される、という本明細書中の記述は、構造に関する記述であり、意図した目的に関する記述ではないことに留意されたい。より具体的には、本明細書における、あるコンポーネントが「構成」される様式に関する言及は、該コンポーネントの既存の物理的状態を指すものであり、従って該コンポーネントの構造的特徴の明確な記述として解釈されるべきものである。
【0112】
本発明の技術を説明及び定義する目的のために、用語「略(substantially)」及び「約(about)」は、本明細書では、いずれの量的比較、値、測定値又は他の表現に帰属し得る固有の程度の不確定性を表すために使用されていることに留意されたい。用語「略」及び「約」はまた、本明細書では、ある量的表現が、問題となる主題の基本的な機能の変化をもたらすことなく、ある言明された基準から変動できる程度を表すために使用されている。
【0113】
本開示の主題を、詳細に、かつその具体的実施形態を参照して説明してきたが、本明細書において開示されている様々な詳細は、これらの詳細が、本明細書に記載の様々な実施形態の必須の構成要素である要素に関連することを暗示するものと解釈するべきものではないことに留意されたく、これは、ある特定の要素が本説明に添付の各図面に図示されている場合にさえ当てはまる。更に、添付の請求項において定義された実施形態を含むがこれらに限定されない本開示の範囲から逸脱することなく、修正及び変形を行うことができることは、明らかである。より具体的には、本開示のいくつかの態様は、本明細書において、好ましいもの又は特に有利なものとして識別されているが、本開示は必ずしもこれらの態様に限定されないと考えられる。
【0114】
以下の請求項のうちの1つ又は複数が、移行句として用語「ここで(wherein)」を使用することに留意されたい。本発明の技術を定義する目的で、この用語は、請求項中に、構造の一連の特徴の列挙を導入するために使用される非制限的な句として導入されており、またより一般的に使用される非制限的な前置語「…を含む(comprising)」と同様に解釈されるべきものであることに留意されたい。
【0115】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0116】
実施形態1
2つの光子検出器ユニット、2つの光子エンタングルメント鎖、及び複数のマルチコアファイバリンクを備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し;
各上記光子エンタングルメント鎖は、少なくとも1つの量子リピータ、並びに第1及び第2の終端量子メモリを備え;
上記第1及び第2の終端量子メモリは、上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の端部それぞれに位置決めされ;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記量子リピータは、1ペアの光子をエンタングルさせるように構造的に構成され;
上記複数のマルチコア光ファイバリンクは、各上記光子エンタングルメント鎖の上記量子リピータを、各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の終端量子メモリに、光学的に連結させるよう、構造的に構成され、これにより、上記第1及び第2の終端量子メモリが受信する光子が、上記量子リピータがエンタングルさせた光子とエンタングルし;
上記複数のマルチコア光ファイバリンクはそれぞれ、不均一な光子伝播遅延をもたらすよう構造的に構成される、少なくとも2つの不均一なコアを備え;
上記2つの光子エンタングルメント鎖それぞれの上記第1及び第2の終端量子メモリは、それぞれ、第1及び第2の交差鎖量子リピータを形成して、上記交差鎖量子リピータにおいて測定可能なエンタングルド粒子を生成し;
上記第1及び第2の光子検出器ユニットは、それぞれ上記第1及び第2の交差鎖量子リピータによって生成された上記測定可能なエンタングルド粒子を受信するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0117】
実施形態2
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、約1〜100MHzのビットレートで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0118】
実施形態3
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、上記少なくとも1つの量子リピータの処理速度Πの約10%以内のビットレートΓで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0119】
実施形態4
上記マルチコア光ファイバリンクは、約2〜約20個のコアを備える単一モードマルチコア光ファイバを備える、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0120】
実施形態5
上記マルチコア光ファイバリンクは、単一モードマルチコア光ファイバを備え、
上記マルチコア光ファイバリンクの少なくとも2つの上記コアは、異なる直径を備える、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0121】
実施形態6
個々の上記マルチコア光ファイバリンクの少なくとも2つの上記コアは、上記少なくとも2つのコアの間の光子伝播遅延が異なるように、異なる屈折率プロファイルを備える、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0122】
実施形態7
上記マルチコア光ファイバリンクの少なくとも1つの上記コアは、屈折率プロファイルn(r)
2=n
12(1‐2Δ(r/a)
α)を備え、ここで:
rは上記コア内での径方向位置であり;
n
1はr=0における屈折率であり;
αは屈折率定数であり;
aはクラッドの半径であり;
Δ=(n
1‐n
2)/n
1であり;
n
2は上記クラッドの屈折率である、実施形態6に記載の量子鍵生成システム。
【0123】
実施形態8
上記マルチコア光ファイバリンクは、中心コア及び1つ又は複数の径方向オフセットコアを備える、スパンマルチコア光ファイバリンクを含む、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0124】
実施形態9
上記スパンマルチコア光ファイバリンクは、α(z)=α
0のスピンプロファイルを有する単方向スピン構成を備え、ここで:
α(z)は、ファイバリンクの長さに沿った座標(z)における単方向スピンプロファイルであり;
α
0は、ターン数/単位長で表されるスピン振幅である、実施形態8に記載の量子鍵生成システム。
【0125】
実施形態10
上記スパンマルチコア光ファイバリンクの上記スピン振幅α
0は、約1〜10ターン/メートルである、実施形態9に記載の量子鍵生成システム。
【0126】
実施形態11
上記スパンマルチコア光ファイバリンクは、α=α
0sin(2πz/Λ)のスピンプロファイルを有する双方向スピン構成を備え、ここで:
αは、双方向スピンプロファイルであり;
α
0は、ターン数/単位長で表されるスピン振幅であり;
Λはスピン区間長さであり;
zはファイバリンクの長さである、実施形態8に記載の量子鍵生成システム。
【0127】
実施形態12
上記スピン区間長さΛは、約0.1〜約50メートルである、実施形態11に記載の量子鍵生成システム。
【0128】
実施形態13
上記スパンマルチコア光ファイバリンクは、正方形又は三角形双方向スピンプロファイルを備える、実施形態8に記載の量子鍵生成システム。
【0129】
実施形態14
上記マルチコア光ファイバリンクは、スパンマルチコア光ファイバリンクを含み、
上記中心コアと、個々の上記径方向オフセットコアとの間の、上記コア長さの差は
【0131】
であり、ここで:
Λは、光ファイバのスピン長さであり;
aは、上記中心コアと上記個々の径方向オフセットコアとの間の径方向距離であり;
Nは、上記光ファイバリンクの長さLに亘るスピンの合計数である、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0132】
実施形態15
上記スパンマルチコア光ファイバリンクの少なくとも1つの上記コアは、屈折率プロファイルn(r)
2=n
12(1‐2Δ(r/a)
α)を備え、ここで:
rは上記コア内での径方向位置であり;
n
1はr=0における屈折率であり;
αは屈折率定数であり;
aは上記クラッドの半径であり;
Δ=(n
1‐n
2)/n
1であり;
n
2は上記クラッドの屈折率である、実施形態14に記載の量子鍵生成システム。
【0133】
実施形態16
上記スパンマルチコア光ファイバリンクは、単方向スピンプロファイル又は双方向スピンプロファイルを備える、実施形態15に記載の量子鍵生成システム。
【0134】
実施形態17
上記量子リピータを上記マルチコア光ファイバリンクの個々の上記コアと光学的に整列させるよう構造的に構成される、1つ又は複数の整列機構を更に備え、これにより上記量子リピータは、上記マルチコア光ファイバリンクの個々の上記コアと光学的に整列した状態で選択的に位置決めされる、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0135】
実施形態18
上記マルチコア光ファイバリンクの個々の上記コアが、上記光子エンタングルメント鎖のうちの1つに対する光子伝播経路を提供し、同一の上記マルチコア光ファイバリンクの他の個々の上記コアが、上記光子エンタングルメント鎖のうちの別の1つに対する光子伝播経路を提供するよう、構造的に構成される、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0136】
実施形態19
上記光子エンタングルメント鎖に位置決めされた上記光ファイバリンクは、上記光ファイバリンクの上記コア長さの測定のために、光学タイムドメイン反射率計からの較正信号を受信するよう、構造的に構成される、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0137】
実施形態20
各上記光子エンタングルメント鎖は、始点エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、並びに少なくとも2つの量子リピータを更に備え;
上記始点エンタングルド光子生成器は、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の、それぞれの始点位置に位置決めされ;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記量子リピータのうちの少なくとも2つは、コア長さLのコアを備える上記マルチコア光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記始点エンタングルド光子生成器に光学的に連結された、第1及び第2の中間量子リピータを備え;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さLのコアを備える上記マルチコア光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータに光学的に連結され;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さL’のコアを備える上記マルチコア光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の終端量子メモリに光学的に連結され、ここでL'>Lであり;
上記始点エンタングルド光子生成器、上記第1の中間エンタングルド光子生成器、及び上記第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、エンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成され:
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータは、上記始点エンタングルド光子生成器が生成したエンタングルした光子のペアが、上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器がそれぞれ生成したエンタングルした光子のペアとエンタングルするよう、構造的に構成される、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0138】
実施形態21
各上記光子エンタングルメント鎖の少なくとも1つの上記量子リピータは、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の、それぞれの始点位置に位置決めされた、始点量子リピータを更に備え;
各上記光子エンタングルメント鎖は、コア長さLのコアを備える上記マルチコア光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータに光学的に連結された、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器を備え;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さL’のコアを備える上記マルチコア光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の終端量子メモリに光学的に連結され、ここでL'>Lであり;
上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、エンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成され:
各上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータは、上記第1の中間エンタングルド光子生成器が生成したエンタングルした光子のペアが、上記第2の中間エンタングルド光子生成器がそれぞれ生成したエンタングルした光子のペアとエンタングルするよう、構造的に構成される、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0139】
実施形態22
各上記光子エンタングルメント鎖は、各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の終端量子メモリと上記第2の終端量子メモリとの間に配置された少なくとも2つの量子リピータを更に備え、
上記少なくとも2つの量子リピータは、隣接して位置決めされ、上記マルチコアファイバリンクによって光学的に連結され;
各上記量子リピータは、光子のペアをエンタングルさせて、個々のエンタングルした上記光子を上記マルチコアファイバリンク内へと出力するよう、構造的に構成され;
各上記量子リピータに隣接して位置決めされた上記量子リピータが出力した上記個々のエンタングルした光子を受信するよう、構造的に構成される、実施形態1に記載の量子鍵生成システム。
【0140】
実施形態23
各上記光子エンタングルメント鎖の上記少なくとも2つの量子リピータはそれぞれ、2つの量子メモリ、及びエンタングルメント光学素子を備え;
上記エンタングルメント光学素子は、上記2つの量子メモリ及び2つのエンタングルメント検出器に光学的に連結されてこれらの間に延在する、2つ以上のエンタングリング経路を備える、実施形態22に記載の量子鍵生成システム。
【0141】
実施形態24
上記エンタングルメント光学素子はビームスプリッタを更に備え、上記ビームスプリッタは、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するように位置決めされ;
上記エンタングルメント光学素子は、上記量子メモリが出力した粒子が上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記粒子のペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態23に記載の量子鍵生成システム。
【0142】
実施形態25
2つの光子エンタングルメント鎖、2つの光子検出器ユニット、及び複数のマルチコアファイバリンクを備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し:
上記複数のマルチコア光ファイバリンクは、各上記光子エンタングルメント鎖の量子リピータを、各上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の終端量子メモリに、光学的に連結させるよう、構造的に構成され;
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、約1〜100MHzのビットレートで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0143】
実施形態26
上記複数のマルチコアファイバリンクはそれぞれ、不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成された、少なくとも2つの不均一なコアを備える、実施形態25に記載の量子鍵生成システム。
【0144】
実施形態27
2つの光子エンタングルメント鎖、2つの光子検出器ユニット、及び複数のマルチコアファイバリンクを備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し;
上記複数のマルチコア光ファイバリンクは、各上記光子エンタングルメント鎖の量子リピータを、各上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の終端量子メモリに光学的に連結させるよう、構造的に構成され;
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、上記少なくとも1つの量子リピータの処理速度Πの約10%以内のビットレートで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0145】
実施形態28
上記複数のマルチコアファイバリンクはそれぞれ、不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成された、少なくとも2つの不均一なコアを備える、実施形態27に記載の量子鍵生成システム。
【0146】
実施形態29
上記量子リピータに光学的に連結され、エンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成される、エンタングルド光子生成器を更に備える、実施形態27に記載の量子鍵生成システム。
【0147】
実施形態30
2つの光子エンタングルメント鎖、2つの光子検出器ユニット、及び複数のマルチコアファイバリンクを備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し:
上記複数のマルチコア光ファイバリンクは、各上記光子エンタングルメント鎖の量子リピータを、各上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の終端量子メモリに、光学的に連結させるよう、構造的に構成され;
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、上記少なくとも1つの量子リピータの処理速度Πの約10%以内のビットレートΓで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0148】
実施形態31
2つの光子検出器ユニット及び2つの光子エンタングルメント鎖を備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し;
各上記光子エンタングルメント鎖は、始点エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間量子リピータ、並びに第1及び第2の終端量子メモリを備え;
上記第1及び第2の終端量子メモリは、上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の端部それぞれに位置決めされ;
上記始点エンタングルド光子生成器は、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の、それぞれの始点位置に位置決めされ;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータは、コア長さLの上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記始点エンタングルド光子生成器に光学的に連結され;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さLの上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータに光学的に連結され;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さL’の上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の終端量子メモリに光学的に連結され、ここでL'>Lであり;
上記始点エンタングルド光子生成器、上記第1の中間エンタングルド光子生成器、及び上記第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、エンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成され:
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータは、上記始点エンタングルド光子生成器が生成したエンタングルした光子のペアが、上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器がそれぞれ生成したエンタングルした光子のペアとエンタングルするよう、構造的に構成され;
上記2つの光子エンタングルメント鎖それぞれの上記第1及び第2の終端量子メモリは、それぞれ、第1及び第2の交差鎖量子リピータを形成して、上記交差鎖量子リピータにおいて測定可能なエンタングルド粒子を生成し;
上記第1及び第2の光子検出器ユニットは、それぞれ上記第1及び第2の交差鎖量子リピータによって生成された上記測定可能なエンタングルド粒子を受信するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0149】
実施形態32
上記始点エンタングルド光子生成器、並びに上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、2つのエンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成される、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0150】
実施形態33
上記始点エンタングルド光子生成器、並びに上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、2つのパラメトリックダウンコンバージョン生成器、エンタングルメント光学素子、経路スプリッタ、及びエンタングルメント検出器を備え;
上記エンタングルメント光学素子は、第1のパラメトリックダウンコンバージョン生成器及び上記エンタングルメント検出器に光学的に連結されてこれらの間に延在する第1のエンタングリング経路と、第2のパラメトリックダウンコンバージョン生成器及び上記経路スプリッタに光学的に連結されてこれらの間に延在する第2のエンタングリング経路とを備える、実施形態32に記載の量子鍵生成システム。
【0151】
実施形態34
上記エンタングルメント光学素子はビームスプリッタを更に備え、上記ビームスプリッタは、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するように位置決めされ;
上記エンタングルメント光学素子は、上記パラメトリックダウンコンバージョン生成器が出力したエンタングルした光子の各ペアが上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記エンタングルした光子の各ペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態33に記載の量子鍵生成システム。
【0152】
実施形態35
上記経路スプリッタは、2つのエンタングルした光子を上記光ファイバリンクのうちの1つへと配向し、かつ2つのエンタングルした光子を上記光ファイバリンクのうちの別の1つへと配向するよう、構造的に構成される、実施形態33に記載の量子鍵生成システム。
【0153】
実施形態36
上記第1及び第2のエンタングリング経路の少なくとも一部分は、マルチコア光ファイバを備える、実施形態33に記載の量子鍵生成システム。
【0154】
実施形態37
上記光子検出器ユニットは、1つ又は複数の単一光子検出器を備える、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0155】
実施形態38
各上記光子検出器ユニットは、上記終端量子メモリと光学的に整列された状態で位置決めされた光子検出器のペアを備え、これにより、個々の終端量子メモリが生成した粒子は、個々の上記光子検出器によって受信される、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0156】
実施形態39
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータは:(i)上記始点エンタングルド光子生成器のうちの1つが生成した、個々のエンタングルした光子を受信し;(ii)上記光子エンタングルメント鎖のうちの1つの上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器がそれぞれ生成した、個々のエンタングルした光子を受信し;(iii)受信した上記光子をエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0157】
実施形態40
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータはそれぞれ、2つの量子メモリ、及びエンタングルメント光学素子を備え;
上記エンタングルメント光学素子は、上記2つの量子メモリ及び2つのエンタングルメント検出器に光学的に連結されてこれらの間に延在する、2つのエンタングリング経路を備える、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0158】
実施形態41
上記エンタングルメント光学素子はビームスプリッタを更に備え、上記ビームスプリッタは、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するように位置決めされ;
上記エンタングルメント光学素子は、上記量子メモリが出力した粒子が上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記粒子のペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態40に記載の量子鍵生成システム。
【0159】
実施形態42
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータはそれぞれ、2つの上記エンタングルメント検出器に光学的に連結された2つの上記エンタングリング経路を備える上記エンタングルメント光学素子、及びビームスプリッタであって、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するように位置決めされる、ビームスプリッタを備える、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0160】
実施形態43
上記エンタングルメント光学素子は、上記第1及び第2の中間量子リピータが受信した粒子が上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記粒子のペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態42に記載の量子鍵生成システム。
【0161】
実施形態44
上記第1及び第2の交差鎖量子リピータは:(i)各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器それぞれが生成した光子を受信し;(ii)受信した上記光子をエンタングルさせることにより、各上記エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器が生成した、エンタングルした光子のペアを、エンタングルさせ;(iii)測定可能なエンタングルした粒子を生成するよう、構造的に構成される、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0162】
実施形態45
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の交差鎖量子リピータは、上記終端量子メモリ及び上記光子検出器ユニットに光学的に連結されてこれらの間に延在する1つ又は複数の上記エンタングリング経路を備える終端エンタングルメント光学素子を更に備える、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0163】
実施形態46
上記終端エンタングルメント光学素子はビームスプリッタを更に備え、上記ビームスプリッタは、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するよう位置決めされ;
上記終端エンタングルメント光学素子は、上記終端量子メモリが出力した粒子が上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記粒子のペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態45に記載の量子鍵生成システム。
【0164】
実施形態47
上記光ファイバリンクは、マルチコア光ファイバリンクを備え;
各上記マルチコア光ファイバリンクは、不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成された少なくとも2つの不均一なコアを備える、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0165】
実施形態48
上記始点位置と上記第1の端部との間に位置決めされ、かつ上記始点位置と上記第2の端部との間に位置決めされた、追加の量子リピータ及び追加のエンタングルド光子生成器を更に備える、実施形態31に記載の量子鍵生成システム。
【0166】
実施形態49
上記追加の量子リピータ及び上記追加のエンタングルド光子生成器は:
各上記追加の量子リピータが、隣接する上記エンタングルド光子生成器間に配置されて、上記光ファイバリンクを用いてこれらに光学的に連結され;
各上記追加のエンタングルド光子生成器が、ある上記追加の量子リピータと、別の上記追加の量子リピータ又は個々の上記終端量子メモリとの間に配置されて、上記光ファイバリンクを用いてこれらに光学的に連結される
よう、交互に配置される、実施形態48に記載の量子鍵生成システム。
【0167】
実施形態50
上記追加の量子リピータに光学的に連結された上記光ファイバリンクは、上記始点位置から外側に位置決めされるほど、より長いコア長さを備える、実施形態49に記載の量子鍵生成システム。
【0168】
実施形態51
上記終端量子メモリに光学的に連結された上記光ファイバリンクは、上記複数の光ファイバリンクの最長のコア長さを備える、実施形態50に記載の量子鍵生成システム。
【0169】
実施形態52
上記第1及び第2の中間量子リピータに光学的に連結された上記光ファイバリンクは、上記複数の光ファイバリンクの最短のコア長さを備える、実施形態50に記載の量子鍵生成システム。
【0170】
実施形態53
2つの光子エンタングルメント鎖及び2つの光子検出器ユニットを備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し、始点エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間量子リピータ、並びに第1及び第2の終端量子メモリを備え;
上記始点エンタングルド光子生成器は、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の各始点位置に位置決めされ;
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、約1〜100MHzのビットレートで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0171】
実施形態54
2つの光子エンタングルメント鎖及び2つの光子検出器ユニットを備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し、始点エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間量子リピータ、並びに第1及び第2の終端量子メモリを備え;
上記始点エンタングルド光子生成器は、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の各始点位置に位置決めされ;
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、上記少なくとも1つの量子リピータの処理速度Πの約10%以内のビットレートΓで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0172】
実施形態55
2つの光子検出器ユニット及び2つの光子エンタングルメント鎖を備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し;
各上記光子エンタングルメント鎖は、始点エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、第1及び第2の中間量子リピータ、並びに第1及び第2の交差鎖量子リピータを備え;
上記第1及び第2の交差鎖量子リピータは、上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の端部それぞれに位置決めされ;
上記始点エンタングルド光子生成器は、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の、それぞれの始点位置に位置決めされ;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータは、コア長さLの上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記始点エンタングルド光子生成器に光学的に連結され;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さLの上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータに光学的に連結され;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さL’の上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の交差鎖量子リピータに光学的に連結され、ここでL'>Lであり;
上記始点エンタングルド光子生成器、上記第1の中間エンタングルド光子生成器、及び上記第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、エンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成され:
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間量子リピータは、上記始点エンタングルド光子生成器が生成したエンタングルした光子のペアが、上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器がそれぞれ生成したエンタングルした光子のペアとエンタングルするよう、構造的に構成され;
上記第1及び第2の交差鎖量子リピータは、各上記光子エンタングルメント鎖から光子を受信してエンタングルさせ、測定可能なエンタングルド粒子を生成するよう、構造的に構成され;
上記第1及び第2の光子検出器ユニットは、それぞれ上記第1及び第2の交差鎖量子リピータによって生成された上記測定可能なエンタングルド粒子を受信するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0173】
実施形態56
2つの光子検出器ユニット及び2つの光子エンタングルメント鎖を備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し;
各上記光子エンタングルメント鎖は、始点量子リピータ、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、並びに第1及び第2の終端量子メモリを備え;
上記第1及び第2の終端量子メモリは、上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の端部それぞれに位置決めされ;
上記始点量子リピータは、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の、それぞれの始点位置に位置決めされ;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、コア長さLの上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータに光学的に連結され;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さL’の上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の終端量子メモリに光学的に連結され、ここでL'>Lであり;
上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、エンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成され:
各上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータは、上記第1の中間エンタングルド光子生成器が生成したエンタングルした光子のペアが、上記第2の中間エンタングルド光子生成器がそれぞれ生成したエンタングルした光子のペアとエンタングルするよう、構造的に構成され;
上記2つの光子エンタングルメント鎖それぞれの上記第1及び第2の終端量子メモリは、それぞれ、第1及び第2の交差鎖量子リピータを形成して、上記交差鎖量子リピータにおいて測定可能なエンタングルド粒子を生成し;
上記第1及び第2の光子検出器ユニットは、それぞれ上記第1及び第2の交差鎖量子リピータによって生成された上記測定可能なエンタングルド粒子を受信するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0174】
実施形態57
上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、2つのエンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成される、実施形態56に記載の量子鍵生成システム。
【0175】
実施形態58
上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、2つのパラメトリックダウンコンバージョン生成器、エンタングルメント光学素子、経路スプリッタ、及びエンタングルメント検出器を備え;
上記エンタングルメント光学素子は、第1のパラメトリックダウンコンバージョン生成器及び上記エンタングルメント検出器に光学的に連結されてこれらの間に延在する第1のエンタングリング経路と、第2のパラメトリックダウンコンバージョン生成器及び上記経路スプリッタに光学的に連結されてこれらの間に延在する第2のエンタングリング経路とを備える、実施形態57に記載の量子鍵生成システム。
【0176】
実施形態59
上記エンタングルメント光学素子はビームスプリッタを更に備え、上記ビームスプリッタは、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するように位置決めされ;
上記エンタングルメント光学素子は、上記パラメトリックダウンコンバージョン生成器が出力したエンタングルした光子の各ペアが上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記エンタングルした光子の各ペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態58に記載の量子鍵生成システム。
【0177】
実施形態60
上記経路スプリッタは、2つのエンタングルした光子を上記光ファイバリンクのうちの1つへと配向し、かつ2つのエンタングルした光子を上記光ファイバリンクのうちの別の1つへと配向するよう、構造的に構成される、実施形態58に記載の量子鍵生成システム。
【0178】
実施形態61
上記第1及び第2のエンタングリング経路の少なくとも一部分は、マルチコア光ファイバを備える、実施形態58に記載の量子鍵生成システム。
【0179】
実施形態62
上記光子検出器ユニットは、1つ又は複数の単一光子検出器を備える、実施形態56に記載の量子鍵生成システム。
【0180】
実施形態63
各上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータは:(i)上記光子エンタングルメント鎖のうちの1つの上記第1の中間エンタングルド光子生成器のうちの1つがそれぞれ生成した、個々のエンタングルした光子を受信し;(ii)上記光子エンタングルメント鎖のうちの1つの上記第2の中間エンタングルド光子生成器のうちの1つがそれぞれ生成した、個々のエンタングルした光子を受信し;(iii)受信した上記光子をエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態56に記載の量子鍵生成システム。
【0181】
実施形態64
各上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータは、2つの量子メモリ、及びエンタングルメント光学素子を備え;
上記エンタングルメント光学素子は、上記2つの量子メモリのうちの1つ及び2つのエンタングルメント検出器のうちの1つにそれぞれ光学的に連結されてこれらの間に延在する、2つのエンタングリング経路を備える、実施形態56に記載の量子鍵生成システム。
【0182】
実施形態65
上記エンタングルメント光学素子はビームスプリッタを更に備え、上記ビームスプリッタは、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するように位置決めされ;
上記エンタングルメント光学素子は、上記量子メモリが出力した粒子が上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記粒子のペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態64に記載の量子鍵生成システム。
【0183】
実施形態66
各上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータは、2つの上記エンタングルメント検出器に光学的に連結された2つの上記エンタングリング経路を備える上記エンタングルメント光学素子、及びビームスプリッタであって、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するように位置決めされる、ビームスプリッタを備える、実施形態56に記載の量子鍵生成システム。
【0184】
実施形態67
上記エンタングルメント光学素子は、上記始点量子リピータが受信した粒子が上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記粒子のペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態66に記載の量子鍵生成システム。
【0185】
実施形態68
上記第1及び第2の交差鎖量子リピータは:(i)各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器それぞれが生成した光子を受信し;(ii)受信した上記光子をエンタングルさせることにより、各上記エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器が生成した、エンタングルした光子のペアを、エンタングルさせ;(iii)測定可能なエンタングルした粒子を生成するよう、構造的に構成される、実施形態56に記載の量子鍵生成システム。
【0186】
実施形態69
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の交差鎖量子リピータは、上記終端量子メモリ及び上記光子検出器ユニットに光学的に連結されてこれらの間に延在する1つ又は複数の上記エンタングリング経路を備える終端エンタングルメント光学素子を更に備える、実施形態56に記載の量子鍵生成システム。
【0187】
実施形態70
上記終端エンタングルメント光学素子はビームスプリッタを更に備え、上記ビームスプリッタは、各上記エンタングリング経路が上記ビームスプリッタを横断するよう位置決めされ;
上記終端エンタングルメント光学素子は、上記終端量子メモリが出力した粒子が上記ビームスプリッタを同時に横断する際に、上記粒子のペアをエンタングルさせるよう、構造的に構成される、実施形態69に記載の量子鍵生成システム。
【0188】
実施形態71
上記光ファイバリンクは、マルチコア光ファイバリンクを備え;
各上記マルチコア光ファイバリンクは、不均一な光子伝播遅延を提供するよう構造的に構成された少なくとも2つの不均一なコアを備える、実施形態70に記載の量子鍵生成システム。
【0189】
実施形態72
上記始点位置と上記第1の端部との間に位置決めされ、かつ上記始点位置と上記第2の端部との間に位置決めされた、追加の量子リピータ及び追加のエンタングルド光子生成器を更に備える、実施形態56に記載の量子鍵生成システム。
【0190】
実施形態73
上記追加の量子リピータ及び上記追加のエンタングルド光子生成器は:
各上記追加の量子リピータが、隣接する上記エンタングルド光子生成器間に配置されて、上記光ファイバリンクを用いてこれらに光学的に連結され;
各上記追加のエンタングルド光子生成器が、ある上記追加の量子リピータと、別の上記追加の量子リピータ又は個々の上記終端量子メモリとの間に配置されて、上記光ファイバリンクを用いてこれらに光学的に連結される
よう、交互に配置される、実施形態72に記載の量子鍵生成システム。
【0191】
実施形態74
上記光ファイバリンクは、上記始点位置から外側に位置決めされるほど、より長いコア長さを備える、実施形態73に記載の量子鍵生成システム。
【0192】
実施形態75
上記終端量子メモリに光学的に連結された上記光ファイバリンクは、上記複数の光ファイバリンクの最長のコア長さを備える、実施形態74に記載の量子鍵生成システム。
【0193】
実施形態76
上記始点量子リピータに光学的に連結された上記光ファイバリンクは、上記複数の光ファイバリンクの最短のコア長さを備える、実施形態74に記載の量子鍵生成システム。
【0194】
実施形態77
2つの光子エンタングルメント鎖及び2つの光子検出器ユニットを備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し、始点量子リピータ、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、並びに第1及び第2の終端量子メモリを備え;
上記始点量子リピータは、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の各始点位置に位置決めされ;
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、約1〜100MHzのビットレートで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0195】
実施形態78
2つの光子エンタングルメント鎖、2つの光子検出器ユニット、及び少なくとも1つの量子リピータを備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し、始点量子リピータ、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、並びに第1及び第2の終端量子メモリを備え;
上記始点量子リピータは、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の各始点位置に位置決めされ;
上記2つの光子エンタングルメント鎖は、上記少なくとも1つの量子リピータの処理速度Πの約10%以内のビットレートΓで、各上記光子検出器ユニットによって受信可能な相関した量子鍵ビットを生成するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0196】
実施形態79
2つの光子検出器ユニット及び2つの光子エンタングルメント鎖を備える、量子鍵生成システムであって:
各上記光子エンタングルメント鎖は、上記2つの光子検出器ユニットの間に延在し;
各上記光子エンタングルメント鎖は、始点量子リピータ、第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器、並びに第1及び第2の交差鎖量子リピータを備え;
上記第1及び第2の交差鎖量子リピータは、上記光子エンタングルメント鎖の第1及び第2の端部それぞれに位置決めされ;
上記始点量子リピータは、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1の端部と上記第2の端部との間の、それぞれの始点位置に位置決めされ;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、コア長さLの上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータに光学的に連結され;
各上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器は、それぞれ、コア長さL’の上記光ファイバリンクによって、上記光子エンタングルメント鎖の上記第1及び第2の交差鎖量子リピータに光学的に連結され、ここでL'>Lであり;
上記第1及び第2の中間エンタングルド光子生成器はそれぞれ、エンタングルした光子のペアを生成するよう構造的に構成され:
各上記光子エンタングルメント鎖の上記始点量子リピータは、上記第1の中間エンタングルド光子生成器が生成したエンタングルした光子のペアが、上記第2の中間エンタングルド光子生成器がそれぞれ生成したエンタングルした光子のペアとエンタングルするよう、構造的に構成され;
上記第1及び第2の交差鎖量子リピータは、各上記光子エンタングルメント鎖から光子を受信してエンタングルさせ、上記交差鎖量子リピータにおいて測定可能なエンタングルド粒子を生成するよう、構造的に構成され;
上記第1及び第2の光子検出器ユニットは、それぞれ上記第1及び第2の交差鎖量子リピータによって生成された上記測定可能なエンタングルド粒子を受信するよう、構造的に構成される、量子鍵生成システム。
【0197】
実施形態80
光ファイバリンク、量子信号生成器、古典信号生成器、量子信号受信器、古典信号受信器、1つ又は複数の光多重化器、及び1つ又は複数の光逆多重化器を備える、信号リンクシステムであって:
上記光ファイバリンクは、出力端部に対向する入力端部、及び上記入力端部と上記出力端部との間に延在するコアを備え;
上記1つ又は複数の光多重化器は、上記光ファイバリンクの上記入力端部における上記光ファイバリンクの上記コアと、上記量子信号生成器及び上記古典信号生成器のそれぞれとの間に位置決めされて、これらに光学的に連結され;
上記量子信号生成器は、量子光子信号を生成するよう構造的に構成され;
上記古典信号生成器は、上記量子光子信号より高い光強度を有する古典光子信号を生成するよう構造的に構成され;
上記1つ又は複数の光多重化器は:(i)上記量子信号生成器から上記量子光子信号を受信し、上記古典信号生成器から上記古典光子信号を受信するとすぐに、波長分割多重化、時分割多重化又はこれら両方を用いて、上記量子光子信号を上記古典光子信号と多重化し;(ii)上記古典信号生成器から上記古典光子信号を受信するとすぐに、上記古典光子信号を極性多重化し;(iii)多重化された上記量子光子信号及び古典光子信号を、上記光ファイバリンクの上記コアへと出力するよう、構造的に構成され;
上記1つ又は複数の光逆多重化器は、上記光ファイバリンクの上記出力端部における上記光ファイバリンクの上記コアと、上記量子信号受信器及び上記古典信号受信器のそれぞれとの間に位置決めされて、これらに光学的に連結され;
上記1つ又は複数の光逆多重化器は:(i)上記光ファイバリンクの上記コアから上記多重化された量子光子信号及び古典光子信号を受信するとすぐに、波長分割逆多重化、時分割逆多重化又はこれら両方を用いて、上記古典光子信号から上記多重化された量子光子信号を逆多重化し;(ii)上記光ファイバリンクの上記コアから上記極性多重化された古典光子信号を受信するとすぐに、上記極性多重化された古典光子信号を極性逆多重化し;(iii)上記量子光子信号を上記量子信号受信器に向けて出力し;(iv)上記古典光子信号を上記古典信号受信器に向けて出力するよう、構造的に構成される、信号リンクシステム。
【0198】
実施形態81
上記1つ又は複数の光多重化器のうちの少なくとも1つは、コヒーレント変調フォーマットを用いて、上記古典光子信号を極性多重化するよう、構造的に構成される、実施形態80に記載の信号リンクシステム。
【0199】
実施形態82
上記コヒーレント変調フォーマットは、PM‐16QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐8QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐QPSKコヒーレント変調フォーマット、PM‐BPSKコヒーレント変調フォーマット、又はPS‐QPSKコヒーレント変調フォーマットを含む、実施形態80に記載の信号リンクシステム。
【0200】
実施形態83
上記1つ又は複数の光多重化器のうちの少なくとも1つは、上記量子信号生成器から上記量子光子信号を受信し、上記古典信号生成器から上記古典光子信号を受信するとすぐに、上記量子光子信号及び上記古典光子信号を周波数分割多重化するよう、構造的に構成される、実施形態80に記載の信号リンクシステム。
【0201】
実施形態84
上記量子光子信号は、少なくとも1つのエンタングルした量子光子を含む、実施形態80に記載の信号リンクシステム。
【0202】
実施形態85
上記コアは、第1のコアを備え;
上記光ファイバリンクは、第2のコアを備え;
上記第1のコアは、上記量子信号生成器が生成して上記古典光子信号と多重化された上記量子光子信号が上記第1のコアを横断するように、上記1つ又は複数の光多重化器と光学的に整列され;
上記第2のコアは、上記古典信号生成器が生成して上記量子光子信号と多重化された上記古典光子信号が上記第2のコアを横断するように、上記1つ又は複数の光多重化器と光学的に整列される、実施形態80に記載の信号リンクシステム。
【0203】
実施形態86
上記光ファイバリンクは、約70km超の長さを備える、実施形態80に記載の信号リンクシステム。
【0204】
実施形態87
上記光ファイバリンクの上記入力端部の、上記光ファイバリンクの上記コアと、上記量子信号生成器及び上記古典信号生成器のそれぞれとの間に位置決めされてこれらと光学的に連結された、1つ又は複数の光学エンコーダ;並びに
上記光ファイバリンクの上記出力端部の、上記光ファイバリンクの上記コアと、上記量子信号受信器及び上記古典信号受信器のそれぞれとの間に位置決めされてこれらと光学的に連結された、1つ又は複数の光学デコーダ
を更に備え、
上記1つ又は複数の光学エンコーダは、上記量子信号生成器から上記量子光子信号を受信し、上記古典信号生成器から上記古典光子信号を受信するとすぐに、上記量子光子信号及び上記古典光子信号をエンコードするよう、構造的に構成され;
上記1つ又は複数の光学デコーダは、上記光ファイバリンクの上記コアから、エンコードされた上記量子光子信号及びエンコードされた上記古典光子信号を受信するとすぐに、上記エンコードされた量子光子信号及び上記エンコードされた古典光子信号をデコードするよう、構造的に構成される、実施形態80に記載の信号リンクシステム。
【0205】
実施形態88
上記1つ又は複数の光学エンコーダのうちの少なくとも1つは、前方エラー訂正プロセスを用いて、上記古典光子信号をエンコードするよう、構造的に構成される、実施形態87に記載の信号リンクシステム。
【0206】
実施形態89
上記1つ又は複数の光学エンコーダのうちの少なくとも1つは、時間ビニング、極性エンコーディング又は位相弁別を用いて、上記量子光子信号をエンコードするよう、構造的に構成される、実施形態87に記載の信号リンクシステム。
【0207】
実施形態90
光ファイバリンク、量子信号生成器、古典信号生成器、量子信号受信器、及び古典信号受信器を備える、信号リンクシステムであって;
上記光ファイバリンクは、上記光ファイバリンクの入力端部と出力端部との間にそれぞれ延在する、第1のコア及び第2のコアを備え;
上記光ファイバリンクの上記第1のコアは、上記光ファイバリンクの上記入力端部において上記量子信号生成器に光学的に連結され、また上記光ファイバリンクの上記出力端部において上記量子信号受信器に光学的に連結され;
上記光ファイバリンクの上記第2のコアは、上記光ファイバリンクの上記入力端部において上記古典信号生成器に光学的に連結され、また上記光ファイバリンクの上記出力端部において上記古典信号受信器に光学的に連結される、信号リンクシステム。
【0208】
実施形態91
上記光ファイバリンクは、上記第1のコア及び上記第2のコアを取り囲むクラッド、上記第1のコアを取り囲む第1のトレンチリング、並びに上記第2のコアを取り囲む第2のトレンチリングを更に備え;
上記第1及び第2のトレンチリングはそれぞれ、上記クラッドの屈折率とは異なる屈折率を備える、実施形態90に記載の信号リンクシステム。
【0209】
実施形態92
上記第1のコアは、第1のコア半径を備え;
上記第2のコアは、第2のコア半径を備え;
上記第1のコア半径は、上記第2のコア半径とは異なる、実施形態90に記載の信号リンクシステム。
【0210】
実施形態93
上記第1のコアは、第1の有効屈折率を備え;
上記第2のコアは、第2の有効屈折率を備え;
上記第1の有効屈折率は、上記第2の有効屈折率とは異なる、実施形態90に記載の信号リンクシステム。
【0211】
実施形態94
上記第1のコア及び上記第2のコアはそれぞれ、段階的屈折率プロファイル、トレンチ型屈折率プロファイル、傾斜した屈折率プロファイル、放物線的な屈折率プロファイル、及び三角形の屈折率プロファイルのうちの1つを備える、実施形態90に記載の信号リンクシステム。
【0212】
実施形態95
上記第1のコア及び上記第2のコアはそれぞれ、純シリカを含む、実施形態90に記載の信号リンクシステム。
【0213】
実施形態96
上記光ファイバリンクは、約70km超の長さを備える、実施形態90に記載の信号リンクシステム。
【0214】
実施形態97
量子光子信号及び古典光子信号を多重化及び逆多重化する方法であって、上記方法は:
1つ又は複数の光多重化器に光学的に連結された量子信号生成器から、量子光子信号を放出するステップ;及び
1つ又は複数の光多重化器に光学的に連結された古典信号生成器から、上記量子光子信号より高い光強度を有する古典光子信号を放出するステップ
を含み、
上記1つ又は複数の光多重化器は、光ファイバリンクの入力端部の、上記光ファイバリンクのコアと、上記量子信号生成器及び上記古典信号生成器のそれぞれとの間に位置決めされて、これらと光学的に連結され;
1つ又は複数の光逆多重化器は、上記光ファイバリンクの出力端部の、上記光ファイバリンクの上記コアと、上記量子信号受信器及び上記古典信号受信器のそれぞれとの間に位置決めされて、これらと光学的に連結され;
上記1つ又は複数の光多重化器が上記古典光子信号及び上記量子光子信号を受信するとすぐに、上記1つ又は複数の光多重化器は:
(i)波長分割多重化、時分割多重化又はこれら両方を用いて、上記古典光子信号を上記量子光子信号と多重化し:
(ii)上記古典光子信号を極性多重化し;
(iii)多重化された上記古典光子信号及び量子光子信号を、上記光ファイバリンクの上記入力端部における上記光ファイバリンクの上記コアへと出力し、これにより、上記多重化された古典光子信号及び量子光子信号が、上記入力端部から上記出力端部へと、上記光ファイバリンクの上記コアを横断して、上記1つ又は複数の光逆多重化器を照射し;
上記1つ又は複数の光逆多重化器が上記多重化された古典光子信号及び量子光子信号を受信するとすぐに、上記1つ又は複数の光逆多重化器は:
(i)波長分割多重化、時分割多重化又はこれら両方を用いて、上記量子光子信号から上記古典光子信号を逆多重化し;
(ii)上記古典光子信号を極性逆多重化し;
(iii)上記量子光子信号を上記量子信号受信器に向けて出力し;
(iv)上記古典光子信号を上記古典信号受信器に向けて出力する、方法。
【0215】
実施形態98
上記1つ又は複数の光多重化器のうちの1つは、PM‐16QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐8QAMコヒーレント変調フォーマット、PM‐QPSKコヒーレント変調フォーマット、PM‐BPSKコヒーレント変調フォーマット、又はPS‐QPSKコヒーレント変調フォーマットを用いて、上記古典光子信号を極性多重化する、実施形態97に記載の方法。
【0216】
実施形態99
光ファイバリンク、量子信号生成器、古典信号生成器、量子信号受信器、古典信号受信器、光多重化器、及び光逆多重化器を備える、信号リンクシステムであって:
上記光ファイバリンクは、出力端部に対向する入力端部、上記入力端部と上記出力端部との間に延在するコア、及び約70km超の長さを備え;
上記光多重化器は、上記光ファイバリンクの上記入力端部における上記光ファイバリンクの上記コアと、上記量子信号生成器及び上記古典信号生成器のそれぞれとの間に位置決めされて、これらに光学的に連結され;
上記量子信号生成器は、量子光子信号を生成するよう構造的に構成され;
上記古典信号生成器は、上記量子光子信号より高い光強度を有する古典光子信号を生成するよう構造的に構成され;
上記光多重化器は:(i)上記量子信号生成器から上記量子光子信号を受信し、上記古典信号生成器から上記古典光子信号を受信するとすぐに、上記量子光子信号を上記古典光子信号と多重化し;(ii)多重化された上記量子光子信号及び多重化された上記古典光子信号を、上記光ファイバリンクの上記コアへと出力するよう、構造的に構成され;
上記光逆多重化器は、上記光ファイバリンクの上記出力端部における上記光ファイバリンクの上記コアと、上記量子信号受信器及び上記古典信号受信器のそれぞれとの間に位置決めされて、これらに光学的に連結され;
上記光逆多重化器は:(i)上記光ファイバリンクの上記コアから上記多重化された古典光子信号及び古典光子信号を受信するとすぐに、上記量子光子信号から上記多重化された古典光子信号を逆多重化し;(ii)上記量子光子信号を上記量子信号受信器に向けて出力し;(iii)上記古典光子信号を上記古典信号受信器に向けて出力するよう、構造的に構成され;
上記光ファイバリンクは、上記光ファイバリンクを横断する上記多重化された古典光子信号及び量子光子信号の光減衰率が約0.17dB/kmとなるよう、構造的に構成される、信号リンクシステム。