特許第6550157号(P6550157)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6550157GABA類似体及びオピオイドを含む新規胃内滞留型剤形
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6550157
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】GABA類似体及びオピオイドを含む新規胃内滞留型剤形
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/197 20060101AFI20190711BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190711BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20190711BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   A61K31/197
   A61K31/137
   A61P25/04
   A61P43/00 111
   A61P43/00 121
   A61K47/32
   A61K9/28
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2018-23944(P2018-23944)
(22)【出願日】2018年2月14日
(62)【分割の表示】特願2016-173316(P2016-173316)の分割
【原出願日】2011年7月6日
(65)【公開番号】特開2018-109027(P2018-109027A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2018年3月15日
(31)【優先権主張番号】61/399,045
(32)【優先日】2010年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390035404
【氏名又は名称】グリュネンタール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】セシャ・ラメシュ
【審査官】 榎本 佳予子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−522294(JP,A)
【文献】 特表2005−507400(JP,A)
【文献】 特表2009−543875(JP,A)
【文献】 特許第6005636(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/32−47/69
A61P 1/00−43/00
CAplus/MEDLINE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のプレガバリン治療有効量のタペンタドール塩酸塩及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含、胃内に少なくとも4時間保持され、そして1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬組成物
【請求項2】
治療有効量のプレガバリン治療有効量のタペンタドール塩酸塩及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含み、胃内に少なくとも4時間保持され、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するプレガバリンの平均で10%〜30%/時が0〜2時間で放出されることを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項3】
a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層がプレガバリンを含み、第2の放出層がタペンタドール塩酸塩及び、場合により、プレガバリンを含むコアと、b)前記コアを含むコート(coat)とを含み、胃内に少なくとも4時間保持され、そして1日1回又は1日2回の投与に好適であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の医薬組成物
【請求項4】
a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性(slow release)マトリックス中に分散されたプレガバリンを含み、第2の放出層が、第2の徐放性マトリックス中にタペンタドール塩酸塩を含む圧縮コア;b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜パウチ;c)封入用コートを含み、1日1回又は1日2回の投与に好適であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項5】
タペンタドール塩酸塩が即時放出型であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項6】
タペンタドール塩酸塩が徐放型であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項7】
a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が、少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたプレガバリンを含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散されたタペンタドール塩酸塩を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するプレガバリンの平均で10%〜30%/時が0〜2時間で放出されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項8】
a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が、少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたプレガバリンを含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散されたタペンタドール塩酸塩を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、
プレガバリンの10〜40%が測定開始後0〜約2時間で放出され、
プレガバリンの約30〜60%が測定開始後2〜約7時間で放出され、
プレガバリンの約50〜80%が測定開始後7〜約12時間で放出され、
プレガバリン体の約80〜100%が約20時間の測定後に放出されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項9】
プレガバリンの放出が二相性である、請求項1〜8のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項10】
第2の放出層が、ポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの物理的混合物を含む、請求項1〜9のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項11】
第2の放出層が、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、バインダー(binder)、プレガバリンの物理的混合物を含み、第1の放出層/第2の放出層の比(w/w)が約1.0〜約0.1である、請求項1〜10のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項12】
4時間毎、又は6時間毎、8時間毎、12時間毎又は24時間毎の期間にわたる使用のための、請求項1〜11のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項13】
第1の放出層若しくは第2の放出層のいずれか又は両方が圧縮によって製造される、請求項1〜12のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項14】
放出層の数が少なくとも2つであり、層の順序が重要でない、請求項1〜13のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項15】
プレガバリン約5〜約800mg及びタペンタドール塩酸塩約1mg〜約500mgを含む、請求項1〜14のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項16】
必要とする患者に投与される場合にプレガバリンの最大血漿中濃度(Tmax)までの平均時間が約4〜約16時間の範囲であり、1日1回又は1日2回の投与に好適であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項17】
治療有効量のプレガバリンタペンタドール塩酸塩及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含み、前記タペンタドール塩酸塩が徐放型又は即時放出型のいずれかであり、組成物が胃内に少なくとも4時間保持されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項18】
疼痛及び疼痛関連障害を治療するために、プレガバリンタペンタドール塩酸塩及びNMDA受容体拮抗剤並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項19】
プレガバリンが、個々に光学活性なエナンチオマー、それらのラセミ混合物、それらの活性代謝産物または薬学的に許容可能な塩の形態にあってもよい、請求項1〜18のいずれか一つに記載の医薬組成物
【請求項20】
上記塩が酸付加塩又は塩基付加塩である、請求項19に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胃内に少なくとも4時間保持され且つ1日2回又は1日1回の投与に好適である、GABA類似体及びオピオイドを含む胃内滞留型(gastro−retentive)医薬剤形、並びに哺乳動物の障害を治療するためのこのような医薬剤形の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガンマ(γ)−アミノ酪酸(GABA)は、哺乳動物の中枢神経系の神経伝達物質であり、多くの疾患経路に関与する。ガンマ(γ)−アミノ酪酸(GABA)類似体であるプレガバリンは、抗痙攣薬であり、部分発作の補助治療法として、神経障害性疼痛及び全般性不安障害において使用される。プレガバリンは、ガバペンチンに対するより有力な後継薬として設計されたものであり、Pfizerによって商標名Lyrica(登録商標)で市販されている。最近の研究は、プレガバリンが、線維筋痛及び脊髄損傷などの障害の慢性痛の治療に有効であることを示している。ガバペンチンは、プレガバリンと類似した別のGABA類似体であり、最初は神経伝達物質γ−アミノ酪酸(GABA)の化学構造を模倣して合成されたものであるが、同じ脳受容体に作用しないと考えられている。その正確な作用機序は不明であるが、神経障害性疼痛に対するその治療的作用は、電位依存性N型カルシウムイオンチャネルに影響を与えると考えられている。
【0003】
プレガバリン及びガバペンチンなどのGABA類似体は、患者を治療するために頻繁な投与を必要とする即時放出剤形として承認されている。しかし、このように頻繁な投薬が必要であるので、投与の間違い及び望ましい血漿中濃度を維持できないことが頻繁に起こる可能性があり、状態が慢性的な疼痛又は疼痛関連状態である場合には特に、それが患者コンプライアンス及び治療対象に弊害を及ぼす。したがって、プレガバリン及びガバペンチンなどのGABA類似体とモルヒネ、オキシコドンなどのオピオイドとを併用投与するための胃内滞留型医薬剤形を得るという医学的な要求は、満たされていない。
【0004】
しかし、単剤としてであってもプレガバリン又はガバペンチンの1回1日の剤形を設計する場合には、いくつかの課題が提示される。例えば、プレガバリンは、胃腸(GI)管で均一に吸収されない。研究により、プレガバリン及びガバペンチンは小腸及び上行結腸で吸収され、プレガバリンは約6時間の非常に狭い吸収ウインドウを有することが示されている。同様に、即時放出型ガバペンチンの吸収は比較的緩徐に起こり、ピーク血漿濃度は投薬の約2〜3時間後にみられる。ガバペンチンの経口バイオアベイラビリティは用量依存的であり、300〜400mgの範囲の用量ではバイオアベイラビリティは約60%であるが、1600mgの用量ではバイオアベイラビリティはわずか35%である。したがって、プレガバリン及びガバペンチンなどのGABA類似体の長時間作用型剤形に対する要求は満たされていない。
【0005】
プレガバリン及びガバペンチンなどのGABA類似薬は、治療的有用性を最適化するために胃内滞留型送達系を必要とする。胃腸管からの薬物吸収は複雑なプロセスであり、多くの変数の影響を受ける。胃腸管での薬物吸収量は、小腸粘膜との接触時間に関係があることが報告されている。胃内滞留系は、胃部に数時間残存し得るため、薬物の胃滞留時間を著しく延ばす。胃内滞留系、即ち、粘膜付着系、膨潤系、浮遊系、沈降系、膨張系及び変形形状系の製剤に関しては、多くのアプローチが文献に報告されている。
【0006】
胃内滞留型送達系を含む徐放性(slow release)医薬剤形は周知であり、薬物が特定レベルの血漿濃度で長期間にわたって最適に作用するという点で薬物の送達に極めて有利である。徐放系はまた、即時放出剤形の定期的な投与によって生じる無効レベル又は毒性レベルの薬物の存在を回避できる。即時放出剤形の定期的な投与では、薬物の高い初期レベルが得られるが、投与期間(即ち、周期)の終わり近くであって次の薬物投与の前には効果のない少量の薬物しか血漿中に残らない可能性がある。徐放系は、個々の薬物の場合に指示され得るような4〜18時間毎の投与ではなく、1日1回又は2回の投与しか必要としない持続放出的な方法で薬物を提供することにより、疼痛及び疼痛関連状態などの慢性の状態に特に適する。
【0007】
米国特許第4,571,333号(特許文献1)及び米国特許第4,803,079号(特許文献2)において、Hsias及びKentは、放出制御(controlled release)ナプロキセン製剤の使用及び放出制御ナプロキセンナトリウム製剤の使用を開示している。ナプロキセンの治療的血液ピークレベルは、これらの製剤によっては迅速には達成されず、これらの特許文献に開示されている最大濃度(Cmax)によって示されるように、達成に6時間超を要する。同様に、米国特許第5,508,042号(特許文献3)は、疼痛治療のための放出制御オキシコドン製剤を提供する。米国特許第5,614,218号(特許文献4)は、モルヒネの制御された、好ましくはpH非依存性の放出を可能にする、バリア膜でコーティングされた治療有効量のモルヒネの塩を含む、複数のコーティングされた粒子を含有する錠剤、カプセル剤又は分包剤(sachet)の形態の経口放出制御医薬製剤を提供する。米国特許第6,285,887号(特許文献5)は、トラマドールを含有する放出制御経口製剤を開示している。米国特許第7,410,965号(特許文献6)は、1−ジメチルアミノ−3−(3−メトキシフェニル)−2−メチルペンタン−3−オール又はその医薬として許容される塩をマトリックス中に含有する遅延放出医薬製剤を提供する。米国特許第5,601,842号(特許文献7)は、トラマドール及びマトリックス化剤を含有し、20℃における2%水溶液中の粘度が3,000〜150,000mPaである錠剤を開示している。
【0008】
更に、米国特許第5,811,126号(特許文献8)は、トラマドールを含有し且つアルギン酸ナトリウム、融点範囲25〜90℃のC〜C50食用炭化水素誘導体及び前記アルギン酸塩を架橋する二価塩を含む放出制御医薬組成物を開示している。これらの製剤のインビボ性能は入手できない。米国特許第5,639,476号(特許文献9)及び米国特許第5,580,578号(特許文献10)は、トラマドールを含有する基材を含有する放出制御剤形であって、前記基材が、低含量の第四級アンモニウム基を有するアンモニオ−メタクリレートコポリマー及び透過性を向上させる細孔形成剤の可塑化水性分散液でコーティングされ、被膜(coating)が約24〜約60時間硬化されて製剤を安定化させている剤形を開示している。米国特許第5,955,104号(特許文献11)は、水溶性カプセル中のペレット又は前記ペレットから圧縮された錠剤からなる遅延放出トラマドール製剤であって、各ペレットが、(a)実質的に不活性コアと;(b)不活性コア上の有効成分層であって、(i)トラマドール粒子を含有し、(ii)前記不活性コア上に前記トラマドール粒子を付着させるためのバインダー(binder)を有し、任意選択で(iii)医薬として許容される内部補助剤を含有する有効成分層と;(c)エチルセルロースとシェラックの混合物から主になる、トラマドールの放出を遅延させるための遅延被膜を有する製剤を開示している。
【0009】
新規徐放性製剤はまた、高アミロース澱粉を使用して開発されており、特に、最近の進歩は、架橋高アミロース澱粉を使用して遂げられている。例えば、米国特許第5,456,921号(特許文献12)、米国特許第5,616,343号(特許文献13)、米国特許第6,284,273号(特許文献14)、米国特許第6,419,957号(特許文献15)及び米国特許第6,607,748号(特許文献16)は、医薬品の乾燥粉末及び架橋高アミロース澱粉の乾燥粉末を含む錠剤の形態の固体放出制御経口医薬投与単位であって、前記架橋高アミロース澱粉がアミロペクチン約10〜60重量%及びアミロース約40〜90%の混合物を含む投与単位を記載している。
【0010】
米国特許第3,490,742号(特許文献17)は、非顆粒状アミロースを含むバインダー−崩壊剤を開示している。この材料は、澱粉を分画することによって又は顆粒状高アミロース澱粉を高温で水に溶解させることによって調製される。放出制御性は開示されていない。米国特許第5,108,758号(特許文献18)は、有効化合物及びガラス状アミロースを含む経口遅延放出組成物を開示している。欧州特許出願第EP−A−499,648号(特許文献19)は、錠剤賦形剤を開示している。より詳しくは、それらは、錠剤、ペレット剤、カプセル剤又は顆粒剤を製造するのに有用な澱粉バインダー及び/又は充填剤を開示している。米国特許第7,410,965号(特許文献6)及び米国特許出願第20050136110号(特許文献20)は、1−ジメチルアミノ−3−(3−メトキシル−フェニル)−2−メチル−ペンタン−3−オールの遅延放出医薬組成物を提供する。トラマドールHClの延長放出(extended release)製剤及び放出制御製剤は、米国特許出願第2003/0143270号(特許文献21)、米国特許第6,254,887号(特許文献22)、米国特許出願第2001/0036477号(Millerら)(特許文献23)、米国特許第6,326,027号(特許文献24)、米国特許第5,591,452号(特許文献25)及び欧州特許第1190712号(特許文献26)に示唆されている。臨床試験において1日2回とされている薬物は1つあるが、徐放性タペンタドール単剤はもちろんのこと、1日1回の製剤である薬物は市販されておらず、副作用を低下させる製剤も市販されていない。米国特許出願第20070269511号(特許文献27)は、プレガバリンを含有する固体医薬組成物を特許請求している。この組成物は、マトリックス形成剤及び膨潤剤を含み、1日1回の経口投与に好適であり、ポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの混合物を含むマトリックス形成剤を含む。米国特許出願第20070269511号(特許文献27)は、プレガバリンを含む、1日1回の胃内滞留型固体医薬組成物を特許請求している。同様に、米国特許出願第20060159743号(特許文献28)は、1日1回又は1日2回の投与計画で投与できる、ガバペンチンの胃滞留型(gastric retentive)剤形を特許請求している。WO2009067703(特許文献29)は、疼痛及び疼痛関連障害を治療するための、徐放性タペンタドール及びタペンタドールなどの第2の有効薬剤を含む医薬剤形を開示している。WO2010025931(特許文献30)は、塩酸タペンタドール及び抗てんかん薬を含む配合剤、並びにこのような配合剤を使用する疼痛の治療方法を特許請求している。しかし、1日1回及び1日2回の投与に好適な、GABA類似体及びオピオイドを含む胃内滞留型医薬剤形に関する先行技術はない。同様に、オピオイドが徐放型又は即時放出型のいずれかである、徐放性GABA類似体及びオピオイドを含む胃内滞留型医薬剤形に関する報告もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第4,571,333号
【特許文献2】米国特許第4,803,079号
【特許文献3】米国特許第5,508,042号
【特許文献4】米国特許第5,614,218号
【特許文献5】米国特許第6,285,887号
【特許文献6】米国特許第7,410,965号
【特許文献7】米国特許第5,601,842号
【特許文献8】米国特許第5,811,126号
【特許文献9】米国特許第5,639,476号
【特許文献10】米国特許第5,580,578号
【特許文献11】米国特許第5,955,104号
【特許文献12】米国特許第5,456,921号
【特許文献13】米国特許第5,616,343号
【特許文献14】米国特許第6,284,273号
【特許文献15】米国特許第6,419,957号
【特許文献16】米国特許第6,607,748号
【特許文献17】米国特許第3,490,742号
【特許文献18】米国特許第5,108,758号
【特許文献19】欧州特許出願第EP−A−499,648号
【特許文献20】米国特許出願第20050136110号
【特許文献21】米国特許出願第2003/0143270号
【特許文献22】米国特許第6,254,887号
【特許文献23】米国特許出願第2001/0036477号(Millerら)
【特許文献24】米国特許第6,326,027号
【特許文献25】米国特許第5,591,452号
【特許文献26】欧州特許第1190712号
【特許文献27】米国特許出願第20070269511号
【特許文献28】米国特許出願第20060159743号
【特許文献29】WO2009067703
【特許文献30】WO2010025931
【特許文献31】WO94/02121
【特許文献32】WO94/21236
【特許文献33】米国特許第3,845,770号
【特許文献34】米国特許第3,916,899号
【特許文献35】米国特許第4,034,758号
【特許文献36】米国特許第4,077,407号
【特許文献37】米国特許第4,783,337号
【特許文献38】米国特許第5,071,607号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Guidance for Industry Bioavailability and Bioequivalence Studies
【非特許文献2】Guidance for Industry Bioavailability and Bioequivalence Studies for Orally Administered Drug Products−General Considerations
【非特許文献3】Remington’s Pharmaceutical Sciences、14.sup.th Ed.(1970年)
【非特許文献4】BIOCHIMIE 1978年、60、535〜537頁
【非特許文献5】Mateescuら、Analytical Letters、1985年、18、79〜91頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を開示する。更に、本発明者は、鎮痛剤組成物を研究している間に、驚くべきことに、糖尿病ニューロパシー、関節リウマチ、変形性関節症などと関連する中等度から重度の疼痛状態を治療する胃内滞留型剤形及び方法であって、治療を必要とする対象に、5〜2000mgの治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体及び1〜1000mgのオピオイドを含む医薬剤形であって胃内に少なくとも4時間保持され且つ1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することより、より良好な疼痛管理を提供する剤形及び方法を見出した。
【0014】
有効な成分の投薬が減少され、相当な患者コンプライアンス及び持続疼痛緩和期間が認められるので、本発明は有利である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を提供する。
【0016】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法を更に提供する。
【0017】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、前記オピオイドが即時放出型であり、剤形が胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を更に提供する。
【0018】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、前記GABA類似体及び前記オピオイドが徐放型であり、剤形が胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を更に提供する。
【0019】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、前記オピオイドが即時放出型であり、剤形が胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法を更に提供する。
【0020】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、前記GABA類似体及び前記オピオイドが徐放型であり、剤形が胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法を更に提供する。
【0021】
本発明は、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含むコアと、b)前記コアを含むコート(coat)とを含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を更に提供する。
【0022】
本発明は、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法を更に提供する。
【0023】
本発明は、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散されたオピオイドを含む圧縮コアと、b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜被覆(covering)と、c)封入用コートとを含む医薬剤形であって、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を更に提供する。
【0024】
本発明は、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散されたオピオイドを含む圧縮コアと、b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜被覆と、c)封入用コートとを含む医薬剤形であって、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形の投与による障害の治療方法を更に提供する。
【0025】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体及び少なくとも1種のオピオイド並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、
GABA類似体の10〜40%が測定開始後0〜約2時間で放出され、
GABA類似体の約30〜60%が測定開始後2〜約7時間で放出され、
GABA類似体の約50〜80%が測定開始後7〜約12時間で放出され、
GABA類似体の約80〜100%が約20時間の測定後に放出される
インビトロ溶解プロフィールを示す医薬剤形を更に提供する。
【0026】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体及び少なくとも1種のオピオイド並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、USP装置Type 1を用いて50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)中、100rpmにおいてインビトロで測定された場合に、
GABA類似体の約5〜約30%が1時間後に放出され、
GABA類似体の約15〜約40%が2時間後に放出され、
GABA類似体の約20〜約50%が4時間後に放出され、
GABA類似体の約30〜約70%が8時間後に放出され、
GABA類似体の約40〜約90%が12時間後に放出され、
GABA類似体の約50〜約100%が16時間後に放出され、
GABA類似体の60〜約100%が24時間後に放出される
溶解速度を有する医薬剤形を更に提供する。
【0027】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体及び少なくとも1種のオピオイド並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、USP装置Type 1を用いて50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)中、100rpmにおいてインビトロで測定された場合に、
GABA類似体の約10〜約25%が1時間後に放出され、
GABA類似体の約15〜約30%が2時間後に放出され、
GABA類似体の約25〜約40%が4時間後に放出され、
GABA類似体の約40〜約55%が8時間後に放出され、
GABA類似体の約60〜約75%が12時間後に放出され、
GABA類似体の約70〜約90%が16時間後に放出され、
GABA類似体の約90〜約100%が24時間後に放出される
溶解速度を有する医薬剤形を更に提供する。
【0028】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、前記剤形が胃内に少なくとも4時間保持され、前記オピオイドが、アルフェンタニル、アキソマドール、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフィン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、ファキセラドール、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン(nalbuphene)、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、タペンタドール及びトラマドールからなる群から選択され、前記剤形が1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を更に提供する。
【0029】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、前記剤形が胃内に少なくとも4時間保持され、前記オピオイドがアルフェンタニル、アキソマドール、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、ファキセラドール、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、タペンタドール及びトラマドールからなる群から選択され、前記剤形が1日1回の投与に好適であり、そして前記剤形が1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる疼痛の治療方法を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】プレガバリンとタペンタドールの胃内滞留型固定配合剤(fixed combination)(例1及び2)におけるプレガバリンの溶解プロフィールを示すグラフである。
図2】プレガバリン及びタペンタドールの胃内滞留型固定配合剤(例8、9及び10)におけるプレガバリンの溶解プロフィールを示すグラフである。
図3】プレガバリン及びタペンタドールの胃内滞留型固定配合剤(例1及び参照例1)におけるプレガバリンの平均血漿濃度を示すグラフである。
図4】プレガバリン及びタペンタドールの胃内滞留型固定配合剤(例8、9及び10)におけるプレガバリンの用量比例関係を示すグラフである。
図5】プレガバリン及びタペンタドールの胃内滞留型固定配合剤(例と参照例)における定常状態タペンタドール濃度(ng/mL)を示すグラフである。
図6】タペンタドール単独及びプレガバリン単独と比較した、プレガバリン及びタペンタドールの胃内滞留型固定配合剤(例8)の平均疼痛スコアを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本明細書中で使用する用語「投与又は摂取」は、患者又は対象に投与される有効成分を含有する製剤の用量の投与を意味する。
【0032】
本明細書中で使用する用語「10ミラーゼ(mylase)」は、数千グルコース単位から作られているグルコースの線状ポリマーを意味する。
【0033】
本明細書中で使用する用語「結合剤(binding agent)」は、任意の従来既知の薬学的に許容可能なバインダー、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ワックスなどを指す。前記結合剤の混合物も使用できる。好ましい結合剤は、25,000〜3,000,000の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンなどの水溶性材料である。結合剤は概ね、コアの総重量の約0〜約40%、好ましくは約3〜約15%を構成し得る。一実施形態において、コア中における結合剤の使用は任意である。
【0034】
用語「生物学的同等性又は生物学的同等性の」は、医薬同等物又は医薬代替物中の有効成分又は有効部分が、適切に計画された試験において同様な条件下で同一モル用量で投与される場合に、薬物作用部位において利用可能となる比率及び程度に有意差がないことと定義する。標準的な方法によって決定されるGABA類似体のバイオアベイラビリティ(AUC)が、同一用量のGABA類似体を含む第2の経口投与可能な剤形の約80〜約125%である確率は約90%以上であり、標準的な方法によって測定されるGABA類似体の最大血漿濃度(Cmax)が、第2の経口投与可能な剤形の約80〜約125%である確率は約90%以上である。
【0035】
本明細書中で使用する用語「臨床効果」は、好適なスケール、例えば、WOMACグローバルスコア、Likertスケール又はVASスコアを使用して測定される、試験対象が経験する疼痛に対する臨床的有効性である。
【0036】
本明細書中で使用する「放出制御」は、第1の1回1日の放出制御剤形中の薬物のかなり緩やかな放出速度、又はインビボで単位時間当たりに実質的に制御された方法で薬物を制御可能に放出する少なくとも1種の手段を意味するものと定義する。薬物の放出速度は、剤形の特徴によって、及び/又は生理的条件若しくは環境条件単独によってではなく生理的条件又は環境条件と組み合わさって制御される。
【0037】
本明細書中で使用する、「放出制御剤形」又はGABA類似体若しくはオピオイドの「放出制御」を示す剤形という用語は、薬物を比較的一定の速度で放出し、且つ約24時間にわたって有効薬物の治療域内において経時的に実質的に不変であり続ける有効薬物の血漿濃度を提供する、1日1回投与される剤形を意味するものと定義する。
【0038】
本明細書中で使用する用語「架橋11ミラーゼ」は、互いに連結されたアミラーゼ単位を意味する。
【0039】
本明細書中で使用する用語「被覆」は、フィルム又は被膜などの薬学的に許容可能な遅延被覆を意味する。
【0040】
用語「持続放出の候補」は、配合により延長放出様式とするための候補となる薬物の全ての特性、例えば、短い排出半減期とその結果としての1日1回超の投薬、より良好な臨床結果を達成し且つ即時放出に関連する副作用を回避するなどのために延長様式で投与される単回投与製品などを包含する。
【0041】
本明細書中で使用する、「遅延放出剤形」又は薬物の「遅延放出」を示す剤形という用語は、投与直後でなく、しばらく経ってから薬物を実質的に放出する、1日1回投与される剤形を意味するものと定義する。遅延放出剤形は、薬物吸収の開始前に時間遅延をもたらす。このような剤形は望ましくは、遅延放出コートでコーティングされる。
【0042】
本明細書中で使用する用語「剤形」は、医薬又は有効薬物の用量が含まれている固体経口医薬製剤又は系を意味するものと定義する。剤形は望ましくは、例えば、少なくとも1種の徐放剤形、例えば、種々の徐放型、例えば、浸透制御放出剤形、浸食制御放出剤形、溶解制御放出剤形、拡散制御放出剤形、放出制御マトリックスコア、少なくとも1つの放出緩徐化(release−slowing)コートでコーティングされている放出制御マトリックスコア、腸溶性剤形、少なくとも1つの遅延放出コートで囲まれている1つの持続剤形、カプセル剤、ミニ錠剤、カプレット剤、コーティングされていないミクロ粒子、放出緩徐化コートでコーティングされているミクロ粒子、遅延放出コートでコーティングされているミクロ粒子、又はこれらの任意の組み合わせを含む。本出願との関連において、本明細書中に記載される剤形は、必要としている患者を治療するための、有効量のGABA類似体及びオピオイドを含む前記で定義された剤形を意味する。
【0043】
本明細書中で使用する用語「有効量」は、患者の治療が、治療をしない場合に比較して有効であるのに十分な投与量を意味する。
【0044】
本明細書中で使用する、「吸収増強剤形」又は薬物の「吸収増強」を示す剤形という用語は、同様な条件への曝露時に、薬物の量が同じか又はより多い他の剤形と比較して、薬物のより高い放出及び/又はより高い吸収を示す剤形を意味するものと定義する。
【0045】
内部固体粒子相及び外部固体連続相中に存在する「延長放出材料」という用語は、1種若しくは複数の親水性ポリマー及び/又は1種若しくは複数の疎水性ポリマー及び/又は1種若しくは複数の他の型の疎水性材料(例えば、1種又は複数のワックス、脂肪族アルコール及び/又は脂肪酸エステル)を指す。内部固体粒子相中に存在する「延長放出材料」は、外部固体連続相中に存在する「延長放出材料」と同じであってもよいし、又は異なっていてもよい。
【0046】
本明細書中で使用する、「延長放出剤形」又は薬物の「延長放出」を示す剤形という用語は、1日1回投与される剤形であって、薬物を緩徐に放出することによって、薬物の血漿濃度が長期間にわたって治療的なレベルに維持され、その結果として持続放出剤形が24時間にわたって治療有用性を示す剤形を意味するものと定義する。
【0047】
用語「FDAガイドライン」は、本特許出願の出願時点で米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration)によって承認されていたガイダンス、Guidance for Industry Bioavailability and Bioequivalence Studies(非特許文献1)を指す。米国保健福祉省食品医薬品局医薬品評価研究センター(CDER)のGuidance for Industry Bioavailability and Bioequivalence Studies for Orally Administered Drug Products−General Considerations(非特許文献2)を、2005年9月8日の附属ラベルと共に、その全体を本明細書中に組み入れる。
【0048】
本明細書中で使用する用語「GABA類似体(GABA Analog又はGABA Analogue)」は、カルシウムチャネルα−2−δ受容体と結合するGABA類似体の少なくとも1つの型を意味するものと定義し、これには、チアガビン、プレガバリン、ガバペンチンなどが含まれるが、これらに限定するものではない。これらには、各GABA類似体基体、GABA類似体の個々に光学活性エナンチオマー、例えば、(+)又は(−)型のGABA類似体、そのラセミ混合物、活性代謝産物、その薬学的に許容可能な塩、例えば、GABA類似体の酸付加塩又は塩基付加塩が含まれる。酸付加塩を形成するのに一般に使用される酸は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸など、及び有機酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などである。このような薬学的に許容可能な塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、13mylase13e、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソブチル酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩(propiolate)、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸エステル、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩(butyne−1,4−dioate)、ヘキシン−1,6−二酸塩(hexyne−1,6−dioate)、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニルブチル酸塩(butylate)、クエン酸塩、乳酸塩、g−ヒドロキシブチル酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などである。塩基付加塩としては、無機塩基、例えば、アンモニウム又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などから得られるものが挙げられる。したがって、本発明の塩の調製において有用なこのような塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0049】
本明細書中で使用する用語「親水性ポリマー」には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、プロピレングリコールアルギネート、アルギン酸、ポリビニルアルコール、ポビドン、カルボマー、ペクチン酸カリウム、カリウムペクチネート(potassium pectinate)などが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0050】
本明細書中で使用する用語「疎水性ポリマー」には、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アンモニオメタクリレートコポリマー(Eudragit RL(商標)又はEudragit RS(商標))、メタクリル酸コポリマー(Eudragit L(商標)又はEudragitS(商標))、メタクリル酸−アクリル酸エチルエステルコポリマー(Eudragit L 100−5(商標))、メタクリル酸エステル中性コポリマー(Eudragit NE 30D(商標))、ジメチルアミノエチルメタクリレート−メタクリル酸エステル類コポリマー、(Eudragit E 100(商標))、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、それらの塩及びエステル(Gantrez(商標))などが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0051】
本明細書中で使用する用語「即時放出コート」は、インビトロ又はインビトロで剤形からのGABA類似体又はオピオイドの放出速度に実質的に又はそれほど影響を及ぼさないコートを意味するものと定義する。即時放出コートを構成する賦形剤は、徐放性、膨潤性、浸食性、溶解性、又は浸食性及び膨潤性を実質的に有さず、これは、コートの組成が、GABA類似体又はオピオイドの放出速度に実質的な影響を及ぼさないことを意味する。
【0052】
用語「教材」は、本発明の組成物の、指定用途としての実用性を伝えるのに使用できる出版物、記録、図表又は任意の他の表現手段を含む。本発明のキットの教材は、例えば、組成物を含む容器に添付してもよいし、又は組成物を含む容器と共に出荷してもよい。あるいは、教材及び組成物が受領者によって協同的に使用されることを意図して、教材は容器とは別に出荷してもよい。
【0053】
本明細書中で使用する用語「医薬」は、医薬として有効な化合物を患者に投与するのに好適な医薬組成物を意味する。
【0054】
本明細書中で使用する用語「平均最大血漿濃度」(Cmax)は、GABA類似体又はオピオイドの最大血漿濃度の算術平均を意味する。
【0055】
本明細書中で使用する用語「平均血漿濃度」は、GABA類似体又はオピオイドの算術平均血漿濃度を意味する。
【0056】
本明細書中で使用する、「放出調節剤形」又は薬物の「放出調節」を示す剤形と言う用語は、時間経過及び/又は部位の薬物放出特性が、即時放出剤形によっては提供されない治療的目標又は利便性の目標を達成するように設計された剤形を意味するものと定義する。放出調節剤形又は剤形は典型的には、薬物の血漿濃度を即座に増加させ、その濃度が少なくとも24時間にわたって薬物の治療域内で実質的に一定であり続けるように設計する。あるいは、放出調節剤形は望ましくは、薬物の血漿濃度を即時増加させ、一定であり続けることができなくても血漿濃度が少なくとも24時間にわたって治療域内であり続けるような速度で低下するように設計する。
【0057】
本明細書中で使用する用語「多粒子(multiparticulate)」又は「微小粒子(microparticle)」は、複数の薬物含有単位、例えば、ミクロスフェア、球状粒子、マイクロカプセル、粒子、ミクロ粒子(micro particle)、顆粒、スフェロイド、ビーズ、ペレット又は小球体を意味するものと定義する。
【0058】
本明細書中で使用する用語「オピオイド又はオピエート」は、オピオイド受容体に作用することによって生体学的応答を引き出す任意のものを意味する。これらは、本発明において有用なオピオイド作動薬を含むがこれらに限定されず、その例としては、アルフェンタニル、アキソマドール、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、ファキセラドール、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、タペンタドール及びトラマドール、前記のいずれかの混合物又は塩が挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0059】
本明細書中で使用する用語「疼痛及び疼痛関連状態」は、神経因性疼痛、変形性関節症、関節リウマチ、線維筋痛、及び背痛、筋骨格痛、閉鎖性脊椎炎(Enclosing spondylitis)、若年性関節リウマチ、片頭痛、歯痛、腹痛、虚血性疼痛、術後痛又は麻酔若しくは手術条件による疼痛を含むがこれらに限定されない、医学的状態による全ての疼痛と定義する。
【0060】
用語「通路」は、開口部、オリフィス、ボア、孔、弱い部分、又は浸食されて剤形から薬物を放出するための浸透通路を形成する信頼できる要素、例えば、ゼラチンプラグを含む。
【0061】
用語「薬学的に許容可能な誘導体」は、GABA類似体又はオピオイドの種々の医薬等価異性体、エナンチオマー、塩、水和物、多形体、エステルなどを意味する。
【0062】
本明細書中で使用する用語「疾患の予防」は、疾患の臨床発症前における、疾患発生リスクのある個人の管理及びケアと定義する。予防の目的は、疾患、状態又は障害の発生に抗することであり、症状又は合併症の発症を予防する又は遅延させるため並びに関連する疾患、状態又は障害の発生を予防する又は遅延させるための有効化合物の投与を含む。
【0063】
本明細書中で使用する用語「膨潤性ポリマー」は、体液の存在下で膨潤するポリマーを指す。定義された薬物製剤中に存在する場合に、所与のポリマーが膨潤する可能性もあるし又は膨潤しない可能性もあると理解される。
【0064】
本明細書中で用語「徐放(性)」は、有効成分の放出が本質的に緩徐である、即時放出以外の任意の放出製剤に適用される。これは、医薬に関連して同義で使用される種々の用語、例えば、延長放出、遅延放出、持続放出、放出制御、時限放出、特異的放出、長期放出及び標的放出などを含む。
【0065】
本明細書中で使用する、「持続放出剤形」又は薬物の「持続放出」を示す剤形という用語は、1日1回投与される剤形であって、投与後に治療用量を提供するのに十分な薬物の放出を可能にし、次いで長期間にわたって緩やかな放出を可能にし、それによって持続放出剤形が24時間にわたって治療的有用性を提供する剤形を意味するものと定義する。
【0066】
本明細書中で使用する用語「疾患の治療」は、疾患、状態又は障害が発生している患者の管理及びケアを意味する。治療の目的は、疾患、状態又は障害に抗することである。治療は、疾患、状態又は障害を排除又は制御するため及び疾患、状態又は障害に関連する症状又は合併症を軽減するための有効化合物の投与を含む。
【0067】
本明細書中で使用する用語「1日2回の経口医薬組成物」は、必要としている患者に1日2回投与される任意の製剤と定義する。
【0068】
用語「治療有効量」は、最適以下の量を含む、哺乳動物における生物学的応答を引き出す量を意味する。
【0069】
内部固体粒子相及び/又は外部固体連続相に用いることができる他の疎水性材料としては、ワックス、例えば、蜜ろう、カルナウバろう、ミクロクリスタリンワックス及びオゾケライト;脂肪族アルコール、例えば、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコールなど;及び脂肪酸エステル、例えば、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノオレエート(glycerol monooleate)、アセチル化モノグリセリド、トリステアリン、トリパルミチン、セチルエステルワックス、グリセリルパルミトステアレート、ベヘン酸グリセリル、水素化ヒマシ油などが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0070】
本剤形に使用するのに好適なポリマーは、線状ポリマー、分岐ポリマー、デンドリマー又はスターポリマーであることができ、合成親水性ポリマー並びに半合成及び天然親水性ポリマーを含む。ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであってもよく、コポリマーである場合には、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーのいずれであってもよい。本発明において有用な合成親水性ポリマーとしては、ポリアルキレンオキシド、特にポリ(エチレンオキシド)、ポリエチレングリコール及びポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)コポリマー;セルロースポリマー;アクリル酸ポリマー及びメタクリル酸ポリマー、並びにそれらのコポリマー及びエステル(好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル及びそれらのコポリマーの相互から又はそれらと追加のアクリレート種、例えば、アクリル酸アミノエチルとから形成されたそれらのコポリマー及びエステル);無水マレイン酸コポリマー;ポリマレイン酸;ポリ(アクリルアミド)、例えば、ポリアクリルアミド自体、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(ジメチルアクリルアミド)及びポリ(N−イソプロピル−アクリルアミド);ポリ(オレフィンアルコール)、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N−ビニルラクタム)、例えば、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(N−ビニルカプロラクタム)及びそれらのコポリマー;ポリオール、例えば、グリセロール、ポリグリセロール(特に高分岐ポリグリセロール)、1つ又は複数のポリアルキレンオキシドで置換されているプロピレングリコール及びシクロプロパングリコール、例えば、モノ−、ジ−及びトリ−ポリオキシエチル化グリセロール、モノ−及びジ−ポリオキシエチル化プロピレングリコール、並びにモノ−及びジポリ−オキシエチル化トリメチレングリコール;ポリオキシエチル化ソルビトール及びポリオキシエチル化グルコース;ポリ(メチルオキサゾリン)及びポリ(エチルオキサゾリン)を含むポリオキサゾリン;ポリビニルアミン;ポリ酢酸ビニル自体並びにエチレン−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアセテートフタレートなどを含むポリ酢酸ビニル;18mylase18es、例えば、ポリエチレンイミン;澱粉及び澱粉系ポリマー;ポリウレタンヒドロゲル;キトサン;多糖類ガム;ゼイン;並びにシェラック、アンモニア処理シェラック、シェラック−アセチルアルコール及びシェラックn−ブチルステアレートが挙げられるが、これらに限定するものではない。
【0071】
本発明は、治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を開示する。GABA類似体の例には、プレガバリン及びガバペンチンが含まれ、オピオイドの例には、モルヒネ、オキシコドン、トラマドール、タペンタドール、アキソマドール及びファキセラドールが含まれる。
【0072】
本発明は更に、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高18ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形を提供する。GABA類似体の例には、プレガバリン及びガバペンチンが含まれ、オピオイドの例には、モルヒネ、オキシコドン、トラマドール、タペンタドール、アキソマドール及びファキセラドールが含まれる。
【0073】
コアは少なくとも1種のマトリックスを含み、GABA類似体はマトリックスから緩徐に放出される。具体的な実施形態において、コアの1つのマトリックスは、標準的な方法によって調製される、以下に詳述する架橋高19ミラーゼ澱粉である。コアの形成は、構成要素層を混合し、それらを圧縮して圧縮コアにすることによって行う。コアの重量は、錠剤重量の約10%〜約80%であることできる。好ましい実施形態において、コアは、錠剤を作るのに使用するGABA類似体の量に応じて、26%〜33%である。GABA類似体は、総組成物の約10%〜約90%であることができる。具体的な実施形態において、第1の放出層中のGABA類似体の量は、錠剤中に存在する総GABA類似体の50%又は約50%であり、オピオイドは、剤形中に存在する総オピオイドの100%又は約100%である。例えば、150mgのGABA類似体(プレガバリン)投与製剤中75mg又は150mgのGABA類似体(ガバペンチン)投与製剤中約50%とタペンタドール100mg。本発明の別の実施形態において、100mgのGABA類似体(ガバペンチン)投与製剤中50mg又は150mgのGABA類似体(ガバペンチン)投与製剤中約50%。GABA類似体は、コアの総重量の約1〜約90wt.%、好ましくは第1の放出層の総組成物の約10〜約70wt.%、より好ましくは第1の放出層の総組成物の約20〜約60重量%、おそらく最も多くの場合は第1の放出層の総組成物の約30〜約50wt.%の範囲のレベルで存在する。オピオイド(タペンタドール)は、第2の放出層の約10%〜約90%で存在する。
【0074】
コアは少なくとも1種のマトリックスも含み、オピオイドはマトリックスから緩徐に放出される。具体的な実施形態において、コアの1つのマトリックスは、標準的な方法によって調製される、以下に詳述する架橋高19ミラーゼ澱粉である。コアの形成は、構成要素層を混合し、それらを圧縮して圧縮コアにすることによって行う。コアの重量は、錠剤重量の約10%〜約80%であることができる。好ましい実施形態において、コアは、錠剤を作るのに使用するオピオイドの量に応じて、26%〜33%である。オピオイドは、総組成物の約10%〜約90%であることができる。具体的な実施形態において、第1の放出層中のオピオイドの量は、錠剤中に存在する総オピオイドの50%又は約50%である。例えば、100mgのオピオイド(タペンタドール)投与製剤中50mg又は150mgのGABA類似体(ガバペンチン)投与製剤中約50%と150mgのGABA類似体。オピオイドは、コアの総重量の約1〜約90wt.%、好ましくは第1の放出層の総組成物の約10〜約70wt.%、より好ましくは第1の放出層の総組成物の約20〜約60wt.%、おそらく最も多くの場合は第1の放出層の総組成物の約30〜約50wt.%の範囲のレベルで存在する。
【0075】
コアの少なくとも1種のマトリックスは、架橋高20ミラーゼ澱粉であり、第1の放出層の約10重量%〜約90重量%を構成する。特定の一実施形態において、第1の放出層は合計約140mgであり、そのうち約75mgが架橋アミラーゼであり、GABA類似体は約75mgであり、したがって、マトリックスは第1の放出層の約49重量%を構成する。しかし、第1の放出層のマトリックス対第1の放出層の有効成分の比(w/w)は、約0.1〜約10、又は約0.5〜約5、又は約1〜約4、又は約1〜約3及び約1.5〜約2.5である。本発明において想定される第1の放出層は任意選択で、当技術分野で知られている薬学的に許容可能な担体又はビヒクル;矯味矯臭剤;着色剤;バインダー;保存剤;滑沢剤、澱粉、充填剤、流動促進剤、界面活性剤などを含んでいてもよく、それらは、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,14.sup.th Ed.(1970年)(非特許文献3)に見られる。
【0076】
コアの第2の放出層は、ポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンと任意選択で第1の放出層の有効医薬成分(複数可)との物理的混合物を含む。好ましい一実施形態において乾式圧縮によって調製される第2の層はまた、架橋高20ミラーゼ澱粉を含むことができる。下記の詳細な実施形態において、ポリビニルピロリドンは、第2の層の約45重量%を構成する。第2の層は、約23%のキサンタンガムを含む。オピオイドは、第2の放出層の約30〜約70重量%で存在する。
【0077】
本発明は、GABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、剤形が胃内に少なくとも4時間残る医薬組成物を開示する。本発明によれば、組成物は好ましくは、治療有効量のGABA類似体及び治療有効量のオピオイド又はその薬学的に許容可能な塩を含有し、GABA類似体は好適には5〜800mg/投与単位、特に50、100、200、300、400〜1000mg/投与単位の範囲であり、オピオイドは約1mg〜約1000mgで存在し、前記剤形は、1日1回又は1日2回の投与に好適である。正確な投与量は、剤形中に使用するオピオイドによって異なる。例えば、タペンタドールは、剤形中に約50mg〜約150mgで存在でき、オキシコドンは、剤形中に約25mg〜約100mgで存在できる。
【0078】
本発明は更に、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高21ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が少なくとも1種のオピオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む固体剤形を提供する。
【0079】
本発明は更に、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高21ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含み、前記第2の放出層がポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンとの物理的混合物を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む固体剤形を提供する。
【0080】
本発明は更に、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高21ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形であって、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するGABA類似体の10%〜30%/時が0〜2時間で放出される医薬剤形を提供する。
【0081】
本発明は更に、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含む圧縮コアと、b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜被覆と、c)膜がコーティングされたコアを含む封入用コートとを含む医薬剤形であって、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するGABA類似体の10%〜30%/時が0〜2時間で放出される医薬剤形を提供する。
【0082】
本発明は更に、GABA類似体又はその塩が埋め込まれた架橋高22ミラーゼ澱粉を含む圧縮された第1の放出層と、第2の放出マトリックス中に少なくとも1種のオピオイドを含む第2の放出層とを含むコアを含む固体剤形を提供する。より好ましくは、剤形は、架橋高22ミラーゼ澱粉を含む第1の放出層に分散されたGABA類似体約5mg〜500mgと、第2の放出マトリックス中に少なくとも1種のオピオイド約1mg〜約500mgを含む第2の放出層とを含む。
【0083】
本発明は更に、GABA類似体又はその塩が埋め込まれた架橋高22ミラーゼ澱粉を含む圧縮された第1の放出層と、第2の即時放出マトリックス中に少なくとも1種のオピオイドを含む第2に放出層とを含むコアを含む固体剤形を提供する。より好ましくは、剤形は、架橋高22ミラーゼ澱粉を含む第1の放出層に分散されたGABA類似体約5mg〜500mgと、第2の即時放出マトリックス中に少なくとも1種のオピオイドを約1mg〜約500mgを含む第2の放出層とを含む。
【0084】
本発明は更に、GABA類似体又はその塩が埋め込まれた架橋高22ミラーゼ澱粉を含む圧縮された第1の放出層と、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、バインダー、オピオイドの物理的混合物を含む第2の放出層とを含むコアを含む徐放性錠剤であって、第1の放出層/第2の放出層の比(w/w)が約0.2〜0.6である徐放性錠剤を提供する。
【0085】
本発明は更に、4時間毎、又は6時間毎、8時間毎、12時間毎、又は18時間毎、又は24時間毎の期間にわたって使用するための固体剤形であって、製剤が、架橋高22ミラーゼ澱粉を含む第1の徐放性マトリックス中に分散されたGABA類似体を含む第1の放出層、及び第2の徐放性マトリックス中に少なくとも1種のオピオイドを含む第2の放出層を含む圧縮コアと、前記コアを含むコートとを含む固体剤形を提供する。
【0086】
本発明は、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高22ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、バインダー、少なくとも1種のオピオイドの物理的混合物を含み、第1の放出層/第2の放出層の比(w/w)が約0.2〜0.6であり、第1の放出層中のGABA類似体対第2の放出層中のオピオイドの比が約0.7〜約1であるコアと、b)前記コアを含むコートとを含む徐放性錠剤を開示する。
【0087】
本発明は、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高23ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、バインダー、少なくとも1種のオピオイドの物理的混合物を含み、第1の放出層/第2の放出層の比(w/w)が約0.2〜0.6であり、ポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドンの比(w/w)が約6:4〜9:1であるコアと、(b)前記コアを含むコートとを含む徐放性錠剤を開示する。
【0088】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、胃内に少なくとも4時間保持されてGABA類似体を長時間にわたって放出するGABA類似体を含む固体投与製剤であって、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高23ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の徐放性マトリックス中に少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、GABA類似体約5〜約800mg及びオピオイド約2.5mg〜約500mgを含む固体投与製剤を包含する。
【0089】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、胃内に少なくとも4時間保持されてGABA類似体を長時間にわたって放出するGABA類似体を含む固体投与製剤であって、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、架橋高23ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が任意選択で、第2の徐放性マトリックス中にGABA類似体を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記第1の層がGABA類似体約5〜約800mgを含み、前記第2の層がオピオイド約2.5mg〜約500mgを含む固体投与製剤を包含する。
【0090】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、胃内に少なくとも4時間保持されてGABA類似体を長時間にわたって放出するGABA類似体を含む固体投与製剤であって、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、架橋高24ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含み、第2の放出層が、第2の徐放性マトリックス中に少なくとも1種のGABA類似体を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記第1の層がオピオイド約2.5〜約500mgを含み、前記第2の層がGABA類似体約5mg〜約800mgを含む固体投与製剤を包含する。
【0091】
治療有効量のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む剤形は、GABA類似体及びオピオイドを少なくとも12時間にわたって送達する二重層組成物であることができる。二重層組成物は、速放性(rapid−release)部分として、オピオイドを放出する少なくとも1つの層を含む。治療有効量のGABA類似体、オピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形はまた、GABA単独又はGABA類似体のいずれか及びオピオイド、例えば、タペンタドール若しくはオキシコドン並びに制御放出賦形剤としての架橋高24ミラーゼ澱粉を含む持続放出部分を規定する、第1の層に隣接する第2の層を含む。当業者ならば、本発明の二重層組成物が、代表的且つ例示的であることがわかる。二重層剤形は、錠剤、カプレット剤又はオボイドを含む種々の形状及び形態を取ることができ、コーティングされていてもいなくてもよい。好ましい形態は、錠剤である。
【0092】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高24ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイド又はGABA類似体を含み、第3の放出層が任意選択で、GABA類似体又はオピオイドのいずれかを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む剤形を包含する。
【0093】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高25ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイド又はGABA類似体を含み、第3の放出層が任意選択で、ANDA拮抗剤を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む剤形を包含する。
【0094】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、a)少なくとも2つの放出層、即ち、架橋高25ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含み、前記層の1つの放出層がポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドンの物理的混合物を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む剤形を包含する。
【0095】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、少なくとも3つの放出層を含むコアであって、GABA類似体又はオピオイドが放出層の少なくとも1つに分散されているコアと、b)前記コアを含むコートとを含む剤形を包含する。
【0096】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、架橋高25ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記オピオイドが、アルフェンタニル、アキソマドール、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、ファキセラドール、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、タペンタドール及びトラマドールからなる群から選択される固体投与製剤を包含する。
【0097】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、架橋高26ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記オピオイドがアキソマドールである固体投与製剤を包含する。
【0098】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、架橋高26ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記オピオイドがタペンタドールである固体投与製剤を包含する。
【0099】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、架橋高26ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記オピオイドがトラマドールである固体投与製剤を包含する。
【0100】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、架橋高26ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記オピオイドがモルヒネである固体投与製剤を包含する。
【0101】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、架橋高27ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記オピオイドがファキセラドールである固体投与製剤を包含する。
【0102】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、架橋高27ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含み、前記オピオイドがオキシコドンである固体投与製剤を包含する。
【0103】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、架橋高27ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層、第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む第2の放出層、及び第3の放出層を含む圧縮コアと、b)前記コアを含むコートとを含む固体投与製剤を包含する。例示的な組み合わせとしては、以下のものが挙げられる:GABA類似体としてのプレガバリンとオピオイドとしてのタペンタドール、GABA類似体としてのガバペンチンとオピオイドとしてのタペンタドール、GABA類似体としてのプレガバリンとオピオイドとしてのトラマドール、GABA類似体としてのガバペンチンとオピオイドとしてのトラマドール、GABA類似体としてのプレガバリンとオピオイドとしてのアキソマドール、GABA類似体としてのガバペンチンとオピオイドとしてのアキソマドール、GABA類似体としてのプレガバリンとオピオイドとしてのファキセラドール、GABA類似体としてのガバペンチンとオピオイドとしてのファキセラドール、GABA類似体としてのプレガバリンとオピオイドとしてのモルヒネ、GABA類似体としてのプレガバリンとオピオイドとしてのオキシコドン。
【0104】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、長時間にわたる放出のためのGABA類似体及びオピオイドを含む固体投与製剤であって、前記製剤が、a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が第2の放出マトリックス中にオピオイドを含む圧縮コアと、b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜パウチ又は分包と、c)封入用コートとを含み、例示的なGABA類似体がプレガバリン、ガバペンチン、チアガビンであり、例示的なオピオイドがアキソマドール、タペンタドール、モルヒネ、オキシコドン、トラマドール及びファキセラドールである固体投与製剤を包含する。
【0105】
一実施形態において、剤形は、コアを収容するために使用される膨張性で浸透性の膜を使用する。この膜は、胃液などの体液を吸収することができ、拡散による又は任意選択で浸透作用の使用による、制御された量のGABA類似体又はオピオイドの緩徐で連続的な放出を行うことができる。好適なプラスチック又はワックス様ポリマー材料は、特に親水性材料、例えば、メチルセルロース若しくはエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース若しくはエチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース若しくはエチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドンとポリビニルアルコールとの混合物、無水フタル酸/ポリヒドロキシアルコールを基材とする樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド、シェラックなどである。完全に(97%超)加水分解されたポリビニルアルコールが好ましい。この膜は、予め形成されたパウチ又は分包であることができる。
【0106】
このような膜をコーティングしたコアに、好適なフィルムコーティング材料を用いて、体液との接触時に崩壊するコートを施す。被覆材料としては、親水性セルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル−メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース若しくは特にヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物若しくはポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルのコポリマーとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物、シェラックとヒドロキシプロピルメチルセルロースとの混合物、ポリ酢酸ビニル若しくはポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンとのコポリマーが挙げられ、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体と水不溶性エチルセルロースとの混合物を使用できる。被覆を硬ゼラチンカプセルと置き換えることも可能である。
【0107】
本発明の更なる実施形態は、経口的に投与できる経口剤形又は直腸剤形若しくは舌下剤形若しくは頬側剤形を提供することである。
【0108】
顆粒剤、スフェロイド剤、ペレット剤、多粒子剤、カプセル剤、パッチ錠剤、分包剤、放出制御懸濁剤、又はこのような顆粒剤、スフェロイド剤、ペレット剤若しくは多粒子を組み入れる任意の他の好適な剤形も、本発明の一部である。
なお、本願は特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る:
1.治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、そして1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形。
2.治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含み、胃内に少なくとも4時間保持され、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するGABA類似体の平均で10%〜30%/時が0〜2時間で放出されることを特徴とする、上記1に記載の医薬剤形。
3.a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が少なくとも1種のオピオイド及び、場合により、少なくとも1種のGABA類似体を含むコアと、b)前記コアを含むコート(coat)とを含み、胃内に少なくとも4時間保持され、そして1日1回又は1日2回の投与に好適であることを特徴とする、上記1又は2に記載の医薬剤形。
4.a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性(slow release)マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の徐放性マトリックス中にオピオイドを含む圧縮コア;b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜パウチ;c)封入用コートを含み、1日1回又は1日2回の投与に好適であることを特徴とする、上記1〜3のいずれか一つに記載の医薬剤形。
5.オピオイドが即時放出型であることを特徴とする、上記1〜4のいずれか一つに記載の医薬剤形。
6.オピオイドが徐放型であることを特徴とする、上記1〜4のいずれか一つに記載の医薬剤形。
7.a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が、少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するGABA類似体の平均で10%〜30%/時が0〜2時間で放出されることを特徴とする、上記1〜6のいずれか一つに記載の医薬剤形。
8.a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が、少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、
GABA類似体の10〜40%が測定開始後0〜約2時間で放出され、
GABA類似体の約30〜60%が測定開始後2〜約7時間で放出され、
GABA類似体の約50〜80%が測定開始後7〜約12時間で放出され、
GABA類似体の約80〜100%が約20時間の測定後に放出されることを特徴とする、上記1〜7のいずれか一つに記載の医薬剤形。
9.GABA類似体の放出が二相性である、上記1〜8のいずれか一つに記載の医薬剤形。
10.第2の放出層が、ポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの物理的混合物を含む、上記1〜9のいずれか一つに記載の医薬剤形。
11.第2の放出層が、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、バインダー(binder)、GABA類似体の物理的混合物を含み、第1の放出層/第2の放出層の比(w/w)が約1.0〜約0.1である、上記1〜10のいずれか一つに記載の医薬剤形。
12.4時間毎、又は6時間毎、8時間毎、12時間毎又は24時間毎の期間にわたる使用のための、上記1〜11のいずれか一つに記載の医薬剤形。
13.第1の放出層若しくは第2の放出層のいずれか又は両方が圧縮によって製造される、上記1〜12のいずれか一つに記載の医薬剤形。
14.放出層の数が少なくとも2つであり、層の順序が重要でない、上記1〜13のいずれか一つに記載の医薬剤形。
15.GABA類似体約5〜約800mg及びオピオイド約1mg〜約500mgを含む、上記1〜14のいずれか一つに記載の医薬剤形。
16.必要とする患者に投与される場合にGABA類似体の最大血漿中濃度(Tmax)までの平均時間が約4〜約16時間の範囲であり、1日1回又は1日2回の投与に好適であることを特徴とする、上記1〜15のいずれか一つに記載の医薬剤形。
17.前記GABA類似体がプレガバリン、ガバペンチン及びチアガビンからなる群から選択され、オピオイドがアキソマドール、モルヒネ、オキシコドン、タペンタドール、ファキセラドール及びトラマドールからなる群から選択される、上記1〜16のいずれか一つに記載の医薬剤形。
18.前記GABA類似体が、プレガバリン、ガバペンチン及びチアガビンからなる群から選択され、オピオイドが、アルフェンタニル、アキソマドール、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフィン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、ファキセラドール、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン(nalbuphene)、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、タペンタドール及びトラマドールからなる群から選択され、剤形が、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である、上記1〜17のいずれか一つに記載の医薬剤形。
19.治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含み、前記オピオイドが徐放型又は即時放出型のいずれかであり、剤形が胃内に少なくとも4時間保持されることを特徴とする、上記1〜18のいずれか一つに記載の医薬剤形。
20.疼痛及び疼痛関連障害を治療するために、GABA類似体、オピオイド及びNMDA受容体拮抗剤並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含むことを特徴とする、上記1〜19のいずれか一つに記載の医薬剤形。
21.a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたGABA類似体を含み、第2の放出層が第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイド及び、場合により、少なくとも1種のGABA類似体を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形の製造方法であって、第2の放出層が、別に製造された前記第1の放出層の上に圧縮される方法。
【実施例】
【0109】
以下の例は、GABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物に関する本発明を例示するために示す。前記剤形は胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である。これらの例は、本発明の範囲を決して限定しない。他の処方又は賦形剤を用いて配合を変更できる方法は、当業者には周知である。
製造方法:架橋アミロース
29ミラーゼの架橋は、文献において周知であり、アミラーゼの所望の架橋は、BIOCHIMIE 1978、60、535〜537頁(非特許文献4)に記載された方法を用いて実施できる。29ミラーゼの架橋は、文献において周知である。例えば、所望の架橋は、Mateescuら、Analytical Letters、1985年、18、79〜91頁(非特許文献5)に記載されたようにして、アルカリ媒体中で29ミラーゼをエピクロルヒドリンと反応させることによって制御できる。例えば、架橋29ミラーゼは、アルカリ媒体中で29ミラーゼをエピクロロヒドリンなどの架橋剤と反応させることによって生成される。同様に、同じようにして、29ミラーゼは、2,3−ジブロモプロパノールで架橋させることもできる。
【0110】
米国特許第5,456,921号公報(特許文献12)は、直接圧縮による錠剤の調製のための放出制御賦形剤として特に有用であることが知られている、架橋度が1〜10の架橋29ミラーゼを開示している。低溶解性薬物の溶解速度を増大させるために、架橋29ミラーゼで作られる錠剤中にα−アミラーゼを組み入れることができることも知られている(WO94/02121(特許文献31))。
【0111】
架橋度が6〜30の架橋29ミラーゼは更に、直接圧縮による錠剤の調製のためのバインダー及び/又は崩壊賦形剤として有用であることが知られている(WO94/21236(特許文献32))。この生成物の結合性は、澱粉よりも確実に優れていることが報告されている。架橋30ミラーゼの結合性及び放出制御性の質は、製造に使用される澱粉中に存在する30ミラーゼの架橋度及び相対量に密接に関連する。
【0112】
前述の全てのこれらの特許及び公開された出願においては、架橋30ミラーゼの実験室規模の製造方法が開示されている。この方法は、遊星型ミキサー中において、70%w/w超の30ミラーゼを含有するトウモロコシ澱粉からなる製品(Sigma Chemicalsによって販売され、30ミラーゼと称されている)をアルカリ媒体中でエピクロロヒドリンと反応させることからなる。得られた生成物は、ブフナー漏斗上でアセトン溶液で洗浄し、純粋なアセトンを用いて乾燥させる。架橋高30ミラーゼ澱粉1Kgを製造するには、アセトン約40Kgが必要である。澱粉の処理にアルコール及び/又はアセトンを使用すると、30ミラーゼ画分が複雑になることが周知である。
【0113】
反応器中の30ミラーゼに対するエピクロロヒドリンの比を変えることによって、種々の架橋度を得ることができる。架橋30ミラーゼと薬物との乾燥混合物の直接圧縮によって調製された錠剤は、溶液中で膨潤し、薬物の持続放出を示す。マトリックスの架橋度に応じて、種々の膨潤度が得られる。30ミラーゼの架橋度を増加させると、まず薬物放出時間が増加し、続いて薬物放出時間が減少する。ピーク薬物放出時間は、架橋値が7.5の場合に観察される。架橋度を更に増加させると、浸食プロセスの結果として、架橋30ミラーゼ錠剤からの薬物放出が加速される。架橋度が7.5以上の場合は、30ミラーゼの架橋度を増加させると、薬物放出時間が減少する。11超の架橋度に関しては、膨潤ポリマーマトリックスが、インビトロで約90分間にわたって崩壊を示す。本発明者らは驚くべきことに、2,3−ジブロモプロパノール及びエピクロルヒドリンから選択される架橋剤で架橋された30ミラーゼのポリマー(30ミラーゼ100gを架橋するのに架橋剤約0.1〜約10gが使用された)が、GABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む徐放性製剤の調製に好適であることを見出した。
【0114】
例示的な製造方法:この方法は、ゼラチン化、ゼラチン化された高アミラーゼ澱粉の架橋、副生物の除去及び熱処理によって、望ましい性質を有する架橋アミラーゼを得ることを含む。
【0115】
高アミラーゼ澱粉1.2Kgを含有するスラリーを、水2.65Kgを混合することによって調製し、スラリーを十分に混合した。このスラリーに、11.9%w/wの水酸化ナトリウム溶液1.97Kgを水面下に導入した。200L GOAVEC(登録商標)結晶化タンク中で50℃において20分間、ゼラチン化を行った。前記ステップにおいて回収されたゼラチン化高31ミラーゼ澱粉1.2Kg中に、激しく撹拌しながら、エピクロロヒドリン50gを導入した。反応は、50℃で1時間行った。反応後、反応媒体を60℃の水5Kgで希釈し、混合物を酢酸溶液(37.5%w/w)で中和して、8未満のpHを得た。中和された生成物を、50℃の水5Kgで希釈し、冷却し、4℃に保持した。前記ステップから回収された生成物を、撹拌しながら、50℃の水で希釈した。60milの開口部と細孔径が50000Daの25平方フィートの面とを有する6中空糸ポリスルホン膜を装着したALFA−LAVAL(著作権)装置モデルUFS−6を用いて、透析を行った。50℃の水を平均50Kg用いて、酢酸ナトリウムなどの副生物を全て除去した。次いで、得られた生成物を、限外濾過及びpによって3.8%w/wまで濃縮した。回収された生成物を、4℃まで冷却し、次のステップまで同温度に保持した。簡潔に前述したように、薬物放出制御のための賦形剤として有用となるのに必要な、調製された架橋高31ミラーゼ澱粉の性質は、驚くべきことに、噴霧乾燥の直前にスラリーに加える熱処理に依存する。この依存性を実証するために、前記で開示したようにして調製された架橋高31ミラーゼ澱粉を種々の温度(100〜50℃)で処理した。好ましい温度は90℃である。前述のようにして調製した架橋アミラーゼスラリーを、約5分間、絶えず撹拌しながら90℃に加熱した。次いで、反応物を撹拌しながら50℃に冷却し、内部温度が300℃及び外部温度120℃である、アトマイザーディスクを装着した水分蒸発能50Kg/時のNiro噴霧乾燥機モデルP6.3中で、固形分3.8%で噴霧乾燥した。乾燥架橋31ミラーゼ粉末は、プレガバリン又はガバペンチンなどのGABA類似体、モルヒネ又はタペンタドール又はオキシコドンなどのオピオイド及び少なくとも1種の医薬賦形剤を含む医薬剤形であって、1日1回又は1日2回の投与に好適な医薬剤形の調製に好適な放出制御賦形剤である。
【0116】
製造方法:コア
第1の放出層
a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高32ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形。具体的な実施形態において、コアのマトリックスは、前記方法に従って調製した架橋高32ミラーゼ澱粉である。
【0117】
第1の放出マトリックスの形成は、成分を混合ししてから混合物を圧縮して第1の放出マトリックス層を形成することによって行う。第1の放出マトリックスの重量は、約10%〜約80%であることができる。本発明において記載される特定の実施形態は、150mgのプレガバリンを含有し、第1の放出マトリックスは錠剤の総重量の約26%である。更に別の実施形態において、錠剤は、300mgのプレガバリンを含有し、第1の放出マトリックスは、錠剤の総重量の約33%を構成する。更に別の実施形態において、錠剤は、600mgのプレガバリンを含有し、第1の放出マトリックスは、錠剤の総重量の33%を占める。本発明の特定の実施形態は、プレガバリンを含有する第1の放出マトリックスを含み、第1の放出マトリックスは、錠剤中に存在する総プレガバリンの約10%〜90%を含有し、例えば、プレガバリンは、錠剤総重量の約45%又は約50%である。
【0118】
具体的な実施形態において、マトリックスは、第1の放出マトリックス層の約10〜約90重量%を構成し、即ち、第1の層のマトリックスの、第1の放出マトリックス層の活性成分に対する比(w/w)は、約0.1〜約10、又は約0.2〜約9、又は約0.2〜約8、又は約0.3〜約7、又は約0.4〜約6、又は約0.5〜約5、又は約0.6〜約4、又は約0.7〜約4、又は約1〜約4、又は約1〜約3、及び約1.5〜約2.5である。
【0119】
場合によっては、当業者に知られており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第14版(1970年)(非特許文献3)に見られる担体又はビヒクルを、任意選択でコアに含ませてもよい。これらには、他の好適なバインダー、流動促進剤、滑沢剤、染料、甘味剤、微結晶セルロース、澱粉、架橋澱粉、架橋ポリ(ビニルピロリドン)及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;矯味矯臭剤;着色剤;バインダー;保存剤が含まれ;界面活性剤又は矯味矯臭剤も含めることができる。GABA類似体及び少なくとも1種の医薬賦形剤を含ませる。
【0120】
例;前記方法に従って調製された架橋33ミラーゼを、コロイド状二酸化ケイ素と混合し、#30メッシュスクリーナーに通した。同様に、前記方法に従って調製した架橋33ミラーゼを、#30メッシュスクリーナーに通した後に、ブレンダー中でプレガバリンと混合した。ステアリン酸マグネシウム及び水素化植物油タイプIは、別々に#30メッシュスクリーンを通して篩い分けし、ブレンダーに加える。架橋33ミラーゼとコロイド状二酸化ケイ素のブレンドを、架橋33ミラーゼ−プレガバリンブレンド及び#30メッシュスクリーンに通した水素化植物油とブレンドし、他の成分とブレンドした。これが、第1の放出層を構成する。
【0121】
第2の放出層
この第2の放出マトリックス層は、ポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンと、タペンタドールを含む第2の放出マトリックス層の有効医薬成分(複数可)との物理的混合物を含む。第2の放出マトリックスはまた、前述のようにして調製した架橋高33ミラーゼ澱粉及び他の任意選択の成分を含んでいてもよい。第2の放出マトリックス層の重量は、総組成物の重量の任意の百分率であることができ、例えば、本発明の錠剤の約10%〜約90%、例えば、約20%〜約90%(w/w)、若しくは約25%〜約90%、若しくは約30%〜約85%、若しくは約35%〜約85%、若しくは約40%〜約85%、若しくは約45%〜約85%、若しくは約45%〜約90%、若しくは約50%〜約90%若しくは約50%〜約85%、若しくは約55%〜約90%、若しくは約55%〜約85%、若しくは約55%〜約80%、若しくは約60%〜約90%、若しくは約60%〜約85%、若しくは約60%〜約80%、若しくは約60%〜約75%、若しくは約65%〜約90%、若しくは約65%〜約85%、若しくは約65%〜約80%、若しくは約65%〜約75%、又は約65%若しくは約70%若しくは約75%である。
【0122】
第2の放出マトリックス層中のポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドン混合物の重量百分率は、広範囲の値を有することができる。詳細には、ポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドン混合物は、第2の放出マトリックス層の約10〜90wt.%、好ましくは約20〜約80wt.%又は約30〜約60wt.%であることができる。本発明の詳細な実施形態において、Kollidon(著作権)SRは、プレガバリン約31重量%及びキサンタンガム約23重量%である第2の放出マトリックスの約45重量%を構成する。
【0123】
ポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドン混合物中のポリ酢酸ビニルの、ポリビニルピロリドンに対する重量比は、広範囲の値であることができる。好ましくは、このような比は、約6:4〜9:1、より好ましくは約7:3〜6:1、更に好ましくは約8:2である。ポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドン混合物中のポリ酢酸ビニル成分の分子量は、広範囲の値を有することができる。例えば、ポリ酢酸ビニルの平均分子量は、約100〜約10,000,000、又は約1,000〜約1,000,000、又は約10,000〜約1,000,000、又は約100,000〜約1,000,000、又は約450,000である。同様に、ポリビニルピロリドンの平均分子量は、約100〜約10,000,000、又は約1,000から約1,000,000、又は約5,000から約500,000、又は約10,000から約100,000、又は約50,000であることができる。
【0124】
ポリ酢酸ビニル及びポリビニルピロリドンの混合物は、製薬業界における当業者に周知の技術に従って種々の方法で調製できる。例えば、この混合物は、ポリビニルピロリドン及びポリ酢酸ビニル並びに他の成分の粉末を単に混合することによって調製できる。本発明の好ましい一実施形態において、このような混合物は、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルピロリドン溶液のコロイド状分散液の噴霧乾燥粉末である。この混合物には任意選択で、安定剤、流動促進剤などを添加してもよい。場合によっては、担体又はビヒクルは当業者に知られているものであり、バインダー、流動促進剤、滑沢剤、染料、甘味剤、微結晶セルロース、澱粉、架橋澱粉、架橋ポリ(ビニルピロリドン)及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;矯味矯臭剤;着色剤;バインダー;保存剤が含まれ;界面活性剤又は矯味矯臭剤も挙げられる。本発明に好適な結合剤としては、植物抽出物、ガム、合成若しくは天然多糖類、ポリペプチド、アルギン酸塩、合成ポリマー又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。それらは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、14.sup.th Ed.(1970年)(非特許文献3)に容易に見出すことができる。これらは、ゲル化剤として使用するのに好適な他の植物抽出物(例えば、これらに限定するものではないが、寒天、イスパキュラ、サイリウム、マルメロ(cydonia)、セラトニア又はその混合物)を包含する。ゲル化剤として使用するのに好適な合成ポリマーとしては、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー及びそれらのコポリマー又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。本発明の好ましい一実施形態において、ゲル化剤は、ガム、例えば、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントガム又はそれらの混合物、PEO 7,000,000及びHPMC K100Mである。本発明の最も好ましい一実施形態において、キサンタンガムを使用する。
【0125】
KollidonR(商標)SRの一部をブレンダー中に入れ、コロイド状二酸化ケイ素、タペンタドールなどのオピオイド(#30メッシュスクリーナーを備えたKason Separatorに通した後の)と混合する。キサンタンガム及び水素化植物油タイプ1(#30メッシュスクリーンを通して篩い分け)をブレンダーに加え、全ての成分を一緒にブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを、#30メッシュスクリーンを通して篩い分けし、他の成分とブレンドして、第2の放出層を調製した。
【0126】
これが、第2の放出層を構成する。
【0127】
第3の放出層(任意選択)
第3の放出層は任意選択であり、当技術分野において知られている方法に従って容易に調製できる。任意選択である有効作用剤、膨張性ポリマー、希釈剤及び他の添加剤を混合し、乾式造粒、湿式造粒又は直接圧縮のいずれかによって更に加工することができる。例えば、本発明の一実施形態において、微結晶セルロース、クロスポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及びポリビニルピロリドンをミキサー中で混合し、圧縮して、第3の放出層とした。第3の放出層は、タペンタドールなどのオピオイドを即時放出層として含むことができる。
【0128】
本発明の別の実施形態においては、タペンタドール、微結晶セルロース、クロスポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及びポリビニルピロリドンをミキサー中で混合することによって第3の層を形成し、それを圧縮して第3の放出層として、即時放出層を形成する。
【0129】
本発明の別の実施形態においては、オキシコドン、微結晶セルロース、クロスポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及びポリビニルピロリドンをミキサーで混合し、圧縮して第3の放出層として、即時放出層を形成した。
【0130】
本発明の別の実施形態においては、アキソマドール、微結晶セルロース、クロスポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及びポリビニルピロリドンをミキサーで混合し、圧縮して第3の放出層として、即時放出層を形成した。
第4の放出不活性層(任意選択)
本発明の医薬剤形は任意選択で、不活性層を含むことができる。不活性層の構成要素は、従来技術と容易に識別される。不活性層は、有効成分を含まず、例えば、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、Eudragit L100及びポリピロリドンからなることができる。不活性層は、当技術分野において知られている単純な圧縮技術によって調製し、第1の放出層、第2の放出層及び任意選択で第3の放出層と共に使用されて、後述のコアを形成する。
【0131】
製造方法:コア
組成物、例えば、第1の放出層、第2の放出層、第3の放出層(任意選択である)及び不活性層の組成物を造粒し、回転圧縮を用いて個々の層の顆粒を圧縮して、錠剤を形成する。組成物を直接圧縮によって加工する場合には、組成物のブレンドはそれぞれ、ロータリープレスを使用して圧縮することができる。放出層の順序は重要でない。例えば、本発明の一実施形態においては、架橋高36ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層を、不活性層上に圧縮された、徐放性マトリックス中に分散されたオピオイドを含む第2の放出層上に圧縮する。本発明の別の実施形態においては、架橋高36ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層を、徐放性マトリックス中に分散されたオピオイドを含む第2の放出層の下であって不活性層の上に圧縮する。本発明の別の実施形態においては、架橋高36ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層を、GABA類似体若しくはオピオイド又は両方のいずれかを任意選択で含む第3の放出層上に圧縮された、徐放性マトリックス中に分散されたオピオイドを含む第2の放出層上に圧縮し、3層全てを不活性層上に圧縮する。
【0132】
製造方法:コート
コアのコーティングは、当技術分野で知られている技術によって実施する。コーティング溶液は、各処方錠剤に応じて、既知の乳化重合技術を使用して調製した。
【0133】
例えば、本発明の一実施形態において、コーティング溶液の調製は、細孔形成剤を水に溶解させ、水不溶性ポリマーの分散液をそれに加え、次いで、水溶液化合物が水性分散液中に溶解されるまでこれら2つを混合することによって行う。コーティングは、約5〜約25%w/w、好ましくは約10〜約20%w/w、より好ましくは約10〜約15%w/wの範囲の固形分を含む。被膜は、水不溶性ポリマー、例えば、エチルセルロース、セルロースアセテート、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、ブタジエンスチレンコポリマー及び水不溶性メタクリレートコポリマーを含むことができるフィルムであることができる。一部の実施形態においては、Eudragit RS100、Eudragit RS PO、Eudragit RS 30D及びEudragit RS 12.5を使用できる。本発明の別の実施態様においては、pH約4.0未満では不溶性であるが、pH7.0超ではで可溶性であるポリマーも使用する。このようなポリマーには、Eudragit L 100、Eudragit L 12.5、Eudragit 12.5 P、Eudragit L 30 D−55、Eudragit L 100−55、Eastacryl 30 D、Kollicoat MAE 30 D及びKollicoat MAE 30 D、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートなど並びにそれらの混合物が含まれる。好ましい一実施形態では、分散液の形態の水性エチルセルロースを使用する。
【0134】
製造方法:膜パウチ
ポリビニルアルコール(EMD EMPROVE(登録商標)、欧州薬局方(Ph.Eur.)、米国薬局方(USP))10g、水90mg及びグリセロール3.1gを混合し、95℃に加熱した。高温ポリビニル溶液を、室温に冷却し、ガラス板上に延展して、厚さ約100μmの薄い柔軟な可撓性フィルムを形成した。このフィルムを好適に切断して、固体剤形のサイズに応じて適切なサイズのパウチ又は分包を調製した。パウチを使用して、コーティングされた圧縮コアを封入した。
【0135】
本発明による剤形は、コアを取り囲む被膜を含む。好ましい一実施形態において、これは、コアからの薬物の放出制御を可能にし得る通路を任意選択で含むことができ、通路の例は周知であり、例えば、米国特許第3,845,770号(特許文献33)、米国特許第3,916,899号(特許文献34)、米国特許第4,034,758号(特許文献35)、米国特許第4,077,407号(特許文献36)、米国特許第4,783,337号(特許文献37)及び米国特許第5,071,607号(特許文献38)に記載されている。通路を穿孔することにより、水性環境との接触時に、穿孔通路を通って水が入り、内部構成要素を膨潤させ、その表面に圧力を加え、最終的に穿孔表面から被膜を破裂させるようにすることができる。
【0136】
細孔の直径は、コートの破裂の際に実質的な遅延が起こらないように選択する。好ましくは、細孔直径は約500〜約1000μmである。本明細書中においては、細孔形成剤とは、使用水性環境への暴露時に溶解によってその場で微孔性被膜を形成する固体又は液体の作用剤と定義する。使用できる細孔形成剤には、約2000ダルトン未満の分子量を有する水溶性化合物及び親水性ポリマーが含まれる。
【0137】
本発明において使用できる細孔形成剤は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属、遷移金属塩、有機化合物などからなる群から選択できる。細孔形成材料の例としては、アルカリ金属塩、例えばそれらに限定するものではないが、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硝酸カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属塩の例としては、リン酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウムなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。遷移金属塩の例としては、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸亜鉛、塩化第二銅、フッ化マンガン、フルオロケイ酸マンガンなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。有機脂肪族油の例としては、ジオール及びポリオール、芳香族油(ジオール及びポリオールを含む)、並びに他のポリオール、例えば、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリコールなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。更に、有機化合物も、細孔形成剤として使用できる。本発明の被膜組成物中に使用する最も好ましい細孔形成剤は、糖アルコール、最も好ましくはマンニトールから選択される。親水性ポリマーも細孔形成剤として使用でき、それらは、ビニルポリマー、セルロース誘導体、ポリエチレングリコールなど及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0138】
例1
プレガバリン150mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表1の処方に従って調製した。
【0139】
【表1】
【0140】
例2
プレガバリン300mg及びタペンタドール100mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表2の処方に従って調製した。
【0141】
【表2】
【0142】
例3
プレガバリン150mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表3の処方に従って調製した。
【0143】
【表3】
【0144】
例4
ガバペンチン150mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表4の処方に従って調製した。
【0145】
【表4】
【0146】
例5
プレガバリン300mg、タペンタドール100mg及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表5の処方に従って調製した。
【0147】
【表5】
【0148】
例6
ガバペンチン150mg及びモルヒネ50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表6の処方に従って調製した。
【0149】
【表6】
【0150】
例7
ガバペンチン150mg及びオキシコドン5mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表7の処方に従って調製した。
【0151】
【表7】
【0152】
例8
プレガバリン75mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表8の処方に従って調製した。
【0153】
【表8】
【0154】
例9
プレガバリン150mg及びタペンタドール75mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表9の処方に従って調製した。
【0155】
【表9】
【0156】
例10
プレガバリン300mg及びタペンタドール100mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表10の処方に従って調製した。
【0157】
【表10】
【0158】
例11
ガバペンチン100mg及びトラマドール100mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表11の処方に従って調製した。
【0159】
【表11】
【0160】
例12
ガバペンチン300mg及びアキソマドール100mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表12の処方に従って調製した。
【0161】
【表12】
【0162】
例13
プレガバリン150mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表13の処方に従って調製した。
【0163】
【表13】
【0164】
溶解試験
表1及び2に従って調製した例1と2の溶解プロフィールを、表14に示す。本発明者らは、薬物の投与後に少なくとも12時間にわたってプレガバリンの徐放性プロフィールを達成するためには、インビトロの放出速度が好ましくは、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながら測定された場合に、以下のプレガバリン放出速度に相当することを見出した。本発明の医薬組成物が示す溶解プロフィールは、以下の通りである。
【0165】
プレガバリンの10〜40%が、測定開始後0〜約2時間で製剤から放出され、プレガバリンの約30〜60%が測定開始後2〜約7時間で製剤から放出され、プレガバリンの約50〜80%が測定開始後7〜約12時間で製剤から放出され、プレガバリンの約80〜100%が約20時間の測定後に製剤から放出され、又は好ましくは、
プレガバリンの15〜35%が測定開始後2時間で製剤から放出され、プレガバリンの約40〜60%が測定開始後7時間で製剤から放出され、プレガバリンの約60〜80%が測定開始後12時間で製剤から放出され、プレガバリンの約85〜100%が約20時間の測定後に製剤から放出され、又は、
プレガバリンの20〜40%が測定開始後2時間で製剤から放出され、プレガバリンの約40〜60%が測定開始後7時間で製剤から放出され、プレガバリンの約60〜80%が測定開始後12時間で製剤から放出され、プレガバリンの約85〜100%が約20時間の測定後に製剤から放出される。
【0166】
【表14】
【0167】
例8、9及び10を、USP Type装置中で37℃、100rpmにおいて擬似胃液(0.1N塩酸)中でインビトロの溶解試験に供した。溶解プロフィールを、以下の図2に示す。
【0168】
バイオアベイラビリティ試験
1)プレガバリンからの薬物動態パラメーター、2)3つの有効性成分含量(dosage strength)(150mg、300mg及び600mg)間における用量比例関係、2)1×300の例9と2×150のLyricaの比較バイオアベイラビリティ試験を査定するために、バイオアベイラビリティ試験を行った。本発明の徐放性組成物の200mg投与量の比較バイオアベイラビリティ試験を、市販のLyricaと比較した。
【0169】
各試験において、合計20人の対象を登録し、彼ら全員に薬物を以下のように無作為に投与した。
【0170】
試験は、オープンな(対照群を設定しない)単一用量又は定常状態の、無作為化三元クロスオーバー計画であった。各試験は2つの治療相を含み、各相は、各投与間の少なくとも7日間の休薬期間によって隔てた。ラテン方格法によって無作為に割り当てられた前記2つの投与計画の1つを受けるように、対象を無作為化した。全ての対象が2つの投与計画を全て受けるまで、各対象は、ランダム化された配列に従って各投与計画にクロスオーバーさせた(各投与計画は21週間隔てた)。血液サンプルを、収集の2時間以内に遠心分離し、血漿を分離させ、アッセイを行うまで10℃以下で凍結した。当業者に知られている標準的な技術を用いて、HPLC分析を行った。
【0171】
用量比較
表は、GABA類似体(プレガバリン)の血漿濃度(ng/mL)を、プレガバリン及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む本発明の医薬剤形の用量75mg(例8)、用量150mg(例9)及び用量300mg(例10)について示している。データは、例8、9及び10の胃内滞留型剤形中のプレガバリンの投与量がプレガバリンの吸収速度及び吸収度に関して用量比例的であることを明らかにした。
【0172】
臨床試験
実験データは、疼痛の治療において、GABA類似体とオピオイドの間における著明な鎮痛改善を実証した。これは、臨床診療において、より良好な疼痛軽減と、オピオイドに関連するより少ない副作用を示すと考えられる。
【0173】
目的:これは、術後疼痛のある患者において、プレガバリンとタペンタドールの1:1の固定配合剤の単一用量を、プレガバリン及びタペンタドール単独と比較する、無作為化二重盲検並行群間比較試験である。
【0174】
この4つのアーム間の無作為化二重盲検並行群間比較試験の第一の目的は、術後疼痛のある患者において、プレガバリンとタペンタドールの固定用量配合剤の鎮痛効果をプレガバリン又はタペンタドール単独と比較して、μオピオイド鎮痛薬の相加活性を判定することである。
【0175】
第二の目的は、プレガバリンとタペンタドールの配合剤のあらゆる副作用を更に評価することである。
【0176】
試験の型:介入
試験計画:割り付け:無作為化
対照:実薬対照(active control)
エンドポイント分類:有効性試験
介入モデル:並行割り付け
遮蔽化:二重盲検(対象、治験責任医師)
主目的:治療
患者数:40
アーム数:3
【0177】
主要評価項目:本研究の第一の目的は、術後疼痛のある患者において、プレガバリンとタペンタドールの固定配合剤の鎮痛効果をプレガバリン及びタペンタドール単独と比較して、μオピオイド鎮痛薬の相加活性又は相乗活性を判定することである。[時間フレーム枠:疼痛薬に対する3回目の要求までの時間][安全性の問題としての指定:なし]
二次評価項目:一緒に投与される場合にモルヒネとメタドンの配合剤による副作用があるか否かを判定すること。[時間フレーム:30分毎に査定][安全性の問題として指定:あり]
【0178】
【表15】
【0179】
選択基準(inclusion criteria)及び除外基準:
選択基準:
後腹膜リンパ節郭清
1mgの持続点滴及び10分毎に1mgのPCAによる術後鎮痛を計画
年齢18歳以上
英語を話す
本試験への参加に関するインフォームドコンセントを受けている
除外基準:
プレガバリン又はタペンタドールに過敏症があることがわかっている患者
過去又は現在において薬物乱用歴がある患者
長いオピオイド治療歴のある患者
3ヵ月を超える期間にわたって鎮痛薬の連日使用を必要とした慢性疼痛歴のある患者
予定された手術から1ヶ月以内にオピオイド治療歴のある患者
クレアチニン・クリアランス50mg/kg未満(Cockcroft−Gault式を使用)
データ収集を損なうほどの神経疾患又は精神疾患(医師の見解による)
【0180】
測定方法:術後の最初の3日以内に、我々は、VAS(視覚的アナログスケール)によってPOP、不安及び疼痛緩和の強度を評価した。これらのスケールは、0〜10の段階的な横線で構成し、2つの端点(「疼痛なし」−「最悪の疼痛」、「不安なし」−「最大の不安」、及び「疼痛緩和なし」−「全面的な疼痛緩和」)を前側に付けた。患者が鎮痛剤投与の直前の査定時に経験している疼痛及び不安のレベルを数値化するために、患者に質問を行った。疼痛緩和は、鎮痛剤投与の45分後に、この注射直前に示された疼痛のスコアと比較して評価した。しかし、POPのスコアと疼痛緩和のスコアは、密接な関係があるので、本明細書中にはPOPのみを報告する。心拍数(橈骨動脈脈)と呼吸数の査定は、看護婦が1分間行った。平均血圧(MBP)は、腕の周囲に自動血圧計を取り付けて測定した。最初の評価は、患者が麻酔から回復したばかりであって回復室から出される直前の、時間0(H)と定義する時間に行った。次いで、最初の24時間は3時間毎に、次の48時間は6時間毎に、即ち、術後72時間(H72)まで査定を行った。全体として、我々は、各術後基準に対して患者当たり17個のデータポイントを収集した。
【0181】
統計分析:各パラメーターの中央評価(median rate)を、査定時間毎に判定した。その場合、最高中央スコアに相当する時間を、全パラメーターについて判定できた。無痛の中央レベルに相当するより早い時間も確定した。患者によって示されるスコア間の差が、術後の査定時間に応じて有意であることを立証するために、次に、ノンパラメトリック検定であるフリードマン検定を用いた。Χ2検定を用いてP≦05の値を有意とした。収集したデータはまた、各患者について時間の関数としてプロットした。これにより、各患者においてPOPの評価と他の基準の評価とを個別に比較できた。これらの比較のために、ノンパラメトリックなスピアマン相関係数を用いた。Pが0.05未満の場合に、17の相関が有意であるとみなされた。
【0182】
図6は、術後疼痛を測定の期間に対して示している。これらのデータは、本発明の剤形が、個々の薬物と比較して、より速く且つより良好な疼痛緩和をもたらすことを明白に実証している。
【0183】
本発明の好ましい実施形態(emb)は、以下の通りである:
emb−1.)治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形。
【0184】
emb−2.)治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法。
【0185】
emb−3.)治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するGABA類似体の平均で10%〜30%/時が0〜2時間で放出される医薬剤形。
【0186】
emb−4.)a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が少なくとも1種のオピオイド及び任意選択で少なくとも1種のGABA類似体を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形。
【0187】
emb−5.)a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が少なくとも1種のオピオイド及び任意選択で少なくとも1種のGABA類似体を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法。
【0188】
emb−6.)a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の徐放性マトリックス中にオピオイドを含む圧縮コアと、b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜パウチと、c)封入用コートとを含む医薬剤形であって、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形。
【0189】
emb−7.)a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の徐放性マトリックス中にオピオイドを含む圧縮コアと、b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜パウチと、c)封入用コートとを含む医薬剤形であって、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法。
【0190】
emb−8.)オピオイドが即時放出型である、emb−1の医薬剤形。
【0191】
emb−9.)オピオイドが徐放型である、emb−1の医薬剤形。
【0192】
emb−10.)a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が、少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するGABA類似体の平均で10%〜30%/時が0〜2時間で放出される医薬剤形。
【0193】
emb−11.)a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が、少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、GABA類似体の10〜40%が測定開始後0〜約2時間で放出され、
GABA類似体の約30〜60%が測定開始後2〜約7時間で放出され、
GABA類似体の約50〜80%が測定開始後7〜約12時間で放出され、
GABA類似体の約80〜100%が約20時間の測定後に放出される医薬剤形。
【0194】
emb−12.)GABA類似体の放出が二相性である、emb−1〜emb−10の医薬剤形。
【0195】
emb−13.)第2の放出層が、ポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの物理的混合物を含む、emb−1〜emb−10の医薬剤形。
【0196】
emb−14.)第2の放出層が、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、バインダー(binder)、GABA類似体の物理的混合物を含み、第1の放出層/第2の放出層の比(w/w)が約1.0〜約0.1である、emb−1〜emb−10の医薬剤形。
【0197】
emb−15.)4時間毎、又は6時間毎、8時間毎、12時間毎又は24時間毎の期間にわたる使用のための、emb−1〜emb−14の医薬剤形。
【0198】
emb−16.)第1の放出層若しくは第2の放出層のいずれか又は両方が圧縮によって調製される、emb−1の医薬剤形。
【0199】
emb−17.)a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたGABA類似体を含み、第2の放出層が第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイド及び任意選択で少なくとも1種のGABA類似体を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形の調製方法であって、第2の放出層が、別に調製された前記第1の放出層の上に圧縮される方法。
【0200】
emb−18.)放出層の数が少なくとも2つであり、層の順序が重要でない、emb−1〜emb−17の医薬剤形。
【0201】
emb−19.)約5〜約800mgのGABA類似体及び約1〜約500mgのオピオイドを含む、emb−1〜emb−18の医薬剤形。
【0202】
emb−20.)emb−1〜emb−19の医薬剤形は、必要とする患者に投与される場合に、GABA類似体の最大血漿中濃度(Tmax)までの平均時間が約4〜約16時間の範囲であり、1日1回又は1日2回の投与に好適である。
【0203】
emb−21.)前記GABA類似体がプレガバリン、ガバペンチン及びチアガビンであり、オピオイドがアキソマドール、モルヒネ、オキシコドン、タペンタドール、ファキセラドール及びトラマドールである、emb−1〜emb−20の医薬剤形。
【0204】
emb−22.)前記GABA類似体が、プレガバリン、ガバペンチン及びチアガビンからなる群から選択され、オピオイドが、アルフェンタニル、アキソマドール、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、ファキセラドール、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、タペンタドール及びトラマドールからなる群から選択され、剤形が、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である、emb−1〜emb−20の医薬剤形。
【0205】
emb−23.)治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含み、前記オピオイドが徐放型又は即時放出型のいずれかであり、剤形が胃内に少なくとも4時間保持される医薬剤形。
【0206】
emb−24.)疼痛及び疼痛関連障害を治療するために、GABA類似体、オピオイド及びNMDA受容体拮抗剤並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形。
図1
図2
図3
図4
図5
図6