【実施例】
【0109】
以下の例は、GABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物に関する本発明を例示するために示す。前記剤形は胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である。これらの例は、本発明の範囲を決して限定しない。他の処方又は賦形剤を用いて配合を変更できる方法は、当業者には周知である。
製造方法:架橋アミロース
29ミラーゼの架橋は、文献において周知であり、アミラーゼの所望の架橋は、BIOCHIMIE 1978、60、535〜537頁(非特許文献4)に記載された方法を用いて実施できる。29ミラーゼの架橋は、文献において周知である。例えば、所望の架橋は、Mateescuら、Analytical Letters、1985年、18、79〜91頁(非特許文献5)に記載されたようにして、アルカリ媒体中で29ミラーゼをエピクロルヒドリンと反応させることによって制御できる。例えば、架橋29ミラーゼは、アルカリ媒体中で29ミラーゼをエピクロロヒドリンなどの架橋剤と反応させることによって生成される。同様に、同じようにして、29ミラーゼは、2,3−ジブロモプロパノールで架橋させることもできる。
【0110】
米国特許第5,456,921号公報(特許文献12)は、直接圧縮による錠剤の調製のための放出制御賦形剤として特に有用であることが知られている、架橋度が1〜10の架橋29ミラーゼを開示している。低溶解性薬物の溶解速度を増大させるために、架橋29ミラーゼで作られる錠剤中にα−アミラーゼを組み入れることができることも知られている(WO94/02121(特許文献31))。
【0111】
架橋度が6〜30の架橋29ミラーゼは更に、直接圧縮による錠剤の調製のためのバインダー及び/又は崩壊賦形剤として有用であることが知られている(WO94/21236(特許文献32))。この生成物の結合性は、澱粉よりも確実に優れていることが報告されている。架橋30ミラーゼの結合性及び放出制御性の質は、製造に使用される澱粉中に存在する30ミラーゼの架橋度及び相対量に密接に関連する。
【0112】
前述の全てのこれらの特許及び公開された出願においては、架橋30ミラーゼの実験室規模の製造方法が開示されている。この方法は、遊星型ミキサー中において、70%w/w超の30ミラーゼを含有するトウモロコシ澱粉からなる製品(Sigma Chemicalsによって販売され、30ミラーゼと称されている)をアルカリ媒体中でエピクロロヒドリンと反応させることからなる。得られた生成物は、ブフナー漏斗上でアセトン溶液で洗浄し、純粋なアセトンを用いて乾燥させる。架橋高30ミラーゼ澱粉1Kgを製造するには、アセトン約40Kgが必要である。澱粉の処理にアルコール及び/又はアセトンを使用すると、30ミラーゼ画分が複雑になることが周知である。
【0113】
反応器中の30ミラーゼに対するエピクロロヒドリンの比を変えることによって、種々の架橋度を得ることができる。架橋30ミラーゼと薬物との乾燥混合物の直接圧縮によって調製された錠剤は、溶液中で膨潤し、薬物の持続放出を示す。マトリックスの架橋度に応じて、種々の膨潤度が得られる。30ミラーゼの架橋度を増加させると、まず薬物放出時間が増加し、続いて薬物放出時間が減少する。ピーク薬物放出時間は、架橋値が7.5の場合に観察される。架橋度を更に増加させると、浸食プロセスの結果として、架橋30ミラーゼ錠剤からの薬物放出が加速される。架橋度が7.5以上の場合は、30ミラーゼの架橋度を増加させると、薬物放出時間が減少する。11超の架橋度に関しては、膨潤ポリマーマトリックスが、インビトロで約90分間にわたって崩壊を示す。本発明者らは驚くべきことに、2,3−ジブロモプロパノール及びエピクロルヒドリンから選択される架橋剤で架橋された30ミラーゼのポリマー(30ミラーゼ100gを架橋するのに架橋剤約0.1〜約10gが使用された)が、GABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む徐放性製剤の調製に好適であることを見出した。
【0114】
例示的な製造方法:この方法は、ゼラチン化、ゼラチン化された高アミラーゼ澱粉の架橋、副生物の除去及び熱処理によって、望ましい性質を有する架橋アミラーゼを得ることを含む。
【0115】
高アミラーゼ澱粉1.2Kgを含有するスラリーを、水2.65Kgを混合することによって調製し、スラリーを十分に混合した。このスラリーに、11.9%w/wの水酸化ナトリウム溶液1.97Kgを水面下に導入した。200L GOAVEC(登録商標)結晶化タンク中で50℃において20分間、ゼラチン化を行った。前記ステップにおいて回収されたゼラチン化高31ミラーゼ澱粉1.2Kg中に、激しく撹拌しながら、エピクロロヒドリン50gを導入した。反応は、50℃で1時間行った。反応後、反応媒体を60℃の水5Kgで希釈し、混合物を酢酸溶液(37.5%w/w)で中和して、8未満のpHを得た。中和された生成物を、50℃の水5Kgで希釈し、冷却し、4℃に保持した。前記ステップから回収された生成物を、撹拌しながら、50℃の水で希釈した。60milの開口部と細孔径が50000Daの25平方フィートの面とを有する6中空糸ポリスルホン膜を装着したALFA−LAVAL(著作権)装置モデルUFS−6を用いて、透析を行った。50℃の水を平均50Kg用いて、酢酸ナトリウムなどの副生物を全て除去した。次いで、得られた生成物を、限外濾過及びpによって3.8%w/wまで濃縮した。回収された生成物を、4℃まで冷却し、次のステップまで同温度に保持した。簡潔に前述したように、薬物放出制御のための賦形剤として有用となるのに必要な、調製された架橋高31ミラーゼ澱粉の性質は、驚くべきことに、噴霧乾燥の直前にスラリーに加える熱処理に依存する。この依存性を実証するために、前記で開示したようにして調製された架橋高31ミラーゼ澱粉を種々の温度(100〜50℃)で処理した。好ましい温度は90℃である。前述のようにして調製した架橋アミラーゼスラリーを、約5分間、絶えず撹拌しながら90℃に加熱した。次いで、反応物を撹拌しながら50℃に冷却し、内部温度が300℃及び外部温度120℃である、アトマイザーディスクを装着した水分蒸発能50Kg/時のNiro噴霧乾燥機モデルP6.3中で、固形分3.8%で噴霧乾燥した。乾燥架橋31ミラーゼ粉末は、プレガバリン又はガバペンチンなどのGABA類似体、モルヒネ又はタペンタドール又はオキシコドンなどのオピオイド及び少なくとも1種の医薬賦形剤を含む医薬剤形であって、1日1回又は1日2回の投与に好適な医薬剤形の調製に好適な放出制御賦形剤である。
【0116】
製造方法:コア
第1の放出層
a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が、架橋高32ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形。具体的な実施形態において、コアのマトリックスは、前記方法に従って調製した架橋高32ミラーゼ澱粉である。
【0117】
第1の放出マトリックスの形成は、成分を混合ししてから混合物を圧縮して第1の放出マトリックス層を形成することによって行う。第1の放出マトリックスの重量は、約10%〜約80%であることができる。本発明において記載される特定の実施形態は、150mgのプレガバリンを含有し、第1の放出マトリックスは錠剤の総重量の約26%である。更に別の実施形態において、錠剤は、300mgのプレガバリンを含有し、第1の放出マトリックスは、錠剤の総重量の約33%を構成する。更に別の実施形態において、錠剤は、600mgのプレガバリンを含有し、第1の放出マトリックスは、錠剤の総重量の33%を占める。本発明の特定の実施形態は、プレガバリンを含有する第1の放出マトリックスを含み、第1の放出マトリックスは、錠剤中に存在する総プレガバリンの約10%〜90%を含有し、例えば、プレガバリンは、錠剤総重量の約45%又は約50%である。
【0118】
具体的な実施形態において、マトリックスは、第1の放出マトリックス層の約10〜約90重量%を構成し、即ち、第1の層のマトリックスの、第1の放出マトリックス層の活性成分に対する比(w/w)は、約0.1〜約10、又は約0.2〜約9、又は約0.2〜約8、又は約0.3〜約7、又は約0.4〜約6、又は約0.5〜約5、又は約0.6〜約4、又は約0.7〜約4、又は約1〜約4、又は約1〜約3、及び約1.5〜約2.5である。
【0119】
場合によっては、当業者に知られており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第14版(1970年)(非特許文献3)に見られる担体又はビヒクルを、任意選択でコアに含ませてもよい。これらには、他の好適なバインダー、流動促進剤、滑沢剤、染料、甘味剤、微結晶セルロース、澱粉、架橋澱粉、架橋ポリ(ビニルピロリドン)及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;矯味矯臭剤;着色剤;バインダー;保存剤が含まれ;界面活性剤又は矯味矯臭剤も含めることができる。GABA類似体及び少なくとも1種の医薬賦形剤を含ませる。
【0120】
例;前記方法に従って調製された架橋33ミラーゼを、コロイド状二酸化ケイ素と混合し、#30メッシュスクリーナーに通した。同様に、前記方法に従って調製した架橋33ミラーゼを、#30メッシュスクリーナーに通した後に、ブレンダー中でプレガバリンと混合した。ステアリン酸マグネシウム及び水素化植物油タイプIは、別々に#30メッシュスクリーンを通して篩い分けし、ブレンダーに加える。架橋33ミラーゼとコロイド状二酸化ケイ素のブレンドを、架橋33ミラーゼ−プレガバリンブレンド及び#30メッシュスクリーンに通した水素化植物油とブレンドし、他の成分とブレンドした。これが、第1の放出層を構成する。
【0121】
第2の放出層
この第2の放出マトリックス層は、ポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンと、タペンタドールを含む第2の放出マトリックス層の有効医薬成分(複数可)との物理的混合物を含む。第2の放出マトリックスはまた、前述のようにして調製した架橋高33ミラーゼ澱粉及び他の任意選択の成分を含んでいてもよい。第2の放出マトリックス層の重量は、総組成物の重量の任意の百分率であることができ、例えば、本発明の錠剤の約10%〜約90%、例えば、約20%〜約90%(w/w)、若しくは約25%〜約90%、若しくは約30%〜約85%、若しくは約35%〜約85%、若しくは約40%〜約85%、若しくは約45%〜約85%、若しくは約45%〜約90%、若しくは約50%〜約90%若しくは約50%〜約85%、若しくは約55%〜約90%、若しくは約55%〜約85%、若しくは約55%〜約80%、若しくは約60%〜約90%、若しくは約60%〜約85%、若しくは約60%〜約80%、若しくは約60%〜約75%、若しくは約65%〜約90%、若しくは約65%〜約85%、若しくは約65%〜約80%、若しくは約65%〜約75%、又は約65%若しくは約70%若しくは約75%である。
【0122】
第2の放出マトリックス層中のポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドン混合物の重量百分率は、広範囲の値を有することができる。詳細には、ポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドン混合物は、第2の放出マトリックス層の約10〜90wt.%、好ましくは約20〜約80wt.%又は約30〜約60wt.%であることができる。本発明の詳細な実施形態において、Kollidon(著作権)SRは、プレガバリン約31重量%及びキサンタンガム約23重量%である第2の放出マトリックスの約45重量%を構成する。
【0123】
ポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドン混合物中のポリ酢酸ビニルの、ポリビニルピロリドンに対する重量比は、広範囲の値であることができる。好ましくは、このような比は、約6:4〜9:1、より好ましくは約7:3〜6:1、更に好ましくは約8:2である。ポリ酢酸ビニル/ポリビニルピロリドン混合物中のポリ酢酸ビニル成分の分子量は、広範囲の値を有することができる。例えば、ポリ酢酸ビニルの平均分子量は、約100〜約10,000,000、又は約1,000〜約1,000,000、又は約10,000〜約1,000,000、又は約100,000〜約1,000,000、又は約450,000である。同様に、ポリビニルピロリドンの平均分子量は、約100〜約10,000,000、又は約1,000から約1,000,000、又は約5,000から約500,000、又は約10,000から約100,000、又は約50,000であることができる。
【0124】
ポリ酢酸ビニル及びポリビニルピロリドンの混合物は、製薬業界における当業者に周知の技術に従って種々の方法で調製できる。例えば、この混合物は、ポリビニルピロリドン及びポリ酢酸ビニル並びに他の成分の粉末を単に混合することによって調製できる。本発明の好ましい一実施形態において、このような混合物は、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルピロリドン溶液のコロイド状分散液の噴霧乾燥粉末である。この混合物には任意選択で、安定剤、流動促進剤などを添加してもよい。場合によっては、担体又はビヒクルは当業者に知られているものであり、バインダー、流動促進剤、滑沢剤、染料、甘味剤、微結晶セルロース、澱粉、架橋澱粉、架橋ポリ(ビニルピロリドン)及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;矯味矯臭剤;着色剤;バインダー;保存剤が含まれ;界面活性剤又は矯味矯臭剤も挙げられる。本発明に好適な結合剤としては、植物抽出物、ガム、合成若しくは天然多糖類、ポリペプチド、アルギン酸塩、合成ポリマー又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。それらは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、14.sup.th Ed.(1970年)(非特許文献3)に容易に見出すことができる。これらは、ゲル化剤として使用するのに好適な他の植物抽出物(例えば、これらに限定するものではないが、寒天、イスパキュラ、サイリウム、マルメロ(cydonia)、セラトニア又はその混合物)を包含する。ゲル化剤として使用するのに好適な合成ポリマーとしては、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー及びそれらのコポリマー又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。本発明の好ましい一実施形態において、ゲル化剤は、ガム、例えば、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントガム又はそれらの混合物、PEO 7,000,000及びHPMC K100Mである。本発明の最も好ましい一実施形態において、キサンタンガムを使用する。
【0125】
KollidonR(商標)SRの一部をブレンダー中に入れ、コロイド状二酸化ケイ素、タペンタドールなどのオピオイド(#30メッシュスクリーナーを備えたKason Separatorに通した後の)と混合する。キサンタンガム及び水素化植物油タイプ1(#30メッシュスクリーンを通して篩い分け)をブレンダーに加え、全ての成分を一緒にブレンドした。ステアリン酸マグネシウムを、#30メッシュスクリーンを通して篩い分けし、他の成分とブレンドして、第2の放出層を調製した。
【0126】
これが、第2の放出層を構成する。
【0127】
第3の放出層(任意選択)
第3の放出層は任意選択であり、当技術分野において知られている方法に従って容易に調製できる。任意選択である有効作用剤、膨張性ポリマー、希釈剤及び他の添加剤を混合し、乾式造粒、湿式造粒又は直接圧縮のいずれかによって更に加工することができる。例えば、本発明の一実施形態において、微結晶セルロース、クロスポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及びポリビニルピロリドンをミキサー中で混合し、圧縮して、第3の放出層とした。第3の放出層は、タペンタドールなどのオピオイドを即時放出層として含むことができる。
【0128】
本発明の別の実施形態においては、タペンタドール、微結晶セルロース、クロスポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及びポリビニルピロリドンをミキサー中で混合することによって第3の層を形成し、それを圧縮して第3の放出層として、即時放出層を形成する。
【0129】
本発明の別の実施形態においては、オキシコドン、微結晶セルロース、クロスポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及びポリビニルピロリドンをミキサーで混合し、圧縮して第3の放出層として、即時放出層を形成した。
【0130】
本発明の別の実施形態においては、アキソマドール、微結晶セルロース、クロスポビドン、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム及びポリビニルピロリドンをミキサーで混合し、圧縮して第3の放出層として、即時放出層を形成した。
第4の放出不活性層(任意選択)
本発明の医薬剤形は任意選択で、不活性層を含むことができる。不活性層の構成要素は、従来技術と容易に識別される。不活性層は、有効成分を含まず、例えば、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、Eudragit L100及びポリピロリドンからなることができる。不活性層は、当技術分野において知られている単純な圧縮技術によって調製し、第1の放出層、第2の放出層及び任意選択で第3の放出層と共に使用されて、後述のコアを形成する。
【0131】
製造方法:コア
組成物、例えば、第1の放出層、第2の放出層、第3の放出層(任意選択である)及び不活性層の組成物を造粒し、回転圧縮を用いて個々の層の顆粒を圧縮して、錠剤を形成する。組成物を直接圧縮によって加工する場合には、組成物のブレンドはそれぞれ、ロータリープレスを使用して圧縮することができる。放出層の順序は重要でない。例えば、本発明の一実施形態においては、架橋高36ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層を、不活性層上に圧縮された、徐放性マトリックス中に分散されたオピオイドを含む第2の放出層上に圧縮する。本発明の別の実施形態においては、架橋高36ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層を、徐放性マトリックス中に分散されたオピオイドを含む第2の放出層の下であって不活性層の上に圧縮する。本発明の別の実施形態においては、架橋高36ミラーゼ澱粉を含む徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含む第1の放出層を、GABA類似体若しくはオピオイド又は両方のいずれかを任意選択で含む第3の放出層上に圧縮された、徐放性マトリックス中に分散されたオピオイドを含む第2の放出層上に圧縮し、3層全てを不活性層上に圧縮する。
【0132】
製造方法:コート
コアのコーティングは、当技術分野で知られている技術によって実施する。コーティング溶液は、各処方錠剤に応じて、既知の乳化重合技術を使用して調製した。
【0133】
例えば、本発明の一実施形態において、コーティング溶液の調製は、細孔形成剤を水に溶解させ、水不溶性ポリマーの分散液をそれに加え、次いで、水溶液化合物が水性分散液中に溶解されるまでこれら2つを混合することによって行う。コーティングは、約5〜約25%w/w、好ましくは約10〜約20%w/w、より好ましくは約10〜約15%w/wの範囲の固形分を含む。被膜は、水不溶性ポリマー、例えば、エチルセルロース、セルロースアセテート、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、ブタジエンスチレンコポリマー及び水不溶性メタクリレートコポリマーを含むことができるフィルムであることができる。一部の実施形態においては、Eudragit RS100、Eudragit RS PO、Eudragit RS 30D及びEudragit RS 12.5を使用できる。本発明の別の実施態様においては、pH約4.0未満では不溶性であるが、pH7.0超ではで可溶性であるポリマーも使用する。このようなポリマーには、Eudragit L 100、Eudragit L 12.5、Eudragit 12.5 P、Eudragit L 30 D−55、Eudragit L 100−55、Eastacryl 30 D、Kollicoat MAE 30 D及びKollicoat MAE 30 D、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートなど並びにそれらの混合物が含まれる。好ましい一実施形態では、分散液の形態の水性エチルセルロースを使用する。
【0134】
製造方法:膜パウチ
ポリビニルアルコール(EMD EMPROVE(登録商標)、欧州薬局方(Ph.Eur.)、米国薬局方(USP))10g、水90mg及びグリセロール3.1gを混合し、95℃に加熱した。高温ポリビニル溶液を、室温に冷却し、ガラス板上に延展して、厚さ約100μmの薄い柔軟な可撓性フィルムを形成した。このフィルムを好適に切断して、固体剤形のサイズに応じて適切なサイズのパウチ又は分包を調製した。パウチを使用して、コーティングされた圧縮コアを封入した。
【0135】
本発明による剤形は、コアを取り囲む被膜を含む。好ましい一実施形態において、これは、コアからの薬物の放出制御を可能にし得る通路を任意選択で含むことができ、通路の例は周知であり、例えば、米国特許第3,845,770号(特許文献33)、米国特許第3,916,899号(特許文献34)、米国特許第4,034,758号(特許文献35)、米国特許第4,077,407号(特許文献36)、米国特許第4,783,337号(特許文献37)及び米国特許第5,071,607号(特許文献38)に記載されている。通路を穿孔することにより、水性環境との接触時に、穿孔通路を通って水が入り、内部構成要素を膨潤させ、その表面に圧力を加え、最終的に穿孔表面から被膜を破裂させるようにすることができる。
【0136】
細孔の直径は、コートの破裂の際に実質的な遅延が起こらないように選択する。好ましくは、細孔直径は約500〜約1000μmである。本明細書中においては、細孔形成剤とは、使用水性環境への暴露時に溶解によってその場で微孔性被膜を形成する固体又は液体の作用剤と定義する。使用できる細孔形成剤には、約2000ダルトン未満の分子量を有する水溶性化合物及び親水性ポリマーが含まれる。
【0137】
本発明において使用できる細孔形成剤は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属、遷移金属塩、有機化合物などからなる群から選択できる。細孔形成材料の例としては、アルカリ金属塩、例えばそれらに限定するものではないが、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硝酸カリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属塩の例としては、リン酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウムなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。遷移金属塩の例としては、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸亜鉛、塩化第二銅、フッ化マンガン、フルオロケイ酸マンガンなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。有機脂肪族油の例としては、ジオール及びポリオール、芳香族油(ジオール及びポリオールを含む)、並びに他のポリオール、例えば、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリコールなどが挙げられるが、これらに限定するものではない。更に、有機化合物も、細孔形成剤として使用できる。本発明の被膜組成物中に使用する最も好ましい細孔形成剤は、糖アルコール、最も好ましくはマンニトールから選択される。親水性ポリマーも細孔形成剤として使用でき、それらは、ビニルポリマー、セルロース誘導体、ポリエチレングリコールなど及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0138】
例1
プレガバリン150mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表1の処方に従って調製した。
【0139】
【表1】
【0140】
例2
プレガバリン300mg及びタペンタドール100mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表2の処方に従って調製した。
【0141】
【表2】
【0142】
例3
プレガバリン150mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表3の処方に従って調製した。
【0143】
【表3】
【0144】
例4
ガバペンチン150mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表4の処方に従って調製した。
【0145】
【表4】
【0146】
例5
プレガバリン300mg、タペンタドール100mg及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表5の処方に従って調製した。
【0147】
【表5】
【0148】
例6
ガバペンチン150mg及びモルヒネ50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表6の処方に従って調製した。
【0149】
【表6】
【0150】
例7
ガバペンチン150mg及びオキシコドン5mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表7の処方に従って調製した。
【0151】
【表7】
【0152】
例8
プレガバリン75mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表8の処方に従って調製した。
【0153】
【表8】
【0154】
例9
プレガバリン150mg及びタペンタドール75mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表9の処方に従って調製した。
【0155】
【表9】
【0156】
例10
プレガバリン300mg及びタペンタドール100mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表10の処方に従って調製した。
【0157】
【表10】
【0158】
例11
ガバペンチン100mg及びトラマドール100mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表11の処方に従って調製した。
【0159】
【表11】
【0160】
例12
ガバペンチン300mg及びアキソマドール100mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表12の処方に従って調製した。
【0161】
【表12】
【0162】
例13
プレガバリン150mg及びタペンタドール50mg並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形を、以下の表13の処方に従って調製した。
【0163】
【表13】
【0164】
溶解試験
表1及び2に従って調製した例1と2の溶解プロフィールを、表14に示す。本発明者らは、薬物の投与後に少なくとも12時間にわたってプレガバリンの徐放性プロフィールを達成するためには、インビトロの放出速度が好ましくは、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながら測定された場合に、以下のプレガバリン放出速度に相当することを見出した。本発明の医薬組成物が示す溶解プロフィールは、以下の通りである。
【0165】
プレガバリンの10〜40%が、測定開始後0〜約2時間で製剤から放出され、プレガバリンの約30〜60%が測定開始後2〜約7時間で製剤から放出され、プレガバリンの約50〜80%が測定開始後7〜約12時間で製剤から放出され、プレガバリンの約80〜100%が約20時間の測定後に製剤から放出され、又は好ましくは、
プレガバリンの15〜35%が測定開始後2時間で製剤から放出され、プレガバリンの約40〜60%が測定開始後7時間で製剤から放出され、プレガバリンの約60〜80%が測定開始後12時間で製剤から放出され、プレガバリンの約85〜100%が約20時間の測定後に製剤から放出され、又は、
プレガバリンの20〜40%が測定開始後2時間で製剤から放出され、プレガバリンの約40〜60%が測定開始後7時間で製剤から放出され、プレガバリンの約60〜80%が測定開始後12時間で製剤から放出され、プレガバリンの約85〜100%が約20時間の測定後に製剤から放出される。
【0166】
【表14】
【0167】
例8、9及び10を、USP Type装置中で37℃、100rpmにおいて擬似胃液(0.1N塩酸)中でインビトロの溶解試験に供した。溶解プロフィールを、以下の
図2に示す。
【0168】
バイオアベイラビリティ試験
1)プレガバリンからの薬物動態パラメーター、2)3つの有効性成分含量(dosage strength)(150mg、300mg及び600mg)間における用量比例関係、2)1×300の例9と2×150のLyricaの比較バイオアベイラビリティ試験を査定するために、バイオアベイラビリティ試験を行った。本発明の徐放性組成物の200mg投与量の比較バイオアベイラビリティ試験を、市販のLyricaと比較した。
【0169】
各試験において、合計20人の対象を登録し、彼ら全員に薬物を以下のように無作為に投与した。
【0170】
試験は、オープンな(対照群を設定しない)単一用量又は定常状態の、無作為化三元クロスオーバー計画であった。各試験は2つの治療相を含み、各相は、各投与間の少なくとも7日間の休薬期間によって隔てた。ラテン方格法によって無作為に割り当てられた前記2つの投与計画の1つを受けるように、対象を無作為化した。全ての対象が2つの投与計画を全て受けるまで、各対象は、ランダム化された配列に従って各投与計画にクロスオーバーさせた(各投与計画は21週間隔てた)。血液サンプルを、収集の2時間以内に遠心分離し、血漿を分離させ、アッセイを行うまで10℃以下で凍結した。当業者に知られている標準的な技術を用いて、HPLC分析を行った。
【0171】
用量比較
表は、GABA類似体(プレガバリン)の血漿濃度(ng/mL)を、プレガバリン及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む本発明の医薬剤形の用量75mg(例8)、用量150mg(例9)及び用量300mg(例10)について示している。データは、例8、9及び10の胃内滞留型剤形中のプレガバリンの投与量がプレガバリンの吸収速度及び吸収度に関して用量比例的であることを明らかにした。
【0172】
臨床試験
実験データは、疼痛の治療において、GABA類似体とオピオイドの間における著明な鎮痛改善を実証した。これは、臨床診療において、より良好な疼痛軽減と、オピオイドに関連するより少ない副作用を示すと考えられる。
【0173】
目的:これは、術後疼痛のある患者において、プレガバリンとタペンタドールの1:1の固定配合剤の単一用量を、プレガバリン及びタペンタドール単独と比較する、無作為化二重盲検並行群間比較試験である。
【0174】
この4つのアーム間の無作為化二重盲検並行群間比較試験の第一の目的は、術後疼痛のある患者において、プレガバリンとタペンタドールの固定用量配合剤の鎮痛効果をプレガバリン又はタペンタドール単独と比較して、μオピオイド鎮痛薬の相加活性を判定することである。
【0175】
第二の目的は、プレガバリンとタペンタドールの配合剤のあらゆる副作用を更に評価することである。
【0176】
試験の型:介入
試験計画:割り付け:無作為化
対照:実薬対照(active control)
エンドポイント分類:有効性試験
介入モデル:並行割り付け
遮蔽化:二重盲検(対象、治験責任医師)
主目的:治療
患者数:40
アーム数:3
【0177】
主要評価項目:本研究の第一の目的は、術後疼痛のある患者において、プレガバリンとタペンタドールの固定配合剤の鎮痛効果をプレガバリン及びタペンタドール単独と比較して、μオピオイド鎮痛薬の相加活性又は相乗活性を判定することである。[時間フレーム枠:疼痛薬に対する3回目の要求までの時間][安全性の問題としての指定:なし]
二次評価項目:一緒に投与される場合にモルヒネとメタドンの配合剤による副作用があるか否かを判定すること。[時間フレーム:30分毎に査定][安全性の問題として指定:あり]
【0178】
【表15】
【0179】
選択基準(inclusion criteria)及び除外基準:
選択基準:
後腹膜リンパ節郭清
1mgの持続点滴及び10分毎に1mgのPCAによる術後鎮痛を計画
年齢18歳以上
英語を話す
本試験への参加に関するインフォームドコンセントを受けている
除外基準:
プレガバリン又はタペンタドールに過敏症があることがわかっている患者
過去又は現在において薬物乱用歴がある患者
長いオピオイド治療歴のある患者
3ヵ月を超える期間にわたって鎮痛薬の連日使用を必要とした慢性疼痛歴のある患者
予定された手術から1ヶ月以内にオピオイド治療歴のある患者
クレアチニン・クリアランス50mg/kg未満(Cockcroft−Gault式を使用)
データ収集を損なうほどの神経疾患又は精神疾患(医師の見解による)
【0180】
測定方法:術後の最初の3日以内に、我々は、VAS(視覚的アナログスケール)によってPOP、不安及び疼痛緩和の強度を評価した。これらのスケールは、0〜10の段階的な横線で構成し、2つの端点(「疼痛なし」−「最悪の疼痛」、「不安なし」−「最大の不安」、及び「疼痛緩和なし」−「全面的な疼痛緩和」)を前側に付けた。患者が鎮痛剤投与の直前の査定時に経験している疼痛及び不安のレベルを数値化するために、患者に質問を行った。疼痛緩和は、鎮痛剤投与の45分後に、この注射直前に示された疼痛のスコアと比較して評価した。しかし、POPのスコアと疼痛緩和のスコアは、密接な関係があるので、本明細書中にはPOPのみを報告する。心拍数(橈骨動脈脈)と呼吸数の査定は、看護婦が1分間行った。平均血圧(MBP)は、腕の周囲に自動血圧計を取り付けて測定した。最初の評価は、患者が麻酔から回復したばかりであって回復室から出される直前の、時間0(H
0)と定義する時間に行った。次いで、最初の24時間は3時間毎に、次の48時間は6時間毎に、即ち、術後72時間(H
72)まで査定を行った。全体として、我々は、各術後基準に対して患者当たり17個のデータポイントを収集した。
【0181】
統計分析:各パラメーターの中央評価(median rate)を、査定時間毎に判定した。その場合、最高中央スコアに相当する時間を、全パラメーターについて判定できた。無痛の中央レベルに相当するより早い時間も確定した。患者によって示されるスコア間の差が、術後の査定時間に応じて有意であることを立証するために、次に、ノンパラメトリック検定であるフリードマン検定を用いた。Χ2検定を用いてP≦05の値を有意とした。収集したデータはまた、各患者について時間の関数としてプロットした。これにより、各患者においてPOPの評価と他の基準の評価とを個別に比較できた。これらの比較のために、ノンパラメトリックなスピアマン相関係数を用いた。Pが0.05未満の場合に、17の相関が有意であるとみなされた。
【0182】
図6は、術後疼痛を測定の期間に対して示している。これらのデータは、本発明の剤形が、個々の薬物と比較して、より速く且つより良好な疼痛緩和をもたらすことを明白に実証している。
【0183】
本発明の好ましい実施形態(emb)は、以下の通りである:
emb−1.)治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形。
【0184】
emb−2.)治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法。
【0185】
emb−3.)治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するGABA類似体の平均で10%〜30%/時が0〜2時間で放出される医薬剤形。
【0186】
emb−4.)a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が少なくとも1種のオピオイド及び任意選択で少なくとも1種のGABA類似体を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形。
【0187】
emb−5.)a)少なくとも2つの放出層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が少なくとも1種のオピオイド及び任意選択で少なくとも1種のGABA類似体を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形であって、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法。
【0188】
emb−6.)a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の徐放性マトリックス中にオピオイドを含む圧縮コアと、b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜パウチと、c)封入用コートとを含む医薬剤形であって、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形。
【0189】
emb−7.)a)少なくとも2つの放出層を含む圧縮コアであって、第1の放出層が、徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の徐放性マトリックス中にオピオイドを含む圧縮コアと、b)前記コアを含む少なくとも1つの透過性膜パウチと、c)封入用コートとを含む医薬剤形であって、1日1回又は1日2回の投与に好適である医薬剤形を投与することによる障害の治療方法。
【0190】
emb−8.)オピオイドが即時放出型である、emb−1の医薬剤形。
【0191】
emb−9.)オピオイドが徐放型である、emb−1の医薬剤形。
【0192】
emb−10.)a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が、少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散された少なくとも1種のGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、0時間に最初に存在するGABA類似体の平均で10%〜30%/時が0〜2時間で放出される医薬剤形。
【0193】
emb−11.)a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が、少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたGABA類似体を含み、第2の放出層が、第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイドを含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含み、USP Type I装置を用いて50mMリン酸塩(pH6.8)中で50〜150rpmで撹拌しながらインビトロで試験された場合に、GABA類似体の10〜40%が測定開始後0〜約2時間で放出され、
GABA類似体の約30〜60%が測定開始後2〜約7時間で放出され、
GABA類似体の約50〜80%が測定開始後7〜約12時間で放出され、
GABA類似体の約80〜100%が約20時間の測定後に放出される医薬剤形。
【0194】
emb−12.)GABA類似体の放出が二相性である、emb−1〜emb−10の医薬剤形。
【0195】
emb−13.)第2の放出層が、ポリ酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの物理的混合物を含む、emb−1〜emb−10の医薬剤形。
【0196】
emb−14.)第2の放出層が、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、バインダー(binder)、GABA類似体の物理的混合物を含み、第1の放出層/第2の放出層の比(w/w)が約1.0〜約0.1である、emb−1〜emb−10の医薬剤形。
【0197】
emb−15.)4時間毎、又は6時間毎、8時間毎、12時間毎又は24時間毎の期間にわたる使用のための、emb−1〜emb−14の医薬剤形。
【0198】
emb−16.)第1の放出層若しくは第2の放出層のいずれか又は両方が圧縮によって調製される、emb−1の医薬剤形。
【0199】
emb−17.)a)少なくとも2つの層を含むコアであって、第1の放出層が少なくとも1種の徐放性マトリックス中に分散されたGABA類似体を含み、第2の放出層が第2の放出マトリックス中に分散された少なくとも1種のオピオイド及び任意選択で少なくとも1種のGABA類似体を含むコアと、b)前記コアを含むコートとを含む医薬剤形の調製方法であって、第2の放出層が、別に調製された前記第1の放出層の上に圧縮される方法。
【0200】
emb−18.)放出層の数が少なくとも2つであり、層の順序が重要でない、emb−1〜emb−17の医薬剤形。
【0201】
emb−19.)約5〜約800mgのGABA類似体及び約1〜約500mgのオピオイドを含む、emb−1〜emb−18の医薬剤形。
【0202】
emb−20.)emb−1〜emb−19の医薬剤形は、必要とする患者に投与される場合に、GABA類似体の最大血漿中濃度(T
max)までの平均時間が約4〜約16時間の範囲であり、1日1回又は1日2回の投与に好適である。
【0203】
emb−21.)前記GABA類似体がプレガバリン、ガバペンチン及びチアガビンであり、オピオイドがアキソマドール、モルヒネ、オキシコドン、タペンタドール、ファキセラドール及びトラマドールである、emb−1〜emb−20の医薬剤形。
【0204】
emb−22.)前記GABA類似体が、プレガバリン、ガバペンチン及びチアガビンからなる群から選択され、オピオイドが、アルフェンタニル、アキソマドール、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメヘプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、ファキセラドール、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、タペンタドール及びトラマドールからなる群から選択され、剤形が、胃内に少なくとも4時間保持され、1日1回又は1日2回の投与に好適である、emb−1〜emb−20の医薬剤形。
【0205】
emb−23.)治療有効量の少なくとも1種のGABA類似体、少なくとも1種のオピオイド及び少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含み、前記オピオイドが徐放型又は即時放出型のいずれかであり、剤形が胃内に少なくとも4時間保持される医薬剤形。
【0206】
emb−24.)疼痛及び疼痛関連障害を治療するために、GABA類似体、オピオイド及びNMDA受容体拮抗剤並びに少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬剤形。