特許第6550169号(P6550169)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6550169
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】一体型吸引器を有する生検デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20190711BHJP
【FI】
   A61B10/02 110K
   A61B10/02 110J
【請求項の数】21
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-98689(P2018-98689)
(22)【出願日】2018年5月23日
(62)【分割の表示】特願2016-527219(P2016-527219)の分割
【原出願日】2013年11月5日
(65)【公開番号】特開2018-153673(P2018-153673A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2018年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100167243
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 充
(72)【発明者】
【氏名】シュラーブ,ロリー・エム
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・リエール,チャド・シー
【審査官】 門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−289555(JP,A)
【文献】 特開平02−224751(JP,A)
【文献】 特表2009−531115(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/068017(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0152715(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104135946(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検デバイスであって、
長手方向軸線を形成するハウジング本体と、
アクチュエータ本体と、該アクチュエータ本体に装着される細長いカニューレと、を有するカニューレアセンブリと
を備え、
前記細長いカニューレは、内腔を形成する側壁と、前記側壁を通って延在するとともに前記内腔と流体連通する吸引側面ポートと、を有し、
前記アクチュエータ本体は、駆動タブと近位ラッチ機構とを有し、
前記近位ラッチ機構は、前記ハウジング本体と選択的に係合して、後退位置において前記カニューレアセンブリを取り外し可能にラッチするように構成され、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体と前記アクチュエータ本体との間に連結されるカニューレ駆動スプリングを備え、
前記カニューレ駆動スプリングは、前記近位ラッチ機構が前記後退位置まで移動されたときに圧縮されるように構成されるとともに、前記近位ラッチ機構が前記後退位置から解放されたときに、伸張して前記細長いカニューレを遠位方向に押し出すように構成され、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体に連結されるとともに真空を蓄積するように構成された真空源を備え、
前記真空源は、チャンバ開放端と、チャンバ端部壁と、前記チャンバ開放端と前記チャンバ端部壁との間を延在するチャンバ側壁と、チャンバ吸引ポートと、を有する真空チャンバハウジングを備え、
前記チャンバ側壁は、断面がU字状の領域を形成する外周を有し、
前記U字状の領域は、前記チャンバ開放端と前記チャンバ端部壁との間を長手方向に延在して、U字状の容積を形成し、
前記生検デバイスは、さらに、カニューレアセンブリの前記駆動タブおよび前記真空源に動作可能に連結される摺動体本体を有するトリガ摺動アセンブリを備える
生検デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁の一部分は、長手方向の広がりを有する細長い凹んだ谷部を形成し、
前記細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に位置決めされる
生検デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の生検デバイスであって、
前記真空チャンバハウジングの前記U字状の容積内位置決めされるU字状のピストンを有する真空プランジャ機構と、
前記チャンバ側壁の内面と前記U字状のピストンとの間を密封係合するように構成されたチャンバシール部と
を備える生検デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁は、第1のU字状壁部と、第2のU字状壁部と、第1の逆U字状壁部と、第2の逆U字状壁部と、を有し、
前記第2のU字状壁部は、前記第1のU字状壁部よりも小さく、前記真空チャンバハウジングの外面のところで細長い凹んだ谷部を形成し、
前記チャンバ吸引ポートは、前記凹んだ谷部内に位置決めされ、
前記細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に受け入れられ、
前記生検デバイスは、さらに、前記チャンバ吸引ポートと前記細長いカニューレとの間に密封係合状態で介在する真空チャンバハウジングシール部を備える
生検デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ吸引ポートは、前記チャンバ側壁の立ち上がった突出部として構成された
生検デバイス。
【請求項6】
請求項4に記載の生検デバイスであって、
前記第2のU字状壁部は、前記チャンバ側壁の前記外周をまわる方向において、前記第1の逆U字状壁部チャンバ側壁と、前記第2の逆U字状壁部と、の間に位置する
生検デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の生検デバイスであって、
前記摺動体本体は、
前記摺動体本体の第1の近位移動によって、前記カニューレアセンブリが第1の距離だけ後退され、前記後退位置において前記カニューレアセンブリがラッチされ、前記カニューレ駆動スプリングが圧縮され、
前記摺動体本体の第2の近位移動によって、前記カニューレアセンブリが前記第1の距離に累積して第2の距離だけ後退され、前記真空源から前記細長いカニューレの前記第2の内腔まで真空を供給するために前記細長いカニューレの前記吸引側面ポートが前記真空源の前記チャンバ吸引ポートと整合され、
前記摺動体本体の遠位方向の第3の移動によって、前記カニューレ駆動スプリングが伸張して、前記カニューレアセンブリを前記遠位方向に押し出すように、前記近位ラッチ機構が解放される
ように構成される
生検デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、近位端部壁と、遠位端部壁と、上面と、前記近位端部壁と前記遠位端部壁との間に位置する内壁と、を備え、
前記内壁は、前記ハウジング本体を近位チャンバと遠位チャンバとに分離し、
前記近位チャンバは、チャンバカバーを有し、
前記遠位チャンバは、前記真空チャンバハウジングを取り付けるように構成され、
前記内壁は、前記近位ラッチ機構の一部分を取り外し可能に受け入れるために、カニューレラッチ開口を有する
生検デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、細長い摺動スロットを有する上面を備え、
前記細長い摺動スロットは、第1の摺動スロット縁部と、前記長手方向軸線に直交する方向に前記第1の摺動スロット縁部から離間された第2の摺動スロット縁部と、を形成し、
前記摺動体本体は、前記ハウジング本体の前記細長い摺動スロットの前記第1の摺動スロット縁部および前記第2の摺動スロット縁部をそれぞれ受け入れるように構成された一対の対向するチャネルを備え、
前記生検デバイスは、さらに、前記摺動体本体を定位置に付勢するために、前記摺動体本体と前記ハウジング本体との間に接続される付勢スプリングを備える
生検デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、近位端部壁と、遠位端部壁と、前記近位端部壁と前記遠位端部壁との間に位置する内壁と、を備え、
前記ハウジング本体の前記近位端部壁は、第1の対のハンドルリンク開口を有し、
前記ハウジング本体の前記内壁は、第2の対のリンク開口を有し、
前記生検デバイスは、さらに、ハンドルベースと、該ハンドルベースから延在する一対の細長いハンドルリンクと、を有する吸引準備ハンドル機構を備え、
前記一対の細長いハンドルリンクは、前記近位端部壁の前記第1の対のハンドルリンク開口を通過し、前記近位チャンバを通過し、前記内壁の前記第2の対のリンク開口を通過するように位置決めされ、
前記真空源は、プランジャ機構を有し、
前記プランジャ機構は、
ピストンと、
前記チャンバ側壁の内面と前記ピストンとの間を密封係合させるように構成されたチャンバシール部と、
前記ピストンの近位面から近位方向に延在する一対のピストンリンクロッドと
を備え、
前記一対のピストンリンクロッドの各々は、近位端と、前記一対の細長いハンドルリンクを受け入れるための、前記近位端から遠位方向に延在する孔と、を有し、
前記一対のピストンリンクロッドは、前記ハウジング本体の前記内壁内において、対応する前記一対のピストンリンク開口を通過して前記近位チャンバに入るように構成され、
前記プランジャ機構は、さらに、
前記一対の細長いハンドルリンクのまわりに受け入れられる一対の付勢スプリングであって、該付勢スプリングの各々が、前記ハウジング本体の前記近位端部壁と、前記一対のピストンリンクロッドのそれぞれの近位端と、の間に位置決めされる一対の付勢スプリングと、
前記一対のピストンリンクロッドと前記一対の細長いハンドルリンクとを摺動的に接続するように構成された一対の接合構造と
を備える
生検デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体の前記内壁は、
ピストンラッチ開口を有し、
前記ピストンから延在するピストンラッチ機構を備え、
前記ピストンラッチ機構は、後退位置において前記ピストンを取り外し可能にラッチするために、前記内壁の前記ピストンラッチ開口を通過するように構成された
生検デバイス。
【請求項12】
生検デバイスであって、
長手方向軸線を形成するハウジング本体と、
アクチュエータ本体と、該アクチュエータ本体に装着される細長いカニューレと、を有するカニューレアセンブリと
を備え、
前記細長いカニューレは、内腔を形成する側壁と、前記側壁を通って延在するとともに前記内腔と流体連通する吸引側面ポートと、を有し、
前記アクチュエータ本体は、駆動タブと、近位ラッチ機構と、を有し、
前記近位ラッチ機構は、後退位置において前記カニューレアセンブリを取り外し可能にラッチするために、前記ハウジング本体と選択的に係合するように構成され、
前記生検出デバイスは、さらに、
前記ハウジング本体と前記アクチュエータ本体との間に連結されるカニューレ駆動スプリングであって、前記近位ラッチ機構が前記後退位置に移動されたときに圧縮されるように構成されるとともに、前記近位ラッチ機構が前記後退位置から解放されたときに伸張して、前記細長いカニューレを遠位方向に押し出すように構成されたカニューレ駆動スプリングと、
前記ハウジング本体に連結される真空源と
を備え、
前記真空源は、
真空を蓄積するように構成され、
チャンバ吸引ポートを有するチャンバ側壁を有する真空チャンバハウジングを備え、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体に摺動可能に連結されるとともに前記カニューレアセンブリの前記アクチュエータ本体の前記駆動タブに動作可能に連結される摺動体本体を有するトリガ摺動アセンブリを備え、
前記トリガ摺動アセンブリは、
前記摺動体本体の第1の近位移動によって、前記カニューレアセンブリが第1の距離だけ後退され、前記後退位置において前記カニューレアセンブリがラッチされ、前記カニューレ駆動スプリングが圧縮され、
前記摺動体本体の第2の近位移動によって、前記カニューレアセンブリが前記第1の距離に累積して第2の距離だけ後退され、前記真空源から前記細長いカニューレの前記第2の内腔まで真空を供給するために前記細長いカニューレの前記吸引側面ポートが前記真空源の前記チャンバ吸引ポートと整合され、
前記摺動体本体の遠位方向の第3の移動によって、前記カニューレ駆動スプリングが伸張して、前記カニューレアセンブリを前記遠位方向に押し出すように、前記近位ラッチ機構が解放される
ように構成される
生検デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、近位端部壁と、遠位端部壁と、上面と、前記近位端部壁と前記遠位端部壁との間に位置する内壁と、を備え、
前記内壁は、前記ハウジング本体を近位チャンバと遠位チャンバとに分離し、
前記近位チャンバは、チャンバカバーを有し、
前記遠位チャンバは、前記真空チャンバハウジングを取り付けるように構成され、
前記内壁は、前記近位ラッチ機構の一部分を取り外し可能に受け入れるためのカニューレラッチ開口を有する
生検デバイス。
【請求項14】
請求項12に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、細長い摺動スロットを有する上面を備え、
前記細長い摺動スロットは、第1の摺動スロット縁部と、前記長手方向軸線と直交する方向に前記第1の摺動スロット縁部から離間された第2の摺動スロット縁部と、を形成し、
前記摺動体本体は、前記ハウジング本体の前記細長い摺動スロットの前記第1の摺動スロット縁部および前記第2の摺動スロット縁部をそれぞれ受け入れるように構成された一対の対向するチャネルを備え、
前記生検デバイスは、さらに、前記摺動体本体と前記ハウジング本体との間に接続され、前記摺動体本体を定位置に付勢する付勢スプリングを備える
生検デバイス。
【請求項15】
請求項12に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、近位端部壁と、遠位端部壁と、前記近位端部壁と前記遠位端部壁との間に位置する内壁と、を備え、
前記ハウジング本体の前記近位端部壁は、第1の対のハンドルリンク開口を有し、
前記ハウジング本体の前記内壁は、第2の対のリンク開口を有し、
前記生検デバイスは、さらに、ハンドルベースと、該ハンドルベースから延在する一対の細長いハンドルリンクと、を有する吸引準備ハンドル機構を備え、
前記一対の細長いハンドルリンクは、前記近位端部壁の前記第1の対のハンドルリンク開口を通過し、前記近位チャンバを通過し、前記内壁の前記第2の対のリンク開口を通過するように位置決めされ、
前記真空源は、プランジャ機構を有し、
前記プランジャ機構は、
ピストンと、
前記チャンバ側壁の内面と前記ピストンとの間を密封係合させるように構成されたチャンバシール部と、
前記ピストンの近位面から近位方向に延在する一対のピストンリンクロッドと
を備え、
前記一対のピストンリンクロッドの各々は、近位端と、該近位端から遠位方向に延在し、前記一対の細長いハンドルリンクを受け入れるように構成された孔と、を有し、
前記一対のピストンリンクロッドは、前記ハウジング本体の前記内壁内において、対応する前記一対のリンク開口を通過して前記近位チャンバに入るように構成され、
前記プランジャ機構は、さらに、
前記一対の細長いハンドルリンクのまわりに受け入れられる一対の付勢スプリングであって、該付勢スプリングの各々が、前記ハウジング本体の前記近位端部壁と、前記一対のピストンリンクロッドのそれぞれの近位端と、の間に位置決めされる一対の付勢スプリングと、
前記一対のピストンリンクロッドと前記一対の細長いハンドルリンクとを摺動的に接続するように構成された一対の接合構造と
を備える
生検デバイス。
【請求項16】
請求項15に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体の前記内壁は、ピストンラッチ開口を有し、
前記生検デバイスは、前記ピストンから延在するピストンラッチ機構を備え、
前記ピストンラッチ機構は、前記内壁の前記ピストンラッチ開口を通過して、後退位置において前記ピストンを取り外し可能にラッチするように構成された
生検デバイス。
【請求項17】
請求項15に記載の生検デバイスであって、
前記真空チャンバハウジングは、チャンバ開口端と、チャンバ端部壁と、を有し、
前記チャンバ側壁は、前記チャンバ開口端と前記チャンバ端部壁との間に介在し、
前記チャンバ側壁は、断面がU字状の領域を形成してU字状の容積を形成する外周を有し、
前記U字状の領域は、前記チャンバ開放端と前記チャンバ端部壁との間を長手方向に延在し、
前記チャンバ側壁の一部分は、長手方向の広がりを有する細長い凹んだ谷部を形成し、
前記細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に位置決めされる
生検デバイス。
【請求項18】
請求項17に記載の生検デバイスであって、
前記真空チャンバハウジングの前記U字状の容積内に位置決めされるU字状のピストンを有する真空プランジャ機構と、
前記チャンバ側壁の内面と前記U字状のピストンとの間を密封係合させるように構成されたチャンバシール部と
を備える生検デバイス。
【請求項19】
請求項12に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁は、第1のU字状壁部と、第2のU字状壁部と、第1の逆U字状壁部と、第2の逆U字状壁部と、を有し、
前記第2のU字状壁部は、前記第1のU字状壁部よりも小さく、前記真空チャンバハウジングの外面のところに細長い凹んだ谷部を形成し、
前記チャンバ吸引ポートは、前記凹んだ谷部内に位置決めされ、
前記細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に受け入れられ、
前記生検デバイスは、さらに、前記チャンバ吸引ポートと前記細長いカニューレとの間に密封係合状態で介在する真空チャンバハウジングシール部を備える
生検デバイス。
【請求項20】
請求項19に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ吸引ポートは、前記チャンバ側壁の立ち上がった突出部として構成される
生検デバイス。
【請求項21】
請求項19に記載の生検デバイスであって、
前記第2のU字状壁部は、前記チャンバ側壁の前記外周をまわる方向において、前記第1の逆U字状壁部チャンバ側壁と、前記第2の逆U字状壁部と、の間に位置する
生検デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002]本願は、生検デバイスに関し、より詳細には、一体型吸引器を有する、手で持って操作することができる単一挿入単一サンプル(SISS)生検デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]生検デバイスは、典型的には、電源とサンプル回収機構とを備えている。サンプル回収機構は、患者から組織サンプルを受け取るためのサンプル回収開口を有する生検プローブアセンブリの形態であってもよい。生検手順を実行するいくつかの医師は、大型のコンソールシステムの生検デバイスよりも、自己充足型の手に持って操作することができる生検デバイスを好む。本質的には、2つのタイプの自己充足型の手に持って操作することができる生検デバイスが存在する。すなわち、部分的に使い捨てにできる生検デバイスと、全体を使い捨てにできる生検デバイスである。
【0003】
[0004]典型的な部分的に使い捨てにできる生検デバイスは、再使用可能な手に持って操作することができるドライバを有している。使い捨てにできるプローブが、このドライバに取り外し可能に取り付けられる。再使用可能な手に持って操作することができるドライバは、典型的には、バッテリ電源式であり、サンプルの採取および/または回収を補助するために、電気モータ駆動装置と搭載型真空ポンプとを備えている。多くの場合、そのような生検デバイスは、単一挿入多数サンプル(SIMS)手順用に構成されている。使い捨てにできるプローブは、単一の患者に使用され、その後、廃棄される。一方、手に持って操作することができるドライバは再使用のために保持される。
【0004】
[0005]典型的な全体を使い捨てにできる生検デバイスは、1つ以上の機械的ドライバ(例えば、スプリング/ラッチ構造)を有しており、この機械的デバイスによって、生検デバイスは、組織サンプル採取のために引かれ、解除され得る。そのような単純な生検デバイスは、多くの場合、挿入ごとに単一のサンプルを採取するように構成されている。また、全体を使い捨てにできる生検デバイスの多くは、サンプル採取を補助するための吸引器を有していない。全体を使い捨てにできる生検デバイスにおいて吸引補助構造を備えるためのいくつかの試みがなされてきたものの、製造される吸引器は、通常、上述した部分的に使い捨てにできる生検デバイスの吸引器の性能に達するには不十分である。また、吸引補助を有する通常の全体を使い捨てにできる生検デバイスでは、そのような吸引は、組織サンプルを分離するために、切断カニューレの動作と同時に行われ、このため、吸引は、組織サンプルの採取において限られた値に制限される場合がある。
【0005】
[0006]当該技術において必要とされるのは、サンプル採取を補助する効率的な吸引を適用しつつ、容易に使用できるように構成された全体を使い捨てにできる生検デバイスである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0007]本発明は、サンプル採取を補助する効率的な吸引用途を有しつつ、容易に使用できるように構成された全体を使い捨てにできる生検デバイスを提供する。
【0007】
[0008]本発明は、一形態では、ハウジング本体とカニューレアセンブリと真空源とトリガ摺動アセンブリとを有する生検デバイスを対象としている。ハウジング本体は、長手方向軸線を形成する。カニューレアセンブリは、第1の細長いカニューレを有している。第1の細長いカニューレは、第1の内腔を形成するように構成された第1の側壁と、第1の
側壁を通って延在する細長い側面開口と、を備えている。第2の細長いカニューレが、第1の細長いカニューレと同軸になっている。第2の細長いカニューレは、第2の内腔を形成するように構成された第2の側壁と、切断縁部と、を有している。第2の側壁は、
第2の内腔と流体連通する吸引側面ポートを有している。真空源は、ハウジング本体内に位置決めされる。真空源は、チャンバ吸引ポートを有するチャンバ側壁を備えている。チャンバ吸引ポートと第2の細長いカニューレとの間にシールが密封係合状態で介在している。トリガ摺動アセンブリは、ハウジング本体に連結され、カニューレアセンブリに連結される。トリガ摺動アセンブリは、第2の細長いカニューレを移動させて、真空源から第2の細長いカニューレの第2の内腔に真空を供給するために第2の細長いカニューレの吸引側面ポートを真空源のチャンバ吸引ポートと整合させるように構成される。
【0008】
[0009]本発明は、他の形態では、長手方向軸線を形成するハウジング本体を備える生検デバイスを対象としている。第1のカニューレアセンブリが、長手方向軸線に沿って延在する第1の細長いカニューレを有している。第1の細長いカニューレは、第1の内腔を形成するように構成された第1の側壁と、第1の側壁を通って延在する細長い側面開口と、を有している。第2のカニューレアセンブリが、第2の細長いカニューレに連結される第2のカニューレ本体を備えている。第2の細長いカニューレは、第1の細長いカニューレの第1の内腔内に摺動的に受け入れられる。第2のカニューレ本体は、駆動タブと、後退位置において第2の細長いカニューレを取り外し可能にラッチするように構成された近位ラッチ機構と、を有している。第2の細長いカニューレは、第2の内腔を有する第2の側壁と、第2の側壁を通って延在するとともに第2の内腔と流体連通する吸引側面ポートと、を有している。カニューレ駆動スプリングが、近位ラッチ機構が後退位置まで移動されたときに圧縮されるように構成されるとともに、近位ラッチ機構が後退位置から解放されたときに、第2のカニューレアセンブリを遠位方向に押し出すために伸張するように構成される。真空源が、ハウジング本体内に位置決めされる。真空源は、真空を蓄積するように構成される。真空源は、容積を形成するチャンバ側壁を備えている。チャンバ側壁は、チャンバ吸引ポートを有している。真空シールが、チャンバ吸引ポートと第2の細長いカニューレとの間に密閉係合状態で介在している。トリガ摺動アセンブリが摺動体本体を有している。摺動体本体は、ハウジング本体に連結されるとともに、第2のカニューレ本体の駆動タブに連結される。トリガ摺動アセンブリは、以下のように構成される。摺動体本体の近位方向への第1の近位方向移動によって、第2のカニューレアセンブリが第1の距離だけ後退され、後退位置において第2のカニューレアセンブリの近位ラッチ機構がラッチされ、カニューレ駆動スプリングが圧縮される。摺動体本体の近位方向への第2の近位方向移動によって、第2のカニューレアセンブリが、第1の距離に累積して第2の距離だけ後退され、真空源から第2の細長いカニューレの第2の内腔に真空を供給するために第2の細長いカニューレの吸引側面ポートが真空源のチャンバ吸引ポートと径方向に整合される。摺動体本体の第3の移動によって、カニューレ駆動スプリングが伸張して第2のカニューレアセンブリの第2の細長いカニューレを遠位方向に押し出すように、近位ラッチ機構が解放される。
【0009】
[0010]本発明は、他の形態では、生検デバイスを対象としている。この生検デバイスは、長手方向軸線を形成するハウジング本体を備えている。カニューレアセンブリが、アクチュエータ本体と、アクチュエータ本体に装着された細長いカニューレと、を有している。細長いカニューレは、内腔を形成する側壁と、側壁を通って延在するとともに内腔と流体連通する吸引側面ポートと、を有している。アクチュエータ本体は、駆動タブと近位ラッチ機構とを有している。近位ラッチ機構は、後退位置においてカニューレアセンブリを取り外し可能にラッチするために、ハウジング本体と選択的に係合するように構成される。カニューレ駆動スプリングが、ハウジング本体とアクチュエータ本体との間に連結される。カニューレ駆動スプリングは、近位ラッチ機構が後退位置まで移動されたときに圧縮されるように構成されるとともに、近位ラッチ機構が後退位置から解放されたときに細長
いカニューレを遠位方向に押し出すために伸張するように構成される。真空源が、ハウジング本体に連結されており、真空を蓄積するように構成される。真空源は、真空チャンバハウジングを備えている。真空チャンバハウジングは、チャンバ開口端と、チャンバ端部壁と、チャンバ開口端とチャンバ端部壁との間を延在するチャンバ側壁と、チャンバ吸引ポートと、を有している。チャンバ側壁は、断面がU字状の領域を形成する外周を有しており、この外周は、チャンバ開口端とチャンバ端部壁との間を長手方向に延在してU字状の容積を形成する。トリガ摺動アセンブリは、カニューレアセンブリの駆動タブおよび真空源に動作可能に連結される摺動体本体を有している。
【0010】
[0011]本発明は、他の形態では、ハウジング本体とカニューレアセンブリとを備える生検デバイスを対象としている。カニューレアセンブリは、アクチュエータ本体と、アクチュエータ本体に装着された細長いカニューレと、を有している。細長いカニューレは、内腔を形成する側壁と、側壁を通って延在するとともに内腔と流体連通する吸引側面ポートと、を有している。アクチュエータ本体は、駆動タブと近位ラッチ機構とを有している。近位ラッチ機構は、後退位置においてカニューレアセンブリを取り外し可能にラッチするためにハウジング本体と選択的に係合するように構成される。カニューレ駆動スプリングが、ハウジング本体とアクチュエータ本体との間に連結される。カニューレ駆動スプリングは、近位ラッチ機構が後退位置まで移動されたときに圧縮されるように構成されるとともに、近位ラッチ機構が後退位置から解放されたときに細長いカニューレを遠位方向に押し出すために伸張するように構成される。真空源が、ハウジング本体に連結されており、真空を蓄積するように構成される。真空源は、チャンバ吸引ポートを有するチャンバ側壁を有する真空チャンバハウジングを備えている。トリガ摺動アセンブリが、摺動体本体を有している。摺動体本体は、ハウジング本体に摺動可能に連結され、カニューレアセンブリのアクチュエータ本体の駆動タブに動作可能に連結される。トリガ摺動アセンブリは、以下のように構成されている。摺動体本体の第1の近位方向移動によって、カニューレアセンブリが第1の距離だけ後退され、後退位置においてカニューレアセンブリがラッチされ、カニューレ駆動スプリングが圧縮される。摺動体本体の第2の近位方向移動によって、カニューレアセンブリが、第1の距離に累積して第2の距離だけ後退され、真空源から細長いカニューレの第2の内腔に真空を供給するために、細長いカニューレの吸引側面ポートが真空源のチャンバ吸引ポートと整合される。遠位方向への摺動体本体の第3の移動によって、カニューレ駆動スプリングが伸張してカニューレアセンブリを遠位方向に押し出すように、近位ラッチ機構が解放される。
【0011】
[0012]添付図面とともに行われる本発明の実施形態の次の説明を参照することによって、本発明の上述および他の特徴および利点、ならびに、それらを実現する方法がいっそう明白になり、本発明がいっそう理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0013]本発明の一実施形態による生検デバイスの斜視図である。
図2】[0014]図1の生検デバイスの側面図である。
図3】[0015]図1の生検デバイスの分解図である。
図4】[0016]図2の生検デバイスの面4−4に沿った断面図である。
図5】[0017]図4の断面図に対応する断面図であり、内側カニューレアセンブリのラッチ機構と、真空源と、をそれらのそれぞれのラッチ(準備)位置に示している。
図6】[0018]図2の生検デバイスの面6−6に沿った断面図である。
図7】[0019]図1および図2の生検デバイスの図1の面7−7に沿った断面図であり、真空源と、内側カニューレアセンブリと、吸引準備ハンドル機構と、トリガ摺動アセンブリの摺動体本体と、をそれらのそれぞれの定位置に示している。
図8】[0020]図7の断面に対応する断面図であり、準備位置にある真空源と、完全に後退された吸引準備ハンドル機構と、を示している。
図9】[0021]図7の断面に対応する断面図であり、準備位置にある真空源と、戻り準備位置にある吸引準備ハンドル機構と、を示している。
図10】[0022]図7の断面に対応する断面図であり、第1の後退準備位置にあるトリガ摺動アセンブリの摺動体本体と、準備(引き)位置にある内側カニューレアセンブリと、を示している。
図11】[0023]図10の断面図の一部分の拡大図であり、切断カニューレ側壁によって閉じられたチャンバ吸引ポートを有する真空源を示している。
図12】[0024]図7の断面に対応する断面図であり、さらに後退された吸引適用位置にある内側カニューレアセンブリ、および、トリガ摺動アセンブリの摺動体本体を示している。
図13】[0025]図12の断面図の一部分の拡大図であり、開放され、切断カニューレ側壁の吸引側面ポートに流体連通するチャンバ吸引ポートを有する真空源を示している。
図14】[0026]図7の断面に対応する断面図であり、準備(引き)位置にある内側カニューレアセンブリを、定位置に戻されたトリガ摺動アセンブリの摺動体本体とともに示している。
図15】[0027]図14の断面図の一部分の拡大図であり、摺動体本体がその定位置を越えて遠位方向に移動した際に解放するためにカニューレラッチ機構を下方に向けて偏向させる準備ができたトリガ摺動アセンブリの摺動体本体を示している。
【0013】
[0028]いくつかの図を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示している。本明細書で記載される例示は、本発明の実施形態を示しており、そのような例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0029]図面、より詳細には図1〜7を参照すると、本発明の実施形態による生検デバイス10が示されている。生検デバイス10は、全体を使い捨てにできる単一挿入単一サンプル(SISS)生検デバイスとして構成されている。
【0015】
[0030]図1〜3に示されるように、生検デバイス10は、概して、ハウジング12と、トリガ摺動アセンブリ14と、カニューレアセンブリ16と、真空源18と、を備えている。説明される生検デバイス10において、便宜上、遠位方向D1および近位方向D2に言及される。
【0016】
[0031]ハウジング12は、長手方向軸線22を形成するハウジング本体20を備えている。ハウジング本体20は、近位端部壁24と、遠位端部壁26と、上面28と、内壁30と、を有している。内壁30は、近位端部壁24と遠位端部壁26との間に位置している。内壁30は、ハウジング本体20を近位チャンバ32と遠位チャンバ34とに分離している。チャンバカバー36が、ハウジング本体20に取り外し可能に取り付けられて、近位チャンバ32を取り囲んでいる。
【0017】
[0032]近位端部壁24は、一対のハンドルリンク開口24−1,24−2を有している。
【0018】
[0033]さらに図4および図5を参照すると、内壁30は、2つのピストンリンク開口30−1,30−2と、ピストンラッチ開口30−3と、カニューレラッチ開口30−4と、を有している。
【0019】
[0034]図3に最もよく示されているように、ハウジング本体20の上面28は、第1の摺動スロット縁部38−1と第2の摺動スロット縁部38−2とを形成する細長い摺動ス
ロット38を有している。第2の摺動スロット縁部38−2は、長手方向軸線22と直交する方向に第1の摺動スロット縁部38−1から離間されている。
【0020】
[0035]トリガ摺動アセンブリ14は、細長い摺動スロット38のところでハウジング本体20に連結されている。トリガ摺動アセンブリ14は、摺動体本体40を備えている。摺動体本体40は、ハウジング本体20の細長い摺動スロット38の第1の摺動スロット縁部38−1および第2の摺動スロット縁部38−2をそれぞれ受け入れるように構成された一対の対向するチャネル40−1,40−2を有している。トリガ摺動アセンブリ14は、付勢スプリング42によって遠位方向D1に付勢されている。
【0021】
[0036]さらに図7〜10,12,14を参照すると、摺動体本体40の近位端40−3を基準点として使用して、摺動体本体40は、4つの位置、すなわち、定位置(ホームポジション)40−4と、第1の近位位置40−5と、第2の近位位置40−6と、最遠位位置40−7と、を有している。摺動体本体40のこの4つの位置は、より詳細に以下に説明される。
【0022】
[0037]図3に最もよく示されているように、カニューレアセンブリ16は、カニューレ支持ロッド44と、外側カニューレアセンブリ46と、内側カニューレアセンブリ48と、を備えている。
【0023】
[0038]カニューレ支持ロッド44は、ハウジング本体20内において、長手方向軸線22とともに延在するように長手方向軸線22上に配置されている。カニューレ支持ロッド44は、ハウジング本体20の内壁30に接続された近位端44−1を有している。カニューレ支持ロッド44は、位置が固定された外側カニューレアセンブリ46および移動可能な内側カニューレアセンブリ48のために、長手方向軸線22に沿った径方向支持を提供する。
【0024】
[0039]外側カニューレアセンブリ46は、端部キャップ本体50と、長手方向軸線22に沿って延在する細長い外側カニューレ52と、を有している。端部キャップ本体50は、ハウジング本体20の遠位端部壁26のところでハウジング本体20に接続されている。このため、外側カニューレ52は、ハウジング本体20に対して位置が固定されている。外側カニューレ52は、カニューレ支持ロッド44と同軸であり、カニューレ支持ロッド44の一部分を覆うように受け入れられる。
【0025】
[0040]外側カニューレ52は、端部52−1と、貫通先端52−2と、端部52−1と貫通先端52−2との間を延在する側壁52−3と、を有している。端部52−1は、端部キャップ本体50に装着されている。側壁52−3は、内腔52−4を形成するように構成されており、細長い側面開口52−5を有している。細長い側面開口52−5は、側壁52−3を通って延在している。このため、細長い側面開口52−5は、内腔52−4と流体連通する。細長い側面開口52−5は、生検手順中に組織サンプルを受け入れるように構成される。
【0026】
[0041]内側カニューレアセンブリ48は、アクチュエータ本体54と、カニューレ支持ロッドシール部56と、細長い切断カニューレ58と、を備えている。
【0027】
[0042]さらに、図3とともに図7を参照すると、アクチュエータ本体54は、駆動タブ54−1と、近位ラッチ機構54−2と、カニューレ取付部54−3と、近位軸線方向孔54−4と、を有している。駆動タブ54−1は、摺動体本体40とともに長手方向(例えば、近位方向D2)に移動するために、トリガ摺動アセンブリ14の摺動体本体40と係合するように構成される。
【0028】
[0043]さらに図10を一緒に参照すると、アクチュエータ本体54の近位ラッチ機構54−2と、ハウジング本体20の内壁30のカニューレラッチ開口30−4とは、スナップに特徴付けられる戻り止めを形成する。近位ラッチ機構54−2は、ハウジング本体20の内壁30のカニューレラッチ開口30−4を通過するように構成されており、それによって、細長い切断カニューレ58を後退(準備、または、場合によっては引きとも呼ぶ)位置に取り外し可能にラッチすることができる。より具体的には、近位ラッチ機構54−2は、片持ちレバーアーム54−5の形態である。片持ちレバーアーム54−5は、その自由端のところにラッチ頭部54−6を有している。ラッチ頭部54−6は、細長い切断カニューレ58を後退(準備または引き)位置に取り外し可能にラッチするために、近位チャンバ32内のカニューレラッチ開口30−4に隣接する内壁30の一部分(図5も参照)を捕捉するように構成される。
【0029】
[0044]切断カニューレ58は、カニューレ支持ロッド44および外側カニューレ52と同軸である。より具体的には、本実施形態では、切断カニューレ58は、カニューレ支持ロッド44と外側カニューレ52との間に径方向に介在しており、切断カニューレ58は、外側カニューレ52の内腔52−4内に摺動可能に受け入れられており、カニューレ支持ロッド44を摺動可能に受け入れている。
【0030】
[0045]図3に最もよく示されるように、切断カニューレ58は、端部58−1と、遠位切断縁部58−2と、端部58−1と遠位切断縁部58−2との間を延在する側壁58−3(図11も参照)と、を有している。端部58−1は、端部58−1がアクチュエータ本体54の近位軸線方向孔54−4と流体連通する状態で、カニューレ取付部54−3に装着されている。
【0031】
[0046]側壁58−3は、内側内腔58−4を形成する。内側内腔58−4は、カニューレ支持ロッド44のまわりに摺動的に受け入れられる。カニューレ支持ロッドシール部56(ゴム製Oリングの形態)が、アクチュエータ本体54の近位軸線方向孔54−4内に位置決めされている。カニューレ支持ロッド44は、カニューレ支持ロッドシール部56がアクチュエータ本体54とカニューレ支持ロッド44との間に径方向に介在する状態で、カニューレ支持ロッドシール部56の孔を通って受け入れられる。このため、カニューレ支持ロッドシール部56は、アクチュエータ本体54の近位軸線方向孔54−4内において軸線方向に位置が固定されるように構成される、一方、アクチュエータ本体54とともにカニューレ支持ロッド44に沿って軸線方向に移動可能である。
【0032】
[0047]さらに図12および図13を参照すると、切断カニューレ58は、さらに、吸引側面ポート58−5を備えている。吸引側面ポート58−5は、端部58−1のところで側壁58−3を通って延在しており、内側内腔58−4と流体連通する。切断カニューレ58が外側カニューレ52の内腔52−4内に位置決めされた状態で、吸引側面ポート58−5は、細長い側面開口52−5を備える外側カニューレ52の遠位部分とさらに流体連通する。
【0033】
[0048]再度、図3,7〜9を参照すると、カニューレ駆動スプリング60(例えば、コイルスプリングの形態)が、ハウジング本体20の内壁30と内側カニューレアセンブリ48のアクチュエータ本体54との間で、ハウジング本体20の遠位チャンバ34内に位置決めされる。さらに図10,12,14を参照すると、カニューレ駆動スプリング60は、内側カニューレアセンブリ48が近位方向D2に後退位置まで移動されたときに、圧縮されてエネルギーを蓄積するように構成される。このとき、近位ラッチ機構54−2のラッチ頭部54−6は、ハウジング本体20の内壁30のカニューレラッチ開口30−4を通過し、それによって、後退位置において内側カニューレアセンブリ48(細長い切断
カニューレ58を含む)を取り外し可能にラッチする。同様に、カニューレ駆動スプリング60は、近位ラッチ機構54−2がそのラッチ状態から解放されたときに、伸張して、蓄積されたエネルギーを解放して内側カニューレアセンブリ48を遠位方向D1に押し出すように構成される。
【0034】
[0049]図3,7〜9に最もよく示されるように、真空源18に追加されているのは、吸引準備ハンドル機構62である。吸引準備ハンドル機構62は、真空の供給によって真空源18を準備(すなわち、チャージ)するように構成される。吸引準備ハンドル機構62は、ハンドルベース64と、ハンドルベース64から遠位方向D1に延在する一対の細長いハンドルリンク66,68と、を備えている。ハンドルベース64は、1つ以上の周囲把持頂部64−1を備えていてもよい。
【0035】
[0050]一対の細長いハンドルリンク66,68は、近位端部壁24のそれぞれの対のハンドルリンク開口24−1,24−2を通過して近位チャンバ32内に入るように位置決めされる。一対の細長いハンドルリンク66,68の各々は、それぞれの長手方向スロット66−1,68−1を有している。また、一対の細長いハンドルリンク66,68の各々は、より完全に以下で説明されるように、真空源18と係合するために、ハウジング本体20の内壁30のピストンリンク開口30−1,30−2のそれぞれのリンク開口を通過するように構成される。
【0036】
[0051]再度、図3および図6を参照すると、真空源18は、真空チャンバハウジング70を備えている。真空チャンバハウジング70は、チャンバ開口端72と、チャンバ端部壁74と、チャンバ側壁76と、を有している。チャンバ側壁76は、断面がU字状の領域を形成する外面70−1に対応する外周76−1を有している。このU字状の領域は、チャンバ開口端72とチャンバ端部壁74との間を長手方向に延在し、U字状の容積76−2を形成する。チャンバ側壁76のU字状の構造によって、内側カニューレアセンブリ48が真空源18のそれと同一の設置面積内で移動可能に挟まれる能力が容易になり、それによって、生検デバイス10内の空間を効率的に利用することができる。
【0037】
[0052]さらに図8〜13を参照すると、チャンバ側壁76は、チャンバ吸引ポート76−3を有している。特に図11および図13を参照すると、細長い切断カニューレ58の吸引側面ポート58−5は、真空チャンバハウジング70のチャンバ吸引ポート76−3と選択的に流体係合するように構成される。チャンバ吸引ポート76−3は、チャンバ側壁76の立ち上がった突出部として構成されており、立ち上がった突出部は、チャンバ側壁76の立ち上がった突出部を通ってU字状の容積76−2まで延在する孔を有している。真空チャンバハウジングシール部78(ゴム製のOリングの形態)は、真空チャンバハウジング70のチャンバ吸引ポート76−3と細長い切断カニューレ58との間に密封係合状態で介在している。真空チャンバハウジング70のチャンバ吸引ポート76−3と細長い切断カニューレ58の吸引側面ポート58−5とが径方向に整合されると、真空チャンバハウジングシール部78は、真空チャンバハウジング70のチャンバ吸引ポート76−3と、細長い切断カニューレ58の吸引側面ポート58−5と、の間に密封係合状態で介在する。その結果、切断カニューレ58の内側内腔58−4内の真空を容易に確立できる。
【0038】
[0053]特に図3および図6を参照すると、チャンバ側壁76は、第1のU字状壁部76−4と、第2のU字状壁部76−5と、第1の逆U字状壁部76−6と、第2の逆U字状壁部76−7と、を有している。第2のU字状壁部76−5は、第1のU字状壁部76−4よりも小さく、それによって、真空チャンバハウジング70のチャンバ側壁76の上部のところの外面70−1のところに細長く凹んだ上部谷部80が形成される。第2のU字状壁部76−5は、チャンバ側壁76の上部の外周76−1の周りにおいて、第1の逆U
字状壁部76−6と第2の逆U字状壁部76−7との間に位置する。
【0039】
[0054]図3および図6に最もよく示されるように、細長く凹んだ谷部80は、内側カニューレアセンブリ48(アクチュエータ本体54および切断カニューレ58を含む)を受け入れるように構成される。より具体的には、アクチュエータ本体54は、凹んだ谷部80の長手方向の広がりに沿って径方向に支持される下部湾曲面を備えており、切断カニューレ58は、チャンバ側壁76に接触することなく、細長く凹んだ谷部80内に受け入れられる。再び図10〜13を参照すると、チャンバ吸引ポート76−3は、細長く凹んだ谷部80内から切断カニューレ58に向けた方向に、チャンバ側壁76から外側に向けて延在している。
【0040】
[0055]図2,3,6,7を参照すると、真空源18は、さらに、真空プランジャ機構82を備えている。真空プランジャ機構82は、U字状の容積76−2内に位置決めされるU字状のピストン84を備えている。U字状のピストン84は、近位面84−1と遠位面84−2とを有している。チャンバシール部85(U字状のゴム製のOリングの形態)は、チャンバ側壁76の内面76−8とU字状のピストン84との間を密封係合するように構成される。
【0041】
[0056]図2,5〜10を参照すると、ピストンラッチ機構84−3は、近位面84−1から近位方向D2に延在しており、片持ちレバーアーム84−4の形態である。片持ちレバーアーム84−4は、その自由端のところにラッチ頭部84−5を有している。全体として、U字状のピストン84のピストンラッチ機構84−3と、ハウジング本体20の内壁30のピストンラッチ開口30−3とは、スナップによって特徴付けられた戻り止めを形成する。
【0042】
[0057]特に図8および図9を参照すると、真空源18を準備するためにU字状のピストン84が近位方向D2に移動(すなわち後退)されると、真空が真空チャンバハウジング70内に蓄積される。このため、真空チャンバハウジング70は、準備されたと捉えられる。ピストンラッチ機構84−3は、ハウジング本体20の内壁30のピストンラッチ開口30−3を通過し、それによって、U字状のピストン84を後退(準備)位置において取り外し可能にラッチするように構成される。より具体的には、ピストンラッチ機構84−3のラッチ頭部84−5は、U字状のピストン84を後退(準備)位置において取り外し可能にラッチするために、近位チャンバ32のピストンラッチ開口30−3に隣接する内壁30の一部分を捕捉するように構成される。
【0043】
[0058]図8〜10,12,14を参照すると、真空源18が準備されると、真空チャンバハウジング70は、U字状のピストン84とともに、フルチャージ時に−5.0psiから−6.0psi(−34.4kPa〜−41.4kPa)の範囲の真空圧で、約20立方センチメートルの真空貯蔵を形成する。
【0044】
[0059]再び図3を参照すると、真空源18は、U字状のピストン84が近位方向D2に後退した際に真空が真空チャンバハウジング70内に蓄積され得るように、また、吸引予備準備動作のための準備において、U字状のピストン84が解放されチャンバ端部壁74に向けて遠位方向D1に移動されるときに均圧化され得るように、チェックバルブ89を有して構成される。チェックバルブ89は、一方向のみの流体の流れを容易にするように構成されており、例えば、ボール/スプリングバルブの形態であってもよい。図3に示されるように、チェックバルブ89は、真空チャンバハウジング70のチャンバ端部壁74上に配置される。代替的には、チェックバルブ89は、U字状のピストン84内に入るように構築されてもよいことが考えられる。
【0045】
[0060]図3,5,6,8〜10,12,14を参照すると、一対のピストンリンクロッド86,88が、U字状のピストン84の近位面84−1から近位方向に延在している。一対のピストンリンクロッド86,88の各々は、それぞれの近位端86−1,88−1と、近位端86−1,88−1から遠位方向に延在する孔86−2,88−2と、を有している。一対のピストンリンクロッド86,88の各々は、ハウジング本体20の内壁30内において、それぞれのピストンリンク開口30−1,30−2(図4および図5を参照)を通過して、近位チャンバ32内に入る(図8〜10を参照)ように構成される。一対の付勢スプリング90,92の各々は、一対のピストンリンクロッド86,88のまわりにそれぞれ受け入れられ、ハウジング本体20の近位端部壁24と、一対の細長いハンドルリンク66,68のそれぞれの近位端86−1,88−1と、の間に位置決めされる。一対の接合構造86−3,88−3(例えば、タブ、クリップ、ピンなど)が、真空プランジャ機構82の一対のピストンリンクロッド86,88のそれぞれのピストンリンクロッドに装着されてもよく、あるいは、それと一体であってもよく、また、吸引準備ハンドル機構62のそれぞれの細長いハンドルリンク66,68のそれぞれの長手方向スロット66−1,68−1内で摺動可能に係合されるように構成される。本実施形態では、一対の接合構造86−3,88−3の各々は、一対のピストンリンクロッド86,88のそれぞれのピストンリンクロッド上に配置されたスナップタブの一部分として形成され、また、吸引準備ハンドル機構62のそれぞれの細長いハンドルリンク66,68のそれぞれの長手方向スロット66−1,68−1と係合するように構成される。代替的には、接合構造86−3,88−3は、別体の留め具(例えば、ピン)であってもよいことが考えられる。
【0046】
[0061]最初に図7〜15を参照し、全体的に図3を参照して、生検デバイス10の動作について説明する。
【0047】
[0062]図7は、全ての構成要素がそれらのそれぞれの定位置に配置された生検デバイス10を示している。より具体的には、摺動体本体40の定位置40−4は、摺動体本体40に外力が加えられていないときに摺動体本体40が常に戻る位置である。また、吸引準備ハンドル機構62のハンドルベース64の定位置64−2は、ハンドルベース64がハウジング本体20の最近位部分に直接的に隣接する位置である。
【0048】
[0063]図8を参照すると、生検手順を実行するために生検デバイス10を準備するために、真空源18は、準備されている(すなわち、真空チャンバハウジング70内に真空が蓄積されている)。真空源18を準備するために、ユーザは、ハンドルベース64を近位方向D2にその最近位位置64−3まで引っ張り、それによって、真空プランジャ機構82の近位方向D2に、完全な後退(準備)位置まで近位方向後退が生じる。
【0049】
[0064]より具体的には、ハンドルベース64の最近位位置64−3に向けた近位方向の移動によって、ハンドルリンク66,68が近位方向に移動することになる。ハンドルリンク66,68はピストンリンクロッド86,88に摺動可能に連結されるので、ハンドルリンク66,68の近位方向の移動によって、真空プランジャ機構82が吸引準備位置まで近位方向に移動することになる。この場合、ハンドルベース64は、最近位位置64−3に到達し、ピストンラッチ機構84−3は、ハウジング本体20の内壁30のピストンラッチ開口30−3を通過し、後退(準備)位置においてU字状のピストン84を取り外し可能にラッチする。同時に、スプリング90,92は、圧縮される。
【0050】
[0065]図9を参照すると、真空源18を準備した後、ハンドルベース64は、近位中間位置64−4まで遠位方向D1に移動される。ハンドルリンク66,68はハンドルベース64に固定的に取り付けられるので、ハンドルベース64の移動によって、ハンドルリンク66,68の移動も生じる。しかしながら、ハンドルリンク66,68は、長手方向
スロット66−1,68−1を介してピストンリンクロッド86,88に摺動可能に接合され、一方、U字状のピストン84は後退(準備)位置にラッチされているので、ハンドルリンク66,68は、ハンドルリンク66,68がピストンリンクロッド86,88内につぶれて抵抗点に達するまで、ピストンリンクロッド86,88内を遠位方向D1に自由に移動することができる。抵抗点は、例えば、長手方向スロット66−1,68−1の長さによって定義されてもよく、あるいは、ハンドルリンク66,68の遠位端が、ピストンリンクロッド86,88内においてU字状のピストン84の近位面84−1に衝突するときであってもよい。
【0051】
[0066]したがって、ハンドルベース64が近位中間位置64−4にあると、ハンドルベース64の遠位方向の移動が制限される。しかしながら、真空源18を再準備および/または準備解除することが望まれる場合には、ユーザは、ピストンラッチ機構84−3のラッチ力に打ち勝ち、スプリング90,92が伸張し、U字状のピストン84がその定位置まで戻される(図7参照)ために、ハンドルベース64に対して遠位方向D1に圧力をしっかりと加える(例えば、手でしっかりと動かす)ことによって、そのようにしてもよい。
【0052】
[0067]真空源18を準備した後(図9)、生検デバイス10は、生検部位に位置決めするために、カニューレアセンブリ16を患者の組織内に挿入する準備ができた状態になる。特に、カニューレアセンブリ16は、外側カニューレ52の細長い側面開口52−5が生検部位の採取されるべき組織に隣接して位置決めされるように患者内に挿入される。
【0053】
[0068]図10,12,14を参照すると、次いで、トリガ摺動アセンブリ14の摺動体本体40は、組織サンプル採取手順を達成するために、順次、定位置40−4から第1の近位位置40−5まで移動され(図10)、次いで、第2の近位位置40−6まで移動され(図12)、次いで、定位置40−4に戻り(図9)、次いで、最遠位位置40−7まで移動される(図14参照)。
【0054】
[0069]再度述べるが、摺動体本体40の定位置40−4(例えば、図9参照)は、摺動体本体40に外力が加えられていないときに摺動体本体40が常に戻る位置である。このため、摺動体本体40がユーザによって解放されているときはいつでも、意図的であっても、意図的でなくても、摺動体本体40は、常に定位置40−4に戻り、定位置40−4から手順が再開され得る。
【0055】
[0070]図10を参照すると、第1の近位位置40−5は、内側カニューレアセンブリ48(切断カニューレ58が含まれる)の準備(引き)が生じる摺動体本体40の位置である。摺動体本体40が近位方向D2に移動されると、摺動体本体40は、内側カニューレアセンブリ48のアクチュエータ本体54の駆動タブ54−1と係合し、切断カニューレ58は、駆動タブ54−1に固定的に取り付けられる。このため、近位方向D2における摺動体本体40の長手方向の移動によって、切断カニューレ58を有する内側カニューレアセンブリ48の近位方向D2における対応する移動が生じる。
【0056】
[0071]摺動体本体が第1の近位位置40−5まで近位方向に移動することによって、内側カニューレアセンブリ48が第1の距離だけ後退され、後退(準備または引き)位置において細長い切断カニューレ58の近位ラッチ機構54−2がラッチされ、カニューレ駆動スプリング60が圧縮される。より具体的には、近位ラッチ機構54−2は、ハウジング本体20の内壁30のカニューレラッチ開口30−4を通過し、後退(準備または引き)位置において細長い切断カニューレ58を取り外し可能にラッチする。準備(引き)位置では、細長い切断カニューレ58は、後退されており、外側カニューレ52の細長い側面開口52−5を開放する。
【0057】
[0072]図11も参照すると、トリガ摺動アセンブリ14の摺動体本体40が、第2の近位位置40−6以外の任意の位置にあるとき、切断カニューレ58は、真空チャンバハウジング70のチャンバ吸引ポート76−3を塞ぎ、このため、真空チャンバハウジング70内に蓄積された真空の供給が漏れることが防止される。
【0058】
[0073]このため、図12を参照すると、生検手順中に外側カニューレ52の細長い側面開口52−5に真空を適用するために、摺動体本体40は、第2の近位位置40−6まで移動され、第2の近位位置40−6は、第1の近位位置40−5よりも近位に所定距離だけ離間される。このため、第2の近位位置40−6までの摺動体本体の第2の近位移動によって、内側カニューレアセンブリ48が、第1の近位位置40−5に関連する第1の近位距離に累積して第2の距離だけ後退される。その結果、細長い切断カニューレ58の吸引側面ポート58−5が真空源18のチャンバ吸引ポート76−3と径方向に整合し(図13参照)、真空源18の真空チャンバハウジング70から切断カニューレ58の内側内腔58−4まで、そして、外側カニューレ52の細長い側面開口52−5まで真空が移動され、細長い側面開口52−5に隣接する組織に真空が適用され、切断カニューレ58を解放する前に組織が細長い側面開口52−5内に吸引される。
【0059】
[0074]ユーザは、外側カニューレ52の細長い側面開口52−5のところで真空を確立し、採取されるべき組織を外側カニューレ52の細長い側面開口52−5内に吸引するのに必要とみなされる時間のみ、トリガ摺動アセンブリ14の摺動体本体40を第2の近位位置40−6のところに維持するであろう。この期間は、例えば、医師によって決定される0.5〜2秒であってもよい。次いで、ユーザは、摺動体本体40を解放し、付勢スプリング42は、摺動体本体40を定位置40−4に戻す。
【0060】
[0075]図14および図15を参照すると、摺動体本体40の最遠位位置40−7は、定位置40−4よりも遠位の位置であり、内側カニューレアセンブリ48(切断カニューレ58が含まれる)の解除(準備解除)が生じる(すなわち、外側カニューレ52の細長い側面開口52−5内に受け入れられた組織サンプルを切り離すための)位置である。図14および図15に示されるように、摺動体本体40は、押圧構造40−8を備えている。押圧構造40−8は、摺動体本体40が定位置40−4から最遠位位置40−7に向けて遠位方向に移動されるときに、押圧構造40−8が内側カニューレアセンブリ48の近位ラッチ機構54−2のラッチ頭部45−6と係合し、近位ラッチ機構54−2のラッチ頭部45−6を下方に推し進めてカニューレラッチ開口30−4のところでのラッチ頭部45−6と内壁30との遠位接触を解放するように構成される。このため、カニューレ駆動スプリング60は、圧縮状態から解放され(すなわち、解除または準備解除;図7参照)、内側カニューレアセンブリ48(切断カニューレ58が含まれる)が遠位方向D1に押し出され、その結果、切断カニューレの遠位切断縁部58−2は、外側カニューレ52の細長い側面開口52−5を越えて移動し、外側カニューレ52の細長い側面開口52−5内に以前に受け入れられた組織サンプルを切り離し、この組織サンプルをカニューレアセンブリ16内に捕捉する。
【0061】
[0076]このとき、生検デバイス10のカニューレアセンブリ16は、患者から取り外される。次いで、切断カニューレ58を有する内側カニューレアセンブリ48は、捕捉された組織サンプルを外側カニューレ52の細長い側面開口52−5から取り出すために後退される。
【0062】
[0077]この同一の患者からのさらなるサンプルが必要なときは、次いで、上述のプロセスが繰り返されてもよい。
【0063】
[0078]患者から全ての所望のサンプルを採取した後、生検デバイス10は安全な態様でその全体が廃棄されることが推奨される。
【0064】
[0079]少なくとも1つの実施形態に関して本発明が説明されたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに変形されてもよいことが当業者には認識されるであろう。したがって、本願は、その全体原理を使用する発明の任意のバリエーション、用途または適応を包含することが意図されている。さらに、本願は、本発明が関連するとともに添付の特許請求の範囲の限定内にある当該分野における既知または慣習的な実施の範囲内に収まるような本開示からのそのような発展を包含することが意図されている。本発明は、以下の形態としても実現可能である。
[形態1]
生検デバイスであって、
長手方向軸線を形成するハウジング本体と、
第1の細長いカニューレと第2の細長いカニューレとを有するカニューレアセンブリと
を備え、
前記第1の細長いカニューレは、第1の側壁を有し、
前記第1の側壁は、第1の内腔と、前記第1の側壁を通って延在する細長い側面開口と、を形成するように構成され、
前記第2の細長いカニューレは、
前記第1の細長いカニューレと同軸であり、
第2の内腔と切断縁部とを形成するように構成された第2の側壁を有し、
前記第2の側壁は、前記第2の内腔と流体連通する吸引側面ポートを有し、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体内に位置決めされる真空源を備え、
前記真空源は、
チャンバ吸引ポートを有するチャンバ側壁を有し、
前記チャンバ吸引ポートと前記第2の細長いカニューレとの間に密封係合状態で介在するシール部を有し、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体に連結されるとともに前記カニューレアセンブリに連結されるトリガ摺動アセンブリを備え、
前記トリガ摺動アセンブリは、前記真空源から前記第2の細長いカニューレの前記第2の内腔まで真空を供給するために前記第2の細長いカニューレの前記吸引側面ポートを前記真空源の前記チャンバ吸引ポートと整合させるために、第2の細長いカニューレを移動させるように構成される
生検デバイス。
[形態2]
形態1に記載の生検デバイスであって、
前記真空源は、チャンバ開放端とチャンバ端部壁とチャンバ側壁とを有する真空チャンバハウジングを備え、
前記チャンバ側壁は、断面がU字状の領域を形成してU字状の容積を形成する外周を有し、
前記U字状の領域は、前記チャンバ開放端と前記チャンバ端部壁との間を長手方向に延在し、
前記チャンバ側壁の一部分は、長手方向の広がりを有する細長い凹んだ谷部を形成し、
前記第2の細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に位置決めされる
生検デバイス。
[形態3]
形態2に記載の生検デバイスであって、
前記真空チャンバハウジングの前記U字状の容積内に位置決めされるU字状のピストンを有する真空プランジャ機構と、
前記チャンバ側壁の内面と前記U字状のピストンとの間を密封係合させるように構成されたチャンバシール部と
を備える生検デバイス。
[形態4]
形態3に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、ピストンラッチ開口を有する内壁を備え、
前記真空プランジャ機構は、前記U字状のピストンの近位面から延在するピストンラッチ機構を備え、
前記ピストンラッチ機構は、前記U字状のピストンが近位方向に移動されたときに、前記内壁の前記ピストンラッチ開口を通過して、後退位置において前記U字状のピストンを取り外し可能にラッチするように構成された
生検デバイス。
[形態5]
形態4に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体の前記内壁は、一対のリンク開口を有し、
前記U字状のピストンは、該U字状のピストンの前記近位面から近位方向に延在する一対のピストンリンクロッドを備え、
前記一対のピストンリンクロッドの各々は、近位端と、該近位端から遠位方向に延在する孔と、を有し、
前記一対のピストンリンクロッドは、前記ハウジング本体の前記内壁内において、対応する前記一対のリンク開口を通過するように構成され、
前記生検デバイスは、さらに、ハンドルベースと、該ハンドルベースから延在する一対の細長いハンドルリンクと、を有する吸引準備ハンドル機構を備え、
前記細長いハンドルリンクの各々は、長手方向スロットを有し、
前記一対の細長いハンドルリンクは、前記一対のピストンリンクロッドの前記孔内に摺動的に受け入れられ、
前記生検デバイスは、さらに、前記一対のピストンリンクロッドを前記一対の細長いハンドルリンクと摺動係合状態で接続するように構成された一対の接合構造を備える
生検デバイス。
[形態6]
形態1に記載の生検デバイスであって、
前記真空源は、チャンバ開放端とチャンバ端部壁とチャンバ側壁とを有する真空チャンバハウジングを備え、
前記チャンバ側壁は、長手方向の広がりを有する細長い凹んだ谷部を形成する外周を有し、
前記第2の細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく前記細長い凹んだ谷部内に位置決めされる
生検デバイス。
[形態7]
形態6に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ吸引ポートは、前記細長い凹んだ谷部内から前記第2の細長いカニューレに向かう方向に、前記チャンバ側壁から外側に向けて延在する
生検デバイス。
[形態8]
形態1ないし形態7のいずれか一項に記載の生検デバイスであって、
前記第2の細長いカニューレは、前記第1の細長いカニューレの前記第1の内腔内に位置決めされ、
前記第1の細長いカニューレは、前記ハウジング本体に対して位置が固定されており、
前記第2の細長いカニューレは、前記第1の内腔内で、前記ハウジング本体に対して移動可能であり、
前記第2の細長いカニューレの前記第2の内腔は、前記第1の細長いカニューレの前記第1の内腔と流体連通する
生検デバイス。
[形態9]
形態1ないし形態7のいずれか一項に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体に装着されるカニューレ支持ロッドを備え、
前記カニューレ支持ロッドは、前記第1の細長いカニューレおよび前記第2の細長いカニューレと同軸であり、
前記カニューレ支持ロッドは、前記第2の細長いカニューレの前記第2の内腔内に受け入れられる
生検デバイス。
[形態10]
生検デバイスであって、
長手方向軸線を形成するハウジング本体と、
前記長手方向軸線に沿って延在する第1の細長いカニューレを有する第1のカニューレアセンブリと
を備え、
前記第1の細長いカニューレは、第1の側壁を有し、
前記第1の側壁は、
第1の内腔を形成するように構成され、
前記第1の側壁を通って延在する細長い側面開口を有し、
前記生検デバイスは、さらに、前記第1の細長いカニューレの前記第1の内腔内に摺動的に受け入れられる第2の細長いカニューレに連結される第2のカニューレ本体を有する第2のカニューレアセンブリを備え、
前記第2のカニューレ本体は、駆動タブと、後退位置において前記第2の細長いカニューレを取り外し可能にラッチするように構成された近位ラッチ機構と、を有し、
前記第2の細長いカニューレは、
第2の内腔を有する第2の側壁を有し、
前記第2の側壁を通って延在し、前記第2の内腔に流体連通する吸引側面ポートを有し、
前記生検デバイスは、さらに、
前記近位ラッチ機構が前記後退位置に移動されたときに圧縮されるように構成されるとともに、前記近位ラッチ機構が前記後退位置から解放されたときに伸張して、前記第2のカニューレアセンブリを遠位方向に押し出すように構成されるカニューレ駆動スプリングと、
前記ハウジング本体内に位置決めされる真空源と
を備え、
前記真空源は、
真空を蓄積するように構成され、
容積を形成するとともにチャンバ吸引ポートを有するチャンバ側壁と、前記チャンバ吸引ポートと前記第2の細長いカニューレとの間に密封係合状態で介在するシール部と、を備え、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体に連結されるとともに前記第2のカニューレ本体の前記駆動タブに連結される摺動体本体を有するトリガ摺動アセンブリを備え、
前記トリガ摺動アセンブリは、
近位方向への前記摺動体本体の第1の近位移動によって、前記第2のカニューレアセンブリが第1の距離だけ後退され、前記後退位置において前記第2のカニューレアセンブリの前記近位ラッチ機構がラッチされ、前記カニューレ駆動スプリングが圧縮され、
前記近位方向への前記摺動体本体の第2の近位移動によって、前記第2のカニューレアセンブリが前記第1の距離に累積して第2の距離だけ後退され、前記真空源から前記第2の細長いカニューレの前記第2の内腔まで真空を供給するために前記第2の細長いカニューレの前記吸引側面ポートが前記真空源の前記チャンバ吸引ポートと径方向に整合され、
前記摺動体本体の第3の移動によって、前記カニューレ駆動スプリングが伸張して、前記第2のカニューレアセンブリの前記第2の細長いカニューレを前記遠位方向に押し出すように、前記近位ラッチ機構が解放される
ように構成される
生検デバイス。
[形態11]
形態10に記載の生検デバイスであって、
前記摺動体本体の前記第3の移動は、前記近位方向と反対の前記遠位方向である
生検デバイス。
[形態12]
形態10または形態11に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁は、U字状の容積を形成し、
前記チャンバ側壁の一部分は、長手方向の広がりを有する細長い凹んだ谷部を形成し、
前記第2の細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記チャンバ側壁の外部で前記細長い凹んだ谷部内に位置決めされる
生検デバイス。
[形態13]
形態10または形態11に記載の生検デバイスであって、
前記真空源の前記チャンバ側壁は、断面がU字状の領域を形成する外周を有し、
前記U字状の領域は、長手方向に延在してU字状の容積を形成し、
前記生検デバイスは、前記U字状の容積内に位置決めされるU字状のピストンを有する真空プランジャ機構と、前記チャンバ側壁の内面と前記U字状のピストンとの間を密封係合するように構成されたチャンバシール部と、を備える
生検デバイス。
[形態14]
形態13に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、ピストンラッチ開口を有する内壁を備え、
前記真空プランジャ機構は、前記U字状のピストンの近位面から延在するピストンラッチ機構を備え、
前記ピストンラッチ機構は、前記U字状のピストンが後退位置まで前記近位方向に移動されたときに、前記内壁の前記ピストンラッチ開口を通過し、前記後退位置において前記U字状のピストンを取り外し可能にラッチするように構成された
生検デバイス。
[形態15]
形態14に記載の生検デバイスであって、
前記U字状のピストンの前記近位面から近位方向に延在する一対のピストンリンクロッドであって、該一対のピストンリンクロッドの各々が近位端と、該近位端から遠位方向に延在する孔と、を有する一対のピストンリンクロッドと、
ハンドルベースと、該ハンドルベースから延在する一対の細長いハンドルリンクと、を有する吸引準備ハンドル機構と、
前記一対のピストンリンクロッドを前記一対の細長いハンドルリンクに摺動係合状態で接続するように構成された一対の接合構造と
を備える生検デバイス。
[形態16]
形態10または形態11に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁は、長手方向の広がりを有する細長い凹んだ谷部を形成する外周を有し、
前記第2の細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記チャンバ側壁の外部で前記細長い凹んだ谷部内に位置決めされる
生検デバイス。
[形態17]
形態16に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ吸引ポートは、前記細長い凹んだ谷部内から前記第2の細長いカニューレに向かう方向に、前記チャンバ側壁から外側に向けて延在する
生検デバイス。
[形態18]
形態17に記載の生検デバイスであって、
前記第1の細長いカニューレは、前記ハウジング本体に対して位置が固定されており、
前記第2の細長いカニューレは、前記第1の内腔内で、前記ハウジング本体に対して移動可能であり、
前記第2の細長いカニューレの前記第2の内腔は、前記第1の細長いカニューレの前記細長い側面開口と流体連通する
生検デバイス。
[形態19]
形態10または形態11に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体に装着されるカニューレ支持ロッドを備え、
前記カニューレ支持ロッドは、前記第1の細長いカニューレおよび前記第2の細長いカニューレと同軸であり、
前記カニューレ支持ロッドは、前記第2の細長いカニューレの前記第2の内腔内に受け入れられる
生検デバイス。
[形態20]
形態10または形態11に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁は、断面がU字状の領域を形成する外周を有し、
前記チャンバ側壁は、チャンバ開放端と、前記真空源のチャンバ端部壁と、の間を長手方向に延在して、U字状の容積を形成する
生検デバイス。
[形態21]
生検デバイスであって、
長手方向軸線を形成するハウジング本体と、
アクチュエータ本体と、該アクチュエータ本体に装着される細長いカニューレと、を有するカニューレアセンブリと
を備え、
前記細長いカニューレは、内腔を形成する側壁と、前記側壁を通って延在するとともに前記内腔と流体連通する吸引側面ポートと、を有し、
前記アクチュエータ本体は、駆動タブと近位ラッチ機構とを有し、
前記近位ラッチ機構は、前記ハウジング本体と選択的に係合して、後退位置において前記カニューレアセンブリを取り外し可能にラッチするように構成され、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体と前記アクチュエータ本体との間に連結されるカニューレ駆動スプリングを備え、
前記カニューレ駆動スプリングは、前記近位ラッチ機構が前記後退位置まで移動されたときに圧縮されるように構成されるとともに、前記近位ラッチ機構が前記後退位置から解放されたときに、伸張して前記細長いカニューレを遠位方向に押し出すように構成され、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体に連結されるとともに真空を蓄積するように構成された真空源を備え、
前記真空源は、チャンバ開放端と、チャンバ端部壁と、前記チャンバ開放端と前記チャンバ端部壁との間を延在するチャンバ側壁と、チャンバ吸引ポートと、を有する真空チャンバハウジングを備え、
前記チャンバ側壁は、断面がU字状の領域を形成する外周を有し、
前記U字状の領域は、前記チャンバ開放端と前記チャンバ端部壁との間を長手方向に延在して、U字状の容積を形成し、
前記生検デバイスは、さらに、カニューレアセンブリの前記駆動タブおよび前記真空源に動作可能に連結される摺動体本体を有するトリガ摺動アセンブリを備える
生検デバイス。
[形態22]
形態21に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁の一部分は、長手方向の広がりを有する細長い凹んだ谷部を形成し、
前記細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に位置決めされる
生検デバイス。
[形態23]
形態21または形態22に記載の生検デバイスであって、
前記真空チャンバハウジングの前記U字状の容積内位置決めされるU字状のピストンを有する真空プランジャ機構と、
前記チャンバ側壁の内面と前記U字状のピストンとの間を密封係合するように構成されたチャンバシール部と
を備える生検デバイス。
[形態24]
形態21に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁は、第1のU字状壁部と、第2のU字状壁部と、第1の逆U字状壁部と、第2の逆U字状壁部と、を有し、
前記第2のU字状壁部は、前記第1のU字状壁部よりも小さく、前記真空チャンバハウジングの外面のところで細長い凹んだ谷部を形成し、
前記チャンバ吸引ポートは、前記凹んだ谷部内に位置決めされ、
前記細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に受け入れられ、
前記生検デバイスは、さらに、前記チャンバ吸引ポートと前記細長いカニューレとの間に密封係合状態で介在する真空チャンバハウジングシール部を備える
生検デバイス。
[形態25]
形態21、形態22および形態24のいずれか一項に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ吸引ポートは、前記チャンバ側壁の立ち上がった突出部として構成された
生検デバイス。
[形態26]
形態24に記載の生検デバイスであって、
前記第2のU字状壁部は、前記チャンバ側壁の前記外周をまわる方向において、前記第1の逆U字状壁部チャンバ側壁と、前記第2の逆U字状壁部と、の間に位置する
生検デバイス。
[形態27]
形態21、形態22、形態24および形態26のいずれか一項に記載の生検デバイスであって、
前記摺動体本体は、
前記摺動体本体の第1の近位移動によって、前記カニューレアセンブリが第1の距離だけ後退され、前記後退位置において前記カニューレアセンブリがラッチされ、前記カニューレ駆動スプリングが圧縮され、
前記摺動体本体の第2の近位移動によって、前記カニューレアセンブリが前記第1の距離に累積して第2の距離だけ後退され、前記真空源から前記細長いカニューレの前記第2の内腔まで真空を供給するために前記細長いカニューレの前記吸引側面ポートが前記真空源の前記チャンバ吸引ポートと整合され、
前記摺動体本体の遠位方向の第3の移動によって、前記カニューレ駆動スプリングが伸張して、前記カニューレアセンブリを前記遠位方向に押し出すように、前記近位ラッチ機構が解放される
ように構成される
生検デバイス。
[形態28]
形態21または形態22に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、近位端部壁と、遠位端部壁と、上面と、前記近位端部壁と前記遠位端部壁との間に位置する内壁と、を備え、
前記内壁は、前記ハウジング本体を近位チャンバと遠位チャンバとに分離し、
前記近位チャンバは、チャンバカバーを有し、
前記遠位チャンバは、前記真空チャンバハウジングを取り付けるように構成され、
前記内壁は、前記近位ラッチ機構の一部分を取り外し可能に受け入れるために、カニューレラッチ開口を有する
生検デバイス。
[形態29]
形態21、形態22、形態24および形態26のいずれか一項に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、細長い摺動スロットを有する上面を備え、
前記細長い摺動スロットは、第1の摺動スロット縁部と、前記長手方向軸線に直交する方向に前記第1の摺動スロット縁部から離間された第2の摺動スロット縁部と、を形成し、
前記摺動体本体は、前記ハウジング本体の前記細長い摺動スロットの前記第1の摺動スロット縁部および前記第2の摺動スロット縁部をそれぞれ受け入れるように構成された一対の対向するチャネルを備え、
前記生検デバイスは、さらに、前記摺動体本体を定位置に付勢するために、前記摺動体本体と前記ハウジング本体との間に接続される付勢スプリングを備える
生検デバイス。
[形態30]
形態21、形態22、形態24および形態26のいずれか一項に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、近位端部壁と、遠位端部壁と、前記近位端部壁と前記遠位端部壁との間に位置する内壁と、を備え、
前記ハウジング本体の前記近位端部壁は、第1の対のハンドルリンク開口を有し、
前記ハウジング本体の前記内壁は、第2の対のリンク開口を有し、
前記生検デバイスは、さらに、ハンドルベースと、該ハンドルベースから延在する一対の細長いハンドルリンクと、を有する吸引準備ハンドル機構を備え、
前記一対の細長いハンドルリンクは、前記近位端部壁の前記第1の対のハンドルリンク開口を通過し、前記近位チャンバを通過し、前記内壁の前記第2の対のリンク開口を通過するように位置決めされ、
前記真空源は、プランジャ機構を有し、
前記プランジャ機構は、
ピストンと、
前記チャンバ側壁の内面と前記ピストンとの間を密封係合させるように構成されたチャンバシール部と、
前記ピストンの近位面から近位方向に延在する一対のピストンリンクロッドと
を備え、
前記一対のピストンリンクロッドの各々は、近位端と、前記一対の細長いハンドルリンクを受け入れるための、前記近位端から遠位方向に延在する孔と、を有し、
前記一対のピストンリンクロッドは、前記ハウジング本体の前記内壁内において、対応する前記一対のピストンリンク開口を通過して前記近位チャンバに入るように構成され、
前記プランジャ機構は、さらに、
前記一対の細長いハンドルリンクのまわりに受け入れられる一対の付勢スプリングであって、該付勢スプリングの各々が、前記ハウジング本体の前記近位端部壁と、前記一対のピストンリンクロッドのそれぞれの近位端と、の間に位置決めされる一対の付勢スプリングと、
前記一対のピストンリンクロッドと前記一対の細長いハンドルリンクとを摺動的に接続するように構成された一対の接合構造と
を備える
生検デバイス。
[形態31]
形態30に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体の前記内壁は、
ピストンラッチ開口を有し、
前記ピストンから延在するピストンラッチ機構を備え、
前記ピストンラッチ機構は、後退位置において前記ピストンを取り外し可能にラッチするために、前記内壁の前記ピストンラッチ開口を通過するように構成された
生検デバイス。
[形態32]
生検デバイスであって、
長手方向軸線を形成するハウジング本体と、
アクチュエータ本体と、該アクチュエータ本体に装着される細長いカニューレと、を有するカニューレアセンブリと
を備え、
前記細長いカニューレは、内腔を形成する側壁と、前記側壁を通って延在するとともに前記内腔と流体連通する吸引側面ポートと、を有し、
前記アクチュエータ本体は、駆動タブと、近位ラッチ機構と、を有し、
前記近位ラッチ機構は、後退位置において前記カニューレアセンブリを取り外し可能にラッチするために、前記ハウジング本体と選択的に係合するように構成され、
前記生検出デバイスは、さらに、
前記ハウジング本体と前記アクチュエータ本体との間に連結されるカニューレ駆動スプリングであって、前記近位ラッチ機構が前記後退位置に移動されたときに圧縮されるように構成されるとともに、前記近位ラッチ機構が前記後退位置から解放されたときに伸張して、前記細長いカニューレを遠位方向に押し出すように構成されたカニューレ駆動スプリングと、
前記ハウジング本体に連結される真空源と
を備え、
前記真空源は、
真空を蓄積するように構成され、
チャンバ吸引ポートを有するチャンバ側壁を有する真空チャンバハウジングを備え、
前記生検デバイスは、さらに、前記ハウジング本体に摺動可能に連結されるとともに前記カニューレアセンブリの前記アクチュエータ本体の前記駆動タブに動作可能に連結される摺動体本体を有するトリガ摺動アセンブリを備え、
前記トリガ摺動アセンブリは、
前記摺動体本体の第1の近位移動によって、前記カニューレアセンブリが第1の距離だけ後退され、前記後退位置において前記カニューレアセンブリがラッチされ、前記カニューレ駆動スプリングが圧縮され、
前記摺動体本体の第2の近位移動によって、前記カニューレアセンブリが前記第1の距離に累積して第2の距離だけ後退され、前記真空源から前記細長いカニューレの前記第2の内腔まで真空を供給するために前記細長いカニューレの前記吸引側面ポートが前記真空源の前記チャンバ吸引ポートと整合され、
前記摺動体本体の遠位方向の第3の移動によって、前記カニューレ駆動スプリングが伸張して、前記カニューレアセンブリを前記遠位方向に押し出すように、前記近位ラッチ機構が解放される
ように構成される
生検デバイス。
[形態33]
形態32に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、近位端部壁と、遠位端部壁と、上面と、前記近位端部壁と前記遠位端部壁との間に位置する内壁と、を備え、
前記内壁は、前記ハウジング本体を近位チャンバと遠位チャンバとに分離し、
前記近位チャンバは、チャンバカバーを有し、
前記遠位チャンバは、前記真空チャンバハウジングを取り付けるように構成され、
前記内壁は、前記近位ラッチ機構の一部分を取り外し可能に受け入れるためのカニューレラッチ開口を有する
生検デバイス。
[形態34]
形態32または形態33に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、細長い摺動スロットを有する上面を備え、
前記細長い摺動スロットは、第1の摺動スロット縁部と、前記長手方向軸線と直交する方向に前記第1の摺動スロット縁部から離間された第2の摺動スロット縁部と、を形成し、
前記摺動体本体は、前記ハウジング本体の前記細長い摺動スロットの前記第1の摺動スロット縁部および前記第2の摺動スロット縁部をそれぞれ受け入れるように構成された一対の対向するチャネルを備え、
前記生検デバイスは、さらに、前記摺動体本体と前記ハウジング本体との間に接続され、前記摺動体本体を定位置に付勢する付勢スプリングを備える
生検デバイス。
[形態35]
形態32に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体は、近位端部壁と、遠位端部壁と、前記近位端部壁と前記遠位端部壁との間に位置する内壁と、を備え、
前記ハウジング本体の前記近位端部壁は、第1の対のハンドルリンク開口を有し、
前記ハウジング本体の前記内壁は、第2の対のリンク開口を有し、
前記生検デバイスは、さらに、ハンドルベースと、該ハンドルベースから延在する一対の細長いハンドルリンクと、を有する吸引準備ハンドル機構を備え、
前記一対の細長いハンドルリンクは、前記近位端部壁の前記第1の対のハンドルリンク開口を通過し、前記近位チャンバを通過し、前記内壁の前記第2の対のリンク開口を通過するように位置決めされ、
前記真空源は、プランジャ機構を有し、
前記プランジャ機構は、
ピストンと、
前記チャンバ側壁の内面と前記ピストンとの間を密封係合させるように構成されたチャンバシール部と、
前記ピストンの近位面から近位方向に延在する一対のピストンリンクロッドと
を備え、
前記一対のピストンリンクロッドの各々は、近位端と、該近位端から遠位方向に延在し、前記一対の細長いハンドルリンクを受け入れるように構成された孔と、を有し、
前記一対のピストンリンクロッドは、前記ハウジング本体の前記内壁内において、対応する前記一対のリンク開口を通過して前記近位チャンバに入るように構成され、
前記プランジャ機構は、さらに、
前記一対の細長いハンドルリンクのまわりに受け入れられる一対の付勢スプリングであって、該付勢スプリングの各々が、前記ハウジング本体の前記近位端部壁と、前記一対のピストンリンクロッドのそれぞれの近位端と、の間に位置決めされる一対の付勢スプリングと、
前記一対のピストンリンクロッドと前記一対の細長いハンドルリンクとを摺動的に接続するように構成された一対の接合構造と
を備える
生検デバイス。
[形態36]
形態33または形態35に記載の生検デバイスであって、
前記ハウジング本体の前記内壁は、ピストンラッチ開口を有し、
前記生検デバイスは、前記ピストンから延在するピストンラッチ機構を備え、
前記ピストンラッチ機構は、前記内壁の前記ピストンラッチ開口を通過して、後退位置において前記ピストンを取り外し可能にラッチするように構成された
生検デバイス。
[形態37]
形態32、形態33または形態35に記載の生検デバイスであって、
前記真空チャンバハウジングは、チャンバ開口端と、チャンバ端部壁と、を有し、
前記チャンバ側壁は、前記チャンバ開口端と前記チャンバ端部壁との間に介在し、
前記チャンバ側壁は、断面がU字状の領域を形成してU字状の容積を形成する外周を有し、
前記U字状の領域は、前記チャンバ開放端と前記チャンバ端部壁との間を長手方向に延在し、
前記チャンバ側壁の一部分は、長手方向の広がりを有する細長い凹んだ谷部を形成し、
前記細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に位置決めされる
生検デバイス。
[形態38]
形態37に記載の生検デバイスであって、
前記真空チャンバハウジングの前記U字状の容積内に位置決めされるU字状のピストンを有する真空プランジャ機構と、
前記チャンバ側壁の内面と前記U字状のピストンとの間を密封係合させるように構成されたチャンバシール部と
を備える生検デバイス。
[形態39]
形態32、形態33または形態35に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ側壁は、第1のU字状壁部と、第2のU字状壁部と、第1の逆U字状壁部と、第2の逆U字状壁部と、を有し、
前記第2のU字状壁部は、前記第1のU字状壁部よりも小さく、前記真空チャンバハウジングの外面のところに細長い凹んだ谷部を形成し、
前記チャンバ吸引ポートは、前記凹んだ谷部内に位置決めされ、
前記細長いカニューレは、前記チャンバ側壁に接触することなく、前記細長い凹んだ谷部内に受け入れられ、
前記生検デバイスは、さらに、前記チャンバ吸引ポートと前記細長いカニューレとの間に密封係合状態で介在する真空チャンバハウジングシール部を備える
生検デバイス。
[形態40]
形態39に記載の生検デバイスであって、
前記チャンバ吸引ポートは、前記チャンバ側壁の立ち上がった突出部として構成される
生検デバイス。
[形態41]
形態39に記載の生検デバイスであって、
前記第2のU字状壁部は、前記チャンバ側壁の前記外周をまわる方向において、前記第1の逆U字状壁部チャンバ側壁と、前記第2の逆U字状壁部と、の間に位置する
生検デバイス。
【符号の説明】
【0065】
10…生検デバイス
12…ハウジング
14…トリガ摺動アセンブリ
16…カニューレアセンブリ
18…真空源
20…ハウジング本体
22…長手方向軸線
24…近位端部壁
24−1,24−2…ハンドルリンク開口
26…遠位端部壁
28…上面
30…内壁
30−1,30−2…ピストンリンク開口
30−3…ピストンラッチ開口
30−4…カニューレラッチ開口
32…近位チャンバ
34…遠位チャンバ
36…チャンバカバー
38…摺動スロット
38−1…第1の摺動スロット縁部
38−2…第2の摺動スロット縁部
40…摺動体本体
40−1,40−2…チャネル
40−3…近位端
40−4…定位置
40−5…第1の近位位置
40−6…第2の近位位置
40−7…最遠位位置
40−8…押圧構造
42…付勢スプリング
44…カニューレ支持ロッド
44−1…近位端
45−6…ラッチ頭部
46…外側カニューレアセンブリ
48…内側カニューレアセンブリ
50…端部キャップ本体
52…外側カニューレ
52−1…端部
52−2…貫通先端
52−3…側壁
52−4…内腔
52−5…側面開口
54…アクチュエータ本体
54−1…駆動タブ
54−2…近位ラッチ機構
54−3…カニューレ取付部
54−4…近位軸線方向孔
54−5…レバーアーム
54−6…ラッチ頭部
56…カニューレ支持ロッドシール部
58…切断カニューレ
58−1…端部
58−2…遠位切断縁部
58−3…側壁
58−4…内側内腔
58−5…吸引側面ポート
60…カニューレ駆動スプリング
62…吸引準備ハンドル機構
64…ハンドルベース
64−1…周囲把持頂部
64−2…定位置
64−3…最近位位置
64−4…近位中間位置
66…ハンドルリンク
66−1,68−1…長手方向スロット
70…真空チャンバハウジング
70−1…外面
72…チャンバ開口端
74…チャンバ端部壁
76…チャンバ側壁
76−1…外周
76−2…容積
76−3…チャンバ吸引ポート
76−4…第1のU字状壁部
76−5…第2のU字状壁部
76−6…第1の逆U字状壁部
76−7…第2の逆U字状壁部
76−8…内面
78…真空チャンバハウジングシール部
80…谷部
82…真空プランジャ機構
84…ピストン
84−1…近位面
84−2…遠位面
84−3…ピストンラッチ機構
84−4…レバーアーム
84−5…ラッチ頭部
85…チャンバシール部
86…ピストンリンクロッド
86−1…近位端
86−2…孔
86−3…接合構造
89…チェックバルブ
90…付勢スプリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15