(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの電気回路デバイス(112)は、1つまたは複数の高電流ヒューズ(150)、低電流ヒューズ、電力リレー(142)、抵抗器(148)、またはキャパシタ(154)である、
請求項1に記載の電気モジュール(136)。
前記キャップ(210)は前記ベース(208)に着脱不能に結合されて、前記少なくとも1つの電気回路デバイス(112)が前記ハウジング(202)の前記キャビティ(218)内に恒久的に収容されるようになっている、
請求項1に記載の電気モジュール(136)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、例示的な実施形態により形成されたバッテリシステム100を示す。バッテリシステム100は、シャーシまたは外側ケーシング104内に収容された1つのバッテリパック102を含む。バッテリパック102は、高電圧エネルギー貯蔵システムの一部であってよい。例えば、バッテリパック102は、電気車両またはハイブリッド電気車両の一部のような自動車用途で使用することができる。バッテリシステム100は、バッテリパック102に電気的に接続された少なくとも1つの電力回路(例えば、高電流電力回路および/または低電流電力回路)を含む。
【0008】
バッテリシステム100はまた、バッテリパック102に近接して取り付けられたバッテリ分配アセンブリ(BDA)108を含む。BDA108はバッテリパック102に電気的に接続される。BDA108を、外側ケーシング104に直接取り付けてもよい。BDA108は、外側ケーシング104と一体であっても、外側ケーシング104の外側に取り付けられてもよい。あるいは、BDA108を、バッテリパック102から離間した別の構造に取り付けてもよい。例えば、BDA108は、バッテリパック102から離れて位置していても、個々のバッテリパック102を中央位置から管理する集中システムの一部であってもよい。
【0009】
BDA108は、バッテリパック102の電力(例えば、電流)分配を監視および/または制御することなどにより、バッテリシステム100の電力容量および機能を管理することができる。BDA108は、バッテリパック102に対して流入または流出する電流を監視および調整することができる。BDA108は、高電流電力回路および/または低電流電力回路をバッテリパック102に電気的に接続することができる。BDA108は、バッテリパック102のバッテリの調子および/またはバッテリの状態を測定し、かつ/またはこれに反応することができる。さらに、BDA108は、バッテリパック102の過電圧状態および/または低電圧状態を監視し、またはこれに反応することができる。BDA108は、バッテリパック102の温度変化に反応することができ、かつ/またはバッテリパック102の充電機能を管理することができる。
【0010】
図示した実施形態において、バッテリパック102は、外側ケーシング104内に収納された複数のバッテリセル114を含む。バッテリセル114は、任意のタイプのバッテリセルであってよい。例えば、バッテリセル114は、ポーチバッテリセルまたは角型バッテリセルであってよい。代替実施形態において、他のタイプのバッテリセルを使用してもよい。任意選択で、バッテリセル114は、積層構成に配置された細い板であってもよい。任意の数のバッテリセル114をバッテリパック102内に設けることができる。バッテリセル114の各々を、バッテリパック102内における適切な電気接続により、BDA108に電気的に接続することができる。例えば、ワイヤ106がBDA108から延びて、BDA108をバッテリパック102に電気的に接続することができる。
【0011】
BDA108はトレー110を含み、トレーは、全体的に112で示す複数の電気回路デバイスと、複数の電気導体(
図2に示す)と、を保持する。トレー110は、外面118と内面120とを有する。外面118は、バッテリパック102から逸れて外方を向いている。内面120は、バッテリパック102と外面118との間に配置される。図示した実施形態において、内面120は外面118の反対側であり、バッテリパック102に面している。電気回路デバイス112は外面118に沿って保持される。したがって、電気回路デバイス112は、電気回路デバイス112により発生した熱を放散させる周囲空気に晒され得る。
図1には示されていないが、トレー110は、導電性バスバー、端子、レセプタクル、コネクタなどの複数の電気導体116(
図2に示す)を保持する。電気導体116は内面120に沿って配置される。トレー110を、1つまたは複数のプラスチックまたは他のポリマーなどの誘電材料から製造することができる。
【0012】
図2は、一実施形態によるBDA108の分解図である。図示した実施形態において、トレー110は、上側ハウジング130と下側ハウジング132とを有する2部分からなるハウジングである。本明細書で使用されるとき、「上部」、「底部」、「上側」、「下側」、「第1」、「第2」、「左」、および「右」などの相対的または空間的な用語は、参照する要素を区別するために使用されるにすぎず、重力に対するBDA108内、またはBDA108の周囲環境内における特定の位置または向きを必ずしも必要としない。上側ハウジング130は、下側ハウジング132に連結するように構成される。下側ハウジング132は、BDA108を外側ケーシング104(
図1に示す)に取り付けるための取付フランジ134を含む。
BDA108は、外側ケーシング104に取り付けられるように構成されている。下側ハウジング132が外側ケーシング104の外側に取り付けられ、上側ハウジング130が下側ハウジング132により外側ケーシング104から離間するようになっている。
【0013】
トレー110の外面118は、上側ハウジング130の上面122により画定される。トレー110の内面120は、上側ハウジング130の底面124により画定されることも、あるいは、下側ハウジング132の上面126により画定されることもある。例えば、トレー110は、上側ハウジング130と下側ハウジング132とが互いに連結されたときに、上側ハウジング130の底面124と下側ハウジング132の上面126との間に内部チャンバ128を画定することができる。電気導体116の少なくとも一部が、底面124と上面126との間の内部チャンバ128内でトレー110により保持されて、これらの電気導体116が底面124および上面126の両方に沿って配置されるようになっている。
内部チャンバ128内の電気導体116は、上側ハウジング130の底面124、下側ハウジング132の上面126、または底面124および上面126の両方に係合し、固定することができる。本明細書で使用されるとき、第1の部材を、第2の部材に必ずしも機械的に係合することなく、第2の部材に「沿って配置する」ことができる。代替実施形態において、トレー110は単一のハウジングであってよく、トレー110が、上面(外面118を画定する)と底面(内面120を画定する)との間に延びる厚さを有するようになっている。
【0014】
上側ハウジング130は、複数の電気回路デバイス112を保持する。例えば、図示した実施形態における電気回路デバイス112は、対の電力リレー142、プリチャージリレー146、プリチャージ抵抗器148、および対のヒューズ150を含む。キャパシタおよびセンサなどの他のタイプの電気デバイス112を、代替実施形態において使用してもよい。電気回路デバイス112は、BDA108により画定された電力回路を通る電流の流れを制御および/または監視する。電気デバイス112の位置決めは、BDA108の設置面積を最小化するように設計された配置を有することができる。例示的な実施形態において、ヒューズ150は電気モジュール136内にパッケージ化される。電気モジュール136は、ヒューズ150を内部コンパートメント内に収納して、安全のためにヒューズ150へのアクセスを制限する。
図示した実施形態において、電気モジュール136がヒューズ150を収納しているが、他の実施形態において、電気モジュール136が、1つまたは複数のヒューズ150に加えて、またはその代わりに他の電気回路デバイス112を収納する。
【0015】
下側ハウジング132は、複数の電気導体116を保持する。電気導体116は、ストリップバスバーなどの導電性バスバー138を含むことができる。バスバー138は電気デバイス112を電気的に相互接続するために使用され、バッテリセル114(
図1に示す)を電気的に相互接続することもできる。例えば、バスバー138は対応する電気デバイス112間に電気経路を画定する。バスバー138は、上側ハウジング130に取り付けられた対応する電気デバイス112間で内部チャンバ128内に引き回される。各バスバー138は、長さ調整し所定の形状に曲げた導電性(例えば、金属)コイルストリップまたはパネルから形成することができる。バスバー138は、その長さに沿った矩形断面を有することができる。電気導体116はまた、バスバー138に関連付けられた端子、コネクタ、および/またはレセプタクルを含む。
端子、コネクタ、および/またはレセプタクルは、バスバー138を支持し、バスバー138と電気デバイス112との電気接続をもたらす。バスバー138は、バスバー138が概して垂直に向くように構造的に支持され得る。例えば、バスバー138の幅広面140が、下側ハウジング132の上面126により画定された平面を横切って(垂直に、など)延びる。上側ハウジング130が下側ハウジング132に連結されると、上側ハウジング130の上面122に沿った電気デバイス112が、端子、コネクタ、レセプタクルなどにより対応するバスバー138に電気的に接続される。任意選択で、下側ハウジング132は、Yキャパシタ154およびセンサ158などの1つまたは複数の電気デバイス112を保持することができる。任意選択で、上側ハウジング130は、1つまたは複数のバスバー138を保持することができる。
【0016】
図3は、実施形態による、トレー110の外面118に取り付けられた電気モジュール136を示す、BDA108の一部の斜視図である。電気モジュール136は、ハウジング202と、ハウジング202内に保持された少なくとも1つの電気回路デバイス112(
図2に示す)とを含む。ハウジング202は、上部204と底部206との間に延びる。ハウジング202の底部206は、トレー110の外面118の隆起プラットフォーム118Aに沿って配置される。別の実施形態において、ハウジング202を外面118の平面(非隆起)部分に沿って配置してもよいため、隆起プラットフォーム118Aは任意選択である。図示した実施形態において、ハウジング202は、丸縁を有する立方形である。但し、他の実施形態において、ハウジング202は、立方体、円柱、円錐、角柱、角錐などの他の形状を有することができる。
ハウジング202は、ベース208とキャップ210とを含む。ベース208は、ハウジング202の底部206を画定し、キャップ210は上部204を画定する。キャップ210はベース208に固着されて、少なくとも1つの電気回路デバイス112をハウジング202内に封止する。キャップ210は、ベース208の1つまたは複数の外面214を越えて横方向に突出して、リップ216を画定することができる。電気モジュール136をトレー110に対して取り付け、取り外すときに、操作者がハウジング202を把持するのに役立つようリップ216に触れることができる。
【0017】
実施形態において、電気モジュール136は、電気モジュール136を選択的に取り外し、交換するように、トレー110に着脱可能に連結される。例えば、ハウジング202(ベース208およびキャップ210を含む)をトレー110の隆起プラットフォーム118Aから取り外すことができる。ハウジング202は、上部204から底部206へハウジング202を完全に通って延びる少なくとも1つの取付孔212を画定することができる。1つの取付孔212のみが
図3に示される。取付孔212は、電気モジュール136をトレー110に着脱可能に連結または固定するための締結具(図示せず)を受けるように構成される。締結具は、トレー110の穴160(
図5に示す)の中へ延びるように構成されているねじ、ボルト、ピンなどであってよい。
代替として、またはそれに加えて、電気モジュール136は、ハウジング202に係合してトレー110に対する電気モジュール136の取外し方向または連結解除方向への動きを阻止するクランプ、ラッチ、タブなどを介してトレー110に連結されてもよい。
【0018】
図4は、キャップ210がベース208から離れている、
図3に示す実施形態による電気モジュール136の斜視図である。ハウジング202は、少なくとも1つの電気回路デバイス112を内部に受容するキャビティ218を画定する。図示した実施形態において、ベース208は、キャビティ218のかなりの部分を画定する。例えば、ベース208は、キャビティ218の側面を画定する内部側壁220の少なくとも大部分を画定する。ベース208は、上面222と底面224との間に延びる。キャビティ218は、ベース208の上面222に沿って画定され、底面224に向かって下方へ延びる。電気モジュール136が組み立てられると、キャップ210はベース208の上面222に固着される。
キャップ210は、ベース208の上面222に当接する界接面(interface surface)226を有する。封止されると、キャップ210の界接面226はキャビティ218の内部上壁を画定する。
【0019】
図示した実施形態において、キャビティ218内の少なくとも1つの電気回路デバイス112は、対のヒューズ150である。実施形態において、ヒューズ150は高電流ヒューズである。あるいは、ヒューズ150は低電流ヒューズであってもよい。さらに、実施形態において、ヒューズ150はリセット可能なヒューズではない。したがって、ヒューズ150の1つが故障状態(例えば、電圧または電流が指定の閾値を超えている)を検出してそれぞれの回路を遮断すると、故障状態が取り除かれても、そのヒューズ150は導電性状態に一方的に戻らず、またはリセットされない。代わりに、ヒューズ150を収納する電気モジュール136を交換することにより、ヒューズ150を交換することができる。
図3は、キャビティ218内の対のヒューズ150に関して図示され説明されているが、他の実施形態において、電気モジュール136内の少なくとも1つの電気回路デバイス112は、1つまたは複数のヒューズに加えて、またはその代わりに、1つまたは複数のリレー、抵抗器、キャパシタなどであってもよい。
【0020】
任意選択で、ベース208は、キャビティ218を複数の別個のサブキャビティに分割する1つまたは複数の仕切壁を画定することができる。図示した実施形態において、1つの仕切壁228はキャビティ218を二分して、仕切壁228の両側に2つのサブキャビティ218A、218Bを画定する。サブキャビティ218A、218Bは各々、ヒューズ150の対応する1つを収容するような大きさに形成される。取付孔212は、仕切壁228を通って画定される。したがって、取付孔212はヒューズ150(図示した実施形態において電気回路デバイス112を画定する)から横方向に離間して、取付孔212内に受けられた締結具がキャビティ218内のヒューズ150の動作に干渉しないようになっている。
【0021】
実施形態において、キャップ210はベース208に着脱不能(non-removably)に結合するように構成されて、少なくとも1つの電気回路デバイス112がハウジング202のキャビティ218内に恒久的に収容されるようになっている。したがって、ハウジング202内のヒューズ150または他の電気回路デバイス112には容易にアクセスできず、不正使用による損傷や感電の危険を減らすことができる。電気モジュール136がトレー110の外面118に配置されるため、電気モジュール136自体には機械工/修理工が容易にアクセスすることができる。しかしながら、電気モジュール136内の電気回路デバイス112は、電気回路デバイス112の周りを封止するハウジング202により機械工から隔離されている。
本明細書で使用されるとき、「着脱不能(non-removably)」は、キャップ210が、ねじ回し、手力などの2つの誘電体を切り離すために用いる単純な従来の方法および/または道具を使用してベース208から取り外されないように構成されていることを示す。しかしながら、ラジアルソーなどの、2つの誘電体を切り離すための非従来的な道具を、キャップ210がベース208に結合された後にキャップ210をベース208から分離するために有効に使用してもよいことを理解されたい。
【0022】
キャップ210を、1つまたは複数の接着剤、溶着、はんだなどによりベース208に結合することができる。図示した実施形態において、キャップ210の界接面226は、閉ループで延びる隆起ビード230を画定する。ビード230は、ベース208の上面222に係合するように構成される。より詳細には、ビード230は、キャビティ218の半径方向外側(例えば、周囲)の上面222の一部に係合して、キャビティ218が、ビード230により画定された閉ループの半径方向内部にある(閉ループを横切らない)ようになっている。ビード230は、上面222に溶着されてキャビティ218を封止するように構成される。キャップ210をベース208に結合することにより、キャビティ218を気密封止して、破片、湿気、および他の汚染物がキャビティ218に入って内部の電気回路デバイス112を損傷または劣化させることを防ぐことができる。
【0023】
任意選択で、キャップ210は、キャップ210の界接面226から延びる1つまたは複数のクレードル232を含んでもよい。図示した実施形態におけるクレードル232は、ヒューズ150と位置合わせされ、凹状の係合面234を有する。キャップ210がベース208の上面222に置かれると、2つのクレードル232が対応するサブキャビティ218A、218B内に受容される。凹状の係合面234はヒューズ150の凸状の外周を補完し、ヒューズ150に係合してハウジング202に対するヒューズ150の動きを減らすまたはなくすことができる。
【0024】
キャビティ218内の少なくとも1つの電気回路デバイス112は、電流の供給を受けて動作する。少なくとも1つの電気回路デバイス112の動作により、キャビティ218内に熱が発生する。図示したように、電気回路デバイス112が高電流および/または高電圧ヒューズ150であるなどの場合には、熱が大きくなり得る。実施形態において、ハウジング202は、電気絶縁性かつ熱伝導性の誘電材料から形成される。例えば、ハウジング202の誘電材料はセラミック材料であってよい。任意選択で、誘電材料は、1つまたは複数のプラスチックまたは他のポリマー内に分散された高熱伝導性充填剤を含んでもよい。高熱伝導性充填剤としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化ベリリウム、ダイヤモンドなどのうちの1つまたは複数が挙げられる。
誘電材料の熱伝導性により、ハウジング202は、キャビティ218内から壁を通って外部環境へ熱を伝えることができる。
【0025】
図3に戻り、電気モジュール136は、任意選択で、ハウジング202の少なくとも1つの外面に沿ってヒートシンク236を画定する。ヒートシンク236は、トレー110の外面118にわたって流れる周囲空気に接触するハウジング202の表面積を増加させることにより、電気モジュール136からの熱放散を増加させる。図示した実施形態において、ヒートシンク236はキャップ210上に配置される。ヒートシンク236は、キャップ210の上面240(
図4に示す界接面226と反対側)から突出する少なくとも1つの細長フィン238を含む。図示した実施形態において6つのフィン238が示されるが、他の実施形態において、キャップ210は他の数および/または配置のフィン238を有してもよい。
【0026】
図5は、ハウジング202が取り外されている、
図4に示す実施形態による電気モジュール136の斜視図である。図示した実施形態において、キャビティ218(
図4に示す)内の少なくとも1つの電気回路デバイス112は、キャビティ218内の複数のブレード端子242に電気的に接続される。ブレード端子242は平面導体であり、少なくとも1つの電気回路デバイス112と1つまたは複数の対応する電気導体116(
図2に示す)との間に、トレー110の内面120(
図1)に沿って導電性信号経路をもたらす。例えば、ブレード端子242は、ハウジング202からトレー110を通り、トレー110の対応するアパーチャ244を経由して延びる。図示した実施形態において、2つのヒューズ150の各々が円筒形で、第1の端部246と第2の端部248との間に延びる。
ヒューズ150は両端部246、248にフェルール250を有する。2つのヒューズ150の各フェルール250は、対応するブレード端子242に電気的に接続される。したがって、図示した実施形態における電気モジュール136は、4つのブレード端子242を含むが、ヒューズ150の第1の端部246に接続された2つのブレード端子242のみが見えている。ブレード端子242は、近位端部252と遠位端部254(
図6に示す)との間に延びる。近位端部252は、それぞれのヒューズ150の対応するフェルール250に電気的に接続される。ブレード端子242は、トレー110を通って延びて、各ブレード端子242の遠位端部254が内面120に沿って対応する電気導体116に係合できるようになっている。
【0027】
図6は、実施形態による電気モジュール136の底面斜視図である。ハウジング202の底部206は、ベース208の底面224により画定される。電気モジュール136のブレード端子242は、ハウジング202から外方へ突出して、トレー110(
図5)のアパーチャ244(
図5に示す)を通って延びる。より詳細には、ブレード端子242は、ベース208の底面224から、底面224に画定された対応するスロット256を経由して突出する。図示した実施形態において、ブレード端子242の遠位端部254は、
図2に示す様々なバスバー138に係合し電気的に接続するように構成される。遠位端部254は、端子、レセプタクル、コネクタなどを介して、対応するバスバー138に電気的に接続してもよい。
【0028】
実施形態において、同じヒューズ150(
図5に示す)に電気的に接続された2つのブレード端子242が、異なるバスバー138に電気的に接続するように構成される。例えば、第1のブレード端子242Aおよび第2のブレード端子242Bは2つのヒューズ150の一方に接続され、第3のブレード端子242Cおよび第4のブレード端子242Dは他方のヒューズ150に接続される。第1のブレード端子242Aの遠位端部254は、第1のバスバー138A(
図6に概略的に示す)に係合し電気的に接続するように構成され、第2のブレード端子242Bは、第2のバスバー138Bに電気的に接続するように構成される。第3のブレード端子242Cは、第1のバスバー138A(第1のブレード端子242Aに対して離間した位置にある)に電気的に接続し、第4のブレード端子242Dは、第3のバスバー138Cに電気的に接続する。
それぞれの同じヒューズ150に接続された2つのブレード端子242が異なるバスバー138に電気的に接続するため、ヒューズ150およびブレード端子242は2つの異なるバスバー138間に導電性回路経路を画定する。例えば、第1のブレード端子242Aおよび第2のブレード端子242Bとこれらに関連付けられた第1のヒューズ150とは、第1のバスバー138Aと第2のバスバー138Bとの間に回路経路を画定する。同様に、第3のブレード端子242Cおよび第4のブレード端子242Dとこれらに関連付けられた第2のヒューズ150とは、第1のバスバー138Aと第3のバスバー138Cとの間に回路経路を画定する。
【0029】
実施形態において、電気モジュール136は圧縮性ガスケット260も含む。ガスケット260は、底部206(例えば、ベース208の底面224)とトレー110(
図3)の外面118(
図3)の隆起プラットフォーム118A(
図3)との間に画定された界接面262(
図3に示す)に、ハウジング202の底部206に沿って配置される。ガスケット260を、ポリマー発泡体、ゲルパッド、または変形可能なプラスチックなどの圧縮性ポリマー材料から形成することができる。図示した実施形態において、ガスケット260はベース208の底面224に当接し、取付孔212およびブレード端子242を受けるスロット256をまとめて取り囲む。ガスケット260は、底面224のすべての開口部をまとめて取り囲む閉ループを画定する。
したがって、電気モジュール136がトレー110に取り付けられ、ガスケット260がベース208の底面224とトレー110の外面118との間で圧縮されると、ガスケット260は界接面262を封止して、取付孔212またはスロット256の1つを通ってキャビティ218(
図4に示す)に入る埃および湿気などの汚染物を阻止する、または少なくとも防ぐ。ガスケット260は、任意選択で、ハウジング202から離れた別個の部品であり、接着剤の使用、締まり嵌めなどによりハウジング202に組み付けられてもよい。あるいは、ガスケット260は、ハウジング202の底面224で本来の位置に形成されたハウジング202の一体層であってもよい。
【0030】
図7は、電気モジュール136に近接して取り付けられたサービスディスコネクトモジュール(SDM)270を含む、実施形態によるBDA108の一部の斜視図である。SDM270は、動作可能構成と非動作可能構成との間で選択的に作動可能である。動作可能構成にあるSDM270は、電力回路を閉じるまたは形成して、電気モジュール136への(かつ電気モジュール136を通る)電流の供給を可能にする。非動作可能構成にあるSDM270は、電力回路を開くまたは遮断して、電気モジュール136への電流の供給を阻止する。SDM270またはその部品がトレー110に取り付けられていないとき、SDM270は非動作可能構成にある。SDM270およびそのすべての部品がトレー110に取り付けられているとき、SDM270は動作可能構成にある。
SDM270は、任意選択で、トレー110(またはその部品)に係合するように構成されているロッキングレバー272を含む。ロッキングレバー272をトレー110に対して閉方向に旋回または回転させることにより、SDM270をトレー110に固定する。任意選択で、ロッキングレバー272を回転させて閉じると、SDM270はトレー110に向かって完全取付位置まで引かれる。さらに、ロッキングレバー272を回転させて開方向に開くと、SDM270はトレー110から押し離されて、SDM270が完全取付位置から外れるようになっている。任意選択で、SDM270は、ロッキングレバー272が閉じられ、SDM270が完全取付位置にあるときのみ、動作可能構成にある。
【0031】
実施形態において、SDM270は、電気モジュール136のハウジング202の上部204にわたって延びるアーム274を含む。アーム274は、SDM270が電気モジュール136からトレー110に沿って離れる距離にまたがるように横方向に延びる。アーム274は、SDM270が動作可能構成にあるときに、電気モジュール136がトレー110から取り外されることを機械的に阻止するように構成される。例えば、電気モジュール136は、電気モジュール136をトレー110に対して切離し方向276に動かすことにより、トレー110から取り外されるまたは切り離されるように構成してもよい。アーム274は、ハウジング202の上部204に係合して、電気モジュール136の切離し方向276へのそのような動きを制限する。1つのアーム274が示されるが、SDM270はハウジング202にわたって延びる複数のアームを含んでもよい。
図示した実施形態におけるハウジング202にはフィン238(
図3に示す)がないが、アーム274を、
図3に示す実施形態のハウジング202のフィン238にわたって、またはフィン238の間に延びるように構成して、アーム274とフィン238との間に隙間があるようにしてもよい。
【0032】
図示した実施形態におけるアーム274は、電気モジュール136をトレー110に連結するために使用されるハウジング202の取付孔212(
図3に示す)にわたって延びる。したがって、アーム274は、取付孔212内の締結具へのアクセスを阻止することもできる。実施形態において、アーム274を動かし、アーム274により生じる電気モジュール136の妨害を取り除くためには、SDM270をトレー110から切り離さなければならない。アーム274を動かすことにより、取付孔212内の締結具にアクセスし、電気モジュール136を切離し方向276に動かすことができる(締結具を緩めた後に)。SDM270は、トレー110から切り離されると非動作可能構成になるように構成されているため、アーム274がハウジング202にわたって延びる阻止位置にないときには、電気モジュール136は電流を受けない。
SDM270のアーム274は、SDM270が動作可能構成にあり電流が電気モジュール136に供給されている間、電気モジュール136をトレー110から取り外すことができないようにする安全機構である。この安全機構は、スパークによる電気部品の損傷を減らし、感電による人の外傷を減らすのに有利となり得る。
【0033】
上記説明は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。例えば、上記実施形態(および/またはその態様)を互いに組み合わせて使用してもよい。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適応させるための多くの修正を行うことができる。本明細書に記載された寸法、材料のタイプ、様々な部品の向き、様々な部品の数および位置は、ある実施形態のパラメータを定義するものであり、決して限定的なものではなく、例示的な実施形態にすぎない。上記の説明を検討すれば、特許請求の範囲の精神および範囲内の多くの他の実施形態および修正が当業者に明らかになろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、この特許請求の範囲によって権利が与えられる均等物の全範囲と共に参照することによって、決定されるべきである。