特許第6550303号(P6550303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6550303
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】トナー容器のディスペンス端部シール
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20190711BHJP
【FI】
   G03G15/08 348B
   G03G15/08 343
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-172176(P2015-172176)
(22)【出願日】2015年9月1日
(65)【公開番号】特開2016-62098(P2016-62098A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】14/486,036
(32)【優先日】2014年9月15日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポール・エム・ウェグマン
【審査官】 山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−145873(JP,A)
【文献】 特開2002−072650(JP,A)
【文献】 特開2009−223047(JP,A)
【文献】 特開2013−232009(JP,A)
【文献】 特開2004−198765(JP,A)
【文献】 米国特許第06137972(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 15/00
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタ用のトナー容器アセンブリであって、前記トナー容器アセンブリは、シールアセンブリを備え、前記シールアセンブリは、
外側の保持リングであって、非接着性キャリアと、前記非接着性キャリアの表面上の第1の接着剤層と、前記外側の保持リングを通る第1の開口部とを備え、38mmから44mmまでの外径を有する、外側の保持リングと、
発泡体リングであって、前記発泡体リングを通る第2の開口部を備え、前記発泡体リングは前記第1の接着剤層で前記外側の保持リングに取り付けられ、29mmから35mmまでの外径を有する、発泡体リングと、
前記発泡体リングに取り付けられる両面接着剤リングであって、前記両面接着剤リングを通る第3の開口部を備え、29mmから35mmまでの外径を有する、前記両面接着剤リングと、
固形発泡体ディスクであって、前記固形発泡体ディスクを通る第1のスリットと、前記固形発泡体ディスクを通る第2のスリットと、前記両面接着剤リングに物理的に接触する主要な表面とを備え、29mmから35mmまでの外径を有する、固形発泡体ディスクと、
を備え、
前記第1のスリットは前記第2のスリットに垂直であり、前記固形発泡体ディスクは前記両面接着剤リングによって前記発泡体リングに取り付けられ、
前記第1の開口部、前記第2の開口部、前記第3の開口部、前記第1のスリットの中心および前記第2のスリットの中心は、前記固形発泡体ディスクの前記主要な表面と垂直な軸に沿ってほぼ整列される、トナー容器アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のトナー容器アセンブリであって、
ディスペンス端部に開口部を備えるトナー容器をさらに備え、
前記シールアセンブリは前記トナー容器の前記開口部内に配置され、
前記シールアセンブリは前記外側の保持リングおよび前記第1の接着剤層を使用して前記トナー容器に取り付けられる、トナー容器アセンブリ。
【請求項3】
前記外側の保持リングは0.25mmから0.75mmまでの厚さを有し、
前記両面接着剤リングは0.1mmから0.3mmまでの厚さを有し、
前記発泡体リングは4mmから8mmまでの厚さを有し、
前記固形発泡体ディスクは4mmか8mmまでの厚さを有し、
前記第1のスリット及び前記第2のスリットの夫々は10mmから20mmまでの長さを有する、
請求項1に記載のトナー容器アセンブリ。
【請求項4】
前記外側の保持リングを通る前記第1の開口部は17mmから23mmまでの直径を有し
前記発泡体リングを通る前記第2の開口部は5mmから11mmまでの直径を有し、
前記両面接着剤リングを通る前記第3の開口部は17mmから23mmまでの直径を有する、
請求項3に記載のトナー容器アセンブリ。
【請求項5】
前記発泡体リングおよび前記固形発泡体ディスクは、ポリエチレン発泡体およびウレタン発泡体のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のトナー容器アセンブリ。
【請求項6】
シールアセンブリを備えるトナー容器アセンブリであって、前記シールアセンブリは、
外側の保持リングであって、非接着性キャリアと、前記非接着性キャリアの表面上の第1の接着剤層と、前記外側の保持リングを通る第1の開口部とを備える、外側の保持リングと、
発泡体リングであって、前記発泡体リングを通る第2の開口部を備え、前記発泡体リングは前記第1の接着剤層で前記外側の保持リングに取り付けられる、発泡体リングと、
前記発泡体リングに取り付けられる両面接着剤層と、
固形発泡体ディスクであって、前記固形発泡体ディスクを通る第1のスリットと前記固形発泡体ディスクを通る第2のスリットとを備え、前記第1のスリットは前記第2のスリットに垂直であり、前記固形発泡体ディスクは前記両面接着剤層によって前記発泡体リングに取り付けられる、固形発泡体ディスクと、
を備える、トナー容器アセンブリと、
前記外側の保持リングを通る前記第1の開口部内、前記発泡体リングを通る前記第2の開口部内、および前記両面接着剤層を通る第3の開口部内に配置されるディスペンスオーガと、
前記トナー容器アセンブリを収納するプリンタ筐体と、
を備える、プリンタ。
【請求項7】
請求項6に記載のプリンタであって、
ディスペンス端部に開口部を備えるトナー容器をさらに備え、
前記シールアセンブリは前記トナー容器の前記開口部内に配置され、
前記シールアセンブリは前記外側の保持リングおよび前記第1の接着剤層を使用して前記トナー容器に取り付けられる、プリンタ。
【請求項8】
前記両面接着剤層は、両面接着剤リングであって、前記両面接着剤リングを通る第3の開口部を備える、前記両面接着剤リングであり、
前記固形発泡体ディスクの主要な表面は前記両面接着剤リングに物理的に接触し、
前記第1の開口部、前記第2の開口部、前記第3の開口部、前記第1のスリットの中心および前記第2のスリットの中心は、前記固形発泡体ディスクの前記主要な表面と垂直な軸に沿ってほぼ整列される、
請求項6に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記外側の保持リングは38mmから44mmまでの外径を有し、
前記両面接着剤リングは29mmから35mmまでの外径を有し、
前記発泡体リングは29mmから35mmまでの外径を有し、
前記固形発泡体ディスクは29mmから35mmまでの外径を有する、
請求項8に記載のプリンタ。
【請求項10】
前記外側の保持リングは0.25mmから0.75mmまでの厚さを有し、
前記両面接着剤リングは0.1mmから0.3mmまでの厚さを有し、
前記発泡体リングは4mmから8mmまでの厚さを有し、
前記固形発泡体ディスクは4mmか8mmまでの厚さを有し、
前記第1のスリット及び前記第2のスリットの夫々は10mmから20mmまでの長さを有する、
請求項8に記載のプリンタ。
【請求項11】
前記外側の保持リングを通る前記第1の開口部は17mmから23mmまでの直径を有し
前記発泡体リングを通る前記第2の開口部は5mmから11mmまでの直径を有し、
前記両面接着剤リングを通る前記第3の開口部は17mmから23mmまでの直径を有する、
請求項10に記載のプリンタ。
【請求項12】
前記発泡体リングおよび前記固形発泡体ディスクは、ポリエチレン発泡体およびウレタン発泡体のうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載のプリンタ。
【請求項13】
前記トナー容器アセンブリ内にトナーをさらに備える、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項14】
前記プリンタ筐体内に収納されるプリントエンジンをさらに備え、
前記ディスペンスオーガが、前記トナーを前記プリントエンジンに輸送するように構成される、
請求項13に記載のプリンタ。
【請求項15】
プリンタ用のトナー容器アセンブリであって、前記トナー容器アセンブリは、シールアセンブリを備え、前記シールアセンブリは、
外側の保持リングであって、非接着性キャリアと、前記非接着性キャリアの表面上の第1の接着剤層と、前記外側の保持リングを通る第1の開口部とを備え、0.25mmから0.75mmまでの厚さを有する、外側の保持リングと、
発泡体リングであって、前記発泡体リングを通る第2の開口部を備え、前記発泡体リングは前記第1の接着剤層で前記外側の保持リングに取り付けられ、4mmから8mmまでの厚さを有する、発泡体リングと、
前記発泡体リングに取り付けられる両面接着剤リングであって、前記両面接着剤リングを通る第3の開口部を備え、0.1mmから0.3mmまでの厚さを有する、両面接着剤リングと、
固形発泡体ディスクであって、前記固形発泡体ディスクを通る第1のスリットと、前記固形発泡体ディスクを通る第2のスリットと、前記両面接着剤リングに物理的に接触する主要な表面とを備える固形発泡体ディスクと、
を備え、
前記固形発泡体ディスクは4mmか8mmまでの厚さを有し、
前記第1のスリット及び前記第2のスリットの夫々は10mmから20mmまでの長さを有し、
前記第1のスリットは前記第2のスリットに垂直であり、前記固形発泡体ディスクは前記両面接着剤リングによって前記発泡体リングに取り付けられ、
前記第1の開口部、前記第2の開口部、前記第3の開口部、前記第1のスリットの中心および前記第2のスリットの中心は、前記固形発泡体ディスクの前記主要な表面と垂直な軸に沿ってほぼ整列される、トナー容器アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は印刷装置の分野に関連し、より具体的には、印刷装置で使用するトナー容器に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザープリンタなどの印刷装置はテキストまたは画像を形成するために粉末トナーを使用する。ポータブルなトナー容器(例えば、トナーボトルまたはカートリッジ)内のトナーはプリンタ内に設置され、その後トナーは容器から分配される。例えば、プリンタからのディスペンスオーガは、容器の開口部に挿入されることができ、次にボトルおよび/またはディスペンスオーガはトナーをオーガに供給するために回転することができる。トナーはそれからプリントエンジンに輸送される。
【0003】
容器の開口部からのオーガの挿入または除去の間、またはプリンタの輸送の間、固体粉末トナーは容器からプリンタ内に漏れることがある。このトナーは印刷品質およびプリンタの寿命を引き下げることがあるので、定期保守は通常、プリンタの内部からトナー汚染を除去するように行われる。
【0004】
トナー漏れを減少させる試みにおいて、常置のシールを容器の開口部に設置することができる。発泡体シールは互いに垂直な2つのスリットを含む。使用の間に、ディスペンスオーガはスリットを通って容器の中に伸びる。しかしながら、発泡体シールがオーガの挿入の間に損傷を受けないようにスリットの長さはオーガの直径より大きく、プリンタの使用の間、オーガの挿入および除去の間、および/またはプリンタの輸送の間に、トナーはスリットの端から漏れることがある。
【0005】
トナー漏れに陥りにくいトナー容器、およびトナー容器を含むプリンタが望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
下記は本教示の1つまたは複数の実施形態のいくつかの実施態様の基本的な理解を提供するために単純化された概要を提示する。この概要は広範囲な概観でなく、本教示の鍵もしくは不可欠な要素を識別し、または本開示の有効範囲を限定するように意図されるものでもない。むしろ、その主な目的はただ、後に提示される詳細な説明の前置きとして単純化された形で1つまたは複数の概念を提示することである。
【0007】
本教示の実施形態はプリンタ用のトナー容器アセンブリを含み、トナー容器アセンブリはシールアセンブリを含み、シールアセンブリは、非接着性キャリア、非接着性キャリアの表面上の第1の接着剤層、および外側の保持リングを通る第1の開口部を備える外側の保持リングと、それを通る第2の開口部を備える発泡体リングであって、第1の接着剤で外側の保持リングに取り付けられる発泡体リングと、発泡体リングに取り付けられた両面接着剤層と、それを通る第1のスリットおよびそれを通る第2のスリットを備える固形発泡体ディスクであって、第1のスリットは第2のスリットに垂直であり固形発泡体ディスクは両面接着剤層によって発泡体リングに取り付けられる、固形発泡体ディスクとを含む。
【0008】
本教示のもう1つの実施形態は、シールアセンブリを含むトナー容器アセンブリを有するプリンタを含むことができ、シールアセンブリは、非接着性キャリア、非接着性キャリアの表面上の第1の接着剤層、および外側の保持リングを通る第1の開口部を備える外側の保持リングと、それを通る第2の開口部を備える発泡体リングであって、第1の接着剤で外側の保持リングに取り付けられる発泡体リングと、発泡体リングに取り付けられた両面接着剤層と、それを通る第1のスリットおよびそれを通る第2のスリットを備える固形発泡体ディスクであって、第1のスリットは第2のスリットに垂直であり固形発泡体ディスクは両面接着剤層によって発泡体リングに取り付けられる、固形発泡体ディスクとを含む。プリンタはさらに含むことができる。プリンタはトナー容器アセンブリを収納するプリンタ筐体をさらに含むことができる。
【0009】
本明細書に組み込まれその一部を構成する添付の図面は、本教示の実施形態を例示し記述とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本教示の実施形態に従ったトナー容器の概略斜視描写である。
図2図2は、本教示の実施形態に従ったシールアセンブリの概略斜視描写である。
図3図3は、図2のシールアセンブリの概略端面図である。
図4図4は、トナー容器内に配置されたシールアセンブリの概略断面である。
図5図5は、シールアセンブリを通してディスペンスオーガを挿入した後の図4の構造を示す。
図6図6は、本教示の実施形態に従ったトナー容器アセンブリを含むプリンタの概略斜視描写である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面のいくつかの細部は単純化されており、厳密な構造的精度、細部および縮尺を維持するよりむしろ、本教示の理解を容易にするように描かれることは注意されるべきである。
【0012】
次に、その実施例が添付の図面に例示される、本教示の例示的な実施形態に詳細に言及する。可能な限り、同じまたは同様の部品を参照するために、図面全体で同じ参照番号が使用されるであろう。
【0013】
別途指定されない限り、本明細書で使用される単語「プリンタ」は、デジタル複写機、書籍製造機、ファクシミリ機、複合機、静電写真装置などの、任意の目的の印刷出力機能を実行する任意の装置を包含する。別途指定されない限り、単語「ポリマー」は、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性プラスチック、樹脂、ポリカーボネート、エポキシ、および当該技術分野で公知の関連した化合物を含む長鎖分子から形成される炭素系化合物の広範囲の任意の1つを包含する。
【0014】
本教示の実施形態はいくつかの従来のトナー容器よりトナー漏れが起こりにくいトナー容器を提供することができる。本教示のトナー容器は、プリンタの内部構成要素へのトナー漏れを減少させることにより、プリンタ運転に関連した保守コストを減少させ、印刷品質およびプリンタ寿命を向上させることができる。
【0015】
図1は本教示の実施形態に従ったトナー容器アセンブリ10、およびプリンタの一部とすることができるディスペンスオーガアセンブリ40を示す。
【0016】
トナー容器アセンブリ10は、容器12のディスペンス端部16にディスペンス開口部14を有する容器12、容器12の充填端部22における充填開口部20内に使用中配置されるトナー充填栓18、および使用中、ディスペンス開口部14内に配置されるシールアセンブリ24を含むことができる。容器12の表面は、1つまたは複数の表面溝26を含むことができる。
【0017】
ディスペンスオーガアセンブリ40は、公知のプリンタ構造に従って、ディスペンスオーガ42および容器駆動連結体44を含む。
【0018】
使用の前に、容器12は充填開口部20を通してトナー90(図4)を充填され、容器12内にトナー90を保持するように、トナー充填栓18は充填開口部20の中に設置される。トナー容器アセンブリ10は、オーガ管42がディスペンス開口部14を通って容器12に入ることを可能にしているオーガアセンブリ40上に設置される。オーガアセンブリ40は、ディスペンスオーガ42がシールアセンブリ24の開口部を通して容器12の中に伸びるように配置される。使用中に、容器および/またはディスペンスオーガ42は容器12内のトナーがディスペンスオーガ42によってすくい上げられプリントエンジンに輸送されるように回転する(簡潔にするために個別に示さない)。使用中に、1つまたは複数の表面溝26は、容器12の回転の間にトナーをディスペンス端部16およびディスペンスオーガ42の方へ促すのを助ける。
【0019】
本教示の実施形態によるシールアセンブリ24は、図2の分解概略斜視描写に示される。シールアセンブリ24は、それを通る穴62および内側面上に接着剤78を有する外側の保持リング60、それを通る穴66を有する発泡体リング64、それを通る穴70を有する両面接着リング68、およびそれを通る1対の交差するスリット74(すなわち、十字型スリット)を有する固形発泡体ディスク72を含む。図3は固形発泡体ディスク72側から見たときの組み立てられたシールアセンブリ24を示す。固形発泡体ディスク72の主要な表面は両面接着リング68に物理的に接触する。発泡体リング64の主要な表面は外側の保持リング60の内側表面の接着剤78に物理的に接触する。外側の保持リング60は片側のみに接着剤78を有し、したがって、接着剤78を含む片面接着リングである。
【0020】
約12mmから18mmまでの、例えば約15mmの直径を有するディスペンスオーガ42とのシールアセンブリ24の例示的な使用法を以下に説明する。シールアセンブリ24の個別の要素のそれぞれのサイズは容器12およびオーガアセンブリ40の具体的な個別の構成によって異なることは理解されるであろう。
【0021】
外側の保持リング60上の接着剤78は発泡体リング64の主要な面に接着される。外側の保持リング60上の接着剤78は、完成したシールアセンブリ24を容器12におよび、より具体的には、ディスペンス開口部14を画定する容器縁28に接着するために使用される。そのようなものとして、外側の保持リング60の直径は他のシールアセンブリ構成要素64、68、72のいずれの外径よりも大きいであろう。例えば、外側の保持リング60は約38mmから約44mmまでの、例えば約41mmの外径を有することができる。リング60を通る開口部62は、両面接着リング68の直径より小さいが、発泡体リング64を通る開口部66の直径より大きい直径を有することができる。例えば、外側の保持リング60を通る開口部62は約17mmから約23mmまで、例えば約20mmとすることができる。外側の保持リング60は、非接着性のキャリア材76、およびキャリア材76の片側の主要な表面上の接着剤層78を含むことができる。例えば、非接着性のキャリア材76はポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーまたはMylar(登録商標)(デラウェア州、ウィルミントンのE.I.DuPont de Nemours,Inc.から入手可能)などの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートポリエステル樹脂フィルムとすることができる。接着剤層78はアクリル接着剤または圧力接着剤、熱硬化性(thermoset)接着剤、熱可塑性接着剤、熱硬化性(heat−curable)接着剤などの他の接着剤とすることができる。外側の保持リング60は約0.25mmから約0.75mmまでの、例えば約0.5mmの厚さを有することができる。
【0022】
発泡体リング64は、発泡体材料、例えばポリエチレン発泡体、ウレタン発泡体などのポリマー発泡体を含むように製造することができる。発泡体リング64は約29mmから約35mmまでの、例えば約32mmの外径を有することができる。発泡体リング64は約4mmから約8mmまでの、例えば約6mmの厚さを有することができる。
【0023】
一般に、発泡体リング64を通る開口部66は、ディスペンスオーガ42の断面形状と一致する形状、およびディスペンスオーガ42の幅または直径とほぼ同じかまたはそれより少し小さい幅または直径を有するであろう。発泡体リング64を通る開口部66は約5mmから約11mmまで、例えば約8mmとすることができる。
【0024】
両面接着リング68は接着剤80の単一層とすることができる。もう1つの実施形態において、両面接着リング68は、キャリア80の第1の側(すなわち、第1の主要な表面)上に第1の接着剤層82およびキャリア80の第2の側(すなわち、第2の主要な表面)上に第2の接着剤層84を有する非接着性のキャリア80を含むことができる。両面接着リング68は発泡体リング64を固形発泡体ディスク72の主要な表面に接着するであろう。両面接着リング68は約29mmから約35mmまでの、例えば約32mmの外径を有することができる。両面接着リング68を通る開口部70は、外側の保持リング60を通る開口部62とほぼ同じサイズとすることができ、約17mmから約23mmまで、または約20mmとすることができる。両面接着リング68は0.1mmから約0.3mmまで、または約0.2mmの厚さを有することができる。キャリアの使用を含む実施形態において、非接着性のキャリア材80はポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリマーまたはMylar(登録商標)などの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートポリエステル樹脂フィルムとすることができる。キャリアの実施形態、または独立型接着剤の実施形態のいずれにおいても、接着剤はアクリル接着剤または圧力接着剤、熱硬化性(thermoset)接着剤、熱可塑性接着剤、熱硬化性(heat−curable)接着剤などの他の接着剤とすることができる。
【0025】
固形発泡体ディスク72は、発泡体材料、例えばポリエチレン発泡体、ウレタン発泡体などのポリマー発泡体を含むように製造することができる。固形発泡体ディスク72は約29mmから約35mまで、または約32mmの外径を有することができる。固形発泡体ディスク72を通るそれぞれのスリット74は約10mmから約20mmまで、または約13mmから約18mmまで、または約15.5mmの長さ、あるいは使用中にディスペンスオーガ42の挿入および引出しから固形発泡体ディスク72への損傷が生じないために十分なサイズの長さを有することができる。2つのスリット74は、図示されるように、互いにほぼ垂直としそれぞれのスリット74の中央で交差することができる。固形発泡体ディスク72はちょうど2つのスリット74を含んでもよいし、2つより多いスリット74を含んでもよい。実施形態において、2つ以上のスリットは直線または曲線とすることができる。固形発泡体ディスク72は約4mmから約8mmまでの、例えば約6mmの厚さを有することができる。
【0026】
したがって、上述のように、発泡体リング64、両面接着リング68、および固形発泡体ディスク72のそれぞれは、ほぼ等しい外径を有することができ、それぞれの外径はディスペンス開口部14の直径とほぼ等しい。もう1つの実施形態において、両面接着リング68が使用中に構造物68、72を互いに接着するのに十分な限り、両面接着リング68の外径は発泡体リング64および固形発泡体ディスク72の外径より小さくすることができる。
【0027】
図4に示されるように、容器12の使用中、シールアセンブリ24はトナー容器12の開口部14内に配置される。シールアセンブリ24はトナー90を容器12内に封じ込めて、出荷および保管の間、ならびにプリンタへの取付け、通常の使用、および交換の間のプリンタからの除去の間、容器12からのトナー90の漏れを減少させまたは防止する。開口部62、66、および70のそれぞれ、ならびにスリット74のそれぞれの中央は、シールアセンブリ24の軸92に沿って互いに整列し、軸は、外側の保持リング60の主要な表面、発泡体リング64の主要な表面、両面接着リング68の主要な表面、および固形発泡体ディスク72の主要な表面に垂直をなしている。固形発泡体ディスク72内のスリット74を画定する固形発泡体ディスク72の内側のエッジは、トナー90を容器12内に封じ込めるために互いに接触する。発泡体リング64内の開口部66の直径はスリット74の長さより小さいので、発泡体リング64はスリット74のそれぞれの外側の範囲(例えばそれぞれの端)を封ずる。トナー90を分配するために、図5に示すように、ディスペンスオーガ42は、外側の保持リング60を通る開口部62へ、発泡体リング64を通る開口部66へ、両面接着リング68を通る開口部70へ、および固形発泡体ディスク72を通るスリット74へ挿入される。トナー容器12の交換の間に、ディスペンスオーガはシールアセンブリ24のさまざまな開口部およびスリットから引出される。
【0028】
スリットシールアセンブリのみを使用する従来のトナー容器用シールアセンブリと対照的に、本教示の実施形態によるシールアセンブリは、その中に開口部66を有する発泡体リング64に両面接着リング68で取り付けられた、その中に少なくとも2つのスリットを有する固形発泡体ディスク72を含む。発泡体リング64の開口部66はディスペンスオーガ42の幅とほぼ同じサイズのまたはそれより小さい幅または直径を有する。発泡体リング64は、トナー容器アセンブリの輸送および保管、ディスペンスオーガ42のシールアセンブリ24への挿入、プリンタ内でのトナー容器アセンブリの使用、およびシールアセンブリ24からのディスペンスオーガ42の引出しの間に、トナー90がスリットの端で漏れるのを防ぐように、スリット74の端に接触して置かれる。さらに、発泡体リング64は、固形発泡体ディスク72とディスペンスオーガ42の不完全な接触の任意の他の領域の間からのトナー90の漏れを減少させるまたは防止するようにディスペンスオーガ42の周りに円周状シールを提供する。
【0029】
本教示に従ってシールアセンブリ24を製造するためにさまざまな技術が使用できることは、本明細書の説明から当業者には明らかであろう。
【0030】
図面は、他の構造物が追加されてもよく現在の構造物が削除または修正されてもよい、一般化された概略の具体例を表すことが理解されるであろう。例えば、両面接着リング68は、固形発泡体ディスク72が発泡体リング64に十分に取り付けられる限り、接着リングでない別の接着剤層とすることができる。
【0031】
図6は本教示の実施形態を含むプリンタ100を示す。プリンタ100は、その中にシールアセンブリ24を含む少なくとも1つのトナー容器10(図1)が設置されていて、トナー容器10を収納するプリンタ筐体102を含む。動作中に、トナー90(図5)はトナー容器10から、例えばディスペンスオーガアセンブリ40(図1)を使用して、プリントエンジン104に移送される。プリントエンジン104は、トナー90から紙シート、プラスチックなどの印刷媒体110上にテキストおよび/または画像108を作り出すようにデジタル命令およびプリンタ制御パネル106からのユーザ入力に従って運転される。
【0032】
本教示の広い適用範囲を明記している数値範囲およびパラメータは近似であるにもかかわらず、具体的な実施例で明記された数値は可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、各試験測定においてみられる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含有する。さらに、本明細書に開示されたすべての範囲は、その中に包括された任意のおよびすべての部分範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「10未満」という範囲は、最小値のゼロと最大値の10との間の(およびこれらを含む)任意のおよびすべての部分範囲、すなわち、例えば1から5までなど、ゼロ以上の最小値および10以下の最大値を有する任意のおよびすべての部分範囲を含むことができる。一定の場合において、パラメータとして定められた数値は負値をとることができる。この場合、「10未満」として定められた範囲の例値は、例えば、−1、−2、−3、−10、−20、−30などの負値を想定することができる。
【0033】
本教示は1つまたは複数の実施に関して例示してきたが、添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、例示された実施例に変更および/または修正がなされ得る。例えば、プロセスは一連の動作または事象として説明されるが、本教示はこのような動作または事象の順序性によって限定されないことは、理解されるであろう。本明細書で説明されたもの以外に、いくつかの動作は異なった順序でおよび/または他の動作または事象と同時に起こることがある。同様に、本教示の1つまたは複数の実施態様または実施形態に従って方法論を実施するためにすべてのプロセス段階が必要とされるとは限らない。構造的な構成要素および/または処理段階が追加できること、あるいは現在の構造的な構成要素および/または処理段階が削除または修正できることは、理解されるであろう。さらに、本明細書に示された1つまたは複数の動作は、1つまたは複数の別個の動作および/または段階で遂行することができる。そのうえ、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」、またはそれらの変形が詳細な説明および特許請求の範囲のいずれかで使用される限り、そのような用語は用語「備える(comprising)」と同様に包括的であることが意図される。用語「のうちの少なくとも1つ」は、列挙された項目のうちの1つまたは複数が選択できることを意味するように使用される。さらに、本明細書の議論および特許請求の範囲において、一方が他方の「上(on)」にある、2つの物質に関して使用される用語「上(on)」は、物質間の少なくともいくらかの接触を意味し、他方「上(over)」は、接触が可能であるが必要とされないように、物質は近接しているが、おそらく1つまたは複数のさらなる介在物質があることを意味する。本明細書で使用される「上(on)」と「上(over)」のいずれも、方向性を意味しない。用語「コンフォーマル(conformal)」は、下にある物質の角度がコンフォーマルな物質によって維持される被覆材を記述する。用語「約(about)」は、変更が、例示された実施形態にプロセスまたは構造の不適合をもたらさない限り、列挙された値をいくぶん変更できることを示す。最後に、「例示的(exemplary)」は、その説明が理想であることを暗示するよりむしろ、実施例として使用されることを示す。本教示の他の実施形態は、本明細書に開示の仕様および実施を考慮することにより当業者に明らかであろう。本教示の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示され、明細および実施例は例示としてのみ考慮されることを意図している。
【0034】
本出願で使用される相対的位置の用語は、加工物の向きにかかわらず、加工物の従来の平面または加工表面に平行な平面に基づき定義される。本出願で使用される「水平」または「横方向」という用語は、加工物の向きにかかわらず、加工物の従来の平面または加工表面に平行な平面として定義される。「垂直」という用語は水平面と垂直に交わる方向を意味する。「上(on)」、「側(side)」(「側壁(sidewall)」にあるように)、「より高い(higher)」「より低い(lower)」「上(over)」「最上部(top)」および「下(under)」などの用語は、加工物の方向にかかわらず、加工物の最上面上にある従来の平面または加工表面に関して定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6