特許第6550323号(P6550323)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6550323
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20190711BHJP
   F25D 11/04 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   F25D23/02 303A
   F25D11/04
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-226359(P2015-226359)
(22)【出願日】2015年11月19日
(65)【公開番号】特開2017-96518(P2017-96518A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】314005768
【氏名又は名称】PHCホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西村 巧
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−127484(JP,U)
【文献】 特開平7−146060(JP,A)
【文献】 実開平6−40048(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 11/04
F25D 13/00
F25D 23/00 〜 23/02
F25D 23/08
B65D 6/00 〜 13/02
B65D 21/02
B65D 81/18
B65D 81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口を有する冷凍室と、
並んで配置される第1断熱板及び第2断熱板を有し、前記開口を塞ぐように載置される内蓋と、
前記内蓋の外側に設けられる外扉と、を備え、
前記第1断熱板は、前記第2断熱板側の側面に、前記第2断熱板側に突出した第1突出部を有し、
前記第2断熱板は、前記第1断熱板側の側面に、前記第1断熱板側に突出するとともに前記第1突出部上に載置される第2突出部を有し、
前記第2突出部が前記第1突出部上に載置されたときに対向する前記第1断熱板の側面と前記第2突出部の側面とのいずれか一方又は両方が、前記外扉側に向かうにつれて互いに離れる方向へ傾斜している
冷凍装置。
【請求項2】
前記第2突出部が前記第1突出部上に載置されたときに対向する前記第1突出部の側面と前記第2断熱板の側面とのいずれか一方又は両方が、前記冷凍室側に向かうにつれて互いに離れる方向に傾斜している
請求項1に記載の冷凍装置。
【請求項3】
前記第1突出部の鉛直方向の厚みは、前記第2突出部の鉛直方向の厚みよりも厚い
請求項1又は2に記載の冷凍装置。
【請求項4】
前記第1及び第2突出部の鉛直方向の厚みの和は、前記第2突出部が前記第1突出部上に載置されたときに当接する、前記第2突出部が前記第1断熱板の側面に向かう方向における載置面の長さよりも長い
請求項1又は2に記載の冷凍装置。
【請求項5】
前記第2突出部が前記第1突出部上に載置されたときに前記第2断熱板の側面が、前記冷凍室側に向かうにつれて前記第1突出部の側面から離れる方向に傾斜している
請求項2に記載の冷凍装置。
【請求項6】
前記第1突出部において前記第2断熱板の側面に向かう方向の長さは、第2突出部において前記第1断熱板の側面に向かう方向の長さより長い
請求項1又は2に記載の冷凍装置。
【請求項7】
前記第2突出部が前記第1突出部上に載置されたときに、前記第2突出部側における前記第1突出部の側面の角部が、前記第2断熱板の側面及び前記第2突出部によって形成される角部に線接触している
請求項6に記載の冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱箱体の開口部を2枚の隣り合う断熱板からなる内蓋で塞ぐように構成された冷凍装置が知られている(例えば特許文献1)。かかる冷凍装置では、断熱性能を向上させるため、2枚の断熱板において互いに対向する縁部がほぼ隙間なく鉛直方向に重ね合わされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−127484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冷凍装置の冷凍室内を超低温で冷却し続けると、霜が冷凍室の内面に付着してくる。特に、高温高湿の環境下では急速に霜が付着する。例えば、冷凍室において内蓋が載置される縁部に霜が付着すると、隣り合う断熱板が互いに近づく方向に押し寄せられる。そうすると、隣り合う断熱板において互いに対向する面に亘って氷が形成されて、断熱板同士が氷で付着する。この状態では断熱材を1枚ずつ開閉することができないため、内蓋の開閉に支障が生ずる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための発明は、上方に開口を有する冷凍室と、並んで配置される第1断熱板及び第2断熱板を有し、前記開口を塞ぐように載置される内蓋と、前記内蓋の外側に設けられる外扉と、を備え、前記第1断熱板は、前記第2断熱板側の側面に、前記第2断熱板側に突出した第1突出部を有し、前記第2断熱板は、前記第1断熱板側の側面に、前記第1断熱板側に突出するとともに前記第1突出部上に載置される第2突出部を有し、前記第2突出部が前記第1突出部上に載置されたときに対向する前記第1断熱板の側面と前記第2突出部の側面とのいずれか一方又は両方が、前記外扉側に向かうにつれて互いに離れる方向へ傾斜している冷凍装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、内蓋の断熱性能の低下を抑制しつつ、断熱板同士の間に氷が付着しても、容易に内蓋を開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態における冷凍装置の概略を示す斜視図である。
図2図1の冷凍装置において内蓋を外した状態を示す斜視図である。
図3図1の冷凍装置の正面図である。
図4図1の冷凍装置の側面図である。
図5】本実施形態において用いられる内蓋を示す上面図である。
図6図5の内蓋の正面図である。
図7図5の内蓋のA−A線断面図である。
図8図7の部分拡大図である。
図9図7において隣り合う断熱板を離間させた状態を示す部分拡大図である。
図10】2枚の断熱板のうち、一方の断熱板が他方の断熱板に対して傾斜した状態を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0009】
[冷凍装置]
図1図4を参照して、本実施形態における冷凍装置1の全体構成を説明する。図1図4は、冷凍装置1の概略を示す図である。図2図4では、内蓋20が取り外されている。なお、各図において、Z軸方向は鉛直方向に、X軸方向は冷凍装置1の左右方向に、Y軸方向は冷凍装置1の前後方向(X軸とZ軸とに直交する方向)に、それぞれ定められるものとする。
【0010】
冷凍装置1は、例えば理化学実験室などにおいて血液や生体資料を超低温で凍結保存するために用いられる断熱性の箱体であって、図1に示されるように、冷凍室10、内蓋20、及び外扉30を含んで構成される。
【0011】
(冷凍室)
冷凍室10は、図2に示されるように、上方に開口12を有する断熱性の箱体であって、内部に生体資料を収納するための収納空間11を有する。収納空間11は、図示しない冷却機構によって冷却されるとともに、収納空間11内の冷気が漏れないように、周囲及び底部を、発泡ウレタン等の断熱材が充填された壁で覆われている。
【0012】
また、図1及び図2に示されるように、開口12の周囲には、縁部13が形成されている。そして、図3及び図4に示されるように、縁部13と、後述する外扉30の内面に取り付けられたガスケット32と、が密着することで、冷凍室10と外扉30とが封止される。
【0013】
また、図2図4に示されるように、内蓋20を載置するための段差部14が、縁部13の内周に沿って形成されている。段差部14は、内蓋20が載置された状態において、内蓋20を構成する第1断熱板21及び第2断熱板22の外周に形成された斜面215,225と対向するように傾斜している。したがって、内蓋20が超低温で冷却されて収縮しても、斜面215,225が段差部14の傾斜に沿って移動することで、第1断熱板21と第2断熱板22は互いに近づく。そのため、第1断熱板21と第2断熱板22との間に隙間が生じにくくなって、収納空間11の冷気が漏洩することが抑制される。
【0014】
また、図1及び図2に示されるように、冷凍室10の外面には、外扉30に設けられたハンドル31と着脱自在に係合するための係合部15が設けられている。ハンドル31と係合部15とが係合することにより、冷凍室10と外扉30とが封止されることになる。
【0015】
(内蓋)
内蓋20は、図1に示されるように、冷凍室10の開口12を塞ぐように載置される断熱性の蓋体であって、並んで配置される第1断熱板21及び第2断熱板22を有する。内蓋20は、収容空間11内の冷気の漏洩を抑制するために、段差部14に載置される。
【0016】
第1断熱板21及び第2断熱板22は、発泡スチロールなどの断熱材によって作成される。また、図1に示されるように、第1断熱板21は、ユーザが把持するための第1把持部216を有し、同様に、第2断熱板22は、ユーザが把持するための第2把持部226を有する。なお、第1断熱板21及び第2断熱板22の詳細な説明は後述される。
【0017】
(外扉)
外扉30は、図1に示されるように、内蓋20の外側に設けられ、冷凍室10を開閉自在に封止する断熱性の部材である。外扉30は、冷凍室10の縁部13の一側部にヒンジを介して回動自在に取り付けられる。
【0018】
外扉30の内部には、発泡ウレタン等の断熱材が充填されている。また、図1及び図2に示されるように、外扉30の内面の周囲には、冷凍室10の縁部13との間隔を密封するためのガスケット32が取り付けられている。また、外扉30の一側部には、ハンドル31が取り付けられている。ハンドル31は、外扉30の開閉の際にユーザによって把持されるとともに、冷凍室10の係合部15と着脱自在に係合する。
【0019】
[内蓋の詳細]
図5図10を参照して、本実施形態において用いられる内蓋20を詳細に説明する。図5図9は、内蓋20の構造を示す図である。図10は、第2断熱板22を第1断熱板21に対して傾斜させた状態を示す図である。なお、図9では、説明の便宜のため、第1断熱板21及び第2断熱板22が離間して表示されている。
【0020】
内蓋20は、上述のように、並んで配置される第1断熱板21及び第2断熱板22を有している(図5参照)。そして、第1断熱板21及び第2断熱板22は、冷凍室10の段差部14に載置された状態において、前後方向(Y軸方向)に亘って鉛直方向に重なり合っている(図6図7参照)。
【0021】
具体的に説明すると、図8及び図9に示されるように、第1断熱板21は、第2断熱板22側(X軸の負側)の側面211に、第2断熱板22側に突出した第1突出部212を有している。また、第2断熱板22は、第1断熱板21側(X軸の正側)の側面221に、第1断熱板21側に突出するとともに第1突出部212上に載置される第2突出部222を有している。
【0022】
そして、第2突出部222が第1突出部212上に載置された状態において、第1断熱板21の側面211は、第2突出部222の側面224に対向し、しかも、第2突出部222の側面224と、第1断熱板21の側面211とは、外扉30側(Z軸の正側)に向かうにつれて互いに離れている。本実施形態では、第1断熱板21の側面211がYZ平面に平行である一方、第2突出部222の側面224がYZ平面に対して所定の角度だけ傾斜することで、第2突出部222の側面224と第1断熱板21の側面211とが外扉30側に向かうにつれて互いに離れるように構成されている。もっとも、第1断熱板21の側面211がYZ平面に対して傾斜する一方、第2突出部222の側面224がYZ平面に平行でもよいし、あるいは、第1断熱板21の側面211と第2突出部222の側面224との両方がYZ平面に対して傾斜してもよい。これにより、第1断熱板21の側面211と第2突出部222の側面224との間を繋ぐように氷が形成されにくいため、側面211と側面224とに氷が付着しても、内蓋20を容易に外すことができる。加えて、第2突出部222の側面224と第1断熱板21の側面211との間の隙間を大きくあける必要がなくなるため、内蓋20の断熱性能の低下を抑制することができる。なお、所定の角度としては、8度〜15度が好ましく、10度が更に好ましい。
【0023】
また、第2突出部222が第1突出部212上に載置された状態において、第1突出部212の側面214は、第2断熱板22の側面221に対向し、しかも、第1突出部212の側面214と、第2断熱板22の側面221とは、冷凍室10側(Z軸の負側)に向かうにつれて互いに離れている。本実施形態では、第1突出部212の側面214がYZ平面に平行である一方、第2断熱板22の側面221がYZ平面に対して所定の角度だけ傾斜することで、第1突出部212の側面214と第2断熱板22の側面221とが冷凍室10側に向かうにつれて互いに離れるように構成されている。もっとも、第1突出部212の側面214がYZ平面に対して傾斜する一方、第2断熱板22の側面221がYZ平面に平行であってもよいし、あるいは、第1突出部212の側面214と第2断熱板22の側面221との両方が、YZ平面に対して傾斜してもよい。これにより、第1突出部212の側面214と第2断熱板22の側面221との間を繋ぐように氷が形成されにくいため、側面214と側面221とに氷が付着しても、内蓋20を容易に外すことができる。加えて、第1突出部212の側面214と第2断熱板22の側面221との間の隙間を大きくあける必要がなくなるため、内蓋20の断熱性能の低下を抑制することができる。
なお、所定の角度としては、やはり、8度〜15度が好ましく、10度が更に好ましい。
【0024】
ここで、図8及び図9に示されるように、第2突出部222が第1突出部212上に載置された状態では、第2突出部222の下面223が第1突出部212の載置面213に当接する。そして、第1及び第2突出部212,222の鉛直方向(Z軸方向)の厚みの和(H1+H2)は、載置面213のX軸方向の長さL1よりも長い。これにより、第2突出部222の下面223と第1突出部212の載置面213との間に付着した氷によって第1断熱板21及び第2断熱板22が一体化し、内蓋20を取り外しにくくなることを抑制することができる。
【0025】
また、図8及び図9に示されるように、第2突出部222が第1突出部212上に載置されたときに、第1突出部212の側面214における第2突出部222側の角部CL1が、第2断熱板22の側面221及び第2突出部222によって形成される角部CL2に線接触する。かかる線接触により、収納空間11の冷気を外側に漏洩することが抑制される。また、第1突出部212のX軸方向(第2断熱板22の側面221に向かう方向)の長さL1は、第2突出部222のX軸方向(第1断熱板21の側面211に向かう方向)の長さL2より長い。これによって、第1断熱板21の側面211と第2突出部222の側面224との間に僅かな隙間を設け、この隙間に氷が付着しても内蓋20を取り外しやすくしている。
【0026】
また、図8及び図9に示されるように、第1突出部21の鉛直方向の厚みH1は、第2突出部222の鉛直方向の厚みH2よりも厚い。これにより、氷が付着しやすい外側の側面(第1断熱板21の側面211及び第2突出部222の側面224)の表面積を少なくするとともに、これら側面211,224に氷が付着しても容易に内蓋20を取り外すことが可能となる。
【0027】
このように、本実施形態では、内蓋20を構成する第1断熱板21及び第2断熱板22との間に氷が付着しにくい。また、第1断熱板21及び第2断熱板22との間に氷が付着した場合でも、内蓋20を容易に取り外すことが可能である。例えば図10のように、第2断熱板22を把持して第1断熱板21に対して角度αだけ傾けると、第1断熱板21及び第2断熱板22との間に付着していた氷が割れたり剥がれたりして、第2断熱板22を容易に取り外すことができる。
【0028】
前述したとおり、冷凍装置1は、上方に開口12を有する冷凍室10と、並んで配置される第1断熱板21及び第2断熱板22を有し、開口12を塞ぐように載置される内蓋20と、内蓋20の外側に設けられる外扉30と、を備え、第1断熱板21は、第2断熱板22側の側面211に、第2断熱板22側に突出した第1突出部212を有し、第2断熱板22は、第1断熱板21側の側面221に、第1断熱板21側に突出するとともに第1突出部212上に載置される第2突出部222を有し、第2突出部222が第1突出部212上に載置されたときに対向する第1断熱板21の側面211と第2突出部222の側面224とのいずれか一方又は両方が、外扉30側に向かうにつれて互いに離れる方向へ傾斜している。かかる実施形態によれば、第1断熱板21の側面211と、第2突出部222の側面224と、の間を完全に埋めるように氷が形成されにくいため、側面211と側面224とに氷が付着しても、内蓋20を容易に外すことができる。加えて、第2突出部222の側面224と第1断熱板21の側面211との間の隙間を大きくあける必要がなくなるため、内蓋20の断熱性能の低下を抑制することができる。
【0029】
また、第2突出部222が第1突出部212上に載置されたときに対向する第1突出部212の側面214と第2断熱板22の側面221とのいずれか一方又は両方が、冷凍室10側に向かうにつれて互いに離れる方向に傾斜していてもよい。一例として、第2突出部222が第1突出部212上に載置されたときに第2断熱板22の側面221が、冷凍室10側に向かうにつれて第1突出部212の側面214から離れる方向に傾斜していてもよい。かかる実施形態によれば、第1突出部212の側面214と、第2断熱板22の側面221と、の間を完全に埋めるように氷が形成されにくいため、側面214と側面221とに氷が付着しても、内蓋20を容易に外すことができる。加えて、第1突出部212の側面214と第2断熱板22の側面221との間の隙間を大きくあける必要がなくなるため、内蓋20の断熱性能の低下を抑制することができる。
【0030】
また、第1突出部212の鉛直方向の厚みH1は、第2突出部222の鉛直方向の厚みH2よりも厚くてもよい。かかる実施形態によれば、氷が付着しやすい、第1断熱板21の側面211及び第2突出部222の側面224の表面積を少なくするとともに、これら側面211,224に氷が付着しても容易に内蓋20を取り外すことが可能となる。
【0031】
また、第1及び第2突出部212,222の鉛直方向の厚みの和(H1+H2)は、第2突出部222が第1突出部212上に載置されたときに当接する、第2突出部222が第1断熱板21の側面211に向かう方向(X軸方向)における載置面213の長さL1よりも長くてもよい。かかる実施形態によれば、第2突出部222の下面223と第1突出部212の載置面213との間に付着した氷によって第1断熱板21及び第2断熱板22が一体化し、内蓋20を取り外しにくくなることを抑制することができる。
【0032】
また、第2突出部222が第1突出部212上に載置されたときに第2断熱板22の側面221が、冷凍室10側に向かうにつれて第1突出部212の側面214から離れる方向に傾斜している。これにより、第2突出部222を第1突出部212上に載置するときに、第2断熱板22が第1断熱板21側にずれた場合であっても、第1突出部212の角部CL1が第2断熱板22の側面221の傾斜に沿って移動し、第2突出部222が第1突出部212上に適切に載置される。かかる実施形態によれば、第2突出部222の第1突出部212上への適切な載置によって収納空間11の冷気を外側に漏洩することが抑制される。
【0033】
また、第1突出部212のX軸方向の長さL1は、第2突出部222のX軸方向の長さL2より長くてもよい。かかる実施形態によれば、第1断熱板21の側面211と第2突出部222の側面224との間に僅かな隙間が設けられ、この隙間に氷が付着しても内蓋20が取り外しやすくなる。
【0034】
また、第2突出部222が第1突出部212上に載置されたときに、第2突出部222側における第1突出部212の側面214の角部CL1が、第2断熱板22の側面221及び第2突出部222によって形成される角部CL2に線接触していてもよい。かかる実施形態によれば、線接触によって収納空間11の冷気を外側に漏洩することが抑制される。
【0035】
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更や改良等が可能であり、また、本発明はその等価物も含む。
【符号の説明】
【0036】
1 冷凍装置
10 冷凍室
20 内蓋
21 第1断熱板
22 第2断熱板
30 外扉
212 第1突出部
222 第2突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10