(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通気管の管取付部に装着され、自身の軸線方向の先端側を上記通気管の内部に、自身の上記軸線方向の後端側を上記通気管の外部に配置して、上記通気管内を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサであって、
上記通気管の上記管取付部に装着される筒状の外側金具と、
上記外側金具の径方向内側に上記外側金具と離間して配置され、上記外側金具の電位とは異なる第1電位とされる内側金具と、
上記外側金具と上記内側金具との間に保持され、両者を電気的に絶縁すると共に、上記通気管内に露出して上記被測定ガスに曝される筒状の絶縁スペーサと、を備え、
上記内側金具は、
上記絶縁スペーサを保持する内側保持部と、
上記内側保持部から上記先端側に延出する内側延出部と、を有し、
上記外側金具は、
上記絶縁スペーサよりも上記先端側に延出する形態を有し、
上記内側保持部との間に上記絶縁スペーサを保持する環状の外側保持部を含む筒状の外側第1金具と、
取り外し可能に上記外側第1金具に装着され、上記外側第1金具から上記先端側に延出し、上記内側延出部の径方向外側に隙間を介して配置された筒状の外側第2金具と、を有する
微粒子センサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述の絶縁スペーサは、排気管内を流通する排気ガスに接するため、排気ガス中に含まれるススなどの異物が付着し堆積することがある。異物が堆積すると、絶縁スペーサの絶縁性が低下して、接地電位とされる外側金具と第1電位とされる内側金具との間の絶縁性が低下し、排気ガスに含まれる微粒子の量の検知が適切に行えないおそれがある。この課題を解決するため、外側金具を、絶縁スペーサよりも先端側に筒状に延出する形態とすることが考えられる。このような形態とすると、絶縁スペーサに排気管内を流通する排気ガスが直接当たり難くなるので、絶縁スペーサに排気ガス中の異物が付着するのをある程度抑制できる。
【0006】
但し、外側金具を絶縁スペーサよりも先端側に延出する形態としてもなお、長期間にわたり微粒子センサを使用し続けると、徐々に絶縁スペーサに排気ガス中に含まれる異物が付着し堆積していく。そこで、このような異物を除去するため、微粒子センサを一旦、排気管から取り外し、微粒子センサの先端側部分をアルコール中に浸漬するなどして、絶縁スペーサに付着した異物を洗浄している。
しかしながら、外側金具を絶縁スペーサよりも先端側に延出する形態とすると、絶縁スペーサは、外側金具と内側金具との隙間の奥まった所に存在するため、絶縁スペーサに付着した異物を洗浄するのが難しくなる。また、隙間の奥に位置する絶縁スペーサの状態を目視することが難しいため、洗浄により異物を除去できたか否かを確認することも難しい。
【0007】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、外側金具を絶縁スペーサよりも先端側に延出する形態としながらも、絶縁スペーサに付着した異物の除去及び除去後の確認を容易化した微粒センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明の一態様は、通気管の管取付部に装着され、自身の軸線方向の先端側を上記通気管の内部に、自身の上記軸線方向の後端側を上記通気管の外部に配置して、上記通気管内を流通する被測定ガス中の微粒子の量を検知する微粒子センサであって、上記通気管の上記管取付部に装着される筒状の外側金具と、上記外側金具の径方向内側に上記外側金具と離間して配置され、上記外側金具の電位とは異なる第1電位とされる内側金具と、上記外側金具と上記内側金具との間に保持され、両者を電気的に絶縁すると共に、上記通気管内に露出して上記被測定ガスに曝される筒状の絶縁スペーサと、を備え、上記内側金具は、上記絶縁スペーサを保持する内側保持部と、上記内側保持部から上記先端側に延出する内側延出部と、を有し、上記外側金具は、上記絶縁スペーサよりも上記先端側に延出する形態を有し、上記内側保持部との間に上記絶縁スペーサを保持する環状の外側保持部を含む筒状の外側第1金具と、取り外し可能に上記外側第1金具に装着され、上記外側第1金具から上記先端側に延出し、上記内側延出部の径方向外側に隙間を介して配置された筒状の外側第2金具と、を有する微粒子センサである。
【0009】
上述の微粒子センサでは、外側金具を絶縁スペーサよりも先端側に延出する形態としながらも、外側金具の先端側部分を微粒子センサから取り外すことができる形態としている。具体的には、外側金具を、絶縁スペーサを保持する外側保持部を含む外側第1金具と、この外側第1金具から先端側に延出する外側第2金具とに分け、外側第2金具を外側第1金具から取り外し可能としている。
【0010】
微粒子センサの使用に伴い、絶縁スペーサに被測定ガス中に含まれる異物が付着し堆積した場合には、微粒子センサを通気管から取り外した後、絶縁スペーサに付着した異物をアルコール洗浄などで除去することが必要となる。
その際、外側第2金具を微粒子センサから取り外せば、(1)絶縁スペーサの先端が外側第1金具の先端よりも後端側に位置する形態の微粒子センサにおいては、外側金具(残った外側第1金具)と内側金具との隙間の深さが、外側第2金具が無くなった分だけ浅くなり、隙間の入口(外側第1金具の先端)から絶縁スペーサまでの距離が短くなる。(2)また、絶縁スペーサの先端と外側第1金具の先端の軸線方向の位置が一致する形態の微粒子センサにおいては、外側金具(残った外側第1金具)と内側金具との隙間自体が無くなる。この場合、絶縁スペーサの先端は、外側第1金具の先端と同じ軸線方向の位置で露出する。(3)また、絶縁スペーサの先端が外側第1金具の先端よりも先端側(かつ、外側第2金具の先端よりも後端側)に位置する形態の微粒子センサにおいては、外側金具(残った外側第1金具)と内側金具との隙間が無くなると共に、絶縁スペーサの先端側部分が外側第1金具の先端から先端側に突出した状態で露出する。
【0011】
このため、上記(1)〜(3)のいずれの場合であっても、外側金具を絶縁スペーサよりも先端側に延出する形態としているにも拘わらず、外側金具の先端側部分を取り外しできない形態の微粒子センサに比べて、容易に絶縁スペーサに付着した異物を除去できる。また、異物除去後の絶縁スペーサの状態、即ち、異物が絶縁スペーサに残っていないか否かの確認が容易になる。
【0012】
なお、取り外し可能に外側第2金具を外側第1金具に装着する形態としては、例えば、外側第2金具の後端部内周面に雌ネジを設けると共に、外側第1金具の先端部外周面に雄ネジを設けて、外側第2金具の後端部内に外側第1金具の先端部をねじ込んで、外側第2金具を外側第1金具に取り外し可能に装着する形態が挙げられる。或いは、外側第2金具の後端部外周面に雄ネジを設けると共に、外側第1金具の先端部内周面に雌ネジを設けて、外側第1金具の先端部内に外側第2金具の後端部をねじ込んで、外側第2金具を外側第1金具に取り外し可能に装着する形態が挙げられる。
また、外側第2金具の後端面と外側第1金具の先端面とを当接させることにより、外側第2金具を外側第1金具に取り外し可能に装着する形態が挙げられる。
また、ネジやボルト及びナット等の他の締結部材を用いて、外側第2金具を外側第1金具に脱着可能に装着する形態も挙げられる。
【0013】
更に、上記の微粒子センサであって、前記外側第2金具は、自身の先端から前記外側第1金具の先端までの前記軸線方向の寸法が、自身の上記先端から前記絶縁スペーサの先端までの上記軸線方向の寸法の半分以上である形態を有する微粒子センサとすると良い。
【0014】
この微粒子センサでは、外側第2金具を、自身の先端から外側第1金具の先端までの軸線方向の寸法(以下、この寸法を「寸法La」ともいう)が、自身の先端から絶縁スペーサの先端までの軸線方向の寸法(以下、この寸法を「寸法Lb」ともいう)の半分以上である形態としている(La≧Lb/2)。このため、外側第2金具を微粒子センサから取り外すと、寸法Laと寸法LbがLa<Lb/2の関係にある微粒子センサに比して、外側金具(残った外側第1金具)と内側金具との隙間の深さが更に浅くなり、絶縁スペーサまでの距離が更に短くなる、または隙間自体が無くなる。従って、絶縁スペーサに付着した異物の除去及びその確認を、更に容易に行うことができる。
【0015】
更に、上記のいずれかに記載の微粒子センサであって、前記外側第2金具は、前記通気管の前記管取付部に直接または間接に接する環状の座面をなす座面部を有し、前記外側第1金具は、上記外側第1金具自身を上記管取付部に取り付ける環状の金具取付部を有する微粒子センサとすると良い。
【0016】
この微粒子センサでは、外側第2金具は上述の座面部を有し、外側第1金具は上述の金具取付部を有する。このため、外側第2金具を取り外し可能としているにも拘わらず、微粒子センサを通気管の管取付部に装着した際に、外側第1金具のみならず、外側第2金具も通気管の管取付部に保持される。このため、微粒子センサの使用時に外側第2金具が微粒子センサから外れることを確実に防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1,
図4〜
図6に、実施形態1に係る微粒子センサ1を示す。また、
図2及び
図3に外側第1金具11から外側第2金具13を取り外した状態を示す。また、
図7に、微粒子センサ1の分解斜視図を、
図8に、微粒子センサ1の概略構成を、
図9に、微粒子センサ1における微粒子Sの取り入れ、帯電、排出の様子を模式的に示す。なお、微粒子センサ1の軸線方向GH(
図1においては左上−右下方向)のうち、排気管(通気管)EPの内部に配置される側(
図1においては左上方向)を先端側GS、排気管EPの外部に配置される側(
図1においては右下方向)を後端側GKとする。
【0019】
微粒子センサ1は、内燃機関(エンジン)ENGの排気管EP内を流通する排気ガスなどの被測定ガスEG中に含まれるススなどの微粒子Sの量を検知するセンサである。この微粒子センサ1は、自身の先端側GSを排気管EPの内部に、自身の後端側GKを排気管EPの外部に配置して、例えば接地電位PVEとされた金属製の排気管EPの管取付部EPT1に装着される(
図6及び
図8参照)。一方で、微粒子センサ1は、外部の回路部ECに接続される(
図8参照)。この微粒子センサ1は、外側金具10、内側金具30、絶縁スペーサ60、針状電極体70、補助電極体80、第1ケーブル90及び第2ケーブル100等から構成される。
【0020】
このうち外側金具10は、軸線方向GHに延びる円筒状であり、内側金具30とは離間し絶縁された状態で内側金具30の径方向周囲を囲む。また、この外側金具10は、絶縁スペーサ60よりも先端側GSに延出する形態を有する。外側金具10は、接地電位PVEとされた排気管EPの管取付部EPT1に装着されて接地電位PVEとされる。外側金具10は、外側第1金具11と、この外側第1金具11に先端側GSから当接する外側第2金具13と、外側第1金具11に後端側GKから溶接されたリアカバー15とから構成される。
【0021】
外側第1金具11は、円筒状でステンレス製の部材である。この外側第1金具11は、円筒状の第1本体部11aと、この第1本体部11aの先端側GSに位置する円環状の外側保持部11bと、この外側保持部11bから径方向外側に膨出する円環状の金具取付部11cとからなる。第1本体部11aの径方向周囲には、微粒子センサ1を排気管EPの管取付部EPT1に固定するホローナット19が、外側第1金具11に対し回転自在に配置されている。このホローナット19のナット先端部19sの外周には、雄ネジが形成されている。
【0022】
外側保持部11bは、後述する内側金具30の内側保持部33bとの間に絶縁スペーサ60を保持する部位である。外側保持部11bには、先端側GSで径方向内側に膨出する円環状の外側係合部11beが設けられており、この外側係合部11beが、第1板パッキン61を介して絶縁スペーサ60の先端面60sに先端側GSから全周にわたり係合している。一方、金具取付部11cは、後述するように、排気管EPの管取付部EPT1に取り付けられる部位である。この金具取付部11cのうち径方向外側部分は、後端側GKに凹んで軸線方向GHの厚みが薄くされた第1係合部11cfとされている。この第1係合部11cfには、後述する外側第2金具13の第2係合部13bfが全周にわたり係合している。
【0023】
外側第2金具13は、円筒状でステンレス製の部材である。この外側第2金具13は、外側第1金具11から先端側GSに延出し、後述する内側金具30の内側延出部40の径方向外側に隙間SK1を介して配置されている。外側第2金具13は、外側第1金具11に溶接等で接合されておらず、外側第1金具11に当接しているだけであるため、外側第1金具11から取り外すことができる(
図2及び
図3参照)。外側第2金具13は、自身の先端13sから外側第1金具11の先端をなす先端面11sまでの軸線方向GHの寸法Laが、自身の先端13sから絶縁スペーサ60の先端をなす先端面60sまでの軸線方向GHの寸法Lbの半分以上(La≧Lb/2)である長い形態を有する(
図5参照)。
【0024】
外側第2金具13は、円筒状の第2本体部13aと、この第2本体部13aの後端から径方向外側に膨出する円環板状の座面部13bとからなる。第2本体部13aには、この第2本体部13aの先端側GSに開口する平面視U字状の切り欠きからなるガス導入窓13hが形成されている。このガス導入窓13hにより、外側第2金具13の径方向外側を流れる排気ガスEGを、ガス導入窓13hを通じて直接、後述する内側金具30のガス取入口35hまで導くことができる。
【0025】
座面部13bの円環状の先端面13bsは、微粒子センサ1を排気管EPの管取付部EPT1に装着する際に、管取付部EPT1の管座面部EPZ1に、円環状でステンレス製のガスケット18を介して間接に接する座面である(
図6参照)。一方、座面部13bの円環状の後端面13bkは、外側第1金具11の先端面11sに当接している。また、座面部13bのうち径方向外側部分は、後端側GKに突出する第2係合部13bfとされている。この第2係合部13bfは、前述のように、外側第1金具11の第1係合部11cfに全周にわたり係合している。これにより、外側第2金具13は、外側第1金具11に対して径方向に位置決めされる。
【0026】
図6に示すように、微粒子センサ1を排気管EPの管取付部EPT1に装着するにあたり、雄ネジが形成されたホローナット19のナット先端部19sを、雌ネジが形成された管取付部EPT1内にねじ込むと、ホローナット19のナット先端部19sと管取付部EPT1の管座面部EPZ1との間に、外側第1金具11の金具取付部11c、外側第2金具13の座面部13b及びガスケット18が挟持される。これにより、外側第1金具11及び外側第2金具13が排気管EPの管取付部EPT1に保持され、微粒子センサ1が管取付部EPT1に固定される。
【0027】
リアカバー15は、円筒状でステンレス製の部材である。このリアカバー15の先端部は、外側第1金具11の第1本体部11a内に後端側GKから挿入され、全周にわたり溶接されている。リアカバー15には、後端側GKに向けて突出する筒状のチューブ取付部15tが設けられている。このチューブ取付部15tには、円筒状の取付リング16を用いて、外部の圧送ポンプPOに繋がるエアチューブTBが取り付けられる(
図8参照)。これにより、圧送ポンプPOで生成された清浄な空気(圧縮空気)ARが、エアチューブTBを介してリアカバー15内に供給される。また、リアカバー15の内部から後端側GKに向けて、2本のケーブル(第1ケーブル90及び第2ケーブル100)が延出している。
【0028】
次に、内側金具30について説明する。この内側金具30は、軸線方向GHに延びる外形円柱状であり、前述のように、外側金具10の径方向内側に外側金具10とは離間し絶縁された状態で配置されている。内側金具30は、後述する第1ケーブル90の第1内側導体92及び第2ケーブル100の第2内側導体102を介して外部の回路部ECに接続され、接地電位PVEとは異なる第1電位PV1とされる。内側金具30は、後端側GKから先端側GSへ順に、内筒31と、パイプホルダ33と、ノズル部材35と、混合排出部材37と、蓋部材39とから構成される。このうち、ノズル部材35、混合排出部材37及び蓋部材39が、内側保持部33bから先端側GSに延出する内側延出部40を構成する。
【0029】
内筒31は、円筒状でステンレス製の部材であり、半円筒状の2つの部材を組み合わせることによって構成される。この内筒31は、後端側GKで後述する第1ケーブル90の第1内側導体92及び第2ケーブル100の第2内側導体102を挟持して、これら第1,第2内側導体92,102に接続している。また、内筒31の内部には、絶縁性のセパレータ41が保持されている。このセパレータ41には、軸線方向GHに貫通する第1貫通孔41h1及び第2貫通孔41h2が形成され、第1貫通孔41h1には第1ケーブル90の第1中心導体91の先端部が、第2貫通孔41h2には第2ケーブル100の第2中心導体101の先端部がそれぞれ挿通されている。
【0030】
内筒31の後端部は、円筒状の金属保持部材42内に挿入され保持されている。更に、この金属保持部材42の後端部は、円筒状の絶縁部材43内に挿入され保持されている。この絶縁部材43は、半円筒状の2つの半円筒部材を組み合わせることによって構成される。更に、この絶縁部材43の後端側GKには、円環状のゴム部材44が配置され、更にその後端側GKには、C環状のワッシャ45が配置されている。このワッシャ45は、外側金具10のリアカバー15の先端部に係合している。
【0031】
パイプホルダ33は、外形円柱状でステンレス製の部材であり、後端側GKで内筒31の先端部内に嵌め込まれ固定されている。パイプホルダ33は、円柱状のホルダ本体部33aと、このホルダ本体部33aの先端側GSに位置する内側保持部33bとからなる。このうちホルダ本体部33aには、軸線方向GHに貫通する第1挿通孔33h1、第2挿通孔33h2及び通気孔33h3が設けられている。第1挿通孔33h1には、後述する針状電極体70及び第1絶縁パイプ75が、第2挿通孔33h2には、後述する補助電極体80及び第2絶縁パイプ85が、それぞれ挿通され保持されている。通気孔33h3は、後端側GKで内筒31の内部に連通している。また、内側保持部33bは、外側金具10の外側保持部11bとの間で絶縁スペーサ60を保持する。この内側保持部33bには、径方向外側に膨出する円環状の内側係合部33beが設けられており、この内側係合部33beが、第2板パッキン63を介して絶縁スペーサ60の後端面60kに後端側GKから全周にわたり係合している。
【0032】
ノズル部材35は、外形円柱状でステンレス製の部材であり、後端側GKからパイプホルダ33の先端部が嵌め込まれて、これに固定されている。ノズル部材35は、その内部に、中央が先端側GSに向かう凹形状とされ、その中心に微細な透孔が形成されたノズル部35aを有する。また、ノズル部材35は、ノズル部35aの周縁から先端側GSに延出する円筒状の先端側筒壁部35bを有する。この先端側筒壁部35b内には、円柱状の空間である円柱状混合領域MX1が形成されている。また、先端側筒壁部35bには、排気管EPの下流側に向けて開口し、この円柱状混合領域MX1に繋がる1つのガス取入口35hが設けられている。また、ノズル部材35は、ノズル部35aの周縁から後端側GKに延出する円筒状の後端側筒壁部35cを有する。この後端側筒壁部35c内の円柱状の放電空間DSでは、後述する針状電極体70の針状先端部73が先端側GSに向けて突出している。また、この放電空間DSは、パイプホルダ33の通気孔33h3及び内筒31の内部を通じて、リアカバー15の内部と連通している。これにより、前述のリアカバー15内に供給された空気(圧縮空気)ARが、この放電空間DS内に流通する。
【0033】
混合排出部材37は、外形円柱状でステンレス製の部材であり、後端側GKからノズル部材35の先端部内に嵌め込まれて、これに固定されている。この混合排出部材37は、後端側GKに位置する後端側部37aと、この後端側部37aの周縁から先端側GSに延出した円筒状の筒壁部37bとからなる。このうち後端側部37aには、径方向内側に膨出する捕集極37cが設けられており、この捕集極37cによって、スリット状の空間であるスリット状混合領域MX2が形成されている。このスリット状混合領域MX2は、前述の円柱状混合領域MX1と連通している。スリット状混合領域MX2内には、後述する補助電極体80の補助電極部83が後端側GKに向けて突出している。一方、筒壁部37b内には、円柱状の空間であるガス排出路EXが形成されている。このガス排出路EXは、スリット状混合領域MX2と連通する。ガス排出路EX内には、後述する補助電極体80の曲げ返し部82が配置されている。また、筒壁部37bには、排気管EPの下流側に向けて開口し、ガス排出路EXに繋がる1つのガス排出口37hが設けられている。
蓋部材39は、円板状でステンレス製の部材である。この蓋部材39は、混合排出部材37の先端部に被さって混合排出部材37の先端側GSを閉塞している。
【0034】
次に、絶縁スペーサ60について説明する。この絶縁スペーサ60は、円環状の先端面60s及び後端面60kを有する円筒状でアルミナ製の部材である。絶縁スペーサ60は、外側金具10と内側金具30との間に保持され、両者を電気的に絶縁する。具体的には、外側金具10のうち外側第1金具11の外側保持部11bの外側係合部11beが、円環状の第1板パッキン61を介して、先端側GSから絶縁スペーサ60の先端面60sに全周にわたり係合している。このため、本実施形態1では、絶縁スペーサ60の先端面60sが、外側第1金具11の先端面11sよりも僅かに後端側GKに位置している。一方で、内側金具30のうちパイプホルダ33の内側保持部33bの内側係合部33beが、円環状の第2板パッキン63を介して、後端側GKから絶縁スペーサ60の後端面60kに全周にわたり係合している。
【0035】
前述のリアカバー15を外側第1金具11に溶接するにあたり、リアカバー15を先端側GSに押圧すると、ワッシャ45、ゴム部材44、絶縁部材43、金属保持部材42、内筒31及びパイプホルダ33がそれぞれ先端側GSに押圧され、パイプホルダ33の内側保持部33bの内側係合部33beと、外側第1金具11の外側保持部11bの外側係合部11beとの間で、絶縁スペーサ60が軸線方向GHに挟持される。これにより、絶縁スペーサ60は、外側金具10の外側保持部11bと内側金具30の内側保持部33bにより保持される。
【0036】
絶縁スペーサ60の先端面60sの一部(径方向内側部分)は、微粒子センサ1を排気管EPの管取付部EPT1に装着した状態で、排気管EP内に露出し(排気管EP内を臨み)、排気管EP内を流通する排気ガスEGに曝される。但し、外側金具10の外側第2金具13の第2本体部13aが、前述のように、この絶縁スペーサ60の先端面60sよりも先端側GSに突出しているので、絶縁スペーサ60に排気管EP内を流通する排気ガスEGが直接当たり難い。従って、絶縁スペーサ60の先端面60sに排気ガスEG中の異物が付着するのを抑制できる。
【0037】
一方、ホローナット19を回して微粒子センサ1を排気管EPの管取付部EPT1から取り外し、更に、外側第2金具13を微粒子センサ1から取り外すと(
図2及び
図3参照)、外側金具10のうち残った外側第1金具11と内側金具30との隙間SK1の深さが、外側第2金具13が無くなった分だけ浅くなり、隙間SK1の入口(外側第1金具11の先端11s)から絶縁スペーサ60の先端面60sまでの距離がごく僅かな距離となる。このため、容易に絶縁スペーサ60に付着した異物を除去できる。また、異物除去後の絶縁スペーサ60の状態、即ち、異物が絶縁スペーサ60に残っていないか否かの確認が容易になる。
【0038】
次に、針状電極体70について説明する。この針状電極体70は、タングステン線からなり、内側金具30の径方向内側に内側金具30とは絶縁された状態で配置されている。針状電極体70は、直棒状の第1延出部71と、その先端部分に位置し、針状に尖った形状の針状先端部73とからなる。このうち第1延出部71の後端部は、セパレータ41内で、第1接続端子77による加締め接続により、後述する第1ケーブル90の第1中心導体91の先端部に接続されている。このため、針状電極体70は、接地電位PVE及び第1電位PV1とは異なる第2電位PV2とされる。また、第1延出部71は、その径方向周囲を絶縁セラミックからなる円筒状の第1絶縁パイプ75で被覆されている。これら第1延出部71及び第1絶縁パイプ75は、前述のように、パイプホルダ33の第1挿通孔33h1内に挿通されて、パイプホルダ33に保持されている。一方、針状先端部73は、前述のように、放電空間DS内で先端側GSに向けて突出してノズル部35aと向き合っており、ノズル部35aと共にイオン源を構成する。即ち、後述するように、第1電位PV1とされるノズル部35aと、第2電位PV2とされる針状先端部73とは、これらの間に生じる気中放電により、微粒子Sに付着させるイオンCPを生成する。
【0039】
次に、補助電極体80について説明する。この補助電極体80は、ステンレス線からなり、内側金具30の径方向内側に内側金具30とは絶縁された状態で配置されている。補助電極体80は、直棒状の第2延出部81と、その先端側GSでU字状に曲げ返された曲げ返し部82と、曲げ返し部82から後端側GKに延びる共に先端が針状に尖った形状の補助電極部83とからなる。このうち第2延出部81の後端部は、セパレータ41内で、第2接続端子87による加締め接続により、後述する第2ケーブル100の第2中心導体101の先端部に接続されている。このため、補助電極体80は、接地電位PVE、第1電位PV1及び第2電位PV2とは異なる第3電位PV3とされる。また、第2延出部81は、その周囲を絶縁セラミックからなる円筒状の第2絶縁パイプ85で被覆されている。これら第2延出部81及び第2絶縁パイプ85は、前述のように、パイプホルダ33の第2挿通孔33h2内に挿通されて、パイプホルダ33に保持されている。一方、曲げ返し部82は、前述のように、ガス排出路EX内に配置されている。他方、補助電極部83は、スリット状混合領域MX2内で後端側GKに向けて突出している。
【0040】
次に、第1ケーブル90について説明する。この第1ケーブル90は、トライアキシャルケーブルである。第1ケーブル90の中心には、銅の芯線からなる第1中心導体91が配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第1絶縁体層95で被覆されている。更に、第1絶縁体層95の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる筒状の第1内側導体92が配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第2絶縁体層96で被覆されている。更に、この第2絶縁体層96の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる筒状の第1外側導体93が配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第3絶縁体層97で被覆されている。
【0041】
第1中心導体91の先端部は、前述のように、セパレータ41内で、第1接続端子77によって針状電極体70の第1延出部71の後端部に接続されている。また、第1内側導体92の先端部は、前述のように、内側金具30の内筒31に接続されている。また、第1外側導体93の先端部は、リアカバー15内に挿入された筒状の第1金属部材21が外嵌し、この第1金属部材21を介してリアカバー15に接続されている。また、リアカバー15の後端側GKには、第1Oリング23及び円筒状の第1リテーナ25が挿入され、これらに第1ケーブル90が挿通されて、第1ケーブル90がリアカバー15に保持されている。また、この第1ケーブル90の後端側GKの端部には、第1コネクタ99が設けられており、この第1コネクタ99が、外部の回路部ECに設けられた相手側第1コネクタCN1に接続される(
図8参照)。
【0042】
次に、第2ケーブル100について説明する。この第2ケーブル100も、トライアキシャルケーブルである。この第2ケーブル100の中心には、銅の芯線からなる第2中心導体101が配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第4絶縁体層105で被覆されている。更に、この第4絶縁体層105の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる筒状の第2内側導体102が配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第5絶縁体層106で被覆されている。更に、この第5絶縁体層106の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる筒状の第2外側導体103が配置され、その径方向周囲は、樹脂からなる第6絶縁体層107で被覆されている。
【0043】
第2中心導体101の先端部は、前述のように、セパレータ41内で、第2接続端子87によって補助電極体80の第2延出部81の後端部に接続されている。また、第2内側導体102の先端部は、前述のように、内側金具30の内筒31に接続されている。また、第2外側導体103の先端部は、リアカバー15内に挿入された筒状の第2金属部材22が外嵌し、この第2金属部材22を介してリアカバー15に接続されている。また、リアカバー15の後端側GKには、第2Oリング24及び円筒状の第2リテーナ26が挿入され、これらに第2ケーブル100が挿通されて、第2ケーブル100がリアカバー15に保持されている。また、この第2ケーブル100の後端側GKの端部には、第2コネクタ109が設けられており、この第2コネクタ109が、外部の回路部ECに設けられた相手側第2コネクタCN2に接続される(
図8参照)。
【0044】
次いで、微粒子センサ1の電気的機能及び動作について説明する(
図8及び
図9参照)。外部の回路部ECにより第1電位PV1とされる内側金具30のノズル部35aと、これよりも正の高電位である第2電位PV2とされる針状電極体70の針状先端部73との間では、気中放電(コロナ放電)が生じ、N
3+,O
2+等の正のイオンCPが発生する。一方で、空気ARが、放電空間DS内に供給される。このため、発生したイオンCPの一部は、空気ARと共に、ノズル部35aから円柱状混合領域MX1に噴射される。
【0045】
この空気ARが円柱状混合領域MX1に噴射されると、円柱状混合領域MX1の気圧が低下するため、ガス取入口35hから排気ガスEGが円柱状混合領域MX1に取り入れられる。この取入ガスEGIは、空気ARと混合され、スリット状混合領域MX2及びガス排出路EXを経由して、ガス排出口37hから排出される。その際、排気ガスEG中のススなどの微粒子Sも円柱状混合領域MX1内に取り入れられる。この微粒子Sは、イオンCPが付着して、正に帯電した帯電微粒子SCとなり、この状態でガス排出口37hから空気ARと共に排出される。一方、円柱状混合領域MX1に噴射されたイオンCPのうち、微粒子Sに付着しなかった浮遊イオンCPFは、補助電極体80の補助電極部83から斥力を受け、捕集極37cに付着し、排出されない。
【0046】
前述の気中放電に伴って、外部の回路部ECから針状電極体70の針状先端部73に、放電電流Idが供給される。この放電電流Idの多くは、ノズル部35aに受電電流Ijとして流れ込み、回路部ECに戻る。一方、捕集極37cで捕集された浮遊イオンCPFの電荷に起因する捕集電流Ihも、回路部ECに戻る。つまり、受電電流Ijと捕集電流Ihの和である受電捕集電流Ijh(=Ij+Ih)が回路部ECに戻る。但し、この受電捕集電流Ijhは、帯電微粒子SCに付着して排出された排出イオンCPHの電荷に対応する電流分だけ、放電電流Idよりも小さい値となる。このため、放電電流Idと受電捕集電流Ijhとの差分(放電電流Id−受電捕集電流Ijh)に相当する信号電流が、第1電位PV1と接地電位PVEとの間を流れてバランスする。従って、この帯電微粒子SCにより排出された排出イオンCPHの電荷量に対応する信号電流を回路部ECで検知することにより、排気ガスEG中の微粒子Sの量を検知できる。
【0047】
以上で説明したように、微粒子センサ1では、外側金具10を絶縁スペーサ60よりも先端側GSに延出する形態としながらも、外側金具10の先端側GSの部分を微粒子センサ1から取り外すことができる形態としている。具体的には、外側金具10を、絶縁スペーサ60を保持する外側保持部11bを含む外側第1金具11と、この外側第1金具11から先端側GSに延出する外側第2金具13とに分け、外側第2金具13を外側第1金具11から取り外し可能としている。
【0048】
微粒子センサ1の使用に伴い、絶縁スペーサ60に排気ガスEG中に含まれる異物が付着し堆積した場合には、微粒子センサ1を排気管EPから取り外した後、絶縁スペーサ60に付着した異物をアルコール洗浄などで除去することが必要となる。その際、特に本実施形態1では、外側第2金具13は、自身の先端13sから外側第1金具11の先端面11sまでの軸線方向GHの寸法Laが、自身の先端13sから絶縁スペーサ60の先端面60sまでの軸線方向GHの寸法Lbの半分以上である形態を有し、外側第2金具13を取り外すと、外側金具10(残った外側第1金具11)と内側金具30との隙間SK1の深さがごく僅かとなる。このため、外側金具10を絶縁スペーサ60よりも先端側GSに延出する形態としているにも拘わらず、外側金具の先端側部分を取り外しできない形態の微粒子センサに比べて、容易に絶縁スペーサ60に付着した異物を除去できる。また、異物除去後の絶縁スペーサ60の状態の確認が容易になる。
【0049】
また、本実施形態1では、外側第2金具13は、排気管EPの管取付部EPT1にガスケット18を介して間接に接する先端面(座面)13bsをなす座面部13bを有し、外側第1金具11は、自身を管取付部EPT1に取り付ける金具取付部11cを有する。このため、外側第2金具13を取り外し可能としているにも拘わらず、微粒子センサ1を排気管EPの管取付部EPT1に装着した際には、外側第1金具11のみならず、外側第2金具13も管取付部EPT1に保持される。このため、微粒子センサ1の使用時に外側第2金具13が微粒子センサ1から外れることを確実に防止できる。
【0050】
(実施形態2)
次いで、実施形態2に係る微粒子センサ201について説明する(
図10〜
図14参照)。この微粒子センサ201は、外側金具210、内側金具230、第1絶縁スペーサ260、第2絶縁スペーサ265、針状電極体270、補助電極体280、ケーブル290等から構成される。なお、実施形態1の微粒子センサ1と同様な部分は、その説明を省略または簡略化する。
【0051】
本実施形態2の外側金具210も、軸線方向GHに延びる円筒状であり、第1絶縁スペーサ260よりも先端側GSに延出する形態を有する。この外側金具210は、外側第1金具211と、この外側第1金具211に先端側GSから当接する外側第2金具213と、外側第1金具211の後端部にねじ込まれた栓金具215と、この栓金具215の後端部に溶接された外筒217とから構成される。
【0052】
このうち外側第1金具211は、円筒状の第1本体部211aと、この第1本体部211aの先端側GSに位置する環状の外側保持部211bと、この外側保持部211bから径方向外側に張り出す長円板状の金具取付部211cとからなる。第1本体部211aの後端部内周には、雌ネジが形成されている。また、外側保持部211bは、後述する内側金具230の内側保持部233bとの間に第1絶縁スペーサ260を保持する部位である。外側保持部211bには、先端側GSで径方向内側に膨出する円環状の外側係合部211beが設けられており、この外側係合部211beが、板パッキン261を介して後述する第1絶縁スペーサ260のテーパ面260tに先端側GSから全周にわたり係合している。また、金具取付部211cは、後述するように、排気管EPの管取付部EPT2に取り付けられる部位である。この金具取付部211cには、2つの第1ボルト貫通孔211h,211hが形成されている。また、この金具取付部211cのうち径方向内側部分は、先端側GSに突出した第1係合部211cfとされている。この第1係合部211cfには、後述する外側第2金具213の第2係合部213bfが全周にわたり係合している。
【0053】
外側第2金具213は、外側第1金具211から先端側GSに延出し、後述する内側金具230の内側延出部240の径方向外側に隙間SK2を介して配置されている。本実施形態2の外側第2金具213も、外側第1金具211に当接しているだけであるため、外側第1金具211から取り外すことができる(
図10参照)。外側第2金具213は、自身の先端213sから外側第1金具211の先端をなす先端面211sまでの軸線方向GHの寸法Laが、自身の先端213sから第1絶縁スペーサ260の先端をなす先端面260sまでの軸線方向GHの寸法Lbの半分以上(La≧Lb/2)である長い形態を有する(
図12参照)。
【0054】
この外側第2金具213は、ガス導入窓213hが形成された円筒状の第2本体部213aと、この第2本体部213aの後端から径方向外側に張り出す長円板状の座面部213bとからなる。座面部213bには、2つの第2ボルト貫通孔213bh,213bhが形成されている。また、座面部213bの先端面213bsのうち、径方向内側部分には、円環状のガスケット218が配置される円環状のガスケット保持溝213mが形成されている。微粒子センサ201を排気管EPの管取付部EPT2に装着すると、ガスケット保持溝213mの底面をなす座面213msは、ガスケット218を介して管取付部EPT2の管座面部EPZ2に間接に接する。また、座面部213bの後端面213bkは、外側第1金具211の先端面211sに当接している。また、この座面部213bのうち径方向内側部分は、先端側GSに凹む第2係合部213bfとされている。この第2係合部213bfは、前述のように、外側第1金具211の第1係合部211cfに全周にわたり係合している。これにより、外側第2金具213は、外側第1金具211に対して径方向に位置決めされる。
【0055】
栓金具215は、円筒状でステンレス製の部材である。この栓金具215は、栓中央部215aと、この栓中央部215aから先端側GSに延出する栓先端部215bと、栓中央部215aから後端側GKに延出する栓後端部215cとからなる。栓中央部215aの外周には、雄ネジが形成されており、この栓中央部215aの雄ネジが、外側第1金具211の後端部内周に形成された雌ネジに螺合することで、栓金具215が外側第1金具211に接続している。一方、栓先端部215bは、栓中央部215aよりも径小な円筒状である。また、栓後端部215cは、栓中央部215aよりも径大で外周が六角形状の六角部を含む。
【0056】
微粒子センサ201を排気管EPの管取付部EPT2に装着するにあたっては、管取付部EPT2に設けられた図示外の2本のスタッドボルトを、外側第1金具211の第1ボルト貫通孔211h,211h及び外側第2金具213の第2ボルト貫通孔213bh,213bhにそれぞれ挿通し、ナットでそれぞれ締結する。これにより、管取付部EPT2の管座面部EPZ2との間に、外側第1金具211の金具取付部211c、外側第2金具213の座面部213b及びガスケット218が保持され、微粒子センサ201が管取付部EPT2に固定される。
【0057】
外筒217は、円筒状でステンレス製の部材であり、先端側GSで外側第1金具211の後端部が挿入され、全周にわたり溶接されている。この外筒217の後端部は、その外径が先端側GSの部分よりも縮径されて、ケーブル290を加締め固定している。これにより、外筒217の後端部は、後述するケーブル290の最も外周の第3絶縁体層297を貫通して、その内側の外側導体294に接続している。また、外筒217とケーブル290との間には、円筒状で絶縁ゴムからなるグロメット219が介在する。
【0058】
次に、内側金具230について説明する。本実施形態2の内側金具230は、実施形態1の内側金具30と同様に、内筒231と、パイプホルダ233と、ノズル部材235と、混合排出部材237と、蓋部材239とから構成される。このうち、ノズル部材235、混合排出部材237及び蓋部材239が、内側保持部233bから先端側GSに延出する内側延出部240を構成する。
【0059】
内筒231は、その後端側GKで後述するケーブル290の内側導体293の先端部に外嵌して、内側導体293に加締め接続している。また、内筒231の内部には、外形円柱状で絶縁性のセパレータ241が保持されている。このセパレータ241には、軸線方向GHに貫通する第1貫通孔241h1、第2貫通孔241h2及び通気貫通孔241h3が形成されている。このうち第1貫通孔241h1には後述するケーブル290の第2電位配線291が、第2貫通孔241h2にはケーブル290の第3電位配線292がそれぞれ挿通されている。
【0060】
パイプホルダ233は、ホルダ後端部233aと、このホルダ後端部233aの先端側GSに位置する内側保持部233bと、この内側保持部233bの先端側GSに位置する円筒状のホルダ先端部233cとからなる。このうちホルダ後端部233a及び内側保持部233bには、これらを軸線方向GHに貫通する第1挿通孔233h1、第2挿通孔233h2及び通気孔233h3が設けられている。第1挿通孔233h1には、後述する針状電極体270及び第1絶縁パイプ275が、第2挿通孔233h2には、後述する補助電極体280及び第2絶縁パイプ285が、それぞれ挿通され保持されている。一方、通気孔233h3は、後端側GKで内筒231の内部に連通している。
【0061】
また、内側保持部233bは、外側金具210の外側保持部211bとの間で第1絶縁スペーサ260を保持する。この内側保持部233bには、後端側GKで径方向外側に膨出する円環状の内側係合部233beが設けられており、この内側係合部233beが、第1絶縁スペーサ260の後端面260kに後端側GKから全周にわたり係合している。また、ホルダ先端部233c内の円柱状の放電空間DSでは、後述する針状電極体270の針状先端部273が先端側GSに向けて突出している。また、この放電空間DSは、パイプホルダ233の通気孔233h3、内筒231の内部及びセパレータ241の通気貫通孔241h3を通じて、ケーブル290の中心に配置されたエアパイプ298の先端部に連通している。これにより、エアパイプ298から供給された空気(圧縮空気)ARは、この放電空間DS内に流通する。
【0062】
ノズル部材235は、内部に設けられたノズル部235aと、このノズル部235aの周縁から先端側GSに延出し、円柱状混合領域MX1を形成する先端側筒壁部235bとを有する。先端側筒壁部235bには、ガス取入口235hが設けられている。
また、混合排出部材237は、内部に捕集極237cが設けられ、スリット状混合領域MX2を形成する後端側部237aと、この後端側部237aの周縁から先端側GSに延出し、ガス排出路EXを形成する筒壁部237bとからなる。筒壁部237bには、ガス排出口237hが設けられている。また、混合排出部材237の先端部は、蓋部材239で閉塞されている。
【0063】
次に、第1絶縁スペーサ260について説明する。この第1絶縁スペーサ260は、軸線方向GHに延びる円筒状でアルミナ製の部材である。第1絶縁スペーサ260は、外側金具210と内側金具230との間に保持され、両者を電気的に絶縁する。具体的には、外側金具210のうち外側第1金具211の外側保持部211bの外側係合部211beが、円環状の板パッキン261を介して、先端側GSから第1絶縁スペーサ260のテーパ面260tに全周にわたり係合している。第1絶縁スペーサ260の先端部260aは、外側第1金具211の先端面211sを越えて先端側GSに突出している。一方で、内側金具230のうちパイプホルダ233の内側保持部233bの内側係合部233beが、後端側GKから第1絶縁スペーサ260の後端面260kに全周にわたり係合している。
【0064】
第1絶縁スペーサ260の先端部260aは、微粒子センサ201を排気管EPに装着した状態で、排気管EP内に露出し(排気管EP内を臨み)、排気管EP内を流通する排気ガスEGに曝される。但し、外側金具210のうち外側第2金具213の第2本体部213aが、前述のように、この第1絶縁スペーサ260の先端部260aよりも先端側GSに突出しているので、第1絶縁スペーサ260に排気管EP内を流通する排気ガスEGが直接当たり難い。従って、第1絶縁スペーサ260の先端部260aに排気ガスEG中の異物が付着するのを抑制できる。
【0065】
一方、微粒子センサ201を排気管EPの管取付部EPT2から取り外し、更に、外側第2金具213を微粒子センサ201から取り外すと(
図10参照)、外側金具210のうち残った外側第1金具211と内側金具230との隙間SK2が無くなると共に、第1絶縁スペーサ260の先端部260aが外側第1金具211の先端面211sから先端側GSに突出した状態で露出する。このため、容易に第1絶縁スペーサ260に付着した異物を除去できる。また、異物除去後の第1絶縁スペーサ260の状態の確認が容易になる。
【0066】
次に、第2絶縁スペーサ265について説明する。この第2絶縁スペーサ265は、軸線方向GHに延びる筒状でアルミナ製の部材である。第2絶縁スペーサ265は、第1絶縁スペーサ260と共に、外側金具210と内側金具230との間に介在して両者を電気的に絶縁する。具体的には、第2絶縁スペーサ265は、外側金具210のうち外側第1金具211の第1本体部211aの径方向内側で、内側金具230のうちパイプホルダ233のホルダ後端部233aの径方向外側に配置されている。
【0067】
前述の栓金具215の栓中央部215aを、外側第1金具211の後端部内にねじ込むと、栓金具215の栓先端部215bによって、第2絶縁スペーサ265、パイプホルダ233の内側保持部233b及び第1絶縁スペーサ260がそれぞれ先端側GSに押圧される。これにより、第1絶縁スペーサ260は、外側金具210の外側保持部211bの外側係合部211beと、パイプホルダ233の内側保持部233bの内側係合部233beとの間で、軸線方向GHに挟持され保持される。これと共に、第2絶縁スペーサ265は、パイプホルダ233の内側保持部233bの内側係合部233beと、栓金具215の栓先端部215bとの間で、軸線方向GHに挟持され保持される。
【0068】
次に、針状電極体270について説明する。この針状電極体270は、実施形態1の針状電極体70と同様に、第1延出部271と針状先端部273とからなり、第1延出部271は、第1絶縁パイプ275で被覆されている。第1延出部271の後端部は、セパレータ241内で、後述するケーブル290の第2電位配線291の先端部に接続されている。
また、補助電極体280は、実施形態1の補助電極体80と同様に、第2延出部281と曲げ返し部282と補助電極部283とからなり、第2延出部281は、第2絶縁パイプ285で被覆されている。第2延出部281の後端部は、セパレータ241内で、後述するケーブル290の第3電位配線292の先端部に接続されている。
【0069】
次に、ケーブル290について説明する。このケーブル290の中心には、第2電位配線291、第3電位配線292及び樹脂からなる中空のエアパイプ298が配置されている。そして、これらの径方向周囲は、第1絶縁体層295で被覆されている。更に、この第1絶縁体層295の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる内側導体293が配置され、その径方向周囲は、第2絶縁体層296で被覆されている。更に、この第2絶縁体層296の径方向周囲には、銅細線を編んだ編組からなる外側導体294が配置され、その径方向周囲は、第3絶縁体層297で被覆されている。
なお、本実施形態2の微粒子センサ201の電気的機能及び動作は、実施形態1の微粒子センサ1と同様である(
図8及び
図9参照)。
【0070】
以上で説明したように、本実施形態2の微粒子センサ201も、外側金具210を第1絶縁スペーサ260よりも先端側GSに延出する形態としながらも、外側金具210の先端側GSの部分を微粒子センサ201から取り外すことができる形態としている。具体的には、外側金具210を、第1絶縁スペーサ260を保持する外側保持部211bを含む外側第1金具211と、この外側第1金具211から先端側GSに延出する外側第2金具213とに分け、外側第2金具213を外側第1金具211から取り外し可能としている。
【0071】
外側第2金具213を取り外すと、外側金具210(残った外側第1金具211)と内側金具230との隙間SK2が無くなり、第1絶縁スペーサ260の先端部260aが外側第1金具211から突出した状態となる。このため、外側金具210を第1絶縁スペーサ260よりも先端側GSに延出する形態としているにも拘わらず、外側金具の先端側部分を取り外しできない形態の微粒子センサに比べて、容易に第1絶縁スペーサ260に付着した異物を除去できる。また、異物除去後の第1絶縁スペーサ260の状態の確認が容易になる。その他、実施形態1と同様な部分は、実施形態1と同様な作用効果を奏する。
【0072】
以上において、本発明を実施形態1,2に即して説明したが、本発明は上述の実施形態1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。