【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示が包含する技術は、一般に、音響通気アセンブリにおいて使用可能な膜複合材料に関する。本明細書に開示される技術の一実施形態では、通気媒体複合材料は、微多孔膜層と、微多孔膜層上のコーティングとを有して、複合材料を形成する。複合材料の目付けは、コーティングを持たない微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約0.5%高い。
【0008】
本明細書に開示される技術の別の実施形態では、通気媒体の製造方法が開示される。延伸PTFE膜を準備し、コーティング溶液を作る。膜をコーティング溶液でコーティングすることによって、膜上にコーティングを形成する。通気媒体複合材料の目付けは、コーティングを持たない微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約0.5%高く、複合材料は、300Hz〜4000Hzの周波数範囲において複合材料を持たない微多孔膜層の挿入損失以下の平均挿入損失を有する。
【0009】
さらに別の実施形態では、微多孔膜と、微多孔膜上のコーティングとを備えた別の複合膜が開示される。複合膜の平均透過損失は、300Hz〜4000Hzの周波数範囲において、微多孔膜単独の平均透過損失よりも少なくとも40%大きく、複合膜の挿入損失は、300Hz〜4000Hzの周波数範囲において、微多孔膜の挿入損失よりも小さい。
【0010】
さらに別の実施形態では、通気媒体複合材料が開示される。通気媒体は、微多孔膜層と、微多孔膜層上のコーティングとを有し、コーティングは、クロム含有金属錯体着色剤である。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
微多孔膜層と、
前記微多孔膜層上のコーティングと、
を含む通気媒体複合材料であって、
前記微多孔膜層及び前記コーティングは、複合材料であり、前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約0.5%高い、通気媒体複合材料。
(項目2)
前記複合材料は、電子機器筐体に規定された開口部の周囲で前記筐体に結合されるように構成される、項目1及び3〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目3)
300Hz〜4000Hzの周波数範囲において前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の平均挿入損失以下の平均挿入損失を有する、項目1〜2及び4〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目4)
疎油性コーティングをさらに含む、項目1〜3及び5〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目5)
前記微多孔膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、項目1〜4及び6〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目6)
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンは、0.001〜2.0ミクロンの平均孔径を有する、項目1〜5及び7〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目7)
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンは、50%を超える有孔率を有する、項目1〜6及び8〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目8)
前記複合材料は、25%を超える有孔率を有する、項目1〜7及び9〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目9)
300Hz〜4000Hzの周波数範囲において前記微多孔膜層単独の平均挿入損失の95%以下の平均挿入損失を有する、項目1〜8及び10〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目10)
300Hz〜4000Hzの周波数範囲において前記微多孔膜層単独の平均挿入損失の90%以下の平均挿入損失を有する、項目1〜9及び11〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目11)
300Hz〜4000HzのH1周波数範囲において前記微多孔膜層単独の平均挿入損失の85%以下の平均挿入損失を有する、項目1〜10及び12〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目12)
300Hz〜4000Hzの周波数範囲において前記微多孔膜層単独の平均挿入損失の80%以下の平均挿入損失を有する、項目1〜11及び13〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目13)
前記コーティングは着色剤を含む、項目1〜12及び14〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目14)
前記着色剤は金属錯体染料を含む、項目1〜13及び15〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目15)
前記着色剤はクロムを含む、項目1〜14及び16〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目16)
前記複合材料は黒色である、項目1〜15及び17〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目17)
前記着色剤はカーボンブラックを含まない、項目1〜16及び18〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目18)
前記コーティングは、透明樹脂、バインダ、及びポリマーの群の1つを含む、項目1〜17及び19〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目19)
前記コーティングは、フルオロケミカルを含む、項目1〜18及び20〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目20)
10.5フィート/分で移動する0.3ミクロン以上の粒径の場合、99.0%以上のフィルタリング効率を有する、項目1〜19及び21〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目21)
前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約1%高い、項目1〜20及び22〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目22)
前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約3%高い、項目1〜21及び23〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目23)
前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約5%高い、項目1〜22及び24〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目24)
前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約10%高い、項目1〜23及び25〜26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目25)
前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約15%高い、項目1〜24及び26のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目26)
前記複合材料が筐体の開口部に取り付けられるように構成される場合、前記筐体は、前記複合材料が水の浸入を許すことなく30分間1メートルの水中の浸漬に耐えられる、項目1〜25のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目27)
通気媒体の製造方法であって、
a.延伸PTFE膜を準備するステップと、
b.コーティング溶液を作るステップと、
c.前記膜を前記コーティング溶液でコーティングすることによって、前記膜上にコーティングを形成するステップと、
を含み、
前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約0.5%高く、
前記複合材料は、300Hz〜4000Hzの周波数範囲において前記複合材料を持たない前記微多孔膜層の挿入損失以下の平均挿入損失を有する、方法。
(項目28)
前記コーティング溶液は、フッ素重合体を含む、項目27及び29〜32のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記コーティングステップは、前記膜の浸漬コーティングを含む、項目27〜28及び30〜32のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
ドクターブレード、エアナイフ、又はニップローラを用いて、前記膜から余分のコーティングを除去するステップをさらに含む、項目27〜29及び31〜32のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記コーティングステップは、スプレーコーティング、カーテンコーティング、グラビアコーティング、及びリックロールコーティングから成る群の1つ以上を含む、項目27〜30及び32のいずれか一項に記載の方法。
(項目32)
前記コーティングは着色剤を含む、項目27〜31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
微多孔膜と、
前記微多孔膜上のコーティングと、
を含む複合膜であって、
前記複合膜の平均透過損失は、300Hz〜4000Hzの周波数範囲において、前記微多孔膜単独の平均透過損失よりも少なくとも10%大きく、前記複合膜の挿入損失は、300Hz〜4000Hzの前記周波数範囲において、前記微多孔膜の挿入損失よりも小さい、複合膜。
(項目34)
電子機器筐体に規定された開口部の周囲で前記筐体に結合されるように構成された、項目33及び35〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目35)
前記複合膜の平均透過損失は、300Hz〜4000Hzの前記周波数範囲において、前記微多孔膜単独の平均透過損失よりも少なくとも50%大きい、項目33〜34及び36〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目36)
疎油性コーティングをさらに含む、項目33〜35及び37〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目37)
前記微多孔膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、項目33〜36及び38〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目38)
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンは、0.001〜2.0ミクロンの平均孔径を有する、項目33〜37及び39〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目39)
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンは、50%を超える有孔率を有する、項目33〜38及び40〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目40)
300Hz〜4000Hzの前記周波数範囲において前記微多孔膜層単独の前記挿入損失の80%以下の挿入損失を有する、項目33〜39及び41〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目41)
前記コーティングは着色剤を含む、項目33〜40及び42〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目42)
前記着色剤は金属錯体染料を含む、項目33〜41及び43〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目43)
前記着色剤はクロムを含む、項目33〜42及び44〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目44)
前記複合膜は黒色である、項目33〜43及び45〜51のいずれか一項に記載の複合膜
(項目45)
前記着色剤はカーボンブラックを含まない、項目33〜44及び46〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目46)
前記コーティングは、透明樹脂、バインダ、及びポリマーの群の1つを含む、項目33〜45及び47〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目47)
前記コーティングは、フルオロケミカルを含む、項目33〜46及び48〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目48)
10.5フィート/分で移動する0.3ミクロン以上の粒径の場合、99.0%以上のフィルタリング効率を有する、項目33〜47及び49〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目49)
前記複合膜の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約3%高い、項目33〜48及び50〜51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目50)
前記複合膜の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約5%高い、項目33〜49及び51のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目51)
前記複合膜が筐体の開口部に取り付けられるように構成される場合、前記筐体は、前記複合膜が水の浸入を許すことなく30分間1メートルの水中の浸漬に耐えられる、項目33〜50のいずれか一項に記載の複合膜。
(項目52)
a.微多孔膜層と、
b.前記微多孔膜層上のコーティングであって、クロム含有金属錯体着色剤を含む前記コーティングと、
を含む、通気媒体複合材料。
(項目53)
電子機器筐体に規定された開口部の周囲で前記筐体に結合されるように構成された、項目52及び54〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目54)
300Hz〜4000Hzの周波数範囲において前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の平均挿入損失以下の平均挿入損失を有する、項目52〜53及び55〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目55)
疎油性コーティングをさらに含む、項目52〜54及び56〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目56)
前記微多孔膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレンを含む、項目52〜55及び57〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目57)
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンは、0.001〜2.0ミクロンの平均孔径を有する、項目52〜56及び58〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目58)
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンは、50%を超える有孔率を有する、項目52〜57及び59〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目59)
300Hz〜4000Hzの周波数範囲において前記微多孔膜層単独の挿入損失の80%以下の挿入損失を有する、項目52〜58及び60〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目60)
前記複合材料は黒色である、項目52〜59及び61〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目61)
10.5フィート/分で移動する0.3ミクロン以上の粒径の場合、99.0%以上のフィルタリング効率を有する、項目52〜60及び62〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目62)
前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約5%高い、項目52〜61及び63〜64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目63)
前記通気媒体複合材料の目付けは、前記コーティングを持たない前記微多孔膜層の目付けよりも少なくとも約10%高い、項目52〜62及び64のいずれか一項に記載の複合材料。
(項目64)
前記複合材料が筐体の開口部に取り付けられるように構成される場合に、前記筐体は、前記複合材料が水の浸入を許すことなく30分間1メートルの水中の浸漬に耐えられる、項目52〜63のいずれか一項に記載の複合材料。