特許第6550447号(P6550447)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6550447
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】跳躍の継続時間を検出、計算する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20190711BHJP
【FI】
   A61B5/11
   A61B5/11 200
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-232448(P2017-232448)
(22)【出願日】2017年12月4日
(65)【公開番号】特開2018-94403(P2018-94403A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2017年12月4日
(31)【優先権主張番号】16203365.8
(32)【優先日】2016年12月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ジェルミケ
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン・フェリ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ウィルマン
【審査官】 牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−529005(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0057966(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0116147(US,A1)
【文献】 特開2012−217584(JP,A)
【文献】 特表2015−531904(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0249833(US,A1)
【文献】 特開平8−240450(JP,A)
【文献】 特開平11−290302(JP,A)
【文献】 特開2016−31569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 − 5/22
A61B 5/00 − 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人が実施した跳躍の継続時間を検出、計算する方法(METH)であって、
−前記跳躍の後の着地に関連する瞬間(t2)を検出するステップ(METH_Dr)であって、前記ステップは、前記個人の腕に装着した時計(MT)に内蔵した3軸加速度計(CP_AC)がもたらした加速度測定値(AC)内で第1の閾値の加速度値を超える加速度ピーク(PCAC)を検出するサブステップ(METH_Dr_PCAC)を含む、ステップ(METH_Dr)、
−着地の瞬間(2)で終了する時間窓において、第1の閾値継続時間(ts)を超える継続時間の間、0gから0.5gまでの間の一連の加速度測定値(AC)の検出によって、跳躍段階を検出するステップ(METH_Ds)であって、前記gは、地表での重力加速度である、ステップ(METH_Ds)、
−0から0.5gの間の前記一連の加速度測定値(AC)の最初の測定値に対応する、前記跳躍の開始に関連する瞬間(t0)を検出するステップ(METH_Dt1)、
−前記着地に関連する瞬間(t2)と、前記跳躍開始に関連する瞬間(t0)との差によって、跳躍継続時間(Ts)を計算するステップ(METH_Ts)
を含み、前記着地に関連する瞬間(t2)を検出するステップ(METH_Dr)は、前記時計(MT)に内蔵した圧力センサ(CP_PR)がもたらした圧力測定値(PR)から、第2の閾値高度を超える高度の圧力ピーク(PCPR)を検出するサブステップ(METH_Dr_PCPR)、及び前記加速度ピーク(PCAC)に関連する瞬間と、前記圧力ピーク(PCPR)に関連する瞬間とを比較するサブステップを含む、方法(METH)。
【請求項2】
前記第2の閾値高度は、2ミリバールを超える、請求項1に記載の方法(METH)。
【請求項3】
前記第1の閾値継続時間は、0.5秒を超える、請求項1又は2に記載の方法(METH)。
【請求項4】
前記第1の閾値の加速度は、2gを超える、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の方法(METH)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、跳躍の継続時間を検出、計算する方法に関する。本方法は、移動手段を使用する跳躍に適合し、スキー、スノーボード、ローラブレード、自転車、スケートボード等の跳躍前の助走距離の測定を可能にする。本方法は、同様に、この種の移動手段を使用しない跳躍、例えば、崖、飛込台又は橋から水中への跳躍に適合する。
【0002】
継続時間とは、着地の瞬間と競技者が跳躍を開始した瞬間との間に差があることを意味する。水中への跳躍の場合、競技者が入水したことを着水と呼ぶ。
【背景技術】
【0003】
文献US2002/0116147から、測定ユニットにより跳躍を検出、分析する方法が公知であり、この測定ユニットは、跳躍前の助走距離を測定するために、競技者が使用する移動手段上に組み付けたものであり、競技者は、跳躍の前後に地面に接触して位置する。移動手段は、例えばスキー又はスノーボードである。計算ユニット、例えば、競技者が装着する時計は、測定ユニットが生成した測定値から、跳躍パラメータ、特に跳躍継続時間を決定、表示することを可能にする。より正確には、測定ユニットは、移動手段の振動を捕捉し、移動手段が地面を離れ、地面に戻ったときを検出するようにし、これにより、跳躍を検出し、跳躍継続時間を計算することを可能にする。
【0004】
この方法は、移動手段が受ける振動を測定するために、測定ユニットを移動手段に固定して使用する必要があるという欠点を有する。更に、この方法は、例えば、崖から水中への跳躍等、移動手段が跳躍前又はその後に地面に接触せずに実施された跳躍継続時間の計算は可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US2002/0116147
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記で引用した欠点の全て又は一部を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的で、本発明は、個人が実施した跳躍の継続時間を検出、計算する方法に関し、
−跳躍後の着地に関連する瞬間を検出するステップであって、このステップは、個人の腕に装着した時計に内蔵した3軸加速度計がもたらした加速度測定値内で第1の閾値高度を超える高度の加速度ピークを検出するサブステップを含む、ステップ、
−着地の瞬間で終了する時間窓において、第1の閾値継続時間を超える継続時間の間、0gから0.5gの間の一連の加速度測定値を検出することによって、跳躍段階を検出するステップ
を含む。
【0008】
gは、地表での重力加速度9.80665m.s-2を意味する。
【0009】
加速度測定値は、3成分加速度ベクトルの基準、即ち、成分の2乗和平方根を意味する。
【0010】
本発明は、跳躍後の地面又は水中への着地(着水)が、3軸加速度計の測定したデータ内で観測される強力な加速度ピークを根拠とすることの承認から恩恵を得るものである。したがって、加速度ピークの検出は、跳躍が実施されたことの指標である。跳躍が実際に実施されたこと、及び加速度ピークが偽検出に対応しないことを確認するために、加速度ピークより前に生じた加速度測定値を分析する。実際は、跳躍中、個人は自由落下状態にあり、したがって、この個人の加速度は、理論上はゼロである。したがって、十分に長い継続時間の間、ゼロに近い一連の加速度測定値の後に、十分な大きさの加速度ピークが続くことは、跳躍が実施されたことを示す。
【0011】
その他に、方法は、
−0から0.5gの間の一連の加速度測定値の第1の測定値に対応する、跳躍開始に関連する瞬間を検出するステップ、
−着地に関連する瞬間と、跳躍開始に関連する瞬間との差によって、跳躍継続時間を計算するステップ
を含む。
【0012】
跳躍段階が検出されると、加速度測定値を使用して跳躍の継続時間を計算する。0から0.5gの間の一連の加速度測定値の第1の測定値は、個人が跳躍を開始した瞬間に対応する。加速度ピークは、個人が着地した瞬間に対応する。したがって、第1の測定値から加速度ピークの瞬間を減算することによって、跳躍の継続時間を計算することができる。
【0013】
更に、着地に関連する瞬間を検出するステップは、時計に内蔵した圧力センサがもたらした圧力測定値から、第2の閾値高度を超える高度の圧力ピーク、及び第2の閾値継続時間よりも少ない継続時間を検出するサブステップ、並びに加速度ピークに関連する瞬間と圧力ピークに関連する瞬間とを比較するサブステップを含む。
【0014】
上述の特徴は、跳躍後の着地が、圧力センサの測定したデータ内で観測される強力な圧力ピークを根拠とすることの承認から恩恵を得るものである。したがって、圧力ピークの検出は、着地の指標であり、加速度ピークとの相互関係によって跳躍が実際に生じたことの確認を可能にする。
【0015】
上述の特徴とは別に、本発明による方法は、単独、又は全ての技術的に可能な組合せに従った組合せを利用して、以下の特徴を含むことができる。
【0016】
非限定的な実施形態では、第2の閾値高度は、2ミリバールを超え、第2の閾値継続時間は、0.1秒を超える。
【0017】
非限定的な実施形態では、第1の閾値継続時間は、0.5秒を超える。
【0018】
非限定的な実施形態では、第1の閾値高度は、2gを超える。
【0019】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら、非限定的な例として示す以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態による方法の実施を可能にする電子時計の図である。
図2】スキー・ジャンプの軌道の一例の図である。
図3】加速度測定値を表す曲線グラフであり、図2の跳躍の間に生成された圧力測定値を表す曲線に重なっている。
図4】方法ステップを表す機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明による方法METHは、跳躍を行う個人が装着する電子時計MTによって一体に実施される。図1に示す非限定的な実施形態では、時計MTは、
−加速度計CP_AC及び圧力センサCP_PR(又は高度計)を備えるセンサ・セットCP、
−センサCPが生成した測定値を記録するメモリMDであって、測定値は、有利には、FIFO原理(「先入れ先出し」)に従ってメモリ内で円滑に記録する、メモリMD、
−メモリMD内に収容した情報を処理するマイクロプロセッサMP、
−マイクロプロセッサMPが生成した計算結果を表示するデジタル又はアナログ表示手段MA、
−方法PRを作動させることを可能にする、センサCP、メモリMD、マイクロプロセッサMP及び表示手段MAの機械式、電子的又は触知可能な起動手段MC
を備える。
【0022】
図2は、スキー・ジャンプの間に生じる跳躍軌道の一例を示す。第1の段階P1では、個人は、地面と接触している。時間t0では、個人は、地面から離れており、第2の段階P2では、個人は上昇段階にある。時間t1では、個人は、最大高度H1に達し、第3の段階P3では、個人は下降段階にある。時間t2では、個人は、地面に着地しており、第4の段階P4では、個人は再度地面に接触している。
【0023】
図3は、時計MTの圧力センサCP_PRが捕捉した圧力測定値から測定した高度測定値ATを表す曲線C1を示し、時間t、特に4つの段階P1、P2、P3及びP4の間を関数とする。曲線C2は、時計MTの加速度計CP_ACが測定した加速度ACを表し、時間tを関数とし、高度曲線C1に重なっている。
【0024】
本発明による方法METHの第1のステップは、跳躍を実施したことの検出を構成する(図4のステップMETH_Dr)。より詳細には、検出ステップMETH_Drは、第1のサブステップMETH_Dr_PCACを含み、第1のサブステップMETH_Dr_PCACは、加速度計CP_APがもたらした測定値における加速度ピークPCACの検出を構成する。実際は、跳躍が実施されると、加速度ピークPCACは、瞬間t2、即ち、個人が地面に着地した瞬間で観測される。そのようなピークPCACを検出した場合、ピークPCACは、閾値と比較され、閾値を超えていると、ピークPCACが、跳躍後の地面への着地に実際に対応していると判断される。
【0025】
一実施形態では、この加速度ピークPCACが、跳躍後の着地に実際に対応していることを確認するために、検出ステップMETH_Drは、同様に、第2のサブステップMETH_Dr_PCPRを含み、第2のサブステップMETH_Dr_PCPRは、圧力センサCP_PRがもたらした測定値における圧力ピークPCPRの検出を構成する。対応する高度ピークPCAT図3に表す。跳躍が実際に生じると、そのような圧力ピークPCPRは、加速度ピークPCACを検出した瞬間と実質的に同一の瞬間で捕捉されるはずである。したがって、圧力ピークPCPR及び加速度ピークPCACに対応する瞬間が比較される。これらの瞬間の差の基準が閾値未満、例えば0.5秒未満である場合、ピークPCPR、PCACが跳躍後の地面への着地に実際に対応すると判定される。
【0026】
本発明による方法METHの第2のステップは、跳躍段階の検出(ステップMETH_Ds)を構成し、これは、以前に決定した瞬間t2で終了する時間窓において、第1の閾値継続時間tsを超える継続時間の間に0gから0.5gの間の一連の加速度測定値ACを検出することによる。このために、加速度ピークPACより前に生じた時間窓、例えば約10秒の時間窓における加速度測定値ACを分析する。より正確には、跳躍段階を検出するステップMETH_Dsは、時間窓の加速度測定値の基準を計算することを含む。したがって、加速度ピークPCACが、第1の閾値継続期間tsを超える継続時間の間、0gから0.5gの間の一連の測定値より前に生じた場合を決定することが可能である。これに当てはまる場合、跳躍が実際に生じたこと、及び加速度ピークPCACが地面への着地に対応することが確認される。実際は、第3の段階P3の間、個人は、自由落下状態であるため、約0gの加速度を受ける。0gから0.5gの間の一連の測定値の最初のものは、跳躍開始に寄与する時間t0に対応する。
【0027】
方法の第3のステップでは、跳躍継続期間Tsを計算する(ステップMETH_Ts)。このため、着地に関連する瞬間t2は、跳躍開始に関連する瞬間t0から減算する。
【0028】
したがって、跳躍段階を検出するステップMETH_Dsは、跳躍が実際に生じたことの確認に寄与するだけでなく、同様に、この跳躍の継続時間の計算にも寄与することに留意されたい。
【0029】
当然、本発明は、図示の例に限定するものではないが、当業者には明らかであろう様々な変形形態及び修正形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0030】
METH 方法
MT 時計
AC 加速度測定値
CP_AC 3軸加速度計
CP_PR 圧力センサ
CP_AP 加速度計
CP センサ
PR 方法
MC 起動手段
H 最大高度
P 段階
AT 高度測定値
C 曲線
T 跳躍継続時間
MA 表示手段
MD メモリ
MP マイクロプロセッサ
図1
図2
図3
図4