特許第6550508号(P6550508)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6550508施設情報提供システム、施設情報提供方法、及び施設情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6550508
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】施設情報提供システム、施設情報提供方法、及び施設情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20190711BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20190711BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20190711BHJP
   G06F 17/00 20190101ALI20190711BHJP
【FI】
   G01C21/26 C
   G09B29/10 A
   G09B29/00 F
   G06F17/00
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-134731(P2018-134731)
(22)【出願日】2018年7月18日
【審査請求日】2018年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤史
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−059940(JP,A)
【文献】 特開2013−164293(JP,A)
【文献】 特開2006−266757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G06F 17/00
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記車両の走行距離又は走行時間を取得する走行情報取得部と、
前記走行情報取得部により取得される前記走行距離又は前記走行時間が予め設定される所定値以上になった場合に、前記車両の走行が開始される位置から前記現在位置取得部により取得される前記現在位置を通る直線を延長した延長線に基づく第1所定範囲に含まれる施設の情報を、前記車両の搭乗者に提供する施設情報提供部と、
を備える施設情報提供システム。
【請求項2】
現在時刻を取得する現在時刻取得部をさらに備え、
前記施設情報提供部は、前記第1所定範囲に含まれる前記施設であって、前記現在時刻取得部により取得される前記現在時刻に利用可能な前記施設の情報を前記搭乗者に提供し、前記現在時刻に利用可能でない前記施設の情報を前記搭乗者に提供しない、
請求項1に記載の施設情報提供システム。
【請求項3】
前記施設情報提供部は、前記第1所定範囲に含まれる前記施設であって、前記車両が予め設定される所定時刻に到着する予定の位置から第2所定範囲内に位置し、前記所定時刻に利用可能な前記施設の情報を前記搭乗者に提供する、
請求項2に記載の施設情報提供システム。
【請求項4】
前記施設情報提供部は、前記第1所定範囲に含まれる複数の前記施設のうち、前記車両の進行方向の走行路に沿った位置に存在する前記施設の情報を前記搭乗者に提供する、
請求項1に記載の施設情報提供システム。
【請求項5】
前記施設が所有する駐車場の空車率を取得する空車率取得部をさらに備え、
前記施設情報提供部は、前記第1所定範囲に含まれる前記施設であって、前記空車率取得部により取得される前記空車率が所定空車率を超える前記駐車場を所有する前記施設の情報を前記搭乗者に提供する、
請求項1に記載の施設情報提供システム。
【請求項6】
前記搭乗者の属性情報を取得する属性情報取得部をさらに備え、
前記施設情報提供部は、前記第1所定範囲に含まれる複数の前記施設のうち、前記属性情報取得部により取得される前記搭乗者の属性情報に基づいて選択される前記施設の情報を前記搭乗者に提供する、
請求項1に記載の施設情報提供システム。
【請求項7】
現在時刻を取得する現在時刻取得部をさらに備え、
前記施設情報提供部は、前記第1所定範囲に含まれる複数の前記施設のうち、前記現在時刻取得部により取得される前記現在時刻から所定時間以内に利用可能となる前記施設の情報を前記搭乗者に提供し、前記現在時刻から前記所定時間以内に利用可能とならない前記施設の情報を前記搭乗者に提供しない、
請求項1に記載の施設情報提供システム。
【請求項8】
前記施設情報提供部は、前記搭乗者に提供した前記施設の情報のうち、前記現在時刻が利用可能な時間帯を過ぎた前記施設の情報を削除する、
請求項7に記載の施設情報提供システム。
【請求項9】
前記施設情報提供部は、前記車両の走行が停止してから所定時間を経過した場合に、前記搭乗者に提供した前記施設の情報を削除する、
請求項1から8の何れか1項に記載の施設情報提供システム。
【請求項10】
前記第1所定範囲は、前記延長線上の範囲、前記延長線の周囲の範囲、又は、前記現在位置から前記延長線が伸びる方向に放射状に広がる範囲である、
請求項1から9の何れか1項に記載の施設情報提供システム。
【請求項11】
前記施設情報提供部により提供される前記施設の情報に対応する当該施設の位置と、前記現在位置取得部により取得される前記現在位置とを含む地図を表示する表示処理部をさらに備える、
請求項1から10の何れか1項に記載の施設情報提供システム。
【請求項12】
車両の現在位置を取得し、
前記車両の走行距離又は走行時間を取得し、
前記走行距離又は前記走行時間が予め設定される所定値以上になった場合に、前記車両の走行が開始される位置から前記現在位置を通る直線を延長した延長線に基づく第1所定範囲に含まれる施設の情報を、前記車両の搭乗者に提供する、
施設情報提供方法。
【請求項13】
車両の現在位置を取得するステップと、
前記車両の走行距離又は走行時間を取得するステップと、
前記走行距離又は前記走行時間が予め設定される所定値以上になった場合に、前記車両の走行が開始される位置から前記現在位置を通る直線を延長した延長線に基づく第1所定範囲に含まれる施設の情報を、前記車両の搭乗者に提供するステップと、
をコンピュータに実行させるための施設情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設情報提供システム、施設情報提供方法、及び施設情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者による車両の運転時間が所定時間を超えた場合に、当該運転者に、現在位置に応じた休憩施設などの休憩情報を提供する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−59940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、運転時間が所定時間を超えた場合に、車両の現在位置と休憩施設の位置とに基づいて休憩施設の情報が提供されるため、情報提供の対象となる休憩施設が限られてしまう。例えば、高速道路を走行中に運転時間が所定時間を超えた場合には、高速道路のサービスエリア及びパーキングエリアの情報が提供される。このように、従来技術では、車両の運転状況に応じて適切な施設の情報を運転者に提供することが難しい。
【0005】
本発明の目的は、車両の運転状況に応じた適切な施設の情報を車両に搭乗する搭乗者に提供することが可能な施設情報提供システム、施設情報提供方法、及び施設情報提供プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る施設情報提供システムは、車両の現在位置を取得する現在位置取得部と、前記車両の走行距離又は走行時間を取得する走行情報取得部と、前記走行情報取得部により取得される前記走行距離又は前記走行時間が予め設定される所定値以上になった場合に、前記車両の走行が開始される位置から前記現在位置取得部により取得される前記現在位置を通る直線を延長した延長線に基づく第1所定範囲に含まれる施設の情報を、前記車両の搭乗者に提供する施設情報提供部と、を備える。
【0007】
本発明に係る施設情報提供方法では、車両の現在位置を取得し、前記車両の走行距離又は走行時間を取得し、前記走行距離又は前記走行時間が予め設定される所定値以上になった場合に、前記車両の走行が開始される位置から前記現在位置を通る直線を延長した延長線に基づく第1所定範囲に含まれる施設の情報を、前記車両の搭乗者に提供する。
【0008】
本発明に係る施設情報提供プログラムは、車両の現在位置を取得するステップと、前記車両の走行距離又は走行時間を取得するステップと、前記走行距離又は前記走行時間が予め設定される所定値以上になった場合に、前記車両の走行が開始される位置から前記現在位置を通る直線を延長した延長線に基づく第1所定範囲に含まれる施設の情報を、前記車両の搭乗者に提供するステップと、をコンピュータに実行させるための施設情報提供プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両の運転状況に応じた適切な施設の情報を車両に搭乗する搭乗者に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの搭乗者端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの搭乗者端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムで利用される施設情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムで利用される走行情報の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの施設情報提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの施設情報提供処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの搭乗者端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの搭乗者端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの搭乗者端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムで利用される施設情報の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの施設情報提供装置の他の構成を示すブロック図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの搭乗者端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの施設情報提供装置の他の構成を示すブロック図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムで利用される属性情報の一例を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの搭乗者端末の他の構成を示すブロック図である。
図17図17は、本発明の実施形態に係る施設情報提供システムの所定範囲の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明に係る施設情報提供システムは、車両に搭乗する搭乗者に、車両の運転状況に対応する走行情報等に基づいて、飲食店、小売店、休憩所(ホテル等)、遊技場等の施設の情報を提供するシステムである。前記搭乗者には、車両を運転する運転者、及び、車両に同乗する同乗者が含まれる。以下では、本発明に係る施設の一例として、「飲食店」及び「休憩所」を例に挙げて説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る施設情報提供システム100は、施設情報提供装置1と、車両の搭乗者が所持する搭乗者端末2とを含む。施設情報提供システム100は、1台の搭乗者端末2を備えてもよいし、複数台の搭乗者端末2を備えてもよい。また、複数台の搭乗者端末2のそれぞれは、同一の車両に搭乗(同乗)する複数の搭乗者のそれぞれが所持するものでもよいし、異なる車両に搭乗する複数の搭乗者のそれぞれが所持するものでもよい。以下では、1つの搭乗者端末2を例に挙げて説明する。
【0014】
施設情報提供装置1及び搭乗者端末2は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0015】
ここで、施設情報提供システム100の適用シーンの一例を示す。図2は、搭乗者端末2の操作表示部23に表示される地図の一例を示す図である。図2において、符号S1は車両が走行を開始した位置(走行開始地点)を示し、符号P1は車両の現在の位置(現在位置)を示し、符号C1は走行開始地点S1から現在位置P1を通る直線C1を示し、符号C2は直線C1を延長した延長線を示し、符号AR1は延長線C2に基づく所定範囲を示している。所定範囲AR1は、延長線C2の周囲の範囲でもよいし、延長線C2上の範囲でもよい。また図2において、符号Aは飲食店を示し、符号Xは休憩所を示している。所定範囲AR1は本発明の第1所定範囲の一例である。尚、図2では、説明の便宜上、所定範囲AR1を操作表示部23に表示しているが、所定範囲AR1は操作表示部23に表示されなくてもよい。
【0016】
具体的には例えば、施設情報提供システム100は、運転者が時刻6時に走行開始地点S1で車両の運転を開始してから所定時間(例えば3時間)以上経過した場合に、所定範囲AR1に含まれる施設である飲食店A及び休憩所Xの情報を運転者に提供する。例えば、運転者の搭乗者端末2に表示される地図上に、飲食店A及び休憩所Xの位置及び外観等の情報が表示される。図3に示すように、車両の走行方向が変化(例えば右折)した場合には、所定範囲AR1が所定範囲AR2に変化し、所定範囲AR2に含まれる飲食店B,C,D及び休憩所Yの位置及び外観等の情報が地図上に表示される。所定範囲AR2は本発明の第1所定範囲の一例である。
【0017】
また施設情報提供システム100は、前記所定範囲に含まれる施設のうち、現在時刻(例えば「11:30」)に営業中の施設の情報を運転者に提供してもよい。施設の情報を取得した運転者は、目的地に行く途中に、当該情報に基づいて施設に立ち寄って飲食したり休憩したりする。
【0018】
次に、施設情報提供システム100の具体的な構成について説明する。
【0019】
[搭乗者端末2]
図1に示されるように、搭乗者端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、通信I/F24、GPS受信部25(GPS:Global Positioning System、登録商標)などを備える。搭乗者端末2は、車両に搭乗する搭乗者(運転者、同乗者)が所持する携帯端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような情報処理装置である。
【0020】
GPS受信部25は、アンテナ(図示せず)を介して複数のGPS衛星(図示せず)から送信される信号(GPS信号)を受信して、搭乗者端末2の位置を示す測位データ(緯度、経度、高度)及び現在時刻を検出する。
【0021】
通信I/F24は、搭乗者端末2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して施設情報提供装置1などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0022】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0023】
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、各種の制御プログラムが記憶されている。制御プログラムは、USB、CD又はDVD(何れも登録商標)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、搭乗者端末2に電気的に接続されるUSBドライブ、CDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。前記制御プログラムは、通信網N1を介して外部機器からダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0024】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより搭乗者端末2を制御する。
【0025】
具体的に、制御部21は、受付処理部211、現在位置検出部212、表示処理部213などの各種の処理部を含む。尚、制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0026】
受付処理部211は、搭乗者が搭乗者端末2の操作表示部23において操作した操作情報を取得する。例えば、受付処理部211は、搭乗者が操作表示部23に表示される設定画面において地図の表示を指示する操作、施設の検索を指示する操作、目的地を設定する操作等を行った場合に、当該操作に応じた情報を取得する。搭乗者端末2は、受付処理部211により取得される情報を施設情報提供装置1に送信する。
【0027】
現在位置検出部212は、GPS受信部25により検出される前記測位データに基づいて、搭乗者が搭乗する車両の現在位置を検出する。搭乗者端末2は、現在位置検出部212により検出される現在位置及び現在時刻を含む位置情報を施設情報提供装置1に送信する。
【0028】
表示処理部213は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部213は、施設情報提供装置1から取得する地図データに基づいて、搭乗者が搭乗する車両の現在位置の周辺の地図を操作表示部23に表示させる。また、表示処理部213は、施設情報提供装置1から取得する所定の施設に関する施設情報に基づいて、前記地図上に当該施設の位置、外観等の情報を表示させる。尚、表示処理部213は、地図を表示させず、施設情報だけを表示させてもよい。また、表示処理部213は、搭乗者が操作する各種の設定画面を操作表示部23に表示させる。
【0029】
[施設情報提供装置1]
図1に示されるように、施設情報提供装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信I/F14などを備える。施設情報提供装置1は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置である。施設情報提供装置1は、車両に搭載されてもよいし、車外に設置されてもよい。尚、施設情報提供装置1は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、施設情報提供装置1で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0030】
通信I/F14は、施設情報提供装置1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して搭乗者端末2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0031】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0032】
記憶部12は、各種の情報を記憶する半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などを含む不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部12には、制御部11に後述の施設情報提供処理(図6参照)を実行させるための施設情報提供プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記施設情報提供プログラムは、USB、CD又はDVD(何れも登録商標)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、施設情報提供装置1に電気的に接続されるUSBドライブ、CDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。前記施設情報提供プログラムは、通信網N1を介して外部機器からダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。
【0033】
また、記憶部12には、地図情報データベース121(以下、地図情報DB121という。)、施設情報データベース122(以下、施設情報DB122という。)、及び走行情報データベース123(以下、走行情報DB123という。)が含まれる。地図情報DB121には、道路に関する道路データ、交差点に関する交差点データ、施設の位置及び外観(形状等)に関する施設データ、経路探索に関する探索データ等の地図情報が記憶される。
【0034】
図4は、施設情報DB122の一例を示す図である。施設情報DB122には、施設の種別及び名称、施設を利用可能な時間帯を示す営業時間、住所(連絡先)等の施設情報等が記憶される。図5は、走行情報DB123の一例を示す図である。走行情報DB123には、車両の識別情報、走行開始時刻、走行開始地点、走行開始時刻から現在時刻までの時間を示す走行時間(運転時間)、走行開始地点から現在位置までの距離を示す走行距離(運転距離)等の走行情報が記憶される。走行情報DB123は、時刻の経過に伴って随時更新される。地図情報DB121、施設情報DB122、及び走行情報DB123の少なくとも何れか1つは、施設情報提供装置1の外部に設置されたデータサーバ(図示せず)に記憶されてもよい。前記データサーバは、1つの物理サーバで構成されてもよいし、複数の物理サーバで構築されたクラウドサーバで構成されてもよい。
【0035】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより施設情報提供装置1を制御する。
【0036】
具体的に、制御部11は、現在位置取得部111、走行情報取得部112、判定処理部113、施設検索処理部114、施設情報提供部115などの各種の処理部を含む。尚、制御部11は、前記CPUで前記施設情報提供プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記施設情報提供プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0037】
現在位置取得部111は、搭乗者端末2から受信する位置情報に基づいて、現在時刻における車両の現在位置を取得する。現在位置取得部111は、本発明の現在位置取得部の一例である。
【0038】
走行情報取得部112は、現在位置取得部111により取得される現在時刻及び現在位置の情報に基づいて、車両毎に走行開始時刻、走行開始地点、走行時間、及び走行距離を取得する。走行情報取得部112は、取得した走行開始時刻、走行開始地点、走行時間、及び走行距離を含む走行情報を走行情報DB123(図5参照)に記憶する。例えば、走行情報取得部112は、走行開始時刻から現在時刻までの時間を算出することにより走行時間を取得する。尚、走行情報取得部112は、車両が停止してから所定時間経過した場合には走行開始時刻から走行を再開する時刻までの時間を前記走行時間から減算してもよい。走行情報取得部112は、本発明の走行情報取得部及び現在時刻取得部の一例である。
【0039】
判定処理部113は、走行情報取得部112により取得される走行時間が所定時間(閾値)以上であるか否かを判定する。また判定処理部113は、走行情報取得部112により取得される走行距離が所定距離(閾値)以上であるか否かを判定する。所定時間及び所定距離はそれぞれ、本発明の所定値の一例である。
【0040】
施設検索処理部114は、搭乗者に情報提供する対象となる施設を検索する。例えば、施設検索処理部114は、走行開始地点S1から現在位置P1を通る直線C1を延長した延長線C2の周囲の所定範囲AR1に含まれる(位置する)施設を検索する。また例えば、施設検索処理部114は、所定範囲AR1に含まれる複数の施設のうち、現在時刻に営業中の施設を検索してもよい。施設検索処理部114は、施設情報DB122に登録される複数の施設のそれぞれに対して、情報提供の対象の施設に決定するか否かの判定を行う。
【0041】
施設情報提供部115は、施設検索処理部114により検索された施設に関する施設情報を搭乗者に提供する。例えば、施設情報提供部115は、施設検索処理部114により決定された施設について、施設情報DB122に含まれる情報と、地図情報DB121に含まれる施設データとを含む施設情報を搭乗者端末2に送信する。すなわち、搭乗者に提供される施設情報には、施設の地図上の位置及び外観、当該施設の名称及び営業時間等の情報が含まれる。施設情報提供部115は、本発明の施設情報提供部の一例である。
【0042】
搭乗者端末2は、施設情報提供装置1から前記施設情報を受信すると、操作表示部23に表示される地図上に、施設の位置及び外観等の情報を表示する。尚、施設情報提供部115は、前記施設情報に対応する音声データを搭乗者端末2に送信してもよい。搭乗者端末2は、施設情報提供装置1から前記音声データを受信すると、前記施設情報を音声により外部に出力する。
【0043】
[施設情報提供処理]
以下、図6を参照しつつ、施設情報提供装置1の制御部11によって実行される施設情報提供処理について説明する。制御部11は、搭乗者の操作、例えば搭乗者端末2に表示される設定画面において施設の検索を指示する操作に応じて前記施設情報提供プログラムの実行を開始することによって、前記施設情報提供処理の実行を開始する。尚、前記施設情報提供処理は、搭乗者端末2における所定操作に応じて途中で終了されることがある。
【0044】
尚、本発明は、前記施設情報提供処理に含まれる一又は複数のステップを実行する施設情報提供方法の発明として捉えることができる。
【0045】
また、ここで説明する前記施設情報提供処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記施設情報提供処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記施設情報提供処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記施設情報提供処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0046】
また、ここでは、上述した適用シーンを例に挙げて、施設情報提供処理について説明する。
【0047】
ステップS11において、制御部11(現在位置取得部111)は、搭乗者端末2から受信する位置情報に基づいて、現在時刻における車両の現在位置を取得する。例えば、制御部11は、車両「C0001」について、現在時刻「11:30」の時点の現在位置P1(図3参照)を取得する。
【0048】
ステップS12において、制御部11(走行情報取得部112)は、走行開始時刻(図5参照)と、現在位置取得部111により取得される現在時刻及び現在位置の情報とに基づいて、走行時間を取得する。例えば、制御部11は、現在時刻「11:30」及び現在位置P1の情報に基づいて、走行時間「5時間30分」を取得する。
【0049】
ステップS13において、制御部11(判定処理部113)は、走行情報取得部112により取得される走行時間が所定時間以上(又は所定距離以上)であるか否かを判定する。走行時間が所定時間以上(又は所定距離以上)である場合(S13:YES)、処理はステップS14に移行し、走行時間が所定時間未満(又は所定距離未満)である場合(S13:NO)、処理はステップS11に戻る。前記所定時間が3時間に設定される場合、前記走行時間「5時間30分」は前記所定時間以上となるため、処理はステップS14に移行する。
【0050】
ステップS14において、制御部11(施設検索処理部114)は、搭乗者に情報提供する対象となる施設を検索する施設検索処理を実行する。図7は、施設情報提供装置1の制御部11によって実行される施設検索処理の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、施設の営業時間を考慮した施設検索処理を例に挙げる。
【0051】
図7に示すステップS21において、制御部11(施設検索処理部114)は、施設情報DB122(図4参照)に登録された複数の施設情報から1つの施設情報を取得する。例えば、制御部11は飲食店Aの情報(営業時間、住所等)を取得する。
【0052】
ステップS22において、制御部11(施設検索処理部114)は、取得した飲食店Aの情報に基づいて、飲食店Aが延長線C2の周囲の所定範囲AR2に位置するか否かを判定する。ここでは、飲食店A(図2参照)は、図3に示す所定範囲AR2に位置しないため(S22:NO)、処理はステップS25に移行する。ステップS25において、施設情報DB122に登録された他の施設情報がある場合(S25:YES)、処理はステップS21に戻る。
【0053】
ステップS21に戻り、制御部11(施設検索処理部114)は、施設情報DB122に登録された飲食店Bの情報(営業時間、住所等)を取得する。
【0054】
ステップS22において、制御部11(施設検索処理部114)は、取得した飲食店Bの情報に基づいて、飲食店Bが延長線C2の周囲の所定範囲AR2に位置するか否かを判定する。ここでは、飲食店Bは所定範囲AR2に位置するため(S22:YES)、処理はステップS23に移行する。
【0055】
ステップS23において、制御部11(施設検索処理部114)は、取得した飲食店Bの情報に基づいて、現在時刻が飲食店Bの営業時間内であるか否かを判定する。ここでは、現在時刻「11:30」が飲食店Bの営業時間「11:00〜14:00」内であるため(S23:YES)、処理はステップS24に移行する。尚、現在時刻が営業時間内でない場合(S23:NO)、処理はステップS25に移行する。
【0056】
ステップS24において、制御部11(施設検索処理部114)は、飲食店Bを情報提供の対象の施設に決定する。その後、処理はステップS25に移行する。
【0057】
施設情報DB122(図4参照)に含まれる全ての施設について、上述のステップS21〜S25の処理が実行される。これにより、例えば飲食店B,D及び休憩所Yが、情報提供の対象の施設に決定される。上述のステップS21〜S25の処理が終了すると、処理はステップS15(図6参照)に移行する。
【0058】
ステップS15において、施設検索処理部114により検索(決定)された情報提供の対象の施設がある場合(S15:YES)、処理はステップS16に移行する。情報提供の対象の施設がない場合(S15:NO)、処理はステップS11に戻る。
【0059】
ステップS16において、制御部11(施設情報提供部115)は、施設検索処理部114により決定された施設に関する施設情報を搭乗者に提供する。例えば、制御部11は、施設検索処理部114により決定された飲食店B,D及び休憩所Yについて、施設情報DB122に含まれる情報と、地図情報DB121に含まれる施設データとを含む施設情報を搭乗者端末2に送信する。
【0060】
以上のようにして施設情報提供処理が実行される。上述の施設情報提供処理が実行されることにより、搭乗者端末2は、施設情報提供装置1から前記施設情報を受信する。搭乗者端末2の制御部21(表示処理部213)は、例えば図8に示すように、操作表示部23に表示される地図上に、飲食店B,D及び休憩所Yの位置及び外観等の情報を表示する。このように、施設情報提供部115は、前記所定範囲に含まれる施設であって、現在時刻に利用可能な施設の情報を搭乗者に提供し、現在時刻に利用可能でない施設の情報を搭乗者に提供しない。
【0061】
尚、上述の例では、施設の営業時間を考慮した施設検索処理について説明したが、施設検索処理は、営業時間を考慮しない構成であってもよい。すなわち、前記施設検索処理では、図7に示すステップS23の処理が省略されてもよい。
【0062】
本発明の実施形態に係る施設情報提供システム100によれば、例えば車両の運転時間が長時間になると(又は走行距離が長距離になると)、休憩を促す情報が運転者に提供される。また、走行開始地点S1から現在位置P1を通る直線C1を延長した延長線C2に基づく所定範囲に含まれる施設の情報が運転者に提供される。さらに、現在時刻に応じた情報、例えば現在時刻が昼食の時間帯であれば昼食の営業を行っている飲食店の情報が運転者に提供される。このため、運転者は、目的地に行く途中に、食事、休憩等を取ることが可能な情報を取得することができる。よって、車両の運転状況に応じた適切な施設の情報を搭乗者に提供することが可能となる。
【0063】
尚、施設情報提供システム100は、目的地までの経路を案内する経路案内機能(ナビゲーション機能)を備えてもよいし、備えていなくてもよい。施設情報提供システム100が経路案内機能を備える場合、施設情報提供システム100は、例えば所定範囲に含まれる施設であって、目的地までの経路上に位置する施設の情報を搭乗者に提供してもよい。
【0064】
本発明の施設情報提供システム100は、上述の実施形態に限定されず、以下に示す実施形態であってもよい。
【0065】
他の実施形態として、施設情報提供システム100は、搭乗者が搭乗者端末2において情報提供の対象に希望する施設の種類を選択する構成を備えてもよい。例えば、搭乗者が搭乗者端末2に表示される設定画面において希望の施設の種類として「飲食店」を選択した場合、制御部11(施設検索処理部114)は、上述した例の施設検索処理(図7参照)において、飲食店B,Dを情報提供の対象の施設に決定する。これにより、搭乗者端末2には、図9に示すように、操作表示部23に表示される地図上に、休憩所Yの情報は表示されず、飲食店B,C,Dの位置及び外観等の情報が表示される。尚、図9では、施設の営業時間を考慮しない施設検索処理により決定される施設(飲食店B,C,D)を表している。
【0066】
また他の実施形態として、施設情報提供システム100は、所定範囲AR1(又は所定範囲AR2)に含まれる施設であって、予め設定される所定時刻に車両が到着する予定の位置から所定範囲AR3内に位置し、前記所定時刻に利用可能な前記施設の情報を搭乗者に提供する構成であってもよい。所定範囲AR3は本発明の第2所定範囲の一例である。例えば、施設情報提供装置1の制御部11(施設検索処理部114)は、搭乗者が前記所定時刻として、休憩を取る時刻として「12:00」を設定した場合において、現在時刻が「10:00」の場合に、所定時刻「12:00」に車両が到着する予定の位置(到着予定位置)から所定範囲AR3に位置し、休憩を取ることが可能な施設を、情報提供の対象の施設に決定する。制御部11(施設情報提供部115)は、決定された施設に関する施設情報を搭乗者に提供する。例えば、搭乗者端末2には、図10に示すように、所定時刻「12:00」に車両が到着する予定の位置に対応する所定範囲AR3に含まれる飲食店D及び休憩所Yの位置及び外観等の情報が、操作表示部23に表示される地図上に表示される。
【0067】
尚、前記実施形態において、搭乗者が前記所定時刻を設定しない構成としてもよい。この構成では、例えば、施設情報提供部115は、車両の走行速度に基づいて車両が到着する予定の位置を算出し、当該位置から所定範囲AR3内に位置し、当該位置に到着する予定の時刻に利用可能な施設の情報を搭乗者に提供してもよい。
【0068】
また他の実施形態として、施設情報提供システム100は、前記施設検索処理において、施設が所有する駐車場の空車率を考慮してもよい。この場合、例えば図11に示すように、施設情報DB122には、施設が所有する駐車場の現在時刻における空車率の情報が含まれる。前記空車率は、例えば駐車場に設置される機器(センサー等)から取得する情報に基づいて算出され、随時更新される。また図12に示すように、施設情報提供装置1の制御部11は、施設情報DB122から施設の空車率を取得する空車率取得部116を備える。空車率取得部116は、本発明の空車率取得部の一例である。
【0069】
具体的には、施設情報提供装置1の制御部11(施設検索処理部114)は、所定範囲AR1(又は所定範囲AR2)に含まれる施設であって、空車率取得部116により取得される前記空車率が所定空車率を超える駐車場を所有する施設を、情報提供の対象の施設に決定する。制御部11(施設情報提供部115)は、決定された施設に関する施設情報を搭乗者に提供する。前所定空車率は、例えば60%に設定される。この場合、搭乗者端末2には、例えば図13に示すように、操作表示部23に表示される地図上に、空車率(図11参照)が60%を超える飲食店C及び休憩所Yの位置及び外観等の情報が表示される。
【0070】
また他の実施形態として、施設情報提供システム100は、前記施設検索処理において、車両の搭乗者の属性を考慮してもよい。この場合、例えば図14に示すように、記憶部12に、属性情報DB124が記憶される。属性情報DB124には、図15に示すように、車両の識別情報、搭乗者の識別情報(運転者又は同乗者)、搭乗者の有無、年齢、性別、家族構成等の情報が含まれる。図15に示す例では、車両「C0001」に家族3人が同乗する場合を示している。前記属性情報は、例えば搭乗者端末2に表示される設定画面において搭乗者が設定することにより登録される。また図14に示すように、施設情報提供装置1の制御部11は、属性情報DB124から属性情報を取得する属性情報取得部117を備える。属性情報取得部117は、本発明の属性情報取得部117の一例である。
【0071】
具体的には、施設情報提供装置1の制御部11(施設検索処理部114)は、所定範囲AR1(又は所定範囲AR2)に含まれる施設であって、属性情報取得部117により取得される搭乗者の属性情報に基づいて選択される施設を、情報提供の対象の施設に決定する。例えば、図15に示すように搭乗者3人が同一家族の場合、制御部11は、家族連れで利用し易い飲食店(ファミリーレストラン等)を情報提供の対象の施設に決定する。また搭乗者が運転者一人の場合、制御部11は、一人で利用し易い飲食店(定食屋等)を情報提供の対象の施設に決定する。制御部11は、搭乗者の年齢、性別等の情報に基づいて、情報提供の対象の施設を決定してもよい。制御部11(施設情報提供部115)は、決定された施設に関する施設情報を搭乗者に提供する。
【0072】
また他の実施形態として、施設情報提供装置1の制御部11(施設情報提供部115)は、所定範囲AR1(又は所定範囲AR2)に含まれる施設であって、車両の進行方向の走行路に沿った位置に存在する施設の情報を搭乗者に提供する構成としてもよい。これにより、走行路上の施設又は目的地までの経路上の施設の情報が搭乗者に提供されるため、搭乗者は当該施設に立ち寄り易くなる。
【0073】
また他の実施形態として、施設情報提供装置1の制御部11(施設情報提供部115)は、所定範囲AR1(又は所定範囲AR2)に含まれる施設であって、現在時刻から所定時間以内に利用可能となる施設の情報を搭乗者に提供し、現在時刻から所定時間以内に利用可能とならない施設の情報を搭乗者に提供しない構成としてもよい。例えば、現在時刻が「9:00」の場合に、所定時間(5時間)以内に利用可能となる飲食店(例えば営業時間「11:00〜14:00」)の情報を提供し、所定時間(5時間)以内に利用可能とならない飲食店(例えば営業時間「17:00〜23:00」)の情報を提供しない。これにより、搭乗者が立ち寄る可能性のある施設の情報のみを提供することができる。
【0074】
また他の実施形態として、施設情報提供装置1の制御部11(施設情報提供部115)は、搭乗者に提供した施設の情報のうち、現在時刻が利用可能な時間帯を過ぎた施設の情報を削除する構成としてもよい。例えば、搭乗者端末2の操作表示部23に図3に示す情報が表示されている場合において、現在時刻が「14:00」を過ぎた場合は、施設情報提供部115は、飲食店B,C,D及び休憩所Yのうち飲食店B,Dの情報を削除する。
【0075】
また他の実施形態として、施設情報提供装置1の制御部11(施設情報提供部115)は、車両の走行が停止してから所定時間経過した場合に、搭乗者に提供した施設の情報を削除する構成としてもよい。例えば、搭乗者端末2の操作表示部23に図3に示す情報が表示されている場合において、車両の走行が停止してから2時間経過した場合は、施設情報提供部115は、飲食店B,C,D及び休憩所Yの情報を削除する。車両の走行が停止してから所定時間経過した場合には、搭乗者が休憩を取ったとみなすことができるため、前記情報を削除することにより、不要な情報の提供を抑えることができる。尚、現在時刻が昼食の時間帯であって、車両の走行が停止してから2時間経過した場合には、昼食の営業を行う飲食店の情報のみを削除する構成としてもよい。
【0076】
また他の実施形態として、施設情報提供装置1の制御部11が備える一又は複数の処理部を、搭乗者端末2の制御部21が備えてもよい。図16は、搭乗者端末2の他の実施形態を示すブロック図である。図16では、図1に示すブロック図に示す各処理部と同一の機能を有する処理部には同一の符号を付している。記憶部22に記憶される各情報は、外部機器から取得してもよい。また例えば制御部21は、施設情報提供プログラムをインターネットを介して記憶部22にダウンロードして、施設情報提供処理(図6参照)を実行してもよい。
【0077】
また他の実施形態として、搭乗者端末2の制御部21が備える一又は複数の処理部を、施設情報提供装置1の制御部11が備えてもよい。この場合、施設情報提供装置1は、車両に搭載される車載装置であってもよい。
【0078】
前記各実施形態において、前記所定範囲(所定範囲AR1、AR2)は、例えば、延長線C2上の範囲、延長線C2の周囲の範囲、又は、図17に示すように現在位置から延長線C2が伸びる方向に放射状に広がる範囲である。
【符号の説明】
【0079】
1 :施設情報提供装置
2 :搭乗者端末
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
14 :通信I/F
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :通信I/F
25 :GPS受信部
100 :施設情報提供システム
111 :現在位置取得部
112 :走行情報取得部
113 :判定処理部
114 :施設検索処理部
115 :施設情報提供部
116 :空車率取得部
117 :属性情報取得部
211 :受付処理部
212 :現在位置検出部
213 :表示処理部
AR1 :所定範囲
AR2 :所定範囲
AR3 :所定範囲
C2 :延長線
P1 :現在位置
S1 :走行開始地点
【要約】
【課題】車両の運転状況に応じた適切な施設の情報を車両に搭乗する搭乗者に提供することが可能な情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供すること。
【解決手段】施設情報提供システム100は、車両の現在位置を取得する現在位置取得部111と、前記車両の走行距離又は走行時間を取得する走行情報取得部112と、走行情報取得部112により取得される前記走行距離又は前記走行時間が予め設定される所定値以上になった場合に、前記車両の走行が開始される走行開始地点S1から現在位置取得部111により取得される現在位置P1を通る直線C1を延長した延長線C2に基づく所定範囲AR2に含まれる施設の情報を、前記車両の搭乗者に提供する施設情報提供部115とを備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17