(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6550529
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】大開口望遠鏡のための高剛性構造
(51)【国際特許分類】
G02B 23/02 20060101AFI20190711BHJP
G02B 7/183 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
G02B23/02
G02B7/183
【請求項の数】20
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-511401(P2018-511401)
(86)(22)【出願日】2016年7月29日
(65)【公表番号】特表2018-529992(P2018-529992A)
(43)【公表日】2018年10月11日
(86)【国際出願番号】US2016044920
(87)【国際公開番号】WO2017058352
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2018年3月1日
(31)【優先権主張番号】14/868,955
(32)【優先日】2015年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】バラッド,アンドリュー エル.
(72)【発明者】
【氏名】マコウスキー,マチェイ ディー.
【審査官】
堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−544888(JP,A)
【文献】
米国特許第05058993(US,A)
【文献】
実開昭56−167319(JP,U)
【文献】
特表2008−507740(JP,A)
【文献】
特開2001−318301(JP,A)
【文献】
特開2003−098441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B23/00−23/22
G02B 7/00
G02B 7/18−7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
望遠鏡支持アセンブリであって、
3つのサイドビームと3つの四角形エンドピースとにより構成される三角形フレームよりなる測光構造であって、前記エンドピースの各々は前記サイドビームのうち2つサイドビームの端部の間に接続され、前記サイドビームのうち2つのサイドビームにより形成される三角形の1つのコーナーを切り取り、前記エンドピースはそれぞれ頂部と、底部と、前記頂部及び前記底部の間に延在する対向する第1及び第2の主面と、前記頂部及び前記底部の間に、かつ前記第1及び第2の主面の間に延在する対向するサイドエッジとを含み、各サイドビームは、前記エンドピースのうちの第1のエンドピースのサイドエッジに第1端において接続され、前記エンドピースのうちの第2のエンドピースのサイドエッジに第2端において接続され、各エンドピースは、当該エンドピースの前記サイドエッジのうちの第1のサイドエッジにおいて前記サイドビームのうちの第1のサイドビームの端部に接続され、当該エンドピースの前記サイドエッジのうちの第2のサイドエッジにおいて前記サイドビームの第2のサイドビームの端部に接続される測光構造と、
副鏡アセンブリを支持する副鏡支柱であって、各副鏡支柱は複数の第1の支柱マウントの1つに接続され、各第1の支柱マウントは前記エンドピースの1つの頂部において前記測光構造にマウントされる、副鏡支柱と、
主鏡を支持する主鏡支柱であって、各主鏡支柱は複数の第2の支柱マウントの1つに接続され、各第2の支柱マウントは前記エンドピースの1つの底部において前記測光構造にマウントされる、主鏡支柱とを有する
望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項2】
エンドピースの頂部はサイドビームの上側コーナーの上に延在する、
請求項1に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項3】
サイドビームの下側コーナーは第2の支柱マウントの端部を受け入れるサイズの切り取りを含む、請求項1に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項4】
各サイドビームの高さは、各サイドビームの中央領域で、各サイドビームの端部より小さい、請求項1に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項5】
前記測光構造に結合されたすべての支柱は中心縦軸から同じ半径距離に接続される、請求項1に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項6】
前記副鏡アセンブリは、副鏡支持部と、前記副鏡支持部により保持される副鏡と、前記副鏡及び前記副鏡支持部の上の熱シュラウドとを含む、
請求項1に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項7】
前記第2の支柱マウントの各々は、主鏡支持部と、ベースに接続されたベース支柱と、一以上の計器のハウジングに接続された計器支柱とに接続される、請求項1に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項8】
望遠鏡支持アセンブリを設けることであって、該望遠鏡支持アセンブリは、
3つのサイドビームと3つの四角形エンドピースとにより形成される三角形フレームよりなる測光構造を設けることであって、前記エンドピースの各々は前記サイドビームのうち2つのサイドビームの端部の間に接続され、前記サイドビームのうち2つのサイドビームにより形成される三角形の1つのコーナーを切り取り、前記エンドピースはそれぞれ頂部と、底部と、前記頂部及び前記底部の間に延在する対向する第1及び第2の主面と、前記頂部及び前記底部の間に、かつ前記第1及び第2の主面の間に延在する対向するサイドエッジとを含み、各サイドビームは、前記エンドピースのうちの第1のエンドピースのサイドエッジに第1端において接続され、前記エンドピースのうちの第2のエンドピースのサイドエッジに第2端において接続され、各エンドピースは、当該エンドピースの前記サイドエッジのうちの第1のサイドエッジにおいて前記サイドビームのうちの第1のサイドビームの端部に接続され、当該エンドピースの前記サイドエッジのうちの第2のサイドエッジにおいて前記サイドビームの第2のサイドビームの端部に接続される測光構造を有する、ことと、
副鏡アセンブリを支持する副鏡支柱を複数の第1の支柱マウントにそれぞれ接続することであって、各第1の支柱マウントは前記エンドピースの1つの頂部で前記測光構造にマウントされる、ことと、
主鏡を支持する主鏡支柱を複数の第2の支柱マウントにそれぞれ接続することであって、各第2の支柱マウントは前記エンドピースの1つの底部で前記測光構造にマウントされる、こととを含む、
方法。
【請求項9】
エンドピースの頂部はサイドビームの上側コーナーの上に延在する、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各サイドビームと各エンドピースは、補強せん断パネルを有する管状フレームにより形成される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
各サイドビームの高さは、各サイドビームの中央領域で、各サイドビームの端部より小さい、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
測光構造に結合されたすべての支柱は中心縦軸から同じ半径距離に接続される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
各エンドピースの頂部に副鏡集光機構をマウントすることであって、前記副鏡アセンブリは、副鏡支持部と、前記副鏡支持部により保持された副鏡と、前記副鏡を取り囲むバッフルと、前記副鏡と前記副鏡支持部との上の熱シュラウドとを含む、ことをさらに含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の支柱マウントの各々は、主鏡支持部と、ベースに接続されたベース支柱と、一以上の計器のハウジングに接続された計器支柱とに接続される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
3つのサイドビームと3つの四角形エンドピースとにより形成される三角形フレームよりなる測光構造であって、前記エンドピースの各々は、前記サイドビームのうち2つのサイドビームの端部の間に接続され、前記サイドビームのうち2つのサイドビームにより形成される三角形の1つのコーナーを切り取り、前記エンドピースはそれぞれ頂部と、底部と、前記頂部及び前記底部の間に延在する対向する第1及び第2の主面と、前記頂部及び前記底部の間に、かつ前記第1及び第2の主面の間に延在する対向するサイドエッジとを含み、各サイドビームは、前記エンドピースのうちの第1のエンドピースのサイドエッジに第1端において接続され、前記エンドピースのうちの第2のエンドピースのサイドエッジに第2端において接続され、各エンドピースは、当該エンドピースの前記サイドエッジのうちの第1のサイドエッジにおいて前記サイドビームのうちの第1のサイドビームの端部に接続され、当該エンドピースの前記サイドエッジのうちの第2のサイドエッジにおいて前記サイドビームの第2のサイドビームの端部に接続される、測光構造と、
各々が前記エンドピースのうち1つのエンドピースの頂部にマウントされた第1の支柱マウントにマウントされた副鏡集光機構と、
前記副鏡集光機構にマウントされた副鏡支柱であって、副鏡支持部と、前記副鏡支持部により保持された副鏡と、前記副鏡を取り囲むバッフルと、前記副鏡及び前記副鏡支持部の上の熱シュラウドとを含む副鏡アセンブリを支持する、副鏡支柱と、
各々が前記エンドピースのうちの1つのエンドピースの底部にマウントされた第2の支柱マウントと、
各々が前記第2の支柱マウントのうち1つの第2の支柱マウントを主鏡支持部に接続する主鏡支柱と、
各々が前記第2の支柱マウントのうちの1つの第2の支柱マウントをベースに接続するベース支柱と、
各々が前記第2の支柱マウントのうちの1つの第2の支柱マウントを一以上の計器のハウジングに接続する計器支柱とを有する、
望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項16】
エンドピースの頂部はサイドビームの上側コーナーの上に延在する、
請求項15に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項17】
各サイドビームと各エンドピースは、補強せん断パネルを有する管状フレームにより形成される、請求項15に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項18】
各サイドビームの高さは、各サイドビームの中央領域で、各サイドパネルの端部より小さい、請求項15に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項19】
前記測光構造に結合されたすべての支柱は中心縦軸から同じ半径距離に接続される、請求項15に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【請求項20】
前記ベースは六角形フレームである、請求項15に記載の望遠鏡支持アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、宇宙望遠鏡のための改良された測光構造、より具体的には、より軽量かつより高剛性の測光構造に関する。
【背景技術】
【0002】
宇宙望遠鏡の収集領域および分解能を高める努力は、より大きな開口サイズを必要とする。開口が大きくなると、軽量化および/または高剛性化などの望遠鏡の構造的特性の改善が必要となる。大開口(50センチ以上)の光学望遠鏡は、視線のジッタを引き起こす振動に対して非常に敏感である。ジッタは、主として、光学素子およびセンサを支持する構造の構造的共振と結合した、モーメンタムホイール、作動中のソーラーアレイまたはアンテナ、またはクライオクーラーなどの振動外乱源の結果である。ジッタは、支持構造を強化して、周波数をオフセットすることによって、共振を外乱から分離することによって低減できることが多い。
【発明の概要】
【0003】
三角形フレーム測光構造は、3つのサイドビームと、各々がそのサイドビームのうちの2つの間に接続された3つのエンドピースとを含む。各エンドピースの頂部と底部は、支持荷重に接続するように構成され、すべての支持荷重は1つのエンドピースの頂部または底部において測光構造に接続されている。エンドプレート頂部にマウントされた副鏡集光機構は、副鏡支柱のペアを支持する。エンドピース底部の支柱マウントは、主鏡支柱、ベース支柱及び計器支柱のペアに接続される。測光構造に接続されたすべての支持荷重は、測光構造のコーナーのみに接続され、中心縦軸から同じ半径距離に接続される。測光構造は、軽量であるが、大開口望遠鏡を支持する高い剛性を有する。
【0004】
具体的な優位性を上記したが、様々な実施形態は上記の優位性のすべてまたは一部を含んでもよいし、全く含まなくてもよい。また、当業者には、下記の図面と説明を読めば、他の技術的利点も容易に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示およびその利点のより完全な理解のために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。同じ参照番号は同様の部分を表す。
【0006】
【
図1】本開示の実施形態による大開口望遠鏡のための高剛性測光構造を含む望遠鏡支持アセンブリを示す図である。
【0007】
【
図2】
図1の望遠鏡支持アセンブリ内の測光構造の斜視図である。
【0008】
【0009】
【
図2B】
図1、2および2Aの測光構造からのサイドビームの側面図である。
【0010】
【
図2B】
図1、2および2Aの測光構造からのエンドピースの側面図である。
【0011】
【
図3】本開示の実施形態による大開口望遠鏡のための高剛性測光構造を含む代替的な望遠鏡支持アセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
当然のことながら、例示的な実施形態を図面に示し、以下に説明するが、本開示の原理は、現在知られているか否かにかかわらず、任意数の技術を使用して実施され得る。本開示は、図面に示され、以下に説明される例示的な実施形態および技術に決して限定されるべきではない。さらに、特に断らない限り、図面に描かれた物は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。
【0013】
測光構造(「後測光構造」と呼ばれることもある)は、衛星その他の宇宙望遠鏡の望遠鏡サブシステム内の支持系の一部である。支持系は、望遠鏡を担持する輸送手段(vehicle)の外面にマウントされ、測光構造を含み、望遠鏡の主鏡アセンブリ、副鏡アセンブリ、および1つ以上の計器アセンブリを支持する。一般的な機械的支持の概念は、剛性ベースと、測光構造とから構成され、主鏡アセンブリを支持し、何らかの構造によって宇宙船の外部に直接取り付けられている。補助鏡アセンブリおよび1つ以上の計器アセンブリはすべて、測光構造(metering structure)によって支持される。
【0014】
測光構造は、高画質画像を得るために、高い剛性、高い寸法安定性(例えば、低い熱膨張係数)、および最小限の望遠鏡開口部閉塞を必要とする。測光構造は、鏡系を輸送手段上に維持し、望遠鏡構成部品を十分な精度で定位置に保持して、適切なアライメントと集光を保証する必要がある。円筒形、樽形または六角形サンドイッチパネル構造が、以前に提案された宇宙望遠鏡システムのより大きな望遠鏡支持系内の測光構造に最も一般的に用いられている。
【0015】
以下に説明する測光構造は、軽量構造で高い剛性を達成し、高周波数低振幅共振モードによる低ジッタをもたらす。低ジッタにより、モーメンタムホイールやクライオクーラーなど、望遠鏡に物理的に結合された外乱源から、より多くの振動を可能にする。計器は、計器サイズ、重量、または設計が異なっても変更する必要がない、構造的に効率的なインターフェースを介して支持されるので、開示の測光構造は、望遠鏡および計器のモジュール性を提供する。
【0016】
図1は、本開示の実施形態による大開口望遠鏡のための高剛性測光構造を含む望遠鏡支持アセンブリを示す図である。
図1に示すタイプの望遠鏡支持アセンブリは、一般的に、
図1の副鏡アセンブリ101として示されている、副鏡および副鏡サポート上の熱シュラウド(thermal shroud)と、主鏡および副鏡の一方または両方を取り囲み、これらの鏡上の散乱光の入射を減少させるバッフルとを含む。副鏡支持支柱103は副鏡アセンブリ101を支持する。これは、熱シュラウド、副鏡および副鏡サポート、および任意的にバッフルを含む。副鏡支持支柱103は、直接的に、または図示の例ではマウント構造104を介して間接的に、測光構造112上の1つの荷重を形成する。
図1の例では、測光構造112および関連する荷重は、概して例示を目的として描かれている。本実施形態では、好ましくは、
図2および
図2Aないし
図2Cに描かれた測光構造が、以下に説明するように荷重とともに使用される。副鏡支持支柱103は、移動可能な態様で測光構造112に接続されてもよい。
図1の例では、例えば、アライメント駆動管(図示せず)などの副鏡集光機構が接続され、測光構造112の各エンドピースの頂部に取り付けられたマウント構造104を動かすことができる。
【0017】
主鏡支持部107は、
図1では、測光構造112に直接支持されているように示されているが、代替的に、主鏡支柱106が、主鏡支持部107を支持していてもよい。これは主鏡支持部の一部を形成する。しかし、図示の例では、主鏡支持部107上の主鏡リング停止部105は、主鏡支柱106への間接的接続によって支持され、測光構造112の各エンドピースの底部のマウント構造108に接続されている。また、ベース支柱109のペアが、測光構造112の各エンドピースの底部に接続され、反対端で、輸送手段の外部に固定されたベース(例えば、六角形のフレーム)110に接続される。計器支柱111は、測光構造112のエンドピースに直接的または間接的に接続され、主鏡および副鏡から反射された光が集光される検出器アレイを含む、またはそれに結合された1つ以上の計器(
図1には図示せず)を支持する。
【0018】
当業者には言うまでもないが、上述した主鏡支持部および副鏡支持部は、それぞれ主鏡および副鏡の構成にそれぞれ依存する大きさおよび形状を有する物理的構造である。
【0019】
図2は、
図1の望遠鏡支持アセンブリ100内の測光構造112の斜視図であり、
図2Aは測光構造112の上面図であり、
図2Bは測光構造のサイドビームの側面図であり、
図2Cは測光構造112のエンドピースの側面図である。測光構造112は、
図2Aに示すように、概して三角形であり、3つのサイドビーム201、202、203と、3つのエンドピース204、205、206とにより構成される。三角形の一辺を形成するビーム201、202、203の各々は、約3インチの厚さと、約3対1の断面高さ対厚さのアスペクト比とを有する。薄い(約0.1インチ)のせん断パネルがビームに接着されている。3つのビーム201,202,203は、エンドピース204,205,206によって隅で接続され、3つのビーム201,202,203と同様の構造を有するタワー状のビームによって形成される。測光構造の荷重インターフェース、
図1のマウント構造104および108、またはそのような構造体の一方または両方がない場合の直接的な接続部は、エンドピース204,205および206の頂部および底部にのみ存在する。各エンドピース204,205、206はサイドビーム201,202,203のうち2つの端部の間に接続され、エンドピース204はサイドビーム202と203の端部の間に接続され、エンドピース205はサイドビーム201と203の端部の間に接続され、エンドピース206はサイドビーム201と202の端部の間に接続される。図示された例では、エンドピース204,205および206は、サイドビーム201,202および203によって形成された三角形の角を横切って延在し、これらの角を切り取られている。
【0020】
各サイドビーム201,202,203は、
図2Bに示されるサイドビーム202の形状を有する。サイドビーム201,202,203の高さは(例えば、それぞれのサイドパネルの底部207に対して)、サイドビームの中央領域208では、サイドビームの端部209,210よりも小さい。より高いコーナーを有し異なる高さは、様々な支柱接続のためのマウント構造104,108の取り付けを容易にすることができる。図示の例では、サイドビーム201,202,203の頂部の部分は、中央領域208の高さから端部209,210の最大高さに向かって傾斜している。
【0021】
各エンドピース204,205および206は、
図2Cに示されるエンドピース205の構造を有する。各エンドピース204,205および206は、支持荷重を接続するように構成された頂部212および底部213を有するほぼ長方形である。図示された例では、エンドピース204,205および206の頂部212は、サイドビーム201,202および203の端部209,210の上側コーナーに延在する。この延長部は、マウント構造104の、エンドピース204,205および206の頂部212への接続を容易にする。あるいは、エンドピース204、205及び206の頂部212は、端部209、210の最高点と同じ高さであってもよく、これらの端部209、210の上側コーナーにマウント構造104を受け入れるノッチを有してもよい。同様に、エンドピース204、205及び206の底部213は、サイドビーム201、202及び203の底部207より低く延在し、マウント構造108の接続を容易にしてもよい。
【0022】
図1に戻り、
図2、2Aないし2Cも参照して、測光構造112のエンドピース204、205及び206の頂部212と底部213は、望遠鏡支持アセンブリ中のすべての支持荷重を接続するように構成され、測光構造112に接続されるすべての支持荷重は、エンドピース204、205及び206の1つの頂部212か、エンドピース204,205及び206の1つの底部213のいずれかに接続される。この理由から、副鏡集光支柱は、エンドピース204,205および206のそれぞれの頂部212に直接的または間接的にマウントされることが好ましい。副鏡支柱はペアでマウントされ、上記の通り、副鏡支持部を含む副鏡アセンブリを支持する。副鏡は副鏡支持部などにより保持される。
【0023】
マウント構造108は、好ましくは、エンドピース204、205及び206のそれぞれの底部213にマウントされる。各マウント構造108は、主鏡支持部107に接続された主鏡支柱106と、ベース110に接続されたベース支柱109のペアと、一以上の計器のハウジング(図示せず)に接続された計器支柱111とに接続される。マウント構造104、108から測光構造112にかかる支持荷重は、三角形の測光構造112のコーナーにあるエンドピース204、205及び206にのみかかる。これは、具体的には、ベース支柱109と計器支柱111のみならず、主鏡支柱106と副鏡支柱103を通ってかかる支持荷重を含む。以前の設計では、支持荷重(例えば、主鏡支持部に関連するもの)を測光構造のサイドビームの長さに沿った点に接続していたので、支持荷重は3つのコーナーで本開示の測光構造112に接続されているだけであり、測光構造112は三角形フレームであればよかった。本開示の測光構造112三角足の途中では荷重は支持されないので、曲げ荷重が無くなり、軽量でも高剛性を実現できる。
【0024】
望遠鏡用の代替的な測光構造デザインは、大きな複合パネル構造を利用し、通常、上と下に表面板を有し、任意的にコアフィル(core fill)が充填されたサンドイッチパネルであり、及び/又は強度と剛性が必要なところにリブを有するカスタムデザインである。そのような代替的デザインでは、後方光学系または他の支持されたハードウェアが、測光構造にインターフェースされ、コーナー間の角間のスパンに沿って、測光構造の下側の様々な位置にある。大開口望遠鏡用の主鏡の支持部が、主鏡支持部上の3点を測光構造のスパンに沿った6点に接続する短い支柱を使用する場合、表面板によって囲まれた多数の内部パネルを有する非常に大きく重くかつ高価な複合構造が、通常、測光構造に必要である。さらに、主鏡支持支柱が、主鏡アセンブリと副鏡アセンブリの中心縦軸から適度な半径方向距離で測光構造に接続し、副鏡を支持する支柱が同じ測光構造に、主鏡支柱が接続される半径距離にまったく近くないより大きな半径で交わる場合、測光構造は、副鏡支柱と主鏡支柱との間で、非常に剛性的でなければならない。これはまた、測光構造が曲げ荷重に反作用し、ひいてはより大きな寸法を必要とし、測光構造を重くする。
【0025】
本開示の測光構造112は、支持荷重への接続のため、垂直で四角形のエンドピースを利用する。その点において、主鏡支柱と副鏡支柱の接続は、中心縦軸から同じ半径方向距離にある。主鏡支柱と副鏡支柱は、マウント支柱及び後方光学系/計器支持支柱と共に測光構造上の共通のコーナー位置に来るので、測光構造にくるすべての主要荷重は、その構造の3つのコーナーに集まる。すなわち、全部で4セットの支柱(運動学的インターフェース)が単純な三角形の測光構造の3つのコーナーに接続される。これにより、測光構造自体は3点を接続する剛性三角形以外の何者でもなく、測光構造が他のどのインターフェース位置において剛性を有する実質的な必要性はない。
【0026】
三角形のコーナー以外の場所では、本開示の測光構造112によって荷重が支持されないので、少なくとも三角形のサイドビームおよび任意的にエンドピースは、広い面積にわたるパネルである必要はなく、場合によっては内部トラスネットワークを備えた管状フレームによって実施されてもよい。望遠鏡の後方光学系は、3つのコーナーでのみ測光構造112とインターフェースする別個の構造で支持される。本開示の測光構造112はまた、モジュール性を実現し、測光構造が後方光学系の種類、設計、サイズまたは重量とは無関係である。
【0027】
図3は、本開示の実施形態による大開口望遠鏡のための高剛性測光構造を含む代替的な望遠鏡支持アセンブリを示す図である。エンドピース204,205及び206は、
図2Aないし
図2Cに示す背の高い長方形の形状を有する必要はない。
図3に示す代替的デザインでは、三角形測光構造312のエンドピースは、サイドビーム間に接続された単なる端部取り付け具(end fittings)であり、8つの支柱が(コーナーごとに)すべて、マウント構造304またはマウント構造308のこれら端部取り付け具の頂部または底部に取り付けられている。代替的なデザインでは、エンドピースは、三角形の測光構造312のコーナーに接続されたる単一のピースであり、サイドビームとほぼ同じ高さ(場合によっては僅かにわずかに高い)である。すなわち、代替的なデザインでは、測光構造312によって形成された三角形のコーナーは、
図1および
図2および
図2Aに示すように切り取られない。その代わりに、サイドビームは、実際の三角形を形成するのに十分に延長され、すべての副鏡支柱が他のすべての支柱のすべてと同じ点で、(端部フィッティングがエンドピースを構成する)コーナーで交差する。
図1に示す形状を有するデザインよりも構造的により効率的であるが、測光構造112,312に利用可能なスペースは、
図3の実施形態のようにサイドビームのそのような延長を可能にしないことがある。
【0028】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記の例示したシステム、装置及び方法に修正、追加、または削除をすることができる。例えば、システムおよび装置の構成要素は統合されていても、分離されていてもよい。さらに、本明細書で開示されるシステムおよび装置の動作は、より多くの、より少ない、または他の構成要素によって実行されてもよく、説明される方法は、より多くの、より少ない、または他のステップを含むことができる。また、ステップを任意の適切な順序で実行してもよい。本明細書では、「各」とは、セット(set)の各要素、またはセットのサブセット(subset)の各要素を指す。
【0029】
本出願における説明は、特定の要素、ステップ、または機能がクレーム範囲に含まれなければならない必須または重要な要素であることを暗示するものとして読まれるべきではない。さらに、これらの請求項のいずれも、「means for」または「step for」という言葉に機能を特定する単一の句が続かない限り、添付の特許請求の範囲または特許請求の範囲に関して、35USC§112(f)を呼び出すことを意図していない。特許請求の範囲における「機構」、「モジュール」、「装置」、「ユニット」、「構成要素」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」「プロセッサ」または「コントローラ」などの用語の使用は、特許請求の範囲自体の特徴によってさらに変更または改良され、当業者に知られている構造を指すと理解され、意図されており、35U.S.C.§112(f)を呼び出すことを意図するものではない。