(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理装置制御手段は、前記出納機管理手段から発行された作業指示情報を記憶するタイミングに基づいて前記作業指示情報に関する計時時間の計時を開始し、前記作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する前記保管庫が開操作される前に前記計時時間が所定の許容時間を超えると、前記保管庫をロック状態とすることを特徴とする請求項1または2記載の重要物管理システム。
前記管理装置制御手段は、前記計時時間が前記許容時間を超えた作業指示情報を前記出納機管理手段に送信し、前記出納機管理手段は、前記作業指示情報の実行状況を未処理終了とすることを特徴とする請求項3記載の重要物管理システム。
前記出納機管理手段は、前記出納機入力手段に新たな作業指示情報が入力された際、前記出納機入力手段に入力された新たな作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報が未処理終了の作業指示情報に含まれている場合に、警告手段により警告することを特徴とする請求項4記載の重要物管理システム。
前記出納機管理手段は、前記出納機入力手段に締め上げ操作が入力されると、実行状況が未処理終了の作業指示情報がある場合に警告手段により警告することを特徴とする請求項1、4、5のいずれか一項記載の重要物管理システム。
前記出納機管理手段は、前記出納機入力手段に所定の解除操作が入力されると実行状況が未処理終了の作業指示情報を消去することを特徴とする請求項1、4から6のいずれか一項記載の重要物管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の重要物管理システムにおいて、特に出納機に入力された操作に基づいて、これとは離れて設置される重要物管理装置に対し入出庫が行われる場合に、入出庫作業が忘れられてしまう可能性がある。
【0005】
したがって、本発明は、重要物管理装置の入出庫作業の実行状況を管理することができる重要物管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、閉状態でロックされて被管理物の保管を行う保管庫を複数有する重要物管理装置と、前記重要物管理装置に通信可能に接続されるとともに貨幣類を取り扱う出納機とを備え、前記出納機は、前記保管庫を識別可能な保管庫関連識別情報と使用者を識別可能な使用者関連識別情報とを含む前記重要物管理装置への作業指示情報が入力され、入力された使用者関連識別情報に基づいて使用者を特定する出納機入力手段と、前記出納機入力手段への入力に基づく作業指示情報を前記重要物管理装置へ発行するとともに作業指示情報の実行状況を管理する出納機管理手段と、を有し、前記出納機入力手段は、前記使用者に応じて、前記作業指示情報に含める保管庫関連識別情報として入力が可能な保管庫関連識別情報と、前記作業指示情報に含める保管庫関連識別情報として入力が不可な保管庫関連識別情報とが設定されており、前記重要物管理装置は、入力された使用者関連識別情報に基づいて使用者を特定する管理装置使用者特定手段と、前記管理装置使用者特定手段の特定結果に基づいて前記保管庫のロックを解除する管理装置制御手段と、を有し、前記管理装置制御手段は、
前記出納機管理手段から発行された作業指示情報を受信すると、前記出納機管理手段から発行された作業指示情報を記憶するとともに、前記作業指示情報に関する計時時間の計時を開始し、前記管理装置使用者特定手段が使用者を特定した使用者関連識別情報と、前記記憶している作業指示情報に含まれる使用者関連識別情報とが一致する場合に、前記記憶している作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する前記保管庫のロックを解除するとともに、前記保管庫の開閉操作を検知すると前記作業指示情報の実行完了を前記出納機管理手段に送信し、前記作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する前記保管庫が開操作される前に前記計時時間が所定の許容時間を超えると、前記計時時間が前記許容時間を超えた作業指示情報を前記出納機管理手段に送信し、前記出納機管理手段は、前記作業指示情報を受信すると、前記作業指示情報の実行状況を未処理終了とし、前記出納機入力手段に新たな作業指示情報が入力された際、前記出納機入力手段に入力された新たな作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報が未処理終了の作業指示情報に含まれている場合に、警告手段により警告することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、閉状態でロックされて被管理物の保管を行う保管庫を複数有する重要物管理装置と、前記重要物管理装置に通信可能に接続されるとともに貨幣類を取り扱う出納機とを備え、前記出納機は、前記保管庫を識別可能な保管庫関連識別情報と使用者を識別可能な使用者関連識別情報とを含む前記重要物管理装置への作業指示情報が入力され、入力された使用者関連識別情報に基づいて使用者を特定する出納機入力手段と、前記出納機入力手段への入力に基づく作業指示情報を前記重要物管理装置へ発行するとともに作業指示情報の実行状況を管理する出納機管理手段と、を有し、前記出納機入力手段は、前記使用者に応じて、前記作業指示情報に含める保管庫関連識別情報として入力が可能な保管庫関連識別情報と、前記作業指示情報に含める保管庫関連識別情報として入力が不可な保管庫関連識別情報とが設定されており、前記重要物管理装置は、入力された使用者関連識別情報に基づいて使用者を特定する管理装置使用者特定手段と、前記管理装置使用者特定手段の特定結果に基づいて前記保管庫のロックを解除する管理装置制御手段と、を有し、前記管理装置制御手段は、前記出納機管理手段から発行された作業指示情報を記憶し、前記管理装置使用者特定手段が使用者を特定した使用者関連識別情報と、前記記憶している作業指示情報に含まれる使用者関連識別情報とが一致し、前記記憶している作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する前記保管庫の入庫及び出庫の区別と金額データとが入力された場合に、前記保管庫のロックを解除するとともに、前記保管庫の開閉操作を検知すると前記作業指示情報の実行完了と前記入庫及び出庫の区別と前記金額データとを前記出納機管理手段に送信することを特徴とする。
【0008】
請求項
3に係る発明は、請求項
1または2に係る発明において、前記管理装置制御手段は、前記出納機管理手段から発行された作業指示情報を記憶するタイミングに基づいて
前記作業指示情報に関する計時時間の計時を開始し、
前記作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する前記保管庫が開操作される前に前記計時時間が所定の許容時間を超えると、
前記保管庫をロック状態とすることを特徴とする。
【0009】
請求項
4に係る発明は、請求項
3に係る発明において、前記管理装置制御手段は、前記計時時間が前記許容時間を超えた作業指示情報を前記出納機管理手段に送信し、
前記出納機管理手段は
、前記作業指示情報の実行状況を未処理終了とすることを特徴とする。
【0010】
請求項
5に係る発明は、請求項
4に係る発明において、前記出納機管理手段は、
前記出納機入力手段に新たな作業指示情報が入力された際、前記出納機入力手段に入力された
新たな作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報が未処理終了の作業指示情報に含まれている場合に、警告手段により警告することを特徴とする。
【0011】
請求項
6に係る発明は、請求項
1、4、5のいずれか一項に係る発明において、前記出納機管理手段は、前記出納機入力手段に締め上げ操作が入力されると、
実行状況が未処理終了の作業指示情報がある場合に警告手段により警告することを特徴とする。
【0012】
請求項
7に係る発明は、請求項
1、4から
6のいずれか一項に係る発明において、前記出納機管理手段は、前記出納機入力手段に所定の解除操作が入力されると
実行状況が未処理終了の作業指示情報を消去することを特徴とする。
【0013】
請求項
8に係る発明は、請求項
1、3から
7のいずれか一項に係る発明において、前記許容時間は
、設定変更可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項
9に係る発明は、請求項
1、3から
8のいずれか一項に係る発明において、前記許容時間は
、前記使用者関連識別情報毎に設定可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1
,2に係る発明によれば、出納機の出納機入力手段に保管庫を識別可能な保管庫関連識別情報と使用者を識別可能な使用者関連識別情報とを含む作業指示情報が入力されると、出納機管理手段がこの作業指示情報を重要物管理装置に発行し、重要物管理装置の管理装置制御手段がこの作業指示情報を記憶する。重要物管理装置において、管理装置使用者特定手段が入力された使用者関連識別情報に基づいて使用者を特定すると、管理装置制御手段は、この使用者関連識別情報と、記憶している作業指示情報に含まれる使用者関連識別情報とが一致する場合に、この作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する保管庫のロックを解除する。これにより、この保管庫に対する入出庫が可能となる。また、この保管庫の開閉操作を検知すると、管理装置制御手段が、この作業指示情報の実行完了を出納機管理手段に送信し、出納機管理手段がこの実行完了を含む作業指示情報の実行状況を管理する。したがって、重要物管理装置の入出庫作業の実行状況を管理することができる。
【0017】
また、重要物の種別によって、出納機入力手段への保管庫関連識別情報の入力が可能な保管庫と、出納機入力手段への保管庫関連識別情報の入力が不可な保管庫とを分けて使用することができる。
【0018】
請求項
3に係る発明によれば、管理装置制御手段が、出納機管理手段から発行された作業指示情報を記憶するタイミングに基づいてこの作業指示情報に関する計時時間の計時を開始し、この作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する保管庫が開操作される前に計時時間が所定の許容時間を超えると、この保管庫をロック状態とする。このため、保管庫が作業指示から許容時間を超えてロック解除可能な状態に維持されてしまうことを規制できる。よって、セキュリティ性が向上する。
【0019】
請求項
4に係る発明によれば、計時時間が許容時間を超えた作業指示情報があると、出納機管理手段がこの作業指示情報の実行状況を未処理終了とすることになるため、計時時間が許容時間を超えた作業指示情報を、出納機側で管理できる。
【0020】
請求項
5に係る発明によれば、出納機入力手段に入力された作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報が、記憶している未処理終了の作業指示情報に含まれている場合に、出納機管理手段が警告手段によって警告するため、未処理の入出庫がある保管庫に対する新たな作業指示情報の入力を抑制することができる。
【0021】
請求項
6に係る発明によれば、出納機入力手段に締め上げ操作が入力されると、出納機管理手段が、記憶している未処理終了の作業指示情報がある場合に、警告手段によって警告するため、未処理の入出庫があることを作業者に認識させることができる。
【0022】
請求項
7に係る発明によれば、出納機入力手段に所定の解除操作が入力されれば、出納機管理手段が、未処理終了の作業指示情報を消去することになる。
【0023】
請求項
8に係る発明によれば、許容時間が設定変更可能であるため、入出庫が未処理の保管庫をロック状態とするまでの時間の設定自由度が向上する。
【0024】
請求項
9に係る発明によれば、許容時間が使用者関連識別情報毎に設定可能であるため、入出庫が未処理の保管庫をロック状態とするまでの時間の設定自由度が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一実施形態に係る重要物管理システムを図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る重要物管理システム1は、
図1に示すように、金融機関等の店舗の建屋2の例えば執務室3のフロア4上に別途設置されるオープン型の重要物管理装置11と、同じく執務室3のフロア4上に別途設置される出納機15とを有している。これら重要物管理装置11と出納機15とは通信ケーブル16を介して互いに通信可能に接続されている。なお、設置の形態はこれに限られるものではなく、例えば、重要物管理装置11と出納機15とを建屋2の別の部屋に設置する等の変更も可能である。
【0028】
建屋2の例えば顧客対応室5のフロア6上には、テラーが使用する窓口機17および顧客が使用するATM19が別途設置されており、出納機15は、各窓口機17に通信ケーブル18を介して通信可能に接続され、各ATM19にも通信ケーブル20を介して通信可能に接続されている。
【0029】
重要物管理装置11は、
図2に示すように、コンポーネント化された複数個の耐火構造の保管庫21が選択的に組み合わせられて一体に構成されてなる組立体22を備えている。保管庫21は、被管理物の保管を行うもので、管理種別毎に設けられている。保管庫21は、大小異なる二つの大きさのものがあり、大きいものには、縦長および横長の二種類がある。
【0030】
具体的に、組立体22は、前面側に引き出される引き出し開閉式であって被管理物としての通帳を収納し保管する保管部24(A)が上下に二段設けられた小の保管庫21(A)と、前面側に引き出される引き出し開閉式であって被管理物としての大束紙幣、小束紙幣、棒金およびバラ紙幣を収納し保管する保管部24(B)が上下に二段設けられた横長の大の保管庫21(B)と、前面側に引き出される引き出し開閉式であって被管理物としてのバラ硬貨を収納し保管する保管部24(C)が上下に二段設けられた横長の大の保管庫21(C)とを有している。
【0031】
複数の保管部24(A)には、それぞれ、複数冊の通帳が収納可能となっている。また、複数の保管部24(B)には、それぞれ、大束紙幣、小束紙幣、棒金およびバラ紙幣が適宜組み合わせられて複数収納されるようになっている。複数の保管部24(C)には、それぞれ、複数のバラ硬貨が収納可能となっている。
【0032】
また、組立体22は、個々に対応する被管理物としての鍵を保持する保管部24(D)が前面側に複数設けられた小の保管庫21(D)と、前面側に引き出される引き出し開閉式であって個々に対応する被管理物としてのIDカードを収納し保管する保管部24(E)が複数設けられた小の保管庫21(E)と、前面側に引かれて揺動する片側扉の揺動開閉式であって、図示略の鍵を保持する鍵保持部が複数設けられた被管理物としての鍵管理機23(h)を収納し保管する保管部24(F)が一カ所のみ設けられた縦長の大の保管庫21(F)とを有している。また、組立体22は、前面側に引き出される引き出し開閉式の保管部24(H)が上下に二段設けられた小の保管庫21(H)を有している。保管部24(H)には、被管理物としての金券を収納保管可能となっている。
【0033】
また、組立体22は、前面側に引かれて揺動する片側扉の揺動開閉式の保管部24(G)が一カ所のみ設けられた小の保管庫21(G)と、前面側に引かれて揺動する両側扉の揺動開閉式の保管部24(I)が一カ所のみ設けられた小の保管庫21(I)と、前面側に引かれて揺動する両側扉の揺動開閉式および前面側に引き出される引き出し開閉式の二種類の保管部24(J)が組み合わされた小の保管庫21(J)と、前面側に引かれて揺動する片側扉の揺動開閉式の保管部24(K)が一カ所のみ設けられた縦長の大の保管庫21(K)と、前面側に引き出される引き出し開閉式の保管部24(L)が上下に二段設けられた縦長の大の保管庫21(L)とを有している。
【0034】
ここで、小の保管庫21は、正面視正方形をなしており、大の保管庫21は、小の保管庫21と奥行きは同じであるものの、その一つが、小の保管庫21を複数、具体的には二つ組み合わせたものと正面視が同じ大きさとなっている。よって、大の縦長の保管庫21に対して同じ高さ範囲に二つの小の保管庫21を上下に配置するとこれらの高さが一致することになり、大の横長の保管庫21に対して同じ幅範囲に二つの小の保管庫21を左右に配置するとこれらの幅が一致することになる。保管庫21は、少なくとも大小異なる二つの大きさのものがあれば良く、例えば、大小異なる三つ以上の大きさのものがあっても良い。大小異なる三つの大きさの保管庫21がある場合、大の保管庫21を小の保管庫21の三つを並べた大きさとし、中の保管庫21を小の保管庫21の二つを並べた大きさとしたり、大の保管庫21を小の保管庫21の四つを並べた大きさとし、中の保管庫21を小の保管庫21の二つを並べた大きさとしたりすることができる。
【0035】
各保管部24には、それぞれを個別に閉状態でロックする電磁式の
図3に示すロック機構27が設けられており、このロック機構27は、ロック解除信号が入力されると
図2に示す保管部24が開放可能となるようにロックを解除する一方、ロック信号が入力されると保管部24を閉状態でロックする。また、各保管部24には、それぞれの開閉状態を検出する
図3に示す開閉検知センサ28が設けられている。
【0036】
具体的には、通帳を保管する
図2に示す保管庫21(A)の各保管部24(A)には、それぞれ
図1に示すロック機構27(A)および開閉検知センサ28(A)が設けられている。同様に、大束紙幣、小束紙幣、棒金硬貨およびバラ紙幣を収納保管する各保管部24(B)には、それぞれロック機構27(B)および開閉検知センサ28(B)が設けられている。同様に、バラ硬貨を保管する各保管部24(C)には、それぞれロック機構27(C)および開閉検知センサ28(C)が設けられている。
【0037】
鍵を保管する各保管部24(D)には、それぞれ鍵を装着状態である閉状態でロックするロック機構27(D)および装着状態である閉状態にあるか取り外し可能な開状態にあるかを検知する開閉検知センサ28(D)が設けられている。IDカードを保管する各保管部24(E)には、それぞれロック機構27(E)および開閉検知センサ28(E)が設けられている。鍵管理機23(h)を保管する保管部24(F)には、ロック機構27(F)および開閉検知センサ28(F)が設けられている。金券を保管する保管部24(H)には、ロック機構27(H)および開閉検知センサ28(H)が設けられている。
【0038】
同様にして、保管庫21(G)の保管部24(G)には、それぞれロック機構27(G)および開閉検知センサ28(G)が設けられ、保管庫21(I)の保管部24(I)には、それぞれロック機構27(I)および開閉検知センサ28(I)が設けられている。保管庫21(J)の保管部24(J)には、それぞれロック機構27(J)および開閉検知センサ28(J)が設けられ、保管庫21(K)の保管部24(K)には、それぞれロック機構27(K)および開閉検知センサ28(K)が設けられている。保管庫21(L)の保管部24(L)には、それぞれロック機構27(L)および開閉検知センサ28(L)が設けられている。
【0039】
また、重要物管理装置11は、
図2に示すように前面側に、使用者により操作入力が行われる操作部(管理装置使用者特定手段)35および使用者に表示を行う液晶画面等からなる表示部36が設けられ、重要物管理装置11を制御する
図3に示す制御部(管理装置使用者特定手段,管理装置制御手段)37と、制御プログラム等を記憶するROM38と、重要物管理装置11の各保管部24内に保管される貨幣類の在高データ等を記憶するRAM(管理装置使用者特定手段)39とを内蔵する
図2に示す一つの制御ユニット40を有している。この制御ユニット40は、操作部35、表示部36、制御部37、ROM38およびRAM39を一体に有してコンポーネント化されており、小の保管庫21と正面視で同じ大きさをなしている。
【0040】
そして、重要物管理装置11は、この一つの制御ユニット40に複数個の保管庫21が選択的に組み合わせられて構成されるようになっている。操作部35は、キーボード41およびカードリーダ42を有している。また、制御ユニット40は、上記した通信ケーブル16を介して出納機15との間でデータを送受信する
図3に示す送受信部43を有している。RAM39は、入出庫により変動する重要物管理装置11の入出庫データおよびこれに基づく重要物管理装置11の在高データ、使用者関連識別情報のマスタデータおよび出納機15から発行された作業指示情報等を記憶する。
【0041】
また、重要物管理装置11は、
図2に示すように、小の保管庫21と同じ大きさにコンポーネント化されたフリー空間形成体45を有している。ここで、重要物管理装置11は、上記した制御ユニット40に複数個の保管庫21が選択的に組み合わせられて全体として正面視が矩形状をなすことになり、その際に、制御ユニット40も保管庫21も配置されない部分を埋めるようにフリー空間形成体45が配置される。フリー空間形成体45は枠状をなしており、内側が空間となっている。フリー空間形成体45が配置されたスペースには、これと交換する形で、後に保管庫21を追加可能となっている。
【0042】
そして、制御ユニット40と、複数個の保管庫21およびフリー空間形成体45の適宜のものとが、前面を揃えた状態で、隣り合うもの同士が図示略の連結具で連結されることで、正面視矩形状をなす組立体22が組み上がることになる。
【0043】
具体的に、
図2に示す組立体22には、通帳を収納する小の保管庫21(A)が正面から見て左側の上側に上下二段に設けられており、その下側に縦長の大の保管庫21(L)が一つ設けられている。また、これら保管庫21(A)および保管庫21(L)の右隣に、縦長の大の保管庫21(K)が上下二段に設けられ、これらの右隣に、上側から順に、制御ユニット40、フリー空間形成体45、小の保管庫21(H)、小の保管庫21(G)が設けられている。また、これらの右隣に、上側から順に、小の保管庫21(D)、小の保管庫21(E)、小の保管庫21(J)、小の保管庫21(I)が設けられ、これらの右隣に、上側から順に、小の保管庫21(D)、小の保管庫21(E)、横長の大の保管庫21(B)、横長の大の保管庫21(C)が設けられている。小の保管庫21(D)、小の保管庫21(E)の右隣であって、横長の大の保管庫21(B)の上側に、縦長の大の保管庫21(F)が設けられている。
【0044】
さらに、この組立体22の後側には、各保管庫21と制御ユニット40とを通信可能に接続する通信ケーブル等を配索するための
図1に示す配索スペース形成カバー47が図示略の連結具で一体的に取り付けられており、これら組立体22および配索スペース形成カバー47で重要物管理装置11が構成されている。なお、高さおよび横幅の異なる配索スペース形成カバー47が複数種類準備されることになり、いずれかの配索スペース形成カバー47と正面視の大きさが合うように、制御ユニット40と、複数個の保管庫21とを組み合わせ、必要によりフリー空間形成体45をも組み合わせる。例えば、
図2に示す、小の保管庫21の四つ分の高さおよび小の保管庫21六つ分の幅を有する組立体22の背面を覆う、小の保管庫21の四つ分の高さおよび小の保管庫21の六つ分の幅を有する
図1に示す配索スペース形成カバー47の他に、例えば、小の保管庫21の四つ分の高さおよび小の保管庫21の五つ分の幅を有する配索スペース形成カバー47、小の保管庫21の四つ分の高さおよび小の保管庫21の四つ分の幅を有する配索スペース形成カバー47、小の保管庫21の四つ分の高さおよび小の保管庫21の三つ分の幅を有する配索スペース形成カバー47、小の保管庫21の三つ分の高さおよび小の保管庫21の六つ分の幅を有する配索スペース形成カバー47等を、必要に応じて準備する。
【0045】
上記のようにして組み立てられた重要物管理装置11が配索スペース形成カバー47を壁に近接させて例えば執務室3のフロア4上に設置されることになり、これにより、重要物管理装置11の制御ユニット40の前面および複数個の保管庫21の前面が執務室3の室内側に向いて設置されることになる。なお、重要物管理装置11には必要により下部に
図2に示す転動ロック付きのキャスタ48が取り付けられることになり、フロア4上での移設が可能になっている。
【0046】
図4に示す出納機15は、被管理物のうちの紙幣、硬貨および金券等の貨幣類を取り扱うもので、金融機関等の店舗に設置されて店舗全体の貨幣処理を管理するものである。出納機15は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行うものである。
【0047】
出納機15は、紙幣についての入出金処理等を行う紙幣処理装置55と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置56と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置57とが左右に並設されて構成されている。
【0048】
紙幣処理装置55は、その前面側の上部に、機外からバラ紙幣が投入されるとともに機内から出金用のバラ紙幣が繰り出されるバラ紙幣入出金口60が設けられている。バラ紙幣入出金口60の下側には、入金処理で受け付け不可と判定された入金リジェクト紙幣が機内から繰り出される入金リジェクト口61が設けられている。バラ紙幣入出金口60よりも上側には、機内でバラ紙幣を所定枚数集積して結束してなる小束紙幣を機外に取り出し可能とする束出金口62が設けられている。
【0049】
新券処理装置56には、その前面側の上部に、機内から出金用の新券のバラ紙幣が繰り出される新券出金口65が設けられている。
【0050】
硬貨処理装置57は、その前面側の上部に、機外からバラ硬貨が投入されるバラ硬貨入金口68が設けられている。バラ硬貨入金口68の下側には、入金処理で受け付け不可と判定された入金リジェクト硬貨が機内から繰り出される入金リジェクト口69が設けられている。入金リジェクト口69の下側には、機内から出金用のバラ硬貨が繰り出されるバラ硬貨出金口70が設けられている。前面側の上部には、機内でバラ硬貨を所定枚数集積して包装してなる棒金硬貨を機外に取り出し可能とする棒金出金口71が設けられている。
【0051】
出納機15は、硬貨処理装置57の上部に、使用者により操作入力が行われる操作部(出納機入力手段)75と、使用者に表示を行う液晶画面等からなる表示部(警告手段)76とを有しており、操作部75は、キーボード81およびカードリーダ82を有している。出納機15は、
図3に示すように、出納機15を制御する制御部(出納機管理手段)77と、制御プログラム等を記憶するROM78と、出納機15内の在高データ等を記憶するRAM(出納機管理手段)79と、上記した通信ケーブル16を介して重要物管理装置11との間でデータを送受信する送受信部80とを有している。送受信部80は、通信ケーブル18を介して店舗内のすべての窓口機17との間でデータを送受信可能となっており、通信ケーブル20を介して店舗内のすべてのATM19との間でデータを送受信可能となっている。
【0052】
出納機15のRAM79は、出金および入金で変動する出納機15内の貨幣類の在高データと、重要物管理装置11から送信され送受信部80で受信した重要物管理装置11内の貨幣類の在高データと、各窓口機17から送信され送受信部80で受信した各窓口機17内の貨幣類の在高データと、各ATM19から送信され送受信部80で受信した各ATM19内の貨幣類の在高データと、出納機15から出金および入金される際に操作部75に入力される手元管理の貨幣類の在高データとを記憶する。これにより、出納機15は、店舗内のすべての貨幣類の在高データを一元管理するようになっている。また、RAM79は、使用者関連識別情報のマスタデータ、作業指示情報およびその実行状況等を記憶する。
【0053】
重要物管理装置11の一の入出庫処理の実行に当たっては、まず、使用者が、出納機15において操作部75に使用者関連識別情報を入力することになる。ここで、使用者関連識別情報は、個々の使用者を識別可能なもので、具体的には個々の使用者のそれぞれに付与された使用者識別番号等である。この使用者関連識別情報の入力は、キーボード81への使用者ID番号の入力や、カードリーダ82への使用者IDカードの走査によって行われる。使用者関連識別情報が入力されると、制御部77は、RAM79のマスタデータと照らし合わせてこの入力された使用者関連識別情報と一致する使用者関連識別情報がRAM79のマスタデータに存在しているか否かを判断する。制御部77は、入力された使用者関連識別情報と一致する使用者関連識別情報がRAM79に存在していなければ、入力された使用者関連識別情報が適正でない旨を表示部76に表示させる。
【0054】
制御部77は、入力された使用者関連識別情報と一致する使用者関連識別情報がRAM79に存在すれば、使用者がこの使用者関連識別情報を有する使用者であることを特定することになり、この特定された使用者関連識別情報に関連付けてRAM79に記憶されている、重要物管理装置11において出庫(取り出し)および入庫(投入)可能な保管庫21の保管庫関連識別情報を読み出し、これら保管庫関連識別情報の中から、使用者に出庫あるいは入庫する保管庫関連識別情報の操作部75への選択入力を促す表示を表示部76に表示させる。保管庫関連識別情報は、個々の保管庫21を識別可能なもので、個々の保管庫21のそれぞれに付与された識別番号や、保管庫21毎の管理種別の識別情報等である。
【0055】
ここで、この使用者関連識別情報に関連してRAM79に記憶されている入出庫可能な保管庫21の保管庫関連識別情報は、例えば使用者関連識別情報が一般職員である場合と管理職員である場合とで異なる。一般職員である場合は、入出庫可能な保管庫21と入出庫不可な保管庫21とがあり、管理職員である場合、すべての保管庫21が入出庫可能となっている。よって、言い換えれば、使用者関連識別情報が一般職員である場合に、複数の保管庫21は、出納機15の操作部75への保管庫関連識別情報の入力が可能な保管庫と、出納機15の操作部75への保管庫関連識別情報の入力が不可な保管庫とからなっている。
【0056】
上記の表示にしたがって、使用者が、出庫あるいは入庫する保管庫21の保管庫関連識別情報の選択操作を操作部75に入力する保管庫選択入力操作を行う。つまり、操作部75には、このような保管庫21の保管庫関連識別情報(例えば保管庫21(B)を示す保管庫関連識別情報B。以下、具体例をこのように括弧書きで示す)と、上記した使用者を識別可能な使用者関連識別情報(例えば所定の使用者を示す使用者関連識別情報X)とを含む重要物管理装置11への作業指示情報が入力される。すると、制御部77は、入力された保管庫関連識別情報(保管庫関連識別情報B)と、今回の前記一の入出庫処理において使用者を特定した使用者関連識別情報(使用者関連識別情報X)とを含んだ、重要物管理装置11への今回の前記一の入出庫処理に関連する一の作業指示情報に作業指示情報識別情報(作業指示情報識別情報Z)を付与し、これを送受信部80から重要物管理装置11の送受信部43に送信する。つまり、制御部77は、操作部75への入力に基づく作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)を重要物管理装置11へ発行する。また、制御部77は、前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)の実行が待機中であることを示す実行状況をこの一の作業指示情報と関連づけてRAM79に記憶させる。
【0057】
上記した使用者関連識別情報および保管庫21の保管庫関連識別情報を含む前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)を送受信部43で受信すると、重要物管理装置11の制御部37は、この一の作業指示情報をRAM39に記憶させるとともに、この一の作業指示情報に関連付けて計時時間の計時を開始する。つまり、制御部37は、出納機15の制御部77から発行された作業指示情報を記憶するタイミングに基づいて当該作業指示情報に関する計時時間の計時を開始する。
【0058】
重要物管理装置11においては、入出庫処理に当たって、使用者が操作部35に使用者関連識別情報を入力することになる。制御部37は、入力された使用者関連識別情報と一致する使用者関連識別情報がRAM39のマスタデータに存在するという特定結果が得られれば、使用者がこの使用者関連識別情報を有する使用者であることを特定することになり、この特定された使用者関連識別情報を含んでRAM39に一時記憶されている、例えば前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)を読み出して表示部36に表示させる。それとともに、制御部37は、この作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報(保管庫関連識別情報B)に対応する保管庫21(保管庫21(B))が貨幣類を入出庫可能な保管庫21(A),21(B),21(C),21(H)のいずれかである場合には、入庫であるのか出庫であるのかの選択入力と管理種別毎の金額データとの入力を促す表示を表示部36に表示させる。これを見て使用者が操作部35へ入庫・出庫の区別と管理種別毎の金額データとを入力すると、制御部37は、この作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)に含まれている保管庫関連識別情報(保管庫関連識別情報B)を有する保管庫21(保管庫21(B))の保管部24(保管部24(B))に対しそのロック機構27(ロック機構27(B))にロック解除信号を出力してロックを解除する。
【0059】
計時時間が所定の許容時間内にある状態で、ロックが解除された保管庫21(保管庫21(B))の保管部24(保管部24(B))に対して、使用者が、これを開操作して、被管理物の出庫および入庫の少なくともいずれか一方を行い、この保管部24(保管部24(B))を閉じる。すると、この保管部24(保管部24(B))に設けられた開閉検知センサ28(開閉検知センサ28(B))がこの保管部24(保管部24(B))が一旦開状態になった後に閉状態になったこと、つまり開閉操作を検知することになり、これにより、制御部37は、この保管部24(保管部24(B))に設けられたロック機構27(ロック機構27(B))にロック信号を出力して保管庫21(保管庫21(B))の保管部24(保管部24(B))をロックするとともに、今回の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)の実行状況が実行完了であることを示す実行完了情報を送受信部43から出納機15の送受信部80に送信する。なお、制御部37は、前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)に対応してロックが解除された保管庫21(保管庫21(B))の保管部24(保管部24(B))が開状態となったことを開閉検知センサ28(開閉検知センサ28(B))が検知すると、この一の作業指示情報に関連付けされた計時時間の計時を停止しこの計時時間をリセットする。
【0060】
出納機15では、上記の実行完了情報を送受信部80を介して制御部77が受信することになり、その結果、制御部77は、RAM79に前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)に関連づけて記憶されている、実行が待機中であることを示す実行状況を、実行が完了したことを示す実行完了の実行状況に更新記憶する。さらに、制御部37は、操作部35へ入力された入庫・出庫の区別と管理種別毎の金額データとを、送受信部43を介して出納機15の送受信部80に送信する。すると、出納機15では、送受信部80を介して制御部77がこのデータを受信することになり、これ基づいて、制御部77は、RAM79に記憶されている重要物管理装置11の在高情報を更新する。
【0061】
なお、ロックが解除された保管庫21が保管部24を複数有している場合には、少なくとも一方の保管部24が開状態とされた後に、すべての保管部24が閉状態になったことを各開閉検知センサ28で検出すると、制御部37は、すべての保管部24のロック機構27にロック信号を出力してこれらをロックすることになる。
【0062】
以上により、重要物管理装置11の制御部37は、出納機15の制御部77から発行された作業指示情報をRAM39に記憶する。また、制御部37は、操作部35に入力された使用者関連識別情報に基づいて使用者を特定すると、この特定した使用者関連識別情報と、RAM39に記憶されている作業指示情報に含まれる使用者関連識別情報とが一致する場合に、当該作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する保管庫21の保管部24のロックを解除するとともに、この保管庫21の開閉操作を検知するとこの作業指示情報の実行状況を出納機15の制御部77に出力する。制御部77は、これに基づいてRAM79に記憶されているこの作業指示情報の実行状況を書き換える。
【0063】
他方で、重要物管理装置11の制御部37は、例えば前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)に関連付けされた計時時間が、前記一の作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報(保管庫関連識別情報B)に対応する保管庫21(保管庫21(B))の保管部24(保管部24(B))が開操作される前に所定の許容時間を超えると、前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)に含まれる保管庫関連識別情報(保管庫関連識別情報B)に対応する保管庫21(保管庫21(B))のすべての保管部24(保管部24(B))のロック機構27(ロック機構27(B))にロック信号を出力してこれらをロックしロック状態とする。それとともに、制御部37は、計時時間が許容時間を超えた前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)を送受信部43を介して出納機15の送受信部80に送信する。ここで、一つの保管庫21に複数の保管部24がある場合には、複数の保管部24のうちの少なくとも一つが開操作されれば計時時間の計時を終了することになり、複数の保管部24のうちの少なくとも一つが開操作される前に計時時間が所定の許容時間を超えると、これら保管部24のすべてをロック状態とする。
【0064】
出納機15では、計時時間が許容時間を超えた前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)を送受信部80を介して制御部77が受信すると、制御部77はRAM79に記憶されている前記一の作業指示情報(作業指示情報識別情報Z,使用者関連識別情報X,保管庫関連識別情報Bを含む)に関連づけて記憶されている、実行が待機中であることを示す実行状況を、実行が未完了で終了したことを示す未処理終了の実行状況に更新記憶する。以上の計時時間は、使用者関連識別情報毎に設定可能であり、例えば、使用者関連識別情報が一般職員である場合と管理職員である場合とで異ならせて、一般職員である場合に比べて管理職員である場合を長くすること等が可能である。
【0065】
制御部77は、その後、出納機15の操作部75に新たに作業指示情報が入力されると、この作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報を、RAM79に記憶されている未処理終了の作業指示情報の保管庫関連識別情報と照合し、未処理終了の作業指示情報に含まれている保管庫関連識別情報に一致するものがある場合、表示部76により未処理終了の入出庫処理がある旨の警告表示を行わせる。これにより、操作者は未処理終了の作業指示情報について適正であるか否かを確認する。この場合、新たに入力された作業指示情報については、後述する消去処理が行われない限り、以降の処理は行わず待機する。つまり入力は受け付けない。制御部77は、表示部76により未処理終了の入出庫処理がある旨の警告表示を行わせた後は、操作部75に所定の解除操作が入力されると、実行状況が未処理終了である作業指示情報を消去する消去処理を行う。
【0066】
ここで、出納機15において、操作部75に締め上げ操作が入力されると、制御部77は、RAM79に記憶されている出納機15内の在高データと各窓口機17内の在高データと各ATM19の在高データとを加算する等の締め上げ処理を行うことになる。その際に、制御部77は、RAM79に記憶されている未処理終了の作業指示情報を探し、未処理終了である作業指示情報がある場合に、表示部76により未処理終了の入出庫処理がある旨の警告表示を行わせるようにしても良い。この場合も、制御部77は、表示部76により未処理終了の入出庫処理がある旨の警告表示を行わせた後は、操作部75に所定の解除操作が入力されると、実行状況が未処理終了である作業指示情報を消去する消去処理を行う。
【0067】
また、出納機15において、RAM79に既に記憶されている使用者関連識別情報(例えば使用者関連識別情報X)の新しい使用者関連識別情報(例えば使用者関連識別情報Y)への変更が操作部75に入力されると、制御部77は、RAM79に既に記憶されている使用者関連識別情報(例えば使用者関連識別情報X)を新しい使用者関連識別情報(例えば使用者関連識別情報Y)へ変更するとともに、既に記憶されている使用者関連識別情報(例えば使用者関連識別情報X)の新しい使用者関連識別情報(例えば使用者関連識別情報Y)への変更を示す変更情報を、送受信部80を介して重要物管理装置11の送受信部43へ送信する。すると、重要物管理装置11では、この変更情報を、送受信部43を介して制御部37が受信することになり、制御部37は、この変更情報に基づいて、RAM39に既に記憶されている使用者関連識別情報(例えば使用者関連識別情報X)を新しい使用者関連識別情報(例えば使用者関連識別情報Y)へ変更する。
【0068】
以上に述べた本実施形態に係る重要物管理システム1によれば、出納機15の操作部75に保管庫21を識別可能な保管庫関連識別情報と使用者を識別可能な使用者関連識別情報とを含む作業指示情報が入力されると、出納機15の制御部77がこの作業指示情報を重要物管理装置11に発行し、重要物管理装置11の制御部37がこの作業指示情報をRAM39に記憶させる。重要物管理装置11の制御部37は、入出庫作業に当たって操作部35に入力された使用者関連識別情報に基づいて使用者を特定すると、この使用者関連識別情報と、RAM39に記憶されている作業指示情報に含まれる使用者関連識別情報とが一致する場合に、この作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する保管庫21のロックを解除する。これにより、この保管庫21に対する入出庫が可能となる。また、重要物管理装置11の制御部37は、この保管庫21の開閉操作を検知すると、この作業指示情報の実行完了を出納機15の制御部77に送信し、制御部77がこのような実行完了を含む作業指示情報の実行状況を管理する。したがって、重要物管理装置11の入出庫作業の実行状況を管理することができる。
【0069】
また、重要物の種別によって、出納機15の操作部75への保管庫関連識別情報の入力が可能な保管庫21と、出納機15の操作部75への保管庫関連識別情報の入力が不可な保管庫21とを分けて使用することができる。
【0070】
また、重要物管理装置11の制御部37が、出納機15の制御部77から発行された作業指示情報を記憶するタイミングに基づいてこの作業指示情報に関する計時時間の計時を開始し、この作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報に対応する保管庫21が開操作される前にこの作業指示情報に関する計時時間が所定の許容時間を超えると、この保管庫21をロック状態とする。このため、保管庫21が作業指示から許容時間を超えてロック解除可能な状態に維持されてしまうことを規制できる。よって、セキュリティ性が向上する。
【0071】
また、計時時間が許容時間を超えた作業指示情報があると、出納機15の制御部77が、RAM79に記憶されているこの作業指示情報を未処理終了とすることになるため、計時時間が許容時間を超えた作業指示情報を、出納機15側で管理できる。
【0072】
また、出納機15の操作部75に入力された作業指示情報に含まれる保管庫関連識別情報が、RAM79に記憶されている未処理終了の作業指示情報に含まれている場合に、出納機15の制御部77が表示部76によって警告するため、未処理の入出庫がある保管庫21に対する新たな作業指示情報の入力を抑制することができる。
【0073】
また、出納機15の操作部75に締め上げ操作が入力されると、RAM79に記憶されている作業指示情報に未処理終了の作業指示情報がある場合に、出納機15の制御部77が表示部76によって警告するため、未処理の入出庫があることを作業者に認識させることができる。
【0074】
また、出納機15の操作部75に所定の解除操作が入力されれば、出納機15の制御部77が、RAM79に記憶されている未処理終了の作業指示情報を消去することになる。
【0075】
また、許容時間が設定変更可能であるため、入出庫が未処理の保管庫21をロック状態とするまでの時間の設定自由度が向上する。
【0076】
また、許容時間が使用者関連識別情報毎に設定可能であるため、入出庫が未処理の保管庫21をロック状態とするまでの時間の設定自由度が向上する。
【0077】
また、出納機15の操作部75に使用者関連識別情報の変更情報が入力されると、重要物管理装置11の制御部37は、この変更情報に基づいて、RAM39に記憶されている使用者関連識別情報(使用者特定の基準となる使用者関連識別情報)を変更することになる。これにより、出納機15で使用者関連識別情報を変更すれば、重要物管理装置11の使用者関連識別情報も自動的に変更することができる。