(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
図1は、本発明を適用した一実施携帯の端末装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の端末装置100は、操作入力部21と、静止時間計測部22と、検出部23と、メモリ24と、制御部25と、表示部26と、判定部27を少なくとも備えている。
【0012】
操作入力部21は、ユーザによる操作入力操作により、端末装置100に対して各種指示を入力するためのものである。装置本体の電源のON/OFFや、モードや機能等の選択や決定など、各種機能に関するユーザ操作を行うものである。
なお、操作入力部21は、表示部26と一体となって設けられたタッチパネルを有していても良く、ユーザによるタッチパネルの所定操作に基づいて、当該所定操作に応じた操作指示を制御部25に出力しても良い。
【0013】
静止時間計測部22は、初期値を0として、端末装置100がユーザの腕からはずされ、机等の上に置かれた状態(端末装置本体がユーザに装着されず、且つ静止している状態)の時間を計測する。上記装着情報の検出後に、静止時間計測部22によって得られた結果は、静止判定部27cに出力する。
表示部26は、時計や各種の操作画面等を制御部の制御の下、端末装置100の表示パネル26aに表示するものである。表示パネル26aは、例えば、液晶表示パネルや有機EL(Electro-Luminescence)表示パネル等を備えて構成されている。
【0014】
検出部23は、装着情報検出部23aと、動き検出部23bと、回転検出部23cとを具備している。
なお、検出部23の各部は、例えば、所定の論理回路から構成されているが、当該構成は一例であってこれに限られるものではない。
【0015】
装着情報検出部23aは、端末装置100の装着情報を検出する。つまり、当該端末装置100の装着状態を検出する。
具体的には、装着情報検出部23aは、脈拍センサ(図示略)を具備し、当該脈拍センサにより検出された脈拍数に基づいて、当該端末装置100の装着情報を検出する。
なお、装着情報検出部23aは、ユーザの体温を検出する体温計等であっても良い。
【0016】
動き検出部23bは、端末装置100自身の動き情報を検出する。つまり、当該端末装置100本体の外部から加えられる力によって、端末装置100自身動いているか否かを検出する。
具体的には、動き検出部23bは振動センサを具備し、当該振動センサにより検出された振動の有無に応じて、動き判定部27bが端末装置100の静止状態の判定を行う。
なお、動き検出部23bは、加速度センサ(図示略)や地磁気センサ(図示略)等を具備していても良い。
【0017】
回転検出部23cは、当該端末装置100の回転向き及び回転角度を検出する。
具体的には、回転検出部23cは、加速度センサ(図示略)を具備し、加速度センサから当該端末装置100の回転向き及び回転角度を検出する。つまり、端末装置100が右に90度傾いているのか(
図2の端末装置100のB側が机200の面に接している状態)、左に90度傾いているのか(
図2の端末装置100のA側が机200の面に接している状態)を検出する。加速度センサは3軸のセンサから構成されており、端末装置100の回転向きや回転角度を検出する。なお、回転検出部23cは、端末本体100の回転向きの検出を常時行っても良いし、所定のタイミングで行っても良い。
検出された回転向きの情報は、メモリに出力されて、メモリ24に一時的に保持されても良い。
【0018】
なお、回転検出部は、ジャイロセンサ(図示略)、電子コンパス(図示略)、傾斜センサ(図示略)等を具備していても良い。
【0019】
メモリ24は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成されている。また、メモリ24は、端末装置100の動作を制御するプログラム(例えば、表示回転プログラムなど)を記憶したり、各種の設定値を記憶したりなどするものである。
【0020】
制御部25は、表示内容回転処理部25aを備え、装着情報検出部23aからの端末装置100の装着情報、回転検出部23cによって加速度センサからの端末装置100の回転向き及び回転角度を検出した回転情報、回転向きに応じて、表示内容回転処理部25aにより、表示部26に表示する表示内容の表示方向を回転する回転制御を行う。
【0021】
すなわち、表示内容回転処理部25aは、例えば、端末装置100が右方向に90度回転した(
図2(a)のB側を下にして置いた)場合は、表示内容の表示方向を左方向に90度回転させる処理を行う。一方、端末装置100が左方向に90度回転した(
図2(b)のA側を下にして置いた)場合は、表示内容の表示方向を右方向に90度回転させる処理を行う。したがって、端末装置100の回転向きに応じて、表示内容の表示方向を適切な方向に自動的に切り替えることを可能としている。
【0022】
判定部27は、装着判定部27aと、動き判定部27bと、静止判定部27cとを具備している。
なお、判定部27の各部は、例えば、所定の論理回路から構成されているが、当該構成は一例であってこれに限られるものではない。
【0023】
装着判定部27aは端末装置100が腕に装着されているか否かの判定を行い、動き判定部27bは端末装置100が動いているか否かの判定を行い、静止判定部27cは端末装置100の静止している時間が十分であるか否かの判定を行う。
すなわち、装着判定部は27a、装着情報検出部23aから脈拍数が検出されているか否かの判定をし、動き判定部27bは端末装置100が動いているか否を判定し、静止判定部27cは端末装置100が静止している状態であると言えるための十分な時間が経過しているか否かの判定をする。
【0024】
静止判定部27cは、静止時間計測部22によって計測した時間が、所定時間以上であるかどうかを判定する。所定時間以上であれば、端末装置100が机200の上に静止されていると判定される。
【0025】
装着判定部23aにより端末装置100を腕に装着していると判定された場合、動き判定部27bにより端末装置100が静止状態でないと判定された場合、または静止判定部27cにより端末装置100の静止状態が所定時間以上でないと判定された場合は、表示内容の表示の向きは回転せずに、表示される。
装着判定部27a、動き判定部27b、静止判定部27cは、例えば、所定時間間隔毎に当該判定処理を行い、その判定結果を制御部に出力する。
回転抑止部28は、回転検出部23cによって端末本体100の回転向きが検出されたとしても、表示内容回転処理部25aの回転処理を起動させないようにする。ユーザが操作入力部21を操作して指示することによって、強制的に、表示内容の表示方向を回転する回転処理を抑止させることができる。ユーザの意思によって、表示パネル26aに表示する表示内容の方向を回転させたくない場合は、回転抑止部28を用いて、表示内容の表示方向を回転しないようにすることができる。
【0026】
次に、
図1の端末装置100の表示動作について
図2を用いて説明する。
図2において、
図2(a)が端末装置100をユーザの腕に装着した状態を上から見た図であり、
図2(b)は、本発明の比較例であって、端末装置300のA側を机200に接触して置かれており、表示内容が表示パネル326aに表示される表示向きが回転していない状態を示し、
図2(c)が端末装置100のA側を机200に接触して置かれており、表示内容が表示パネル26aに表示される表示向きが回転している状態を示している。なお
図2(a)、(b)、(c)において、X軸、Y軸、Z軸は互いに直交し、且つZ軸は鉛直(重力方向)に沿い、X軸、Y軸は水平方向に沿っている。ただしZ軸の矢印の向きは鉛直と逆を向いている。端末装置100は、表示パネル26aの表示内容の左側をA側、右側をB側、上側をC側とすると、
図2(c)のように、端末装置100の表示パネル26aの表示内容のC側が、Z軸の矢印の向きに対して回転した場合、回転検出部23cがその回転の向き及びZ軸に対する回転角度を検出する。表示内容回転処理部25aは、回転検出部23cの検出した回転の向き及びZ軸に対する回転角度に基づいて端末装置100の表示パネル26aの表示内容のC側がZ軸の矢印の向きに向くように、表示パネル26aの表示内容を、表示パネル26aの上記回転の向きとは逆の向きで且つ上記回転角度分、回転させる。
【0027】
<表示回転処理>
以下に、端末装置100による表示回転処理について、
図3を参照して詳細に説明する。
図3は、端末装置100による表示回転処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0028】
図3に示すように、装着情報検出部23aは、ユーザが端末装置100を腕に装着しているかの装着情報(例えば、脈拍数や体温等)を検出する(ステップS1)。
【0029】
次に、装着判定部23aは、ステップS1で検出した装着情報に基づいて当該端末装置100がユーザの腕に装着されているか否かを判定する(ステップS2)。
【0030】
ステップS2にて、当該端末装置100が腕から外されていると判定されると(ステップS2;NO)、動き判定部23bにて端末装置100が動いているか否かを判定する(ステップS5)。
【0031】
ステップS5で、端末装置100が動いていないと判定されると(ステップS5;YES)、静止時間計測部22にて、端末装置100が腕からはずされて端末装置100が静止状態である時間(静止時間)の計測を始める(ステップS6)。
【0032】
そして、静止判定部27cにより、静止時間計測部22から得られた結果が所定時間以上であるか否かの判断を行う(ステップS7)。所定時間は、例えば、10秒といったように予め設定できるようにしてもよい。ステップS7にて、静止時間が所定時間以上であるなら(ステップS7;YES)、当該端末装置100は机200の上に静止されているとして、端末装置100が右または左のどちらに傾いているのかを回転検出部23cから検出する(ステップS8)。
【0033】
一方、ステップS7にて、静止時間が所定時間以上でないと判定された場合(ステップS7;NO)、表示内容を回転させないで、
図2(a)のような標準画面を表示させ(ステップS3)、静止時間を計測するカウント値を0に初期化する(ステップS4)。その後、処理ステップS1に戻し、所定のタイミングで装着情報検出部23aから装着情報を検出する(ステップS1)。
【0034】
ステップS8で端末装置100の回転向き及び回転角度が検出されると、検出された回転向き及び回転角度に応じて、表示内容回転処理部25aにて表示内容の表示方向を回転させる(ステップS9)。例えば
図2(c)に示すように、端末装置100のA側が机200と接している場合、
図2(a)のy軸方向からx軸方向に反時計回りに90度回転したと判定して、時計表示が机200の平面と垂直に表示されるように、時計表示をy軸方向からx軸方向に時計回りに90度回転させる処理を行う。同様に、端末装置100のB側を下にして机200に置いたときも、y軸方向からx軸方向に時計回りに90度回転したと判定し、時計表示は机200の平面と垂直に、y軸方向からx軸方向に反時計回りに90度回転して表示される。
【0035】
一方、ステップS2で、端末装置100を腕に装着していると判定されると(ステップS2;YES)、表示パネル26aに表示される表示内容の表示方向は回転させず、腕に装着しているときの
図2(a)のような標準画面が表示される(ステップS3)。
【0036】
ステップS3で、表示パネル26a表示内容を標準表示した後、静止時間を計測するカウント値を0に初期化し(ステップS4)、処理ステップS1に戻し、所定のタイミングで装着情報検出部23aから装着情報を検出する(ステップS1)。
【0037】
以上のように、本実施形態の端末装置100によれば、端末装置100がユーザの腕に装着されているか、静止状態であるかを判定し、当該端末装置100がユーザの腕に装着されておらず、且つ静止していると判定された場合に、当該端末装置100の回転向きを検知し、その回転向きに応じて表示内容の表示方向を回転して切り替えるので、より見やすい状態で表示内容を表示することができる。
【0038】
なお、端末装置100の回転検出は静止時間をカウントする前に行っても良い。
ただし、端末装置100は、ユーザに装着されているという動揺が伴う状況下であることが多いため、端末装置100の回転動作に直ちに反応して表示内容の表示方向が頻繁に切り替わらないようにし、端末装置100の回転後もあらかじめ定めた一定の時間以上にわたって回転後の姿勢状態を維持している場合に、はじめて、前述のような回転処理を行うようにする。
【0039】
なお、本実施形態では、回転検出部23cは、端末装置100が右または左に90度傾いているのか検出するが、90度でなくても良く、その他の角度に応じて、表示パネル26aに表示する表示内容の表示向きを回転させても良い。
なお、表示内容の表示向きの回転処理の起動を強制的に抑止する回転抑止部をさらに備えていても良い。これにより、表示内容の回転を抑止することができる。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0041】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
ユーザにより装着される装着型の端末装置であって、
表示内容を表示する表示部と、
当該端末装置の装着状態を検出する装着情報検出部と、
当該端末装置の動きを検出する動き検出部と、
当該端末装置の回転を検出する回転検出部と、
前記装着情報検出部による検出結果と前記動き検出部による検出結果に基づき、前記回転検出部により検出された回転に応じて前記表示部が表示する表示内容を回転させる表示内容回転処理部と、
を備えたことを特徴とする端末装置。
[付記2]
前記装着検出部から得られた検出結果に基づいて、前記端末装置をユーザが装着しているか否かを判定する装着判定部と、
前記動き検出部から得られた検出結果に基づいて、前記端末装置が所定時間以上静止しているか否かを判定する静止判定部と、を備え、
前記表示内容回転処理部は、前記装着判定部により前記型端末装置がユーザの腕に装着されておらず、かつ、前記静止判定部により前記端末装置が所定時間以上静止していると判定された場合に、前記回転検出部から検出された回転に応じて前記表示部に表示される表示内容を回転させる処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
[付記3]
前記回転検出部は、鉛直と逆の向きに対する前記端末装置の表示部の回転の向き及び回転角度を検出し、
前記表示内容回転処理部は、前記表示内容を、前記回転の向きとは逆の向きに前記回転角度分、回転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
[付記4]
前記表示内容回転処理部は、前記装着情報検出部により前記端末装置がユーザの腕に装着されていると判定された場合に、前記端末装置の表示内容を回転させないことを特徴とする請求項1ないし3に記載の端末装置。
[付記5]
前記表示内容回転処理部は、前記動き検出部により前記端末装置の動きが検出された場合に、前記表示部に表示される表示内容を回転させないことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のリスト型端末装置。
[付記6]
前記表示内容回転処理部は、前記静止判定手段により前記端末装置が所定時間以上静止していないと判定された場合に、前記表示部に表示される表示内容を回転させないことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のリスト型端末装置。
[付記7]
前記表示部に表示される表示内容の回転を強制的に抑止する回転抑止部をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の端末装置。
[付記8]
表示内容を表示する表示部を備え、ユーザにより装着される装着型の端末装置における表示制御方法であって、
当該端末装置の装着状態を検出する装着情報検出処理と、
当該端末装置の動きを検出する動き検出処理と、
当該端末装置の回転を検出する回転検出処理と、
前記装着情報検出処理による検出結果と前記動き検出処理による検出結果に基づき、前記回転検処理により検出された回転に応じて前記表示部が表示する表示内容を回転させる表示内容回転処理と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
[付記9]
表示内容を表示する表示部を備え、ユーザにより装着される装着型の端末装置に用いられるコンピュータに、
当該端末装置の装着状態を検出する装着情報検出ステップと、
当該端末装置の動きを検出する動き検出ステップと、
当該端末装置の回転を検出する回転検出ステップと、
前記装着情報検出ステップによる検出結果と前記動き検出ステップによる検出結果に基づき、前記回転検出ステップにより検出された回転に応じて表示内容を回転させる表示内容回転処理ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。