【実施例】
【0018】
以下に、加工装置にかかる実施例について、図面を参照して説明する。
本例の加工装置1は、
図1〜
図3に示すように、第1のテーブル2A、第2のテーブル2B、第1の加工主軸3A、第2の加工主軸3B及び第3の加工主軸3Cを備えている。
第1のテーブル2A及び第2のテーブル2Bは、第1の方向(前後方向)Dに沿った軸線201を中心にそれぞれ回動可能で、ワーク8を保持するための保持治具21がそれぞれ設けられている。第1の加工主軸3A、第2の加工主軸3B及び第3の加工主軸3Cは、第1の方向Dに直交する第2の方向(鉛直方向)Bに沿ってそれぞれ進退するとともに、第1のテーブル2A及び第2のテーブル2Bの少なくとも一方に保持されたワーク8にそれぞれ加工を行うよう構成されている。
【0019】
図1に示すように、第1のテーブル2Aと第2のテーブル2Bとは、第1の方向D及び第2の方向Bに直交する第3の方向(左右方向)Lに並んで配置されている。加工装置1における、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへのワーク8の移載は、第1のテーブル2Aと第2のテーブル2Bとがそれぞれ回動して、各テーブル2A,2Bにおける保持治具21が第3の方向Lにおいて互いに対向し、ワーク8の向きが維持された状態で行われる。また、このワーク8の移載は、第3の方向Lに沿って直線的に行われる。この移載の状態を矢印Fによって示す。
【0020】
以下に、本例の加工装置1について、
図1〜
図10を参照して詳説する。
図1、
図4に示すように、本例の加工装置1は、ワーク8に対して種々の切削加工、研削加工等を行うマシニングセンタを構成するものである。また、本例においては、所定数(本例では2つ)のテーブル2A,2Bと、所定数(本例では3つ)の加工主軸3A,3B,3Cとによって加工ユニット10A,10Bを構成し、この加工ユニット10A,10Bを複数連結して、加工ラインとしての加工装置1を形成する。
図4〜
図8においては、第1の加工ユニット10A及び第2の加工ユニット10Bとして、加工ユニットを2つ連結した場合を示す。加工ユニットは、必要に応じて3つ以上連結することができる。
【0021】
図4に示すように、各加工ユニット10A,10Bにおいては、第1のテーブル2A及び第2のテーブル2Bが架台20上に並んで設けられている。各テーブル2A,2Bには、保持治具21を介してワーク8が保持される。複数の加工ユニット10A,10Bにおける各テーブル2A,2Bの上方には、各加工主軸3A,3B,3Cを各テーブル2A,2Bが並ぶ第3の方向Lに沿って移動させるための移動レール5が設けられている。
【0022】
移動レール5は、複数の加工ユニット10A,10Bにおいて連続した1つのレールとして設けられており、各加工ユニット10A,10Bにおける各加工主軸3A,3B,3Cは、当該加工ユニット10A(又は10B)におけるテーブル2A,2Bの上方だけでなく、他の加工ユニット10B(又は10A)におけるテーブル2A,2Bの上方にまで移動レール5に沿って移動可能である。各加工主軸3A,3B,3Cは、移動レール5に沿って移動する移動スライダー51に対して取り付けられている。
【0023】
図1に示すように、各加工ユニット10A,10Bにおける第1のテーブル2A及び第2のテーブル2Bは、第1の方向Dに沿った軸線201を中心に回動可能なベース部22と、ベース部22に対して第1の方向Dに直交する方向に沿った軸線202を中心に回動可能であるテーブル部23とからそれぞれ構成されている。保持治具21は、テーブル部23に設けられている。
第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへのワーク8の移載は、第1のテーブル2A及び第2のテーブル2Bにおいて、ベース部22に対するテーブル部23における保持治具21の回動位置がそれぞれ基準位置にある状態で行われる。この基準位置は、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへのワーク8の移載を行う際に、第1のテーブル2Aにおけるワーク8の基準部位と、第2のテーブル2Bにおけるワーク8の基準部位とが同じ方向を向くよう定められる。
【0024】
また、各テーブル2A,2Bは、第1の方向Dに沿ってスライド可能である(
図1において、このスライド方向を矢印Sで示す。)。各テーブル2A,2Bにおけるワーク8が上方に配置される状態で、各テーブル2A,2Bにおけるテーブル部23の回動、各加工主軸3A,3B,3Cの移動、各テーブル2A,2Bの第1の方向Dへのスライドを適宜組み合わせて、各テーブル2A,2Bに保持されたワーク8の適宜箇所を各加工主軸3A,3B,3Cと対向させ、各加工主軸3A,3B,3Cがワーク8の適宜箇所に加工を行うことができる。
【0025】
また、各テーブル2A,2Bを、第1の方向Dに沿った軸線201を中心に回動させることによって、各テーブル2A,2Bにおける、ワーク8を保持する保持治具21の配置側を、上方、下方、左右の側方、あるいは種々の傾斜方向に向けることができる。そして、ワーク8が保持された各テーブル2A,2Bを、軸線201に直交する軸線202を中心に回動させることによって、各加工主軸3A,3B,3Cによって加工を行うワーク8の面を変更することができる。
【0026】
図1に示すように、各加工主軸3A,3B,3Cは、第3の方向Lに延びる移動レール5に沿って移動するとともに、第2の方向Bに昇降するよう構成されている。各加工主軸3A,3B,3Cは、その下方先端部に配置された工具32を回転させて、ワーク8に加工を行うよう構成されている。各加工主軸3A,3B,3Cの下方先端部には、ワーク8に対して加工を行うための工具32が複数並んで設けられている。複数の工具32は、各加工主軸3A,3B,3Cの下方先端部において回動可能に設けられた回動ホルダー31に回転可能に設けられている。各加工主軸3A,3B,3Cは、回動ホルダー31を回動させて、複数の工具32のうち加工に使用する工具32の回転軸線を第2の方向Bに平行にして、この工具32を、ワーク8に加工を行うために回転させるよう構成されている。
【0027】
移動レール5上を移動する各加工主軸3A,3B,3Cには、ワーク8の移載を行うための各移載ヘッド4A,4B,4Cがそれぞれ一体化されている。各移載ヘッド4A,4B,4Cは、各加工主軸3A,3B,3Cが取り付けられた移動スライダー51に対して取り付けられている。各移載ヘッド4A,4B,4Cは、各加工主軸3A,3B,3Cとは別に第2の方向Bに昇降するよう構成されている。各移載ヘッド4A,4B,4Cの下方先端部には、ワーク8を把持する把持部41が設けられている。
【0028】
図5〜
図8に示すように、各加工ユニット10A,10B内の各テーブル2A,2B間のワーク8の移載、及び互いに隣接する加工ユニット10A,10Bの各テーブル2A,2B間のワーク8の移載は、移動レール5上を各加工主軸3A,3B,3Cと機械的に同期して移動する各移載ヘッド4A,4B,4Cによって行われる。なお、各移載ヘッド4A,4B,4Cは、各加工主軸3A,3B,3Cとは別に移動レール5上を移動する構成とすることもできる。この場合には、各移載ヘッド4A,4B,4Cは、各加工主軸3A,3B,3Cと電気的に同期させて移動させることができる。
【0029】
図4に示すように、各加工ユニット10A,10Bは、第3の方向Lの上流側に位置する第1のテーブル2A、第3の方向Lの下流側に位置する第2のテーブル2B、第3の方向Lの上流側から順に並ぶ、第1の加工主軸3A及び第1移載ヘッド4A、第2の加工主軸3B及び第2移載ヘッド4B、並びに第3の加工主軸3C及び第3移載ヘッド4Cの組合せによって構成されている。
【0030】
第1の加工主軸3Aは、第1のテーブル2Aに保持されたワーク8に加工を行うものである。第1移載ヘッド4Aは、第1の加工主軸3Aが取り付けられた移動スライダー51に取り付けられている。第2の加工主軸3Bは、第1のテーブル2Aに保持されたワーク8と第2のテーブル2Bに保持されたワーク8とに、互いに異なるタイミングで加工を行うものである。第2移載ヘッド4Bは、第2の加工主軸3Bが取り付けられた移動スライダー51に取り付けられている。第3の加工主軸3Cは、第2のテーブル2Bに保持されたワーク8に加工を行うものである。第3移載ヘッド4Cは、第3の加工主軸3Cが取り付けられた移動スライダー51に取り付けられている。
【0031】
加工ユニット10A,10Bは、各テーブル2A,2Bの第3の方向Lに沿って複数連結されており、移動レール5は、複数の加工ユニット10A,10Bに亘って設けられている。
ここで、ワーク8の移載の流れをわかりやすくするために、
図4〜
図8においては、第1の加工ユニット10Aにおける第1のテーブル2Aに保持されたワーク8を符号8Aで示し、第1の加工ユニット10Aにおける第2のテーブル2Bに保持されたワーク8を符号8Bで示す。また、第2の加工ユニット10Bにおける第1のテーブル2Aに保持されたワーク8を符号8Cで示し、第2の加工ユニット10Bにおける第2のテーブル2Bに保持されたワーク8を符号8Dで示す。さらに、第1の加工ユニット10Aにおける第1のテーブル2Aに次に保持されるワーク8を符号8Eで示す。
【0032】
図4に示すように、第1の加工ユニット10Aにおいて、第1のテーブル2Aにおいては、ワーク8Aを保持する保持治具21の配置側にワーク8Aの第1加工面81が露出し、かつ第1の加工主軸3A(又は第2の加工主軸3B)によってワーク8Aの第1加工面81に加工が行われる。そして、
図5に示すように、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへのワーク8Aの移載は、第1移載ヘッド4A、第2移載ヘッド4B及び第3移載ヘッド4Cのうちのいずれかによって行われる。本例においては、この移載は、第2移載ヘッド4Bによって行われる。
【0033】
このとき、第1の加工ユニット10Aにおいて、第2のテーブル2Bにおけるワーク8Aの保持状態を、第1のテーブル2Aにおけるワーク8Aの保持状態から反転させる場合には、各テーブル2A,2Bを、第1の方向Dに沿った軸線201を中心に適宜回動させて、各テーブル2A,2Bにおける、ワーク8A,8Bを保持する保持治具21が、第3の方向Lにおいて互いに対向する状態を形成する。また、各テーブル2A,2Bを、軸線201に直交する軸線202を中心に適宜回動させて、各テーブル2A,2Bにおける保持治具21の回動位置を基準位置に合わせる。
【0034】
次いで、
図5に示すように、第1の加工ユニット10Aにおけるいずれかの移載ヘッド3Bは、第1のテーブル2Aの保持治具21に保持されたワーク8Aを把持し、
図6、
図7に示すように、このワーク8Aの姿勢(向き)を変えないまま、このワーク8Aを第3の方向Lに沿って直線的に移動させる。そして、
図8に示すように、この移載ヘッド3Bに把持するワーク8Aを第2のテーブル2Bの保持治具21に受け渡す。これにより、移載時のワーク8Aの姿勢変化をほとんどなくして、各テーブル2A,2Bに対するワーク8Aの保持状態を反転させることができる。そのため、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへ、短い移動距離でワーク8を移載することができ、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへのワーク8の移載時間を極めて短縮することができる。
また、ワーク8が移載された第2のテーブル2Bにおいては、ワーク8を保持する保持治具21の配置側にワーク8B(8A)の第2加工面82が露出し、かつ第3の加工主軸3C(又は第2の加工主軸3B)によってワーク8B(8A)の第2加工面82に加工が行われる(
図4参照)。
【0035】
また、
図5に示すように、第2の加工ユニット10Bにおいて、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへワーク8Cを移載する際に、第2のテーブル2Bにおけるワーク8Cの保持状態を、第1のテーブル2Aにおけるワーク8Cの保持状態から反転させる場合には、各テーブル2A,2Bにおける、ワーク8Cを保持する保持治具21が、第3の方向Lにおいて互いに反対側を向く状態を形成することもできる。
この場合には、第2の加工ユニット10Bにおけるいずれかの移載ヘッド4Aは、第1のテーブル2Aの保持治具21におけるワーク8Cを把持し、このワーク8Cの姿勢(向き)を変えないまま、このワーク8Cを、第2の方向Bから見たときに第3の方向Lに沿って直線的に移動させる。
【0036】
より具体的には、
図6に示すように、第2の加工ユニット10Bにおけるいずれかの移載ヘッド4Aは、第1のテーブル2Aにおけるワーク8Cを第2の方向Bに沿って上昇させた後、
図7に示すように、このワーク8Cを第3の方向Lに沿って直線的に移動させ、その後、
図8に示すように、このワーク8Cを第2の方向Bに沿って下降させる。言い換えれば、移載ヘッド4Aは、ワーク8Cを第1のテーブル2A及び第2のテーブル2Bの上を乗り越えさせるようにして、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへ第2の方向Bから見たときに第3の方向Lに沿って移載する。
【0037】
各テーブル2A,2Bにおける保持治具21が、互いに対向する状態を形成するか、互いに反対側を向く状態を形成するかは、複数の加工ユニット10A,10Bにおける、ワーク8の段階的な加工の割り振りの仕方に応じて決定することができる。
また、第2の加工ユニット10Bの第2のテーブル2Bの保持治具21に保持されたワーク8Dは、第2の加工ユニット10Bにおけるいずれかの移載ヘッド3Bによって把持して、第2の加工ユニット10Bの外部へ移載することができる。
【0038】
また、
図9に示すように、さらに他のいずれかの加工ユニットとしての第3の加工ユニット10Cにおいて、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへワーク8Fを移載する際に、第2のテーブル2Bにおけるワーク8Fの保持状態を、第1のテーブル2Aにおけるワーク8Fの保持状態から反転させない場合には、各テーブル2A,2Bにおける、ワーク8Fを保持する保持治具21が、第3の方向Lにおいて互いに同じ側を向く状態を形成することができる。
【0039】
そして、
図10に示すように、第3の加工ユニット10Cにおけるいずれかの移載ヘッド3Bは、第1のテーブル2Aの保持治具21におけるワーク8Fを把持し、このワーク8Fの姿勢(向き)を変えないまま、このワーク8Fを、第2の方向Bから見たときに第3の方向Lに沿って直線的に移動させる。
ここで、ワーク8の移載の流れをわかりやすくするために、
図9、
図10においては、第3の加工ユニット10Cにおける第1のテーブル2Aに保持されたワーク8を符号8Fで示し、第3の加工ユニット10Cにおける第2のテーブル2Bに保持されたワーク8を符号8Gで示す。
【0040】
より具体的には、
図9、
図10に示すように、第3の加工ユニット10Cにおける移載ヘッド3Bは、第1のテーブル2Aにおけるワーク8Fを第2の方向Bに沿って上昇させた後、このワーク8Fを第1のテーブル2Aの上を乗り越えさせるようにして第3の方向Lに沿って直線的に移動させ、その後、このワーク8Fを第2の方向Bに沿って下降させる。そして、ワーク8Fを、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへ第2の方向Bから見たときに第3の方向Lに沿って移載する。
この場合には、第2のテーブル2Bにおいては、第1のテーブル2Aにおいて第1の加工主軸3A又は第2の加工主軸3Bによって加工を行ったワーク8Fの加工面と同じ加工面に、第2の加工主軸3B又は第3の加工主軸3Cによって加工を行うことができる。
【0041】
また、第1の加工ユニット10Aにおける第2のテーブル2Bから、第2の加工ユニット10Bにおける第1のテーブル2Aへワーク8Bを移載する際には、次のようにして各テーブル2A,2Bの姿勢(向き)を決定することができる。
すなわち、この加工ユニット10A,10B間におけるワーク8Bの移載は、各加工ユニット10A,10B内におけるワーク8A,8Cの移載と同様に、ワーク8Bの姿勢(向き)を反転させる場合と反転させない場合とに応じて、第1の加工ユニット10Aにおける第2のテーブル2Bと第2の加工ユニット10Bにおける第1のテーブル2Aとの向きを決定することができる。
【0042】
第1の加工ユニット10Aにおける第2のテーブル2Bと第2の加工ユニット10Bにおける第1のテーブル2Aとにおいてワーク8Bの加工面を反転させる場合には、各テーブル2A,2Bの保持治具21が、第3の方向Lにおいて互いに対向する状態又は互いに反対側を向く状態にする。一方、第1の加工ユニット10Aにおける第2のテーブル2Bと第2の加工ユニット10Bにおける第1のテーブル2Aとにおいてワーク8Bの加工面を反転させない場合には、各テーブル2A,2Bの保持治具21が、第3の方向Lにおいて同じ側を向く状態にする。また、各加工ユニット10A,10B間におけるワーク8Bの移載は、第1の加工ユニット10Aにおけるいずれかの移載ヘッド4A,4B,4C、又は第2の加工ユニット10Bにおけるいずれかの移載ヘッド4A,4B,4Cによって行うことができる。
【0043】
次に、本例の加工装置1による作用効果について説明する。
本例の加工装置1は、第1の加工ユニット10において、ワーク8の第1加工面81及び第2加工面82に加工を行う際に、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへワーク8Aを移載する際の工夫をしている。
具体的には、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへワーク8Aを移載する際には、
図5に示すように、第1のテーブル2Aと第2のテーブル2Bとを、第1の方向Dに沿った軸線201を中心にそれぞれ回動させる。そして、第1のテーブル2Aにおける保持治具21と第2のテーブル2Bにおける保持治具21とが第3の方向Lにおいて互いに対向する状態を形成する。その後、この保持治具21同士が互いに対向する状態において、
図6、
図7に示すように、ワーク8Aの向き(姿勢)を維持して(ワーク8Aの向きを変更しないで)、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへワーク8Aを移載する。
【0044】
これにより、ワーク8Aの向きを反転させることなく、第1のテーブル2Aから第2のテーブル2Bへワーク8Aを迅速かつ容易に移載することができる。また、第1のテーブル2Aにおいては、第1の加工主軸3A又は第2の加工主軸3Bによって、保持治具21に保持されたワーク8Aの第1加工面81に加工を行い、第2のテーブル2Bにおいては、第2の加工主軸3B又は第3の加工主軸3Cによって、保持治具21に保持されたワーク8Bの第2加工面82に加工を行うことができる。
【0045】
それ故、本例の加工装置1によれば、ワーク8Aの向き(姿勢)を変更することなく、テーブル2A,2B間におけるワーク8Aの移載を迅速かつ容易に行うことができる。そして、加工装置1のサイクルタイムにおいて、ワーク8の移載時間が占める割合を小さくすることができる。
【0046】
また、本例の加工装置1においては、
図4に示すように、第1のテーブル2Aに保持されたワーク8A,8Cに対して第1の加工主軸3A又は第2の加工主軸3Bが加工を行うと同時に、第2のテーブル2Bに保持されたワーク8B,8Dに対して第2の加工主軸3B又は第3の加工主軸3Cが加工を行うことができる。
また、同図に示すように、各テーブル2A,2Bに保持されたワーク8A,8B,8C,8Dに対して、例えば第1の加工主軸3A及び第3の加工主軸3Cが加工を行っている最中(ワーク加工中という。)に、加工を行っていない待機中の第2の加工主軸3Bにおいては、第2の加工主軸3Bによる加工に使用される工具32の交換を行うことができる。これにより、第2の加工主軸3Bにおける工具32の交換に掛かる時間が、加工装置1のサイクルタイムに与える影響をなくすことができる。
【0047】
また、ワーク加工中に、待機中の第2の加工主軸3Bにおいては、工具32の回転速度が所定の回転速度になるまでの回転の立上げ等の加工準備を行うこともできる。そして、各テーブル2A,2Bに保持されたワーク8A,8B,8C,8Dに対する第1の加工主軸3A及び第3の加工主軸3Bの加工が終了したときには、各テーブル2A,2Bと各加工主軸3A,3B,3Cとを第3の方向Lに沿って相対的に移動させる。これにより、ワーク8A,8B,8C,8Dが保持された各テーブル2A,2Bに対向する各加工主軸3A,3B,3Cを、ワーク加工中であった第1の加工主軸3A及び第3の加工主軸3Cから、所定の回転速度に立ち上げられた、待機中であった第2の加工主軸3Bに迅速に切り換え、この待機中であった第2の加工主軸3Bによって、直ちにワーク8A,8B,8C,8Dの加工を再開することができる。
【0048】
また、待機中の第2の加工主軸3Bにおいては、ワーク8A,8B,8C,8Dの加工を行った直後の第1の加工主軸3A又は第3の加工主軸3Cの回転を停止させるまでの立下げ時間においても、工具32の交換、回転の立上げ等の準備を行うことができる。
従って、加工装置1のサイクルタイムにおいて、各加工主軸3A,3B,3Cにおける工具32の交換時間、各加工主軸3A,3B,3Cの回転の立上げ・立下げ時間等の準備時間が占める割合を小さくすることができる。
【0049】
それ故、本例の加工装置1によれば、サイクルタイムにおいて、加工主軸3A,3B,3Cの準備時間及びワーク8の移載時間が占める割合を小さくすることができ、加工装置1の生産性を向上させることができる。