(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施形態]
図1から
図5を参照しつつ、本発明に係るモジュール及び時計の第1の実施形態について説明する。 なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る時計の正面図であり、
図2は、本実施形態におけるモジュール、表示部材及び裏蓋部材の分解斜視図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る時計100は、デジタル表示機能を備える表示部材5を備えるデジタル方式の時計である。
【0013】
時計100は、時計ケース1と、この時計ケース1内に収容されるモジュール6(
図2等参照)とを有している。
【0014】
本実施形態の時計ケース1は、時計100の表面側(時計における視認側)と裏面側とに図示しない開口部を有する中空の短柱形状に形成されており、時計ケース1の外側面には、対向する位置(
図1においては時計100の上下位置)にバンド2が取り付けられる一対のバンド取付け部11が設けられている。
また、時計ケース1の側方(
図1においては時計100の左右位置であり、バンド取付け部11が設けられていない部分)には、ユーザが各種入力操作を行う操作ボタン13が設けられている。
【0015】
時計ケース1の表面側の開口部には透明なガラス等の材料で形成された風防部材3が表面側の開口部を閉塞するように取り付けられている。
また、時計ケース1の裏面側の開口部には裏蓋部材4(
図2参照)が裏面側の開口部を閉塞するように取り付けられている。
図示は省略するが、本実施形態では、裏蓋部材4は、面方向の中央部分が周縁部よりも多少深くなるように窪んでおり、後述する電池9がモジュール6の面方向の中央部近傍に配置されたときに、電池9が裏蓋部材4の窪んだ部分に収まるようになっている。
【0016】
時計ケース1の内部には、モジュール6が配置されている。
また、モジュール6と風防部材3との間には、液晶表示パネル5a等を有し、デジタル表示機能を備える表示部材5が設けられている。表示部材5の液晶表示パネル5aには、例えば時刻やカレンダー等が表示される。なお、表示部材5は、液晶表示パネル5aを有するに限定されず、例えば有機ELディスプレイ等を備えるものであってもよい。
【0017】
図2に示すように、モジュール6は、基板7と、これを上下から挟み込むように配置されるハウジング8(すなわち、上部ハウジング81及び下部ハウジング82)等を備えている。
ハウジング8及び基板7の少なくとも一方(本実施形態ではハウジング8及び基板7の両方)には、後述する所定部品が設けられている。
また、モジュール6には、ハウジング8に対して基板7を位置決めする一対の位置決め部材61が設けられている。
図3(a)は、基板7の一例を示す平面図であり、
図3(b)は、上部ハウジング81の一例を示す平面図であり、
図3(c)は、上部ハウジング81に基板7を組み込んだ状態を示す平面図であり、
図3(d)は、下部ハウジング82の一例を示す平面図である。また、
図4は、モジュール6を裏面側から見た平面図である。
以下、
図2から
図4等を参照しつつ、本実施形態におけるモジュール6について詳細に説明する。
【0018】
図3(a)は、本実施形態の基板7を表面側(すなわち、モジュール6を時計ケース1内に配置した際に時計100の視認側に配置される側)から見た図である。
図3(a)に示すように、基板7の表面側には、標準電波用アンテナ71、GPS用アンテナ72の他、各種の電子部品75が搭載されている。また、基板7には、その裏面側にも各種の電子部品75が搭載されている(
図3(c)、
図5参照)。
標準電波用アンテナ71は、標準電波の送信局から送信される原子時計による日付・時刻情報のデジタル信号を受信可能なものであり、例えば磁性材料であるアモルファス金属やフェライト等からなるコアにコイルが巻回されて構成されている。
GPS用アンテナ72は、GPS(Global Positioning System)電波(すなわち、GPS衛星から送信される時刻情報等を含む電波)を受信可能なものであり、例えばパッチアンテナが好適に用いられる。
GPS用アンテナ72は、基板7上に設けられている他の電子部品75と比べて特に重量の重い部品であり、基板7上に設けられた「所定部品」である。
【0019】
図3(b)は、本実施形態の上部ハウジング81を裏面側(すなわち、モジュール6を時計ケース1内に配置した際に時計100の裏面側に配置される側)から見た図である。
上部ハウジング81には、基板7上に配置された標準電波用アンテナ71及びGPS用アンテナ72に対応する位置に、それぞれ標準電波用アンテナ71を収容する収容凹部811及びGPS用アンテナ72を収容する収容凹部812が形成されている。
【0020】
図3(c)は、
図3(a)に示す基板7を
図3(b)に示す上部ハウジング81に組み付けた状態を示す図であり、基板7の裏面側が現れている。
図3(c)に示すように、基板7の裏面側であって、後述する下部ハウジング82に搭載されている電池9に対応する部分は電池配置部73となっており、電池端子等が形成されている。
【0021】
図3(d)は、本実施形態の下部ハウジング82を裏面側(すなわち、モジュール6を時計ケース1内に配置した際に時計100の裏面側に配置される側)から見た図である。
図3(d)に示すように、下部ハウジング82には、裏蓋部材4の中央部の膨らんだ部分に対応する位置に電池9を収容する電池収容部821が設けられている。
【0022】
電池収容部821内には、電池9が収容されている。電池収容部821には図示しない蓋部が設けられており、電池収容部821内に収容された電池9は、蓋部によって外部に飛び出さないように電池収容部821内に保持されている。
なお、
図2及び
図3(d)等では平面視において円形の電池9を図示しているが、電池9の形状等は特に限定されない。また、電池9は一次電池、二次電池いずれでもよいが、大容量のものが好ましく、例えば大容量のリチウムイオンバッテリー等が適用される。
電池9は、ハウジング8(上部ハウジング81及び下部ハウジング82)や基板7上に設けられている他の各種部品と比べて特に重量の重い部品であり、ハウジング8に設けられた「所定部品」である。
【0023】
位置決め部材61は、例えば金属等の剛性の高い材料で形成された棒状のピンである。
図5は、位置決め部材61と位置決め部材61が設けられている部分の周辺を拡大して示した模式的な断面図である。
図5に示すように、位置決め部材61は、中央部分が太軸部611となっており、一方の端部が太軸部611よりも径の細い第1の細軸部612となっており、他端部が太軸部611よりも径の細い第2の細軸部613となっている。
【0024】
上部ハウジング81には、第1の細軸部612が圧入可能な固定用孔813が形成されており、位置決め部材61は、固定用孔813に第1の細軸部612を圧入することにより上部ハウジング81に固定されている。なお、この固定用孔813は、貫通孔でもよいし貫通しない凹部でもよい。
基板7には、上部ハウジング81の固定用孔813に対応する位置に、太軸部611の径より小さく、第2の細軸部613の径より大きな孔径を有する貫通孔である位置決め孔74がそれぞれ形成されている。位置決め孔74には、位置決め部材61の第2の細軸部613が挿通される。なお、
図5に示すように、太軸部611が位置決め孔74の周縁部に突き当たることで太軸部611の長さ分だけ上部ハウジング81と基板7との間に空間が確保され、この空間内に各種電子部品75等を配置することができる。
また、下部ハウジング82には、上部ハウジング81の固定用孔813及び基板7の位置決め孔74に対応する位置に、第2の細軸部613の径より大きな孔径を有する位置決め孔822がそれぞれ形成されている。この位置決め孔822は、貫通孔でもよいし貫通しない凹部でもよいが、貫通孔である場合、挿通される位置決め部材61と位置決め孔822との位置合わせがしやすく作業性が向上するため好ましい。
【0025】
ここで、
図4を参照しつつ、位置決め部材61を設ける位置(すなわち、固定用孔813及び位置決め孔74,822を設ける位置)について、詳細に説明する。
図4は、上部ハウジング81、基板7、下部ハウジング82を順に重畳して組み付けたモジュール6を、時計ケース1内に収容した際に時計ケース1の裏面となる側(
図2における下側、時計100における裏面側)から見た図である。
なお、
図4では、モジュール6の裏面側に現れないGPS用アンテナ72を二点鎖線で示している。
【0026】
位置決め部材61を設ける位置を決定する際には、まず、位置決め部材61の配置を決めるための基準点αを求める。
本実施形態では、所定部品を含む全体の重心を基準点αとする。具体的には、本実施形態における所定部品であるGPS用アンテナ72及び電池9を含むモジュール6の全体の重心を求めて、これを基準点αとする。なお、電池9等の所定部品の重量がかなり重い場合、モジュール6全体の重心も所定部品の重心に近いものとなる。
【0027】
一対の位置決め部材61は、この基準点αに対して、基板7の面方向に沿った所定方向(本実施形態では、時計ケース1における3時9時方向)のうちの同じ側の位置に配置される。ここで、「3時9時方向」とは、時計100をアナログ時計とした場合における3時と9時とを結ぶ方向(すなわち、
図1における左右方向)である。つまり、本実施形態における一対の位置決め部材61は、モジュール6を時計ケース1内に配置した際に、いずれも基準点αよりも3時側または9時側に配置される。なお、上記「所定方向」は特に限定されず、時計ケース1における3時9時方向でなくともよい。
また、本実施形態では、一対の位置決め部材61は、基準点αを通り上記所定方向(本実施形態では、3時9時方向)に沿った直線Lを間に挟みつつ、当該直線Lから略等距離となる位置に配置される。ここで、「直線Lから略等距離となる位置」とは、上記所定方向に沿って外部から加わる荷重が一対の位置決め部材61にほぼ均等に分散されるような一対の位置決め部材61の位置範囲を意味し、例えば、各位置決め部材61から直線Lまでの距離の差がその平均の2割以内となるような位置である。
さらに、一対の位置決め部材61は、モジュール6を時計ケース1内に配置した際に、時計ケース1における一対のバンド取付け部11の設けられていないいずれか一方の側(すなわち、
図1における左右いずれかの側)に配置される。
なお、GPS用アンテナ72や電池9等が設けられている部分には位置決め部材61を配置することができず、位置決め部材61は、GPS用アンテナ72や電池9、各種の電子部品等を避けて配置される。
また、位置決め部分の強度を確保する観点からは、位置決め部材61が挿入される上部ハウジング81の固定用孔813及び下部ハウジング82の位置決め孔822はできるだけハウジング8の肉厚の部分に設けられることが好ましい。
【0028】
以上のような条件から、本実施形態における一対の位置決め部材61は、
図4に示すように、時計ケース1における一対のバンド取付け部11の設けられていない側であって、基準点αに対して所定方向(本実施形態では、時計ケース1における3時9時方向)のうちの同じ側の位置であり、かつ、基準点αを通り所定方向に沿った直線Lを挟みつつ当該直線Lから略等距離となる位置に配置される。
【0029】
なお、一対の位置決め部材61は、互いに距離が離れているほど位置決めの精度が向上する。このため、上記各条件を満たす範囲内で、できるだけ離れた位置に一対の位置決め部材61を配置することが好ましい。
また、直線Lに対して線対称となる位置に一対の位置決め部材61が配置されている場合には、モジュール6が衝撃を受けた際に、電池9や基板7等を含むモジュール6が回転するような力が発生しにくく、1つの位置決め部材61に荷重が集中しづらくなる。このため、一対の位置決め部材61によって荷重を分担し合って、ハンモックのように落下の衝撃を吸収することができる。したがって、一対の位置決め部材61は、できる限り直線Lに対して線対称となる位置に配置することが好ましい。
さらに、一対の位置決め部材61は、基準点αを中心とする所定の角度範囲θ(
図4に二点鎖線で示す範囲)よりも外側に配置されていることが好ましい。この角度範囲θは、一対の位置決め部材61が基準点αに対して時計ケース1における3時側に配置されているとした場合に、3時方向を含む2時方向と4時方向との間の角度範囲であり、つまり、3時方向に対して±30°の範囲である。
【0030】
次に、本実施形態におけるモジュール6及びこれを適用した時計100の作用について説明する。
【0031】
本実施形態において、モジュール6を組み立てる際には、まず、モジュール6内に組み込まれる重量の重い所定部品(本実施形態では基板7上に配置されるGPS用アンテナ72及び下部ハウジング82に配置される電池9)を考慮したモジュール6全体の重心である基準点α(
図4参照)を決定する。
そして、時計ケース1における一対のバンド取付け部11の設けられていない側であって、基準点αに対して所定方向(本実施形態では、時計ケース1における3時9時方向)のうちの同じ側の位置であり、かつ、基準点αを通り所定方向に沿った直線Lを挟みつつ当該直線Lから略等距離となる位置を、位置決め部材61を配置する位置と決定する。
位置決め部材61を配置する位置が決定されたら、上部ハウジング81における当該位置決め部材61の配置位置に対応する位置に固定用孔813を形成する。また、下部ハウジング82における当該位置決め部材61の配置位置に対応する位置に位置決め孔822を形成する。さらに、基板7における当該位置決め部材61の配置位置に対応する位置に位置決め孔74を形成する。
【0032】
次に、上部ハウジング81の裏面側において、固定用孔813に位置決め部材61の第1の細軸部612を圧入固定する。
そして、所定部品であるGPS用アンテナ72や標準電波用アンテナ71、各種電子部品75等を搭載した基板7を上部ハウジング81の裏面側に重ね合わせる。このとき、位置決め部材61が位置決め孔74に挿通されるように基板7の組み込み向きを調整する。
さらに、所定部品である電池9を組み込んだ下部ハウジング82を上部ハウジング81の上に重畳された基板7の裏面側に重ね合わせる。このとき、位置決め部材61が位置決め孔822に挿通されるように下部ハウジング82の組み込み向きを調整する。
基板7を挟み込むようにして重畳された上部ハウジング81と下部ハウジング82とを位置決め部材61によって位置決めされた状態のまま嵌め合わせることにより、モジュール6が完成する。
【0033】
時計100を組み立てる際には、時計ケース1の裏面側の開口を閉塞するように裏蓋部材4を取り付け、時計ケース1内に、上記完成したモジュール6を配置する。
このとき、モジュール6における一対の位置決め部材61の設けられている側が、時計ケース1のバンド取付け部11の設けられていない側(すなわち、
図1において時計ケース1の左右いずれかの側)に位置するように、時計ケース内に収納する。
さらに、モジュール6の上に表示部材5を配置し、時計ケース1の表面側の開口を閉塞するように風防部材3を取り付ける。これにより、時計100が完成する。
【0034】
時計100が、バンド2の取り付けられている側から落下する等により
図1における上下方向から衝撃を受けた場合には、バンド2がこの衝撃を吸収して時計ケース1内に伝わる衝撃を和らげる。これにより時計ケース1内のモジュール6等の破損が回避される。
これに対して、時計100が、バンド2の取り付けられていない側(時計100の側面)から落下する等により
図1における左右方向から衝撃を受けた場合には、時計ケース1内に衝撃が伝わる。
このとき、位置決め部材61の周りにはGPS用アンテナ72等を搭載した基板7、電池9等を搭載した下部ハウジング82等の自重が集中し、位置決め部材61にぶら下がるような状態となる。これによって位置決め部材61が折れたりずれたりすると、ハウジング8内で基板7の位置がずれて、基板の表裏に搭載されている各種の電子部品75等がハウジング8内の壁等に当たる等により破損するおそれがある。また、位置決め部材61が衝撃によって位置決め孔74,822や固定用孔813に強くぶつかることで、基板7、下部ハウジング82あるいは位置決め部材61が圧入固定されている上部ハウジング81が破損するおそれもある。
このような破損は、1つの位置決め部材61の周りに一瞬でも荷重が集中すると生じやすくなる。
【0035】
また、ハウジング8は樹脂等で形成されているため、落下時に衝撃を受けると多少伸び縮みする。これに対して、特に所定部品である電池9は金属材料で形成されており、衝撃を受けてもほとんど変形しない。このため、一対の位置決め部材61を落下方向(例えば時計100の側面から落下した場合には時計の横方向、
図1における左右方向)において電池9を挟むように分散配置した場合(すなわち、例えば一方の位置決め部材61を
図1における右側に配置し、他方の位置決め部材61を
図1における左側に配置した場合)、例えば時計100が
図1における右側から落下した場合には、電池9の受けた衝撃はまず当該右側に配置されている位置決め部材61に集中し、さらに当該右側の位置決め部材61を中心とした電池9が回転するような力が発生することで、次に逆側(すなわち時計100の左側)に設けられている位置決め部材61に衝撃が集中する。このように、一対の位置決め部材61を落下方向(例えば時計100の側面から落下した場合には時計の横方向、
図1における左右方向)において分けて配置してしまうと、落下の衝撃は時間をずらして一対の位置決め部材61に交互に別々に集中するため、上部ハウジング81の固定用孔813や下部ハウジング82の位置決め孔822等周り、基板7の位置決め孔74周り等は破壊されやすくなってしまう。
【0036】
この点、本実施形態では、一対の位置決め部材61をバンド2の取り付けられていない3時側または9時側に設けるようにしている。さらに、モジュール6全体の重心である基準点αに対して3時9時方向のうちの同じ側の位置であって、基準点αを通り3時9時方向に沿った直線Lを挟みつつ当該直線Lから略等距離となる位置に、位置決め部材61を配置している。
このため、時計100がバンド2の設けられていない側面から落下したときに一対の位置決め部材61にほぼ同時に荷重が分散されるため、落下等による衝撃を受けた際にも位置決め部材61が折れたりずれたりしにくく、各種電子部品75やモジュール6を構成する基板7、ハウジング8の各部が破損するのを防ぐことができる。
【0037】
また、本実施形態では、一対の位置決め部材61が、基準点αを中心とする角度範囲θよりも外側に配置されており、この角度範囲θは、一対の位置決め部材61が基準点αに対して時計ケース1における3時側に配置されている場合に3時方向に対して±30°の範囲となっている。
時計100が
図1における左右いずれかの側から衝撃を受ける場合、この衝撃による荷重は、左右方向に対してある程度傾斜した角度で加わることが予想される。ここで、一対の位置決め部材61の一方を支点とし、他方を作用点としたときに、荷重の作用する力点がこれら支点及び作用点の間から外れてしまうと、力点がこれらの間に位置する場合に比べ、作用点(他方の位置決め部材61)に掛かるモーメント荷重が大きくなってしまう。
そこで本実施形態では、上述の通り、基準点αを中心とする角度範囲θよりも外側に一対の位置決め部材61を配置している。そのため、この角度範囲θ内で傾斜した荷重が基準点α(すなわち重心)に作用した場合でも、この力点が支点及び作用点(すなわち一対の位置決め部材61)の間から外れることがなく、ひいては、位置決め部材61に加わる荷重を抑制することができる。なお、角度範囲θは3時方向に対して±30°の範囲としており、この角度範囲θ外に大きく傾斜した荷重は、上下方向から衝撃を受けた場合と同様に、バンド2により吸収・緩和される。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、モジュール6における一対の位置決め部材61は、
図4に示すように、所定部品を含むモジュール6全体の重心である基準点αに対して所定方向のうちの同じ側の位置であり、かつ、基準点αを通り所定方向に沿った直線Lを挟みつつ当該直線Lから略等距離となる位置に配置される。
これにより、時計100が落下等により上記所定方向の衝撃を受けた際に、落下の衝撃による荷重が一対の位置決め部材61に適切に分担され、一方のみに負荷が集中しないため、位置決め部材61が破損しにくくなる。また、荷重が2か所に分散されることで位置決め部材61が挿通されている上部ハウジング81の固定用孔813、下部ハウジング82の位置決め孔822、及び基板7の位置決め孔74周り等が破壊されるのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記所定方向が時計ケース1における3時9時方向であり、一対の位置決め部材61が、時計ケース1における一対のバンド取付け部11の設けられていない側(本実施形態では
図1における時計100の左右側)のいずれか一方に配置される。このため、バンド2による衝撃の吸収が期待できない時計100の側面側から時計100が落下した場合でも、落下の衝撃による荷重を一対の位置決め部材61に分担させることにより、位置決め部材61の破損や上部ハウジング81の固定用孔813、下部ハウジング82の位置決め孔822、及び基板7の位置決め孔74周り等の破壊を回避することができる。そして、位置決め部材61やこれが挿通される固定用孔813、位置決め孔74、822が破壊されないことにより、モジュール6を構成するハウジング8と基板7との位置が相対的にずれることが防止され、ハウジング8や基板7上に搭載された電子部品等が破損するのを回避することができる。
また、本実施形態では、位置決め部材61の配置位置を決める基準となる基準点αを求めるのに、モジュール6に設けられる各種部品の中でも特に重量の重い所定部品である電池9やGPS用アンテナ72を考慮する。このため、落下の衝撃による荷重を効率よく分散させることのできる位置決め部材61の配置を適切に設定することができる。
また、本実施形態では、一対の位置決め部材61が、基準点αを中心とする角度範囲θよりも外側に配置されており、この角度範囲θは、一対の位置決め部材61が基準点αに対して時計ケース1における3時側に配置されている場合に3時方向に対して±30°の範囲である。このため、この角度範囲θ内で傾斜した荷重が基準点α(すなわち重心)に作用した場合でも、この力点が支点及び作用点(すなわち一対の位置決め部材61)の間から外れることがなく、ひいては、位置決め部材61に加わる荷重を抑制することができる。
このように、一対の位置決め部材61によって、モジュール6が受けた衝撃による荷重を分担し、位置決め部材61の破損や基板7及びハウジング8各部の破壊を防止できるため、高い耐衝撃性を有するモジュール6及びこれを備える時計100を実現することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、
図6から
図9(a)及び
図9(b)を参照しつつ、本発明に係るモジュール及びこれを備える時計の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、時計が竜頭を備えるアナログ方式の時計である点が第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0040】
図6は、本実施形態に係る時計の正面図である。
図6に示すように、本実施形態の時計200は、時字部材52を有する文字板51と、指針軸54に支持され、図示しない運針機構によって文字板51の上方を回転する指針53を備える表示部50を備えるアナログ方式の時計である。
【0041】
時計200は、第1の実施形態の時計100と同様に、時計ケース1と、この時計ケース1内に収容されるモジュール60(
図7,
図8参照)とを有している。
時計200の側部(本実施形態では、
図6における右側:3時方向)には、時計200についてユーザが各種入力操作を行うための竜頭15が設けられている。
竜頭15は、時計ケース1の側部に露出しユーザが操作する部分である竜頭頭部151と、竜頭頭部151に連設され、時計ケース1内のモジュール60内部に挿入されている軸部152とを有している。
【0042】
図7は、本実施形態のモジュール60を表面側(すなわち、モジュール60を時計ケース1内に収容した際に時計200の表面側に配置される側)から見た平面図であり、
図8は、
図7のモジュール60を裏面側(すなわち、モジュール60を時計ケース1内に収容した際に時計100の裏面側に配置される側)から見た平面図である。
図7に示すように、モジュール60のほぼ中央部の表面側には、モジュール60の内部から指針軸54が突出している。
また、モジュール60の内部には、標準電波用アンテナ71、GPS用アンテナ72、電池9等が搭載されている。
第1の実施形態と同様に、これらのうち、GPS用アンテナ72及び電池9は、他の各種部品と比べて特に重量の重い「所定部品」である。
【0043】
図8に示すように、モジュール60の内部であって、竜頭15の設けられる側には、竜頭15の軸部152の挿入される位置に対応して、竜頭端子815と基板側接触部76が設けられている。
竜頭端子815は、ハウジング(上部ハウジング81、下部ハウジング82)における、竜頭15の軸部152と接触可能な位置に配置されている。
図9(a)は、竜頭端子815及び基板側接触部76を模式的に示したものである。
本実施形態では、上部ハウジング81に竜頭端子815が設けられており、基板7に、竜頭端子815を挟むように2つの基板側接触部76が設けられている(
図9(a)参照)。ユーザが竜頭15を回転操作すると、当該回転方向に応じて竜頭15の軸部152が竜頭端子815をいずれかの方向に移動させる。移動した竜頭端子815が2つの基板側接触部76のいずれかに接触すると、図示しない制御部においていずれの基板側接触部76に接触したかが検出され、これに応じた操作信号が出力されるようになっている。竜頭操作(すなわち、竜頭15の正転・逆転)を正確に検出するためには、竜頭端子815と基板側接触部76との位置関係を高精度に確保する必要がある。
【0044】
図9(b)の上段は、
図9(a)における矢視方向から竜頭端子815及び基板側接触部76を見た場合の位置関係を示した平面図であり、
図9(b)の下段は、位置決め部材61と基板7及び下部ハウジング82の位置決め孔74,822との位置関係を示した平面図である。
図9(b)における左端の図は、一対の位置決め部材61が位置決め孔74,822のほぼ中央に位置し、ずれていない状態を示している。この状態では、初期状態において竜頭端子815がいずれの基板側接触部76とも接触していない状態であり、竜頭15が操作された際に、どのような操作が行われたかを適切に検出することができる。
図9(b)における左から2番目と3番目の図は、モジュール60が外部からの衝撃を受けたことによって一対の位置決め部材61が位置決め孔74,822の中央から同じ方向に多少ずれた状態を示している。この状態においても、初期状態において竜頭端子815はいずれの基板側接触部76とも接触していない状態を維持しているため、竜頭15が操作された際に、どのような操作が行われたかを適切に検出することができる。
これに対して、
図9(b)における左から4番目と5番目の図は、モジュール60が外部からの衝撃を受けたことによって一対の位置決め部材61が位置決め孔74,822の中央から異なる方向にそれぞれ大きくずれた状態を示している。この状態では、初期状態において竜頭端子815がいずれか一方の基板側接触部76と接触した状態となってしまうため、竜頭15が操作された際に、どのような操作が行われたかを適切に検出することができない。
【0045】
このように、モジュール60が外部からの衝撃を受けることによって一対の位置決め部材61がねじれるように異なる方向にずれると、竜頭15による操作を適切に行うことのできない状態となってしまう。このようなねじれる方向へのずれの発生は、位置決め部材61が竜頭15から離れた位置にある場合ほど顕著となる。
このため、時計200に竜頭15が設けられている本実施形態においては、
図8に示すように、一対の位置決め部材61は、竜頭端子815を挟むように配置されることが好ましい。さらに、一対の位置決め部材61は、位置決め孔74,822との隙間内で移動した場合でも竜頭端子815と基板側接触部76とが接触しないように、竜頭端子815から3時方向(左右方向)へ所定距離の範囲内に配置されていることがより好ましい。
そして、所定部品を含むモジュール60全体の重心である基準点αを通り3時9時方向に沿った直線L(
図8において一点鎖線で示す)を挟みつつ当該直線Lから略等距離となる位置に一対の位置決め部材61が配置されるように、モジュール60全体の重心を調整する。すなわち、上記条件を満たす位置に重心がくるように所定部品であるGPS用アンテナ72や電池9が配置される。
【0046】
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
次に、本実施形態におけるモジュール60及びこれを適用した時計200の作用について説明する。
【0048】
本実施形態において、モジュール60を組み立てる際には、まず、モジュール60において時計200の竜頭15が設けられている側に配置される側であって、竜頭端子815を挟むような位置であり、かつ、位置決め孔74,822との隙間内で移動した場合でも竜頭端子815と基板側接触部76とが接触しないような竜頭端子815から3時方向への所定距離範囲内の位置に一対の位置決め部材61を配置するよう位置決め部材61の配置範囲を決定する。
そして、一対の位置決め部材61から略等距離となり3時9時方向に沿った直線L上にモジュール60全体の重心(すなわち基準点α)が来るように、位置決め部材61の配置位置を調整しつつ、所定部品であるGPS用アンテナ72や電池9等の配置を決定する。なお、一対の位置決め部材61の配置位置は、基準点αを中心とする角度範囲θ(
図8に二点鎖線で示す範囲)よりも外側であることが好ましい。ここで、角度範囲θは、竜頭15が設けられる3時方向に対して±30°の範囲である。
位置決め部材61を配置する位置が決定されたら、上部ハウジング81における当該位置決め部材61の配置位置に対応する位置に固定用孔813を形成する。また、下部ハウジング82における当該位置決め部材61の配置位置に対応する位置に位置決め孔822を形成する。さらに、基板7における当該位置決め部材61の配置位置に対応する位置に位置決め孔74を形成する。
なお、その他の組み立て手順は、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0049】
時計200を組み立てる際には、時計ケース1の裏面側の開口を閉塞するように裏蓋部材4を取り付け、時計ケース1内に、上記完成したモジュール60を配置する。
このとき、モジュール60における一対の位置決め部材61の設けられている側が、時計ケース1のバンド取付け部11の設けられていない側であって、竜頭15の設けられる側(すなわち、
図6において時計ケース1の右側)に位置するように、時計ケース1内に収納する。
さらに、モジュール60の上に表示部50を配置し、時計ケース1の表面側の開口を閉塞するように風防部材3を取り付ける。これにより、時計200が完成する。
【0050】
時計200が、バンド2の取り付けられていない側(時計200の側面)から落下する等により
図6における左右方向から衝撃を受けた場合には、時計ケース1内に衝撃が伝わる。
このとき、一対の位置決め部材61が、竜頭15の設けられている側とは逆側(
図6において左側)に配置されていると、一対の位置決め部材61の中点において基板7を含むモジュール60をねじるような動きを生じ、位置決め部材61のずれ量が非常に大きくなる。このため、竜頭端子815が竜頭15の回転に応じて上下(
図9(b)における上下)に往復運動をしてもいずれかの基板側接触部76と接触できない状態となってしまい(
図9(b)における左から4番目と5番目の上段の図参照)、竜頭操作(すなわち、竜頭15の正転・逆転)を検出できなくなってしまう。
この点、本実施形態では、竜頭端子815を挟むような位置に一対の位置決め部材61を配置し、この位置決め部材61の配置位置が、モジュール60全体の重心である基準点αを通り3時9時方向に沿った直線Lを挟みつつ当該直線Lから略等距離の位置となるように、所定部品であるGPS用アンテナ72や電池9等の配置が調整されている。
このように位置決め部材61を竜頭端子815の近傍に竜頭端子815を挟むように配置するので、外部から衝撃が加わった際の竜頭端子815と基板側接触部76との位置ずれを最小限に抑え、竜頭端子815と基板側接触部76との位置関係を、竜頭操作を検出するのに支障のない精度に維持することができる。
また、一対の位置決め部材61は、竜頭端子815から3時方向(左右方向)へ所定距離の範囲内に配置されることにより、位置決め孔74,822との隙間内で移動した場合でも竜頭端子815と基板側接触部76とが接触しないようにすることができる。
さらに、一対の位置決め部材61は、第1の実施形態と同様に、所定部品を含むモジュール60全体の重心を考慮した上記所定の条件を満たす適切な位置に配置されるため、衝撃を受けた際に生じた荷重を一対の位置決め部材61によって分担することができ、位置決め部材61やモジュール60を構成する各部の破損を回避することができる。
【0051】
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、時計200が竜頭15を備えている場合に、竜頭端子815を挟むように位置決め部材61を配置する。
このため、外部から衝撃が加わった際の竜頭端子815と基板側接触部76との位置ずれを最小限に抑えることができ、竜頭操作を検出するのに支障のない精度を確保することができる。
これにより、竜頭15を備える時計200においても高い耐衝撃性を実現することができる。
また、竜頭端子815から3時方向への所定距離の範囲内に一対の位置決め部材61を配置することにより、当該位置決め部材61が位置決め孔74,822との隙間内で移動した場合でも、竜頭端子815と基板側接触部76とが接触しないようにすることができる。
【0053】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0054】
例えば、上記各実施形態では、基準点αを所定部品を含むモジュール全体の重心としたが、基準点αはこれに限定されない。
例えば、いずれか1つの所定部品の重心をもって基準点αとしてもよい。
この場合、基準点αとする重心は、モジュール全体の中で最も重量のあるものの重心とすることが好ましく、例えば、
図10に示すように、電池9の重心を基準点αとする。
この場合にも、一対の位置決め部材61は、基準点αに対して所定方向のうちの同じ側の位置であり、かつ、基準点αを通り所定方向に沿った直線Lを挟みつつ当該直線Lから略等距離となる位置に配置される。
電池9等、特に重量の重い所定部品は、モジュール60全体の重量にも影響し、このような所定部品の重心を基準点αとすることでも一対の位置決め部材61に荷重を分散させて、位置決め部材61やモジュール各部の破損を回避するという効果を期待することができる。
【0055】
また、上記各実施形態では所定部品としてGPS用アンテナ72と電池9を例に挙げたが、所定部品はこれに限定されず、モジュール60全体の重量にも影響するような重量の重いものであれば所定部品となりうる。
【0056】
また、上記各実施形態では、上部ハウジング81に固定用孔813を設け、棒状の位置決め部材61の一端側(第1の細軸部612)を固定用孔813に圧入固定する構成を例としたが、位置決め部材61は棒状の別部材に限定されず、例えば、上部ハウジング81や下部ハウジング82に一体的に突出形成されるボスであってもよい。
【0057】
また、上記各実施形態では、バンド2が取り付けられる時計にモジュールを設ける場合を例示したが、例えば懐中時計のようにバンド2を備えない時計に本発明のモジュールを適用することも可能である。
この場合でも、時計が落下等により衝撃を受ける場合には、重量の重い所定部品に引きずられるように落ちるため、所定部品やこれを含むモジュール全体の重心を考慮して一対の位置決め部材61の配置を決めることにより、衝撃による荷重を一か所に集中させることなく分散させる効果を期待でき、位置決め部材61やモジュール各部の破損を回避することができる。
【0058】
また、上記各実施形態では、モジュールが時計に設けられる場合を例示したが、本発明のモジュールを設ける機器は時計に限定されない。本発明は耐衝撃性が要求される各種の電子機器に搭載されるモジュールに広く適用することができる。
【0059】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
ハウジングと、
基板と、
前記ハウジング及び前記基板の少なくとも一方に設けられた所定部品と、
前記ハウジングに対して前記基板を位置決めする一対の位置決め部材と、
を有し、
前記所定部品又は前記所定部品を含む全体の重心を基準点とし、
前記一対の位置決め部材は、前記基準点に対し、前記基板の面方向に沿った所定方向のうちの同じ側の位置であって、前記基準点を通り前記所定方向に沿った直線を挟みつつ当該直線から略等距離に配置されていることを特徴とするモジュール。
<請求項2>
前記所定部品は、電池又はアンテナのうち少なくともいずれか一方を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
<請求項3>
前記所定部品は、複数配置されており、
前記基準点は、複数の前記所定部品を合わせた場合の重心とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモジュール。
<請求項4>
前記ハウジング又は前記基板には、竜頭の軸部と接触可能に配置された竜頭端子が設けられており、
前記一対の位置決め部材は、前記竜頭端子を挟むように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモジュール。
<請求項5>
前記基板は、隙間を介在させつつ前記竜頭端子を挟むように配置された基板接触部を有し、
前記ハウジング及び前記基板には、前記一対の位置決め部材が挿通される一対の位置決め孔がそれぞれ設けられており、
前記一対の位置決め部材は、前記ハウジング及び前記基板の前記一対の位置決め孔との隙間内で当該一対の位置決め部材が移動した場合に前記竜頭端子と前記基板接触部とが接触しないように、前記竜頭端子から前記所定方向へ所定距離の範囲内に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のモジュール。
<請求項6>
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモジュールと、
前記モジュールを収容する時計ケースと、
を有することを特徴とする時計。
<請求項7>
前記時計ケースの外側面には、対向する位置にバンドが取り付けられる一対のバンド取付け部が設けられており、
前記モジュールは、前記一対の位置決め部材が前記一対のバンド取付け部の設けられていない側に位置するように、前記時計ケース内に配置されることを特徴とする請求項6に記載の時計。
<請求項8>
前記所定方向が前記時計ケースにおける3時9時方向であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の時計。
<請求項9>
前記一対の位置決め部材は、前記基準点を中心とする所定の角度範囲よりも外側に配置されており、
前記所定の角度範囲は、前記一対の位置決め部材が前記基準点に対して前記時計ケースにおける3時側に配置されているとした場合に、3時方向を含む2時方向と4時方向との間の角度範囲であることを特徴とする請求項8に記載の時計。