特許第6551036号(P6551036)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551036
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】動作評価支援システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20190722BHJP
【FI】
   B65G1/137 Z
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-159305(P2015-159305)
(22)【出願日】2015年8月12日
(65)【公開番号】特開2017-36135(P2017-36135A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2018年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅昭
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−068417(JP,A)
【文献】 特開2012−187641(JP,A)
【文献】 特開平05−305590(JP,A)
【文献】 特開2001−100821(JP,A)
【文献】 特開2014−65100(JP,A)
【文献】 特開2006−243248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00−1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転機器の動作の評価を支援する動作評価支援システムであって、
前記自動運転機器の理想的な動作を示す理想情報を取得する理想情報取得手段と、
前記自動運転機器の実際の動作を示す実動作像と理想情報から得られる理想動作像とを重畳させて表示する表示手段とを備える
動作評価支援システム。
【請求項2】
前記自動運転機器の実際の動作を示す実動作情報を作成する実動作情報作成手段と、
理想情報を作成する理想情報作成手段と、
前記実動作情報を取得する実動作情報取得手段とを備え、
前記表示手段は、実動作情報から得られる実動作像と理想情報から得られる理想動作像とを重畳させた状態で表示する
請求項1に記載の動作評価支援システム。
【請求項3】
前記実動作情報作成手段は、前記自動運転機器の実動作を撮像して実動作情報を作成する撮像手段を備える
請求項2に記載の動作評価支援システム。
【請求項4】
前記理想情報作成手段は、シミュレーションにより理想情報を作成する
請求項2または3に記載の動作評価支援システム。
【請求項5】
前記理想情報作成手段は、前記実動作情報作成手段が作成した実動作情報に基づき理想情報を作成する
請求項2または3に記載の動作評価支援システム。
【請求項6】
前記自動運転機器は、動作する部分である動作部を複数箇所に備え、
前記表示手段は、理想情報から得られる一つの前記動作部の理想動作像を実動作像と重畳させて表示する
請求項1〜5のいずれか一項に記載の動作評価支援システム。
【請求項7】
前記自動運転機器は、走行車であり、
前記動作部は、前記走行車に備えられる車輪である
請求項6に記載の動作評価支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、自動倉庫のスタッカクレーンや工場内の搬送車のような物流機器、産業用ロボット、工作機器などの自律的な動作により作業を行う自動運転機器の動作の評価に用いられる動作評価支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ制御によって自律的に動作する自動運転機器は、通常動作の確認や異常動作の検出のために種々のセンサを搭載しており、当該センサから取得した情報に基づき自動運転機器の動作状態が正常か異常かを判断している。
【0003】
例えば、特許文献1には、自動運転機器の一つである物流搬送機器に発生する種々の異常をセンサや制御部からの情報に基づき解析し、異常発生の原因の究明を効率化することができる異常検出方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−10681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、センサなどからの情報に基づいて自動運転機器の動作が異常か否かを判断する場合では、異常とは判断されないが、何らかの不具合が自動運転機器に発生している場合がある。例えば、自動運転機器が初期の性能を発揮できていない場合や、センサによるセンシングの対象になっていない動作部に異常が発生している場合などである。このような自動運転機器の不具合の発見は、作業者の勘に頼る場合が多かった。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、自動運転機器の動作を評価する評価者の評価作業を支援する動作評価支援システムの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明にかかる動作評価支援システムは、自動運転機器の動作の評価を支援する動作評価支援システムであって、前記自動運転機器の理想的な動作を示す理想情報を取得する理想情報取得手段と、前記自動運転機器の実際の動作を示す実動作像と理想情報から得られる理想動作像とを重畳させて表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
これによれば、表示手段によって実動作像と理想動作像とが重畳された画像を評価者が看取できるため、理想動作像と実動作像との相違により自動運転機器の不具合を簡単に評価することができ、自動運転機器に不具合が発生しているか否かを容易に判断することができる。
【0009】
また、前記自動運転機器の実際の動作を示す実動作情報を作成する実動作情報作成手段と、理想情報を作成する理想情報作成手段と、実動作情報を取得する実動作情報取得手段とを備え、前記表示手段は、実動作情報から得られる実動作像と理想情報から得られる理想動作像とを重畳して表示させても良い。
【0010】
これによれば、特殊な表示装置を用いることなく実動作像と理想動作像とを重畳させることが可能となる。また、実動作情報と理想情報とに基づき実動作像と理想動作像とを重畳させるため、評価者が自動運転機器が設置されている現場に居なくても自動運転機器の動作の評価を行うことが可能となる。
【0011】
また、前記実動作情報作成手段は、前記自動運転機器の実際の動作を撮像して実動作情報を作成する撮像手段を備えてもよい。
【0012】
これによれば、比較的容易に実動作情報を作成することができる。
【0013】
また、前記理想情報作成手段は、シミュレーションにより理想情報を作成してもかまわない。
【0014】
これによれば、自動運転機器がどのような挙動をした場合でも、異常原因の特定まですることが可能となる。
【0015】
また、前記理想情報作成手段は、前記実動作情報作成手段が作成した実動作情報に基づき理想情報を作成してもかまわない。
【0016】
これによれば、自動運転機器の動作の経時的な変化を評価することが可能となる。
【0017】
また、前記自動運転機器は、動作する部分である動作部を複数箇所に備え、前記表示手段は、理想情報から得られる一つの前記動作部の理想動作像を実動作像と重畳させて表示させてもかまわない。
【0018】
また、前記自動運転機器は、走行車であり、前記動作部は、前記走行車に備えられる車輪であってもよい。
【0019】
これによれば、自動運転機器の複数の動作部から、少なくとも一つの動作部の理想動作像と実動作像、例えば、走行車の車輪の理想動作像と実動作像とを重畳させることで、着目すべき部分を詳細に表示することが可能となり、動作の詳細な評価を行うことができる。
【0020】
なお、前記動作評価支援システムが含む各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを実施することも本願発明の実施に該当する。無論、そのプログラムが記録された記録媒体を実施することも本願発明の実施に該当する。
【発明の効果】
【0021】
本願発明によれば、自動運転機器が正常に動作しているか否を容易に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、動作評価支援システムの機能部などを示すブロック図である。
図2図2は、動作評価支援システムの使用態様を示す斜視図である。
図3図3は、重畳した実動作像と理想動作像とを表示装置に表示させた状態を示す図である。
図4図4は、動作評価支援システムの機能部などを示すブロック図である。
図5図5は、動作評価支援システムの使用態様を示す斜視図である。
図6図6は、実動作像と理想動作像とを表示装置上で重ね合わせた状態を示す図である。
図7図7は、動作評価支援システムの機能部などを示すブロック図である。
図8図8は、実動作像と理想動作像とが表示装置上で重なり合った状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本願発明に係る動作評価支援システムの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係る動作評価支援システムの一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0024】
また、図面は、本願発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、動作評価支援システムの機能部などを示すブロック図である。
【0026】
図2は、動作評価支援システムの使用態様を示す斜視図である。
【0027】
これらの図に示すように、動作評価支援システム100は、評価者が自動運転機器200の動作を評価する際の作業を視覚的に支援するシステムであり、理想情報取得手段101と、表示手段102と、実動作情報作成手段103と、理想情報作成手段104と、実動作情報取得手段105とを備えている。
【0028】
自動運転機器200とは、例えば、コンピュータの制御などにより自動的に動作する動作部201を少なくとも一つ備えている機器である。具体的に自動運転機器200としては、全体が動作部201として機能する走行車の他、アームが動作部201として動作する産業用ロボットなどを例示することができる。
【0029】
本実施の形態の場合、自動運転機器200として、例えば工場内の床面上を自律的に走行し、荷物を搬送する搬送車を例示している。また、自動運転機器200全体が、自動的に動作する動作部201となっている。さらに、自動運転機器200は、車輪、または、荷物を移載するための移載装置など個別に動作する動作部を複数備えていてもかまわない。
【0030】
実動作情報作成手段103は、自動運転機器200の実際の動作を示す実動作情報を作成する装置、または、処理部である。本実施の形態の場合、実動作情報作成手段103は、自動運転機器200の実際の動作を撮像して実動作情報を作成する撮像手段131と送信部132とを備えている。
【0031】
撮像手段131は、自動運転機器200の実際の動作を像として取得して実動作情報を作成する装置である。具体的に撮像手段131は、デジタル式のビデオカメラであり、自動運転機器200の実際の動作を所定の方向から複数の画像として連続的に取得し、複数の画像の集合である映像として実動作情報を作成する。
【0032】
送信部132は、撮像手段131で作成された実動作情報を実動作情報取得手段105に送信する処理部である。本実施の形態の場合、送信部132は、撮像手段131に内包されており、無線通信により実動作情報を実動作情報取得手段105に送信するものとなっている。
【0033】
実動作情報取得手段105は、実動作情報作成手段103で作成された実動作情報を取得する装置、または、処理部である。本実施の形態の場合、実動作情報取得手段105は、実動作情報作成手段103とは別体のコンピュータ120に備えられた装置であり、実動作情報作成手段103の送信部132から無線通信により送信された実動作情報を取得し保存する。
【0034】
理想情報作成手段104、自動運転機器200の理想的な動作を示す理想情報を作成する装置、または、処理部である。ここで、自動運転機器200の理想的な動作とは、自動運転機器200の動作として予め任意に定めておくことができる動作である。当該理想的な動作としては例えば、自動運転機器200が最良の状態で動作していると考えられる動作でもよく、異常ではないが不具合が発生していると思われる状態で動作していると考えられる動作でもよい。また、新品の自動運転機器200の実際の動作などを理想的な動作としてもよい。
【0035】
本実施の形態の場合、理想情報作成手段104は、コンピュータ120においてシミュレーションプログラムを実行することにより得られる処理部であり、当該シミュレーションプログラムに自動運転機器200の設計値などを入力して実行することにより理想情報が得られるものとなっている。
【0036】
理想情報取得手段101は、自動運転機器200の理想的な動作を示す理想情報を理想情報作成手段104から取得する装置、または、処理部である。本実施の形態の場合、理想情報取得手段101は、理想情報作成手段104と同体のコンピュータ120に備えられた装置であり、理想情報作成手段104で作成された理想情報を取得し保存する。
【0037】
表示手段102は、自動運転機器200の実際の動作を示す実動作像と理想情報から得られる理想動作像とを重畳させた状態で表示する装置である。本実施の形態の場合、表示手段102は、表示装置121と重畳部122とを備えている。
【0038】
表示装置121は、画像を表示する装置であって、例えば液晶パネルや有機ELパネルなどを用いたモニタであり、入力された信号に基づいて画像や画像などを表示することができる装置である。本実施の形態の場合、表示装置121は、コンピュータ120と別体の装置である。
【0039】
重畳部122は、実動作情報取得手段105から取得した実動作情報に基づき実動作像を作成し、また、理想情報取得手段101から取得した理想情報に基づき理想動作像を作成し、実動作像に理想動作像を重畳させた画像を表示装置121に表示させる処理部である。
【0040】
ここで、重畳とは、実際の動作の一瞬を示す画像とこれに対応する理想動作の画像とを重ね合わせるように合成することでもよく、また、実際の動作の一瞬を示す画像とこれに対応する理想動作の画像とを交互に表示装置121に表示させることで、重なり合ったように見せることでもよい。また、このような画像を連続して表示させることで、映像として看取させてもよい。
【0041】
画像とは、実際の動作の一瞬を所定の枠で切り出した状態、または、理想動作像の一瞬を所定の枠で切り出した状態を示す二次元、または、奥行き方向の情報を備えた擬似的三次元の像である。従って、画像を連続的に取得すれば映像を取得することとなり、画像を表示することは映像を表示することにもなる。
【0042】
図3は、重畳した実動作像と理想動作像とを重畳させて表示装置に表示させた状態を示す図である。なお、同図中において、実動作像200rを実線で理想動作像200iを破線で示している。また、自動運転機器200以外の部分については記載を省略している。
【0043】
同図に示すように、実動作像と理想動作像とが重畳されて表示装置121に表示されると、評価者は、自動運転機器200の実動作像200rが理想動作像200iよりも遅れていると容易に評価することが可能となる。
【0044】
(実施の形態2)
続いて、動作評価支援システム100の実施の形態2について説明する。なお、前記実施の形態1と同様の作用や機能、同様の形状や機構や構造を有するもの(部分)には同じ符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下では実施の形態1と異なる点を中心に説明し、同じ内容については説明を省略する場合がある。
【0045】
図4は、動作評価支援システムの機能部などを示すブロック図である。
【0046】
図5は、動作評価支援システムの使用態様を示す斜視図である。
【0047】
同図に示すように、動作評価支援システム100は、理想情報取得手段101と、表示手段102とを備えている。また、本実施の形態の場合、動作評価支援システム100は、タブレット端末であり、理想情報取得手段101と、表示手段102とをタブレット端末内に一体に備えている。
【0048】
本実施の形態の場合、自動運転機器200は、図5に示すように、上下方向に棚板が配置され各段に荷物を載置することができる保管棚(図示せず)の側方に配置される搬送装置である。自動運転機器200としての搬送装置は、動作しない非動作部202としてのレールが保管棚の各段の棚板に対応する位置にそれぞれ配置され、動作部201としての搬送車が前記レールの上を往復動して荷物を搬送する装置である。さらに、前記搬送車は、保管棚との間で荷物を移載することができる移載装置などを動作部201として備えていてもよい。
【0049】
本実施の形態の場合、理想情報取得手段101は、例えば上位コンピュータなどにおいて作成された理想情報を有線、または、無線通信により取得し保存する装置、または、処理部である。
【0050】
表示手段102は、実施の形態1と同様、表示装置121と重畳部122とを備えている。
【0051】
本実施の形態の場合、表示装置121は、透過型のディスプレイであり、評価者300が見ることのできる画像が表示可能であると共に、表示装置121を見ている評価者300が表示装置121の向こう側をシースルーで看取できる装置となっている。具体的に表示装置121は、透明な(光を透過する)機能を有する液晶ディスプレイを備えている。
【0052】
重畳部122は、理想情報取得手段101が取得した理想情報に基づき透明な表示装置121に画像を表示させる処理部である。
【0053】
図6は、実動作像と理想動作像とが表示装置上で重なり合った状態を示す図である。なお、同図中において、実動作像を実線で理想動作像を破線で示しており、実動作像と理想動作像とがずれていない部分については理想動作像の記載を省略している。また、動作評価支援システム100を保持する手も省略している。
【0054】
同図に示すように本実施の形態の場合、重畳部122は、表示装置121を透過して看取することのできる実動作像に重なり合うように理想動作像を表示装置121に表示させている。
【0055】
以上のように、本実施の形態に係る動作評価支援システム100によれば、動作評価支援システム100であるタブレット端末を自動運転機器200に向かってかざすだけで、評価者300は、実動作像と理想動作像とがずれている部分を容易に見つけ出すことができる。具体的には、評価者300は、同図中、上から2段目の動作部201が、理想動作像とずれているため、エラーではないが何らかの不具合がこの動作部201に発生していると評価することができる。
【0056】
(実施の形態3)
続いて、動作評価支援システム100の実施の形態3について説明する。なお、前記実施の形態1、2と同様の作用や機能、同様の形状や機構や構造を有するもの(部分)には同じ符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下では実施の形態1、2と異なる点を中心に説明し、同じ内容については説明を省略する場合がある。
【0057】
図7は、動作評価支援システムの機能部などを示すブロック図である。
【0058】
これらの図に示すように、動作評価支援システム100は、実施の形態1と同様、理想情報取得手段101と、表示手段102と、実動作情報作成手段103と、理想情報作成手段104と、実動作情報取得手段105とを備えている。
【0059】
理想情報作成手段104は、実動作情報作成手段103が作成した実動作情報に基づき理想情報を作成する処理部である。具体的に例えば理想情報作成手段104は、自動運転機器200が設置された直後の実動作情報を取得し、当該実動作情報を理想情報として作成する。そしてその後の実動作情報作成手段103が、定期的、または、ランダムに自動運転機器200の実際の動作に基づき実動作情報を作成し、表示手段102が実動作情報に基づく実動作像と理想情報に基づく理想動作像とを重畳して表示する。
【0060】
これによれば、評価者は自動運転機器200の動作部201の動作の経時的変化を容易に評価することが可能となる。
【0061】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
【0062】
例えば、図8に示すように自動運転機器200は走行車であり、動作する部分である動作部として、本体211、車輪である後輪212、車輪である操舵輪213などを複数箇所に備え、表示手段102は、理想情報から得られる動作部の一つである操舵輪213の理想動作像を実動作像と重畳させて表示してもかまわない。図8の場合、操舵輪213の理想動作像は、破線で示している。このように、自動運転機器200の動作部の一部のみについて理想動作像を実動作像に重畳することで、着目したい動作部について詳細に評価を行うことが可能となる。具体的に例えば、操舵輪213の不規則な回転や操舵方向の微小なぶれなど小さな動作なども詳細に評価することができる。
【0063】
また、実動作情報作成手段は、自動運転機器200が備えるセンサなどから取得したデータや、自動運転機器200の設計値から仮想現実を構成することができる実動作情報を作成してもかまわない。これにより、任意の時間における任意の視点からの実動作像を表示手段102に表示させ、これに対応する理想動作像を重畳させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本願発明は、スタッカクレーンを有する自動倉庫、自律走行が可能な搬送車を備えた工場など、自動運転機器を備えたあらゆる設備に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
100 動作評価支援システム
101 理想情報取得手段
102 表示手段
103 実動作情報作成手段
104 理想情報作成手段
105 実動作情報取得手段
120 コンピュータ
121 表示装置
122 重畳部
131 撮像手段
132 送信部
200 自動運転機器
200i 理想動作像
200r 実動作像
201 動作部
202 非動作部
211 本体
212 後輪
213 操舵輪
300 評価者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8