(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1に開示される回路基板は、実装される第1部品の裏側の角部に第2部品を接続することによって、回路基板と第1部品とを接続するはんだの強度を向上させる構成である。しかしながら、第1部品の裏側に第2部品を配置しようとする場合、他の部品との干渉や回路の動作保証の観点から、所望の位置に第2部品を配置できない虞がある。また、既に回路設計が完成している回路基板において、上記第2部品の実装のために部品配置の修正を行う場合には、多大な手間やコストを費やすこととなってしまうため現実的ではない。
【0005】
また、回路基板上のはんだの耐久性を向上させるために、アンダーフィル材を用いる方法が知られている。すなわち、回路基板と素子との間にアンダーフィル材を充填させてはんだ部分を封止することで、はんだを衝撃から守る構成である。しかしながら、このような構成では、アンダーフィル材を塗布する位置や塗布量を正確に制御しなければ、アンダーフィル材が所望の範囲よりも広がる等によって回路動作の不具合を引き起こす虞がある。そのため、アンダーフィル材の塗布において、塗布位置や塗布量の正確な制御のために複雑な多くの工程が必要となり、コストの増大につながってしまう問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、複数の素子が実装される回路基板の剛性を補強部材を別途設けることなく向上させ得る構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、一面に少なくとも3つの素子がそれぞれ矩形状の実装領域にて表面実装されてなる回路基板であって、
前記一面において前記3つの素子のうち第1の素子が表面実装される領域を第1実装領域、第2の素子が表面実装される領域を第2実装領域、第3の素子が表面実装される領域を第3実装領域とするとき、
前記一面において、前記第1実装領域の第2実装領域側の縁部の少なくとも一部と前記第2実装領域の第1実装領域側の縁部の少なくとも一部とは、素子が実装されない第1非実装領域を介して平行となるように対向し、前記第1実装領域の第2実装領域側の縁部及び前記第2実装領域の第1実装領域側の縁部の双方に平行であって前記第1非実装領域を通る直線上に前記第3実装領域が位置し、前記第1実装領域の第3実装領域側の縁部の少なくとも一部と前記第3実装領域の第1実装領域側の縁部の少なくとも一部とは、素子が実装されない第2非実装領域を介して平行となるように対向し、前記第1実装領域の第3実装領域側の縁部及び前記第3実装領域の第1実装領域側の縁部の双方に平行であって前記第2非実装領域を通る直線上に前記第2実装領域が位置
し、
前記第1実装領域と前記第2実装領域と前記第3実装領域とは、同じ形状の実装領域として形成され、前記実装領域には素子のみが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明では、回路基板の一面において、第1実装領域の第2実装領域側の縁部及び第2実装領域の第1実装領域側の縁部の双方に平行であって第1非実装領域を通る直線(以下、第1直線ともいう)上に第3実装領域が位置する構成である。これにより、第1実装領域及び第2実装領域よりも応力の影響を受けやすい第1非実装領域に対して上記第1直線に沿う方向の応力が作用しても、この応力が第3実装領域によって抑制される。すなわち、第3の素子が第1の素子と第2の素子との間の非実装領域に生じる応力を抑制する補強部材として機能する。また、本発明では、回路基板の一面において、第1実装領域の第3実装領域側の縁部及び第3実装領域の第1実装領域側の縁部の双方に平行であって第2非実装領域を通る直線(以下、第2直線ともいう)上に第2実装領域が位置する構成である。これにより、第1実装領域及び第3実装領域よりも応力の影響を受けやすい第2非実装領域に対して上記第2直線に沿う方向の応力が作用しても、この応力が第2実装領域によって抑制される。すなわち、第2の素子が第1の素子と第3の素子との間の非実装領域に生じる応力を抑制する補強部材として機能する。以上のように、各第1〜第3の素子が互いに補強しあう配置となるので、補強部材を別途設けることなく回路基板の剛性を向上させることができる。
【0009】
請求項2の構成では、素子のパッケージ形態としてBGAを採用することで、素子の高密度実装を実現しつつ、回路基板の剛性を向上させることができる。
【0010】
請求項3の構成では、素子のパッケージ形態としてQFPを採用することで、当該素子の回路基板への高い接合強度を確保することができ、回路基板の補強部分として当該回路基板の変形をより一層抑制し易くなる。
【0011】
請求項4では、電子装置は、上述のように構成される回路基板が筐体に収容されて構成されている。これにより、電子装置に対して外部から衝撃が作用した際に、筐体を介して第1直線に沿う方向の応力や第2直線に沿う方向の応力が回路基板に伝わる場合でも、この応力が補強部材として機能する第3の素子や第2の素子によって抑制される。したがって、筐体内に収容した回路基板の変形を好適に抑制可能な電子装置を実現することができる。
【0012】
請求項5では、回路基板は、第1非実装領域を通る第1直線及び第2非実装領域を通る第2直線のいずれか一方と、筐体の長手方向とが略直交するように、筐体に収容される。長手状に形成される筐体は、落下時には、長手方向一端または長手方向他端から落下して衝撃を受けやすく、この場合、筐体には、長手方向に直交する方向(以下、短手方向ともいう)に応力が作用することとなる。そうすると、筐体を介して第1直線に沿う方向の応力や第2直線に沿う方向の応力が回路基板に伝わる場合でも、この応力が補強部材として機能する第3の素子または第2の素子によって確実に抑制される。したがって、筐体内に収容した回路基板の変形をより好適に抑制可能な電子装置を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る電子装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る電子装置10は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯型の情報端末として構成されており、アンテナを介して送受信される電波を媒介として無線タグ(RFIDタグ)50に記憶されている情報を読み書きする機能に加えて、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を兼ね備え、読み取りを二方式で行いうる構成となっている。
【0015】
図1(A),(B)に示すように、電子装置10は、ABS樹脂等の合成樹脂材料により形成される上側ケース11aおよび下側ケース11bが組み付けられて構成される長手状の筐体11によって外郭が形成されている。また、上側ケース11aには、所定の情報を入力する際に操作されるファンクションキーおよびテンキー等のキー操作部25や、所定の情報を表示するための表示部24等が配置されている。また、下側ケース11bには、下方に向けて開口する読取口12が形成されている。
【0016】
図2(A)に示すように、電子装置10の筐体11内には、電子装置10全体を制御する制御部21が設けられている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ22とともに情報処理装置を構成している。メモリ22には、無線通信処理等を実行するための所定のプログラム等が制御部21により実行可能に予め格納されている。
【0017】
また、制御部21には、LED23、表示部24、キー操作部25、バイブレータ26、ブザー27、外部インタフェース28などが接続されている。キー操作部25は、制御部21に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部21は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。また、LED23、表示部24、バイブレータ26およびブザー27は、制御部21によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部21からの指令を受けて動作する。外部インタフェース28は、サーバ等の外部機器との間でネットワーク等を介してデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部21と協働して通信処理を行う構成をなしている。また、筐体11内には、電源部29が設けられており、この電源部29やバッテリ29aによって制御部21や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
【0018】
また、制御部21には、無線タグ処理部30および情報コード読取部40が接続されている。
まず、無線タグ処理部30について、
図2(B)を用いて説明する。
無線タグ処理部30は、アンテナ34および制御部21と協働して無線タグ50との間で電磁波による通信を行ない、無線タグ50に記憶されるデータの読取り、或いは無線タグ50に対するデータの書込みを行なうように機能するものである。この無線タグ処理部30は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、
図2(B)にて概略的に示すように、送信回路31、受信回路32、整合回路33などを有している。
【0019】
送信回路31は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から所定の周波数のキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部21に接続されており、当該制御部21より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路33を介してアンテナ34に出力している。このようにしてアンテナ34に送信信号が出力されると、その送信信号が送信電波として当該アンテナ34より外部に放射される。
【0020】
一方、アンテナ34によって受信された応答信号は、整合回路33を介して受信回路32に入力される。この受信回路32は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ34を介して受信された応答信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部21に出力している。
【0021】
次に、情報コード読取部40について、
図2(C)を用いて説明する。
情報コード読取部40は、情報コードを光学的に読み取るように機能するもので、
図2(C)に示すように、CCDエリアセンサからなる受光センサ43、結像レンズ42、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部41などを備えた構成をなしており、制御部21と協働して読取対象Rに付された情報コードC(バーコードや二次元コード)を読み取るように機能する。
【0022】
この情報コード読取部40によって読み取りを行う場合、まず、制御部21によって指令を受けた照明部41から照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口12を通って読取対象Rに照射される。そして、照明光Lfが情報コードCにて反射した反射光Lrは読取口12を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ42を通って受光センサ43に受光される。読取口12と受光センサ43との間に配される結像レンズ42は、情報コードCの像を受光センサ43上に結像させる構成をなしており、受光センサ43はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ43から出力された受光信号は、画像データとしてメモリ22(
図2(A))に記憶され、情報コードCに含まれる情報を取得するためのデコード処理に用いられるようになっている。なお、情報コード読取部40には、受光センサ43からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0023】
次に、電子装置10に収容される回路基板60について説明する。回路基板60の一面(表面60a)には、上記制御部21、メモリ22を実現するための第1〜第3の素子71〜73を含むICチップや、抵抗、コンデンサ等の電子部品が実装されている。この回路基板60は、セラミック材等によって板状に構成されており、例えば、
図1(B)に示すように、筐体11に固定されている。
【0024】
第1の素子71は、例えばICチップとして構成され、BGA(Ball Grid Array)型のパッケージ形態となっており、
図3に示すように、平面視矩形の板状に形成されている。また、第1の素子71は、
図4に示すように、回路基板60に対して、その表面60aに形成された電極(図示略)上におけるはんだボール61aを介して実装されている。このはんだボール61aは、回路基板60の表面60a上における矩形状(略正方形状)の実装領域(第1実装領域A11(
図3参照))全体にアレイ状に配置されている。また、第2の素子72、第3の素子73も、第1の素子71と同様の構成となっている。ここで、
図3に示すように、回路基板60の表面60aにおいて3つの素子71〜73のうち第1の素子71が表面実装される領域を第1実装領域A11、第2の素子72が表面実装される領域を第2実装領域A12、第3の素子73が表面実装される領域を第3実装領域A13とする。なお、
図3では、第1〜第3の素子71〜73のみを示し、他の実装部品は省略している。また、
図4では、第2,第3の素子72,73の実装構造の図示を省略している。
【0025】
図3に示すように、回路基板60の表面60aにおいて、第1実装領域A11の第2実装領域側の縁部81aの一部と、第2実装領域A12の第1実装領域側の縁部82aの一部と、は素子が実装されない第1非実装領域A91を介して平行となるように対向している。具体的には、第1実装領域A11の縁部81aにおける第3実装領域A13側の半分と、第2実装領域A12の縁部82aにおける第3実装領域A13側とは反対側の半分と、が一定の距離隔てて平行となるように対向している。そして、第1実装領域A11の第2実装領域側の縁部81a、及び第2実装領域A12の第1実装領域側の縁部82aの双方に平行であって第1非実装領域A91を通る直線(第1直線L1)上に、第3実装領域A13が位置している。具体的には、第1実装領域A11の縁部81aと第2実装領域A12の縁部82aの中央を通る第1直線L1が、第3実装領域A13の中央を通っている。
【0026】
また、
図3に示すように、回路基板60の表面60aにおいて、第1実装領域A11の第3実装領域側の縁部81bの一部と第3実装領域A13の第1実装領域側の縁部83aの一部とは、素子が実装されない第2非実装領域A92を介して平行となるように対向している。具体的には、第1実装領域A11の縁部81bの第2非実装領域A92側の半分と、第3実装領域A13の縁部83aの第2非実装領域A92とは反対側の半分と、が一定の距離隔てて平行となるように対向している。そして、第1実装領域A11の第3実装領域側の縁部81b及び、第3実装領域A13の第1実装領域側の縁部83aの双方に平行であって第2非実装領域A92を通る直線(第2直線L2)上に、第2実装領域A12が位置している。具体的には、第1実装領域A11の縁部81bと第3実装領域A13の縁部83aの中央を通る第2直線L2が、第2実装領域A12の第3実装領域A13寄りの領域を通っている。
【0027】
また、回路基板60は、第1非実装領域A91を通る第1直線L1と、筐体11の長手方向とが略直交するように、筐体11に収容されている。具体的には、回路基板60は、
図3の紙面上における上側縁部及び下側縁部が下側ケース11bにおける短手方向で対向するように、筐体11に固定されている。
【0028】
次に、複数の素子を実装する回路基板に衝撃が加わった場合に生じる歪みについて説明する。ここでは、回路基板が筐体に収容された状態を想定して、回路基板を治具で固定し、その固定された状態の回路基板を床に落下させた際に当該回路基板に生じる歪みを解析する。また、治具は、回路基板に実装される各素子の実装領域や非実装領域に作用する外力の方向を制御するように機能する。
【0029】
まず、
図5(A)(B)に示すような素子の配置構成である回路基板160において生じる歪みについて説明する。回路基板160には、第1〜第3の素子71〜73と同様の構成の第1〜第3の素子171〜173が、それぞれ表面160a上に形成された電極上のはんだボール171a〜173aを介して表面実装されている。また、回路基板160の表面160aにおいて、第1実装領域A111の第2実装領域側の縁部181aの一部と第2実装領域A112の第1実装領域側の縁部182aの一部とは、素子が実装されない第1非実装領域A171を介して平行となるように対向している。しかしながら、
図5(A)(B)の構成は、本実施形態の回路基板60と異なり、第1実装領域A111の第2実装領域側の縁部181a及び第2実装領域A112の第1実装領域側の縁部182aの双方に平行であって第1非実装領域A171を通る直線(第1直線L101)上に第3実装領域A113が位置する構成ではない。この比較例では、第1実装領域A111の第2実装領域側の縁部181aと、第3実装領域A113の第2実装領域側の縁部183aと、が同一直線上に位置する構成となっている。そして、回路基板160における第1直線L101と平行な2つの相対向する縁部が治具100によってそれぞれ固定されている。
【0030】
図6は、
図5(A)(B)に示す治具100で固定した回路基板160を床に落下させた際に生じる歪みの解析結果を概略的に示す説明図である。
図6において、領域B101は、回路基板160を仮想的に示す領域であり、領域J101は、回路基板160を固定する治具100を仮想的に示す領域である。また、
図6において、領域D101〜D103は、それぞれ第1〜第3実装領域A111〜A113を仮想的に示す領域であり、第1直線LL101は、第1直線L101を仮想的に示す直線である。また、
図6では、回路基板160に相当する領域B101における歪みの分布を等値線によって示している。この解析では、両治具100が床に衝突することを想定し、回路基板160に治具100に固定された両縁部から均等に所定の外力が加わる条件を用いている。
【0031】
図6に示すように、領域B101における領域D101と領域D102の間を通る第1直線LL101の近辺に強い歪が生じ、特に領域D102と領域D101及び領域D103との間の領域により強い歪が生じている。すなわち、
図5(A)(B)に示す回路基板160の構成では、回路基板160における第1直線L101に沿った部分に強い歪が生じることになる。このような結果から、
図5(A)(B)に示すように各素子が配置される回路基板160に対して第1直線L101に直交する方向から外力が作用する場合、第1直線L101に沿って歪が生じ易いことが分かる。なお、
図6の解析結果から、第2実装領域A112と第1実装領域A111及び第3実装領域A113との間の部分における歪みの大きさが、およそ3000μεと分かる。
【0032】
次に、
図7(A)(B)に示すような素子の配置構成である回路基板260において生じる歪みについて説明する。回路基板260には、第1〜第3の素子71〜73と同様の構成の第1〜第3の素子271〜273が、それぞれ表面260a上に形成された電極上のはんだボール271a〜273aを介して表面実装されている。また、回路基板260の表面260aにおいて、第1実装領域A211の第2実装領域側の縁部281aと第2実装領域A212の第1実装領域側の縁部282aとは、素子が実装されない第1非実装領域A271を介して平行となるように対向している。そして、上記本実施形態の回路基板60の構成(第1直線L1上に第3実装領域A13が位置する構成)と同様に、第1実装領域A211の第2実装領域側の縁部281a及び第2実装領域A212の第1実装領域側の縁部282aの双方に平行であって第1非実装領域A271を通る直線(第1直線L201)上に第3実装領域A213が位置する構成となっている。また、回路基板260における第1直線L201と平行な2つの相対向する縁部が治具100によってそれぞれ固定されている。
【0033】
図8は、
図7(A)(B)に示す治具100で固定した回路基板260を床に落下させた際に生じる歪みの解析結果を概略的に示す説明図である。
図8において、領域B201は、回路基板260を仮想的に示す領域であり、領域J201は、回路基板260を固定する治具100を仮想的に示す領域である。また、
図8において、領域D201〜D203は、それぞれ第1〜第3実装領域A211〜A213を仮想的に示す領域であり、第1直線LL201は、第1直線L201を仮想的に示す直線である。また、
図8では、回路基板260に相当する領域B201における歪みの分布を等値線によって示している。この解析においても、両治具100が床に衝突することを想定し、回路基板260に治具100に固定された両縁部から均等に所定の外力が加わる条件を用いている。
【0034】
図8に示すように、領域B201における領域D201と領域D202の間を通る第1直線LL201の近辺に歪みが生じている。すなわち、
図7(A)(B)に示す回路基板260の構成において、回路基板260における第1直線L201に沿った部分に強い歪が生じることになる。そして、
図8の解析結果から、回路基板260における最も強い歪みが生じる部分(第1実装領域A211と第2実装領域A212の間の部分)の歪みの大きさは、およそ1500μεと分かる。しかしながら、このような回路基板260における最も強い歪みが生じる部分の歪みの大きさ(およそ1500με)は、上記
図5(A)(B)の構成における同様の箇所(第1実装領域A111と第2実装領域A112との間の第1非実装領域A171)の歪みの大きさ(およそ3000με)に対して大幅に小さい値になっている。これは、強い歪みが発生し易い第1直線L201上に第3実装領域A13が位置することで、第1直線L201に沿う方向の応力の作用が抑制されるためである。すなわち、第3の素子73が歪みを抑制する補強部材として機能しているためである。
【0035】
以上のように、
図5(A)(B)や
図7(A)(B)に示すような治具100で両縁を固定した回路基板が床に落下する場合、治具100で固定される回路基板の縁に平行な直線であって、回路基板の中心付近を通る直線に沿って強い歪みが生じ易くなる。特に、このような強い歪みが生じ易い箇所に、
図5(A)(B)に示す構成のように、素子の実装領域に挟まれた非実装領域が位置することで、応力の影響を受け易く、より強い歪みが生じることになってしまう。そこで、
図7(A)(B)に示すように、このような強い歪みが発生し易い第1直線L1上に第3実装領域A13を位置させることで、第3の素子73を歪みを抑制する補強部材として機能させることができる。
【0036】
上記本実施形態の電子装置10は、
図2に示すように、回路基板60が、第1非実装領域A91を通る第1直線L1と、筐体11の長手方向とが略直交するように、筐体11に収容される構成となっている。長手状に形成される筐体11は、落下時には、長手方向一端または長手方向他端から落下して衝撃を受け易く、この場合、筐体11には、短手方向に応力が作用することとなる。しかしながら、筐体11を介して第1直線L1に沿う方向の応力が回路基板60に伝わる場合であっても、この応力が補強部材として機能する第2の素子72によって抑制されることになる。そのため、回路基板60は、強い応力が生じ易い方向における剛性を向上させることができる。
【0037】
さらに、上記本実施形態の電子装置10は、
図2に示すように、回路基板60において、第1実装領域A11と第3実装領域A13との間の第2直線L2上に第2実装領域A12が位置する構成となっている。そのため、筐体11を介して第2直線L2に沿う方向の応力が回路基板60に伝わる場合でも、この応力が補強部材として機能する第2の素子72によって抑制される。これにより、回路基板60の剛性をより一層向上させることができる。
【0038】
以上説明したように、本第1実施形態では、回路基板60の一面(表面60a)において、第1実装領域A11の第2実装領域側の縁部81a及び第2実装領域A12の第1実装領域側の縁部82aの双方に平行であって第1非実装領域A91を通る第1直線L1上に第3実装領域A13が位置する構成である。これにより、第1実装領域A11及び第2実装領域A12よりも応力の影響を受けやすい第1非実装領域A91に対して上記第1直線L1に沿う方向の応力が作用しても、この応力が第3実装領域A13によって抑制される。すなわち、第3の素子73が第1の素子71と第2の素子72との間の非実装領域(第1非実装領域A91)に生じる応力を抑制する補強部材として機能する。また、本発明では、回路基板60の一面(表面60a)において、第1実装領域A11の第3実装領域側の縁部81b及び第3実装領域A13の第1実装領域側の縁部83aの双方に平行であって第2非実装領域A92を通る第2直線L2上に第2実装領域A12が位置する構成である。これにより、第1実装領域A11及び第3実装領域A13よりも応力の影響を受けやすい第2非実装領域A92に対して上記第2直線L2に沿う方向の応力が作用しても、この応力が第2実装領域A12によって抑制される。すなわち、第2の素子72が第1の素子71と第3の素子73との間の非実装領域に生じる応力を抑制する補強部材として機能する。以上のように、各第1〜第3の素子71〜73が互いに補強しあう配置となるので、補強部材を別途設けることなく回路基板60の剛性を向上させることができる。
【0039】
また、
図4に示すような素子の実装構造において、回路基板60が衝撃を受けることによって変形する場合、一般に、回路基板60の変形に追従して実装領域の外周側に位置するはんだにクラック(ひび割れ)が発生し易くなる。しかしながら、本実施形態の構成のように、回路基板60の剛性が向上することで、回路基板60の変形が生じ難くなり、回路基板60の変形(歪み)に追従して各実装領域のはんだにひび割れが発生することを抑制することができる。
【0040】
また、第1〜第3の素子71〜73は、BGA(Ball Grid Array)型のパッケージ形態となっている。
このように、素子のパッケージ形態としてBGAを採用することで、素子の高密度実装を実現しつつ、回路基板60の剛性を向上させることができる。
【0041】
また、電子装置10は、回路基板60が筐体11に収容されて構成されている。
このような構成では、電子装置10に対して外部から衝撃が作用した際に、筐体11を介して第1直線L1に沿う方向の応力や第2直線L2に沿う方向の応力が回路基板60に伝わる場合でも、この応力が補強部材として機能する第3の素子73や第2の素子72によって抑制される。したがって、筐体11内に収容した回路基板60の変形を好適に抑制可能な電子装置10を実現することができる。
【0042】
また、筐体11は、長手形状に形成され、回路基板60は、第1非実装領域A91を通る第1直線L1と、筐体11の長手方向とが略直交するように、筐体11に収容される構成となっている。
長手状に形成される筐体11は、落下時には、長手方向一端または長手方向他端から落下して衝撃を受けやすく、この場合、筐体11には、短手方向に応力が作用することとなる。そうすると、筐体11を介して第1直線L1に沿う方向の応力が回路基板60に伝わる場合でも、この応力が補強部材として機能する第3の素子73によって確実に抑制される。したがって、筐体11内に収容した回路基板60の変形をより好適に抑制可能な電子装置10を実現することができる。
【0043】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0044】
上記第1実施形態において、第1〜第3の素子71〜73を、BGA型のパッケージ形態とする構成を例示したが、第2の素子72及び第3の素子73のうち少なくともいずれか1つがBGA型のパッケージ形態であれば、その他の構成であってもよい。このような構成によって、素子の高密度実装を実現しつつ、回路基板60の剛性を向上させることができる。
【0045】
また、上記第1実施形態において、第1〜第3の素子71〜73を、BGA型のパッケージ形態とする構成を例示したが、第2の素子72及び第3の素子73のうち少なくともいずれか1つをQFP(Quad Flat Package)型のパッケージ形態とする構成であってもよい。このように素子のパッケージ形態としてQFP型を採用することで、当該素子の回路基板60への高い接合強度を確保することができ、回路基板60の補強部分として当該回路基板60の変形をより一層抑制し易くなる。
【0046】
また、上記第1実施形態において、回路基板60に第1〜第3の素子71〜73が実装される構成を例示したが、これら第1〜第3の素子71〜73に加えて同様の構成の素子が4つ以上実装される構成であってもよい。
【0047】
また、上記第1実施形態において、第1〜第3実装領域A11〜A13が略正方形状の領域である構成を例示したが、第1〜第3実装領域A11〜A13の少なくとも1つが略長方形状の領域である構成であってもよい。
【0048】
また、上記第1実施形態において、回路基板60が、第1非実装領域A91を通る第1直線L1と、筐体11の長手方向とが略直交するように、筐体11に収容される構成を例示したが、回路基板60が、第2非実装領域A92を通る第2直線L2と、筐体11の長手方向とが略直交するように、筐体11に収容される構成であってもよい。このような構成では、筐体11を介して第2直線L2に沿う方向の応力が回路基板60に伝わる場合でも、この応力が補強部材として機能する第2の素子72によって確実に抑制される。そのため、筐体11内に収容した回路基板60の変形をより好適に抑制可能な電子装置10を実現することができる。
【0049】
また、上記第1実施形態において、回路基板60が携帯型の情報コード読取装置として構成される電子装置10に収容される例を示したが、携帯電話機やスマートフォン等の携帯型情報処理端末として構成される電子装置に収容される構成であってもよい。また、回路基板60が、据置型の情報コード読取装置や据置型のICカードリーダ等として構成される電子装置に収容される構成であってもよい。