特許第6551103号(P6551103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551103
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】報知システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20190722BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20190722BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20190722BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   G08B25/00 520A
   G08B25/04 K
   G08B25/10 A
   G06K19/07 090
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-185211(P2015-185211)
(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公開番号】特開2017-59130(P2017-59130A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 伸也
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−148083(JP,A)
【文献】 特開2010−15407(JP,A)
【文献】 特開2012−81160(JP,A)
【文献】 特開2006−277422(JP,A)
【文献】 特開2007−13942(JP,A)
【文献】 特表2012−511719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B25/00
G06K19/07
G08B25/04
G08B25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のIDを記憶する第1の記録媒体と、
前記第1のIDとは異なる第2のIDを記憶する第2の記録媒体と、
前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体との間で無線通信を実行可能な無線通信手段と、
前記無線通信手段と通信可能に設置されており、前記第1のIDと前記第2のIDとを対応付けて記憶するサーバと、
を備える報知システムであって、
前記第1の記録媒体は、特定の指示が前記第1の記録媒体に入力される場合に、前記第1のIDを含む第1の信号を前記無線通信手段に送信し、
前記無線通信手段は、前記第1の信号を受信すると、前記第1の信号に含まれる前記第1のIDを含む第2の信号を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第2の信号を受信すると、前記第2の信号に含まれる前記第1のIDに対応付けられている前記第2のIDを特定し、特定された前記第2のIDと前記第1のIDとを含む第3の信号を前記無線通信手段に送信し、
前記無線通信手段は、前記第3の信号を受信すると、前記第3の信号に含まれる前記第2のIDを記憶している前記第2の記録媒体に対して、前記第1のIDを含む第4の信号を送信し、
前記第2の記録媒体は、前記第4の信号を受信すると、前記第4の信号に含まれる前記第1のIDを記憶する前記第1の記録媒体に前記特定の指示が入力されたことを報知する報知動作を実行する、
報知システム。
【請求項2】
前記無線通信手段は、第1の通信範囲内に存在する前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体との間で無線通信を実行可能な第1の無線通信装置と、前記第1の通信範囲とは異なる第2の通信範囲内に存在する前記第1の記録媒体及び第2の記録媒体との間で無線通信を実行可能な第2の無線通信装置と、を含み、
前記第1の記録媒体は、前記特定の指示が入力される場合であって、前記第1の通信範囲内に存在する場合に、前記第1の無線通信装置に前記第1の信号を送信し、
前記第1の無線通信装置は、前記第1の信号を受信すると、前記第2の信号を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第2の信号を受信すると、前記第3の信号を前記第2の無線通信装置に送信し、
前記第2の無線通信装置は、前記第3の信号を受信すると、前記第2の通信範囲内に前記第2の記録媒体が存在する場合に、前記第2の記録媒体に対して前記第4の信号を送信し、前記第2の通信範囲内に前記第2の記録媒体が存在しない場合に、前記第2の記録媒体に対して前記第4の信号を送信しない、請求項1に記載の報知システム。
【請求項3】
前記第1の無線通信装置は、前記第1の無線通信装置の設置場所を示す場所情報を記憶しており、
前記第1の無線通信装置は、前記第1の信号を受信すると、前記第1の信号に含まれる前記第1のIDと、前記場所情報とを含む前記第2の信号を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記第1の無線通信装置から前記第2の信号を受信すると、前記第2のIDを特定するとともに、特定された前記第2のIDと、前記第1のIDと、前記場所情報とを含む前記第3の信号を前記第2の無線通信装置に送信し、
前記第2の無線通信装置は、前記サーバから前記第3の信号を受信すると、前記第2の通信範囲内に前記第2の記録媒体が存在する場合に、前記第2の記録媒体に対して、前記第1のIDと前記場所情報とを含む前記第4の信号を送信し、前記第2の通信範囲内に前記第2の記録媒体が存在しない場合に、前記第2の記録媒体に対して前記第4の信号を送信せず、
前記第2の記録媒体は、前記第4の信号を受信すると、前記場所情報が示す前記第1の無線通信装置の設置場所の近傍において、前記第1のIDを記憶する前記第1の記録媒体に前記特定の指示が入力されたことを報知する前記報知動作を実行する、請求項2に記載の報知システム。
【請求項4】
前記サーバは、さらに、前記第3の信号を前記第1の無線通信装置にも送信し、
前記第1の無線通信装置は、前記第3の信号を受信すると、前記第1の通信範囲内に前記第2の記録媒体が存在する場合に、前記第2の記録媒体に対して前記第4の信号を送信し、前記第1の通信範囲内に前記第2の記録媒体が存在しない場合に、前記第2の記録媒体に対して前記第4の信号を送信しない、請求項2又は3に記載の報知システム。
【請求項5】
前記第1の記録媒体は、ユーザによって操作可能な操作部を有しており、
前記特定の指示は、所定期間の間に前記操作部が複数回操作されることと、前記操作部が特定期間以上操作され続けることと、のうちの少なくとも一方を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の報知システム。
【請求項6】
前記第1の記録媒体は、前記第1のIDを記憶する第1のRFタグであり、
前記第2の記録媒体は、前記第2のIDを記憶する第2のRFタグであり、
前記無線通信手段は、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体との間でRFID方式に従った無線通信を実行可能なリーダライタであり、
前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体は、前記無線通信手段から電波を受信することによって発生する電力を利用して動作する、請求項1から5のいずれか一項に記載の報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の従業員のそれぞれが所持する携帯無線端末と、各携帯無線端末から送信される緊急信号を受信するための受信機と、受信機と通信可能な親局装置とを有する緊急通報システムが開示されている。複数の従業員のうちの特定の従業員のもとで異常(例えば急病やけが等の緊急事態)が発生し、当該特定の従業員が携帯無線端末の緊急ボタンを押下すると、携帯無線端末は、自機のIDを含む緊急信号を受信機に無線送信する。受信機は、緊急信号を受信すると、親局装置からの定期ポーリングに応答する際に、受信した緊急信号を親局装置に転送する。親局装置は、緊急信号を受信すると、携帯無線端末のIDに対応付けられている特定の従業員の名前をディスプレイに表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−153293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の従業員のもとで異常が発生した場合、特定の従業員以外の他の従業員(例えば、特定の従業員の上司等)が、特定の従業員のもとで異常が発生したことを迅速に把握できることが望ましい場合がある。しかしながら、特許文献1の技術では、特定の従業員のもとで異常が発生した場合に、他の従業員にその旨を報知することについては全く考慮されていない。そのため、特許文献1の技術では、特定の従業員以外の他の従業員は、携帯無線端末を所持していても特定の従業員のもとで異常が発生したことを迅速に把握することができない。
【0005】
本明細書では、一の記録媒体の近傍で異常が発生したことを他の記録媒体の所持者に報知し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、以下の報知システムを開示する。報知システムは、第1のIDを記憶する第1の記録媒体と、第1のIDとは異なる第2のIDを記憶する第2の記録媒体と、第1の記録媒体及び第2の記録媒体との間で無線通信を実行可能な無線通信手段と、無線通信手段と通信可能に設置されており、第1のIDと第2のIDとを対応付けて記憶するサーバとを備える。第1の記録媒体は、特定の指示が第1の記録媒体に入力される場合に、第1のIDを含む第1の信号を無線通信手段に送信する。無線通信手段は、第1の信号を受信すると、第1の信号に含まれる第1のIDを含む第2の信号をサーバに送信する。サーバは、第2の信号を受信すると、第2の信号に含まれる第1のIDに対応付けられている第2のIDを特定し、特定された第2のIDと第1のIDとを含む第3の信号を無線通信手段に送信する。無線通信手段は、第3の信号を受信すると、第3の信号に含まれる第2のIDを記憶している第2の記録媒体に対して、第1のIDを含む第4の信号を送信する。第2の記録媒体は、第4の信号を受信すると、第4の信号に含まれる第1のIDを記憶する第1の記録媒体に特定の指示が入力されたことを報知する報知動作を実行する。
【0007】
上記の構成によると、第1の記録媒体で特定の指示が入力される場合に、第1のIDと対応付けてサーバに記憶されている第2のIDを記憶する第2の記録媒体において報知動作が実行される。この報知動作によって、第2の記録媒体の所持者は、第1の記録媒体に対して特定の指示が入力されたことを知ることができる。そのため、例えば、第1の記憶媒体の所持者に何らかの異常が発生したときに、第1の記憶媒体の所持者が特定の指示を第1の記憶媒体に入力すれば、第1の記憶媒体の所持者に何らかの異常が発生したことを、第2の記憶媒体の所持者に報知することができる。従って、上記の報知システムによると、特定の記録媒体の近傍で異常が発生したことを他の記録媒体の所持者に報知し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】報知システムの構成を模式的に示す説明図。
図2】社員証の構成を模式的に示すブロック図。
図3】リーダライタの構成を模式的に示すブロック図。
図4】サーバの構成を模式的に示すブロック図。
図5】報知システムの動作の概要を模式的に示す説明図。
図6】社員証の制御部が実行する社員証処理を示すフローチャート。
図7】リーダライタの制御部が実行するリーダライタ処理を示すフローチャート。
図8】サーバの制御部が実行するサーバ処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に示す技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。
【0010】
(特徴1)無線通信手段は、第1の通信範囲内に存在する第1の記録媒体及び第2の記録媒体との間で無線通信を実行可能な第1の無線通信装置と、第1の通信範囲とは異なる第2の通信範囲内に存在する第1の記録媒体及び第2の記録媒体との間で無線通信を実行可能な第2の無線通信装置とを含んでもよい。第1の記録媒体は、特定の指示が入力される場合であって、第1の通信範囲内に存在する場合に、第1の無線通信装置に第1の信号を送信してもよい。第1の無線通信装置は、第1の信号を受信すると、第2の信号をサーバに送信してもよい。サーバは、第2の信号を受信すると、第3の信号を第2の無線通信装置に送信してもよい。第2の無線通信装置は、第3の信号を受信すると、第2の通信範囲内に第2の記録媒体が存在する場合に、第2の記録媒体に対して第4の信号を送信し、第2の通信範囲内に第2の記録媒体が存在しない場合に、第2の記録媒体に対して第4の信号を送信しなくてもよい。
【0011】
この構成によると、第1の記録媒体が第1の通信範囲内に存在し、第2の記録媒体が第1の通信範囲とは異なる第2の通信範囲内に存在する場合においても、第1の記録媒体で特定の指示が入力されれば、第2の記録媒体において報知動作が実行される。従って、上記の構成によると、第1の記録媒体と第2の記録媒体とが異なる通信範囲内に存在する場合であっても、第1の記録媒体に対して特定の指示が入力されたことを第2の記録媒体の所持者に報知することができる。そのため、第1の記録媒体と第2の記録媒体とが異なる通信範囲内に存在する場合であっても、第1の記録媒体の近傍で異常が発生したことを第2の記録媒体の所持者に報知し得る。
【0012】
(特徴2)第1の無線通信装置は、第1の無線通信装置の設置場所を示す場所情報を記憶していてもよい。第1の無線通信装置は、第1の信号を受信すると、第1の信号に含まれる第1のIDと、場所情報とを含む第2の信号をサーバに送信してもよい。サーバは、第1の無線通信装置から第2の信号を受信すると、第2のIDを特定するとともに、特定された第2のIDと、第1のIDと、場所情報とを含む第3の信号を第2の無線通信装置に送信してもよい。第2の無線通信装置は、サーバから第3の信号を受信すると、第2の通信範囲内に前記第2の記録媒体が存在する場合に、第2の記録媒体に対して、第1のIDと場所情報とを含む第4の信号を送信し、第2の通信範囲内に第2の記録媒体が存在しない場合に、第2の記録媒体に対して第4の信号を送信しなくてもよい。第2の記録媒体は、第4の信号を受信すると、場所情報が示す第1の無線通信装置の設置場所の近傍において、第1のIDを記憶する第1の記録媒体に特定の指示が入力されたことを報知する報知動作を実行してもよい。
【0013】
この構成によると、第2の通信範囲内に存在する第2の記録媒体の所持者に対して、第1の記録媒体に対して特定の指示が入力されたことに加え、第1の無線通信装置の設置場所の近傍で特定の指示が入力されたことを報知することができる。従って、第2の記録媒体の所持者に対してより詳しい状況を報知することができる。
【0014】
(特徴3)サーバは、さらに、第3の信号を第1の無線通信装置にも送信してもよい。第1の無線通信装置は、第3の信号を受信すると、第1の通信範囲内に第2の記録媒体が存在する場合に、第2の記録媒体に対して第4の信号を送信し、第1の通信範囲内に第2の記録媒体が存在しない場合に、第2の記録媒体に対して前記第4の信号を送信しなくてもよい。
【0015】
この構成によると、第2の記録媒体が、第1の通信範囲内と第2の通信範囲内のどちらに存在する場合であっても、第1の記録媒体で特定の指示が入力されれば、第2の記録媒体に報知動作を行わせることができる。
【0016】
(特徴4)第1の記録媒体は、ユーザによって操作可能な操作部を有していてもよい。特定の指示は、所定期間の間に操作部が複数回操作されることと、操作部が特定期間以上操作され続けることと、のうちの少なくとも一方を含んでもよい。
【0017】
この構成によると、操作部が1回だけ操作されることによって特定の指示が入力される構成や、操作部が特定期間より短い時間の間だけ操作され続けることによって特定の指示が入力される構成と比べて、特定の指示が第1の記録媒体に入力されにくくなる。そのため、第1の記録媒体に特定の指示が容易に入力されることを抑制し、第1の記録媒体に特定の指示が誤入力されることを抑制することができる。
【0018】
(特徴5)第1の記録媒体は、第1のIDを記憶する第1のRFタグであってもよく、第2の記録媒体は、第2のIDを記憶する第2のRFタグであってもよい。無線通信手段は、第1の記録媒体及び第2の記録媒体との間でRFID方式に従った無線通信を実行可能なリーダライタであってもよい。第1の記録媒体及び第2の記録媒体は、無線通信手段から電波を受信することによって発生する電力を利用して動作してもよい。
【0019】
この構成によると、第1の記録媒体及び第2の記録媒体は、バッテリ等の電源装置を備える必要がない。無線通信手段から電波を受信できる状況であれば、第1の記録媒体に特定の指示が入力される場合に、第2の記録媒体に適切に報知動作を行わせることができる。
【0020】
(第1実施例)
(報知システム2の全体構成;図1
図1に示す報知システム2は、企業内の各社員が所持するカード式の社員証を用いた報知システムであって、特定の社員のもとで異常等が発生したことを他の社員に報知するための報知システムである。図1は、居室R1、会議室R2、食堂R3の各部屋を有する企業において利用される報知システムの例を示している。図1の例では、居室R1、会議室R2、食堂R3の各部屋のみを図示しているが、実際にはこれら以外の部屋が存在する。報知システム2は、異なる社員によって所持される社員証10a、10bと、各部屋に配置されるリーダライタ40a、40b、40cと、サーバ70とを備える。以下では、社員証10a、10bを総称する場合、単に社員証10と呼ぶ場合があり、リーダライタ40a、40b、40cを総称する場合、単にリーダライタ40と呼ぶ場合がある。図1では、社員証10a、10bのみを図示しているが、実際にはこれら以外の社員証10が存在する。また、図1に示されていない居室R1、会議室R2、食堂R3以外の各部屋にも、それぞれリーダライタ40が備えられている。
【0021】
(社員証10の構成;図1図2
社員証10a、10bは、カード型のRFタグである。社員証10a、10bは同様の構成を有する。図1の例では、社員証10aは社員名「A」の社員によって所持され、社員証10bは、「A」の上司である社員名「B」の社員によって所持されている。以下では、社員名「A」の社員のことを単に社員Aと呼び、社員名「B」の社員のことを単に社員Bと呼ぶ場合がある。
【0022】
図2に示すように、社員証10は、制御部12と、メモリ14と、操作部16と、スピーカ18と、IC(Integrated Circuit)カード通信部20と、RFID(Radio Frequency Identifier)通信部22と、蓄電部24とを備える。
【0023】
制御部12は、メモリ14内に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。制御部12が実行する処理の内容は後で詳しく説明する。
【0024】
メモリ14は、制御部12が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ14は、当該社員証10を所持する社員の名前を記憶している。例えば、社員証10aのメモリ14は社員名「A」を記憶しており、社員証10bのメモリ14は社員名「B」を記憶している。さらに、メモリ14は、後述の異常フラグを記憶している。メモリ14内の異常フラグは「OFF」「ON」のいずれかに設定されている。
【0025】
操作部16は、当該社員証10の所持者(又は他の者でもよい)が操作可能なボタンを備える。スピーカ18は、音声メッセージや報知音等、各種の音を出力可能なスピーカである。
【0026】
ICカード通信部20は、企業内の所定場所(例えば、各部屋のドアに設けられた開錠装置等)に設けられた図示しないICカードリーダとの間で、RFID方式に従った無線通信(いわゆる近距離無線通信)を実行するためのデバイスである。ICカード通信部20は、135kHzの無線通信を実行する。ICカード通信部20は、図示しない送信回路と、受信回路と、アンテナとを備える。送信回路は、アンテナを介して135kHzのキャリア信号を送信する回路である。送信回路から送信されるキャリア信号には、例えば、ICカードリーダから受信した読み取り要求信号に応じて送信する情報(例えば社員名)が含まれる。受信回路は、ICカードリーダから、アンテナを介して135kHzのキャリア信号を受信するための回路である。受信回路が受信するキャリア信号には、読み取り要求信号が含まれる。アンテナは、コイルであり、送信回路から出力されたキャリア信号を空間に放射するとともに、ICカードリーダから出力されたキャリア信号をキャッチする。アンテナは、ICカードリーダから出力されたキャリア信号(即ち電波)をキャッチすることにより発電することができる。アンテナが発電した電力は、蓄電部24に蓄電される。
【0027】
RFID通信部22は、リーダライタ40との間で無線通信を実行するためのデバイス(RFIDタグ)である。RFID通信部22は、ICカード通信部20と同様にRFID方式に従った無線通信を実行可能であるが、ICカード通信部20とは異なり、900MHzの無線通信を実行する。RFID通信部22は、図示しない送信回路と、受信回路と、アンテナとを備える。送信回路は、アンテナを介して900MHzのキャリア信号を送信する回路である。送信回路から送信されるキャリア信号には、例えば、リーダライタ40から受信した信号(例えばポーリング信号)に応じて送信する情報(例えば社員名)が含まれる。受信回路は、ICカードリーダから、アンテナを介して900MHzのキャリア信号を受信するための回路である。キャリア信号には、リーダライタ40が送信する各種信号(例えばポーリング信号)が含まれる。また、受信回路は、キャリア信号を受信すると、受信したキャリア信号を制御部12に供給する。これにより、制御部12は、キャリア信号を受信したことを検知することができる。アンテナは、コイルであり、送信回路から出力されたキャリア信号を空間に放射するとともに、リーダライタ40から出力されたキャリア信号をキャッチする。アンテナは、リーダライタ40から出力されたキャリア信号(即ち電波)をキャッチすることにより発電することもできる。アンテナが発電した電力は、上記と同様に蓄電部24に蓄電される。
【0028】
蓄電部24は、ICカード通信部20のアンテナ及びRFID通信部22のアンテナがキャリア信号(電波)をキャッチすることによって発生させた電力を蓄えるコンデンサを備える。蓄電部24に蓄えられた電力は、制御部12、メモリ14、操作部16、スピーカ18等の各構成要素に供給される。
【0029】
(リーダライタ40の構成;図1図3
リーダライタ40a、40b、40cは、社員証10のRFID通信部22とRFID方式に従った無線通信を行うとともに、サーバ70と有線通信を行うための装置である。リーダライタ40a〜40cは同様の構成を有する。図1の例では、リーダライタ40aは居室R1に配置されており、居室R1内に存在する社員証10と無線通信を行う。リーダライタ40bは会議室R2に配置されており、会議室R2内に存在する社員証10と無線通信を行う。リーダライタ40cは食堂R3に配置されており、食堂R3内に存在する社員証10と無線通信を行う。即ち、リーダライタ40aが無線通信を実行可能な無線通信範囲は居室R1内であり、リーダライタ40bが無線通信を実行可能な無線通信範囲は会議室R2内であり、リーダライタ40cが無線通信を実行可能な無線通信範囲は食堂R3内である。
【0030】
図3に示すように、リーダライタ40は、制御部42と、メモリ44と、RFID通信部46と、有線インターフェース48を備える。以下では、インターフェースを「I/F」と記載する。
【0031】
制御部42は、メモリ44内に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。制御部42が実行する処理の内容は後で詳しく説明する。
【0032】
メモリ44は、制御部42が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ44は、当該リーダライタ40が設けられている場所名を記憶している。例えば、リーダライタ40aのメモリ44は場所名「居室」を記憶しており、リーダライタ40bのメモリ44は場所名「会議室」を記憶しており、リーダライタ40cのメモリ44は場所名「食堂」を記憶している。
【0033】
RFID通信部46は、当該リーダライタ40の周囲に存在する社員証10との間で900MHzの無線通信を行うためのデバイスである。RFID通信部46は、図示しない送信回路と、受信回路と、アンテナとを備える。送信回路は、アンテナを介して900MHzのキャリア信号を送信する回路である。送信回路から送信されるキャリア信号には、各種信号(例えばポーリング信号、後述の報知信号等)が含まれる。受信回路は、社員証10から、アンテナを介して900MHzのキャリア信号を受信するための回路である。キャリア信号には、社員証10が送信する各種情報(例えば社員名、後述のオン信号等)が含まれる。また、受信回路は、キャリア信号を受信すると、受信したキャリア信号を制御部42に供給する。これにより、制御部42は、キャリア信号を受信したことを検知することができる。アンテナは、送信回路から出力されたキャリア信号を空間に放射するとともに、社員証10から出力されたキャリア信号をキャッチする。
【0034】
有線I/F48は、サーバ70との間で有線通信を行うための通信I/Fである。リーダライタ40の制御部42は、有線I/F48を介してサーバ70との間で有線通信を実行することができる。
【0035】
(サーバ70の構成;図1図4
サーバ70は、各リーダライタ40と通信を行うとともに、社員証10を管理する装置である。図4に示すように、サーバ70は、制御部72と、メモリ74と、操作部76と、表示部78と、有線I/F80とを備える。
【0036】
制御部72は、メモリ74内に記憶されているプログラムに従って様々な処理を実行する。制御部72が実行する処理の内容は後で詳しく説明する。
【0037】
メモリ74は、制御部72が様々な処理を実行するためのプログラムを記憶している。また、メモリ74は、管理テーブル90を記憶している。管理テーブル90は、通知元の社員名と、報知先の社員名とが対応付けられた複数個の組合せ情報92a、92b、92cを含む。実際には、管理テーブル90は、これら以外の組合せ情報も含んでいる。組合せ情報92aでは、通知元の社員名「A」と、報知先の社員名「B」とが対応付けられている。組合せ情報92bでは、通知元の社員名「C」と、報知先の社員名「B」とが対応付けられている。社員名「C」の社員(以下社員Cと呼ぶ)は社員Aと同様に社員Bの部下である。また、組合せ情報92cでは、通知元の社員名「B」と報知先の社員名「D」とが対応付けられている。社員「D」の社員は、社員Bの上司である。図4の例では、通知元の社員名と報知先の社員名との関係は「部下とその上司」の関係であるが、他の例では、通知元の社員名と報知先の社員名との関係はこれに限られず任意の関係であってもよい。
【0038】
操作部76は、キーボード及びマウスを備える。サーバ70のユーザ(例えば、企業の報知システム2の管理担当者等)は、操作部76を操作して、様々な指示をサーバ70に入力することができる。
【0039】
表示部78は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
【0040】
有線I/F80は、各リーダライタ40との間で有線通信を行うための通信I/Fである。サーバ70の制御部72は、有線I/F80を介して、各リーダライタ40との間で有線通信を実行することができる。
【0041】
(報知システム2の動作の概要;図5
続いて、図5を参照して、本実施例の報知システム2の動作の概要を説明する。図5の例では、居室R1内の社員Aのもとで例えば急病やけが等の異常が発生した場合に、社員Aが、自身が所持する社員証10aの操作部16を操作し、社員Aの上司である社員Bが所持する社員証10bで所定の報知動作が行われる状況を説明している。
【0042】
初期状態では、リーダライタ40a、40b、40cは、それぞれ、自機の通信範囲内に向けてポーリング信号を定期的(例えば5秒毎)に送信している。居室R1内に存在する社員証10aは、リーダライタ40aからポーリング信号を受信すると、メモリ14に記憶されている社員名「A」をリーダライタ40aに送信する。同様に、食堂R3内に存在する社員証10bは、リーダライタ40cからポーリング信号を受信すると、メモリ14に記憶されている社員名「B」をリーダライタ40cに送信する。
【0043】
S1では、居室R1内の社員Aのもとで例えば急病やけが等の異常が発生した場合に、社員Aが社員証10aの操作部16を操作する。これにより、社員証10aのメモリ14内に記憶されている異常フラグが「OFF」から「ON」に移行する。
【0044】
その後、S2において、社員証10aは、リーダライタ40aからポーリング信号を受信することに応じて、オン信号をリーダライタ40aに送信する。オン信号は、社員名「A」と、異常フラグが「ON」であることを示す情報とを含む。
【0045】
リーダライタ40aは、社員証10aからオン信号(S2)を受信する。続くS3では、リーダライタ40aは、サーバ70に通知信号を送信する。通知信号は、社員証10aから受信されたオン信号に含まれる社員名「A」と、リーダライタ40aのメモリ44に記憶されている自機の場所名「居室」とを含む。
【0046】
サーバ70は、リーダライタ40aから通知信号(S3)を受信する。続くS4では、サーバ70は、通知信号に含まれる社員名「A」を通知元の社員名として特定する。次いで、サーバ70は、メモリ74内の管理テーブル90(図4参照)を参照して、通知元の社員名「A」を含む組合せ情報92aを特定する。次いで、サーバ70は、特定された組合せ情報92aに含まれる報知先の社員名「B」を特定する。
【0047】
続くS5では、サーバ70は、異常信号をすべてのリーダライタ40a〜40cに送信する。異常信号は、S4で特定された通知元の社員名「A」と、報知先の社員名「B」と、通知信号(S3)に含まれていた場所名「居室」とを含む。
【0048】
各リーダライタ40a〜40cは、サーバ70から異常信号(S5)を受信する。各リーダライタ40a〜40cは、ポーリング信号に対する応答として受信される社員名が、異常信号に含まれる報知先の社員名「B」と一致するか否かを監視する。
【0049】
図5の例では、社員Bは食堂R3内に滞在している。そのため、居室R1内のリーダライタ40a、及び、会議室R2内のリーダライタ40bは、ポーリング信号に対する応答として社員名「B」を受信することはない。
【0050】
一方、S6において、食堂R3内のリーダライタ40cが食堂R3内に向けてポーリング信号を送信すると、社員Bが所持する社員証10bがポーリング信号を受信する。S7では、社員証10bが、ポーリング信号に対する応答として、メモリ14に記憶されている社員名「B」をリーダライタ40cに送信する。
【0051】
これにより、リーダライタ40cは、異常信号(S5)に含まれる報知先の社員名「B」と一致する社員名「B」(S7)を受信する。続くS8では、リーダライタ40cは、報知先の社員名「B」を記憶する社員証10bに対して、報知信号を送信する。報知信号は、異常信号(S5)に含まれる通知先の社員名「A」及び場所名「居室」を含む。
【0052】
社員証10bは、報知信号を受信すると、S9において報知動作を実行する。具体的には、社員証10bは、スピーカ18から「居室において、社員Aのもとで異常が発生した」旨の報知音声メッセージを出力する。これにより、社員証10bを所持する社員Bは、居室R1において社員Aのもとで異常が発生したことを知ることができる。
【0053】
続いて、図6図8を参照して、本実施例の社員証10の制御部12が実行する社員証処理、リーダライタ40の制御部42が実行するリーダライタ処理、サーバ70の制御部72が実行するサーバ処理、の各処理の具体的内容を順に説明する。
【0054】
(社員証処理;図6
図6を参照して、社員証10の制御部12が実行する社員証処理の内容を説明する。蓄電部24から制御部12に電力が供給されると、制御部12は、図6の社員証処理を開始する。
【0055】
S10、S20、S30では、制御部12は、操作部16が操作されること、ポーリング信号を受信すること、及び、報知信号(図5のS8参照)を受信することを監視する。
【0056】
制御部12がS10、S20、S30の監視を行っている間に、社員証10のユーザ(例えば、当該社員証を所持する社員)は、操作部16を操作することができる。操作部16が操作されると、制御部12は、S10でYESと判断し、S12に進む。
【0057】
S12では、制御部12は、準備動作を実行する。具体的には、制御部12は、スピーカ18から、再度操作部16が操作された場合に異常発生を通報する旨の音声メッセージを出力させる。
【0058】
続くS14、S15において、制御部12は、操作部16の1回目の操作(S10でYES)から10秒間が経過するまでの間に、再度操作部16が操作されることを監視する。操作部16の1回目の操作から10秒間が経過するまでの間に、再度操作部16が操作される場合、制御部12は、S14でYESと判断し、S16に進む。一方、操作部16が再度操作されることなく、1回目の操作から10秒間が経過する場合、制御部12は、S15でYESと判断し、S10、S20、S30の監視に戻る。
【0059】
S16では、制御部12は、メモリ14内の異常フラグを「OFF」から「ON」に移行させる。
【0060】
S16を終えると、制御部12は、S10、S20、S30の監視に戻る。
【0061】
また、制御部12がS10、S20、S30の監視を行っている間に、社員証10がいずれかのリーダライタ40(例えばリーダライタ40a)の無線通信範囲内に存在すると、制御部12は、そのリーダライタ40からポーリング信号を受信することができる。制御部12は、いずれかのリーダライタ40からポーリング信号を受信すると、制御部12はS20でYESと判断し、S22に進む。
【0062】
S22では、制御部12は、メモリ14内の異常フラグが「ON」であるか否かを判断する。この時点でメモリ14内の異常フラグが「ON」である場合、制御部12はS22でYESと判断し、S24に進む。一方、この時点でメモリ14内の異常フラグが「OFF」である場合、制御部12はS22でNOと判断し、S26に進む。
【0063】
S24では、制御部12は、ポーリング信号の送信元のリーダライタ40に、オン信号を送信する。オン信号は、異常フラグが「ON」であることを示す情報と、メモリ14に記憶されている社員名(例えば社員名「A」)を含む。S24を終えると、制御部12は、S10、S20、S30の監視に戻る。
【0064】
S26では、制御部12は、ポーリング信号の送信元のリーダライタ40に、メモリ14に記憶されている社員名を送信する。S26を終えると、制御部12は、S10、S20、S30の監視に戻る。
【0065】
また、制御部12がS10、S20、S30の監視を行っている間に、社員証10がいずれかのリーダライタ40(例えばリーダライタ40a)の無線通信範囲内に存在すると、制御部12は、そのリーダライタ40から報知信号(図5のS8参照)を受信することができる。報知信号は、社員名と、場所名とを含む。報知信号を受信すると、制御部12は、S30でYESと判断し、S32に進む。
【0066】
S32では、制御部12は、報知動作を行う。具体的には、制御部12は、スピーカから、報知信号に含まれる場所名(例えば「居室」)において、報知信号に含まれる社員名(例えば「A」)の社員のもとで異常が発生した旨の報知音声メッセージを出力する。この結果、社員証10を所持する社員は、他の社員のもとで異常が発生したことを知ることができる。S32を終えると、制御部12は、S10、S20、S30の監視に戻る。
【0067】
(リーダライタ処理;図7
図7を参照して、リーダライタ40の制御部42が実行するリーダライタ処理の内容を説明する。リーダライタ40の電源がONされると、制御部42は、図7のリーダライタ処理を開始する。同時に、制御部42は、自機の無線通信範囲内に向けてポーリング信号を定期的に送信する。
【0068】
S40、S50では、制御部42は、オン信号(図5のS2参照)を受信することと、異常信号(図5のS5参照)を受信することを監視する。
【0069】
上記の通り、自機の無線通信範囲内に存在する社員証10は、ポーリング信号を受信し、かつ、メモリ14内の異常フラグが「ON」である場合に、リーダライタ40にオン信号を送信する(図6のS24参照)。上記の通り、オン信号は、異常フラグが「ON」であることを示す情報と、当該社員証10のメモリ14に記憶されている社員名とを含む。制御部42は、S40、S50の監視を行っている間に上記のオン信号を受信すると、S40でYESと判断し、S42に進む。
【0070】
S42では、制御部42は、サーバ70に通知信号(図5のS3参照)を送信する。通知信号は、受信されたオン信号に含まれる社員名と、メモリ44に記憶されている場所名(例えば「居室」)とを含む。S42を終えると、制御部42は、S40、S50の監視に戻る。
【0071】
また、上記の通り、サーバ70は、いずれかのリーダライタ40から通知信号を受信すると、すべてのリーダライタ40a〜40cに対して、異常信号(図5のS5参照)を送信する。異常信号は、通知元の社員名(即ち、通知信号に含まれていた社員名)と、サーバ70によって特定された報知先の社員名と、通知信号に含まれていた場所名とを含む。制御部42は、S40、S50の監視を行っている間に上記の異常信号を受信すると、S50でYESと判断し、S52に進む。
【0072】
S52では、制御部42は、ポーリング信号に対する応答として、異常信号に含まれる報知先の社員名と一致する社員名を受信するか否かを判断する。上記の通り、自機の無線通信範囲内に存在する社員証10は、ポーリング信号を受信し、かつ、メモリ14内の異常フラグが「OFF」である場合に、リーダライタ40に社員名のみを送信する(図6のS26参照)。制御部42は、受信される社員名が、異常信号に含まれる報知先の社員名と一致すると判断する場合(即ち、報知先の社員名の社員証10が当該リーダライタ40の無線通信範囲内に存在する場合)、S52でYESと判断し、S54に進む。一方、制御部42は、受信される社員名が上記の報知先の社員名と一致しない場合、又は、社員名が受信されない場合(即ち、当該リーダライタ40の無線通信範囲内に社員証10が全く存在しない場合)には、S52でNOと判断し、S40、S50の監視に戻る。
【0073】
S54では、制御部42は、報知先の社員名を送信先として報知信号(図5のS8参照)を送信する。報知信号は、異常信号に含まれる通知元の社員名及び場所名を含む。S54を終えると、制御部42は、S40、S50の監視に戻る。
【0074】
(サーバ処理;図8
図8を参照して、サーバ70の制御部72が実行するサーバ処理の内容を説明する。サーバ70の電源がONされると、制御部72は、図8のサーバ処理を開始する。
【0075】
S60では、制御部72は、いずれかのリーダライタ40から通知信号を受信することを監視する。上記の通り、リーダライタ40は、いずれかの社員証10からオン信号を受信すると、サーバ70に通知信号を送信する。通知信号は、オン信号に含まれていた社員名(即ち、オン信号の送信元の社員証10に記憶されている社員名)と、当該リーダライタ40のメモリ44に記憶されている場所名とを含む。制御部72は、リーダライタ40から通知信号を受信するとS60でYESと判断し、S62に進む。
【0076】
S62では、制御部72は、メモリ74内の管理テーブル90を参照して、通知元の社員名及び報知先の社員名を特定する。具体的には、まず、制御部72は、通知信号に含まれる社員名(例えば「A」)を通知元の社員名として特定する。次いで、制御部72は、管理テーブル90を参照して、通知元の社員名を含む組合せ情報(例えば組合せ情報92a)を特定する。次いで、制御部72は、特定された組合せ情報に含まれる報知先の社員名(例えば「B」)を特定する。
【0077】
次いで、S64では、制御部72は、すべてのリーダライタ40a〜40cに対して、異常信号を送信する。異常信号は、S62で特定された通知元の社員名と、報知先の社員名と、通知信号に含まれていた場所名とを含む。S64を終えると、制御部72は、S60の監視に戻る。
【0078】
以上、本実施例の報知システム2の構成及び動作について説明した。上記の通り、本実施例では、図5の例に示すように、社員証10aの操作部16が操作される場合に、社員証10aの社員名「A」と対応付けてサーバ70に記憶されている社員名「B」を記憶する社員証10bにおいて報知動作が実行される。この報知動作によって、社員証10bの所持者である社員Bは、社員証10aの操作部が操作されたこと(即ち、社員証10aの所持者である社員Aのもとで何らかの異常が発生したこと)を知ることができる。従って、本実施例の報知システム2によると、社員証10aの近傍で異常が発生したことを他の社員証10bの所持者に報知することができる。
【0079】
本実施例では、報知システム2は、異なる無線通信範囲を有する複数個のリーダライタ40a〜40cを備えている。そのため、図5の例に示すように、居室R1内に存在する社員証10aがオン信号をリーダライタ40aに送信し(S2)、リーダライタ40aが通知信号をサーバ70に送信し(S3)、サーバ70が異常信号を各リーダライタ40a〜40cに送信し(S5)、リーダライタ40cが食堂R3内に存在する社員証10bに報知信号を送信することができる(S8)。即ち、本実施例の報知システム2によると、社員証10aと社員証10bとが異なるリーダライタ(40a、40c)の無線通信範囲内に存在する場合であっても、社員証10aの操作部16が操作されれば、社員証10bに報知動作を実行させることができる。
【0080】
また、本実施例では、各リーダライタ40は、自機が設置されている場所名(例えば「居室」等)を記憶している。図5の例に示すように、リーダライタ40aがサーバ70に送信する通知信号(S3)はリーダライタ40aの場所名「居室」を含む。さらに、サーバ70が各リーダライタ40に送信する異常信号(S5)、及び、リーダライタ40cが社員証10bに送信する報知信号(S8)も、リーダライタ40aの場所名「居室」を含む。社員証10bは、スピーカ18から「居室において社員Aのもとで異常が発生した」旨の報知音声メッセージを出力する。本実施例の報知システム2によると、社員証10bを所持する社員Bに対して、社員証10a(即ち社員A)の近傍で異常が発生したことに加え、居室R1で異常が発生したということを併せて報知することができる。従って、社員Bに対してより詳しい状況を報知することができる。
【0081】
また、上記の通り、本実施例では、図5の例に示すように、サーバ70は、通知信号(S3)の送信元であるリーダライタ40aを含むすべてのリーダライタ40a、40b、40cに対して、異常信号(S5)を送信する。即ち、本実施例では、社員証10bがいずれかのリーダライタ40の無線通信範囲内に存在すれば、社員証10bに報知動作を行わせることができる。従って、仮に、社員証10aと社員証10bがともにリーダライタ40aの無線通信範囲内に存在するような場合であっても、社員証10bに報知動作を行わせることができる。
【0082】
また、本実施例では、図6に示すように、制御部12は、社員証10の操作部16が1回操作された後(S10でYES)、10秒間の間にさらに再操作される(S14でYES)ことにより、異常フラグを「OFF」から「ON」に移行させ、その後ポーリング信号を受信する場合(S20でYES)にオン信号をリーダライタ40に送信する。そのため、本実施例の構成によると、操作部16が1回操作されることによって異常フラグを「OFF」から「ON」に移行させる構成を採用する場合に比べて、異常フラグが「ON」に移行されにくくなる。そのため、本実施例では、操作部16の誤操作等によって容易に異常フラグが「ON」に移行されることを抑制することができる。
【0083】
また、本実施例では、社員証10はカード型のRFタグである。社員証10は、ICカードリーダ又はリーダライタ40からキャリア信号(電波)を受信することによって発生する電力を利用して動作することができる。従って、本実施例では、社員証10はバッテリ等の電源装置を備える必要がない。ICカードリーダ又はリーダライタ40からキャリア信号を受信できる状況であれば、適切に動作させることができる。
【0084】
本実施例と請求項の記載との対応関係を説明しておく。社員証10a、社員証10bが、それぞれ、「第1の記録媒体」、「第2の記録媒体」の一例である。社員名「A」、社員名「B」が、それぞれ、「第1のID」、「第2のID」の一例である。場所名「居室」が「場所情報」の一例である。リーダライタ40a〜40cが「無線通信手段」の一例である。リーダライタ40a、リーダライタ40cが、それぞれ、「第1の無線通信装置」、「第2の無線通信装置」の一例である。社員証10の操作部16が操作されることが「特定の指示」の一例である。オン信号、通知信号、異常信号、報知信号が、それぞれ、「第1の信号」、「第2の信号」、「第3の信号」、「第4の信号」の一例である。
【0085】
(第2実施例)
第2実施例について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。本実施例では、社員証10の制御部12が、メモリ14内の異常フラグを「OFF」から「ON」に移行させるためのトリガとなる操作が第1実施例とは異なる。図6に示すように、本実施例では、S10、S20、S30の監視を実行している間に、操作部16が継続して5秒間以上操作され続ける(即ち、5秒間異常長押しされる)場合に、制御部12は、S10でYESと判断する。本実施例では、制御部12は、S10でYESと判断される場合に、S12〜S15の各処理をスキップしてS16に進み(図6の破線矢印参照)、メモリ14内の異常フラグを「OFF」から「ON」に移行させる。
【0086】
本実施例の構成による場合も、操作部16が5秒間よりも短い時間だけ操作されることによって異常フラグを「OFF」から「ON」に移行させる構成を採用する場合に比べて、異常フラグが「ON」に移行されにくくなる。そのため、本実施例でも、操作部16の誤操作等によって容易に異常フラグが「ON」に移行されることを抑制することができる。
【0087】
以上、本発明の各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0088】
(変形例1)上記の各実施例では、各リーダライタ40の制御部42は、サーバ70から異常信号を受信した後で(図7のS50でYES)、自機の無線通信範囲内に異常信号に含まれる報知先の社員名の社員証10が存在する場合に(S52でYES)、その報知先の社員名の社員証10を送信先として報知信号を送信する(S56)。即ち、上記の各実施例では、各リーダライタ40の制御部42は、サーバ70から異常信号を受信しても、自機の無線通信範囲内に異常信号に含まれる報知先の社員名の社員証10が存在しなければ(S52でNO)、報知信号を送信しない。これに限られず、各リーダライタ40の制御部42は、サーバ70から異常信号を受信する場合に、自機の無線通信範囲内に異常信号に含まれる報知先の社員名の社員証10が存在するか否かに関わらず、自機の無線通信範囲内に、異常信号に含まれる報知先の社員名の社員証10を送信先として報知信号を送信するようにしてもよい。本変形例の構成を採用する場合でも、報知先の社員名の社員証10は、いずれかのリーダライタ40の無線通信範囲内に存在していれば、報知信号を受信して報知動作を行うことができる。
【0089】
(変形例2)上記の各実施例では、報知システム2は、無線通信範囲が互いに異なる複数個のリーダライタ40a〜40cを備える。これに限られず、報知システム2は、リーダライタ40を1個のみ備えていてもよい。この変形例では、1個のリーダライタ40が「無線通信手段」の一例である。
【0090】
(変形例3)上記の各実施例では、図5に示すように、サーバ70は、通知信号の送信元であるリーダライタ40aを含むすべてのリーダライタ40a、40b、40cに対して、異常信号を送信する。これに限られず、サーバ70は、通知信号の送信元であるリーダライタ40aに対しては異常信号を送信しないようにしてもよい。
【0091】
(変形例4)上記の各実施例では、各リーダライタ40は、自機が設置されている場所名(例えば「居室」等)を記憶し、通知信号、異常信号、報知信号は、いずれも、通知信号を送信したリーダライタの場所名を含む。社員証10は、社員名とともに場所名も報知する報知動作を実行する。これに限らず、各リーダライタ40は、自機が設置されている場所名を記憶していなくてもよく、通知信号、異常信号、報知信号が、通知信号を送信したリーダライタの場所名を含んでいなくてもよい。社員証は、社員名のみを報知する報知動作を実行してもよい。
【0092】
(変形例5)上記の各実施例では、企業内の各社員が所持するカード式の社員証を用いた報知システム2の例について説明した。報知システムの使用状況及び用途はこれには限られず、他の組織内における報知システムであってもよい。即ち、例えば、カード式の社員証10(RFタグ)に代えて、IDを記憶可能な携帯端末等の任意の記録媒体を用いてもよい。また、リーダライタ40に代えて、上記の記録媒体と無線通信を実行可能な任意の無線通信装置を用いてもよい。その場合、記録媒体と無線通信装置との間で実行される無線通信は、上記の各実施例のようなRFID方式に従った無線通信に限らず、任意の方式に従った無線通信であってもよい。
【0093】
(変形例6)社員証10の制御部12が、メモリ14内の異常フラグを「OFF」から「ON」に移行させるためのトリガとなる操作は、任意の操作であってもよい。従って、例えば、制御部12は、操作部16が1回操作された後に、さらに操作部16が継続して5秒間以上操作され続ける(即ち、5秒間異常長押しされる)場合に、メモリ14内の異常フラグを「OFF」から「ON」に移行させてもよい。
【0094】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0095】
2:報知システム
10(10a、10b):社員証
12:制御部
14:メモリ
16:操作部
18:スピーカ
20:ICカード通信部
22:RFID通信部
24:蓄電部
40(40a、40b、40c):リーダライタ
42:制御部
44:メモリ
46:RFID通信部
48:有線I/F
70:サーバ
72:制御部
74:メモリ
76:操作部
78:表示部
80:有線I/F
90:管理テーブル
92a、92b、92c:組合せ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8