(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551188
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】電話機
(51)【国際特許分類】
H04M 1/04 20060101AFI20190722BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
H04M1/04 A
H04M1/02 C
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-229529(P2015-229529)
(22)【出願日】2015年11月25日
(65)【公開番号】特開2017-98768(P2017-98768A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】秦野 章
【審査官】
白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−175365(JP,A)
【文献】
特開2006−262132(JP,A)
【文献】
特開2000−022791(JP,A)
【文献】
特開平10−309997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/16−1/18
H01M2/10
H02J7/00−7/12
7/34−7/36
H04M1/02−1/23
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、第2面と、を有する送受話器と、
置台と、を備え、
前記置台は、
前記第1面、又は、前記第2面を支持するための後壁と、
前記後壁から所定の距離、離隔した弧状の前壁と、
前記第1面が正面となるように前記送受話器が載置された状態で、前記第1面が前記前壁と当接する当接位置とは異なる位置に、前記前壁に設けられ、前記後壁側に突出した突起と、
を有し、
前記突起は、前記第2面が正面となるように前記送受話器が載置された状態で、前記第2面に当接することを特徴とする電話機。
【請求項2】
前記第2面が正面となるように前記送受話器が前記置台に載置された状態で、前記第1面が正面となるように前記送受話器が前記置台に載置された状態と比べて、前記送受話器の前記第2面が、前記送受話器の前記第1面よりも、前記後壁側に位置することを特徴とする請求項1に記載の電話機。
【請求項3】
前記当接位置は、2か所であり、前記突起は、前記当接位置と異なる2か所に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電話機。
【請求項4】
前記突起は、前記当接位置よりも内側に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電話機。
【請求項5】
前記第1面に、操作部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項6】
前記前壁は、内側に向けて前記後壁から離れる方向に向かって弧状となっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項7】
前記前壁は、同一円弧上の第1前壁と、第2前壁と、を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のいずれか1項に記載の電話機。
【請求項8】
表面と、裏面と、を有する送受話器と、
置台と、を備え、
前記置台は、
前記表面、又は、前記裏面を支持するための後壁と、
前記後壁から所定の距離、離隔した弧状の前壁と、
前記表面が正面となるように前記送受話器が載置された状態で、前記表面が前記前壁と当接する当接位置とは異なる位置に設けられ、前記後壁側に突出した突起と、
を有し、
前記突起は、前記裏面が正面となるように前記送受話器が載置された状態で、前記裏面に当接することを特徴とする電話機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
親機と子機とが無線で通信するコードレス電話機において、子機の2つの面の双方が正面となるように、子機(送受話器)を親機(置台)に載置可能なものがある(例えば、特許文献1参照。)。このような電話機においては、上記いずれの態様で子機を親機に載置しても、子機の充電が可能である(いわゆるリバーシブル充電)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−228385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、リバーシブル充電可能な電話機において、いずれの態様で子機が親機に載置されても、子機が親機の正規の位置に位置しなければ、子機が充電されないという問題がある。特に、子機の取り置きがし易いように、親機における、子機を収納するための収納空間を子機の寸法より大きくした場合、上記問題が発生しやすい。
【0005】
本発明の目的は、送受話器の2つの面の双方が正面となるように、送受話器を置台に載置可能な電話機において、いずれの態様で送受話器が置台に載置されても、送受話器を置台の正規の位置に位置させることが可能な電話機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の電話機は、第1面と、第2面と、を有する送受話器と、置台と、を備え、前記置台は、前記第1面、又は、前記第2面を支持するための後壁と、前記後壁から所定の距離、離隔した弧状の前壁と、前記第1面が正面となるように前記送受話器が載置された状態で、前記第1面が前記前壁と当接する当接位置とは異なる位置に、前記前壁に設けられ、前記後壁側に突出した突起と、を有することを特徴とする。
【0007】
第2面が正面となるように送受話器が置台に載置された状態で、第1面が正面となるように送受話器が置台に載置された状態と比べて、送受話器の第2面が、送受話器の第1面よりも、後壁側に位置する場合、前壁と送受話器の第2面とが当接しない。本実施形態では、置台は、第1面が正面となるように送受話器が載置された状態で、第1面が前壁と当接する当接位置とは異なる位置に、前壁に設けられ、後壁側に突出した突起を有する。このため、突起が、第2面が正面となるように送受話器が載置された状態で、第2面に当接する。これにより、送受話器を置台の正規の位置に位置させることができる。
【0008】
また、第1面が正面となるように送受話器が載置された状態では、弧状の前壁が、第1面に当接する。これにより、送受話器を置台の正規の位置に位置させることができる。
【0009】
このように、本発明によれば、送受話器の2つの面の双方が正面となるように、送受話器を置台に載置可能な電話機において、いずれの態様で送受話器が置台に載置されても、送受話器を置台の正規の位置に位置させることができる。
【0010】
第2の発明の電話機は、第1の発明の電話機において、前記突起は、前記第2面が正面となるように前記送受話器が載置された状態で、前記第2面に当接することを特徴とする。
【0011】
第3の発明の電話機は、第1又は第2の発明の電話機において、前記第2面が正面となるように前記送受話器が前記置台に載置された状態で、前記第1面が正面となるように前記送受話器が前記置台に載置された状態と比べて、前記送受話器の前記第2面が、前記送受話器の前記第1面よりも、前記後壁側に位置することを特徴とする。
【0012】
第4の発明の電話機は、第1〜第3の発明のいずれかの電話機において、前記当接位置は、2か所であり、前記突起は、前記当接位置と異なる2か所に設けられていることを特徴とする。
【0013】
第5の発明の電話機は、第4の発明の電話機において、前記突起は、前記当接位置よりも内側に設けられていることを特徴とする。
【0014】
第6の発明の電話機は、第1〜第5の発明のいずれかの電話機において、前記第1面に、操作部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
第7の発明の電話機は、第1〜第6の発明のいずれかの電話機において、前記前壁は、内側に向けて前記後壁から離れる方向に向かって弧状となっていることを特徴とする。
【0016】
第8の発明の電話機は、第1〜第7の発明のいずれかの電話機において、前記前壁は、同一円弧上の第1前壁と、第2前壁と、を含むことを特徴とする。
【0017】
第9の発明の電話機は、表面と、裏面と、を有する送受話器と、置台と、を備え、前記置台は、前記表面、又は、前記裏面を支持するための後壁と、前記後壁から所定の距離、離隔した弧状の前壁と、前記表面が正面となるように前記送受話器が載置された状態で、前記表面が前記前壁と当接する当接位置とは異なる位置に設けられ、前記後壁側に突出した突起と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、送受話器の2つの面の双方が正面となるように、送受話器を置台に載置可能な電話機において、いずれの態様で送受話器が置台に載置されても、送受話器を置台の正規の位置に位置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係る電話機の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電話機の外観を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す状態から、親機から子機が取り外された状態を示す斜視図である。
【
図4】
図2に示す状態から、親機から子機が取り外された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1及び
図2は、本発明の実施形態に係る電話機の外観を示す斜視図である。以下では、図に示す各方向を、前後方向、左右方向、上下方向として説明する。
【0021】
図1及び
図2に示すように、電話機1は、親機2と、子機3と、を備える。
図1及び
図2では、親機2に子機3が載置されている。電話機1は、子機3の長手方向が、上下方向(親機3の載置面と垂直方向)と略同一方向となるように、親機2に載置される、いわゆる縦置き式のコードレス電話機である。
図1では、操作ボタン31(操作部)が設けられた操作面(第1面、表面)が正面(前方)となるように、親機2に子機3が載置されている。また、
図2では、操作面と反対側の背面(第2面、裏面)が正面(前方)となるように、親機2に子機3が載置されている。本実施形態では、親機2は、充電台を兼ねている。親機2に子機3が載置されている場合、子機3は、親機2により充電される。
【0022】
図3は、
図1に示す状態から、親機2から子機3が取り外された状態を示す斜視図である。
図4は、
図2に示す状態から、親機2から子機3が取り外された状態を示す斜視図である。図示するように、子機3の操作面には、操作ボタン31、表示部32、受話口33、送話口34が設けられている。操作ボタン31には、番号ボタン35、スクロールボタン36等が含まれる。表示部32は、電話帳、着信、月日、時刻等を表示する。また、子機3の背面には、内部のスピーカから発生される音を外部に導くための複数の開口37が設けられている。
【0023】
親機2は、円錐台に、子機3を収納する収納空間が設けられた形状である。親機2は、後壁21、前壁22、側壁23、24、底壁25を有する。後壁21、前壁22、側壁23、24、底壁25により、子機3を収納する収納空間が形成されている。後壁21は、子機3の操作面、又は、子機3の背面を支持する部分を含む。子機3の操作面が正面となるように、親機2に子機3が載置された状態で(
図1)、後壁21は、子機3の背面を支持する。また、子機3の背面が正面となるように、親機2に子機3が載置された状態で(
図2)、後壁21は、子機3の操作面を支持する。側壁23、24は、子機3の側面を支持する部分を含む。側壁23、24は、後壁21と垂直であり、後壁21から正面側(前方)に延びている。側壁23、24は、親機2に子機3が載置された状態で、子機3の側面を支持する。側壁23、24は、子機3の左右方向における長さ以上に、左右方向において離隔している。
【0024】
底壁25は、子機3の底面を支持する部分を含む。底壁25は、後壁21、側壁23、24と垂直であり、後壁21から正面側(前方)に延びている。
図5は、親機2の平面図である。
図6は、
図5における、前壁22付近の拡大図である。前壁22は、後壁21から所定の距離、前後方向において離隔した弧状の部分である。前壁22は、内側に向けて後壁21から離れる方向に向かって弧状となっている。前壁22は、同一円弧上の第1前壁22aと、第2前壁22bと、含む。第1前壁22aと第2前壁22bとは、所定の距離、左右方向において離隔している。第1前壁22aは、側壁23と連続している。第2前壁22bは、側壁24と連続している。
【0025】
子機3の操作面が正面(前方)となるように子機3が親機2に載置された状態で(
図1)、操作面が第1前壁22a、第2前壁22bと当接する。具体的には、
図3において破線の円で囲われた、操作面の角部2か所が第1前壁22a、第2前壁22bと当接する。従って、操作面と前壁22との当接位置は、2か所となる。
【0026】
図7は、親機2の斜視図である。
図8は、
図7における、前壁22a付近の拡大図である。親機3は、さらに、第1前壁22aに設けられた突起26と、第1前壁22bに設けられた突起27と、を有する。2つの突起26、27は、後壁21側に突出した部分である。突起26、27は、操作面が正面(前方)となるように子機3が親機2に載置された状態で、操作面が第1前壁22a、第2前壁22bと当接する当接位置2か所とは異なる位置2か所に、第1前壁22a、第2前壁22bに設けられている。具体的には、突起26、27は、当接位置より内側に設けられている。言い換えれば、突起26は、当接位置よりも左右方向において右方に設けられている。突起27は、当接位置よりも左右方向において左方に設けられている。
【0027】
突起26、27は、子機3の背面が正面(前方)となるように子機3が親機2に載置された状態で(
図2)、背面に当接する。具体的には、
図4において破線の円で囲われた、背面の下部2か所が突起26、27と当接する。突起26、27は、背面の角部よりも内側で、背面に当接する。
【0028】
子機3の操作面が正面(前方)となるように子機3が親機2に載置された状態で(
図1)、操作面が第1前壁22a、第2前壁22bと当接する。これにより、子機3を親機2の正規の位置に位置させることができる。
【0029】
しかしながら、子機3の背面が正面(前方)となるように子機3を親機2に載置された状態で(
図2)、操作面は、第1前壁22a、第2前壁22bと当接しない。子機3の背面が正面(前方)となるように子機3が親機2に載置された状態では、子機3の操作面が正面(前方)となるように子機3が親機2に載置された状態と比べて、子機3の背面が、子機3の操作面よりも、後壁21側に位置するためである。突起26、27がなければ、子機3の背面が正面(前方)となるように子機3が親機2に載置された状態では、子機3が正規の位置に位置しない。本実施形態では、親機2は、操作面が正面となるように子機3が載置された状態で、操作面が第1前壁22a、第2前壁22bと当接する当接位置とは異なる位置に、第1前壁21a、第2前壁22bに設けられ、後壁21側に突出した突起26、27を有する。このため、背面が正面(前方)となるように子機3が載置された状態で、突起26、27が、背面に当接する。これにより、子機3を親機2の正規の位置に位置させることができる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態によれば、子機3の2つの面の双方が正面となるように、子機3を親機2に載置可能な電話機1において、いずれの態様で子機3が親機2に載置されても、子機3を親機2の正規の位置に位置させることができる。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態には限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
【0032】
上述の実施形態においては、前壁22において、第1前壁22aと第2前壁22bとの2つに分離している。これに限らず、前壁22は、連続した1つの前壁であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、電話機に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0034】
1 電話機
2 親機(置台)
21 後壁
22 前壁
22a 第1前壁
22b 第2前壁
23、24 側壁
25 底壁
26 突起
3 子機(送受話器)
31 操作ボタン(操作部)