特許第6551193号(P6551193)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6551193光学フィルタ、およびそれを用いた光MIMO通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551193
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】光学フィルタ、およびそれを用いた光MIMO通信システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/28 20060101AFI20190722BHJP
   G02B 1/115 20150101ALI20190722BHJP
   H04B 10/114 20130101ALI20190722BHJP
【FI】
   G02B5/28
   G02B1/115
   H04B10/114
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-231870(P2015-231870)
(22)【出願日】2015年11月27日
(65)【公開番号】特開2017-97280(P2017-97280A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100087723
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 修
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 英男
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 慎哉
【審査官】 辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/178982(WO,A2)
【文献】 特表2002−504711(JP,A)
【文献】 特表2004−536339(JP,A)
【文献】 特開2007−065643(JP,A)
【文献】 実開昭52−137857(JP,U)
【文献】 特開2006−184849(JP,A)
【文献】 特開2008−141727(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/180412(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/28
G02B 1/115
H04B 10/114
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折率の異なる高屈折率層および低屈折率層を交互に積層した誘電体多層膜を有する光学フィルタにおいて、
前記誘電体多層膜は、
設計波長λの光が所定の角度以下の角度で入射したときに透過するホスト領域と、
前記ホスト領域の両面に接し、前記ホスト領域と外部との間での光の反射を防止する反射防止領域と、
を有し、
前記ホスト領域は、厚さ方向に垂直であって入射面に平行な方向(y軸方向)の波数の成分と角周波数との関係を示す分散特性において、前記設計波長λとなる角周波数のラインが、波数のy軸方向成分が0のときに伝搬帯域の下端を通過するように、前記高屈折率層および前記低屈折率層の屈折率および厚さが設定されており、
前記反射防止領域は、
その等価的なトランスバースインピーダンスが、前記ホスト領域の等価的なトランスバースインピーダンスと、前記外部の等価的なトランスバースインピーダンスとの積の1/2乗となるように、前記高屈折率層および前記低屈折率層の屈折率および厚さが設定され、
その厚さが、設計波長λを各前記反射防止領域の等価屈折率で割った値の1/4の奇数倍となるように、前記高屈折率層および前記低屈折率層の積層数が設定され、
前記ホスト領域と前記反射防止領域の界面でのトランスバースインピーダンスと、前記反射防止領域の端面でのトランスバースインピーダンスが一致し、かつその虚部が0となるように、前記反射防止領域の前記外部と接する前記高屈折率層または前記低屈折率層の厚さが設定されている、
ことを特徴とする光学フィルタ。
【請求項2】
前記伝搬帯域は、角周波数が小さい方から数えて奇数番目の伝搬帯域である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
【請求項3】
前記伝搬帯域は、角周波数が小さい方から数えて3番目の伝搬帯域である、ことを特徴とする請求項2に記載の光学フィルタ。
【請求項4】
前記ホスト領域と前記反射防止領域の界面を、前記高屈折率層中であって、その高屈折率層の厚さの1/2となる位置の面とし、
前記反射防止領域の前記外部と接する前記高屈折率層の厚さを、前記反射防止領域の他の前記高屈折率層の厚さの1/2とした、
ことを特徴とする請求項3に記載の光学フィルタ。
【請求項5】
前記反射防止領域は、前記低屈折率層と前記高屈折率層のうち、前記ホスト領域と前記反射防止領域との界面を含まない方の厚さのみを変化させて設定されている、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項6】
前記ホスト領域は、入射角度が6°以下の角度で入射したときに、偏光方向に依らず透過するように設定されている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
【請求項7】
光信号を送信する複数の発光素子を有した発光素子アレイと、前記各発光素子からの光信号をそれぞれ受信する複数の受光素子を有した受光素子アレイと、を備えた光MIMO通信システムにおいて、
前記受光素子アレイの前に、請求項1ないし請求項6に記載の光学フィルタを設け、対応する前記発光素子からの光信号は前記光学フィルタにより透過させて対応する前記受光素子が受信し、対応しない前記発光素子からの光信号は前記光学フィルタにより反射させて受信しないようにした、
ことを特徴とする光MIMO通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屈折率の異なる誘電体膜を交互に積層した誘電体多層膜の光学フィルタに関するものであり、入射角度が所定の角度以内の光を透過させる角度フィルタの特性を有したものに関する。また、その光学フィルタを用いた光MIMO通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献2のように、屈折率の異なる誘電体膜を交互に積層し、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタなどとして機能させた光学フィルタが広く知られている。たとえば、中央の層の光学膜厚を1/2波長、他の層の光学膜厚を1/4波長としたファブリペロー構造のバンドパスフィルタが知られている。
【0003】
非特許文献1には、2種類の互いに屈折率が異なる誘電体膜を交互に積層した誘電体多層膜について、s偏光、p偏光ともに、入射角が0〜90°の全方位に対して反射するように設定したものが示されている。
【0004】
また、非特許文献3には、可視光によるMIMO通信システムが開示されている。光MIMO通信システムは、それぞれが光信号を送信する複数の発光素子で構成された発光素子アレイと、発光素子アレイからの光信号を受信する複数の受光素子で構成された受光素子アレイとを備えており、空間多重化することで通信路容量の向上を図っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Y. Fink, J. N. Winn, S. Fan, C. Chen, J. Michael, J. D. Jannopoulos, and E. L. Thomas, "A dielectric omnidirectional reflector." Science 282, 1679-1682 (1998)
【非特許文献2】K. Y. Xu, X. Zheng, C. L. Li, and W. L. She,“Design of omnidirectional and multiple channeled filters using one-dimensional photonic crystals containing a defect layer with a negative refractive index." Physical Review E 71, 066604 (2005)
【非特許文献3】Dambul, Katrina D., Dominic C. O'Brien, and Grahame Faulkner. "Indoor optical wireless MIMO system with an imaging receiver." IEEE Photonics Technology Letters, 23.2 (2011): 97-99
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の誘電体多層膜では、入射角度が所望の角度以下であれば透過させ、それ以外の角度では反射させる角度フィルタとして機能するように設定することが難しく、特に偏光無依存のものは実現が困難であった。
【0007】
また、光MIMO通信システムにおいては、対応する発光素子以外の発光素子からの光信号を受信してしまい、光信号の空間的分離が困難という問題があり、通信性能の改善が必要であった。
【0008】
そこで本発明の目的は、誘電体多層膜である光学フィルタにおいて、入射角度が所望の角度以下であれば透過する角度フィルタとしての機能を実現することである。また、光MIMO通信システムにおいて、通信性能の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、屈折率の異なる高屈折率層および低屈折率層を交互に積層した誘電体多層膜を有する光学フィルタにおいて、誘電体多層膜は、設計波長λの光が所定の角度以下の角度で入射したときに透過するホスト領域と、ホスト領域の両面に接し、ホスト領域と外部との間での光の反射を防止する反射防止領域と、を有し、ホスト領域は、厚さ方向に垂直であって入射面に平行な方向(y軸方向)の波数の成分と角周波数との関係を示す分散特性において、設計波長λとなる角周波数のラインが、波数のy軸方向成分が0のときに伝搬帯域の下端を通過するように、高屈折率層および低屈折率層の屈折率および厚さが設定されており、反射防止領域は、その等価的なトランスバースインピーダンスが、ホスト領域の等価的なトランスバースインピーダンスと、外部の等価的なトランスバースインピーダンスとの積の1/2乗となるように、高屈折率層および低屈折率層の屈折率および厚さが設定され、その厚さが、設計波長λを各反射防止領域の等価屈折率で割った値の1/4の奇数倍となるように、高屈折率層および低屈折率層の積層数が設定され、ホスト領域と反射防止領域の界面でのトランスバースインピーダンスと、反射防止領域の端面でのトランスバースインピーダンスが一致し、かつその虚部が0となるように、反射防止領域の外部と接する高屈折率層または前記低屈折率層の厚さが設定されている、ことを特徴とする光学フィルタである。
【0010】
等価的なトランスバースインピーダンスとは、誘電体多層膜が屈折率の一様な単層であるとみなしたときの設計波長λにおけるトランスバースインピーダンスの値である。また、トランスバースインピーダンスは、s偏光については、Ez/Hy、p偏光については、Ey/Hzにより定義する。Ey、Ezは、それぞれy軸方向、z軸方向の電界であり、Hy、Hzは、それぞれy軸方向、z軸方向の磁界を示す。ここで、座標系は、x軸を誘電体多層膜の厚さ方向、y軸をx軸に垂直な方向であって入射面を成す方向(つまりxy平面が入射面となるようにy軸を取る)、z軸をx軸とy軸に垂直な方向(入射面に垂直な方向)に取る。
【0011】
ホスト領域を設定するにあたって、伝搬帯域は、角周波数が小さい方から数えて奇数番目の伝搬帯域であることが望ましい。偶数番目の伝搬帯域では、その伝搬帯域の下端においては波数が大きくなって波長が小さくなるため、位相のずれは拡大される。そのため、ホスト領域と反射防止領域の整合性など光学フィルタの設計が難しくなる。一方、奇数番目の伝搬帯域では、その伝搬帯域の下端においては波数が小さくなって波長は大きくなり、位相のずれは小さくなる。以上の理由から、設計波長λのラインが偶数番目の伝搬帯域の下端を通過するように設計するよりも、奇数番目の伝搬帯域の下端を通過するように設計する方が、光学フィルタの設計が容易となって望ましい。
【0012】
特に、伝搬帯域は、角周波数が小さい方から数えて3番目の伝搬帯域であることが望ましい。設計波長λのラインが4番目以上の伝搬帯域の下端を通過するようにホスト領域を設計することは難しいためである。
【0013】
ホスト領域と反射領域の界面を、高屈折率層中であって、その高屈折率層の厚さの1/2となる位置の面とし、反射防止領域の外部と接する高屈折率層の厚さを、反射防止領域の他の高屈折率層の厚さの1/2とするのがよい。反射防止領域の設計がより容易となり、実際の光学フィルタの作製も容易となる。
【0014】
反射防止領域は、低屈折率層と高屈折率層のうち、ホスト領域と反射防止領域との界面を含まない方の厚さのみを変化させて設計されていることが好ましい。反射防止領域の設計がより容易となり、実際の光学フィルタの作製も容易となる。
【0015】
また、本発明において、ホスト領域は、入射角度が6°以下の角度で入射したときに、偏光方向に依らず透過するように設定することが可能である。
【0016】
他の本発明は、光信号を送信する複数の発光素子を有した発光素子アレイと、各発光素子からの光信号をそれぞれ受信する複数の受光素子を有した受光素子アレイと、を備えた光MIMO通信システムにおいて、受光素子アレイの前に、本発明の光学フィルタを設け、対応する発光素子からの光信号は光学フィルタにより透過させて対応する受光素子が受信し、対応しない発光素子からの光信号は光学フィルタにより反射させて受信しないようにした、ことを特徴とする光MIMO通信システムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光学フィルタでは、上記のようにホスト領域および反射防止領域を構成しているため、入射角度が所望の角度以下の光を偏光方向に依らず透過させる角度フィルタを容易に実現することができる。
【0018】
また、本発明の光MIMO通信システムによれば、対応する発光素子からの光信号のみを各受光素子が受信でき、干渉を抑制することができる。そのため、通信路容量を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1の光学フィルタの構成を示した図。
図2】ホスト領域10の分散特性を示したグラフ。
図3】ホスト領域10の分散特性を示したグラフ。
図4】ホスト領域10のトランスバースインピーダンスの値を示した図。
図5】入射角度および周波数を変化させたときの反射特性を示した図。
図6】入射角度を変化させたときの反射特性を示したグラフ。
図7】周波数を変化させたときの反射特性を示したグラフ。
図8】ホスト領域10および反射防止領域11の等価的なトランスバースインピーダンスの周波数特性を示したグラフ。
図9】実施例2の光MIMO通信システムの構成を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
図1は、実施例1の光学フィルタの構成を示した図である。実施例1の光学フィルタは、屈折率1.45のSiO2 からなる低屈折率層1と、屈折率2.4のTiO2 からなる高屈折率層2を交互に積層した誘電体多層膜からなる。そして誘電体多層膜は、ホスト領域10と、そのホスト領域10の両面に接して設けられた反射防止領域11、12とによって構成されている。ホスト領域10は、設計波長λ(=600nm、周波数500THz)の光が、設計入射角度θd(=6°)以下であれば偏光方向に依らず透過し、それ以外の入射角度では反射する、いわゆる角度フィルタとして機能するように設定されている。また、反射防止領域11、12は、ホスト領域10と外部(空気)との間での反射を防止する層である。
【0022】
以下、ホスト領域10および反射防止領域11、12の各構成の詳細を説明する。なお、説明の簡便のため、図1に示すように座標系を設定する。x軸方向はホスト領域10の厚さ方向(誘電体多層膜の面に垂直な方向)に取り、y軸方向はホスト領域10の厚さ方向に垂直であって光の入射面を成す方向(つまりxy平面が光の入射面となるよう)に取り、z軸方向は光の入射面に垂直な方向に取る。
【0023】
[ホスト領域10の構成]
ホスト領域10は、低屈折率層1の厚さが90nm、高屈折率層2の厚さが214nmに設定されている。ホスト領域10と反射防止領域11、12の界面は、高屈折率層2の厚さの中間位置(高屈折率層2中であって、高屈折率層2の厚さの1/2となる位置の面)に設定されている。その理由は後述する。また、ホスト領域10の積層数は、ホスト領域10と反射防止領域11の界面となっている2つの高屈折率層2を含めて、89層である。
【0024】
なお、ホスト領域10の積層数、すなわちホスト領域10全体の厚さは、任意の値とすることができる。所望の反射特性に応じて、積層数を設定すればよい。角度を変化させたときの反射特性において、積層数が多いほど透過領域と反射領域の境が急峻になり、積層数が少ないほど境がゆるやかになる傾向がある。
【0025】
ホスト領域10の低屈折率層1および高屈折率層2の厚さは、以下のように設定したものである。y軸方向の波数の成分と角周波数との関係を示す分散特性において、設計波長λとなる角周波数のラインが、波数のy軸方向成分が0のときに伝搬帯域の下端を通過するように、高屈折率層および低屈折率層の屈折率および厚さを設定する。ここで伝搬帯域は、バンドギャップにより隔てられて複数に分離しているが、それらの伝搬帯域のうち、角周波数の小さい方から数えて3番目の伝搬帯域の下端を通過するようにする。そして、その伝搬帯域の下端のラインと、設計波長λとなる角周波数のラインの交点が、設計入射角度θd(透過角度の上限)に対応する位置となるように設定する。
【0026】
このようにホスト領域10を設計すれば、設計波長λとなる角周波数のラインは、設計入射角度θd以下となる範囲において、伝搬帯域を通過する。そのため、ホスト領域10は、設計波長λにおいて、入射角度が設定入射角度θd以下の光を透過し、設定入射角度θdよりも大きな光を反射する角度フィルタとして機能する。
【0027】
図2(a)、(b)および図3(a)、(b)は、ホスト領域10の低屈折率層1と高屈折率層2の積層数を無限大として算出したホスト領域10の分散特性を示したグラフである。図2(b)、図3(b)は、図2(a)、図3(a)における設計波長λ付近をそれぞれ拡大して示した図である。図2(a)、(b)は、y軸方向の波数ky と角周波数の関係を示し、図3(a)、(b)は、x軸方向の波数kx と角周波数の関係を示している。また、図2、3において、横軸は2π/ah で規格化された波数kx 、ky の値であり、縦軸は(2πc)/ah で規格化された角周波数の値である。ah は、ホスト領域10の単位周期当たりの厚さ、つまり低屈折率層1と高屈折率層2の厚さの合計であり、ah =304nmである。また、図2(a)、(b)において、横軸が正の領域はs偏光、負の領域はp偏光を表している。また、図2(a)、(b)において、ライトラインを点線で示しており、ライトラインは光の入射角度が90°の場合に対応している。また、図2(a)、(b)において、伝搬帯域は網かけした領域であり、それ以外の領域はバンドギャップである。
【0028】
図2、3のように、伝搬帯域はバンドギャップによって隔てられて複数に分離している。設計波長λに対応する角周波数fdのラインは、これら複数の伝搬帯域のうち、角周波数が小さい方から数えて3番目の伝搬帯域の下端を通過している。この3番目の伝搬帯域の下端のラインと角周波数fdのラインの交点と、原点とを結ぶ点線で示した直線のラインが、設計入射角度θdに対応している。図2(b)のように、3番目の伝搬帯域の下端のラインは、波数ky が0となる付近において下に凸な曲線となっている。そのため、角周波数fdのラインは、設計入射角度θd以下の範囲において3番目の伝搬帯域を通過している。また、角周波数fdのラインは、s偏光においては、設計入射角度θdよりも大きい範囲すべてがバンドギャップを通過している。これは、設計波長λのs偏光の光がホスト領域10に入射する場合に、入射角度が設計入射角度θd以下であれば透過し、設計入射角度θdよりも大きければ反射することを意味している。
【0029】
一方、p偏光においては、設計入射角度θdよりも大きい範囲の大部分はバンドギャップを通過しているが、入射角度が90°となる近傍(70〜90°)では、2番目の伝搬帯域を通過している。これは、設計波長λのp偏光の光がホスト領域10に入射する場合に、入射角度が設計入射角度θd以下であれば透過し、設計入射角度θdよりも大きく70°以下であければ反射し、70°より大きく90°以下であれば透過することを意味している。このように、p偏光については入射角度が90°付近で透過するが、このような大きな角度で入射する光は、実際の光学フィルタ使用上は特に問題とならない場合が多く、入射角度が設計入射角度θd以下であれば透過し、設計入射角度θdよりも大きければ反射する角度フィルタとしての使用に問題はない。また、p偏光についても、s偏光と同様に、設計入射角度θdよりも大きいすべての範囲において、反射するように設定することは可能である。
【0030】
なお、実施例1では、設計波長λのラインが3番目の伝搬帯域の下端を通過するようにしているが、3番目である必要はない。ただし、奇数番目の伝搬帯域の下端を通過するようにすることが望ましい。その理由は以下の通りである。偶数番目の伝搬帯域の下端は、図3(a)、(b)を見るとわかるように、波数が大きくなって波長が小さくなるため、位相のずれは拡大される。そのため、ホスト領域10と反射防止領域11、12の整合性など光学フィルタの設計が難しくなる。一方、奇数番目の伝搬帯域の下端では、図3(a)、(b)を見るとわかるように、波数が小さくなって波長は大きくなり、位相のずれは小さくなる。以上の理由から、設計波長λのラインが偶数番目の伝搬帯域の下端を通過するように設計するよりも、奇数番目の伝搬帯域の下端を通過するように設計する方が、光学フィルタの設計が容易となって望ましい。また、設計波長λのラインが4番目以上の伝搬帯域の下端を通過するようにホスト領域10を設定することは難しい。したがって、実施例1のように、設計波長λのラインが3番目の伝搬帯域の下端を通過するようにすることが最も望ましい。
【0031】
[反射防止領域11、12の構成]
反射防止領域11、12は、低屈折率層1の厚さが93nm、高屈折率層2の厚さが214nmに設定されている。つまり、高屈折率層2についてはホスト領域10の高屈折率層2と同じ厚さであり、低屈折率層1のみ厚さを変えている。ただし、外部(空気)と接する高屈折率層2のみ、他の高屈折率層2の厚さの1/2(107nm)としている。また、反射防止領域11、12のそれぞれの積層数は、反射防止領域11と反射防止領域12とでそれぞれ等しく、ホスト領域10と反射防止領域11、12の界面を含む高屈折率層2も含めてそれぞれ15層である。
【0032】
反射防止領域11、12は、ホスト領域10と外部(空気)との間の反射を防止するための層であるが、ホスト領域10のインピーダンスが高く、単純に従来の手法を用いるのでは整合を取りづらい。そこで、反射防止領域11、12の低屈折率層1および高屈折率層2の厚さ、積層数を次のようにして設定することで、ホスト領域10と外部との整合を取り、反射を防止している。
【0033】
図4は、ホスト領域10の低屈折率層1と高屈折率層2の積層数を無限大としたホスト領域10に、設計波長λの光が垂直入射(入射角度0°)した場合の、ホスト領域10のトランスバースインピーダンスZの値を示した図である。ここでトランスバースインピーダンスは、s偏光については、Ez/Hy、p偏光については、Ey/Hzにより定義する。Ey、Ezは、それぞれy軸方向、z軸方向の電界であり、Hy、Hzは、それぞれy軸方向、z軸方向の磁界を示す。y軸はホスト領域10の厚さ方向(x軸方向)に対して垂直で、かつ入射面に平行な方向、z軸はx軸とy軸に垂直な方向である(図1参照)。図4の横軸は、ホスト領域10の単位周期当たりの厚さah で規格化されたx座標であり、原点は低屈折率層1中であって、その低屈折率層1の厚さの1/2となる位置である。また、図4中、界面Fは、高屈折率層2中であってその高屈折率層2の厚さの1/2となる位置、界面Hは、低屈折率層1と高屈折率層2の界面位置、界面Iは、低屈折率層1中であってその低屈折率層1の厚さの1/2となる位置である。また、図4の縦軸は、真空のトランスバースインピーダンスZ0で規格化されたトランスバースインピーダンスである。図4中、実線がトランスバースインピーダンスZの実部の値、点線が虚部の値である。
【0034】
図4のように、トランスバースインピーダンスZの実部と虚部の値は周期的に増減している。実部は界面F、Iにおいてピークを有し、他の位置はおよそ0となっている。また、界面F、G、Iにおいて、トランスバースインピーダンスZの虚部が0となっていることがわかる。トランスバースインピーダンスZの虚部が0でない値を持つということは、電界と磁界が直交していないことを意味し、そのような場合にホスト領域10と外部との間の整合を取ることは困難である。たとえば、低屈折率層1と高屈折率層2の界面HにおいてトランスバースインピーダンスZの虚部は0でない値を有するため、界面Hで整合を取ることは難しい。
【0035】
一方、トランスバースインピーダンスZの虚部が0となっている位置では、電界と磁界は直交しており、ホスト領域10と外部(空気)との整合において、従来の手法を用いることができる。つまり、ホスト領域10、反射防止領域11、12、空気の等価的なトランスバースインピーダンスをそれぞれZh、Zar、Zairとして、Zar=(Zh×Zair)1/2 となるようにZarを設定すれば、ホスト領域10と外部との間の反射を最小とすることができる。ここで、等価的なトランスバースインピーダンスとは、誘電体多層膜を屈折率の一様な単層とみなしたときのトランスバースインピーダンスである。なお、空気のトランスバースインピーダンスは、s偏光ではZ0/cosθ、p偏光ではZ0×cosθ、θは入射角度、と記述され、Z0は自由空間インピーダンスで120πである。
【0036】
そこで、ホスト領域10と反射防止領域11、12との界面を、ホスト領域10のトランスバースインピーダンスZhの虚部が0となる界面Fとする。また、反射防止領域11、12の等価的なトランスバースインピーダンスが、Zar=(Zh×Zair)1/2 によって算出したZarとなるように、低屈折率層1および高屈折率層2の厚さを設定する。また、ホスト領域10と反射防止領域11、12の界面FでのトランスバースインピーダンスZと、反射防止領域11、12と外部の界面でのトランスバースインピーダンスZを一致させるべく、反射防止領域11、12を構成する高屈折率層2のうち、外部と接する高屈折率層2の厚さのみ、他の高屈折率層2の厚さの1/2とする。以上のようにして反射防止領域11、12の低屈折率層1および高屈折率層2の厚さを設定することで、ホスト領域10と外部との間の整合を取ることができ、反射を低減させることができる。また、設計波長λのみならず、設計波長λよりも短波長側の広い波長範囲においても整合を取ることができる。
【0037】
なお、界面Fだけでなく、界面G、Iにおいてもホスト領域10のトランスバースインピーダンスZhの虚部が0となるので、界面G、Iをホスト領域10と反射防止領域11、12の界面として、上記と同様にして反射防止領域11、12の低屈折率層1および高屈折率層2の厚さを設定してもよい。ただし、ホスト領域10のトランスバースインピーダンスZhの実部の値は、界面Iよりも界面Fの方がZ0に近い値であり、整合を取りやすいため、実施例1のように界面Iではなく界面Fをホスト領域10と反射防止領域11、12の界面とすることが望ましい。また、低屈折率層1よりも高屈折率層2の方が厚いため、界面Fをホスト領域10と反射防止領域11、12の界面とする方が光学フィルタの作製上も容易であり望ましい。また、界面Gは、低屈折率層1、高屈折率層2の厚さや屈折率によって位置が変動するため、界面F、Iに比べて設計が難しくなる。
【0038】
また、実施例1の反射防止領域11、12は、低屈折率層1と高屈折率層2のうち、整合を取る界面Fを含まない低屈折率層1の厚さのみを変化させてZar=(Zh×Zair)1/2 を満たすように設定しているが、高屈折率層2のみ、ないし低屈折率層1と高屈折率層2の両方の厚さを変えてもよい。ただし、低屈折率層1と高屈折率層2のうち、整合を取る界面を含まない方のみの厚さを変化させる方が設計が容易であり望ましい。
【0039】
反射防止領域11、12の積層数は、その全体の厚さが等価波長の1/4となるように設定する。ここで等価波長は、設計波長λを反射防止領域11、12の等価屈折率で割った値であり、等価屈折率は誘電体多層膜を屈折率の一様な単層とみなしたときの屈折率である。また、等価屈折率は、反射防止領域11の分散特性から算出する。
【0040】
なお、反射防止領域11、12の積層数は、その全体の厚さが等価波長の1/4の奇数倍でもよいが、反射防止領域11、12が厚くなり、製造コストが増大するなどの点から1/4とするのがよい。等価波長の1/4の奇数倍から多少ずれていてもよく、等価波長の1/4の奇数倍の0.8〜1.2倍の範囲であってもよい。また、これを満たす範囲で、ホスト領域10の一方の表面側の反射防止領域11と、他方の表面側の反射防止領域12とで、積層数を変えてもよい。
【0041】
以上のようにして反射防止領域11を設定することにより、ホスト領域10と外部(空気)との整合を取ることができ、反射を十分に低減することができる。また、設計波長λよりも短波長側の広い波長領域においても、反射を低減することができる。
【0042】
実際の光学フィルタの作製においては、ガラスなどの基板等の上に誘電体多層膜をスパッタ、蒸着、CVDなどの方法で形成して作製する場合もあるため、2つの反射防止領域11、12のうち一方は、ホスト領域10と基板との間での整合を取ることになる。この場合も、上記と同様にして反射防止領域11、12を設定することで、ホスト領域10と基板との整合を取って反射を低減することができる。
【0043】
次に、実施例1の光学フィルタの各種特性をグラフを用いて説明する。
【0044】
図5は、実施例1の光学フィルタについて、入射角度および周波数を変化させたときの反射特性を示したグラフである。この反射特性は転送行列法により算出したものである。横軸は入射角度、縦軸は周波数を示し、色の濃淡で透過率を示している。白が透過率0で、黒が透過率1、色が濃いほど透過率が高い。
【0045】
図5のように、設計波長λ(周波数500THz)において、ホスト領域10の伝搬帯域である入射角度0〜6°で高い透過率を示し、反射防止領域11、12によってホスト領域10と外部との整合が十分に取れていることがわかる。また、設計波長λよりも短波長側(500THzよりも高周波数側)においても、ホスト領域10の伝搬帯域内となる入射角度で高い透過率を示している。
【0046】
図6(a)は、実施例1の光学フィルタの設計波長λ(周波数500THz)における反射特性を示し、図6(b)は、周波数515THzにおける反射特性を示したグラフである。横軸は入射角度(°)を示し、入射角度が正の場合をs偏光、負の場合をp偏光としている。縦軸は反射率を示している。図6(a)、(b)の反射特性は、図5と同様に転送行列法により算出したものである。
【0047】
図6(a)のように、設計波長λのs偏光の光については、入射角度が6°以下で反射率がほとんど0となっており、6°を超えると急激に反射率が1まで上昇する特性となっていることがわかる。また、設計波長λのp偏光の光については、入射角度が7°以下で反射率がほとんど0となっており、7°を超えると急激に反射率が1まで上昇する特性となっていることがわかる。つまり、実施例1の光学フィルタは、設計波長λにおいては、入射角度が6°以下であれば偏光方向に依らず透過し、入射角度が6°より大きいと反射する角度フィルタとして機能していることがわかる。なお、p偏光について入射角度が70°から90°の範囲において透過しているが、光学フィルタの実際の使用上、このような入射角度の大きな光は問題とならない場合が多く、また入射角度の大きな光も透過するように設計することは可能である。
【0048】
また、図6(b)のように、設計波長λ(=600nm、周波数500THz)よりも短い波長582nm(周波数515THz)では、s偏光については入射角度が30°以下で反射率がほとんど0となっており、30°を超えると急激に反射率が1まで上昇する特性となっていることがわかる。また、p偏光については、入射角度が35°以下で反射率がほとんど0となっており、35°を超えると急激に反射率が1まで上昇する特性となっていることがわかる。つまり、実施例1の光学フィルタは、設計波長λよりも短波長である582nmにおいては、入射角度が30°以下であれば偏光方向に依らず透過し、入射角度が30°よりも大きいと反射する角度フィルタとして機能していることがわかる。
【0049】
このように、実際の設計波長λよりも短い波長で実施例1の光学フィルタを使用すれば、設計波長λでの透過角度よりも広い透過角度を有した角度フィルタとして機能させることが可能である。
【0050】
図7は、実施例1の光学フィルタについて、光が垂直入射する場合の周波数を変化させたときの反射特性を示したグラフである。図7のように、設計波長λよりも短波長側においても、広い周波数領域で反射率をほとんど0とすることができる。
【0051】
図8は、光が垂直入射する場合のホスト領域10および反射防止領域11、12の等価的なトランスバースインピーダンスの周波数特性を示したグラフである。グラフ中、実線はホスト領域10の等価的なトランスバースインピーダンスZh、点線は反射防止領域11、12の等価的なトランスバースインピーダンスZarの2乗をZ0で割った値、Zar2 /Z0を示している。なお、垂直入射の場合、Zair=Z0となる。
【0052】
図8のように、Zarは、Zar=(Zh×Zair)1/2 を満たすように設定しているため、Zhを示す実線と、Z2 ar/Z0を示す点線は、設計波長λ(周波数500THz)において交わっている。この交点よりも周波数が小さい範囲では、ZhとZ2 ar/Z0は値が大きく異なっているが、交点よりも周波数が大きい範囲では、ZhとZ2 ar/Z0は値がおよそ一致し、周波数が大きくなるにつれてZ0に近づく。その結果、図7のように、設計波長λよりも短波長側において広い周波数領域で光を透過させることができる。
【0053】
以上、実施例1の光学フィルタによれば、設計波長λにおいて入射角度が設計入射角度θd以下の光を偏光方向に依らず透過し、設計入射角度θdより大きい光は反射させる角度フィルタの機能を、誘電体多層膜によって容易に実現することができる。
【0054】
[実施例1の光学フィルタの変形例]
実施例1の光学フィルタについて、各種変形例を説明する。
【0055】
実施例1では、設計波長λを600nmとしたが、任意の波長であってよく、可視光に限らず、近赤外線、遠赤外線、紫外線であってもよい。たとえば、波長8〜12μmの遠赤外線領域の所望の波長を設計波長λとすることができる。
【0056】
実施例1では、透過させる入射角度を6°以下に設定しているが、90°未満の任意の入射角度以下で透過するように設定することができる。
【0057】
実施例1では、低屈折率層1および高屈折率層2としてSiO2 を用いたが、これらの材料に限定されるものではなく、従来光学フィルタの材料として用いられ、設計波長λにおいて透光性を有した任意の材料を用いることができる。また、実施例1では、ホスト領域10の低屈折率層1と反射防止領域11、12の低屈折率層1を同一材料としているが、異なる材料としてもよい。同じく、ホスト領域10の高屈折率層2と反射防止領域11、12の高屈折率層2の材料を異なる材料としてもよい。ただし同一材料とする方が光学フィルタの設計、作製が容易で望ましい。
【0058】
たとえば、設計波長λが可視光領域であれば、SiO2 、Al2 3 、ZrO2 、TiO2 、MgOなどの酸化物、SiN、BN、GaNなどの窒化物、SiONなどの酸窒化物、MgF2 、CaF2 、LiFなどのフッ化物などから屈折率の異なる任意の2種の材料を高屈折率層および低屈折率層として採用することができる。また、設計波長λが赤外線領域であれば、Si、Ge、SiGe、GeTe、AlSb、GaP、GaAsなども、高屈折率層ないし低屈折率層の材料として用いることができる。また、無機材料だけでなく有機材料を用いることもできる。
【実施例2】
【0059】
図9は、実施例2の光MIMO通信システムの構成を示した図である。図9のように、実施例2の光通信システムは、複数のLEDで構成される発光素子アレイ100と、各LEDに対応する複数のフォトダイオードで構成される受光素子アレイ101と、受光素子アレイ101の手前に設けられた実施例1の光学フィルタ102と、によって構成されている。光学フィルタ102の設計波長λは、発光素子アレイ100のLEDの発光波長に設計されている。
【0060】
実施例2の光MIMO通信システムは、強度変調器103によって強度変調されたシリアル信号を、シリアルパラレル変換器104によってパラレル信号に変換し、発光素子アレイ100の各LEDによって光信号に変換して送信する。そして、発光素子アレイ100からの各光信号を、光学フィルタ102を介して受光素子アレイ101の各フォトダイオードによって受信し、増幅器105によって増幅して出力する。
【0061】
ここで、受光素子アレイ101の手前に実施例1の光学フィルタ102が設けられているため、正面付近から入射する光信号は透過されるが、他の方向から入射する光信号は反射される。そのため、受光素子アレイ101の各フォトダイオードは、対応する各LEDからの光信号のみを受信することができる。このように、干渉を抑制して、発光素子アレイ100の各LEDと、各LEDに対応する受光素子アレイ101の各フォトダイオードとで一対一に通信することができる。その結果、LEDおよびフォトダイオードの増加によって通信路容量を線形に増大させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の光学フィルタは、光通信システムの通信品質向上などに利用することができる。特に、光MIMOシステムに利用することができる。また、各種光センサのノイズ除去などに本発明の光学フィルタを用いることができる。
【符号の説明】
【0063】
1:低屈折率層
2:高屈折率層
10:ホスト領域
11、12:反射防止領域
100:発光素子アレイ
101:受光素子アレイ
102:光学フィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9