(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両が車線変更を行ったタイミングである実変更タイミングを特定する情報である実変更タイミング情報と、前記車両が車線変更を行ったときの前記車両の環境を特定する情報である過去環境情報と、を相互に関連付けて格納する格納手段と、
現在における前記車両の環境を特定する情報である現在環境情報を取得する取得手段と、
前記格納手段が格納している前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報と、前記取得手段が取得した前記現在環境情報とに基づいて、前記車両が車線変更を行うべきタイミングである推奨変更タイミングを、前記車両の環境毎に決定する変更タイミング決定手段と、
前記変更タイミング決定手段が決定した前記推奨変更タイミングに基づいて、車線変更についての制御を行う制御手段と、を備え、
前記格納手段は、前記実変更タイミング情報と前記過去環境情報とを複数の前記車両について格納し、
前記変更タイミング決定手段は、前記格納手段が格納している前記実変更タイミング情報が特定する前記実変更タイミングについて、前記格納手段が格納している前記過去環境情報が特定する前記車両の環境を基準としたグループ毎に演算することにより、当該グループ毎に前記推奨変更タイミングを決定し、決定した当該グループ毎の前記推奨変更タイミングと前記格納手段が格納している複数の前記車両各々の前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報とに基づいて、複数の前記車両毎に前記推奨変更タイミングを決定し、
前記制御手段は、前記変更タイミング決定手段が決定した複数の前記車両毎の前記推奨変更タイミングに基づいて、車線変更についての制御を、複数の前記車両毎に行う、
制御システム。
前記変更タイミング決定手段は、前記車両が走行しているルートにおける前記車両の進行方向前方側の分岐点において、前記車両が分岐路に進入する前に前記車両が車線変更を行うべきタイミングを前記推奨変更タイミングとして、前記車両の環境毎に決定し、
前記格納手段は、前記車両が車線変更を行って前記分岐点において分岐路に進入した場合に、進入した前記車両が車線変更を行ったタイミングを特定する情報である前記実変更タイミング情報と、進入した前記車両が車線変更を行ったときの前記車両の環境を特定する情報である前記過去環境情報と、を相互に関連付けて格納する、
請求項2に記載の制御システム。
前記変更タイミング決定手段が決定した前記推奨変更タイミングに基づいて、前記推奨変更タイミングを案内するべきタイミングである案内タイミングを決定する案内タイミング決定手段、を備え、
前記制御手段は、前記案内タイミング決定手段が決定した前記案内タイミングにて、前記推奨変更タイミングを案内する、
請求項2又は3に記載の制御システム。
前記変更タイミング決定手段は、前記格納手段が格納している前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報と、前記取得手段が取得した前記現在環境情報とに基づいて、前記車両が車線変更を行うべきタイミングの範囲を前記推奨変更タイミングとして、前記車両の環境毎に決定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の制御システム。
前記格納手段は、前記車両が走行している車線を含む道路の各地点を特定する情報である地点情報を、前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報と関連付けて格納し、
前記変更タイミング決定手段は、前記格納手段が格納している前記実変更タイミング情報、前記過去環境情報、及び前記地点情報と、前記取得手段が取得した前記現在環境情報とに基づいて、前記推奨変更タイミングを、前記車両の環境毎に決定する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る制御システム、制御方法、及び制御プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
本発明に係る制御システムは、実変更タイミング情報及び過去環境情報と、現在環境情報とに基づいて、推奨変更タイミングを、車両の環境毎に決定し、決定した推奨変更タイミングに基づいて、車線変更についての制御を行うシステムである。
【0014】
ここで、「実変更タイミング情報」とは、車両が車線変更を行ったタイミングである実変更タイミングを特定するための情報であり、例えば、基準地点に対する距離を特定する情報である。「基準地点」とは、制御システムによる制御の基準となる地図の道路上の地点であり、例えば、分岐点、障害物存在地点、又は走行規制地点等が挙げられる。「分岐点」とは、道路が分岐している地点であり、「障害物存在地点」とは、障害物(例えば、事故車両や落下物等)が存在している道路上の地点であり、「走行規制地点」とは、所定の事情(例えば、道路工事等)により走行が規制されている道路上の地点である。
【0015】
また、「過去環境情報」とは、車両が過去に車線変更を行ったときの当該車両の過去の環境を特定する情報である。ここで、「過去」とは、制御システムを用いて車線変更についての制御を行う時より前の時を表しており、例えば、車線変更についての制御を行う時よりも所定期間(例えば、1時間、1日、1か月等)だけ前の時を表している。そして、この過去環境情報としては、車両の環境に関する限りにおいて、任意の情報が挙げられるが、例えば、「自車情報」に含まれる各情報、「周辺情報」に含まれる各情報、又は「自然情報」に含まれる各情報のうちの少なくとも1つ情報が挙げられ、これらの情報については、公知の手段(例えば、車両のセンサ、車両のカメラ、車外のサーバとの通信等)を用いて自動的に取得することが可能である。
【0016】
「自車情報」とは、車両自体に関する情報であり、例えば、車両の車種(例えば、大型車、中型車、小型車、又は軽車両等)を特定する情報である車種情報、車両のミッションの種類(例えば、マニュアル、又はオートマッチック等)を特定する情報であるミッション情報、車両の車速(例えば、高速、中速、又は低速等)を特定する情報である車速情報、車両の乗車人数(例えば、1人、2人、3人、4人、5人、6人、7人、8人以上等)を特定する情報である乗車人数情報、車両の連続運転時間(例えば、短時間(1時間未満)、長時間(1時間以上)等)を特定する情報である連続運転時間情報、車両の車線変更の方向(例えば、右方向、又は左方向等)を特定する情報である車線変更方向、車両の運転者の疲労度(例えば、大、中、小等)を特定する情報である疲労度情報等が挙げられる。
【0017】
「周辺情報」とは、車両周辺に関する情報であり、例えば、車両が走行している道路の道路種別(例えば、高速道路、又は一般道路等)を特定する情報である道路種別情報、車両が走行している道路の車線数(例えば、1車線、2車線、3車線、4車線、5車線以上等)を特定する情報である車線数情報、車両が走行している道路の混み具合(例えば、順調、混雑、又は渋滞等)を特定する情報である混み具合情報、車両とその車両の直前の車両との間の距離(例えば、0〜25、25〜50、50〜75、75〜100、又は100以上(単位は全て「m」)等)を特定する情報である前方車両距離情報、車両が走行している道路の勾配(例えば、上り、下り、又は平坦等)を特定する情報である勾配情報等が挙げられる。
【0018】
「自然情報」とは、自然条件に関する情報であり、例えば、車両が走行している場所における車両周辺の天候(例えば、晴れ、雨、曇り、又は雪等)を特定する情報である天候情報、車両が走行している場所における車両周辺の雨量(例えば、0、1〜10、10〜50、50〜100、又は100以上(単位は全て「ml/h」等))を特定する情報である雨量情報、車両が走行している場所における車両周辺の風速(例えば、0、1〜10、10〜15、又は15以上(単位は全て「m/s」)等)を特定する情報である風速情報、車両が走行している場所における車両周辺の降雪量(例えば、0、1〜10、10〜30、30〜50、50〜100、100以上(単位は全て「cm」)等)を特定する情報である降雪量情報、車両が走行している道路の交通規制(例えば、チェーン規制、速度規制、又は規制なし等)を特定する情報である交通規制情報、季節(例えば、春、夏、秋、又は冬等)を特定する情報である季節情報、光量(例えば、明るい、うす暗い、又は暗い等)を特定する情報である光量情報、時間帯(例えば、早朝、朝、昼、夕方、夜、深夜等)を特定する情報である時間帯情報等が挙げられる。
【0019】
また、「現在環境情報」とは、車両の現在の環境を特定する情報である。ここで、「現在」とは、制御システムを用いて車線変更についての制御を行う時であって、「過去」よりも後のときを表している。そして、この現在環境情報としては、前述の過去環境情報として挙げられた各情報と同様な情報が挙げられる。
【0020】
また、「推奨変更タイミング」とは、車両が車線変更を行うべきタイミングとして推奨されるタイミングであり、例えば、基準地点に対する距離である。また、「推奨変更タイミングについての制御」とは、推奨変更タイミングに基づいて行われる車両の制御であり、例えば、車両の運転者に推奨変更タイミングを自動で案内すること、車両の運転者に推奨変更タイミングを自動で注意喚起すること、又は推奨変更タイミングに車両の走行を自動制御する(例えば、車線変更を行う)こと等が挙げられる。
【0021】
そして、以下に示す実施の形態においては、「基準地点」が高速道路における1つの「分岐点」であり、「過去環境情報」及び「現在環境情報」が「天候情報」、「雨量情報」及び「時間帯情報」であり、「推奨変更タイミングについての制御」として「推奨変更タイミングを案内」する場合について説明する。なお、以下では、車載装置を搭載した車両(車載装置を操作する者が搭乗する車両)を「自車両」と称して説明する。また、「自車両」とは、例えば、四輪自動車、二輪自動車、及び自転車等を含む概念であるが、以下では、自車両が四輪自動車である場合について説明する。
【0022】
(構成)
まず、本実施の形態に係る制御システム100について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る制御システムを例示するブロック図である。この制御システム100は、車載装置1、及びセンター装置2を備えている。なお、制御システム100には、実際には、車載装置1以外にも、この車載装置1と同様な構成の他の車載装置が複数含まれているが、以下では、制御システム100に含まれている車載装置の全体を称する場合には、「制御システム100の車載装置」と総称し、「制御システム100の車載装置」における車載装置1以外の車載装置を「他の車載装置」と称して説明する。
【0023】
(構成−車載装置)
最初に、車載装置1の構成について説明する。
図1に示すように、車載装置1は、概略的に、通信部11、タッチパッド12、ディスプレイ13、スピーカ14、現在位置検出部15、記録部16、及び制御部17を備えている。
【0024】
(構成−車載装置−通信部)
通信部11は、センター装置2との間でネットワークを介した通信を行う通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の移動体無線通信手段を用いることができる。
【0025】
(構成−車載装置−タッチパッド)
タッチパッド12は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパッド12は、透明又は半透明状に形成され、ディスプレイ13の前面において当該ディスプレイ13の表示面と重畳するように設けられてタッチパネルとして形成されている。このタッチパッド12としては、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のタッチパッドを用いることができる。
【0026】
(構成−車載装置−ディスプレイ)
ディスプレイ13は、後述する制御部17の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段であり、特に、後述する地図情報データベース161(以下、データベースを「DB」と称する)に格納された地図情報に基づいて地図を表示する表示手段である。このディスプレイ13の具体的な構成は任意であり、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0027】
(構成−車載装置−スピーカ)
スピーカ14は、後述する制御部17の制御に基づいて情報を音声にて出力する音声出力手段である。このスピーカ14から出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0028】
(構成−車載装置−現在位置検出部)
現在位置検出部15は、車載装置1の現在位置(現在地)を検出する現在位置検出手段である。この現在位置検出部15は、GPS又は地磁気センサ(いずれも図示省略)を有し、現在の車載装置1の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0029】
(構成−車載装置−記録部)
記録部16は、車載装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はFlash、ROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。(後述する記録部26も同様とする)。
【0030】
また、この記録部16は、地図情報DB161を備えている。
【0031】
地図情報DB161は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、「地図情報」とは、案内に用いられる情報であり、また、所定の基準単位にて区画される情報であり、道路、道路の交差点、道路構造物、施設等を含む各種の位置の特定に必要な情報であって、例えば、道路上に設定された各ノードに関するノードデータ(例えばノードID、座標等)や、道路上に設定された各リンクに関するリンクデータ(例えばリンクID、リンク名、接続ノードID、道路座標、道路種別(例えば、有料道路、一般道路、高架道路等)、車線数等)、地物データ(例えば信号機、道路標識、ガードレール、施設等)、地形データ等を含んで構成されている。このような地図情報DB161の地図情報は、通信部11を介してセンター装置2と通信を行って、当該センター装置2から取得すること等により、格納される。
【0032】
(構成−車載装置−制御部)
制御部17は、車載装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る制御プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して車載装置1にインストールされることで、制御部17の各部を実質的に構成する(後述する制御部27も同様とする)。
【0033】
制御部17は、機能概念的に、取得部171、及び案内部172を備えている。取得部171は、現在環境情報を取得する取得手段である。案内部172は、後述の変更タイミング決定部271が決定した推奨変更タイミングに基づいて、推奨変更タイミングについての制御を行う制御手段であり、特に、変更タイミング決定部271が決定した推奨変更タイミングに基づいて、推奨変更タイミングを案内する案内手段である。なお、この制御部27の各部により行われる処理については、後述する。
【0034】
(構成−センター装置)
次に、センター装置2の構成について説明する。
図1に示すように、センター装置2は、「制御システム100の車載装置」との間で通信を行って、情報の送受信を行う装置であり、概略的に、通信部21、記録部26、及び制御部27を備えている。
【0035】
(構成−センター装置−通信部)
通信部21は、「制御システム100の車載装置」との間でネットワークを介した通信を行う通信手段であり、具体的な構成については、通信部11の構成と同様である。
【0036】
(構成−センター装置−記録部)
記録部26は、過去情報DB261を備えている。
【0037】
過去情報DB261は、過去の情報を格納する格納手段であり、特に、前述の実変更タイミング情報と過去環境情報とを相互に関連付けて格納する格納手段であって、具体的には、個別情報、及びグループ情報を格納するものである。
【0038】
「個別情報」とは、過去環境情報と実変更タイミング情報との組合せの情報であり、具体的には、「制御システム100の車載装置」から送信された個別の情報である。ここで、「個別」とは、1つずつ別であることを表しており、つまり、グループ化されていないことを表している。また、「グループ化」とは、所定の基準(例えば、過去環境情報が互いに同一であること等)に基づいて、個々を集団(つまり、グループ)に分けることを表している。
図2は、個別情報を例示した図である。この
図2に示すように、個別情報は、例えば、項目「データID」、項目「データ種別」、及び項目「実車線変更タイミング」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「データID」に対応する情報は、過去環境情報(
図2では、項目「データ種別」の情報)と実変更タイミング情報(
図2では、項目「実車線変更タイミング」の情報)との組合せを一意に識別するためのデータ識別情報(以下、データID)である(
図2では、「D1」、「D2」等)。また、項目「データ種別」には、項目「天候」、項目「雨量」、及び項目「時間」が含まれている。項目「天候」に対応する情報は、過去環境情報であって、具体的には天候情報である(
図2では、「晴れ」、「曇り」、「雨」等)。項目「雨量」に対応する情報は、過去環境情報であって、具体的には雨量情報である(
図2では、「0」、「1〜10」、「50〜100」等)。なお、
図2に示す項目「雨量」の「0」は、「0(ml/h)」を示しており、「1〜10」は、「1(ml/h)以上10(ml/h)未満」を示しており、「50〜100」は、「50(ml/h)以上100(ml/h)未満」を示している。項目「時間」に対応する情報は、過去環境情報であって、具体的には時間帯情報である(
図2では、「朝」、「昼」、「夜」等)。また、項目「実車線変更タイミング」に対応する情報は、実変更タイミング情報である(
図2では、分岐点までの距離(単位:「m」)であり、「200」、「250」等)。そして、個別情報については、後述する車線変更案内処理において、「制御システム100の車載装置」から送信された過去環境情報及び実変更タイミング情報を受信する毎に、記録されて蓄積される。
【0039】
また、「グループ情報」とは、過去環境情報と実変更タイミング情報との組合せの情報であり、具体的には、過去情報DB261の過去環境情報と実変更タイミング情報との組合せにおいて、過去環境情報を基準にグループ化して生成された情報である。
図3は、グループ情報を例示した図である。この
図3に示すように、グループ情報は、例えば、項目「グループID」、項目「データ種別」、及び項目「推奨車線変更タイミング」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「グループID」に対応する情報は、過去環境情報のグループ(
図3では、項目「データ種別」の情報)と推奨変更タイミング情報(
図3では、項目「推奨車線変更タイミング」の情報)との組合せを一意に識別するためのグループ識別情報(以下、グループID)である(
図3では、「G1」、「G2」等)。また、項目「データ種別」には、項目「天候」、項目「雨量」、及び項目「時間」が含まれており、これらの項目に対応する情報の定義は、
図2における同一名称の項目に対応する情報の定義と同様である。また、項目「推奨車線変更タイミング」に対応する情報は、推奨変更タイミング情報である(
図3では、分岐点までの距離(単位:「m」)であり、「200」、「250」等)。そして、グループ情報については、後述するグループ情報更新処理を実行する毎に更新される。
【0040】
(構成−センター装置−制御部)
図1の制御部27は、機能概念的に、変更タイミング決定部271を備えている。変更タイミング決定部271は、過去情報DB261が格納している実変更タイミング情報及び過去環境情報と、取得部171が取得した現在環境情報とに基づいて、推奨変更タイミングを、車両の環境毎に決定する変更タイミング決定手段である。なお、これら制御部27の変更タイミング決定部271により行われる処理については、後述する。
【0041】
(処理)
次に、このように構成される制御システム100によって実行される、車線変更案内処理、及びグループ情報更新処理について説明する。
【0042】
(処理−車線変更案内処理)
まず、車線変更案内処理について説明する。
図4は、車線変更案内処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「車線変更案内処理」とは、自車両において車線変更を案内する処理であり、
図1の車載装置1及びセンター装置2によって行われる処理である。この車線変更案内処理を実行するタイミングは任意のタイミングであるが、例えば、車載装置1が、自車両が走行するべきルートである走行ルートを、以下に示すようにして生成し、生成した走行ルートの案内を開始し、自車両が走行を開始したときに起動されて実行するものとし、車線変更案内処理が起動された後から説明する。なお、走行ルートの生成については具体的には、公知の手法を含む任意の手法を用いて行うことができるが、ここでは、例えば、車載装置1の制御部17が、現在位置検出部15によって検出された現在の位置を「出発地」として設定し、タッチパッド12を介してユーザの所定操作が受け付けられた位置を「目的地」として設定した上で、設定した「出発地」から設定した「目的地」に至る走行ルートを、地図情報DB161の地図情報を参照して生成するものとして、以下説明する。
【0043】
図5は、自車両が走行する道路及び自車両の位置を例示する図である。この
図5は、高速道路を示しており、自車両が二車線の道路W1における進行方向に向かって右側の車線を走行しており、自車両の進行方向前方側において道路W1から分岐路W2が分岐している分岐点が設けられていることを示している。ここで、「分岐路」W2とは、1つの道路から分岐している道路であり、具体的には、1つの道路から当該1つの道路の進行方向において右側に分岐している道路、又は、1つの道路から当該1つの道路の進行方向において左側に分岐している道路等であり、例えば、高速道路における平面交差のジャンクション、高速道路におけるサービスエリア又はパーキングエリア等に進入するための道路であって高速道路の本線から分岐する道路、一般道路における平面交差の交差点における自車両が走行している道路と交差している道路等が挙げられる。そして、以下の説明では、上述のようにして生成した走行ルートが、
図5に示す道路W1上の自車両の位置から分岐点において分岐路W2に進入するルートであり、「分岐路W2」が「高速道路における平面交差のジャンクション」であり、天候が「晴れ」であり、雨量が「0(ml/h)」であり、現在時間が「13(時)」であり、自車両が分岐点の手前1(km)の地点を走行している場合を、「
図5の場合」として称して適宜例示して説明する。
【0044】
まず、
図4に示すように、SA1において車載装置1の制御部17は、分岐点があるか否かを判定する。具体的には、
図1の地図情報DB161の地図情報を参照して、走行ルート上の道路の形状を特定し、特定結果に基づいて、走行ルート上に分岐点があるか否かを判定する。そして、走行ルート上に分岐点が無いものと判定した場合(SA1のNO)、処理を終了する。また、走行ルート上に分岐点が有るものと判定した場合(SA1のYES)、SA2に移行する。ここでは、例えば、
図5の場合、走行ルート上に分岐点が有るものと判定する。
【0045】
図4に戻って、SA2において車載装置1の制御部17は、自車両と分岐点との間の距離が一定距離以下であるか否かを判定する。ここで、「一定距離」とは、予め定められている距離であり、自車両が後述の案内タイミングに至る前に、推奨変更タイミングを特定(取得)するための処理を行うのに十分な時間を確保することができる比較的長い距離であり、具体的には、分岐点に至る道路の法定速度、及び車載装置1とセンター装置2との間の通信量又は通信速度等に基づいて定められている距離である。この「一定距離」については、前述の定義に従う限りにおいて任意に設定することができ、例えば、1(km)、5(km)、10(km)等に設定することができるが、ここでは、例えば、1(km)に設定されているものとして、以下説明する。なお、「案内タイミング」とは、推奨変更タイミングを案内するべきタイミングであり、例えば、基準地点に対する距離である。この「案内タイミング」については、固定としてもよいし、可変としてもよいが、ここでは、例えば、走行ルート上において分岐点を基準にして車両側に700(m)だけ離れている地点に自車両が到達したタイミング、に固定されているものとして、以下説明する。SA2について具体的には、
図1の地図情報DB161の地図情報を参照して走行ルート上の分岐点の座標(以下、分岐点座標)を特定し、また、現在位置検出部15によって検出された現在の位置の座標(以下、現在地座標)を特定した上で、地図情報DB161の地図情報を参照して走行ルート上における分岐点座標と現在地座標との間の距離を演算し(つまり、自車両と分岐点との間の距離を演算し)、演算した距離が一定距離以下であるか否かを判定する。そして、演算した距離が一定距離以下でない場合(つまり、演算した距離が一定距離よりも長い場合)(SA2のNO)、自車両と分岐点との間の距離が一定距離以下でないものと判定し、自車両と分岐点との間の距離が一定距離以下であるものと判定されるまで、繰り返しSA2の処理を行う。また、演算した距離が一定距離以下である場合(SA2のYES)、自車両と分岐点との間の距離が一定距離以下であるものと判定し、SA3に移行する。ここでは、例えば、
図5の場合、自車両が分岐点に対して当該分岐点の手前1(km)の地点を走行しているので、自車両と分岐点との間の距離が一定距離以下であるものと判定する。
【0046】
図4に戻って、SA3において車載装置1の制御部17は、自車両が走行している車線を確認する。具体的には、現在位置検出部15の検出結果、又は、自車両が走行している車線を確認するための不図示の車載カメラ等の撮像装置の撮像結果等に基づいて、自車両が走行している車線を確認する。ここでは、例えば、
図5の場合、「自車両が走行している車線」=「道路W1における進行方向に向かって右側の車線」を確認する。
【0047】
図4に戻って、SA4において車載装置1の制御部17は、車線変更が必要であるか否かを判定する。具体的には、
図1の地図情報DB161の地図情報を参照して、走行ルート上の分岐点の形状(例えば、自車両が現在走行している道路の各車線の位置と、分岐路の位置とに関する分岐点の形状等)を特定し、特定した分岐点の形状と、SA3で確認した「自車両が走行している車線」とに基づいて、「自車両が走行している車線」が分岐点において分岐路に対して直接的に接続されている車線であるか否かを判定する。ここで、「分岐点において分岐路に対して直接的に接続されている車線」とは、分岐点に至る前に車線変更を行わずに分岐路に進入可能な車線であり、例えば、分岐路が進行方向において右側に分岐している場合における右側の車線、又は、分岐路が進行方向において左側に分岐している場合における左側の車線等である。そして、「自車両が走行している車線」が分岐点において分岐路に対して直接的に接続されている車線であるものと判定した場合には、車線変更が必要でないものと判定(SA4のNO)し、処理を終了する。また、「自車両が走行している車線」が分岐点において分岐路に対して直接的に接続されている車線でないものと判定した場合には、車線変更が必要であるものと判定(SA4のYES)し、SA4に移行する。ここでは、例えば、
図5の場合、分岐路W2が道路W1に対して、当該道路W1の進行方向において左側に向かって分岐しているので、「自車両が走行している車線」=「道路W1における進行方向に向かって右側の車線」が分岐点において分岐路に対して直接的に接続されている車線でないものと判定し、つまり、車線変更が必要であるものと判定する。
【0048】
図4に戻って、SA5において車載装置1の取得部171は、現在環境情報を取得する。具体的には、現在環境情報として、天候情報、雨量情報、及び時間帯情報を取得する。天候情報、雨量情報、及び時間帯情報の取得手法については、任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、以下に示す手法を用いて取得するものとして、以下説明する。天候情報及び雨量情報の取得について具体的には、
図1の通信部11を介して、気象についての情報を配信する気象情報配信サーバにアクセスし、アクセスした気象情報配信サーバから、天候情報及び雨量情報を取得するものとする。また、時間帯情報の取得について具体的には、自車両に現在時間を計時する不図示の計時手段が設けられていることとし、この計時手段の計時結果に基づいて、「計時結果」=「4時〜6時」の場合に「時間帯情報」=「早朝」を取得し、「計時結果」=「6時〜9時」の場合に「時間帯情報」=「朝」を取得し、「計時結果」=「9時〜16時」の場合に「時間帯情報」=「昼」を取得し、「計時結果」=「16時〜18時」の場合に「時間帯情報」=「夕方」を取得し、「計時結果」=「18時〜22時」の場合に「時間帯情報」=「夜」を取得し、「計時結果」=「22時〜4時」の場合に「時間帯情報」=「深夜」を取得するものとする。ここでは、例えば、
図5の場合、現在環境情報として、「天候情報」=「晴れ」、「雨量情報」=「0(ml/h)」、及び「時間帯情報」=「昼」を取得する。
【0049】
図4に戻って、SA6において車載装置1の制御部17は、推奨変更タイミングを検索する。具体的には、
図1のセンター装置2にアクセスして、推奨変更タイミングを検索する。センター装置2にアクセスして、推奨変更タイミングを検索する手法については、任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、記録部16に車載装置1を一意に識別するための識別情報(以下、装置ID)として、「ID1」が記録されているものとし、推奨変更タイミングを検索するための要求である検索要求を生成し、生成した検索要求をセンター装置2に送信して検索する手法を用いる場合について、以下説明する。
【0050】
検索要求を送信して検索する場合についてより詳細には、車載装置1の制御部17は、記録部16から装置IDを取得し、また、SA5で取得した現在環境情報を取得し、取得した装置ID及び取得した現在環境情報を含む検索要求を生成し、生成した検索要求を、通信部11を介してセンター装置2に送信する。ここでは、例えば、
図5の場合、「装置ID」=「ID1」、「天候情報」=「晴れ」、「雨量情報」=「0(ml/h)」、及び「時間帯情報」=「昼」を取得し、取得したこれらの情報を含む検索要求を生成し、生成した検索要求を、通信部11を介してセンター装置2に送信する。
【0051】
一方、
図1のセンター装置2の変更タイミング決定部271は、車載装置1が送信した検索要求を、通信部21を介して受信し、受信した検索要求から現在環境情報を取得し、過去情報DB261に格納されている
図3の「グループ情報」を参照して、前述の取得した現在環境情報と一致する過去環境情報(
図3では、項目「データ種別」に対応する情報)を特定し、特定した過去環境情報に対応付けられている推奨変更タイミング(
図3では、項目「推奨車線変更タイミング」に対応する情報)を取得して決定(つまり、検索)する。次に、前述の受信した検索要求から装置IDを取得し、取得した装置ID、及び取得して決定した推奨変更タイミングを含む検索応答を生成し、生成した検索応答を、通信部21を介して車載装置1に送信する。ここでは、例えば、
図5の場合、車載装置1が送信した検索要求を、通信部21を介して受信し、受信した検索要求から現在環境情報として「天候情報」=「晴れ」、「雨量情報」=「0(ml/h)」、及び「時間帯情報」=「昼」を取得し、
図1の過去情報DB261に格納されている
図3の「グループ情報」を参照して、前述に取得した現在環境情報と一致する過去環境情報として、
図3の項目「グループID」=「G2」の過去環境情報(つまり、項目「天候」=「晴れ」、項目「雨量」=「0」、項目「時間」=「昼」)を特定し、特定した過去環境情報に対応付けられている推奨変更タイミングとして、項目「推奨変更タイミング」=「250」を取得して決定する。次に、前述の受信した検索要求から「装置ID」=「ID1」を取得し、取得した「装置ID」=「ID1」、及び取得して決定した推奨変更タイミングである「250」を含む検索応答を生成し、生成した検索応答を、通信部21を介して車載装置1に送信する。
【0052】
図4に戻って、SA7において車載装置1の制御部17は、推奨変更タイミングを取得する。具体的には、SA6でセンター装置2が送信した検索応答を、通信部11を介して受信し、受信した検索応答から装置IDを取得し、取得した装置IDと記録部16に記録されている装置IDとを比較し、これらの装置IDが一致している場合に、前述の受信した検索応答から推奨変更タイミングを取得する。ここでは、例えば、
図5の場合、SA6でセンター装置2が送信した検索応答を、通信部11を介して受信し、受信した検索応答から「装置ID」=「ID1」を取得し、取得した「装置ID」=「ID1」と記録部16に記録されている「装置ID」=「ID1」とを比較し、これらの装置IDが一致しているので、前述の受信した検索応答から推奨変更タイミングである「250」を取得する。
【0053】
図4に戻って、SA8において車載装置1の案内部172は、推奨変更タイミングを案内する。具体的には、SA7で取得した推奨変更タイミングを、前述の「案内タイミング」にて、案内する。より詳細には、SA2の場合と同様にして、自車両と分岐点との間の距離を演算し、演算した距離が「案内タイミング」の距離(本実施の形態では、700(m))以下になったか否かを判定し、演算した距離が「案内タイミング」の距離以下になったと判定した場合に、推奨変更タイミングを、ディスプレイ13又はスピーカ14を介して案内する。なお、推奨変更タイミングの案内手法については、ユーザに対して推奨変更タイミングを認識させることができる手法である限りにおいて任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、現在位置と推奨変更タイミングに対応する位置との間の距離である車線変更位置到達距離、及び車線変更する場合における変更先の車線である変更先車線を含む情報を、ディスプレイ13に画像として表示したり、スピーカ14から音声として出力したりして案内する。ここでは、例えば、
図5の場合、分岐点までの距離が700(m)である地点P1に至った場合に、自車両と分岐点との間の距離が「案内タイミング」の距離である「700(m)」になったものとして、「車線変更位置到達距離」として「700(m)−250(m)=450(m)」である「450(m)」、及び「変更先車線」として「進行方向左側の車線」を含む情報として、「450(m)先において左側の車線に車線変更してください」というメッセージを、ディスプレイ13に画像として表示したり、スピーカ14から音声として出力したりする。なお、この場合、自車両が走行しているので、車線変更位置到達距離が刻々と短くなることを考慮して、推奨変更タイミングを確実にユーザに案内するために、車線変更位置到達距離が所定距離(例えば、50(m)等)短くなる毎に又は連続的に、最新のメッセージを出力したり、車線変更位置到達距離に応じて長さが変動する距離表示バーを表示したりしてもよい。
【0054】
図4に戻って、SA9において車載装置1の制御部17は、自車両が分岐点において、分岐路に進入したか否かを判定する。具体的には、現在位置検出部15の検出結果及び地図情報DB161の地図情報に基づいて、走行ルートにおける自車両における現在位置を特定し、特定結果に基づいて、自車両が分岐路に進入したか否かを判定する。そして、自車両が分岐路に進入しなかったものと判定した場合(SA9のNO)、処理を終了する。また、自車両が分岐路に進入したものと判定した場合(SA9のYES)、SA10に移行する。ここでは、例えば、
図5の場合、自車両が分岐点の手前300(m)の地点P2において進行方向に向かって右側の車線から左側の車線に車線変更を行った後、分岐路W2に進入したものとして、以下説明する。
【0055】
図4に戻って、SA10において車載装置1の制御部17は、情報を送信する。具体的には、SA9で「YES」と判定された自車両がSA5で取得した現在環境情報を特定し、また、現在位置検出部15によって検出結果、又は、自車両に設けられており自車両が走行している車線を確認するための不図示のカメラ等の撮像装置の撮像結果等に基づいて、SA9で「YES」と判定された当該自車両が車線変更を行ったタイミング(つまり、実変更タイミング)を特定し、これらの特定した現在環境情報及び実変更タイミングを含む情報である車載装置側情報を生成し、生成した車載装置側情報を、通信部11を介して、センター装置2に送信する。ここでは、例えば、
図5の場合、「現在環境情報」=「「天候情報」=「晴れ」、「雨量情報」=「0(ml/h)」、及び「時間帯情報」=「昼」」を特定し、また、「実変更タイミング」=「300(m)」を特定し、これらの特定した現在環境情報及び実変更タイミングを含む情報である車載装置側情報を生成し、生成した車載装置側情報を、通信部11を介して、センター装置2に送信する。これにて、車線変更案内処理を終了する。
【0056】
一方、
図1のセンター装置2の変更タイミング決定部271は、車載装置1が送信した車載装置側情報を、通信部21を介して受信し、受信した車載装置側情報から現在環境情報及び実変更タイミングを取得した上で、取得した現在環境情報を、過去情報DB261における
図2の項目「データ種別」に対応する情報(つまり、過去環境情報)として格納し、取得した実変更タイミングを、
図1の過去情報DB261における
図2の項目「実車線変更タイミング」に対応する情報(つまり、実変更タイミング情報)として、前述の格納した現在環境情報と関連付けて格納して蓄積する。ここでは、例えば、
図5の場合、
図1の車載装置1が送信した車載装置側情報を、通信部21を介して受信し、受信した車載装置側情報から「現在環境情報」=「「天候情報」=「晴れ」、「雨量情報」=「0(ml/h)」、及び「時間帯情報」=「昼」」及び「実変更タイミング」=「300(m)」を取得した上で、取得した「天候情報」=「晴れ」、「雨量情報」=「0(ml/h)」、及び「時間帯情報」=「昼」を
図2の項目「データ種別」に対応する情報として格納し、取得した「実変更タイミング」=「300(m)」を項目「実車線変更タイミング」に対応する情報して、前述の格納した現在環境情報と関連付けて格納して蓄積する。
【0057】
(処理−グループ情報更新処理)
次に、グループ情報更新処理について説明する。
図6は、グループ情報更新処理のフローチャートである。「グループ情報更新処理」とは、グループ情報を更新する処理であり、センター装置2によって行われる処理である。このグループ情報更新処理を実行するタイミングは任意のタイミングであるが、ここでは、例えば、所定時間(例えば、1時間、12時間、又は24時間等)毎のタイミングに、グループ情報更新処理が起動されて実行するものとし、グループ情報更新処理が起動された後から説明する。
【0058】
まず、
図6に示すように、SB1においてセンター装置2の変更タイミング決定部271は、
図2の個別情報をグループ化する。具体的には、
図2の個別情報において、過去環境情報(
図2では、項目「データ種別」の情報)と実変更タイミング情報(
図2では、項目「実車線変更タイミング」の情報)との複数の組合せについて、過去環境情報が一致するもの同士が同一グループになるように、過去環境情報を基準にして前述の複数の組合せをグループに分ける。ここでは、例えば、
図2の場合については、項目「天候」=「晴れ」、項目「雨量」=「0」、及び項目「時間」=「夜」のグループ(以下、第1グループ)、項目「天候」=「曇り」、項目「雨量」=「0」、及び項目「時間」=「夜」のグループ(以下、第2グループ)、項目「天候」=「雨」、項目「雨量」=「1〜10」、及び項目「時間」=「朝」のグループ(以下、第3グループ)、項目「天候」=「雨」、項目「雨量」=「50〜100」、及び項目「時間」=「夜」のグループ(以下、第4グループ)、及び項目「天候」=「晴れ」、項目「雨量」=「0」、及び項目「時間」=「昼」のグループ(以下、第5グループ)等に分ける。
【0059】
図6に戻って、SB2においてセンター装置2の変更タイミング決定部271は、推奨変更タイミングを決定する。具体的には、SB1で分けた各グループに属する組合せの実変更タイミング情報が特定する実変更タイミングについて、グループ毎に演算することにより、各グループの推奨変更タイミングを決定する。なお、グループ毎に行われる演算については、自車両が安全且つ適切に車線変更を行うことができる推奨車線変更タイミングを算出することができる演算である限りにおいて任意の演算を行うことができるが、ここでは、例えば、各グループに属する推奨変更タイミングの中央値を演算するものとする。ここでは、例えば、
図2において前述の「第1グループ」の場合について具体的に示されている実変更タイミングである、項目「データID」=「D1」、「D5」〜「D8」に対応する項目「実車線変更タイミング」=「200」、「150」、「200」、「300」、「200」の中央値である「200」を演算し、演算した「200」を第1グループの推奨変更タイミングに決定する。また、例えば、
図2において前述の「第2グループ」〜「第5グループ」についても、第1グループの場合と同様にして、推奨変更タイミングを決定する。なお、「第2グループ」〜「第5グループ」については、
図2において不図示の実変更タイミングも含めて演算して、「400」、「700」、「150」、「250」を推奨変更タイミングに決定する。
【0060】
図6に戻って、SB3においてセンター装置2の変更タイミング決定部271は、グループ情報を更新する。具体的には、SB1で分けた各グループの過去環境情報と、SB2で決定した推奨変更タイミングとを関連づけて、「SB1で分けた各グループの過去環境情報」=
図3の「項目「データ種別」に対応する情報」、及び「SB2で決定した推奨変更タイミング」=
図3の「項目「推奨車線変更タイミング」に対応する情報」となるように、
図3のグループ情報を更新する。ここでは、例えば、
図3に示すグループ情報になるように更新する。これにて、グループ情報更新処理を終了する。
【0061】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、実変更タイミング情報及び過去環境情報と、現在環境情報とに基づいて、車両が車線変更を行うべきタイミングである推奨変更タイミングを、車両の環境毎に決定することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な制御を行うことが可能となる。
【0062】
また、推奨変更タイミングを案内することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な案内を行うことができる。
【0063】
また、車両が車線変更を行って分岐点において分岐路に進入した場合に、進入した車両が車線変更を行ったタイミングを特定する情報である実変更タイミング情報と、進入した車両が車線変更を行ったときの車両の環境を特定する情報である過去環境情報とを相互に関連付けて格納することから、例えば、実際に分岐路に進入した車両についての実変更タイミング情報及び過去環境情報を格納するので、推奨変更タイミングの決定に有用な情報を格納することができ、車線変更についてより適切に案内することができる。
【0064】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0065】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る制御システムを用いて行われる車線変更についての制御の適切さが従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の適切さを有している場合には、本願発明の課題は解決されている。
【0066】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。例えば、車載装置1の制御部17における取得部171又は案内部172をセンター装置2に設けたり、センター装置2の制御部27における変更タイミング決定部271を、車載装置1に設けたりしてもよい。
【0067】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0068】
(推奨変更タイミングの決定について)
また、上記実施の形態では、
図6のSB2において、各グループに属する推奨変更タイミングの中央値を演算して、演算結果を推奨変更タイミングに決定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、各グループに属する推奨変更タイミングの平均値、最大値、最小値、最頻値(最も出現頻度が高い値)等を含む所定の統計値のうちの少なくとも一つの値を演算して、演算結果を推奨変更タイミングに決定してもよい。
【0069】
(推奨変更タイミングのパーソナライズについて)
また、上記実施の形態では、
図6のSB2において、各グループに属する推奨変更タイミングとして、「制御システム100の車載装置」に互いに共通する推奨変更タイミングを決定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、「制御システム100の車載装置」各々に互いに個別に推奨変更タイミングを決定し、決定した個別の推奨変更タイミングを「制御システム100の車載装置」各々において案内してもよい。なお、「制御システム100の車載装置」各々に互いに個別に推奨変更タイミングを決定する手法については、実変更タイミング情報と過去環境情報とに基づいている限りにおいて、任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、以下に示す第1の決定手法、又は第2の決定手法を用いることができる。
【0070】
第1の決定手法は、変更タイミング決定部271によって実行される手法であり、「制御システム100の車載装置」各々毎に分けて推奨変更タイミングを決定する手法であり、具体的には、「制御システム100の車載装置」各々について、
図2の個別情報を格納した上で、「制御システム100の車載装置」各々について
図6のSB3の場合と同様な処理を行い、「制御システム100の車載装置」各々についての個別の推奨変更タイミングを、実施の形態におけるグループ(つまり、過去環境情報を基準にしたグループ)毎に決定する手法である。なお、「制御システム100の車載装置」各々について、
図2の個別情報を格納することついては、例えば、
図4のSA10において、現在環境情報及び実変更タイミングと共に、自己の装置IDを含む情報である車載装置側情報を生成して、生成した車載装置側情報をセンター装置2に送信して、送信された車載装置側情報に含まれている装置IDを基準に、個別情報を「制御システム100の車載装置」毎に格納する手法を用いてもよい。
【0071】
第2の決定手法は、変更タイミング決定部271によって実行される手法であり、実施の形態で説明した、「制御システム100の車載装置」に互いに共通する推奨変更タイミングを決定する手法(以下、実施の形態の決定手法)と、前述の「第1の決定手法」とを組み合わせて、「制御システム100の車載装置」各々についての推奨変更タイミングを、実施の形態におけるグループ(つまり、過去環境情報を基準にしたグループ)毎に決定する手法である。具体的には、まず、第1のステップとして、「実施の形態の決定手法」を用いて、
図6のSB2と同一の処理を行って、「制御システム100の車載装置」に互いに共通する推奨変更タイミング(以下、共通推奨変更タイミング)を、実施の形態におけるグループ毎に決定する。次に、第2のステップとして、「第1の決定手法」を用いて、「制御システム100の車載装置」各々についての個別の推奨変更タイミング(以下、個別推奨変更タイミング)を、実施の形態におけるグループ毎に決定する。次に、第3のステップとして、共通推奨変更タイミング及び個別推奨変更タイミングの互いの差分(例えば、共通推奨変更タイミングから個別推奨変更タイミングを減じた値)を、グループ毎に演算し、演算した差分を格納する。この後、実施の形態の「グループ情報更新処理」の実行タイミングと同様のタイミングに、
図6のSB1及びSB2を繰り返し実行し、SB2を実行することにより決定された共通推奨変更タイミングに対して、前述の格納した差分を反映する(例えば、加算又は減算する)ことにより、「制御システム100の車載装置」各々についての個別推奨変更タイミングを、実施の形態におけるグループ毎に決定する。ここでは、例えば、第1のステップにて、
図3の項目「推奨車線変更タイミング」の情報を、推奨変更タイミングとして決定し、第2のステップにて、車載装置1の個別推奨変更タイミングとして、
図3の項目「グループID」=「G1」〜「G5」に対して「150」、「150」、「300」、「500」、「100」(単位は、全てメートル)を決定した場合、第3のステップにて、
図3の項目「グループID」=「G1」〜「G5」に対して「50」、「100」、「100」、「200」、「50」(単位は、全てメートル)を差分として演算して格納する。この後、
図6のSB1及びSB2を繰り返し実行した後に、「制御システム100の車載装置」の共通推奨変更タイミングとして、
図3の項目「グループID」=「G1」〜「G5」に対して「300」、「350」、「500」、「700」、「150」(単位は、全てメートル)を決定した場合、決定された共通推奨変更タイミングに対して、前述の格納した差分を反映する(ここでは、減算する)ことにより、車載装置1の個別推奨変更タイミングとして、
図3の項目「グループID」=「G1」〜「G5」に対して「300−50=250」、「350−100」=250、「500−100=400」、「700−200=500」、「150−50=100」を決定する。このように構成することにより、決定したグループ毎の推奨変更タイミングと、格納している複数の車両各々の実変更タイミング情報及び過去環境情報とに基づいて、複数の車両毎に推奨変更タイミングを決定することから、例えば、車両各々のニーズに沿って推奨変更タイミングを決定することができ、車両各々に適切な案内を行うことができる。
【0072】
(推奨変更タイミングの値について)
また、上記実施の形態では、
図6のSB2において、各グループに属する推奨変更タイミングとして、グループ毎に1つのみの数値を決定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、
図6のSB1においてグループ化したグループ毎に、以下のようにして、推奨変更タイミングとして、数値の範囲を決定してもよい。具体的には、グループ毎に、実変更タイミングを、実変更タイミングの数値及び当該数値の出現確率を指標として、出願確率が所定値(例えば、80(%)又は90%等)以上となる、実変更タイミングの数値の範囲(例えば、300(m)以上600(m)未満等)をグループ毎に演算し、演算した数値の範囲を、各グループの推奨変更タイミングとして決定する。そして、
図4の車線変更案内処理のSA8において、実施の形態と同様に「案内タイミング」=「700(m)」にて推奨変更タイミングを案内する場合、以下のように案内してもよい。具体的には、まず、自車両の現在位置から推奨される車線変更のタイミングの始点までの距離である「車線変更推奨範囲始点到達距離」として「700(m)(案内タイミング)−600(m)(推奨変更タイミングの範囲における上限値)=100(m)」を演算し、また、自車両の現在位置から推奨される車線変更のタイミングの終点までの距離である「車線変更推奨範囲終点到達距離」として「700(m)(案内タイミング)−300(m)(推奨変更タイミングの範囲における下限値)=400(m)」を演算する。次に、演算した「車線変更推奨範囲始点到達距離」及び「車線変更推奨範囲終点到達距離」を案内するために、例えば、「この先100メートルから400メートルの間において、左側の車線に車線変更して下さい」等のメッセージを、ディスプレイ13に画像として表示したり、スピーカ14から音声として出力したりする。このように構成した場合、車両が車線変更を行うべきタイミングの範囲を推奨変更タイミングとして、車両の環境毎に決定することから、例えば、車両の運転者に対して余裕もって車線変更を行わせることができるので、車線変更についてより適切に案内することができる。
【0073】
(車載装置側情報の送信について)
また、上記実施の形態では、
図4のSA9において自車両が分岐路に進入したものと判定した場合(SA9のYES)にのみ、車載装置側情報を送信する場合について説明したが、これに限られない。例えば、自車両が分岐路に進入したか否か、及び分岐点を通過したか否かに関わらず、任意のタイミングにて、車載装置側情報を送信してもよい。具体的には、
図1の車載装置1のタッチパッド12を介する所定操作が行われた場合に、車載装置側情報を送信するように構成した上で、自車両の運転者が、自車両について実際に車線変更を行った後の任意のタイミング(例えば、自己の車線変更を行ったタイミングが適切であったものと認識した場合等)にタッチパッド12を介する所定操作を行って、車載装置側情報を送信してもよい。このように構成した場合、
図2の個別情報として、適切な推奨変更タイミングを案内するための有用な情報を蓄積することができる。
【0074】
(個別情報について)
また、上記実施の形態において、
図2の個別情報に項目「地点」を追加し、追加した項目「地点」に対応する情報として、車両が走行している車線を含む道路上の各地点を特定する情報である地点情報(例えば、実施の形態を片側4車線の高速道路に適用するものとし、最も右側の車線である第1車線、第1車線の隣の第2車線、第2車線の隣の第3車線、第3車線の隣の車線であって最も左側の車線である第4車線等)を格納してもよい。更に、
図1の変更タイミング決定271は、
図3の項目「推奨車線変更タイミング」の情報を、前述の地点情報が特定する地点毎に決定してもよい。そして、車両が走行している現在の車線を特定する情報である車線特定情報を、現在環境情報と共に取得するように構成し、取得した車線特定情報に対応する推奨変更タイミングを決定してもよい。ここでは、例えば、
図3の項目「グループID」=「G1」について、項目「地点」=「第1車線」〜「第4車線」の項目「推奨変更タイミング」=「150」、「200」、「250」、「300」を決定し、「取得した車線特定情報」=「第3車線」を取得した場合に、「推奨変更タイミング」=「250」を決定する。なお、「地点情報」としては、前述の車線を特定する情報の他に、分岐点からの距離に基づいて定義される道路上の各地点(例えば、分岐点から500(m)離れた地点、分岐点から600(m)離れた地点等)を特定する情報等であってもよい。このように構成した場合、車両が走行している車線を含む道路上の各地点を特定する情報である地点情報を、実変更タイミング情報及び過去環境情報と関連付けて格納していることから、例えば、車両各々が走行している地点毎のニーズに沿って推奨変更タイミングを決定することができ、車両各々に適切な案内を行うことができる。
【0075】
(案内タイミングについて)
また、上記実施の形態では、「案内タイミング」が「走行ルート上において分岐点を基準にして車両側に700(m)だけ離れていること」に固定されている場合について説明したが、これに限られない。例えば、「案内タイミング」が可変であり、
図1の車載装置1の制御部17又はセンター装置2の制御部27が、変更タイミング決定部271が決定した推奨変更タイミングに基づいて案内タイミングを決定し、車載装置1の案内部172が、当該決定した案内タイミングにて、推奨変更タイミングを案内してもよい。なお、案内タイミングの決定手法については、変更タイミング決定部271が決定した推奨変更タイミングに基づいている限りにおいて、任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、推奨変更タイミングの距離から所定距離(例えば、100(m)、又は200(m)等)だけ車両側に離れているタイミング、を案内タイミングとして決定する手法を用いることができる。この手法を用いる場合において、「所定距離」=「100(m)」である場合、例えば、「推奨変更タイミング」=「200(m)」の時、「案内タイミング」=「200(m)+100(m)=300(m)」を決定し、自車両と分岐点との間の距離が「300(m)」となった場合、「推奨変更タイミング」=「200(m)」を、実施の形態と同様にして案内する。なお、この場合における、案内タイミングを決定する要素である、車載装置1の制御部17又はセンター装置2の制御部27が、「案内タイミング決定手段」に対応する。このように構成した場合、推奨変更タイミングに基づいて、推奨変更タイミングを案内するべきタイミングである案内タイミングを決定することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切なタイミングにて案内することができる。
【0076】
(推奨変更タイミングについての制御について)
また、上記実施の形態では、推奨変更タイミングを案内する場合について説明したが、これに限られない。例えば、
図4のSA8において車載装置1の制御部17が、自車両のユーザに対して、「他の車載装置」を搭載している車両が車線変更を行う可能性が高いタイミングとして、推奨タイミングを注意喚起してもよい。具体的には、
図1のディスプレイ13に注意を喚起する画像を表示したり、スピーカ14から注意を喚起する警報音を出力したりしてもよい。このように構成した場合、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な注意喚起を行うことができる。また、例えば、
図4のSA8において車載装置1の制御部17が、推奨タイミングにて、車両の走行を制御してもよい。具体的には、車両が推奨タイミングにて、当該車両の周囲の安全性を確認しつつ、自動的に車線変更するように(又は、運転者に対して車線変更を行いやすくするために、自車両の車速をおとす)制御してもよい。このように構成した場合、推奨変更タイミングにて、車両の走行を制御することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な走行の制御を行うことができる。
【0077】
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
【0078】
実施の形態の1つの側面1に係る制御システムは、車両が車線変更を行ったタイミングである実変更タイミングを特定する情報である実変更タイミング情報と、前記車両が車線変更を行ったときの前記車両の環境を特定する情報である過去環境情報と、を相互に関連付けて格納する格納手段と、現在における前記車両の環境を特定する情報である現在環境情報を取得する取得手段と、前記格納手段が格納している前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報と、前記取得手段が取得した前記現在環境情報とに基づいて、前記車両が車線変更を行うべきタイミングである推奨変更タイミングを、前記車両の環境毎に決定する変更タイミング決定手段と、前記変更タイミング決定手段が決定した前記推奨変更タイミングに基づいて、車線変更についての制御を行う制御手段とを備える。
【0079】
上記側面1に係る制御システムによれば、実変更タイミング情報及び過去環境情報と、現在環境情報とに基づいて、車両が車線変更を行うべきタイミングである推奨変更タイミングを、車両の環境毎に決定することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な制御を行うことが可能となる。
【0080】
実施の形態の他の側面2に係る制御システムは、上記側面1に係る制御システムにおいて、前記制御手段は、前記変更タイミング決定手段が決定した前記推奨変更タイミングを案内する。
【0081】
上記側面2に係る制御システムによれば、推奨変更タイミングを案内することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な案内を行うことができる。
【0082】
実施の形態の他の側面3に係る制御システムは、上記側面2に係る制御システムにおいて、前記変更タイミング決定手段は、前記車両が走行しているルートにおける前記車両の進行方向前方側の分岐点において、前記車両が分岐路に進入する前に前記車両が車線変更を行うべきタイミングを前記推奨変更タイミングとして、前記車両の環境毎に決定し、前記格納手段は、前記車両が車線変更を行って前記分岐点において分岐路に進入した場合に、進入した前記車両が車線変更を行ったタイミングを特定する情報である前記実変更タイミング情報と、進入した前記車両が車線変更を行ったときの前記車両の環境を特定する情報である前記過去環境情報と、を相互に関連付けて格納する。
【0083】
上記側面3に係る制御システムによれば、車両が車線変更を行って分岐点において分岐路に進入した場合に、進入した車両が車線変更を行ったタイミングを特定する情報である実変更タイミング情報と、進入した車両が車線変更を行ったときの車両の環境を特定する情報である過去環境情報とを相互に関連付けて格納することから、例えば、実際に分岐路に進入した車両についての実変更タイミング情報及び過去環境情報を格納するので、推奨変更タイミングの決定に有用な情報を格納することができ、車線変更についてより適切に案内することができる。
【0084】
実施の形態の他の側面4に係る制御システムは、上記側面2又は3に係る制御システムにおいて、前記変更タイミング決定手段が決定した前記推奨変更タイミングに基づいて、前記推奨変更タイミングを案内するべきタイミングである案内タイミングを決定する案内タイミング決定手段、を備え、前記制御手段は、前記案内タイミング決定手段が決定した前記案内タイミングにて、前記推奨変更タイミングを案内する。
【0085】
上記側面4に係る制御システムによれば、推奨変更タイミングに基づいて、推奨変更タイミングを案内するべきタイミングである案内タイミングを決定することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切なタイミングにて案内することができる。
【0086】
実施の形態の他の側面5に係る制御システムは、上記側面1から4のいずれかに係る制御システムにおいて、前記格納手段は、前記実変更タイミング情報と前記過去環境情報とを複数の前記車両について格納し、前記変更タイミング決定手段は、前記格納手段が格納している前記実変更タイミング情報が特定する前記実変更タイミングについて、前記格納手段が格納している前記過去環境情報が特定する前記車両の環境を基準としたグループ毎に演算することにより、当該グループ毎に前記推奨変更タイミングを決定し、決定した当該グループ毎の前記推奨変更タイミングと前記格納手段が格納している複数の前記車両各々の前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報とに基づいて、複数の前記車両毎に前記推奨変更タイミングを決定し、前記制御手段は、前記変更タイミング決定手段が決定した複数の前記車両毎の前記推奨変更タイミングに基づいて、車線変更についての制御を、複数の前記車両毎に行う。
【0087】
上記側面5に係る制御システムによれば、決定したグループ毎の推奨変更タイミングと格納手段が格納している複数の車両各々の実変更タイミング情報及び過去環境情報とに基づいて、複数の車両毎に推奨変更タイミングを決定することから、例えば、車両各々のニーズに沿って推奨変更タイミングを決定することができ、車両各々に適切な案内を行うことができる。
【0088】
実施の形態の他の側面6に係る制御システムは、上記側面1から5のいずれかに係る制御システムにおいて、前記変更タイミング決定手段は、前記格納手段が格納している前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報と、前記取得手段が取得した前記現在環境情報とに基づいて、前記車両が車線変更を行うべきタイミングの範囲を前記推奨変更タイミングとして、前記車両の環境毎に決定する。
【0089】
上記側面6に係る制御システムによれば、車両が車線変更を行うべきタイミングの範囲を推奨変更タイミングとして、車両の環境毎に決定することから、例えば、車両の運転者に対して余裕もって車線変更を行わせることができるので、車線変更についてより適切に案内することができる。
【0090】
実施の形態の他の側面7に係る制御システムは、上記側面1から6のいずれかに係る制御システムにおいて、前記格納手段は、前記車両が走行している車線を含む道路の各地点を特定する情報である地点情報を、前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報と関連付けて格納し、前記変更タイミング決定手段は、前記格納手段が格納している前記実変更タイミング情報、前記過去環境情報、及び前記地点情報と、前記取得手段が取得した前記現在環境情報とに基づいて、前記推奨変更タイミングを、前記車両の環境毎に決定する。
【0091】
上記側面7に係る制御システムによれば、車両が走行している車線を含む道路の各地点を特定する情報である地点情報を、実変更タイミング情報及び過去環境情報と関連付けて格納していることから、例えば、車両各々が走行している地点毎のニーズに沿って推奨変更タイミングを決定することができ、車両各々に適切な案内を行うことができる。
【0092】
実施の形態の他の側面8に係る制御システムは、上記側面1から7のいずれかに係る制御システムにおいて、前記制御手段は、前記変更タイミング決定手段が決定した前記推奨変更タイミングを注意喚起する。
【0093】
上記側面8に係る制御システムによれば、推奨変更タイミングを注意喚起することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な注意喚起を行うことができる。
【0094】
実施の形態の他の側面9に係る制御システムは、上記側面1から8のいずれかに係る制御システムにおいて、前記制御手段は、前記変更タイミング決定手段が決定した前記推奨変更タイミングにて、前記車両の走行を制御する。
【0095】
上記側面9に係る制御システムによれば、変更タイミング決定手段が決定した推奨変更タイミングにて、車両の走行を制御することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な走行の制御を行うことができる。
【0096】
実施の形態の他の側面10に係る制御方法は、取得手段が、現在における車両の環境を特定する情報である現在環境情報を取得する取得ステップと、変更タイミング決定手段が、前記車両が車線変更を行ったタイミングである実変更タイミングを特定する情報である実変更タイミング情報と、前記車両が車線変更を行ったときの前記車両の環境を特定する情報である過去環境情報と、を相互に関連付けて格納する格納手段が格納している前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報と、前記取得ステップにおいて取得した前記現在環境情報とに基づいて、前記車両が車線変更を行うべきタイミングである推奨変更タイミングを、前記車両の環境毎に決定する変更タイミング決定ステップと、制御ステップが、前記変更タイミング決定ステップにおいて決定した前記推奨変更タイミングに基づいて、車線変更についての制御を行う制御ステップとを含む。
【0097】
上記側面10に係る制御方法によれば、実変更タイミング情報及び過去環境情報と、現在環境情報とに基づいて、車両が車線変更を行うべきタイミングである推奨変更タイミングを、車両の環境毎に決定することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な制御を行うことが可能となる。
【0098】
実施の形態の他の側面11に係る制御プログラムは、コンピュータを、現在における前記車両の環境を特定する情報である現在環境情報を取得する取得手段と、前記車両が車線変更を行ったタイミングである実変更タイミングを特定する情報である実変更タイミング情報と前記車両が車線変更を行ったときの前記車両の環境を特定する情報である過去環境情報とを相互に関連付けて格納する格納手段が格納している前記実変更タイミング情報及び前記過去環境情報と、前記取得手段が取得した前記現在環境情報とに基づいて、前記車両が車線変更を行うべきタイミングである推奨変更タイミングを、前記車両の環境毎に決定する変更タイミング決定手段と、前記変更タイミング決定手段が決定した前記推奨変更タイミングに基づいて、車線変更についての制御を行う制御手段と、として機能させる。
【0099】
上記側面11に係る制御プログラムによれば、実変更タイミング情報及び過去環境情報と、現在環境情報とに基づいて、車両が車線変更を行うべきタイミングである推奨変更タイミングを、車両の環境毎に決定することから、例えば、車両が実際に車線変更を行ったタイミング及び車線変更を行った時の車両の環境を考慮して、車線変更についての適切な制御を行うことが可能となる。