特許第6551256号(P6551256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6551256コイル部品、コイル部品を内蔵した回路基板、並びに、コイル部品を備える電源回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551256
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】コイル部品、コイル部品を内蔵した回路基板、並びに、コイル部品を備える電源回路
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/04 20060101AFI20190722BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20190722BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20190722BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20190722BHJP
【FI】
   H01F17/04 A
   H01F27/29 125
   H01F17/00 B
   H02M1/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-27886(P2016-27886)
(22)【出願日】2016年2月17日
(65)【公開番号】特開2017-147321(P2017-147321A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2018年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】西川 朋永
(72)【発明者】
【氏名】川村 浩司
(72)【発明者】
【氏名】筒井 秀徳
(72)【発明者】
【氏名】奥村 武史
(72)【発明者】
【氏名】田家 裕
(72)【発明者】
【氏名】末木 孝幸
【審査官】 秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−044834(JP,A)
【文献】 特開2013−098257(JP,A)
【文献】 特開2000−082621(JP,A)
【文献】 特開2007−103477(JP,A)
【文献】 特表2011−523509(JP,A)
【文献】 米国特許第5477204(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 17/04
H01F 17/00
H01F 27/29
H02M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された第1及び第2の平面スパイラル導体を含む第1のコイルパターンと、
直列接続された第3及び第4の平面スパイラル導体を含む第2のコイルパターンと、を備え、
前記第1及び第3の平面スパイラル導体は、所定の平面上に同心円状に一方向に巻回され、
前記第2及び第4の平面スパイラル導体は、前記所定の平面上に同心円状に逆方向に巻回され、
前記第1の平面スパイラル導体は、前記第3の平面スパイラル導体と隣接する第1の部分と、前記第3の平面スパイラル導体と隣接しない第2の部分を含み、
前記第4の平面スパイラル導体は、前記第2の平面スパイラル導体と隣接する第3の部分と、前記第2の平面スパイラル導体と隣接しない第4の部分を含むことを特徴とするコイル部品。
【請求項2】
前記第1の部分と前記第3の部分は互いに長さが等しく、前記第2の部分と前記第4の部分は互いに長さが等しいことを特徴とする請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記第1の平面スパイラル導体のターン数は、前記第3の平面スパイラル導体のターン数よりも1ターン以上多く、
前記第4の平面スパイラル導体のターン数は、前記第2の平面スパイラル導体のターン数よりも1ターン以上多いことを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第1及び第3の平面スパイラル導体のパターン形状と、前記第2及び第4の平面スパイラル導体のパターン形状は、互いに点対称であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第2の部分は前記第1の部分よりもターン数が多く、前記第4の部分は前記第3の部分よりもターン数が多いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記第1の平面スパイラル導体の内周端に接続された第1の外部端子と、
前記第2の平面スパイラル導体の内周端に接続された第2の外部端子と、
前記第3の平面スパイラル導体の内周端に接続された第3の外部端子と、
前記第4の平面スパイラル導体の内周端に接続された第4の外部端子と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記第1及び第2のコイルパターンを挟む第1及び第2の磁性部材をさらに備え、
前記第2の磁性部材は、前記第1、第2、第3及び第4の平面スパイラル導体の前記内周端をそれぞれ露出させる第1、第2、第3及び第4の開口部を有し、
前記第1、第2、第3及び第4の外部端子は、それぞれ前記第1、第2、第3及び第4の開口部に埋め込まれていることを特徴とする請求項6に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材は、互いに異なる磁性材料からなることを特徴とする請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記第1及び第3の平面スパイラル導体の内径部に設けられ、前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材を接続する第3の磁性部材と、
前記第2及び第4の平面スパイラル導体の内径部に設けられ、前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材を接続する第4の磁性部材と、をさらに備えることを特徴とする請求項7又は8に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記第1乃至第4の外部端子は、前記第1及び第2のコイルパターンを構成する金属材料と同じ金属材料が露出していることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコイル部品が埋め込まれた回路基板。
【請求項12】
第1及び第2の電源配線からなる一対の入力電源配線と、
第3及び第4の電源配線からなる一対の出力電源配線と、
請求項6乃至10のいずれか一項に記載のコイル部品と、を備え、
前記第1の電源配線は前記第1の外部端子に接続され、
前記第2の電源配線は前記第4の外部端子に接続され、
前記第3の電源配線は前記第2の外部端子に接続され、
前記第4の電源配線は前記第3の外部端子に接続されることを特徴とする電源回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル部品に関し、特に、カップリングインダクタとして用いることが可能なコイル部品に関する。また、本発明は、このようなコイル部品が埋め込まれた回路基板、並びに、このようなコイル部品を備える電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
DC/DCコンバータなどのスイッチング電源の平滑用コイルとして、カップリングインダクタと呼ばれるコイル部品が用いられることがある。カップリングインダクタは、特許文献1に記載されるように、互いに逆方向に巻回された巻線を磁気結合させたものであり、一方の巻線に電流を流すと、起電力によって他方の巻線にも電流が流れる。このため、スイッチング電源の平滑用コイルとして用いれば、突入電流のピークを低減することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−130472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたコイル部品は、同心円状に巻回された2つの平面スパイラル導体のターン数が互いに同じであることから、用途によっては磁気結合率が高すぎるという問題がある。つまり、カップリングインダクタは、磁気結合しない漏れ磁束成分が平滑作用をもたらすため、所望の特性を得るためには磁気結合率をある程度弱め、これにより十分な漏れ磁束成分を確保する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載されたコイル部品は磁気結合率が高いことから、十分な平滑作用を得ることは困難であった。
【0005】
しかも、特許文献1に記載されたコイル部品は、平面スパイラル導体が積層された構成を有していることから、低背化が困難であるという問題もあった。
【0006】
したがって、本発明は、磁気結合率の調整が容易であり、且つ、低背化に適したコイル部品を提供することを目的とする。また、本発明は、このようなコイル部品が埋め込まれた回路基板、並びに、このようなコイル部品を備える電源回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるコイル部品は、直列接続された第1及び第2の平面スパイラル導体を含む第1のコイルパターンと、直列接続された第3及び第4の平面スパイラル導体を含む第2のコイルパターンと、を備え、前記第1及び第3の平面スパイラル導体は、所定の平面上に同心円状に一方向に巻回され、前記第2及び第4の平面スパイラル導体は、前記所定の平面上に同心円状に逆方向に巻回され、前記第1の平面スパイラル導体は、前記第3の平面スパイラル導体と隣接する第1の部分と、前記第3の平面スパイラル導体と隣接しない第2の部分を含み、前記第4の平面スパイラル導体は、前記第2の平面スパイラル導体と隣接する第3の部分と、前記第2の平面スパイラル導体と隣接しない第4の部分を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明による回路基板は、上記のコイル部品が埋め込まれていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、同心円状に巻回された二重スパイラル導体の一部は互いに隣接し、別の部分は互いに隣接しない構造を有していることから、隣接する部分と隣接しない部分の割合を調整することにより、磁気結合率を任意に調整することが可能となる。しかも、2つの二重スパイラル導体が同一平面上に形成されていることから、複数の平面スパイラル導体を積層する必要が無く、これにより低背化を実現することも可能となる。
【0010】
本発明において、前記第1の部分と前記第3の部分は互いに長さが等しく、前記第2の部分と前記第4の部分は互いに長さが等しいことが好ましい。これによれば、第1のコイルパターンと第2のコイルパターンの特性を一致させることが可能となる。
【0011】
本発明において、前記第1の平面スパイラル導体のターン数は、前記第3の平面スパイラル導体のターン数よりも1ターン以上多く、前記第4の平面スパイラル導体のターン数は、前記第2の平面スパイラル導体のターン数よりも1ターン以上多いことが好ましい。これによれば、磁気結合率が十分に低下することから、漏れ磁束成分による平滑作用を高めることが可能となる。
【0012】
本発明において、前記第1及び第3の平面スパイラル導体のパターン形状と、前記第2及び第4の平面スパイラル導体のパターン形状は、互いに点対称であることが好ましい。これによれば、第1のコイルパターンと第2のコイルパターンの形状が一致することから、両者の特性を正確に一致させることが可能となる。
【0013】
本発明において、前記第2の部分は前記第1の部分よりもターン数が多く、前記第4の部分は前記第3の部分よりもターン数が多いことが好ましい。これによれば、磁気結合率が十分に低下することから、漏れ磁束成分による平滑作用を高めることが可能となる。
【0014】
本発明によるコイル部品は、前記第1の平面スパイラル導体の内周端に接続された第1の外部端子と、前記第2の平面スパイラル導体の内周端に接続された第2の外部端子と、前記第3の平面スパイラル導体の内周端に接続された第3の外部端子と、前記第4の平面スパイラル導体の内周端に接続された第4の外部端子と、をさらに備えることが好ましい。これによれば、4端子型のカップリングインダクタとして使用することが可能となる。
【0015】
この場合、前記第1及び第2のコイルパターンを挟む第1及び第2の磁性部材をさらに備え、前記第2の磁性部材は、前記第1、第2、第3及び第4の平面スパイラル導体の前記内周端をそれぞれ露出させる第1、第2、第3及び第4の開口部を有し、前記第1、第2、第3及び第4の外部端子は、それぞれ前記第1、第2、第3及び第4の開口部に埋め込まれていることが好ましい。これによれば、第2の磁性部材に設けられた開口部から効率よく放熱することが可能となる。
【0016】
ここで、前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材は、互いに異なる磁性材料からなるものであっても構わない。この場合、前記第2の磁性部材は、磁性体を含有する樹脂からなるものであっても構わない。
【0017】
ここで、本発明によるコイル部品は、前記第1及び第3の平面スパイラル導体の内径部に設けられ、前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材を接続する第3の磁性部材と、前記第2及び第4の平面スパイラル導体の内径部に設けられ、前記第1の磁性部材と前記第2の磁性部材を接続する第4の磁性部材と、をさらに備えることが好ましい。これによれば、第1〜第4の磁性部材によって閉磁路が形成されることから、高い磁気特性を得ることが可能となる。
【0018】
ここで、前記第1乃至第4の外部端子は、前記第1及び第2のコイルパターンを構成する金属材料と同じ金属材料が露出していることが好ましい。これによれば、第1乃至第4の外部端子に対するメッキなどが不要となることから、製造コストを削減することが可能となる。この場合、前記金属材料は、銅(Cu)であることが好ましい。
【0019】
本発明による電源回路は、第1及び第2の電源配線からなる一対の入力電源配線と、第3及び第4の電源配線からなる一対の出力電源配線と、上記のコイル部品と、を備え、前記第1の電源配線は前記第1の外部端子に接続され、前記第2の電源配線は前記第4の外部端子に接続され、前記第3の電源配線は前記第2の外部端子に接続され、前記第4の電源配線は前記第3の外部端子に接続されることを特徴とする。これによれば、本発明によるコイル部品をカップリングインダクタとして機能させることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
このように、本発明によれば、磁気結合率の調整が容易であり、且つ、低背化に適したコイル部品を提供することが可能となる。また、本発明によれば、このようなコイル部品が埋め込まれた回路基板、並びに、このようなコイル部品を備える電源回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の外観を示す斜視図である。
図2図2はコイル部品10の分解斜視図である。
図3図3は、第1及び第2のコイルパターン21,22の形状を説明するための平面図である。
図4図4は、図3に示すA−A線に沿った断面図である。
図5図5は、コイル部品10の等価回路図である。
図6図6は第1及び第2のコイルパターン21,22の変形例であり、磁気結合をより強めた例を示している。
図7図7は第1及び第2のコイルパターン21,22の変形例であり、磁気結合をより弱めた例を示している。
図8図8は、隣接部Cの総延長とインダクタンス及び磁気結合率との関係を示すグラフである。
図9図9は、コイル部品10が埋め込まれた回路基板80の構成例を示す断面図である。
図10図10は、回路基板80に埋め込まれたコイル部品10と電源配線との関係を説明するための平面図である。
図11図11は、第3の電源配線V3と第4の電源配線V4を短絡した例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるコイル部品10の外観を示す斜視図である。また、図2はコイル部品10の分解斜視図である。
【0024】
本実施形態によるコイル部品10はカップリングインダクタとして用いることが可能なチップ部品であり、図1及び図2に示すように、第1及び第2の磁性部材11,12と、これら磁性部材11,12に挟まれ、絶縁樹脂40に埋め込まれた第1及び第2のコイルパターン21,22とを備える。なお、図2においては、図面の見やすさを考慮して、絶縁樹脂40のうちコイルパターン21,22の上下を覆う部分以外は図示していない。
【0025】
磁性部材11は、焼結フェライトなどの磁性材料からなる基板である。コイル部品10の製造過程においては、磁性部材11を基板として、その上面にコイルパターン21,22及び磁性部材12を順次形成する。一方、磁性部材12は、フェライト粉や金属磁性粉を含有する樹脂からなる複合部材である。金属磁性粉を用いる場合、パーマロイ系材料を用いることが好適である。また、樹脂としては、液状又は粉体のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
【0026】
第1のコイルパターン21は、直列接続された第1及び第2の平面スパイラル導体31,32を含む。第2のコイルパターン22は、直列接続された第3及び第4の平面スパイラル導体33,34を含む。詳細については後述するが、第1の平面スパイラル導体31と第3の平面スパイラル導体33は同心円状に巻回され、第2の平面スパイラル導体32と第4の平面スパイラル導体34は同心円状に巻回される。これら第1〜第4の平面スパイラル導体31〜34は互いに同一平面上に形成されており、いずれも電解メッキ法などを用いて形成された銅(Cu)などの良導体からなる。
【0027】
第1〜第4の平面スパイラル導体31〜34の上面は、絶縁樹脂40を介して第2の磁性部材12で覆われる。磁性部材12には、4つの開口部12a〜12dが設けられている。開口部12a〜12dは、それぞれ第1〜第4の平面スパイラル導体31〜34の内周端と平面視で重なる位置に設けられており、それぞれ第1〜第4の外部端子51〜54が埋め込まれている。これにより、第1〜第4の平面スパイラル導体31〜34の内周端は、それぞれ第1〜第4の外部端子51〜54に接続される。
【0028】
第1〜第4の外部端子51〜54は、平面スパイラル導体31〜34と同様、銅(Cu)などの良導体によって構成される。本実施形態においては第1〜第4の外部端子51〜54と第1〜第4の平面スパイラル導体31〜34は、互いに同じ金属材料によって構成されており、この金属材料がそのまま第1〜第4の外部端子51〜54に露出している。第1〜第4の外部端子51〜54の上面は、第2の磁性部材12の上面から露出し、且つ、第2の磁性部材12の上面とほぼ同一平面を構成している。
【0029】
さらに、第1及び第3の平面スパイラル導体31,33の内径部には、第2の磁性部材12と同じ材料からなる第3の磁性部材13が埋め込まれている。同様に、第2及び第4の平面スパイラル導体32,34の内径部には、第2の磁性部材12と同じ材料からなる第4の磁性部材14が埋め込まれている。第3及び第4の磁性部材13,14は、絶縁樹脂40に設けられたスルーホールを介して第1の磁性部材11と第2の磁性部材12を磁気的に接続し、これによって閉磁路を形成する役割を果たす。
【0030】
図3は、第1及び第2のコイルパターン21,22の形状を説明するための平面図である。また、図4は、図3に示すA−A線に沿った断面図である。
【0031】
図3に示すように、第1のコイルパターン21は、平面領域61に形成された第1の平面スパイラル導体31と、平面領域62に形成された第2の平面スパイラル導体32からなり、これらが直列に接続された構成を有している。上述の通り、第1の平面スパイラル導体31の内周端31aは第1の外部端子51に接続され、第2の平面スパイラル導体32の内周端32aは第2の外部端子52に接続される。また、内周端31aを始点とし、内周端32aを終点とすると、第1の平面スパイラル導体31は右回り(時計回り)に巻回されている一方、第2の平面スパイラル導体32は左回り(反時計回り)に巻回されている。尚、第1のコイルパターン21のうち、平面領域61と平面領域62が重なる重複領域63に形成された部分は、第1の平面スパイラル導体31及び第2の平面スパイラル導体32のいずれにも属している。
【0032】
同様に、第2のコイルパターン22は、平面領域61に形成された第3の平面スパイラル導体33と、平面領域62に形成された第4の平面スパイラル導体34からなり、これらが直列に接続された構成を有している。上述の通り、第3の平面スパイラル導体33の内周端33aは第3の外部端子53に接続され、第4の平面スパイラル導体34の内周端34aは第4の外部端子54に接続される。また、内周端33aを始点とし、内周端34aを終点とすると、第3の平面スパイラル導体33は右回り(時計回り)に巻回されている一方、第4の平面スパイラル導体34は左回り(反時計回り)に巻回されている。尚、第2のコイルパターン22のうち、平面領域61と平面領域62が重なる重複領域63に形成された部分は、第3の平面スパイラル導体33及び第4の平面スパイラル導体34のいずれにも属している。
【0033】
本実施形態においては、第1及び第4の平面スパイラル導体31,34のターン数が第2及び第3の平面スパイラル導体32,33のターン数よりも多い。ここで、中心点Bを通過する位置を各平面スパイラル導体31〜34の外周端と定義した場合、第1及び第4の平面スパイラル導体31,34のターン数は2+(3/8)ターンであり、第2及び第3の平面スパイラル導体32,33のターン数は1+(1/8)ターンである。したがって、第1及び第2のコイルパターン21,22のターン数は、いずれも合計で3.5ターンである。また、第1及び第4の平面スパイラル導体31,34のターン数と、第2及び第3の平面スパイラル導体32,33のターン数の差は、1+(1/4)ターンである。
【0034】
そして、第1の平面スパイラル導体31と第3の平面スパイラル導体33は、平面領域61において同心円状に右回りに巻回されている。一方、第2の平面スパイラル導体32と第4の平面スパイラル導体34は、平面領域62において同心円状に左回りに巻回されている。尚、ここで言う「右回り」及び「左回り」とは、内周端31a,33aを始点とし、内周端32a,34aを終点とした場合の巻回方向である。したがって、逆に、内周端32a,34aを始点とし、内周端31a,33aを終点とすれば、第1及び第3の平面スパイラル導体31,33は「左回り」であり、第2及び第4の平面スパイラル導体32,34は「右回り」である。
【0035】
このため、例えば第1の平面スパイラル導体31の内周端31aから電流を流すと、第1の平面スパイラル導体31に発生する磁束と、第2の平面スパイラル導体32に発生する磁束の向きは互いに逆となり、磁性部材11〜14を介した磁束のループが形成される。同様に、第4の平面スパイラル導体34の内周端34aから電流を流すと、第4の平面スパイラル導体34に発生する磁束と、第3の平面スパイラル導体33に発生する磁束の向きは互いに逆となり、磁性部材11〜14を介した磁束のループが形成される。そして、第1の平面スパイラル導体31の内周端31aから電流を流した場合に生じる磁束の向きと、第4の平面スパイラル導体34の内周端34aから電流を流した場合に生じる磁束の向きは互いに逆である。
【0036】
本実施形態においては、第1の平面スパイラル導体31のターン数が第3の平面スパイラル導体33のターン数よりも1ターン以上多く、且つ、第1及び第3のスパイラル導体31,33の外周端は互いに同じターン位置に存在することから、第1の平面スパイラル導体31のうち、第3の平面スパイラル導体33とのターン差に相当する部分は、内周部にまとめて巻回されることになる。このため、第3の磁性部材13が配置される内径部は、第1の平面スパイラル導体31の最内周ターンによって囲まれる領域として定義されることになる。換言すれば、第3の磁性部材13が配置される内径部は、第3の平面スパイラル導体33の最内周ターンとは接しない。第3の平面スパイラル導体33の最内周ターンの全領域は、第1の平面スパイラル導体31の最内周ターンよりも必ず外側に位置している。したがって、少なくとも第1の平面スパイラル導体31の最内周ターンについては、第3の平面スパイラル導体33とは隣接しない。
【0037】
同様に、第4の平面スパイラル導体34のターン数は、第2の平面スパイラル導体32のターン数よりも1ターン以上多く、且つ、第2及び第4のスパイラル導体32,34の外周端は互いに同じターン位置に存在することから、第4の平面スパイラル導体34のうち、第2の平面スパイラル導体32とのターン差に相当する部分は、内周部にまとめて巻回されることになる。このため、第4の磁性部材14が配置される内径部は、第4の平面スパイラル導体34の最内周ターンによって囲まれる領域として定義されることになる。換言すれば、第4の磁性部材14が配置される内径部は、第2の平面スパイラル導体32の最内周ターンとは接しない。第2の平面スパイラル導体32の最内周ターンの全領域は、第4の平面スパイラル導体34の最内周ターンよりも必ず外側に位置している。したがって、少なくとも第4の平面スパイラル導体34の最内周ターンについては、第2の平面スパイラル導体32とは隣接しない。
【0038】
ここで、第1の平面スパイラル導体31を、第3の平面スパイラル導体33と隣接する第1の部分71と、第3の平面スパイラル導体33と隣接しない第2の部分72に分けた場合、本実施形態においては第1の部分71のターン数が1+(1/8)ターンであり、第2の部分72のターン数が1+(1/4)ターンである。このため、第1の部分71のターン数よりも第2の部分72のターン数の方が多い。一方、第3の平面スパイラル導体33については、その全ターン(1+(1/8)ターン)が第1の平面スパイラル導体31と隣接している。
【0039】
同様に、第4の平面スパイラル導体34を、第2の平面スパイラル導体32と隣接する第3の部分73と、第2の平面スパイラル導体32と隣接しない第4の部分74に分けた場合、本実施形態においては第3の部分73のターン数が1+(1/8)ターンであり、第4の部分74のターン数が1+(1/4)ターンである。このため、第3の部分73のターン数よりも第4の部分74のターン数の方が多い。一方、第2の平面スパイラル導体32については、その全ターン(1+(1/8)ターン)が第4の平面スパイラル導体34と隣接している。
【0040】
このように、第1の平面スパイラル導体31は第3の平面スパイラル導体33よりもターン数が多いため、その差に起因して、第3の平面スパイラル導体33と隣接しない第2の部分72が存在する。同様に、第4の平面スパイラル導体34は第2の平面スパイラル導体32よりもターン数が多いため、その差に起因して、第2の平面スパイラル導体32と隣接しない第4の部分74が存在する。第1及び第3の部分71,73は、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22が平面方向に隣接するため、高い磁気結合をもたらすが、第2及び第4の部分72,74は、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22が平面方向に隣接しないため、この部分が長いと磁気結合が低下する。
【0041】
また、本実施形態においては、第1の平面スパイラル導体31と第4の平面スパイラル導体34のターン数が一致しており、且つ、第2の平面スパイラル導体32と第3の平面スパイラル導体33のターン数が一致している。そして、第1及び第3の平面スパイラル導体31,33については右回りに巻回され、第2及び第4の平面スパイラル導体32,34については左回りに巻回されていることから、第1及び第3の平面スパイラル導体31,33のパターン形状と、第2及び第4の平面スパイラル導体32,34のパターン形状は、中心点Bを対称点として、互いに点対称となる。
【0042】
以上が本実施形態によるコイル部品10の構成である。かかる構成により、例えば第1の外部端子51から第2の外部端子52に電流を流した場合、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22との磁気結合により、第3の外部端子53から第4の外部端子54には逆方向の電流が流れる。換言すれば、第1の外部端子51から第2の外部端子52に電流を流すと、第4の外部端子54から第3の外部端子53には同方向の電流が流れることになる。
【0043】
図5は、本実施形態によるコイル部品10の等価回路図である。
【0044】
図5に示すように、本実施形態によるコイル部品10は、磁気結合する理想トランス部L1と、漏れ磁束を発生させる漏れインダクタンス成分L2を有する。理想トランス部L1は、第1及び第4の外部端子51,54を入力側とすると、互いに逆方向に磁気結合する成分である。
【0045】
コイル部品10をカップリングインダクタとして使用すると、理想トランス部L1によって電流が分割され、漏れインダクタンス成分L2によって平滑化される。したがって、所望の特性を得るためには磁気結合率がある程度弱まるよう調整することによって、漏れインダクタンス成分L2を確保する必要がある。
【0046】
本実施形態においては、第1〜第4の平面スパイラル導体31〜34のターン数によって、磁気結合率を調整することができる。これは、ターン数を調整すると、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22の隣接部Cの総延長が変化するからである。隣接部Cとは、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22が互いに隣接する部分であり、巻回方向に沿った長さによって総延長が定義される。そして、隣接部Cの総延長を長くすれば、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22の磁気結合が強くなり、逆に、隣接部Cの総延長を短くすれば、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22の磁気結合が弱くなる。
【0047】
図6及び図7は、第1及び第2のコイルパターン21,22の変形例である。このうち、図6は磁気結合をより強めた例を示し、図7は磁気結合をより弱めた例を示している。
【0048】
図6に示す例では、第1及び第4の平面スパイラル導体31,34のターン数は2+(5/8)ターンであり、第2及び第3の平面スパイラル導体32,33のターン数は1+(3/8)ターンである。したがって、第1及び第2のコイルパターン21,22のターン数は、いずれも合計で4ターンである。図6に示す例では、第1及び第3の部分71,73のターン数が1+(3/8)ターンであり、第2及び第4の部分72,74のターン数が1+(1/4)ターンである。一方、第3及び第2の平面スパイラル導体33,32については、その全ターン(1+(3/8)ターン)がそれぞれ第1及び第4の平面スパイラル導体31,34と隣接している。
【0049】
このようなレイアウトによれば、隣接部Cの総延長が図3に示した例よりも長くなるため、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22の磁気結合が強くなる。但し、第1及び第2のコイルパターン21,22のターン数については図3に示したレイアウトとあまり変わらないため、得られるインダクタンスについては図3に示したレイアウトを用いた場合とほぼ同等となる。
【0050】
図7に示す例では、第1及び第4の平面スパイラル導体31,34のターン数は2+(5/8)ターンであり、第2及び第3の平面スパイラル導体32,33のターン数は7/8ターンである。したがって、第1及び第2のコイルパターン21,22のターン数は、いずれも合計で3.5ターンである。図7に示す例では、第1及び第3の部分71,73のターン数が7/8ターンであり、第2及び第4の部分72,74のターン数が1+(3/4)である。一方、第3及び第2の平面スパイラル導体33,32については、その全ターン(7/8ターン)がそれぞれ第1及び第4の平面スパイラル導体31,34と隣接している。
【0051】
このようなレイアウトによれば、隣接部Cの総延長が図3に示した例よりも短くなるため、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22の磁気結合が弱くなる。但し、第1及び第2のコイルパターン21,22のターン数については図3に示したレイアウトとあまり変わらないため、得られるインダクタンスについては図3に示したレイアウトを用いた場合とほぼ同等となる。
【0052】
図8は、隣接部Cの総延長とインダクタンス及び磁気結合率との関係を示すグラフである。
【0053】
図8に示すデータは、隣接部Cの総延長が互いに異なる6種類のコイル部品について、それぞれのインダクタンス及び磁気結合率をシミュレーションによって算出したものである。第1及び第2のコイルパターン21,22のターン数については、いずれも合計で3〜5ターンの範囲に収まるよう設計している。
【0054】
図8に示すように、磁気結合率については、隣接部Cの総延長に比例して高くなることが確認できる。これに対し、インダクタンスについては、隣接部Cの総延長が変化しても大きな変化が見られない。このことは、全体のターン数を大きく変えることなく隣接部Cの総延長を調整することにより、インダクタンスに大きな影響を与えることなく、磁気結合率を大きく変えられることを意味する。したがって、インダクタンスを所定の値に維持しつつ、漏れインダクタンス成分L2を調整することが可能となる。本実施形態によるコイル部品10では、その構造上、磁気結合率を凡そ20〜70%の範囲で調整することが可能であり、多様なデバイスニーズに応えることができる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によるコイル部品10によれば、磁気結合率を任意に調整することができることから、求められる特性に応じた漏れインダクタンス成分L2を得ることが可能となる。また、第1〜第4の平面スパイラル導体31〜34が同一平面上に形成されていることから、低背化を実現することも可能である。しかも、製造時においては、第1〜第4の平面スパイラル導体31〜34を同時に形成することができることから、製造ばらつきに起因する第1及び第2のコイルパターン21,22間の特性差もほとんど生じない。さらに、第1及び第2の磁性部材11,12との距離についても、第1及び第2のコイルパターン21,22間において差が生じない。
【0056】
また、本実施形態においては、第1及び第3の平面スパイラル導体31,33のパターン形状と、第2及び第4の平面スパイラル導体32,34のパターン形状が中心点Bを対称点として点対称であることから、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22は完全に同じ形状となる。このため、第1のコイルパターン21と第2のコイルパターン22との間の特性ばらつきはほとんど生じない。
【0057】
しかも、本実施形態においては、一般的なコイル部品のようなL字型の端子電極を用いるのではなく、磁性部材12の上面に第1〜第4の外部端子51〜54が直接露出する構成を有していることから、L字型の端子電極による直流抵抗の増大も生じない。
【0058】
図9は、本実施形態によるコイル部品10が埋め込まれた回路基板80の構成例を示す断面図である。
【0059】
図9に示す回路基板80は、樹脂基板81及び樹脂層82を備え、これらの間にコイル部品10が埋め込まれた構成を有している。具体的には、樹脂基板81の上面にコイル部品10がフェイスアップ方式で搭載されており、これによりコイル部品10に設けられた外部端子51〜54が上方に露出する。そして、コイル部品10を埋め込むようにして、樹脂基板81上に樹脂層82が設けられる。樹脂層82には、外部端子51〜54を露出させるスルーホール83が形成されている。そして、樹脂層82の上面に形成された配線パターン84は、スルーホール83を介してコイル部品10の外部端子51〜54に接続される。
【0060】
このように、コイル部品10を回路基板80に埋め込んで使用する場合、外部端子51〜54と配線パターン84との接続にハンダを用いないため、外部端子51〜54の表面にスズメッキなどを施す必要が無く、外部端子51〜54を構成する銅(Cu)をそのまま露出させることができる。
【0061】
このような回路基板80にスイッチング電源を搭載すれば、カップリングインダクタを含むスイッチング電源を1枚の回路基板によって実現することが可能となる。スイッチング電源用のカップリングインダクタには大電流が流れるため、比較的大きな発熱が生じる。このようにして生じた熱は、金属からなる外部端子から主に放熱されるが、本実施形態によるコイル部品10では、外部端子51〜54が平面視でいずれも平面スパイラル導体の内径部に配置されていることから、コイル部品10に蓄積された熱を効率よく放出することが可能となる。
【0062】
また、コイル部品10は外部端子51〜54を上に向けて回路基板の表面に搭載することも可能であり、この場合、直接外部端子51〜54にワイヤーボンディングすることもできる。さらに、外部端子51〜54にL字型の端子電極を接続すれば、外部端子51〜54を回路基板に向けてボンディングする、通常のはんだ実装も可能である。
【0063】
図10は、回路基板80に埋め込まれたコイル部品10と電源配線との関係を説明するための平面図である。
【0064】
図10に示す例では、回路基板80の表面に第1及び第2の電源配線V1,V2からなる一対の入力電源配線VINと、第3及び第4の電源配線V3,V4からなる一対の出力電源配線VOUTが設けられている。入力電源配線VINは、例えば電源回路に含まれるスイッチング回路の出力端に接続される。出力電源配線VOUTは、例えば電源回路に含まれる平滑用キャパシタに接続される。
【0065】
そして、本実施形態においては、第1の電源配線V1が第1の外部端子51に接続され、第2の電源配線V2が第4の外部端子54に接続され、第3の電源配線V3が第2の外部端子52に接続され、第4の電源配線V4が第3の外部端子53に接続される。
【0066】
このような接続を行うことにより、スイッチング回路から出力される電流が第1の電源配線V1を介して第1の外部端子51に流れ込むと、第1のコイルパターン21によって発生した磁束が第2のコイルパターン22に起電力を発生させ、入力された電流が2分割される。2分割された電流は、第2及び第3の外部端子52,53を介して第3及び第4の電源配線V3,V4から出力される。一方、スイッチング回路から出力される電流が第2の電源配線V2を介して第4の外部端子54に流れ込むと、第2のコイルパターン22によって発生した磁束が第1のコイルパターン21に起電力を発生させ、入力された電流が2分割される。2分割された電流は、第2及び第3の外部端子52,53を介して第3及び第4の電源配線V3,V4から出力される。
【0067】
そして、第1及び第2のコイルパターン21,22は漏れインダクタンス成分L2を有していることから、突入電流のピークを低減することが可能となる。なお、電源回路の構成によっては、図11に示すように、第3の電源配線V3と第4の電源配線V4を短絡しても構わない。
【0068】
このように、本実施形態によるコイル部品10は、電源回路用のカップリングインダクタとして用いることが好適である。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0070】
例えば、上記のコイル部品の実施形態においては、第1及び第3の平面スパイラル導体31,33が、所定の平面上に同心円状に右回りに巻回され、第2及び第4の平面スパイラル導体32,34が、所定の平面上に同心円状に左回りに巻回された例を示したが、逆に第1及び第3の平面スパイラル導体31,33が左回りに、第2及び第4の平面スパイラル導体32,34が右回りに巻回されていても同様の効果を奏することは明らかである。
【0071】
また、図9に示す例では、コイル部品10を回路基板80に埋め込んでいるが、コイル部品10の上面から側面を覆うL字端子であって、それぞれ外部端子51〜54に接続されたL字型端子を設けることによって、コイル部品10を回路基板上に表面実装することも可能である。
【符号の説明】
【0072】
10 コイル部品
11〜14 磁性部材
12a〜12d 開口部
21,22 コイルパターン
31〜34 平面スパイラル導体
31a〜34a 内周端
40 絶縁樹脂
51〜54 外部端子
61,62 平面領域
63 重複領域
71 第1の部分
72 第2の部分
73 第3の部分
74 第4の部分
80 回路基板
81 樹脂基板
82 樹脂層
83 スルーホール
84 配線パターン
B 中心点
C 隣接部
L1 理想トランス部
L2 インダクタンス成分
V1〜V4 電源配線
VIN 入力電源配線
VOUT 出力電源配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11