特許第6551286号(P6551286)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551286
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】吸収体の製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20190722BHJP
   D04H 1/413 20120101ALI20190722BHJP
   D04H 1/732 20120101ALI20190722BHJP
【FI】
   A61F13/15 321
   D04H1/413
   D04H1/732
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-79572(P2016-79572)
(22)【出願日】2016年4月12日
(65)【公開番号】特開2017-189295(P2017-189295A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2018年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧山 吉宏
(72)【発明者】
【氏名】野田 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】中山 大嗣
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 竜祐
【審査官】 ▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−115999(JP,A)
【文献】 特開2009−219710(JP,A)
【文献】 特開2014−090749(JP,A)
【文献】 特開2009−112347(JP,A)
【文献】 特開2010−031398(JP,A)
【文献】 特開2008−132055(JP,A)
【文献】 特表平10−510185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15−13/84
A61L 15/16−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダクト内に投入された繊維素材と吸水性ポリマーとを空気流を用いて搬送し、成形型に堆積させることによって、吸収体の製造を行う吸収体製造装置であって、
前記繊維素材の投入部よりも前記空気流の下流側において、前記ダクト内に突出して設けられ、当該突出方向に交差する断面の形状が前記空気流の上流側が丸く前記空気流の下流側が尖っている流線型をなしている前記吸水性ポリマーの供給管と、
前記供給管の先端に接続され、前記空気流および前記供給管の突出方向の双方と交差する方向に延在する前記吸水性ポリマーの投入口を有する供給部と、
を備え
前記供給部は、前記突出方向の断面形状が前記空気流の上流側が丸く前記空気流の下流側が尖っている流線形状をなしていることを特徴とする吸収体製造装置。
【請求項2】
前記流線形状は、翼形状をなしていることを特徴とする請求項に記載の吸収体製造装置。
【請求項3】
前記投入口は、櫛状をなしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸収体製造装置。
【請求項4】
前記供給部は、前記供給管の接続部分から前記投入口に向かうに従って内部空間の幅が漸増する前記吸水性ポリマーの供給通路を有することを特徴とする請求項1ないし請求項の吸収体製造装置。
【請求項5】
前記供給管と前記供給部とが着脱可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項に記載の吸収体の製造装置。
【請求項6】
ダクト内に投入された繊維素材と吸水性ポリマーとを空気流を用いて搬送し、成形型に堆積させることによって、吸収体の製造を行う吸収体製造方法であって、
前記繊維素材の投入部よりも前記空気流の下流側において前記ダクト内に突出して設けられ、当該突出方向に交差する断面の形状が前記空気流の上流側が丸く前記空気流の下流側が尖っている流線型をなしている前記吸水性ポリマーの供給管と、
前記供給管の先端に接続され、前記空気流および前記供給管の突出方向の双方と交差する方向に延在する前記吸水性ポリマーの投入口を有する供給部と、を用い、
前記供給管から前記供給部の前記投入口を介して前記空気流に前記吸水性ポリマーを投入
前記供給部は、前記突出方向の断面形状が前記空気流の上流側が丸く前記空気流の下流側が尖っている流線型をなしている
ことを特徴とする吸収体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収体の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品(使い捨ておむつ、生理用ナプキン等)には、尿や血液等の体液を吸収するための吸収体が使用されており、一般に、吸収体には吸水性ポリマーが含まれている。
【0003】
吸水性ポリマーを含む吸収体を製造する方法として、気流を流すダクト内に繊維素材を供給するとともに、吸水性ポリマーを供給し、気流中に分散した繊維素材および吸水性ポリマーを吸引して成形型に堆積させるものがある。しかしながら、安定した品質の吸収体を得るためには、繊維素材を搬送する気流中に吸水性ポリマーが均一に分散され、繊維素材と混合して成形型に堆積していなければならない。
【0004】
そこで、例えば特許文献1には、吸水性ポリマー供給管に圧縮空気を導入するとともに、方向の異なる複数の流れを形成して吸水性ポリマーが導入されるようにする技術が開示されている。そして、特許文献1には、圧縮空気の流速の調整および複数の流れを形成するための分流プレートの角度調整を行うことで、吸収体の厚み方向における吸水性ポリマーの分布状態を制御することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−114555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同文献で開示された構成では、圧縮空気の流速調整および分流プレートの角度調整などの煩雑な操作が必要であった。また、圧縮空気の流速を高めるほど良好な分散状態が得られる旨、記載されているが、その分、圧縮空気源の負担が増大する。さらに、圧縮空気の流速を高めすぎると、吸収体の密度が高くなり、吸収体の風合い(手触り)が硬いものになってしまう可能性も考えられる。
【0007】
したがって、本発明の目的は安定して吸水性ポリマーを均一に分散させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ダクト内に投入された繊維素材と吸水性ポリマーとを空気流を用いて搬送し、成形型に堆積させることによって、吸収体の製造を行う吸収体製造装置であって、前記繊維素材の投入部よりも前記空気流の下流側において、前記ダクト内に突出して設けられ、当該突出方向に交差する断面の形状が流線型をなしている前記吸水性ポリマーの供給管と、前記供給管の先端に接続され、前記空気流および前記供給管の突出方向の双方と交差する方向に延在する前記吸水性ポリマーの投入口を有する供給部と、を備えたことを特徴とする製造装置を提供する。
【0009】
本発明は、ダクト内に投入された繊維素材と吸水性ポリマーとを空気流を用いて搬送し、成形型に堆積させることによって、吸収体の製造を行う吸収体製造方法であって、前記繊維素材の投入部よりも前記空気流の下流側において、前記ダクト内に突出して設けられ、当該突出方向に交差する断面の形状が流線型をなしている前記吸水性ポリマーの供給管と、前記供給管の先端に接続され、前記空気流および前記供給管の突出方向の双方と交差する方向に延在する前記吸水性ポリマーの投入口を有する供給部と、を用い、前記供給管から前記供給部の前記投入口を介して前記空気流に前記吸水性ポリマーを投入する、ことを特徴とする吸収体製造方法を提供する。
【0010】
本発明は、前記供給管と前記供給部とが着脱可能であることを特徴とする製造装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、吸水性ポリマー供給管および供給部の形状を適切に定めたことにより、煩雑な操作を必要とすることなく、繊維素材を搬送する気流中に吸水性ポリマーを均一に分散させることができ、繊維素材と吸水性ポリマーの混合斑を抑えた、品質の高い吸収体の提供が可能となる。吸水性ポリマー供給部を着脱可能にすることにより、形状の異なる供給部を使用することができ、品質向上も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る吸収体製造装置1の模式的な側断面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る吸水性ポリマー供給装置30の斜視図である。
図3】(a)および(b)は、それぞれ、吸水性ポリマー供給管31を円柱形状とした場合および流線形の断面形状を採用した場合の流れを説明する説明図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る吸水性ポリマー6の拡散および混合状態の構成および動作を説明するための吸水性ポリマー供給装置30の模式的断面図である。
図5】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る吸水性ポリマー供給部32の平面図および断面図である。
図6】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る吸水性ポリマー供給装置30の装着前および装着後の斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る吸収体製造装置1の模式的な側断面図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る吸水性ポリマー供給装置30の斜視図である。
図9】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第3実施形態に係る吸水性ポリマー供給部32の平面図および底面図である。
図10】(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第3実施形態に係る吸水性ポリマー供給部32の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。しかしながら、本発明はその実施形態のみに限らず、本発明の概念に帰属する他の吸収性物品に用いられる吸収体の製造装置および製造方法も包含するものである。
【0014】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る吸収体製造装置1の模式的な側断面図である。吸収体製造装置1は、回転ドラム10に向かうように空気流2を導くダクト4を備え、そのダクト4内に繊維素材3および吸水性ポリマー6をそれぞれ投入するための繊維素材投入口21および吸水性ポリマー供給装置30が配設されている。投入された繊維素材3と吸水性ポリマー6は空気流2によって搬送される過程で分散および混合され、その混合物(吸収体材料)が、回転ドラム10の周面に複数設けられた成形型12に堆積することで、吸収体13が形成される。回転ドラム10は吸水性ポリマー投入口33の延在方向と平行な方向に回転軸を有する円筒体を本体とし、成形型12はその周面上に所定の間隔で複数設けられており、各成形型の底部には多数の吸気口が形成されている。
【0015】
ダクト4は、略矩形の断面を有する管状部材であり、回転ドラム10の周面に複数設けられた成形型12は、回転ドラム10の方向11への回転に伴って、ダクト4の排気口に対向する領域を通過して行く。そして、当該対向領域において、成形型12には回転ドラム10の内側から吸引力を作用させることで、ダクト4から排出される空気流が引き込まれ、成形型12には吸収体材料が効率よく堆積してゆく。このようにして成形型12上に形成された吸収体13は、ダクト4の排気口との対向領域から外れた適宜の部位で、成形型12から剥離される。
【0016】
なお、本実施形態の繊維素材3については、例えば、広葉樹および針葉樹木材から得られるサルファイトパルプ、アルカリパルプ、クラフトパルプ等の化学パルプや、サーモ・メカニカルパルプ、砕木パルプ等の機械パルプなどが挙げられる。
【0017】
また、吸水性ポリマー6、例えば高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer;SAP)については、通常、水の場合は自重の100倍〜1000倍の吸水性保持力があるが、体液の場合は自重の10倍〜20倍以上の液吸水性を有する、例えば、デンプン系(デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物等)や、セルロース系(ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物等)や、合成樹脂系(アクリル酸(塩)重合体、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸反応物の架橋物等)を用いることができる。
【0018】
図2は本発明の第1実施形態に係る吸水性ポリマー供給装置30の斜視図、図3(a)および(b)は、それぞれ、一般に用いられる中空円柱状の供給管および本実施形態に係る供給管を採用した場合の気流の流れを示す説明図である。吸水性ポリマー供給装置30は、吸水性ポリマー供給管31と、その先端に接続された吸水性ポリマー供給部32とを有しており、吸水性ポリマー6は吸水性ポリマー供給管31を通過して吸水性ポリマー供給部32内に導入され、さらに吸水性ポリマー投入口33からダクト4内へ投入される。本実施形態の吸水性ポリマー供給管31は、空気流2の流れの方向と吸水性ポリマー供給管31が突出する方向とに交差する方向の断面の形状が流線型をなしている。
【0019】
図3(a)に示したように、円柱状をなした供給管31’を吸水ポリマー供給部32に接続した場合には、気流の方向に対し供給管31’の後方には渦5が発生して繊維素材3を含んだ空気流2の流線が乱れることがある。すると、その部位において空気流2が円滑に流れない状態となって、吸水性ポリマー投入口33から投入された吸水性ポリマー6の拡散および混合の状態が不完全もしくは不均一なものとなり、これは吸収体13の品質に影響を及ぼすことになる。しかしながら、本実施形態では、図3(b)に示したように、断面流線型の吸水性ポリマー供給管31を採用したことにより、後流には渦5の発生が抑えられるため、吸水性ポリマー6の拡散および混合状態が良好なものとなる。
【0020】
以上に加え、本実施形態では、吸水性ポリマー6の拡散および混合状態をさらに良好にする構成を採用している。
【0021】
図4は、その構成および動作を説明するための吸水性ポリマー供給装置30の模式的断面図である。吸水性ポリマー供給部32についても、図1のように側面視した場合において、上記と同様の流線型を呈するものとすることができる。しかし本実施形態では、図4に示すように、吸水性ポリマー供給部32は、空気流2に対して翼形状をなしており、また、吸水性ポリマー投入口33は、空気流2の方向および吸水性ポリマー供給管31の突出方向との双方と交差する方向に開口している。繊維素材投入口21から流れてくる気流は、吸水性ポリマー供給部32の前方にて上下面に分流するが、上面側の気流35のほうが、下面側の気流36より流速が高いため、吸水性ポリマー投入口33では上方に向かう流れないしは渦37が発生する。従って、投入された吸水性ポリマー6は上方に巻き上げられ、繊維素材3を搬送している空気流に効率よく拡散することになる。
【0022】
以上のように、本発明の第1実施形態では、吸水性ポリマー供給装置30上の各部位に応じて、それぞれ好ましい気流を発生させる形状を採用したことにより、吸収体材料の均一な混合状態を得て、吸収体13の品質の向上に資するものとなる。
【0023】
図5(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る吸水性ポリマー供給部32の平面図および断面図である。吸水性ポリマー供給部32内には吸水性ポリマー6を通過させるための通路を、吸水性ポリマー供給管31との接続口34から吸水性ポリマー投入口33に向かうに従って漸増する幅を有したものとしている。このように、幅が漸増する通路とすることにより、吸水性ポリマー6の分散性を一層向上することができる。
【0024】
ところで、ダクト4や、回転ドラム10ないしは成形型12の形状・寸法、あるいは吸水性ポリマー6の材質などの仕様に応じて、適切な吸水性ポリマー供給部32を採用することが好ましい場合がある。
【0025】
図6(a)および(b)は、それぞれ、本発明の第1実施形態に係る吸水性ポリマー供給装置30の装着前および装着後の斜視図であり、吸水性ポリマー供給管31に対し吸水性ポリマー供給部32を分離可能に構成したものである。吸水性ポリマー供給装置30は、吸水性ポリマー供給管31と接続するために、吸水性ポリマー供給部32は接続部38を有し、留め具39によって吸水性ポリマー供給管31に着脱可能に固定されている。このように吸水性ポリマー供給部32を着脱可能な構成とすることで、仕様に応じた好ましい形状のものを採用することができるようになる。
【0026】
ここで、接続部38の接続口34の外形寸法よりも吸水性ポリマー供給管31の内形寸法を大きくし、覆い被さるように接続されるようにすれば、気流には影響を及ぼすことはない。さらに、留め具39を皿ねじの形態とすれば、気流への影響を一層低減することができる。また、吸水性ポリマー供給部の材質は、着脱の繰り返しに耐えられ、また、気流の煽りに耐えられるよう、一定の強度があればよい。
【0027】
(第2実施形態)
続いて、図7を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る吸収体製造装置1の模式的な側断面図である。第1実施形態に加え、ダクト4内に吸水性ポリマー供給装置30と回転ドラム10の間に仕切り7を設け、吸水性ポリマー供給装置30をもう1つ追加して配設する。吸水性ポリマー供給装置30の1つはダクト内4の下流かつ仕切り7の下方に配置し、もう一方は、仕切り7の上方を吸水性ポリマー供給装置30の気流が通過するような位置に配置する。気流を用いて繊維素材3と吸水性ポリマー6とを搬送し、成形型に堆積させる構成においては、ダクトの低部から巻き上がる繊維素材3を多く含んだ吸収体材料が先に堆積する傾向にある。本実施形態のように仕切り7を設けて上下2段の気流の経路を形成することで、成形型12に繊維素材3もしくはこれを多く含んだ吸収体材料の層と、繊維素材3および吸水性ポリマー6が均一に混合した吸収性材料の層とを厚み方向に交互に堆積させた吸収体13を得ることができ、吸収体13の風合い(手触り)の向上に資することができる。
【0028】
(第3実施形態)
更に続いて、図8を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る吸水性ポリマー供給装置30の斜視図、図9(a)および(b)は、それぞれ、第3実施形態に係る吸水性ポリマー供給部32の平面図および底面図、図10(a)および(b)は、それぞれ、第3実施形態に係る吸水性ポリマー供給部32の正面図である。本発明の第3実施形態では、第1実施形態における吸収体製造装置1において、櫛状に形成された吸水性ポリマー投入口33を備える吸水性ポリマー供給装置30を設ける。
【0029】
吸水性ポリマー投入口33を櫛状に形成することで、吸水性ポリマー供給装置30の下流側において、繊維素材3および吸水性ポリマー6の流れを幅方向に互い違いなものにすることができる。これにより、成形型12上に吸水性ポリマー6のみが堆積した層が形成されることを確実に防ぐことができる。
【0030】
さらに、図10(b)に示すように、吸水性ポリマー投入口33を、位相をずらした櫛状とした形態では、吸水性ポリマー6の幅方向の均一性を保ちつつ、成形型12上に堆積するタイミングをずらすことになり、その結果、吸収体13の厚み方向における吸水性ポリマー6の拡散性を一層向上させることができる。
【0031】
さらにまた、本発明の第3実施形態では、吸水性ポリマー供給部32を側面視した場合の流線型が上下対称な形状であれ、上下非対称な形状であれ、吸水性ポリマー6の拡散および混合状態を良好なものにすることができる。
【0032】
(その他)
なお、本発明は、上述した実施形態に限られること無く、適宜の変形、修正および代替などが可能である。例えば、上述した実施形態では、繊維素材と吸水性ポリマーとからなる吸収体材料を回転ドラム側から吸引し、成形型に堆積させることで吸収体を形成するものとしたが、静電効果を利用して成形型への吸着を行わせるようにしてもよい。また、成形型を担持する手段としては、上述の回転ドラムに限らず、無端ベルト状のものであってもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 吸収体製造装置
2 空気流
3 繊維素材
4 ダクト
6 吸水性ポリマー
7 仕切り
10 回転ドラム
12 成形型
13 吸収体
20 繊維素材投入部
21 繊維素材投入口
30 吸水性ポリマー供給装置
31、31’吸水性ポリマー供給管
32 吸水性ポリマー供給部
33 吸水性ポリマー投入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10