特許第6551291号(P6551291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6551291燃料電池用ガス流路形成板および燃料電池スタック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551291
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】燃料電池用ガス流路形成板および燃料電池スタック
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/0258 20160101AFI20190722BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20190722BHJP
【FI】
   H01M8/0258
   !H01M8/10 101
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-83686(P2016-83686)
(22)【出願日】2016年4月19日
(65)【公開番号】特開2017-195053(P2017-195053A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2018年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 善記
(72)【発明者】
【氏名】二見 諭
(72)【発明者】
【氏名】川尻 浩右
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−015218(JP,A)
【文献】 特開2014−167860(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/132707(WO,A1)
【文献】 特開2017−41403(JP,A)
【文献】 特開2017−41404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/0258
H01M 8/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜電極接合体と平板状のフラットセパレータとの間に介設されて燃料電池の単セルのセパレータを構成する板状のガス流路形成板であって、
いずれも断面が凹凸形状であり、前記膜電極接合体に対向する面における凹溝がガス流路をなすとともに、前記フラットセパレータに対向する面における凹溝が水流路をなす複数の当接部と、
前記ガス流路および前記水流路が延びる方向において隣り合う2つの前記当接部を連結する形状であり、且つ、前記フラットセパレータに対向する面が、前記当接部における前記フラットセパレータ側に突出する複数の突条の突端を繋ぐ形状よりも前記膜電極接合体側の位置において延びる形状の間隙部と、
前記ガス流路および前記水流路を連通する連通路と、を備えて、
前記ガス流路を流れるガスの流れ方向における上流側の部分に対して前記間隙部が配置される部分の占める割合は、前記流れ方向における下流側の部分に対して前記間隙部が配置される部分の占める割合よりも大きい
燃料電池用ガス流路形成板。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池用ガス流路形成板において、
前記間隙部は、前記上流側の部分のみに配設されている
ことを特徴とする燃料電池用ガス流路形成板。
【請求項3】
請求項1または2に記載の燃料電池用ガス流路形成板において、
前記ガス流路形成板は、前記当接部および前記間隙部が鉛直方向において延びる状態で、且つ、前記単セル内部における前記ガス流路形成板の配設部分に流入するガスが、前記ガス流路形成板の前記上流側の端部における鉛直方向上方側の部分に直接吹き付けられる状態で配置されるものである
ことを特徴とする燃料電池用ガス流路形成板。
【請求項4】
請求項3に記載の燃料電池用ガス流路形成板において、
前記間隙部は、前記ガス流路形成板の鉛直方向上方側の端部から鉛直方向下方側の端部まで延びる形状である
ことを特徴とする燃料電池用ガス流路形成板。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス流路形成板において、
前記間隙部は、前記フラットセパレータ側の面が平面形状である
ことを特徴とする燃料電池用ガス流路形成板。
【請求項6】
複数の単セルが積層されてなる燃料電池スタックであって、
前記単セルは、膜電極接合体と同膜電極接合体を挟む一対のセパレータとを備え、
前記一対のセパレータの少なくとも一方は、平板形状のフラットセパレータと、前記膜電極接合体および前記フラットセパレータの間に介設された請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用ガス流路形成板と、を備える燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜電極接合体と平板状のフラットセパレータとの間に介設されて燃料電池の単セルのセパレータを構成する燃料電池用ガス流路形成板、および同単セルが複数積層して形成された燃料電池スタックに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば固体高分子型燃料電池は、一対のセパレータによって膜電極接合体が挟まれた構造の単セルを複数積層することによって形成された燃料電池スタックを備えている。このセパレータとしては、平板状のフラットセパレータと、同フラットセパレータおよび上記膜電極接合体の間に介設されたガス流路形成板とを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の燃料電池スタックは、断面が波形状の部分を有するガス流路形成板によって、フラットスペーサと膜電極接合体との間のスペースが仕切られている。そして、上記スペースにおけるガス流路形成板よりも膜電極接合体側の部分が単セルの内部に供給されるガス(燃料ガスや酸化剤ガス)を流通させるためのガス流路として機能し、ガス流路形成板よりもフラットスペーサ側の部分が発電に伴って単セルの内部で生成される水を単セルの外部に排出するための水流路として機能する。また、上記ガス流路形成板には、ガス流路と水流路とを連通する貫通孔(連通路)が形成されている。
【0004】
この燃料電池スタックでは、ガス流路を介して単セル内部の膜電極接合体にガスが供給されるとともに、膜電極接合体での発電に伴い生成された水が連通路を介して水流路に導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−21022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
単セルの内部に供給されるガスとして、乾いたガス(含まれる水分の量が少ないガス)が採用される場合がある。この場合、発電時における膜電極接合体での電気化学反応によって生成される水分の量が少ないと、ガス流路を通過するガスが膜電極接合体(詳しくは、固体高分子電界膜)の水分を奪うことによって、同膜電極接合体を乾燥させるおそれがある。こうした膜電極接合体の乾燥は、同膜電極接合体のイオン導電性を低下させて電池性能の低下を招いたり、膜電極接合体の耐久性の低下を招いたりするおそれがあるために好ましくない。
【0007】
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、膜電極接合体の乾燥を抑えることのできる燃料電池用ガス流路形成板および燃料電池スタックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための燃料電池用ガス流路形成板は、膜電極接合体と平板状のフラットセパレータとの間に介設されて燃料電池の単セルのセパレータを構成する板状のガス流路形成板であって、いずれも断面が凹凸形状であり、前記膜電極接合体に対向する面における凹溝がガス流路をなすとともに、前記フラットセパレータに対向する面における凹溝が水流路をなす複数の当接部と、前記ガス流路および前記水流路が延びる方向において隣り合う2つの前記当接部を連結する形状であり、且つ、前記フラットセパレータに対向する面が、前記当接部における前記フラットセパレータ側に突出する複数の突条の突端を繋ぐ形状よりも前記膜電極接合体側の位置において延びる形状の間隙部と、前記ガス流路および前記水流路を連通する連通路と、を備えて、前記ガス流路を流れるガスの流れ方向における上流側の部分に対して前記間隙部が配置される部分の占める割合は、前記流れ方向における下流側の部分に対して前記間隙部が配置される部分の占める割合よりも大きい。
【0009】
上記構成によれば、ガス流路形成板の間隙部とフラットセパレータとの間に当接部のガス流路や水流路と交差する方向において連続的に延びる間隙が形成される。そのため、この間隙に、単セル内におけるガス流路形成板の配設部分において発生した水を毛管作用によって集めて保持することができる。
【0010】
そして上記構成では、ガス流路形成板の上流側の部分では、同部分の全部位に対して間隙部が配設される部分の占める割合、言い換えれば、水流路の全部位に対して上記間隙になる部分の占める割合が、ガス流路形成板の下流側の部分の同割合と比較して大きくなっている。そのため、水流路における上流側(ガスを供給する通路側)の部分には比較的多くの水を保持することができ、その保持した水によってガス流路形成板の配設部分に流入するガスを加湿することができる。これにより、膜電極接合体に供給されるガスに含まれる水分量を多くすることができるため、膜電極接合体の乾燥を抑えることができる。
【0011】
上記構成では、ガス流路形成板の上流側の部分においてガスが加湿されるため、その加湿されたガスが通過する下流側の部分においては、さほどガスを加湿しなくても膜電極接合体の乾燥を抑えることが可能である。そして、単セルの発電効率を向上させるためには、基本的には、単セルの内部で発生する水は同単セルの外部に速やかに排出されることが望ましい。この点、上記構成によれば、ガス流路形成板の下流側(ガスが流出する通路側)の部分では、同部分の全部位に対して間隙部が配設される部分の占める割合が比較的小さいため、同下流側の部分に保持される水の量を少なくすることができる。これにより、単セルの内部からの外部への排水性能を高くすることができるため、単セルの発電効率の向上を図ることができる。
【0012】
上記燃料電池用ガス流路形成板において、前記間隙部は、前記上流側の部分のみに配設されていることが好ましい。
上記構成によれば、ガス流路形成板の下流側の部分の水流路には間隙部が配設されないために、下流側の部分に滞留する水の量を少なくすることができ、単セルの内部からの外部への排水性能を高くすることができる。
【0013】
上記燃料電池用ガス流路形成板は、前記当接部および前記間隙部が鉛直方向において延びる状態で、且つ、前記単セル内部における前記ガス流路形成板の配設部分に流入するガスが、前記ガス流路形成板の前記上流側の端部における鉛直方向上方側の部分に直接吹き付けられる状態で配置されるものであることが好ましい。
【0014】
単セルの内部で発生した水は、重力によって下方に流れ落ちたり、ガスの流動圧力によって下流側に押し流されたりする。そのため、ガス流路形成板の配設部分における鉛直方向上方側、且つ上流側の部分は、水が滞留し難く、乾燥し易い部位であると云える。そして上記構成は、そうした乾燥しやすい部位にガス流路形成板の配設部分に流入するガスが直接吹き付けられる構造であるため、膜電極接合体の乾燥を招き易いと云える。
【0015】
上記構成によれば、ガス流路形成板の上流側の部分に鉛直方向において連続的に延びる間隙が形成されるために、この間隙によって、水流路内の水を重力やガスの流動圧力に抗して水流路内における鉛直方向上方側、且つ上流側の部分まで導いて保持することができる。これにより、ガス流路形成板の配設部分における鉛直方向上方側、且つ上流側の部分、すなわち乾燥し易い部分を通過するガスを好適に加湿することができるため、膜電極接合体の乾燥を的確に抑えることができる。
【0016】
上記燃料電池用ガス流路形成板において、前記間隙部は、前記ガス流路形成板の鉛直方向上方側の端部から鉛直方向下方側の端部まで延びる形状であることが好ましい。
上記構成によれば、単セル内部におけるガス流路形成板の配設部分に流入するガスを、同ガス流路形成板の上流側の部分全体を利用して好適に加湿することができる。
【0017】
上記燃料電池用ガス流路形成板において、前記間隙部は、前記フラットセパレータ側の面が平面形状であることが好ましい。
上記構成によれば、ガス流路形成板の間隙部とフラットセパレータとの間隙の大きさのばらつきを抑えることができるため、同間隙の各部において、毛管作用を適正に発揮させて、水を集めて保持することができる。
【0018】
上記課題を解決するための燃料電池スタックは、複数の単セルが積層されたものであって、前記単セルは、膜電極接合体と同膜電極接合体を挟む一対のセパレータとを備え、前記一対のセパレータの少なくとも一方は、平板形状のフラットセパレータと、前記膜電極接合体および前記フラットセパレータの間に介設された前記燃料電池用ガス流路形成板と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、膜電極接合体の乾燥を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態の燃料電池スタックの概略構成を示す断面図。
図2】同実施形態のガス流路形成板の配設態様を示す略図。
図3】ガス流路形成板の上流部の一部を拡大した斜視図。
図4】同上流部の図3の4−4線に沿った断面図。
図5】同上流部を図3の矢印5方向から見た断面図。
図6】同上流部を図3の矢印6方向から見た斜視図。
図7】ガス流路形成板の下流部の一部を拡大した斜視図。
図8】同下流部の図7の8−8線に沿った断面図。
図9】同上流部を図7の矢印9方向から見た断面図。
図10】同上流部を図7の矢印A方向から見た斜視図。
図11】他の実施形態のガス流路形成板の下流部の一部を拡大した斜視図。
図12】同下流部の図11の矢印B方向から見た側面図。
図13】同下流部を図11の矢印C方向から見た断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、燃料電池用ガス流路形成板および燃料電池スタックの一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタックは、複数の単セル10が積層された構造をなしており、固体高分子型燃料電池に内蔵されている。各単セル10は膜電極接合体11を有している。膜電極接合体11は、固体高分子電解質膜12と、この固体高分子電解質膜12を間に挟む一対の電極触媒層13,14と、それら電極触媒層13,14の外面を覆う一対のガス拡散層15,16とを有する多層構造をなしている。
【0022】
膜電極接合体11は、第1セパレータ20と第2セパレータ50との間に挟まれている。第1セパレータ20は、膜電極接合体11のカソード側(図1の下側)に当接しており、平板状のフラットセパレータ21と、同フラットセパレータ21および膜電極接合体11の間に介設されたガス流路形成板23とを備えている。第2セパレータ50は、膜電極接合体11のアノード側(図1の上側)に当接しており、平板状のフラットセパレータ51と、同フラットセパレータ51および膜電極接合体11の間に介設されたガス流路形成板53とを備えている。フラットセパレータ21,51およびガス流路形成板23,53はそれぞれ金属板材によって形成されている。
【0023】
そして、単セル10の内部における膜電極接合体11とフラットセパレータ21との間隙には酸化剤ガスが供給される一方、単セル10の内部における膜電極接合体11とフラットセパレータ51との間隙には燃料ガスが供給される。このようにして膜電極接合体11に対して燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給されると、膜電極接合体11での電気化学反応によって発電が行なわれる。
【0024】
以下、ガス流路形成板23について詳細に説明する。
なお、第1セパレータ20のガス流路形成板23と第2セパレータ50のガス流路形成板53とは同一の形状である。そのため、以下では、第1セパレータ20のガス流路形成板23の形状については詳細に説明する一方、第2セパレータ50のガス流路形成板53の形状については第1セパレータ20のガス流路形成板23の各部の符号「2*」,「3*」,「4*」にそれぞれ「30」を加算した符号「5*」,「6*」,「7*」を付して重複する説明を省略する。
【0025】
図2に示すように、ガス流路形成板23は、例えばステンレス鋼板などの一枚の金属板材をロール成形することによって形成されて、鉛直方向において延びる状態で配設されている。単セル10は、ガス流路形成板23の配設部分に酸化剤ガスを供給する供給通路17を有している。この供給通路17は、ガス流路形成板23の配設部分における酸化剤ガスの流れ方向上流側(以下、単に「上流側」)の端部(図2の左側の端部)であって、同配設部分の鉛直方向上方側(以下、単に「上方側」)の部分に連通する態様で設けられている。これにより、供給通路17を介して単セル10の内部におけるガス流路形成板23の配設部分に流入する酸化剤ガスは、同ガス流路形成板23の上流側の端部における上方側の部分に直接吹き付けられる。また、単セル10では、ガス流路形成板23の配設部分から酸化剤ガスを排出する排出通路18が、同配設部分における酸化剤ガスの流れ方向下流側(以下、単に「下流側」)の端部(図2の右側の端部)であって、同配設部分の鉛直方向下方側(以下、単に「下方側」)の部分に連通されている。
【0026】
ガス流路形成板23は上流側の部分と下流側の部分とが異なる形状に形成されている。
ここでは先ず、ガス流路形成板23の上流側の部分(上流部24)の形状を説明する。
図3図6に示すように、ガス流路形成板23の上流部24には、断面が波形状の部分(第1支持部25および第2支持部26)からなる当接部27と平板形状の間隙部28とが交互に配置されている。
【0027】
当接部27を構成する第1支持部25および第2支持部26はいずれも、鉛直方向において湾曲する波板形状である。これら第1支持部25および第2支持部26は、一方の面において突出する突条(内側突条29)が膜電極接合体11に当接するとともに他方の面において突出する突条(外側突条30)がフラットセパレータ21に当接する態様で、それら膜電極接合体11およびフラットセパレータ21の間に配置されている。そして、第1支持部25および第2支持部26では、膜電極接合体11に対向する面において平行に延びる凹溝が主に酸化剤ガスが流通するガス流路31になり、フラットセパレータ21に対向する面において平行に延びる凹溝が、単セル10内で発生した水(膜電極接合体11での発電に際して生成された水など)が導入される水流路32になる。
【0028】
当接部27では、第1支持部25の各突条29,30の延びる方向(延設方向L)と第2支持部26の各突条29,30の延びる方向とが一致する状態で、同延設方向Lにおいて1つの第1支持部25を2つの第2支持部26によって挟み込むように、それら第1支持部25および第2支持部26が配置されている。また当接部27では、鉛直方向における内側突条29の形成位置と外側突条30の形成位置とが、第1支持部25と第2支持部26とで正反対になっている。すなわち延設方向Lにおいて、第1支持部25の内側突条29と第2支持部26の外側突条30とが隣接しており、第1支持部25の外側突条30と第2支持部26の内側突条29とが隣接している。
【0029】
間隙部28は、延設方向Lにおいて隣り合う2つの当接部27の間に配置されており、それら当接部27を一体に連結している。この間隙部28は、ガス流路形成板23の上方側の端部(図2参照)から鉛直方向下方側(以下、単に「下方側」)の端部まで延びる形状である。
【0030】
図4および図5に示すように、間隙部28は、膜電極接合体11とフラットセパレータ21との間において、それら膜電極接合体11およびフラットセパレータ21と接触しない態様で、膜電極接合体11およびフラットセパレータ21と平行に延びるように配設されている。間隙部28のフラットセパレータ21に対向する面は、各当接部27の内側突条29の突端を繋ぐ形状(詳しくは、内側突条29がフラットセパレータ21に当接する点を含む平面、すなわちフラットセパレータ21の間隙部28側の面)よりも膜電極接合体11側の位置で延びる形状になっている。この間隙部28のフラットセパレータ21側の面は平面形状であるために、同間隙部28の各部とフラットセパレータ21との間隙の大きさは一定になる。そして、単セル10内部における間隙部28の配設部分では、同間隙部28よりも膜電極接合体11側の部分が主に酸化剤ガスが通過するガス流路31の一部をなし、間隙部28よりもフラットセパレータ21側の部分が単セル10内部で発生した水が導入される水流路32の一部をなす。
【0031】
図3図4および図6に示すように、ガス流路形成板23の上流部24は、ガス流路31と水流路32とを連通する連通路33を複数有している。詳しくは、ガス流路形成板23の上流部24には、延設方向Lにおいて第1支持部25および第2支持部26の一方の内側突条29と他方の外側突条30とが隣接する部分や第2支持部26の内側突条29と間隙部28とが隣接する部分に貫通孔が形成されており、それら貫通孔が上記連通路33に相当する。
【0032】
本実施形態では、図3図6から明らかなように、水流路32の流路断面積がガス流路31の流路断面積よりも狭くなっているため、水流路32の流路抵抗がガス流路31の流路抵抗よりも大きくなっている。また、連通路33の形状は、同連通路33の流路抵抗がガス流路31の流路抵抗よりも大きくなるように定められている。これらのことから、単セル10の内部におけるガス流路形成板23の上流部24が配設された部分では、酸化剤ガスは主に、圧力損失の小さいガス流路31を流れるようになる。
【0033】
また図3に示すように、ガス流路形成板23の当接部27では、鉛直方向における内側突条29の形成位置と外側突条30の形成位置とが、第1支持部25と第2支持部26とで正反対になっている。そのため、図3中に黒塗りの矢印で示すように、酸化剤ガスが、「第2支持部26のガス流路31→第1支持部25のガス流路31→第2支持部26のガス流路31→間隙部28のガス流路31」といった順に蛇行して流れるようになる。これにより、酸化剤ガスがガス流路形成板23(詳しくは、その上流部24)の配設部分全体に分散し易くなっており、同酸化剤ガスが膜電極接合体11の全体に供給され易くなっている。
【0034】
さらに、ガス流路形成板23の当接部27では、単セル10の内部で発生してガス流路31内部に流入した水が、毛管作用によって連通路33に引き込まれて水流路32に導入されるようになる。なお、水流路32内に導入された水が水滴となって連通路33の近傍に滞留しているときには、この水が呼び水となって連通路33内の水が毛管作用によって水流路32内に導かれるようになる。こうして水流路32内に導入された水は、水流路32内を流れる酸化剤ガスの流動圧力によって下流側に押し流されるようになる。
【0035】
次に、ガス流路形成板23の下流側の部分(下流部34[図2参照])の形状を説明する。
図7図10に示すように、ガス流路形成板23の下流部34には、当接部35と間隙部36とが交互に配置されている。
【0036】
当接部35は鉛直方向において湾曲する波板形状である。この当接部35は、一方の面において突出する突条(内側突条37)が膜電極接合体11に当接するとともに他方に突出する突条(外側突条38)がフラットセパレータ21に当接する態様で、それら膜電極接合体11およびフラットセパレータ21の間に配置されている。そして、この当接部35では、膜電極接合体11に対向する面において平行に延びる凹溝が主に酸化剤ガスが流通するガス流路39になり、フラットセパレータ21に対向する面において平行に延びる凹溝が単セル10内で発生した水が導入される水流路40になる。
【0037】
間隙部36は、各突条37,38が延びる方向(上記延設方向L)において隣り合う2つの当接部35の間に配置されており、それら当接部35を一体に連結している。この間隙部36は、ガス流路形成板23の上方側の端部(図2参照)から下方側の端部まで延びる形状に形成されている。間隙部36は、当接部35と同様に、鉛直方向において湾曲する波板形状である。ただし、図8および図9に示すように、間隙部36の一方の面において突出する突条(内側突条37)は膜電極接合体11に当接するものの、他方の面において突出する突条(外側突条38)はフラットセパレータ21に当接しない形状に形成されている。間隙部36のフラットセパレータ21に対向する面は、各当接部35の内側突条37の突端を繋ぐ形状(詳しくは、内側突条37がフラットセパレータ21に当接する点を含む平面、すなわちフラットセパレータ21の間隙部36側の面)よりも膜電極接合体11側の位置で延びる形状になっている。
【0038】
ガス流路形成板23における間隙部36が形成された部分では、ガス流路形成板23(詳しくは、間隙部36)とフラットセパレータ21との間に間隙Sが形成される。ただし、図8に示すように、その間隙Sの大きさは一定ではなく、外側突条38の形成位置では狭くなっている一方、内側突条37の形成位置では広くなっている。そして、単セル10の内部における間隙部36の配設部分では、同間隙部36よりも膜電極接合体11側の部分が酸化剤ガスが通過するガス流路39の一部をなし、間隙部36よりもフラットセパレータ21側の部分が単セル10内部で発生した水が導入される水流路40の一部をなす。
【0039】
図9に示すように、こうした下流部34の間隙部36は、延設方向Lにおける幅W1が上流部24の間隙部28の同幅W1(図5参照)と等しくなっており、延設方向Lにおける配設位置の間隔W2が上流部24の間隙部28の同間隔W3(図5参照)よりも長くなっている。これにより、ガス流路形成板23では、その上流部24に対して間隙部28が配置される部分の占める割合が、下流部34に対して間隙部36が配置される部分の占める割合よりも大きくなっている。
【0040】
また、図7図10に示すように、延設方向Lにおける当接部35の両端部、すなわち当接部35における間隙部36を間に挟む位置には、それぞれリブ41が形成されている。このリブ41は、内側突条37の頂面側の部分が部分的に剪断されて同頂面から離間する方向に曲げられた形状になっている。そして、こうしたリブ41をガス流路形成板23の下流部34に形成することにより、同下流部34にガス流路39と水流路40とを連通する複数の連通路43が形成されている。
【0041】
図8に示すように、リブ41は水流路40の内部に突出している。そのため、このリブ41によって水流路40の内部が遮られており、その分だけ水流路40の流路抵抗が大きくなっている。また図7図8および図10に示すように、連通路43の形状は、同連通路43の流路抵抗がガス流路39の流路抵抗よりも大きくなるように定められている。これらのことから、単セル10内部におけるガス流路形成板23の下流部34が配設された部分では、酸化剤ガスは主に、圧力損失の小さいガス流路39を流れるようになる。
【0042】
また、ガス流路形成板23の下流部34では、単セル10の内部で発生した水が、毛管作用によって連通路43に引き込まれて、水流路40に導入されるようになる。なお、水流路40内に導入された水が水滴となって連通路43の近傍に滞留しているときには、この水が呼び水となって連通路43内の水が毛管作用によって水流路40内に導かれるようになる。そうして水流路40内に導入された水は、水流路40内を流れる酸化剤ガスの流動圧力によって下流側に押し流されて、排出通路18(図2参照)を介して単セル10の外部に排出されるようになる。
【0043】
以下、単セル10にガス流路形成板23を設けることによる作用について説明する。
各単セル10では、膜電極接合体11に対して燃料ガスおよび酸化剤ガスが供給されると、膜電極接合体11での電気化学反応によって発電が行なわれる。そして、この発電に際して、膜電極接合体11の内部および近傍において水が発生する。この水は、ガス流路形成板23のガス流路31,39に流入するとともに、毛管作用によって連通路33,43に引き込まれて水流路32,40に導入されるようになる。
【0044】
本実施形態では、ガス流路形成板23の間隙部28,36とフラットセパレータ21との間に延設方向Lと交差する方向(鉛直方向)において連続的に延びる間隙S(図5および図9参照)が形成されている。そのため、この間隙Sに、単セル10内において発生して水流路32,40に流入した水を毛管作用によって集めて保持することができる。しかも本実施形態では、図4または図8に示すように、連通路33,43に隣接する位置に上記間隙S(詳しくは、間隙部28,36)が設けられているため、毛管作用によって連通路33,43に引き込まれる水を上記間隙Sに集め易い構造になっている。
【0045】
ここで、単セル10の内部で発生した水は、重力によって下方に流れ落ちたり、酸化剤ガスの流動圧力によって下流側に押し流されたりする。そのため、ガス流路形成板23の配設部分における上方側、且つ上流側の部分(図2に矢印ARで示す部分)は、水が滞留し難く、乾燥し易い部位であると云える。図2に示すように、単セル10は、そうした乾燥しやすい部位に、供給通路17を介してガス流路形成板23の配設部分に流入するガスが直接吹き付けられる構造であるため、膜電極接合体11の乾燥を招き易いと云える。
【0046】
図5に示すように、ガス流路形成板23の上流部24では、同上流部24の全部位に対して間隙部28が配設される部分の占める割合、言い換えれば、水流路32の全部位に対して上記間隙Sになる部分の占める割合が、ガス流路形成板23の下流部34(図9参照)の同割合と比較して大きくなっている。そのため、ガス流路形成板23の上流部24の水流路32に比較的多くの水を保持することができ、その保持した水によってガス流路形成板23の配設部分に流入するガスを加湿することができる。これにより、膜電極接合体11に供給されるガスに含まれる水分量を多くすることができるため、同膜電極接合体11の乾燥を抑えることができる。
【0047】
また、ガス流路形成板23の上流部24には、同ガス流路形成板23の上方側の端部から下方側の端部まで延びる形状の間隙部28が形成されている。そのため、ガス流路形成板23の上流部24が配設される部分には、同ガス流路形成板23の上方側の端部から下方側の端部まで連続的に延びる間隙Sが形成される。この間隙Sによって、図6中に黒塗りの矢印で示すように、水流路32内の水を、重力やガスの流動圧力に抗して水流路32内における上方側、且つ上流側の部分AR(図2に矢印ARで示す部分)まで導いて保持することができるようになる。これにより、単セル10内部のガス流路形成板23の配設部分における上方側、且つ上流側の部分AR、すなわち乾燥し易い部分を通過するガスを好適に加湿することができるため、膜電極接合体11の乾燥を的確に抑えることができる。
【0048】
本実施形態では、単セル10内部におけるガス流路形成板23の上流部24の配設部分において酸化剤ガスが加湿されるため、その加湿された酸化剤ガスが通過するガス流路形成板23の下流部34の配設部分では、さほど酸化剤ガスを加湿しなくても膜電極接合体11の乾燥を抑えることが可能である。そして、単セル10の発電効率を向上させるためには、基本的には、単セル10の内部で発生する水は同単セル10の外部に速やかに排出されることが望ましい。
【0049】
図9に示すように、ガス流路形成板23の下流部34では、その全部位に対して間隙部36が配設される部分の占める割合、言い換えれば、水流路40の全部位に対して上記間隙Sになる部分の占める割合が、ガス流路形成板23の上流部24(図5参照)の同割合と比較して小さくなっている。そのため、ガス流路形成板23の下流部34の水流路40に保持される水の量を比較的少なくすることができる。これにより、単セル10の内部(詳しくは、ガス流路形成板23の下流部34の配設部分)から外部への排水性能を高くすることができるため、単セル10の発電効率の向上を図ることができる。
【0050】
ガス流路形成板23の下流部34には、同ガス流路形成板23の上方側の端部から下方側の端部まで延びる形状の間隙部36が形成されており、同ガス流路形成板23の上方側の端部から下方側の端部まで連続的に延びる間隙Sが形成されている。ただし、図8に示すように、その間隙Sの大きさは一定ではなく、外側突条38の形成位置では狭くなっている一方、内側突条37の形成位置では広くなっている。そして、単セル10の内部では、間隙Sが狭い部分では水が保持され易くなっており、間隙Sが広い部分では水が保持され難くなっている。そのため、単セル10内部におけるガス流路形成板23の下流部34の配設部分では、ガス流路形成板23の上流部24の配設部分と比較して、間隙Sが狭く水が保持され易い部分が少なく、これによっても水の保持量が抑えられて排水性能が高くなっている。
【0051】
また本実施形態では、アノード側のガス流路形成板53として、カソード側のガス流路形成板23と同一の構造のものが採用されている。そのため、アノード側のガス流路61,69、水流路62,70、および間隙部58,66においても、上述したカソード側のガス流路31,39、水流路32,40、および間隙部28,36と同様の作用が奏される。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する作用効果が得られる。
(1)ガス流路形成板23,53の上流部24,54の全部位に対して間隙部28,58が配設される部分の占める割合を、ガス流路形成板23,53の下流部34,64の同割合と比較して大きくした。これにより、ガス流路形成板23,53の上流部24,54の水流路32,62に保持される水の量を比較的多くすることができるため、膜電極接合体11に供給されるガスに含まれる水分量を多くして、同膜電極接合体11の乾燥を抑えることができる。しかも、ガス流路形成板23,53の下流部34,64の水流路40,70に保持される水の量を比較的少なくすることができるため、その分だけ単セル10の内部から外部への排水性能を高くして、単セル10の発電効率の向上を図ることができる。
【0053】
(2)ガス流路形成板23,53の上流部24,54の間隙部28,58とフラットセパレータ21との間に鉛直方向において連続的に延びる間隙Sが形成されている。そのため、ガス流路形成板23,53の配設部分における上方側、且つ上流側の部分、すなわち乾燥し易い部分を通過するガスを好適に加湿することができ、膜電極接合体11の乾燥を的確に抑えることができる。
【0054】
(3)間隙部28,58を、ガス流路形成板23,53の上方側の端部から下方側の端部まで延びる形状に形成した。そのため、単セル10内部におけるガス流路形成板23,53の配設部分に流入するガスを、同ガス流路形成板23,53の上流部24,54の全体を利用して好適に加湿することができる。
【0055】
(4)ガス流路形成板23,53の間隙部28,58のフラットセパレータ21側の面を平面形状にした。そのため、ガス流路形成板23,53の間隙部28,58とフラットセパレータ21との間隙Sの大きさのばらつきを抑えることができるため、同間隙Sの各部において、毛管作用を適正に発揮させて、水を集めて保持することができる。
【0056】
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・ガス流路形成板23,53をチタン板などのステンレス鋼板以外の金属板材によって形成してもよい。
【0057】
・ガス流路形成板23,53の上流部24,54の当接部27,57を下流部34,64の当接部35,65と同一の構造にしたり、下流部34,64の当接部35,65を上流部24,54の当接部27,57と同一の構造にしたりしてもよい。
【0058】
・間隙部が上流部24,54のみに配設される構造、すなわち下流部34,64に間隙部36,66が配設されない構造のガス流路形成板を採用してもよい。そうしたガス流路形成板の下流部の構造の一例を図11図13に示す。図11図13に示すように、ガス流路形成板83の下流部84は、当接部85(前記第1支持部25[図3参照]および前記第2支持部26)のみからなる。詳しくは、この当接部85では、第1支持部25の各突条29,30の延びる方向と第2支持部26の各突条29,30の延びる方向とが一致する態様で、それら第1支持部25および第2支持部26が延設方向Lにおいて交互に並ぶように配置されている。こうしたガス流路形成板83の下流部84では、延設方向Lにおいて第1支持部25および第2支持部26の一方の内側突条29と他方の外側突条30とが隣接する部分に貫通孔が形成されており、それら貫通孔がガス流路39と水流路40とを連通する連通路33になる。こうしたガス流路形成板83を採用することにより、下流部84の水流路40には前記間隙S(詳しくは、間隙が狭く水が保持され易い部分[図4図8参照])が形成されないために、下流部84に滞留する水の量を少なくすることができ、単セルの内部からの外部への排水性能を高くすることができる。
【0059】
・ガス流路形成板23,53の上方側の端部およびその近傍や、ガス流路形成板23,53の下方側の端部およびその近傍に、間隙部28,36が形成されない部分を設定してもよい。
【0060】
・ガス流路形成板23,53の上流部24,54に配設される間隙部28,58の形状は、フラットセパレータ21との間に水を保持することの可能な間隙が形成される形状であれば、平板形状に限らず、湾曲した板状や、波形の板状、屈曲した板状など、任意の形状に形成することができる。
【0061】
・上流部24の当接部27(第1支持部25および第2支持部26)や下流部34の当接部35としては、波板形状のものを採用することに限らず、断面が矩形波形状の板状や断面が鋸歯形状の板材など、断面が凹形状の部分と凸形状の部分とが交互に並ぶ凹凸形状のものであれば、任意の形状のものを採用することができる。また、当接部27,35として、各ガス流路31,61になる凹溝が捻れの位置になるように配置される形状のものや、各ガス流路31,61になる凹溝が蛇行して延びる形状のものなどを採用してもよい。その他、当接部27,35としては、各水流路32,62になる凹溝が捻れの位置になるように配置される形状のものや、各水流路32,62になる凹溝が蛇行して延びる形状のものなどを採用することもできる。
【0062】
・膜電極接合体11のカソード側に間隙部28を有するガス流路形成板23を設けるとともに、膜電極接合体11のアノード側に間隙部58を有していないガス流路形成板を設けるようにしてもよい。また、膜電極接合体11のカソード側に間隙部28を有していないガス流路形成板を設けるとともに、膜電極接合体11のアノード側に間隙部58を有するガス流路形成板53を設けるようにしてもよい。
【0063】
・上記実施形態に記載のガス流路形成板および燃料電池スタックは、ガス流路形成板が鉛直方向に延びるように配置される燃料電池スタックに限らず、ガス流路形成板が如何なる角度(鉛直方向に対して若干傾いた角度や、水平方向に延びる角度)で配置される燃料電池スタックにも適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10…単セル、11…膜電極接合体、12…固体高分子電解質膜、13,14…電極触媒層、15,16…ガス拡散層、17…供給通路、18…排出通路、20…第1セパレータ、50…第2セパレータ、21,51…フラットセパレータ、23,53,83…ガス流路形成板、24,54…上流部、25…第1支持部、26…第2支持部、27,57…当接部、28,58…間隙部、29…内側突条、30…外側突条、31,61…ガス流路、32,62…水流路、33…連通路、34,64,84…下流部、35,65,85…当接部、36,66…間隙部、37…内側突条、38…外側突条、39,69…ガス流路、40,70…水流路、41…リブ、43…連通路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13