(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作ボタンは、前記筐体の前記開口穴の内側に位置する幅広部(31)と、前記幅広部より幅が小さく形成されて前記筐体の内部空間に延びる延伸部(32)とを有し、
前記通水孔は、前記幅広部から前記延伸部に亘り連続して形成されている請求項1に記載の車載器。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0012】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車両のインパネに組み込まれるビルトインタイプのETC車載器について説明する。
図1から
図3に示すように、車載器1は、外郭を構成する筐体2と、その筐体2の内側に設けられる回路基板3と、その回路基板3に実装されたスイッチ14を操作するための操作ボタン30などを備えている。なお、このスイッチ14は、例えばタクティルスイッチである。
【0013】
筐体2は、上ケース5と下ケース6とが嵌合されて構成されている。筐体2は、ほぼ直方体形状に構成され、底壁7、上壁8、正面壁9、背面壁10、第1横壁11および第2横壁12を有している。
【0014】
底壁7は、車載器1が車両に設置された状態で、重力方向下側に配置される。上壁8は、車載器1が車両に設置された状態で、重力方向上側に配置される。したがって、底壁7と上壁8とは、互いに対向している。底壁7と上壁8はいずれも、正面壁9、背面壁10、第1横壁11および第2横壁12に接続している。
【0015】
正面壁9は、車載器1が車両に設置された状態で、車両の車室内に臨むように配置される。正面壁9は、底壁7、上壁8、第1横壁11および第2横壁12に接続している。正面壁9には、操作ボタン30用の開口穴13が設けられている。操作ボタン30は、その開口穴13から車室内に臨むように設置される。また、正面壁9には、ETC用のICカードを挿入するためのカード挿入口15が設けられている。
【0016】
背面壁10は、正面壁9に対し車室内とは反対側に設けられる。背面壁10は、底壁7、上壁8、第1横壁11および第2横壁12に接続している。背面壁10には、回路基板3に設けられるコネクタ16を外部に露出させるためのコネクタ開口穴17が設けられている。
【0017】
第1横壁11は、正面壁9と背面壁10とが向き合う方向に対し交差する方向の一方に設けられる。第1横壁11は、底壁7、上壁8、正面壁9および背面壁10に接続している。第1横壁11の背面壁10側の端部には、排水穴19が設けられている。
【0018】
第2横壁12は、正面壁9と背面壁10とが向き合う方向に対し交差する方向の他方に設けられる。第2横壁12は、底壁7、上壁8、正面壁9および背面壁10に接続している。第1横壁11と第2横壁12にはそれぞれブラケット20が取り付けられている。筐体2は、そのブラケット20により、車両のインパネ21の取付部位22に取り付けられる。
【0019】
図3では、車両のインパネ21に筐体2が設置された状態を示している。この状態で、底壁7は、正面壁9側から背面壁10側に向かい重力方向下側に傾斜している。この傾斜角は、例えば、車両水平基準に対し5°〜23°である。なお、
図3では、車両水平基準を一点鎖線Fにて示している。
【0020】
図3に示すように、上述した底壁7、上壁8、正面壁9、背面壁10、第1横壁11および第2横壁12により、筐体2の内側には内部空間23が形成される。回路基板3は、その内部空間23に設けられる。筐体2には、底壁7から上壁8側に突出する基板取付用の台座24が設けられている。回路基板3は、その台座24に載置され、図示していないねじにより、台座24に取り付けられる。これにより、回路基板3は、底壁7から離れて設けられる。回路基板3には、押圧式のスイッチ14が実装されている。
【0021】
回路基板3の底壁7側には、カードコネクタ4が取り付けられている。カードコネクタ4も、底壁7から離れて設けられる。カードコネクタ4は、カード挿入口15から挿入される図示していないICカードを保持するものである。カードコネクタ4にICカードが保持された状態で、ICカードに設けられた図示していない端子と、回路基板3に設けられた図示していない端子とが接触する。
【0022】
図4から
図6に示すように、操作ボタン30は、幅広部31、延伸部32、固定部33およびばね部34などを有している。なお、以下の説明において、車載器1が車両に設置された状態で、操作ボタン30の外壁のうち重力方向上側に位置する面を上面301といい、操作ボタン30の外壁のうち重力方向下側に位置する面を下面302という。また、操作ボタン30の外壁のうち重力方向に交差する方向で、且つ、操作ボタン30が延びる方向に交差する方向を左右方向または左右といい、その左右方向の面をそれぞれ左面303および右面304という。
【0023】
幅広部31は、筐体2の開口穴13より僅かに小さく形成され、筐体2の開口穴13に挿通されている。幅広部31は、筐体2の正面壁9に形成された開口穴13の内側に設けられると共に、その開口穴13から車室内に露出している。乗員は、幅広部31が開口穴13から車室内に露出した箇所を押圧操作することが可能である。なお、幅広部31の上面301には、筐体2の上壁8と摺接可能な摺接部35が設けられている。
【0024】
延伸部32は、幅広部31より幅が小さく形成され、筐体2の内部空間23に延びている。延伸部32の下面302には、突起部36が設けられている。この突起部36の先端は、回路基板3に実装された押圧式のスイッチ14に対応する位置に設けられている。操作ボタン30は、突起部36の先端により回路基板3に実装されたスイッチ14を押圧することが可能である。
【0025】
一方、延伸部32の上面301には回路基板3側に凹む凹部37が設けられている。そのため、延伸部32の上面301と凹部37との境界には段差38が設けられている。これに対し、筐体2の上壁8には、延伸部32の凹部37に対応する位置にガイド壁25が設けられている。ガイド壁25は、筐体2の上壁8から延伸部32の凹部37側に突出している。
【0026】
固定部33は、筐体2の上壁8および正面壁9などに対し、スナップフィットまたは接着などの方法により固定されている。ばね部34は、一端が延伸部32の下面302に接続され、他端が固定部33に接続されている。操作ボタン30を筐体2に設置した状態で、ばね部34は、幅広部31および延伸部32を筐体2の正面壁9側へ付勢する。なお、ばね部34のうち、延伸部32の下面302に接続される箇所は、後述する第2案内板52として機能するものである。
【0027】
乗員が幅広部31を筐体2の内側に向けて押圧すると、
図6の破線に示すように、延伸部32に設けられた段差38がガイド壁25に案内され、延伸部32は筐体2の内側に移動すると共に、回路基板3側に移動する。これにより、延伸部32の下面302に設けられた突起部36の先端が、回路基板3に実装されたスイッチ14を押圧する。
【0028】
乗員が幅広部31を筐体2の内側に向けて押圧する力を解除すると、
図6の実線に示すように、ばね部34の弾性力により、操作ボタン30は元の位置に戻る。したがって、突起部36の先端は、回路基板3のスイッチ14の押圧を解除する。
【0029】
図7から
図10に示すように、本実施形態では、操作ボタン30に対し、通水孔40と第1案内板51と第2案内板52とが設けられている。なお、
図7では、筐体2の上壁8を省略している。また、
図8では、筐体2の正面壁9を省略し、正面壁9に形成された開口穴13の位置を一点鎖線Hで示している。
【0030】
通水孔40は、幅広部31と延伸部32とに亘り連続して形成されており、操作ボタン30の上面301と下面302とを挿通している。通水孔40は、幅広部31に形成された箇所が筐体2の開口穴13の内側に位置している。また、通水孔40は、延伸部32に形成された箇所が筐体2の内部空間23に位置している。
【0031】
通水孔40は、幅広部31と延伸部32の形状に対応した形状となっている。すなわち、通水孔40は、上面301から下面302に亘り断面が連続してT字形に形成されている。
【0032】
また、通水孔40は、延伸部32に形成された箇所において、上面301側から下面302側に向かい断面積が次第に小さくなるように形成されたテーパ部41を有している。通水孔40は、操作ボタン30の上面301と筐体2の内壁との間に表面張力により溜まる液体を、操作ボタン30の上面301側から下面302側へ流すことが可能な大きさに設定されている。
【0033】
操作ボタン30の幅広部31には第1案内板51が設けられ、延伸部32には第2案内板52が設けられている。第1案内板51と第2案内板52はいずれも、操作ボタン30に対し回路基板3を重力方向に投影した位置よりも開口穴13側に設けられている。なお、
図9および
図10では、操作ボタン30に対し回路基板3を重力方向に投影した位置を、一点鎖線Pで示している。
【0034】
第1案内板51は、筐体2の正面壁9に隣接した位置に設けられている。第1案内板51は、操作ボタン30の下面302に設けられると共に、操作ボタン30の左面303と右面304にも設けられている。第1案内板51は、操作ボタン30が筐体2の開口穴13から外側に突出する位置を定めるストッパとしても機能する。
【0035】
また、第1案内板51は、操作ボタン30の下面302において、通水孔40を挟んで操作ボタン30の左右に分かれて設けられる。すなわち、第1案内板51は、操作ボタン30の下面302において、通水孔40が開口している箇所には設けられていない。
【0036】
第2案内板52は、第1案内板51よりも筐体2の内側で、操作ボタン30の下面302に設けられている。第2案内板52は、操作ボタン30の下面302に通水孔40が開口する箇所に隣接した位置で、通水孔40よりも筐体2の内側に設けられている。また、第2案内板52は、操作ボタン30の下面302において、操作ボタン30の左右方向に連続して設けられている。なお、第2案内板52は、上述したばね部34が延伸部32に接続する部位でもある。
【0037】
第2案内板52と正面壁9との距離、第2案内板52と第1横壁11との距離、または第2案内板52と第2横壁12との距離は、通水孔40から滴下する水滴の直径より小さく設定されている。そのため、通水孔40から滴下する液体は、第2案内板52により、筐体2の正面壁9、第1横壁11または第2横壁12のいずれかに案内される。したがって、第2案内板52は、通水孔40を流れた液体を回路基板3から離れた箇所へ案内することが可能であるといえる。
【0038】
次に、本実施形態の通水孔40と第1、第2案内板51、52の作用について説明する。
【0039】
車載器1が車両のインパネ21に取り付けられた際、車室内に臨む筐体2の正面壁9には、エアコンの吹出口から滴下した凝縮水、または、乗員が利用する飲料水などの液体がかかることがある。筐体2の開口穴13に液体が付着すると、その液体は開口穴13の内壁と操作ボタン30の外壁との間を毛細管現象によって筐体2の内部空間23へ浸入する。そして、その液体は、操作ボタン30の上面301と筐体2の内壁との隙間に表面張力により溜まる。その際、
図9の矢印W1および
図10の矢印W2に示すように、操作ボタン30の上面301から通水孔40に流入した液体は、重力の作用により、通水孔40を重力方向下側へ流れる。そのため、操作ボタン30の上面301と筐体2の内壁との間に溜まった液体は、順に通水孔40に流れる。ここで、通水孔40はT字形に形成されており、通水孔40の断面積は、そこを流れる液体に十分な重力を作用させる程度に大きい。そのため、操作ボタン30の上面301を伝って通水孔40よりも筐体2の内側へ液体が流れることが防がれる。
【0040】
図9の矢印W3に示すように、通水孔40から操作ボタン30の下面302に流れ出た液体は、第1案内板51と第2案内板52により、筐体2の正面壁9、第1横壁11または第2横壁12側へ案内される。上述したように、第2案内板52と正面壁9との距離、第2案内板52と第1横壁11との距離、または第2案内板52と第2横壁12との距離は、通水孔40から滴下する水滴の直径より小さい。そのため、第1案内板51と第2案内板52によって筐体2の正面壁9、第1横壁11または第2横壁12側へ案内された液体は、その壁を伝って底壁7へ流れ落ちる。
【0041】
なお、
図9および
図10の一点鎖線Pに示すように、第2案内板52は操作ボタン30に対し回路基板3を重力方向に投影した位置よりも開口穴13側に設けられている。そのため、仮に、第2案内板52の下面302から液体が滴下した場合でも、その液体は回路基板3にかかることなく、底壁7に落下する。
【0042】
また、幅広部31の左面303または右面304と開口穴13の内壁との間を毛細管現象によって筐体2の内部空間23へ浸入しようとする液体は、幅広部31の左面303または右面304に設けられた第1案内板51に案内され、筐体2の正面壁9を伝って底壁7へ流れ落ちる。底壁7に流れ落ちた液体は、底壁7とカードコネクタ4との隙間を流れ、第1横壁11の背面壁10側の端部に設けられた排水穴19から外部へ排出される。これにより、回路基板3が被水することが防がれる。
【0043】
本実施形態の車載器1は、次の作用効果を奏する。
【0044】
(1)本実施形態では、通水孔40は、操作ボタン30の上面301と下面302とを挿通している。第1、第2案内板51、52は、操作ボタン30に対し回路基板3を重力方向に投影した位置よりも開口穴13側に位置する操作ボタン30の下面302に設けられ、通水孔40を流れる液体を筐体2の正面壁9、第1横壁11または第2横壁12側へ案内する。
【0045】
これによれば、筐体2の開口穴13から操作ボタン30の外壁を伝って筐体2の内側に浸入する液体は、操作ボタン30の上面301と筐体2の内壁との隙間から通水孔40に入り、第1、第2案内板51、52によって筐体2の正面壁9、第1横壁11または第2横壁12に案内される。その液体はその筐体2の壁9、11、12を流れ落ちるので、回路基板3が被水することが防がれる。したがって、この車載器1は、回路基板3の配線等が液体によりショートすることを防ぐことができる。
【0046】
(2)本実施形態では、通水孔40は、操作ボタン30の幅広部31から延伸部32に亘り連続して形成されている。
【0047】
これによれば、通水孔40の断面積が大きくなるので、通水孔40に流入する液体に作用する重力が大きくなる。また、通水孔40は、幅広部31から延伸部32に亘り連続して形成され、その間に仕切部材などが設けられていないので、通水孔40を流れる液体に作用する表面張力は小さいものとなる。そのため、通水孔40に流入する液体に作用する重力により、操作ボタン30の上面301と筐体2の内壁との隙間から液体を通水孔40を通じて排水することができる。
【0048】
さらに、操作ボタン30の幅広部31から延伸部32に亘って通水孔40を形成することで、操作ボタン30の体格が小さい場合でも、操作ボタン30の上面301と筐体2の内壁との隙間から液体を通水孔40を通じて排水することができる。すなわち、この構成により、車載器1を小型化することが可能である。
【0049】
(3)本実施形態では、通水孔40は、操作ボタン30の上面301から下面302に亘り断面がT字形に形成されている。
【0050】
これによれば、操作ボタン30の上面301から下面302に亘り、通水孔40の断面積を大きくすることが可能である。そのため、通水孔40に流入する液体に作用する重力を大きくすることができる。
【0051】
さらに、操作ボタン30の上面301から下面302に亘って通水孔40の断面をT字形に形成することで、操作ボタン30の体格が小さい場合でも、操作ボタン30の上面301と筐体2の内壁との隙間から液体を通水孔40を通じて排水することができる。
【0052】
(4)本実施形態では、通水孔40は、操作ボタン30の上面301側から下面302側に向かい断面積が次第に小さくなるように形成されたテーパ部41を有する。
【0053】
これによれば、操作ボタン30の上面301側に通水孔40が開口する面積を大きくすることが可能である。そのため、操作ボタン30の下面302に開口する通水孔40の面積が小さい場合でも、通水孔40の容積を大きくすることで、通水孔40に流入する液体に作用する重力を大きくすることができる。
【0054】
(5)本実施形態では、通水孔40は、延伸部32に形成された箇所にテーパ部41を有する。
【0055】
これによれば、延伸部32の上面301側に通水孔40が開口する面積を大きくすることが可能となる。そのため、延伸部32を伝う液体を通水孔40に流すことが可能となる。したがって、液体が延伸部32を伝って通水孔40よりも筐体2の内側へ流れることが防がれる。
【0056】
(6)本実施形態では、第1案内板51は、開口穴13が形成された筐体2の壁に隣接した位置に設けられる。第2案内板52は、第1案内板51より筐体2の内側で、且つ、通水孔40より筐体2の内側に設けられる。
【0057】
これによれば、2枚の案内板51、52により、通水孔40を流れた液体を筐体2の壁に確実に案内することができる。
【0058】
また、第1案内板51は、筐体2の開口穴13から操作ボタン30が外側に突出する位置を定めるストッパとして用いることが可能である。
【0059】
(7)本実施形態では、第1案内板51は、操作ボタン30の下面302、左面303および右面304に亘り設けられる。
【0060】
これによれば、幅広部31の左面303または右面304と開口穴13の内壁との間を毛細管現象によって筐体2の内部空間23へ浸入しようとする液体は、第1案内板51に案内され、筐体2の正面壁9を伝って底壁7へ流れ落ちる。そのため、第1案内板51は、その流体が筐体2の内部空間23に浸入することを防ぐことができる。
【0061】
(8)本実施形態では、第1案内板51は、操作ボタン30の下面302において、通水孔40を挟んで操作ボタン30の左右に分かれて設けられる。また、第2案内板52は、操作ボタン30の下面302において、通水孔40より筐体2の内側で、操作ボタン30の左右方向に連続して設けられる。
【0062】
これによれば、通水孔40を挟んで操作ボタン30の左右に分かれて第1案内板51が設けられることで、操作ボタン30の下面302に通水孔40が開口する面積が第1案内板51によって小さくなることが防がれる。
【0063】
また、操作ボタン30の左右方向に連続して第2案内板52が設けられることで、第2案内板52よりも筐体2の内側に液体が浸入することを防ぐことができる。
【0064】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。以下に説明する複数の実施形態は、第1実施形態に対して通水孔40の形状を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0065】
第2実施形態の車載器1の部分断面図を
図11および
図12に示す。なお、
図11では、筐体2の上壁8を省略している。また、
図12では、筐体2の正面壁9を省略し、正面壁9に形成された開口穴13の位置を一点鎖線Hで示している。
【0066】
第2実施形態でも、通水孔40は、幅広部31と延伸部32の形状に対応した形状となっている。すなわち、通水孔40は、上面301から見てT字形に形成されている。ただし、第2実施形態では、通水孔40は、操作ボタン30の上面301側が溝42になっており、幅広部31の一部が上面301から下面302に通じる孔43になっている。
【0067】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の車載器1の部分断面図を
図13および
図14に示す。なお、
図13では、筐体2の上壁8を省略している。また、
図14では、筐体2の正面壁9を省略し、正面壁9に形成された開口穴13の位置を一点鎖線Hで示している。
【0068】
第3実施形態でも、通水孔40は、幅広部31と延伸部32の形状に対応した形状となっている。すなわち、通水孔40は、上面301から見てT字形に形成されている。ただし、第3実施形態では、通水孔40は、主に延伸部32に形成された箇所が溝44になっており、主に幅広部31に形成された箇所が上面301から下面302に通じる孔45になっている。
【0069】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態の車載器1の部分断面図を
図15および
図16に示す。なお、
図15では、筐体2の上壁8を省略している。また、
図16では、筐体2の正面壁9を省略し、正面壁9に形成された開口穴13の位置を一点鎖線Hで示している。
【0070】
第4実施形態では、通水孔40は、幅広部31に形成されており、延伸部32に形成されていない。すなわち、通水孔40は、上面301から見てI字形に形成され、上面301から下面302に通じる孔45になっている。また、通水孔40は、上面301側から下面302側に向かい断面積が次第に小さくなるように形成されたテーパ部46を有している。
【0071】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態の車載器1の部分断面図を
図17および
図18に示す。なお、
図17では、筐体2の上壁8を省略している。また、
図18では、筐体2の正面壁9を省略し、正面壁9に形成された開口穴13の位置を一点鎖線Hで示している。
【0072】
第5実施形態では、通水孔40は、幅広部31と延伸部32の形状に対応した形状となっている。すなわち、通水孔40は、上面301から見てT字形に形成されている。ただし、第5実施形態では、通水孔40は、操作ボタン30の上面301側が溝47になっている。また、通水孔40は、幅広部31の左右において、上面301から下面302に通じる溝48が形成されている。
【0073】
上述した第2〜第5実施形態で説明した通水孔40は、第1実施形態で説明した通水孔40に比べて、操作ボタン30の上面301から下面302に通じる孔43、45または溝48の断面積が相対的に小さいものとなっている。そのため、第2〜第5実施形態では、通水孔40を流れる液体に作用する重力が、第1実施形態の通水孔40を流れる液体に作用する重力よりも相対的に小さいものとなる。
【0074】
ただし、車載器1に設けられる操作ボタン30の大きさが第1実施形態の操作ボタン30よりも大きい場合には、第2〜第5実施形態の通水孔40の形状であっても、通水孔40を流れる液体に作用する重力を大きくすることが可能である。したがって、その場合、第2〜第5実施形態の車載器1は、第1実施形態の車載器1と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0075】
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0076】
例えば、上述した実施形態では、ビルトインタイプのETC車載器について説明した。これに対し、他の実施形態では、車載器1は、ダッシュボードに取り付けるタイプのものでもよい。また、他の実施形態では、車載器1は、DSRC車載器などでもよい。
【0077】
上述した実施形態では、操作ボタン30の幅広部31と延伸部32の形状に対応して通水孔40をT字形に形成した。これに対し、他の実施形態では、操作ボタン30の形状がそれと異なるものである場合、操作ボタン30の形状に応じて通水孔40の形状を変更してもよい。
【0078】
上述した実施形態では、操作ボタン30に第1案内板51と第2案内板52を設けた。これに対し、他の実施形態では、第1案内板51と第2案内板52とを接続した形状としてもよい。
【0079】
上述した実施形態では、操作ボタン30が操作するスイッチ14として、回路基板3にタクティルスイッチを実装したが、他の実施形態ではスイッチ14はそれに限らず、例えば非接触型のものとしてもよい。