(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各前記主面における各前記端子電極の前記第二方向の長さは、前記第三方向における各前記主面の両端から中央に向けて減少している、請求項1又は2に記載の電子部品。
互いに対向する一対の主面と、前記一対の主面が対向する第一方向に直交する第二方向で互いに対向する一対の端面と、を有する素体であって、前記第一方向で互いに対向するとともに対応する前記端面に露出する複数の内部電極が内部に配置された素体を準備する工程と、
前記素体の前記第一方向の長さが、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向並びに前記第二方向における前記素体の周縁から中央に至るまで徐々に減少するように、前記素体の形状を加工する工程と、
前記素体の形状を加工する工程の後で、前記素体の前記端面を導電性ペースト中に浸漬することにより、前記主面における前記第二方向の長さが前記第三方向における前記主面の両端から中央に向けて減少するように、前記端面の全体及び前記主面の前記端面に隣接する部分を覆う一対の端子電極を形成する工程と、を含む、電子部品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0015】
図1〜
図4を参照して、本実施形態に係るチップサーミスタ(電子部品)1について説明する。
図1は、実施形態に係るチップサーミスタの斜視図である。
図2は、
図1のチップサーミスタの上面図である。
図3(a)は、
図1のチップサーミスタの正面図であり、
図3(b)は、
図2のIIIb−IIIb線に沿っての端面図であり、
図3(c)は、
図2のIIIc−IIIc線に沿っての端面図である。
図4(a)は、
図1のチップサーミスタの側面図であり、
図4(b)は、
図2のIVb−IVb線に沿っての端面図であり、
図4(c)は、
図2のIVc−IVc線に沿っての端面図である。
【0016】
図1〜
図4に示されるように、チップサーミスタ1は、素体2と、一対の端子電極3,4と、複数の内部電極5,6と、複数のダミー内部電極7,8と、を備えている。チップサーミスタ1は、積層型NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタであり、温度の上昇に対して抵抗が減少する(負の温度係数を有する)サーミスタである。
【0017】
素体2は、略直方体形状を呈している。素体2の長さは、例えば360mm程度である。素体2の幅は、例えば170mm程度である。素体2の厚さは、例えば62.5mm程度である。以下では、素体2の厚さ方向を第一方向D1、素体2の長さ方向を第二方向D2、及び素体2の幅方向を第三方向D3として説明を行う。第一方向D1、第二方向D2及び第三方向D3は、互いに直交している。
【0018】
素体2は、一対の主面2a,2bと、一対の端面2c,2dと、一対の側面2e,2fと、を有している。一対の主面2a,2bは、長方形状を呈し、第一方向D1で互いに対向している。一対の端面2c,2dは、長方形状を呈し、第二方向D2で互いに対向している。一対の側面2e,2fは、長方形状を呈し、第三方向D3で互いに対向している。なお、チップサーミスタ1を主面2a側から見た図が
図2であり、側面2f側から見た図が
図3(a)であり、端面2c側から見た図が
図4(a)である。
【0019】
素体2の第一方向D1の長さは、第二方向D2及び第三方向D3における素体2の周縁から中央に向けて減少している。つまり、素体2は、主面2a,2bの中央が窪んだ形状を有している。
【0020】
一対の側面2e,2fに平行であり、かつ、一対の側面2e,2fから等距離に位置している平面で素体2を切断したときの第一断面において、第二方向D2における中央での素体2の厚みが、第二方向D2における端での素体2の厚みよりも小さい。上記第一断面において、主面2aの中央が、主面2aの両端に接する仮想直線から離間するように、主面2aが主面2b側に窪んでいる。上記第一断面において、主面2bの中央が、主面2bの両端に接する仮想直線から離間するように、主面2bが主面2a側に窪んでいる。
【0021】
一対の端面2c,2dに平行であり、かつ、一対の端面2c,2dから等距離に位置している平面で素体2を切断したときの第二断面において、第三方向D3における中央での素体2の厚みが、第三方向D3における端での素体2の厚みよりも小さい。上記第二断面において、主面2aの中央が、主面2aの両端に接する仮想直線から離間するように、主面2aが主面2b側に窪んでいる。上記第二断面において、主面2bの中央が、主面2bの両端に接する仮想直線から離間するように、主面2bが主面2a側に窪んでいる。
【0022】
本実施形態では、上記第一及び第二断面において、主面2aの両端に接する仮想直線と主面2aとの第一方向D1での間隔は、主面2aの端から中央に向かって、徐々に大きくなっている。すなわち、主面2aが全体的に窪んでいる。
【0023】
本実施形態では、上記第一及び第二断面において、主面2bの周縁に接する仮想直線と主面2bとの第一方向D1での間隔は、主面2bの端から中央に向かって、徐々に大きくなっている。すなわち、主面2bが全体的に窪んでいる。
【0024】
素体2は、第一方向D1に積層された複数のサーミスタ層21を有している。複数のサーミスタ層21は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されて素体2を構成している。サーミスタ層21は、NTCサーミスタとして機能し得るNTCサーミスタ材料により構成されている。サーミスタ層21は、例えば、主成分としてMn、Ni及びCoの各金属酸化物を含んだセラミックスから形成されている。サーミスタ層21は、主成分であるMn、Ni及びCoの各金属酸化物の他に、特性(抵抗変化率)の調整のために、Fe、Cu、Al、及びZr等を副成分として含んでいてもよい。サーミスタ層21は、Mn、Ni及びCoの各金属酸化物に代えて、Mn及びNiの各金属酸化物、またはMn及びCoの各金属酸化物から形成されていてもよい。サーミスタ層21は、所定のB定数を有している。
【0025】
端子電極3は、素体2の端面2c側に設けられている。端子電極3は、一体的に設けられた電極部分31〜35を有している。電極部分31は、端子電極3のうち第二方向D2から見て、端面2cと重複する部分である。電極部分31は、端面2cの全体を覆っている。電極部分32は、端子電極3のうち第一方向D1から見て、主面2aと重複する部分である。電極部分32は、主面2aの端面2cに隣接する部分を覆っている。電極部分33は、端子電極3のうち第一方向D1から見て、主面2bと重複する部分である。電極部分33は、主面2bの端面2cに隣接する部分を覆っている。
【0026】
電極部分34は、端子電極3のうち第三方向D3から見て、側面2eと重複する部分である。電極部分34は、側面2eの端面2cに隣接する部分を覆っている。電極部分35は、端子電極3のうち第三方向D3から見て、側面2fと重複する部分である。電極部分35は、側面2fの端面2cに隣接する部分を覆っている。電極部分32及び電極部分33は、互いに同形状を呈している。電極部分34及び電極部分35は、互いに同形状を呈している。
【0027】
端子電極3は、素体2の形状に合わせて形成されている。電極部分32,33(主面2a,2bにおける端子電極3)の第二方向D2の長さは、第三方向D3における主面2a,2bの両端から中央に向けて減少している。つまり、電極部分32,33は、第三方向D3の中央において、端面2c側に凹むように形成されている。
【0028】
端子電極4は、素体2の端面2d側に設けられている。端子電極4は、一体的に設けられた電極部分41〜45を有している。電極部分41は、端子電極4のうち第二方向D2から見て、端面2dと重複する部分である。電極部分41は、端面2dの全体を覆っている。電極部分42は、端子電極4のうち第一方向D1から見て、主面2aと重複する部分である。電極部分42は、主面2aの端面2dに隣接する部分を覆っている。電極部分43は、端子電極4のうち第一方向D1から見て、主面2bと重複する部分である。電極部分43は、主面2bの端面2dに隣接する部分を覆っている。
【0029】
電極部分44は、端子電極4のうち第三方向D3から見て、側面2eと重複する部分である。電極部分44は、側面2eの端面2dに隣接する部分を覆っている。電極部分45は、端子電極4のうち第三方向D3から見て、側面2fと重複する部分である。電極部分45は、側面2fの端面2dに隣接する部分を覆っている。電極部分42及び電極部分43は、互いに同形状を呈している。電極部分44及び電極部分45は、互いに同形状を呈している。
【0030】
端子電極4は、素体2の形状に合わせて形成されている。電極部分42,43(主面2a,2bにおける端子電極4)の第二方向D2の長さは、第三方向D3における主面2a,2bの両端から中央に向けて減少している。つまり、電極部分42,43は、第三方向D3の中央において、端面2d側に凹むように形成されている。
【0031】
端子電極3,4は、互いに同形状である。端子電極3,4は、例えばAg、Pd、Au、Pt等の貴金属及びこれらの合金であってもよく、Cu、Ni等の卑金属及びこれらの合金であってもよい。端子電極3,4は、ガラス成分を含んでいてもよい。ガラス成分の含有量は、例えば10重量%以下である。端子電極3,4は、はんだによる表面実装を容易とするために、表面にNiメッキ層及びSnメッキ層を有していてもよい。
【0032】
内部電極5,6は、互いに同形状であり、第一方向D1から見て矩形状を呈している。内部電極5,6の第二方向D2の長さは、例えば、素体2の第二方向D2の長さの1/2よりも長い。内部電極5は、第二方向D2の一端5a及び他端5bを有している。一端5aは端面2cに露出し、他端5bは端面2d側に配置されている。内部電極6は、第二方向D2の一端6a及び他端6bを有している。一端6aは端面2dに露出し、他端6bは端面2c側に配置されている。つまり、内部電極5,6は、端面2c,2dのうち対応する端面に露出している。
【0033】
内部電極5,6は、側面2e,2fから離間している。内部電極5,6の第三方向D3の長さは、素体2の第三方向D3の長さよりも短い。内部電極5,6の第三方向D3の長さは、例えば、素体2の第三方向D3の長さの1/3程度である。内部電極5,6は、第三方向D3の中央に配置され、内部電極5,6と側面2eとの離間距離は、内部電極5,6と側面2fとの離間距離と同等である。
【0034】
内部電極5,6は、第一方向D1で互いに対向するように素体2内に配置されている。具体的には、内部電極5の他端5b側の部分と、内部電極6の他端6b側の部分とが、第一方向D1で互いに対向している。つまり、第二方向D2において、他端5bが他端6bよりも端子電極4に近い位置まで延び、他端6bが他端5bよりも端子電極3に近い位置まで延びている。
【0035】
内部電極5,6は、サーミスタ層21間に配置されている。内部電極5,6は、一対の端子電極3,4のうち対応する端子電極に接続されている。つまり、内部電極5の一端5aは、端子電極3の電極部分31に接続されている。内部電極6の一端6aは、端子電極4の電極部分41に接続されている。内部電極5の他端5bは、内部電極5と極性が互いに異なる端子電極4から第二方向D2において離間している。内部電極6の他端6bは、内部電極6と極性が互いに異なる端子電極3から第二方向D2において離間している。
【0036】
内部電極5,6は、端子電極3,4と同様に、例えばAg、Pd、Au、Pt等の貴金属及びこれらの合金であってもよく、Cu、Ni等の卑金属及びこれらの合金であってもよい。
【0037】
素体2は、第一方向D1で内部電極5,6に挟まれた部分に形成される特性部Aを有している。特性部Aは、素体2においてチップサーミスタ1としての特性を発揮する部分である。チップサーミスタ1は、特性部Aの抵抗値の温度変化を利用することにより、サーミスタとして機能する。特性部Aは、第一方向D1から見て、素体2の中央に配置されている。特性部Aは、第二方向D2において端子電極3,4から離間している。本実施形態では、チップサーミスタ1は、2つの内部電極5及び1つの内部電極6を備え、素体2は2つの特性部Aを有している。つまり、2つのサーミスタ層21が第一方向D1で内部電極5,6により挟まれた部分にそれぞれ特性部Aを有している。
【0038】
ダミー内部電極7,8は、互いに同形状であり、第一方向D1から見て矩形状を呈している。ダミー内部電極7の第二方向D2の長さは、電極部分32,33の第二方向D2の長さの最小値よりも短い。ダミー内部電極8の第二方向D2の長さは、電極部分42,43の第二方向D2の長さの最小値よりも短い。ダミー内部電極7,8は、サーミスタ層21間に配置されている。
【0039】
ダミー内部電極7は、内部電極6と同一平面上に配置されている。ダミー内部電極7は、第二方向D2の一端7a及び他端7bを有している。一端7aは端面2cに露出し、他端7bは内部電極6の他端6bと第二方向D2において対向している。ダミー内部電極8は、内部電極5と同一平面上に配置されている。ダミー内部電極8は、第二方向D2の一端8a及び他端8bを有している。一端8aは端面2dに露出し、他端8bは内部電極5の他端5bと第二方向D2において対向している。本実施形態では、チップサーミスタ1は、1つのダミー内部電極7及び2つのダミー内部電極8を備えている。
【0040】
ダミー内部電極7,8は、端子電極3,4と同様に、例えばAg、Pd、Au、Pt等の貴金属及びこれらの合金であってもよく、Cu、Ni等の卑金属及びこれらの合金であってもよい。
【0041】
続いて、上述した構成を備えるチップサーミスタ1の製造方法について説明する。
【0042】
まず、グリーンシートを作製する。ここでは、サーミスタ素体の主成分であるMn、Ni、及びCoの各金属酸化物と、副成分であるFe、Cu、Al、及びZr等と、を所定の割合で混合してサーミスタ材料を調整する。その後、このサーミスタ材料に有機バインダ、有機溶剤、及び有機可塑剤等を添加してスラリーを得る。このスラリーをフィルム上に塗布して、所定の厚さの膜を作成する。こうして得られた膜をフィルムから剥離してグリーンシートを得る。
【0043】
内部電極及びダミー内部電極を構成する導電性材料の粉末を含む導電性ペースト(電極ペースト)を作製する。作製した導電性ペーストをスクリーン印刷法等によりグリーンシート上に塗布し、内部電極5,6及びダミー内部電極7,8に対応する電極パターンを形成する。次に、電極パターンが形成されたグリーンシート、及び電極パターンが形成されていないグリーンシートを所望の順序で積層し、積層体グリーンを作製する。
【0044】
続いて、積層体グリーンを所定の温度(例えば、60℃程度)で加熱しながら、積層方向に所定の圧力でプレスする。その後、積層体グリーンをチップ単位に切断する。積層体グリーンの切断は、例えばダイシングソー等により行う。次に、切断された積層体グリーンに対して所定の条件(例えば、180℃以上400℃以下で、かつ、0.5時間以上45時間以下)で脱バインダ処理を行う。続いて、脱バインダ処理後の積層体グリーンを所定の条件(例えば、1000℃以上1400℃以下、かつ、2時間以上16時間以下)で焼成する。これにより、複数のチップ素体が準備される。即ち、上述した過程が、チップ素体を準備する工程(準備工程)を構成している。
【0045】
準備工程により準備されたチップ素体は、直方体形状を呈し、一対の主面2a,2bに対応する一対の主面と、一対の端面2c,2dに対応する一対の端面と、一対の側面2e,2fに対応する一対の側面と、を有している。チップ素体の内部には、内部電極5,6に対応する内部電極と、ダミー内部電極7,8に対応するダミー内部電極と、が配置されている。次に、このチップ素体の形状を加工する工程(加工工程)が行われる。加工工程では、チップ素体の第一方向D1の長さが、第二方向D2及び第三方向D3におけるチップ素体の周縁から中央に向けて減少するように、チップ素体の形状が加工される。これにより、加工工程後のチップ素体として、素体2が得られる。
【0046】
加工工程では、例えば、チップ素体をバレル研磨する。バレル研磨では、バレル漕中に複数のチップ素体、研磨用メディア、及び研磨液等を入れ、回転または振動等により、相対運動を生じさせることで各チップ素体を研磨加工する。研磨用メディアとして、例えば、直径が素体2の厚さよりも小さく、かつ、ZrO
2からなるメディアを用いることができる。研磨液として、例えば水を用いることができる。研磨時間は、例えば2〜3時間程度に設定される。
【0047】
素体2では、バレル研磨により、外表面が平滑化されて、稜部が丸められる。これにより、割れ又は欠け等の発生が抑制される。また、素体2では、バレル研磨により、主面2a,2bの中央が窪んだ形状とされる。
【0048】
次に、素体2の端面2c,2dに端子電極3,4を形成する工程(電極形成工程)が行われる。
図5は、実施形態に係るチップサーミスタの製造方法における電極形成工程について説明するための図である。本実施形態に係る電極形成工程では、例えば浸漬法(ディップ法)により素体2の端面2c側に端子電極3が形成されるとともに、素体2の端面2d側に端子電極4が形成される。
【0049】
浸漬法では、まず端子電極3,4を構成する導電性材料の粉末を含む導電性ペーストLを準備する。続いて、準備した導電性ペーストL中に素体2の端面2cを浸漬する。これにより、主面2a,2bに付着する導電性ペーストLの第二方向D2の長さが、第三方向D3における主面2a,2bの両端から中央に向けて減少するように、素体2の端面2c側に導電性ペーストLを付着させる。
【0050】
端面2d側にも同様に導電性ペーストLを付着させた後、素体2に付着させた導電性ペーストLを所定温度(例えば、700℃程度)にて焼き付ける。これにより、電極部分32,33(主面2a,2bにおける端子電極3)の第二方向D2の長さが、第三方向D3における主面2a,2bの両端から中央に向けて減少するように、端面2cの全体及び主面2a,2bの一部を覆う端子電極3が形成される。同様に、電極部分42,43(主面2a,2bにおける端子電極4)の第二方向D2の長さが、第三方向D3における主面2a,2bの両端から中央に向けて減少するように、端面2dの全体及び主面2a,2bの一部を覆う端子電極4が形成される。
【0051】
これらの過程により、上述したチップサーミスタ1が得られる。
【0052】
図6は、
図1のチップサーミスタを備える電子部品装置の端面図である。
図6に示されるように、電子部品装置10は、チップサーミスタ1と、電子機器11と、を備えている。電子機器11は、例えば回路基板又は他の電子部品である。
【0053】
チップサーミスタ1は、電子機器11に実装されている。本実施形態では、チップサーミスタ1は、電子機器11にはんだ実装されている。電子機器11は、主面11aを有している。チップサーミスタ1は、実装面である主面2bと主面11aとが対向するように、電子機器11に配置されている。端子電極3,4は、主面11aに形成された一対のランド電極12にはんだ13により接続されている。一対のランド電極12は、信号配線(不図示)に接続されている。
【0054】
続いて、
図7を参照して、比較例に係るチップサーミスタ50及びチップサーミスタ50の製造方法について説明しながら、本実施形態の作用効果について説明する。
【0055】
図7(a)は、比較例に係るチップサーミスタの斜視図であり、
図7(b)は比較例に係るチップサーミスタの電極形成工程について説明するための図である。
図7(a)に示されるように、比較例に係るチップサーミスタ50は、素体51と、一対の端子電極52,53と、を備えている。チップサーミスタ50は、素体51及び一対の端子電極52,53の形状の点で、
図1に示されるチップサーミスタ1と相違し、その他の点で一致している。即ち、チップサーミスタ50は、チップサーミスタ1と同様に、
図3(c)等に示されるような複数の内部電極5,6と、ダミー内部電極7,8と、特性部Aと、を更に備えている。
【0056】
チップサーミスタ50では、素体51の第一方向D1の長さは均一であり、主面51a,51bは窪みのない平面形状である。また、チップサーミスタ50では、主面51a,51bにおける端子電極52,53は、第三方向D3の中央において、第二方向D2の中央に向かって突出するような(膨らむような)形状を有している。主面51a,51bにおける端子電極52,53の第二方向D2の長さは、第三方向D3における主面51a,51bの両端から中央に向けて増加している。端子電極52,53のこのような形状によれば、端子電極52,53から特性部Aまでの距離が短くなる。これにより、チップサーミスタ50の特性に端子電極52,53の影響が及び易い。
【0057】
これに対し、チップサーミスタ1では、素体2は、主面2a,2bの中央が窪んだ形状を有し、素体2の第一方向D1の長さは、第二方向D2及び第三方向D3における素体2の周縁から中央に向けて減少している。チップサーミスタ1では、主面2a,2bにおける端子電極3,4は、素体2の形状に合わせて形成されており、主面2a,2bにおける端子電極3,4の第二方向D2の長さは、第三方向D3における主面2a,2bの両端から中央に向けて減少している。端子電極3,4のこのような形状によれば、端子電極3,4から特性部Aまでの距離を長くすることができる。これにより、チップサーミスタ1の特性に対する端子電極3,4の影響を抑制することができる。
【0058】
チップサーミスタ1では、特性部Aは、第二方向D2において各端子電極3,4から離間している。即ち、内部電極5の他端5bは、内部電極5と極性が互いに異なる端子電極4から第二方向D2において離間している。内部電極6の他端6bは、内部電極6と極性が互いに異なる端子電極3から第二方向D2において離間している。このため、チップサーミスタ1の特性に対する各端子電極3,4の影響を確実に抑制することができる。
【0059】
チップサーミスタ1では、電極部分32,33,42,43それぞれの第二方向D2の長さが、第三方向D3における主面2a,2bの両端から中央に向けて減少している。このため、チップサーミスタ1の特性に対する端子電極3,4の影響を更に抑制することができる。
【0060】
チップサーミスタ1では、主面2a,2bが窪んでいるので、端子電極3,4が厚く形成される。このため、端子電極3,4の表面にメッキ層を設ける場合、端子電極3,4によるメッキ液に対する主面2a,2bのシールド性が向上する。この結果、主面2a,2b側からのメッキ液の浸入を抑制することができる。
【0061】
比較例に係るチップサーミスタ50の製造方法は、チップ素体の形状を加工する工程を含まない点で、実施形態に係るチップサーミスタ1の製造方法と相違し、その他の点で一致している。チップサーミスタ50の素体51は、この工程を経ずに形成されるため、上述のように主面51a,51bに窪みのない形状となる。
【0062】
図6(b)は、比較例に係るチップサーミスタの製造方法における端子電極を形成する工程について説明するための図である。
図6(b)に示されるように、準備した導電性ペーストL中に素体51の端面を浸漬すると、導電性ペーストLは、素体51の端面側に付着し、主面51a,51bの第三方向D3の中央で高い位置まで上る。これにより、主面51a,51bにおける第二方向D2の長さが第三方向D3における主面51a,51bの両端から中央に向けて増加するような端子電極52,53が形成される。この結果、上述したチップサーミスタ50が得られる。
【0063】
これに対し、チップサーミスタ1の製造方法では、素体2の第一方向D1の長さが、第二方向D2及び第三方向D3における素体2の周縁から中央に向けて減少するように、素体2の形状を加工する工程を有している。これにより、素体2は、主面2a,2bの中央が窪んだ形状となる。したがって、端面2c,2dを導電性ペーストに浸漬すると、主面2a,2bの第三方向D3の中央では、主面2a,2bの窪みにより導電性ペーストLが溜り易く、導電性ペーストLが低い位置までしか上らない。このようにして形成された端子電極3,4の形状によれば、チップサーミスタ1の特性に対する端子電極3,4の影響を抑制することができる。
【0064】
チップサーミスタ1を備える電子部品装置10では、チップサーミスタ1の実装面である主面2bの中央が窪んでいる。特性部Aは、第一方向D1から見て、素体2の中央に配置されている。つまり、主面2bにおいて特性部Aの位置に対応する部分は、電子機器11の主面11aから離間する方向に窪んでいる。
【0065】
本発明は上述した実施形態に限らず、様々な変形が可能である。
【0066】
本発明は、チップサーミスタ1に限られることなく、積層インダクタ、積層バリスタ、積層圧電アクチュエータ、積層サーミスタ、又は積層複合部品等の他の電子部品にも適用できる。
【0067】
特性部Aは、第二方向D2において端子電極3,4から離間していなくてもよい。つまり、特性部Aは、第一方向D1から見て、端子電極3,4と重複していてもよい。この場合であっても、上述したような端子電極3,4の形状によれば、第一方向D1から見て、特性部Aが端子電極3,4と重複する面積を抑制することができる。これにより、チップサーミスタ1の特性に対する端子電極3,4の影響を抑制することができる。
【0068】
チップサーミスタ1では、電極部分32,33,42,43の少なくとも1つにおいて、第二方向D2の長さが、第三方向D3における主面2a,2bの両端から中央に向けて減少していればよい。この場合でも、比較例に比べて、チップサーミスタ1の特性に対する端子電極3,4の影響を抑制することができる。
【0069】
チップサーミスタ1は、ダミー内部電極7,8を備えなくてもよい。内部電極5,6の数はそれぞれ1つ以上であればよい。特性部Aの数は1つ以上であればよい。端子電極3,4は、互いに異なる形状を有していてもよい。内部電極5,6は、互いに異なる形状を有していてもよい。