【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例としての電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、モータ32と、インバータ34と、蓄電装置としてのバッテリ36と、システムメインリレーSMRと、充電用リレーCHRと、充電ユニット40と、充電用電子制御ユニット(以下、「充電ECU」という)46と、照合用電子制御ユニット(以下、「照合ECU」という)50と、メイン電子制御ユニット(以下、「メインECU」という)60と、IGCTリレー62と、を備える。なお、実施例の「駆動システム」としては、モータ32とインバータ34とが相当する。
【0019】
モータ32は、例えば同期発電電動機として構成されており、駆動輪22a,22bにデファレンシャルギヤ24を介して連結された駆動軸26に接続されている。インバータ34は、モータ32の駆動に用いられると共に電力ライン39に接続されている。モータ32は、インバータ34に電圧が作用しているときに、メインECU60によって、インバータ34の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。バッテリ36は、例えば定格電圧が200Vや250Vなどのリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、電力ライン39に接続されている。
【0020】
システムメインリレーSMRは、電力ライン39におけるバッテリ36とインバータ34との間に設けられている。このシステムメインリレーSMRは、メインECU60によってオンオフ制御されることにより、バッテリ36とインバータ34との接続および接続の解除を行なう。
【0021】
充電ユニット40は、電力ライン39におけるバッテリ36よりもインバータ34とは反対側に接続された充電器41と、充電器41に接続された車両側コネクタ42と、を備える。車両側コネクタ42は、自宅や充電ステーションなどの充電ポイントで、外部電源装置としての交流電源装置90に接続された電源装置側コネクタ92と接続可能に構成されている。充電器41は、車両側コネクタ42と電源装置側コネクタ92とが接続されているときに、交流電源装置90からの電力を用いて(交流電力を直流電力に変換して)バッテリ36を充電する外部充電(交流充電)を行なうことができるように構成されている。なお、交流電源装置90は、例えば家庭用電源や工業用電源を有する電源装置として構成されている。交流電源装置90は、電源用電子制御ユニット(以下、「電源ECU」という)94によって制御されている。電源ECU94は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。この電源ECU94は、電気自動車20の充電ECU46と通信可能となっている。
【0022】
充電ECU46は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。充電ECU46には、車両側コネクタ42が電源装置側コネクタ92に接続されているか否かを検知する接続センサ43からの接続信号などが入力ポートを介して入力されている。充電ECU46からは、充電器41への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。充電ECU46は、照合ECU50およびメインECU60と通信可能に接続されている。
【0023】
充電用リレーCHRは、電力ライン39におけるバッテリ36と充電器41との間に設けられている。この充電用リレーCHRは、メインECU60によってオンオフ制御されることにより、バッテリ36と充電器41との接続および接続の解除を行なう。
【0024】
照合ECU50は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。照合ECU50には、スタートスイッチ52からのスタート信号などが入力ポートを介して入力されている。照合ECU50は、充電ECU46およびメインECU60と通信可能に接続されている。
【0025】
メインECU60は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。メインECU60には、各種信号が入力ポートを介して入力されている。メインECU60に入力される信号としては、例えば、モータ32の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサからのモータ32の回転子の回転子の回転位置θmや、バッテリ36の端子間に取り付けられた電圧センサ36aからのバッテリ36の電圧Vb,バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサ36bからのバッテリ36の電流Ibを挙げることができる。また、シフトポジションセンサからのシフトポジションSP,アクセルペダルポジションセンサからのアクセル開度,ブレーキペダルポジションセンサからのブレーキペダルポジション,車速センサからの車速も挙げることができる。メインECU60からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。メインECU60から出力される信号としては、例えば、インバータ34への制御信号や、システムメインリレーSMRへの制御信号,充電用リレーCHRへの制御信号を挙げることができる。メインECU60は、電流センサ36bからのバッテリ36の電流Ibの積算値に基づいてバッテリ36の蓄電割合SOCを演算している。メインECU60は、充電ECU46および照合ECU50と通信可能に接続されている。
【0026】
IGCTリレー62は、メインECU60を起動状態にしたり停止状態にしたりする(図示しない補機バッテリからの電力がメインECU60に供給されるようにしたり供給停止されるようにしたりする)ためのリレーである。このIGCTリレー62は、オフのとき(メインECU60が停止状態のとき)において、スタートスイッチ52のオン操作により照合ECU50からのメインECU60の走行用起動指令の受信を開始したとき(走行用起動指令がオンになったとき)に、オンにされてメインECU60を起動状態にし、その後に、スタートスイッチ52のオフ操作により走行用起動指令の受信を終了したとき(走行用起動指令がオフになったとき)に、オフにされてメインECU60を停止状態にする。また、IGCTリレー62は、オフのときにおいて、スタートスイッチ52がオフで照合ECU50からの後述の充電用第2指令の受信を開始したとき(充電用第2指令がオンになったとき)にも、オンにされてメインECU60を起動状態にし、その後に、後述の
図2の処理ルーチンにより、オフにされてメインECU60を停止状態にする。
【0027】
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、特に、交流電源装置90からの電力を用いてバッテリ36を充電する外部充電(交流充電)を行なう際の動作について説明する。自宅や充電ステーションなどの充電ポイントで、スタートスイッチ52がオフのときに、車両側コネクタ42と電源装置側コネクタ92とが接続されると、充電ECU46は、外部充電用の第1指令としての充電用第1指令の照合ECU50およびメインECU60への送信を開始する(充電用第1指令をオンにする)。照合ECU50は、充電ECU46から充電用第1指令を受信しているとき(充電用第1指令がオンであると認識しているとき)に、外部充電用の第2指令としての充電用第2指令をメインECU60に送信する(充電用第2指令をオンにするまたはオンで保持する)。メインECU60は、照合ECU50からの充電用第2指令の受信を開始したとき(充電用第2指令がオンであるとの認識を開始したとき)に、IGCTリレー62がオンになって起動状態になり、充電用リレーCHRをオンにして、外部充電要求の充電ECU46への送信を開始する(外部充電要求をオンにする)。充電ECU46は、メインECU60からの外部充電要求の受信を開始する(外部充電要求がオンであるとの認識を開始する)と、交流電力供給指示の電源ECU94への送信を開始すると共に、充電器41の制御を開始する。電源ECU94は、交流電力供給指示を受信しているときに、交流電源装置90から交流電力が出力されるように交流電源装置90を制御する。こうして交流電源装置90からの交流電力の出力が開始されると共に充電器41の制御が開始されると、バッテリ36の充電が開始される。メインECU60は、外部充電(交流充電)によってバッテリ36の蓄電割合SOCが閾値Sref(例えば80%や85%,90%など)以上に至って外部充電の終了条件が成立すると、外部充電要求の充電ECU46への送信を終了する(外部充電要求をオフにする)。充電ECU46は、メインECU60からの外部充電要求の受信が終了したり車両側コネクタ42と電源装置側コネクタ92との接続が解除されたりしてメインECU60の停止条件が成立すると、交流電力供給指示の電源ECU94への送信を終了すると共に充電器41の制御を終了する。こうして交流電源装置90からの交流電力の出力が終了すると共に充電器41の制御が終了すると、バッテリ36の充電が終了する。また、充電ECU46は、メインECU60の停止条件が成立すると、充電用第1指令の照合ECU50およびメインECU60への送信を終了する(充電用第1指令をオフにする)。照合ECU50は、充電ECU46からの充電用第1指令の受信が終了する(充電用第1指令がオフであると認識する)と、充電用第2指令のメインECU60への送信を終了する(充電用第2指令をオフにする)。メインECU60は、
図2の処理ルーチンにより、IGCTリレー62をオフにすることによって停止状態になる。
【0028】
なお、実施例では、充電ECU46は、充電用第1指令をオンにした後に、メインECU60の停止条件が成立するまでは、所定間隔T1(例えば1h程度)で充電用第1指令をオンで保持し、メインECU60の停止条件が成立すると、充電用第1指令をオフにする。したがって、照合ECU50およびメインECU60は、所定間隔T1または充電用第1指令がオフになったときに、充電用第1指令がオンかオフかを認識する。
【0029】
また、実施例では、照合ECU50は、所定間隔T1よりも短い所定間隔T2(例えば数msec程度)で、充電用第1指令がオンであると認識しているときには、充電用第2指令をオンにしまたはオンで保持し、充電用第1指令がオフであると認識しているときや、照合ECU50のリセット(再起動)中,照合ECU50のリセット完了後であるが充電用第1指令がオンであると認識していない(オンとオフとの何れとも認識していないときを含む)ときには、充電用第2指令をオフにするまたはオフで保持する。したがって、メインECU60は、所定間隔T2で充電用第2指令がオンかオフかを認識する。
【0030】
さらに、実施例では、メインECU60は、起動状態のときにおいて、外部充電要求をオンにした後に、外部充電の終了条件が成立するまでは、所定間隔T3(例えば所定間隔T1と同一間隔)で外部充電要求を保持し、外部充電の終了条件が成立すると、外部充電要求をオフにする。したがって、充電ECU46は、所定間隔T1または外部充電要求がオフになったときに、外部充電要求がオンかオフかを認識する。
【0031】
図2は、メインECU60により実行される処理ルーチンの一例を示すチャートである。このルーチンは、メインECU60が起動状態で充電用リレーCHRをオンで保持しているときに所定間隔T0(例えば所定間隔T2と同一間隔)で繰り返し実行される。
【0032】
図2の処理ルーチンが実行されると、メインECU60は、まず、充電用第1指令がオンで且つ充電用第2指令がオフであると認識している第1条件が成立しているか否かを判定する(ステップS100)。そして、第1条件が成立しているときには、照合ECUリセットモードをオンにし又はオンで保持し(ステップS110)、第1条件が成立していないときには、ステップS110の処理を実行しない、即ち、照合ECUリセットモードをオンまたはオフで保持する。ここで、第1条件が成立するときとしては、照合ECU50のリセット(再起動)が開始されて照合ECU50が充電用第2指令をオフにしてから、照合ECU50のリセットの完了後に照合ECU50が充電用第1指令がオンであると認識して充電用第2指令を再度オンにするまで、の間を考えることができる。
【0033】
続いて、充電用第2指令がオンであると認識している第2条件が成立しているか否かを判定する(ステップS120)。そして、第2条件が成立しているときには、照合ECUリセットオードをオフにし又はオフで保持し(ステップS130)、第2条件が成立していないときには、ステップS130の処理を実行しない、即ち、照合ECUリセットモードをオンまたはオフで保持する。
【0034】
次に、照合ECUリセットモードがオンかオフかを判定し(ステップS140)、照合ECUリセットモードがオフのときには、充電用第2指令がオフであると認識している第3条件が成立しているか否かを判定する(ステップS150)。そして、第3条件が成立していないときには、本ルーチンを終了する。この場合、充電用リレーCHRをオンで保持すると共に、IGCTリレー62をオンで保持することによってメインECU60を起動状態で保持する。
【0035】
ステップS150で第3条件が成立しているときには、充電用リレーCHRをオフにして(ステップS160)、IGCTリレー62をオフにすることによってメインECU60を停止状態にして(ステップS170)、本ルーチンを終了する。照合ECUリセットモードがオフで第3条件が成立する場合としては、メインECU60の停止条件が成立して充電用第1指令がオフになり、これに応じて充電用第2指令がオフになった場合を考えることができる。
【0036】
ステップS140で照合ECUリセットモードがオンのときには、充電用第1指令がオフで且つ充電用第2指令がオフであると認識している第4条件が成立しているか否かを判定する(ステップS180)。そして、第4条件が成立していないときには、本ルーチンを終了する。この場合、充電用リレーCHRをオンで保持すると共に、IGCTリレー62をオンで保持することによってメインECU60を起動状態で保持する。
【0037】
したがって、メインECU60は、外部充電中に、照合ECU50のリセット(再起動)が開始されて充電用第2指令がオフになったときには、照合ECUリセットモードをオンにする。そして、メインECU60は、照合ECUリセットモードのときにおいて、充電用第2指令がオフでも、充電用第1指令がオンのときには、起動状態を保持してバッテリ36の管理を継続すると共に、充電用リレーCHRをオンで保持する。これにより、外部充電を継続することができる。即ち、外部充電が途中で終了してしまう(バッテリ36が十分に充電されない)のを抑制することができる。
【0038】
ステップS180で第4条件が成立しているときには、充電用リレーCHRをオフにして(ステップS190)、IGCTリレー62をオフにすることによってメインECU60を停止状態にして(ステップS200)、本ルーチンを終了する。照合ECUリセットモードがオンで第4条件が成立する場合としては、メインECU60の停止条件が成立して充電用第1指令がオフになったときに、充電用第2指令がオフの場合(照合ECU50がリセット中の場合や、照合ECU50のリセット完了後で照合ECU50が充電用第1指令がオンであると認識していない場合)を考えることができる。
【0039】
図3は、外部充電(交流充電)の際の様子の一例を示す説明図である。図示するように、車両側コネクタ42と電源装置側コネクタ92とが接続されて充電ECU46からの充電用第1指令がオンになると(時刻t11)、照合ECU50からの充電用第2指令がオンになり、IGCTリレー62がオンになってメインECU60が起動状態になる。そして、メインECU60は、充電用リレーCHRをオンにして、外部充電要求をオンにする。すると、交流電源装置90からの交流電力の出力と充電ECU46による充電器41の制御とが開始され、バッテリ36の充電が開始される。外部充電中に照合ECU50のリセット(再起動)が開始すると(時刻t12)、充電用第2指令がオフになり、照合ECUリセットモードがオンになる。照合ECUリセットモードでは、充電用第2指令がオフでも充電用第1指令がオンのときには、IGCTリレー62をオンで保持することによってメインECU60を起動状態で保持し、充電用リレーCHRをオンで保持する。これにより、外部充電を継続することができる。即ち、外部充電が途中で終了してしまう(バッテリ36が十分に充電されない)のを抑制することができる。そして、照合ECU50のリセットの完了後に(時刻t13)、照合ECU50が充電用第1指令がオンであることを認識すると(時刻t14)、充電用第2指令がオンになり、照合ECUリセットモードがオフになる。その後に、外部充電の終了条件が成立して外部充電要求がオフになると(時刻t15)、メインECU60の停止条件が成立して充電用第1指令がオフになり、充電用第2指令がオフになり、メインECU60は、充電用リレーCHRをオフにして、IGCTリレー62をオフにすることによって停止状態になる。
【0040】
以上説明した実施例の電気自動車20では、外部充電(交流充電)用にメインECU60が起動状態で充電用リレーCHRをオンで保持しているときにおいて、メインECU60は、照合ECU50から充電用第2指令を受信しなくなったとき(充電用第2指令がオフになったとき)でも充電ECU46から充電用第1指令を受信しているとき(充電用第1指令がオンのとき)には、起動状態を保持してバッテリ36の管理を継続すると共に、充電用リレーCHRをオンで保持する。これにより、外部充電を継続することができる。即ち、外部充電が途中で終了してしまう(バッテリ36が十分に充電されない)のを抑制することができる。
【0041】
実施例の電気自動車20では、メインECU60は、IGCTリレー62のオンオフによって起動状態になったり停止状態になったりするものとしたが、常時、起動状態になっているものとしてもよい。この場合、
図2の処理ルーチンにおいて、ステップS170,S200の処理を実行しないものとすればよい。こうすれば、外部充電用に充電用リレーCHRをオンで保持しているときにおいて、メインECU60は、充電用第2指令がオフになったときでも充電用第1指令がオンのときには、充電用リレーCHRをオンで保持する。これにより、外部充電(交流充電)を継続することができる。即ち、外部充電が途中で終了してしまう(バッテリ36が十分に充電されない)のを抑制することができる。
【0042】
実施例の電気自動車20では、充電ECU46は、
図2の処理ルーチンを実行するものとしたが、
図2の処理ルーチンのステップS100〜S170の処理を実行せずにステップS180〜S200の処理を実行するものとしてもよい。この場合でも、実施例と同様に、メインECU60は、充電用第2指令がオフになったときでも充電用第1指令がオンのときには、起動状態を保持してバッテリ36の管理を継続すると共に、充電用リレーCHRをオンで保持する。したがって、外部充電を継続することができる。即ち、外部充電が途中で終了してしまう(バッテリ36が十分に充電されない)のを抑制することができる。
【0043】
実施例の電気自動車20では、充電器41と車両側コネクタ42とを有する充電ユニット40と、充電用リレーCHRと、を備える電気自動車20の構成とした。しかし、
図4の変形例の電気自動車20Bに示すように、電気自動車20のうち充電ユニット40および充電用リレーCHRを備えずに、代わりに、車両側コネクタ42Bを有する充電ユニット40Bと、充電用リレーDCRと、を備えるものとしてもよい。以下、重複した説明を省略するために、電気自動車20Bのうち電気自動車20と同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0044】
充電ユニット40Bの車両側コネクタ42Bは、電力ライン39におけるシステムメインリレーSMRとインバータ34との間に接続されており、自宅や充電ステーションなどの充電ポイントで、外部電源装置としての直流電源装置90Bに接続された電源装置側コネクタ92Bと接続可能に構成されている。なお、直流電源装置90Bは、例えば家庭用電源や工業用電源からの交流電力を直流電力に変換して電気自動車20に供給可能な電源装置として構成されている。直流電源装置90Bは、電源ECU94Bによって制御されている。電源ECU94Bは、電源ECU94と同様に、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。この電源ECU94Bは、電気自動車20Bの充電ECU46と通信可能となっている。
【0045】
充電用リレーDCRは、電力ライン39におけるシステムメインリレーSMRやインバータ34側と車両側コネクタ42B側との間に設けられており、メインECU60によってオンオフ制御されることにより、システムメインリレーSMRやインバータ34側と車両側コネクタ42B側との接続および接続の解除を行なう。
【0046】
充電ECU46には、車両側コネクタ42Bが電源装置側コネクタ92Bに接続されているか否かを検知する接続センサ43Bからの接続信号も入力ポートを介して入力されている。メインECU60からは、充電用リレーDCRへの制御信号も出力ポートを介して出力されている。
【0047】
次に、こうして構成された電気自動車20Bの動作、特に、直流電源装置90Bからの電力を用いてバッテリ36を充電する外部充電(直流充電)を行なう際の動作について説明する。自宅や充電ステーションなどの充電ポイントで、スタートスイッチ52がオフのときに、車両側コネクタ42Bと電源装置側コネクタ92Bとが接続されると、充電ECU46は、充電用第1指令の照合ECU50およびメインECU60への送信を開始する(充電用第1指令をオンにする)。照合ECU50は、充電ECU46から充電用第1指令を受信しているとき(充電用第1指令がオンであると認識しているとき)に、充電用第2指令をメインECU60に送信する(充電用第2指令をオンにするまたはオンで保持する)。メインECU60は、照合ECU50からの充電用第2指令の受信を開始したとき(充電用第2指令がオンであるとの認識を開始したとき)に、IGCTリレー62がオンになって起動状態になり、システムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRをオンにして、外部充電要求の充電ECU46への送信を開始する(外部充電要求をオンにする)。充電ECU46は、メインECU60からの外部充電要求の受信を開始する(外部充電要求がオンであるとの認識を開始する)と、直流電力供給指示の電源ECU94Bへの送信を開始する。電源ECU94Bは、直流電力供給指示を受信しているときに、直流電源装置90Bから直流電力が出力されるように直流電源装置90Bを制御する。こうして直流電源装置90Bからの直流電力の出力が開始されると、バッテリ36の充電が開始される。メインECU60は、外部充電(直流充電)によってバッテリ36の蓄電割合SOCが閾値Sref以上に至って外部充電の終了条件が成立すると、外部充電要求の充電ECU46への送信を終了する(外部充電要求をオフにする)。充電ECU46は、メインECU60からの外部充電要求の受信が終了したり車両側コネクタ42と電源装置側コネクタ92との接続が解除されたりしてメインECU60の停止条件が成立すると、直流電力供給指示の電源ECU94Bへの送信を終了する。こうして直流電源装置90Bからの直流電力の出力が終了すると、バッテリ36の充電が終了する。また、充電ECU46は、メインECU60の停止条件が成立したと判定すると、充電用第1指令の照合ECU50およびメインECU60への送信を終了する(充電用第1指令をオフにする)。照合ECU50は、充電ECU46からの充電用第1指令の受信が終了する(充電用第1指令がオフであると認識する)と、充電用第2指令のメインECU60への送信を終了する(充電用第2指令をオフにする)。メインECU60は、
図5の処理ルーチンにより、IGCTリレー62をオフにすることによって停止状態になる。なお、充電用第1指令や充電用第2指令,外部充電要求の送信間隔や認識間隔は、実施例と同様である。
【0048】
図5は、メインECU60により実行される処理ルーチンの一例を示すチャートである。このルーチンは、メインECU60が起動状態でシステムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRをオンで保持しているときに所定間隔T0で繰り返し実行される。
図5の処理ルーチンは、ステップS160,S190の処理に代えてステップS160B,S190Bの処理を実行する点、即ち、充電用リレーCHRをオフにするのに代えてシステムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRをオフにする点を除いて、
図2の処理ルーチンと同一である。
【0049】
したがって、メインECU60は、外部充電中に、照合ECU50のリセット(再起動)が開始されて充電用第2指令がオフになったときには、照合ECUリセットモードをオンにする。そして、メインECU60は、照合ECUリセットモードのときにおいて、充電用第2指令がオフでも、充電用第1指令がオンのときには、起動状態を保持してバッテリ36の管理を継続すると共に、システムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRをオンで保持する。これにより、外部充電を継続することができる。即ち、外部充電が途中で終了してしまう(バッテリ36が十分に充電されない)のを抑制することができる。
【0050】
この変形例の電気自動車20Bでは、メインECU60は、IGCTリレー62のオンオフによって起動状態になったり停止状態になったりするものとしたが、常時、起動状態になっているものとしてもよい。この場合、
図5の処理ルーチンにおいて、ステップS170,S200の処理を実行しないものとすればよい。こうすれば、外部充電(直流充電)用にシステムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRをオンで保持しているときにおいて、メインECU60は、充電用第2指令がオフになったときでも充電用第1指令がオンのときには、システムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRで保持する。これにより、外部充電(直流充電)を継続することができる。即ち、外部充電が途中で終了してしまう(バッテリ36が十分に充電されない)のを抑制することができる。
【0051】
また、変形例の電気自動車20Bでは、メインECU60は、
図5の処理ルーチンを実行するものとしたが、
図5の処理ルーチンのステップS100〜S170の処理を実行せずにステップS180〜S200の処理を実行するものとしてもよい。この場合でも、変形例の電気自動車20Bと同様に、メインECU60は、充電用第2指令がオフになったときでも充電用第1指令がオンのときには、起動状態を保持してバッテリ36の管理を継続すると共に、システムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRをオンで保持する。したがって、外部充電を継続することができる。即ち、外部充電が途中で終了してしまう(バッテリ36が十分に充電されない)のを抑制することができる。
【0052】
実施例や変形例の電気自動車20,20Bでは、充電ECU46は、充電用第1指令をオンにした後に、メインECU60の停止条件が成立するまでは、所定間隔T1で充電用第1指令をオンで保持し、メインECU60の停止条件が成立すると、充電用第1指令をオフにするものとした。また、照合ECU50は、所定間隔T2で、充電用第1指令がオンであると認識しているときには、充電用第2指令をオンにしまたはオンで保持し、充電用第1指令がオフであると認識しているときや、照合ECU50のリセット中,照合ECU50のリセット完了後であるが充電用第1指令がオンであると認識していないときには、充電用第2指令をオフにするまたはオフで保持するものとした。しかし、充電ECU46が充電用第1指令をオンで保持する間隔と、照合ECU50が充電用第2指令をオンまたはオフにする間隔と、を同一間隔(例えば所定間隔T2)とするものとしてもよい。
【0053】
実施例の電気自動車20では、充電ユニット40と、充電ユニット40とバッテリ36との間に設けられた充電用リレーCHRと、を備えるものとした。また、変形例の電気自動車20Bでは、充電ユニット40Bと、充電ユニット40Bとバッテリ36との間に設けられたシステムメインリレーSMRおよび充電用リレーDCRと、を備えるものとした。しかし、充電ユニット40,40BとシステムメインリレーSMRと充電用リレーCHR,DCRとを備えるものとしてもよい。
【0054】
実施例や変形例の電気自動車20,20Bでは、蓄電装置として、バッテリ36を用いるものとしたが、キャパシタを用いるものとしてもよい。
【0055】
実施例や変形例の電気自動車20,20Bでは、駆動システムとして、駆動輪22a,22bに連結された駆動軸26に接続されたモータ32と、モータ32を駆動すると共にバッテリ36と電力をやりとりするインバータ34と、を備えるものとした。しかし、駆動システムとして、このモータ32およびインバータ34に加えて、駆動軸26にプラネタリギヤを介して接続されたエンジンおよび発電機と、発電機を駆動すると共にバッテリ36と電力をやりとりする発電機用インバータと、を備えるものとしてもよい。また、駆動システムとして、モータ32およびインバータ34に加えて、エンジンと、エンジンの出力軸に接続された発電機と、発電機を駆動すると共にバッテリ36と電力をやりとりする発電機用インバータと、を備えるものとしてもよい。さらに、駆動システムとして、モータ32およびインバータ34に加えて、モータ32とバッテリ36との間に設けられた変速機と、モータ32の変速機とは反対側にクラッチを介して接続されたエンジンと、を備えるものとしてもよい。
【0056】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。第1および第2の自動車と実施例との関係では、バッテリ36が「蓄電装置」に相当し、充電ユニット40が「充電ユニット」に相当し、充電ECU46が「第1制御装置」に相当し、照合ECU50が「第2制御装置」に相当し、メインECU60が「第3制御装置」に相当する。また、第2の自動車と実施例との関係では、充電用リレーCHRやシステムメインリレーSMR,充電用リレーDCRが「リレー」に相当する。
【0057】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0058】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。