特許第6551490号(P6551490)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551490
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】油圧装置
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/044 20060101AFI20190722BHJP
   F15B 11/10 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   F15B11/044
   F15B11/10
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-213093(P2017-213093)
(22)【出願日】2017年11月2日
(65)【公開番号】特開2019-86045(P2019-86045A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2018年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(74)【代理人】
【識別番号】100183232
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 敏行
(72)【発明者】
【氏名】上林 淳浩
【審査官】 加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−166199(JP,A)
【文献】 特開平11−287206(JP,A)
【文献】 特開2015−068389(JP,A)
【文献】 実開平04−039303(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00−11/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプ(P1)と、
上記油圧ポンプ(P1)を駆動するモータ(M1)と、
上記モータ(M1)により駆動された上記油圧ポンプ(P1)から流入側ポートに作動油が供給される油圧シリンダ(100)と、
上記油圧シリンダ(100)のロッドの位置を検出する位置センサ(60)と、
上記位置センサ(60)の出力に基づいて、上記モータ(M1)を制御して上記油圧ポンプ(P1)から上記油圧シリンダ(100)の流入側ポートに供給される作動油の流量を制御するコントローラ(50,50A)と、
上記位置センサ(60)の出力に基づいて、上記油圧シリンダ(100)の流出側ポートの圧力を制御して上記油圧シリンダ(100)に対してブレーキ制御を行う圧力制御回路(30,91,92,M2,P2)と
を備えることを特徴とする油圧装置。
【請求項2】
油圧ポンプ(P1)と、
上記油圧ポンプ(P1)を駆動するモータ(M1)と、
上記モータ(M1)により駆動された上記油圧ポンプ(P1)から流入側ポートに作動油が供給される油圧シリンダ(100)と、
上記油圧シリンダ(100)のロッドの位置を検出する位置センサ(60)と、
上記位置センサ(60)の出力に基づいて、上記モータ(M1)を制御して上記油圧ポンプ(P1)から上記油圧シリンダ(100)の流入側ポートに供給される作動油の流量を制御するコントローラ(50,50A)と、
上記位置センサ(60)の出力に基づいて、上記油圧シリンダ(100)の流出側ポートの圧力を制御する圧力制御回路(30,91,92,M2,P2)と
を備え、
上記圧力制御回路は、
上記位置センサ(60)の出力に基づいて外部の油圧源(80)から供給される作動油の圧力を制御する圧力制御弁(30)を有し、
上記圧力制御弁(30)により制御された作動油の圧力を用いて上記油圧シリンダ(100)の流出側ポートの圧力を制御することを特徴とする油圧装置。
【請求項3】
油圧ポンプ(P1)と、
上記油圧ポンプ(P1)を駆動するモータ(M1)と、
上記モータ(M1)により駆動された上記油圧ポンプ(P1)から流入側ポートに作動油が供給される油圧シリンダ(100)と、
上記油圧シリンダ(100)のロッドの位置を検出する位置センサ(60)と、
上記位置センサ(60)の出力に基づいて、上記モータ(M1)を制御して上記油圧ポンプ(P1)から上記油圧シリンダ(100)の流入側ポートに供給される作動油の流量を制御するコントローラ(50,50A)と、
上記位置センサ(60)の出力に基づいて、上記油圧シリンダ(100)の流出側ポートの圧力を制御する圧力制御回路(30,91,92,M2,P2)と
を備え、
上記圧力制御回路は、
上記油圧シリンダ(100)の流出側ポートに吐出ポートが接続される第2の油圧ポンプ(P2)と、
上記第2の油圧ポンプ(P2)を駆動する第2のモータ(M2)と
を有すると共に、
上記位置センサ(60)の出力に基づいて、上記第2のモータ(M2)を制御して上記油圧シリンダ(100)の流出側ポートの圧力を制御する第2のコントローラ(50B)を備えることを特徴とする油圧装置。
【請求項4】
請求項3に記載の油圧装置において、
上記圧力制御回路は、
上記第2の油圧ポンプ(P2)の吐出ポートと上記油圧シリンダ(100)の流出側ポートとの間に配設され、上記第2の油圧ポンプ(P2)から上記油圧シリンダ(100)への作動油の流れのみを許容する逆止弁(91)と、
上記逆止弁の上記油圧シリンダ(100)側とタンク(70)との間に配設され、上記第2のコントローラ(50B)により制御された上記第2の油圧ポンプ(P2)から吐出される作動油の圧力に基づいて、上記油圧シリンダ(100)の流出側ポートの圧力を制御する圧力制御弁(92)と
を有することを特徴とする油圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、油圧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、油圧装置としては、サーボ弁を用いて油圧シリンダを制御するものがある(例えば、特開2011−11521号公報(特許文献1)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−11521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなサーボ弁を用いて油圧シリンダを制御する油圧装置において、油圧シリンダのピストンの両側にロッドを有する構成とした場合、メータインとメータアウトの流量比が1:1の構成では、油圧シリンダの良好な制御が可能である。
【0005】
しかしながら、上記サーボ弁を用いた油圧装置では、サーボ弁のメータイン側とメータアウト側の両方に絞りがあり、油圧シリンダに作動油を供給する油圧ポンプを常時回転させて油圧を発生させることで余剰油が多くなるため、エネルギー消費が大きいという問題や、サーボ弁の絞りにより流量が制限されて油圧シリンダを高速駆動するのに必要な流量が得られないため、油圧シリンダを高速で駆動できないという問題がある。
【0006】
また、上記サーボ弁を用いた油圧装置において、サーボ弁の絞りを大きく開いて油圧シリンダの高速駆動を可能にしようとすると、油圧シリンダの位置制御を高い精度で行うことができないという問題がある。
【0007】
また、上記サーボ弁を用いた油圧装置において、油圧シリンダのピストンの片側にロッドを有する構成とした場合、油圧ポンプを駆動するモータの回転制御では、油圧シリンダのピストンの両端面の面積差があるために油圧シリンダの良好な制御が困難になり、油圧シリンダのピストンの両端面の面積差に応じてサーボ弁を個々に設計する必要がある。
【0008】
さらに、上記サーボ弁を用いた油圧装置では、外力による背圧制御を行おうとした場合、サーボ弁とは別に背圧制御回路を構成するか、または、制御弁を追加してメータイン側をブロックする必要があり、回路構成が複雑になるという問題がある。
【0009】
そこで、この発明の課題は、サーボ弁を用いることなく、簡単な構成で省エネルギー化と高速駆動と高精度位置制御および背圧制御が可能な油圧装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の一態様に係る油圧装置は、
油圧ポンプと、
上記油圧ポンプを駆動するモータと、
上記モータにより駆動された上記油圧ポンプから流入側ポートに作動油が供給される油圧シリンダと、
上記油圧シリンダのロッドの位置を検出する位置センサと、
上記位置センサの出力に基づいて、上記モータを制御して上記油圧ポンプから上記油圧シリンダの流入側ポートに供給される作動油の流量を制御するコントローラと、
上記位置センサの出力に基づいて、上記油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御して上記油圧シリンダに対してブレーキ制御を行う圧力制御回路と
を備えることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、油圧シリンダのロッドの位置を検出する位置センサの出力に基づいて、コントローラによりモータの回転速度を制御して、モータにより駆動された油圧ポンプから油圧シリンダの流入側ポートに供給される作動油の流量を制御することにより、油圧シリンダに対して加速制御を行う。また、上記位置センサの出力に基づいて、圧力制御回路により油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御して、油圧シリンダに対してブレーキ制御を行う。このように、油圧シリンダの流入側の加速と流出側のブレーキをそれぞれ自在に制御する2自由度の制御系を構成できる。
【0012】
これにより、サーボ弁を用いることなく、簡単な構成で省エネルギー化と高速駆動と高精度位置制御および背圧制御を行うことができる。
【0013】
また、この発明の一態様に係る油圧装置は、
油圧ポンプと、
上記油圧ポンプを駆動するモータと、
上記モータにより駆動された上記油圧ポンプから流入側ポートに作動油が供給される油圧シリンダと、
上記油圧シリンダのロッドの位置を検出する位置センサと、
上記位置センサの出力に基づいて、上記モータを制御して上記油圧ポンプから上記油圧シリンダの流入側ポートに供給される作動油の流量を制御するコントローラと、
上記位置センサの出力に基づいて、上記油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御する圧力制御回路と
を備え、
上記圧力制御回路は、
上記位置センサの出力に基づいて外部の油圧源から供給される作動油の圧力を制御する圧力制御弁を有し、
上記圧力制御弁により制御された作動油の圧力を用いて上記油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御する。
【0014】
上記構成によれば、油圧シリンダのロッドの位置を検出する位置センサの出力に基づいて、コントローラによりモータの回転速度を制御して、モータにより駆動された油圧ポンプから油圧シリンダの流入側ポートに供給される作動油の流量を制御することにより、油圧シリンダに対して加速制御を行う。また、上記位置センサの出力に基づいて、圧力制御回路により油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御して、油圧シリンダに対してブレーキ制御を行う。このように、油圧シリンダの流入側の加速と流出側のブレーキをそれぞれ自在に制御する2自由度の制御系を構成できる。また、圧力制御回路の圧力制御弁により位置センサの出力に基づいて外部の油圧源から供給される作動油の圧力を制御する。この圧力制御弁により制御された作動油の圧力を用いて、圧力制御回路は、位置センサの出力に基づいて油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御して、油圧シリンダの流出側のブレーキ制御を良好に行うことができる。
【0015】
また、この発明の一態様に係る油圧装置では、
油圧ポンプと、
上記油圧ポンプを駆動するモータと、
上記モータにより駆動された上記油圧ポンプから流入側ポートに作動油が供給される油圧シリンダと、
上記油圧シリンダのロッドの位置を検出する位置センサと、
上記位置センサの出力に基づいて、上記モータを制御して上記油圧ポンプから上記油圧シリンダの流入側ポートに供給される作動油の流量を制御するコントローラと、
上記位置センサの出力に基づいて、上記油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御する圧力制御回路と
を備え、
上記圧力制御回路は、
上記油圧シリンダの流出側ポートに吐出ポートが接続される第2の油圧ポンプと、
上記第2の油圧ポンプを駆動する第2のモータと
を有すると共に、
上記位置センサの出力に基づいて、上記第2のモータを制御して上記油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御する第2のコントローラを備える。
【0016】
上記構成によれば、油圧シリンダのロッドの位置を検出する位置センサの出力に基づいて、コントローラによりモータの回転速度を制御して、モータにより駆動された油圧ポンプから油圧シリンダの流入側ポートに供給される作動油の流量を制御することにより、油圧シリンダに対して加速制御を行う。また、上記位置センサの出力に基づいて、圧力制御回路により油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御して、油圧シリンダに対してブレーキ制御を行う。このように、油圧シリンダの流入側の加速と流出側のブレーキをそれぞれ自在に制御する2自由度の制御系を構成できる。また、第2のコントローラによって、位置センサの出力に基づいて圧力制御回路の第2のモータの回転速度を制御することにより、油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御して、油圧シリンダの流出側のブレーキ制御の制御性を向上できる。
【0017】
また、一実施形態の油圧装置では、
上記圧力制御回路は、
上記第2の油圧ポンプの吐出ポートと上記油圧シリンダの流出側ポートとの間に配設され、上記第2の油圧ポンプから上記油圧シリンダへの作動油の流れのみを許容する逆止弁と、
上記逆止弁の上記油圧シリンダ側とタンクとの間に配設され、上記第2のコントローラにより制御された上記第2の油圧ポンプから吐出される作動油の圧力に基づいて、上記油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御する圧力制御弁と
を有する。
【0018】
上記実施形態によれば、圧力制御回路の逆止弁は、第2の油圧ポンプの吐出ポートと油圧シリンダの流出側ポートとの間に配設され、第2の油圧ポンプから油圧シリンダへの作動油の流れのみを許容する。そして、圧力制御回路の第2のコントローラによって、位置センサの出力に基づいて圧力制御回路の第2のモータの回転速度を制御することにより、第2の油圧ポンプから吐出される作動油の圧力に基づいて、逆止弁の油圧シリンダ側とタンクとの間に配設された圧力制御弁により油圧シリンダの流出側ポートの圧力を制御する。これにより、第2の油圧ポンプで油圧シリンダの流出側ポートの圧力を直接制御するよりも第2の油圧ポンプの能力を小さくできる。
【発明の効果】
【0019】
以上より明らかなように、この発明によれば、油圧シリンダのロッドの位置を検出する位置センサの出力に基づいて、油圧ポンプから油圧シリンダの流入側ポートに供給される作動油の流量制御により油圧シリンダに対して加速制御を行いつつ、圧力制御回路により油圧シリンダの流出側ポートの圧力制御により油圧シリンダに対してブレーキ制御を行うことによって、サーボ弁を用いることなく、簡単な構成で省エネルギー化と高速駆動と高精度位置制御および背圧制御が可能な油圧装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1はこの発明の第1実施形態の油圧装置の概略ブロック図である。
図2図2はこの発明の第2実施形態の油圧装置の概略ブロック図である。
図3図3はこの発明の第3実施形態の油圧装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の油圧装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0022】
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の油圧装置の概略ブロック図を示している。この油圧装置は、射出成形機、プレス機、工作機械などの産業機械(主機)に用いられる。
【0023】
この第1実施形態の油圧装置は、図1に示すように、作動油を吸入して吐出する油圧ポンプP1と、油圧ポンプP1を駆動するモータM1と、油圧ポンプPから作動油が供給される油圧シリンダ100と、油圧ポンプP1の吐出圧を検出する圧力センサPS1と、第1方向制御弁10(4ポート3位置)と、第2方向制御弁20(3ポート2位置)と、電磁比例圧力制御弁30と、位置制御コントローラ40と、モータM1を制御するコントローラ50と、油圧シリンダ100のロッド101の現在位置を検出する位置センサ60と、作動油を貯えたタンク70とを備えている。油圧シリンダ100は、片ロッド油圧シリンダであり、ヘッド側ポート110とロッド側ポート120を有している。
【0024】
上記電磁比例圧力制御弁30は圧力制御回路の一例である。
【0025】
上記油圧ポンプP1の吐出ポートを第1方向制御弁10のポンプポート13に接続している。第1方向制御弁10のタンクポート14をタンク70に接続している。また、第1方向制御弁10の負荷ポート11を油圧シリンダ100のヘッド側ポート110に接続している。また、第2方向制御弁20の第2ポート22を第1方向制御弁10の負荷ポート12に接続している。
【0026】
上記第1方向制御弁10のソレノイドsol1,sol2の両方が非励磁の場合、第1方向制御弁10は中央の切り換え位置となり、負荷ポート11,12とポンプポート13とタンクポート14は閉鎖状態となる。一方、第1方向制御弁10のソレノイドsol1を励磁した場合、第1方向制御弁10は左側の切り換え位置となり、負荷ポート11とポンプポート13とが連通し、負荷ポート12とタンクポート14とが連通する。他方、第1方向制御弁10のソレノイドsol2を励磁した場合、第1方向制御弁10は右側の切り換え位置となり、負荷ポート11とタンクポート14とが連通し、負荷ポート12とポンプポート13とが連通する。
【0027】
また、第2方向制御弁20の第1ポート21を油圧シリンダ100のロッド側ポート120に接続している。また、第2方向制御弁20の第3ポート23を電磁比例圧力制御弁30に接続している。
【0028】
上記第2方向制御弁20のソレノイドsol3が非励磁の場合、第2方向制御弁20は左側の切り換え位置となり、第1ポート21と第2ポート22とが連通し、第3ポート23は閉鎖状態となる。一方、第2方向制御弁20のソレノイドsol3を励磁した場合、第2方向制御弁20は、右側の切り換え位置となり、第1ポート21と第3ポート23とが連通し、第2ポート22は状態となる。
【0029】
上記電磁比例圧力制御弁30は、比例減圧弁310(3ポート2位置)と、電磁比例リリーフ弁320とを有する。
【0030】
上記比例減圧弁310の第1ポート311に第2方向制御弁20の第3ポート23を接続している。また、比例減圧弁310のタンクポート312にタンク70を接続している。また、比例減圧弁310の第2ポート313に外部の油圧源80を接続している。
【0031】
また、比例減圧弁310の第1ポート311と第1パイロットポート314を絞り330を介して接続している。さらに、比例減圧弁310の第2ポート313と第2パイロットポート315を絞り340を介して接続している。
【0032】
また、比例減圧弁310の第2パイロットポート315を電磁比例リリーフ弁320のポート321に接続している。また、電磁比例リリーフ弁320のタンクポート322にタンク70に接続している。この電磁比例リリーフ弁320は、コントローラ50からの圧力制御信号によりソレノイドsol4が励磁される。この圧力制御信号は、位置センサ60の出力に基づいてコントローラ50から出力される。
【0033】
なお、この実施形態では、圧力制御信号をコントローラ50から出力したが、位置制御コントローラ40から出力するようにしてもよい。
【0034】
上記電磁比例圧力制御弁30は、電磁比例リリーフ弁320のソレノイドsol4の励磁電流の大小により比例減圧弁310の第2パイロットポート315の圧力が増減し、電磁比例リリーフ弁320の励磁電流が大きいほど、外部の油圧源80から供給される作動油の圧力により比例減圧弁310の第1ポート311の圧力が上がる。
【0035】
上記位置制御コントローラ40は、主機コントローラ(図示せず)からの動作情報(目標位置を含む)や流量指令信号,圧力指令信号および位置センサ60の出力(現在位置)に基づいて、第1方向制御弁10と第2方向制御弁20と電磁比例圧力制御弁30などを制御する。
【0036】
また、コントローラ50は、位置制御コントローラ40からの流量指令信号,圧力指令信号および圧力センサPS1の出力に基づいてモータM1を制御する。
【0037】
上記構成の油圧装置において、油圧シリンダ100のピストン102が最もヘッド側ポート110の側に位置する状態で、位置制御コントローラ40は、第1方向制御弁10のソレノイドsol1を励磁して、第1方向制御弁10を左側の切り換え位置とすると共に、第2方向制御弁20のソレノイドsol3を励磁せず、第2方向制御弁20を左側の切り換え位置とする。
【0038】
これにより、油圧シリンダ100のヘッド側ポート110(流入側ポート)が、第1方向制御弁10を介して油圧ポンプP1の吐出ポートに接続される。また、油圧シリンダ100のロッド側ポート120(流出側ポート)が、第2方向制御弁20を介してタンク70に接続される。
【0039】
そして、位置制御コントローラ40からの流量指令信号,圧力指令信号および圧力センサPS1の出力に基づいて、コントローラ50によりモータM1の回転速度を制御して、油圧シリンダ100のピストン102を高速で右方向に移動させた後に低速で移動させる。
【0040】
この低速移動の途中で第2方向制御弁20のソレノイドsol3を励磁して、第2方向制御弁20を左側の切り換え位置に切り換える。これにより、油圧シリンダ100のロッド側ポート120(流出側ポート)が電磁比例圧力制御弁30に接続される。
【0041】
そうして、位置センサ60の出力に基づいて、コントローラ50によりモータM1の回転速度を制御しつつ電磁比例圧力制御弁30を制御して、油圧シリンダ100のロッド101を目標位置に移動させる。
【0042】
このとき、モータM1の回転速度を制御することにより、油圧ポンプP1から油圧シリンダ100のヘッド側ポート110に供給される作動油の流量を制御することにより、油圧シリンダ100に対して加速制御を行う。また、位置センサ60の出力に基づいて、電磁比例圧力制御弁30により油圧シリンダ100のロッド側ポート120の圧力を制御して、油圧シリンダ100に対してブレーキ制御を行う。
【0043】
次に、油圧シリンダ100のロッド101を元の位置に戻す場合、位置制御コントローラ40は、第1方向制御弁10のソレノイドsol1を非励磁としソレノイドsol2を励磁して、第1方向制御弁10を右側の切り換え位置とすると共に、第2方向制御弁20のソレノイドsol3の励磁をオフにして、第2方向制御弁20を左側の切り換え位置に切り換える。
【0044】
これにより、油圧シリンダ100のヘッド側ポート110(流出側ポート)が、第2方向制御弁20を介してタンク70に接続される。また、油圧シリンダ100のロッド側ポート120(流入側ポート)が、第1方向制御弁10を介して油圧ポンプP1の吐出ポートに接続される。
【0045】
そして、位置制御コントローラ40からの流量指令信号,圧力指令信号および圧力センサPS1の出力に基づいて、コントローラ50によりモータM1の回転速度を制御して、油圧シリンダ100のピストン102を高速で左方向に移動させた後に低速で移動させて、ロッド101を元の位置に戻す。
【0046】
このようにして、上記油圧装置では、例えばプレス機において、油圧シリンダ100により金型を高速で移動させて、目標位置の直前で低速に切り換えることにより停止時のショックを抑え、目標位置に正確に金型を停止させることが可能となる。
【0047】
上記構成の油圧装置において、油圧シリンダ100のロッド101の位置を検出する位置センサ60の出力に基づいて、コントローラ50によりモータM1の回転速度を制御して、モータM1により駆動された油圧ポンプP1から油圧シリンダ100の流入側ポートに供給される作動油の流量を制御することにより、油圧シリンダ100に対して加速制御を行う。また、上記位置センサ60の出力に基づいて、コントローラ50と電磁比例圧力制御弁30により油圧シリンダ100の流出側ポートの圧力を制御して、油圧シリンダ100に対してブレーキ制御を行う。このように、油圧シリンダ100の流入側の加速と流出側のブレーキをそれぞれ自在に制御する2自由度の制御系を構成することができる。
【0048】
上記油圧装置では、従来のサーボ弁を用いて油圧ポンプが常時駆動される油圧装置に比べ、作動油の流量を制御する絞りがなく余剰油を少なくできるので、省エネルギー性に優れている。
【0049】
また、サーボ弁のように流量が制限されることがなく、油圧ポンプP1から油圧シリンダに高速駆動に必要な流量の作動油を供給できるので、油圧シリンダを高速で駆動することができる。
【0050】
また、油圧シリンダ100の流入側の加速制御と流出側のブレーキ制御をそれぞれ自在に行うことにより制御性が向上し、高精度な位置制御が可能となる。
【0051】
さらに、位置センサ60の出力に基づいて、コントローラ50と電磁比例圧力制御弁30により油圧シリンダ100の流出側ポートの圧力を制御することによって、油圧シリンダ100に対してブレーキ制御を行うので、別に背圧制御回路を構成したり、制御弁を追加してメータイン側をブロックしたりすることなく、背圧制御が可能となる。
【0052】
また、上記従来のサーボ弁を用いて油圧ポンプが常時駆動される油圧装置では、油圧ポンプとサーボ弁との間に余剰油を一時的に溜めるアキュムレータや、高圧インラインフィルタが必要であったが、この第1実施形態の油圧装置では、絞りによる流量制御でなく油圧ポンプの回転を制御するので、アキュムレータや高圧インラインフィルタが不要となる。
【0053】
したがって、上記第1実施形態の油圧装置によれば、サーボ弁を用いることなく、簡単な構成で、省エネルギー化を実現できると共に、油圧シリンダ100の高速駆動と高精度位置制御および背圧制御を行うことができる。
【0054】
また、上記コントローラ50と電磁比例圧力制御弁30により、位置センサ60の出力に基づいて外部の油圧源80から供給される作動油の圧力を制御する。この電磁比例圧力制御弁30により制御された作動油の圧力を用いて、位置センサ60の出力に基づいて油圧シリンダ100の流出側ポートの圧力を制御することによって、油圧シリンダ100の流出側のブレーキ制御を良好に行うことがでる。
【0055】
上記第1実施形態の油圧装置は、サーボ弁、サーボモータ、アキュムレータ、高圧インラインフィルタを用いないので、構造を簡略化でき、コストを低減できる。
【0056】
また、上記油圧装置をプレス機に用いた場合、ダイクッション制御において安定した圧力制御ができる。ここで、ダイクッションとは、プレス機において、プレス加工された成形品を下から突き上げる力を発生させる機能や、絞り加工のしわ押え用の反力を発生させる圧力保持機能を備える装置のことである。
【0057】
なお、上記第1実施形態において、油圧ポンプP1とモータM1と圧力センサPS1およびコントローラ50などで構成された油圧ユニットを用いてもよい。
【0058】
〔第2実施形態〕
図2はこの発明の第2実施形態の油圧装置の概略ブロック図を示している。この油圧装置は、射出成形機、プレス機、工作機械などの産業機械(主機)に用いられる。
【0059】
この第2実施形態の油圧装置は、図2に示すように、作動油を吸入して吐出する第1,第2の油圧ポンプP1,P2と、第1の油圧ポンプP1を駆動する第1のモータM1と、第2の油圧ポンプP2を駆動する第2のモータM2と、油圧ポンプP1から作動油が供給される油圧シリンダ100と、第1の油圧ポンプP1の吐出圧を検出する圧力センサPS1と、第2の油圧ポンプP2の吐出圧を検出する圧力センサPS2と、第1方向制御弁10(4ポート3位置)と、第2方向制御弁20(3ポート2位置)と、位置制御コントローラ40と、モータM1を制御する第1のコントローラ50Aと、第2のモータM2を制御する第2のコントローラ50Bと、油圧シリンダ100のロッド101の位置を検出する位置センサ60と、作動油を貯えたタンク70とを備えている。油圧シリンダ100は、片ロッド油圧シリンダであり、ヘッド側ポート110とロッド側ポート120を有している。
【0060】
上記第2の油圧ポンプP2と第2のモータM2で圧力制御回路を構成している。
【0061】
上記第1の油圧ポンプP1の吐出ポートを第1方向制御弁10のポンプポート13に接続している。第1方向制御弁10のタンクポート14をタンク70に接続している。また、第1方向制御弁10の負荷ポート11を油圧シリンダ100のヘッド側ポート110に接続している。また、第2方向制御弁20の第2ポート22を第1方向制御弁10の負荷ポート12に接続している。
【0062】
また、第2方向制御弁20の第1ポート21を油圧シリンダ100のロッド側ポート120に接続している。第2方向制御弁20の第2ポート22を第1方向制御弁10の負荷ポート12に接続している。第2方向制御弁20の第3ポート23を第2の油圧ポンプP2の吐出ポートに接続している。
【0063】
上記位置制御コントローラ40は、主機コントローラ(図示せず)からの動作情報や流量指令信号,圧力指令信号および位置センサ60の出力に基づいて、第1方向制御弁10と第2方向制御弁20を制御する。また、第1のコントローラ50Aは、位置制御コントローラ40からの流量指令信号,圧力指令信号および圧力センサPS1の出力に基づいて第1のモータM1を制御する。また、第2のコントローラ50Bは、位置制御コントローラ40からの流量指令信号,圧力指令信号および圧力センサPS2の出力に基づいて第2のモータM2を制御する。
【0064】
上記構成の油圧装置において、油圧シリンダ100のピストン102が最もヘッド側ポート110の側に位置する状態で、位置制御コントローラ40は、第1方向制御弁10のソレノイドsol1を励磁して、第1方向制御弁10を左側の切り換え位置とすると共に、第2方向制御弁20のソレノイドsol3を励磁せず、第2方向制御弁20を左側の切り換え位置とする。これにより、油圧シリンダ100のロッド側ポート120が第2方向制御弁20を介してタンク70に接続されている。
【0065】
そして、位置制御コントローラ40からの流量指令信号,圧力指令信号および圧力センサPS1の出力に基づいて、第1のコントローラ50Aにより第1のモータM1の回転速度を制御して、油圧シリンダ100のピストン102を高速で右方向に移動させた後に低速で移動させる。
【0066】
この低速移動の途中で第2方向制御弁20のソレノイドsol3を励磁して、第2方向制御弁20を右側の切り換え位置に切り換える。これにより、油圧シリンダ100のロッド側ポート120が第2の油圧ポンプP2の吐出ポートに接続される。
【0067】
そうして、位置センサ60の出力に基づいて、第1のコントローラ50Aにより第1のモータM1の回転速度を制御しつつ第2のコントローラ50Bにより第2の油圧ポンプP2を制御して、油圧シリンダ100のロッド101を目標位置に移動させる。
【0068】
このとき、第1のモータM1の回転速度を制御することにより、第1の油圧ポンプP1から油圧シリンダ100のヘッド側ポート110に供給される作動油の流量を制御することにより、油圧シリンダ100に対して加速制御を行う。また、位置センサ60の出力に基づいて、第2の油圧ポンプP2により油圧シリンダ100のロッド側ポート120の圧力を制御して、油圧シリンダ100に対してブレーキ制御を行う。ここで、第2の油圧ポンプP2を逆回転させることにより、油圧シリンダ100からの戻り油が吐出ポートに吸い込まれる。
【0069】
次に、油圧シリンダ100のロッド101を元の位置に戻す場合、位置制御コントローラ40は、第1方向制御弁10のソレノイドsol1を非励磁としソレノイドsol2を励磁して、第1方向制御弁10を右側の切り換え位置とすると共に、第2方向制御弁20のソレノイドsol3の励磁をオフにして、第2方向制御弁20を左側の切り換え位置に切り換える。
【0070】
そして、位置制御コントローラ40からの流量指令信号,圧力指令信号および圧力センサPS1の出力に基づいて、第1のコントローラ50Aにより第1のモータM1の回転速度を制御して、油圧シリンダ100のピストン102を高速で左方向に移動させた後に低速で移動させて、ロッド101を元の位置に戻す。
【0071】
このようにして、上記油圧装置では、例えばプレス機において、油圧シリンダ100により金型を高速で移動させて、目標位置の直前で低速に切り換えることにより停止時のショックを抑え、目標位置により正確に金型を停止させることが可能となる。この第2実施形態の油圧装置を用いたプレス機では、±5μmオーダーの寸法精度の成形品を得ることができる。
【0072】
上記構成の油圧装置によれば、油圧シリンダ100のロッド101の位置を検出する位置センサ60の出力に基づいて第1のコントローラ50Aにより第1のモータM1の回転速度を制御して、第1のモータM1により駆動された第1の油圧ポンプP1から油圧シリンダ100の流入側ポートに供給される作動油の流量を制御することにより、油圧シリンダ100に対して加速制御を行う。また、上記位置センサ60の出力に基づいて、第2のコントローラ50Bと第2の油圧ポンプP2により油圧シリンダ100の流出側ポートの圧力を制御して、油圧シリンダ100に対してブレーキ制御を行う。このように、油圧シリンダ100の流入側の加速と流出側のブレーキをそれぞれ自在に制御する2自由度の制御系を構成できる。
【0073】
上記第2実施形態の油圧装置は、第1実施形態の油圧装置と同様の効果を有する。
【0074】
上記第2のコントローラ50Bによって、位置センサ60の出力に基づいて圧力制御回路の第2のモータM2の回転速度を制御することにより、油圧シリンダ100の流出側ポートの圧力を制御して、油圧シリンダ100の流出側のブレーキ制御の制御性を向上できる。
【0075】
なお、上記第2実施形態において、油圧ポンプP1とモータM1と圧力センサPS1および第1のコントローラ50Aなどで構成された油圧ユニット、および、油圧ポンプP2とモータM2と圧力センサPS2および第2のコントローラ50Bなどで構成された油圧ユニットを用いてもよい。
【0076】
〔第3実施形態〕
図3はこの発明の第3実施形態の油圧装置の概略ブロック図を示している。この油圧装置は、射出成形機、プレス機、工作機械などの産業機械(主機)に用いられる。なお、この第3実施形態の油圧装置は、逆止弁91と圧力制御弁92を除いて第2実施形態の油圧装置と同一の構成をしている。
【0077】
図3に示すように、第2の油圧ポンプP2の吐出ポートと油圧シリンダ100のロッド側ポート120との間に配設された逆止弁91により、第2の油圧ポンプP2から油圧シリンダ100への作動油の流れのみを許容する。
【0078】
また、上記逆止弁91の油圧シリンダ100側とタンク70との間に配設された圧力制御弁92により、第2のコントローラ50Bにより制御された第2の油圧ポンプP2から吐出される作動油の圧力に基づいて、油圧シリンダ100のロッド側ポート120の圧力を制御する。
【0079】
これにより、第2の油圧ポンプP2で油圧シリンダ100のロッド側ポート120の圧力を直接制御するよりも第2の油圧ポンプP2の能力を小さくできる。
【0080】
また、上記油圧装置によれば、第2の油圧ポンプP2に戻り油が流れないので、回生負荷に対応することができる。
【0081】
上記第3実施形態の油圧装置は、第2実施形態の油圧装置と同様の効果を有する。
【0082】
上記第1〜第3実施形態では、片ロッドの油圧シリンダ100を作動させる油圧装置について説明したが、両ロッドの油圧シリンダを作動させる油圧装置にこの発明を適用してもよい。
【0083】
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1〜第3実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。
【符号の説明】
【0084】
10…第1方向制御弁
20…第2方向制御弁
30…電磁比例圧力制御弁
40…位置制御コントローラ
50,50A,50B…コントローラ
60…位置センサ
70…タンク
80…外部の油圧源
91…逆止弁
92…圧力制御弁
100…油圧シリンダ
101…ロッド
102…ピストン
110…ヘッド側ポート
120…ロッド側ポート
310…比例減圧
320…電磁比例リリーフ弁
M1,M2…モータ
P1,P2…油圧ポンプ
PS1,P2…圧力センサ
図1
図2
図3