特許第6551505号(P6551505)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551505
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 69/00 20060101AFI20190722BHJP
   A01D 41/02 20060101ALI20190722BHJP
   A01F 12/10 20060101ALI20190722BHJP
   A01D 61/00 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   A01D69/00 303D
   A01D41/02 H
   A01F12/10 D
   A01D61/00 301K
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-253462(P2017-253462)
(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-118275(P2019-118275A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2018年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】岩本 浩
(72)【発明者】
【氏名】五島 一実
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和哉
(72)【発明者】
【氏名】仙波 篤志
【審査官】 佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭50−107643(JP,U)
【文献】 特開2017−079777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 69/00
A01D 41/02
A01D 61/00
A01F 12/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム(1)の上方に脱穀装置(3)を設け、脱穀装置(3)の前方に刈取装置(4)を設け、該刈取装置(4)の後方に操縦部(6)を設けたコンバインであって、前記操縦部(6)には第1支軸(16)を支点として機体の前後方向に傾倒可能に設けられ、操作端部側からの傾倒操作によって後側へ傾倒するほどエンジン回転速度が上昇するスロットルレバー(13)と、前記スロットルレバー(13)における前記第1支軸(16)を挟んで前記操作端部とは反対側に位置する基端部に、機体の前後方向と直交する方向に突出して設けられたピン(17)と、前記スロットルレバー(13)の後方において第2支軸(19)を支点として機体の前後方向に傾倒可能に設けられ、操作端部側からの傾倒操作によって、前側へ傾倒することで刈取装置(4)および脱穀装置(3)に対する動力伝達を接続するとともに後側へ傾倒することで前記刈取装置(4)および脱穀装置(3)に対する動力伝達を切断する刈脱クラッチレバー(14)と、前記刈脱クラッチレバー(14)における前記第2支軸(19)と前記操作端部の間の中間位置に取付けられ、前記スロットルレバー(13)の前記基端部へ向けて延伸するとともに前記刈脱クラッチレバー(14)の傾倒に連動して機体前後方向へ移動可能に設けられ、前方への移動に伴って前記ピン(17)を押すカム面(24)を有する連動プレート(20)とを備え、前記脱穀装置(3)の扱室の側部に設けたフィードチェン(30)の始端部上方に位置する挟持位置と、フィードチェン(30)の始端部上方から退避した手扱ぎ位置の間にわたり回動自在な補助挾扼杆(31)を設け、該補助挾扼杆(31)の回動に連動してスロットルレバー(13)と刈脱クラッチレバー(14)が回動する構成とし、前記補助挾扼杆(31)とスロットルレバー(13)とを連動ケーブル(35)により連動して、補助挾扼杆(31)を退避させて手扱ぎ位置にすると、連動ケーブル(35)によって牽引されてスロットルレバー(13)が前傾してエンジン回転速度が減速する構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記連動ケーブル(35)を、サイド操作パネル(12)内にスロットルレバー(13)の操作方向と平行に配索した請求項1記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインには、刈脱部(刈取部および脱穀部)に対する動力を接続/切断する刈脱クラッチの切り替えに応じてエンジン回転数を自動で調節するために、刈脱クラッチを切り替え操作する刈脱クラッチレバーとエンジン回転数を調節するスロットルレバーとを連動させるリンク機構が両者の間に配設されているものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−199908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例では、刈脱クラッチレバーとスロットルレバーとが連動することで操作性が向上するものの、手扱ぎ作業では、スロットルレバーを個別に操作する必要があり、操作性に課題があった。
本願は、スロットルレバーと刈脱クラッチレバーとを少ない部品点数で構造簡素でありながらも操作性を向上させる構成とすると共に、手扱ぎ作業時の操作性も向上させられるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、機体フレーム1の上方に脱穀装置3を設け、脱穀装置3の前方に刈取装置4を設け、該刈取装置4の後方に操縦部6を設けたコンバインであって、前記操縦部6には第1支軸16を支点として機体の前後方向に傾倒可能に設けられ、操作端部側からの傾倒操作によって後側へ傾倒するほどエンジン回転速度が上昇するスロットルレバー13と、前記スロットルレバー13における前記第1支軸16を挟んで前記操作端部とは反対側に位置する基端部に、機体の前後方向と直交する方向に突出して設けられたピン17と、前記スロットルレバー13の後方において第2支軸19を支点として機体の前後方向に傾倒可能に設けられ、操作端部側からの傾倒操作によって、前側へ傾倒することで刈取装置4および脱穀装置3に対する動力伝達を接続するとともに後側へ傾倒することで前記刈取装置4および脱穀装置3に対する動力伝達を切断する刈脱クラッチレバー14と、前記刈脱クラッチレバー14における前記第2支軸19と前記操作端部の間の中間位置に取付けられ、前記スロットルレバー13の前記基端部へ向けて延伸するとともに前記刈脱クラッチレバー14の傾倒に連動して機体前後方向へ移動可能に設けられ、前方への移動に伴って前記ピン17を押すカム面24を有する連動プレート20とを備え、前記脱穀装置3の扱室の側部に設けたフィードチェン30の始端部上方に位置する挟持位置と、フィードチェン30の始端部上方から退避した手扱ぎ位置の間にわたり回動自在な補助挾扼杆31を設け、該補助挾扼杆31の回動に連動してスロットルレバー13と刈脱クラッチレバー14が回動する構成とし、前記補助挾扼杆31とスロットルレバー13とを連動ケーブル35により連動して、補助挾扼杆31を退避させて手扱ぎ位置にすると、連動ケーブル35によって牽引されてスロットルレバー13が前傾してエンジン回転速度が減速する構成としたことを特徴とするコンバインとしたものである。
請求項2記載の発明は、前記連動ケーブル35を、サイド操作パネル12内にスロットルレバー13の操作方向と平行に配索した請求項1記載のコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、補助挾扼杆31のフィードチェン30の始端部上方からの退避操作に連動して、スロットルレバー13を傾倒せることができ、これにより、エンジン回転速度を定格回転速度から手扱ぎ作業用の低回転速度に減速することができ、脱穀装置3は手扱ぎ作業用の安全な低速回転で駆動されて、作業ロス発生を抑制して、作業効率を向上させられ、補助挾扼杆31を退避させて手扱ぎ位置にすると、連動ケーブル35を介してスロットルレバー13を前傾させて減速操作させることができ、操作性を向上させることができる。
請求項記載の発明では、上記請求項記載の発明の効果に加え、スペースを有効利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの側面図。
図2】同平面図。
図3】操縦部の一部側面図。
図4】同側面図。
図5】補助挾扼杆の側面図。
図6】同他の実施形態の側面図。
図7】フロー図。
図8】フロー図。
図9】フロー図。
図10】フロー図。
図11】ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1は機体フレ−ム、2は機体フレ−ム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレ−ム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は機体フレ−ム1の前方に設けた刈取装置、5は前記脱穀装置3の側部に設けた該脱穀装置3より取出された穀物を一時貯留するグレンタンク、6は操縦部である。
操縦部6は、操縦席10を備え、操縦席10の前方にフロント操作パネル11、操縦席10の左側方にサイド操作パネル12を備えている。
サイド操作パネル12には、主変速レバー(HSTレバー)、副変速レバー、スロットルレバー13、刈脱クラッチレバー14などの各種操作レバーを備えている。
【0009】
このうち、図3に示すように、スロットルレバー13は、サイド操作パネル12の前側に配置されている。スロットルレバー13は、機体の前後方向に傾倒可能に設けられ、エンジン回転数を調節する操作レバーである。スロットルレバー13は、レバー上部の操作端部側からの傾倒操作によって後側へ傾倒するほどエンジン回転数が上昇する。
【0010】
また、刈脱クラッチレバー14は、サイド操作パネル12においてスロットルレバー13の後方に配置されている。刈脱クラッチレバー14は、機体の前後方向に傾倒可能に設けられ、刈取クラッチおよび脱穀クラッチを操作する操作レバーである。刈脱クラッチレバー14は、レバー上部の操作端部側からの傾倒操作によって、最も後側へ傾倒すると刈取クラッチおよび脱穀クラッチを共に「切断」へ切り替え、かかる後側の位置から前側へ傾倒(刈脱クラッチレバー14自体は略直立した状態となる)すると脱穀クラッチを「接続」へ切り替え、最も前側へ傾倒すると脱穀クラッチおよび刈取クラッチを共に「接続」へ切り替える。
【0011】
なお、刈取クラッチは、コンバイン1の刈取装置4に対する動力伝達を接続/切断し、脱穀クラッチは、脱穀装置3に対する動力伝達を接続/切断する。
また、コンバイン1では、刈脱クラッチレバー14を傾倒操作して、刈取装置4および脱穀装置3のいずれか一方または双方に対する動力を接続、言い換えると、刈取クラッチおよび脱穀クラッチのいずれか一方または双方を接続すると、刈脱クラッチレバー14の傾倒操作にスロットルレバー13が連動して自動的にエンジン回転数が上昇するように構成されている。
【0012】
<レバー連動機構>
スロットルレバー13は、ステー15に支持され、第1支軸16を回動支点として、機体の前後方向に傾倒可能に設けられた操作レバーである。
スロットルレバー13の下端部にはピン17が設けられ、ピン17はスロットルレバー13を前方操作すると、後方に移動する。
刈脱クラッチレバー14は、ステー18に第2支軸19を回動支点として、上記したように、機体の前後方向に傾倒可能に設けられた操作レバーである。
【0013】
また、刈脱クラッチレバー14の第2支軸19と先端部との上下中間位置には連動プレート20の後端を取付ける。連動プレート20は、刈脱クラッチレバー14を傾倒操作に連動して前後方向に進退可能に設けられている。具体的には、連動プレート20は、刈脱クラッチレバー14を前側へ傾倒操作することで前進し、刈脱クラッチレバー14を後側へ傾倒操作することで後退する。また、連動プレート20は、カム面24が形成されたカム22を備えている。
カム22は、連動プレート20の先端部に、前後方向と直交する回動軸23まわりに回動可能に設けられている。カム22は、たとえば、板カムであり、かかる板カムの曲面状の周端面がピン17を押すカム面24となる。
【0014】
また、スロットルレバー13を支持するステー15には、図示は省略するが、連動プレート20の前後方向の進退を案内するガイド部材が組み付けられている。このように、ガイド部材によって連動プレート20の進退を案内することで、連動プレート20が動作する方向を、刈脱クラッチレバー14が傾倒する方向から前後方向へ変換することができる。
【0015】
<レバー連動機構の動作>
刈脱作業前の刈脱クラッチレバー14は、刈取クラッチおよび脱穀クラッチを共に「切断」する位置Aにある。この場合、スロットルレバー13は、所定のエンジン回転数となるように、前側(エンジン低回転域)に傾倒操作された状態である。
刈脱クラッチレバー14を、第2支軸19を支点として、前側、すなわち、刈取クラッチおよび脱穀クラッチを共に「接続」する位置Bへ傾倒操作(以下、「ON操作」という)すると、かかる傾倒操作に連動して連動プレート20が前進する。連動プレート20が前進することで、先端部のカム22が前進して、カム面24がスロットルレバー13のピン17を前側へ押し込む。ピン17が押されると、第1支軸16を支点として、スロットルレバー13は後側に傾倒してエンジン回転数が上昇する。
【0016】
なお、刈脱クラッチレバー14のON操作時のエンジン回転数は、任意に設定することができる。かかるエンジン回転数の設定は、カム面24とピン17とによってピン17を押し込む度合いを変更することができる。これにより、ピン17の押し量を調節することができ、エンジン回転数を任意に設定することができる。
また、刈脱クラッチレバー14を、たとえば、後側、すなわち、刈取クラッチおよび脱穀クラッチを共に「切断」する位置Aへ戻すように傾倒操作(以下、「OFF操作」という)すると、カム22は、ピン17を前側(エンジン低回転域)に残したままピン17から離脱する。これにより、スロットルレバー13のエンジン低回転域を維持することができる。
【0017】
<挾扼杆連動機構>
しかして、脱穀装置3の側部には、脱穀装置3の扱室(図示省略)に穀稈を供給するフィードチェン30を設け、フィードチェン30の始端部上方には上下回動自在の補助挾扼杆31を設ける。補助挾扼杆31は、基部を軸32によりフィードチェン30の始端部上方に位置する挟持位置と、フィードチェン30の始端部上方から退避する退避位置の間回動自在に設け、補助挾扼杆31の位置切替に連動してスロットルレバー13と刈脱クラッチレバー14とを連動させる構成とする。
【0018】
これにより、補助挾扼杆31を退避位置にすると、スロットルレバー13が前側に傾倒され、エンジンを定格回転から手扱ぎ作業用の低速回転に減速する。
そのため、脱穀装置3は手扱ぎ作業用の安全な低速回転で駆動されて、作業ロス発生を抑制して、作業効率を向上させられる。
補助挾扼杆31とスロットルレバー13とを連動ケーブル35により連結する。
これにより、補助挾扼杆31を退避させて手扱ぎ位置にすると、連動ケーブル35は牽引されて、スロットルレバー13は前傾して減速操作となるように、連動ケーブル35を配索する。
【0019】
そのため、補助挾扼杆31が通常作業位置のときはスロットルレバー13と連動しない。
図5では、補助挾扼杆31の支持部31Aの下面に連動ケーブル35を接続し、図6では、補助挾扼杆31の支持部31Aの後面に連動ケーブル35を接続している。
前記連動ケーブル35は、サイド操作パネル12内にスロットルレバー13の操作方向と平行に配索する。
これにより、スペースを有効利用可能となる。
【0020】
補助挾扼杆31を「通常作業位置」から「手扱ぎ作業位置」にした際のエンジン回転数が、手扱ぎ定格回転以上の場合、スロットルレバー13を手扱ぎ定格位置に連動させ、手扱ぎ定格回転以下の場合スロットルレバー13は連動させないように、連動ケーブル35の引き代を設定する。
これにより、手扱ぎ作業時は、手扱ぎ作業に適したエンジン回転数で作業が可能となる。
また、図示は省略するが、スロットルレバー13のピン17と連動プレート20との間に、リターンスプリング35Aを設けると、手扱ぎ作業が終了し、補助挾扼杆31を元に復帰させた際に、連動プレート20が元の位置に復帰し、操作性を向上させられる。
【0021】
この場合、連動プレート20を二つの構成品に分割し、二つの構成品間にリターンスプリング35Aを設けてもよい。
補助挾扼杆31が通常作業位置のときにスロットルレバー13を操作した際にはリターンスプリング35Aにより、スロットルレバー13を手扱ぎ定格位置まで戻す構成とすると、操作性を向上させられる。
また、補助挾扼杆31が通常作業位置のときにスロットルレバー13を操作しても、補助挾扼杆31は連動させない構成とする。
【0022】
また、連動ケーブル35は連動プレート20と連結し、補助挾扼杆31の退避操作により手扱ぎ位置にすると、連動ケーブル35が牽引されて、連動プレート20を前方移動させて、スロットルレバー13を前傾させて減速操作となるようにしてもよい。
すなわち、連動プレート20を前方移動するときは刈脱クラッチレバー14が刈脱穀クラッチを「接続」へ切り替える状態であるから、手扱ぎ作業する際に、補助挾扼杆31の退避操作により、連動プレート20を介して刈脱クラッチレバー14とスロットルレバー13を連動させられる。
これにより、手扱ぎ作業への切替を容易にできる。
【0023】
<モニタ>
操縦部6のフロント操作パネル11には表示モニタ(図示省略)を設け、表示モニタにはエンジンの負荷状況表示(図示省略)を行う。この負荷状況表示は、負荷表示開始エンジン回転数と負荷表示解除エンジン回転数を分ける構成とし、例えば、点灯開始条件(2400rpm未満)とし、点灯解除解除(2500rpm以上に復帰)とする(図7)。
これにより、制御出力を安定できる。
作業者がエンジン負荷を早期に確認できる。
40はコントローラ、41は負荷表示ランプ、42はエンジン回転センサである。
【0024】
負荷状況表示は、点灯条件との該当してから所定時間経過後に表示(点灯)する構成とする(図8)。
これにより、安定した状態で負荷状況表示を行うことができる。
この場合、負荷状況表示するまでの所定時間は、短稈・乾田と長稈・湿田とで相違させると、作物条件に合わせて負荷状況表示でき、作業者が制御に迅速に対応した表示を認識でき、操作ストレスを軽減させられる。
上記負荷状況表示制御に併せて、車速センサ45にて、負荷表示を開始したときの車速より、一定値以上車速が低下した場合、ホーン46および負荷表示ランプ41の出力を解除する(図9)。
【0025】
これにより、減速時、ホーン46および負荷表示ランプ41の出力を停止するので、操作ストレスを軽減させられる。
また、HSTポジションセンサ47にて、負荷表示を開始したときのセンサ値より、一定値以上センサ値が低下した場合、ホーン46および負荷表示ランプ41出力を解除する(図10)。
【0026】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、機体を走行装置2により走行させ、刈取装置4により圃場の穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を脱穀装置3にて脱穀する。
操縦部6のサイド操作パネル12には、スロットルレバー13、刈脱クラッチレバー14を備えており、刈脱クラッチレバー14をON操作すると、カム22のカム面24によってピン17を押すことで、スロットルレバー13が後側、すなわち、エンジン高回転域となる側へ傾倒する。
【0027】
したがって、刈脱クラッチレバー14をON操作すると、エンジン回転数が自動的に上昇し、これにより、刈脱作業(たとえば、刈取作業)の開始時に、スロットル開度の調節にかかる手間を省くことができる。
また、エンジンが低回転のまま刈取装置4および脱穀装置3を作動させてしまいエンジンに負荷がかかる事態を避けることができる。
【0028】
しかして、脱穀装置3の扱室の側部に設けたフィードチェン30の始端部上方には、フィードチェン30の始端部上方に位置する挟持位置と、フィードチェン30の始端部上方から退避する退避位置の間回動自在に設けた補助挾扼杆31の位置切替に連動してスロットルレバー13と刈脱クラッチレバー14とを連動させる構成としているので、補助挾扼杆31を退避位置にすると、スロットルレバー13が前側に傾倒され、エンジンを定格回転から手扱ぎ作業用の低速回転に減速する。
そのため、脱穀装置3は手扱ぎ作業用の安全な低速回転で駆動されて、作業ロス発生を抑制して、作業効率を向上させられる。
【0029】
補助挾扼杆31とスロットルレバー13とを連動ケーブル35により、補助挾扼杆31を退避させて手扱ぎ位置にすると、連動ケーブル35は牽引されて、スロットルレバー13は前傾して減速操作となるように、連動ケーブル35を配索するので、補助挾扼杆31が通常作業位置のときはスロットルレバー13と連動しない。
連動ケーブル35は、サイド操作パネル12内にスロットルレバー13の操作方向と平行に配索するので、スペースを有効利用可能となる。
【0030】
また、連動ケーブル35は連動プレート20と連結し、補助挾扼杆31の退避操作により手扱ぎ位置にすると、連動ケーブル35が牽引されて、連動プレート20を前方移動させて、スロットルレバー13を前傾させて減速操作となるようにすると、手扱ぎ作業する際に補助挾扼杆31の退避操作により、連動ケーブル35を介して連動プレート20を前方移動させ、これにより、刈脱クラッチレバー14が刈脱穀クラッチを「接続」へ切り替えると共に、連動プレート20を介してスロットルレバー13を前傾させて減速操作させる。
したがって、手扱ぎ作業への切替を容易にできる。
【0031】
補助挾扼杆31を「通常作業位置」から「手扱ぎ作業位置」にした際のエンジン回転数が、手扱ぎ定格回転以上の場合、スロットルレバー13を手扱ぎ定格位置に連動させ、手扱ぎ定格回転以下の場合スロットルレバー13は連動させないように、連動ケーブル35の引き代を設定するので、手扱ぎ作業時は、手扱ぎ作業に適したエンジン回転数で作業が可能となる。
【符号の説明】
【0032】
1…機体フレ−ム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、10…操縦席、11…フロント操作パネル、12…サイド操作パネル、13…スロットルレバー、14…刈脱クラッチレバー、15…ステー、16…第1支軸、17…ピン、18…ステー、19…第2支軸、20…連動プレート、22…カム、23…回動軸、24…カム面、30…フィードチェン、31…補助挾扼杆、32…軸、35…連動ケーブル、40…コントローラ、41…負荷表示ランプ、42…エンジン回転センサ、45…車速センサ、46…ホーン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11