(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
自動車(車両)の生産工場におけるエンジンのアッセンブリライン(パワーユニットライン)の多くは、ワークの搬送にチェーンコンベアを用いたワーク搬送装置が用いられる。ワーク搬送装置には、チェーンコンベアで搬送されるパレット上の治具に、ワークであるエンジン・トランスミッションアッセンブリ(例えばエンジンやトランスミッションやフロントデフなどを結合した構造物:以下、エンジンアッセンブリという)を搭載する構造が用いられる。そして、チェーンコンベアで、エンジンアッセンブリを順に作業ステージ上の作業域へ導き、各作業域において、エンジンアッセンブリにドライブシャフトなど各種部品が順に組み付けられる。
【0003】
ところで、エンジンアッセンブリのトランスミッションは、内部にオイルが収容されていたり、フロントデフのシャフト組付孔がオイル流出を防ぐためにキャップで塞がれていたりしている。
このため、作業ステージ上で行うドライブシャフトの組付作業(工程)では、トランスミッション内部のオイルが外部へ流出しないよう、エンジンアッセンブリが搭載された治具を、ワーク傾動機構を用いて傾け、オイル面をシャフト組付孔から退避させてから、キャップをシャフト組付孔から取り外して、開口したシャフト組付孔にドライブシャフト端を差し込むことが行われている。
【0004】
こうしたワーク傾動に用いられるワーク傾動機構の多くは、チェーンコンベアの開放している幅方向中央の部位(地面)に油圧ピストンを設置して、治具をピストン部の伸長により下側から突き上げ、治具と共にワークを傾かせる構造が用いられている。
ところで、チェーンコンベアを用いたワーク搬送装置は、大規模な設備がラインに求められる。このため、近時では、これに代わり、省スペース、さらには簡素な設備ですむ台車式の構造、例えば特許文献1に示されるような無人搬送車で誘導される作業台車にワークをセットして、作業ステージへ搬送するという簡素なシステムが検討されている。
【0005】
ところが、台車式の構造、すなわち無人搬送車で誘導される作業台車を用いたワーク搬送装置は、ラインの省スペース化を進めるうえで、特許文献1に開示されているように作業台車の下側を無人搬送車が通行することが求められる。このため、ワークを傾動させるワーク傾動機構には、チェーンコンベアのときのような地面から治具へ向かって延びる油圧ピストンは、無人搬送車の通行の妨げになるために採用できない。そのため、ワーク傾動機構には、特許文献2に示されるような作業台車のそれぞれにピストン機構の一式を据え付けるような構造が余儀なくされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、これでは無人搬送車を用いたワーク搬送装置の長所が損なわれてしまう。しかも、自動車の生産ラインは、多くの作業台車を必要とするため、一部の工程で用いるピストン機構を全ての作業台車に採用することになると、過大なコストの負担が強いられてしまう。
そこで、本発明の目的は、無人搬送車で作業台車を作業ステーションへ誘導する構造の長所を確保しつつ、コスト的な負担を抑えた構造で、作業ステージ上におけるワークの傾動作業を可能としたワーク搬送装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、無人搬送車により誘導されワークを作業ステージへ導く作業台車、作業ステージの所定のステージ位置においてワークを傾動させるワーク傾動機構を備え、作業台車は、左右両側に車輪部が配置された基台部と、基台部の上方に設けられワークを傾動可能にセットする、一端側を支点に他端側を上方向へ傾動可能とした治具台と、基台部の下側に形成された、無人搬送車を作業台車の誘導のため通行可能とした開放部とを有し、ワーク傾動機構は、作業ステージの所定ステージ位置の下側に収められた作業ステージ下から作業ステージの上方へ突き出し可能な駆動ロッド部と、作業台車の側部に設けられて治具台の他端側から作業ステージまでに配置され作業ステージの所定ステージ位置において上方へ突き出る駆動ロッド部を受けて治具台を傾かせる従動ロッド部とを有するものとした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無人搬送車により、ワークが作業台車にセットされたまま、作業ステージ上のワークの傾動が必要となる作業ステージ位置に配置されたとき、駆動ロッド部を作業ステージ下から作業ステージ上方へ突き出す。これにより、作業台車の側部に設けた従動ロッド部は、駆動ロッド部を受けて上方へ変位し、治具台を傾動変位させる。これにより、治具台にセットされているワークは傾動され、傾いたワークに対し部品を組み付ける作業が行える。
【0010】
したがって、駆動ロッド部を作業ステージ側に設け、従動ロッド部を作業台車側に設けるという分割式のワーク傾動機構により、作業台車の下側は、無人搬送車が通行する開放部が確保されるだけでなく、コストの負担の大きい駆動ロッド部は、作業ステージ側だけに据え付けるだけでよい。このため、ワーク搬送装置は、無人搬送車で作業台車を誘導する構造の長所を確保しつつ、コスト的な負担を抑えた構造で、ワークの傾動作業を行うことができる。しかも、駆動ロッド部は、常時は作業ステージの下側に収められ、作業ステージ上での作業の邪魔にならないので、作業ステージ上での安全性に優れるだけでなく、駆動ロッド部の直上における作業も可能となり作業効率の点にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を
図1から
図6に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、例えば自動車(車両)のエンジンアッセンブリライン(パワーユニットライン)を示している。同エンジンアッセンブリラインは、例えば直線状の台車路1、同台車路1を挟んで両側に設置された作業ステージ3a,3bを有している。作業ステージ3a,3bは、例えば
図2に示されるように脚部4aとフロア部材4bとを組み合わせた架台から構成されている。作業ステージ3a,3bのステージ面上には、台車路1に沿って所定の組付作業を行う作業域、ここではシャフトドライブを組付ける作業から各種サスペンション部材を組付ける作業までの複数の作業域が順に設定されている。これにより、作業ステージ3a,3b間に、一方の端をライン入口aとし、他方端をライン出口bとした組立ラインを構成している。ライン入口aには、台車定量送り装置5が設けられている。
【0013】
そして、
図2に示される無人搬送車7を用いたワーク搬送装置9の上記無人搬送車7により、ワークである例えば四輪駆動車用のエンジン・トランスミッションアッセンブリ11(例えばエンジン11aやトランスミッション11bやフロントデフ11cやトランスファ11d(リヤ側へ駆動力を分配するもの)を有して結合した構造物:以下、エンジンアッセンブリ11という:
図1には図示せず)を搭載した複数の作業台車13をライン入口aへ順に誘導し、台車定量送り装置5の定量送りにより、作業工程毎、すなわち組立ラインの各作業域毎に順次送り出す構造としている。これにより、
図1に示されるように各作業台車13は、組立ライン上で行われる各作業工程に合わせて突き当たりながら順に作業域に配置され、各作業域においてドライブシャフト(図示しない)を組付ける作業や各種サスペンション部材を組付ける作業などが行われる。
図1中の符号Aで示す作業域は、ドライブシャフトを組み付ける作業を行う作業域(作業ステージ上の所定位置)で、この作業域Aにおいて、オイルの流出を防ぎながらドライブシャフトを組み付けるため、エンジンアッセンブリ11を傾動する作業が行われる(詳細は後述)。
【0014】
そして、エンジンアッセンブリ11に対する各部品の組付けを終えてライン出口bに辿り着いた作業台車13が、ライン入口a側で待機している無人搬送車7により、次工程の作業ステージ(図示しない)へ搬送される。すなわち無人搬送車7は、省スペース化により、組立ライン上に並んだ複数の作業台車13の下側を通行してライン出口bの作業台車13に辿り着き、同作業台車13を次工程の作業ステージ(図示しない)へ送る。
【0015】
図2〜
図4には、このワーク搬送装置9を構成する無人搬送車7や、作業台車13や、、エンジンアッセンブリ11(ワーク)を作業域Aの位置で傾動させるワーク傾動機構15の構造が示されている。
ワーク搬送装置9の各部を説明すると、作業台車13は、いずれも
図2〜
図4に示されるように下部側に、車輪部17を有した角型の基台部19を有している。基台部19は、組立ラインを通行可能な幅寸法で、組立ライン方向に延びた長方形の枠部21と、同枠部21の上面を覆う作業フロア23とを有している。そして、枠部21の下部の前後両側にそれぞれキャスタ式の車輪部17が設けられ、作業フロア23のフロア面を作業ステージ3a,3bのステージ面と同等の高さにしている。これにより、作業台車13は組立ライン上を面一のまま通行可能になる。この作業台車13が組立ライン上を円滑に通行されるよう、組立ラインの地面には作業台車13の車輪部17を案内する一対のガイドレール部18が設けられている。なお、枠部21の通行方向前部には、無人搬送車連結用の係脱部、例えば係脱孔部19a(
図2、
図3しか図示せず)が設けられている。
【0016】
また基台部19の前後方向中央側をなす左右両側の枠部分からは、例えば所定の間隔で4本の支柱部25が立設される。これら支柱部25の上端部間に渡り枠形の台部27が固定されている。そして、これら支柱部25や台部27をフレームとして、基台部19の上方の位置(作業ステージ3a,3b位置より高い)に、治具台26が傾動可能に組み付けられている。治具台26は、例えば
図3および
図4に示されるように台部27の上面に水平状態で載せられた角形盤状の傾斜台29を有している。さらに傾斜台29の上面には、各種治具片31aを有した治具ユニット31が組み付けられている、そして、治具片31a上に、例えばFF用のエンジンアッセンブリ11がセットしてある。ちなみにエンジンアッセンブリ11は、例えばエンジン11aが作業台車13の進行方向と交差する方向片側の一側(左右方向片側)に配置され、トランスミッション11bやフロントデフ11cやトランスファ11dがその交差方向の他側(反対側)に配置されるという所定の姿勢(横置き)でセットされる。
【0017】
傾斜台29は、
図3に示されるように作業台車13の進行方向後部側の端部がヒンジ機構部33を介して、作業台車13の進行方向後部側に配置されている支柱部25に回動自在に連結され、治具ユニット31を含む傾斜台29(治具台26)の全体を、ヒンジ機構部33(治具台の一端側)を支点に、前部側(治具台の他端側)を上方向へ傾動可能としている。つまり、傾斜台29やヒンジ機構部33にて、セットされたエンジンアッセンブリ11を進行方向後側へ傾けられるようにしている。
【0018】
一方、特定の作業域Aの位置で、エンジンアッセンブリ11を傾動させるときに用いられるワーク傾動機構15には、
図2〜
図4に示されるように作業域Aの作業ステージ部分下に駆動側の駆動ロッド部35aを設け、作業台車13毎に従動側の従動ロッド部35bを設けるという、分割式のピストン機構が用いられる。
すなわち、駆動ロッド部35aは、作業域A上の特定の位置、ここでは作業域Aに作業台車13が配置されたとき、前側の支柱部25と対応する作業ステージ3aのステージ位置を特定位置として、そのステージ位置の直下の空間部分に、上方向へ突き出し可能に収められている。具体的には駆動ロッド部35aは、例えば直径数センチ程度のロッド部材で構成されて、上下方向沿いに配置される。この駆動ロッド部35aが、例えば、駆動ロッド部35a下端から延びるラック39aと同ラック39aと噛み合うピニオン39bと有したラックピニオン機構39を介して、作業ステージ3a下に設置したギヤードモータ41(駆動源)の出力軸に接続されている。つまり、駆動ロッド部35aは、ラックピニオン機構39、ギヤードモータ41で構成される駆動機構42により、図示しない操作部からの操作によって、下側(ステージ面直下)の待機位置(
図3〜
図5)から、駆動ロッド部35aの直上のステージ部分に設けたロッド通孔3dを通じ、作業域Aのステージ面の直上位置、例えばステージ面から十数センチ上方の突出位置(
図6)まで突き出る構成としている。
【0019】
また従動ロッド部35bは、
図2〜
図5に示されるようにロッド通孔3dの位置と対応した各作業台車13の側部に設けられる。具体的には従動ロッド部35bは、各作業台車13の通行方向前側の支柱部25(フレーム)の側方位置で、支柱部25に沿わせて上下方向に設けられ、上下方向に変位可能としてある。側方位置は、ロッド通孔3d(駆動ロッド部35a)と合致する位置である。ここでは従動ロッド部35bは、傾斜台29(治具台26)の他端側(ヒンジ機構部33とは反対側)から幅方向一側へ張り出して形成したロッド受け37の直下から、支柱部25の側面に沿って作業ステージ3aのステージ面の近傍まで延びるロッド部材、例えば直径数センチ程度の長尺なロッド部材から構成される。この従動ロッド部35bが、支柱部25に設けた支持部45(
図3,4に図示)にて、ステージ面の直上位置から上側へだけ変位可能に支持させてある。
【0020】
この従動ロッド部35bの上端部には、
図2〜
図5に示されるようにカムフォロア部47が設けられている。このカムフォロア部47がロッド受け37の下面に配置され、従動ロッド部35bが突き出ると、ロッド受け37を押し上げ、傾斜台29(治具台26)が、ヒンジ機構部33を支点に傾動(作業台車13の進行方向後側へ)される構造にしている(
図6)。
【0021】
この作業台車13の側方に配置されるワーク傾動機構15により、作業台車13の基台部19下における左右車輪部17間の領域全体を開放させ、同部分に無人搬送車7の通行可能な開放部43を確保している(
図2〜
図4)。
また、
図5にも示されるように従動ロッド部35bが配置される支柱部25の下端部には、同従動ロッド部35bの下端部の周囲をU字状に覆うカバー板51(本願のロッドカバーに相当)が設けられている。そして、このカバー板51にて、従動ロッド部35bの下端面と作業ステージ3aの上面との間の隙間δ(
図3〜
図5)を周囲から覆い隠している。むろんカバー板51は、上端が隙間δから上側に配置され、下端が作業域Aのステージ面と同等の位置に配置される大きさをもつ。
図5中の符号51aは、カバー板51を支柱部25に固定する固定具を示している。
【0022】
さらに
図2、
図3および
図5に示されるように例えば傾斜台29(治具台26)の全周部には、ヒンジ機構部33(支点)およびカムフォロア部47を周囲から覆い隠すカバー部材53(本願の治具カバーに相当)が設けられている。
一方、無人搬送車7は、
図2にも示されるように例えば前後部に操舵輪61a,駆動輪61bを有し、さらに走行方向前部に作業台車13の係脱孔部19aと係脱可能な突没ピン部63を有する扁平箱形の本体65と、同本体65内に内蔵された各種機器とを有して構成される。内蔵機器は、操舵輪61aを操舵する機構67aや駆動輪61bを駆動するモータ機構67bや電源部となるバッテリ67cや突没ピン部63を突没駆動する駆動機構67dなどで構成される。いずれの機器も外部からの遠隔操作により制御されるものである。
【0023】
このように構成されたワーク搬送装置9は、
図1のように無人搬送車7の遠隔操作により、作業台車13と係合して、順に作業台車13を送り装置5へ誘導する。これにより、作業台車13は、ライン入口aから順に組立ラインへ押し出される。すると、作業台車13は、作業ステージ3aの各作業域に順に到達し、各作業域において作業者Mにより、エンジンアッセンブリ11に対する各種部品の組付作業が行われる。これにより、作業ステージ3a,3bにおいて、シャフトドライブを組付ける作業や各種サスペンション部材を組付ける作業が行われる。そして、最終の組み付けを終えたエンジンアッセンブリ11はライン出口bに到達する。この間に無人搬送車7は、ライン入口a側から、直列に連なる複数の作業台車13の下側の開放部43を通行して、ライン出口bに至る。そして、ライン出口bの作業台車13の係脱孔部19aと無人搬送車7の突没ピン部63とが係合され、無人搬送車7により、組立ラインでの組み立てを終えたエンジンアッセンブリ11を次の作業を行う作業ステージへと搬送する。
【0024】
このときドライブシャフトを組み付ける作業域Aへ向かった作業台車13は、従動ロッド部35bの下端とロッド通孔3dとが合致する位置で停止するから、作業者Mは操作部(図示しない)を操作して、ギヤードモータ41の作動により駆動ロッド部35aを上昇させる。これにより、駆動ロッド部35aの上端部は、ロッド通孔3dから作業域Aのステージ面の上方へ突き出す(十数センチ程度)。すると、
図4および
図6に示されるように作業台車13の側部の従動ロッド部35bは、突き出る駆動ロッド部35aを受けて上方へ変位し、ロッド受け37を押し上げ、傾斜台29をヒンジ機構部33を支点に傾斜させる。これにより、治具ユニット31にセットされているエンジンアッセンブリ11は、作業台車13の進行方向後側へ傾斜する(
図6)。すると、エンジンアッセンブリ11の内部に収容されているオイル(図示しない)は、片側へ偏る。フロントデフ11cのシャフト組付孔11e(ドライブシャフトを組み付けるための孔:
図4に図示)は、作業台車13の進行方向前側に配置されているので、内部オイルのオイル面は、シャフト組付孔11eから退く。つまり、このエンジンアッセンブリ11の傾斜姿勢により、シャフト組付孔11dからオイルが流出するおそれはなくなる。
【0025】
そのため、同姿勢から、シャフト組付孔11eを塞いでいるキャップ(図示しない)を取り外し、開口(作業台車13の進行方向側方)したシャフト組付孔11dにドライブシャフト端(図示しない)を差し込むと、ドライブシャフト(図示しない)の組み付けは、オイルの流出なく終える。その後、再び操作部を操作して、ギヤードモータ41の作動で駆動ロッド部35aを待機位置まで下降させる。これにより、傾斜台29(治具台26)は、当初の位置まで戻り、エンジンアッセンブリ11は元の位置まで戻る。そして、次作業の作業域へ送り出される。
【0026】
以上のようにワーク傾動機構15として、作業ステージ3a側に駆動ロッド部35aを設け、作業台車13側に従動ロッド部35bを設けるといった分割式の機構を採用したことにより、作業台車13の下側には、無人搬送車7が通行する開放部43が確保されるだけでなく、コストの負担の大きい駆動ロッド部35aは、作業ステージ3a側だけに据え付けるだけでよいから、無人搬送車7で作業台車13を誘導してエンジンアッセンブリ11(ワーク)を搬送するワーク搬送装置9の長所を確保しつつ、コスト的な負担を抑えた構造で、エンジンアッセンブリ11(ワーク)の傾動作業を行うことができる。しかも、駆動ロッド部35aは、常時は作業ステージ3aの下側に収められて、作業ステージ3a上での作業の邪魔にならないので、作業ステージ3a上で安全に作業を進めることができるだけでなく、駆動ロッド部35aの直上位置で作業も行えるので、効率よく組立作業が進められる。
【0027】
そのうえ、作業台車13に設けられた従動ロッド部35bの下端面と、作業域Aのステージ面(作業ステージ3aの上面)との間の隙間δの周囲は、
図2〜
図5に示されるようにカバー板51で遮られるため、作業者の足先などが隙間δに入り込むおそれはなく、安全性にも優れる。
さらにヒンジ機構部33(支点部)およびカムフォロア部47は、治具台26の全周に設けたカバー部材53により周囲から遮られるので、外部からの異物の侵入が防げる。しかも、作業台車13の見栄えもよい。
【0028】
なお、上述した一実施形態における各構成およびそれの組合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、一実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。例えば一実施形態では、ラックピニオン機構やギヤードモータを用いて、駆動ロッド部を上方向へ変位させたが、これに限らず、他の機構や装置を用いて、駆動ロッド部を変位させても構わない。