【文献】
ヴォ タン ハイ 外3名,アナログSC−FDEを用いるSSB伝送,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2013年 6月13日,第113巻 第93号,p.135〜140
【文献】
坂本 剛憲,ミリ波近距離無線用オーバーサンプリングOverlap−FDEの開発(2) ,電子情報通信学会2012年総合大会講演論文集 通信1 ,日本,社団法人電子情報通信学会 ,2012年 3月 6日,p.416
【文献】
佐々木 進 外3名,高速フェージングに耐性を有する準直交STBC伝送方式 QO-STBC Transmission Scheme Robust to Fast Fading Environment,電子情報通信学会論文誌 ,日本,社団法人電子情報通信学会,2011年 2月15日,第J94-B巻 第2号 ,P.245〜252
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記送信信号において、前記アナログ信号は、一定期間内に時間波形が繰り返される信号であり、前記プリアンブル信号は、前記一定期間において時間波形の繰り返しが無い信号である、
請求項1に記載の送信装置。
周波数成分を送信帯域内に等間隔に離散配置されたアナログ信号と、前記送信帯域全体に周波数成分が連続配置されたデジタル信号であるプリアンブル信号と、が時間多重された受信信号の自己相関値を用いて、タイミング同期をとる制御部と、
前記タイミング同期の結果に基づいて、前記受信信号を、前記アナログ信号と前記プリアンブル信号とに分割する分割部と、
前記プリアンブル信号を用いてチャネル応答を推定する推定部と、
前記アナログ信号の周波数成分において連続する位置に配置する配置部と、
前記チャネル応答を用いて、前記周波数成分が連続配置されたアナログ信号に対して周波数領域等化を行う周波数領域等化部と、
を具備し、
前記連続配置される周波数成分は、離散配置された前記送信帯域内の周波数成分と異なる周波数成分を含む、受信装置。
周波数成分を送信帯域内に等間隔に離散配置されたアナログ信号と、前記送信帯域全体に周波数成分が連続配置されたデジタル信号であるプリアンブル信号と、が多重された受信信号の自己相関値を用いて、タイミング同期をとり、
前記タイミング同期の結果に基づいて、前記受信信号を、前記アナログ信号と前記プリアンブル信号とに分割し、
前記プリアンブル信号を用いてチャネル応答を推定し、
前記アナログ信号の周波数成分において連続する位置に配置し、
前記チャネル応答を用いて、前記周波数成分が連続配置されたアナログ信号に対して周波数領域等化を行い、
前記連続配置される周波数成分は、離散配置された前記送信帯域内の周波数成分と異なる周波数成分を含む、受信方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
(実施の形態1)
[送信ダイバーシチ技術]
伝送特性を改善する技術の1つに、送信ダイバーシチ技術がある。ただし、上述したように、アナログ信号伝送では、アナログ信号そのものに複雑な信号処理を適用しにくい。そこで、アナログ信号伝送に送信ダイバーシチ技術を適用する場合、例えば、複数のアンテナから同じ信号を送信するSFN(Single Frequency Network)を適用することが考えられる。
【0018】
SFNでは、複数のアンテナから同じ信号を送信するので、受信側では平均的な受信信号電力の改善が見込まれる。一方、SFNではマルチパス環境を人工的に形成していることから、瞬間的な受信状況を見た場合に、信号の送信時間、送信周波数又は受信位置によっては、マルチパスフェージングの影響により、各アンテナから送信された信号が互いに打ち消し合い、受信レベルが大きく低下し、伝送特性の劣化が生じる可能性もある。
【0019】
そこで、本実施の形態では、送信ダイバーシチ技術の一例として、空間ダイバーシチ技術を用いて、マルチパスフェージング環境下であってもアナログ信号の伝送特性を向上させることができる方法について説明する。
【0020】
本実施の形態に係る通信システムは、送信装置100と受信装置200とを有する。
【0021】
[送信装置100の構成]
図1は、本実施の形態に係る送信装置100の構成を示すブロック図である。
図1において、送信装置100は、サンプリング部101、時間−周波数変換部102、時空間符号化部103、周波数−時間変換部104−1、104−2、CP(Cyclic Prefix)付加部105−1、105−2、及び、アンテナ106−1、106−2を有する。
【0022】
サンプリング部101には、送信装置100から受信装置200へ送信されるアナログ信号が入力される。アナログ信号は、例えば音声信号であり、時間的に連続したアナログ波形の信号である。
【0023】
サンプリング部101は、入力されるアナログ信号に対して一定時間間隔毎にサンプリング処理を行い、サンプリング信号を時間−周波数変換部102へ出力する。
【0024】
時間−周波数変換部102は、サンプリング部101から受け取るサンプリング信号を所定数になるまで蓄積し、所定数のサンプリング信号から構成される信号ブロック毎に、時間波形を周波数成分に変換する。この時間−周波数変換として、例えば、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transformation)がある。時間−周波数変換部102は、周波数成分を時空間符号化部103へ出力する。
【0025】
時空間符号化部103は、時間−周波数変換部102から受け取る周波数成分に対して、時空間ブロック符号(STBC:Space Time Block Coding)を適用する。そして、時空間符号化部103は、得られる各アンテナ106から送信される信号を、各アンテナ106に対応する周波数−時間変換部104へ出力する。
【0026】
周波数−時間変換部104−1及びCP付加部105−1はアンテナ106−1に対応し、周波数−時間変換部104−2及びCP付加部105−2はアンテナ106−2に対応する。
【0027】
周波数−時間変換部104−1、104−2は、時空間符号化部103から受け取る信号に対して、周波数成分を信号ブロック毎の時間波形に変換する。この周波数−時間変換として、例えば、逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier transformation)がある。周波数−時間変換部104−1、104−2は、信号ブロック毎の時間波形信号をCP付加部105−1、105−2へそれぞれ出力する。
【0028】
CP付加部105−1、105−2は、周波数−時間変換部104−1、104−2から受け取る信号ブロックの時間波形信号に対してCPを付加する。例えば、CP付加部105−1、105−2は、信号ブロックの先頭の一部分をCPとして信号ブロックの最後尾に付加してもよい。CPが付加された信号は、アンテナ106−1、106−2を介して送信される。ここで、CP付加部105−1、105−2から出力された信号はRF周波数に周波数変換され、送信される。
【0029】
このように、送信装置100は、アナログ信号に対して時空間符号化送信ダイバーシチ(STTD:Space Time Block Coding based Transmit Diversity)アルゴリズムを適用する。
【0030】
[受信装置200の構成]
図2は、本実施の形態に係る受信装置200の構成を示すブロック図である。
図2において、受信装置200は、アンテナ201−1、201−2、CP除去部202−1、202−2、時間−周波数変換部203−1、203−2、時空間符号復号部204、周波数−時間変換205、及び、再生部206を有する。
【0031】
アンテナ201−1、201−2を介して、送信装置100から送信された信号が受信される。受信信号はRF周波数からベースバンド帯域へ変換され、CP除去部202−1、202−2へ出力される。
【0032】
CP除去部202−1及び時間−周波数変換部203−1はアンテナ201−1に対応し、CP除去部202−2及び時間−周波数変換部203−2はアンテナ201−2に対応する。
【0033】
CP除去部202−1、202−2は、アンテナ201−1、201−2から受け取る受信信号からCPを除去する。CP除去部202−1、202−2は、CPが除去された信号(信号ブロック毎の時間波形信号)を時間−周波数変換部203−1、203−2へ出力する。
【0034】
時間−周波数変換部203−1、203−2は、CP除去部202−1、202−2から受け取る信号に対して、時間波形を周波数成分に変換する。この時間−周波数変換として、例えばDFTがある。時間−周波数変換部203−1、203−2は、周波数成分を時空間符号復号部204へ出力する。
【0035】
時空間符号復号部204は、時間−周波数変換部203−1、203−2からそれぞれ受け取る周波数成分を用いて、周波数成分毎(例えば、サブキャリア毎)に時空間ブロック符号(STBC)の復号処理を行う。時空間符号復号部204は、復号処理後の信号を周波数−時間変換部205へ出力する。
【0036】
周波数−時間変換部205は、時空間符号復号部204から受け取る信号に対して、周波数成分を時間波形のブロック(離散的な時間波形)に変換する。この周波数−時間変換として、例えばIDFTがある。周波数−時間変換部205は、時間波形信号を再生部206へ出力する。
【0037】
再生部206は、周波数−時間変換部205から受け取る時間波形信号(離散的な時間波形)を用いて、時間的に連続的なアナログ信号を再生する。例えば、再生部206は、離散的な時間波形をLPF(Low Pass Filter)に通すことにより、離散信号を連続信号に再生してもよい。これにより、時間的に連続するアナログ信号が得られる。
【0038】
[送信装置100及び受信装置200の動作]
以上の構成を有する送信装置100及び受信装置200の動作について説明する。
【0039】
送信装置100は、アナログ信号を一定時間間隔毎にサンプリングして、サンプリングされた離散的なアナログ信号を所定数毎にまとめた信号ブロックを生成する。そして、送信装置100は、信号ブロック毎に時間波形を周波数成分に変換し、周波数成分毎にSTBC符号化を適用する。
【0040】
例えば、
図1に示すように2アンテナ送信におけるSTBC符号化において用いられるSTBC行列Sは次式のように表される。
【0042】
ここで、S
n,fは、第n信号ブロックにおける周波数成分fの信号を表し、S
n+1,fは、第n+1信号ブロックにおける周波数成分fの信号を表す。上添字*は複素共役を示す。
【0043】
すなわち、送信装置100は、第{n,n+1}信号ブロックにおいて、一方のアンテナ106から{S
n,f, -S
*n+1,f}を送信し、他方のアンテナ106から{S
n+1,f, S
*n,f}を送信することにより、周波数成分fに対してSTBC符号化を適用する。
【0044】
送信装置100は、周波数成分f(例えば、サブキャリア単位)毎にSTBC符号化を適用することにより、送信信号全体に対してSTBC符号化を適用する。
【0045】
そして、送信装置100は、信号ブロック毎にSTBC符号化が適用された信号を、アンテナ106−1、106−2のそれぞれにおいて周波数成分から時間波形信号へ変換し、CPを付加して送信する。
【0046】
一方、受信装置200は、アンテナ201−1、201−2を介して受信した受信信号からCPを除去し、時間波形信号から周波数成分へ変換し、周波数成分に対してSTBC復号を適用する。
【0047】
こうすることで、受信装置200ではSTTDアルゴリズムを用いることにより、送信点の異なる複数の伝送路の最大比合成利得が得られるため、高い送信ダイバーシチ利得を得ることができる。よって、受信装置200では、上述したSFNを適用する場合のように信号の送信時間、送信周波数又は受信位置に依存してマルチパスフェージングの影響により信号レベルが大きく低下することは生じない。
【0048】
また、STTDアルゴリズムでは送信信号を時間方向において入れ替える処理(例えば、式(1)を参照)が行われるため、送信装置100は、アナログ信号のような時間的に連続する信号に対して、一定時間間隔毎にサンプリングして得られる離散的なアナログ信号に対してSTTDを適用する。こうすることで、アナログ信号伝送に対するSTTDアルゴリズムの適用が可能となる。
【0049】
ここで、信号の伝送方法には、サンプリングした時系列の信号(サンプリング信号)をそのまま逐次送信する「シリアル伝送」と、サンプリング信号を所定数まとめて送信する「ブロック伝送」とがある。マルチパスフェージング環境下では、各伝送方法に対して、マルチパスフェージングを補償するために適用される方法が異なる。
【0050】
具体的には、シリアル伝送では、マルチパスフェージングによって、送信されたサンプリング信号間に干渉が生じるため、この干渉を除去するために適応フィルタによる逐次的な等化器が必要となる。よって、シリアル伝送においてSTBCを適用する場合、送信側において信号のサンプリング点毎に入れ替えを行ったり、ブロック符号の乗算を行ったりなど、処理が複雑になる。また、受信側では、サンプリング点毎にSTBCの復号処理が必要となり、当該復号処理とサンプリング点毎の逐次的な等化処理とを合わせると処理が複雑になってしまう。
【0051】
一方、ブロック伝送では、ブロック間干渉に対してはCPを用いることにより抑えることができ、ブロック内の送信サンプリング信号間の干渉に対しては、周波数領域等化などのブロック毎の等化処理を適用することができる。
【0052】
よって、本実施の形態のように、ブロック伝送のSTBCを適用することにより、送受信側では、STBCの符号化処理及び復号処理と、マルチパスフェージングの等化処理とをブロック毎に行うことができる。すなわち、本実施の形態のように、アナログ信号に対してブロック伝送を適用することにより、サンプリング信号の逐次的な処理を行うことなく、ブロック毎の一括処理が可能となる。これにより、送受信側の双方において簡易に送受信処理の実施が可能となる。
【0053】
以上より、本実施の形態によれば、アナログ信号に対してSTBCを適用することにより、各送信アンテナからの伝送路の最大比合成利得、つまり、空間ダイバーシチ効果を得ることができる。よって、本実施の形態によれば、アナログ信号伝送においてマルチパスフェージング環境下でも伝送特性を向上させることができる。
【0054】
更に、本実施の形態によれば、アナログ信号伝送に対してブロック伝送を適用することにより、ブロック毎の送受信処理が可能となり、送受信側の各装置の構成を簡易にすることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、送信装置100のアンテナ数が2本の場合について説明したが、送信装置100のアンテナ数は2本に限らず、3本以上であってもよい。また、本実施の形態では、受信装置200のアンテナ数が2本の場合について説明したが、受信装置200のアンテナ数は2本に限らず、1本以上であればよい。
【0056】
(実施の形態2)
本実施の形態では、送信ダイバーシチ技術として、周波数ダイバーシチ送信を用いる場合について説明する。
【0057】
アナログ信号における周波数非選択性フェージングの影響による受信レベルの落ち込みに対して、周波数ダイバーシチ送信によってダイバーシチ効果を得ることにより、伝送特性を改善する方法が検討されている(例えば、非特許文献1を参照)。非特許文献1では、アナログ信号のブロック伝送において、送信信号ブロックの周波数成分(サブキャリア)を等間隔に離散的に配置することにより、元の信号の周波数帯域より広帯域化して送信する方法が開示されている。この際、送信側は、ブロック間干渉を除去するために、送信信号ブロックにCPを付加して送信し、受信側は、ブロック等化処理として、周波数領域等化(FDE:Frequency Domain Equalization)を適用することが可能である。
【0058】
例えば、
図3Aに示すようにアナログ信号の周波数成分を等間隔に離散配置することにより、次のような2つの効果が得られる。
【0059】
1つ目は、信号帯域を広帯域化できるため、周波数ダイバーシチ効果が得られることである。狭帯域なアナログ信号では、周波数によっては帯域全体の受信レベルが低下してしまう可能性があるのに対して、信号帯域を広帯域化することにより、アナログ信号の周波数成分の全ての受信レベルが低下することを回避できる。
【0060】
2つ目は、周波数成分が等間隔に配置されることにより、元の信号と同じPAPR(Peak to Average Power Ratio)を維持できることである。一般的に、複数の周波数成分を用いるマルチキャリア伝送ではPAPRが大きくなってしまう。これに対して、等間隔に離散配置された複数の周波数成分を用いたマルチキャリア伝送では、周波数成分を離散配置しない元のシングルキャリア伝送の場合のPAPRを維持できる特徴がある。PAPRが大きくなると送信側の増幅器における非線形歪を避けるために高い出力バックオフを設定する必要があるため電力効率が低下してしまう。このため、送信信号には低いPAPRが求められている。
【0061】
一方で、等間隔に離散配置した周波数成分は、
図3Bに示すように、時間領域では、一定期間内に同一の時間波形が繰り返される信号となる。
【0062】
受信側では、信号ブロックのタイミング同期をとる必要があり、同期方法として受信信号の自己相関値を算出して、自己相関値の最大ピークを検出して、信号ブロックのタイミング同期をとる方法がある。この自己相関を算出する具体的な方法としては、受信信号ブロックのスライディング相関を算出する方法が挙げられる。スライディング相関とは、対象とする信号ブロックの信号列を少しずつ(たとえば1信号ずつ)ずらしながら相関値を算出する計算方法である。
【0063】
受信側において時間波形が繰り返す信号(
図3B)に対して自己相関値を算出した場合、
図3Cに示すように、自己相関値に複数のピークが存在することになる。このため、上述した自己相関値によってタイミング同期をとる場合、受信側は、最大ピーク以外のピークを誤って検出する可能性があるので正確なタイミング同期をとることができなくなるという課題がある。
【0064】
更に、受信側においてFDE処理を行う場合にはチャネル応答の推定値(チャネル推定値)が必要となる。しかしながら、非特許文献1に開示されたようなアナログ信号の伝送方法では、そもそもチャネル推定値を取得できる構成ではなく、受信側においてFDE処理を行うことができないという課題もある。
【0065】
そこで、本実施の形態では、周波数成分が等間隔に離散配置されたアナログ信号を用いる場合でも、受信側においてタイミング同期を精度良く行い、かつ、チャネル推定値を精度良く得ることができる方法について説明する。
【0066】
図4は、本実施の形態に係る送信装置300の構成を示すブロック図である。なお、
図4において、実施の形態1(
図1)と同一構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0067】
図4に示す送信装置300において、配置部301は、時間−周波数変換部102から受け取る周波数成分(狭帯域のアナログ信号)を、元の信号が配置された周波数帯域よりも広い帯域に等間隔に離散配置する(例えば、
図3Aを参照)。配置部301は、離散配置した周波数成分を周波数−時間変換部104へ出力する。
【0068】
時間多重部302は、入力されるプリアンブル信号と、周波数−時間変換部104から受け取る時間波形信号とを時間多重する。時間多重部302は、プリアンブル信号の送信区間では、プリアンブル信号をCP付加部105へ出力し、アナログ信号の送信区間では、周波数−時間変換部104から受け取る時間波形信号をCP付加部105へ出力する。
【0069】
なお、プリアンブル信号は、送信装置300と受信装置400との間において予め定められ、共有されるデータ系列を用いたデジタル信号である。プリアンブル信号は、プリアンブル信号の送信区間において時間波形の繰り返しが無い信号である。換言すると、プリアンブル信号は、周波数領域において送信帯域全体に周波数成分が連続配置された信号である。
【0070】
図5は、本実施の形態に係る受信装置400の構成を示すブロック図である。なお、
図5において、実施の形態1(
図2)と同一構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0071】
図5に示す受信装置400において、自己相関算出部401は、CP除去部202から受け取る受信信号の自己相関値を算出する。自己相関算出部401は、例えば、1つの信号ブロックに相当する受信信号列に対して、スライディング相関を適用することにより自己相関値を算出する。自己相関算出部401は、算出した自己相関値を検出部402に出力する。
【0072】
検出部402は、自己相関算出部401から受け取る自己相関値を用いて、単一のピークが存在する信号ブロックを検出する。検出部402は、検出結果をタイミング制御部403へ出力する。
【0073】
タイミング制御部403は、検出部402から受け取る検出結果に基づいて、時間分割部404に対して、受信装置400における受信処理のタイミングを制御する。具体的には、タイミング制御部403は、単一のピークが存在する信号ブロックを、プリアンブル信号の信号ブロックのタイミングとして判定し、判定結果を時間分割部404に対する制御情報として出力する。このようにタイミング制御部403は、受信信号の自己相関値を用いてタイミング同期をとる。
【0074】
時間分割部404は、タイミング制御部403から受け取る制御情報(タイミング同期の結果)を用いて、受信信号を、プリアンブル信号とアナログ信号とに分割する。具体的には、時間分割部404は、プリアンブル信号の信号ブロックに相当する区間では、CP除去部202から受け取る信号をプリアンブル信号としてチャネル推定部405へ出力し、アナログ信号の信号ブロックに相当する区間では、CP除去部202から受け取る信号をアナログ信号として時間−周波数変換部203へ出力する。
【0075】
チャネル推定部405には、プリアンブル信号と、時間分割部404から受け取る信号とが入力される。当該プリアンブル信号は、送信装置300と受信装置400との間において予め共有された信号である。チャネル推定部405は、プリアンブル信号を用いて、時間分割部404から受け取る信号(つまり、受信したプリアンブル信号)に対してチャネル応答の推定を行う。チャネル推定部405は、推定したチャネル推定値を周波数領域等化部407へ出力する。
【0076】
配置部406は、時間−周波数変換部203から受け取る信号(周波数成分が等間隔に離散配置されたアナログ信号)を、周波数領域において連続する位置に配置する。配置部406は、周波数成分が連続配置された信号を周波数領域等化部407へ出力する。
【0077】
周波数領域等化部407は、チャネル推定部405から受け取るチャネル推定値を用いて、配置部406から受け取る信号に対して周波数領域等化(FDE)処理を行う。この際、周波数領域等化部407は、アナログ信号が実際に送信された周波数成分と同一の周波数成分のチャネル推定値を用いる。周波数領域等化部407は、FDE後の信号を周波数−時間変換部205へ出力する。
【0078】
次に、本実施の形態に係る送信装置300及び受信装置400の動作について説明する。
【0079】
送信装置300は、デジタル信号であるプリアンブル信号系列を用いて、
図6Aに示すように、周波数成分が連続に配置されたプリアンブル信号の信号ブロックを生成する。
【0080】
例えば、
図6Aに示すように、プリアンブル信号は、周波数領域において、一定の振幅を有する周波数成分が送信帯域全体に連続配置されたデジタル信号(IQ信号)である。このプリアンブル信号は、
図6Bに示すように、時間領域の一定期間において時間波形の繰り返しが無い信号となる。
【0081】
また、送信装置300及び受信装置400は、周波数成分を連続配置した場合でもPAPRが小さくなるデジタル信号のプリアンブル信号系列を予め設定する。この信号系列は、送信装置300と受信装置400とが共有する。PAPRを小さく抑えられる系列には、例えば、Chu系列又はZadoff-Chu系列などが挙げられる。ただし、プリアンブル信号には、Chu系列又はZadoff-Chu系列に限らず、送信帯域全体に渡って周波数成分を配置してもPAPRを小さく抑えられる系列であればよい。
【0082】
そして、
図7に示すように、送信装置300は、プリアンブル信号(P)とアナログ信号(D)とを時間多重して送信信号を生成する。この際、送信装置300は、アナログ信号の送信ブロック数に対して予め定められた割合に応じて、プリアンブル信号の信号ブロック数を決定する。
【0083】
すなわち、送信装置300は、一定期間内に時間波形が繰り返すアナログ信号(
図3Bを参照)に、一定期間内に時間波形が繰り返さないデジタル信号であるプリアンブル信号(
図6Bを参照)を付加する。換言すると、送信装置300は、周波数成分が等間隔に離散配置されたアナログ信号(
図3Aを参照)に、アナログ信号の帯域と同一帯域に周波数成分が連続配置されたデジタル信号であるプリアンブル信号(
図6Bを参照)を付加する。
【0084】
受信装置400は、受信信号の時間波形に対してスライディング相関により自己相関値を算出し、ピークを検出してタイミング同期をとる。具体的には、受信装置400は、1つの送信ブロックに相当する受信信号列に対してスライディング相関により自己相関値を算出する。
【0085】
ここで、受信装置400において、
図6A及び
図6Bに示すプリアンブル信号について、時間波形の自己相関値を算出すると、
図6Cに示すように、単一のピークが得られる。すなわち、受信装置400は、信号ブロック内において単一のピークのみを検出することができる。一方、受信装置400において、
図3A及び
図3Bに示すアナログ信号について、時間波形の自己相関値を算出すると、
図3Cに示すように、複数のピークが得られる。
【0086】
そこで、受信装置400は、算出した自己相関値に対して1信号ブロック内に現れるピークが単一か否かを判定する。受信装置400は、信号ブロック内のピークが単一の場合には、そのピークのサンプル位置を検出して、受信信号に対するタイミング同期を行う。受信装置400は、ピークが単一であると判定した信号ブロックを、プリアンブル信号が送信されている信号ブロックと判定し、送信フレームのタイミング同期をとる。
【0087】
単一のピークを検出する方法としては、次のような方法がある。例えば、信号ブロック内の最大電力に対して予め閾値を設定してもよい。受信装置400は、信号ブロック内に閾値より高い電力となるサンプル点が1つしか存在しない場合には、当該信号ブロックを単一のピークが存在するブロック、つまり、プリアンブル信号が送信されている信号ブロックと判定する。一方、受信装置400は、信号ブロック内に閾値より高い電力となる点が複数存在する場合には、当該信号ブロックを複数のピークが存在する信号ブロック(アナログ信号が送信されている信号ブロック)と判定する。
【0088】
このように、受信装置400において、
図6Cに示す単一のピークを検出することにより、
図3Cに示すようなピークを誤って検出することが無くなり、正確なタイミング同期をとることができる。
【0089】
以上のように、本実施の形態では、受信装置400は、信号ブロック内の自己相関値のピークが単一となるデジタル信号であるプリアンブル信号を用いて、タイミング同期をとる。具体的には、プリアンブル信号として、時間波形に繰り返しがない信号であって、周波数成分が連続に配置された信号が用いられる。受信装置400は、このようなプリアンブル信号を用いることにより、周波数成分が等間隔に離散配置されたアナログ信号を受信する場合でも、タイミング同期を精度良くとることができる。
【0090】
また、一般に、周波数成分が連続に配置された任意のマルチキャリア信号は、PAPRが大きくなってしまう傾向がある。しかしながら、本実施の形態では、プリアンブル信号として、PAPRが小さくなる系列を予め定めているので、送信装置300及び受信装置400は、その系列を用いることにより、PAPRを抑えた、周波数成分が連続に配置された信号をプリアンブル信号として用いることが可能となる。
【0091】
また、受信装置400は、送信装置300と受信装置400との間で共有するプリアンプル信号系列を用いて、受信したプリアンブル信号に対してチャネル応答を推定する。受信装置400が受信するプリアンブル信号は、送信装置300から送信されたプリアンブル信号に、送信装置300と受信装置400との間のチャネル応答が乗算されたものである。よって、受信装置400は、受信したプリアンブル信号を、送信装置300での送信に用いられたプリアンブル信号のシンボル点で除算することにより、受信したプリアンブル信号に乗算されているチャネル応答を推定することができる。
【0092】
このようにして、本実施の形態によれば、受信装置400は、チャネル推定値を推定する際、デジタル信号であるプリアンブル信号を用いる。受信装置400では、チャネル推定にデジタル信号を用いることにより、振幅成分と位相成分を含んだチャネル推定値を検出することができるのでチャネル推定精度が向上する。よって、本実施の形態によれば、受信装置400は、アナログ信号に対するFDE処理を精度良く行うことが可能となる。
【0093】
以上より、本実施の形態によれば、FDE処理を精度良く行うことにより、周波数ダイバーシチ効果を得ることができるので、アナログ信号伝送においてマルチパスフェージング環境下でも伝送特性を向上させることができる。
【0094】
[実施の形態2のバリエーション]
なお、本実施の形態において、送信装置300がアナログ信号の周波数成分を等間隔に離散配置する際、複数のユーザ又は複数のアンテナ毎に、周波数成分の配置位置をずらして配置することにより、複数のユーザ又は複数のアンテナ毎の異なるアナログ信号を多重してもよい。
【0095】
複数のユーザ又は複数のアンテナにおけるプリアンブル信号の送信方法には次のような方法がある。アンテナ毎に別々にチャネル推定を行う場合、又は、ユーザ毎に別々にチャネル推定を行う場合、送信側ではデジタルのプリアンブル信号を多重送信することにより、受信側においてそれぞれのアンテナ又はユーザのチャネル応答を別々に推定することが可能となる。Nアンテナ送信時(Nは2以上の整数)におけるプリアンブル信号を
図8に示す。
【0096】
図8に示すようなプリアンブル信号の多重方法として、例えば、デジタル信号であるプリアンブル信号に対して、予め定められた遅延量を用いた循環遅延を適用する方法がある。循環遅延とは、プリアンブル信号が時系列に並んだ系列である場合に、系列全体を所定数(遅延量)のシンボルだけ後方に遅延させ、系列の後方の所定数(遅延量)のシンボルを系列の先頭に移動(循環)させる方法である。循環遅延を適用する場合、複数のアンテナ又は複数のユーザに対して、それぞれ個別の遅延量(シンボル数)を定めることにより、受信側ではアンテナ又はユーザのそれぞれのチャネル応答を推定することが可能となる。
【0097】
また、デジタル信号であるプリアンブル信号の多重方法には、循環遅延の他に時間多重、又は、符号多重を用いることもできる。時間多重では、複数のアンテナ又は複数のユーザに対して、個別の時間、例えば送信ブロックを割り当てることにより、受信側ではアンテナ又はユーザのそれぞれのチャネル応答を個別に推定することが可能となる。また、符号多重では、複数のアンテナ又は複数のユーザに対して、個別の符号を割り当てることにより、受信側ではアンテナ又はユーザのそれぞれのチャネル応答を個別に推定することが可能となる。
【0098】
さらに、プリアンブル信号の多重方法には、周波数多重を用いることもできる。上述したように周波数成分が等間隔に離散配置された信号は時間波形が繰り返す信号になってしまう。そこで、周波数成分が等間隔ではない間隔で離散配置された信号をプリアンブル信号として用いて、複数のアンテナ又は複数のユーザに対してそれぞれ異なる位置に離散配置されるプリアンブル信号を割り当てることにより周波数多重を実現できる。これにより、受信側では複数のアンテナ又は複数のユーザにそれぞれのチャネル応答を個別に推定することが可能となる。
【0099】
(実施の形態3)
本実施の形態は、実施の形態1と実施の形態2との組み合わせである。すなわち、本実施の形態では、実施の形態1と同様にしてアナログ信号に対してブロック毎のSTTDアルゴリズムを適用し、かつ、実施の形態2と同様にしてアナログ信号の周波数成分を等間隔に離散配置し、時間波形に繰り返しが無いデジタル信号であるプリアンブル信号を付加する。
【0100】
図9は、本実施の形態に係る送信装置500の構成を示すブロック図である。なお、
図9において、実施の形態1(
図1)及び実施の形態2(
図4)と同一構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0101】
図9に示す送信装置500では、配置部301、周波数−時間変換部104、時間多重部302、CP付加部105は、アンテナ106−1及びアンテナ106−2の各々に対応して2個ずつ備えられる。
【0102】
配置部301−1、301−2は、時空間符号化部103において生成されたアンテナ106−1、106−2の各々から送信される信号(アナログ信号)の周波数成分の各々を、元の信号が配置された周波数帯域よりも広い帯域(送信帯域内)に等間隔に離散配置する。
【0103】
また、時間多重部302−1、302−2は、アンテナ106−1、106−2の各々から送信される信号(アナログ信号)の各々と、時間波形に繰り返しが無いデジタル信号であるプリアンブル信号とを時間多重する。
【0104】
図10は、本実施の形態に係る受信装置600の構成を示すブロック図である。なお、
図10において、実施の形態1(
図2)及び実施の形態2(
図5)と同一構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0105】
図10に示す受信装置600では、CP除去部202、時間分割部404、時間−周波数変換部203、配置部406、周波数領域等化部407は、アンテナ201−1、201−2の各々に対応して2個ずつ備えられる。
【0106】
自己相関算出部401、検出部402及びタイミング制御部403は、CP除去部202−1又はCP除去部202−2から受け取るプリアンブル信号を用いて、自己相関値を算出し、算出した自己相関値を用いてピークを検出することにより、タイミング同期をとる。
【0107】
時間分割部404−1、404−2は、タイミング制御部403から受け取る制御情報に基づいて、アンテナ201−1、201−2において受信した受信信号を、プリアンブル信号とアナログ信号とに分割する。チャネル推定部405−1、405−2は、プリアンブル信号を用いて、各アンテナ201−1、201−2において受信した受信信号に対してチャネル応答の推定を行う。配置部406−1、406−2は、各アンテナ201−1、201−2において受信した受信信号(周波数成分が等間隔に離散配置されたアナログ信号)を、周波数領域において連続する位置に配置する。周波数領域等化部407−1、407−2は、チャネル推定部405−1、405−2から受け取るチャネル推定値を用いて、配置部406−1、406−2から受け取る信号に対して周波数領域等化処理を行う。
【0108】
そして、時空間符号復号部204は、周波数領域等化部407−1、407−2からそれぞれ受け取るFDE後の周波数成分を用いて、周波数成分毎に時空間ブロック符号(STBC)の復号処理を行う。
【0109】
以上のように、本実施の形態によれば、送信装置500は、周波数成分を等間隔に離散配置したアナログ信号に対してSTTDアルゴリズムを適用して、各アンテナ106の信号の周波数成分を等間隔に離散配置する。更に、送信装置500は、アナログ信号に対して、時間波形に繰り返しが無いデジタル信号であるプリアンブル信号を時間多重して、CPを付加して送信する。また、受信装置600は、各アンテナ201において受信した受信信号に対して、プリアンブル信号を用いて算出したチャネル推定値によるFDE処理を行い、FDE処理後の信号を用いてSTBC復号を行う。
【0110】
こうすることで、本実施の形態によれば、狭帯域なアナログ信号に対して、空間ダイバーシチ効果及び周波数ダイバーシチ効果を同時に得ることができるので、アナログ信号の伝送特性を更に向上させることができる。また、本実施の形態によれば、実施の形態2と同様、受信側におけるタイミング同期を高精度に行うことができ、かつ、振幅と位相成分を有するチャネル推定値によって、受信側におけるFDE処理に加えて、STTD復調処理も高精度に行うことが可能となる。
【0111】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0112】
(他の実施の形態)
上記各実施の形態では、本開示をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0113】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0114】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0115】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0116】
以上、本開示の送信装置は、受信信号の自己相関値を用いてタイミング同期をとり、前記受信信号に対して周波数領域等化を行う受信装置へアナログ信号を送信する送信装置であって、前記アナログ信号の周波数成分を送信帯域内に等間隔に離散配置する配置部と、前記送信帯域全体に周波数成分が連続配置されたデジタル信号であるプリアンブル信号と、前記アナログ信号とを時間多重して送信信号を生成する多重部と、を具備する構成を採る。
【0117】
本開示の送信装置において、前記送信信号において、前記アナログ信号は、一定期間内に時間波形が繰り返される信号であり、前記プリアンブル信号は、前記一定期間において時間波形の繰り返しが無い信号である。
【0118】
本開示の送信装置において、前記プリアンブル信号は、Chu系列又はZadff-Chu系列である。
【0119】
本開示の送信装置において、前記プリアンブル信号は、前記送信装置と前記受信装置との間で共有される。
【0120】
本開示の送信装置において、複数のアンテナと、前記アナログ信号を所定数毎にまとめた信号ブロックに対して時空間ブロック符号化を行い、前記複数のアンテナからそれぞれ送信される信号を生成する符号化部と、を更に具備し、前記配置部は、前記複数のアンテナからそれぞれ送信される信号の周波数成分の各々を、前記送信帯域内に等間隔に離散配置し、前記多重部は、前記複数のアンテナからそれぞれ送信される信号の各々と、前記プリアンブル信号とを時間多重する。
【0121】
本開示の受信装置は、周波数成分を送信帯域内に等間隔に離散配置されたアナログ信号と、前記送信帯域全体に周波数成分が連続配置されたデジタル信号であるプリアンブル信号と、が時間多重された受信信号の自己相関値を用いて、タイミング同期をとる制御部と、前記タイミング同期の結果に基づいて、前記受信信号を、前記アナログ信号と前記プリアンブル信号とに分割する分割部と、前記プリアンブル信号を用いてチャネル応答を推定する推定部と、前記アナログ信号の周波数成分において連続する位置に配置する配置部と、前記チャネル応答を用いて、前記周波数成分が連続配置されたアナログ信号に対して周波数領域等化を行う周波数領域等化部と、を具備する構成を採る。
【0122】
本開示の送信方法は、受信信号の自己相関値を用いてタイミング同期をとり、前記受信信号に対して周波数領域等化を行う受信装置へアナログ信号を送信する送信方法であって、前記アナログ信号の周波数成分を送信帯域内に等間隔に離散配置し、前記送信帯域全体に周波数成分が連続配置されたデジタル信号であるプリアンブル信号と、前記アナログ信号とを時間多重して送信信号を生成する。
【0123】
本開示の受信方法は、周波数成分を送信帯域内に等間隔に離散配置されたアナログ信号と、前記送信帯域全体に周波数成分が連続配置されたデジタル信号であるプリアンブル信号と、が多重された受信信号の自己相関値を用いて、タイミング同期をとり、前記タイミング同期の結果に基づいて、前記受信信号を、前記アナログ信号と前記プリアンブル信号とに分割し、前記プリアンブル信号を用いてチャネル応答を推定し、前記アナログ信号の周波数成分において連続する位置に配置し、前記チャネル応答を用いて、前記周波数成分が連続配置されたアナログ信号に対して周波数領域等化を行う。
【0124】
2014年2月21日出願の特願2014−031505の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。