特許第6551696号(P6551696)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6551696
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】携帯端末機
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/01 20060101AFI20190722BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20190722BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   G06K7/01
   H04M1/02 C
   H05K5/02 C
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-12729(P2017-12729)
(22)【出願日】2017年1月27日
(65)【公開番号】特開2018-120500(P2018-120500A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2018年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】大高 正稔
(72)【発明者】
【氏名】千葉 康則
(72)【発明者】
【氏名】大竹 学
【審査官】 梅沢 俊
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05831819(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/01
H04M 1/02
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面における縦方向下側に偏った位置に操作部が設けられ、前記縦方向に長い携帯端末機であって、
前記操作部の裏側に位置する第2の面に、当該携帯端末機の厚み方向に突出する突出部が設けられ、
前記突出部は、前記縦方向に延伸する第1の突出領域と、前記縦方向下側で前記第1の突出領域に連なり且つ前記縦方向下側に進むにつれ横方向に拡がる第2の突出領域と、を有し、
前記第1の突出領域は、ユーザが前記操作部を親指で操作すべく、前記ユーザが前記親指を前記操作部に被せるように且つ当該携帯端末機を前記操作部の脇から片手で掴むように当該携帯端末機を保持するときに、前記ユーザが保持手の他の指の指先を前記第2の面に突き当てた状態で前記他の指の腹で当該第1の突出領域に対して前記保持手側に向けて前記ユーザが力を込めることが可能な側面を有し、
前記第2の突出領域は、前記ユーザが前記操作部を前記親指で操作すべく、前記ユーザが前記親指を前記操作部に被せるように且つ当該携帯端末機を前記操作部の脇から片手で掴むように当該携帯端末機を保持するときに、前記ユーザが掌外沿をあてがうことが可能な側面を有していることを特徴とする携帯端末機。
【請求項2】
前記突出部は、前記横方向における中心位置を軸にして左右対称な形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機。
【請求項3】
前記第1の面における縦方向上側に偏った位置に表示部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末機。
【請求項4】
前記第1の突出領域は、前記横方向の長さが前記操作部における前記横方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の携帯端末機。
【請求項5】
前記突出部は、当該携帯端末機の内部に前記操作部と対応して設けられて前記第2の面に開放された電池収納部に開閉可能に取り付けられた電池蓋に、当該携帯端末機の厚み方向に突出して設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の携帯端末機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手に持って使用する携帯端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、手に持って使用する携帯端末機においては、特許文献1に記載されているように、機器ケースを握り易く、かつ入力操作し易くするために、機器ケースを握り易い湾曲形状に形成すると共に、機器ケースの裏面に指掛突起部を設け、この指掛突起部に人差指を掛けた状態で、機器ケースを片手で握るように構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−112891号公報
【0004】
すなわち、この種の携帯端末機は、機器ケースの表面に設けられた操作部上に親指を載せ、機器ケースの裏面に設けられた指掛突起部に人差指をピストルの引金に掛けるのと同じように引っ掛けることにより、機器ケースを片手で握った状態で、親指で操作部を操作すると共に、指掛突起部に設けられたスイッチキーを人差指でキー操作するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような携帯端末機では、これを使用するユーザの手の大きさがユーザごとに異なるため、機器ケースを片手で握る際に、機器ケースの縦方向と直交する幅方向の長さが長くなると、手の小さいユーザにとっては機器ケースが握りにくく機器ケースを確実に握ることができないという不都合がある。
【0006】
また、このような携帯端末機では、指掛突起部に人差指を引っ掛けた際に、人差指によってスイッチキーが不用意に動作しないように軽く人差指を指掛突起部に引っ掛ける必要があるため、機器ケースを片手で確実に握るためには、指掛突起部の近傍に中指を掛ける指掛凹部を設けなければならないという不都合がある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、ユーザの手の大きさに係わらず、片手で良好に握ることができる携帯端末機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、第1の面における縦方向下側に偏った位置に操作部が設けられ、前記縦方向に長い携帯端末機であって、前記操作部の裏側に位置する第2の面に、当該携帯端末機の厚み方向に突出する突出部が設けられ、前記突出部は、前記縦方向に延伸する第1の突出領域と、前記縦方向下側で前記第1の突出領域に連なり且つ前記縦方向下側に進むにつれ横方向に拡がる第2の突出領域と、を有し、前記第1の突出領域は、ユーザが前記操作部を親指で操作すべく、前記ユーザが前記親指を前記操作部に被せるように且つ当該携帯端末機を前記操作部の脇から片手で掴むように当該携帯端末機を保持するときに、前記ユーザが保持手の他の指の指先を前記第2の面に突き当てた状態で前記他の指の腹で当該第1の突出領域に対して前記保持手側に向けて前記ユーザが力を込めることが可能な側面を有し、前記第2の突出領域は、前記ユーザが前記操作部を前記親指で操作すべく、前記ユーザが前記親指を前記操作部に被せるように且つ当該携帯端末機を前記操作部の脇から片手で掴むように当該携帯端末機を保持するときに、前記ユーザが掌外沿をあてがうことが可能な側面を有していることを特徴とする携帯端末機である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、ユーザが手の大きさに係わらず、片手で確実にかつ良好に握ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明を携帯端末機に適用した第1実施形態を示した正面図である。
図2図1に示された携帯端末機の裏面図である。
図3図2に示された携帯端末機を左側から見た側面図である。
図4図1に示された携帯端末機を下辺側から見た側面図である。
図5図2に示された携帯端末機を斜め左下側から見た斜視図である。
図6図2に示された携帯端末機から電池蓋を取り外した状態を示した要部の拡大斜視図である。
図7図5に示された携帯端末機の電池蓋を示し、(a)はその電池蓋を斜め右上側から見た斜視図、(b)はその電池蓋を斜め左下側から見た斜視図である。
図8図7に示された電池蓋を示し、(a)はその裏面図、(b)はそれを左側から見た側面図、(c)はそれを下辺側から見た側面図である。
図9】この発明を携帯端末機に適用した第2実施形態を示した裏面図である。
図10図9に示された携帯端末機を左側から見た側面図である。
図11図10に示された携帯端末機を下辺側から見た側面図である。
図12図9に示された電池蓋を示し、(a)はその裏面図、(b)はそれを左側から見た側面図、(c)はそれを下辺側から見た側面図である。
図13】この発明を携帯端末機に適用した第3実施形態を示した裏面図である。
図14図13に示された携帯端末機を左側から見た側面図である。
図15図14に示された携帯端末機を下辺側から見た側面図である。
図16図13に示された電池蓋を示し、(a)はその裏面図、(b)はそれを左側から見た側面図、(c)はそれを下辺側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、図1図8を参照して、この発明を適用した携帯端末機の第1実施形態について説明する。
この携帯端末機は、図1図5に示すように、機器ケース1を備えている。この機器ケース1は、縦方向(図1では上下方向)に長い縦長の長方形状に形成されている。この機器ケース1は、上部ケース2と下部ケース3とを有し、これらの内部にモジュール(図示せず)が組み込まれるように構成されている。
【0012】
上部ケース2は、図1図3図5に示すように、上面が長方形のほぼ平板状に形成され、その外周の側面部が下部ケース3に取り付けられるように構成されている。この場合、上部ケース2の上面における上辺側に偏った箇所、例えば上部ケース2の上面における上辺側の3分の2程度の箇所には、表示部4が設けられており、その下辺側に偏った箇所、例えば上部ケース2の上面における下辺側の3分の1程度の箇所には、キー操作部5が設けられている。
【0013】
表示部4は、図1に示すように、平面型の表示パネルであり、ほぼ長方形状に形成されている。この表示部4は、上部ケース2に設けられた表示窓部4aに対応した状態で上部ケース2内に配置され、表示された情報が上部ケース2の上方から見えるように構成されている。キー操作部5は、テンキー、カーソルキー、ファンクションキーなどの携帯端末機に必要な各種のキーを備えている。この場合、キー操作部5は、その上辺の中間部にトリガーキー5aが配置されている。
【0014】
下部ケース3は、図2図5に示すように、その裏面がほぼ平坦状に形成され、縦方向(図2では長手方向)と直交する横方向の両側面部が裏面(図4では下面)に向けて円弧状に湾曲して形成され、この側面部の上部(図4では上部)に上部ケース2の側面部の下部が取り付けられるように構成されている。この下部ケース3の上辺部側に位置する裏面には、図2に示すように、光学読取部(図示せず)の読取窓部6が設けられている。
【0015】
この場合、下部ケース3の上辺部側に位置する裏面側には、図3および図5に示すように、山形状に突出する読取突起部6aが設けられている。この読取突起部6aの上辺側の斜面には、読取窓部6が設けられている。また、光学読取部は、レーザ光線を下部ケース3の読取窓部6から機器ケース1の外部に出射させ、そのレーザ光線の反射光を受光することにより、物品のバーコードなどを読み取るように構成されている。
【0016】
また、この下部ケース3の縦方向(図2では上下方向)におけるほぼ中間部には、図2および図5に示すように、外部接続部(図示せず)を開閉可能に塞ぐ接続蓋7が取り付けられている。さらに、この下部ケース3の縦方向におけるほぼ中間部に位置する両側部には、トリガーキー8がそれぞれ設けられている。
【0017】
また、この下部ケース3の下辺部側には、図5および図6に示すように、電池蓋10が着脱可能に取り付けられる電池収納部11が設けられている。この電池収納部11は、充電池12を収納するものであり、上部ケース2の下辺側に設けられたキー操作部5に対応した状態で、下部ケース3の内部に設けられて裏面側に開放された構成になっている。
【0018】
この場合、電池収納部11の縁部には、図2および図6に示すように、電池蓋10を電池収納部11に着脱可能に取り付けるための複数の取付レバー13が設けられている。これら複数の取付レバー13は、回転操作することにより、電池蓋10の縁部を電池収納部11に係脱可能に係止するように構成されている。
【0019】
ところで、電池蓋10は、図2図8に示すように、キー操作部5に対応する電池収納部11を開閉可能に塞ぐように構成されている。この電池蓋10は、下部ケース3の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていると共に、機器ケース1の縦方向(長手方向)と直交する横方向のほぼ中間部に突出部である指掛部14が機器ケース1の裏面側に突出して形成された構成になっている。
【0020】
この場合、突出部である指掛部14は、図2図5図7および図8に示すように、縦方向に延伸する第1の突出領域15と、縦方向下側で第1の突出領域15に連なり且つ縦方向下側に進むにつれ横方向に拡がる第2の突出領域16と、を有している。この場合、指掛部14および電池蓋10の各表面には、多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17が設けられている。また、この指掛部14は、機器ケース1の縦方向と直交する横方向における中心位置を軸として左右対称な形状に形成されている。
【0021】
第1の突出領域15は、図2図5図7および図8に示すように、機器ケース1の縦方向と直交する横方向の長さが電池蓋10の横方向の長さ、つまりキー操作部5の横方向の長さよりも短い長さで、機器ケース1のほぼ中間部に位置した状態で、機器ケース1の縦方向に沿って長いほぼ長方形状に形成されている。この第1の突出領域15は、機器ケース1の横方向の両側の各側面が指当部15aに形成され、この指当部15aが機器ケース1の縦方向に沿って設けられるように構成されている。
【0022】
これにより、第1の突出領域15は、図1図3に示すように、ユーザがキー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、ユーザが保持手の他の指F2〜F5の各指先を電池蓋10の裏面に突き当てた状態で他の指F2〜F5の各腹で第1の突出領域15の側面である指当部15aに対して保持手側に向けてユーザが力を込められるように構成されている。
【0023】
この場合、第1の突出領域15の上辺部側には、図2および図3に示すように、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、ユーザの人差指F2の位置を規制する指規制凹部15bが設けられている。
【0024】
一方、第2の突出領域16は、図1図8に示すように、ユーザが掌外沿つまり小指F5の側部をあてがうことが可能な側面である指載部16aを備えている。この指載部16aは、キー操作部5の下辺部側に対応する指掛部14の上部から電池蓋10の両側部に向けて傾斜して設けられている。
【0025】
これにより、第2の突出領域16は、図1図8に示すように、ユーザがキー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、ユーザが掌外沿である小指F5の側部を指載部16aにあてがうように構成されている。
【0026】
次に、このような携帯端末機の作用について説明する。
この携帯端末機を使用する場合には、まず、機器ケース1の電池収納部11内に充電池12を収納し、この電池収納部11に電池蓋10を取り付ける。この状態で、電池蓋10が位置する箇所の機器ケース1を片手で握る。このときには、親指F1を機器ケース1の表面のキー操作部5上に配置させ、他の指F2〜F5を機器ケース1の裏面に設けられた電池蓋10の指掛部14に引っ掛けって、機器ケース1の側部を手の平に押し当てる。
【0027】
すなわち、このときには、ユーザがキー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持すると共に、ユーザが保持手の他の指F2〜F5の各指先を電池蓋10の裏面に突き当てた状態で他の指F2〜F5の各腹で第1の突出領域15の側面である指当部15aに対して保持手側に向けてユーザが力を込める。
【0028】
また、このようにユーザが機器ケース1を握る際には、突出部である指掛部14に設けられた指規制凹部15bに人差指F2が配置されることにより、この人差指F2が指規制凹部15bによって位置規制されるので、他の指F3〜F5が指掛部14に対して縦方向に位置規制され、機器ケース1を握った手が機器ケース1に対して縦方向に位置ずれすることがなく、良好に機器ケース1を保持することができる。
【0029】
また、このようにユーザが機器ケース1を握る際には、ユーザがキー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、ユーザが掌外沿である小指F5の側部を第2の突出領域16の指載部16aにあてがうことができる。このため、小指F5を違和感なく指掛部14に安定させて配置させることができ、機器ケース1を良好に握ることができる。
【0030】
さらに、この機器ケース1は、下部ケース3の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていることにより、機器ケース1を片手で握った際に、手にフィットする。この場合、機器ケース1を握った際には、指掛部14および電池蓋10の各表面に設けられた多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17によって、機器ケース1に対して手が不用意に滑らないように、良好に機器ケース1を握ることができる。
【0031】
また、突出部である指掛部14は、電池蓋10の縦方向と直交する横方向のほぼ中間部に位置し、かつ電池蓋10の横方向の長さよりも短い長さで、電池蓋10の縦方向に沿って長く形成されていることにより、電池蓋10の横方向における指掛部14の両側に指当部15aが設けられている。これにより、この指掛部14の両側の指当部15aのうち、その一方の指当部15aに親指F1を除く他の指F2〜F5を引っ掛けって機器ケース1の縦方向つまり長手方向と直交する横方向に確実にかつ良好に引き寄せることができる。
【0032】
このため、例えば、手の大きさが小さいユーザが機器ケース1を握る際には、指掛部14が電池蓋10の縦方向と直交する横方向のほぼ中間部に位置し、かつ電池蓋10の横方向の長さよりも短く形成されていることにより、機器ケース1の長手方向と直交する横方向の幅が広くても、その幅よりも短い長さで機器ケース1を握ることができるので、手の大きさが小さいユーザでも確実にかつ良好に機器ケース1を握ることができる。
【0033】
また、ユーザが機器ケース1を片手で握る際に、指掛部14が機器ケース1の横方向における中心位置を軸にして左右対称な形状に形成されていることにより、ユーザが右手でも左手でも機器ケース1を確実にかつ良好に握ることができる。このようにユーザが機器ケース1を握った際には、親指F1が表示部4を遮ることなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を見ながら、親指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができる。
【0034】
このように、この携帯端末機によれば、第1の面である表面における縦方向下側に偏った位置にキー操作部5が設けられて、縦方向に長い機器ケース1を備えた携帯端末機であって、キー操作部5の裏側に位置する第2の面である裏面に、機器ケース1の厚み方向に突出する突出部である指掛部14が設けられ、この指掛部14は、縦方向に延伸する第1の突出領域15と、縦方向下側で第1の突出領域15に連なり且つ縦方向下側に進むにつれ横方向に拡がる第2の突出領域16と、を有しているので、ユーザの手の大きさに係わらず、機器ケース1を片手で良好に握ることができる。
【0035】
すなわち、この携帯端末機では、第1の突出領域15が、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、ユーザが保持手の他の指F2〜F5の各指先を第2の面である裏面に突き当てた状態で他の指F2〜F5の各腹で第1の突出領域15に対して保持手側に向けてユーザが力を込めることが可能な側面である指当部15aを有しているので、機器ケース1を片手で確実にかつ良好に握ることができる。
【0036】
また、この携帯端末機では、第2の突出領域16が、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むよう機器ケース1を保持するときに、ユーザが掌外沿である小指F5の側部をあてがうことが可能な側面である指載部16aを有していることにより、この指載部16aに小指F5を載せることができるので、小指F5を違和感なく安定させた状態で指掛部14に配置させることができ、これによっても機器ケース1を良好に握ることができる。
【0037】
このため、この携帯端末機では、親指F1を除く複数の指F2〜F5を電池蓋10の指掛部14の一方の指当部15aに引っ掛けって機器ケース1の縦方向つまり長手方向と直交する方向に確実にかつ良好に引き寄せることにより、機器ケース1の側部を親指F1の付け根付近に確実に押し当てることができ、これにより機器ケース1を片手で確実にかつ良好に握ることができる。このため、この状態では、親指F1をキー操作部5上において自由に移動させることができるので、親指F1によるキー操作が良好にできる。
【0038】
また、この携帯端末機では、指掛部14が機器ケース1の横方向における中心位置を軸にして左右対称な形状に形成されていることにより、ユーザが機器ケース1を片手で握る際に、右手でも左手でも、機器ケース1を確実にかつ良好に握ることができるので、使い勝手の良いものを提供することができる。
【0039】
また、この携帯端末機では、機器ケース1の第1の面である表面における縦方向上側に偏った位置に表示部4が設けられていることにより、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持した際に、親指F1が表示部4を遮ることがなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を見ながら、親指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができる。
【0040】
また、この携帯端末機では、第1の突出領域15における機器ケース1の横方向の長さがキー操作部5における横方向の長さよりも短く形成されていることにより、機器ケース1の長手方向と直交する横方向の幅が広くても、その幅よりも短い長さで機器ケース1を握ることができるので、手の大きさが小さいユーザでも確実にかつ良好に機器ケース1を握ることができる。
【0041】
さらに、この携帯端末機では、指掛部14がキー操作部5に対応する機器ケース1内に設けられて裏面側に開放された電池収納部11を開閉可能に塞ぐ電池蓋10に設けられていることにより、指掛部14を機器ケース1に設ける必要がないので、機器ケース1の形状が簡単なり、機器ケース1を容易に製作することができると共に、指掛部14を電池蓋10に設けているので、指掛部14を電池蓋10と共に容易に製作することができる。
【0042】
また、この携帯端末機では、指掛部14の裏面に指規制凹部15bが設けられていることにより、ユーザが機器ケース1を握った際に、指掛部14の指規制凹部15bに人差指F2を配置させることができるので、人差指F2の位置を確実にかつ良好に規制することができ、これにより機器ケース1を握った手が機器ケース1に対して位置ずれを起こすことがなく、良好に機器ケース1を保持することができる。
【0043】
さらに、この携帯端末機では、機器ケース1の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていることにより、機器ケース1を片手で握った際に、手にフィットさせることができる。この場合、指掛部14および電池蓋10の各表面には、多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17が設けられているので、機器ケース1を握った際に、滑止め部17によって機器ケース1に対して手が不用意に滑らないように、良好に機器ケース1を握ることができる。
【0044】
なお、上述した第1実施形態では、突出部である指掛部14の第2の突出領域16が、ユーザの掌外沿つまり小指F5の側部をあてがうことが可能な側面である指載部16aを備えている場合について述べたが、この発明はこれに限らず、例えば、第2の突出領域16の縦方向の長さを短く形成して、薬指F4の側面をあてがって機器ケース1を保持するように構成しても良い。
【0045】
(第2実施形態)
次に、図9図12を参照して、この発明を適用した携帯端末機の第2実施形態について説明する。なお、図1図7に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この携帯端末機は、図9図12に示すように、機器ケース1の電池収納部11に着脱可能に取り付けられる電池蓋20が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。
【0046】
すなわち、この電池蓋20には、図9図12に示すように、第1実施形態と同様、下部ケース3の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成された突起部である指掛部21が設けられている。これにより、電池蓋20は、下部ケース3の電池収納部11に取り付けられた状態で、機器ケース1を片手で握った際に、指掛部21によって手にフィットするように構成されている。
【0047】
この場合、指掛部21は、図9図12に示すように、機器ケース1の裏面側に向けて読取突起部6aよりも突出する第1の突出領域22と、この第1の突出領域22から電池蓋20の下辺側に向けて緩やかに傾斜する第2の突出領域23と、を有している。この指掛部21と電池蓋20との各表面には、第1実施形態と同様、多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17が設けられている。
【0048】
第1の突出領域22は、図9図12に示すように、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、保持手の人差指F2の腹が電池蓋20の縦方向における下辺部側に向けて押し当てられてユーザが力を込めることが可能な側面である指当部22aを有している。
【0049】
この指当部22aは、図9図12に示すように、電池蓋20の縦方向における第1の突出領域22の上辺側に急な傾斜面で立ち上がる立上り面である。また、この指当部22aは、機器ケース1の縦方向(長手方向)と直交する方向に沿って人差指F2の屈曲状態に対応する円弧状に湾曲して形成されている。
【0050】
このため、この指掛部21は、図9図12に示すように、機器ケース1を片手で握る際に、人差指F2が屈曲した形状で人差指F2の腹が指当部22aにその湾曲に沿って押し当てられ、この状態で機器ケース1をその縦方向における下辺部側に向けて引き寄せるように構成されている。
【0051】
第2の突出領域23は、図9図12に示すように、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、ユーザが保持手の他の指F3〜F5の各腹で保持手側に向けてユーザが力を込めることが可能な湾曲面に形成されている。
【0052】
すなわち、この第2の突出領域23は、図9図12に示すように、第1の突出領域22の指当部22aが位置する上辺部から下辺側に向けて緩やかに傾斜する湾曲面に形成されている。また、この第2の突出領域23には、中指F3の位置を規制する指規制凹部23aが設けられている。
【0053】
これにより、第2の突出領域23は、図9図12に示すように、機器ケース1を片手で握る際に、指規制凹部23aに中指F3が配置されて位置規制されることにより、第2の突出領域23上に配置される薬指F4と小指F5との各腹を第2の突出領域23の湾曲面に沿って安定させた状態で良好に配置させるように構成されている。
【0054】
次に、このような携帯端末機の作用について説明する。
この携帯端末機を使用する場合には、機器ケース1の電池収納部11に取り付けられた電池蓋20が位置する箇所の機器ケース1を片手で握る。このときには、親指F1を機器ケース1の表面のキー操作部5上に配置させ、人差指F2の腹を機器ケース1の裏面側に位置する電池蓋10の指掛部21における第1の突出領域22の指当部22aに押し当て、他の指F3〜F5を指掛部21の第2の突出領域23上に配置させて、機器ケース1を握る。
【0055】
すなわち、このときには、ユーザがキー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持すると共に、保持手の人差指F2の腹が電池蓋20の指掛部21における第1の突出領域22の指当部22aに押し当てられて第1の突出領域22の縦方向における下辺部側に向けてユーザが力を込める。
【0056】
この場合、人差指F2の腹が電池蓋20の指掛部21における第1の突出領域22の指当部22aに押し当てられて第1の突出領域22の縦方向における下辺部側に向けてユーザが力を込めると、人差指F2が屈曲した形状で人差指F2の腹が指当部22aにその湾曲に沿って押し当てられるので、機器ケース1がその縦方向における下辺部側に向けて引き寄せられる。
【0057】
また、このときには、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持すると共に、ユーザが保持手の他の指F3〜F5の各腹で保持手側に向けて力を込める。すると、指F3〜F5の各腹が第2の突出領域23の湾曲面に沿って安定させた状態で良好に配置される。これらによって、ユーザが片手で機器ケース1を確実にかつ良好に保持することができる。
【0058】
また、このようにユーザが機器ケース1を握る際には、第2の突出領域23に設けられた指規制凹部23aに中指F3が配置されて位置規制されることにより、第2の突出領域23上に配置される薬指F4と小指F5との各腹が第2の突出領域23に対して縦方向に位置規制され、機器ケース1を握った手が機器ケース1に対して縦方向に位置ずれすることがなく、良好に機器ケース1を保持することができる。
【0059】
さらに、この機器ケース1は、下部ケース3の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていることにより、機器ケース1を片手で握った際に、手にフィットする。この場合、機器ケース1を握った際には、指掛部14および電池蓋10の各表面に設けられた多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17によって、機器ケース1に対して手が不用意に滑らないように、良好に機器ケース1を握ることができる。
【0060】
このようにユーザが機器ケース1を握った際には、第1実施形態と同様、親指F1が表示部4を遮ることなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を見ながら、親指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができる。
【0061】
このように、この携帯端末機によれば、第1の面である表面における縦方向下側に偏った位置にキー操作部5が設けられて、縦方向に長い機器ケース1を備えた携帯端末機であって、キー操作部5の裏側に位置する第2の面である裏面に、機器ケース1の厚み方向に突出する突出部である指掛部21が設けられ、この指掛部21が、機器ケース1の裏面側に向けて読取突起部6aよりも突出する第1の突出領域22と、この第1の突出領域22から電池蓋20の下辺側に向けて緩やかに傾斜する第2の突出領域23と、を有しているので、ユーザの手の大きさに係わらず、機器ケース1を片手で良好に握ることができる。
【0062】
すなわち、この携帯端末機では、第1の突出領域22が、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、保持手の人差指F2の腹が電池蓋20の縦方向における下辺部側に向けて押し当てられてユーザが力を込めることが可能な側面である指当部22aを有しているので、機器ケース1を片手で確実にかつ良好に握ることができる。
【0063】
また、この携帯端末機では、第2の突出領域16が、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むよう機器ケース1を保持するときに、ユーザが保持手の他の指F3〜F5の各腹で保持手側に向けてユーザが力を込めることが可能な湾曲面に形成されているので、親指F1と人差指F2とを除く、他の指F3〜F5を違和感なく安定させた状態で第2の突出領域23上に配置させることができ、これによっても機器ケース1を良好に握ることができる。
【0064】
このため、この携帯端末機では、親指F1を除く他の複数の指F2〜F5を電池蓋10の指掛部21にあてがって機器ケース1を掴むことにより、機器ケース1の側部を親指F1の付け根付近に確実に押し当てることができ、これにより機器ケース1を片手で確実にかつ良好に握ることができる。このため、この状態では、親指F1をキー操作部5上において自由に移動させることができるので、親指F1によるキー操作が良好にできる。
【0065】
この場合、指掛部21は、キー操作部5に対応する機器ケース1内に設けられた電池収納部11を開閉可能に塞ぐ電池蓋20に設けられていることにより、第1実施形態と同様、指掛部21を機器ケース1に設ける必要がないので、機器ケース1の形状が簡単なり、機器ケース1を容易に製作することができると共に、指掛部21を電池蓋20に設けているので、指掛部21を電池蓋20と共に容易に製作することができる。
【0066】
また、指掛部21の第1の突出領域22は、その立上り面である指当部22aが機器ケース1の縦方向(長手方向)と直交する方向に沿って人差指F2の屈曲状態に対応する円弧状に湾曲して形成されているので、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、保持手の人差指F2を屈曲させて指当部22aにその湾曲に沿って配置させることができ、これにより人差指F2を指当部22aに良好に引っ掛けて機器ケース1の縦方向における下辺側に向けて確実に引き寄せることができる。
【0067】
この場合、指掛部21の第2の突出領域23には、中指F3の位置を規制する指規制凹部23aが設けられていることにより、機器ケース1を片手で握る際に、指規制凹部23aに中指F3を配置させて位置規制することができる。このため、第2の突出領域23上に配置される薬指F4と小指F5とを安定させた状態で配置させることができるので、機器ケース1を握った手が機器ケース1に対して縦方向に位置ずれすることがなく、良好に機器ケース1を保持することができる。
【0068】
この場合にも、指掛部21および電池蓋20の各表面には、第1実施形態と同様、多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17が設けられているので、機器ケース1を握った際に、滑止め部17によって機器ケース1に対して手が不用意に滑らないように、良好に機器ケース1を握ることができる。
【0069】
さらに、この携帯端末機では、機器ケース1の第1の面である表面における縦方向上側に偏った位置に表示部4が設けられていることにより、第1実施形態と同様、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持した際に、親指F1が表示部4を遮ることなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を見ながら、親指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができる。
【0070】
(第3実施形態)
次に、図13図16を参照して、この発明を適用した携帯端末機の第3実施形態について説明する。この場合にも、図1図7に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この携帯端末機は、図13図16に示すように、機器ケース1の電池収納部11に着脱可能に取り付けられる電池蓋30が第1実施形態と異なる構成であり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。
【0071】
すなわち、この電池蓋30には、図13図16に示すように、機器ケース1の裏面側に向けて盛り上がるほぼ箱形状の指掛部31が形成されている。この指掛部31は、電池蓋30が機器ケース1の電池収納部11に取り付けられた際に、下部ケース3の両側部附近から裏面側に向けてほぼ垂直に延び、その延びた部分が下部ケース3の読取突起部6aよりも突出し、この突出した部分がほぼ平坦な形状に形成されていることにより、全体がほぼ四角形のほぼ箱状に形成されている。
【0072】
これにより、この電池蓋30は、図13図16に示すように、機器ケース1の電池収納部11に取り付けられた際に、電池収納部11の収納容積が指掛部31によって第2実施形態の電池蓋20の場合よりも、大幅に大きくなるように構成されている。このため、この電池蓋30が取り付けられた電池収納部11は、その内部に大容量の充電池12が収納されるように構成されている。
【0073】
この場合にも、この電池蓋30は、図13図16に示すように、下部ケース3の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されている。これにより、電池蓋30は、下部ケース3の電池収納部11に取り付けられた状態で、機器ケース1を片手で握った際に、手にフィットし易くなるように構成されている。
【0074】
この指掛部31は、図13図16に示すように、電池蓋30の上辺側にその裏面側に向けて読取突起部6aよりも突出する第1の突出領域32と、電池蓋30の下辺側にその裏面側に向けて読取突起部6aよりも突出する第2の突出領域33と、を有している。
【0075】
第1の突出領域32は、図13図16に示すように、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、保持手の人差指F2の腹が電池蓋30の縦方向における下辺部側に向けて押し当てられてユーザが力を込めることが可能な側面である第1指当部32aを有している。
【0076】
この第1指当部32aは、図13図16に示すように、電池蓋30の縦方向における第1の突出領域32の上辺側に急な傾斜面で立ち上がる立上り面である。また、この第1指当部32aは、機器ケース1の縦方向(長手方向)と直交する方向に沿って人差指F2の屈曲状態に対応する円弧状に湾曲して形成されている。
【0077】
このため、この第1の突出領域32は、図13図16に示すように、機器ケース1を片手で握る際に、人差指F2が屈曲した形状で人差指F2の腹が第1指当部32aにその湾曲に沿って押し当てられ、この状態で機器ケース1をその縦方向における下辺部側に向けて引き寄せるように構成されている。
【0078】
第2の突出領域33は、図9図12に示すように、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、ユーザが保持手の他の指F3〜F5の各指先を電池蓋30の裏面に突き当てた状態で他の指F3〜F5の各腹で第2の突出領域32に対して保持手側に向けてユーザが力を込めることが可能な側面である第2指当て部33aを有している。
【0079】
この第2指当部33aは、図13図16に示すように、電池蓋30の縦方向と直交する横方向における第2の突出領域33の左右両側に急な傾斜面で立ち上がる立上り面である。また、第2の突出領域33には、中指F3の位置を規制する指規制凹部33bが設けられている。これにより、第2の突出領域33は、機器ケース1を片手で握る際に、指規制凹部33bに中指F3が配置されて位置規制されることにより、第2の突出領域33上に配置される薬指F4と小指F5とを安定させた状態で配置させるように構成されている。
【0080】
さらに、この指掛部31および電池蓋30の各表面には、図14図16に示すように、第1実施形態と同様、多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17が設けられている。これにより、電池蓋30および指掛部31は、これの箇所で機器ケース1を握った際に、その握った手が機器ケース1に対して不用意に滑らないように構成されている。
【0081】
次に、このような携帯端末機の作用について説明する。
この携帯端末機を使用する場合には、機器ケース1の電池収納部11に取り付けられた電池蓋30が位置する箇所の機器ケース1を片手で握る。このときには、親指F1を機器ケース1の表面のキー操作部5上に配置させ、人差指F2を機器ケース1の裏面側に位置する電池蓋30の指掛部31の上辺側に位置する第1の突出領域32の第1指当部32aに押し当て、他の指F3〜F5を電池蓋30の指掛部21の下辺側に位置する第2の突出領域33における左右両側の第2指当部33aに引っ掛けて、機器ケース1を握る。
【0082】
すなわち、このときには、ユーザがキー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、保持手の人差指F2の腹が電池蓋30の指掛部31における第1の突出領域32の第1指当部32aに押し当てられて第1の突出領域32の縦方向における下辺部側に向けてユーザが力を込める。
【0083】
この場合、人差指F2の腹が電池蓋30の指掛部31における第1の突出領域32の第1指当部32aに押し当てられて第1の突出領域32の縦方向における下辺部側に向けてユーザが力を込めると、人差指F2が屈曲した形状で人差指F2の腹が第1指当部32aにその湾曲に沿って押し当てられるので、機器ケース1がその縦方向における下辺部側に向けて引き寄せられる。
【0084】
また、このときには、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、保持手の他の指F3〜F5の各指先を電池蓋30の裏面に突き当てた状態で他の指F3〜F5の各腹で第2の突出領域33の第2指当部33aに対して保持手側に向けてユーザが力を込める。
【0085】
このようにユーザが機器ケース1を握る際には、第2の突出領域33に設けられた指規制凹部33bに中指F3が配置されて位置規制されることにより、第2の突出領域33上に配置される薬指F4と小指F5との各腹が第2の突出領域33に対して縦方向に位置規制され、機器ケース1を握った手が機器ケース1に対して縦方向に位置ずれすることがなく、良好に機器ケース1を保持することができる。
【0086】
さらに、この機器ケース1は、下部ケース3の両側部から裏面側に向けて緩やかに湾曲して突出する湾曲形状に形成されていることにより、機器ケース1を片手で握った際に、手にフィットする。この場合、機器ケース1を握った際には、指掛部31および電池蓋30の各表面に設けられた多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17によって、機器ケース1に対して手が不用意に滑らないように、良好に機器ケース1を握ることができる。
【0087】
このようにユーザが機器ケース1を握った際には、第1実施形態と同様、親指F1が表示部4を遮ることなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を見ながら、親指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができる。
【0088】
このように、この携帯端末機によれば、第1の面である表面における縦方向下側に偏った位置にキー操作部5が設けられて、縦方向に長い機器ケース1を備えた携帯端末機であって、キー操作部5の裏側に位置する第2の面である裏面に、機器ケース1の厚み方向に突出する突出部である指掛部31が設けられ、この指掛部31が、電池蓋30の上辺側にその裏面側に向けて突出する第1の突出領域32と、電池蓋30の下辺側にその裏面側に向けて突出する第2の突出領域33と、を有しているので、機器ケース1を片手で良好に握ることができる。
【0089】
すなわち、この携帯端末機では、第1の突出領域32が、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、保持手の人差指F2の腹が電池蓋20の縦方向における下辺部側に向けて押し当てられてユーザが力を込めることが可能な側面である第1指当部32aを有しているので、機器ケース1を片手で確実にかつ良好に握ることができる。
【0090】
また、この携帯端末機では、第2の突出領域33が、図9図12に示すように、キー操作部5を親指F1で操作すべく、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持するときに、ユーザが保持手の他の指F3〜F5の各指先を電池蓋30の裏面に突き当てた状態で他の指F3〜F5の各腹で第2の突出領域33に対して保持手側に向けてユーザが力を込めることが可能な側面である第2指当て部33aを有しているので、これによっても機器ケース1を片手で確実にかつ良好に握ることができる。
【0091】
この場合、指掛部31は、キー操作部5に対応する機器ケース1内に設けられた電池収納部11を開閉可能に塞ぐ電池蓋30に設けられていることにより、第1実施形態と同様、指掛部31を機器ケース1に設ける必要がないので、機器ケース1の形状が簡単なり、機器ケース1を容易に製作することができると共に、指掛部31を電池蓋30に設けているので、指掛部31を電池蓋30と共に容易に製作することができる。
【0092】
この場合、第1の突出領域32は、その上辺側に位置する第1指当部32aが機器ケース1の縦方向(長手方向)と直交する方向に人差指F2の屈曲状態に対応する円弧状に湾曲して形成されているので、機器ケース1を片手で握る際に、親指F1をキー操作部5上に載せた状態で、人差指F2を屈曲して第1指当部32aにその湾曲に沿って配置することができ、これにより機器ケース1をその縦方向に確実にかつ良好に引き寄せることができる。
【0093】
また、第2の突出領域33には、中指F3の位置を規制する指規制凹部33bが設けられていることにより、機器ケース1を片手で握る際に、指規制凹部33bに中指F3を配置させて位置規制することができる。このため、第2の突出領域33上に配置される薬指F4と小指F5とを安定させた状態で配置させることができるので、第2実施形態と同様、機器ケース1を握った手が機器ケース1に対して縦方向に位置ずれすることがなく、良好に機器ケース1を保持することができる。
【0094】
このため、この携帯端末機では、機器ケース1の側面部を親指F1の付け根付近に確実に押し当てることができるので、機器ケース1を片手で確実にかつ良好に握ることができ、これにより親指F1をキー操作部5上において自由に移動させることができるので、親指F1によるキー操作が良好にできる。
【0095】
この場合にも、指掛部31および電池蓋30の各表面には、第1実施形態と同様、多数の溝や多数の凹凸などの滑止め部17が設けられているので、機器ケース1を握った際に、滑止め部17によって手が機器ケース1に対して不用意に滑らないように、良好に機器ケース1を握ることができる。
【0096】
また、この携帯端末機では、機器ケース1の第1の面である表面における縦方向上側に偏った位置に表示部4が設けられていることにより、第1実施形態と同様、ユーザが親指F1をキー操作部5に被せるように且つ機器ケース1をキー操作部5の脇から片手で掴むように機器ケース1を保持した際に、親指F1が表示部4を遮ることなくキー操作部5上に配置されるので、表示部4に表示された情報を見ながら、親指F1をキー操作部5上において自由に移動させて、キー操作部5を良好にキー操作することができる。
【0097】
なお、上述した第1〜第3の各実施形態では、機器ケース1の上面にキー操作部5を設けた場合について述べたが、この発明はこれに限らず、例えば操作部は透明なタッチパネルと表示パネルとを積層させた入力表示部であっても良い。
【0098】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0099】
(付記)
請求項1に記載の発明は、第1の面における縦方向下側に偏った位置に操作部が設けられ、前記縦方向に長い携帯端末機であって、前記操作部の裏側に位置する第2の面に、当該携帯端末機の厚み方向に突出する突出部が設けられ、前記突出部は、前記縦方向に延伸する第1の突出領域と、前記縦方向下側で前記第1の突出領域に連なり且つ前記縦方向下側に進むにつれ横方向に拡がる第2の突出領域と、を有し、前記第1の突出領域は、ユーザが前記操作部を親指で操作すべく、前記ユーザが前記親指を前記操作部に被せるように且つ当該携帯端末機を前記操作部の脇から片手で掴むように当該携帯端末機を保持するときに、前記ユーザが保持手の他の指の指先を前記第2の面に突き当てた状態で前記他の指の腹で当該第1の突出領域に対して前記保持手側に向けて前記ユーザが力を込めることが可能な側面を有し、前記第2の突出領域は、前記ユーザが前記操作部を前記親指で操作すべく、前記ユーザが前記親指を前記操作部に被せるように且つ当該携帯端末機を前記操作部の脇から片手で掴むように当該携帯端末機を保持するときに、前記ユーザが掌外沿をあてがうことが可能な側面を有していることを特徴とする携帯端末機である。
【0100】
請求項2に記載の発明は、前記突出部は、前記横方向における中心位置を軸にして左右対称な形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機である。
【0101】
請求項3に記載の発明は、前記第1の面における縦方向上側に偏った位置に表示部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末機である。
【0102】
請求項4に記載の発明は、前記第1の突出領域は、前記横幅方向の長さが前記操作部における横幅方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の携帯端末機である。
【0103】
請求項5に記載の発明は、前記突出部は、当該携帯端末機の内部に前記操作部と対応して設けられて前記第2の面に開放された電池収納部に開閉可能に取り付けられた電池蓋に、当該携帯端末機の厚み方向に突出して設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の携帯端末機である。
【符号の説明】
【0104】
1 機器ケース
2 上部ケース
3 下部ケース
4 表示部
5 キー入力部
10、20、30 電池蓋
11 電池収納部
12 充電池
14、21、31 指掛部
15、22、32 第1の突出領域
15a、22a 指当部
15b、23a、33b 指規制凹部
16、23、33 第2の突出領域
16a 指載部
17 滑止め部
32a 第1指当部
33a 第2指当部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16