(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オクチルメトキシシンナメートと、ブチルメトキシジベンゾイルメタンと、リンゴ酸ジイソステアリル、フェニルトリメチコン、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール、及びイソノナン酸イソノニルを含む群から選択される不揮発性油と、からなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の添加剤。
美容液、ローション、クリーム、ヒドロゲル、マスク、スティック、バルサム、パッチ、リップスティック型のメーキャップ製品、マスカラ若しくはファンデーション、又は着香溶液であることを特徴とする、請求項11に記載の透明又は半透明の組成物。
【発明の概要】
【0016】
本発明は、
UV
Aをフィルタリングする少なくとも1種の有機フィルター、
UV
Bをフィルタリングする、第1のフィルターとは異なる少なくとも1種の有機フィルター、及び
前記フィルター用の溶媒である1〜50重量%の少なくとも1種の不揮発性油
からなる混合物を少なくとも95重量%含む抗紫外線添加剤に関する。
【0017】
この油は、UVフィルターでないという利点を有する。
【0018】
本発明はまた、香料又は色素と、組成物の香り又は色をUV線による劣化から保護するのに十分な量の前記添加剤と、を含む透明又は半透明の組成物、例えばアルコール溶液又は水性アルコール溶液に関する。
【0019】
一実施形態において、本発明は、香料と、少なくとも1種の揮発性アルコールと、溶液の香りをUV線による劣化から保護するのに十分な量の前記添加剤と、を含む着香溶液に関する。
【0020】
本発明はまた、組成物の官能特性、特に香り及び/又は色をUVから保護するための作用剤としての本発明の添加剤の、組成物への使用に関する。
【0021】
本発明はまた、本発明の添加剤を組成物中に組み込むことからなることを特徴とする、化粧用組成物の官能特性、特に色及び/又は香りを安定化する方法に関する。
【0022】
第一に、本発明は、
UV
Aをフィルタリングする少なくとも1種の有機フィルター、
UV
Bをフィルタリングする少なくとも1種の有機フィルター、及び
前記フィルター用の溶媒である1〜50重量%の少なくとも1種の不揮発性油
からなる混合物を好ましくは少なくとも95重量%含む抗紫外線添加剤に関する。
【0023】
前記添加剤は、化粧用又は皮膚科用の組成物中に組み込まれるよう意図される化合物の混合物である。前記添加剤は、それ自体が皮膚、唇、毛髪、爪、睫毛又は眉毛のようなケラチン性物質に適用されるよう意図されるものではない。
【0024】
前記添加剤は、より好ましくは少なくとも97重量%、さらにより好ましくは少なくとも99重量%の前記混合物を含む。一実施形態によれば、前記添加剤は前記混合物からなる。
【0025】
「有機UVフィルター」とは、280nm〜400nmに及ぶ波長範囲のUV線を吸収するあらゆる有機化合物を意味する。UVフィルターは、親油性であることが好ましく、分子状態で油中に溶解させることができるか、又はコロイド形態で若しくはミセル形態で油中に分散させることができる。
【0026】
UV
Aとは、315〜400nmの範囲の波長を意味し、UV
Bとは、280〜315nmの範囲の波長を意味する。
【0027】
好ましい一実施形態によれば、前記添加剤は、
UV
Aをフィルタリングする単一の有機フィルター、
UV
Bをフィルタリングする少なくとも1種の、好ましくは1種のみの有機フィルター、及び
前記フィルター用の溶媒である1〜50重量%の少なくとも1種の不揮発性油
からなる。
【0028】
他の一実施形態によれば、前記添加剤は、
UV
Aをフィルタリングする少なくとも1種の有機フィルター、
UV
Bをフィルタリングするただ1種の有機フィルター、及び
前記フィルター用の溶媒である1〜50重量%の少なくとも1種の不揮発性油
からなる。
【0029】
本発明はさらに、
UV
Aをフィルタリングする単一の有機フィルター、
UV
Bをフィルタリングする単一の有機フィルター、及び
前記フィルター用の溶媒である少なくとも1種の不揮発性油
からなる添加剤に関する。
【0030】
本発明による添加剤は、少なくとも2種の有機UVフィルター、より好ましくは、少なくとも2種の親油性UVフィルター、より好ましくは、UV
Aをフィルタリングする少なくとも1種の親油性フィルターとUV
Bをフィルタリングする少なくとも1種の親油性フィルターとを含む。前記添加剤は、UV
A線及びUV
B線をフィルタリングする単一のUVフィルターを代替的に含有することもできる。
【0031】
前記添加剤は、添加剤の総重量に対して、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.2重量%未満の無機サンフィルター(1種又は複数)を含む。本発明の添加剤は、無機サンフィルターを含まないことが好ましい。
【0032】
添加剤中のサンフィルター(1種又は複数)の総量は、添加剤の総重量に対して、好ましくは70〜98重量%の間、より好ましくは80〜90重量%の間である。
【0033】
UV
Aにおいて活性な有機フィルターは、
ジベンゾイルメタン誘導体、
特に、参照名ネオヘリオパン(NEO HELIOPAN)(登録商標)MAの下でSYMRISEによって販売されている、アントラニル酸メンチル、及び
これらの混合物
から選択するのが有利である。
【0034】
ジベンゾイルメタンから誘導されるUVフィルターの中で、完全に網羅しているわけではないが、特に、2−メチルジベンゾイルメタン、4−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4,4’−ジメトキシジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを挙げることができる。
【0035】
上述のジベンゾイルメタン誘導体の中で、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンはとりわけ使用されるであろう。これは、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(BMDBMと略記され、INCI名1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオンを有し、USAN名アゾベンゾンを有する。)とも呼ばれ、商品名パルソール(PARSOL)1789の下でDSM NUTRITIONAL PRODUCTSから、又は商品名ユーソレックス(EUSOLEX)9020の下でMerckから販売されている。
【0036】
UV
Bにおいて活性なフィルターは、
サリチル酸誘導体:特に、名称ネオヘリオパン(登録商標)HMSの下で販売されている、ホモサレート;特に、名称ネオヘリオパン(登録商標)OSの下でSYMRISEによって販売されている、サリチル酸エチルヘキシル;特に、名称ネオヘリオパン(登録商標)タイプ05の下で販売されている、サリチル酸オクチル;
シンナメート誘導体;
ベンジリデンカンファーの誘導体:名称メギゾリル(MEXORYL)(登録商標)SDの下でCHIMEXによって製造される、3−ベンジリデンカンファー;特に、名称ネオヘリオパン(登録商標)MBCの下で販売されている、メチルベンジリデンカンファー;
トリアジン誘導体:特に、商品名ユビヌル(UVINUL)(登録商標)T150の下でBASFによって販売されている、エチルヘキシルトリアゾン、商品名ユバソーブ(UVASORB)(登録商標)HEBの下で販売されている、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
パラ−アミノベンゾエート、例えば、エチルPABA;エチルジヒドロキシプロピルPABA;エチルヘキシルジメチルPABA(ISPからのエスカロール(ESCALOL)(登録商標)507)等;
イミダゾリンの誘導体:エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート;
ベンザルマロネートの誘導体:ベンザルマロネート官能基を有するポリオルガノシロキサン、例えば、特に、商品名パルソール(登録商標)SLXの下でDSM Nutritional Products Inc.によって販売されている、ポリシリコーン−15等;ジネオペンチル−4’−メトキシベンザルマロネート;及び
これらの混合物
から選択できる。
【0037】
シンナメート誘導体の中で、完全に網羅しているわけではないが、特に、エチル−2−ヘキシル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミルメトキシシンナメート、シノキセート(2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート)、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、グリセリルエチル−2−ヘキサノエート ジ−p−メトキシシンナメート、[4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルブチル]−3,4,5−トリメトキシシンナメートを挙げることができる。
【0038】
上述のシンナメート誘導体の中で、エチル−2−ヘキシル−p−メトキシシンナメートはとりわけ使用されるであろう。これは、エチルヘキシルメトキシシンナメート又はオクチルメトキシシンナメート(USAN名:オクチノキサート)とも呼ばれ、商品名パルソールMCXの下でDSM NUTRITIONAL PRODUCTSから、商品名ユビヌルMC80の下でBASFから、且つ商品名ユビヌルA+Bの下でBASFから販売されている。
【0039】
UV
Aにおいて活性なフィルターは、
ベンゾフェノン誘導体:商品名ユビヌル(登録商標)400の下で販売されている、ベンゾフェノン−1;商品名ユビヌルD50の下で販売されている、ベンゾフェノン−2;商品名ユビヌル(登録商標)M40の下で販売されている、ベンゾフェノン−3又はオキシベンゾン;商品名ユビヌル(登録商標)MS40の下で販売されている、ベンゾフェノン−4;商品名ヘリソーブ(HELISORB)11の下で販売されている、ベンゾフェノン−6;商品名スペクトラソーブ(SPECTRASORB)(登録商標)UV−24の下で販売されている、ベンゾフェノン−8;
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:特に、名称シラトリゾール(Silatrizole)(登録商標)の下でRHODIA CHIMIEによって販売されている、ドロメトリゾールトリシロキサン;特に、商品名ミキシム(MIXXIM)(登録商標)BB/100の下でFAIRMOUNT CHEMICALによって、固体形態で販売されている、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール;
ビス−レソルシニルトリアジン誘導体:特に、商品名チノソーブ(TINOSORB)(登録商標)Sの下でCIBA GEIGYによって販売されている、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン;
ベンゾキサゾール誘導体:特に、名称ユバソーブ(登録商標)K2Aの下でSigma 3Vによって販売されている、2,4−ビス−[5−1−(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル−(4−フェニル)−イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)−イミノ−1,3,5−トリアジン;及び
これらの混合物
などのUV
A及びUV
Bの双方において活性なフィルターから選択できる。
【0040】
UV
Bにおいて活性なフィルターは、UV
Aにおいて活性なフィルターとは異なり、UV
A及びUV
Bの双方において活性な上記のフィルターから、前記フィルターとは独立に、選択されてもよい。
【0041】
UV
Aフィルター及びUV
Bフィルターは、上記で定義したUV線の全スペクトルを効果的にカバーするように、添加剤中で組み合わせる。2種のフィルターのそれぞれの含有量は、UV線を遮断するこれらのフィルターの能力の関数として設定する。
【0042】
一実施形態によれば、添加剤は、ジベンゾイルメタン誘導体から選択される少なくとも1種のUV
Aフィルター及びシンナメート誘導体から選択される少なくとも1種のUV
Bフィルターを含有する。
【0043】
シンナメート誘導体から選択されるUVフィルターは、添加剤の重量の20〜90重量%、好ましくは30〜75重量%に相当するのが有利である。
【0044】
シンナメート誘導体から選択されるUVフィルターは、着色及び/又は着香された組成物の重量の0.3〜0.4重量%に相当するのが有利である。
【0045】
ジベンゾイルメタン誘導体から選択されるUVフィルターは、添加剤の重量の5〜75重量%、好ましくは10〜55重量%に相当するのが有利である。
【0046】
ジベンゾイルメタン誘導体から選択されるUVフィルターは、着色及び/又は着香された組成物の重量の0.05〜0.1重量%に相当するのが有利である。
【0047】
本発明の添加剤は有利なことに、25℃及び0.1MPaで固体である有機フィルターを含有することができる。本発明により、より詳細には、固体親油性UVフィルターの製剤、例えば、
特に、参照名チノソーブS(登録商標)の下で市販される、2,4−ビス[[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラブチルフェノール又はビソクトリゾールとも呼ばれ、特に、参照名チノソーブM(登録商標)の下で市販される、2,2−メタンジイルビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール]、
特に、参照名ユビヌル(登録商標)T150の下でBASFによって市販される、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、
ジベンゾイルメタン誘導体、
特許出願EP0717313に記載される、ベンゾトリアゾール誘導体
等における関心が見出される。
【0048】
本発明の添加剤は有利なことに、サリチル酸塩フィルターも含有することができる。
【0049】
本発明の添加剤は、有機UVフィルターを溶解し、且つこれらのフィルターがUV線を吸収する程度を有利に増大する不揮発性油を含有する。
【0050】
「油」とは、本発明の意味では、水に不溶性である脂肪(fat)を意味し、25℃且つ0.1MPaで液体である。「不揮発性油」とは、25℃且つ0.1MPaにおいて、ゼロではなく2.6Pa未満、好ましくは0.13Pa未満の蒸気圧を有するあらゆる油を意味する。本発明の意味では、不揮発性油は、香料ではなく、有機UVフィルターでもない。好ましい一実施形態によれば、不揮発性油は、以前に記載されているいかなる有機UVフィルターとも異なる。
【0051】
不揮発性油は、本発明の添加剤が分散又は溶解される組成物の連続相に又は溶媒に混和性であるのが有利である。溶媒又は相における不揮発性油の混和性は、以下のプロトコルに従って評価することができる。選択した溶媒又は相(80重量%)をビーカー中で計量し、次いで、選択した不揮発性油(20重量%)をビーカーに添加する。これを5分間撹拌し、次いで、全てを120mlのピルボックス中にパッケージングする。これを25℃で24時間放置する。24時間置いた後に、この混合物が視覚的に透明且つ均質であれば、不揮発性油は溶媒に又は連続相に混和性であると考えられる。
【0052】
一実施形態によれば、油は、1個以下の脂肪族環を含有する炭化水素油である。油は、好ましくは脂肪族油であり、すなわち、ヒュッケルの芳香族性の規則に従っている環状系を含まないという意味で芳香族でない。
【0053】
「脂肪族」とは、非芳香族化合物を意味する。「脂肪族のエステル、エーテル、アルコール又は酸」とは、炭素原子、水素原子及びそれぞれCOO、COC、OH又はCOOH基からなる化合物を意味する。「水酸化脂肪族エステル」とは、COO基及び少なくとも1個のOH基、好ましくは単一のOH基を含む炭化水素化合物を意味する。
【0054】
他の実施形態によれば、油は、少なくとも1個の芳香族炭素含有基を含むシリコーン油である。
【0055】
「脂肪族エステル」とは、炭素原子、水素原子及び少なくとも1個のCOO基からなる化合物を意味する。「モノエステル」とは、1個のCOO基を含む化合物を意味し、「ジエステル」とは、2個のCOO基を含む化合物を意味する。
【0056】
「水酸化エステル」とは、少なくとも1個のCOO基及び少なくとも1個のOH基を含む化合物を意味する。
【0057】
他の一実施形態では、脂肪族のモノエステル及びジエステルから選択されるエステルが好ましい。水酸化エステルは、非芳香族であることが好ましい。
【0058】
不揮発性油は、脂肪族のモノエステル及びジエステル、非水酸化芳香族エステル、脂肪族カーボネート及びフェニル化シリコーンから選択するのが好ましい。
【0059】
本発明の添加剤中に使用可能な油としては、例えば以下のものが挙げられる。
脂肪族のモノエステル及びジエステル、特に、i)直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、好ましくは飽和の、8〜20個の炭素原子を含む脂肪族カルボン酸のモノエステル、及び3〜20個の炭素原子を含む脂肪族一価アルコールのモノエステル、ii)4〜10個の炭素原子を含む脂肪族ジカルボン酸及び一価アルコールの脂肪族ジエステル;
安息香酸のモノエステル及び8〜20個の炭素原子を含む脂肪族アルコールのモノエステル、エチル−2−ヘキシルベンゾエート、オクチル−2−ドデシルベンゾエート、イソステアリルベンゾエート、C
12〜C
15アルキルベンゾエート;
トリエステル及びテトラエステル、例えば、ペンタエリスリトールのエステル、特に、ペンタエリスリチルテトライソステアレート、トリメチロールプロパンのエステル、特に、トリメチロールプロパントリイソステアレート、クエン酸のエステル、特に、トリデシルシトレート、及びトリデシルトリメリテート;
アルキル基が8〜18個の炭素原子を含有するジアルキルカーボネート、例えば、ジカプリリルカーボネート、ジ(エチル−2−ヘキシル)−カーボネート;
水酸化脂肪族のモノエステル又はジエステル、例えば、i)3〜20個の炭素原子を含む水酸化脂肪族のモノカルボン酸又はジカルボン酸のエステル、及び6〜20個の炭素原子を含む脂肪族一価アルコールのエステル、例えば、乳酸イソステアリル、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、又はii)ポリオールの、特に、ジオール及びトリオールの、脂肪族のモノエステル及びジエステル、例えば、3〜20個の炭素原子を含む脂肪族モノカルボン酸のエステル、及び3〜20個の炭素原子を含む脂肪族のジオール又はトリオールのエステル;
水酸化芳香族カルボン酸の並びに少なくとも10個の炭素原子を含む脂肪族一価アルコールの水酸化芳香族のモノエステル及びジエステル;
8〜26個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の脂肪族アルコール、例えば、オクチルドデカノール、オクチルデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール;
7〜29個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の脂肪族モノカルボン酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸又はイソステアリン酸;
2〜24個の炭素原子を有する、ペンダント状に又はシリコーン鎖の末端に、少なくとも1個のアルコキシ基又はフェニル基を有するシリコーン油、特に、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、2−フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、及びポリメチルフェニルシロキサン;
グリコール;
10個を超える炭素原子を含む脂肪族エーテル;及び
これらの混合物。
【0060】
一実施形態において、不揮発性油は、脂肪族のモノエステル及びジエステルから選択されるエステルであることが好ましい。
【0061】
他の一実施形態によれば、油は、芳香族炭素含有基を含むシリコーン油である。
【0062】
脂肪族のモノエステル及びジエステルの中で、エステルは、10〜25個の炭素原子、好ましくは14〜22個の炭素原子を含むことが好ましく、例えば、イソノナン酸のエステル、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、デシル−2−ヘキシルイソノナノエート、イソノナン酸イソステアリル、イソノナン酸セテアリル、イソノナン酸トリデシル等が好ましい。
【0063】
さらに、ミリスチン酸イソプロピル、エチル−2−ヘキシルパルミテート、オクチル−2−ドデシルステアレート、オクチル−2−ドデシルエルケート、イソステアリン酸イソステアリル、オクチルドデシルステアロイルステアレート、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリリノール酸トリイソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オクタン酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソブチル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、エチル−2−ヘキシルイソステアレート、イソステアリン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ヘプタン酸ステアリル、ステアリン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、オクタン酸セチル(又はオクタン酸パルミチル)、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル(又はドデカン酸ヘキシル)、ラウリン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸ミリスチル、ヘキシルデシルジメチルオクタノエート、イソステアリン酸イソセチル、ヘキシル−2−デシルミリステート、ヘプチル−2−ウンデシルパルミテート、セチル2−エチルヘキサノエートを挙げることもできる。
【0064】
ジカルボン酸のエステルの中で、さらに、ジ(エチル−2−ヘキシル)セバケート、セバシン酸ジイソプロピル、ジ(エチル−2−ヘキシル)スクシネート、ジ(ヘキシル−2−デシル)アジペート、ジ(ヘプチル−2−ウンデシル)アジペートを挙げることもできる。
【0065】
ポリオールのモノエステル及びジエステルの中で、6〜20個の炭素原子を有する脂肪酸とのアルキレングリコールのジエステル、例えば、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール及びジイソノナン酸ジエチレングリコール;ジカプリン酸/ジカプリル酸ブチレングリコール、ジカプリン酸/ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール、ジイソステアリン酸プロピレングリコール、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジピバル酸トリプロピレングリコール;並びにヘプタン酸グリセリル、オクタン酸グリセリル、及びデカン酸グリセリル等のグリセリルのモノアルカノエートを挙げることもできる。
【0066】
不揮発性油は、添加剤の5〜30重量%に相当するのが好ましい。より好ましくは、不揮発性油は、添加剤の10〜20重量%、特に約15重量%を相当する。
【0067】
有利には、添加剤は、多くとも2種のUVフィルターを含む。
【0068】
好ましい添加剤は、オクチルメトキシシンナメートと、ブチルメトキシジベンゾイルメタンと、リンゴ酸ジイソステアリル、フェニルトリメチコン、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール、C
12〜C
15−アルキルベンゾエート及びイソノナン酸イソノニルを含む群から選択される不揮発性油とからなる。
【0069】
より好ましい添加剤は、オクチルメトキシシンナメート、ブチルメトキシジベンゾイルメタン及びジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコールからなる。オクチルメトキシシンナメートは、添加剤の60〜80重量%に相当するのが有利である。ブチルメトキシジベンゾイルメタンは、添加剤の10〜20重量%に相当するのが有利であり、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコールは、添加剤の10〜20重量%に相当するのが有利である。
【0070】
第二に、本発明は、香料及び/又は色素と、少なくとも1種の有機UV
Aフィルター、少なくとも1種の有機UV
Bフィルター及び前記フィルター用の溶媒である少なくとも1種の不揮発性油からなる添加剤と、を含む透明又は半透明の組成物であって、添加剤は、組成物の香り及び/又は色をUV線による劣化から保護するのに十分な量である、組成物。
【0071】
組成物は、0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%、より好ましくは0.5〜1重量%の上記の添加剤を含有することが好ましい。
【0072】
本発明の組成物において、有機フィルターは、組成物の重量の0.1〜3.5重量%、より好ましくは0.5〜2重量%を示し得る。本発明の組成物は、皮膚を紫外線から保護するためには使用されない。使用されるUVフィルターの量は、皮膚又は唇を保護するのに効率的である必要用量よりもかなり少ない。
【0073】
組成物は、バルクで半透明又は透明であるのが有利であり、販売されるときには、特に、それ自体が透明又は半透明であるパッケージング中に入れる。「半透明」という用語は、「光を通過させるが、物を区別することはできない」ことを意味する。「透明」という用語は、「光を通過させ、且つ物を区別することを可能にする」ことを意味する。
【0074】
組成物は、整髪用ジェル、シャンプー、リップグロス、又はマニキュア等のメーキャップ製品又はケア製品であってもよい。
【0075】
本発明はまた、少なくとも1種の揮発性アルコールと、香料と、少なくとも1種の有機UV
Aフィルター、少なくとも1種の有機UV
Bフィルター、及び前記アルコール中に可溶な少なくとも1種の不揮発性油及び前記フィルター用の溶媒からなる添加剤と、を含む着香溶液であって、添加剤は、着香溶液をUV線による劣化から保護するのに十分な量である、着香溶液に関する。
【0076】
「着香溶液」とは、香料がケラチン性物質に着香するのに十分な量で溶解されたアルコールを主成分として含有する組成物を意味する。油中水型エマルション及び水中油型エマルションは、この定義から除外される。溶液は、半透明又は透明であると有利であり、これにより、可視光及びUV線から溶液を保護することがさらにより必要となる。着香溶液は、特に水性アルコール溶液の形態である。
【0077】
着香溶液は、真水、化粧水、香水、アフターシェイブローション、メーキャップ落としローション、又はケアウォーターの形態であり得る。
【0078】
本発明の透明又は半透明の組成物は、少なくとも1種の揮発性アルコールを含有することができる。
【0079】
「揮発性アルコール」とは、本発明の意味では、特に、25℃且つ0.1MPaにおいて、0.13〜40000Pa、好ましくは1.3〜13000Pa、より好ましくは1.3〜8000Paの範囲の、例えば、2000Paを超える、蒸気圧を有する、少なくとも1個のアルコール官能基を含むあらゆる化合物を意味する。
【0080】
揮発性アルコールは、1〜5個の炭素原子を有する一価アルコールから選択することが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール及びt−ブタノールから選択できる。
【0081】
1種又は複数の揮発性アルコールは、組成物の総重量に対して、好ましくは40〜95重量%の範囲の量で、より好ましくは55〜80重量%の範囲の量で存在する。
【0082】
好ましい一実施形態によれば、組成物は、溶液の総重量に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.2〜12重量%の範囲の量の揮発性アルコール及び水を含有する着香溶液である。
【0083】
この実施形態では、不揮発性油は、2〜5個の炭素原子を含む少なくとも1種の脂肪族一価アルコールに25℃で溶解性であることが好ましい。
【0084】
アルコール中での不揮発性油の溶解性は、上記のような混和性の測定のためのプロトコルによって評価することができる。
【0085】
組成物は、不揮発性油中に溶解されたUVフィルターを含有する、0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.3〜2重量%の上記の添加剤を含有することが好ましい。
【0086】
組成物は、25℃で蒸発することができる、匂い物質又は匂い物質の混合物として定義される香料を含有していてもよい。
【0087】
本発明による添加剤は、組成物がこの香料を含有する場合には、香料をUVによる劣化から保護することができる。
【0088】
各香料は、香料を適用すると同時に又は香料の容器を開くと同時に最初に拡散する香りである、いわゆるトップノート、全部の香料に相当するミドルノート(トップノート後の数時間の放出)及び、最も持続性の香りであるベースノート(ミドルノート後の数時間の放出)を有する。ベースノートの持続性は、香料の香りの持続性と一致する。
【0089】
香料は、例えば、販売される組成物の成分の一覧に表示されるINCI名が「香料」である化合物から選択できる。香料は、その香りが検出される、室温において少なくとも部分的に揮発性の化合物である。
【0090】
「香料」は、皮膚、毛髪、頭皮、唇又は爪に着香することができるあらゆる有機化合物も意味する。
【0091】
香料の量は、組成物の総重量に対してより好ましくは3〜50重量%、より良好には5〜30重量%、さらに良好には10〜20重量%であろう。
【0092】
天然又は合成由来の香料及び芳香並びにこれらの混合物が使用できる。天然由来の香料及び芳香として、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、イランイラン)から、茎及び葉(パチョリ、ゼラニウム、プチグレン)から、果実(コリアンダー、アニス、クミン、ネズノミ)から、果実の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)から、根(アンゼリカ、セロリ、カルダモン、アイリス、ショウブ)から、木(パインウッド、ビャクダン、ユソウボク、ピンクシダー)から、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)から、針葉及び枝(エゾマツ、モミ、マツ、ハイマツ)から、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポパナックス)からの抽出物を挙げることができる。
【0093】
合成由来の香料として、例えば、酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸シトロネリル、ギ酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アルキルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル及びサリチル酸ベンジル、ベンジルエチルエーテル、8〜18個の炭素原子を有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル及びブルゲオナール、アルファ−イソメチルイオノン等のイオノン、並びにメチルセドリルケトン、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、テルピネオール、テルペンを挙げることができる。これらの化合物は、これらの匂い物質のうちの2種以上の混合物の形態であることが多い。
【0094】
さらに、精油、芳香の成分、例えば、セージの、カモミールの、クローブの、レモンバルムの、ミントの、シナモンツリーリーフの、ライムブロッサムの、ネズノミの、ベチベルソウの、オリバナムの、ガルバヌムの、ラボラヌムの及びラバンジンのエッセンスを使用することも可能である。
【0095】
好ましくは、以下のものが、香料として、単独で又は混合して使用される。ベルガモットエッセンス、ジヒドロミルセノール、リリアル、ライラル、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、アルファ−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、アンブロキサン、インドール、ヘディオン、サンデリス、レモンのエッセンス、マンダリン及びオレンジのエッセンス、アリルアミングリコレート、シクロベルタル、ラバンジンのエッセンス、セージのエッセンス、ベータダマスコン、ゼラニウムのエッセンス、サリチル酸シクロヘキシル、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド。
【0096】
既知の嗅覚的ノートの中で、例えば、ヘスペライド香料、芳香剤、フローラル香料、ムスク、フルーツ系香料、スパイス系香料、東洋系香料、海洋系香料、アクアティックノート、シプレー香料、樹木系香料、シダ類及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0097】
香料は、溶媒及び/又は賦形剤としてクエン酸トリエチルも含有できる。
【0098】
香料は、一般に、本発明の組成物の重量の5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%に相当する。
【0099】
本発明による組成物は、脂溶性色素、水溶性色素、又は水性アルコール溶液中に溶解性の色素等の少なくとも1種の色素を含み得る。
【0100】
本発明による添加剤は、光若しくは温度に対する、又は組成物が光又は熱に曝露されたときに香料若しくは活性剤のような組成物の他の成分とのこれらの色素の相互作用に対する、色素の反応と直接関係した色のいかなる劣化も避けるために色素を保護する役割を果たすことができる。
【0101】
水溶性又は水性アルコール溶液中に溶解性の色素は、例えば、カラメル、イエロー5、アシッドブルー9/ブルー1、グリーン5、グリーン3/ファーストグリーンFCF3、オレンジ4、レッド4/フードレッド1、イエロー6、アシッドレッド33/フードレッド12、レッド40、カルミン(CI15850、CI75470)、Ext.バイオレット2、レッド6〜7、フェロシアン化第二鉄、ウルトラマリン、アシッドイエロー3/イエロー10、アシッドブルー3、イエロー10である。
【0102】
脂溶性色素は、例えば、スーダンレッド、D&Cレッド17、D&Cグリーン6、ベータ−カロテン、大豆油、スーダンブラウン、D&Cイエロー11、D&Cバイオレット2、D&Cオレンジ5、キノリンイエロー、アンナットである。
【0103】
色素は、一般に、組成物の重量の0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%に相当する。
【0104】
本発明による組成物は、ボトル等の透明な物質中にパッケージングできる。組成物は、加圧装置中にもパッケージングできる。これらの装置は、当業者によく知られており、非エアロゾルポンプ又は「アトマイザー」、噴射剤を含むエアロゾル容器、並びに噴射剤として圧縮空気を使用するエアロゾルポンプを備える。本発明に従ってエアロゾル中にパッケージングされた組成物は一般に、例えば、フッ化水素処理された化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロエタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n−ブタン、プロパン、トリクロロフルオロメタンのような、従来の噴射剤を含有する。
【0105】
第三に、本発明は、組成物の官能特性をUV線から保護するための作用剤としての上記の添加剤の使用であって、前記組成物は、少なくとも1種の色素及び/又は香料、並びに0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%、より好ましくは0.5〜1重量%の前記添加剤を含有することを特徴とする、使用に関する。
【0106】
組成物は、皮膚のケア若しくはメーキャップのための化粧用組成物、又は着香溶液であるのが有利である。組成物は、透明又は半透明であることが好ましい。
【0107】
化粧用組成物は、例えば、美容液、ローション、クリーム(水中油型エマルション)、ヒドロゲル、好ましくはマスクであってもよく、又はスティック若しくはバルム、パッチの形態であってもよく、又はリップスティック型のメーキャップ製品、マスカラ若しくはファンデーションの形態であってもよい。
【0108】
化粧用組成物は有利なことに、精製された分子及び/又は抽出物、特に植物抽出物、の形態の、少なくとも1種の美容的に許容される活性剤を含むことができる。
【0109】
有利には、化粧用組成物は、色素、ポリマー、界面活性剤、レオロジー剤、電解質、pH調整剤、抗酸化剤、保存剤、溶媒(場合によっては揮発性)、及びこれらの任意の混合物から選択できる少なくとも1種の美容的に許容される添加剤もさらに含み得る。
【0110】
抗酸化剤の中で、例えば、アスコルビン酸、ジ−tert−ブチル−p−ヒドロキシトルエン(BHT又は2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールとも呼ばれる)、BHA(tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール)、ビタミンE等のトコフェロール、酢酸トコフェリル等のトコフェロールの誘導体、没食子酸及びその誘導体を挙げることができる。
【0111】
化粧用組成物は特に有利なことに、1〜5個の炭素原子を有する一価アルコールから選択されることが好ましい、揮発性アルコール、揮発性シリコーン油、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、イソドデカン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、及びこれらの混合物、又は他に酢酸エチルから特に選択できる少なくとも1種の揮発性溶媒を含むことができる。
【0112】
本発明はさらに、組成物の官能特性をUV線から保護するための作用剤としての上記のような添加剤の使用であって、組成物は、少なくとも1種の色素及び/又は香料、並びに0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%、より好ましくは0.5〜1重量%の前記添加剤を含有することを特徴とする、使用に関する。
【0113】
組成物は、皮膚のケア若しくはメーキャップのための化粧用組成物又は着香溶液、特に透明又は半透明の組成物であることが好ましい。
【0114】
組成物及び添加剤に関して記載した特徴は、本発明による添加剤の使用に適用可能である。
【0115】
したがって、本発明の他の目的、特徴及び利点は、実施例を読むことで当業者に明らかになる。これらの実施例は、単に実例として示すものであり、決して本発明の範囲を限定するものではない。実施例は、本発明の重要な部分を形成し、したがって、一般的に適用される。
【0116】
さらに、以下の実施例において、全ての百分率は重量パーセントで示され、温度は他に明記がない限り摂氏度で表され、圧力は大気圧である。
【実施例】
【0117】
実施例1(着香溶液):
A.着香溶液の調製:
着香溶液(芳香剤ともいう。)を以下の組成で調製した。
【0118】
【表1】
【0119】
濃縮物1番は、主にヘディオンからなっており、濃縮物2番は、主にバラエッセンスからなっており、濃縮物3番は、主にジャスミンアブソリュートからなっていた。以下の4種の組成物のうちの1種を有する、本発明によるフィルター及び不揮発性油の混合物を、これらの芳香剤のそれぞれに組み込んだ。
【0120】
【表2】
【0121】
エタノール及び水をビーカー内で冷却してYstralで5分間撹拌しながら混合した。次いで、この水−アルコール混合物に、エタノール中又は水中のいずれか該当する方の溶液の形態の、色素を加えて、これを5分間撹拌した。
【0122】
抗酸化剤BHT、BMDBM、オクチルメトキシシンナメート及び不揮発性油を、0.1と5重量%との間で芳香剤中の混合物の量を変えて、シャーレ内で磁気的に撹拌しながら70℃で混合した。
【0123】
次いで、この混合物を、放置して冷却させて、磁気的に撹拌しながら香料を添加した。
【0124】
次いで、シャーレの内容物を、この着色した水−アルコール溶液と撹拌しながら10分間混合し、噴霧性を試験するために香料アトマイザー中にパッケージングし、ストーブ安定性用に25mlまで満たした30mlのピルボックス中にパッケージングし、次いで、サンテスト及び嗅覚試験用に60mlのガラスボトル中にパッケージングした。
【0125】
B.着香溶液の安定性及び官能評価:
次いで、以下のプロトコルに従い、上記の4種の添加剤のうちの1種を含有する3種の芳香剤のそれぞれの熱安定性、低温安定性及びUV線に対する安定性を評価した。
【0126】
(4℃及び45℃のストーブ中での溶液の均質性の安定性)
芳香剤を25mlまで入れた、30mlのピルボックスを、45℃のストーブ中及び4℃の冷蔵庫中に3ヶ月間入れる。相分離又は曇り若しくは顕著な沈着がなければ、その溶液は安定である(適合している結果)。
【0127】
(UVに対する色及び香りの安定性)
芳香剤を55mlまで入れた60mlのガラスボトルに入れた、混合物のL
*a
*b
*色座標を、照射前に、Minolta 3600D CM POS0118分光比色計によって測定した。
【0128】
それぞれ1種の芳香剤を入れたこれらのボトルを、以下の条件で12時間、ボトルが完全にUVに曝露されるように直立で置く。
【0129】
それぞれの試料に、サンテスト(Suntest)(商標)装置、モデルCPS中で照射を行う。使用されるUV源は、765W/m
2の電力で300と800nmとの間で放射するキセノンランプである。このキセノンランプには、「UV特殊ガラス」と組み合わせられた「ショートカットオフ」石英フィルターが付いている。試料は、(冷却プレート及び/又は空気調節プレートを使用して)25℃の温度で維持される。
【0130】
12時間の照射後、添加剤を含有する芳香剤のL
*a
*b
*座標を再び測定した。標準の測定条件(D
65光源及び10°観測者)において、デルタEによって表される、2つの測定値の間の相違が、5未満、好ましくは1未満であれば、溶液の色は、安定であると考えられる(適合している結果)。
【0131】
上記の条件におけるUV線に対する曝露の前及び後の溶液の香りを、嗅覚の専門家によってさらに評価した。
【0132】
この試験結果は、嗅覚の専門家が、UV線に対する曝露後の香りの強度においていかなる有意な相違も検出しなければ、適合していると考えられる。
【0133】
(皮膚上に残されるべとつき感(官能評価))
芳香剤を、アトマイザーで噴霧することによって頸部に適用した。この目的は、一度アルコール及び水が蒸発した後に皮膚上に残されるあらゆる残留性のべとつき感を検出することであった。
【0134】
評価は、皮膚上の又は視覚観察(残留性のべとついた被膜又は衣類の変色)における、残留性のべとつき感に基づく。
【0135】
例えば、芳香剤2番及び10重量%の混合物2、3又は4を含有する溶液は、専門家によってべたつき過ぎと判断される。
【0136】
この試験結果は、専門家が不快な感覚を認めず、べとつきの観察もなければ適合していると考えられる。
【0137】
これらの多様な評価の結果を以下の表3〜8で報告する。括弧中の記述は、その適合性を変えることなく得られた結果の特徴を述べている。斜体の記述は、結果を不適合とする観察を描写している。
【0138】
【表3】
【0139】
【表4】
【0140】
【表5】
【0141】
【表6】
【0142】
【表7】
【0143】
【表8】
【0144】
実施例2(顔用のライトニングローション):
以下の配合に従ってローションを調製した。
実施例1からの香料濃縮物1番:4%
本発明による添加剤(実施例1中の混合物1):0.5%
PPG−3ミリスチルエーテル:5%
グリセリン:2%
カルボマー:0.2%
ブチレングリコール:3%
ポリソルベート20:0.2%
カルシウムD−パンテテイン−S−スルホネート:0.2%
シトラス抽出物 温州ミカン:2%
エタノール:28%
水 適量:100%
中和剤,保存剤:0.9%
【0145】
肌の色を明るくするためのこのローションは、メーキャップを落として皮膚を洗浄した後に使用される。
【0146】
このローション中に組み込まれた添加剤により、特に、この配合の香料濃縮物によってローションに付与される嗅覚的同一性を維持することによって、UVの作用に関して溶液を安定化することが可能となる。
【0147】
実施例3(唇のための水和用バルサム):
以下の配合に従って無水バルサムを調製した。ここで、割合は重量パーセントである。
【0148】
このバルサムは透明であり、少量の香料濃縮物を含有する。
ATPA型
*のポリマー:16
エチルヘキシルヒドロキシステアレート:15
水素化ポリイソブテン:46
セチルアルコール95%:2
プロピレングリコールジベンゾエート:20
本発明による添加剤(実施例1中の混合物3):0.4
香料濃縮物及び抗酸化剤:0.6
【0149】
* ATPA型のポリマーは、INCI名ビス−ジオクタデシルアミドダイマージリノール酸/エチレンジアミンコポリマーを有する。
【0150】
本発明による添加剤を、透明な組成物の官能特性をUVの作用に対して安定化するためにバルサムの処方に加えた。