(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、単位画素内で、受光領域の比率を高めることができるイメージセンサ、その製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一類型による横型フォトダイオードは、基板と、前記基板上に形成された絶縁マスク層と、前記絶縁マスク層の一面に接触し、前記一面と平行な方向に沿って順次配置された第1型半導体層、活性層、第2型半導体層と、を含む。
【0010】
前記基板は、シリコン基板を含んでもよい。
【0011】
前記絶縁マスク層は、酸化物または窒化物から形成されてもよい。
【0012】
前記絶縁マスク層には、貫通ホールが形成されてもよい。
【0013】
前記第1型半導体層及び前記第2型半導体層のうちいずれか1つは、前記貫通ホールの内部から、前記絶縁マスク層上の領域に延長された形態を有することができる。
【0014】
前記基板と前記絶縁マスク層との間には、シード層がさらに形成されてもよい。
【0015】
前記第1型半導体層、前記活性層、前記第2型半導体層は、III−V族化合物半導体物質から形成されてもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の一類型によるイメージセンサは、シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成された読み取り回路部と、前記読み取り回路部を覆い、少なくとも1つの貫通ホールが形成された絶縁マスク層と、前記貫通ホールから成長され、前記絶縁マスク層の一面に沿って延設された第1型半導体層と、前記第1型半導体層に接する活性層と、前記活性層に接する第2型半導体層と、を含む。
【0017】
前記第1型半導体層、前記活性層、前記第2型半導体層は、前記絶縁マスク層の一面と接触し、前記一面と平行な方向に沿って順次配置されてもよい。
【0018】
前記活性層は、前記第1型半導体層の側面を取り囲む形態に形成され、前記第2型半導体層は、前記活性層の側面を取り囲む形態に形成されてもよい。
【0019】
前記活性層は、前記第1型半導体層の互いに対向する両側面から、互いに反対である2方向に沿ってそれぞれ配置された2領域からなり、前記第2型半導体層は、前記活性層の2領域の両端から、前記互いに反対である2方向に沿ってそれぞれ配置された2領域から形成されてもよい。
【0020】
前記活性層、前記第2型半導体層は、前記第1型半導体層上に、前記絶縁マスク層の一面と垂直である方向に順次積層されてもよい。
【0021】
前記絶縁マスク層は、酸化物または窒化物から形成されてもよい。
【0022】
前記貫通ホール内に、シード層が形成されてもよい。
【0023】
前記読み取り回路部と前記活性層とをそれぞれ前記基板面に投影するとき、投影された領域が互いにオーバーラップされる。
【0024】
前記第1型半導体層、前記活性層、前記第2型半導体層は、III−V族化合物半導体物質から形成されてもよい。
【0025】
また、前記課題を解決するために本発明の一類型による横型フォトダイオードの製造方法は、基板上に、貫通ホールが形成された絶縁マスク層を形成する段階と、エピタキシャル横方向成長(ELOG:epitaxial lateral overgrowth)法を使用し、前記貫通ホール内部から、前記絶縁マスク層上の一面に沿って延長されるように、第1型半導体層を成長させる段階と、ELOG法を使用して、前記第1型半導体層の側面から、前記絶縁マスク層上の一面と平行な方向に沿って活性層を成長させる段階と、ELOG法を使用して、前記活性層の側面から、前記絶縁マスク層上の一面と平行な方向に沿って、第2型半導体層を成長させる段階と、を含む。
【0026】
前記製造方法は、前記第1型半導体層、前記活性層、前記第2型半導体層の対面が互いに同一面をなすように平坦化される段階と、をさらに含んでもよい。
【0027】
前記製造方法は、前記絶縁マスク層を形成する前に、前記基板上にシード層を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0028】
また、前記課題を解決するために本発明の一類型によるイメージセンサの製造方法は、読み取り回路部が形成されたシリコン基板を準備する段階と、前記シリコン基板の一面を露出する貫通ホールが形成され、前記読み取り回路部を覆う絶縁マスク層を形成する段階と、エピタキシャル横方向成長(ELOG)法を使用し、前記貫通ホール内部から、前記絶縁マスク層上の一面に沿って延長されるように、第1型半導体層を成長させる段階と、前記第1型半導体層に接する活性層を形成する段階と、前記活性層に接する第2型半導体層を形成する段階と、を含む。
【0029】
前記活性層を形成する段階は、ELOG法を使用して、前記第1型半導体層の側面から、前記絶縁マスク層上の一面と平行な方向に沿って活性層を成長させる段階でもあり、前記第2型半導体層を形成する段階は、ELOG法を使用して、前記活性層の側面から、前記絶縁マスク層上の一面と平行な方向に沿って、第2型半導体層を成長させる段階でもある。
【0030】
前記活性層、前記第2型半導体層を形成するとき、横方向成長の方向を、前記第1型半導体層の側面から放射形にすることができる。
【0031】
前記活性層、前記第2型半導体層を形成するとき、横方向成長の方向を、前記第1型半導体層の側面から互いに反対である2方向とすることができる。
【0032】
前記製造方法は、前記第1型半導体層、前記活性層、前記第2型半導体層の上面が、互いに同一平面をなすように平坦化される段階をさらに含んでもよい。
【0033】
前記製造方法は、平坦化された、前記第1型半導体層、前記活性層、前記第2型半導体層を覆うパッシベーション層を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0034】
前記製造方法は、前記第1型半導体層、前記第2型半導体層の領域の一部が露出されるように、前記パッシベーション層に貫通ホールを形成し、前記貫通ホールを介して、前記第1型半導体層、前記第2型半導体層とそれぞれ接する、第1コンタクト層、第2コンタクト層を形成する段階をさらに含んでもよい。
【0035】
前記製造方法で、前記活性層と前記第2型半導体層は、前記第1型半導体層上に、前記絶縁マスク層上の一面に垂直である方向に沿って順次形成されてもよい。
【発明の効果】
【0036】
本発明のイメージセンサは、読み取り回路部及びフォトダイオードが基板面上に順次積層された構造を有し、それによって、広い受光領域が具現される。
【0037】
本発明のイメージセンサ製造方法によれば、横方向成長法を使用して、絶縁層上に、半導体物質を横方向に形成することができるので、画素内に受光領域が占める面積が広いイメージセンサが製造される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】実施例による横型フォトダイオードの概略的な構造を示す断面図である。
【
図2】
図1の横型フォトダイオードの製造に使用される横方向成長法、及びそれによって、欠陥の少ない薄膜が形成されるということについて説明する概念図である。
【
図3】実施例によるイメージセンサの概略的な構造を示す断面図である。
【
図4】実施例によるイメージセンサにおいて、1つの画素内でのフォトダイオード、読み取り回路部の配置関係を示した平面図である。
【
図5A】比較例によるイメージセンサにおいて、1つの画素内でのフォトダイオード、読み取り回路部の配置関係を示した平面図である。
【
図5B】比較例によるイメージセンサに採用された縦方向型フォトダイオードの形状を示す図面である。
【
図6】実施例及び比較例によるイメージセンサが具現することができる最小画素サイズについて説明するためのグラフである。
【
図7】実施例及び比較例によるイメージセンサにおいて、波長による光電流の大きさを比較して示したグラフである。
【
図8】実施例及び比較例によるイメージセンサにおいて、波長による反応性を比較して示したグラフである。
【
図9】実施例によるイメージセンサで採用することができるフォトダイオードの具体的な形態を例示的に示す図面である。
【
図10】実施例によるイメージセンサで採用することができるフォトダイオードの具体的な形態を例示的に示す図面である。
【
図11】実施例によるイメージセンサで採用することができるフォトダイオードの具体的な形態を例示的に示す図面である。
【
図12】実施例によるイメージセンサで採用することができるフォトダイオードの具体的な形態を例示的に示す図面である。
【
図13A】実施例によるフォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【
図13B】実施例によるフォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【
図13C】実施例によるフォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【
図13D】実施例によるフォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【
図13E】実施例によるフォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【
図13F】実施例によるフォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【
図13G】実施例によるフォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【
図13H】実施例によるフォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【
図14A】実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図14B】実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図14C】実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図14D】実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図14E】実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図14F】実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図14G】実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図14H】実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図15】他の実施例によるイメージセンサの概略的な構造を示す断面図である。
【
図16A】
図15のイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図16B】
図15のイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図16C】
図15のイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図16D】
図15のイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図16E】
図15のイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【
図16F】
図15のイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は,多様な変換を加えることができ,さまざまな実施例を有することができるが、特定の実施例を図面に例示して、以下で詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施例を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例(実施形態)に限定されるものではなく、多様な形態に具現されてもよい。
【0040】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施例について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一あるいは対応する構成要素は、同一の図面符号を付し、それに係わる重複した説明は省略する。
【0041】
以下の実施例において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で使用される。
【0042】
以下の実施例において、単数の表現は、文脈上明白に、それとは異なる意味に使用されない限り、複数の表現を含む。
【0043】
以下の実施例において、「含む」または「有する」というような用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、一つ以上の他の特徴または構成要素を付加する可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0044】
以下の実施例において、膜、領域、構成要素のような部分が、他の部分の上または上部にあるとするとき、他の部分のすぐ上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0045】
図面では、説明の便宜のために、構成要素の大きさが誇張または縮小されていることがある。例えば、図面で示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示されたものであり、本発明は、必ずしも図示されたものに限定されるものではない。
【0046】
ある実施例が異なる方法により具現可能である場合、所定の工程の順序は、説明される順序と異なってもよい。例えば、連続して説明される2工程が実質的に同時に遂行されてもよく、説明される順序と逆の順序で進められてもよい。
【0047】
図1は、実施例による横型フォトダイオード100の概略的な構造を示す断面図である。
【0048】
横型フォトダイオード100は、基板110、基板110上に形成された絶縁マスク層130、絶縁マスク層130の一面上に横方向に配置された第1型半導体層140、活性層150、第2型半導体層160を含む。基板110と絶縁マスク層130との間には、シード層120がさらに配置されてもよい。
【0049】
基板110は、多様な材質から形成され、例えば、半導体材料、ポリマー材料などによって形成されてもよい。前記半導体材料の例を挙げれば、Si、Ge、GaAs、GaNなどを含み、前記ポリマー材料は、有機ポリマー及び無機ポリマーを含んでもよい。それ以外に、基板110は、石英(quartz)、ガラスなどから形成されてもよい。
【0050】
シード層120は、その上に形成する半導体物質と同一または類似の系列の物質からなる。ただし、それは、選択的なものであり、基板110、第1型半導体層140の材質によって省略可能である。
【0051】
絶縁マスク層130は、酸化物または窒化物から形成されてもよい。絶縁マスク層130には、貫通ホールHが形成されており、シード層120の一部、またはシード層120が形成されていない場合には、基板110面の一部が貫通ホールHによって露出される。
【0052】
第1型半導体層140は、貫通ホールHの内部から、絶縁マスク層130の上面に沿って延長された形態を有する。
【0053】
活性層150は、第1型半導体層140の側面から、絶縁マスク層130の上面と平行な方向に沿って延設されている。
【0054】
第2型半導体層160は、活性層150の側面から、絶縁マスク層130の上面と平行な方向に沿って延設されている。
【0055】
第1型半導体層140、活性層150、第2型半導体層160は、半導体物質からなり、例えば、III−V族化合物半導体から形成されてもよい。第1型半導体層140、第2型半導体層160のうちいずれか1層は、N型、残りの1層は、P型にドーピングされ、活性層150は、ドーピングされず、P−I−N構造が形成される。N型不純物として、Si、Ge、Se、Teなどが使用されてもよい。P型不純物としては、Mg、Zn、Beなどが使用されてもよい。活性層150の材質は、横型フォトダイオードPDが検出する波長帯域の光によって、具体的な材質及び組成比が決められる。
【0056】
また、第1型半導体層140、活性層150、第2型半導体層160を覆う形態に、パッシベーション層170が形成され、パッシベーション層170は、第1型半導体層140、第2型半導体層160の領域の一部を露出するようにパターニングされ、その領域上に、第1コンタクト層180、第2コンタクト層190が形成されてもよい。
【0057】
そのような形態の横型フォトダイオードPDは、エピタキシャル横方向成長(ELOG:epitaxial lateral overgrowth)法によって形成されるが、ELOG法は、縦方向成長より横方向成長がより迅速となるように、半導体物質を成長させる方法を意味する。
【0058】
図2は、
図1の横型フォトダイオード100の製造に使用される横方向成長法、及びそれによって、欠陥の少ない薄膜が形成されることについて説明する概念図である。
【0059】
基板SU上にシード層SEを形成し、貫通ホールHが形成された絶縁マスク層IMを形成する。シード層SEは、成長させようとする半導体物質SMと類似した物質によって形成され、基板SUの材質によって省略可能である。
【0060】
絶縁マスク層IMは、ELOGマスクの役割を行う。シード層SEは、基板SUとシード層SEとをなす物質の熱膨脹係数、格子定数の差などにより、転位DL(dislocation)などの欠陥を有する。しかし、貫通ホールHを介して、シード層SEから半導体物質SMが成長される場合、貫通ホールHの大きさが小さいことにより、転位DLの展開(evolution)が良好に行われず、絶縁マスク層IMの上面に形成される半導体物質SMは、相対的に少ない欠陥を有する。
【0061】
ELOG法で半導体物質SMを形成するとき、通常の半導体製造工程であるハイドライド(混成)気相成長法(HVPE:hydride vapor phase epitaxy)、分子線エピタキシャル成長法(MBE:molecular beam epitaxy)、有機金属気相成長法(MOVPE:metal organic vapor phase epitaxy)、金属有機化学蒸着法(MOCVD:metal organic chemical vapor deposition)などの方法が使用され、工程条件を調節し、縦方向成長に対する横方向成長の比率を10ほどまでに高められることが知られている。
【0062】
そのように、ELOG法を使用することにより、一般的に、半導体物質を成長させることができない材質である絶縁物質上に、P−I−N構造を形成することができる。
【0063】
図3は、実施例によるイメージセンサ200の概略的な構造を示す断面図である。
【0064】
イメージセンサ200は、受光素子と、受光素子からの電気信号を読み取ってデータ化する読み取り回路部ROICと、を含み、本実施例では、受光素子を、読み取り回路部ROICを覆う絶縁物質上に、前述の横型P−I−N構造で形成している。
【0065】
具体的な構成について述べれば、次の通りである。
【0066】
イメージセンサ200は、シリコン基板210、シリコン基板上に形成された読み取り回路部ROIC、読み取り回路部ROICを覆い、少なくとも1つの貫通ホールHが形成された絶縁マスク層230、絶縁マスク層230の一面に接触し、前記一面と平行な方向に沿って順次配置された第1型半導体層240、活性層250、第2型半導体層260を含む。また、第1型半導体層240、活性層250、第2型半導体層260を保護するパッシベーション層270と、第1型半導体層240および第2型半導体層260にそれぞれ接する、第1コンタクト層280および第2コンタクト層290と、を含む。
【0067】
読み取り回路部ROICは、活性層250に吸収された光によって発生した電気信号を読み取る回路要素からなり、一つ以上のトランジスタ、キャパシタ及び多数の配線構造などを含む。
【0068】
絶縁マスク層230は、酸化物または窒化物からなり、読み取り回路部ROICをパッシベーションする役割を行う。また、絶縁マスク層130は、ELOGマスクとして機能し、そのための貫通ホールHを具備している。
【0069】
貫通ホールH内に、シード層がさらに形成されてもよい。シード層220は、貫通ホールHから成長され、絶縁マスク層230上に形成する半導体物質、すなわち、第1型半導体層140の材質と同一または類似の系列の物質から形成されてもよい。例えば、III−V族化合物半導体からなる。
【0070】
第1型半導体層240は、貫通ホールHの内部から、絶縁マスク層230上の領域に延長された形態を有し、活性層250、第2型半導体層260は、それぞれ第1型半導体層140の側面から、絶縁マスク層130の表面と平行な方向に沿って順次配置される。ただし、第1型半導体層240が、貫通ホールHの内部から、絶縁マスク層130上の領域に延長された形態は、例示的なものであり、第2型半導体層260が、貫通ホールHの内部から、絶縁マスク層230上の領域に延長された形態を有することもできる。
【0071】
第1型半導体層240、活性層250、第2型半導体層260は、半導体物質からなり、例えば、III−V族化合物半導体から形成されてもよい。第1型半導体層240、第2型半導体層260のうちいずれか1層は、N型、残りの1層は、P型にドーピングされ、活性層250は、ドーピングされず、P−I−N構造が形成される。N型不純物として、Si、Ge、Se、Teなどが使用されてもよい。P型不純物としては、Mg、Zn、Beなどが使用されてもよい。第1型半導体層240、活性層250、第2型半導体層260の材質は、イメージセンサ200が使用される波長帯域の光によって、具体的な材質及び組成比が決められる。例えば、第1型半導体層240、第2型半導体層260は、InPからなり、活性層250は、InGaAsからなり、赤外線帯域の光をセンシングするように構成される。
【0072】
そのような構造で、読み取り回路部ROICと活性層250は、それぞれを基板210面に投影した領域がオーバーラップされる形態であり、断面積を最小化させることができる。図示された構造は、1つの画素に対応する構造であり、本実施例のイメージセンサ200は、1つの画素をより小さく形成することができ、または画素内において、受光領域が占める面積を最大化させることができる。
【0073】
図4は、実施例によるイメージセンサにおいて、1つの画素内でのフォトダイオード、ROICの配置関係を示した平面図である。
【0074】
基板210上の領域は、多数の画素PXを含み、それぞれの画素PX領域には、フォトダイオードPDとROICとが形成されている。フォトダイオードPDは、
図3において、第1型半導体層240、活性層250、第2型半導体層260からなる構造を指す。
【0075】
図示されているように、フォトダイオードPDとROICは、基板210の表面と垂直である方向に、層を異ならせて構成されているので、1つの画素PX内において、フォトダイオードPDが形成される面積は、ROICの大きさや位置に影響されない。従って、画素PXの面積のほとんどを受光領域として使用することができる。
【0076】
図5Aは、比較例によるイメージセンサであり、1つの画素内でのフォトダイオード、ROICの配置関係を示した平面図であり、
図5Bは、比較例によるイメージセンサに採用されたフォトダイオードの形状を示している。
【0077】
比較例のイメージセンサ200’は、縦型のフォトダイオードPDを採用し、すなわち、
図5Bのように、第1型半導体層240’、活性層250’、第2型半導体層260’が積層形成されている。そのような構造は、縦方向成長法によって形成される形態であり、
図5Aに図示されているように、画素PXの領域をROICと共有して使用する。
【0078】
従って、同一サイズの画素PXに対して、フォトダイオードPDが占める面積は、比較例の場合、実施例の場合より小さくなる。
【0079】
図6は、実施例によるイメージセンサ200、及び比較例によるイメージセンサ200’が具現することができる最小画素サイズについて説明するためのグラフである。
【0080】
図6のグラフを参照すれば、比較例及び実施例において、画素サイズが小さくなるほど、フォトダイオードの断面積も縮小される。しかし、光をセンシングするために最小限の受光面積が必要である。グラフでは、それを点線で示している。画素サイズがそのような最小限の受光面積を具現しなければならず、すなわち、グラフでは、点線より上側の領域に対応する画素サイズが具現可能な大きさになる。比較例の場合、最小画素が約10μm程度として示されているのに比べ、実施例の場合、最小画素は、約5μm程度として示され、実施例のイメージセンサは、高解像度を具現するのに有利な構造であるということが分かる。
【0081】
図7は、実施例及び比較例によるイメージセンサにおいて、波長による光電流の大きさを比較して示したグラフである。
【0082】
図7のグラフは、比較例及び実施例の画素面積を100μm
2と同一にし、波長による光電流をシミュレーションしたものである。グラフを参照すれば、実施例の場合、比較例の場合より、約5倍以上の高い光電流特性を示すということが分かる。それは、実施例の場合、画素領域内における受光領域が占める面積を、比較例の場合より広く形成することができるからである。
【0083】
図8は、実施例及び比較例によるイメージセンサにおいて、波長による反応性を比較して示したグラフである。
【0084】
比較例のイメージセンサは、
図5A及び
図5Bの配置で形成された構造であり、実施例のイメージセンサは、
図3の構造とし、フォトダイオードのP−I−N構造の材質は、いずれもInP−InGaAs−InPとしてシミュレーションした結果である。
【0085】
図8のグラフを参照すれば、実施例の場合、ほとんどの波長帯域において、比較例の場合より高い反応性を示すということが分かる。特に、可視光帯域において、反応性が高く示されているが、それは、実施例の場合、活性層に光が入射される前に、他層において、可視光吸収がほとんどないからであると分析される。比較例のイメージセンサにおいて、縦型フォトダイオードに光が入射されるとき、上部のInPによって、可視光の吸収が起こり、活性層に伝達される量が減る。一方、実施例の場合、横型フォトダイオードに光が入射され、そのとき、他層での可視光吸収がほとんど起こらない。
【0086】
図9ないし
図12は、実施例によるイメージセンサ200で採用することができる横型フォトダイオードの具体的な形態を例示的に示している。
【0087】
図9ないし
図12に表示された矢印方向は、横方向成長の方向を意味する。
【0088】
図9を参照すれば、活性層250、第2型半導体層260は、第1型半導体層240の側面から一方向に順次に配置されている。
【0089】
図10を参照すれば、活性層251は、第1型半導体層241を取り囲む形態に形成され、第2型半導体層261は、活性層251を取り囲む形態に形成されている。図示された形態は、円形リング形態であり、第1型半導体層241の側面から放射形に横方向成長を誘導し、そのような形態を具現することができる。
【0090】
図11を参照すれば、活性層252は、第1型半導体層242を取り囲む形態に形成され、第2型半導体層262は、活性層252を取り囲む形態に形成されている。図示された形態は、四角リング形態であり、第1型半導体層242の側面から、互いに垂直である4方向に横方向成長を誘導し、そのような形態を具現することができる。
【0091】
図12を参照すれば、活性層は、第1型半導体層243の互いに対向する両側面から、互いに反対である2方向に沿って配置された2領域253,254からなる。また、第2型半導体層は、活性層をなす前記2領域253,254の両端から、前記互いに反対である2方向に沿って配置された2領域263,264からなる。そのような形態は、第1型半導体層243の互いに対向する両側面から、互いに反対である2方向に沿って横方向成長を誘導して具現される。
【0092】
図13Aないし
図13Hは、実施例による横型フォトダイオードの製造方法について説明する図面である。
【0093】
図13Aを参照すれば、まず、基板110上に、シード層120を形成する。基板110は、多様な材質によって形成されてもよい。例えば、Si、Ge、GaAs、GaN、ポリマー、石英、ガラスなどによって形成される。シード層120は、形成する半導体物質と同一または類似の系列の物質からなる。ただし、それは、選択的なものであり、基板110の材質、形成する半導体物質によって省略可能でもある。
【0094】
図13Bを参照すれば、基板110上に,絶縁マスク層130を形成する。窒化物、酸化物のような絶縁物質によって形成される絶縁マスク層130には、シード層120の領域の一部、またはシード層120が形成されていない場合には、基板110領域の一部を露出させる貫通ホールHが形成されている。貫通ホールHの断面形状は、円形、楕円形、多角形、棒状などの形状を有することができる。
【0095】
図13Cを参照すれば、絶縁マスク層130をELOGマスクにし、第1型半導体層140を、貫通ホールHを介して、横方向成長法で形成する。第1型半導体層140は、III−V族化合物半導体からなり、N型にドーピングされた半導体層でもある。N型不純物として、Si、Ge、Se、Teなどが使用される。第1型半導体層140の形成のために、一般的な半導体製造工程であるハイドライド(混成)気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)、有機金属気相成長法(MOVPE)、金属有機化学蒸着法(MOCVD)などの方法が使用され、工程条件を調節し、縦方向成長に対する横方向成長の比率を調節することができる。基板110と第1型半導体層140との材質の差、すなわち、格子定数や熱膨脹係数の差などによって発生する欠陥は、貫通ホールHの上部への展開が良好に行われず、横方向成長によって形成された第1型半導体層140は、欠陥が少ない形態に形成される。
【0096】
次に、
図13Dのように、ELOG法を使用して、活性層150を形成する。活性層150は、第1型半導体層140の側面から、絶縁マスク層130の表面と平行な方向に沿って横方向に成長される。ELOG法は、横方向成長が縦方向成長より大きく起きる。すなわち、ELOG法の施行時、縦方向成長も共に起きるので、第1型半導体層140の上部の領域まで活性層150が延設される。ELOG法の方向は、例えば、
図9ないし
図12に例示された形態のうちいずれか一つになる。
【0097】
次に、
図13Eのように、ELOG法を使用して、第2型半導体層160を形成する。第2型半導体層160は、III−V族化合物半導体からなり、P型にドーピングされた半導体層でもある。P型不純物としては、Mg、Zn、Beなどが使用されてもよい。第2型半導体層160は、活性層150の側面から、絶縁マスク層130の表面と平行な方向に沿って横方向に成長される。一方、横方向成長時、縦方向成長も共に起きるので、第2型半導体層160は、活性層150の上部の領域にまで延設される。
【0098】
次に、
図13Fのように、第1型半導体層140、活性層150、第2型半導体層160の上面が同じ面上に位置するように、平坦化(planarization)工程を遂行する。平坦化工程として、例えば、CMP(chemical mechanical polishing)工程を使用することができる。
【0099】
次に、
図13Gのように、パッシベーション層170を形成する。パッシベーション層170は、絶縁物質であり、例えば、窒化物、酸化物、ポリイミド、フォトレジストなどによって形成されてもよい。
【0100】
次に、
図13Hのように、パッシベーション層170をパターニングし、第1型半導体層140、第2型半導体層160の領域の一部を露出させた後、第1型半導体層140、第2型半導体層160にそれぞれ接する、第1コンタクト層180、第2コンタクト層190を形成する。
【0101】
前述の方法によって、横型フォトダイオード100が製造される。前述の横型フォトダイオード100は、一般的に、半導体物質の成長が困難な絶縁物質上に、他のウェーハで形成して接合される形態ではなく、モノリシック(monolithic)に形成されている。そのような方法は、フォトダイオードを活用する多様な素子の製造方法に適用される。
【0102】
図14Aないし
図14Hは、実施例によるイメージセンサ製造方法について説明する図面である。
【0103】
図14Aを参照すれば、まず、読み取り回路部ROICが形成されたシリコン基板210を準備する。読み取り回路部ROICは、シリコン基板210上に形成されるフォトダイオードからの出力を読み取る回路であり、一つ以上のトランジスタ、キャパシタ、配線を含んでもよい。
【0104】
図14Bを参照すれば、絶縁マスク層230を形成する。絶縁マスク層230は、読み取り回路部ROICをパッシベーションし、またELOGマスクの役割をさせるためのものである。絶縁マスク層230は、窒化物、酸化物のような絶縁物質によって形成される。絶縁マスク層230に、は貫通ホールHが形成されている。貫通ホールHの断面形状は、円形、楕円形、多角形、棒状などの形状を有することができる。例えば、
図9や
図12のような形態において、横方向成長を誘導するために、貫通ホールHの断面形状を棒状にもでき、
図10や
図11のような形態において、横方向成長を誘導するために、貫通ホールHの断面形状を円形、四角形などで形成することができる。そのような貫通ホールHが具備された絶縁マスク層230は、絶縁物質の蒸着工程及びフォトリソグラフィ工程で形成することができる。
【0105】
貫通ホールH内には、シード層220が形成される。シード層220の形成は、省略されてもよい。
【0106】
図14Cを参照すれば、絶縁マスク層230をELOGマスクにし、第1型半導体層240を、貫通ホールHを介して、横方向成長法で形成する。第1型半導体層240は、III−V族化合物半導体からなり、N型にドーピングされた半導体層でもある。N型不純物として、Si、Ge、Se、Teなどが使用されてもよい。第1型半導体層240の形成のために、一般的な半導体製造工程であるハイドライド(混成)気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)、有機金属気相成長法(MOVPE)、金属有機化学蒸着法(MOCVD)などの方法が使用され、工程条件を調節し、縦方向成長に対する横方向成長の比率を調節することができる。基板210と第1型半導体層240との材質の差、すなわち、格子定数や熱膨脹係数の差などによって発生する欠陥は、貫通ホールHの上部への展開が良好に行われず、横方向成長によって形成された第1型半導体層240は、欠陥が少ない形態に形成される。
【0107】
次に、
図14Dのように、ELOG法を使用して、活性層250を形成する。活性層250は、第1型半導体層240の側面から、絶縁マスク層230の表面と平行な方向に沿って横方向に成長される。ELOG法は、横方向成長が縦方向成長より大きく起きる。すなわち、ELOG法の施行時、縦方向成長も共に起きるので、第1型半導体層240の上部の領域まで活性層250が延設される。ELOG法の方向は、例えば、
図9ないし
図12に例示された形態のうちいずれか一つにもなる。
【0108】
次に、
図14Eのように、ELOG法を使用して、第2型半導体層260を形成する。第2型半導体層260は、III−V族化合物半導体からなり、P型にドーピングされた半導体層でもある。P型不純物としては、Mg、Zn、Beなどが使用されてもよい。第2型半導体層260は、活性層250の側面から、絶縁マスク層230の表面と平行な方向に沿って横方向に成長される。一方、横方向成長時、縦方向成長も共に起きるので、第2型半導体層260は、活性層250の上部の領域にまで延設される。
【0109】
第1型半導体層240、活性層250、第2型半導体層260の材質は、製造されるイメージセンサが使用される波長帯域の光によって、具体的な材質及び組成比が決められる。例えば、第1型半導体層240、第2型半導体層260は、InPからなり、活性層250は、InGaAsからなり、赤外線帯域の光をセンシングするように構成されてもよい。
【0110】
次に、
図14Fのように、第1型半導体層240、活性層250、第2型半導体層260の上面が同じ面上に位置するように、平坦化(planarization)工程を遂行する。平坦化工程として、CMP(chemical mechanical polishing)工程を使用することができる。
【0111】
次に、
図14Gのように、パッシベーション層270を形成する。パッシベーション層270は、絶縁物質であり、例えば、窒化物、酸化物、ポリイミド、フォトレジストなどによって形成されてもよい。
【0112】
次に、
図14Hのように、パッシベーション層270をパターニングし、第1型半導体層240、第2型半導体層260の領域の一部を露出させた後、第1型半導体層240、第2型半導体層260にそれぞれ接する、第1コンタクト層280、第2コンタクト層290を形成する。
【0113】
図15は、他の実施例によるイメージセンサ300の概略的な構造を示す断面図である。
【0114】
イメージセンサ300は、受光素子と、受光素子からの電気信号を読み取ってデータ化する読み取り回路部ROICとを含み、受光素子は、読み取り回路部ROICを覆う絶縁マスク層230上に順次積層された第1型半導体層340、活性層350、第2型半導体層360を含む。また、第1型半導体層340、活性層350、第2型半導体層360を保護するパッシベーション層370と、第1型半導体層340および第2型半導体層360にそれぞれ接する、第1コンタクト層380および第2コンタクト層390と、を含む。
【0115】
本実施例のイメージセンサ300は、
図3のイメージセンサ200の変形例であり、イメージセンサ200と比較すると、第1型半導体層340だけがELOG法で横方向に成長され、活性層350、第2型半導体層360は、第1型半導体層340上において縦方向に成長されているという点で差がある。
【0116】
すなわち、第1型半導体層340は、絶縁マスク層230の貫通ホールHに形成されたシード層220から成長され、絶縁マスク層230の上面に沿って、ELOG法によって、横方向に延長されるように形成される。活性層350と第2型半導体層360は、第1型半導体層340上に、一般的な縦方向成長法によって順次に積層形成される。
【0117】
本実施例のイメージセンサ300も、
図3のイメージセンサ200と同様に、読み取り回路部ROIC及び活性層250それぞれを基板210面に投影した領域が、オーバーラップされる形態であり、画素1つの断面積を最小化させることができる。図示された構造は、1つの画素に対応する構造であり、本実施例のイメージセンサ300は、1つの画素をより小さく形成することができ、または1つの画素内において、受光領域が占める面積を最大化させることができる。
【0118】
本実施例のイメージセンサ300は、
図4のような平面図を有し、すなわち、基板210上の領域は、多数の画素PXを含み、それぞれの画素PX領域には、フォトダイオードPD及びROICが形成されている。フォトダイオードPDとROICは、基板210の表面と垂直である方向に、層を異ならせて構成されているので、1つの画素PX内において、フォトダイオードPDが形成される面積は、ROICの大きさや位置に影響されない。従って、画素PXの面積のほとんどを受光領域として使用することができる。
【0120】
図16Aのように、読み取り回路部ROICが形成されたシリコン基板210上に、読み取り回路部ROICをパッシベーションし、さらにELOGマスクの役割を行うように、貫通ホールHが形成された絶縁マスク層230を形成する。貫通ホールH内に、シード層220を形成する。シード層220の形成は、省略されてもよい。
【0121】
次に、
図16Bのように、絶縁マスク層230をELOGマスクにし、第1型半導体層340を、貫通ホールHを介して横方向成長法で形成する。そのとき、横方向成長の程度は、第1型半導体層340が、絶縁マスク層230の上面に沿って横方向成長され、読み取り回路部ROICのほとんどの領域と対向する程度とする。
【0122】
次に、
図16Cのように、第1型半導体層340上に、活性層350、第2型半導体層360を順次形成する。そのとき、一般的な縦方向成長法による。
【0123】
次に、
図16Dのように、第1型半導体層340の領域の一部が現れるように、第2型半導体層360、活性層350の領域の一部をエッチングする。
【0124】
次に、
図16Eのように、第1型半導体層340、活性層350、第2型半導体層360を保護するパッシベーション層370を形成する。
【0125】
次に、
図16Fのように、パッシベーション層370をパターニングし、第1型半導体層340、第2型半導体層360の領域の一部を露出させた後、第1型半導体層340、第2型半導体層360にそれぞれ接する、第1コンタクト層380、第2コンタクト層390を形成する。
【0126】
以上、本発明である横型フォトダイオード及びイメージセンサ、その製造方法について、図面に図示された実施例を参照して説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野の当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の技術的保護範囲は、特許請求の範囲によって決められるものである。