【実施例1】
【0026】
本発明の第1の実施の形態に係る実施例の配管フリージング用治具について、
図1乃至
図3を用いて詳細に説明する。
図1は、実施例1に係る配管フリージング用治具の外観斜視図である。
図1に示すように、本実施例に係る配管フリージング用治具1は、流体(分解点検弁53の上流側配管に貯留する保有水、図示せず)が通過する円筒型の配管50の外周51に装着され、流体を凍結する冷媒(図示せず)が収容される箱体2と、この箱体2の周面2aに取り付けられ、箱体2を外周51に圧接して固定する固定部材3と、を備えている。なお、冷媒は、具体的には、ドライアイスであり、箱体2の内部に形成される保持部9に保持される。また、固定部材3は、弾性体であり、具体的にはゴムバンドである。
また、配管50は、垂直に敷設されており、その途中に溶接部50a〜50cが含まれる。また、溶接部50bと溶接部50cの間には、分解点検弁53が設置されている。この分解点検弁53は、流体の漏洩を防止するボンネットやグランド等(図示せず)を備えたバルブである。
【0027】
箱体2は、入れ子式に嵌合する外箱4及び内箱5からなるとともに、配管50の周囲に設置される構造物52に対し、箱体2を吊り下げるための吊り下げ具6が備えられる。吊り下げ具6は、下端が内箱5の両側面に固定される紐状体6bと、紐状体6bの上端に取り付けられるフック6aと、から構成される。また、外箱4と内箱5には、互いに対向する位置に把持用のハンドル25a,25bがそれぞれ設けられる。
さらに、配管フリージング用治具1は、外周51の表面の温度を計測した計測値を出力する温度計測手段26と、計測値が入力されるとともに、この計測値を出力表示する出力表示手段(図示せず)と、を備える。具体的には、温度計測手段26は外周51に取り付けられる熱電対であり、出力表示手段はチャート紙を備える温度記録計である。
【0028】
次に、配管フリージング用治具1の構成について、
図2を用いながらより詳細に説明する。
図2は、実施例1に係る配管フリージング用治具を構成する箱体の分解斜視図である。なお、
図1で示した構成要素については、
図2においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、外箱4は、開口部4aと、この開口部4aを挟んで対向する外端面4b,4cと、を備え、内箱5は、開口部5aと、この開口部5aを挟んで対向する内端面5b,5cと、を備える。
また、外端面4b,4cは、それぞれ開口部4aに連通する切欠7a,7bが設けられ、内端面5b,5cは、それぞれ開口部5aに連通する切欠8a,8bが設けられる。さらに、切欠7a,7bはそれぞれ閉鎖された奥部27a,27bが形成され、切欠8a,8bはそれぞれ閉鎖された奥部28a,28bが形成される。
したがって、配管50(
図1参照)を挟んで、外箱4の切欠7aと内箱5の切欠8aを対向させるとともに、外箱4の切欠7bと内箱5の切欠8bを対向させ、内箱5を開口部4aを介して外箱4の内部へ入れ子式に嵌合した場合(矢印X)に、冷媒を保持可能な保持部9(
図1参照)が形成される。
【0029】
さらに、外箱4は、外端面4b,4cに連設され、開口部4aに対向する外背面4dと、この外背面4dと外端面4b,4cにそれぞれ連設され、互いに対向する一対の外側面4e,4fと、が備えられ、内箱5は、内端面5b,5cに連設され、開口部5aに対向する内背面5dと、この内背面5dと内端面5b,5cにそれぞれ連設され、互いに対向する一対の内側面5e,5fと、が備えられる。すなわち、外箱4と内箱5は、それぞれ開口部4a,5aを有する立方体形状をなす。また、内箱5の縦断面Sは、開口部4aの形状や大きさとほぼ同等であり、内箱5を外箱4の内部へ嵌合する際に、内端面5b,5cと内側面5e,5fの外表面が、それぞれ外端面4b,4cと外側面4e,4fの内壁に沿って摺動しつつ、内箱5が外箱4の内部へ挿入される構造である。
外端面4bは、外背面4dとヒンジ10,10を介して連結され、保持部9の上方を開放又は閉止可能な蓋体12であり、内端面5bは、内背面5dとヒンジ11,11を介して連結され、保持部9の上方を開放又は閉止可能な蓋体13である。
より具体的には、矢印Y
1,Y
2に示されるように、蓋体12をヒンジ10,10を中心として外箱4の外側方向へ回動させるとともに、蓋体13をヒンジ11,11を中心として内箱5の外側方向へ回動させると、保持部9が開放される。
逆に、この状態から、蓋体12をヒンジ10,10を中心として外端面4cと平行になるよう回動させるとともに、蓋体13をヒンジ11,11を中心として内端面5cと平行になるよう回動させると、保持部9が閉止される。なお、
図2においては、内箱5が外箱4へ嵌合された場合に、蓋体12,13が保持部9を閉止可能とする状態が示されている。また、同様の場合に、外端面4cと内端面5cは、保持部9の底部を開放不能であって、この底部を常時閉止する構造である。
【0030】
外端面4b,4cは、それぞれ切欠7a,7bに隣接して設置される受け部14a,14bと、この受け部14a,14bにそれぞれ係合されるとともに、外周51に当接可能な湾曲部16a,17aがそれぞれ形成されるスライド蓋16、17と、を備える。
内端面5b,5cは、それぞれ切欠8a,8bに隣接して設置される受け部15a,15bと、この受け部15a,15bにそれぞれ係合されるとともに、外周51に当接可能な湾曲部18a,19aがそれぞれ形成されるスライド蓋18,19と、を備える。したがって、スライド蓋16〜19は、それぞれ矢印Z
1〜Z
4に示されるような方向に、スライド運動が可能な構造となっている。
なお、スライド蓋16〜19がそれぞれ受け部14a,14bに係合する構造は、
図3(b)を用いながら後述する。
【0031】
続いて、配管フリージング用治具1を構成する蓋体12,13について、
図3を用いながら詳細に説明する。
図3(a)は実施例1に係る配管フリージング用治具の
図1におけるA方向矢視図であり、
図3(b)は
図3(a)におけるB−B線矢視断面図である。なお、
図1及び
図2で示した構成要素については、
図3においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図3(a)に示すように、スライド蓋16,18(破線による斜線部)は、それぞれ矢印Z
1,Z
3に示されるような方向にスライド運動を行うため、湾曲部16a,18aがそれぞれ、外周51の半周側51a,51bに当接したり、半周側51a,51bから離れたりする。すなわち、切欠7a,8aは、それぞれスライド蓋16,18によって被覆され、保持部9が外気と連通可能な面積が縮小又は拡大される。
また、図示は省略するが、スライド蓋17,19は、それぞれ矢印Z
3,Z
4(
図2参照)に示されるような方向にスライド運動を行うため、湾曲部17a,19aが外周51の半周側51a,51bに当接したり、半周側51a,51bから離れたりする。したがって、切欠7b,8bも、それぞれスライド蓋17,19によって被覆され、保持部9が外気と連通可能な面積が縮小又は拡大される。
なお、
図3(a)においては、湾曲部16aと半周側51aの間、及び湾曲部18aと半周側51bの間に、それぞれ隙間が形成されず、保持部9が外気と連通不可能な状態が示されている。
【0032】
図3(b)に示すように、スライド蓋16は、受け部14a,14aの対向する端部に形成される分岐部20,20に係合される。この分岐部20,20は、蓋体12の裏面12b方向へ突出するように形成されるので、蓋体12の表面12aは平坦となっている。ただし、分岐部20,20が裏面12bにおいて形成される範囲は、内箱5の外箱4への嵌合が阻害されることがないように、切欠7aの閉鎖された奥部27a(
図2及び
図3(a)参照)の付近までである。なお、スライド蓋17、受け部14b,14b及び切欠7bも上記と同様の構成である。
また、
図3(a)におけるスライド蓋18と受け部15a,15aのB´−B´線矢視断面も、
図3(b)に示した断面と同様であるため、B´−B´線矢視断面の図示は省略する。なお、スライド蓋18、受け部15a,15a及び切欠8aもスライド蓋16、受け部14a,14a及び切欠7aと同様の構成であり、スライド蓋19、受け部15b,15b及び切欠8bもスライド蓋17、受け部14b,14b及び切欠7bと同様の構成である。
【0033】
次に、配管フリージング用治具1を配管50に装着する手順(1)〜(9)について、説明する。
(1) 分解点検弁53のボンネット、グランド等を締め付けて閉止し、配管50を通過する流体(保有水)の流れを停止させた後、配管50の上方に存在する構造物52に吊り下げ具6のフック6aを引っ掛け、内箱5を構造物52から吊り下げる。次に、配管50を挟んで内箱5を外箱4の内部に嵌合し、保持部9を形成する。そして、箱体2の周面2aに固定部材3を巻き付ける。さらに、スライド蓋17,19の湾曲部17a,19aを外周51に当接させる。
(2) 配管50の外周51に温度計測手段26を取り付ける。なお、このときの取り付け方法は、テープ等による貼着であって、特に限定されない。さらに、温度計測手段26と出力表示手段を電気的に接続し、温度計測手段26の計測値を出力表示可能とする。なお、外周51の温度は、流体の温度とほぼ同等であると考えられるため、温度計測手段26の計測値は、流体の温度を反映するものである。
(3) 蓋体12,13を回動させ保持部9を開放する。そして、保持部9に冷媒(ドライアイス)を投入し、蓋体12,13を回動させ保持部9を閉止する。
(4) 出力表示手段によって表示された温度計測手段26の計測値から、外周51の温度が0℃以下になったことを確認する。
(5) 流体が凍結したことを確認するため、分解点検弁53のボンネット、グランド等を除々に緩めて開放しながら、流体の漏出がないことを確認する。漏出があるときは、作業を一時中断し、流体が凍結するまで待機する。
(6) 流体が完全に凍結したことを手順(5)で確認し、制御棒駆動水圧ユニット隔離弁(図示せず)の分解点検作業を開始する。
(7) 手順(6)の分解点検作業開始後、出力表示手段の表示により、外周51の温度の上昇傾向があれば、冷媒が昇華によって減少したと判断し、蓋体12,13を回動させ保持部9を開放する。そして、冷媒を追加投入し、流体が凍結したことを確認後、分解点検作業を再開する。
(8) 手順(6)の分解点検作業完了後、手順(1)と逆の手順で、配管フリージング用治具1を配管50から取り外す。
(9) 温度計測手段26を配管50から取り外し、出力表示手段とともに撤去する。
【0034】
本実施例の配管フリージング用治具1においては、手順(1)に示したように、構造物52に対し、吊り下げ具6のフック6aを掛止することで、垂直に敷設された配管50に対し、箱体2が下方にずり落ちることが確実に防止される。
加えて、内箱5を外箱4の内部へ嵌合した場合に、箱体2の周面2aに弾性体である固定部材3を巻き付けると、固定部材3が周面2aを締め付けるので、外箱4と内箱5が下方にずり落ちることと、外箱4と内箱5が外周51から外側に離れることが防止される。
【0035】
したがって、手順(3)において冷媒を保持部9に投入する際や、投入後においても、外箱4と内箱5が配管50に当初装着された位置から移動することが防止される。特に、前者においては、保持部9に冷媒を投入するときの衝撃で外箱4と内箱5の間に隙間が発生することが防止されることから、冷媒が保持部9からこぼれ出すことがなく、冷媒を配管50の外周51に対し密着させることができる。そのため、保持部9においては、冷媒を投入する以前に配管50の内部に貯留していた流体に対する冷却位置がずれることがなく、流体の温度が急激に低下し、この流体が迅速に凍結することとなる。
【0036】
また、後者においては、冷媒の荷重や、冷媒を追加投入することによる衝撃によっても、冷媒を配管50の外周51に対し密着させることが可能となるため、分解点検作業の間、流体の凍結が安定的に維持される。
なお、手順(4)、(6)、(7)に示したように、出力表示手段によって表示された温度計測手段26の計測値から、外周51の表面の温度が連続して確認されるので、分解点検作業の開始時点や冷媒の追加投入の時点が的確に把握される。そのため、分解点検作業の間、外周51の温度が0℃以下に保持される。
【0037】
続いて、手順(3),(7)に示したように、冷媒を保持部9に投入し、保持部9を閉止した後のスライド蓋16〜19の作用について詳細に説明する。
冷媒を保持部9に投入する際には、保持部9からの冷媒の落下を防止するため、予め湾曲部17a,19aを外周51に当接させておく。その後冷媒を保持部9に投入し、湾曲部16a,18aをそれぞれ外周51に当接させることで、保持部9がほぼ密閉された状態となる。
ただし、冷媒が保持部9に投入される量によっては、湾曲部16aと半周側51aとの間、及び湾曲部18aと半周側51bとの間に冷媒が挟まれる場合があるが、この時点では特に問題とならない。しかし、この挟まれている冷媒は、保持部9の外側の空気に接触しているため、時間の経過に伴って減少し、湾曲部16aと半周側51aとの間、及び湾曲部18aと半周側51bとの間にそれぞれ隙間が発生する。そこで、スライド蓋16,18を手動でそれぞれスライド移動させ、湾曲部16a,18aをそれぞれ半周側51a,51bに当接させると、上記の隙間が消滅して保持部の気密性が維持される。
さらに、保持部9に冷媒が投入され保持されている場合に、内箱5の縦断面Sは、開口部4aの形状や大きさと同等であることから、外箱4と内箱5との重複部に隙間が形成されない。このことによっても、保持部の気密性が維持される。
【0038】
以上説明したように、本実施例の配管フリージング用治具1によれば、吊り下げ具6と固定部材3の組み合わせによって、保持部9に保持された冷媒が外周51に密着した状態を持続させることができる。加えて、スライド蓋16〜19や外箱4と内箱5との重複部に隙間が形成されないことから、冷媒が急速に減少することを防止可能である。したがって、箱体2が配管50に当初装着された位置から、凍結が禁止されている溶接部50b,50cに移動するおそれがない。また、分解点検弁から保有水が漏出するおそれもない。さらに、固定部材3は弾性体であって、伸縮性をも有しているため、箱体2への脱着が容易である。
また、温度計測手段26と出力表示手段によって、分解点検作業の間、外周51の温度、すなわち流体(保有水)の温度を、経験や勘に頼るのではなく客観的かつ正確に認識することができる。さらに、温度計測手段26は連続計測可能であるため、この計測値が上昇傾向にある場合をいち早く知ることができる。したがって、凍結した保有水の温度の上昇を抑制するための措置、すなわち冷媒の追加投入を迅速に行うことが可能であることから、分解点検作業の間、凍結した保有水の温度を0℃以下に安定的に維持することができる。
【0039】
さらに、配管フリージング用治具1によれば、箱体2が配管50へ装着された場合に、自在に保持部9を開放又は閉止可能であるので、外箱4と内箱5を配管50に対して移動させることなく、冷媒を容易に保持部9へ追加投入することができる。
加えて、スライド蓋16〜19をそれぞれ外周51に当接させることが可能であるため、直径が異なる配管50に対しても、配管フリージング用治具1を装着することができる。特に、スライド蓋16,18をそれぞれ外周51に当接させることが可能であることによれば、保持部9の容量に対する冷媒の投入量とは無関係に、保持部9の気密性を維持することができる。
【実施例2】
【0040】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る実施例の配管フリージング用治具について、
図4を用いて詳細に説明する。
図4は、実施例2に係る配管フリージング用治具を構成する箱体の分解斜視図である。
図1に示すように、本実施例に係る配管フリージング用治具21は、実施例1に係る配管フリージング用治具1(
図2参照)の蓋体12,13がそれぞれ蓋体22,23に置換されるとともに、切欠7a,7bと切欠8a,8bがそれぞれ切欠24a,24bと切欠25a,25bに置換される。ただし、配管フリージング用治具1におけるスライド蓋16〜19及び受け部14a,14bと受け部15a,15bは備えられていない。
このうち、蓋体22は、保持部9(
図1参照)を開放した場合に、外側面4e,4fにそれぞれ接触可能に、蓋体22から下垂して延設される略扇形状の蓋側片22a,22aが設けられる。
また、蓋体23は、保持部9を開放した場合に、内側面5e,5fにそれぞれ接触可能に、蓋体23から下垂して延設される略扇形状の蓋側片23a,23aが設けられる。
さらに、切欠24a,24bにおいて、それぞれ外背面4dに近い閉鎖された奥部29a,29bは、外周51に当接可能な湾曲形状に形成される。同様に、切欠25a,25bにおいても、それぞれ内背面5dに近い閉鎖された奥部30a,30bは、外周51に当接可能な湾曲形状に形成される。
なお、
図4においては、内箱5が外箱4に嵌合された場合に、蓋体22がヒンジ10,10を中心として保持部9を開放可能に回動した状態と、蓋体23がヒンジ11,11を中心として内端面5cと平行し保持部9を閉止可能な状態が示されている。配管フリージング用治具21におけるこの他の構成は、実施例1に係る配管フリージング用治具1の構成と同様である。
【0041】
本実施例の配管フリージング用治具21においては、蓋側片23a、内側面5e,5f、蓋側片22a、外側面4e,4fの順で、これらを保持部9から箱体2の外方に向かって折り畳んで重複させると、保持部9が蓋体22,23によって閉止される。ただし、必ずしもこの順で折り畳まなくとも良い。
また、蓋側片22a,23aが設けられることで、蓋体22,23を回動させ保持部9を開放した場合に、冷媒によって形成された保持部9の冷気が周囲の外気中に拡散する量が減少する。また、冷媒を保持部9に追加投入する際に、冷媒が周囲に飛散することが防止される。配管フリージング用治具21におけるこの他の作用は、実施例1に係る配管フリージング用治具1の作用と同様である。
【0042】
以上説明したように、配管フリージング用治具21によれば、蓋体22,23をそれぞれ回動させることで、容易に保持部9を開放又は閉止することができる。一方で、保持部9が閉止されている場合、蓋側片22a,23aは、内側面5e,5f、外側面4e,4fと重複して折り畳まれているため、不用意に保持部9が開放されることがない。また、冷媒の追加投入のために保持部9を開放する場合、蓋側片22a,23aによって、保持部9の冷気が周囲の外気中に拡散する量が減少するため、保持部9の断熱性を向上させることができる。さらに、冷媒の飛散が防止されることで、作業員の安全性が確保される。配管フリージング用治具21におけるこの他の効果は、実施例1に係る配管フリージング用治具1の効果と同様である。
【0043】
なお、本発明の配管フリージング用治具1,21の構造は実施例1及び実施例2に示すものに限定されない。例えば、実施例1に係る配管フリージング用治具1において、吊り下げ具6は、外箱4及び内箱5のうち、いずれに取り付けられても良く、紐状体6bの代わりに棒状体が用いられても良い。また、蓋体12,13に、それぞれ蓋側片22a,23aが設けられても良い。さらに、分岐部20,20は、蓋体12の表面12a方向へ突出するように形成されても良い。そして、分岐部20,20が裏面12bにおいて形成される範囲は、内箱5の外箱4への嵌合が阻害されることがなければ、切欠7aの閉鎖された奥部27aの付近までに限定されない。これは、受け部14a,14b及び受け部15a,15bにおいて同様である。
また、実施例2に係る配管フリージング用治具21において、蓋体23の蓋側片23a,23aは、設けられなくても良い。さらに、蓋側片22a,23aの形状は、略扇形状の以外に、例えば三角形状であっても良い。