特許第6552006号(P6552006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552006
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】可撓性の袋を備えたパウチ
(51)【国際特許分類】
   A61G 9/00 20060101AFI20190722BHJP
   A61F 5/455 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   A61G9/00 W
   A61G9/00 Q
   A61F5/455
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-513329(P2016-513329)
(86)(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公表番号】特表2016-523589(P2016-523589A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】EP2014059724
(87)【国際公開番号】WO2014184174
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2017年4月26日
(31)【優先権主張番号】1354249
(32)【優先日】2013年5月13日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515062854
【氏名又は名称】スイス セーフ コレクト ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Swiss Safe Collect SA
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイレトー ブノワ
【審査官】 井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−284272(JP,A)
【文献】 特開2003−125975(JP,A)
【文献】 特開平10−297651(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/318044(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第847742(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 9/00
A61F 5/44 − A61F 5/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋口(12A)を有する可撓性の袋(12)を備え、
前記袋口の縁部に、前記袋の外側に突出する補強用のカラー(18、118)の対向する二つの壁が固定されており、
前記二つの壁を互いに接続する主折り目(17、117)に沿って前記二つの壁が互いに対向するように前記カラーが折りたたまれる平坦状態と、前記袋口を開いた状態に保持する通路を前記二つの壁が形成する使用状態とをとる、パウチ(10)であって、
前記主折り目(17、117)は、前記パウチ(10)が前記平坦状態のとき及び前記使用状態のときの両方で横方向外側に突出する前記袋口とは反対側の端部(17A、117A)と、前記カラー(18、118)の外側に向かう方向に面する凹辺とを有し、
前記カラーは、前記使用状態において前記端部によって規定される鼻部(18'、118')を有し、
前記カラー(18、118)の各壁(20A、20B、120A、120B)は、前記主折り目(17、117)と前記カラーにおける前記袋口(12A)とは反対側の自由端(18B、118B)とを接続する第2の折り目(21A、21B、121A、121B)であって、前記使用状態において前記鼻部(18'、118')と前記カラーの残りの部分との境界となる第2の折り目(21A、21B、121A、121B)を有することを特徴とする、パウチ。
【請求項2】
複数の前記第2の折り目(21A、21B、121A、121B)が前記主折り目(17、117)について対称であることを特徴とする、請求項に記載のパウチ。
【請求項3】
複数の前記第2の折り目(21A、21B、121A、121B)は、前記凹辺が前記主折り目(17、117)の方を向くようにカーブしていることを特徴とする、請求項または請求項に記載のパウチ。
【請求項4】
前記カラー(118)の前記袋口(12A)からの突出度合いが、前記カラーの幅方向において、前記主折り目(117)近傍の最小高さ(h1)と、前記主折り目とは反対側の前記カラーの横方向端部近傍の最大高さ(h2)との間で変化することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のパウチ。
【請求項5】
前記平坦状態において、前記カラー(118)における前記袋口(12A)とは反対側の自由端(118B)が、前記鼻部(118')の自由端の少なくとも一部を規定する凹型ゾーン(C1)を有するカーブを形成することを特徴とする、請求項に記載のパウチ。
【請求項6】
前記カーブが、前記凹型ゾーンと前記主折り目(117)の反対側の前記カラー(118)の横方向端部との間に延在する凸型ゾーン(C2)を有することを特徴とする、請求項に記載のパウチ。
【請求項7】
前記カラー(18、118)は、前記主折り目とは反対側において、前記袋口の縁部から横方向に突出する第1長手方向端部帯(30A、130A)を有する第1壁(20、120A)と、前記パウチが前記平坦状態から前記使用状態に移行する際に前記第1長手方向端部帯の内面をスライドするのに適したスライド端部(32B、132B)を有する第2壁(20B、120B)とを含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のパウチ。
【請求項8】
前記カラー(118)の前記二つの壁を前記通路の形状に保持する手段(150A、150B)を有することを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のパウチ。
【請求項9】
前記カラー(118)は、前記袋口(12A)とは反対側で且つ前記主折り目(117)から離れた部分に、前記二つの壁(120A、120B)にそれぞれ設けられた二つのホルダー舌部(150A、150B)を有し、前記二つのホルダー舌部が前記使用状態において少なくとも部分的に重なり合うことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のパウチ。
【請求項10】
前記二つの壁(120A、120B)のそれぞれにおいて、前記ホルダー舌部(150A、150B)が、当該壁の前記主折り目(117)とは反対側の端部と、前記カラー(118)の自由端(118B)から前記袋口(12A)に向かって長手方向に切れ込まれたノッチ(152A、152B)との間に延在することを特徴とする、請求項に記載のパウチ。
【請求項11】
前記二つの壁(120A、120B)が前記通路を形成するときに重なり合う前記カラーの二つの部分(130A、130B)が、それぞれ、穴(154A)と、前記穴と係合するのに適した突起(154B)とを有することを特徴とする、請求項1〜1のいずれかに記載のパウチ。
【請求項12】
前記二つの部分(130A、130B)が、前記二つの壁(120A、120B)における前記主折り目(117)から離れた部分にそれぞれ設けられることを特徴とする、請求項1に記載のパウチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性の袋を備えたパウチに関する。可撓性の袋は、袋口を有する。袋口の縁部に、袋の外側に突出する補強用のカラーの対向する二つの壁が固定されている。パウチは、カラーの二つの壁を互いに接続する主折り目に沿って二つの壁が互いに対向するようにカラーが折りたたまれる平坦状態と、袋口を開いた状態に保持する通路を二つの壁が形成する使用状態とを取ることができる。
【背景技術】
【0002】
この種のパウチは、例えば特許文献1に記載されている。このようなパウチは、主に液状の物質、特に尿等の人間や動物の排泄物を入れるために用いられる。パウチは平坦状態で保管される。使用時には、カラーはその壁が袋口を開いた状態に保持する通路を形成するように操作される。これによりパウチが使用状態となり、パウチの内部に排泄物を投入可能となる。排泄物が投入されると、パウチを平坦状態に戻すため、カラーは解除される。
【0003】
このようなパウチは、一般に、プラスチックその他の(場合によっては透明で、所望の柔軟性を有する素材からなる)薄いシートによって構成される。袋口を開けるためのカラーの操作は、カラーの複数の壁を変形させて(パウチの外側から見て)凸型とし、袋口を開いた状態に保持する通路を壁の間に形成する工程を含む。
【0004】
特許文献1は、カラーが通路の形状をとる際に、袋の複数の壁が、袋口の縁部だけでなく袋口の下流側でも互いに離隔して、パウチ内に導入された物質が逆流しないようにする、カラーの操作に関する。この目的のため、カラーに複数の内部拡張タブが設けられる。これにより、パウチの袋を作成する際の材料の選択の自由度が非常に高くなる。特許文献1の発明は、袋を形成する複数のシートが、当初は互いに対して多少粘着した状態であっても、また高い柔軟性を有していても、シートが互いに確実に離隔するようにするものである。
【0005】
上記特定の種類のパウチを作成するにあたっての一つの課題は、物質(特に尿等の排泄物)を袋の内部で効果的に移動させることである。パウチが男性の排泄用パウチとして使用される場合、特に困難は生じない。これは、使用者のペニスが袋口を通って(カラーによって形成された通路に)十分な長さで挿入されるからである。同様に、いかなる排泄物の収集用途であっても、袋口からパウチ内に十分な長さで挿入可能に突出した終端または部材から排泄物を導入して、物質をパウチ内部まで移動させられるものであれば、困難は生じない。
【0006】
一方、パウチを上記の用途とは別の用途に用いる場合、すなわち、物質の流入元である部材が、カラーによって形成された通路に挿入できないタイプもの、または、カラーによって形成される通路の十分に奥まで挿入することができないタイプのものである場合には、困難が生じる。例えば、パウチが女性用の尿瓶である場合である。このような場合、例えば尿のような物質は、袋の外側に突き出たカラーの端部からパウチに導入される。
【0007】
本願発明者は、カラーの自由端が特許文献1に記載の形状であるとき、自由端からの物質の誘導が不十分であることを発見した。これは、特にパウチが女性用の尿瓶として用いられる際に顕著である。
【0008】
特許文献2は、特に、自由端が女性の解剖学的構造に合う形を有するように構成された女性用尿瓶に関する。しかし、この尿瓶は全体的に剛体である。本発明のパウチとは異なり、この尿瓶は限られたスペース内で保管するのには適していない。
【0009】
特許文献3は、人間工学に基づき、女性の解剖学的構造に合う形のカラーを有する女性の排泄用パウチを構成するバウチに関する。しかし、このカラーも剛体で平坦状にすることができず、保管スペースの点で問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第0847742号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2735358号明細書
【特許文献3】仏国特許出願公開第2898269号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、平坦状態を取ることができ、パウチに挿入された物質をパウチの底まで導く形状のカラーを有する一方、特に女性の排泄用パウチとして用いられる場合の漏れのリスクを減少させたパウチを提案することで、上記問題の解決を目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、前記主折り目が、前記パウチが前記平坦状態のとき及び前記使用状態のときの両方で横方向外側に突出する前記袋口とは反対側の端部を有し、前記カラーが、前記使用状態において前記端部によって規定される鼻部を形成する構成とすることで達成される。
【0013】
上記の構成により、使用状態になるようにカラーが操作されると、鼻部が自然に形成される。この鼻部は、物質のパウチ内部への案内を容易にする。特にパウチが女性用尿瓶として用いられる場合、鼻部は外陰部の後部に対向するように配置され、女性の解剖学的構造とパウチとの間における尿漏れのリスクを減少させる。
【0014】
本発明のパウチは多くの用途に利用可能である。鼻部の存在により、物質はより良好に通路に沿ってパウチに運ばれる。この点は、物質がパウチ内に挿入できない部材から流し込まれる際に特に有用である。さらに、本発明では部材をパウチに挿入する深さについて特に注意を払うことなく漏れを防止できることから、パウチに挿入可能な部材から物質を流入させる際にも有用である。
【0015】
記主折り目は前記カラー外側に向かう方向に面する凹辺を有する。パウチが平坦状態から使用状態に移行すると、この凹辺が、折り目に沿った開く動きを助け、自然と鼻部が形成されるようにアーチ効果をもたらす。
【0016】
記カラーの各壁、第2の折り目を有する。前記第2の折り目は、前記主折り目と、前記カラーにおける前記袋口とは反対側の自由端とを接続し、前記使用状態において前記鼻部と前記カラーの残りの部分との間の境界を形成する。パウチが平坦状態から使用状態へ移行する際、カラーの複数の壁が第2の折り目に沿って窪み、鼻部がより確実に形成される。
【0017】
好適には、複数の前記第2の折り目が前記主折り目について対称である。鼻部はこれにより対称に形成される。
【0018】
好適には、複数の前記第2の折り目は、前記凹辺が前記主折り目の方を向くようにカーブしている。これにより、横方向に突出する鼻部の形成がより確実になる。
【0019】
好適には、前記カラーの前記袋口からの突出度合いが、前記カラーの幅方向において、前記主折り目近傍の最小高さと、前記主折り目とは反対側の前記カラーの横方向端部近傍の最大高さとの間で変化する。この高さの変化は、パウチが女性の排泄用パウチとして用いられる際に特に有用である。これは、パウチを使用する女性の外陰部にカラーの自由端を押し付けて、鼻部を含む最も低い部分が外陰部の後部に位置するようにすることが容易になるからである。
【0020】
好適には、前記カラーは、前記袋口の縁部から横方向に突出する第1長手方向端部帯を有する第1壁と、前記パウチが前記平坦状態から前記使用状態に移行する際に前記第1長手方向端部帯の内面に対してスライド可能なスライド端部を有する第2壁とを含む。これにより、カラーの長手方向縁部に圧力がかかって長手方向端部が互いに対して移動する際、袋口の縁部に対して横方向に第1長手方向端部帯が突出することから、カラーの第1壁が確実に凸型に変形する。このように第1壁が凸型になることで、第2壁のスライド端部は第1長手方向端部帯の内面に対してスライドさせられ、その内面は凹型になる。これにより、第2壁が第1壁から離れ、これら二つの壁がその間に袋口を開いた状態で保持する所望の通路を形成する。さらに、スライド端部と第2壁との間のスライド接触により、排泄物がパウチ内に導入される間の遮水性がもたらされ、排泄物が、スライド端部と第1長手方向端部帯とを有する通路の端部から漏れることが防止される。
【0021】
特に、カラーは、例えばプラスチック素材の射出成形によって形成されてもよい。これにより、両壁が主折り目で接続された一体型の形状を得ることができる。また、カラーは、それぞれが各壁を形成するように平坦に切り抜かれた二つの側部からなっていてもよい。これらの側部は(溶着等によって)主折り目に沿って互いに接続される。
【0022】
本発明では、袋口から離隔したカラーの自由端の形状の自由度が高い。この自由端は、例えばパウチが男性の尿瓶として用いられる際には、直線状でもよい。他の用途として、例えばパウチが女性用尿瓶として用いられる場合は、上記のように他の形状であってもよい。
【0023】
好適には、本発明のパウチは、前記カラーの前記二つの壁を前記通路の形状に保持する手段を有する。例えば、前記カラーは、前記袋口とは反対側で且つ前記主折り目から離れた部分に、前記二つの壁にそれぞれ設けられた二つのホルダー舌部を有し、前記二つのホルダー舌部が前記使用状態において少なくとも部分的に重なり合う。これらのホルダー舌部により、通路が形成された際に、カラーの取っ手となり通路形状を維持する、グリップ部分が形成される。
【0024】
前記二つの壁が前記通路を形成するときに重なり合う前記カラーの二つの部分が、それぞれ、穴と、前記穴と係合するのに適した突起とを有してもよい。これら重なりあう二つの部分は、好適には、前記二つの壁における前記主折り目から離れた部分にそれぞれ設けられる。
【0025】
本発明とその利点は、非限定的な例示によって提示される下記実施形態の詳細な説明によって、よりよく理解されるであろう。この説明は下記に示す添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】平坦状態にある本発明のパウチの平面図である。
図2図1のパウチのカラーの斜視図である。
図3】変形例における図1のカラーの二つの壁の平面図である。
図4図1のパウチが使用状態にあるときのカラーの形状を示す透視図である。
図5】特に女性用尿瓶の用途である変形例における、カラーの袋口に近い部分の平面図である。
図6図5のパウチのカラーの斜視図である。
図7図5のパウチが使用状態にあるときのカラーの形状を示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1が示すパウチ10は、可撓性の袋12を有する。この袋12は、プラスチック素材でできた二つの薄いシートからなり、これらのシートを適切に切り抜いて、溶着線14において輪郭のほぼ全体で互いに溶着することで形成される。この袋12は、溶着線14上の中断部からなる袋口12Aを有する。袋口12Aを介して、袋12の内部空間と外部空間とが通じている。
【0028】
図示の例では、袋12の幅が狭まる部分である、首部16の自由端に袋口12Aが設けられる。
【0029】
袋12は、袋口12Aに固定され且つ袋12の外側に突き出した補強用のカラー18を有する。
【0030】
具体的には、カラー18は、袋口12Aから袋12の外部に突出するカラー主要部だけでなく、袋口12Aから袋12の内部に挿入され袋口12Aの幅L全体にわたって延在する内側部18Aも有する。
【0031】
例えば、袋12を形成するシートを柔軟性のあるプラスチック素材で作成する一方、カラー18をより強度のあるプラスチック素材で作成する。これにより、カラー18を袋12に固定する作業において、袋12の各シートをカラー18の各壁に溶着または接着することができる。図1に示すように、二つの溶着線19A、19Bは、排泄物がパウチに導入される方向である方向Dに対して横方向に延びている。図1に示すカラー18の正面側の壁20Aは、袋12の対応するシートに、溶着線19A、19Bに沿って溶着されている。カラー18の裏側の壁20Bも、袋12の対応するシートに、同様に溶着されている。
【0032】
図1に示すように、袋口12Aと反対の部分において、溶着線14は、例えば微小穴のミシン目によってなる脆弱線15Aを有する。脆弱線15Aは、溶着線14内にのみ延在し、袋12の内部空間には達しない。パウチ10が排泄物でいっぱいになった場合、この排泄物は、脆弱線15Aに沿って、破れ目を袋12の内部空間に達するのに必要な力をかけることで、排出される。
【0033】
さらに、袋口12Aに隣接する側部の一つにおいて、溶着線14は、上記と同様に非連続な複数の穴からなる、脆弱線15Bを有する。脆弱線15Bは、袋12の内部空間から離れており、脆弱線15Bに沿って裂け目を形成する場合にその裂け目が袋12の内側に達しないような方向に設けられている。よって、パウチ10が満杯になってパウチ10を空にする前に保管しておく必要がある場合、脆弱線15Bに沿って裂け目を形成することで、パウチ10をフック等にかけておくことができる。
【0034】
図1は、パウチが特許文献1に記載の安全バルブを有することをさらに示す。このバルブは、パウチの壁それぞれに対向するように設けられた複数の内側シートからなる。図示の例では、パウチの二つの壁それぞれについて、バルブは、袋口12Aからパウチの中間部まで延びる第1シート対22と、第1シート対22の内部で延在する第2シート対24と、第2シート対24の内部で延在する第3シート対26とを有する。シート24はシート22より短く、シート26はシート24より短い。これらのシートは、それぞれが位置する箇所においてパウチの幅全体に延在し、互いに対して、および溶着線14上で袋の壁に対して、溶着されている。シート対24のシートはスポット溶着点25において互いに対して溶着されており、シート対26および24のシートは、スポット溶着点25に対してずれたスポット溶着点27において互いに対して溶着されている。これらの様々なシート対が適切に溶着されて、使用時の取り扱いの際にパウチ内に収納された排泄物の逆流を防ぐ、逆流防止バルブを構成する。
【0035】
脆弱線15Bは、シートの各層のいくつか又は全てが存在する溶着線14の部分に存在する。溶着線14のこの部分は特に強度が高く、上記のようにパウチ10をかけておく用途に適している。
【0036】
本発明は、さらに具体的には、カラー18に関する。上記のように、カラー18は、袋口12Aを横切って、カラー18の内側部18Aが袋口12Aの幅L全体にわたって延在するように、溶着される。側面図である図1において、カラー18では、平坦状態で、「第1」壁と以下で呼ばれる正面側の壁20Aが見える一方、「第2」壁20Bは第1壁20Aによって隠されている。
【0037】
さらに、図2において、二つの壁20A、20Bが主折り目17において接続されていることが分かる。主折り目17は、横方向外側に突出する端部17A(袋口12Aとは反対側の端部)を有する。「外側」は、本願では、図1の矢印Eが示す方向(主折り目17とは反対側のカラーの長手方向縁部から遠ざかる方向)である。「長手方向」は、本願では、排泄物をパウチ10に挿入する方向Dであり、カラー18の軸として規定される。端部17Aは、パウチ10が平坦状態のとき(図1参照)およびパウチ10が使用状態のとき(図4参照)の両方で、横方向外側に突出する。
【0038】
図4は、パウチ10が使用状態のときのカラー18の形状を示す。パウチ10が使用状態のとき、部17Aは鼻部18'を形成する。
【0039】
特に図1及び図2に示すように、主折り目17は、カラーの外側に向かう方向(すなわち矢印Eの方向)に向いた凹辺を有する。具体的には、主折り目17は、基部17Bが実質的に直線かつ長手方向に伸びており、直線の部17Aを形成するように折れ曲がっている。図示の例では、折れ曲がり17'Aは角度を有し、折れ曲がりの両側に位置する折り目の二つの部分は両方共直線である。折れ曲がりをよりなだらかな形状にしてもよいし、各部分は多少カーブしていてもよい。
【0040】
図示の例では、カラー18の壁20A、20Bは、第2の折り目21A、21Bをそれぞれ有する。各壁20A、20Bにおいて、第2の折り目21Aまたは21Bは、主折り目17と、カラー18の上端部(すなわち、カラー18におけるパウチの袋口12Aとは反対側の自由端)18Bとを接続する。これら第2の折り目21A、21Bにより、カラー18が平坦状態から使用状態に移行した際に、鼻部18’にある程度の容積が与えられる。第2の折り目21A、21Bは、鼻部18’とカラー18の残りの部分との間の境界を形成する。パウチ10が使用状態に移行する際、カラー18は通路を形成し、その壁20A、20Bは第2の折り目21A、21Bに沿って自然にカーブして、鼻部18’が自然に形成される。
【0041】
特に図2及び図4に示すように、第2の折り目21A、21Bは主折り目17について対称である。さらに、図示の例では、第2の折り目21A、21Bはカーブして、凹辺が主折り目に面するように構成されている。これら第2の折り目21A、21Bは、一般的には長手方向に対して傾斜した直線でもよく、或いは、複数の直線部からなっていてもよい。
【0042】
鼻部18'は、特に尿のような物質を、カラー18の内部、最終的にはパウチ1の内部に、導くように構成されている。主折り目17の形状、および、第2の折り目21A、21Bの形状により、カラー18がパウチ10の使用状態となる通路を形成すると、鼻部18'が自然に形成される。鼻部18'の存在は、パウチ10とカラー18とを収納時に完全な平坦状態にすることを全く妨げるものではない。
【0043】
以下、カラー18の別の特徴について記述する。カラー18の壁20Aは、袋口12Aの縁部から横方向に突出する第1長手方向端部帯30Aを有する。第1長手方向端部帯30Aは、長手方向Dと垂直な横方向Dlにおいて、袋口12Aの縁部から幅l分突出している。図2から、カラー18がパウチ10内に配置されたときに、カラー18の壁20Aが、幅lの段部31A分だけ、袋口12Aから突出するように構成されていることが分かる。
【0044】
反対側にあるカラー18の第2壁20Bは、パウチ10が平坦状態から使用状態に移行する際に第1長手方向端部帯30Aの内面をスライドするのに適したスライド端部32Bを有する。
【0045】
カラー18を変形させて図4の状態にするために、使用者は、図1に示すカラー18の基部のゾーンZ1、Z2に圧力をかける。この圧力によって、カラー18の対向する長手方向縁部が互いに対して近づき、カラー18の壁20A、20Bがそれぞれ曲がって、カラー18は通路を形成する。
【0046】
同様に、ゾーンZ2が鼻部の下に位置することで、鼻部18’は注ぎ口の形状となる。より正確には、上記のように、カラー18の壁20A、20Bは第2の折り目21A、21Bに沿って折り曲げられる。カラー18の壁20A、20Bにおける第2の折り目21A、21Bと主折り目17との間の(図4の上方向に向かう)部分は、横方向外側に突出し続けつつ互いに対して離隔し、鼻部18’を注ぎ口の形状にする。
【0047】
第1長手方向端部帯30A及びスライド端部32Bは、カラー18が通路の形状となるのを容易にする。ゾーンZ1、Z2への圧力により、第1壁20Aは凸型となり、第1壁20Aの自由延長部を形成する第1長手方向端部帯は、カーブのより緩やかな凸型となる。第1壁20Aの内面は、スライド端部32Bに対して反力を及ぼす。このように、第1長手方向端部帯30Aが特定の形状を有していることで、スライド端部32Bは、第1壁20Aの内面上をスライドすることを余儀なくされ、第2壁20Bを凸型にする。よって、二つの壁20A、20Bの間に、パウチ10の袋口12Aを開いた状態に保持する通路が設けられる。
【0048】
具体的には、スライド端部32Bは、第2長手方向端部帯30Bの端部に形成されている。第2長手方向端部帯30Bは、カラー18の第2壁20Bの一部を形成し、袋口12Aの縁部から横方向に突出する。少なくとも一部分において、第2長手方向端部帯30Bは第1長手方向端部帯30Aよりも少ない度合いで横方向に突出する。具体的には、第2長手方向端部帯30Bが横方向に突出する度合いは、スライド端部32Bがスライドすることにより、スライド端部32Bの基部の段部31Bにおける突出の最小値eとカラー18の自由端18Bにおける最大値lとの間で変化する。
【0049】
図2は、壁20A、20Bが主折り目17によって接続された、カラー18の部分を図示する。カラー18は射出成形等により形成された単一の部材であってもよい。この状況下で、二つの壁20A、20Bのフレア角αは、30度から90度、好ましくは型抜きを容易にするために60度である。折り目17、21A、21Bは、好適には、カラー18の材料の厚みを部分的に減少させることで形成される。
【0050】
図3に示すように、カラー18を二つの平坦な部材から形成してもよい。すなわち、壁20A、20Bをそれぞれ形成する二つの個別の側部を、それぞれの縁部20’A、20’Bに沿って溶着し、溶着された縁部20’A、20’Bによって折り目を形成してもよい。溶着は、折り曲げが容易になるように、部分的な余計な厚みを避けて行われる。
【0051】
カラー18における主折り目17とは反対側の端部は、互いに対して自由に移動可能である。これは、カラー18における袋口12Aから突出する部分の全てに該当する。特に、カラー18の内側部18Aに関して、平坦状態におけるこの内側部18Aの幅Lが袋口12Aの幅に対応することは前述のとおりである。よって、この内側部18Aにおいて、縁部35A、35Bは、溶着線14の存在により、互いに対して移動不可能または実質的に移動不可能である。袋口12Aの側部において、溶着線14は、カラー18(すなわち、主折り目17において内側部18Aに延びる部分、および、縁部35A、35Bの部分)に多少噛み合っていてもよい。
【0052】
図1図4に示す例では、袋口12Aからのカラー18の突出度合いはほぼ一定である。当然ながら、カラー18の上端部18Bを、必要に応じて多少滑らかにしてもよい。つまり、面取りを行ったり、丸笹縁(rounded bead)18B’を設けたりしてもよい。
【0053】
以下、図5図7を参照して、カラーの変形例を記載する。図5は、パウチ10の袋口12Aに近い部分のみを示す。カラー118は、下記二つの点を除いて上記のカラー18と同一である。第一に、カラー118における袋口12Aとは反対側の自由端118Bが、特定の形状(特に、女性用尿瓶として用いるのに適した形状)を有する。このことから、自由端は、触れた際に肌触りのよい丸笹縁118B’等を有する。第二に、カラー118の内側部118Aに、以下に記載する拡張タブが設けられている。
【0054】
カラー118を構成する各部材には、カラー18の対応する部材の番号に100を足した符号をつけている。図5図7を参照すると、カラー118が、端部117Aを有する主折り目117によって互いに接続された第1壁120A及び第2壁120Bを有することがわかる。こ第1壁120A及び第2壁120Bは、それぞれ、第2の折り目121A、121Bを有する。
【0055】
第1壁120Aが第1長手方向端部帯130Aを有する一方、第2壁120Bは第2長手方向端部帯130Bの端部に設けられたスライド端部132Bを有する。これら二つの長手方向端部帯130A、130Bは、袋口12Aから横方向に突出する。第1長手方向端部帯130Aは、一般的に溶着線14に対応して設けられ、溶着線14の幅と略対応する幅を有する。第2長手方向端部帯130Bは、溶着線14の幅l14に対応した、ほぼ一定の幅の自由端部130B’を有する。第2長手方向端部帯130Bは、袋口12Aの縁部と自由端部130B’との間に、スライド端部132Bを有する。スライド端部132Bは、スライド端部32Bと同様に傾斜して、第1長手方向端部帯130Aの内面でスライドしやすく構成されている。各帯130A、130Bの基部に、段部31A、31Bとそれぞれ同じ段部131A、131Bが設けられている。
【0056】
カラー18と同様に、カラー118も、溶着された平坦な二つの側部からなっていてもよいし、図6のように成型によって得られた単一の部材であってもよい。
【0057】
カラー118の袋口12Aからの突出度合いは、カラー118の幅方向において、主折り目117近傍の最小高さh1と、主折り目117とは反対側のカラー118の横方向端部近傍(具体的には、第1長手方向端部帯130Aとスライド端部132Bとが位置する端部近傍)の最大高さh2との間で変化する。
【0058】
図5に示すように、パウチ10が平坦状態にあるとき、カラー118における袋口12Aとは反対側の自由端118Bは、鼻部118’の自由端を少なくとも部分的に規定する凹型ゾーンC1を形成するようにカーブしている。このカーブは、凹型ゾーンC1と主折り目117の反対側のカラー118の横方向端部との間に延在する凸型ゾーンC2をも有する。このカーブは実質的にS字型であり、その中央部は、ゾーンC1、C2を接続する上りランプとなっている。ゾーンC1、C2の端部S1、S2は多少丸められている。この形状は、女性用の尿瓶にパウチ10が用いられる際に特に採用される。パウチ10の使用時には、カラー118を変形させて通路を形成し、カラー118を、端部S2に対応する最も低い部分が外陰部の後部に位置するように、配置する。
【0059】
図5図7に示す変形例では、カラー118が複数の拡張タブをさらに有する。より正確には、カラー118の袋12内の部分118Aが、拡張タブ140A、140Bを有する。拡張タブ140A、140Bは、カラー118の二つの壁120A、120Bそれぞれの延長として形成され、それぞれ横方向自由端140’A、140’Bを有する。横方向自由端140’A、140’Bは、特許文献1に記載され、また図6から理解できるように、パウチ10の使用状態において互いに対して展開して袋12の対向する面を引き離すのに適している。拡張タブ140A、140Bは、好適には、リッジ141A、141B等によって強度が高められている。
【0060】
好適には、パウチ10は、カラー118の壁を通路の形状に保持する手段を有する。これにより、カラー118は、第1壁120A及び第2壁120Bにそれぞれ設けられた二つのホルダー舌部150A、150Bを有する。ホルダー舌部150A、150Bは、当該壁の主折り目117から遠い側の横方向端部に設けられ、カラー118の自由端に向かって(即ち、パウチの袋口12Aから離れる方向に)延びている。より正確には、壁120A、120Bのそれぞれにおいて、ホルダー舌部150A、150Bは、主折り目117とは反対側の壁の端部(特に帯130Aまたはスライド端部132Bを有する端部)と、ノッチ152A、152Bとの間に延在する。各ノッチ152A、152Bは、カラー118の自由端118Bからパウチ10の袋口12Aに向かって長手方向に口を開けている。
【0061】
図7から分かるように、パウチ10が使用状態のとき、ホルダー舌部150A、150Bは重なりあい、カラー118は通路を形成する。二つの重なりあうホルダー舌部150A、150Bを持って、二つの指の間でこれらをつまむようにして、カラー118を通路の形状に保持することができる。さらに、カラー118の通路の形状を安定化するため、ホルダー舌部150A、150Bを、図7に示す折り曲げ線153に沿って外側に折り曲げることができる。
【0062】
当然のことながら、上記のホルダー舌部は、図1図4の実施形態の変形例でも利用可能である。
【0063】
図5図7は、カラーの壁を通路の形状に保持する他の手段も示す。第2長手方向端部帯130Bは、外側に突出するスタッド154Bを有し、第1長手方向端部帯部130Aは、カラー118の通路形状を保持するために、上記スタッドが挿入される穴154Aを有する。
【0064】
一般的に、スタッドと穴とは、カラー118の壁が通路形状となった際に重なり合うように、カラー118の二つの部分にそれぞれ設けられる。これら二つの部分は、好ましくは主折り目117から離れた位置に設けられる。よって、図示のように、これら二つの部分は、二つの長手方向端部帯であってもよい。
【0065】
適切な保持システムを用いた挟持またはスナップにより、スタッドが袋口と協働するように構成してもよい。例えば、スタッドが保持ヘッドを有する一方、袋口が、広い挿入部と狭い保持部とを有する鍵穴状に形成されてもよい。
【0066】
ホルダー舌部を有する保持手段と、スタッド及び穴を有する保持手段とが、図5図7に示すように一体となっていてもよいし、これらの一方だけあるいは両方が設けられてもよい。
【0067】
カラーを通路形状に保持する手段として、一般的に、上記の手段の他、接着剤を用いた手段等が設けられてよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7