特許第6552052号(P6552052)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552052
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】トナー付着量センサ
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20190722BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20190722BHJP
   G01J 1/22 20060101ALI20190722BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20190722BHJP
   H01L 31/12 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
   G03G15/00 303
   G01J1/02 P
   G01J1/22
   G01J1/42 N
   H01L31/12 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-249518(P2015-249518)
(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公開番号】特開2017-116636(P2017-116636A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2018年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 一真
【審査官】 田代 憲司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−150690(JP,A)
【文献】 特開2006−208266(JP,A)
【文献】 実開昭59−109164(JP,U)
【文献】 実開昭59−121659(JP,U)
【文献】 実開昭55−061743(JP,U)
【文献】 特開2006−038846(JP,A)
【文献】 特開2012−248742(JP,A)
【文献】 特開2001−033237(JP,A)
【文献】 実開昭60−030419(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0259501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G01J 1/02
G01J 1/22
G01J 1/42
H01L 31/12
G01N 21/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーが付着した測定対象物に照射光を照射し、前記照射光に対する前記測定対象物からの反射光を受光し、前記反射光の受光量に基づいて前記トナーの付着量を測定するトナー付着量センサであって、
基板と、
前記基板の上面に設けられ、前記照射光を照射する発光部と、
前記基板の上面に設けられ、前記反射光を受光して受光量に応じた出力信号を出力する受光部と、
前記発光部の上方に位置する発光レンズ部および前記受光部の上方に位置する受光レンズ部を下面側に有するレンズ部材と、
前記受光部の前記出力信号に基づいて前記トナーの付着量を測定する測定部と、
を備え、
前記レンズ部材は、前記発光レンズ部を通過した前記照射光の光束の中心線と当該レンズ部材の上面とが交差する第1位置と前記反射光の光束の中心線と当該レンズ部材の上面とが交差する第2位置との間において、前記第1位置および前記第2位置を通る仮想線と平面視で交差する方向に延びる遮光溝を上面側に有し、
前記基板の上面には、前記発光部と前記受光部との間において前記照射光を遮る遮光壁を上面側に有するホルダが設けられており、
前記遮光壁は、前記レンズ部材の内部に突出して設けられており、かつ高さが前記レンズ部材の高さの半分以下になるように形成されており、
前記遮光溝は、前記遮光壁の上端に対向した位置、または前記遮光壁よりも前記受光部側の位置に設けられている
ことを特徴とするトナー付着量センサ。
【請求項2】
前記遮光溝には、その表面に、前記照射光を遮る遮光層が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のトナー付着量センサ。
【請求項3】
前記受光部は、
前記反射光のうち前記測定対象物に対して垂直な方向成分であるP波成分を受光し、受光量に応じた第1出力信号を出力する第1受光素子と、
前記第1受光素子の上方に対向して配置された、前記P波成分を透過させる第1偏光フィルタと、
前記反射光のうち前記P波成分に垂直な方向成分であるS波成分を受光し、受光量に応じた第2出力信号を出力する第2受光素子と、
前記第2受光素子の上方に対向して配置された、前記S波成分を透過させる第2偏光フィルタと、を備え、
前記測定部は、前記第1出力信号と前記第2出力信号との差分に基づいて前記トナーの付着量を測定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー付着量センサ。
【請求項4】
前記第1受光素子は、前記第2受光素子よりも前記発光部側に設けられている
ことを特徴とする請求項に記載のトナー付着量センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー付着量センサに関する。
【背景技術】
【0002】
トナー付着量センサとしては、例えば、特許文献1に記載のものや図4(A)に示すものが知られている。図4(A)に示すトナー付着量センサ1Dは、基板2と、発光素子3と、受光素子4a、4b、5と、ホルダ6と、レンズ部材7’と、発光側P波透過用偏光フィルタ8aと、受光側P波透過用偏光フィルタ8bと、受光側S波透過用偏光フィルタ8cと、測定部(図示略)とを備えている。
【0003】
トナー付着量センサ1Dは、トナーが付着した測定対象物20に発光素子3で照射光を照射し、照射光に対する測定対象物20からの反射光を偏光フィルタ(受光側P波透過用偏光フィルタ8bと受光側S波透過用偏光フィルタ8c)でP波成分とS波成分に分解して、受光素子4aでP波成分を受光し、受光素子4bでS波成分を受光する。受光素子4a、4bは、受光量に応じた出力信号を出力し、測定部は、これらの出力信号に基づいてトナーの付着量を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−150690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トナー付着量センサ1Dは、複写機やプリンターで使用され、常にトナーの粉や紙粉等にさらされた状態になる。複写機やプリンターによっては、カバーを備え、当該カバーによりトナー付着量センサ1Dをトナーの粉や紙粉等から保護しているが、完全には防ぎきれず、トナー付着量センサ1Dにトナーの粉や紙粉等の汚れが付着することがある。
【0006】
図4(B)に示すように、レンズ部材7’の上面にトナーの粉や紙粉等の汚れが付着すると、その汚れによって照射光の一部が反射する内面反射(特に、S波成分)が大幅に増加してしまう。そして、大幅に増加した内面反射光が受光素子4a、4bに入射すると、受光素子4a、4bの出力信号は、当該内面反射光の影響を受けて変動する。このため、測定部は、測定対象物20に付着したトナーの付着量を正確に測定することができなくなる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、内面反射光の影響を軽減することが可能なトナー付着量センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るトナー付着量センサは、
トナーが付着した測定対象物に照射光を照射し、前記照射光に対する前記測定対象物からの反射光を受光し、前記反射光の受光量に基づいて前記トナーの付着量を測定するトナー付着量センサであって、
基板と、
前記基板の上面に設けられ、前記照射光を照射する発光部と、
前記基板の上面に設けられ、前記反射光を受光して受光量に応じた出力信号を出力する受光部と、
前記発光部の上方に位置する発光レンズ部および前記受光部の上方に位置する受光レンズ部を下面側に有するレンズ部材と、
前記受光部の前記出力信号に基づいて前記トナーの付着量を測定する測定部と、
を備え、
前記レンズ部材は、前記発光レンズ部を通過した前記照射光の光束の中心線と当該レンズ部材の上面とが交差する第1位置と前記反射光の光束の中心線と当該レンズ部材の上面とが交差する第2位置との間において、前記第1位置および前記第2位置を通る仮想線と平面視で交差する方向に延びる遮光溝を上面側に有し、
前記基板の上面には、前記発光部と前記受光部との間において前記照射光を遮る遮光壁を上面側に有するホルダが設けられており、
前記遮光壁は、前記レンズ部材の内部に突出して設けられており、かつ高さが前記レンズ部材の高さの半分以下になるように形成されており、
前記遮光溝は、前記遮光壁の上端に対向した位置、または前記遮光壁よりも前記受光部側の位置に設けられている
ことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、レンズ部材の上面の汚れにより増加した内面反射光をレンズ部材の上面側の遮光溝で反射または屈折させて、受光部に入射する内面反射光を軽減することができる。したがって、内面反射光の影響を軽減することができる。
【0010】
上記トナー付着量センサでは、例えば、
前記遮光溝には、その表面に、前記照射光を遮る遮光層が設けられている。
【0011】
この構成によれば、遮光層により、遮光溝を透過した照射光を遮ることができるので、内面反射光の影響をより軽減することができる。
【0013】
上記トナー付着量センサでは、例えば、
前記受光部は、
前記反射光のうち前記測定対象物に対して垂直な方向成分であるP波成分を受光し、受光量に応じた第1出力信号を出力する第1受光素子と、
前記第1受光素子の上方に対向して配置された、前記P波成分を透過させる第1偏光フィルタと、
前記反射光のうち前記P波成分に垂直な方向成分であるS波成分を受光し、受光量に応じた第2出力信号を出力する第2受光素子と、
前記第2受光素子の上方に対向して配置された、前記S波成分を透過させる第2偏光フィルタと、を備え、
前記測定部は、前記第1出力信号と前記第2出力信号との差分に基づいて前記トナーの付着量を測定する。
【0014】
上記トナー付着量センサでは、例えば、
前記第1受光素子は、前記第2受光素子よりも前記発光部側に設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、内面反射光の影響を軽減することが可能なトナー付着量センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るトナー付着量センサを示す図である。
図2】本発明に係るトナー付着量センサの平面図である。
図3】(A)は、本発明の第1変形例に係るトナー付着量センサを示す図である。(B)は、本発明の第2変形例に係るトナー付着量センサを示す図である。
図4】(A)は、従来のトナー付着量センサを示す図である。(B)は、従来のトナー付着量センサにおける内面反射を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るトナー付着量センサの実施形態について説明する。
【0018】
図1および図2に、本発明の一実施形態に係るトナー付着量センサ1Aを示す。図1および図2に示されている各構成のうち、図4と同一の符号を付した構成については、図4で説明した従来のトナー付着量センサ1Dと同様とする。
【0019】
図1に示すように、トナー付着量センサ1Aは、トナーが付着した測定対象物(例えば、感光体)20に照射光(P波成分のみが照射されるように発光側P波透過用偏光フィルタ8aによって偏光されている)を照射し、当該照射光に対する測定対象物20からの反射光を受光し、当該反射光の受光量に基づいてトナーの付着量を測定するものである。トナー付着量センサ1Aは、基板2と、発光素子3と、受光素子4a、4b、5と、ホルダ6と、レンズ部材7と、発光側P波透過用偏光フィルタ8aと、受光側P波透過用偏光フィルタ8bと、受光側S波透過用偏光フィルタ8cと、測定部(図示略)とを備えている。
【0020】
基板2は、例えば、プリント配線板である。基板2の上面には、発光素子3および受光素子4a、4b、5が設けられている。発光素子3および受光素子5は、基板2の一方側(例えば、右側)に設けられ、受光素子4a、4bは、基板2の他方側(例えば、左側)に設けられている。受光素子4aは、受光素子4bよりも発光素子3側に設けられている。
【0021】
発光素子3は、例えば、発光ダイオードである。発光素子3は、照射光(例えば、赤色光または赤外光)を照射する。発光素子3は、本発明の「発光部」に相当する。
【0022】
受光素子4a、4b、5は、例えば、フォトダイオードである。受光素子4a、4bは、本発明の「受光部」に相当する。さらに、受光素子4aは、本発明の「第1受光素子」に相当し、受光素子4bは、本発明の「第2受光素子」に相当する。
【0023】
受光素子4aの上方には、測定対象物20からの反射光のうち、測定対象物20に対して垂直な方向成分であるP波成分を透過させ、P波成分に垂直な方向成分であるS波成分をカットする受光側P波透過用偏光フィルタ8b(本発明の「第1偏光フィルタ」に相当)が対向配置されている。このため、受光素子4aは、P波成分を受光し、P波成分の受光量に応じた第1出力信号を出力する。
【0024】
受光素子4bの上方には、測定対象物20からの反射光のうち、S波成分を透過させ、P波成分をカットする受光側S波透過用偏光フィルタ8c(本発明の「第2偏光フィルタ」に相当)が対向配置されている。このため、受光素子4bは、S波成分を受光し、S波成分の受光量に応じた第2出力信号を出力する。
【0025】
受光素子5は、発光素子3の照射光を直接受光し、照射光の受光量に応じた第3出力信号を出力する。第3出力信号は、基板2に設けられた発光制御部(図示略)に入力される。発光制御部は、第3出力信号に基づいて、発光素子3の照射光量をフィードバック制御する。
【0026】
ホルダ6は、発光素子3の照射光に対して不透明な樹脂で構成されている。ホルダ6は、上下方向に貫通する第1貫通部および第2貫通部を有する。ホルダ6は、第1貫通部内に発光素子3および受光素子5が配置され、第2貫通部内に受光素子4a、4bが配置されるように、基板2上に積層されている。また、ホルダ6は、第1貫通部と第2貫通部との間において、上面側に第1遮光壁6aを有し、下面側に第2遮光壁6bを有する。第1遮光壁6aは、レンズ部材7の内部に突出して設けられており、レンズ部材7を伝搬する照射光を遮ることができ、第2遮光壁6bは、基板2の貫通溝に嵌め込まれており、基板2を伝搬する照射光を遮ることができる。なお、第1遮光壁6aは、高さがレンズ部材7の高さの半分以下になるように形成されている。
【0027】
レンズ部材7は、発光素子3の照射光に対して透明な樹脂で構成されている。レンズ部材7は、発光素子3の上方に位置する発光レンズ部7aおよび受光素子4a、4bの上方に位置する受光レンズ部7bを下面側に有する。発光レンズ部7aは、発光素子3の照射光を集光し、受光レンズ部7bは、測定対象物20からの反射光を集光する。
【0028】
レンズ部材7は、上面側に遮光溝7cを有する。具体的には、レンズ部材7は、発光レンズ部7aを通過した照射光の光束の中心線と当該レンズ部材7の上面とが交差する第1位置aと反射光の光束の中心線と当該レンズ部材7の上面とが交差する第2位置bとの間において、第1位置aおよび第2位置bを通る仮想線cと平面視で交差する方向に延びる遮光溝7cを上面側に有する(図2参照)。本実施形態では、遮光溝7cは、側面視で第1遮光壁6aの上端に対向した位置に設けられているが、内面反射光の受光素子4a、4bへの入光を効果的に抑制する観点から、第1遮光壁6aよりも受光素子4a、4b側に設けることもできる。
【0029】
遮光溝7cは、断面がV字状に形成されている。遮光溝7cは、レンズ部材7の上面で反射した照射光(内面反射光)のうち受光素子4a、4bに向かう光を反射または屈折させて、受光素子4a、4bに入射する内面反射光を軽減することができる。
【0030】
測定部は、例えば、増幅手段および演算手段を有する集積回路であり、基板2上に設けられている。測定部は、受光素子4aの第1出力信号と受光素子4bの第2出力信号との差分に基づいて、測定対象物20におけるトナーの付着量を測定する。言い換えれば、測定部は、上記差分に基づいて、トナーの付着量に応じたアナログ電圧を出力する。
【0031】
例えば、反射光のうち、測定対象物20のトナーが付着していない部分において反射した反射光のP波成分をP1、S波成分をS1、測定対象物20のトナーが付着した部分において反射した反射光のP波成分をP2、S波成分をS2とし、受光素子4aが第1出力信号(P1+P2)を出力し、受光素子4bが第2出力信号(S1+S2)を出力した場合について説明する。この場合、測定部では、増幅手段が第1出力信号(P1+P2)および第2出力信号(S1+S2)をK倍に増幅し、演算手段がK倍に増幅した第1出力信号K(P1+P2)と第2出力信号K(S1+S2)との差分K{(P1+P2)−(S1+S2)}を算出し、当該差分に応じたアナログ電圧を出力する。
【0032】
ここで、トナーが付着した部分における反射光は、乱反射となり、P2≒S2の関係が成り立つ一方、トナーが付着していない部分における反射光は、P波が支配的となり、P1>S1の関係が成り立つ。このため、上記差分は、K(P1−S1)と近似することができる。すなわち、測定部は、トナーの付着量の測定として、反射光にP波成分の偏りがどれだけあるかを示すK(P1−S1)に応じたアナログ電圧を出力する。測定対象物20におけるトナーの付着量が少ないと、K(P1−S1)は大きくなり、アナログ電圧は高くなる一方、測定対象物20におけるトナーの付着量が多いと、K(P1−S1)は小さくなり、アナログ電圧は低くなる。
【0033】
結局、本実施形態に係るトナー付着量センサ1Aによれば、レンズ部材7の上面にトナーの粉や紙粉等の汚れが付着して内面反射が大幅に増加した場合であっても、遮光溝7cが内面反射光を反射または屈折させるので、内面反射光の影響(例えば、S波成分の増加による測定部の出力低下)を軽減することができる。
【0034】
以上、本発明に係るトナー付着量センサの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0035】
[第1変形例]
図3(A)に、本発明の第1変形例に係るトナー付着量センサ1Bを示す。上記実施形態に係るトナー付着量センサ1Aが、第1遮光壁6aおよび第2遮光壁6bを有するホルダ6を備えているのに対して、第1変形例に係るトナー付着量センサ1Bのホルダ6は、第1遮光壁6aおよび第2遮光壁6bを有していない。また、トナー付着量センサ1Aの基板2が貫通溝を有しているのに対して、トナー付着量センサ1Bの基板2は貫通溝を有していない。なお、ホルダ6および基板2以外の点については、両者の構成は共通している。
【0036】
トナー付着量センサ1Bによれば、ホルダ6の構造を単純化することで、ホルダ6の製造を容易にし、ホルダ6の製造コストを低下させることができる。さらに、トナー付着量センサ1Bによれば、レンズ部材7の上面にトナーの粉や紙粉等の汚れが付着して内面反射が増加した場合でも、遮光溝7cが当該内面反射光を反射または屈折させるので、内面反射光の影響を軽減することができる。
【0037】
[第2変形例]
図3(B)に、本発明の第2変形例に係るトナー付着量センサ1Cを示す。トナー付着量センサ1Cは、照射光を遮る遮光層9を備えていること以外、上記実施形態に係るトナー付着量センサ1Aと共通している。
【0038】
遮光層9は、裏面に粘着層を有する遮光シール、または照射光を吸収する塗料(例えば、黒色塗料)で構成されている。本変形例では、遮光層9は、遮光溝7cの受光素子4a、4b側(第2位置b側)の表面にのみ設けられているが、当然ながら、遮光溝7cの発光素子3側(第1位置a側)の表面にも設けることができる。
【0039】
トナー付着量センサ1Cによれば、遮光層9により、遮光溝7cを透過した照射光を遮ることができるので、内面反射光の影響をより軽減することができる。
【0040】
[その他の変形例]
遮光溝7cの角度は、適宜変更することができる。例えば、遮光溝7cの角度が大きいほど内面反射光の影響を軽減することができるが、大きくしすぎると、測定対象物20に照射する照射光や測定対象物20からの反射光にも影響が出る。このため、照射光や測定対象物20からの反射光に影響が出ない範囲または当該影響を許容できる範囲で、遮光溝7cの角度を大きくすることが好ましい。
【0041】
遮光溝7cは、内面反射光を反射または屈折させて、受光素子4a、4bに入射する内面反射光を軽減することができるのであれば、その位置、大きさ、範囲は適宜変更することができる。例えば、遮光溝7cとして断面がU字状に形成された溝、断面が矩形状に窪んだ溝であってもよい。
【0042】
発光部および受光部の構成は、適宜変更することができる。例えば、発光部を複数の発光ダイオードで構成してもよいし、発光ダイオード以外の発光素子で構成してもよい。また、受光部を1つのフォトダイオードで構成してもよいし、フォトダイオード以外の受光素子で構成してもよい。
【0043】
レンズ部材7は、発光部の上方に位置する発光レンズ部7aおよび受光部の上方に位置する受光レンズ部7bを下面側に有し、かつ遮光溝7cを上面側に有するのであれば、その構成を適宜変更することができる。例えば、遮光溝7cを第1遮光壁6aの上端まで延ばすことで、遮光溝7cを挟んでレンズ部材の右側と左側を離間させてもよい。
【0044】
測定部は、受光部の出力信号に基づいて測定対象物20に付着したトナーの付着量を測定する(トナーの付着量に応じた出力を行う)のであれば、その構成を適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0045】
1A〜1C トナー付着量センサ
2 基板
3 発光素子
4a、4b、5 受光素子
6 ホルダ
6a 第1遮光壁
6b 第2遮光壁
7 レンズ部材
7a 発光レンズ部
7b 受光レンズ部
7c 遮光溝
8a 発光側P波透過用偏光フィルタ
8b 受光側P波透過用偏光フィルタ(第1偏光フィルタ)
8c 受光側S波透過用偏光フィルタ(第2偏光フィルタ)
9 遮光層
20 測定対象物
図1
図2
図3
図4