(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記規制部材は、前記圧縮コイルバネの伸縮方向を規制し、かつ、前記伸縮方向における前記圧縮コイルバネの移動範囲を規制するものであることを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0026】
まず、本実施の形態に係るインクジェットプリンターの構成について説明する。
【0027】
図1は、正面右上側から観察された場合の本実施の形態に係るインクジェットプリンター10の外観斜視図である。
図2は、フロントカバー81aが取り外された状態でのインクジェットプリンター10の正面図である。
図3は、張力付与部材50によって印刷媒体90に張力を付与している場合のインクジェットプリンター10の側面断面図である。
【0028】
図1〜
図3に示すように、インクジェットプリンター10は、帯状の媒体である印刷媒体90を搬送する媒体搬送装置20と、媒体搬送装置20に設置されていてインクによる印刷を実行する本体80とを備えている。
【0029】
媒体搬送装置20は、床に設置される脚21と、本体80によって印刷が実行される印刷媒体90を支持するプラテン22と、矢印10aで示す主走査方向と直交する矢印10bで示す副走査方向に印刷媒体90を搬送する搬送ローラー23と、搬送ローラー23とともに印刷媒体90を挟むためのピンチローラー24と、印刷媒体90がロール状に巻き付けられて印刷媒体90を本体80に向けて繰り出す繰り出し機構30と、印刷媒体90がロール状に巻き付けられて本体80によって印刷が実行された印刷媒体90を巻き取る媒体巻き付け機構としての巻き取り機構40と、主走査方向に延在している軸線50aを中心として回転可能であって印刷媒体90に張力を付与する張力付与部材50と、軸線50aを中心とした張力付与部材50の角度θを検出する角度検出手段としての角度検出装置60と、張力付与部材50によって印刷媒体90に付与される張力を調整する張力調整装置70とを備えている。繰り出し機構30、巻き取り機構40、張力付与部材50、角度検出装置60および張力調整装置70は、脚21に支持されている。プラテン22、搬送ローラー23およびピンチローラー24は、主走査方向に延在している。
【0030】
本体80は、取り外し可能であるフロントカバー81aを備えていて本体80の内部を覆うケース81と、種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部82と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部83と、インクを貯留する複数のインクタンク84と、矢印10aで示す主走査方向に延在しているガイドレール85と、主走査方向に移動可能にガイドレール85に支持されているキャリッジ86と、キャリッジ86に搭載されていて印刷媒体90に向けてインクを吐出する複数のインクジェットヘッド87とを備えている。
【0031】
図2および
図3に示すように、繰り出し機構30は、矢印10aで示す主走査方向に延在していて脚21に支持されているレール31と、インクジェットヘッド87による印刷前の印刷媒体90が巻き付けられている図示していない紙管を両側から挟むことによって紙管を回転可能に支持するロールホルダー32およびロールホルダー33とを備えている。レール31は、ロールホルダー32およびロールホルダー33を主走査方向に移動可能に支持している。すなわち、ロールホルダー32およびロールホルダー33は、使用される印刷媒体90の幅に合わせて主走査方向における互いの距離が変更可能である。ロールホルダー32は、紙管の端部の穴に挿入される回転軸32aを備えている。同様に、ロールホルダー33は、紙管の端部の穴に挿入される回転軸33aを備えている。回転軸32aおよび回転軸33aは、主走査方向に延在する中心軸を中心に回転可能である。
【0032】
図1〜
図3に示すように、巻き取り機構40は、矢印10aで示す主走査方向に延在していて脚21に支持されているレール41と、インクジェットヘッド87による印刷後の印刷媒体90が巻き付けられるための図示していない紙管を両側から挟むことによって紙管を回転可能に支持するロールホルダー42およびロールホルダー43とを備えている。レール41は、ロールホルダー42およびロールホルダー43を主走査方向に移動可能に支持している。すなわち、ロールホルダー42およびロールホルダー43は、使用される印刷媒体90の幅に合わせて主走査方向における互いの距離が変更可能である。ロールホルダー42は、紙管の端部の穴に挿入される回転軸42aを備えている。同様に、ロールホルダー43は、紙管の端部の穴に挿入される回転軸43aを備えている。回転軸42aおよび回転軸43aは、主走査方向に延在する中心軸を中心に回転可能である。
【0033】
図4は、正面右上側から観察された場合の媒体搬送装置20の一部の斜視図である。
図5は、カバー47が取り外された状態で正面右上側から観察された場合のロールホルダー43の近傍の斜視図である。
【0034】
図4および
図5に示すように、巻き取り機構40は、ロールホルダー43の回転軸43aを回転させるための駆動力を発生させるモーター44と、モーター44から回転軸43aまでの駆動力の伝達機構の一部を構成していて過負荷が掛かった場合に接続を遮断するトルクリミッター45と、モーター44およびトルクリミッター45を覆うカバー47とを備えている。
【0035】
モーター44の動力を、印刷媒体90が巻き付けられている紙管に伝えるため、巻き取り機構40は、モーター44が有する歯車支持軸44aと、歯車支持軸44aと噛合している第1の歯車44bと、第1の歯車44bの回転軸と同じ回転軸で回転し、その径が第1の歯車44bよりも小さい第2の歯車44cと、第2の歯車44cと噛合し、印刷媒体90が巻き付けられている紙管の回転軸と同じ回転軸で回転する第3の歯車44dを有している。トルクリミッター45は、第1の歯車44bと第2の歯車44cの間で発生するトルクを制限しており、特定の大きさのトルクが生じると第1の歯車44bの回転を第2の歯車44cに伝えないように動作する。
【0036】
上述のように、トルクリミッター45は、モーター44側および印刷媒体90側の間に過大なトルクが発生した場合に、モーター44側から印刷媒体90側への動力の伝達を遮断するものである。トルクリミッター45は、モーター44側から印刷媒体90側への動力の伝達を遮断するトルクが調整されることが可能である。
【0037】
図1〜
図4に示すように、張力付与部材50は、軸線50a上に延在している軸51aを中心に回転可能に脚21に支持されているアーム51と、軸線50a上に延在している軸52aを中心に回転可能に脚21に支持されているアーム52と、主走査方向に延在していて印刷媒体90に接触するためのテンションバー53とを備えている。テンションバー53は、アーム51およびアーム52に支持されている。張力付与部材50は、印刷媒体90のうち、巻き取り機構40に巻き付けられていない部分を軸線50aを中心とした矢印10cで示す回転方向に自重によって押すことによって、印刷媒体90に張力を付与可能である。
【0038】
図6は、角度検出装置60の内部の構成を現した状態で正面左上側から観察された場合の媒体搬送装置20の一部の斜視図である。
【0039】
図6に示すように、角度検出装置60は、アーム52の軸52a(
図6においては図示していない。
図2参照。)に固定されている板61と、脚21に対して固定されているフォトインターラプター62、フォトインターラプター63およびフォトインターラプター64と、板61およびフォトインターラプター62〜64を保護するための側壁65とを備えている。板61は、軸52aが挿入される穴61aと、矢印10cで示す方向(なお、矢印10cで示す方向は、
図3と、
図6とで同じ方向を示している。)に並んで配置されていてフォトインターラプター62およびフォトインターラプター63によって検出されるための複数のスリット61bとが形成されている。また、板61は、フォトインターラプター64によって検出されるための被検出部61cを備えている。すなわち、角度検出装置60は、角度θ(
図3参照。)を検出するエンコーダーである。
【0040】
図4および
図6に示すように、張力調整装置70は、張力付与部材50に付与するための荷重を生成する圧縮コイルバネ71と、一端付近にフランジ72aを備えていて圧縮コイルバネ71に挿入されているバー72と、バー72が挿入されている孔73aが形成されていて、角度検出装置60の側壁65に接続されることで脚21に固定されている脚側固定部材73と、アーム52に固定されていてバー72の一端が固定接続されているアーム側固定部材74とを備えている。脚側固定部材73は、バー72が挿入される孔73aが形成されていて、孔73a中を移動可能にバー72を支持するバー支持部材73bを備えている。
【0041】
張力調整装置70は、張力付与部材50に荷重を付与する荷重付与手段を構成している。バー72および脚側固定部材73は、圧縮コイルバネ71の移動を所定の範囲内に規制する規制部材を構成している。
【0042】
圧縮コイルバネ71は、
図3に示すように、張力付与部材50によって印刷媒体90に張力を付与している場合には、一端がバー72のフランジ72aに接触していて、他端が脚側固定部材73のバー支持部材73bに接触している。
【0043】
バー72は、圧縮コイルバネ71の伸縮方向を規制している。また、バー72および脚側固定部材73は、圧縮コイルバネ71の伸縮方向における圧縮コイルバネ71の移動範囲を規制している。
【0044】
脚側固定部材73は、孔73aが形成されているバー支持部材73bと、角度検出装置60の側壁65に固定接続されている側壁接続部材73cとを備えている。バー支持部材73bは、軸線50aと平行な軸線を中心に回転可能に側壁接続部材73cによって支持されている。
【0045】
アーム側固定部材74は、バー72の一端が固定接続されているバー接続部材74aと、アーム52に固定接続されているアーム接続部材74bとを備えている。バー接続部材74aは、軸線50aと平行な軸線を中心に回転可能にアーム接続部材74bによって支持されている。
【0046】
図7(a)は、軸線50aを中心とした張力付与部材50の角度θ(
図3参照。)と、張力調整装置70が存在しないと仮定した場合に張力付与部材50が自重によって印刷媒体90に付与する荷重との関係を示すグラフである。
図7(b)は、角度θと、圧縮コイルバネ71が張力付与部材50に付与する荷重との関係を示すグラフである。
図7(c)は、角度θと、圧縮コイルバネ71から荷重が付与された張力付与部材50が印刷媒体90に付与する荷重との関係を示すグラフである。
図7において、荷重は、張力付与部材50が自重によって印刷媒体90に張力を付与する場合に張力付与部材50が自重によって軸線50aを中心として回転する矢印10c(
図3参照。)で示す方向の荷重を正の値の荷重としている。
【0047】
図7(a)および
図7(b)に示すように、圧縮コイルバネ71は、矢印10cで示す方向とは反対方向である矢印10d(
図3参照。)で示す方向に張力付与部材50に荷重を付与するようになっている。そして、
図7(b)に示すように、圧縮コイルバネ71が張力付与部材50に付与する荷重の大きさは、張力付与部材50が自重によって印刷媒体90に付与する張力が大きい角度θであるほど(すなわち、
図7においては角度θの値が小さいほど)、大きい。したがって、圧縮コイルバネ71から荷重が付与された張力付与部材50が印刷媒体90に付与する荷重は、
図7(c)に示すように、角度θによらず、略一定になっている。すなわち、圧縮コイルバネ71から荷重が付与された張力付与部材50によって印刷媒体90に付与される張力は、角度θによらず、略一定である。
【0048】
なお、張力付与部材50は、図示していないストッパーの働きによって、角度θが例えば52°より小さくならないようになっている。圧縮コイルバネ71が張力付与部材50に荷重を付与可能な範囲は、例えば、角度θが52°から70°までの範囲である。また、張力付与部材50は、後述するように、巻き取り機構40による印刷媒体90の巻き取りによって、圧縮コイルバネ71が張力付与部材50に荷重を付与可能な範囲のうち特定の範囲(例えば62.5°から70°までの範囲)内に角度θが維持されるようになっている。
【0049】
本実施形態では、張力付与部材50に荷重を付与する荷重付与手段の一部としての圧縮コイルバネ71は、一端がバー72のフランジ72aに接触していて、他端が脚側固定部材73に接触している構造としたが、これに限定されない。
【0050】
図8(a)は、
図3に示す荷重付与手段とは異なる荷重付与手段の外観斜視図である。
図8(b)は、
図8(a)に示す荷重付与手段の側面断面図である。
【0051】
図8に示す荷重付与手段は、圧縮コイルバネ71と、円柱状の溝77aが形成されている円柱状の部材77と、環状の溝78aが形成されている円柱状の部材78と、図示していない脚側固定部材73とによって構成されている。
【0052】
部材77は、
図6に示すバー72の一端と同様にアーム側固定部材74に固定接続された端部77bと、端部77bとともに溝77aを形成する側壁77cとを備えている。部材77の側壁77cの少なくとも一部は、部材78の溝78aに挿入されている。部材77は、溝77a内に圧縮コイルバネ71を収納している。部材77の側壁77cは、一部が開口していて外部から圧縮コイルバネ71の少なくとも一部分が見えるようになっていても良い。例えば、側壁77cは、メッシュ状であっても良い。
【0053】
部材78は、端部78bと、端部78bに接続されている円柱状の芯78cと、端部78bおよび芯78cとともに溝78aを形成する側壁78dとを備えている。部材78の芯78cの少なくとも一部は、部材77の溝77aに挿入されている。部材78の側壁78dは、脚側固定部材73に固定されている。部材78の側壁78dは、部材77の側壁77cと同様に一部が開口していても良い。
【0054】
図8に示す圧縮コイルバネ71は、張力付与部材50によって印刷媒体90に張力を付与している場合には、一端が部材77の端部77bに接触していて、他端が部材78の芯78cに接触している。
【0055】
部材77および部材78は、圧縮コイルバネ71の移動を所定の範囲内に規制する規制部材を構成している。部材77は、圧縮コイルバネ71の伸縮方向を規制している。また、部材77および部材78は、圧縮コイルバネ71の伸縮方向における圧縮コイルバネ71の移動範囲を規制している。
【0056】
図9(a)は、
図3および
図8に示す荷重付与手段とは異なる荷重付与手段を示す図である。
図9(b)は、
図3、
図8および
図9(a)に示す荷重付与手段とは異なる荷重付与手段を示す図である。
【0057】
例えば、
図9(a)に示すように、軸線50a上に延在している軸52aを中心軸として、その中心軸の鉛直方向下方側の円弧上に荷重付与手段の一部としての圧縮コイルバネ75を配し、一端を角度検出装置60の一部に係止し、他端をアーム52に係止してもよい。なお、円弧上に圧縮コイルバネ75を配する場合、円弧状に形成されたガイド溝を設け、そのガイド溝に圧縮コイルバネ75を配せばよい。圧縮コイルバネ75は、縮められている状態で復元力によって伸びようとするので、その復元力によって、張力付与部材50の矢印10cで示す回転方向とは反対方向である矢印10dで示す方向に、張力付与部材50に荷重を付与することができる。
【0058】
また、圧縮コイルバネの代わりに荷重付与手段の一部として引張コイルバネ76を用いる場合は、
図9(b)に示すように、軸線50a上に延在している軸52aを中心軸として、その中心軸の鉛直方向上方側の円弧上に引張コイルバネ76を配し、一端を角度検出装置60の一部に係止し、他端をアーム52に係止すればよい。この場合にも、円弧状に形成されたガイド溝を設け、そのガイド溝に引張コイルバネ76を配せばよい。引張コイルバネ76は、伸ばされている状態で復元力によって縮もうとするので、その復元力によって、張力付与部材50の矢印10cで示す回転方向とは反対方向である矢印10dで示す方向に、張力付与部材50に荷重を付与することができる。
【0059】
このように、軸52aを中心軸としてその円弧上にコイルバネを配する構成にすれば、張力調整装置70をコンパクト化することが可能である。ただし、コイルバネの先端にフック部分を設けてアーム52にコイルバネのフック部分を引っ掛けることによって、アーム52にコイルバネを係止させると、コイルバネのフック部分に応力集中が生じやすくなるため、コイルバネの寿命に関して影響が出る虞がある。そのため、長期間の使用や保守の観点からは
図3に示すように、荷重付与手段としては圧縮コイルバネ71にバー72が挿入された状態が好ましい。
【0060】
図10は、張力付与部材50が退避位置に存在する場合のインクジェットプリンター10の側面断面図である。
【0061】
図10に示すように、張力付与部材50は、図示していないストッパーの働きによって、角度θが例えば95°より大きくならないようになっている。
図10に示す張力付与部材50の位置を、退避位置と言う。張力付与部材50は、退避位置に存在する場合、印刷媒体90に接触することができないので、印刷媒体90に張力を付与することができない。
【0062】
このとき、圧縮コイルバネ71に挿入されているバー72の一端側が
図3に示す状態よりも圧縮コイルバネ71から露出しており、圧縮コイルバネ71の一端がバー72のフランジ72aに接触しておらず、他端が脚側固定部材73のバー支持部材73bに接触している状態となる。張力付与部材50が印刷媒体90に張力を付与しない場合には、圧縮コイルバネ71に張力付与部材50の荷重がかかっていない状態となるため、張力付与部材50が印刷媒体90に張力を付与しない時間による圧縮コイルバネ71の寿命への影響を抑制することができる。
【0063】
図11は、インクジェットプリンター10のブロック図である。
【0064】
図11に示すように、インクジェットプリンター10は、上述した操作部82および表示部83と、PC(Personal Computer)などの外部の装置と通信を行う通信デバイスである通信部11と、上述したインクジェットヘッド87と、キャリッジ86(
図2参照。)をガイドレール85(
図2参照。)に沿って矢印10a(
図2参照。)で示す主走査方向に移動させるためのキャリッジ駆動装置12と、搬送ローラー23(
図3参照。)を回転させるための搬送ローラー駆動装置13と、搬送ローラー23の回転量を検出するエンコーダー14と、上述したモーター44および角度検出装置60と、時計15と、各種のデータを記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記憶デバイスである記憶部16と、インクジェットプリンター10全体を制御する制御部17とを備えている。
【0065】
ここで、搬送ローラー23によって搬送された印刷媒体90の長さは、搬送ローラー23のうち印刷媒体90に接触した点の周方向における累積の長さと同一であるので、搬送ローラー23の径と、エンコーダー14の検出値とに基づいて、算出されることが可能である。具体的には、搬送ローラー23によって搬送された印刷媒体90の長さをL1とし、搬送ローラー23の径をR1とし、エンコーダー14の検出値から得られる回転角度をθ1[rad]とすると、L1は、「θ1×R1」である。
【0066】
制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部16に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0067】
制御部17は、ROMまたは記憶部16に記憶されているプログラムを実行することによって、印刷媒体90の搬送を制御する搬送制御手段17aとして機能する。
【0068】
次に、インクジェットプリンター10の動作について説明する。
【0069】
インクジェットプリンター10の制御部17は、外部から送信されてきた印刷データを通信部11を介して受信すると、この印刷データに基づいてインクジェットヘッド87、キャリッジ駆動装置12、搬送ローラー駆動装置13および巻き取り機構40を制御することによって、インクジェットヘッド87による印刷を実行する。
【0070】
具体的には、制御部17は、キャリッジ駆動装置12を制御してキャリッジ86をガイドレール85に沿って矢印10aで示す主走査方向に移動させることによって、キャリッジ86に搭載されているインクジェットヘッド87を印刷媒体90に対して主走査方向に相対的に移動させる。このとき、制御部17は、印刷媒体90に向けてインクジェットヘッド87によってインク滴を吐出させることによって、主走査方向における印刷を実行する。そして、制御部17は、主走査方向における印刷が終了する度に、搬送ローラー駆動装置13を制御して搬送ローラー23を回転させることによって、搬送ローラー23と、ピンチローラー24とによって挟まれている印刷媒体90を矢印10bで示す副走査方向に移動させる。すなわち、制御部17は、インクジェットヘッド87と、印刷媒体90とを副走査方向に相対移動させることによって、インクジェットヘッド87による印刷媒体90への副走査方向における印刷位置を変更する。そして、制御部17は、副走査方向における新たな印刷位置において再び主走査方向における印刷を実行する。
【0071】
ここで、搬送ローラー23によって印刷媒体90が搬送されると、繰り出し機構30のロールホルダー32およびロールホルダー33によって回転可能に支持されている紙管に巻き付けられている印刷媒体90が繰り出し機構30から繰り出される。
【0072】
また、搬送ローラー23によって印刷媒体90が搬送されると、インクジェットヘッド87による印刷後の印刷媒体90は、巻き取り機構40および張力付与部材50の少なくとも一方によって張力が付与されるとともに、巻き取り機構40によって巻き取られる。
【0073】
図12は、搬送制御手段17aの動作のフローチャートである。
【0074】
搬送制御手段17aは、印刷の実行が開始されると、
図12に示す動作を実行する。
【0075】
図12に示すように、搬送制御手段17aは、印刷媒体90に張力を付与するための現在の張力付与モードを判断する(S101)。ここで、張力付与モードには、張力付与部材50によって印刷媒体90に張力を付与する「バーモード」と、巻き取り機構40によって印刷媒体90に張力を付与する「巻き取りモード」とが存在する。制御部17は、操作部82を介して「バーモード」および「巻き取りモード」の何れかの指定を受け付けることができる。なお、制御部17は、角度検出装置60によって検出された角度θが特定の角度、例えば、55°を超えている場合にのみ、「バーモード」の指定を受け付けることができる。特定の角度は、上述した特定の範囲の下限より小さい角度であって、フォトインターラプター64によって検出される角度である。
【0076】
搬送制御手段17aは、現在の張力付与モードが「バーモード」であるとS101において判断すると、「バーモード」の処理であるバーモード処理を実行する(S102)。
【0077】
バーモード処理において、搬送制御手段17aは次のように動作する。
【0078】
搬送制御手段17aは、角度検出装置60によって検出された角度θが特定の範囲内であるか否かを判断する。ここで、角度θが特定の範囲内であるか否かは、フォトインターラプター62およびフォトインターラプター63からの検出値によって判断されることができる。
【0079】
搬送制御手段17aは、角度θが特定の範囲内であると判断すると、現在の張力付与モードを判断する。搬送制御手段17aは、現在の張力付与モードが「巻き取りモード」であると判断すると、フラグを倒して、バーモード処理を終了する。搬送制御手段17aは、現在の張力付与モードが「バーモード」であると判断すると、印刷が終了していない場合には、バーモード処理を継続して実行し、印刷が終了した場合には、フラグを立てて、バーモード処理を終了する。
【0080】
一方、搬送制御手段17aは、角度θが特定の範囲内ではないと判断すると、巻き取り機構40によって印刷媒体90を巻き取るための動力をモーター44に発生させることによって、巻き取り機構40の動作を開始する。このとき、搬送制御手段17aは、巻き取り機構40の動作を、開始してから特定の時間だけ、例えば、10秒間だけ継続させる。なお、特定の時間は時計15の値に基づいている。
【0081】
ここで、巻き取り機構40の動作を特定の時間継続させる理由について説明する。
【0082】
図14は、軸線50aを中心とした張力付与部材50の角度θが特定の範囲の下限を下回っている場合のインクジェットプリンター10の側面断面図である。
【0083】
「特定の範囲」および「特定の時間」は、
図14に示すように角度θが特定の範囲の下限を下回っている場合に、巻き取り機構40によって特定の時間、印刷媒体90が巻き取られると、
図3に示すように角度θが特定の範囲内になるように、設定されている。したがって、巻き取り機構40の動作を特定の時間継続させる理由は、角度θが特定の範囲の下限を下回っている場合に、角度θを特定の範囲内にするためである。
【0084】
搬送制御手段17aは、特定の時間の経過後に角度θが特定の範囲内ではないと判断すると、フラグを倒して、バーモード処理を終了する。
【0085】
図12に示すように、搬送制御手段17aは、現在の張力付与モードが「巻き取りモード」であるとS101において判断すると、「巻き取りモード」の処理である巻き取りモード処理を実行する(S103)。
【0086】
巻き取りモードの処理では、搬送制御手段17aは、巻き取り機構40によって印刷媒体90を巻き取るための動力をモーター44に発生させることによって、巻き取り機構40の動作を開始する。
【0087】
次いで、搬送制御手段17aは、現在の張力付与モードを判断する。
【0088】
搬送制御手段17aは、現在の張力付与モードが「バーモード」であると判断すると、フラグを倒した後、巻き取り機構40の動作を終了して、巻き取りモード処理を終了する。
【0089】
搬送制御手段17aは、現在の張力付与モードが「巻き取りモード」であると判断すると、巻き取り処理を継続させ、印刷が終了したと判断すると、フラグを立てた後、巻き取り機構40の動作を終了して、巻き取りモード処理を終了する。
【0090】
搬送制御手段17aは、S102におけるバーモード処理の実行を終了すると、フラグが立っているか否かを判断する(S104)。
【0091】
搬送制御手段17aは、フラグが倒れているとS104において判断すると、巻き取りモード処理を実行する(S103)。
【0092】
搬送制御手段17aは、S103における巻き取りモード処理の実行を終了すると、フラグが立っているか否かを判断する(S105)。
【0093】
搬送制御手段17aは、フラグが倒れているとS105において判断すると、バーモード処理を実行する(S102)。
【0094】
搬送制御手段17aは、フラグが立っているとS104またはS105において判断すると、
図12に示す動作を終了する。
【0095】
バーモード処理において、搬送制御手段17aは、角度θが特定の範囲内に維持されるように巻き取り機構40を制御する。すなわち、搬送制御手段17aは、角度θが特定の範囲内である場合には、巻き取り機構40による巻き取りを停止し、角度θが特定の範囲内ではない場合には、巻き取り機構40による巻き取りを実行する。したがって、印刷媒体90は、角度θが特定の範囲内である場合には、張力付与部材50によって張力が付与されている状態で、搬送ローラー23によって搬送された分だけ搬送ローラー23から巻き取り機構40までの長さが長くなる。その結果、角度θは、徐々に小さくなって、特定の範囲の下限を下回って特定の範囲内ではなくなる。印刷媒体90は、角度θが特定の範囲内ではない場合(特定の範囲の下限を下回った状態)には、巻き取り機構40によって巻き取られるので、張力付与部材50によって張力が付与されている状態で、巻き取り機構40によって巻き取られた分だけ搬送ローラー23から巻き取り機構40までの長さが短くなる。その結果、角度θは、徐々に大きくなって、特定の範囲内になる。このように、印刷媒体90は、張力付与部材50によって張力が付与されている状態で、巻き取り機構40によって巻き取られる。
【0096】
例えば、巻き取り機構40に回転可能に支持されている紙管に巻き付けられているロール状の印刷媒体90の径(以下、「巻径」と言う。)が
図15に示すように大きくなると、ロール状の印刷媒体90の回転軸から外周までの距離が長くなるので、ロール状の印刷媒体90の重さが仮に一定であったとしても、巻き取り機構40の、ロール状の印刷媒体90の巻き取りで発生するトルクが一定である場合(トルクが制限された状態)には、巻き取り機構40によって印刷媒体90を巻き取る力が、巻き取りに必要な強さよりも弱くなる。そのため、角度θが特定の範囲内である場合であっても、巻径が大きくなると、印刷媒体90を巻き取るように巻き取り機構40が制御されても、角度θが大きくならない可能性(巻き取り機構40の巻き取りが出来ない可能性)がある。実際には、巻径が大きくなると、ロール状の印刷媒体90の重さが重くなるので、角度θが特定の範囲内である場合であっても、印刷媒体90を巻き取るように巻き取り機構40が制御されても、角度θが大きくならない可能性(巻き取り機構40の巻き取りが出来ない可能性)が更に高くなる。搬送制御手段17aは、角度θが特定の範囲内ではない状態で特定の時間が経過した後には、巻き取りモード処理によって、巻き取り機構40に印刷媒体90を巻き取らせるように巻き取り機構40を制御する。したがって、印刷媒体90は、トルクリミッター45によってトルクが制限されている巻き取り機構40によって張力が付与されている状態で、搬送ローラー23によって搬送された分だけ巻き取り機構40によって巻き取られる。
【0097】
また、搬送制御手段17aは、バーモード処理を実行中に、例えば、インクジェットプリンター10の利用者が張力付与部材50を手動で動かすなどによって張力付与部材50の位置を
図10に示す退避位置に変更した場合など、角度θが特定の範囲の上限を上回って特定の範囲内ではなくなり、印刷媒体90にテンションバー53が接触しなくなった場合には、巻き取りモード処理によって、巻き取り機構40に印刷媒体90を巻き取らせるように巻き取り機構40を制御する。したがって、印刷媒体90は、トルクリミッター45によってトルクが制限されている巻き取り機構40によって張力が付与されている状態で、搬送ローラー23によって搬送された分だけ巻き取り機構40によって巻き取られる。
【0098】
なお、利用者は、バーモード処理が実行されている場合に、操作部82を介して「巻き取りモード」を指定することによって、巻き取りモード処理に移行させることができる。同様に、利用者は、巻き取りモード処理が実行されている場合に、操作部82を介して「バーモード」を指定することによって、バーモード処理に移行させることができる。
【0099】
ただし、巻き取りモード処理からバーモード処理に移行させられた場合に、
図15に示すように巻径が大きいときには、角度θが特定の範囲内ではない状態で特定の時間が経過するので、上述したようにバーモード処理から巻き取りモード処理に戻ってしまう。したがって、利用者は、巻き取りモード処理からバーモード処理に移行させる場合に、巻径が大きいときには、例えば、張力付与部材50に取り付けられている図示していない重りを外したり、トルクリミッター45がモーター44側から印刷媒体90側への動力の伝達を遮断する場合のトルクリミッター45のトルクを強く調整したりして張力付与部材50を手動で軽くすることが好ましい。
【0100】
また、巻き取りモード処理からバーモード処理に移行させられた場合に、張力付与部材50が
図10に示すように退避位置に存在しているときには、角度θが特定の範囲内ではない状態で特定の時間が経過するので、上述したようにバーモード処理から巻き取りモード処理に戻ってしまう。したがって、利用者は、巻き取りモード処理からバーモード処理に移行させる場合に、張力付与部材50が退避位置に存在しているときには、
図13に示すように張力付与部材50が印刷媒体90に接触する位置まで張力付与部材50を手動で移動させることが好ましい。
【0101】
以上に説明したように、インクジェットプリンター10は、
図7に示すように、圧縮コイルバネ71を備えていないと仮定した場合に角度θの変動によって張力付与部材50が自重によって印刷媒体90に付与する張力が大きくなる分の少なくとも一部を、角度θの変動に応じて圧縮コイルバネ71によって吸収するので、角度θの変動に対して、張力付与部材50から印刷媒体90に付与する張力を従来より安定化することができる。したがって、インクジェットプリンター10は、従来より安定化された張力が付与されている印刷媒体90に対して印刷を実行することによって、印刷の品質を従来より向上することができる。
【0102】
また、インクジェットプリンター10は、圧縮コイルバネ71が張力付与部材50に荷重を付与可能である特定の範囲内に角度θを維持するので、張力付与部材50から印刷媒体90に付与する張力を更に確実に安定化することができる。
【0103】
上述したように、巻径が大きいなどの原因によって、巻き取り機構40が印刷媒体90を巻き取ったとしても、角度θを特定の範囲内に維持することができなくなる場合がある。このような場合には、張力付与部材50は、印刷媒体90に張力を付与することができなくなる。しかしながら、インクジェットプリンター10は、張力付与部材50が印刷媒体90に張力を付与することができない場合であっても、巻き取り機構40による印刷媒体90の巻き取りによって印刷媒体90に張力を付与するので、印刷媒体90への張力の付与を継続することができる。したがって、インクジェットプリンター10は、張力付与部材50が自重によって印刷媒体90に張力を付与することができない場合であっても、印刷媒体90への印刷を継続することができる。
【0104】
インクジェットプリンター10は、張力付与部材50に付与するための荷重を生成する手段が初張力を有していない圧縮コイルバネ71であるので、荷重付与手段が張力付与部材50に付与する荷重を、角度θの変動に応じて、滑らかに変動させることができる。したがって、インクジェットプリンター10は、張力付与部材に付与するための荷重を生成する手段が初張力を有する引張コイルバネである構成と比較して、印刷媒体90に付与する張力を安定化することができる。
【0105】
ここで、インクジェットプリンター10は、圧縮コイルバネ71の伸縮方向および移動範囲を規制しない場合には、例えば、圧縮コイルバネ71が曲がった状態で圧縮されてしまったりするなどして、荷重付与手段によって張力付与部材50に荷重を付与するための所望の付勢力を圧縮コイルバネ71によって発揮することができない可能性がある。しかしながら、インクジェットプリンター10は、圧縮コイルバネ71の伸縮方向および移動範囲を規制するようになっているので、張力付与部材50の回転方向と逆方向に確実に荷重付与手段によって張力付与部材50に荷重を付与することができる。
【0106】
なお、荷重付与手段は、引張コイルバネなど、圧縮コイルバネ以外のバネを使用して構成されても良い。
【0107】
インクジェットプリンター10は、荷重付与手段がバネを使用して構成される場合、印刷媒体90に付与する張力を簡単な構成で安定化することができる。
【0108】
なお、荷重付与手段は、張力付与部材50によって印刷媒体90に付与される張力を調整することができれば、バネを使用しない構成であっても良い。
【0109】
インクジェットプリンター10は、以上において、
図2に示すように角度検出装置60を矢印10aで示す主走査方向における両端に備えているが、
図16に示すように張力調整装置70も主走査方向における両端に備えていても良い。インクジェットプリンター10は、張力調整装置70を主走査方向における両端に備えている場合、張力調整装置70によって張力付与部材50に付与する荷重を主走査方向における両端で揃えることができるので、張力付与部材50によって印刷媒体90に付与される張力を主走査方向において均一化することができ、好ましい。
【0110】
インクジェットプリンター10は、以上において、
図3に示すように張力調整装置70の荷重付与手段に張力付与部材50の荷重が鉛直方向の上側からかかるようになっている。しかしながら、インクジェットプリンター10は、
図17に示すように張力調整装置70の荷重付与手段に張力付与部材50の荷重が鉛直方向の下側からかかるようになっていても良い。
図17に示す構成は、
図3に示す構成と比較して、軸線50aを中心として荷重付与手段を点対称の位置に設けている。なお、
図17に示す構成において、インクジェットプリンター10は、例えば、角度検出装置60の側壁65が繰り出し機構30側に延在させられて、延在させられた側壁65に荷重付与手段が固定されていれば良い。
【0111】
インクジェットプリンター10は、本実施の形態において、巻き取り機構40を本発明の媒体巻き付け機構としているが、巻き取り機構40を本発明の媒体巻き付け機構とせずに繰り出し機構30を本発明の媒体巻き付け機構としても良いし、
図18に示すように巻き取り機構40を本発明の媒体巻き付け機構としたまま繰り出し機構30も本発明の媒体巻き付け機構としても良い。インクジェットプリンター10は、繰り出し機構30を本発明の媒体巻き付け機構とする場合には、繰り出し機構30のロールホルダー32の回転軸32aと、ロールホルダー33の回転軸33aとの少なくとも一方を回転させるための駆動力を発生させるモーターを繰り出し機構30に備えていて、張力付与部材50、角度検出装置60および張力調整装置70と同様な構成を繰り出し側にも備えていると良い。インクジェットプリンター10は、繰り出し機構30を本発明の媒体巻き付け機構とする場合には、繰り出し機構30による印刷媒体90の繰り出し量を搬送ローラー23による印刷媒体90の搬送量より少なくするように繰り出し機構30のモーターを制御することによって、繰り出し機構30から搬送ローラー23までの印刷媒体90に付与する張力を強めることができる。一方、インクジェットプリンター10は、繰り出し機構30による印刷媒体90の繰り出し量を搬送ローラー23による印刷媒体90の搬送量より多くするように繰り出し機構30のモーターを制御するによって、繰り出し機構30から搬送ローラー23までの印刷媒体90に付与する張力を弱めることができる。
【0112】
インクジェットプリンター10は、
図18に示すように繰り出し機構30および巻き取り機構40の両方を本発明の媒体巻き付け機構とした場合、テキスタイル印刷(印刷媒体90が布である場合の印刷媒体90への直接印刷)など、印刷媒体90自体に張力をかけた状態で繰り出しする必要がある印刷に好ましい。なお、
図18に示すように繰り出し機構30および巻き取り機構40の両方を本発明の媒体巻き付け機構とした場合には、張力調整装置70の位置を
図17に示す位置に配置すると、繰り出し側の張力調整装置と、巻き取り側の張力調整装置とが互いに緩衝してしまう。そのため、
図18に示すように、繰り出し側の荷重付与手段は、繰り出し側の張力付与部材に対して、巻き取り側の荷重付与手段とは反対側に設けられていて、巻き取り側の荷重付与手段は、巻き取り側の張力付与部材に対して、繰り出し側の荷重付与手段とは反対側に設けられていることが好ましい。
図18に示すインクジェットプリンター10は、繰り出し側の張力付与部材と、巻き取り側の張力付与部材との間に繰り出し側の荷重付与手段と、巻き取り側の荷重付与手段とが配置されていないので、繰り出し側の張力付与部材と、巻き取り側の張力付与部材との間に繰り出し側の荷重付与手段と、巻き取り側の荷重付与手段とが配置される構成と比較して、繰り出し側の張力付与部材と、巻き取り側の張力付与部材との間の距離を短縮することができる。したがって、
図18に示すインクジェットプリンター10は、小型化することができる。
【0113】
インクジェットプリンター10は、本実施の形態において、印刷媒体90を矢印10bで示す副走査方向に搬送することによってインクジェットヘッド87と、印刷媒体90とを副走査方向に相対移動させる構成であるが、この構成以外の構成であっても良い。例えば、インクジェットプリンター10は、インクジェットヘッド87を副走査方向に移動させることによってインクジェットヘッド87と、印刷媒体90とを副走査方向に相対移動させる構成であっても良い。