(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透析治療の際に限外濾過を調節する装置(1,2)であって、限外濾過されるべき血液は、透析器(113)の血液チャンバ(110)を通って流れ、前記透析器は、半透膜(111)によって体外血液循環回路(112)内の前記血液チャンバ(110)と透析液チャンバ(108)に細分され、透析液は、透析液循環回路(109)内の前記透析器(113)の前記透析液チャンバ(108)を通って流れ、
前記装置(1,2)は、
前記体外血液循環回路(112)内の血液流量を制御する血液ポンプ(115)と、
前記透析液循環回路(109)内で前記透析器(113)から見て上流側に配置されていて、前記透析液チャンバへの流入路内の透析液流量を制御する透析液ポンプ(107)と、
前記透析液循環回路内で前記透析器から見て下流側に配置されていて、前記透析液チャンバ(108)からの流出路内の前記透析液流量を制御するスロットル(117)と、
前記透析液チャンバ(108)の流入路(106)と流出路(105)との間の前記透析液循環回路内の体液バランスを前記限外濾過の尺度として確立する平衡化装置(104)と、
前記スロットル(117)を調節して所定の限外濾過が達成されるように構成された調節ユニット(101)と、
を有する、装置(1,2)。
透析治療の際に限外濾過を調節する装置(1,2)であって、限外濾過されるべき血液は、透析器(113)の血液チャンバ(110)を通って流れ、前記透析器は、半透膜(111)によって体外血液循環回路(112)内の前記血液チャンバ(110)と透析液チャンバ(108)に細分され、透析液は、透析液循環回路(109)内の前記透析器(113)の前記透析液チャンバ(108)を通って流れ、
前記装置(1,2)は、
前記体外血液循環回路(112)内の血液流量を制御する血液ポンプ(115)と、
前記透析液循環回路(109)内で前記透析器(113)から見て下流側に配置されていて、前記透析液チャンバからの流出路内の透析液流量を制御する透析液ポンプと、
前記透析液循環回路内で前記透析器から見て下流側に配置されていて、前記透析液チャンバへの流入路内の前記透析液流量を制御するスロットルと、
前記透析液チャンバ(108)の流入路(106)と流出路(105)との間の前記透析液循環回路内の体液バランスを前記限外濾過の尺度として確立する平衡化装置(104)と、
前記スロットルを調節して所定の限外濾過が達成されるように構成された調節ユニット(101)と、
を有する、装置(1,2)。
前記調節ユニット(101)はまた、前記血液ポンプ(115)と前記透析液ポンプを調節して、所定の限外濾過が達成されるようになっている、請求項1又は2記載の装置。
限外濾過率のプロフィールは、前記調節ユニット(101)によってあらかじめ選択可能であり、正の限外濾過率を有する間隔は、負の限外濾過率を有する間隔と交互に位置する、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の装置(1,2)。
前記調節ユニット(101)は、限外濾過率及び/又は治療中に取り出されるべき限外濾過量又は血液濾過量をあらかじめ選択するようになっている、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の装置(1,2,51)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療機器を調節し、特に、透析治療の際の限外濾過を調節する方法及び装置に関する。
【0002】
透析は、急性又は慢性腎不全の患者の血液を浄化するプロセスである。この場合、体外血液循環を用いる方法、例えば血液透析、血液濾過又は血液透析濾過と、体外血液循環を必要としない腹膜透析とは基本的に区別される。
【0003】
血液透析では、体外血液循環回路内の血液は、半透膜によって透析液チャンバから分離された透析器の血液チャンバ中に通される。或る特定の濃度の血液電解質を含む透析液は、透析液チャンバを通って流れる。透析液中の血液電解質の物質濃度は、健常者の血液中の濃度に一致している。治療中、患者の血液及び透析液は、通常所定の流量で向流で膜の両側を通る。尿中に排出された物質は、半透膜を通って血液チャンバから透析液のためのチャンバ中に拡散し、これに対し、血液及び透析液中に存在する電解質は、濃度の高いチャンバから濃度の低いチャンバ中に拡散する。血液側から透析液側までの圧力勾配が透析膜に対して生じた場合、水は、透析膜を通って患者の血液から拡散して透析液循環、即ちいわゆる限外濾過物中に進む。この限外濾過プロセスにより、患者の血液からの所望の水の除去(除水)が行われる。
【0004】
血液濾過では、透析液が患者の血液側と反対側に位置した透析器の半透膜の側を通過することがないようにした状態で、膜間圧力を透析器又は血液濾過器内に加えることによって限外濾過物が患者の血液から取り出される。加うるに、滅菌且つ発熱物質なしの置換溶液も又、患者の血液に添加するのが良い。この置換溶液が透析器又は血液濾過器から見て上流側に添加されるか下流側に添加されるかに応じて、事前希釈又は事後希釈と呼ばれる。質量交換は、血液濾過の際、対流によって生じる。
【0005】
置換液が透析治療中に同時に患者の血液に添加されたときに血液透析と血液濾過の組み合わせが起こる。血液透析濾過とも呼ばれているこの形式の治療は、以下の説明にある血液透析、透析又は透析治療という概念によっても扱われる。
【0006】
透析治療においては、除液量を高い精度で測定して平衡化することが極めて重要である。と言うのは、除液量がほんの僅かに多すぎた場合であっても患者にとって重篤な結果が生じる場合があるからである。
【0007】
これは、透析液チャンバ内への透析物又は透析液の流入量と透析液チャンバからの透析液の流出量が互いに別々に制御されるということによって保証される。透析液チャンバに添加される体液の量とそれと同時に透析液チャンバから取り出される体液の量のバランスは、患者の血液から取り出される限外濾過物又は限外濾過液の尺度を提供する。
【0008】
平衡化のための考えられる一手段は、透析液チャンバへの流入の状態で供給される体液の量が透析液チャンバからの流出の状態で取り出される体液の量に一致するという原理に基づくバランスチャンバポンプを用いることである。
【0009】
患者からの体液の追加の取り出しのため、送り出し装置、いわゆる限外濾過ポンプを備えた別の流路が血液チャンバと並列に配置される。取り出されるべき体液は、バランスチャンバを越えて延びる並列流路に通され、そして限外濾過ポンプによって測定され、かくして、かかる体液は、体液バランスの尺度となる。
【0010】
バランスチャンバは、複雑な構造を有しており、製造公差について高い要求をもたらす。
【0011】
変形例として、限外濾過は、透析液チャンバへの入口ライン内の流量及び透析液チャンバからの出口ライン内の流量を、互いに別個独立に制御可能であると共に入口ライン及び出口ライン内に配置されたポンプによって制御することによって制御されても良い。この場合、平衡化は、入口ライン及び出口ライン内に配置された流量センサによって又はカートによって実施され、このことは、これらセンサ又はカートの較正を行うための複雑さが大きいことと関連している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の教示による限外濾過を調節する装置を備えた治療機器1を概略的に示している。処置されるべき血液は、アクセス114を介して患者から取り出され又は脱血され、そして体外血液循環路又は回路112内のポンプ115によってアクセス114及び透析器113内の血液チャンバを通って患者に送り返され又は返血される。アクセス114は、血液を脱血したり返血したりするのに適した血液循環路又は回路112を患者の適当な血管に連結している。アクセス114は、血液を脱血したり返血したりするための別個の流入路及び流出路を有しても良く(「複針」法)又は流入路及び流出路が一要素として具体化されても良い(「単針」法)。
【0027】
透析器113内に設けられている半透膜111が透析液チャンバ108を血液チャンバ110から分離している。血液チャンバ110から透析液チャンバ108中への体液交換及び質量交換は、半透膜を介して行われる。透析液循環回路109内の透析液は、透析液チャンバから見て上流側の入口ライン106内に設けられた透析液ポンプ107によって濾過器113の透析液チャンバ108を通って運ばれる。さらに、透析液チャンバ108からの出口ライン105内の透析液流量は、可変調整可能なスロットル117によって制御される。変形例として、透析液ポンプ107は、透析液チャンバ108から見て下流側で出口ライン105内に配置されていても良く、入口ライン106内の透析液流量の制御は、可変調整可能なスロットル117によって達成される。平衡化装置104が透析液チャンバ108に供給されて透析器113から流出する透析液を平衡化する(透析液のバランスを取る)ために透析液源103からの供給を受ける透析液循環回路109内に配置されている。この目的のため、透析液チャンバ108への流入部内の流量及び透析液チャンバ108からの流出部内の流量を別々に検出することができ又は流量差を体液バランスの尺度として求めることができる。体液バランスは、透析器113内の半透膜111を通って取り出される限外濾過率に対応している。透析器113から流出するいわゆる使用済み透析液は、通常、透析液流出部102で破棄される。変形例として、使用済み透析液の再生を行うことができる。
【0028】
加うるに、血液循環回路112内の透析器113から見て上流側又は下流側での血液濾過の場合、置換液が置換液ライン(図示せず)を通って添加されるのが良い。この場合、置換液の追加の量も又、全体液バランスに関して考慮に入れられるべきである。
【0029】
主として透析器113の半透膜111に関する圧力条件は、透析液チャンバ108と比較して過剰な圧力が血液チャンバ110内で生じるよう血液ポンプ115の制御、透析液ポンプ107の制御及び/又は可変調整可能なスロットル117の制御によって影響を受ける。したがって、体液は、半透膜を通って血液チャンバ110から透析液チャンバ108内に運ばれる。
【0030】
血液ポンプ115は、動作パラメータとして、例えば一実施形態では、蠕動ポンプとして、或る特定のポンプ回転速度又は或る特定の体液重量を達成するよう制御可能であるのが良い。変形例として、血液ポンプ115は、動作パラメータとして、例えばインペラポンプとして或る特定の送り出し圧力を達成するよう制御可能であっても良い。
【0031】
同様に、透析液ポンプ107は、或る特定の送り出し量又はポンプ回転速度を達成するよう蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ等として設計されても良く、或いは、透析液ポンプ107は、例えば或る特定の送り出し圧力を発生させるようインペラポンプとして設計されても良い。
【0032】
可変調整可能なスロットル117は、可変調整可能な断面を備えたスロットル、貫流弁、クロック動作弁又は経時的に平均を取るだけで得られる可変調整可能な流れ抵抗を含む流れ抵抗が可変調整可能な別のコンポーネントとして設計可能である。
【0033】
測定ラインを経て平衡化装置104に連結された制御・調節ユニット101が制御ライン13を経て血液ポンプ115に連結されると共に制御ライン14を経て透析液ポンプ107に連結されると共に制御ライン116を経て可変調整可能なスロットル117に連結されている。血液処置中、現時点で測定された限外濾過のパラメータ、例えば、限外濾過量又は限外濾過率が連続的又は定期的に平衡化装置から制御・調節ユニット101に送られる。制御・調節ユニット101は、現時点において測定されたパラメータを用いて血液ポンプ115、透析液ポンプ107及び可変調整可能なスロットル117のための制御信号を導き出す。次に、透析液ポンプ107は、血液ポンプ115及び可変調整可能スロットル117の制御が達成されるべき限外濾過、例えば治療中全体にわたって達成されるべき或る特定の限外濾過率又は或る特定の限外濾過量に関して起こる。
【0034】
調節は、血液ポンプ115及び透析液ポンプ107が一定の回転速度又は一定の送り出し圧力で作動されるように起こるのが良く、可変調整可能スロットル117は、平衡化装置104によって送られた限外濾過値が調節された変数としての役目を果たすよう制御される。例えば、限外濾過率の送られた測定値が対応の設定値を上回っている場合、可変調整可能スロットル117を絞るべきであり、或いは、換言すると、その流れ抵抗を増大させるべきである。限外濾過率がその設定値を下回っている場合、可変調整可能スロットル117を広げ又は換言するとその流れ抵抗を減少させる。
【0035】
変形例としての制御方式は、血液ポンプ115を一定の回転速度で又は一定の送り出し圧力で作動させ、可変調整可能スロットル117を或る特定の流れ抵抗に設定し、透析液ポンプ107を平衡化装置104により送られた限外濾過値が制御変数であるように制御するようなものである。例えば、限外濾過率の送られた値が対応の設定値を上回っている場合、透析液ポンプ107を加速させるべきであるが、限外濾過率がその設定値を下回っている場合、透析液ポンプ107を絞る。
【0036】
別の変形例としての制御方式は、透析液ポンプ107を一定の回転速度で又は一定の送り出し圧力で作動させ、可変調整可能スロットル117を或る特定の流れ抵抗に設定し、そして血液ポンプ115を制御して平衡化装置104によって送られる限外濾過値を調節するようにすることであっても良い。例えば、限外濾過率の送られた値が対応の設定値を上回っている場合、血液ポンプ115を絞るべきであるが、限外濾過率がその設定値を下回っている場合、血液ポンプ115を加速させるべきである。
【0037】
これら制御方式の組み合わせが、例えば、内部制御ループ内において、最初に、血液ポンプ115及び/又は透析液ポンプ107を一定のレベルで作動させ、可変調整可能スロットル117を制御するような仕方で可能である。スロットルを完全に開いた場合にのみ、血液ポンプ115及び/又は透析液ポンプ107をそれに応じて制御する。
【0038】
限外濾過は、限外濾過率について或る特定の値があらかじめ選択されるように調節されるのが良い。変形例として、或る特定の限外濾過率は、血液処置中に取り出されるべき限外濾過量についてあらかじめ決定されても良い。
【0039】
限外濾過率の所定の値は、限外濾過率について一定の又は連続して変化する値であっても良い。
【0040】
変形例として、限外濾過率又は限外濾過量についてプロフィールをあらかじめ選択して正の限外濾過率を備えた間隔と負の限外濾過率を備えた間隔がこのプロフィールにおいて交互に位置するようにしても良い。このように、堆積物を透析器半透膜から放出し又は透析器半透膜上における物質の堆積を減少させ又は阻止するいわゆるプッシュ‐プルモードを達成することができる。これにより、透析器半透膜の透過性が向上すると共に薬剤分子についての対応の清浄化性能(除去)が向上する。本発明の構成は、僅かな機器複雑さで、例えば、振動圧力パルスを加えるための追加のポンプなしでこれを達成する。かくして、もっぱら可変調整可能スロットル117の適度にクロック動作の制御によってプッシュ‐プルモードを達成することができる。
【0041】
限外濾過の調節は、この場合、限外濾過率について上述した調整方式で類推によって起こることができ、その結果、限外濾過率についての設定値との比較ではなく、限外濾過プロフィールとの対応の比較が存在するようになる。
【0042】
血液濾過の場合、治療中に置換液ラインを介して体液バランスに追加される置換液の量を調節するのが良く、その結果としての全限外濾過率、即ち透析器により取り出される流体の量と置換液の重さの差を調節された変数として用いる。
【0043】
図2は、限外濾過を調節するための別の装置を備えた別の透析機器を概略的に示している。
図2に示された透析機器は、本質的には、
図1の限外濾過装置の設計に対応している。その説明をここで繰り返す代わりに、対応の要素の説明について参照されたい。限外濾過装置の説明は、基本的には、以下に詳細に説明する平衡か装置104の実施形態について異なっている。
【0044】
平衡化装置104は、流量測定セル205,206を有し、流量測定セル205,206は、透析液循環回路109内において、流量測定セル205が透析液チャンバ108から見て上流側に位置し、流量測定セル206が透析液チャンバ108から見て下流側に位置するよう流量差センサ201に接続されている。
【0045】
限外濾過ポンプ211が流路212内に位置し、この流路212は、流量測定セル206と並列であり、この流路内において、流体運搬量が限外濾過ポンプ211によって制御される。
【0046】
限外濾過ポンプ211に代えて、並列流路212内の流量を制御するためにスロットルが更に設けられるのが良い。
【0047】
流量差センサ201は、各流量測定セル205,206に関する別個の測定値から成る1対の測定値を決定し、これら測定値は、それぞれの流量測定セルを通る体液の流量を指示している。1対の測定値は、好ましくは、毎秒1回又は2回求められ、そして測定ライン202,203により制御・調節ユニット101に送られる。制御・調節ユニット101は、1対の容積流量値を各測定値の対に割り当て、その結果、容積流量に対する測定値のプロットを用いることができ、このプロットは、先に実施された較正に基づいている。変形例として、質量流量に対するプロットも又使用できる。制御・調節ユニット101は、それにより近似的に求められた容積流量対からポンプ211のための制御信号を導き出し、その結果、流量差センサの2つの流量測定セル205,206を通る容積流量が各時点で一致するようポンプ211を作動させる。例えば、制御・調節ユニット101は、容積流量対の2つの容積流量から差信号を生じさせ、そして差信号に応じて適当な仕方で限外濾過ポンプ211の流量を増大させ又はこれを減少させることによって限外濾過ポンプ211の流量を変更し、その結果、差信号がゼロに近く無視できるようになる。流量測定セル205を通る流量が流量測定セル206を通る流量よりも少ない場合、これにより、流量測定セル206と流量測定セル205の測定値の差について正の値が生じる。すると、制御・調節ユニット101は、限外濾過ポンプ211を通る流量を増大させ、流量測定セル206を通る流量を減少させるよう限外濾過ポンプ211のための制御信号を変更することができ、他方、透析器からの流出部内の流量の変化がなく、ついには、同じ流量が流量測定セル205を通る流量として定められるようになる。すると、限外濾過ポンプ211を通る流量は、透析液チャンバから出る透析液流量と透析液チャンバに流入する透析液流量の流量差を指示する。この場合、限外濾過ポンプ211を通る流量は、透析器113から抜き出されている限外濾過物の量の尺度である。
【0048】
一実施形態では、限外濾過ポンプ211を通る流量は、所定の値に設定され、血液ポンプ115、透析液ポンプ107及び可変調整可能スロットル117の制御は、上述したように行われ、その結果、流量差センサ201で測定された流量差は、所定の条件例えば「ゼロに近く無視できるようになる」条件を満たすようになる。
【0049】
限外濾過ポンプ211を通る流量は、透析器113への流入路と透析器113からの流出路との間の体液バランスの尺度、即ち、透析器113から取り出される限外濾過物の量についての尺度である。
【0050】
差信号の消失は、或る特定の時点における差流量又は差流量の積分の消失に関連している場合がある。
【0051】
別の実施形態では、容積流量又は質量流量への測定値対の割り当ては、両方のチャネルを通る同じ容積流量での測定値相互の差が既知である場合、省かれても良い。この場合、制御・調節ユニット101は、2つの測定値の差を求め、この差が同一の容積流量であらかじめ知られている差に一致するようになるまで適当な仕方で可変調整可能スロットル117の透過度を近似的に変更する。
【0052】
流量差センサ201は、有利には、流れを向流状態で通す2つの流量測定セル205,206が長方形の断面を有し、且つ磁界に対して直角に配置された磁気誘導原理に従って機能するのが良い。磁界は、流量差センサ201の制御により調整され、かかる磁界は、同一サイズの一様な磁界が両方の流量測定セル205,206を通って生じるような特性のものである。これは、例えば、流量測定セル205,206のチャネルが磁界に対して互いに上下に配置されることによって達成される。各チャネル内において、電極が磁界と反対側で且つ直角に、しかもそれぞれのチャネル内の流れの方向とは逆に且つ直角になるよう磁界に沿って延びる内壁に取り付けられている。体液がチャネルを通って流れる場合、体液中に存在するイオンの電荷分離が磁界によって引き起こされ、その結果、電圧が電極に印加されるようになる。この電圧は、流速に比例すると共に磁界の強さで決まる。2つの流量測定セル205,206内の磁界の強さが同じサイズのものである場合、相対流量差信号に関する磁界強さ依存性は、有利には、2つのチャネルから差信号を形成する際になくなる。
【0053】
換言すると、差信号がなくなることは、流量測定セル205,206内の磁界の絶対サイズとは無関係に流量測定セル205を通る流量及び流量測定セル206を通る流量が同じサイズのものであることを意味している。
【0054】
正の限外濾過率を備えた間隔と負の限外濾過率を備えた間隔が交互に位置するプロフィールが限外濾過率又は限外濾過量についてあらかじめ選択されている実施形態では、所定の条件は、有利には、限外濾過量の積分及び/又は差信号の積分がゼロに近く無視できるようになる。
【0055】
限外濾過ポンプ211は、好ましくは、容積形ポンプ、より好ましくはダイヤフラムポンプ、チューブローラポンプ(tube roller pump)、ピストンポンプ若しくは歯車ポンプ又は体液の送り出し量を決定することができる任意他のポンプから成る群から選択される。例えば、チューブローラポンプで送り出される量は、公知の方法を用いてポンプ管容積及びチューブローラポンプのロータの回転角度から良好な精度で決定できる。体液の送り出し量を決定する対応の方法は、容積形ポンプの群から他のポンプについて技術の現状から知られている。
【0056】
この場合、測定される液体の量は、限外濾過物の量に一致することが有利である。この量は、典型的には、透析治療1回当たり又は1日当たり3〜5リットルであり、流量センサを通って流れる透析液の量は、その倍数、典型的には60〜240リットルに上る。したがって、本発明の教示に一致して、流量差に関する測定装置又は測定方法を利用することは今や有利に可能であり、かかる測定方法は、流入中及び流出中の透析液の量を別々に検出し、しかる後に差を求めるに過ぎない測定方法よりも著しく低い公差を備えなければならない。
【0057】
図3は、透析液ポンプ107、血液ポンプ115及び透析器113を備えた
図1に示されている透析機器についての等価回路図を示しており、透析液回路、血液循環回路及び透析器内の流れ抵抗は、電気均等図の抵抗として示されている。詳細に説明すると、動脈針抵抗313、動脈ライン抵抗312、静脈針抵抗314、静脈ライン抵抗311が体外血液循環回路内に示されており、動脈フィルタ長手方向抵抗309及び静脈フィルタ長手方向抵抗310が透析器113内に示されている。透析液循環回路内の流れ抵抗は、透析器の入力端部の流れ抵抗307、透析器の出力端部の流れ抵抗306、透析液循環回路の透析液の流れ抵抗304、透析液循環回路の透析液出力側の固定的にあらかじめ定められた流れ抵抗303及び可変スロットル抵抗315、即ち調節可能なスロットル117の可変抵抗によってモデル化される。透析器内の半透膜は、膜間抵抗308によってモデル化される。個々の抵抗、これらの参照表記及び微分で用いられる公式が以下に与えられるような透析液循環回路、体外血液循環回路及び膜間抵抗についての微分に関して表1に示されている。
表1
【0058】
図4は、
図3に示された電気回路図の単純化された等価回路図である。
図4に示されている単純化回路図では、体外血液循環回路内の動脈針抵抗(記号:R
aN)、体外血液循環回路内の動脈ライン抵抗(記号:R
aL)並びに動脈フィルタ長手方向抵抗(記号:R
aF)は、組み合わされて、次のように全動脈抵抗401(記号:R
a)になる。
R
a = R
aN + R
aL + R
aF (式1)
【0059】
同様に、体外血液循環回路内の静脈針抵抗(記号:R
vN)、体外血液循環回路内の静脈ライン抵抗(記号:R
vL)及び静脈フィルタ長手方向抵抗(記号:R
vF)は、組み合わされて、次のように全静脈抵抗402(記号:R
v)が生じる。
R
v = R
vN + R
vL + R
vF (式2)
【0060】
透析器循環回路内の抵抗の対応の組み合わせにより、以下が生じる。透析液循環回路内の入力端部のところの流れ抵抗304(記号:R
Din)及び透析器の入力端部のところの流れ抵抗307(記号:R
DFin)を組み合わせると、以下のように入力抵抗405(記号:R
in)が得られる。
R
in = R
Din + R
DFin (式3)
【0061】
透析液循環回路内の出力端部のところの流れ抵抗303(記号:R
Dout)及び透析器の出力端部のところの流れ抵抗306(記号:R
DFout)を組み合わせると、以下のように出力抵抗404(記号:R
out)が生じる。
R
out = R
Dout + R
DFout + R
Dr (式4).
【0062】
以下の表2は、
図4に示されている抵抗の名称、これらの参照符号及びこの微分で用いられている記号をまとめて示している。
表2
【0063】
血液ポンプ及び透析液ポンプを電流源又は電圧源としてモデル化することができ、その結果、適当なモデル化は、ポンプの設計によって影響を受ける。かくして、容積形ポンプを例えばダイヤフラムポンプ、チューブロールポンプ、ピストンポンプ又は歯車ポンプを透析液ポンプとして用いる場合、電流源としての透析液ポンプのモデル化が有利である。この状況は、血液ポンプが容積形ポンプ、例えばチューブロールポンプとして設計されている場合にも同様である。定圧ポンプ、例えばインペラポンプが好ましくは電流源としてモデル化される。血液ポンプ又は透析液ポンプが対応の内部抵抗を持つ非理想電圧源又は電流源としてモデル化される場合、それぞれの内部抵抗は、透析液循環回路及び/又は体外血液循環回路内の抵抗を増すに違いない。かくして、透析液ポンプを例えば非理想電圧源としてモデル化する際、透析液ポンプの流れ抵抗は、入力抵抗405に含まれなければならない。この状況は、体外血液循環回路について同様である。当業者であれば、これに対応した所要の検討事項を知っている。当業者は又、非理想電圧源がモデル化される等価回路図が非理想電流源を備えた対応の等価回路図にどのように変換されるべきかを知っているであろう。
【0064】
以下の検討事項は、体外血液循環回路及び透析液循環回路内の抵抗の量定並びに関与するポンプの内部抵抗の量定及び所望の限外濾過率を達成するために関与するポンプの制御において役に立つ場合がある。
【0065】
対応の電流I
UFが等価電気回路図内の限外濾過率について仮定される場合、電圧源としてのポンプのモデル化の場合、限外濾過率についての以下の式を透析液ポンプが電圧U
Dの電圧源を備えた状態でモデル化されると共に血液ポンプが電圧U
Bの電圧源を備えた状態でモデル化された場合の電圧源としてのポンプのモデル化の場合に与えることができる。
【0066】
電流源としてのポンプのモデル化の場合、以下の公式を透析液ポンプが電流I
Dの電流源を備えた状態でモデル化されると共に血液ポンプが電流I
Bの電流源を備えた状態でモデル化された場合に限外濾過率について与えることができる。
【0067】
以下の検討事項は、出力抵抗404(記号:R
out)の68について役立つ。或る特定の限外濾過率を達成するのに必要な出力抵抗404(記号:R
out)についての式6の変形により、以下の式が得られる。
【0068】
式7は、膜間抵抗R
TMが高すぎる場合、これが透析液循環回路内の出力抵抗R
outの量定に対して望ましくない影響を及ぼすことを示している。したがって、膜間抵抗R
TMは、高い比スループット係数を備えたフィルタ(「ハイカットオフフィルタ(high cutoff filter)」)又は十分に広い由宇港フィルタ面積を備えたフィルタとしてできるだけ小さく選択されるべきである。検討されるべき一ポイントは、膜間抵抗R
TMが静脈フィルタ長手方向抵抗R
vFのように、体外血液処置中に増大することになるということにある。体外血液循環回路内における静脈フィルタ長手方向抵抗R
vFの増大は、代表的には、血液処置中におけるヘマトクリットの増大、体外血液循環回路内のいわゆる血液濃縮及び考えられる狭窄の発生に基づいている。透析器半透膜上の堆積物に起因して血液処置中に膜間抵抗R
TMの増大が生じる場合が多い。血液処置中に定期的に起こるこれら作用効果は、体外血液循環回路内及び透析器循環回路内の抵抗の量定並びに血液ポンプ、透析液ポンプ及び可変調整可能スロットルの制御の際に考慮に入れられるべきである。
【0069】
以下の数値による実施例は、関与する流量の考えられる量定の指示値を与えることができ、即ち、最小値I
Bmin=60mL/min及び最大値I
Bmax=300mL/minが血液流量I
Bについて仮定され、最大値I
UFmax=I
B/10、即ち、約20mL/min及び最小値I
UFmin=0mL/minが限外濾過率I
UFについて仮定され、最小値I
Dmin=I
B/3及び最大値最小値I
Dmax=200mL/minが透析液流量I
Dについて仮定される。
【0070】
血液流量I
Bは、血液ポンプ115を通る流量として設定され、透析液流量I
Dは、透析液ポンプ107を通る流量に対応し、限外濾過率I
UFは、膜間抵抗308を通る流量に対応する。
【0071】
一般に、以下の式が透析液流量I
Dについて当てはまる。
【0072】
基本的には、流量I
Bが所与の場合、最大限外濾過率は、透析液流量I
Dが最小値にあるときに達成されることが分かる。
【0073】
変形後、式8により以下の式が得られる。
【0074】
I
B=50mL/minが最小血液流量について部悦の数値として用いられると共にI
UF=5mL/minが限外濾過率についての別の数値として用いられる場合、これにより抵抗R
V、R
out及びR
TMの変数を互いに関連させる以下の式が得られる。
又は
【0075】
膜間抵抗R
TM及び透析器循環回路内の出力抵抗の或る特定の比で始まって、全静脈抵抗R
Vに対する透析器循環回路内の出力抵抗R
outを量定するために以下の式が得られる。漸増する値が治療中全体にわたる増加の上述の作用効果を反映して膜間抵抗R
TMについて得られる。
【0076】
計算のこの実施例は、膜間抵抗R
TMが大きい場合、出力抵抗R
outが小さく選択されなければならないことを示している。透析器循環回路及び体外血液循環回路内の流れ抵抗の解釈について上述したように、膜間抵抗R
TMが高すぎる場合、これは不利益である。例えば、膜間抵抗R
TMがその最大値として、透析液循環回路内の出力抵抗R
outの4倍を有する場合があると仮定した場合、上記において与えられた数値の例により、R
outよりもR
Vよりも小さくなければならないという単純な要件が生じる。透析液循環回路内の出力抵抗R
out及び全静脈抵抗R
Vの解釈に関し、全静脈抵抗R
Vを血液処置の開始時に公式化すれば十分である。というのは、式9は、全静脈抵抗が血液処置期間中に上昇すると、まもなく満たされるからである。
【0077】
図1及び
図2の例示の実施形態における出力抵抗R
outは、スロットル117の対応の調整によって制御される。
【0078】
透析液流量I
D、血液流量I
B及び限外濾過率I
UFの一例として以下に与えられた値に関し、治療の開始時における出力抵抗R
outの値が全静脈抵抗R
Vに対応し、治療の開始時における膜間抵抗R
TMが出力抵抗R
outに対応しているものと仮定する。
【0079】
最大血液流量I
B=200mL/minの場合、最大限外濾過率I
UF =20mL/minが以下のように、式9から始まって透析器流量で達成される。
【0080】
最小限外濾過率I
UF=0mLが次のように透析液流量に対応している。
【0081】
両方の値は、透析液流量I
D<200mL/minという許容範囲、受け入れることができる範囲又は好ましい範囲内に収まる。
【0082】
以下の数値の実施例に関し、残りの血液処置中、膜間抵抗T
Mは、上述した作用効果の結果として、4倍以上の値まで上昇する。最大限外濾過率I
UF=20mL/minを達成するため、次式、即ち、
への透析液流量の絞りが必要な場合がある。
【0083】
次式、即ち、
の透析液流量は、依然として、最小限外濾過率I
UF=0mLについて確立されなければならない。
【0084】
上述の作用効果の結果として、全静脈抵抗R
Vが血液処置中に2倍になったと仮定した場合、これにより、20mL/minという最大限外濾過率を達成するためには、次式、即ち、
という所要の透析液流量が得られる。
【0085】
最小限外濾過率I
UF=0mLの場合、その結果は、次式、即ち、
という透析液流量である。
【0086】
この場合、0〜20mL/minの範囲全体にわたって限外濾過率を調節することができるようにするためには、透析液流量の範囲を拡張する可能性が受け入れることができ、許容可能であり又は好ましく考えられ、或いは、血液流量I
Bを減少させることが考えられる。かくして、例えば、最大許容透析液流量I
D=200mL/minでは、最大限外濾過率I
UF=20mL/minは、血液流量I
B=170mL/minで達成でき、最小限外濾過率I
UF=0mL/minは、血液流量I
B=100mL/minで達成される。
【0087】
以下の実施例としての計算は、膜間抵抗R
TMを低く保つことがどのように有利であるかを示しているはずである。透析器及び透析液循環回路の寸法決めにより、膜間抵抗R
TMがその最大値にあるときに透析液循環回路内の出力抵抗R
outに一致していることが確かめられた場合、又、透析液循環回路内の出力抵抗R
outがR
out=3/2R
Vと全静脈抵抗の比の状態にあるように透析液循環回路及び体外血液循環回路が設計されている場合、20mL/minという最大限外濾過率が流量I
B=200mL/min及び次式、即ち、
という透析液流量で得られ、0mL/minという最小限外濾過率が同一の血液流量I
B及び次式、即ち、
という透析液流量で得られる。
【0088】
かくして、0mL/minから20mL/minまでの限外濾過率I
UFの範囲を透析液流量I
Dの僅かな変化で制御することができる。
【0089】
図5は、本発明の教示に従って血液濾過を調整するための装置を備えた血液濾過装置51を概略的に示している。処置されるべき血液がアクセル514を経て患者から抜き取られ、そして透析器又は血液濾過器513の血液チャンバを通り、そしてアクセス514を通って体外血液循環回路512内に設けられた血液ポンプ515によって患者に戻される。アクセス514は、血液循環回路512を血液を採取してこれを戻すのに適した患者の血管に連結している。アクセス514は、血液を採取したり血液を戻すための別々の出口及び入口(「複針」法)を有するのが良く、或いは、流入部及び流出部が一要素(「単針」法)として設計されても良い。透析器又は血液濾過器513から見て上流側又は下流側において、置換液が置換液ライン(図示せず)を通って血液循環回路512に添加される。
【0090】
透析器又は血液濾過器513内において、半透膜511は、濾液チャンバ508を血液チャンバ510から分離している。血液チャンバ510から濾液チャンバ508内への液体交換又は質量交換は、半透膜511を介して起こる。濾液チャンバ508からの出口ライン505内の濾液流量は、可変調整可能なスロットル517によって制御される。透析器又は血液濾過器513から流出した濾液は、濾液流量に関して設けられた流量計504によって検出され、かかる濾液は、一般に、濾液ドレーン502中に廃棄される。
【0091】
血液濾過器513内の半透膜511に加わる圧力条件は、血液ポンプ515の制御又は可変調整可能スロットル517の制御によって影響を受け、その結果、過剰の圧力が濾液チャンバ508と比較して、血液チャンバ510内で生じるようになる。したがって、半透膜を通って血液チャンバ510から濾液チャンバ508内の液体の輸送が生じる。
【0092】
例えば、蠕動ポンプとしての一実施形態では、血液ポンプは、或る特定のポンプの回転速度又は或る特定の血液流量を達成するために動作パラメータとして制御可能であるのが良い。変形例として、血液ポンプは又、動作パラメータとして或る特定の送り出し圧力を達成するよう制御可能であっても良く、例えば、インペラポンプとして制御可能であっても良い。
【0093】
可変調整可能なスロットル517は、可変調整可能な断面を備えたスロットル、貫流弁、クロック動作弁又は経時的に平均を取るだけで得られる可変調整可能な流れ抵抗を含む流れ抵抗が可変調整可能な別のコンポーネントとして設計可能である。
【0094】
測定ラインによって流量計504に連結された制御・調節ユニット501が制御ライン513を経て血液ポンプ515に連結されると共に制御ライン516を経て可変調整可能なスロットル517に連結されている。血液処置中、現時点で測定された血液濾過のパラメータ、例えば、濾過量又は濾過率が連続的又は定期的に流量計504によって制御・調節ユニット501に送られる。制御・調節ユニット501は、現時点において測定されたパラメータを用いて血液ポンプ515及び可変調整可能なスロットル517のための制御信号を導き出す。血液ポンプ515及び可変調整可能スロットル517は、制御が達成されるべき血液濾過、例えば治療中全体にわたって達成されるべき或る特定の濾過率又は或る特定の濾過量に関して制御される。
【0095】
調節は、血液ポンプ515が一定の回転速度又は一定の送り出し圧力で作動されるように起こるのが良く、可変調整可能スロットル517は、流量計504によって送られた測定値が操作された変数としての役目を果たすよう制御される。例えば、濾過率の送られた測定値が対応の設定値を上回っている場合、可変調整可能スロットル517を絞るべきであり、或いは、換言すると、その流れ抵抗を増大させるべきである。濾過率がその設定値を下回っている場合、可変調整可能スロットル517を広く開け又は換言するとその流れ抵抗を減少させる。
【0096】
変形例としての制御方式は、可変調整可能スロットル517を或る特定の流れ抵抗に設定すると共に血液ポンプ515を流量計504により送られた濾過値が操作変数として役立つよう制御するようなものである。濾過率の送られた値が対応の設定値を上回っている場合、血液ポンプ507を絞るべきである。濾過率がその設定値を下回っている場合、血液ポンプ507を加速させる。
【0097】
血液濾過は、血液濾過率について或る特定の値があらかじめ選択されるように調節されるのが良い。変形例として、或る特定の濾過プロフィールは、血液処置中に取り出されるべき濾過量についてあらかじめ決定されても良い。
【0098】
濾液量に代えて、治療中における置換液ラインを通って添加される置換液の量を抜き出される濾液の量及びその結果としての限外濾過率と一緒に平衡状態で調整することができ、即ち、濾過量と置換液量の差を制御変数として用いることができる。
【0099】
限外濾過率のあらかじめ選択された値は、限外濾過率について一定の値であっても良く、或いは連続的に可変の量であっても良い。
【0100】
限外濾過は、この場合、限外濾過率について上述した制御方式により類推によって調節でき、その結果、限外濾過率の設定値と比較するのではなく、限外濾過プロフィールとの対応の比較が実施されるようになる。