(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1および第2の材料が前記導電性流体と接触している結果として前記電位差を提供するように、前記第1および第2の材料が選択される、請求項1に記載の電子デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0125】
以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付図面への参照が行われる。図面では、文脈上別段の指示がない限り、同様の記号および参照文字は、典型的には、いくつかの図を通して同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲で説明されている例示的な態様は、限定であることを意味しない。本明細書に提示される主題の要旨または範囲から逸脱することなく、他の態様が利用されてもよく、他の変更がなされてもよい。
【0126】
電磁信号を使用して摂取可能な識別子を感知および検出する様々な態様を詳細に説明する前に、本明細書で開示される様々な態様は、それらの用途または使用において、添付図面および説明において示されている部分の構造および配置の詳細に限定されないことが留意されるべきである。むしろ、開示される態様は、他の態様、その変形形態および修正形態において配置または組み込まれてもよく、様々な方法で実施または実行されてもよい。したがって、本明細書で開示される電磁信号を使用して摂取可能な識別子を感知および検出する態様は、本質的に例示であり、その範囲または用途を限定することを意味しない。さらに、別途指示されない限り、本明細書で用いられる用語および説明は、読者の便宜のために態様を説明する目的のために選択されており、その範囲を限定するためには選択されていない。加えて、開示された態様、態様の表現、および/またはその例のうちの任意の1つまたは複数は、他の開示された態様、態様の表現、および/またはその例のうちの任意の1つまたは複数と無制限に組み合わせられ得る。
【0127】
また、以下の説明では、前面、後面、内側、外側、上面、底面などのような用語は、限定的な用語として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。本明細書で使用される用語法は、本明細書で説明されるデバイスまたはその一部が他の向きで取り付けられまたは利用され得る限り、限定的であることを意味しない。様々な態様について、図面を参照してより詳細に説明する。
【0128】
先に説明したように、摂取可能な識別子を検出する従来の手段は、皮膚上の2つの点に濡れ接触することと、摂取可能な識別子を活性化した後に患者の身体を流れる伝導電流によって引き起こされる電圧差を測定することとを含む。弱い信号レベルおよび強い背景雑音は、伝導電流技法を制限する場合があり、摂取可能な識別子からの信号を検出し復号することを困難かつ計算集約的にする場合がある。加えて、従来の感知および検出技法では、受信機が腹部から離れて、たとえば、首、胸部または胸、腕、手首、大腿部、または脚のような場所に移動するにつれて、信号は、減衰する。
【0130】
様々な態様では、電磁信号を生成するために、コイル、渦巻き、または螺旋の形状のワイヤなどの導電体の形態における電磁コイルが用いられてもよい。電磁コイル内に生成された電流は、インダクタまたはセンサコイルのようなデバイス内の磁場と相互作用する。磁場を発生させるようにコイルのワイヤを電流が通過するか、または、コイルの内部を通る外部の時間変化する磁場が導体内にEMF(電圧)を発生させる。以下により詳細に説明するように、電磁信号は、活性デバイス領域を備える半導体基板上に形成されたインダクタによって生成されてもよい。インダクタの導電性要素は、たとえば、半導体基板またはガラス基板を覆う誘電体層上に形成され得る。導電性要素は、たとえば、平面渦巻きのような所望の形状にパターン化されエッチングされてもよい。誘導Q値を下げるために、インダクタの下の基板の領域が除去されてもよい。ワイヤレス通信における現在の革新、およびより小さいワイヤレス通信デバイスの必要性は、無線通信電子デバイスの最適化および小型化に向けられたかなりの努力を生み出した。受動構成要素(インダクタ、キャパシタ、および変圧器のような)は、これらのデバイスの動作において必要な役割を演じ、したがって、サイズを縮小し、そのような受動構成要素の性能および製造効率を改善することに努力が向けられてきた。
【0131】
個別のインダクタおよびキャパシタは、周波数依存の効果を提供するために、発振器、増幅器、および信号フィルタのような、交流および無線周波数用途で用いられる受動電磁構成要素である。具体的には、インダクタにわたる電圧は、インダクタンスと、インダクタを流れる電流の時間微分との積の関数である。従来のインダクタは、強磁性材料または絶縁性材料で構成されたコアを囲む複数の巻線を備える。インダクタコアは、必須ではないが、たとえば、強磁性コアの使用は、インダクタンス値を増加させる。インダクタンスは、コアの巻き数(具体的には、インダクタンスは、巻き数の二乗に比例する)およびコア面積の関数でもある。従来の個別のインダクタは、螺旋(ソレノイド形状とも呼ばれる)または環状体として形成される。コアは、典型的には、複数の磁区を含む鉄、コバルト、またはニッケル(または強磁性合金)で形成される。インダクタに供給された電流は、コア材料内に磁場を誘導し、領域整列を生じさせ、その結果材料の透磁率を増加させ、それが今度はインダクタンスを増加させる。
【0132】
半導体産業における発展は、長年にわたり、縮小したサイズのより高性能のデバイスを製造することに向けられてきた。半導体回路の設計および製造の1つの課題は、高性能キャパシタおよびインダクタの半導体デバイスへの統合である。理想的には、これらの構成要素は、半導体製造技術において従来式の方法および手順を使用して、半導体基板の比較的小さい表面積上に形成される。しかしながら、能動デバイスの形状サイズおよび線幅と比較して、インダクタおよびキャパシタは、大きく、典型的にはサブミクロン範囲の形状サイズを有する半導体デバイスに容易に統合されない。インダクタは、たとえば、半導体基板ではなくガラス基板上に形成され得ることが理解されよう。
【0133】
半導体またはガラス基板表面上に形成された大部分のインダクタは、渦巻き形状を有し、渦巻きの平面は、基板表面と平行である。基板表面上に形成された導電性材料の層をマスキングし、パターン化し、エッチングするような、渦巻きインダクタを形成するための多くの技術が知られている。所望の誘導特性を提供するためおよび/または製造プロセスを単純化するために、複数の相互接続された渦巻きインダクタも形成され得る。たとえば、多層渦巻きインダクタを記載している米国特許第6,429,504号と、各層が2つ以上を含む複数の層から形成された高いQ値を有する高い値のインダクタを開示している米国特許第5,610,433号を参照されたい。様々な層内のコイルは、たとえば、電流がインダクタを同じ方向に流れるように直列に相互接続される。
【0134】
重要なインダクタの性能指数であるQ(または品質係数)は、抵抗に対する誘導リアクタンスの比として定義される。高Qインダクタ(たとえば、低抵抗を有する)は、入力信号周波数の関数として狭いQピークを提示し、ピークは、インダクタ共振周波数において発生する。高Qインダクタは、狭い帯域幅で動作する周波数依存回路での使用に特に重要である。たとえば、発振器において動作するインダクタに関するQを増加させることは、発振器の位相ノイズを減少させ、発振器周波数をより狭い周波数帯域に制限する。Q値は、インダクタ抵抗の逆関数なので、抵抗を最小にすることは、Qを増加させる。抵抗を最小にするための1つの既知の技法は、インダクタを形成する導電性材料の断面積を増加させる。
【0135】
本開示の様々な態様は、従来の伝導電流に基づく摂取可能な識別子検出技法に、代替の物理的現象を活用する。一態様では、たとえば、本開示は、身体の表面内または表面上をより容易に進む、摂取可能な識別子によって胃液内に誘導される電流による電磁場の発生を用いて、摂取可能な識別子を感知および検出するための技法を提供する。電磁場を受信し、それを電圧に変換する受信装置、すなわち、インダクタのようなアンテナが用いられてもよい。そのような電圧は、次いで、個別のまたは集積された電子機器のような任意の適切な手段によって受信され得る。たとえば、人体通信技法の議論について、Wang、Jianqing、Qiong Wang、Body Area Communications:Channel Modeling、Communication Systems、およびEMC.Singapore:John Wiley & Sons Singapore Pte.Ltd.,2013を参照されたい。
【0136】
電磁場受信機が隣接する患者からの信号を拾わないような指向性のために、受信アンテナ(たとえば、インダクタ)の頂上に磁気シールドが配置され得る。シールドと身体との間にアンテナを閉じ込めることによって、受信機は、体内を移動する場のみを受信することになる。強化として、衛星放送受信用アンテナで行われるように、信号強度を強化するために、アンテナ(インダクタ)を焦点に配置して、シールドは、放物面にされ得る。
【0137】
図1は、本開示の一態様による、電磁場に基づく感知および検出システム100を示す。
図1は、摂取可能な識別子104を最近飲み込んだ個人102を示す。摂取可能な識別子104は、以下により詳細に説明するように、個人102の胃の中の胃腸液と接触すると、符号化電磁信号を生成する。符号化電磁信号は、多くの変数を表すように構成され得るが、一態様では、符号化電磁信号は、摂取可能なイベントを表す。一態様では、摂取可能なイベントは、他の変数の中でもとりわけ、薬品適用量、薬品のタイプ、または投与量、またはそれらの組合せを取る個人102に関連付けられ得る。
【0138】
システム100の実装形態は、多くの変形形態を含んでもよい。たとえば、一態様では、
図4〜
図9に関連して説明したような摂取可能な識別子が用いられてもよい。この実装形態では、摂取可能な識別子は、導電性流体と接触すると給電され、次いで、たとえば、インダクタ・アンテナによって検出され得る電磁場を生成する。皮膚の表面上の電流伝導と比較して、電磁場が患者の皮膚の表面をよりよく伝播する傾向があるので、この技法は、有利である。皮膚の表面上の電磁場は、N個の巻線と、任意選択で感度を高めるためのフェライトコアとを有するインダクタ・アンテナを用いてタップされ得、ここで、Nは、整数である。個人102の身体は、電磁場の伝播を補助するので、システム100は、たとえば、摂取可能な識別子104および/または受信機106、108、110、112、114、116、118、150、152の位置および配置に追加の柔軟性を提供する。
【0139】
別の態様では、摂取可能な識別子は、摂取可能な識別子回路によって生成された信号を増幅するための増幅器を含んでもよい。インダクタ巻線は、摂取可能な識別子の同じ集積回路上に設けられてもよい。別の態様では、インダクタ巻線は、摂取可能な識別子上に配置された異種材料からなる電極間に挟まれた非導電性膜(たとえば、スカート)上に印刷されてもよい。他の態様では、インダクタ・アンテナは、非導電性膜または集積回路上の導電性可消化材料を使用して印刷されてもよい。別の態様では、インダクタ巻線が別個の集積回路として追加され、摂取可能な識別子回路に結合されてもよい。さらに、システム100は、たとえば、100kHz〜1MHzのような様々な周波数において動作してもよく、それは、送信機インダクタおよび受信機インダクタ・アンテナのサイズを縮小する機会を提供する場合がある。上限周波数は、個人102の身体が電磁エネルギーを吸収し始める閾値によって検出され得る。そのような上限周波数閾値は、制限なしに、約400MHz。他の実装形態では、動作周波数は、たとえば、10MHz〜1GHzから選択されてもよい。
【0140】
様々な態様では、Nのターンを有するインダクタが、摂取可能な識別子集積回路の2つの側面に配置されてもよい。信号強度を増大または倍増するために、励起は、一方の側面で正であり、他方の側面で負である。摂取可能な識別子は、複数の送信機および複数のインダクタの追加、または、マルチプレクサを介して複数のインダクタに結合された単一の送信機、または、マルチプレクサを介して2つ以上のキャパシタのような複数の同調素子に結合された単一の送信機および単一のインダクタによって、単一の周波数ではなく複数の周波数において送信するように構成されてもよい。他の態様では、送信インダクタのインダクタンスを増加させるために、たとえば、フェライトインダクタのような磁性材料が摂取可能な識別子集積回路に堆積または追加されてもよい。他の態様では、摂取可能な識別子の電極は、インダクタの形状に形成され得る。
【0141】
他の態様では、摂取可能な識別子は、増加した信号強度およびデータセキュリティの考慮事項を提供されるモバイル電話、セルラー電話、またはスマートフォンのようなモバイル遠隔通信デバイスと直接通信するように構成され得る。
【0142】
摂取可能な識別子104によって放射された電磁信号は、個人102に関連付けられた受信機によって検出され得る。様々な態様では、摂取可能な識別子104、および受信機106、108、110、112、114、116、118、150、152のうちのいずれかは、一方向通信用、場合によっては双方向通信用に設計され得る。受信機106、108、110、112、114、116、118、150、152は、摂取可能な識別子104を感知および検出するように構成されてもよく、個人102の身体の上または離れて配置されてもよい。したがって、受信機106、108、110、112、114、116、118、150、152は、個人102の身体上に配置されてもよく、個人102内に部分的にもしくは完全に埋め込まれてもよく、または、個人102から離れているが、受信機が比較的弱い電磁信号を容易に検出することができるように、個人102に近接して配置されてもよい。
【0143】
一態様では、受信機106は、摂取可能な識別子が個人102によって摂取された後に摂取可能な識別子104を感知および検出するために、パッチ内に配置され、個人102の腹部、または個人102の下半身のどこかに付着されてもよい。別の態様では、受信機108は、パッチ内に配置され、個人102の胸部、胸、または上半身部分に付着されてもよい。さらに別の態様では、受信機116は、パッチまたはネックレス上に配置され、個人102の首もしくは胸部、または頭部上もしくはその近位の他の場所の近くまたは周りに装着されてもよい。別の態様では、受信機110は、たとえば、アームバンド内に配置され、肩の近くで個人102の上腕の周りに装着されてもよい。別の態様では、受信機112は、腕時計内に配置され、個人102の手首の周りに装着されてもよい。さらに別の態様では、受信機152は、アームバンド内に配置され、個人102の手首の周りに装着されてもよい。さらに別の態様では、受信機150は、ベルト内に配置され、個人102のウエストの周りに装着されてもよい。別の態様では、受信機114は、足首バンド内に配置され、個人102の足首、または個人102の脚の他の場所の周りに装着されてもよい。様々な他の態様では、受信機は、個人102の上または近位のどこにでも配置されてもよい。別の態様では、受信機118は、身体から離れて、しかし個人102の近位に配置されてもよい。たとえば、受信機118は、個人102によって着用された衣服122のポケット120の内側に配置されてもよい。
【0144】
個人102の身体に直接結合される受信機106、108、116は、受信機106、108、116の皮膚接触面に塗布された接着剤によって取り付けられてもよい。個人の腕または手首の周りに配置される受信機110、112、152は、受信機110、112、152を所定の位置に保持するためのバンドまたはストラップを含んでもよい。一態様では、受信機112は、腕時計と同様のフォームファクタを有してもよい。受信機118は、個人102によって着用される衣服122のポケット120内に緩く配置されてもよい。受信機150は、ベルトのようにウエストの周りに着用されてもよい。
【0145】
摂取可能な識別子を感知および検出するためのシステムの現在の実装形態では、電磁信号によって搬送される情報のプライバシーを維持するために、個人102の身体を超えた場の伝播を制限するために、低エネルギー電磁信号が必要とされる場合がある。
【0146】
様々な態様では、個人102の身体の外部のソースからの電磁波から受信機を遮蔽するために、受信機インダクタ・アンテナの上に電磁シールドまたは「缶」が配置され得る。いくつかの態様では、シールドは、個人の身体からの電磁場を受信機インダクタ・アンテナに集束させるための放物型反射器として成形されてもよい。他の態様では、電磁信号のより不均一な受信を提供するために、2つのインダクタが摂取可能な識別子上で互いに対して垂直または直交の向きに配置され得る。インダクタ・アンテナに加えて、ダイポール・アンテナまたはパッチ・アンテナのような他の形態のアンテナが受信機技法において用いられてもよい。
【0147】
図2は、本開示の一態様による、摂取可能な識別子104を飲み込んだ個人102を示す。摂取可能な識別子104が胃132内に典型的に見られる電解液に浸されると、内部の部分的バッテリが活性化され、摂取可能な識別子104の電気回路に通電する。図示のように、摂取可能な識別子104は、個人102の身体130内に電磁場136を送信している。摂取可能な識別子104は、電磁場136の周波数を設定するために共振回路内にインダクタを含む。電磁場136は、身体134全体に伝播し、身体130の表面上を伝播し、そこで身体130の腹部近くに位置する受信機106によって検出され得る。受信機106は、電磁場134を検出するためのインダクタ・アンテナを備える。摂取可能な識別子104は、摂取可能な識別子104内にプログラムされた情報を用いて電磁場134を符号化するための回路を含む。
【0148】
図3は、本開示の一態様による、
図1および
図2に関連して論じた摂取可能な識別子104のような摂取可能な識別子によって生成された電磁場を検出するための受信機106を示す。受信機106は、摂取可能な識別子から受信された符号化電磁信号を処理するために、共振回路140と受信機電子機器142とを備える。共振回路140は、動作周波数において共振するために、インダクタ・アンテナ144と同調キャパシタ146とを備えてもよい。
【0150】
図4Aおよび
図4Bは、本開示の一態様による、電気絶縁要素208を備える摂取可能な識別子200の様々な図を示す。電気絶縁要素208は、集積回路202の外縁を越えて延在する。
図4Bは、
図4Aに示す識別子200の平面図である。
図4Aに示すように、集積回路202は、第1の材料からなる上部電極204と、第2の材料からなる下部電極206とを備え、第1および第2の材料は、異種であり、異なる電気化学的ポテンシャルを有する。
図4Bに示すように、電気絶縁要素208は、円板形状を有する。
図4Aおよび
図4Bを参照し、上部および下部電極204、205および集積回路202は、円板形状の電気絶縁要素208の中心または中心付近に配置される。電気絶縁要素208の端部から集積回路202および電極204、206の周囲までの距離は、様々であってもよく、特定の態様では、約5.0mm以上のような約1.0mm以上を含み、約10mm以上を含む、約0.05mm以上、たとえば、約0.1mm以上であってもよく、距離は、特定の態様では、約100mmを越えなくてもよい。集積回路202上で利用可能な表面積に対してより大きい利用可能な表面積を利用して、電気絶縁要素208上にインダクタまたは誘導要素が配置されてもよい。
【0151】
図4A〜
図4Bに示す例では、上部および下部電極204、206は、平面構成を有する。しかしながら、他の態様では、電極204、206は、任意の都合のよい形状、たとえば、正方形、円板など、平面またはその他の形状を有してもよい。円板形状の電気絶縁要素208は、平面円板構造を有し、電気絶縁要素208の端部は、平面上部および下部電極204、206および集積回路202の端部を越えて延在する。図示の例では、電気絶縁要素208の半径は、たとえば、約10mm以上のような約1mm以上だけ上部および下部電極204、206の半径よりも大きい。
【0152】
任意の所与の例では、電気絶縁要素208は、電極204、206、または集積回路202の端部を越えて延在してもしなくてもよいことに留意されたい。たとえば、
図4A〜
図4Bに示すように、電気絶縁要素208は、上部および下部電極204、206ならびに集積回路の端部を越えて延在する。しかしながら、他の例では、電気絶縁要素208は、両方の電極204、206または集積回路202を越えて延在しないように、電極の一方、たとえば、下部電極206の端部に見合った端部を画定してもよく、電気絶縁要素208は、上部電極204の端部を越えるが、下部電極206の端部を越えない端部を含んでもよい。
【0153】
図5〜
図9は、本開示の様々な態様による、摂取可能な識別子システム210、220、260の様々な態様を示す。
図5〜
図9に示す摂取可能な識別子システム210、220、260は、インダクタ401に結合された固体半導体スイッチ400を備える。固体半導体スイッチ400は、電子制御デバイス218(
図5、
図7、
図8)、228(
図6)の制御下でインダクタ401への電力(ACまたはDC電流)を切り替える。
図5〜
図8は、簡略化したブロック図回路であり、例示の目的のみを意図したものであることが理解されよう。したがって、固体半導体スイッチ400および/またはインダクタ401は、追加の回路またはサブ回路を含んでもよい。
【0154】
図5および
図7を参照し、摂取可能な識別子システム210は、制御デバイス218の枠組み212に適用された第1の材料214(金属1)と第2の材料216(金属2)とを含む。制御デバイス218の出力は、電磁場を生成するためにインダクタ401を通る電流を制御する固体半導体スイッチ400に結合される。この構成は、イオン溶液に曝露されたときに第1の材料214(金属1)および第2の材料216(金属2)によって作成されるバッテリを提供する。したがって、システム210が導電性液体と接触および/または部分的に接触すると、例として
図7に示すように、第1の異種材料214と第2の異種材料216との間の導電性液体を通して電流経路230、250が形成される。バッテリは、制御デバイス218を駆動し、制御デバイス218は、インダクタ401に切り替えられる電流を制御することによって発振周波数を作成する。振動電流は、スイッチ400が閉じられているときにインダクタ401を通って流れ、RF電磁信号を生成する。RF電磁信号は、個人の身体を通って伝播され、電磁信号検出機構を有する外部または内部の受信機デバイスによって検出され得る。ブロードキャストが十分に高いエネルギーにおいて提供される場合、患者によって装着されているポケットベルのようなデバイスが、錠剤が摂取されたときはいつでも検出することになる。
【0155】
図5を参照して、第1および第2の異種材料214、216(金属1および金属2)は、その両端に配置される。摂取可能な識別子システム210は、上述したように、患者が医薬製品を服用するときを決定するために、任意の医薬製品に関連して使用され得る。上記で示したように、本開示の範囲は、システム210とともに使用される環境および製品によって限定されない。たとえば、システム210は、カプセル内に配置されてもよく、カプセルは、導電性液体内に配置される。カプセルは、次いで、ある期間にわたって溶解し、システム210を導電性液体中に放出する。次いで、一態様では、カプセルは、システム210を含み、製品を含まない。そのようなカプセルは、次いで、導電性液体が存在する任意の環境で、任意の製品とともに使用されてもよい。たとえば、カプセルは、ジェット燃料、塩水、トマトソース、モータオイル、または任意の同様な製品で満たされた容器中に落とされてもよい。加えて、システム210を含むカプセルは、製品を服用したときのようなイベントの発生を記録するために、任意の医薬製品が摂取されるのと同時に摂取されてもよい。
【0156】
医薬製品と組み合わされた
図5に示すシステム210の特定の例では、製品または錠剤が摂取されると、システム210は、活性化される。一態様では、システム210は、本明細書で説明する受信機を用いて検出可能な固有の電磁信号を生成するために制御デバイス400によってインダクタ401に駆動される電流を制御することによって電磁信号を生成し、それによって、医薬製品が服用されたことを表す。枠組み212は、システム210のためのシャーシであり、複数の構成要素が枠組み212に取り付けられ、その上に配置され、または固定される。システム210のこの態様では、第1の可消化材料214が枠組み212に物理的に関連付けられる。第1の材料214は、枠組みの上に化学的に堆積されてもよく、その上に蒸着されてもよく、そこに固定されてもよく、またはその上に構築されてもよく、それらのすべては、本明細書では枠組み212に対する「堆積」と呼ばれる場合がある。第1の材料214は、枠組み212の一方の側面に堆積される。第1の材料214として使用され得る対象の材料は、限定はしないが、CuまたはCuClを含む。第1の材料214は、他のプロトコルの中でもとりわけ、物理蒸着、電着、またはプラズマ蒸着によって堆積される。第1の材料214は、約5〜約100μmの厚さのような、約0.05〜約500μmの厚さであってもよい。形状は、シャドーマスク堆積、またはフォトリソグラフィおよびエッチングによって制御される。加えて、材料を堆積させるために1つの領域のみが示されているが、システム210の各々は、必要に応じて、材料214が堆積されてもよい2つ以上の電気的に固有の領域を含んでもよい。
【0157】
図5に示すように反対側である異なる側面において、第1および第2の材料214、216が異種であるように、別の第2の可消化材料216が堆積される。図示されていないが、選択された異なる側面は、第1の材料214のために選択された側面の隣の側面であってもよい。本開示の範囲は、選択された側面によって限定されず、「異なる側面」という用語は、第1の選択された側面とは異なる複数の側面のいずれかを意味することができる。さらに、システムの形状が正方形として示されいるとしても、形状は、任意の幾何学的に適切な形状であってもよい。第1および第2の異種材料214、216は、システム210が体液のような導電性液体と接触しているときに、それらが電位差を生じるように選択される。材料216のための対象の材料は、限定はしないが、Mg、Zn、または他の電気陰性金属を含む。第1の材料214に関して上記で示したように、第2の材料216は、枠組みの上に化学的に堆積されてもよく、その上に蒸着されてもよく、そこに固定されてもよく、またはその上に構築されてもよい。また、第2の材料216(ならびに、必要に応じて第1の材料214)を枠組み212に接着するのを助けるために、接着層が必要である場合がある。材料216のための典型的な接着層は、Ti、TiW、Cr、または同様の材料である。陽極材料および接着層は、物理蒸着、電着、またはプラズマ堆積によって堆積されてもよい。第2の材料216は、約5〜約100μmの厚さのような、約0.05〜約500μmの厚さであってもよい。しかしながら、本開示の範囲は、どの材料の厚さによっても、材料を枠組み212に堆積または固定するために使用されるプロセスのタイプによっても限定されない。
【0158】
したがって、システム210が導電性液体と接触しているとき、一例が
図7に示されている電流経路が、第1の材料214と第2の材料216との間の導電性液体を通して形成される。制御デバイス218は、枠組み212に固定され、第1および第2の材料214、216に電気的に結合される。制御デバイス218は、第1の材料214と第2の材料216との間のコンダクタンスを制御および変更することが可能な電子回路、たとえば、制御ロジック、ならびに、システム210および/またはシステム210が取り付けられたもしくは結合された製品に対応する固有の識別子を提供するために符号化された固有の電磁信号を生成するためにインダクタ401を通る電流を駆動するための電子回路を含む。
【0159】
第1の材料214と第2の材料216との間に作成された電位は、制御デバイス218とインダクタ401とを含むシステム210を動作させるための電力を提供する。一態様では、システム210は、直流(DC)モードで動作する。代替態様では、システム210は、交流(AC)モードと同様に、電流の方向が周期的に反転されるように電流の方向を制御する。システムが導電性流体または電解質に達し、流体または電解質成分が生理的流体、たとえば、胃酸によって提供される所で、第1の材料214と第2の材料216との間の電流の経路は、システム210の外部で完成され、システム210を通る電流経路は、制御デバイス218によって制御される。電流経路の完成は、電流が流れることを可能にし、次に、図示しない受信機が、電流の存在を検出し、システム210が活性化され、所望のイベントが発生しているか、または発生したことを認識することができる。
【0160】
一態様では、2つの材料214、216は、バッテリのような直流(DC)電源に必要とされる2つの電極と機能が類似している。導電性液体は、電源を完成するために必要とされる電解質として作用する。説明した完成された電源は、システム210の第1および第2の材料214、216と身体の周囲流体との間の物理化学的反応によって規定される。完成された電源は、胃液、血液、または他の体液およびいくつかの組織のようなイオン性または導電性溶液中の逆電解を活用する電源とみなされてもよい。加えて、環境は、身体以外のなにかであってもよく、液体は、任意の導電性液体であってもよい。たとえば、導電性液体は、塩水または金属系塗料であってもよい。
【0161】
特定の態様では、2つの材料214、216は、追加の材料層によって周囲環境から遮蔽され得る。したがって、シールドが溶解し、2つの異種材料が標的部位に曝露されると、電位が生成される。
【0162】
依然として
図5を参照すると、第1および第2の材料214、216は、制御デバイス218を活性化するために電位を提供する。制御デバイス218が活性化または起動されると、制御デバイス218は、固有の電磁信号を生成するために、インダクタ401を通る電流コンダクタンスを固有の方法で変更することができる。インダクタ401を通る電流の流れを変更することによって、制御デバイス218は、インダクタ401を通る電流の大きさ、位相、または方向を制御するように構成される。これは、患者の身体の内部、外部、部分的に内部、または部分的に外部に配置され得る受信機(図示せず)によって検出および測定され得る固有の電磁署名を生成する。
【0163】
加えて、電気絶縁要素215、217が第1の材料214と第2の材料216との間に配置されてもよく、枠組み212に関連付けられてもよく、たとえば、それに固定されてもよい。電気絶縁要素215、217の様々な形状および構成は、本開示の範囲内であると考えられる。たとえば、システム210は、電気絶縁要素215、217によって完全にまたは部分的に囲まれてもよく、電気絶縁要素215、217は、システム210の中心軸に沿って、または中心軸に対して中心を外れて配置されてもよい。したがって、本明細書で特許請求される本開示の範囲は、非導電性膜215、217の形状またはサイズによって限定されない。さらに、他の態様では、第1および第2の異種材料214、216は、第1の材料214と第2の材料216との間の任意の画定された領域内に配置された1つの膜によって分離されてもよい。
【0164】
様々な態様では、インダクタ401は、所定の数の巻線を含んでもよく、枠組み212または制御デバイス218を有する集積回路であってもよい。インダクタ401の巻線は、枠組み212もしくは制御デバイス218のいずれかの基板上に形成されてもよく、または、摂取可能な識別子210上に配置された第1の材料214と第2の材料216との間に挟まれた電気絶縁要素215、217上に印刷されてもよい。他の態様では、インダクタ401は、電気絶縁要素215、217または集積制御デバイス218のいずれかの上に導電性可消化材料を使用して印刷されてもよい。別の態様では、摂取可能な識別子制御デバイス218に結合された別個の集積回路としてインダクタ巻線が追加されてもよい。
【0165】
摂取可能な識別子210によって生成された伝導電流は、たとえば、シングルエンド型インダクタ420およびドライバ回路500の配置を示す
図21、
図21A、ならびにプッシュプルHブリッジインダクタ504およびドライバ回路の配置502を示す
図22、
図22Aに示すように、スイッチまたはスイッチングマトリックスを経てスイッチ400によってインダクタ401を経由されてもよい。
図5に戻って参照し、システム210は、たとえば、約100kHz〜約1MHzのような様々な周波数において動作するように構成されてもよく、それは、送信機インダクタおよび受信機インダクタ・アンテナのサイズを縮小する機会を提供する場合がある。上限周波数は、個人102の身体(
図1)が電磁エネルギーを吸収し始める閾値によって検出されてもよい。そのような上限周波数閾値は、制限なしに、約400MHz。
【0166】
図6は、電子制御デバイス228の枠組み222に適用された第1の材料224(金属1)と第2の材料226(金属2)とを含む摂取可能な識別子220を示す。制御デバイス228の出力は、電磁場を生成するようにインダクタ401を通って流れる電流を制御する固体半導体スイッチ400に結合される。この構成は、イオン性溶液に曝露されると第1の材料224(金属1)および第2の材料226(金属2)によって作成されるバッテリを提供する。バッテリは、インダクタ401に切り替えられる電流を制御することによって発振周波数を作成する制御デバイス228を駆動する。振動電流は、スイッチ400が閉じられているときにインダクタ401を通って流れ、RF電磁信号を生成する。RF電磁信号は、個人の身体を通って伝播され、電磁信号検出機構を有する外部または内部の受信機デバイスによって検出され得る。ブロードキャストが十分に高いエネルギーにおいて提供される場合、患者によって装着されているポケットベルのようなデバイスが、錠剤が摂取されたときはいつでも検出することになる。
【0167】
図6に示すシステム220の枠組み222は、
図5に示すシステム210の枠組み212と同様である。システム220のこの態様では、消化可能または溶解可能な材料224が枠組み222の一方の側面の一部の上に堆積される。枠組み222の同じ側面の異なる部分において、2つの材料224、226が異種であるように、別の消化可能または溶解可能な材料226が堆積される。より具体的には、第1および第2の材料224、226は、それらが体液のような導電性液体と接触しているときに電位差を生じるように選択される。
【0168】
制御デバイス228は、枠組み222に固定され、異種材料224、226に電気的に結合される。制御デバイス228は、材料224と材料226との間のコンダクタンス経路の一部を制御することができる電子回路を含む。異種材料224、226は、非導電性(電気絶縁性)要素229によって分離される。電気絶縁性要素229の様々な例が、2010年4月27日に出願された「HIGHLY RELIABLE INGESTIBLE EVENT MARKERS AND METHODS OF USING SAME」と題する米国特許第8,545,402号および2008年9月25日に出願された「IN−BODY DEVICE WITH VIRTUAL DIPOLE SIGNAL AMPLIFICATION」と題する米国特許第8,961,412号において開示されており、各々の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0169】
制御デバイス228が活性化または起動されると、制御デバイス228は、異種材料224、226間のコンダクタンスを変更することができる。したがって、制御デバイス228は、システム220を囲む導電性液を通る電流の大きさを制御することができる。システム210に関して上記で示したように、システム220の活性化をマークするために、システム220に関連付けられた固有の電流署名が受信機(図示せず)によって検出され得る。電流経路の「長さ」を増加させるために、電気絶縁性膜229のサイズが変更される。電流経路が長いほど、受信機が電流を検出しやすくなる。
【0170】
様々な態様では、以下により詳細に説明するように、システム220は、電磁場を発生させるために送信インダクタ401を備えてもよい。インダクタ401は、所定の数の巻線を含んでもよく、摂取可能な識別子210の制御デバイス228と一体化されてもよい。別の態様では、インダクタ巻線は、電極224、226間に挟まれた電気絶縁性膜229上に印刷されてもよい。インダクタ401は、電気絶縁性膜229上に導電性可消化材料を使用して印刷されてもよく、または制御デバイス228と一体化されてもよい。別の態様では、インダクタ巻線は、摂取可能な識別子制御デバイス228に結合された別個の集積回路として追加されてもよい。摂取可能な識別子220によって生成された伝導電流は、電流がシステム220のバッテリ回路に経路指定される前に、スイッチ400によってインダクタ401を経由されてもよい。システム220は、たとえば、約100kHz〜約1MHzのような様々な周波数において動作するように構成されてもよく、それは、送信機インダクタ401および受信機インダクタ・アンテナのサイズを縮小する機会を提供する場合がある。上限周波数は、個人102の身体(
図1)が電磁エネルギーを吸収し始める閾値によって検出されてもよい。そのような上限周波数閾値は、制限なしに、約400MHz。
【0171】
図7は、本開示の一態様による、活性化状態にあり、導電性液体と接触している
図5に示すシステム210を示す。システム210は、接地接点232を介して接地される。システム210は、
図9に関してより詳細に説明されるセンサ構成要素254も含む。イオン経路または電流経路230は、システム210と接触している導電性流体を介して第1の材料214と第2の材料216との間に確立される。第1の異種材料214と第2の異種材料216との間に作成される電位は、第1および第2の異種材料214、216と導電性流体との間の化学反応によって作成される。
【0172】
図7Aは、本開示の一態様による、第1の材料214の表面の分解図を示す。第1の材料214の表面は、平坦ではなく、むしろ、図示のように不規則な表面234を有する。不規則な表面234は、材料の表面積、したがって、導電性流体と接触する面積を増加させる。
図7に示す第2の材料216も不規則な表面を有してもよいことが理解されよう。
【0173】
一態様では、第1の材料214の表面において、質量が導電性流体に放出されるように、第1の材料214と周囲の導電性流体との間に化学反応が存在する。本明細書で使用される「質量」という用語は、物質を形成する陽子および中性子を指す。一例は、材料がCuClである瞬間を含み、導電性流体と接触しているとき、CuClは、Cu(固体)および溶液中のClになる。導電性流体へのイオンの流れは、イオン経路230によって示される。同様に、第2の材料216と周囲の導電性流体と間に化学反応が存在し、イオンが第2の材料216によって捕捉される。第2の材料214におけるイオンの放出、および第2の材料216によるイオンの捕捉は、まとめてイオン交換と呼ばれる。イオン交換の速度、したがって、イオン放出速度または流れは、制御デバイス218によって制御される。制御デバイス218は、コンダクタンスを変更することによってイオンの流れの速度を増加または減少させることができ、それは、第1および第2の異種材料214、216間のインピーダンスを変更する。イオン交換を制御することによって、システム210は、イオン交換プロセスにおいて情報を符号化することができる。したがって、システム210は、イオン交換において情報を符号化するためにイオン放出を使用する。
【0174】
制御デバイス218は、周波数が変調され、振幅が一定である場合と同様に、一定のイオン交換速度または電流の流れの大きさの持続時間を、速度または大きさをほぼ一定に保ちながら変化させることができる。また、制御デバイス218は、持続時間をほぼ一定に保ちながらイオン交換速度または電流の流れの大きさのレベルを変更することができる。したがって、持続時間の変化と速度または振幅の変更の様々な組合せを使用し、制御デバイス218は、電流の流れまたはイオン交換において情報を符号化する。たとえば、制御デバイス218は、限定はしないが、以下の技法、すなわち、二位相偏移変調(PSK)、周波数変調、振幅変調、オンオフ変調、およびオンオフ変調を伴うPSKのうちのいずれかを使用してもよい。
【0175】
上記で示したように、
図5および
図6のシステム210、220のような本明細書で開示される様々な態様は、それぞれ、システム210の制御デバイス218またはシステム220の制御デバイス228の一部として電子構成要素を含む。存在し得る構成要素は、限定はしないが、論理および/またはメモリ要素、集積回路、インダクタ、抵抗器、様々なパラメータを測定するためのセンサ、インダクタ400、共振回路、ならびにインダクタおよび/または共振回路を駆動するためのドライバ回路を含む。各構成要素は、枠組みおよび/または別の構成要素に固定されてもよい。支持体の表面上の構成要素は、任意の都合のよい構成で展開されてもよい。2つ以上の構成要素が固体支持体の表面上に存在する場合、相互接続部が設けられてもよい。
【0176】
ここで
図8を参照すると、システム260は、本開示の一態様による、実行されている特定のタイプの感知機能に従って選択される第3の材料219に接続されたpHセンサ構成要素256を含む。pHセンサ構成要素256は、制御デバイス218に接続もされる。第3の材料219は、非導電性バリア235によって第1の材料214から電気的に絶縁される。一態様では、第3の材料219は、プラチナである。動作中、pHセンサ構成要素256は、第1の異種材料214と第2の異種材料216と間の電位差を使用する。pHセンサ構成要素256は、第1の材料214と第3の材料219との間の電位差を測定し、後の比較のためにその値を記録する。pHセンサ構成要素256はまた、第3の材料219と第2の材料216との間の電位差を測定し、後の比較のためにその値を記録する。pHセンサ構成要素256は、電位値を使用して周囲の環境のpHレベルを計算する。pHセンサ構成要素256は、その情報を制御デバイス218に提供する。制御デバイス218は、スイッチ400に結合され、電磁場を発生させるためにインダクタ401を通る電流の流れを制御する。一態様では、電磁場は、イオン移動においてpHレベルに関連する情報を符号化してもよく、それは、受信機(図示せず)によって検出され得る。したがって、システム260は、pHレベルに関連する情報を決定し、環境の外部のソースに提供することができる。
【0177】
図9は、本開示の一態様による、制御デバイス218のブロック図表現を示す。制御デバイス218は、制御構成要素242と、カウンタまたはクロック244と、メモリ246とを含む。加えて、制御デバイス218は、センサ構成要素252、ならびに
図7で最初に参照されていたセンサ構成要素254を含むように示されている。制御構成要素242は、第1の材料214に電気的に結合された入力248と、第2の材料216に電気的に結合された出力250とを有する。制御構成要素242、クロック244、メモリ246、およびセンサ構成要素252/254は、電力入力(いくつかは図示せず)も有する。これらの構成要素の各々のための電力は、システム210(
図1および
図7)が導電性流体に接触しているときに、第1および第2の材料214、216と導電性流体との間の化学反応によって生じる電位によって供給される。制御構成要素242は、システム210の全体のインピーダンスを変更する論理を通してコンダクタンスを制御する。制御構成要素242は、クロック244に電気的に結合される。クロック244は、制御構成要素242にクロックサイクルを提供する。制御構成要素242のプログラムされた特性に基づいて、設定された数のクロックサイクルが経過すると、制御構成要素242は、電磁場において情報を符号化するために、インダクタ401(
図5、
図7、
図8)を通る電流の流れを制御するために、スイッチ400(
図5、
図7、
図8)のコンダクタンスを変更する。このサイクルは、繰り返され、それによって、制御デバイス218は、固有の電流署名特性を生成する。制御デバイス218は、メモリ246にも電気的に結合される。クロック244とメモリ246の両方は、第1の材料214と第2の材料216との間に作成される電位によって給電される。
【0178】
制御構成要素242は、第1および第2のセンサ構成要素252、254にも電気的に結合され、それらと通信する。図示の態様では、第1のセンサ構成要素252は、制御デバイス218の一部であり、第2のセンサ構成要素254は、別個の構成要素である。代替の態様では、第1および第2のセンサ構成要素252、254のいずれか一方は、他方なしで使用され得、本開示の範囲は、センサ構成要素252または254の構造的または機能的位置によって限定されない。代替的には、システム210の任意の構成要素は、特許請求された本開示の範囲を限定することなく、機能的または構造的に移動、結合、または再配置されてもよい。したがって、以下の構成要素、すなわち、制御構成要素242、クロック244、メモリ246、およびセンサ構成要素252または254のすべての機能を実行するように設計された単一の構造、たとえば、プロセッサを有することが可能である。一方、電気的にリンクされ通信することができる独立した構造内にこれらの機能的構成要素の各々を配置することも本開示の範囲内である。
【0179】
再び
図9を参照すると、センサ構成要素252、254は、以下のセンサ、すなわち、温度、圧力、pHレベル、および導電率のうちのいずれかを含むことができる。陽極および陰極の測定を独立して可能にするための参照電極として追加のノードが構成されてもよい。一態様では、センサ構成要素252、254は、環境から情報を収集し、アナログ情報を制御構成要素242に通信する。制御構成要素は、次いで、アナログ情報をデジタル情報に変換し、デジタル情報は、電磁場において符号化される。別の態様では、センサ構成要素252、254は、環境から情報を収集し、アナログ情報をデジタル情報に変換し、次いで、デジタル情報を制御構成要素242に通信する。
図9に示す態様では、センサ構成要素254は、第1および第2の異種材料214、216ならびに制御デバイス218に電気的に結合されているように示されている。別の態様では、
図9に示すように、センサ構成要素254は、センサ構成要素254への電力供給源と、センサ構成要素254と制御デバイス218との間の通信チャネルの両方として作用する異なる接続点において制御デバイス218に電気的に結合される。
【0180】
上記で示したように、制御デバイス218は、予め規定された電磁符号化信号を出力するように予めプログラムされ得る。別の態様では、システムは、システムが活性化されたときにプログラミング情報を受信することができる受信機システムを含むことができる。図示されていない別の態様では、スイッチ244およびメモリ246は、1つのデバイスに組み合わされ得る。
【0181】
上記の構成要素に加えて、システム210(
図5および
図7)はまた、1つまたは他の電気または電子構成要素を含んでもよい。対象の電気または電子構成要素は、限定はしないが、たとえば、集積回路の形態の追加の論理および/またはメモリ要素と、電力調整要素、たとえば、バッテリ、燃料電池、またはキャパシタと、センサ、刺激装置などと、たとえば、アンテナ、電極、インダクタなどの形態の信号伝送要素と、受動要素、たとえば、インダクタ、抵抗器などとを含む。
【0182】
図10は、本開示の一態様による、インダクタ402を備える第1の構成要素403を示す。第1の構成要素403は、集積回路404の上部に陰極層(図示せず)を有する集積回路404に関連して構成される。集積回路404の構成要素は、たとえば、
図12および
図13に示す摂取可能な識別子270のような摂取可能な識別子と関連付けられる。
図10に戻ると、集積回路404の構成要素は、第1の側面上の陰極(図示せず)と第2の側面上の陽極(図示せず)とを有して、たとえば、一辺が100マイクロメートル〜5ミリメートル、たとえば、1ミリメートルのような、一辺が10マイクロメートルと10ミリメートルとの間である。インダクタ402は、金属のパターン化された層を集積回路404上に堆積、エッチング、または印刷することによって形成されてもよい。インダクタ402は、多巻き渦巻きパターン化設計を画定する金属の密なパターンを含んでもよい。金属層は、単一の渦巻きスリットカットのようなスリットカットをその中に有する。他の態様では、インダクタ402は、制限なしに、ソレノイド、またはフェライトを有するソレノイドであってもよい。インダクタ402は、インダクタ402の内部で振動する電気信号を生成するための、ドライバ回路に結合された共振回路の構成要素である。
【0183】
図11は、本開示の一態様による、インダクタ408を備える第2の構成要素406を示す。第2の構成要素406は、集積回路(集積回路または可撓性電極)に関連して構成される。集積回路410は、第1の側面上の陰極(図示せず)と第2の側面上の陽極(図示せず)とを有して、たとえば、一辺が100マイクロメートル〜5ミリメートル、たとえば、1ミリメートルのような、一辺が10マイクロメートルと10ミリメートルとの間である。集積回路410は、電流を変調することによって導電性伝達が生成される非導電性膜412に埋め込まれる。インダクタ408は、集積回路410の周囲に沿って通り、すなわち、それに関連付けられる。インダクタ408は、たとえば、多巻き/多層コイルを含む。一態様では、インダクタ408は、比較的小さい。様々な態様では、範囲を拡張するために、インダクタ408の上に絶縁層(図示せず)が導入される。たとえば、絶縁層は、インダクタ408の上に数百ミクロンのプラスチックを含む。
【0184】
図10および
図11を参照し、様々な態様では、インダクタ402、408は、ライフサイクルファルマ情報科学システムに関連する任意のパターンおよび/または位置に従って構成されてもよい。パターンは、たとえば、渦巻き、短い不規則な曲線、曲線、多重ターン、直線、湾曲状、単層、多層、ならびに他の設計および設計の組合せを含む。
【0185】
図12は、本開示の一態様による、インダクタ420を含む摂取可能な識別子270を示す。
図12では、摂取可能な識別子270は、集積回路272と非導電性膜274(たとえば、スカート、電気絶縁要素)とを含む。集積回路272は、導電性通信構成要素とインダクタ420の両方を含む。
【0186】
図13は、
図12に示す摂取可能な識別子270の側面断面図である。摂取可能な識別子270集積回路272(本明細書では識別子とも呼ばれる)ならびに上部および下部電極276、278、ここで、上部および下部電極276、278は、異種材料から製造され、胃液との接触時に、回路内の1つまたは複数の機能ブロックに検出可能な信号を放出させるように電流が集積回路272を通って流れるように構成される。摂取可能な識別子270は、先に論じたように、非導電性膜274(本明細書ではときには「スカート」または電気絶縁要素と呼ばれる)を含む。摂取可能な識別子270は、図示のように、電極276のうちの1つの上に形成されたインダクタ420要素を含む。
【0187】
摂取可能な識別子270は、インダクタ420構成要素によって生成された電磁場を受信するように構成された受信機と併せて使用されてもよい。取り付け可能な医療デバイスの一例は、身体に恒久的に関連付けられた(体内に埋め込まれるなど)、または身体の外部の部分に着脱可能な送信機/受信機である。摂取可能な識別子270は、送信および/または受信デバイスと通信可能に関連付けられ得る。送信/受信デバイスは、体内デバイスと、身体に着脱可能または恒久的に取り付け可能な外部デバイスと、遠隔デバイス、すなわち、身体と物理的に関連付けられていないが、摂取可能なイベント・マーカと通信することができるデバイスとを含む。対象の受信機について、たとえば、
図3、
図47、
図49、および
図50〜
図55に関連して以下で詳細に論じる。
【0188】
通信対応錠剤およびパッケージングを含むデバイスおよびシステムの様々な態様は、摂取可能な識別子270およびその任意の薬品(存在する場合)の識別を可能にする。以下で使用される「錠剤」は、任意の通信対応薬品を表す。摂取可能な識別子270のパッケージングは、たとえば、(錠剤または限られた数の錠剤もしくはカプセルのような)個々の摂取可能な識別子を収容することができる「ブリスター」パックを含む。摂取可能な識別子270のパッケージングは、薬品に関連する容器、箱、ラッピング、IVバッグなどをさらに含む。
【0189】
様々な態様では、通信構成要素は、錠剤に対して主権であり得る。他の態様では、通信構成要素は、分散され得、たとえば、パッケージング、ならびに錠剤またはカプセルのような摂取可能な構成要素に物理的に関連付けられ得る。
【0190】
摂取可能な識別子270が患者の環境に到達すると、摂取可能な識別子270に関連する情報は、様々な目的に使用され得る。たとえば、摂取可能な識別子270は、摂取可能な識別子の容器を開けようとする人が実際に処方されている人であることを保証するために、摂取可能な識別子270の容器および受信機と相互運用してもよい。さらなる通信活動は、たとえば、適切な投薬量および時間、または他のイベントおよび/もしくは条件を仮定して、薬品が禁忌であるかどうかを決定するために、摂取可能な識別子270に関連する投薬情報が1つまたは複数のソースから受信された患者情報と比較される情報制御システムを含む。
【0191】
患者の摂取後、摂取可能な識別子270によって記憶された情報は、通信構成要素のうちの1つまたは複数から回復されてもよい。たとえば、通信機能は、たとえば、受信機を使用して、電磁場通信構成要素を介して摂取後に実行され得る。データは、摂取可能な識別子270内に記憶され、各トランザクションにおいてセキュアデジタル署名を用いて再プログラムされ得る。
【0192】
摂取可能な識別子270の患者排除が行われたとき、様々な態様は、たとえば、患者もしくは薬品に関連するデータ、または身体を通る通過時間を決定するために、センサのようなデバイスとの通信を可能にする。代替的には、様々な態様では、データは、排除後のプライバシーの懸念を保護するために消去される(または、データに関連する様々な構成要素/サブ構成要素が破壊されるか、またはシステムから分離される)。
【0193】
図1〜
図13に関連して一般的なレベルで電磁的な摂取可能な識別子感知および検出システムを説明したが、本開示はここで、(1)低インピーダンスインダクタを備える摂取可能な識別子インパルス回路およびドライバ回路と、(2)組み合わされた摂取可能な識別子およびインダクタ共振回路と、(3)インパルス通信システムおよびプロトコルと、(4)摂取可能な識別子によって送信された電磁信号を受信するための様々な受信機構成とを含む、電磁的な摂取可能な識別子感知および検出システムの特定の実装形態に向かう。
【0194】
図14〜
図18は、本開示の様々な態様による、電磁的な摂取可能な識別子感知および検出システムの様々な構成を示す。
図14〜
図18に示す摂取可能な識別子の各々は、本開示の様々な態様による、電磁的な摂取可能な識別子感知および検出システムの送信構成要素として用いられ得る。
【0195】
図14は、本開示の一態様による、
図4Aおよび
図4Bに示す摂取可能な識別子200の一態様を示す。摂取可能な識別子200は、集積回路202と、集積回路202上に設けられた異種材料204と206(
図4A)との間に配置された非導電性膜208とを備える。本明細書で説明するように、異種材料204、206は、摂取可能な識別子200が導電性流体中に浸されているとき、電力を提供するための電位を生成する。一態様では、
図14に示す摂取可能な識別子200は、
図5〜
図9に関連して説明した方法で構成されてもよい。言い換えれば、摂取可能な識別子200は、
図1および
図2に示す個人の身体の中で符号化信号を生成することによって、本明細書で説明するように電磁場に基づく感知および検出システムにおいて用いられ得る。
【0196】
図15は、本開示の一態様による、
図12〜
図13に示す摂取可能な識別子270の一態様を示す。摂取可能な識別子270は、集積回路272と、非導電性膜274と、集積回路272上に設けられたインダクタ420とを備える。本明細書で説明するように、異種材料274、276(
図13)は、摂取可能な識別子270が導電性流体中に浸されているとき、集積回路272に給電するための電位を生成する。一態様では、摂取可能な識別子272は、
図12〜
図13に関連して説明した方法で構成されてもよい。
【0197】
図15に戻って参照すると、インダクタ420は、制限なしに、たとえば、
図10および
図11に示すようにパターン化されてもよい。インダクタ420は、共振回路の構成要素であり、集積回路272のドライバ回路構成要素によって駆動される。駆動された共振回路は、個人の外部の受信機によって検出され得る電磁信号を生成する。
【0198】
一態様では、摂取可能な識別子270は、一般に、半導体製造プロセスにおいて形成された単一のSi材料片からなる。したがって、集積回路272を製作するために使用される半導体製造プロセスで用いられる金属は、摂取可能な識別子270およびインダクタ420を制作するために用いられ得る。したがって、インダクタ420とキャパシタとを備える共振回路は、半導体製造プロセス中に集積回路272上に形成され得る。
【0199】
インダクタ420は、様々な技法を使用して摂取可能な識別子270の集積回路272上に形成され得る。一態様では、インダクタ420は、(1)集積回路272の底部から集積回路272の上部までの渦巻きとして形成され得、ここで、異なる層は、ビアを介して相互接続される。別の態様では、インダクタ420は、(2)集積回路272の外側部分から内側部分までの集積回路272の1つの側面上の第1の金属層として形成され得、第2の金属層が第1の金属層の上部に形成される。インダクタ420は、4つの積層されたインダクタ層と、インダクタ420を駆動するための8つの異なるノードとを備えてもよい。別の態様では、インダクタ420は、(3)信号中の任意の寄生的劣化を整合させるために中央タップを有する2つの別々のインダクタとして形成され得る。
【0200】
図16は、本開示の一態様による、集積回路282と、別個の基板440上に形成された別個のインダクタ430構成要素とを備える摂取可能な識別子280を示す。したがって、摂取可能な識別子280は、後で相互接続される2つの別々の基板として2つの別々のプロセスにおいて製造され得る。一態様では、摂取可能な識別子280は、集積回路282と、集積受動デバイス(IPD)構成要素450と、オプションで非導電性膜288とを備える。IPD構成要素450は、集積回路282と一体化された受動デバイスである。集積回路282は、導電性流体と接触しているときに電位を生成するようにその上に設けられた異種材料を備え、
図4A〜
図4Bおよび
図5〜
図9に関連して説明したように、電位は、集積回路282を起動する。非導電性膜288は、異種材料間の電流の流れの経路を拡張するために異種材料間に挟まれてもよい。IPD構成要素450上のインダクタ430は、別個の基板440上に形成され、集積回路282の出力に電気的に結合される。
【0201】
集積回路282は、単一のSiウェハ基板284上に第1の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)プロセスを使用して製造されてもよい。インダクタ420およびキャパシタは、IPD構成要素450を製造するために第2のウェハ基板440上に第2のプロセスを使用して製造されてもよい。IPD構成要素450は、第2の集積回路(IC)ダイ基板440上にインダクタ430を構築するための高品質金属を用いることができる。摂取可能な識別子280の集積回路282部分、およびIPD構成要素450は、次いで、必要ならば、堆積、穿孔などのような追加のプロセスを用いて一緒に積層され得る。プロセスは、2つの別々のウェハ基板284、440から単一の半導体(たとえば、Si)をもたらす。2つの別々の半導体基板284、440は、たとえば、分子結合のような様々な技法を使用して化合または結合され得る。オプションの非導電性膜288が用いられる場合、集積回路282は、非導電性膜288(たとえば、スカート)上に配置され得る。別の態様では、インダクタ430を実装するために再分配層(RDL)が用いられてもよい。別の態様では、インダクタは、半導体基板ではなくガラス基板上に形成されてもよい。
【0202】
図17は、本開示の一態様による、非導電性膜294上に形成されたインダクタ460を備える摂取可能な識別子290を示す。摂取可能な識別子290は、集積回路292と、非導電性膜294と、非導電性膜294上に形成されたインダクタ460とを備える。集積回路292は、
図4A〜
図4Bおよび
図5〜
図9に関連して説明したように、導電性流体と接触しているときに電位を生成し、流体中に伝導電流を生成するために、その上に形成された異種材料を備える。非導電性膜294は、電流の流れの経路を拡張するために異種材料間に挟まれる。インダクタ460は、堆積、印刷などのような様々なプロセスを使用して非導電性膜294上に製造されてもよい。インダクタ460は、集積回路292に電気的に結合される。
【0203】
図18は、本開示の一態様による、異種材料274、276が集積回路272上に堆積された後に異種材料274、276(
図13)の一方または両方の上に形成されたインダクタ470を備える摂取可能な識別子295を示す。共振回路のキャパシタ部分は、半導体製造プロセス中またはその後のいずれかに形成され得る。一態様では、別々の半導体ウェハは、互いに結合され、Siビアプロセスを介して摂取可能な識別子の異種材料(たとえば、MgおよびCuCl)に接続され、銅(Cu)金属を充填され得る。プロセスは、ダイの片側または両側に対して実行され、次いで、個々の構成要素を製造するために個別化される。
【0204】
図19は、本開示の一態様による、インダクタ420とシングルエンド型インダクタ・ドライバ回路500とを備える摂取可能な識別子270の概略図である。シングルエンド型ドライバ回路500は、インダクタ420を駆動するように構成される。ドライバ回路500は、導電性流体中に浸された、
図12〜
図13に関連して本明細書で先に論じたように異種材料274、276によって形成された部分的バッテリ501によって給電される。制御デバイス422は、インダクタ420と直列に接続されたスイッチSWを制御する。スイッチSWは、入力端子424と、出力端子426と、制御端子428とを備える。制御デバイス422は、スイッチSWの動作を制御するためにスイッチSWの制御端子428に結合される。たとえば、制御デバイス422は、インダクタ420を通るRF振動電流を生成するためにスイッチSWを開閉するように構成され得、それは、RF電磁信号を生成する。スイッチSWは、符号化RF電磁信号を生成するために、予め定義された方法で開閉され得る。RF電磁信号は、身体組織を介して送信され得る。RF電磁信号は、磁気信号検出機構を有する外部または内部受信機デバイスによって検出され得る。
【0205】
図20は、本開示の一態様による、インダクタ420とプッシュプルHブリッジ504型インダクタ・ドライバ回路502とを備える摂取可能な識別子271の概略図である。プッシュプル・ブリッジ504型インダクタ・ドライバ回路502は、インダクタ420を駆動するように構成される。ドライバ回路502は、導電性流体中に浸された、
図12〜
図13に関連して本明細書で先に論じたように異種材料274、276によって形成された部分的バッテリ501によって給電される。インダクタ420は、フローティング構成における少なくとも4つのスイッチSW1、SW2、SW3、SW4を備えるHブリッジ504の2つのノード間に接続される。スイッチSW1、SW2、SW3、SW4の各々は、入力端子と、出力端子と、制御端子とを備える。制御デバイス430は、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4のコンダクタンスを制御するために、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4の各々の制御端子に結合される。たとえば、制御デバイスは、インダクタ420を通る振動電流を生成するために、予め定義された方法でスイッチSW1、SW2、SW3、SW4を開閉するように構成され、それは、符号化RF磁気信号を生成する。一態様では、Hブリッジ504内のスイッチのうちの2つSW1、SW2は、インダクタ420を介して電流(i)
1を伝導させるために一度に閉じられ、他の2つのスイッチSW3、SW4は、開いたままである。次いで、Hブリッジ504内のスイッチのうちの2つSW3、SW4は、インダクタ420を介して電流(i)
2を伝導させるために一度に閉じられ、他の2つのスイッチSW1、SW2は、開いたままである。スイッチの対(SW1、SW2)および(SW3、SW4)は、インダクタ420を介して電流(i)
1および(i)
2を交互に伝導させるために、部分的バッテリ501の正端子と戻り端子との間でインダクタ420を交互に接続する。
【0206】
制御デバイス430は、半サイクルの間スイッチのうちの2つをインダクタ420と直列に接続するようにスイッチSW1、SW2、SW3、SW4を動作させる。したがって、制御デバイス430は、バッテリ501に対して一定の負荷をかけながら、信号を2倍にするために、インダクタ420をサイクルごとに2回駆動する。たとえば、一態様では、制御デバイスは、第1の位相φ
1においてスイッチのうちの2つSW1、SW2を動作させ、第2の位相φ
2において他の2つのスイッチSW3、SW4を動作させ、ここで、第1の位相φ
1は、第2の位相φ
2と180°位相がずれている。したがって、サイクルの第1の半分の間、インダクタ420を通る第1の電流(i)
1を生成するために、スイッチSW1、SW2は閉じられ、スイッチSW3、SW4は開かれる。サイクルの第2の半分の間、第1の電流(i)
1と反対方向にインダクタ420を通る第2の電流(i)
2とを生成するために、スイッチSW3、SW4は閉じられ、スイッチSW1、SW2は開かれる。1サイクルにおいて、インダクタ420は、出力信号を2倍にするためにi
1およびi
2によって駆動される。したがって、スイッチの対SW1、SW4およびSW2、SW3が制御デバイスによってオンおよびオフに循環されると、インダクタ420を通る符号化振動電流が生成され、それは次に、身体組織を介して送信され得るRF電磁信号を生成する。RF電磁信号は、電磁信号検出機構を有する外部または内部受信機デバイスによって検出され得る。
【0207】
図21は、本開示の一態様による、インダクタ420とシングルエンド型インダクタ・ドライバ回路422とを備える摂取可能な識別子270の概略図である。シングルエンド型ドライバ回路422は、インダクタ420を駆動するように構成される。ドライバ回路422は、
図12〜
図13に関連して先に論じたように、導電性流体中に浸された異種材料274、276を電気的に結合することによって形成された部分的バッテリによって給電される。
図21に示すように、摂取可能な識別子270のバッテリ部分は、制御デバイス506に印加される電力がインダクタ420に印加される電力から絶縁されるように分割される。スイッチSWは、入力端子507と、出力端子509と、制御端子511とを備える。制御デバイス506は、スイッチSWのコンダクタンスを制御するためにスイッチSWの制御端子511に結合されたシングルエンド型ドライバ回路422に結合される。制御デバイス506の制御の下で、シングルエンド型ドライバ回路422は、インダクタ420と直列に接続されたスイッチSWを動作させる。スイッチSWは、インダクタ420を通る符号化振動電流を生成するために制御デバイス506によって開閉され、それは、RF電磁信号を生成する。RF電磁信号は、ほとんどまたはまったく減衰せずに、身体組織を介して送信され得る。RF磁気信号は、磁気信号検出機構を有する外部または内部受信機デバイスによって検出され得る。
【0208】
図21Aは、本開示の一態様による、インダクタ420とシングルエンド型インダクタ・ドライバ回路422とを備える摂取可能な識別子270Aの概略図であり、ここで、第1の金属層274は2つの領域に分割され、第2の金属層276は2つの領域に分割される。
【0209】
図22は、本開示の一態様による、インダクタ420とプッシュプルHブリッジ504型インジケータドライバ回路502とを備える摂取可能な識別子271の概略図である。プッシュプル・ブリッジ504型インジケータドライバ回路430は、インダクタ420を駆動するように構成される。ドライバ回路430は、
図12〜
図13に関連して先に論じたように、導電性流体中に浸された異種材料274、276によって形成された部分的バッテリによって給電される。
図22に示すように、摂取可能な識別子270のバッテリ部分は、制御デバイス506に印加される電力がインダクタ420に印加される電力から絶縁されるように分割される。インダクタ420は、フローティング構成における少なくとも4つのスイッチSW1、SW2、SW3、SW4を備えるHブリッジ504の2つのノード間に接続される。一態様では、Hブリッジ504内のスイッチのうちの2つは、電流がインダクタ420を通って流れることを可能にするために一度に閉じられ、同時に他の2つのスイッチは、開いたままであり、インダクタ420をバッテリの正端子と戻り端子との間で交互に接続する。スイッチSW1、SW2、SW3、SW4の各々は、入力端子と、出力端子と、制御端子とを備える。制御デバイス506は、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4のコンダクタンスを制御するためにスイッチSW1、SW2、SW3、SW4の制御端子に結合されるプッシュプル・ブリッジ504型インダクタ・ドライバ回路502に結合される。
【0210】
制御デバイス506の制御の下で、プッシュプル・ブリッジ504型インダクタ・ドライバ回路430は、半サイクルの間スイッチのうちの2つをインダクタ420と直列に接続するようにスイッチSW1、SW2、SW3、SW4を動作させる。したがって、インダクタ420は、バッテリ501に対して一定の負荷をかけながら信号を2倍にするために、サイクルごとに2回駆動される。たとえば、一態様では、ドライバ回路430は、第1の位相φ
1においてスイッチのうちの2つSW1、SW2を動作させ、第2の位相φ
2において他の2つのスイッチSW3、SW4を動作させ、ここで、第1の位相φ
1は、第2の位相φ
2と180°位相がずれている。したがって、サイクルの第1の半分の間、インダクタ420を通る第1の電流(i)
1を生成するために、スイッチSW1およびSW2は閉じられ、スイッチSW3およびSW4は開かれる。サイクルの第2の半分の間、第1の電流(i)
1と反対方向にインダクタ420を通る第2の電流(i)
2とを生成するために、スイッチSW3およびSW4は閉じられ、スイッチSW1およびSW2は開かれる。したがって、1サイクルにおいて、インダクタ420は、出力信号を2倍にするためにi
1およびi
2によって駆動される。したがって、スイッチの対(SW1、SW4)および(SW2、SW3)が制御デバイス430によってオンおよびオフに循環されると、インダクタ420を通る符号化振動電流が生成され、それは次に、ほとんどまたはまったく減衰せずに身体組織を介して送信され得るRF電磁信号を生成する。RF電磁信号は、電磁信号検出機構を有する外部または内部受信機デバイスによって検出され得る。
【0211】
図19〜
図22に関連して説明したスイッチSW1、SW2、SW3、SW4は、たとえば、トランジスタ、電界効果トランジスタ(FET)、金属酸化膜半導体FET(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ、およびそれらの任意の適切な等価物を含む、半導体スイッチング素子のような固体電子スイッチング素子として実装されてもよい。
【0212】
図22Aは、本開示の一態様による、インダクタ420とプッシュプルHブリッジ型インダクタ・ドライバ回路430とを備える摂取可能な識別子271Aの概略図であり、ここで、第1の金属層274は2つの領域に分割され、第2の金属層276は2つの領域に分割される。
【0213】
図23は、本開示の一態様による、摂取可能な識別子集積回路内の誘導性素子として用いられ得る、絶縁性下部構造514上に形成された誘導性素子508またはインダクタ構造を示す。たとえば、半導体基板512の上に形成された平面型インダクタ508。
図23に示すように、そのような平面型インダクタ構造508は、典型的には、基板上の絶縁層514を介して半導体基板512の上に形成された導電性金属510のリボンまたは渦巻きを含む渦巻き構造を有する。
図23に示す従来の正方形形状のインダクタのインダクタンス値は、以下の式(1)として表され得る。
【0215】
ここで、Lは、インダクタンス(nH)であり、dは、渦巻き形状のインダクタ金属化層510の最も外側の寸法の長さ(mm)であり、pは、渦巻き形状のインダクタ金属化層510の幅(mm)であり、qは、渦巻き形状の金属化層510の2つの隣接する領域間の間隔(mm)であり、rは、p/qの比、すなわち、(p/q)である。ここで、p=qであり、上記の式は、以下の式(2)に単純化される。
【0217】
たとえば、p=q=0.05mmおよびd=0.5mmの場合、インダクタンスLは、上記の式(1)または式(2)から約2nHとして計算される。
【0218】
上記で説明した平面インダクタ508の構造は、複雑な相互接続の必要性とともにチップから離れて位置する回路要素の数を減らすことによって、回路の集積度を高める。しかしながら、近年、半導体集積回路デバイスのサイズおよび製造コストを低減するために、能動構成要素(たとえば、トランジスタ)だけでなく、受動構成要素(たとえば、インダクタおよびキャパシタ)もますます小型化されることが要求されている。したがって、上記の平面型インダクタについて、渦巻き形状の導体層510のサイズを低減することによって、小型化要求に対処する試みがなされてきた。すなわち、幅pおよび間隔qのサイズを低減することによって。
【0219】
たとえば、p=0.006mm、q=0.006mm、およびd=0.15mmの場合、インダクタンスLは、上記の式(1)から約2.5nHであると計算される。この寸法を有する渦巻き形状の金属化層または導体層510がGaAs基板上に形成されている場合、コンダクタ層510の線間容量Cは、約0.06pFに等しい。この値は、渦巻き形状の導体層510の2つの隣接する領域を同一平面上のストリップラインとして近似することによって得られる。この場の共振周波数foは、12.5GHzにほぼ等しく、ここでfoは、以下の式(3)として定義される。
【0221】
渦巻き形状のインダクタ金属化または導体層510の平面サイズを、たとえば、その元のサイズの70%に縮小するために、上記のパラメータがp=0.0024mmおよびq=0.001mmとして設計されている場合、インダクタンスLは、約2.5nHに維持され得る。しかしながら、導体510の線間容量Cは、約0.28pFまで増加し、結果として、共振周波数foは、元のサイズの場合よりも約6.5GHzだけ低い約6.0GHzまで低下する。したがって、
図23に示すインダクタ508では、渦巻き形状の導体層510の隣接する領域の間隔qが小型化のために縮小されると、線間容量Cは、増加し、共振周波数foは、減少し、したがって、最大動作可能周波数は、低下する。
【0222】
図24は、本開示の一態様による、摂取可能な識別子集積回路内の誘導性素子として用いられ得る、絶縁下部構造526、528上に形成された多層誘導性素子520またはインダクタ構造を示す。多層インダクタ構成の一例が
図24に示されている。
図24に見られるように、多層インダクタ構造520は、それぞれ渦巻きインダクタ部522、524を構成する第1および第2のレベルの金属化を用いて製造される。各インダクタ部522、524は、対応する絶縁層526、528上に形成され、中央に位置する導電性ビア530によって端部と端部とで接続される。
図23に示す平面構造508と比較すると、
図24の多層配置は、単位面積あたりのインダクタンスの大幅な増加、ならびに寸法dの減少を提供する。
【0223】
図25〜
図27は、本開示の一態様による、2層2ポートインダクタ600構成を示す。
図25に示す2層2ポートインダクタ600構成は、半導体集積回路601の2つの対応する絶縁層608、610上に形成された2つのインダクタ部602、604を備え、中央に位置する導電性ビア606によって端部と端部とで接続される。インダクタ600を他の回路要素に接続するための2つのポートA1(ポート1)、A2(ポート2)は、半導体集積回路601の上部層603上に配置される。第2のインダクタ部604の第2のポートA2は、第2の中心を外れて位置する導電性ビア607によって半導体集積回路601の上部層603に接続される。
図25〜
図27は、2層2ポートインダクタ600を示しているが、本開示は、1つまたは複数の導電性ビアによって、直列、並列、またはそれらの任意の適切な組合せで相互接続された半導体集積回路の対応する複数nの絶縁層上に形成されたnのインダクタ部を備えるn層nポートインダクタを企図し、ここで、nは、2よりも大きい任意の整数である。半導体集積回路の対応する絶縁層622、624、626、628上に形成され、中央に位置する導電性ビアによって端部と端部とで相互接続されたインダクタ部614、616、618、620を備える4層2ポートインダクタを開示する
図28〜
図30に、2つ以上の層を有する多層インダクタの例が示されている。
【0224】
図26は、本開示の一態様による、
図25に示す2層2ポートインダクタ600の図である。2層2ポートインダクタ600は、説明を明確にするために2つの別々のインダクタ部602、604として示されている。第1のインダクタ部602は、第1の絶縁層608上に形成され、第2のインダクタ部604は、半導体集積回路601の第2の絶縁層610上に形成される。第1および第2のインダクタ部602、604は、破線で示す導電性ビア606を介して直列に接続される。2つのポートA1(ポート1)、A2(ポート2)との接続が、半導体集積回路601の上部層603上に設けられる。第2のポートA2との接続は、導電性ビア607を介して設けられる。
【0225】
図27は、本開示の一態様による、
図25および
図26に示す2層2ポートインダクタ600の概略図である。第1のインダクタ部602は、L1として指定され、第2のインダクタ部604は、L2として指定される。インダクタ部L1、L2の端部B1、B2は、導電性ビア606を介して直列に接続される。インダクタ600は、2つのポートA1(ポート1)、A2(ポート2)を介して回路要素に結合されてもよい。インダクタ部602、604(L1、L2)は、半導体集積回路601の隣接する絶縁層608、610上のコイルとして形成されるので、1つのインダクタ部602を流れる電流(i)は、相互インダクタンスを介して、隣接するインダクタ部604内に電圧を誘起する。
図27に示すように、電流(i)は、第1および第2のインダクタ部602、604を通って同じ方向に流れる。
【0226】
図28〜
図30は、本開示の一態様による、4層2ポートインダクタ612構成を示す。
図28に示す4層2ポートインダクタ612構成は、本開示の一態様による、半導体集積回路611の4つの対応する絶縁層622、624、626、628上に形成され、導電性ビア630、632、634、635を介して端部と端部とで接続された4つのインダクタ部614、616、618、620を備える。半導体集積回路611の上部層613上に、インダクタ612を他の回路要素に接続するための2つのポートA1(ポート1)、A4(ポート2)が設けられる。第2のポートA4は、第4のインダクタ部620に結合され、導電性ビア634によって半導体集積回路611の上部層613に接続される。
【0227】
図29は、本開示の一態様による、
図28に示す4層2ポートインダクタ612の図である。4層2ポートインダクタ612は、説明を明確にするために4つの別々のインダクタ部614、616、618、620として示されている。インダクタ部614、616、618、620の各々は、別々の絶縁層622、624、626、628上に形成され、導電性ビア630、632、634、635を介して直列に接続される。A4(ポート2)と半導体集積回路611の上部層613との間の接続が、導電性ビア635を介して設けられる。ポートA1(ポート1)およびA2(ポート2)との接続が、半導体集積回路611の上部層613上に設けられる。
【0228】
図30は、本開示の一態様による、
図28および
図29に示す4層2ポートインダクタ612の概略図である。第1のインダクタ部614は、L1として指定され、第2のインダクタ部616は、L2として指定され、第2のインダクタ部618は、L3として指定され、第4のインダクタ部620は、L4として指定される。インダクタ部L1〜L4は、導電性ビア630、632、634を介して直列に端部と端部とで接続される。インダクタ612は、2つのポートA1(ポート1)、A4(ポート2)を介して回路要素に結合されてもよい。インダクタ部614、616、618、620(L1〜L4)は、半導体集積回路611の隣接する層622、624、626、628上にコイルとして形成されるので、1つのインダクタ部614を流れる電流(i)は、相互インダクタンスを介して、隣接するインダクタ部604などにおいて電圧を誘起する。
図30に示すように、電流(i)は、第1、第2、第3、および第4のインダクタ部614、616、618、620(L1〜L4)を通って同じ方向に流れる。
【0229】
図31〜
図33は、本開示の一態様による、n層nポートインダクタ630構成を示す。
図31に示すn層nポートインダクタ630構成は、本開示の一態様による、半導体集積回路631のnの対応する絶縁層640、642、644、646上に形成されたnのインダクタ部633、636、637、638を備える。nの別々の対応する絶縁層640、642、644、646上に形成されたnのインダクタ部633、636、637、638の各々は、その上のものの鏡像である。
図31に示すように、nのインダクタ部633、636、637、638は、相互接続されず、むしろ、nの個別のインダクタ部633、636、637、638として配置される。nのインダクタ部633、636、637、638は、2nポートA1(ポート1)、B1(ポート2)、A2(ポート3)、B2(ポート4)、A3(ポート5)、B3(ポート6)、An(ポート(2n−1))、Bn(ポート2n)によって任意の適切な方法で互いにかつ他の回路と相互接続されてもよい。
【0230】
図32は、本開示の一態様による、
図31に示すn層nポートインダクタ630の図である。n層nポートインダクタ630は、説明を明確にするために、nの別々のインダクタ部633、636、637、638として示されている。第1のインダクタ部633は、第1の絶縁層640上に形成され、第2のインダクタ部636は、第2の絶縁層642上に形成され、第3のインダクタ部637は、第3の絶縁層644上に形成され、第nのインダクタ部638は、第nの絶縁層646上に形成される。インダクタ部の各々は、その上のコイルの鏡像であるコイルを画定する。nのインダクタ部633、636、637、638は、接続されておらず、むしろ、個別に形成される。nのポート対(A1(ポート1)、B1(ポート2))、(A2(ポート3)、B2(ポート4))、(A3(ポート5)、B3(ポート6))、(An(ポート(2n−1))、Bn(ポート2n))は、個々のインダクタ部630を任意の所定の構成で回路に接続するためにnの別々の絶縁層上に設けられてもよい。
【0231】
図33は、本開示の一態様による、
図31および
図30に示すn層nポートインダクタ630の概略図である。第1のインダクタ部633は、L1として指定され、第2のインダクタ部636は、L2として指定され、第3のインダクタ部637は、L3として指定され、第nのインダクタ部638は、Lnとして指定される。
図33に示すように、インダクタ部L1〜Lnは、相互接続されず、nのポート対(A1(ポート1)、B1(ポート2))、(A2(ポート3)、B2(ポート4))、(A3(ポート5)、B3(ポート6))、(An(ポート(2n−1))、Bn(ポート2n))を介して任意の所定の構成で回路要素に個別に結合され得る。インダクタ部633、636、637、638(L1〜Ln)は、半導体集積回路631の絶縁層640、642、644、646に隣接する個々のコイルとして形成されているので、1つのインダクタ部633を流れる電流は、相互インダクタンスを介して、隣接するインダクタ部636などにおいて電圧を誘起する。
【0232】
図34〜
図36は、本開示の一態様による、中央タップ接続653構成を有する2層3ポートインダクタ650を示す。
図34に示す中央タップ接続653構成を有する2層3ポートインダクタ650は、半導体集積回路651の2つの対応する絶縁層658、660上に形成され、導電性ビア653、656、657、668を介して端部と端部とで接続された4つのインダクタ部652、662、664、654を備える。インダクタ650を他の回路要素に接続するための3つのポートA1(ポート1)、A4(ポート2)、A2/A3(ポート3)が、半導体集積回路651の上部層655上に配置される。従来の対称型の中央タップ付きコイルがコイルあたり2つの層を必要とするのに対して、この幾何学的形状は、2つの金属層による対称型コイルの2つの層の構成を可能にする。したがって、本幾何学的形状は、同じダイ面積においてより多くのターンを提供する。
【0233】
図35は、本開示の一態様による、
図34に示す中央タップ接続653を有する2層3ポートインダクタ650の図である。中央タップ接続653を有する2層3ポートインダクタ650は、説明を明確にするために、4つの別々のインダクタ部652、662、664、654として示されている。第1および第2のインダクタ部652、662は、第1の絶縁層658上に形成され、第3および第4のインダクタ部664、654は、第2の絶縁層660上に形成される。第2のインダクタ部654は、第1のインダクタ部652の鏡像である。第1、第2、第3、および第4のインダクタ部652、662、664、654は、破線で示す導電性ビア653、656、657、668を介して直列に接続される。半導体集積回路651の上部層655上に3つのポートA1(ポート1)、A4(ポート2)、A2/A3(ポート3)への接続部が設けられてもよい。
【0234】
図36は、本開示の一態様による、
図34および
図35に示すインダクタ650の概略図である。概略図では、2層2ポートインダクタ650の第1のインダクタ部652は、L1として参照され、第2のインダクタ部654は、L2として参照され、第3のインダクタ664は、L3として参照され、第4のインダクタ部654は、L4として参照される。インダクタL1、L2、L3、L4は、接続部656、657、668を介して直列に接続される。インダクタL1、L2、L3、L4は、半導体集積回路651の隣接する層658、660上にコイル652、654として形成されるので、1つのコイル652を流れる電流は、相互インダクタンスを介して、隣接するコイル654内に電圧を誘起する。図示のように、電流(i)は、インダクタL1、L2、L3、L4の各々を通って同じ方向に流れる。
【0235】
図37は、本開示の一態様による、共振(振動)インダクタ・ドライバ回路700の概略図である。インダクタ・ドライバ回路700は、自己発振挙動を提供する負性抵抗(−R)として現出する交差結合MOSFETトランジスタ702、704を使用して負性抵抗(−R)を追加する。第1のMOSFETトランジスタ706のゲートは、第2のMOSFETトランジスタ704のドレイン708に結合される。同様に、第2のMOSFETトランジスタ704のゲート710は、第1のMOSFETトランジスタ702のドレイン712に結合される。インダクタLは、本明細書で説明するインダクタ部と同様のインダクタ部714を備える。電源電圧V
DDがインダクタLに結合され、基板716は、V
SSに結合される。インダクタLは、インダクタLを、交差結合MOSFETトランジスタ702、704のような他の回路要素に接続するための2つのポートP1およびP2を備える。
図37の例では、インダクタLは、第1および第2のMOSFETトランジスタ702、704のドレイン712、708にわたって結合され、ここで、インダクタLのポート1(P1)は、第1のMOSFETトランジスタ702のドレイン712に結合され、インダクタLのポート2(P2)は、第2のMOSFETトランジスタ704のドレイン708に結合される。インダクタ・ドライバ回路700の振動周波数を設定するために、第1および第2のMOSFETトランジスタ702、704のドレイン712、708にわたってキャパシタCが結合される。代替的には、インダクタLの寄生容量は、発振周波数を設定するために使用されてもよい。交差結合MOSFETトランジスタ702、704は、インダクタLの内部で振動する電流を提供する。これは、サイクル中にインダクタL内に発動されるエネルギーと比較して、パワーサイクル中の電力損失として定義される妥当なQを提供する。十分に高いQは、より効率的なシステムを作るために、インダクタL内に蓄積された適切なエネルギーを提供し、より高い電流を提供する。
図37に示されたもの以外の他のタイプの負性抵抗回路が用いられてもよいことが理解されよう。
【0236】
図38は、本開示の一態様による、インパルス・インダクタ・ドライバ回路720のブロック図である。インダクタ・ドライバ回路720は、半導体集積回路の個々の層上に設けられたインダクタ部L1、L2、L3、L4を介して信号をプッシュするために用いられる。インダクタ部L1、L2、L3、L4を発振器に結合するのではなく、時間とともに指数関数的に減衰する電流のインパルスが作成される。電荷がキャパシタ内に蓄積され、放電され得る。
図38に示すように、インパルス・インダクタ・ドライバ回路720は、コイル放電回路726に結合されたパルス生成器回路724に結合されたバッテリ倍電圧部722を備える。
図38に示す例では、パルス生成器回路724は、4つのインダクタ放電回路726、728、730、732に結合される。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなく、nまでのインダクタ放電回路がパルス生成器回路724に結合され得ることが理解されよう。本明細書で論じるように、インダクタ・ドライバ回路720は、キャパシタに電荷をポンピングし、次いで、デューティサイクルに対して非常に短い放電サイクルにわたってキャパシタをインダクタ部L1、L2、L3、L4に放電する。
【0237】
インダクタ放電回路726、728、730、732は、パルス生成器回路724に並列に結合される。この「チャージポンプ」構成では、インダクタ放電回路726、728、730、732構造は、4倍の電圧を提供するためにそれらを積層するのではなく、4倍の電流を提供するために並列分岐734、736、738、740において提供される。N層のインダクタがNのキャパシタを提供するように構成され得る。インダクタ部L1、L2、L3、L4は、交流(AC)ではなく単相になるように接続され得る。本明細書で説明するように、各インダクタ部L1、L2、L3、L4は、インダクタ部L1、L2、L3、L4を対応するインダクタ放電回路726、728、730、732に結合するための2つのポートP1およびP2を含む。
【0238】
図39は、本開示の一態様による、
図38に示すインパルス・インダクタ・ドライバ回路720の概略図である。インダクタ・ドライバ回路720は、半導体集積回路の個々の層上に設けられたインダクタ部L1、L2、L3、L4を介して信号をプッシュするために用いられる。バッテリ倍電圧回路回路722は、インダクタ放電回路726、728、730、732の各々に印加されるバッテリ電圧V
BATを4倍にする。パルス生成器回路724は、対応するインダクタ部L1、L2、L3、L4を駆動するインダクタ放電回路726、728、730、732の各々にインパルスを印加する。バッテリ倍電圧回路722、パルス生成器回路724、およびインダクタ放電回路726、728、730、732の詳細な説明は、
図40〜
図43に関連して提供される。
【0239】
図40は、本開示の一態様による、
図38および
図39に示すバッテリ倍電圧回路722のブロック図である。バッテリ倍電圧回路722は、第1の倍電圧回路744の入力に結合されたバッテリ電圧742V
BATを含み、第1の倍電圧回路744の出力2*V
BATは、第2の倍電圧回路746の入力に結合される。第2の倍電圧回路746の出力4*V
BATは、パルス生成器回路724およびインダクタ放電回路726、728、730、732に印加される。
【0240】
乗算器744、746は、(たとえば、バッテリからの)電源電圧が回路によって必要とされる電圧よりも低い場合に用いられてもよい。MOSFET回路は、一般に、多くの集積回路において標準的な論理ブロックである。この理由のため、ダイオードは、しばしばこのタイプのトランジスタによって置き換えられるが、ダイオード、ダイオード配線MOSFETと呼ばれる配置として機能するように配線される。キャパシタC1、C2、C3は、バッテリの出力電圧V
BAT、第1の倍電圧回路744 2*V
BAT、および第2の倍電圧回路746 4V
BATを安定させる。
【0241】
一態様では、各倍電圧回路744、746は、クロック発振器回路748、750によって供給されるクロックパルス列によって駆動される各キャパシタの下部プレートを有するダイオード/キャパシタのカスケードを備える充電ポンプまたは乗算器を備えてもよい。回路は、クロック列がスイッチング信号を提供してシステムバッテリ742からDC入力V
BATを取る。乗算器は、通常、交互のセルが逆位相のクロックパルスから駆動されることを必要とする。
【0242】
図41は、本開示の一態様による、
図40に示す倍電圧回路744(746)段の概略図である。交差結合スイッチドキャパシタ回路は、それが1ボルト未満に放電したときに電力を供給し続ける。倍電圧回路744(746)は、スイッチドキャパシタ段752とクロック段754とを備える。クロック段754は、クロック発振器回路748(750)からクロック入力CLKにおいてパルス列を受信し、逆位相φ1およびφ2のクロックパルスを生成する。クロックφ1がローのとき、トランジスタQ1およびQ4がオンにされ、トランジスタQ2およびQ3がオフにされ、キャパシタC4上の電圧が出力Voutに印加される。同時に、クロックφ2は、ハイであり、トランジスタQ6およびQ7をオフにし、トランジスタQ5およびQ8をオンにし、結果としてキャパシタC5がVinまで充電される。クロックφ2がローになると、キャパシタC5にわたる電圧は、Vinの2倍(2Vin)にプッシュされ、トランジスタQ6およびQ7がオンにされ、トランジスタQ5およびQ8がオフにされ、Vout=2Vinとなるように2Vinが出力に印加される。次の半サイクルでは、クロックφ1がハイであり、クロックφ2がローであるように役割が逆転され、キャパシタC4をVinに充電するように、トランジスタQ1およびQ4がオフにされ、トランジスタQ2およびQ3がオンにされる。同時に、C5における電圧2Vinが出力に印加されるように、トランジスタQ6およびQ7がオフにされ、トランジスタQ5およびQ8がオンにされる。クロックφ1がローになると、キャパシタC4にわたる電圧は、Vinの2倍(2Vin)にプッシュされ、トランジスタQ1およびQ4がオンにされ、トランジスタQ2およびQ3がオフにされ、Vout=2Vinとなるように2Vinが出力に印加される。したがって、出力Voutには、回路の各側から交互に2Vinが供給される。
【0243】
図41に記載の倍電圧回路744(746)段の実装形態は、ダイオード配線のMOSFETとそれらの関連する閾値電圧問題が存在しないので、低損失を提供する。回路744(746)は、両方とも位相がずれたクロックφ1、φ2から出力を供給する2つの倍電圧回路が事実上存在するので、リップル周波数が2倍にされるという利点も有する。
【0244】
図42は、本開示の一態様による、
図38および
図39に示すパルス生成器回路724の概略図である。パルス生成器回路724は、第1および第2のシュミットトリガ758、760と、第2の「遅延された」シュミットトリガ760の入力における遅延時定数τを設定するためのR1およびC6を備えるRC回路と、インバータ762と、NOR論理ゲート764とを備える。電子機器では、シュミットトリガ758、760は、比較器または差動増幅器の非反転入力に正のフィードバックを適用することによって実現されるヒステリシスを有する比較器回路である。それは、アナログ入力信号をデジタル出力信号に変換する能動回路である。回路は、入力が変化をトリガするために十分に変化するまでその値を保持するので、「トリガ」と名付けられる。非反転構成では、入力が選択された閾値よりも高いとき、出力は、ハイである。入力が異なる(より低い)選択された閾値よりも低いとき、出力は、ローであり、入力が2つのレベルの間であるとき、出力は、その値を保持する。この二重閾値動作は、ヒステリシスと呼ばれ、シュミットトリガ758、760がメモリを所有し、双安定マルチバイブレータ(ラッチまたはフリップフロップ)として機能できることを意味する。2種類の回路の間には密接な関係が存在し、シュミットトリガは、ラッチに変換され得、ラッチは、シュミットトリガに変換され得る。
【0245】
第1の発振器756は、第1のシュミットトリガ758の入力766に、そして同時にR1、C6回路の抵抗器R1の入力にクロック列を提供する。したがって、第2のシュミットトリガ760の入力770において現れるクロック信号は、R1、C6回路によって設定されるτだけ遅延される。したがって、第1および第2のシュミットトリガ758、760が同様の内部伝播遅延特性を有すると仮定すると、第2の「遅延された」シュミットトリガ760の出力774は、第1のシュミットトリガ758の出力772から時定数τ=R1*C6秒だけ遅延される。第1の「遅延されない」シュミットトリガ758の出力772は、インバータ762によって反転され、インバータ762の出力776は、NORゲート764の入力Aに印加される。第2の「遅延された」シュミットトリガ760の出力774は、NORゲート764の入力Bに印加される。NORゲート764の出力778は、インダクタ放電回路726、728、730、732(
図38、
図39)の1つの入力に印加される一連のインパルスである。第2の発振器780は、インダクタ放電回路726、728、730、732(
図38、
図39)の別の入力に印加されるクロック列782を提供する。
【0246】
図43は、本開示の一態様による、
図38、および
図39に示すインダクタ放電回路726の簡略化した概略図である。本明細書で説明するように、インダクタ放電回路726は、パルス生成器回路724(
図42)に結合される。この「チャージポンプ」構成では、インダクタ放電回路726は、N層のインダクタのうちの1つに適用される。インダクタ部L1は、単相モードで接続される。本明細書で説明するように、インダクタ部L1は、インダクタ部L1をインダクタ放電回路726の対応する回路構造に結合するための2つのポートP1およびP2を含む。
【0247】
インダクタ放電回路726は、キャパシタ充電回路790と、結合回路792と、インダクタ部L1充電および放電回路794、796とを備える。インダクタ放電回路726は、NORゲート764(
図42)の出力778から一連のインパルスを受信する。一連のインパルスは、第1のインバータ784に印加される。第1のインバータ784の出力798は、キャパシタ充電回路790のトランジスタQ10のゲート、結合回路792のトランジスタQ12のゲート、および第2のインバータ786の入力に印加される。第2のインバータ786の出力791は、キャパシタ充電回路790のトランジスタQ9のゲート、および結合回路792のトランジスタQ11のゲートに印加される。第1のインバータへの入力がローであるとき、キャパシタC6を充電するように、トランジスタQ9およびQ10は、オンにされ、トランジスタQ11およびQ12は、オフにされる。第1のインバータへの入力がハイであるとき、トランジスタQ9およびQ10は、オフにされ、トランジスタQ11およびQ12は、オンにされ、キャパシタC6における電圧を放電回路794、796の入力797に印加する。
【0248】
第2の発振器780は、第3のインバータ788に印加されるクロック列782を提供する。第3のインバータ788の出力793は、トランジスタQ13およびQ14のゲート、ならびに第4のインバータ790の入力に印加される。第4のインバータ790の出力795は、トランジスタQ13、Q16およびトランジスタQ14、Q15が交互にオンオフされるように、トランジスタQ15およびQ16のゲートに印加される。たとえば、第3のインバータ788の入力がハイであるとき、トランジスタQ13およびQ16は、オンにされ、トランジスタQ14およびQ15は、オフにされる。したがって、インダクタ部L1のポートP1は、トランジスタQ13を介して入力797におけるキャパシタ電圧に結合され、インダクタ部L1のポート2は、トランジスタQ16を介してV
SSに結合される。第3のインバータ788への入力がローになると、役割は、トランジスタQ14およびQ15がオンにされ、トランジスタQ13およびQ16がオフにされるように逆転される。したがって、インダクタ部L1のポートP2は、トランジスタQ15を介して入力797におけるキャパシタ電圧に結合され、インダクタ部L1のポートP2は、トランジスタQ14を介してV
SSに結合される。一連のインパルスがNORゲート764(
図42)の出力778から到着し、クロック列782が第2の発振器780(
図42)から到着すると、キャパシタ部L1は、電磁信号を生成するために交互に充電および放電される。
【0249】
したがって、インダクタ放電回路726は、電荷をキャパシタC6にポンピングし、次いで、送信プロトコルを提供するために、デューティサイクルに対して非常に短い放電サイクルにわたってキャパシタC6をインダクタ部L1に放電する。他のインダクタ放電回路728、730、732の動作は、インダクタ放電回路726と同様であり、開示の簡潔さおよび明確さのためにここでは繰り返されない。
【0251】
いくつかの態様では、摂取可能な識別子(たとえば、摂取可能な識別子104)からの信号を送信するため、ならびに受信機(たとえば、受信機106、108、110、112、114、116、118、150、152のいずれか)によって受信され、検出され、復号されるためのインパルス通信プロトコルが定義される。典型的には、本開示の摂取可能な識別子は、きわめて小さく安価なシステムである。それらのコストおよび/またはサイズは、発振器を既知の周波数に正確に調整するために回路に水晶を追加するなどして、よりよい信号品質を作成するために典型的に使用される構成要素の包含を制限する。これは、受信機が、接種可能な受信機の実際の周波数を最初に±5〜10%の範囲内で知ることを可能にする傾向がある。さらに、摂取可能な識別子のバイオガルバニバッテリ電圧および電流出力は、送信シーケンスを通して変化する傾向がある。限定されたサイズのため、信号の振幅は、任意の雑音に比べて非常に弱い傾向がある。送信機(摂取可能な識別子)側の非常に限定されたリソースのため、ちょうど単方向通信プロトコルに頼ることが望ましい場合があり、それは、どのような肯定応答、同期の確認、または任意の応答メッセージも受信機から送信され摂取可能な識別子において受信されることを必然的に防止する。さらに、各々が、それらのそれぞれのバッテリ寿命が尽きる前に単一の受信機がピックアップする必要がある同様の(そしておそらく変化する)信号を送信する、複数の摂取可能な識別子がユーザにおいて同時にアクティブであってもよい。本明細書におけるシステム制約は、受信機が、最初に不正確な信号周波数、おそらく変化する電圧および電流出力、元々低い信号対雑音比を有する信号、いかなる相互通信もない識別、ならびにこれらの送信シーケンスの複合を考慮するように構成されなければならないという点で、信号を適切に通信するための負担が受信機にあることを強く示唆する。
【0252】
本開示の態様は、摂取可能な識別子内のインダクタによって生成された一連の電磁パルスを利用するインパルス通信プロトコルを開示することによって、これらの問題のうちの少なくともいくつかに対処する。これらの電磁パルスは、本明細書で以下に定義されるプロトコルの変形のうちの1つに従って送信されてもよく、同じプロトコルに従って受信機によって対応して受信され、検出され、復号されてもよい。これらのインパルス通信プロトコルの様々な例は、本明細書では「スパイク」プロトコルと呼ばれることもある。
【0253】
一般に、スパイク・プロトコルは、バッテリからの電荷を蓄積し、それを非常に短い期間でインダクタを介して放出し、したがって、連続波から得られるものよりも短い持続時間の間、より高い振幅の信号を生成する、摂取可能な識別子のインパルスシステムによって開始されてもよい。これを生じさせるために、制御回路は、パルス間のギャップを規定する。それに対応して、受信機は、スパイク間の時間を無視して、スパイクが存在すべき場所でのみ信号を探すことによってこれを利用する。たとえば、1000μsの期間中にそれぞれ1μsの持続時間の10のスパイクが存在する場合、信号エネルギーのすべては、1%の時間に圧縮される。検出器(たとえば、受信機)がパルス間のデータを無視する場合、その期間中に存在する雑音の1%のみが実際に信号エネルギーと競合している。比較すると、典型的な「共振システム」では、信号エネルギーは、1000μs全体に一様に分布し、その期間における雑音のすべては、信号エネルギーと競合する。したがって、スパイク・プロトコルは、信号対雑音比を、この例では100倍改善することができる。SNRの改善は、デューティサイクルに反比例する。
【0254】
加えて、スパイク・プロトコルは、信号間の干渉なしに、同時に摂取される複数の摂取可能な識別子の検出を可能にし得る。これは、2つの信号が正確に同じ送信周波数と位相とを有していない限り、一致する信号のパルスがパルス間のギャップにおいて現れ、したがって、無視されるので、成し遂げられる。
【0255】
図44は、本開示の一態様による、
図38〜
図43に示すインパルス・インダクタ・ドライバ回路720によって生成され得るスパイク・プロトコルの一例によるタイミングおよび極性
図800である。垂直軸は、電圧(V)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)を表す。インパルス関数802は、所定の期間(約130μs)または時間フレームにわたって異なる極性の一連のインパルス804、806を含む。インパルス関数802は、本明細書で論じるように、摂取可能な識別子に関連する情報を符号化する。正のインパルス804は、正の極性(+1V)または振幅を有し、負のインパルス806は、負の極性(−1V)または振幅を有する。インパルス関数802は、インパルス・インダクタ回路720によって生成され、送信アンテナとして機能するインダクタによって送信される。インパルスまたはスパイク・プロトコルは、二相性または単相性であってもよい。
【0256】
本明細書で説明するように、送信プロトコルは、
図38〜
図43におけるインパルス・インダクタ・ドライバ回路720に関連して論じたように、キャパシタC(たとえば、
図43のC6)を充電し、次いで、デューティサイクルに対して非常に短い放電サイクルにわたってキャパシタをインダクタ部L(たとえば、
図43のL1)に放電することによって実施される。インパルス・プロトコルは、たとえば、128の位置における一連の+/−またはオン/オフシーケンスである。すべてのエネルギーは、約13のインパルスに入れられ、雑音は、128のパルスに分散され、それは、この例のビット数あたりの雑音を改善する。したがって、スパイク・プロトコルは、本明細書では「スパース・インパルス」コードとも呼ばれることがある。インパルス・プロトコルの例について以下に説明する。
【0257】
したがって、一態様では、「スパース・インパルス」コードは、以下のように実装され得る。
【0258】
gaps = [3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 79];
【0259】
impulseNoGapsMask = [1 -1 1 -1 -1 1 1 -1 -1 -1 -1 -1 -1];
【0260】
impulses = []; % load in impulse pattern
【0262】
a = impulseNoGapsMask(i);
【0263】
g = zeros(1,gaps(i));
【0264】
impulses = [impulses g a]; % variable duty cycle
【0266】
code = [0 1 0 0 1 1 0 0 0 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 1 1];
【0267】
コードは、データパケットであり、それは、12のゼロ(シンク)と[1010](プリアンブル)によって先行される。シンボルの定義は、このように機能する、「インパルス」(impulseNoGapsMaskによって決定される極性での、コイルを介するキャパシタの放電)がいくつかの無インパルス(ゼロ)によって先行され、その数は、「ギャップ」から来る。
【0268】
したがって、「インパルス」「1」は、以下の128チップシーケンスが続く128のゼロになる。
0 0 0 1 0 0 0 -1 0 0 0 1 0 0 0 -1
0 0 0 -1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 -1
0 0 0 -1 0 0 0 -1 0 0 0 -1 0 0 0 -1
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1
【0269】
この定義では、128の「サブチップ」が単一のチップを構成し、ここで、サブチップは、a+1スパイク、a−1スパイク、または無スパイクのいずれかとして定義される。64のチップがシンボルを構成する。この定義では、シンボルとビットとの間に1:1の対応が存在する。この場合のゼロは、128のゼロが後に続く以下のシーケンスである。
0 0 0 -1 0 0 0 1 0 0 0 -1 0 0 0 1
0 0 0 1 0 0 0 -1 0 0 0 -1 0 0 0 1
0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 1
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1
【0270】
このシーケンスでは、各チップは、1μsであり、したがって、各シンボルは、128μsであり、各ビットは、64*128=8192μsである。
【0271】
一態様では、「非常にスパースなインパルス」コードが用いられてもよい。「非常にスパースなインパルス」コードは、インパルス間のギャップがインパルスの幅の約998倍であることである。これは、チャージポンプがキャパシタを放電する前にキャパシタに対する最大電圧を高めるためのより多くの時間を摂取可能な識別子に与えることになる。おそらくこの態様は、ビット間の遷移中を除いて、インパルス間のギャップ長を変えない。
【0272】
一態様では、パルスは、非常に短くてもよい。送信周波数は、たとえば、約12.5kHzから約20kHzまでの範囲、または約24kHzよりも高く、約10MHz程度の高さの周波数において生じることができる。インパルスは、決定論的ではないが、それらは、約6kHzの繰り返し率で128を超えるパルスを繰り返す。バッテリの準備は、ランダムであり、バッテリのインピーダンス(Z)および電圧(V
BAT)は、変動する可能性がある。パルス幅および繰り返し率は、バッテリの現状に基づいて調整され得る。これらのタイプのプロトコルは、インターネット・オブ・シングスタイプの回路において適合され得る。
【0273】
図45は、本開示の一態様による、
図44に示すインパルス通信プロトコルのスパース・インパルス・テンプレートおよび自己畳み込みの
図808である。垂直軸は、電圧(V)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)である。テンプレート・インパルス関数(実線で示す)は、
図44に示すインパルス関数802を表す。テンプレート・インパルス関数810の自己畳み込みは、自己畳み込み関数812(破線で示す)を生成する。自己畳み込み関数812は、インパルス関数802の自己相関である。インパルス関数802の自己相関または自己畳み込みは、インパルス関数802の異なる時点におけるそれ自体との相互相関である。一般的に言えば、それは、観察間の時間差の関数としての観察間の類似性である。自己畳み込み関数812は、雑音によって覆い隠された周期的信号の存在のような繰り返しパターンを見つけるため、または、その高調波周波数によって暗示される信号中の欠けている基本周波数を識別するための数学的ツールである。それは、送信またはブロードキャスト周波数を識別するために受信機によって使用され得る。したがって、空間を介して送信されたインパルス関数802は、受信機の受信アンテナによって検出される。受信機は、インパルス関数802の送信周波数を識別するための機能を実施するための信号処理回路を含む。受信機は、テンプレート・インパルス関数810ならびにテンプレート・インパルス関数810の自己畳み込み関数812(または自己相関)を用いることによって送信周波数を決定するように構成される。
【0274】
図46は、本開示の一態様による、
図44に示すインパルス関数802の送信周波数を識別するために用いられ得る可変テンプレート
図814である。垂直軸は、電圧(V)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)を表す。テンプレート
図814は、インパルス関数802を送信するために使用される最低(テンプレート816)ブロードキャスト周波数から最高(テンプレート822)ブロードキャスト周波数までに対する可変テンプレート816、818、820、822を示す。
【0275】
いくつかの態様によれば、スパイク・プロトコルの1つの定義は、本明細書では「ゼロ」チップおよび「1」チップと呼ばれるスパースパルスの2つのシーケンスを利用する。
図62を参照すると、プロット1800は、パルスの「ゼロ」チップシーケンスの例を示し、プロット1810は、パルスの「1」チップシーケンスの例を示す。ゼロは1とは異なり、一方から他方へ位相のシフトが存在することに留意されたい。示されたチップ定義について、利用可能な演算は、チップの自己相関および相互相関、0×0、1×1、0×1、1×0、(0+1)×(0+1)を計算することを含む。この方式では、(0×1)相関および(1×0)相関は、開始フレームの整列を決定するためにチップのすべてを組み合わせない他のプロトコルほど重要ではないことに留意されたい。このプロトコルは、開始点を決定するために利用可能なデータのすべてを使用するので、組み合わされた畳み込み(0+1)×(0+1)のみが重要である。理想的には、この畳み込みは、正確な整列において最大値を有し、それ以外の場所ではゼロを有する。チップ定義のこの特定のセットは、それを達成しないが、「サイドローブ」が比較的小さく、最大のサイドローブが反対の極性であり、都合よくピークの近くに位置する畳み込みを提供する。これらのサイドローブは、「最良の推測」整列を確立するのを助けることもできる。
【0276】
図63は、テンプレートと相関付けられた結合(0+1)データのプロット1820を示し、周波数と整列の両方がどのように見出されるのかを示し、最高ピークが両方を決定する。これは、比較的高いSNRの場合である。これらの2つのチップ定義は、データパケット内に等しい数のゼロおよび1が存在する場合にのみ結合された畳み込みを生成することにも留意すべきである。これは、チップ定義がそれらの中に等しい数のアップスパイクおよびダウンスパイクを持たないためである。
【0277】
このスパイク・プロトコルを復号するために、デコーダモジュール(たとえば、受信機内の処理)は、復号するために単一のパケットを探す。2つのパケットの周波数と開始時間の両方が未知である。いくつかの態様によれば、(登録パケットがフレーム内のどこにあるのかが未知であるので、完全なパケットが得られることを保証するので)1.5倍の最大パケットサイズのウィンドウを調べ、次いで、ウィンドウを0.5倍のパケット距離だけ増加させることによってこれを行う。これらの3分の1の各々からのデータは、再利用され得るので、各フレームは、実際にデータの3分の1を分析し、前の分析からのデータの2/3を維持する。
【0278】
いくつかの態様では、摂取可能な識別子からのアナログデータは、デジタル化され、最大パケット長(最低送信頻度)に等しいデータのフレームに記憶される。これらのフレームのうちの2つは、一度に分析され、各フレームからの分析情報は、記憶され、次のフレームが追加されるときに再使用される。
【0279】
パケットを復号するために、これらのパルス間の正確なタイミングと、通信の開始点も見つける必要がある。したがって、インパルス・パターンは、パルス間の想定されるタイミングが正確であり、想定される開始点が正確である場合、対応する相関積が、どちらかがオフである場合と比較して、少しの量でも非常に大きくなるように設計される。したがって、
図56に戻って参照すると、プロット1200は、様々なインパルス・タイミング変動に対する最良の推測開始点についての相関積(自己相関)を示す。広い範囲のインパルス・タイミング変動(0〜1000μsは、公称値からの変動であり、実際には±500μs)に留意されたい。
【0280】
ここから、計算的に効率的な方法でこれらのインパルス・タイミング変動の各々についての「最良の推定開始点」を見つけるために、第1のステップは、各インパルス・タイミング仮定について、公称数のサンプル点の公称(すなわち、予め定義された基準量)フレームの「伸張または圧搾」プロセスを実行することである。インパルス間の時間が公称値未満である場合、たとえば、13スパイクの各セットにサンプリングされた点は、スパイク間の公称タイミングを表す数のサンプル点に「伸張される」必要がある。一方、スパイク間の時間が公称よりも大きい場合、13のスパイクのすべてを収集ために必要なサンプル数は、公称値よりも大きく、データは、公称数のサンプル点に「圧搾される」必要がある。この「伸張および圧搾」は、通信パケットの開始点が依然として未知であるが、「伸張/圧搾」されたデータ中に保存されるように行われるべきである。この伸張および圧搾動作を実行するより詳細な例は、第2の例示的なスパイク・プロトコル定義において以下で定義される。
【0281】
次に、通信パケットは、たとえば、40ビット長であってもよく、各ビットは、たとえば、シンボルあたり64の同一のチップによって表されてもよく、各チップは、たとえば、13スパイクによって表されてもよい。したがって、この定義は、40*64=2560「フレーム」よりもいくらか多い必要があり、ここで、各フレームは、13スパイク(およびそれらの間のギャップ)を表す。この時点でパケットが開始する場所がわからないので、フレーム数よりも多くが取得されるべきである。どれくらいより多くかは、より高いレベルのプロトコル、パケット間のどれくらいの時間か?に多少依存する。典型的には、復号プロセスがパケットの始まりを探し始めるときにこれらのギャップが空白として現れるように、少なくとも2ビット幅のパケット間のギャップが望ましい。
【0282】
プロセスの次のステップは、2560(この例では)フレームのすべてを取り、それらを積み重ね、それらを足し合わせることである(2560フレームの各々の第1のデータ点は、合計フレームの第1のデータ点を作るために足し合わされ、各フレームの第2のデータ点は、合計フレームの第2のデータ点を作るために足し合わされる、などである)。これは、前に簡単に言及した「積層および加算」動作の例である。この積層および加算動作は、スパイクを強化し、雑音を平均化する。
【0283】
したがって、2560×13=33280スパイクのすべては、公称サイズのデータの1フレームによって表される。このフレームでは、開始点は、ここで、フレーム内で、各シンボルの始まりに対して、同時に、シンボル間の時間の最良の推定に対して決定される必要がある。したがって、「ゼロ」および「1」に関するシンボルの選択は、2つの重要な役割を果たす。信号を復号するときについて、「1」と「ゼロ」とを最適に区別できることが役立つ。これは、既存のプロトコルと類似している。ここで新しいのは、送信全体のすべての1と0を表す26のスパイクが単一のフレームに結合されたとき、それらがフレーム内の開始点およびスパイク間の実際の時間(すなわち、送信の周波数)の最適な識別を可能にするテンプレートを生成すべきことである。
図57は、「1」および「ゼロ」に関するシンボルのそのようなセクションの例を示す。垂直軸は、電圧(V)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)を表す。インパルス関数1302は、所定の期間または時間フレームにわたる異なる極性の一連のインパルス1304、1306を含む。インパルス関数1302は、本明細書で論じるように、摂取可能な識別子に関連する情報を符号化する。正のインパルス1304は、正の極性(+0.5V)または振幅を有し、負のインパルス1306は、負の極性(−0.5V)または振幅を有する。インパルス関数1302は、インパルス・インダクタ回路720によって生成され、送信アンテナとして機能するインダクタによって送信される。インパルス・プロトコルは、二相性または単相性であってもよい。
【0284】
インパルス関数1302の第1のパターンまたは一連のインパルスは、論理0を表し、第2のパターンまたは一連のインパルスは、論理1を表す。インパルスのうちの2つ1308、1310は、論理0および論理1に共通であるので、他のインパルス1304、1306の振幅の2倍である。受信機側では、ブロードキャスト周波数は、未知であり、インパルス間の時間も未知である。受信機は、最初にブロードキャスト周波数を識別し、次いで、1000の点にわたって相関させることによってビット(論理1および0)を識別する。受信機は、次いで、インパルス関数1302のような受信された一連のインパルスを比較し、パケットの周波数および開始点の一致が存在するまで、テンプレートを伸張および圧搾する。したがって、受信機は、特定のインパルス関数1302または一連のインパルスを探し、正しいオフセットにおいて多くの点(たとえば、1000の点)にわたって相関させる。論理1および0は、直交し、わずかに重複しており、それは、受信機がインパルスの周波数および極性を識別することを可能にする。
【0285】
「1」に関するシンボルと「0」に関するシンボルの両方が、各々、第4および第5の時間スロットにおいてスパイクを有するので、これらのスパイクの振幅は、一方または他方にのみ存在する残りのスパイクの振幅の2倍である。これらの「二重ピーク」は、したがって、受信されたような信号のパリティを確立することを可能にする。
【0286】
次のステップは、データの送信に基づいて別のプロットを生成するための畳み込み演算を実行することである。
図59に示すように、合計フレームデータを結合スパイク・テンプレートに畳み込むと、完全な整合が存在し、「サイドローブ」が振幅においてはるかにより低いときに、最も高いピークを見つける。
図59は、メインローブに対するサイドローブの相対振幅を示すための、合計フレームテンプレートの無雑音自己畳み込みのグラフ表現である。垂直軸は、電圧(V)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)を表す。受信機によって受信されたインパルス関数1502は、所定の期間または時間フレームにわたる異なる極性の一連のインパルス1502を含む。インパルス関数1502は、本明細書で論じるように、摂取可能な識別子に関連する情報を符号化する。正のインパルス1404は、正の極性(+0.5V)または振幅を有し、負のインパルス1406は、負の極性(−0.5V)または振幅を有する。インパルス関数1502は、インパルス・インダクタ回路720によって生成され、送信アンテナとして機能するインダクタによって送信される。インパルス・プロトコルは、二相性または単相性であってもよい。基準インパルス1504は、インパルス関数1502の一連のインパルスよりもはるかに高い振幅を有する。
図58は、雑音の最大振幅が各スパイクの最大振幅の1000倍高い雑音が存在するときの最良の推定周波数に関する合計フレームのグラフ表現である。これは、本開示の一態様による、受信機回路900(
図47)、930(
図49)、950(
図50)、960(
図51)、970(
図52)、990(
図53)、1010(
図54)、1100(
図55)によって生成されてもよい。垂直軸は、電圧(V)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)を表す。受信機によって受信されたインパルス関数1402は、所定の期間または時間フレームにわたる異なる極性の一連のインパルス1404、1406を含む。インパルス関数1402は、本明細書で論じるように、摂取可能な識別子に関連する情報を符号化する。正のインパルス1404は、正の極性(+0.5V)または振幅を有し、負のインパルス1406は、負の極性(−0.5V)または振幅を有する。インパルス関数1402は、インパルス・インダクタ回路720によって生成され、送信アンテナとして機能するインダクタによって送信される。インパルス・プロトコルは、二相性または単相性であってもよい。
【0287】
インパルス関数1402の第1のパターンまたは一連のインパルスは、論理0を表し、第2のパターンまたは一連のインパルスは、論理1を表す。インパルス1410は、論理0および論理1に共通であり、新しいパケットに対する基準インパルスであるので、他のインパルス1404、1406の振幅の2倍である。受信機側では、ブロードキャスト周波数は、未知であり、インパルス間の時間も未知である。受信機は、最初にブロードキャスト周波数を識別し、次いで、1000の点にわたって相関させることによってビット(論理1および0)を識別する。受信機は、次いで、インパルス関数1402のような受信された一連のインパルスを比較し、パケットの周波数および開始点の一致が存在するまで、テンプレートを伸張および圧搾する。したがって、受信機は、特定のインパルス関数1402または一連のインパルスを探し、正しいオフセットにおいて多くの点(たとえば、1000の点)にわたって相関させる。論理1および0は、直交し、わずかに重複しており、それは、受信機がインパルスの周波数および極性を識別することを可能にする。
【0288】
この合計フレームが合計フレームテンプレートを用いて畳み込まれると、結果は、
図56に示す最大ピークであった。垂直軸は、電圧(mV)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)を表す。本明細書で説明するように、送信プロトコルは、
図38〜
図43におけるインパルス・インダクタ・ドライバ回路720に関連して論じたように、キャパシタC(たとえば、
図43のC6)を充電し、次いで、デューティサイクルに対して非常に短い放電サイクルにわたってキャパシタをインダクタ部L(たとえば、
図43のL1)に放電することによって実施される。インパルス・プロトコルは、たとえば、128の位置における一連の+/−またはオン/オフシーケンスである。すべてのエネルギーは、複数のインパルスに入れられ、雑音は、より多数のパルスにわたって分散され、それは、ビット数あたりの雑音を改善する。したがって、スパイク・プロトコルは、本明細書では「スパース・インパルス」コードと呼ばれる。
【0289】
図56に戻ると、周波数がこの探索の分解能の範囲内に見つけられたことは、明らかである。フレーム内の、およびデータストリーム内のデータパケットの周波数および開始点をよりよく解決するために、探索プロセスは、最も高い相関積との組合せを常に保ちながら、発見されたピークの周囲でより細かい粒度で繰り返されてもよい。雑音ありの例に関するこの結果は、
図61に示されている。
【0290】
(パケットのおよびフレーム内の)周波数および開始点がわかると、この例では、ビットあたり64のスライスがそれぞれ最初に合計され、次いで、各ビット長フレームが、「ゼロ」テンプレートおよび「1」テンプレートを用いて適切な開始点において畳み込まれる。(このプロトコルについて、結合されたスライスでは、約1μsの幅のスパイクが4μsごとに存在するので、これらのテンプレートは、>75%ゼロであり、それは、スパイク間の雑音が解釈に干渉するのを防ぐことに再び留意されたい。)2つのうちのより高い値は、ビットを宣言する。
【0291】
図60は、
図56、
図58、および
図61に示したのと同じデータを使用して、各ビット長フレームの出力とパケットの対応するビット・パターンとを示す。本開示の一態様による、受信機回路900(
図47)、930(
図49)、950(
図50)、960(
図51)、970(
図52)、990(
図53)、1010(
図54)、1100(
図55)によって受信される40ビットパケット1600が示されている。垂直軸は、電圧(V)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)を表す。信号振幅と比較して高いレベルのノイズにもかかわらず、データは、明確にかつ容易に読み取られる。
【0292】
図61は、本開示の一態様による、受信機回路900(
図47)、930(
図49)、950(
図50)、960(
図51)、970(
図52)、990(
図53)、1010(
図54)、1100(
図55)によって受信されるパケット1700の細かいスペクトルである。垂直軸は、電圧(mV)を表し、水平軸は、「インパルス・タイミング」時間(μs)を表す。
【0293】
別の態様では、第2のスパイク・プロトコル定義が本明細書で提示される。前のプロトコルと比較して、この第2のプロトコル定義は、送信機がキャパシタを充電するために利用できる時間を2倍にし、送信されるスパイクの振幅を本質的に2倍にする。第2に、この第2のプロトコルは、「サイドローブ」がすべてゼロまたは−1のいずれかになるように、周波数を見つけるために使用される疑似ランダムコードを改善する。第3に、このコードは、パケットがすべてゼロ、すべて1、またはその間のどこにあっても、等しくよく機能するように設計される。その他の点で、この第2のプロトコル定義は、前の変形例と同様に機能する。
【0294】
この第2の例示的なスパイク・プロトコル定義では、「ゼロ」および「1」チップを形成するように特定の方法で組み合わされ得る2つの「サブチップ」「A」および「B」が定義される。これが例示的な定義である。
【0295】
サブチップの定義:
The "A" subchip is {1 0 -1 0 -1 0 1 0 1 0 -1 0 1 0 -1 0 1 0 1 0 1 0 1}
The "B" subchip is {0 -1 0 -1 0 -1 0 -1 0 -1 0 1 0 -1 0 1 0 -1 0 -1 0 1 0}
The "zero" chip is {A B}
The "one" chip is {B A}
When decoding, the "stacking" length is len(A) = len(B)
【0296】
前述のシーケンスは、それらの組み合わされたとき、すなわち、
A + B = {1 -1 -1 -1 -1 -1 1 -1 1 -1 -1 1 1 -1 -1 1 1 -1 1 -1 1 1 1}
のとき、
【0297】
{A+B}×{A+B}が、23単位の高さの中心ピークとすべての他のサイドローブ=−1とを有する(自己相関)パターンを生成するように選択された(
図68参照)。異なる長さの他のコードが同様に使用されてもよく、態様は、そのように限定されない。たとえば、19単位の長さにおいて、コードは、{1 −1 −1 −1 −1 1 −1 1 −1 1 1 1 1 −1 −1 1 −1 −1 1}である。一般に、2つのサブチップ定義は、それらの合計の自己相関がサブチップの長さに等しい中心ピークを有するパターンを生成し、サイドローブが1に等しくない限り、異なるパターンを有する場合がある。
【0298】
さらに、この定義では:
40 bit packet = 24 bits data preceded by a 16-bit preamble:
preamble = [1 1 1 1 1 0 0 1 1 0 1 0 1 1 0 1];
【0299】
加えて、一列の70のチップは、ビットと同一のシンボルを作る。(他のプロトコルでは、シンボルは、ビットと1対1の関係を持たない。)シンボルあたりのチップ数を増加させることは、より多くの時間を使い果たす(パケットがより長い)が、送信クロックが安定している場合、各シンボルへのより多くの電力と、したがってより低いビットエラーレートとが存在する。
【0300】
さらに、この定義では:
12 + 11 = 23 spikes per chip
2 x 4 = 8 μs between spikes (except when transitioning from bit=1 to bit=0). When the subchip frames are stacked up, there will be 4 μs between 23 spikes.
23 x 2 x 4 = 184 us/chip
70 chips / bit
"A" sub-chip spikes are on 8 μs spacing starting at t = 0;
"B" sub-chip spikes are on 8 μs spacing starting at t = 4 μs;
12.88 ms / bit
40 bits / packet, data payload = 24 bits
515.2 ms / packet
【0301】
図64は、プロット1830における「A」サブチップのグラフ表現と、プロット1840における「B」サブチップのグラフ表現とを示す。x軸は、サンプル数であり、スパイク間の8μsとサンプリングレート=10MSPSとを仮定する。
【0302】
図65を参照すると、第2のスパイク・プロトコルの前述の例示的な定義に基づいて、上記の説明に従ってAとBを組み合わせることは、プロット1850に示すように「ゼロ」チップ=[A B]と、プロット1860に示すように「1」チップ=[B A]とを生じさせる。
【0303】
「ゼロ」ビットを作るために、70の「ゼロ」チップが順番にブロードキャストされ、「1」ビットを作るために、70の「1」チップが順番にブロードキャストされる。このようにして、パケット全体がブロードキャストされる。摂取可能な識別子のいくつかの現在の仕様によれば、名目上、各ビットを送信するために12.88msかかり、パケットを送信するために515.2msかかる。より低い、たとえば、5%低い送信周波数では、パケットを送信するために541msかかる場合があるが、より高い、たとえば、5%高い周波数では、489msのみかかる。
【0304】
信号を復号するとき、1つのパケットを確実に捕捉するのに十分なデータがフレーム内に記憶されるが、パケット間の雑音が信号を圧倒するほどではない。特に、パケットが互いに同期されている場合、パケット間に少数の空ビットのギャップで十分である場合がある。
【0305】
データは、次いで、サブクリップと等しい長さのセグメントに「スライス」される。しかしながら、送信周波数は、正確にはわからないので、サブチップの正確な長さもわからない。スライスあたりのサンプルまたはサブサンプルの数を決定する周波数の範囲は、想定される送信周波数に依存する。したがって、公称周波数では、サブチップあたり1840サンプル=スライスあたり1840サンプルが存在する場合がある。わずかにより低い周波数では、スライスあたり1840.1サンプルが存在する場合があり、それは、10スライスごとに、追加のサンプルがスライスに「圧搾」されていることを意味する。わずかにより高い周波数では、スライスあたり1839.99サンプルが存在する場合があり、それは、100スライスごとに、サンプルが「伸張」されていることを意味する。適切な伸張および圧搾によって、すべての周波数に対して等しい長さのスライスが得られる。これらのスライスは、次いで、各スライスを作成するためにどれくらい多くのサンプルおよびサブサンプルが使用されたのかを心配することなく、等しく扱われ得る。この動作は、伸張−圧搾スライス化プロセスである。伸張−圧搾を効率的に達成するために、各周波数に関するフレーム内の各スライスに関する開始点を記述するポインタのアレイを記憶するテンプレートが作られる。テンプレートという用語は、比較されるべき基準として機能するパルス(またはポインタ、スライスなど)の特定のかつ所定のパターンを指す。代替的には、実装の制約に応じて、各テンプレートを連続的に生成するためのアルゴリズムを使用してもよい。
【0306】
スライスは、次いで、積み重ねられ、合計される。各スライスは、この例では、1840サンプルであるので、すべてのスライスのすべての第1のサンプルが結合されたスライスの第1のサンプルに加算されるまで、第1のスライスの第1のサンプルが第2のスライスの第1のサンプルに加算され、次いで、第3のスライスの第1のサンプルがその合計に加算される、などである。このようにして、結合されたスライスの1840サンプルのすべてが生成され、各々がすべてのスライスの各々においてすべての同じ数のサンプルの合計である。
【0307】
雑音なしでは、この結合されたスライスは、
図66に示すプロットのように見える場合がある。この結合されたスライスは、SNR=5000を有する場合がある。
【0308】
「A」サブチップおよび「B」サブチップを合計することは、パケットの正確な周波数および開始点を見つけるために復号において使用される「テンプレート」を生成する。テンプレートは、
図67に示されている。23のスパイク間の間隔は、40サンプルまたは4μsであることに留意されたい。常に等しい数のAチップおよびBチップが存在するので、合計の振幅は、常に名目上等しい(実際には、雑音がこれらの振幅を変化させることになる)。
【0309】
次のステップは、各想定周波数に関する最良一致開始点を見つけるために結合スライスを結合スライスのテンプレートと畳み込むことである。最良一致結合スライス(上記で示した結合スライスと一致する)に関する典型的な低雑音畳み込みが
図68に示されている。このプロットは、テンプレート畳み込み合計対スライス番号を示す。
【0310】
テンプレートが最良適合結合スライスと整列するとき、振幅は23であることに留意されたい。スライスが4μsに相当するだけずらされたとき、振幅は、−1である。すべての他の不整合では、振幅は、ゼロである。想定周波数ごとに2つの値、ピークの振幅およびサンプル数が保持される。この相関スコアの絶対値が他のものと比較されることに留意されたい。最良適合スコアが負である場合、連続計算においてデータ・セット内の各データ点に−1が乗算される。
【0311】
各想定周波数に関する最大畳み込み値が計算され、記憶される。これらの値対想定周波数のプロットが「スペクトル」である。このSNR=5000の例に関するスペクトルが
図69に示される:(最良畳み込み合計対「周波数」)。
【0312】
この例は、周波数が501である公称値に近いことを示す。ピークが1により近い場合、周波数は、公称よりも低く(たとえば、公称長さ−1)、ピークが1000により近い場合、周波数は、公称よりも上である(たとえば、公称長さ+1)。最も高いピークから、2つのこと、すなわち、実際のブロードキャスト周波数と(
図68における前のグラフから)結合スライス内の開始インデックスとを学ぶ。
【0313】
次のステップは、この周波数およびこの開始インデックスに対するポインタを生成する(またはメモリから引き出す)ことである。ポインタは、各々が各スライスに関する開始点およびテンプレートを表す数字のリストである。
【0314】
ポインタおよびテンプレートは、次いで、各スライスに関する2つのサブチップスコア、すなわち、「A」サブチップスコアおよび「B」サブチップスコアを生成するために使用される。
【0315】
非常に低い雑音の場合に関する各スライスに関する「A」サブチップスコアが
図70に示されている(X軸:スライス番号、Y軸:相関値)。この例では非常に小さい雑音が存在するので、パケットの初めと終わりは、非常に見やすいことに留意されたい。パケットの初めにズームインすると、Aチップスコアが
図71に示されている(X軸:スライス番号、Y軸:「Aテンプレート」値との相関)。
【0316】
Aサブチップ相関値とBサブチップ相関値の両方を一緒にプロットしたものが
図72に示されている。Aサブチップスコアが高いとき、Bサブチップスコアが低いこと、またはその逆のことは容易にわかる。この例では、AサブチップスコアがBサブチップスコアよりも大きいことに留意されたい。これは、BサブチップよりもAサブチップ内に1つ多いスパイクが存在し、(積み重ねられたとき)奇数である「結合」チップを生成し、したがって、上記の
図68の最良適合結合スライスに示すように、すべて−1のサイドローブを可能にするためである。
【0317】
次のステップは、サブチップスコアを使用して、各スライスに関する「ゼロ」チップスコアおよび「1」チップスコアを生成することである。いくつかの態様によれば、これが式である。
for subChipNum = 1:chipsPerFrame
chipScores(subChipNum,1) = subChipScores(subChipNum,1)+subChipScores(subChipNum+1,2);
chipScores(subChipNum,2) = subChipScores(subChipNum,2)+subChipScores(subChipNum+1,1);
end
chipScores(:,3) = chipScores(:,2)-chipScores(:,1); % Use for decoding
chipScores(:,4) = chipScores(:,2)+chipScores(:,1); % Use for finding the packet start & finish
【0318】
したがって、「ゼロ」チップは、A(n)サブチップ+B(n+1)サブチップの合計であり、「1」チップは、B(n)サブチップ+A(n+1)サブチップの合計である。ゼロチップスコアと1チップスコアとの間の差は、復号のために使用され、2つの合計は、パケット開始点を見つけるために使用されることに留意されたい。
【0319】
図73は、スライス番号の関数としての「ゼロ」チップ値のプロットを示す。
【0320】
図74は、スライス番号の関数としてのゼロチップスコアと1チップスコアの両方のプロットを示す。再び、一方のチップスコアが高いとき、他方は低いことに留意されたい。位置合わせ、すなわち、パケットの正確な開始点を決定することは、ここでは需要であり、1スライスずれている場合、ゼロチップのすべてが1になり、逆もまた同様である。この問題は、既知のビットシーケンス、「プリアンブル」でパケットを開始することによって対処される。
【0321】
復号における次のステップは、スライス番号2ごとに「ビットスコア」を計算することであり、一方は、サブチップの各ビット長についてすべてのゼロサブチップを合計し、他方は、1サブチップの各ビット長についてすべての1サブチップを合計する。このステップをどのように実施するのかについての例として、このためのMATLABコードが以下に示されている。
bitLengthScores(1:chipsPerFrame-subChipsPerBit,1:2) = 0.0;
for chipNum = 1:chipsPerFrame - subChipsPerBit
for thisChipNum = chipNum:2:chipNum+subChipsPerBit-1
bitLengthScores(chipNum,1)=bitLengthScores(chipNum,1)+chipScores(thisChipNum,3);
bitLengthScores(chipNum,2)=bitLengthScores(chipNum,2)+chipScores(thisChipNum,4);
end
end
【0322】
2つのビット長スコアが生成され、1つはチップスコアの差を使用し、第2のものはチップスコアの合計に基づくことに留意されたい。後者は、パケットエンベロープになる。確かに、本明細書で使用されるフレームは、分析されているデータのセグメントを表し、それは、パケットを含むべきである。したがって、フレーム内で、パケットは、雑音によって囲まれることになる。
【0323】
図75は、ビット長スコア対スライス番号のプロットを示す。第2のビット長スコアがパケットを復号するために使用されるビット長スコアのエンベロープを表していても、ビット長スコアは、各スライス番号で反転する。正確な開始点は、有効なビットを有するスライスにクレジットを与えながら、正確なプリアンブルを生成する開始点に報酬を与えるアルゴリズムを使用して見つけられる。したがって、第1のビット長スコア(プリアンブル・ビットに関する)および第2のビット長スコア(データパケット・ビットに関する)の組合せが、パケットの最良推定を見つけるために使用される。
【0324】
この計算を行うためにスライスを探索するための例示的なMATLABコードが以下に示されている。
preamble = params.preamble*2-1;
bestSC(1:2) = 0.0;
thisPacket(1:40,1:3) = 0.0;
bestPacket(1:40,1:2) = 0.0;
for chipNum = 1:chipsPerFrame - subChipsPerPacket
for i = 1:40
thisPacket(i,1) = bitLengthScores(chipNum+(i-1)*subChipsPerBit,1);
thisPacket(i,3) = bitLengthScores(chipNum+(i-1)*subChipsPerBit,2);
if thisPacket(i,1)>0
thisPacket(i,2)=1;
else
thisPacket(i,2)=0;
end
end
thisPreamble = thisPacket(1:16,1).*preamble';
thisScore = 0.0;
factor = 1.0;
for preambleNum = 1:16
if thisPreamble(preambleNum) > 0
factor = factor*1.01;
else
factor = 1.0;
end
thisScore = thisScore+factor*thisPreamble(preambleNum);
end
thisScore = thisScore+sum(thisPacket(17:40,3));
if thisScore > bestSC(2)
bestSC(1:2) = [chipNum thisScore];
bestPacket(:,1:2) = thisPacket(:,1:2);
end
end
bestPacket(:,1) = bestPacket(:,1)/max(bestPacket(:,1));
【0325】
この時点で、パケットの最良推定が決定されている。プリアンブルは、それが正しいかどうかを見るためにチェックされる。それが正しい場合、データペイロードは、記録され、正しいとみなされる。信号のSNR(下記参照)に応じて、同じまたは類似の周波数における特定の数のデータパケットが決定され、それらが一致する場合、データパケットは、正しいとみなされる。代替的には、SNRが特定の数未満である場合、いくつかのこれらのビット長スコアは、単一のデータパケットのよりよい推定を生じるために隣接するデータパケットを組み合わせるメタビット長スコアを生成するために組み合わされてもよい。
【0326】
図76は、低雑音パケットのプロットを示す。2本の線が示され、より深くなる線は、ビット長スコアであり、より浅い線は、解釈されたようなビット値である。ここで、これらの同じパラメータが様々な量の雑音の存在下でどのように見えるかがわかる。以下のすべての例では、SNRは、Vmax/V noise rmsであるように測定され、ここで、Vmaxは、スパイク振幅であり、V noise rms=sqrt(mean(noise.*noise))(MATLAB表記)である。これが、これを示す適切なMATLABコードである。
noise = 2.0*rand(1,length(signal))-1.0;
noiseRMS = sqrt(mean(noise.*noise));
vMax = 000.0192;
inData = 1.0*signal*vMax/max(signal);
log_vMaxOverVn = 10.0*log(vMax/noiseRMS)
simData = inData + noise;
【0327】
図77は、異なる信号対雑音比における最良適合結合スライスの4つのプロットを示す。プロット1900は、SNR=5dBに関する最良適合結合スライスを示す。プロット1910は、SNR=−15dBに関する最良適合結合スライスを示す。プロット1920は、SNR=−24dBに関する最良適合結合スライスを示す。プロット1930は、SNR=−34dBに関する最良適合結合スライスを示す。
【0328】
次の重要なパラメータは、結合合計内の最良推定開始点を決定するために「最良適合合計」をテンプレートに畳み込むことによって生成される。
【0329】
図78は、様々なSNRに関する「テンプレート」と畳み込まれた「最良適合合計」である「bestThisSums」の様々なプロットを示す。各々の場合、プロットは、「最良推定」、すなわち、最大ピークを生成した周波数のものである。プロット2000は、SNR=5dBに関する「bestThisSums」のこの畳み込みを示す。各周波数は、ピークを生成し、最も高いピークが正しい周波数である(各周波数に関するピークのプロットに関する「スペクトル」を参照)。ピーク(最も高い全体的なピーク)の位置は、開始インデックスを示す。したがって、フレームがスライスに分割されるとき、この開始インデックスは、各スライスに関するサブチップスコアを生成するために、AサブチップテンプレートとBサブチップテンプレートとを相関させるために使用される。ピークの位置が各スライス内の各サブチップの開始点の位置合わせを決定すると言うこともできる。
【0330】
プロット2010は、SNR=−15dBに関する「bestThisSums」を示す。プロット2020は、SNR=−24dBに関する「bestThisSums」を示す。プロット2010は、SNR=−34dBに関する「bestThisSums」を示す。(スパイクのピーク振幅が背景雑音のピーク振幅の約2%であるデータ・セットを表す)−34dBの場合であっても、相関値は、依然として簡単に見つかることに留意されたい。この場合、正しいピーク(約3000)は、次に最も近いピーク(約1000)の約3倍である。
【0331】
各周波数に関する最良のbestThisSums値をプロットすることは、「スペクトル」、すなわち、最良適合相関対周波数番号に似たものを生成する。
図79は、異なるSNRにおける様々なスペクトルプロットを示す。プロット2100は、SNR=5dBに関するスペクトルを示す。プロット2110は、SNR=−15dBに関するスペクトルを示す。プロット2120は、SNR=−24dBに関するスペクトルを示す。−24dBでは、スパイク振幅は、ピーク雑音振幅の約5%である。次の最良のピークに対する最良の相関ピークの比は、約7である。プロット2130は、SNR=−34dBに関するスペクトルを示す。この信号は、このレベルの雑音においても非常に高い精度で復号される。
【0332】
再び、単一のパケットの検出精度が著しくスリップし始める時点で、ピークは、次の最も大きいピークのものの約3倍である。この比が4または5未満に低下すると、復号精度を改善するために、スペクトルレベル(ピーク対雑音比が約5より優れているかどうかを見るため)とビット長スコアレベルの両方においてパケットを結合し始めることが有益である場合がある。
【0333】
これらの様々なレベルのSNRにおいてパケットをうまく復号するために使用されるビット長スコアは、
図80に示されている。プロット2200は、SNR=5dBに関するビットスコアを示す。プロット2210は、SNR=−15dBに関するビットスコアを示す。プロット2220は、SNR=−24dBに関するビットスコアを示す。プロット2230は、SNR=−34dBに関するビットスコアを示す。プロット2230は、最大雑音振幅のスパイク振幅=1.95%に対応するSNR=−33.9dBのところで、うまく復号された。パケットを結合するか、またはチップあたりより多くのサブチップを使用することによって、背景雑音と比較してより小さい振幅スパイクからなる信号が見つけられ、復号され得る。
【0334】
スパイク・プロトコルの第3の例示的な定義では、ちょうど2つのサブチップを利用するのではなく、Nの直交チップが非常の多数の方法で組み合わされるために利用されてもよく、ここでNは、各チップ自体において予め定義されているユニットの数である。この場合、N=23であるが、他のサイズが使用されてもよい(たとえば、N=19または17)。この例では、第1の先に説明したプロトコルと比較して、この第3の定義は、(摂取センサのような電流が限られた充電システムを仮定すれば)送信機が放電の間にキャパシタを充電するのに利用可能な時間を23倍に増やし、送信スパイクの振幅を大幅に増加させる。第2に、このプロトコル定義は、「サイドローブ」がすべてゼロまたは−1のいずれかになる(第2のプロトコルと同じ)ように周波数を見つけるために使用される疑似ランダムコードを改善する。第3に、すべてのパケットは、同じ23の固有のシンボルからなるが、これらの23のシンボルの出現の順序は、情報を決定する。(第1のスパイク・プロトコルは、適切に機能するためにパケット内のゼロおよび1の等しい数を必要とした。)その他の点で、プロトコルは、前の改訂と同じように機能する。
【0335】
この第3の例示的なプロトコル定義に関するチップ定義がここで定義される。
% "A" sub-chip spikes are on 92 μs spacing starting at t = 0;
% "B" sub-chip spikes are on 92 μs spacing starting at t = 4 μs;
% "C" sub-chip spikes are on 92 μs spacing starting at t = 8 μs;
% ...
% "W" sub-chip spikes are on 92 μs spacing starting at t = 88 μs;
% 240 chips / symbol (e.g., 240 “A” chips in a row makes an “A” symbol)
% 44.16 ms / symbol
% 23 symbols / packet, data payload = 2
% 270.5 ms / packet
The "A" chip is {1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "B" chip is {0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "C" chip is {0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "D" chip is {0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "E" chip is {0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "F" chip is {0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "G" chip is {0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "H" chip is {0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "I" chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "J" chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "K" chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "L" chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "M" chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "N" chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "O” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0 0 0 0}
The "P” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0}
The "Q” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0}
The "R” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0 0}
The "S” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0 0 0 0}
The "T” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0}
The "U” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0}
The "V” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 -1 0}
The "W” chip is {0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1}
When decoding, the "stacking" length is length(A) = length(B) = … = length(W)
【0336】
上記のシーケンスは、23のシンボルが組み合わされた(240のAチップがAシンボルを作り、240のBチップがBシンボルを作る、など)、すなわち、
{A + B + C + … + W} = {1 -1 -1 -1 -1 -1 1 -1 1 -1 -1 1 1 -1 -1 1 1 -1 1 -1 1 1 1}
のとき、{sum(A:W)}×{sum(A:W)}が23単位の高さの中心ピークとすべての他のサイドローブ=−1とを有するパターンを生成するように選択された(
図68参照)。異なる長さの他のコードの多くが同様に使用される。たとえば、19単位の長さにおいて、コードは、{1 -1 -1 -1 -1 1 -1 1 -1 1 1 1 1 -1 -1 1 -1 -1 1}である。
【0337】
このプロトコルの固有の特徴の1つは、パケットが正確に23のシンボル、A〜Wからなることである。各シンボルは、いくつかの連番の関連チップで構成される。この状況では、シンボルあたり240チップが、持続時間が前のプロトコルと同様のパケットを生成する。シンボルあたりより多くのチップを使用することは、チップが合計されるときに各シンボルの振幅を増大し、より多くの雑音を平均化し、その平均の大きさを減少させる。情報は、シンボルが現れる順序で含まれる。したがって、約10
21の固有のコードに等しい23!(23の階乗)、約70ビットの情報が存在する。これらの「ビット」は、パケットのプリアンブル、アドレス、およびデータ、または他の目的のために使用される。たとえば、
preamble = A F K P T
ID: 000 = BC DE GH IJ LM NO QR SU VW
ID: 001 = BC DE GH IJ LM NO QR SU WV
ID: 010 = BC DE GH IJ LM NO QR SV UW
ID: 011 = BC DE GH IJ LM NO QR SV WU
ID: 100 = BC DE GH IJ LM NO QR SW UV
ID: 101 = BC DE GH IJ LM NO QR SW VU
【0338】
以下は、サブチップ、チップ、シンボル、およびビットのこのプロトコルに関する定義である。
【0339】
チップあたり23のサブチップが存在する(テンプレート内のスパイクの数と同じ)。各サブチップは、スパイクが発生するのに間に合うように等間隔の位置にあり、スパイクは、+1または−1のいずれかであり得る。
【0340】
シンボルあたり240のチップが存在する(同様に、より多いか、またはより少なくてもよい)。
【0341】
パケットあたり23の固有のシンボルが存在する。
【0342】
シンボルとビットとの間の関係は、もう少し複雑であり、あるとしても各々の場合にどれくらい多くのシンボルが、プリアンブル、アドレス、およびデータフィルドのために使用されるのかに依存する。
【0343】
たとえば、上記のプリアンブルおよびアドレス=バイナリ(101)を配信するために、パケットは、単純化され:
Packet = {A F K P T B C D E G H I J L M N O Q R S W V U}
【0344】
シンボルあたりのチップ数を増加させることは、より多くの時間を使い果たす(パケットがより長い)が、送信クロックが安定している場合、各シンボルへのより多くの電力と、したがってより低いビットエラーレートとが存在する。ここで、スパイク・スライス・アルゴリズムが後にパケット内の周波数変動にどのように対処することができるかについて論じる。
【0345】
図81は、最初の4つの「A」チップを示す。スパイク間の92μs、サンプリングレート=10MSPSを仮定して、x軸は、サンプル#である。
【0346】
図82は、シンボルあたり240チップを仮定して、送信されるような信号のプロットを示す。
図82では、信号は、スパイクがはるかにより広いだけで、23ビットテンプレート・パターンと同様に見えることに留意されたい。これは、23ビットテンプレート・パターンの各「ビット」が240の同一のスパイク、すなわち、すべて+1またはすべて−1のいずれかであるためである。
【0347】
「A」シンボルを作るために、240の「A」チップが順番にブロードキャストされ、「B」シンボルを作るために、240の「B」チップが順番にブロードキャストされる。このようにして、パケット全体がブロードキャストされる。名目上、各シンボルを送信するために44.16msかかり、パケットを送信するために541msかかる。より低い、たとえば、5%低い送信周波数では、パケットを送信するために568msかかる場合があるが、より高い、たとえば、5%高い周波数では、514msのみかかる。
【0348】
信号を復号するとき、1つのパケットを確実に捕捉するのに十分なデータがフレーム内に記憶されるが、パケット間の雑音が信号を圧倒するほどではない。特に、パケットが互いに同期されている場合、パケット間に少数の空ビットのギャップで十分である場合がある。
【0349】
データは、次いで、サブクリップと等しい長さのセグメントに「スライス」される。しかしながら、送信周波数は、正確にはわからないので、サブチップの正確な長さもわからない。スライスあたりのサンプルまたはサブサンプルの#を決定する周波数の範囲は、想定される送信周波数に依存する。したがって、公称周波数では、チップあたり920サンプル=スライスあたり920サンプルが存在する場合がある。わずかにより低い周波数では、スライスあたり920.1サンプルが存在する場合があり、それは、10スライスごとに、追加のサンプルがスライスに「圧搾」されていることを意味する。わずかにより高い周波数では、スライスあたり919.99サンプルが存在する場合があり、それは、100スライスごとに、サンプルが「伸張」されていることを意味する。適切な伸張および圧搾によって、すべての周波数に対して等しい長さのスライスが得られる。これらのスライスは、次いで、各スライスを作成するためにどれくらい多くのサンプルおよびサブサンプルが使用されたのかを心配することなく、等しく扱われ得る。この動作は、伸張−圧搾スライス化プロセスである。伸張−圧搾を効率的に達成するために、各周波数に関するフレーム内の各スライスに関する開始点を記述するポインタのアレイを記憶するテンプレートが作られる。
【0350】
スライスは、次いで、積み重ねられ、合計される。各スライスは、この例では、920サンプルであるので、すべてのスライスのすべての第1のサンプルが結合されたスライスの第1のサンプルに加算されるまで、第1のスライスの第1のサンプルが第2のスライスの第1のサンプルに加算され、次いで、第3のスライスの第1のサンプルがその合計に加算される、などである。このようにして、結合されたスライスの920サンプルのすべてが生成され、各々がすべてのスライスの各々においてすべての同じ数のサンプルの合計である。
【0351】
雑音なしでは、この結合されたスライスは、SNR=5000を有する結合スライスを示す
図66に示すプロットのように見える場合がある。プロトコル3の結合スライスは、プロトコル2の結合スライスとまったく同じに見える。実際、パケットの持続時間が同じであり、パケットによって送信されたエネルギー量が同じであった場合、2つの結合スライスは、実際に同一である。違いは、プロトコル3では、23*4μs=92μsのチャージポンピングが各スパイク間で発生するのに対し、プロトコル2では、2*4μs=8μsのチャージポンピングが各スパイク間で発生することである。したがって、プロトコル3における各スパイクの振幅は、プロトコル2における各スパイクの振幅のざっと10倍である。ここで、各システムのアナログフロントエンドが「理想的」であり、各システムにおけるアナログ−デジタル・コンバータも「理想的」であった場合、固定された結合スライスにおける合計利用可能エネルギーおよびスパイク数では、プロトコル2およびプロトコル3からの結合スライスに違いがあるべきではない。しかし、世界は、理想的ではなく、240のスパイクが23の時間内の場所の各々について合計されるとき、スパイクの検出可能なセットが観察されるように、スパイクの振幅の10倍の増加が、スパイクの間にADCの最下位ビットが十分に頻繁にフリップすることを意味する場合がありそうである。加えて、スパイク間に92μsを有することは、この事実を利用してこれらの92μsスパイク間の雑音を除去するスパイク・スライス・アルゴリズムの使用を促進する。これは、先に説明したプロトコル2で可能な75%の減少と比較して、雑音の寄与をほぼ99%増加させる。この変形例について後にもう少し検討する。
【0352】
「A」から「W」のチップのすべてを合計することは、パケットの正しい周波数と開始点とを見つけるために復号において使用される「テンプレート」を生成する。これは、プロトコル2で使用したのと同じテンプレートである(
図67参照)。
【0353】
23のスパイク間の間隔は、40サンプルまたは4μsであることに留意されたい。常に等しい数のAチップおよびBチップが存在するので、合計の振幅は、常に名目上等しい(実際には、雑音がこれらの振幅を変化させることになる)。
【0354】
次のステップは、各想定周波数に関する最良一致開始点を見つけるために結合スライスを結合スライスのテンプレートと畳み込むことである。最良一致結合スライス(上記で示した結合スライスと一致する)に関する典型的な低雑音畳み込みが再び
図68に示されている。
【0355】
テンプレートが最良適合結合スライスと整列するとき、振幅は23であることに留意されたい。スライスが4μsに相当するだけずらされたとき、振幅は、−1である。すべての他の不整合では、振幅は、ゼロである。想定周波数ごとに2つの値、ピークの振幅およびサンプル数が保持される。この相関スコアの絶対値が他のものと比較されることに留意されたい。最良適合スコアが負である場合、連続計算においてデータ・セット内の各データ点に−1が乗算される。このプロセスは、プロトコル2のものと同一である。
【0356】
各想定周波数に関する最大畳み込み値が計算される。これらの値対想定周波数のプロットが「スペクトル」である。この例ではSNR=5000のスペクトルのプロットについて、再び
図69を参照されたい。
【0357】
この例は、周波数が501である公称値に近いことを示す。ピークが1により近い場合、周波数は、公称よりも低く、ピークが1000により近い場合、周波数は、公称よりも上である。最も高いピークから、2つのこと、すなわち、実際のブロードキャスト周波数と(前のグラフから)結合スライス内の開始インデックスとを学ぶ。
【0358】
次のステップは、この周波数およびこの開始インデックスに対するポインタを生成する(またはメモリから引き出す)ことである。ポインタは、各々が各スライスに関する開始点およびテンプレートを表す数字のリストである。
【0359】
ポインタおよびテンプレートは、次いで、各スライスに関する23のサブチップスコア、すなわち、「A」サブチップスコア〜「W」サブチップスコアを生成するために使用される。各チップスコアは、そのチップに関するテンプレートと畳み込まれたそのスライスの相関合計である。したがって、「A」チップに関するテンプレートは、サンプル番号1の時点での単一のスパイクである(たとえば...)。Bチップに関するテンプレートは、サンプル番号41における(すなわち、1秒あたり10
6サンプルを仮定してt=4μsにおける)単一のスパイク(すなわち、放電されたキャパシタからコイルを介して低雑音システムにおいて受信される予測信号)である。
【0360】
非常に低い雑音の場合に関する各スライスに関する「A」サブチップスコアが
図83に示されている。X軸は、スライス番号を表し、Y軸は、相関値を表す。この例では非常に小さい雑音が存在するので、Aチップはすべて、パケットの初めに発生することを理解することは容易であることに留意されたい。
【0361】
図84は、非常に低い雑音の場合に関する各スライスに関するFチップスコアを示す。同様に、パケット内の第2のシンボルとして、各スライスに関するFチップスコアは、パケット内の第2のシンボルが発生すると予測されるときに高い。
【0362】
図85は、A〜Wのすべてのチップスコア対スライス番号のプロットを示す。低雑音の場合、各シンボルの値は、それらが存在しないときはいつでも約ゼロであることを理解することは容易である。これは、チップのすべてが同じ位置合わせ、または開始点を共有し、したがって、その位置合わせを考えると、各シンボルが他のシンボルと直交するためである。したがって、他のプロトコルとの主な違いは、パケットエネルギーのすべてが周波数とスライス内位置合わせ点とを見つけるために使用されることである。任意の所与のスライス内位置合わせ点について、シンボルのすべては、互いに直交する。しかし、たとえば、140ビットの情報を望む場合、23シンボルのパケットを異なる順列で単純に繰り返すことが意味をなす場合がある。これは、もちろんうまくいき、パケットエネルギーのすべては、周波数を見つけるために使用されることになるが、ここでは、そのパケットのエネルギー量に対して、シンボルあたりのエネルギーは、半分になる。同じ目的を達成するためのよりよい手法は、同様の自己相関パターンを有する25シンボルシステムを見つけることである。25シンボルのパケットは、84ビットをもたらすことができた。この場合、シンボルエネルギー/パケットエネルギーは、8%のみ減少する。したがって、各チップスコアは、各々が単一のスライスに関するシンボルに対する相関合計である23の数を有する。
【0363】
最終的に、スライスごとにこれらのチップスコアのうちの1つのみが、最良推定パケットの計算において使用されることになる。これは、約1μsの期間における信号がその1μsの間に発生する雑音とともに収集されることを意味する。しかしながら、各スライスの他の91μsにおいて発生する雑音は、完全に除外される。しかしながら、代替実施形態は、各スライスに関する23のチップスコアのすべてを平均し、各チップスコアから他のチップスコアの平均を減算することであってもよい。しかしながら、この代替実施形態は、スライスあたり22マイクロ秒以上において雑音を収集し使用することになる。おそらく、これが利点になる可能性がある特定の状況が存在する。
【0364】
いずれにせよ、次のステップは、チップスコアを使用して、各スライスに関するシンボル長スコアを生成することである。再び、各スライスについて、各々がそのスライスおよび次の239のスライスのチップスコアの合計を表す23のシンボルスコアが存在する。これが式である。
for chipNum = 1:symbolsPerFrame - chipsPerSymbol
for thisChipNum = chipNum:chipNum+chipsPerSymbol
for symbolNum = 1:23
symbolLengthScores(chipNum,symbolNum) = symbolLengthScores(chipNum,symbolNum)...
+chipScores(thisChipNum,symbolNum);
end
end
end
【0365】
図86は、シンボル長スコアの各々対スライス番号のプロットを示す。この時点で、次のステップは、各スライスに関するパケット長スコアを決定することである。これを行うために、各スライスに関する最大シンボル長スコアをそのシンボルであるように宣言することによって開始する。雑音がほとんど存在しないとき、これは、簡単であり、シンボルのうちの1つは、非常に大きいスコアを有し、他のものは、非常に小さいスコアを有する。次いで、パケットを定義する適切な23の時点からのこれらの最大シンボル長スコアを合計し、各スライスに関する「パケットスコア」を決定する。最大のパケットスコアについて候補スライスのすべてを処理するとき、23の選択されたシンボルが一意であるかどうか、すなわち、各シンボルが1回だけ「最大」であるかどうかも確かめなければならない。最大パケットスコアについてスライスを探索するとき、第1のカットにおいて最大でないものの大部分を無視することができる。最大パケットスコアを有するスライスが(雑音のために)23の固有のシンボルを識別しない場合、23の固有のシンボルを有する最良推定パケットを見つけるためにエラー訂正アルゴリズムが使用される。
【0366】
そのようなアルゴリズムを実行する1つの方法が、例示的なMATLABコードにおいて以下に示されている。
symbolLen = length(allSymbolScores);
packetSums(1:symbolLen,1:2) = 0.0;
[convolutionSums, symbolNums] = sort(allSymbolScores,1,'descend');
[thisBestSum, thisBestSymbol] = max(convolutionSums(1,1:23)); %Find the highest correlation value and locationamong all 23 x 23
while thisBestSum > 0.0
thisLocation = round(symbolNums(1,thisBestSymbol));
if packetSums(thisLocation,1) < 1
packetSums(thisLocation,1:2) = [thisBestSymbol thisBestSum]; % Store thisBestSymbol in the thisLocation symbol location and its correlation score
convolutionSums(1:symbolLen,thisBestSymbol) = 0.0; % Zero out the rest o fthe thisBestSymbol correlation scores
else
% IN this case, the packet location is already filled, but this symbol has not been declared.
% Eliminate the found location for this symbol and shift the
% values for the other locations for this symbol up.
convolutionSums(1:symbolLen-1,thisBestSymbol) = convolutionSums(2:symbolLen,thisBestSymbol);
symbolNums(1:symbolLen-1,thisBestSymbol) = symbolNums(2:symbolLen,thisBestSymbol);
end
[thisBestSum, thisBestSymbol] = max(convolutionSums(1,1:23)); %Find the highest correlation value and locationamong all 23 x 23
End
【0367】
最初に、23のパケット位置の各々に関する23のシンボルスコアが行列内に格納される。その行列は、次いで、各位置に関する最高のシンボル長スコアが見つかるようにソートされる。すべての位置に関する高いシンボル長スコアが見つかり、そのシンボルは、その位置に対して宣言される。そのシンボルは、次いで、他の22の位置に関する競争から除去される。残りの22の位置の中で次に最も高いシンボル長スコアが次いで見つけられ、その位置に関するシンボルが宣言され、そのシンボルは、すべての他の位置に関する競争から除去される。上記のアルゴリズムは、この手順を成し遂げる1つの方法であるが、エラーを訂正する他のより効率的な方法が存在する可能性がある。たとえば、プリアンブルが存在する場合、この情報は、最良推定パケットと、推定の精度の推定値とを見つけるために使用されてもよい。最終的に、エラー訂正が必要とされる場合、そのスライス番号に関するパケットスコアは、より低くなる。それでも、それは、依然として最高の全体的なパケットスコアである可能性がある。
【0368】
このようにして、パケットの最良推定が決定された。信号のSNRに応じて、同じまたは類似の周波数における特定の数のデータパケットが決定され、それらの一致する場合、データパケットは、正しいとみなされる。代替的には、SNRが特定の数未満である場合、これらのビット長スコアのうちのいくつかは、単一のデータパケットのよりよい推定をもたらすために隣接データパケットを組み合わせるメタシンボル長スコアを生成するために組み合わされてもよい。
【0369】
図87は、低雑音(−5.5dB)パケットを示すプロットである。2本の線が示され、10をわずかに下回る値を有する徐々に変化するオレンジ色の線2270は、その位置における正規化ビット長スコアであり、1から23までの範囲の値を有する急激に変化する(青色)線2280は、解釈されたようなシンボル値である。
【0370】
ここで、様々な量の雑音の存在下で、これらの同じパラメータがどのように見えるかが決定され得る。すべての以下の例では、SNRは、Vmax/V noise rmsであるように測定され、ここで、Vmaxは、スパイク振幅であり、V noise rms=sqrt(mean(noise.*noise))(MATLAB表記)である。これが関連するMATLABコードである。
noise = 2.0*rand(1,length(signal))-1.0;
noiseRMS = sqrt(mean(noise.*noise));
vMax = 000.0192;
inData = 1.0*signal*vMax/max(signal);
log_vMaxOverVn = 10.0*log(vMax/noiseRMS)
simData = inData + noise;
【0371】
いくつかの態様では(そして先に言及したように)、シンボル長伸張/圧搾プロセスに対する重要な変形例が利用される。このプロセスでは、データフレームは、重なり合うシンボル長スライスに分割される。代替的には、データフレームは、シンボル長の1.5倍に等しい長さのスライスに分割され、これらのスライスは、0.5倍のシンボル長において増分する。この場合、計算を減らすために、連続するスライス計算においてサブスライスが使用されてもよい。この変形例は、単一のシンボルのエネルギーのすべてが単一のスライス内に含まれることを保証する。このプロセスは、正しい周波数を見つけるときにはあまり効果がない可能性があるが、信号をデコードするときに役立つ可能性がある。どちらにしても、これらのスライスの各々は、次いで、公称長さ(この例では、920サンプル長)の結合スライスに伸張または圧搾される。正しい周波数の低雑音の例が
図88に示されている。ここでは、シンボル長スライスの第1の結合スライスが示されている。
【0372】
1つのピークのみが現れることに留意されたい。これは、第1のスライスが第1のシンボルの一部のみを捕捉し、第2のシンボルを捕捉しないためである。第2のスライスは、数パーセントだけ第1のスライスと重複する。この場合、割合は、50%である。これの目的は、これらのスライスのうちの1つがシンボル情報の大部分を捕捉し、ピークが検出され得ることを確実にすることである。
【0373】
シンボル長スライスの第2の結合スライス合計が
図89に示されている。第1のスライスに現れた同じピーク(インデックス=400付近)が第2のスライスでも現れることに留意されたい。加えて、次のシンボルの一部(インデックス=200付近)も見られる。
【0374】
図90は、ノイズの存在下での同じ第1のスライスおよび第2のスライス合計の2つのプロットを、それぞれ、プロット2270および2280において示す。プロット2270は、SNR=7dBでシンボル長スライスの第1のスライスを示す。これは、異なるデータのセットであり、ピークは、この結合スライスの異なるインデックスにおいて現れることに留意されたい。同様に、プロット2280は、SNR=7dBでシンボル長スライスの第2のスライスを示す。この結合スライスでは2つのピークが背景雑音の上に見えることに留意されたい。
【0375】
これらのシンボル長フレームの各々において1つのみまたは多くても2つのピークが示されると予想されるので、テンプレートは、
図91に示す単一のピークのものである。
図91は、シンボル長スライスに使用されるテンプレートを示す。このテンプレートが
図90の2つのプロットに示されている結合スライスと畳み込まれたとき、結果は、
図92に示されているようである。
図92は、プロット2270に示す結合スライスと
図91に示すテンプレートとの畳み込みを示す。それは、
図68における結果と類似している。
【0376】
図93は、プロット2280に示す結合スライスと
図91に示すテンプレートとの畳み込みを示す。それは、
図68における結果と類似している。
【0377】
この圧搾/伸張スライスの変形例では、2つのピークが見られると予想される。これら2つのピークは、理想的に集められる唯一の情報であり、残りは無視することができ、それは単なる雑音である。このようにして、信号がないところで雑音を除去することによって、システムの雑音に対する全体的な信号が改善され得る。実際、後の計算でこれらのピーク値のうちの1つのみを使用することによって、送信中に存在する雑音の約98%が分析から除外される。そして、各シンボル長スライスについて:
【0378】
1.5倍のシンボル長のデータが、公称長さのスライス(この場合、920データ点)に圧搾/伸張される(1.5倍は、各ピークのすべてが1つの結合スライス内にあることを保証するために使用される)。
【0379】
結合スライスは、単一のピークからなるテンプレートと畳み込まれる。
【0380】
各々から少なくとも35μs離れている畳み込みから生じる上部の2つのピークは、それらのインデックスとともにメモリ内に記憶される(インデックスおよび大きさは、両方とも保持される)。2つのピークの各々の絶対値の合計は、スペクトル(周波数)と呼ばれる変数に追加される。したがって、シンボル長スライスの各々における上部2つのピークの大きさ(絶対値)の各々は、正しい周波数を見つけるためにすべての他の周波数と比較される値を作るために互いに加算される。これらのスペクトル値は、同じ雑音の場合について
図94に示すように、周波数の関数としてプロットされてもよい。
図94は、スペクトル、すなわち、周波数の関数としてのシンボル長スライスの各々に関する2つのピークの大きさの合計を示す。それは、
図69と類似している。
【0381】
図69と比較すると、このスペクトルのピークは、はるかにより広く滑らかである。これは、一度に1つのシンボルのみが解析されているので、フィルタリングがより広い帯域幅を有するためである。(滑らかさの一部は、ここでは大きさのみがプロットされ、以前のスペクトルのプロットはデータ・セットのパリティを含んでいたという事実によるものである。)それは、23スパイク・テンプレートによる全フレーム伸張/圧搾分析の特異性を欠いている。一方、大量の雑音が分析から除外されている。23スパイク・テンプレートでは、各スパイクは、4μsの間隔で約1μsの幅である。スパイク間では、テンプレート値は、ゼロである。したがって、各畳み込みにおいて、雑音の75%、テンプレート内のスパイク間の空間は、除去される。しかしながら、シンボル長伸張/圧搾手法では、テンプレートは、幅1μsの単一のスパイクであり、2回使用される。この場合、2μsのノイズが含まれ、90μsまたは98%の雑音が除去される。
【0382】
雑音レベルがさらにより高いときにこれが周波数を見つけることにどのように役立つのかを見るために、フレーム長伸張/圧搾分析とシンボル長伸張/圧搾分析の両方に関するスペクトルが
図95に示されている。
【0383】
図95のプロット2300は、周波数の関数としてフレーム長スライスに関するスペクトルを示す。SNR=−10.6である。それは、
図69におけるプロットを生成するために使用されたのと同じアルゴリズムを使用して計算された。
【0384】
図95のプロット2310は、周波数の関数としてシンボル長スライスに関するスペクトルを示す。SNR=−10.6である。それは、
図94におけるプロットを生成するために使用されたのと同じアルゴリズムを使用して計算された。
【0385】
上記の比較において、正解(インデックス=501)が生成されることに留意されたい。しかしながら、プロット2330内のピークがより滑らかな曲線であり、信号が存在する確実性がより高いことは明らかである。
【0386】
雑音のより多い実行からの結果が
図96に示されている。プロット2320は、周波数の関数としてフレーム長スライスに関するスペクトルを示す。SNR=−13.5dBである。それは、
図69のプロットを生成するために使用されたのと同じアルゴリズムを使用して計算された。
【0387】
プロット2330は、周波数の関数としてシンボル長スライスに関するスペクトルを示す。SNR=−13.5dBであるが、シンボルあたり120チップのみである。それは、
図94のプロットを生成するために使用されたのと同じアルゴリズムを使用して計算された。
【0388】
フレーム長の場合、正解(501)は、インデックス600および520に近いピークの後、第3に現れることに留意されたい。したがって、このパケットは、正常に復号されなかった。しかしながら、プロット2330内のシンボル長シンボル長スライスに基づくスペクトルは、正確に正しい周波数を見出した。
【0389】
図97を参照すると、プロット2340において、周波数の関数としてフレーム長スライスに関するスペクトルが示されている。SNR=−17.5dBであるが、シンボルあたり120チップのみである。それは、
図69のプロットを生成するために使用されたのと同じアルゴリズムを使用して計算された。
【0390】
プロット2350は、周波数の関数としてシンボル長スライスに関するスペクトルを示す。SNR=−17.5dBであるが、シンボルあたり120チップのみである。それは、
図94のプロットを生成するために使用されたものと同じアルゴリズムを使用して計算された。
【0391】
SNRがさらに減少したとき、プロット2340におけるフレーム長スライスに基づくスペクトルは、正しい周波数を識別することに近づかなかった。一方、プロット2350におけるシンボル長スライスに基づくスペクトルは、周波数をターゲット501の代わりに505単位であると推定し、パケットを正常に復号することに十分に近い。
【0392】
これがより詳細なレベルでどのように機能するかを見るために、プロット2280(
図90参照)におけるのと同じ第2のスライス、同じデータ・セットであるが、10単位より高い周波数におけるものが
図98のプロット2360において示されている。プロット2360において、シンボル長スライスの第2のスライスが示されており、SNR=7dBであるが、周波数は、501の代わりに511単位である。スパイクに含まれる情報の大部分が保持されることに留意されたい。ピークは、わずかにより低いだけである。
【0393】
プロット2370において、シンボル長スライスの第2のスライスが示されており、SNR=7dBであるが、周波数は、501の代わりに521単位である。これに基づいて、スパイクをより多くのインデックスにわたって分散させることによって、ピークの大きさがどのように減少するかが容易にわかり得る。これは、探索周波数が10単位だけずれているときはほとんど目立たないが、20単位だけずれているときはより明白になる。
【0394】
図99を参照すると、プロット2380において、シンボル長スライスの第2のスライスが示されており、SNR=7dBであるが、周波数は、501の代わりに551単位である。
【0395】
プロット2390において、シンボル長スライスの第2のスライスが示されており、SNR=7dBであるが、周波数は、501の代わりに571単位である。周波数が70単位だけずれているとき、ピークの大きさは、周波数が正確に正しかったときにそれらがそうであったものの約半分であることに留意されたい。
【0396】
ここで、23!のコードを生成するために23のシンボルすべてがパケット内にランダムに配置されることを許可する代わりに、2つの有効なシンボル間の間隔が常に同じになるように、最初の3つのシンボルが固定され、他のシンボルが各々対にされることが代わりに主張された場合、上記で示した単一シンボル幅のスライスの利点の大部分を保持しながら、2シンボル幅のスライスが劇的により具体的になることに留意すべきである。
【0397】
この変形例にはいくつかの利点が存在する。たとえば、シンボル長スライスの概念は、それ自体リアルタイム実行に適合させ、多数のデータ点が消費され、より少数の点に変換され、それらのより少数の点は、パケットを見つけ、その周波数を見つけ、その情報を復号するために後に使用され得、それは、そもそもスライスの主な目的である。
【0398】
この場合、パケット長は、(約500msであったプロトコル2とは対照的に)250msであった。より長いパケット長は、より長いシンボルを意味し、それは、各シンボルにより多くのエネルギーを投入し、したがって、復号するのがより容易である。250msにおいて、各シンボルは、120(シンボルあたりのチップ)*920(チップあたりのサンプル)=シンボルあたり110400サンプルであった。プロトコル2では、数は、シンボルあたり220800サンプルであった(いずれの場合も公称サンプル数であり、送信されるサンプルの正確な数は、公称よりも1%、5%、さらには10%より多いまたは少ない場合がある)。想定される場合、公称周波数範囲の±1%のずれ、たとえば、1000周波数バケットが使用されてもよい。各スライスについて、220800サンプルが、1000×4のデータ点を有するスライスに変換され得る。より正確には、上位3または上位4のピークが各スライスについて保存され、保存される情報を4000点から、たとえば、8000点に増加させてもよい。それにもかかわらず、220000サンプルが8000点ほどに変換され、かなり有意な圧縮率である。
【0399】
第2は、もちろん、最終分析から雑音の98%を除去することによるもので、信号および周波数の検出は、約6dBだけ改善され得、それは、重要な利点である。これらの2つのシンボル間の既知の分離を伴う2シンボル幅のスライスのようなさらなる変形例は、さらなる利点をもたらす場合がある。
【0400】
第3に、この変形例は、人工信号が存在し、ランダム雑音が存在しないことを明確に示すスペクトル・パターンを生成することである。これは、単一のパケットが、信号がそこにあることを決定するのに十分であるが、それを正確に復号するには十分でない情報を生成するとき、同じ情報を担持する連続したパケットを見つけ、次いで結合し、スライス・レベルでこれらのパケットを結合することを可能にする。実際的な観点から、2つのデータ・セット間の相関を使用して各々が500万サンプルを表す2つのパケットを結合することは、非常に多数の乗算および加算を必要とし、各々が雑音によって支配される2つの信号を比較するので、おそらく機能しない。一方、スライス化処理は、各スライスにおける雑音の98%を除去し、あるパケットからの50スライスを別のパケットからの50スライスと比較することは、最小限の計算を必要として、それらを適切に整列させる非常に大きなチャンスをもたらす。
【0401】
第4に、シンボル長スライスは、パケット・ブロードキャスト中に発生する送信クロックの変動(ドリフト)を調整するのに有用であり得る。ドリフトを調整するとき、シンボル長スライスは、ちょうどシンボル長時間の間安定しているクロックを必要とする。パケット全体にわたるドリフトが(この例では)2μsを超えない限り、シンボルは、それらの直交性を保持する。
【0402】
第3のスパイク・プロトコル定義からの例示的なデータ結果
【0403】
プロトコル3においてデータを分析するために使用されるアルゴリズムは、先に説明したものの変形である。最大の違いは、周波数を見つけるために1.5倍のシンボル長スライスに大きく依存することである。強力な結果を生成することが示されているこの解決策では、このアルゴリズム(本明細書ではプロトコル3シンボル・スライサまたはP3SSと呼ばれる)は、その広く行儀のよいスペクトルを利用して、信号の周波数をすばやく走査するために粗い周波数モードで使用される。次いで、最良推定周波数を見つけるために、P3SSを使用する細かい探索が使用される。高雑音環境では、この手法は、追加の雑音除去(75%の雑音除去から98%の雑音除去)のため、フレーム長結合スライス手法を使用するよりも優れている。
【0404】
注目すべきことに、シンボル・スライスが作成された(240のスライスから結合された)後、(少なくとも35μs離れた)上位2つのピークのインデックスおよびピーク値のみが保持される。これらは、その周波数の各シンボル長(または1.5*symbolLength)スライスの他の上位2つの大きさに追加される。各スライスに関するこれらの上位2つの大きさの合計は、「スペクトル」への周波数の寄与になる。すべての他の情報、サンプリングされ畳み込まれたデータの他の90μsにおいて現れるすべての雑音は、破棄される。検出器から9インチの距離における粗周波数探索に関する結果として生じるスペクトルが
図100に示されている。
【0405】
図100は、検出器から9インチにおけるセンサ・エミュレータに関する粗周波数スペクトルのプロットを示す。このプロットにおけるx軸は、中央で920のスライスあたりの公称サンプル数を表す。X=0において、スライスあたり919サンプルが存在し、X=200において、スライスあたり921サンプルが存在する。示されている分解能は、スライスあたり0.01サンプルである。したがって、より高い送信周波数は、左にある。ピークは、明らかに112に位置し、それは、スライスあたり919+(112−1)*0.01=920.11になる。
【0406】
この時点で、データのフレームは、パケットと、推定パケット位置の両側に1つと半分ずつある3つの追加のシンボルとのみを含むようにトリミングされた。これは、後続の分析からより多くの雑音を除去する。
【0407】
中心周波数としてのこの新しい値と、スライスあたり0.002サンプルの分解能とを使用して、P3SS分析が再び実行された。得られた精細スペクトルが
図101に示されている。
【0408】
図101は、検出器から9インチにおけるセンサ・エミュレータに関する精細周波数スペクトルのプロットを示す。精細スペクトルから、ピークが6単位において見つかり、最終長がスライスあたり920.106サンプルであったことがわかる。より精細な分解能が中心周波数の両側の2つの粗い点に拡張されたことに留意されたい。
【0409】
これを最終周波数として使用し、全パケット長結合スライスが、正確な位置合わせを見つけるために使用された。
図102は、P3SSを使用して見つけられた中心周波数を使用して結合されたスライスを示す。たとえば、
図102において、受信機から9インチの距離における摂取センサに関する重要な出力が示されている。
図102は、ソースから9インチにおける検出器からの結合フレーム長スライスのプロットを示す。
図102では、マッチング・テンプレートは、より高いスパイク(青色の線)2400において示され、結合スライス・データは、わずかにより短いスパイク(赤色の線)2410において示されている。それらは、反対のパリティを有し、この情報は、到来データのパリティをテンプレートに対応するように調整するために使用される。
【0410】
テンプレートは、結合スライスと相関されており、
図103に示す「bestSums」プロットをもたらす。
図103は、ソースから9インチにおいて収集されたデータを使用してBestSumsを示すプロットである。
【0411】
この位置合わせインデックスとP3SSからの精細周波数とを使用して、シンボルが計算され、最終的なパケットが
図104に示されている。
図104は、ソースから9インチにおいて収集されたデータを使用してパケット・シンボルおよび強度を示すプロットである。
【0412】
同じプロセスは、24インチにおいて使用され、以下の結果が得られた。
【0413】
図105は、検出器から24インチにおけるセンサ・エミュレータに関する粗周波数スペクトルを示すプロットである。
【0414】
中心周波数として920.11の粗周波数を使用し、P3SS2の(調整された粗周波数を用いるP3SSの第2の変形例)が実行され、
図106に示すようにより精細なスペクトルを見出した。
図106は、検出器から24インチにおけるセンサ・エミュレータに関する精細周波数スペクトルP3SS2を示す。
【0415】
このときのP3SS2は、スライスあたり0.004サンプル点のスライス長だけずれており、復号は、不正確であった。全フレーム・スライス技法を用いて精細探索を繰り返すことは、
図107に示すように以下のスペクトルを生成した。
図107は、検出器から24インチにおけるセンサ・エミュレータに関する精細全フレーム周波数スペクトルを示す。
【0416】
全フレームスペクトルは、最良スライス長920.104のよりよい推定を与え、これは、パケットの正常な復号をもたらした。中間セットは、
図108に示されている。
図108は、ソースから24インチで受信された信号に関する最良適合テンプレートとともに、最良結合全フレーム・スライスのプロットを示す。再び、より高いスパイクは、テンプレートを表し、より短いスパイクは、全フレーム・スライスからである。
【0417】
図109は、ソースから24インチで収集されたデータに関するbestSums(テンプレートと結合スライスとの畳み込みの結果)結果を示すプロットである。
図109からのインデックスを使用し、シンボルは、正常に復号された。得られたシンボル、および、それらと一緒になった畳み込み合計は、
図110に示されている。
【0418】
図110は、ソースから24インチで収集されたデータに関するシンボル値およびパケット結果を示すプロットである。これらの結果は、摂取センサ通信のためのスパイク・ワープ通信プロトコルの有用性を示す。
【0419】
図111は、ソースから24インチで収集されたデータを使用したBestSumsを示すプロットである。
【0420】
インパルス・プロトコルを利用する例示的な受信機
【0421】
インパルス「スパース・インパルス」関数の生成および送信について説明したが、説明は、ここで、インパルス検出器ドライバ回路720によって送信された信号を受信および復号するための様々な受信機回路に向かう。したがって、
図47は、本開示の一態様による、摂取可能な識別子によって生成された電磁場を検出するための電圧モード受信機900を示す。電圧モード受信機900は、共振回路902と、低雑音増幅器908(LNA)と、摂取可能な識別子から送信された受信された符号化電磁信号を処理するための回路および構成要素を備える受信機プロセッサ910とを備える。共振回路902は、動作周波数f
oで共振するための受信インダクタ・アンテナ904と同調キャパシタ906とを備える。受信インダクタ904は、インダクタ904との経路のフォーム・ファクタにおいて電磁信号を受信する。
【0422】
図44〜
図46において、信号は、一定数のデータ点に伸張または圧搾されるので、水平軸は、必ずしも時間を表すとは限らないことが理解されよう。信号が公称周波数である場合、対応するデータ点は、時間に対応するが、単位は、おそらくマイクロ秒ではなく、むしろ、単位は、チップの持続時間がなんであれ拡大縮小され、それは、実装形態に応じて変化し得る。
【0423】
受信インダクタ904からのインパルス応答が
図48にグラフで示されている。周波数(f)にわたる受信信号は、電圧の形態でキャパシタ906にわたって現れる。応答曲線922は、動作周波数f
oにおいて最も高い振幅またはエネルギーを有する。
図47に戻って参照すると、同調キャパシタ906にわたる電圧v信号は、LNA908の入力に印加される。LNA908の出力は、受信機プロセッサ910に印加され、受信機プロセッサ910は、摂取可能な識別子によって送信されたデータ912を再生するために、受信信号を処理および復号する。
【0424】
図49は、本開示の一態様による、摂取可能な識別子によって生成された電磁場を検出するための電圧モード受信機930を示す。受信機930は、共振回路932と、低雑音増幅器938(LNA)と、狭帯域共振器または水晶フィルタ944と、摂取可能な識別子によって送信された受信された符号化電磁信号を処理するための構成要素を備える受信機プロセッサ940とを備える。共振回路932は、動作周波数f
oで共振するための受信インダクタ・アンテナ934と同調キャパシタ936とを備える。インダクタ934は、インダクタ934との経路のフォーム・ファクタにおいて電磁信号を受信する。
【0425】
受信インダクタ934からのインパルス応答が
図49にグラフで示されている。周波数(f)にわたる受信信号は、電圧の形態でキャパシタ936にわたって現れる。応答曲線は、動作周波数f
oにおいて最も高い振幅またはエネルギーを有する。同調キャパシタ936にわたる電圧v信号は、LNA938に印加される。LNA938の出力は、受信機プロセッサ940に結合された共振器または水晶フィルタ944に印加される。受信機プロセッサ940は、摂取可能な識別子によって送信されたデータ942を再生するために、受信信号を処理および復号する。
【0426】
共振器または水晶フィルタ944は、フィルタ944の選択性を設定するために1つまたは複数の結合された共振器または水晶を備えてもよい。用いられ得る他のタイプのフィルタは、制限なしに、集中インダクタ/キャパシタ(LC)フィルタ、平面フィルタ、同軸フィルタ、空胴フィルタ、誘電体フィルタ、電気音響フィルタ、および/または導波路フィルタを含む。
【0427】
受信機プロセッサ910、940は、到来パルスをフィルタリングするためにアナログまたはデジタル帯域通過フィルタを備えてもよい。各パルスの電圧は、パルスが非常に短い場合、時間で積分されてもよい。送信周波数は、たとえば、約12.5kHz〜約20kHz、または約24kHzを超え約10MHzまでの範囲内の周波数において発生することができる。インパルスは、決定論的ではないが、それらは、約6kHzの繰り返し率で128パルスにわたって繰り返す。バッテリの準備は、ランダムであり、バッテリのインピーダンス(Z)および電圧(V
BAT)は、変動する可能性がある。パルス幅および繰り返し率は、バッテリの現状に基づいて調整され得る。これらのタイプのプロトコルは、インターネット・オブ・シングスタイプの回路において適合され得る。
【0428】
図47および
図49に関連して論じた受信機プロセッサ910、940は、送信周波数を識別するために、スパース・インパルス・テンプレートおよび畳み込み技法を使用して、摂取可能な識別子によって送信された受信された符号化電磁アナログ信号を処理するように構成される。一態様では、受信機プロセッサ910、940は、増幅器回路908、938からアナログ・スパース・インパルスを受信するために、フロントエンドにおいてアナログ−デジタル・コンバータ(ADC)を備えてもよい。ADCは、アナログ電圧の形態における受信された一連のスパース・インパルスをデジタル化し、電圧の振幅を表すデジタル数を出力する。ADCのデジタル数出力は、次いで、たとえば、スパース・インパルス信号の送信周波数を決定し、摂取可能な識別子によって送信されたデータ912、942を抽出または再生するために符号化スパース・インパルス信号を復号するために最適化されたデジタル信号プロセッサ(DSP)のようなプロセッサに印加される。DSPは、スパース・インパルス・アナログ信号を連続的に測定、フィルタリング、および/または圧縮し、アルゴリズムを実行するのによく適している。代替的には、汎用マイクロプロセッサも、デジタル信号処理アルゴリズムをうまく実行するように構成され得る。それにもかかわらず、専用DSPは、通常、よりよい電力効率を有し、したがって、それらは、電力消費制約のためにモバイル電話のような携帯用デバイスにより適している。DSPは、しばしば、複数のデータおよび/または命令を同時にフェッチすることができる特別なメモリ・アーキテクチャを使用する。DSPおよび汎用マイクロプロセッサが用いられ得るが、PLD、PGA、FPGA、ASIC、および他の回路のような専用回路または再構成可能回路が、受信機機能を実行するために、単独で、またはDSPおよび汎用マイクロプロセッサと組み合わせて用いられてもよい。
【0429】
図47〜
図49に関連して説明した電圧モード受信機回路900、930に加えて、摂取可能な識別子によって送信された電磁アナログ信号を受信および復号するために、複数の他の受信機回路が用いられてもよい。
図50は、本開示の一態様による、電流モード受信機950を示す。電流モード受信機950は、低出力インピーダンスを提供するトランスインピーダンス増幅器954(TIA)に結合された受信インダクタ952を備える。TIA954は、増幅器956に結合され、その出力は、受信機プロセッサ910、940(
図47、
図49)によく似た受信機プロセッサ958に結合される。TIA954は、インダクタのインピーダンスがフロートするか、またはTIA954を介して結合され、その上から、パルスがTIA954の出力から再構成され得、TIA954のいかなる寄生キャパシタンスとも無関係であるように、受信パルスの形状を保存するのに有益である。
【0430】
図51は、本開示の一態様による、別の受信機回路960を示す。受信機960は、第1の増幅器964に結合された受信インダクタ962を備える。第1の増幅器964の出力は、第2の増幅器966に結合される。第2の増幅器966の出力は、受信機プロセッサ967に結合される。
図51に示す例では、受信機プロセッサ967は、スパース・インパルス信号の送信周波数を決定し、摂取可能な識別子によって送信されたデータを抽出または再生するために符号化スパース・インパルス信号を復号するためのADC968およびDSP69を備える。DSPは、スパース・インパルス・アナログ信号をフィルタリングし、様々なアルゴリズムを実行するように実装することもできる。
【0431】
図52は、本開示の一態様による、互いに対して直交して離間された受信インダクタ972、974、976と、対応する受信機978、980、982とを備える受信機構成970を示す。受信機インダクタ972、974、976は、全体的に細長いフォーム・ファクタを有する。受信機インダクタ972、974、976および対応する受信機978、980、982は、送信機の向きへの依存性を軽減するために、X、Y、Z軸に沿って配置される。受信機978、980、982の出力はマルチプレクサ984に結合される。マルチプレクサ984の出力は、ADC988とDSP989とを備える受信機プロセッサ986に結合される。
【0432】
図53は、本開示の一態様による、直交して離間された受信インダクタ992、994、996と、対応する受信機998、1000、1002とを備える受信機構成990を示す。受信インダクタのうちの2つ992、994は、全体的に細長いフォーム・ファクタを有し、受信インダクタのうちの1つ996は、全体的に平坦なフォーム・ファクタを有する。受信インダクタ992、994、996および対応する受信機998、1000、1002は、送信機の向きへの依存性を軽減するために、X、Y、Z軸に沿って配置される。受信機998、1000、1002の出力はマルチプレクサ1004に結合される。マルチプレクサ1004の出力は、ADC1008とDSP1009とを備える受信機プロセッサ1006に結合される。
【0433】
図54は、本開示の一態様による、複数の受信機インダクタL1〜Lnと、複数の受信機増幅器RX
1〜RX
nとを備える受信機構成1010を示す。受信機インダクタL1〜Lnは、対応する受信機RX
1〜RX
nの入力に結合される。受信機増幅器RX
1〜RX
nの出力は、マルチプレクサ1012に結合される。マルチプレクサ1012の出力は、受信機プロセッサ1014に結合される。先に論じたように、受信機プロセッサ1014は、ADC1016と、ADC1016に結合されたDSP1018とを備える。複数の受信機インダクタL1〜Lnおよび対応する複数の受信機増幅器RX
1〜RX
nは、とりわけ、信号対雑音比(SNR)、方向依存性を改善する。
【0434】
図55は、本開示の一態様による、受信機回路1100を示す。
図55に示す受信機回路1100は、受信機プロセッサ回路1103に結合されたフロントエンド・アナログ回路1101を備える。フロントエンド・アナログ回路1101は、受信機増幅器1102、1104、1106に結合された受信機インダクタ1108、1110、1112を備える。
図38および
図39に示すインパルス・ドライバ回路720または
図43に示すインパルス・ドライバ回路726のようなインパルス・ドライバ回路によって送信された信号は、送信機の向きへの依存性を軽減するためにX、Y、Z軸に沿って配置された受信機インダクタ1108、1110、1112によって受信され、対応する受信機増幅器1102、1104、1106によって増幅される。
図55に示すように、3つの受信機インダクタ1108、1110、1112が、3つの対応する受信機増幅器1102、1104、1106に結合される。3つの受信機増幅器1102、1104、1106の出力は、マルチプレクサ1120によって多重化される。様々な態様では、受信機プロセッサ1100は、システム実装の詳細に応じて、1つの受信機インダクタ1108、2つの受信機インダクタ1108、1110、または3つよりも多くのインダクタ1108、1110、1112から信号を受信してもよい。
【0435】
マルチプレクサ1120は、1つまたは複数の帯域通過フィルタに電気的に結合される。
図55に示すように、マルチプレクサ1120は、インパルス関数を送信するために使用されるブロードキャスト周波数をフィルリングするために、高帯域通過フィルタ1130および低帯域通過フィルタ1140に電気的に結合される。本明細書に列挙されたものの間の周波数帯域をカバーするために、追加の帯域通過フィルタおよび増幅器がマルチプレクサ1120に結合されてもよい。高周波数および低周波数の信号チェーンは、所望のレベルまたは範囲をカバーするためにプログラム可能な利得を提供する。この特定の態様では、高帯域通過フィルタ1130は、帯域外の周波数から雑音をフィルタリングしながら、約500kHz〜約1500kHzの帯域内の周波数を通過させる。この高周波数帯域は、変化してもよく、たとえば、約800kHz〜約1200kHzの範囲、および、いくつかの態様では、約1000kHzの周波数を含んでもよい。通過周波数は、次いで、高周波数信号チェーンに電気的に結合された高電力プロセッサ1180(DSPとして示される)への入力のためにアナログ−デジタル・コンバータ1134(ADC)によってデジタル信号に変換される前に、増幅器1132によって増幅される。
【0436】
帯域外周波数をフィルタリングしながら約50kHz〜約150kHzの範囲内のより低い周波数を通過させる低帯域通過フィルタ1140が示されている。周波数帯域は、変化してもよく、たとえば、約80kHz〜約120kHzの範囲、および、いくつかの態様では、約100kHzの周波数を含んでもよい。通過周波数信号は、増幅器1142によって増幅される。第2のマルチプレクサ1160に電気的に結合された加速度計1150も示されている。マルチプレクサ1160は、加速度計からの信号を増幅器1142からの増幅された信号と多重化する。多重化された信号は、次いで、低電力プロセッサ1170にも電気的に結合されたADC1164によってデジタル信号に変換される。
【0437】
一態様では、オプションで、加速度計1150は、マルチプレクサ1160によって増幅器1142の出力と多重化されてもよい。加速度計1150の代わりに、(Analog Devicesによって製造されたもののような)デジタル加速度計が実装されてもよい。デジタル加速度計を使用することによって、様々な利点が達成され得る。たとえば、デジタル加速度計の信号は、すでにデジタル・フォーマットの信号を生成するので、デジタル加速度計1150は、ADC1164をバイパスし、低電力マイクロコントローラ1170に電気的に結合することができ、その場合、マルチプレクサ1160は、もはや必要とされない。また、デジタル信号は、動きを検出するときにそれ自体をオンにし、さらに電力を節約するように構成されてもよい。加えて、連続的な歩数計測が実施されてもよい。デジタル加速度計は、低電力プロセッサ1170に送られるデータの流れを制御するのを助けるためにFIFOバッファを含んでもよい。たとえば、データは、満杯になるまでFIFO内にバッファリングされてもよく、満杯になった時点で、プロセッサは、休止状態から目覚めてデータを受信するようにトリガされてもよい。
【0438】
低電力プロセッサ1170は、たとえば、Texas InstrumentsからのMSP430マイクロコントローラであってもよい。受信機1100の低電力プロセッサ1170は、休止状態を保ち、それは、前述のように、最小限の電流引き込み、たとえば、約10μA以下、または約1μA以下を必要とする。
【0439】
高電力プロセッサ1180は、たとえば、Texas InstrumentsからのVC5509デジタル信号プロセスであってもよい。高電力プロセッサ1180は、活性状態中に信号処理動作を実行する。これらの動作は、前述のように、休止状態よりも大量の電流、たとえば、50μA以上のような30μA以上の電流を必要とし、たとえば、生理学的データなどを受信、取得、および/または処理するときに、導電的に送信された信号を走査し、導電的に送信された信号を処理するような動作を含んでもよい。
【0440】
受信機1100は、データ信号を処理するためのハードウェア・アクセラレータ構成要素を含んでもよい。ハードウェア・アクセラレータ構成要素は、たとえば、DSPの代わりに実装されてもよい。より特殊化された計算ユニットであるため、それは、より汎用のDSPと比較してより少ないトランジスタ(より少ないコストおよび電力)で信号処理アルゴリズムの態様を実行する。ハードウェアのブロックは、重要な特定の機能の性能を「加速させる」ために使用されてもよい。ハードウェア・アクセラレータのためのいくつかのアーキテクチャは、マイクロコードまたは超長命令語(VLIW)アセンブリ言語を介して「プログラム可能」であってもよい。使用の過程で、それらの関数は、関数ライブラリへの読み出しによってアクセスされてもよい。
【0441】
ハードウェア・アクセラレータ(HWA)構成要素は、処理されるべき入力信号と入力信号を処理するための命令とを受信するためのHWA入力ブロックと、受信された命令に従って入力信号を処理し、結果として得られた出力信号を生成するためのHWA処理ブロックとを備える。結果として得られた出力信号は、HWA出力ブロックによって必要に応じて送信されてもよい。
【0442】
高電力プロセッサ1180に電気的に結合されたフラッシュ・メモリ1190も
図55に示されている。一態様では、フラッシュ・メモリ1190は、低電力プロセッサ1170に電気的に結合されてもよく、それは、よりよい電力効率を提供することができる。
【0443】
ワイヤレス通信要素1195は、高電力プロセッサ1180に電気的に結合されて示されており、たとえば、BLUETOOTH(登録商標)ワイヤレス通信トランシーバを含んでもよい。一態様では、ワイヤレス通信要素1195は、高電力プロセッサ1180に電気的に結合される。別の態様では、ワイヤレス通信要素1195は、高電力プロセッサ1180および低電力プロセッサ1170に電気的に結合される。さらに、ワイヤレス通信要素1195は、たとえば、マイクロプロセッサによって受信機の他の構成要素と独立にオンおよびオフにされ得るように、それ自体の電源を有するように実装されてもよい。
【0444】
参照により本明細書に組み込まれるように言われる任意の特許、刊行物、または他の開示材料は、全体または一部において、組み込まれた材料が本開示に記載の既存の定義、声明、または他の開示材料と矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることが理解されるべきである。そのようなものとして、そして必要な範囲で、本明細書に明示的に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する材料にも優先する。参照により本明細書に組み込まれるように言われるが、本明細書に記載の既存の定義、声明、または他の開示材料と矛盾する任意の材料、またはその一部は、その組み込まれた材料と既存の開示材料との間に矛盾が生じない範囲でのみ組み込まれることになる。
【0445】
上記の説明では様々な詳細が述べられてきたが、摂取可能なイベント・マーカの電磁的感知および検出の様々な態様は、これらの特定の詳細なしで実施されてもよいことが理解されよう。たとえば、簡潔さと明瞭さのために、選択された態様は、詳細ではなくブロック図形式で示されている。本明細書で提供される詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータ・メモリ内に記憶されたデータに作用する命令に関して提示される場合がある。そのような説明および表現は、当業者によって、彼らの仕事の本質を他の当業者に説明および伝達するために使用される。一般に、アルゴリズムは、所望の結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップを指し、ここで、「ステップ」は、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、またはその他の操作が可能な電気信号または磁気信号の形態を取り得る物理量の操作を指す。これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、用語、数字などと呼ぶことが一般的な用法である。これらおよび類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、これらの量に適用される単なる便利なラベルである。
【0446】
前述の検討から明らかなように他に具体的に述べられていない限り、前述の説明全体を通して、「処理する」または「演算する」または「計算する」または「決定する」または「表示する」などのような用語を使用する検討は、コンピュータ・システムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを、コンピュータ・システム・メモリもしくはレジスタもしくは他のそのような情報記憶デバイス、情報送信デバイス、または表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作および変換する、コンピュータ・システムまたは同様の電子コンピューティング・デバイスの動作および処理を指すことが理解される。
【0447】
「一態様」、「態様」、「一態様」、または「態様」への任意の言及が態様に関連して説明した特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの態様に含まれることを意味することは、特記に値する。したがって、本明細書を通して様々な箇所における「一態様において」、「態様において」、「一態様において」、または「態様において」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ態様を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の態様において任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
【0448】
様々な態様が本明細書で説明されているが、それらの態様に対する多くの修正、変形、置換、変更、および等価物が実施されてもよく、当業者に見出されるであろう。また、特定の構成要素について材料が開示されている場合、他の材料が使用されてもよい。したがって、前述の説明および添付の特許請求の範囲は、開示された態様の範囲内に入るようなすべてのそのような修正形態および変形形態をカバーするように意図されていることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、すべてのそのような修正形態および変形形態をカバーすることが意図されている。
【0449】
本明細書に記載の様々な態様のいくつかまたはすべては、一般に、本明細書に記載の技術による摂取可能な識別子の電磁的感知および検出のための技術を備えてもよい。一般的な意味で、当業者は、広い範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せによって個々におよび/または集合的に実施され得る本明細書に記載の様々な態様が、様々なタイプの「電気回路」から構成されているとみなされ得ることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるとき、「電気回路」は、限定はしないが、少なくとも1つの個別電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータ・プログラムによって構成される汎用コンピューティング・デバイス(たとえば、本明細書に記載のプロセスおよび/もしくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータ・プログラムによって構成される汎用コンピュータ、または本明細書に記載のプロセスおよび/もしくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータ・プログラムによって構成されるマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ・デバイス(たとえば、ランダム・アクセス・メモリの形態)を形成する電気回路、および/または通信デバイス(たとえば、モデム、通信スイッチ、または光−電気機器)を形成する電気回路を含む。当業者は、本明細書に記載の主題がアナログもしくはデジタル方式またはそれらの組合せにおいて実施され得ることを認識するであろう。
【0450】
前述の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用を介してデバイスおよび/またはプロセスの様々な態様を述べてきた。そのようなブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート、および/または例内の各機能および/または動作は、広い範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または事実上任意のそれらの組合せによって個々におよび/または集合的に実装され得ることが当業者によって理解されよう。一態様では、本明細書に記載の主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または他の集積形式を介して実装されてもよい。
【0451】
しかしながら、当業者は、本明細書に記載の態様のうちのいくつかの態様が、全体または一部において、集積回路において、1つもしくは複数のコンピュータ上で動作する1つもしくは複数のコンピュータ・プログラムとして(たとえば、1つまたは複数のコンピュータ・システム上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、1つもしくは複数のプロセッサ上で動作する1つもしくは複数のプログラムとして(たとえば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ上で動作する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、または事実上任意のそれらの組合せとして等しく実装され得ること、ならびに、回路を設計すること、および/またはソフトウェアおよび もしくはファームウェアのためのコードを書くことが、本開示に照らして十分に当業者のスキルの範囲内であろうことを認識するであろう。加えて、当業者は、本開示に記載の主題のメカニズムが様々な形態におけるプログラム製品として配布され得ること、および、本開示に記載の主題の例示的な態様が、実際に配布を実行するために使用される信号担持媒体の特定のタイプにかかわらず適用されることを認識するであろう。信号担持媒体の例は、限定はしないが、以下、すなわち、フロッピー・ディスク、ハード・ディスク・ドライブ、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、デジタル・テープ、コンピュータ・メモリなどの記録可能型媒体と、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバ・ケーブル、導波路、有線通信リンク、ワイヤレス通信リンク(たとえば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)のような伝送型媒体とを含む。
【0452】
当業者は、本明細書に記載の構成要素(たとえば、動作)、デバイス、オブジェクト、およびそれらに付随する検討が概念を明確にするための例として使用されること、ならびに様々な構成変更が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるとき、記載された特定の見本および付随する検討は、それらのより一般的なクラスの代表であることが意図される。一般に、任意の特定の見本の使用は、そのクラスの代表であることが意図され、特定の構成要素(たとえば、動作)、デバイス、およびオブジェクトの非含有は、限定的に解釈されるべきではない。
【0453】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形に変えるおよび/または単数形から複数形に変えることができる。様々な単数形/複数形の置換が、明確にするために本明細書に明示的に記載されていない。
【0454】
本明細書に記載の主題は、時には、異なる他の構成要素内に含まれる異なる構成要素、または異なる他の構成要素と接続された異なる構成要素を示す。そのように描写されたアーキテクチャが単なる例示であること、および、実際に同じ機能を達成する多くの他のアーキテクチャが実装されてもよいことが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために本明細書で組み合わされる任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間の構成要素にかかわらず所望の機能が達成されるように、互いに「関係付けられている」とみなされ得る。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するために互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されているとみなされ得、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するために互いに「動作可能に結合可能」であるとみなされ得る。動作可能に結合可能な具体的な例は、限定はしないが、物理的に嵌合可能および/もしくは物理的に相互作用する構成要素、ならびに/またはワイヤレスで相互作用可能および/もしくはワイヤレスで相互作用する構成要素、ならびに/または論理的に相互作用するおよび/もしくは論理的に相互作用可能な構成要素を含む。
【0455】
いくつかの態様は、「結合された」および「接続された」という表現をそれらの派生語とともに使用して説明される場合がある。これらの用語は、互いに同義語として意図されていないことが理解されるべきである。たとえば、いくつかの態様は、2つ以上の要素が互いに直接物理的または電気的に接触していることを示すために「接続された」という用語を使用して説明される場合がある。別の例では、いくつかの態様は、2つ以上の要素が直接物理的または電気的に接触していることを示すために「結合された」という用語を使用して説明される場合がある。しかしながら、「結合された」という用語はまた、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働または相互作用することを意味する場合がある。
【0456】
いくつかの事例では、1つまたは複数の構成要素は、本明細書では、「構成された」、「構成可能」、「動作可能/動作する」、「適用された/適用可能」、「可能」、「適合可能/適合された」などと呼ばれる場合がある。当業者は、「構成された」が、一般に、文脈が別段に要求しない限り、活性状態の構成要素および/または不活性状態の構成要素および/またはスタンバイ状態の構成要素を包含することができることを認識するであろう。
【0457】
本明細書に記載の本主題の特定の態様について示し説明したが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記載の主題およびそのより広い態様から逸脱することなく変更および修正がなされてもよく、したがって、添付の特許請求の範囲は、本明細書に記載の主題の真の要旨および範囲内にあるようにすべてのそのような変更および修正をそれらの範囲内に包含するものであることが当業者には明らかであろう。一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(たとえば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般に、「オープン」用語として意図されることが当業者によって理解されよう(たとえば、「含んでいる」という用語は、「限定はしないが含んでいる」として解釈されるべきであり、「有している」という用語は、「少なくとも有している」として解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「限定はしないが含む」として解釈されるべきである、などである)。特定の数の導入された請求項の列挙が意図されている場合、そのような意図は、請求項において明示的に列挙され、そのような列挙がない場合、そのような意図は、存在しないことが当業者によってさらに理解されよう。たとえば、理解を助けるように、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の列挙を導入するために「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という導入句の使用を含む場合がある。しかしながら、そのような句の使用は、同じ請求項が「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」という導入句および「a」または「an」という不定冠詞(たとえば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合でも、「a」または「an」という不定冠詞による請求項の列挙の導入が、そのように導入された請求項の列挙を含む任意の特定の請求項をそのような列挙を1つのみ含む請求項に限定することを意味すると解釈されるべきではなく、請求項の列挙を導入するために使用される定冠詞の使用にも同じことが当てはまる。
【0458】
加えて、特定の数の導入された請求項の列挙が明示的に列挙されているとしても、当業者は、そのような列挙が、典型的には、少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきである(たとえば、他の修飾語のない「2つの列挙」の裸の列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)と認識するであろう。さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した規定が使用されるそれらの例では、一般に、そのような構造は、当業者が規定を理解するという意味で意図される(たとえば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定はしないが、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒になどを含む)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した規定が使用されるそれらの例では、一般に、そのような構造は、当業者が規定を理解するという意味で意図される(たとえば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定はしないが、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、ならびに/またはA、B、およびCを一緒になどを含む)。典型的には、明細書本文、特許請求の範囲、または図面にかかわらず、2つ以上の代替用語を表す離接的な単語および/または句は、文脈が別段に指示しない限り、用語のうちの1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されよう。たとえば、「AまたはB」という句は、典型的には、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されることになる。
【0459】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、その中に列挙された動作が一般に任意の順序で実行されてもよいことを理解するであろう。また、様々な動作フローが配列において提示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で実行されてもよく、または同時に実行されてもよいことが理解されるべきである。そのような代替の順序付けの例は、文脈が別途指示しない限り、重複、インターリーブ、中断、並べ替え、増分、準備、補足、同時、逆、または他の変形順序付けを含んでもよい。さらに、「応答する」、「関連する」、または他の過去形形容詞のような用語は、一般に、文脈が別途指示しない限り、そのような変形を排除することを意図していない。
【0460】
特定の場合、システムまたは方法の使用は、構成要素が領域の外側に配置されていても領域内で起こり得る。たとえば、分散コンピューティングの文脈では、分散コンピューティングシステムの使用は、システムの一部(たとえば、領域の外側に配置されたリレー、サーバ、プロセッサ、信号担持媒体、送信コンピュータ、受信コンピュータなど)が領域の外側に配置されている場合があっても、領域内で生じ得る。
【0461】
システムまたは方法の構成要素が領域の外側に配置および/または使用されていても、システムまたは方法の販売は、同様に領域内で起こり得る。さらに、ある領域における方法を実行するためのシステムの少なくとも一部の実装は、別の領域におけるシステムの使用を排除しない。
【0462】
様々な態様が本明細書で説明されているが、それらの態様に対する多くの修正、変形、置換、変更、および等価物が実施されてもよく、当業者に見出されるであろう。また、特定の構成要素について材料が開示されている場合、他の材料が使用されてもよい。したがって、前述の説明および添付の特許請求の範囲は、開示された態様の範囲内に入るようなすべてのそのような修正形態および変形形態をカバーするように意図されていることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は、すべてのそのような修正形態および変形形態をカバーすることが意図されている。
【0463】
要約すると、本明細書に記載の概念を用いることから生じる多数の利点について説明した。1つまたは複数の態様の前述の説明は、例示および説明の目的のために提示されている。それは、網羅的であること、または開示された正確な形態への限定であることを意図していない。上記の教示に照らして、修正または変形が可能である。1つまたは複数の態様は、それによって当業者が、様々な態様を、企図される特定の用途に適したように様々な修正を伴って利用することを可能にするために、原理および実際的な用途を説明するために選択および説明された。本明細書とともに提出される特許請求の範囲が全体の範囲を定義することを意図している。
【0464】
本明細書に記載の主題の様々な態様は、以下の番号付けされた節に記載されている。
【0465】
1.電子デバイスであって、制御デバイスと、前記制御デバイスに結合され、コンダクタンスを変更するように構成されたドライバ回路と、前記制御デバイスに結合された部分的電源であって、前記部分的電源は、導電性流体と接触している結果として前記制御デバイスおよび前記ドライバ回路に電位差を提供するように構成され、前記部分的電源は、前記制御デバイスに電気的に結合された第1の材料と、前記制御デバイスに電気的に結合され、前記第1の材料から電気的に絶縁された第2の材料と、を備える、前記部分的電源と、前記ドライバ回路に結合されたインダクタと、を備え、前記ドライバ回路は、前記インダクタを流れる電流を発生するように構成され、前記インダクタを流れる前記電流の大きさは、受信機によって遠隔検出可能な符号化信号を生成するように変更される、電子デバイス。
【0466】
2.前記ドライバ回路は、シングルエンド型ドライバ回路を備える、節1に記載の電子デバイス。
【0467】
3・前記ドライバ回路は、プッシュプルHブリッジ型ドライバ回路を備える、節1に記載の電子デバイス。
【0468】
4.前記ドライバ回路は、交差結合トランジスタと、前記交差結合トランジスタのドレイン間に結合されたキャパシタと、を備え、前記インダクタは、前記交差結合トランジスタのドレイン間に結合される、節1に記載の電子デバイス。
【0469】
5.前記電子デバイスは、さらに、バッテリ倍電圧回路と、前記バッテリ倍電圧回路に結合されたパルス生成器回路と、前記パルス生成器回路に結合されたインダクタ放電回路と、を備える、節1に記載の電子デバイス。
【0470】
6.前記バッテリ倍電圧回路は、第1および第2のスイッチドキャパシタを備えるスイッチドキャパシタ段であって、入力電圧を受け取り、前記入力電圧の2倍の大きさを有する出力電圧を出力する前記スイッチドキャパシタ段と、クロック段と、を備え、前記クロック段は、パルス列を受信し、反対の位相のクロックパルスを生成し、前記反対の位相のクロックパルスは、前記第1および第2のキャパシタを、前記入力電圧の2倍に等しい電圧に交互に充電させる、節5に記載の電子デバイス。
【0471】
7.前記パルス生成器回路は、第1および第2のトリガ回路と、遅延した前記第2のトリガ回路の入力において遅延時定数τを設定する抵抗器R及びキャパシタCを備えるRCタイミング回路と、遅延していない前記第1のトリガ回路の出力に結合されたインバータと、前記インバータの出力に結合された第1の入力と、前記第2のトリガ回路の出力に結合された第2の入力と、インダクタ・トリガ回路に結合された出力と、を有する論理ゲートと、前記第1のトリガ回路の前記入力に結合され、前記RCタイミング回路に結合された第1の発振器と、前記インダクタ・トリガ回路に結合された第2の発振器と、を備える、節5に記載の電子回路。
【0472】
8.前記インダクタ放電回路は、キャパシタ充電回路と、結合回路と、前記インダクタを充電および放電するための充電回路および放電回路と、を備える、節5に記載の電子デバイス。
【0473】
9.前記ドライバ回路は、インパルス通信プロトコルを実装するように構成される、節1に記載の電子デバイス。
【0474】
10.前記第1および第2の材料が前記導電性流体と接触している結果として前記電位差を提供するように、前記第1および第2の材料が選択される、節1に記載の電子デバイス。
【0475】
11.前記電子デバイスは、さらに、第1および第2の端子と、制御端子と、を備える電子スイッチを備え、前記制御端子は、前記ドライバ回路に動作可能に結合され、前記第1の端子は、前記インダクタに結合され、前記第2の端子は、前記第2の材料に結合され、前記インダクタは、前記第1の材料と前記電子スイッチの前記第1の端子との間に結合され、前記ドライバ回路は、前記電流が前記インダクタを通って発生されるように、前記第1の材料と前記第2の材料との間の前記電子スイッチのコンダクタンスを変えるように構成される、節1に記載の電子デバイス。
【0476】
12.前記インダクタは、半導体集積回路の別々の絶縁下部構造上に形成された少なくとも2つの誘導性素子を備える、節1に記載の電子デバイス。
【0477】
13.前記少なくとも2つの誘導性素子は、前記別々の絶縁下部構造間に形成されたビアを介して結合される、節12に記載の電子デバイス。
【0478】
14.受信機回路であって、共振回路と、前記共振回路に結合された低雑音電圧増幅器と、前記低雑音電圧増幅器の出力に結合された受信機プロセッサ回路と、を備え、前記受信機プロセッサは、インパルス通信信号を表すアナログ信号を受信し、前記アナログ信号をデジタル信号に変換し、前記インパルス通信信号として送信されたデータを再生するために前記デジタル信号を復号するように構成される、受信機回路。
【0479】
15.前記受信機は、さらに、前記低雑音増幅器と前記受信機プロセッサ回路との間に結合された狭帯域共振器を備える、節14に記載の受信機回路。
【0480】
16.受信機回路であって、受信インダクタと、前記受信コイルに結合されたトランスインピーダンス増幅器と、前記トランスインピーダンス増幅器の出力に結合された増幅器と、前記増幅器の出力に結合された受信機プロセッサ回路と、を備え、前記受信機プロセッサは、インパルス通信信号を表すアナログ信号を受信し、前記アナログ信号をデジタル信号に変換し、前記インパルス通信信号として送信されたデータを再生するために前記デジタル信号を復号するように構成される、受信機回路。
【0481】
17.前記受信機プロセッサは、アナログ−デジタル・コンバータ(ADC)と、前記ADCの出力に結合されたデジタル信号プロセッサと、を備える、節16に記載の受信機回路。
【0482】
18.前記受信機は、互いに直交して離間された少なくとも3つの受信インダクタと、対応する直交して離間されたインダクタに結合された少なくとも3つの増幅器と、前記少なくとも3つの増幅器の受信機出力へのマルチプレクサと、前記マルチプレクサの出力に結合されたアナログ−デジタル・コンバータ(ADC)と、前記ADCの出力に結合されたデジタル信号プロセッサと、を備える、節16に記載の受信機。
【0483】
19.前記3つのインダクタのうちの少なくとも1つは、全体的に細長いフォーム・ファクタを有する、節18に記載の受信機。
【0484】
20.前記3つのインダクタのうちの少なくとも1つは、全体的に平坦なフォーム・ファクタを有する、節18に記載の受信機。
【0485】
21.前記受信機は、前記マルチプレクサの出力に結合された複数の帯域通過フィルタであって、各帯域通過フィルタが異なる周波数帯に同調された前記複数の帯域通過フィルタと、前記対応する複数の帯域通過フィルタに結合された複数の増幅器と、前記帯域通過フィルタの出力に結合された入力を有し、前記デジタル信号プロセッサに結合された出力を有する複数のアナログ−デジタル・コンバータ(ADC)と、を備える、節16に記載の受信機。
【0486】
22.前記受信機は、さらに、ワイヤレス通信要素を備える、節21に記載の受信機。
【0487】
23.前記受信機は、複数の受信インダクタと、複数のインダクタに結合された複数の対応する増幅器と、前記複数の増幅器の受信機出力を受信するマルチプレクサと、前記マルチプレクサの出力に結合されたアナログ−デジタル・コンバータ(ADC)と、前記ADCの出力に結合されたデジタル信号プロセッサと、を備える、節16に記載の受信機。
【0488】
前記複数の受信インダクタは、円形パターンに配置される、節23に記載の受信機回路。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
電子デバイスであって、
制御デバイスと、
前記制御デバイスに結合され、コンダクタンスを変更するように構成されたドライバ回路であって、交差結合トランジスタと、前記交差結合トランジスタのドレイン間に結合されたキャパシタと、を備える前記ドライバ回路と、
前記制御デバイスに結合された部分的電源であって、
前記部分的電源は、導電性流体と接触している結果として前記制御デバイスおよび前記ドライバ回路に電位差を提供するように構成され、
前記部分的電源は、
前記制御デバイスに電気的に結合された第1の材料と、
前記制御デバイスに電気的に結合され、前記第1の材料から電気的に絶縁された第2の材料と、
を備える、前記部分的電源と、
前記ドライバ回路に結合されたインダクタと、
を備え、
前記ドライバ回路は、前記インダクタを流れる電流を発生するように構成され、
前記インダクタは、前記交差結合トランジスタの前記ドレインの間に結合され、
前記インダクタを流れる前記電流の大きさは、受信機によって遠隔検出可能な符号化信号を生成するように変更される、電子デバイス。
(項目2)
前記ドライバ回路は、シングルエンド型ドライバ回路を備える、項目1に記載の電子デバイス。
(項目3)
前記ドライバ回路は、プッシュプルHブリッジ型ドライバ回路を備える、項目1に記載の電子デバイス。
(項目4)
前記電子デバイスは、さらに、
前記部分的電源に結合された倍電圧回路と、
前記倍電圧回路に結合されたパルス生成器回路と、
前記パルス生成器回路に結合されたインダクタ放電回路と、
を備える、項目1に記載の電子デバイス。
(項目5)
前記倍電圧回路は、
第1および第2のスイッチドキャパシタを備えるスイッチドキャパシタ段であって、入力電圧を受け取り、前記入力電圧の2倍の大きさを有する出力電圧を出力する前記スイッチドキャパシタ段と、
クロック段と、
を備え、
前記クロック段は、パルス列を受信し、反対の位相のクロックパルスを生成し、
前記反対の位相のクロックパルスは、前記第1および第2のキャパシタを、前記入力電圧の2倍に等しい電圧に交互に充電させる、項目4に記載の電子デバイス。
(項目6)
前記パルス生成器回路は、
遅延していないトリガ回路と、
遅延したトリガ回路と、
インダクタ・トリガ回路と、
前記遅延したトリガ回路の入力において遅延時定数τを設定する抵抗器R及びキャパシタCを備えるRCタイミング回路と、
前記遅延していないトリガ回路の出力に結合されたインバータと、
前記インバータの出力に結合された第1の入力と、前記遅延したトリガ回路の出力に結合された第2の入力と、インダクタ・トリガ回路に結合された出力と、を有する論理ゲートと、
前記遅延していないトリガ回路の前記入力に結合され、前記RCタイミング回路に結合された第1の発振器と、
前記インダクタ・トリガ回路に結合された第2の発振器と、
を備える、項目4に記載の電子デバイス。
(項目7)
前記インダクタ放電回路は、
キャパシタ充電回路と、
結合回路と、
前記インダクタを充電および放電するための充電回路および放電回路と、
を備える、項目4に記載の電子デバイス。
(項目8)
前記ドライバ回路は、インパルス通信プロトコルを実装するように構成される、項目1に記載の電子デバイス。
(項目9)
前記第1および第2の材料が前記導電性流体と接触している結果として前記電位差を提供するように、前記第1および第2の材料が選択される、項目1に記載の電子デバイス。
(項目10)
前記電子デバイスは、さらに、
第1および第2の端子と、制御端子と、を備える電子スイッチを備え、
前記制御端子は、前記ドライバ回路に動作可能に結合され、
前記第1の端子は、前記インダクタに結合され、
前記第2の端子は、前記第2の材料に結合され、
前記インダクタは、前記第1の材料と前記電子スイッチの前記第1の端子との間に結合され、
前記ドライバ回路は、さらに、前記電流が前記インダクタを通って発生されるように、前記第1の材料と前記第2の材料との間の前記電子スイッチのコンダクタンスを変えるように構成される、項目1に記載の電子デバイス。
(項目11)
前記インダクタは、半導体集積回路の別々の絶縁下部構造上に形成された少なくとも2つの誘導性素子を備える、項目1に記載の電子デバイス。
(項目12)
前記少なくとも2つの誘導性素子は、前記別々の絶縁下部構造間に形成されたビアを介して結合される、項目11に記載の電子デバイス。
(項目13)
電子デバイスであって、
制御デバイスと、
前記制御デバイスに結合され、コンダクタンスを変更するように構成されたドライバ回路と、
前記制御デバイスに結合された部分的電源であって、
前記部分的電源は、導電性流体と接触している結果として前記制御デバイスおよび前記ドライバ回路に電位差を提供するように構成され、
前記部分的電源は、
前記制御デバイスに電気的に結合された第1の材料と、
前記制御デバイスに電気的に結合され、前記第1の材料から電気的に絶縁された第2の材料と、
を備える、前記部分的電源と、
前記ドライバ回路に結合されたインダクタであって、
前記ドライバ回路は、前記インダクタを流れる電流を発生するように構成され、
前記インダクタを流れる前記電流の大きさは、受信機によって遠隔検出可能な符号化信号を生成するように変更される、前記インダクタと、
電子スイッチと、
を備え、
前記電子スイッチは、第1および第2の端子と、制御端子と、を備え、
前記制御端子は、前記ドライバ回路に動作可能に結合され、
前記第1の端子は、前記インダクタに結合され、
前記第2の端子は、前記第2の材料に結合され、
前記インダクタは、前記第1の材料と前記電子スイッチの前記第1の端子との間に結合され、
前記ドライバ回路は、さらに、前記電流が前記インダクタを通って発生されるように、前記第1の材料と前記第2の材料との間の前記電子スイッチのコンダクタンスを変えるように構成される、電子デバイス。
(項目14)
前記電子デバイスは、さらに、
前記部分的電源に結合された倍電圧回路と、
前記倍電圧回路に結合されたパルス生成器回路と、
前記パルス生成器回路に結合されたインダクタ放電回路と、
を備える、項目13に記載の電子デバイス。
(項目15)
前記倍電圧回路は、
第1および第2のスイッチドキャパシタを備えるスイッチドキャパシタ段であって、入力電圧を受け取り、前記入力電圧の2倍の大きさを有する出力電圧を出力する前記スイッチドキャパシタ段と、
クロック段と、
を備え、
前記クロック段は、パルス列を受信し、反対の位相のクロックパルスを生成し、
前記反対の位相のクロックパルスは、前記第1および第2のキャパシタを、前記入力電圧の2倍に等しい電圧に交互に充電させる、項目14に記載の電子デバイス。
(項目16)
電子デバイスであって、
制御デバイスと、
前記制御デバイスに結合され、コンダクタンスを変更するように構成されたドライバ回路と、
前記制御デバイスに結合された部分的電源であって、
前記部分的電源は、導電性流体と接触している結果として前記制御デバイスおよび前記ドライバ回路に電位差を提供するように構成され、
前記部分的電源は、
前記制御デバイスに電気的に結合された第1の材料と、
前記制御デバイスに電気的に結合され、前記第1の材料から電気的に絶縁された第2の材料と、
を備える、前記部分的電源と、
前記ドライバ回路に結合されたインダクタと、
を備え、
前記ドライバ回路は、前記インダクタを流れる電流を発生するように構成され、
前記インダクタを流れる前記電流の大きさは、受信機によって遠隔検出可能な符号化信号を生成するように変更され、
前記インダクタは、半導体集積回路の別々の絶縁下部構造上に形成された少なくとも2つの誘導性素子を備える、電子デバイス。
(項目17)
前記少なくとも2つの誘導性素子は、前記別々の絶縁下部構造間に形成された表面領域を介して結合される、項目16に記載の電子デバイス。
(項目18)
前記電子デバイスは、さらに、
前記部分的電源に結合された倍電圧回路と、
前記倍電圧回路に結合されたパルス生成器回路と、
前記パルス生成器回路に結合されたインダクタ放電回路と、
を備える、項目16に記載の電子デバイス。
(項目19)
前記倍電圧回路は、
第1および第2のスイッチドキャパシタを備えるスイッチドキャパシタ段であって、入力電圧を受け取り、前記入力電圧の2倍の大きさを有する出力電圧を出力する前記スイッチドキャパシタ段と、
クロック段と、
を備え、
前記クロック段は、パルス列を受信し、反対の位相のクロックパルスを生成し、
前記反対の位相のクロックパルスは、前記第1および第2のキャパシタを、前記入力電圧の2倍に等しい電圧に交互に充電させる、項目18に記載の電子デバイス。
(項目20)
電子デバイスであって、
制御デバイスと、
前記制御デバイスに結合され、コンダクタンスを変更するように構成されたドライバ回路と、
前記制御デバイスに結合された部分的電源であって、
前記部分的電源は、導電性流体と接触している結果として前記制御デバイスおよび前記ドライバ回路に電位差を提供するように構成され、
前記部分的電源は、
前記制御デバイスに電気的に結合された第1の材料と、
前記制御デバイスに電気的に結合され、前記第1の材料から電気的に絶縁された第2の材料と、
を備える、前記部分的電源と、
前記ドライバ回路に結合されたインダクタであって、
前記ドライバ回路は、前記インダクタを流れる電流を発生するように構成され、
前記インダクタを流れる前記電流の大きさは、受信機によって遠隔検出可能な符号化信号を生成するように変更される、前記インダクタと、
前記部分的電源に結合された倍電圧回路と、
前記倍電圧回路に結合されたパルス生成器回路と、
前記パルス生成器回路に結合されたインダクタ放電回路と、を備える、電子デバイス。
(項目21)
前記倍電圧回路は、
第1および第2のスイッチドキャパシタを備えるスイッチドキャパシタ段であって、入力電圧を受け取り、前記入力電圧の2倍の大きさを有する出力電圧を出力する前記スイッチドキャパシタ段と、
クロック段と、
を備え、
前記クロック段は、パルス列を受信し、反対の位相のクロックパルスを生成し、
前記反対の位相のクロックパルスは、前記第1および第2のキャパシタを、前記入力電圧の2倍に等しい電圧に交互に充電させる、項目20に記載の電子デバイス。
(項目22)
前記パルス生成器回路は、
遅延していないトリガ回路と、
遅延したトリガ回路と、
インダクタ・トリガ回路と、
前記遅延したトリガ回路の入力において遅延時定数τを設定する抵抗器R及びキャパシタCを備えるRCタイミング回路と、
前記遅延していないトリガ回路の出力に結合されたインバータと、
前記インバータの出力に結合された第1の入力と、前記遅延したトリガ回路の出力に結合された第2の入力と、インダクタ・トリガ回路に結合された出力と、を有する論理ゲートと、
前記遅延していないトリガ回路の前記入力に結合され、前記RCタイミング回路に結合された第1の発振器と、
前記インダクタ・トリガ回路に結合された第5の発振器と、
を備える、項目20に記載の電子デバイス。
(項目23)
前記インダクタ放電回路は、
キャパシタ充電回路と、
結合回路と、
前記インダクタを充電および放電するための充電回路および放電回路と、
を備える、項目20に記載の電子デバイス。
(項目24)
前記インダクタは、半導体集積回路の別々の絶縁下部構造上に形成された少なくとも2つの誘導性素子を備える、項目20に記載の電子デバイス。
制御デバイスと、制御デバイスに結合されたドライバ回路とを有する電子デバイスが提供される。ドライバ回路はコンダクタンスを変えるように構成される。部分的電源が制御デバイスに結合され、部分的電源が導電性流体と接触している結果として制御デバイスおよびドライバ回路に電位差を提供するように構成される。部分的電源は、制御デバイスに電気的に結合された第1の材料と、制御デバイスに電気的に結合され、第1の材料から電気的に絶縁された第2の材料とを含む。インダクタがドライバ回路に結合される。ドライバ回路は、インダクタを流れる電流を発生するように構成される。インダクタを流れる発生された電流の大きさは、受信機によって遠隔検出可能な符号化信号を生成するように変更される。受信および復号するための受信機も開示される。