特許第6552172号(P6552172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552172
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】汚染物供給装置及び汚染物分別装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/16 20060101AFI20190722BHJP
   G21F 9/30 20060101ALI20190722BHJP
   B65G 15/46 20060101ALI20190722BHJP
   B01J 4/00 20060101ALN20190722BHJP
【FI】
   B65G47/16
   G21F9/30 Z
   B65G15/46
   !B01J4/00 105B
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-187075(P2014-187075)
(22)【出願日】2014年9月12日
(65)【公開番号】特開2016-60553(P2016-60553A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】591119624
【氏名又は名称】株式会社御池鐵工所
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100138896
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 淳
(72)【発明者】
【氏名】小林 由和
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀匡
(72)【発明者】
【氏名】河井 健治
(72)【発明者】
【氏名】鍬本 光央
(72)【発明者】
【氏名】上條 宏明
【審査官】 松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−180636(JP,A)
【文献】 特開2013−104743(JP,A)
【文献】 実開昭62−181191(JP,U)
【文献】 特開平05−155414(JP,A)
【文献】 特開昭55−101410(JP,A)
【文献】 特開昭53−036875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00−47/20
B65G 65/30−65/48
B65G 13/00−13/12,39/00−39/20
B65G 15/30−15/58
B01J 4/00−7/02
G21F 9/00−9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質、重金属又は有害化学物質で汚染された汚染物が投入され、投入された汚染物を貯留すると共に、底面に形成された底面開口と、この底面開口に連なって汚染物の排出方向の正面に形成された正面開口とを含む排出口を有する貯留部と、
搬送面の両側に汚染物の脱落を防止する脱落防止手段を有し、上記搬送面に、中央の尖った部分が搬送方向の後側であり、中央から両側に傾斜して延びた両端部分が搬送方向の前側となるように配置された「く」字形状の溝又は突起を有し、この搬送面が上記貯留部の排出口の底面開口に対向して配置され、上記貯留部の排出口から排出された汚染物を搬送するコンベヤと、
上記貯留部の排出口の正面開口に、上記コンベヤの搬送面に対して所定の間隔をおいて配置され、上記コンベヤの搬送面の幅方向に延びる回転軸回りに回転駆動される排出ローラと、
上記貯留部の外側に配置され、外周面に、中央の尖った部分が回転方向の前側であり、中央から両側に傾斜して延びた両端部分が回転方向の後側となるように配置され、コンベヤの搬送面に近い側において、この搬送面上の汚染物に接触するときに、この搬送面の上記突起又は溝の「く」字形状と反対方向を向くように形成された「く」字形状の溝又は突起を有し、上記コンベヤの搬送面に対して上記排出ローラよりも小さい間隔をおいて配置され、上記搬送面上の汚染物を所定の厚みに敷き均す均しローラと
を備えることを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の汚染物供給装置において、
上記コンベヤは、無端のコンベヤベルトと、コンベヤベルトの幅方向の両側に立設された脱落防止手段としての可撓性の壁体を有することを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の汚染物供給装置において、
上記コンベヤの脱落防止手段は、上記均しローラで押圧されたとき、この均しローラに密着した状態で変形するように形成されていることを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の汚染物供給装置において、
上記コンベヤの脱落防止手段は、エラストマーで形成されて蛇腹状の形状を成すことを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の汚染物供給装置において、
上記排出ローラは、回転軸方向視において、径方向に対して傾斜する複数のブレードを有することを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の汚染物供給装置において、
上記排出ローラは、外周面に千鳥状に配置された突起を有することを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の汚染物供給装置において、
上記均しローラは、上記ベルトコンベヤの搬送速度以上の周速度で駆動されることを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項8】
請求項7に記載の汚染物供給装置において、
上記均しローラは、上記ベルトコンベヤのコンベヤベルトの搬送速度の1倍以上4倍以下の周速度で駆動されることを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の汚染物供給装置において、
上記貯留部の内側に、汚染物を撹拌する撹拌羽根を有することを特徴とする汚染物供給装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の汚染物供給装置と、
上記コンベヤの搬送面上に上記均しローラで均された汚染物の汚染量を検出する汚染量検出部と、
上記汚染量検出部で検出された汚染量に応じて、上記コンベヤで搬送された汚染物を振り分ける振分部と
を備えることを特徴とする汚染物分別装置。
【請求項11】
請求項10に記載の汚染物分別装置において、
上記振分部は、
上記コンベヤで搬送された汚染物が投入される入口と、この入口の下方に形成された出口とを有し、上記入口から出口に向かうにつれて縮径すると共に、中心軸が鉛直方向に対して傾斜して配置された筒状体と、
上記筒状体を鉛直軸回りに回転駆動する駆動部と
を有することを特徴とする汚染物分別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば放射性物質や重金属等の汚染物質で汚染された汚染物を、測定や処理等の後工程に供給する汚染物供給装置と、これを用いた汚染物分別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所等の原子力設備で発生した事故等に起因して、放射性物質が漏洩して拡散すると、周辺の環境が放射性物質で汚染される。放射性物質により汚染された汚染地域では、生活空間の放射線量を低減するために、除染作業が行われる。除染作業によって回収された土壌及び瓦礫は、容器に収容され、所定の保管場所に保管される。また、汚染地域では、ゴミ焼却灰、農畜産物及び下水汚泥等の廃棄物が、除染作業の回収物と同様に、容器に収容され、所定の保管場所に保管される。これらの回収物及び廃棄物のような放射能汚染物は、放射能濃度に応じて、異なる保管方法で保管される。例えば、放射能濃度が基準値よりも低い放射能汚染物は、樹脂製バッグに収容され、所定のヤードに載置され、樹脂製シートで覆われて保管される。一方、放射能濃度が基準値よりも高い放射能汚染物は、金属製容器に収容され、地中に建設されたコンクリート製の倉庫に保管される。このような放射能濃度に応じた処理を行うために、収集された放射能汚染物の放射能濃度を測定し、測定した放射能濃度に応じて放射能汚染物を分別する分別作業が行われる。
【0003】
従来、放射能濃度に応じて汚染物を分別する装置として、採石場から供給される骨材や、震災現場から回収された瓦礫を受け入れて貯蔵するホッパと、このホッパ内の骨材等を下流側のプラントに供給する供給コンベヤと、供給コンベヤで搬送する骨材等の放射線量を検出する放射線検出器と、この放射線検出器で検出された骨材の放射線量が所定レベル以上であった場合に、搬送中の骨材の流路を変更させて非汚染骨材と選別して除去する流路切換ダンパーを備えた放射能汚染骨材の選別・除去システムが提案されている。
【0004】
このシステムは、ホッパの骨材等を切り出して供給コンベヤへ受け渡す切出コンベヤを備える。この切出コンベヤは、平坦な帯状の無端ベルトの表面に搬送面が形成され、ホッパの下部に設けられた開口に搬送面が臨むように配置されて、ホッパの開口から落下した骨材等が、搬送面に不規則に積み重なった状態で切り出される。この切出コンベヤの下方に、平坦な帯状の無端ベルトの表面に搬送面が形成された上記供給コンベヤが配置されており、この供給コンベヤの搬送面に、切出コンベヤの骨材等が落下して受け渡される。
【0005】
上記供給コンベヤには、放射線検出器で適切に放射線量を検出するために、搬送面上の骨材等を所定の層厚に調整するスクレーパが設けられている。スクレーパは、供給コンベヤの搬送面の幅方向に延在し、この搬送面と所定間隔をおいて固定された断面L字状の型材で形成されている。このスクレーパで、供給コンベヤの搬送面上の骨材等を敷き均すことにより、骨材等の層厚を調整している。
【0006】
上記流路切換ダンパーは、供給コンベヤの搬送面の側方に配置され、一端に設けられた揺動軸回りに揺動可能な板状のブレードを備える。流路切換ダンパーは、ブレードを揺動させて供給コンベヤの搬送面を横切るように掃くことにより、搬送面上の骨材等をブレードに沿って側方に落下させ、搬送面上に残留する骨材等と選別するように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−20909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のシステムは、ホッパの骨材等を切出コンベヤに切り出すときに、ホッパ内の骨材が開口から切出コンベヤの搬送面に落下するように構成されているので、搬送面上への骨材の供給量が不均一になりやすいと共に、落下のときに、骨材に付着した放射性物質が周囲に飛散しやすいという不都合がある。また、切出コンベヤから供給コンベヤへ骨材を受け渡すときに、骨材が周辺に落下しやすいと共に、骨材に付着した放射性物質が周囲に飛散しやすいという不都合がある。また、骨材の層厚を調整するスクレーパは、敷き均した骨材が供給コンベヤの両側に落下しやすく、放射性物質の拡散を招きやすいという不都合がある。また、流路切換ダンパーは、揺動するブレードで供給コンベヤの搬送面を掃いて骨材を落下させるので、放射性物質の拡散を招きやすいという不都合がある。
【0009】
そこで、本発明の課題は、汚染物質の飛散を防止しながら、汚染物を後工程に供給できる汚染物供給装置と、汚染物質による汚染量に応じて汚染物の分別を行うことができる汚染物分別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の汚染物供給装置は、汚染物が投入され、投入された汚染物を貯留すると共に、底面に形成された底面開口と、この底面開口に連なって汚染物の排出方向の正面に形成された正面開口とを含む排出口を有する貯留部と、
搬送面の両側に汚染物の脱落を防止する脱落防止手段を有し、この搬送面が上記貯留部の排出口の底面開口に対向して配置され、上記貯留部の排出口から排出された汚染物を搬送するコンベヤと、
上記貯留部の排出口の正面開口に、上記コンベヤの搬送面に対して所定の間隔をおいて配置され、上記コンベヤの搬送面の幅方向に延びる回転軸回りに回転駆動される排出ローラと、
上記貯留部の外側に配置され、上記コンベヤの搬送面に対して上記排出ローラよりも小さい間隔をおいて配置され、上記搬送面上の汚染物を所定の厚みに敷き均す均しローラと
を備えることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、例えば放射性物質や重金属等の汚染物質で汚染された汚染物が、貯留部に投入されて貯留される。貯留部に貯留された汚染物は、排出口の底面開口に対向するコンベヤの搬送面の搬送動作と、排出口の正面開口に配置された排出ローラの回転動作により、コンベヤの搬送面上に安定して排出される。したがって、汚染物が貯留部からコンベヤへ切り出されるときに汚染物質が飛散する不都合を、効果的に防止できる。コンベヤの搬送面上に排出された汚染物は、脱落防止手段によって脱落が防止された状態で搬送される。したがって、搬送中に汚染物がコンベヤから落下して飛散する不都合を、防止できる。コンベヤの搬送面上の汚染物は、搬送面に対して排出ローラよりも小さい間隔をおいて配置された均しローラにより、排出時よりも薄い所定の厚みに均される。このように、貯留部から汚染物を排出するときと、コンベヤで搬送するときに、汚染物の飛散を防止できるので、汚染物による周辺環境の汚染を防止しながら、汚染物を、例えば測定、処理及び運搬等の後工程に供給することができる。
【0012】
一実施形態の汚染物供給装置は、上記コンベヤは、無端のコンベヤベルトと、コンベヤベルトの幅方向の両側に立設された脱落防止手段としての可撓性の壁体を有する。
【0013】
上記実施形態によれば、コンベヤベルトから汚染物が後工程へ受け渡される際に、可撓性の壁体がコンベヤベルトと共に屈曲するので、汚染物を受け渡すときに汚染物がコンベヤベルトの両側へ漏れる不都合を防止できる。したがって、汚染物の受け渡しにおける汚染物質の拡散を、効果的に防止できる。
【0014】
一実施形態の汚染物供給装置は、上記コンベヤの脱落防止手段は、上記均しローラで押圧されたとき、この均しローラに密着した状態で変形するように形成されている。
【0015】
上記実施形態によれば、コンベヤの搬送面に載置された汚染物が均しローラで均されるとき、コンベヤに設けられた脱落防止手段が均しローラで押圧され、この均しローラに密着した状態で変形する。したがって、汚染物が所定の厚みに均されるときに、脱落防止手段の外側へ汚染物が漏出する不都合を効果的に防止できる。ここで、脱落防止手段は、均しローラ本体の周面、側面、又は、均しローラ本体に連結された駆動軸のいずれの部分に押圧されて変形してもよい。
【0016】
一実施形態の汚染物供給装置は、上記コンベヤの脱落防止手段は、エラストマーで形成されて蛇腹状の形状を成している。
【0017】
上記実施形態によれば、脱落防止手段は、エラストマーで形成されるので、搬送面と共に屈曲可能でありながら、汚染物を保持するのに十分な強度で立設することができる。したがって、搬送面が屈曲しても、この搬送面上に載置されて搬送される汚染物の脱落を効果的に防止できる。ここで、上記脱落防止手段は、平面視においてジグザグ状に蛇行する壁体であるのが好ましい。
【0018】
一実施形態の汚染物供給装置は、上記排出ローラは、回転軸方向視において、径方向に対して傾斜する複数のブレードを有する。
【0019】
上記実施形態によれば、排出ローラが回転駆動され、径方向に対して傾斜する複数のブレードが回動することにより、貯留部に貯留された汚染物を、コンベヤの搬送面上に効果的に排出することができる。
【0020】
一実施形態の汚染物供給装置は、上記排出ローラは、外周面に千鳥状に配置された突起を有する。
【0021】
上記実施形態によれば、排出ローラが回転駆動され、外周面に千鳥状に配置された突起が回動することにより、貯留部に貯留された汚染物を、コンベヤの搬送面上に効果的に排出することができる。
【0022】
一実施形態の汚染物供給装置は、上記均しローラは、外周面にへリングボーン状の溝又は突起を有する。
【0023】
上記実施形態によれば、均しローラが回転駆動され、外周面のへリングボーン状の溝又は突起により、コンベヤの搬送面上の汚染物が効果的に均すことができる。
【0024】
一実施形態の汚染物供給装置は、上記コンベヤの搬送面に、へリングボーン状の溝又は突起を有する。
【0025】
上記実施形態によれば、コンベヤの搬送面のへリングボーン状の溝又は突起により、この搬送面上の汚染物が保持されるので、均しローラによる汚染物の均し効果を高めることができる。
【0026】
一実施形態の汚染物供給装置は、上記貯留部の内側に、汚染物を撹拌する撹拌羽根を有する。
【0027】
上記実施形態によれば、貯留部の内側の汚染物が撹拌羽根で撹拌され、貯留部内に汚染物が均一に貯留されるので、排出口から排出される汚染物の量を安定にできる。
【0028】
本発明の汚染物分別装置は、上記汚染物供給装置と、上記コンベヤの搬送面上に上記均しローラで均された汚染物の汚染量を検出する汚染量検出部と、
上記汚染量検出部で検出された汚染量に応じて、上記コンベヤで搬送された汚染物を振り分ける振分部と
を備える。
【0029】
上記構成によれば、汚染物供給装置のコンベヤにより搬送され、均しローラにより均された所定の厚みの汚染物の汚染量が、汚染量検出部により検出される。汚染量検出部で検出された汚染量に応じて、汚染物が振分部で振り分けられる。したがって、汚染物質の拡散を防止しながら、汚染物を汚染量に応じて選別することができる。
【0030】
一実施形態の汚染物分別装置は、上記振分部は、
上記コンベヤで搬送された汚染物が投入される入口と、この入口の下方に形成された出口とを有し、上記入口から出口に向かうにつれて縮径すると共に、中心軸が鉛直方向に対して傾斜して配置された筒状体と、
上記筒状体を鉛直軸回りに回転駆動する駆動部と
を有する。
【0031】
上記実施形態によれば、入口から出口に向かうにつれて縮径すると共に中心軸が鉛直方向に対して傾斜して配置された筒状体が、駆動部で鉛直軸回りに回転駆動されることにより、出口が鉛直軸回りに回動して、所定の角度位置に振り分けられる。したがって、汚染物を、異なる角度位置に排出して振り分けることができる。また、汚染物が、筒状体を通って振り分けられるので、汚染物の飛散が効果的に防止され、汚染物質の拡散を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施形態の汚染物分別装置を示す断面図である。
図2】汚染物分別装置の平面図である。
図3】ベルトコンベヤの平面図である。
図4】ベルトコンベヤの断面図である。
図5】ベルトコンベヤ、排出ローラ及び均しローラを示す平面図である。
図6A】振分装置を示す平面図である。
図6B】振分装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施形態の汚染物分別装置を示す平面図であり、図2は、汚染物分別装置の平面図である。この汚染物分別装置1は、原子力発電所の事故により発生した放射能汚染に対処するため、除染作業によって回収された回収物を処理するものである。回収物は、土壌、瓦礫、落ち葉及び雑草等を含み、放射性物質の付着量により、放射能濃度が不均一に分布している。この回収物の放射能濃度を測定し、放射能濃度に応じて回収物を分別するために、汚染物分別装置1が用いられる。
【0035】
この汚染物分別装置1は、図1及び2に示すように、放射能汚染物としての回収物が投入されて貯留する貯留部2と、貯留部2に貯留された回収物を搬送するコンベヤとしてのベルトコンベヤ3と、ベルトコンベヤ3の搬送面上に回収物を排出する排出ローラ4と、ベルトコンベヤ3上の回収物を敷き均す均しローラ5と、ベルトコンベヤ3上の回収物の放射能濃度を測定する汚染量検出部としての放射線測定器6と、ベルトコンベヤ3から排出された回収物を振り分ける振分部としての振分装置7を備える。上記貯留部2と、ベルトコンベヤ3と、排出ローラ4と、均しローラ5とで、汚染物供給装置を構成している。以下、ベルトコンベヤ3の搬送方向において、貯留部2の側を後側とし、振分装置7の側を前側とする。
【0036】
貯留部2は、上端に開口を有する略直方体の本体容器10を有し、この本体容器10の開口から、矢印Tで示すように回収物が投入される。貯留部2の下端には、ベルトコンベヤ3の搬送面に対向する底面開口11が設けられており、本体容器10の下端部は、上記底面開口11に向かうにつれて幅が狭まるホッパ状に形成されている。底面開口11は、平面視において、ベルトコンベヤ3の搬送方向に沿って延在する長方形に形成されている。貯留部2の正面の下部には、ベルトコンベヤ3の搬送面から上方に向かって開口し、上記底面開口11に連なる正面開口12が形成されている。貯留部2の内部には、平面視において、前方に向かって互いの幅方向の離隔距離が狭まるように配置された2つのガイド板13,13が配置されている。このガイド板13,13により、本体容器10内の回収物が、ベルトコンベヤ3の搬送面上に適切な幅で排出するように形成されている。なお、ガイド板13のほか、本体容器10内の回収物をベルトコンベヤ3の搬送面上に適切な幅で排出するガイド手段として、例えば箱状や筒状のガイド部材を設けてもよい。
【0037】
図3は、ベルトコンベヤ3の端部を示す平面図であり、図4は、ベルトコンベヤ3の端部における断面図である。ベルトコンベヤ3は、汚染物分別装置1の前端部と後端部に配置されたプーリ15,15と、これらのプーリ15,15に巻回された無端のコンベヤベルト16と、コンベヤベルト16の搬送面と反対側の内側面を支持する支持ローラ17,17を有する。コンベヤベルト16の搬送面には、幅方向の両側に、脱落防止手段としての蛇腹壁18,18が立設されている。蛇腹壁18は、コンベヤベルト16の表面と略直角をなす板状体を、平面視においてジグザグ状をなすように屈曲して固定されている。コンベヤベルト16の搬送面の上記蛇腹壁18,18の間には、複数のへリングボーン状の突起19が、搬送方向に所定間隔をおいて配置されている。突起19は、平面視において、コンベヤベルト16の幅方向の中央が尖った「く」字状に形成されている。この突起19は、中央の尖った部分がコンベヤベルト16の搬送方向の後側であり、中央から両側に傾斜して延びた両端部分がコンベヤベルト16の搬送方向の前側となるように配置されている。上記コンベヤベルト16と蛇腹壁18と突起19は、いずれもゴムで形成されている。なお、コンベヤベルト16、蛇腹壁18及び突起19は、天然ゴム及び合成ゴムのいずれにより形成されてもよく、種々の材質のエラストマーを用いて形成できる。ベルトコンベヤ3は、前側のプーリ15が駆動装置31で駆動され、コンベヤベルト16の搬送面が貯留部2から振分装置7に向かって移動する。駆動装置31は、モータ及び減速機を有し、図示しない制御装置によって動作が制御される。ベルトコンベヤ3のコンベヤベルト16は、10m/分以上40m/分以下の速度で駆動するのが好ましい。特に好ましくは、12m/分以上30m/分以下である。
【0038】
図5は、ベルトコンベヤ3と、排出ローラ4及び均しローラ5との位置関係を示す平面図である。排出ローラ4は、貯留部2内の回収物をベルトコンベヤ3の搬送面に排出するものであり、貯留部2の正面開口12の上部に配置されている。排出ローラ4は、大略円筒形状を有し、排出促進手段として、外周部に固定された複数のブレード21,21,・・・を有する。ブレード21は、回転軸と平行の板状体で形成され、回転軸の周りに等角度をおいて配置されている。ブレード21は、回転軸方向視において、径方向に対して傾斜して配置されている。排出ローラ4は、ベルトコンベヤ3の搬送面の上方に、この搬送面に対して所定の間隔を置くように、正面開口12の上部に配置されている。排出ローラ4は、モータ及び減速機を有する駆動装置41により、図1に示すように、ベルトコンベヤ3の搬送方向に対する左側から視た側面視において、矢印R1で示す時計回りに回転駆動される。これにより、ベルトコンベヤ3の搬送面に近い側において、排出ローラ4の周面が前方に進むように駆動される。駆動装置41は、図示しない制御装置によって動作が制御される。排出ローラ4の回転速度は、ベルトコンベヤ3の搬送速度よりも大きい周速度となるように設定されている。排出ローラ4のブレード21は、回転軸方向視において、外径側が排出ローラ4の回転方向を向くように傾斜している。なお、排出ローラ4は、排出促進手段として、ブレード21以外に、円筒状のローラ本体の外周面に千鳥状に配置された突起を有してもよい。突起としては、アングル状の部材を、直角を成して対向した2つの内面が回動方向に向くように、ローラ本体の外周面に立設したものを採用することができる。また、突起として、回転方向に対して傾斜して立設された板状体を採用してもよい。排出ローラ4は、ベルトコンベヤ3のコンベヤベルト16の5倍以上10倍以下の周速度で駆動するのが好ましく、特に100m/分以上200m/分以下の速度で駆動するのが好ましい。更に好ましくは、120m/分以上160m/分以下である。
【0039】
均しローラ5は、排出ローラ4に対してベルトコンベヤ3による搬送方向の下流側に配置されている。均しローラ5は、放射線測定器6による測定を適切に行うために、ベルトコンベヤ3で搬送される搬送面上の回収物の厚みを調整するものである。均しローラ5は、ベルトコンベヤ3の搬送面に対して、排出ローラ4よりも小さい所定の間隔をなすように配置されている。貯留部2から排出されたベルトコンベヤ3の搬送面上の回収物を均しローラ5で均して、放射線測定器6の測定能力に応じた厚みにすることにより、放射線測定器6で放射能濃度を適切に測定するように形成されている。均しローラ5は、モータ及び減速機を有する駆動装置51により、図1に示すように、ベルトコンベヤ3の搬送方向に対して左側から視た側面視において、矢印R2で示す時計回りに回転駆動される。これにより、ベルトコンベヤ3の搬送面に近い側において、均しローラ5の周面が前方に進むように駆動される。駆動装置51は、図示しない制御装置によって動作が制御される。均しローラ5の回転速度は、ベルトコンベヤ3の搬送速度よりも大きい周速度となるように設定されている。
【0040】
均しローラ5は、図5に示すように、円筒状のローラ本体の周面に、複数のへリングボーン状の溝20が、周方向に所定間隔をおいて形成されている。この溝20は、均しローラ5の軸方向の中央が尖った「く」字状に形成されている。この溝20は、中央の尖った部分が均しローラ5の回転方向の前側であり、中央から両側に傾斜して延びた両端部分が均しローラ5の回転方向の後側となるように配置されている。これにより、ベルトコンベヤ3の搬送面に近い側において、この搬送面上の回収物に接触するときに、溝20の「く」字形状が、搬送面の突起19の「く」字形状と反対方向を向くように形成されている。このように、「く」字形状の溝20が「く」字形状の突起19と反対を向いて駆動されることにより、搬送面上の回収物を、ベルトコンベヤ3の幅方向に速やかに移動させて均すことが可能になっている。均しローラ5は、ベルトコンベヤ3のコンベヤベルト16の1倍以上4倍以下の周速度で駆動するのが好ましく、特に20m/分以上60m/分以下の速度で駆動するのが好ましい。更に好ましくは、30m/分以上50m/分以下である。
【0041】
均しローラ5は、ベルトコンベヤ3のコンベヤベルト16の搬送面上に、蛇腹壁18の上端を押圧する高さに配置されている。すなわち、均しローラ5の下端部とベルトコンベヤ3のコンベヤベルト16の搬送面との間の距離が、蛇腹壁18の高さよりも小さく形成されている。これにより、均しローラ5が回収物を均す際に、蛇腹壁18の上端を押圧し、可撓性を有する蛇腹壁18は、均しローラ5に密着した状態で変形する。したがって、均しローラ5で回収物を所定の厚みに均すときに、蛇腹壁18の外側へ回収物が漏出する不都合を効果的に防止できる。
【0042】
放射線測定器6は、ベルトコンベヤ3で搬送される回収物の汚染量として、放射能濃度を測定するものである。放射線測定器6としては、シンチレーション式測定器や、電離箱式測定器や、GM(ガイガー・ミュラー)式測定器等を用いることができる。放射線測定器6は、ベルトコンベヤ3の均しローラ5の下流側、かつ、ベルトコンベヤ3の搬送面の上方に配置されている。
【0043】
振分装置7は、放射線測定器6で測定された回収物の放射能濃度に応じて、回収物を、高濃度汚染物と低濃度汚染物との2つに仕分けるものである。図6Aは、振分装置7の平面図であり、図6Bは、振分装置7の側面図である。図6Bに示すように、振分装置7は、上端から下端に向かって縮径する管状のシュート23を有する。シュート23は、大径の上端開口23aに投入された回収物を、図1の矢印Wで示すように小径の下端開口23bから下方に排出する。シュート23は、中心軸が鉛直方向に対して傾斜した円錐台形形状を有し、上端開口23aの中心を通って鉛直方向に延在する回転軸25回りに回転駆動される。回転軸25には、径方向に延びるアーム26が固定されており、このアーム26の先端に、圧縮空気で作動するエアシリンダ27が連結されている。シュート23が回転軸25回りに回転駆動されるに伴い、回転軸25に対して偏心した下端開口23bが、図2の矢印Pで示すように、回転軸25を中心とする円弧状の軌跡を描いて回動する。この円弧状の軌跡上の2箇所に、高濃度汚染物の排出位置と、低濃度汚染物の排出位置とが設定されている。この振分装置7は、図示しない制御装置により、放射線測定器6の測定値に応じてエアシリンダ27の動作が制御される。放射線測定器6の測定値が所定の基準値よりも小さいとき、制御装置は、エアシリンダ27のピストンロッド位置を、下端開口23bが低濃度汚染物の排出位置となるように制御する。一方、放射線測定器6の測定値が所定の基準値よりも大きいとき、制御装置は、エアシリンダ27のピストンロッド位置を、下端開口23bが高濃度汚染物の排出位置となるように制御する。
【0044】
上記構成の汚染物分別装置1は、以下のように作動する。
【0045】
まず、除染作業によって回収された回収物が、貯留部2の上端の開口から投入される。回収物の投入は、ベルトコンベヤ等の機械設備で投入されてもよく、ショベルローダ等の車両で投入されてもよい。貯留部2に所定量の回収物が投入されると、制御装置により駆動装置31が起動し、ベルトコンベヤ3の動作が開始され、コンベヤベルト16の搬送面が貯留部2から振分装置7へ向かって移動を開始する。これと共に、制御装置により駆動装置41,51が起動し、排出ローラ4及び均しローラ5の動作が開始され、排出ローラ4が矢印R1で示すように回転駆動されると共に、均しローラ5が矢印R2で示すように回転駆動される。ベルトコンベヤ3の搬送面が前方に向かって移動すると共に、排出ローラ4のベルトコンベヤ3側の部分が前方に向かって回動することにより、ベルトコンベヤ3の搬送面上に、所定量の回収物が安定して載置されて排出される。ここで、回収物は、ベルトコンベヤ3のコンベヤベルト16の蛇腹壁18,18の間に、ガイド板13,13によって蛇腹壁18,18の配置間隔よりも狭い幅に排出される。このように、貯留部2の回収物が、排出ローラ4とベルトコンベヤ3の動作により、底面開口11と正面開口12から排出され、ベルトコンベヤ3の蛇腹壁18,18の間に載置されるので、回収物が落下や飛散する不都合が防止され、回収物に含まれる放射性物質が拡散する不都合が効果的に防止される。
【0046】
ベルトコンベヤ3の載置面上に載置されて貯留部2から排出された回収物は、ベルトコンベヤ3で前方に搬送され、ローラ5の設置位置に至る。ベルトコンベヤ3上の回収物は、回転する均しローラ5によって均され、排出ローラ4で排出されたときよりも厚みが低減されて、放射線測定器6による測定に適した厚みとなる。ここで、回収物を支持するベルトコンベヤ3の載置面に設けられた突起19と、均しローラ5の周面に形成された溝20との作用により、回収物が載置面上に効果的に広がり、適切な厚みに均される。また、ベルトコンベヤ3の載置面の両側には、蛇腹壁18,18が立設されているので、均しローラ5で均されて広がった回収物は、載置面上の蛇腹壁18,18の間に保持され、ベルトコンベヤ3から落下する不都合が効果的に防止される。更に、均しローラ5で回収物を均す際に、蛇腹壁18,18の上部が均しローラ5と密着した状態で変形するので、蛇腹壁18,18の内側の回収物が両側に漏出する不都合が効果的に防止される。したがって、回収物に含まれる放射性物質が拡散する不都合が効果的に防止される。
【0047】
均しローラ5で均されて厚みが低減した回収物は、ベルトコンベヤ3で前方に搬送され、放射線測定器6の設置位置に至る。ベルトコンベヤ3上の回収物は、放射線測定器6によって放射能濃度が測定され、測定された放射能濃度の値が振分装置7の制御装置に出力される。
【0048】
振分装置7の制御装置は、放射線測定器6による放射能濃度の測定値が入力されると、放射能濃度と、予め設定された基準値とを比較する。制御装置は、放射能濃度が基準値よりも低いと判断すると、エアシリンダ27を駆動し、シュート23の下端開口23bを低濃度汚染物の排出位置に配置する。一方、制御装置は、放射能濃度が基準値よりも高いと判断すると、エアシリンダ27を駆動し、シュート23の下端開口23bを高濃度汚染物の排出位置に配置する。エアシリンダ27の駆動は、放射線測定器6の測定位置からベルトコンベヤ3の終端位置までの距離と、ベルトコンベヤ3の搬送速度とに基づいて、回収物の測定部分がベルトコンベヤ3の終端から排出されるタイミングで実行される。これにより、回収物の放射線測定器6で測定された測定部分が、シュート23に投入されるタイミングでシュート23が駆動されるので、回収物の測定部分が、正確に低濃度汚染物と高濃度汚染物とに分別される。このシュート23は、回収物を管状体の内部に導いた状態で、エアシリンダ27で駆動され、下端開口23bが低濃度汚染物の排出位置と高濃度汚染物の排出位置との間で振り分けられる。したがって、回収物が周辺に落下又は飛散する不都合を防止でき、放射性物質が周辺に飛散する不都合を効果的に防止できる。シュート23の振分動作により低濃度汚染物と高濃度汚染物とに分別された回収物は、放射能濃度に応じた処理や運搬等が行われる。
【0049】
このように、本実施形態の汚染物分別装置1によれば、放射性物質を含む回収物を、落下や飛散を防止しながら分別することができる。したがって、回収物の分別作業を、周辺への放射性物質の拡散を防止しながら実行することができる。
【0050】
上記実施形態において、貯留部2には、回収物を撹拌する撹拌羽根を設けるのが好ましい。撹拌羽根は、モータによって回転駆動される回転軸と、回転軸の周りに設けられた板状又は螺旋状の羽根を有する。この撹拌羽根は、回転軸が、ベルトコンベヤ3の搬送方向及び幅方向のうちのいずれか一方又は両方に延在するように配置する。貯留部2の内側に、撹拌羽根を設けることにより、貯留部2内の回収物を均一に貯留できるので、ベルトコンベヤ3上に回収物を均一に排出することができる。
【0051】
また、上記実施形態において、排出ローラ4は、図1において矢印R1に示す時計回りに回転駆動し、ベルトコンベヤ3の搬送面に近い周面部分を前方向に駆動したが、図1において反時計回りに回転駆動し、ベルトコンベヤ3の搬送面に近い周面部分を後ろ方向に駆動してもよい。この場合、ブレード21は、先端が回転方向を向くように、径方向に関して図1と反対側に傾斜させるのが好ましい。
【0052】
また、上記実施形態において、均しローラ5は、図1において矢印R2に示す時計回りに回転駆動し、ベルトコンベヤ3の搬送面に近い周面部分を前方向に駆動したが、図1において反時計回りに回転駆動し、ベルトコンベヤ3の搬送面に近い周面部分を後ろ方向に駆動してもよい。この場合、「く」字形状の溝20は、中央の尖った部分の先端が回転方向を向くように、図5において回転軸に関して反対向きに形成するのが好ましい。
【0053】
また、上記実施形態において、振分装置7は、シュート23を、高濃度汚染物の排出位置と、低濃度汚染物の排出位置との2箇所に振り分けたが、3箇所以上に振り分けてもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、コンベヤとして、無端のコンベヤベルト16を有するベルトコンベヤ3を用いたが、脱落防止手段を有するコンベヤであれば、チェーンコンベヤ等の他のコンベヤでもよい。
【0055】
また、上記実施形態の汚染物分別装置1は、放射性物質の拡散を防止するために、密閉室に収容するのが好ましい。
【0056】
また、上記実施形態では、貯留部2と、ベルトコンベヤ3と、排出ローラ4と、均しローラ5とで構成された汚染物供給装置に、放射線測定器6と振分装置7を組み合わせて汚染物分別装置1を構成したが、汚染物供給装置は、放射線測定器6と振分装置7による分別以外の他の後工程に汚染物質を供給してもよい。例えば、重量の測定や、粒度の測定や、水分量の測定等の測定工程に汚染物質を供給してもよい。また、放射性物質の除去処理や、加熱処理や、密閉処理等の処理工程に汚染物質を供給してもよい。また、車両や搬送装置等による運搬工程に汚染物質を供給してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、放射性物質で汚染された汚染物の取り扱について説明したが、放射性物質以外に、例えばカドミウム等の重金属や、ダイオキシン等の有害化学物質で汚染された汚染物についても、本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0058】
1 汚染物分別装置
2 貯留部
3 ベルトコンベヤ
4 排出ローラ
5 均しローラ
6 放射線測定器
7 振分装置
10 貯留部の本体容器
11 貯留部の底面開口
12 貯留部の正面開口
13 貯留部のガイド板
15 ベルトコンベヤのプーリ
16 ベルトコンベヤのコンベヤベルト
17 ベルトコンベヤの支持ローラ
18 ベルトコンベヤの蛇腹壁
19 ベルトコンベヤの突起
20 均しローラ5の溝
21 排出ローラ4のブレード
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B