(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6552188
(24)【登録日】2019年7月12日
(45)【発行日】2019年7月31日
(54)【発明の名称】複合管及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
F16L 9/14 20060101AFI20190722BHJP
F16L 55/16 20060101ALI20190722BHJP
F16L 9/08 20060101ALI20190722BHJP
B32B 1/08 20060101ALI20190722BHJP
【FI】
F16L9/14
F16L55/16
F16L9/08
B32B1/08 A
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-244527(P2014-244527)
(22)【出願日】2014年12月2日
(65)【公開番号】特開2016-109155(P2016-109155A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】392008884
【氏名又は名称】芦森エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082027
【弁理士】
【氏名又は名称】竹安 英雄
(72)【発明者】
【氏名】八木 伊三郎
(72)【発明者】
【氏名】▲柄▼崎 和孝
(72)【発明者】
【氏名】塩唐松 善行
(72)【発明者】
【氏名】平子 健志朗
【審査官】
渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−227375(JP,A)
【文献】
特開平06−155596(JP,A)
【文献】
特公昭48−035941(JP,B1)
【文献】
特開昭54−050579(JP,A)
【文献】
特開2007−146495(JP,A)
【文献】
特開2012−127381(JP,A)
【文献】
特開昭56−090178(JP,A)
【文献】
特開2013−160268(JP,A)
【文献】
特開2012−136908(JP,A)
【文献】
実開昭52−128657(JP,U)
【文献】
特開平08−174703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 9/14
B32B 1/08
F16L 9/08
F16L 55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質熱可塑性プラスチックよりなる第一の管体(6)の内側に、繊維を筒状に織成してなる第一の筒状織物(7)を一体に形成してなる第一の筒状体(5)の内部に、硬質熱可塑性プラスチックよりなる第二の管体(9)の外側に、繊維を筒状に織成してなる第二の筒状織物(10)を一体に形成してなる、前記第一の筒状体(5)より小径の第二の筒状体(8)を挿通し、前記第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)との間にモルタル(12)を充填してなることを特徴とする、複合管
【請求項2】
前記第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)との間に、スペーサーを介在せしめたことを特徴とする、請求項1に記載の複合管
【請求項3】
前記スペーサーが、前記第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)との間に介挿され、そのいずれか一方に接着されたチップ(11)であることを特徴とする、請求項2に記載の複合管
【請求項4】
前記スペーサーが、前記第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)との間に介挿された、筒状金網(20)であることを特徴とする、請求項2に記載の複合管
【請求項5】
前記第一の筒状織物(7)及び第二の筒状織物(10)を構成する糸条が、10000dtex以上であることを特徴とする、請求項1に記載の複合管
【請求項6】
前記第一の筒状織物(7)及び第二の筒状織物(10)が、毛羽立ちを有する繊維よりなることを特徴とする、請求項1又は請求項5に記載の複合管
【請求項7】
複合管(3)を、既設の管路(1)内に設置してなることを特徴とする、請求項1に記載の複合管
【請求項8】
複合管(3)を、地表面(4)上に設置してなることを特徴とする、請求項1に記載の複合管
【請求項9】
硬質熱可塑性プラスチックよりなる第一の管体(6)の内側に、繊維を筒状に織成してなる第一の筒状織物(7)を一体に形成してなる第一の筒状体(5)内に、加熱加圧流体を送入して前記硬質熱可塑性プラスチックを軟化させて断面円形に膨らませ、当該第一の筒状体(5)を冷却して前記硬質熱可塑性プラスチックを剛直化せしめる工程と、当該第一の筒状体(5)内に硬質熱可塑性プラスチックよりなる第二の管体(9)の外側に、繊維を筒状に織成してなる第二の筒状織物(10)を一体に形成してなる、前記第一の筒状体(5)よりも小径の第二の筒状体(8)を挿通し、当該第二の筒状体(8)内に加熱加圧流体を送入して前記硬質熱可塑性プラスチックを軟化させて断面円形に膨らませ、当該第二の筒状体(8)を冷却して前記硬質熱可塑性プラスチックを剛直化せしめる工程と、前記第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)との両端間に妻型枠(18)を形成し、当該第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)との間の間隔にモルタル(12)を充填して硬化することを特徴とする、複合管の製造方法
【請求項10】
前記第二の筒状体(8)の外面にチップ(11)を接着し、当該第二の筒状体(8)を前記第一の筒状体(5)内に挿通して加熱加圧流体で断面円形に膨らませると共に、前記チップ(11)を第一の筒状体(5)の内面に当接せしめ、前記第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)との間に前記間隔を形成することを特徴とする、請求項9に記載の複合管の製造方法
【請求項11】
前記第一の筒状体(5)を形成して硬質熱可塑性プラスチックを剛直化せしめたのち、当該第一の筒状体(5)内に筒状金網(20)を挿通し、さらに当該筒状金網(20)内に前記第二の筒状体(8)を挿通して加熱加圧流体を送入して断面円形に膨らませ、当該第二の筒状体(8)の外面を前記筒状金網(20)の内面に当接せしめ、その硬質熱可塑性プラスチックを剛直化せしめ、前記第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)との間に前記筒状金網(20)により前記間隔を形成することを特徴とする、請求項9に記載の複合管の製造方法
【請求項12】
前記第一の筒状体(5)を既設の管路(1)内に挿通し、当該第一の筒状体(5)内に加熱加圧流体を送入して断面円形に膨らませると共に、前記既設の管路(1)の内面に圧接せしめ、当該既設の管路(1)内において前記第一の筒状体(5)内に第二の筒状体(8)を挿通し、当該第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)の間隔にモルタル(12)を充填することを特徴とする、請求項9に記載の複合管の製造方法
【請求項13】
地表面(4)上において前記第一の筒状体(5)を設置して地表面(4)の凹凸に沿わせ、当該第一の筒状体(5)内に第二の筒状体(8)を挿通し、当該第一の筒状体(5)と第二の筒状体(8)の間隔にモルタル(12)を充填することを特徴とする、請求項9に記載の複合管の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複合管及びその製造方法に関するものであって、特に管路の補修材としての複合管又は、地上において災害時などに臨時に構成して排水などを通すための複合管及び、その製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、本発明を管路の補修材として使用する場合を示すものであって、管路1がマンホール2,2間に設置されており、その管路1が老朽化して漏水などを起こす場合などにおいて、その管路1内にその損傷部を補修するための補修材として、本発明の複合管3を設置した状態を示す。
【0003】
従来この種の管路を補修する場合には、繊維とプラスチックとの複合管を管路内面に設置し、これを硬化させるものであったが、本発明はこれにモルタルを複合させ、一体としたものである。
【0004】
また
図2は、災害時などにおいて排水などを通すために、地表において臨時に敷設した管を示すものであって、地表面4の凹凸に沿って本発明の複合管3を敷設した状態を示すものである。
【0005】
従来この種の排水などを通すために地表のおいて臨時に管を設置する場合には、柔軟なホースを敷設してここに排水などを通していたが、これではそのホースの上を作業用の自動車などが通過するとホースが潰れ、水の流通が阻害されていた。そこで本発明ではモルタルで硬化させた剛直な複合管3を地表に設置し、その上を自動車などが乗り越えて通過することを可能ならしめたものである。
【0006】
特開2012−127381号公報(特許文献1)には、管路内に硬化性樹脂液を含浸させた筒状の補修材を、その内外面を反転させながら挿通し、前記硬化性樹脂液を硬化させたのち、管路と補修材との間にモルタルを充填し、このモルタルを硬化させる方法が示されている。
【0007】
しかしながら、この方法では硬化性樹脂液を硬化させたのちにモルタルを充填して硬化させるので、モルタルを充填するときには硬化性樹脂液はすでに硬化しており、硬化性樹脂液の表面が滑らかになっているため、当該硬化した硬化性樹脂液とモルタルとの接着性が無く、両者が剥がれ易い。
【0008】
またモルタルを使用した複合管の製造方法として、特開昭55−77529号公報(特許文献2)に示されるように、熱可塑性樹脂と繊維とからなる帯状体を管状に巻回し、その外側にモルタルを塗布し、さらにその外側に繊維と樹脂とからなる帯状体を巻回して複合管を構成する方法が知られている。
【0009】
しかしながらこの方法は、工場で複合管を製造せざるを得ず、またその複合管自体が剛直であるため長さに制約があり、災害時などにおいてその災害の現場において複合管を製造することができない。また辛うじて製造することができたとしても、災害現場の凹凸に沿って剛直な複合管を敷設することは不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭55−77529号
【特許文献2】特開2012−127381号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、内外面に硬質熱可塑性プラスチックに繊維層を一体化した筒状体を有し、その間にモルタルを充填した複合管であって、筒状体とモルタルとの接着性が良好であって両者が剥がれることがなく、且つ施工現場において前記複合管を製造することができ、長尺の複合管を容易に敷設することができることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
而して本発明の複合管は、硬質熱可塑性プラスチックよりなる第一の管体の内側に、繊維を筒状に織成してなる第一の筒状織物を一体に形成してなる第一の筒状体の内部に、硬質熱可塑性プラスチックよりなる第二の管体の外側に、繊維を筒状に織成してなる第二の筒状織物を一体に形成してなる、前記第一の筒状体より小径の第二の筒状体を挿通し、前記第一の筒状体と第二の筒状体との間にモルタルを充填してなることを特徴とするものである。
【0013】
本発明においては、前記第一の筒状体と第二の筒状体との間に、スペーサーを介在せしめることが好ましい。当該スペーサーとしては、前記第一の筒状体と第二の筒状体との間に介挿され、そのいずれか一方に接着されたチップであることができる。また他のスペーサーとして、前記第一の筒状体と第二の筒状体との間に介挿された、筒状金網を使用することも可能である。
【0014】
本発明の複合管においては、前記第一の筒状織物及び第二の筒状織物を構成する糸条として、10000dtex以上であることが好ましい。また前記第一の筒状織物及び第二の筒状織物が、毛羽立ちを有する繊維よりなることも好ましいことである。
【0015】
本発明の複合管においては、当該複合管を、既設の管路内に設置することにより、前記管路の内張りとすることができる。また前記複合管を、地面上に設置することも可能である。
【0016】
次に本発明の複合管の製造方法は、硬質熱可塑性プラスチックよりなる第一の管体の内側に、繊維を筒状に織成してなる第一の筒状織物を一体に形成してなる第一の筒状体内に、加熱加圧流体を送入して前記硬質熱可塑性プラスチックを軟化させて断面円形に膨らませ、当該第一の筒状体を冷却して前記硬質熱可塑性プラスチックを剛直化せしめる工程と、当該第一の筒状体内に硬質熱可塑性プラスチックよりなる第二の管体の外側に、繊維を筒状に織成してなる第二の筒状織物を一体に形成してなる、前記第一の筒状体よりも小径の第二の筒状体を挿通し、当該第二の筒状体内に加熱加圧流体を送入して前記硬質熱可塑性プラスチックを軟化させて断面円形に膨らませ、当該第二の筒状体を冷却して前記硬質熱可塑性プラスチックを剛直化せしめる工程と、前記第一の筒状体と第二の筒状体との両端間に妻型枠を形成し、当該第一の筒状体と第二の筒状体との間の間隔にモルタルを充填して硬化することを特徴とするものである。
【0017】
本発明においては、前記第二の筒状体の外面にチップを接着し、当該第二の筒状体を前記第一の筒状体内に挿通して加熱加圧流体で断面円形に膨らませると共に、前記チップを第一の筒状体の内面に当接せしめ、前記第一の筒状体と第二の筒状体との間に前記間隔を形成することが好ましい。
【0018】
また本発明においては、前記第一の筒状体を形成して硬質熱可塑性プラスチックを剛直化せしめたのち、当該第一の筒状体内に筒状金網を挿通し、さらに当該筒状金網内に前記第二の筒状体を挿通して加熱加圧流体を送入して断面円形に膨らませ、当該第二の筒状体の外面を前記筒状金網の内面に当接せしめ、その硬質熱可塑性プラスチックを剛直化せしめ、前記第一の筒状体と第二の筒状体との間に前記筒状金網により前記間隔を形成することもできる。
【0019】
本発明の複合管の製造方法において、本発明の複合管を管路の内張りとする場合においては、前記第一の筒状体を既設の管路内に挿通し、当該第一の筒状体内に加熱加圧流体を送入して断面円形に膨らませると共に、前記既設の管路の内面に圧接せしめ、当該既設の管路内において前記第一の筒状体内に第二の筒状体を挿通し、当該第一の筒状体と第二の筒状体の間隔にモルタルを充填することが好ましい。
【0020】
また本発明の複合管の製造方法において、本発明の複合管を地上に設置する場合には、地表面上において前記第一の筒状体を設置して地表面の凹凸に沿わせ、当該第一の筒状体内に第二の筒状体を挿通し、当該第一の筒状体と第二の筒状体の間隔にモルタルを充填することが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の複合管によれば、第一の筒状体の内面と第二の筒状体の外面に繊維の筒状織物が露出しており、当該筒状織物に触れた状態でモルタルが充填され硬化しているので、当該筒状繊維の凹凸にモルタルが食い込むために接着力が極めて高く、容易に剥がれるようなことがない。
【0022】
またモルタルは第一の筒状体と第二の筒状体との間に挟まれているため、座屈することがなく、また第一の筒状体及び第二の筒状体における硬質熱可塑性プラスチックも、筒状織物で被覆されているため、変形しにくいものとなっている。
【0023】
特に前記筒状織物を構成する糸条として、10000dtex以上の糸条を使用することにより、当該糸条により大きな凹凸が生じ、そこにモルタルが食い込むために接着力が高くなる。また前記筒状織物として毛羽立ちを有する繊維を使用することにより、当該毛羽がモルタルに食い込むために接着量が向上する。
【0024】
また本発明の複合管の製造方法によれば、前記第一及び第二の筒状体が、硬質熱可塑性プラスチックの内面又は外面に筒状織物を一体に形成してなるものであるので、これを加熱することにより硬質熱可塑性プラスチックが軟化し、自由な経路に沿って敷設することができる。
【0025】
従って敷設現場において第一の筒状体を自由な経路に沿って敷設し、さらにその内部に第二の筒状体を敷設し、その両筒状体の間の間隔にモルタルを充填することにより、自由な経路に沿って本発明の複合管を敷設することができるのである。
【0026】
従って本発明の複合管を管路の内部に沿って敷設すれば管路の内張りとすることができる。また災害現場などにおいて地表の凹凸に沿って敷設すれば、臨時の排水管などとして敷設することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の複合管を管路の内張りとして使用した状態の中央縦断面図
【
図2】本発明の複合管を地表面上に設置した状態の中央縦断面図
【
図5】本発明の複合管においてスペーサーとして筒状金網を使用した状態の中央縦断面図
【
図6】本発明の複合管の製造方法を示す中央縦断面図
【
図7】スペーサーとして筒状金網を使用した、本発明の複合管の製造方法を示す中央縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明を図面に基づいて説明する。
図3及び
図4は、本発明の複合管3を示す横断面図及び中央縦断面図であって、
図6は本発明の複合管3を製造する方法の工程を示すものである。
【0029】
図3及び
図4において、5は第一の筒状体であって、硬質熱可塑性プラスチックよりなる第一の管体6の内側に、繊維を筒状に織成してなる第一の筒状織物7を一体に形成してなるものである。
【0030】
当該第一の筒状体5における第一の筒状織物7は、ナイロン又はポリエステルなどの強度の大きい繊維が好ましく、特にたて糸及びよこ糸として、10000dtex以上の糸条を使用するのが好ましい。さらに当該繊維は、巻縮加工糸などの毛羽を有する糸条を使用するのが好ましい。
【0031】
また第一の管体6は、硬質熱可塑性プラスチックよりなるものであって、例えば硬質塩化ビニル樹脂などが使用される。当該第一の管体6は前記第一の筒状織物7の外面に押し出し成型により形成され、第一の筒状織物7の繊維の間に食い込むことにより、強固に接着されている。
【0032】
また第二の筒状体8は前記第一の筒状体5の内部に挿通されており、硬質熱可塑性プラスチックよりなる第二の管体9の外側に、繊維を筒状に織成してなる第二の筒状織物10を一体に形成してなるものである。
【0033】
当該第二の筒状体8における第二の筒状織物10は前記第一の筒状織物7と同様の繊維よりなっており、また第二の管体9は前記第一の管体6と同様のプラスチックよりなっている。
【0034】
そして当該第二の筒状体8は、例えば第二の筒状織物10の外面に第二の管体9を押し出し成型で被覆した後、加熱加圧流体を送入して第二の管体9を軟化させつつ、内外面を反転することにより形成する。
【0035】
また第二の筒状体8を形成する他の方法として、押し出し成型により形成された第二の管体9の外側に第二の筒状織物10を被せ、前記第二の管体9内に加熱加圧流体を送入して、当該第二の管体9を加熱軟化させると共に径を拡開し、当該第二の管体9のプラスチックをその外側の第二の筒状織物10に圧接させて食い込ませることにより、強固に接着させることにより形成することもできる。
【0036】
そして当該第二の筒状体8の外面には、周方向及び長さ方向に所定間隔ごとにスペーサーとしてのチップ11を接着し、前記第一の筒状体5と第二の筒状体8との間隔を全周全長に亙って均一に保持している。当該チップ11の素材は特に限定されるものではなく、例えばポリスチレン発泡体などを使用することができる。また当該チップ11を第一の筒状体5の内面に接着することもできる。
【0037】
そして前記第一の筒状体5と第二の筒状体8との間にはモルタル12が充填され、硬化せしめられている。
【0038】
本発明の複合管3を設置する場所は特に限定されるものではない。地中に埋設された管路1内に形成すれば当該管路1の内張りとなり、管路1の損傷部からの漏水などを防ぐことができる。
【0039】
また本発明の複合管3を地表面4に設置することにより、災害が生じたときなどの一時的な排水管として使用することができ、このとき地表面4に凹凸があってもそれに沿って敷設することができる。
【0040】
次に
図6に基づいて本発明の複合管3の製造方法を説明する。
図6(a)は第一の筒状体5を形成した状態を示すものであって、当該第一の筒状体5は硬質熱可塑性プラスチックよりなる前記第一の管体6の内面に、前記第一の筒状織物7を一体に形成したものである。
【0041】
而して当該第一の筒状体5の両端を蓋体13で封止し、当該蓋体13の一方に流体送入管14を取り付け、他方の蓋体13に流体排出管14´を取り付け、前記流体送入管14から第一の筒状体5内に加熱加圧流体を送入すると共に流体排出管14´から排出し、第一の筒状体5に内圧を掛けて断面円形に膨らませる。
【0042】
次いで流体送入管14からの加熱加圧流体を冷風などの冷却流体に切り替えて、第一の筒状体5を冷却し、前記第一の管体6を構成する硬質熱可塑性プラスチックを冷却し剛直化せしめる。
【0043】
このとき、本発明の複合管3を地中に埋設された管路1の内張りとする場合には、前記第一の筒状体5を既設の管路1内に挿通し、当該第一の筒状体5を断面円形に膨らませると共に、前記既設の管路1の内面に圧接せしめる。
【0044】
また複合管3を地上に設置する場合には、そのまま地表面4上に第一の筒状体5を設置し、当該第一の筒状体5内に加熱加圧流体を送入して膨らませ、当該第一の筒状体5を地表面の凹凸に沿わせる。
【0045】
次いで第一の筒状体5の両端から蓋体13を取り外し、
図6(b)に示すように、第一の筒状体5内に第二の筒状体8を挿通する。第二の筒状体8は硬質熱可塑性プラスチックよりなる第二の管体9の外側に、前記第二の筒状織物10を一体に形成したものであって、その第二の筒状織物10の外面に周方向及び長さ方向に所定間隔ごとにスペーサーとしてのチップ11を接着している。
【0046】
そして当該第二の筒状体8の両端を蓋体15で封止し、当該蓋体15の一方に流体送入管16を取り付け、他方の蓋体15に流体排出管16´を取り付け、前記流体送入管16から第二の筒状体8内に加熱加圧流体を送入すると共に流体排出管16´から排出し、前記第二の筒状体8に内圧を掛けて断面円形に膨らませると共に、前記チップ11を介して第一の筒状体5の内面に圧接せしめる。これにより、第一の筒状体5と第二の筒状体8との間には、チップ11により全長全周に亙って均一な間隔17が形成される。
【0047】
次いで流体送入管16からの加熱加圧流体を冷風などの冷却流体に切り替えて、第二の筒状体8を冷却し、前記第二の管体9を構成する硬質熱可塑性プラスチックを冷却し剛直化せしめる。
【0048】
次いで第二の筒状体8の両端から蓋体15を取り外し、
図6(c)に示すように、前記第一の筒状体5と第二の筒状体8との両端間に妻型枠18を形成し、一方の妻型枠18にモルタル充填管19を取り付け、当該モルタル充填管19から第一の筒状体5と第二の筒状体8との間の間隔17にモルタル12を充填して硬化せしめる。
【0049】
次に
図5及び
図7に基づいて、本発明の他の形態を説明する。
図5において第一の筒状体5は第一の管体6及び第一の筒状織物7よりなり、第二の筒状体8は第二の管体9及び第二の筒状織物10よりなっており、先の例と全く同様である。
【0050】
そして前記第一の筒状体5と第二の筒状体8との間には、スペーサーとしての筒状金網20が介挿されており、第一の筒状体5と第二の筒状体8との間隔を全周全長に亙って一定に保持している。
【0051】
図7は
図5の複合管3を製造する方法を示すものである。
図7(a)は第一の筒状体5を形成した状態を示すものであって、当該第一の筒状体5は先の例と同様に第一の管体6の内面に、前記第一の筒状織物7を一体に形成したものであり、当該第一の筒状体5内に加熱加圧流体を送入し、第一の筒状体5を断面円形に膨らませ、次いで当該第一の筒状体5を冷却し、前記硬質熱可塑性プラスチックを冷却し剛直化せしめる。
【0052】
次いで第一の筒状体5の両端から蓋体13を取り外し、
図7(b)に示すように、第一の筒状体5内に筒状金網20を挿通する。筒状金網20は目が粗く、厚み方向の凹凸がある程度激しいものが好ましい。
【0053】
次いで
図7(c)に示すように、当該筒状金網20内に第二の筒状体8を挿通する。当該第二の筒状体8はこれも先の例と同様に第二の管体9の外面に第二の筒状織物10を形成したものであって、加熱加圧流体を送入して断面円形に膨らませ、その外面を前記筒状金網20の内面に当接せしめる。これにより、第一の筒状体5と第二の筒状体8との間隔17は筒状金網20により全周全長に亙って一定の大きさに保持される。
【0054】
次いで
図7(d)に示すように、第一の筒状体5及び第二の筒状体8の両端間に妻型枠18を形成し、前記第一の筒状体5と第二の筒状体8との間の間隔17にモルタル12を充填して硬化せしめる。
【符号の説明】
【0055】
1 管路
3 複合管
4 地表面
5 第一の筒状体
6 第一の管体
7 第一の筒状織物
8 第二の筒状体
9 第二の管体
10 第二の筒状織物
11 チップ
12 モルタル
17 間隔
18 妻型枠
20 筒状金網